無線通信システム
【課題】無線受信機から等距離に位置する2台の無線送信機が同一の通信チャンネルを用いて同時にデータを連続送信したときに、無線受信機にてどの無線送信機のデータも受信できなくなる事態を防止する。
【解決手段】無線送信機1aの送信出力レベルは、最大レベルHに設定する。無線送信機1bの送信出力レベルは、先頭の送信フレームF1で最大レベルHに設定し、第2〜第3送信フレームで送信出力レベルをLに低下させ、以後2個の送信フレーム毎に交互にレベルH及びLに設定する。無線送信機1bの送信出力レベルがLの送信フレームでは、無線受信機3は無線送信機1aから送信されたデータを受信できる。
【解決手段】無線送信機1aの送信出力レベルは、最大レベルHに設定する。無線送信機1bの送信出力レベルは、先頭の送信フレームF1で最大レベルHに設定し、第2〜第3送信フレームで送信出力レベルをLに低下させ、以後2個の送信フレーム毎に交互にレベルH及びLに設定する。無線送信機1bの送信出力レベルがLの送信フレームでは、無線受信機3は無線送信機1aから送信されたデータを受信できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス漏れセンサや火災センサ等の情報を通報するセキュリティシステムなどに好適な無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火災報知や防犯などの用途で一般家庭やオフィスに設置された各種センサの出力信号を警備センタに自動通報するシステムとして、小電力セキュリティシステムが開発されている。
【0003】
小電力セキュリティシステムは、一般に、警備センタと、電話回線を介して警備センタに接続された無線親機と、特定小電力無線回線を介して無線親機に接続されるとともに、各種センサ(火災センサ、ガス漏れセンサ等)が接続された複数の無線子機とから構成されている。
【0004】
この小電力セキュリティシステムでは、1つの無線親機、及びそれに接続される複数の無線子機の各々に対して、1つの通信チャンネルが予め設定されており、その通信チャンネルを使用して無線子機から無線親機へのデータ送信が行われる。ここで、データ送信の開始時に使用チャンネルが既に使用中か否かを判別する所謂キャリアセンス方式は採用されていない。
【0005】
この小電力セキュリティシステムにおいて、例えば火災が発生すると、火災センサが検知信号を無線子機に送出し、無線子機は火災を報知するための通信データを生成し、特定小電力無線回線を介して、法規制範囲内の最大の送信レベルで無線親機へ送信する。このとき、無線子機は、火災センサが検知信号を送出し続けている間、同じ通信データをフレーム毎に繰り返し送信し続ける。ただし、他の無線子機による通信データの送信を可能とするため、一定の間隔(例:2秒)を空けて一定時間(例:3秒)送信する。つまり、3秒間送信し続けた後に2秒間送信を休止する動作を繰り返す。無線親機は、無線子機からの通信データを受信し、電話回線を介して警備センタへ転送する。これにより、警備センタでは、転送された通信データの内容に基づいて火災等の緊急事態の発生を検知する(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、この小電力セキュリティシステムでは、送信休止期間があるため、警報動作の即応性に欠けるという問題がある。そこで、送信休止期間を設けずに連続的に通信データを送信することにより、警報動作の即応性を高めることが考えられる。
【0007】
ところが、送信休止期間を設けず、連続的に通信データを送信する場合、以下の問題がある。小電力セキュリティシステムでは、無線親機及び複数の無線子機の使用チャンネルが特定の1チャンネルに設定されており、かつキャリアセンス方式が採用されていないため、無線親機からほぼ等距離に位置する複数の無線子機が同時に通信データを送信する場合があり、その場合には、それらの送信電波の無線親機における電界強度が同等となるため、それらの送信電波が干渉することで、無線親機がどの無線子機の通信データも受信できなくなる。
【0008】
【特許文献1】特開2003−224482号公報(段落0002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、それぞれが同一の通信チャンネルを用いてデータを所定時間続けて送信する複数の無線送信機と、それらの無線送信機から送信されたデータを受信する無線受信機とを有する無線通信システムにおいて、無線受信機からほぼ等距離に位置する複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合でも、無線受信機にてどの無線送信機のデータも受信できなくなる事態を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、それぞれが同一の通信チャンネルを用いてデータを所定時間続けて送信する複数の無線送信機と、前記無線送信機から送信されたデータを受信する無線受信機とを有する無線通信システムであって、一の無線送信機は前記データの送信出力レベルを前記所定時間所定のレベルになるように制御する第1の送信レベル制御手段を有し、他の無線送信機は前記データの送信出力レベルを前記所定時間内で一時的に前記所定のレベルより低いレベルになるように制御する第2の送信レベル制御手段を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の無線通信システムにおいて、前記第2の送信レベル制御手段は、前記所定時間内で周期的に送信出力レベルを変化させることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の無線通信システムにおいて、前記第2の送信レベル制御手段は、前記所定時間の先頭にて前記所定のレベルより低いレベルになるように制御することを特徴とする。
【0011】
[作用]
請求項1の発明によれば、複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合、無線受信機は、前記他の無線送信機が送信出力レベルを所定のレベルより低くなるように制御している時間に、一の無線送信機から送信されたデータを受信する。
請求項2の発明によれば、複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合、無線受信機は、一の無線送信機から送信されたデータを前記所定時間内で周期的に受信する。
請求項3の発明によれば、複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合、無線受信機は、一の無線送信機がデータの送信を開始すると直ちに、一の無線送信機から送信されたデータを受信する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、それぞれが同一の通信チャンネルを用いてデータを所定時間続けて送信する複数の無線送信機と、それらの無線送信機から送信されたデータを受信する無線受信機とを有する無線通信システムにおいて、無線受信機からほぼ等距離に位置する複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合でも、無線受信機にてどの無線送信機のデータも受信できなくなる事態を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態の無線通信システムの構成を示す図である。
この無線通信システムは、複数台の無線送信機1a,1b,・・・と、1台の無線受信機3とからなる。
【0014】
無線送信機1a,1b,・・・には、火災センサ、ガス漏れセンサなどのような緊急事態を検知するセンサ2a,2b,・・・が接続されている。無線受信機3は警報表示部4を備えている。また、無線送信機1a,1b,・・・は無線受信機3からほぼ等距離の場所に配置されている。
【0015】
無線送信機1a,1b,・・・と、無線受信機3とは、小電力無線回線により、無線送信機1a,1b,・・・が送信したデータを無線受信機3が受信可能である。ここで、無線送信機1a,1b,・・・、及び無線受信機3は小電力セキュリティシステムの規格に適合したものであって、1つの通信チャンネルが予め設定されており、その通信チャンネルを使用して無線送信機1a,1b,・・・から無線受信機3へのデータ送信を行う。
【0016】
図2は無線送信機1aの構成を示すブロック図である。無線送信機1b等も同様に構成されている。無線送信機1aは、制御部11と、それぞれが制御部11に接続されたI/F(インタフェース)部12、送信部13、操作部14、及び表示部15を備えている。I/F部12にはセンサ2aが接続され、送信部13にはアンテナ16が接続されている。
【0017】
制御部11は、CPU、ROM、RAMなどを有するマイクロコンピュータから構成され、無線送信機1a全体の制御等を行う。制御部11は、送信部13からアンテナ16へ送出する小電力無線電波のレベル(強度)を制御する送信出力レベル制御部11aと、その送信出力レベルの制御に用いる情報を記憶するための送信出力レベル情報記憶部11bとを有する。また、図示されていないが、データの送信に使用する通信チャンネルの番号を記憶するためのチャンネル情報記憶部を有する。
【0018】
操作部14は各種キーやスイッチからなり、ユーザがこの無線送信機1aを操作するときに使用される。表示部15はランプ等からなり、無線送信機1aの動作状態等を表示する。
【0019】
図3は無線受信機3の構成を示すブロック図である。無線受信機3は、制御部31と、それぞれが制御部31に接続された受信部32、操作部33、表示部34、及び警報表示部4を備えている。受信部32にはアンテナ35が接続されている。
【0020】
制御部31は、CPU、ROM、RAMなどを有するマイクロコンピュータから構成され、無線受信機3の全体の制御等を行う。また、図示されていないが、データの受信に使用する通信チャンネルの番号を記憶するためのチャンネル情報記憶部を有する。
【0021】
受信部32は、アンテナ35で受信された小電力無線電波から通信データを分離し、制御部31へ送出する。操作部33は各種キーやスイッチからなり、ユーザがこの無線受信機3を操作するときに使用される。表示部34はLCD等からなり、無線受信機3の動作状態等を表示する。警報表示部4はランプ、スピーカ等からなり、火災警報、ガス漏れ警報等を報知する。表示部34が警報表示部4を兼用するように構成してもよい。
【0022】
以上のように構成された無線通信システムにおいて、無線送信機1a,1b,・・・のどれか一つに接続されているセンサ2a,2b,・・・が火災やガス漏れ等を検知し、検知信号を生成すると、その検知信号はI/F部12を通して制御部11へ送られる。制御部11は、受信した検知信号に基づいて小電力無線の通信データを作成し、送信部13へ出力する。このとき、制御部11内の送信レベル制御部11aは、送信レベル情報記憶部11bに記憶されている送信出力レベル制御情報(詳細は後述)を読み出し、それに基づいて送信部13に対し、送信出力レベル制御信号を出力する。送信部13は、制御部11から受け取った通信データを、制御部11から受け取った送信出力レベル制御信号に対応する送信出力レベルに増幅し、アンテナ16へ送出する。
【0023】
無線受信機3では、無線送信機1a,1b,・・・のどれかから送信された通信データを載せた小電力無線電波がアンテナ35で受信され、受信部32で通信データが分離され、制御部31へ送られる。制御部31は通信データを解析し、その結果を警報表示部4にて報知するための信号を生成し、警報表示部4へ出力する。警報表示部4は、入力された信号に基づいて、火災やガス漏れ等の緊急事態の内容、及びそれを検知したセンサがどの無線送信機に接続されたものであるのかを示すランプの表示や音声の出力を行う。これにより、無線受信機3の周囲にいる人は、緊急事態の種類及びその発生場所を知ることができる。
【0024】
ここで、本実施形態の無線通信システムでは、無線送信機1a,1b,・・・に接続されているセンサ2a,2b,・・・のうち、複数のセンサが同時に検知信号を生成し、複数の無線送信機が同時に通信データを送信した結果、それらの送信電波が干渉することで、無線受信機がどの無線送信機の通信データも受信できなくなることを防止するため、複数の無線送信機1a,1b,・・・の送信出力レベルを以下のように制御している。
【0025】
図4は図1の無線通信システムの無線送信機の総数が2の場合の例であり、無線送信機1a,1bに接続されているセンサ2a,2bが同時に検知信号を生成しているときの送信出力レベル、及び無線受信機3の受信可能/不可能状態の時間的変化を示している。
【0026】
センサ2a,2bが同時に検知信号を生成すると、図4に示すように、無線送信機1a,1bは、それぞれフレーム毎に同じ通信データを生成し、センサ2a,2bが検知信号を生成している間、繰り返し送信する。ここでは、フレーム番号F1〜F8までを図示した。
【0027】
この繰り返し送信動作の間、無線送信機1aの送信部13の送信出力レベルは、法規制範囲内の最大レベルHに設定する。一方、無線送信機1bの送信出力レベルは、先頭の送信フレームF1で最大レベルHに設定し、第2〜第3送信フレームで送信出力レベルをL(例えばHの60%)に低下させ、以後2個の送信フレーム毎に交互にレベルH及びLに設定している。
【0028】
この結果、無線受信機3では、無線送信機1a,1bの双方の送信出力レベルがHの送信フレーム(F1,F4,F5等)では、双方の送信電波が干渉するため、いずれの通信データも受信できないが(図の×)、無線送信機1bの送信出力レベルがLの送信フレーム(F2,F3,F6,F7)では、無線送信機1aからの送信出力レベルの方が高いため、双方の送信電波は干渉せず、無線送信機1aから送信された通信データを受信することができる(図の○)。従って、無線送信機1aに接続されているセンサ2aの検知対象を最も緊急性の高い緊急事態(例:火災)に設定しておけば、その緊急事態を確実に検知することができる。
【0029】
図5は、図4における無線送信機1bの送信フレームのタイミングが1フレーム期間の略半分遅れた場合を示す。この場合、無線受信機3はフレーム番号F3,F7の通信フレームデータを受信することができる。
【0030】
図6は図1の無線通信システムの無線送信機の総数が3の場合の例であり、無線送信機1a,1b,1c(1cは図示せず)に接続されているセンサ2a,2b,2c(2cは図示せず)が同時に検知信号を生成しているときの送信出力レベル、及び無線受信機3の受信可能/不可能状態の時間的変化を示している。
【0031】
センサ2a,2b,2cが同時に検知信号を生成すると、図6に示すように、無線送信機1a,1b,1cは、それぞれフレーム毎に同じ通信データを生成し、センサ2a,2b,2cが検知信号を生成している間、繰り返し送信する。ここでは、フレーム番号F1〜F15までを図示した。
【0032】
この繰り返し送信動作の間、無線送信機1aの送信部13の送信出力レベルは、法規制範囲内の最大レベルHの一定値に設定される。一方、無線送信機1bの送信出力レベルは、先頭の送信フレームF1で最大レベルHに設定し、第2〜第5送信フレームで送信出力レベルをLに低下させ、以後は1個の送信フレームをHに設定した後に4個の送信フレームをLに設定する動作を繰り返す。また、無線送信機1cの送信出力レベルは、先頭の送信フレームF1で最大レベルHに設定し、第2〜第7送信フレームで送信出力レベルをLに低下させ、以後は1個の送信フレームをHに設定した後に6個の送信フレームをLに設定する動作を繰り返す。
【0033】
この結果、無線受信機3では、無線送信機1b又は1cの少なくとも一方の送信出力レベルがHの送信フレーム(F1,F6,F8,F11、F15等)においては、無線送信機1aと1b又は1cの送信電波が干渉し、いずれの通信データも受信できないが(図の×)、無線送信機1b及び1cの送信出力レベルがLの送信フレーム(F2〜F5,F7,F9〜F10、F12〜F14)では、送信電波が干渉しないため、無線送信機1aから送信された通信データを受信できる(図の○)。
【0034】
図7は、図6における無線送信機1b及び1cの送信フレームのタイミングがそれぞれ1フレーム期間の略半分及び3個半遅れた場合を示す。この場合、無線受信機3はフレーム番号F5,F8〜F9、F13〜F15の通信データを受信することができる。
【0035】
図8は、図1の無線通信システムの無線送信機の総数が3の場合であり、無線送信機1a,1b,1cに接続されているセンサ2a,2b,2cが同時に検知信号を生成しているときの送信出力レベル、及び無線受信機3の受信可能/不可能状態の時間的変化の別の例である。
【0036】
この図において、無線送信機1aの送信出力レベルの時間的変化は図6と同じである。一方、無線送信機1b,1cについては、図6の先頭フレームのレベルHを削除するとともに、1フレーム進めたものと言える。つまり、無線送信機1bでは、4フレームをレベルLにした後に次の1フレームをレベルHにする動作を繰り返し、無線送信機1cでは、6フレームをレベルLにした後に次の1フレームをレベルHにする動作をそれぞれの先頭の送信フレームから繰り返す。
【0037】
この結果、無線受信機3では、無線送信機1b及び1cの送信出力レベルがLの送信フレーム(F1〜F4,F6,F8〜F9、F11〜F13)で、無線送信機1aから送信された通信データを受信できる(図の○)。つまり、図6よりも1フレーム期間早いタイミングで受信できることになるから、より早く警報を発することができる。
【0038】
次に、図1の無線通信システムを構成する無線送信機が1a,1b,1cの3台であり、かつ無線送信機1b,1cの送信出力レベルをH、M、Lの3段階に変化させる場合について説明する。ここで、Hは法規制範囲内の最大レベル、M、Lは例えばそれぞれHの80%、60%である。また、図6〜図8では、3台の無線送信機が1a,1b,1cに接続されているセンサ2a,2b,2cが同時に検知信号を生成しているときの動作を示したが、以下の動作例ではセンサ2a,2b,2cのうち検知信号を生成していないセンサがある場合についても説明する。
【0039】
図9に示すように、3台の無線送信機1a,1b,1cのそれぞれがセンサ2a,2b,2cの検知信号に応じてデータ送信を行う組み合わせのパターンは7通りである。この図において、○はデータ送信を行っている状態を示し、×は行っていない状態を示す。
【0040】
この図のパターンP1は3台の無線送信機が1a,1b,1cがデータ送信を行うパターン、P2〜P4は3台のうち2台の無線送信機がデータ送信を行うパターン、P5〜P7は1台の無線送信機のみがデータ送信を行うパターンである。これらのパターンのうち、パターンP5〜P7では電波干渉は起こらないため、無線送信機から送信されたデータは確実に無線受信機3で受信される。従って、以下、パターンP1〜P4の場合について説明する。
【0041】
図10〜図13は、無線送信機が1a,1b,1cそれぞれパターンP1〜P4で動作する場合の無線送信機1a,1b,1cの送信出力レベル、及び無線受信機3の受信可能/不可能状態の時間的変化を示している。
【0042】
このように無線送信機1b,1cのレベルを3段階に変化させると、図13に示されているパターンP4、即ち送信出力レベルが常時Hである無線送信機1aがデータ送信を行わないときに、2段階に変化させた場合と比べて、無線受信機3がデータを受信できるフレーム数が増えることになる。
【0043】
以上のように、本発明の実施形態の通信システムによれば、無線受信機3から等距離に配置されている複数の無線送信機1a,1b等がそれぞれのセンサ2a,2b等の検知信号に基づいて、同時に通信データを連続送信した場合でも、無線受信機3は、そのうち1台の無線送信機から送信された通信データを確実に受信することができるため、警報動作の即応性及び確実性が向上する。
【0044】
なお、以上の説明では、無線受信機3にて警報表示を行っているが、無線受信機3を電話回線で警備センタに接続し、その警備センタにも通報するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態の無線通信システムの構成を示す図である。
【図2】図1の無線送信機の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の無線受信機の構成を示すブロック図である。
【図4】無線送信機の台数が2の場合のそれらの送信出力レベル及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【図5】図4の1台の無線送信機の送信フレームのタイミングが遅れた場合を示す図である。
【図6】無線送信機の台数が3の場合のそれらの送信出力レベル及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化の一例を示す図である。
【図7】図6の2台の無線送信機の送信フレームのタイミングが遅れた場合を示す図である。
【図8】無線送信機の台数が3の場合のそれらの送信出力レベル及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化の別の例を示す図である。
【図9】3台の無線送信機によるデータ送信の有無の組み合わせのパターンを示す図である。
【図10】3台の無線送信機が図9のパターンP1で動作する場合の3台の無線送信機の送信出力レベル、及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【図11】3台の無線送信機が図9のパターンP2で動作する場合の3台の無線送信機の送信出力レベル、及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【図12】3台の無線送信機が図9のパターンP3で動作する場合の3台の無線送信機の送信出力レベル、及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【図13】3台の無線送信機が図9のパターンP4で動作する場合の3台の無線送信機の送信出力レベル、及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1a,1b・・・無線送信機、3・・・無線受信機、4・・・警報表示部、11・・・制御部、13・・・送信部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス漏れセンサや火災センサ等の情報を通報するセキュリティシステムなどに好適な無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火災報知や防犯などの用途で一般家庭やオフィスに設置された各種センサの出力信号を警備センタに自動通報するシステムとして、小電力セキュリティシステムが開発されている。
【0003】
小電力セキュリティシステムは、一般に、警備センタと、電話回線を介して警備センタに接続された無線親機と、特定小電力無線回線を介して無線親機に接続されるとともに、各種センサ(火災センサ、ガス漏れセンサ等)が接続された複数の無線子機とから構成されている。
【0004】
この小電力セキュリティシステムでは、1つの無線親機、及びそれに接続される複数の無線子機の各々に対して、1つの通信チャンネルが予め設定されており、その通信チャンネルを使用して無線子機から無線親機へのデータ送信が行われる。ここで、データ送信の開始時に使用チャンネルが既に使用中か否かを判別する所謂キャリアセンス方式は採用されていない。
【0005】
この小電力セキュリティシステムにおいて、例えば火災が発生すると、火災センサが検知信号を無線子機に送出し、無線子機は火災を報知するための通信データを生成し、特定小電力無線回線を介して、法規制範囲内の最大の送信レベルで無線親機へ送信する。このとき、無線子機は、火災センサが検知信号を送出し続けている間、同じ通信データをフレーム毎に繰り返し送信し続ける。ただし、他の無線子機による通信データの送信を可能とするため、一定の間隔(例:2秒)を空けて一定時間(例:3秒)送信する。つまり、3秒間送信し続けた後に2秒間送信を休止する動作を繰り返す。無線親機は、無線子機からの通信データを受信し、電話回線を介して警備センタへ転送する。これにより、警備センタでは、転送された通信データの内容に基づいて火災等の緊急事態の発生を検知する(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、この小電力セキュリティシステムでは、送信休止期間があるため、警報動作の即応性に欠けるという問題がある。そこで、送信休止期間を設けずに連続的に通信データを送信することにより、警報動作の即応性を高めることが考えられる。
【0007】
ところが、送信休止期間を設けず、連続的に通信データを送信する場合、以下の問題がある。小電力セキュリティシステムでは、無線親機及び複数の無線子機の使用チャンネルが特定の1チャンネルに設定されており、かつキャリアセンス方式が採用されていないため、無線親機からほぼ等距離に位置する複数の無線子機が同時に通信データを送信する場合があり、その場合には、それらの送信電波の無線親機における電界強度が同等となるため、それらの送信電波が干渉することで、無線親機がどの無線子機の通信データも受信できなくなる。
【0008】
【特許文献1】特開2003−224482号公報(段落0002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、それぞれが同一の通信チャンネルを用いてデータを所定時間続けて送信する複数の無線送信機と、それらの無線送信機から送信されたデータを受信する無線受信機とを有する無線通信システムにおいて、無線受信機からほぼ等距離に位置する複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合でも、無線受信機にてどの無線送信機のデータも受信できなくなる事態を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、それぞれが同一の通信チャンネルを用いてデータを所定時間続けて送信する複数の無線送信機と、前記無線送信機から送信されたデータを受信する無線受信機とを有する無線通信システムであって、一の無線送信機は前記データの送信出力レベルを前記所定時間所定のレベルになるように制御する第1の送信レベル制御手段を有し、他の無線送信機は前記データの送信出力レベルを前記所定時間内で一時的に前記所定のレベルより低いレベルになるように制御する第2の送信レベル制御手段を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の無線通信システムにおいて、前記第2の送信レベル制御手段は、前記所定時間内で周期的に送信出力レベルを変化させることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の無線通信システムにおいて、前記第2の送信レベル制御手段は、前記所定時間の先頭にて前記所定のレベルより低いレベルになるように制御することを特徴とする。
【0011】
[作用]
請求項1の発明によれば、複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合、無線受信機は、前記他の無線送信機が送信出力レベルを所定のレベルより低くなるように制御している時間に、一の無線送信機から送信されたデータを受信する。
請求項2の発明によれば、複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合、無線受信機は、一の無線送信機から送信されたデータを前記所定時間内で周期的に受信する。
請求項3の発明によれば、複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合、無線受信機は、一の無線送信機がデータの送信を開始すると直ちに、一の無線送信機から送信されたデータを受信する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、それぞれが同一の通信チャンネルを用いてデータを所定時間続けて送信する複数の無線送信機と、それらの無線送信機から送信されたデータを受信する無線受信機とを有する無線通信システムにおいて、無線受信機からほぼ等距離に位置する複数の無線送信機が同時にデータを送信した場合でも、無線受信機にてどの無線送信機のデータも受信できなくなる事態を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態の無線通信システムの構成を示す図である。
この無線通信システムは、複数台の無線送信機1a,1b,・・・と、1台の無線受信機3とからなる。
【0014】
無線送信機1a,1b,・・・には、火災センサ、ガス漏れセンサなどのような緊急事態を検知するセンサ2a,2b,・・・が接続されている。無線受信機3は警報表示部4を備えている。また、無線送信機1a,1b,・・・は無線受信機3からほぼ等距離の場所に配置されている。
【0015】
無線送信機1a,1b,・・・と、無線受信機3とは、小電力無線回線により、無線送信機1a,1b,・・・が送信したデータを無線受信機3が受信可能である。ここで、無線送信機1a,1b,・・・、及び無線受信機3は小電力セキュリティシステムの規格に適合したものであって、1つの通信チャンネルが予め設定されており、その通信チャンネルを使用して無線送信機1a,1b,・・・から無線受信機3へのデータ送信を行う。
【0016】
図2は無線送信機1aの構成を示すブロック図である。無線送信機1b等も同様に構成されている。無線送信機1aは、制御部11と、それぞれが制御部11に接続されたI/F(インタフェース)部12、送信部13、操作部14、及び表示部15を備えている。I/F部12にはセンサ2aが接続され、送信部13にはアンテナ16が接続されている。
【0017】
制御部11は、CPU、ROM、RAMなどを有するマイクロコンピュータから構成され、無線送信機1a全体の制御等を行う。制御部11は、送信部13からアンテナ16へ送出する小電力無線電波のレベル(強度)を制御する送信出力レベル制御部11aと、その送信出力レベルの制御に用いる情報を記憶するための送信出力レベル情報記憶部11bとを有する。また、図示されていないが、データの送信に使用する通信チャンネルの番号を記憶するためのチャンネル情報記憶部を有する。
【0018】
操作部14は各種キーやスイッチからなり、ユーザがこの無線送信機1aを操作するときに使用される。表示部15はランプ等からなり、無線送信機1aの動作状態等を表示する。
【0019】
図3は無線受信機3の構成を示すブロック図である。無線受信機3は、制御部31と、それぞれが制御部31に接続された受信部32、操作部33、表示部34、及び警報表示部4を備えている。受信部32にはアンテナ35が接続されている。
【0020】
制御部31は、CPU、ROM、RAMなどを有するマイクロコンピュータから構成され、無線受信機3の全体の制御等を行う。また、図示されていないが、データの受信に使用する通信チャンネルの番号を記憶するためのチャンネル情報記憶部を有する。
【0021】
受信部32は、アンテナ35で受信された小電力無線電波から通信データを分離し、制御部31へ送出する。操作部33は各種キーやスイッチからなり、ユーザがこの無線受信機3を操作するときに使用される。表示部34はLCD等からなり、無線受信機3の動作状態等を表示する。警報表示部4はランプ、スピーカ等からなり、火災警報、ガス漏れ警報等を報知する。表示部34が警報表示部4を兼用するように構成してもよい。
【0022】
以上のように構成された無線通信システムにおいて、無線送信機1a,1b,・・・のどれか一つに接続されているセンサ2a,2b,・・・が火災やガス漏れ等を検知し、検知信号を生成すると、その検知信号はI/F部12を通して制御部11へ送られる。制御部11は、受信した検知信号に基づいて小電力無線の通信データを作成し、送信部13へ出力する。このとき、制御部11内の送信レベル制御部11aは、送信レベル情報記憶部11bに記憶されている送信出力レベル制御情報(詳細は後述)を読み出し、それに基づいて送信部13に対し、送信出力レベル制御信号を出力する。送信部13は、制御部11から受け取った通信データを、制御部11から受け取った送信出力レベル制御信号に対応する送信出力レベルに増幅し、アンテナ16へ送出する。
【0023】
無線受信機3では、無線送信機1a,1b,・・・のどれかから送信された通信データを載せた小電力無線電波がアンテナ35で受信され、受信部32で通信データが分離され、制御部31へ送られる。制御部31は通信データを解析し、その結果を警報表示部4にて報知するための信号を生成し、警報表示部4へ出力する。警報表示部4は、入力された信号に基づいて、火災やガス漏れ等の緊急事態の内容、及びそれを検知したセンサがどの無線送信機に接続されたものであるのかを示すランプの表示や音声の出力を行う。これにより、無線受信機3の周囲にいる人は、緊急事態の種類及びその発生場所を知ることができる。
【0024】
ここで、本実施形態の無線通信システムでは、無線送信機1a,1b,・・・に接続されているセンサ2a,2b,・・・のうち、複数のセンサが同時に検知信号を生成し、複数の無線送信機が同時に通信データを送信した結果、それらの送信電波が干渉することで、無線受信機がどの無線送信機の通信データも受信できなくなることを防止するため、複数の無線送信機1a,1b,・・・の送信出力レベルを以下のように制御している。
【0025】
図4は図1の無線通信システムの無線送信機の総数が2の場合の例であり、無線送信機1a,1bに接続されているセンサ2a,2bが同時に検知信号を生成しているときの送信出力レベル、及び無線受信機3の受信可能/不可能状態の時間的変化を示している。
【0026】
センサ2a,2bが同時に検知信号を生成すると、図4に示すように、無線送信機1a,1bは、それぞれフレーム毎に同じ通信データを生成し、センサ2a,2bが検知信号を生成している間、繰り返し送信する。ここでは、フレーム番号F1〜F8までを図示した。
【0027】
この繰り返し送信動作の間、無線送信機1aの送信部13の送信出力レベルは、法規制範囲内の最大レベルHに設定する。一方、無線送信機1bの送信出力レベルは、先頭の送信フレームF1で最大レベルHに設定し、第2〜第3送信フレームで送信出力レベルをL(例えばHの60%)に低下させ、以後2個の送信フレーム毎に交互にレベルH及びLに設定している。
【0028】
この結果、無線受信機3では、無線送信機1a,1bの双方の送信出力レベルがHの送信フレーム(F1,F4,F5等)では、双方の送信電波が干渉するため、いずれの通信データも受信できないが(図の×)、無線送信機1bの送信出力レベルがLの送信フレーム(F2,F3,F6,F7)では、無線送信機1aからの送信出力レベルの方が高いため、双方の送信電波は干渉せず、無線送信機1aから送信された通信データを受信することができる(図の○)。従って、無線送信機1aに接続されているセンサ2aの検知対象を最も緊急性の高い緊急事態(例:火災)に設定しておけば、その緊急事態を確実に検知することができる。
【0029】
図5は、図4における無線送信機1bの送信フレームのタイミングが1フレーム期間の略半分遅れた場合を示す。この場合、無線受信機3はフレーム番号F3,F7の通信フレームデータを受信することができる。
【0030】
図6は図1の無線通信システムの無線送信機の総数が3の場合の例であり、無線送信機1a,1b,1c(1cは図示せず)に接続されているセンサ2a,2b,2c(2cは図示せず)が同時に検知信号を生成しているときの送信出力レベル、及び無線受信機3の受信可能/不可能状態の時間的変化を示している。
【0031】
センサ2a,2b,2cが同時に検知信号を生成すると、図6に示すように、無線送信機1a,1b,1cは、それぞれフレーム毎に同じ通信データを生成し、センサ2a,2b,2cが検知信号を生成している間、繰り返し送信する。ここでは、フレーム番号F1〜F15までを図示した。
【0032】
この繰り返し送信動作の間、無線送信機1aの送信部13の送信出力レベルは、法規制範囲内の最大レベルHの一定値に設定される。一方、無線送信機1bの送信出力レベルは、先頭の送信フレームF1で最大レベルHに設定し、第2〜第5送信フレームで送信出力レベルをLに低下させ、以後は1個の送信フレームをHに設定した後に4個の送信フレームをLに設定する動作を繰り返す。また、無線送信機1cの送信出力レベルは、先頭の送信フレームF1で最大レベルHに設定し、第2〜第7送信フレームで送信出力レベルをLに低下させ、以後は1個の送信フレームをHに設定した後に6個の送信フレームをLに設定する動作を繰り返す。
【0033】
この結果、無線受信機3では、無線送信機1b又は1cの少なくとも一方の送信出力レベルがHの送信フレーム(F1,F6,F8,F11、F15等)においては、無線送信機1aと1b又は1cの送信電波が干渉し、いずれの通信データも受信できないが(図の×)、無線送信機1b及び1cの送信出力レベルがLの送信フレーム(F2〜F5,F7,F9〜F10、F12〜F14)では、送信電波が干渉しないため、無線送信機1aから送信された通信データを受信できる(図の○)。
【0034】
図7は、図6における無線送信機1b及び1cの送信フレームのタイミングがそれぞれ1フレーム期間の略半分及び3個半遅れた場合を示す。この場合、無線受信機3はフレーム番号F5,F8〜F9、F13〜F15の通信データを受信することができる。
【0035】
図8は、図1の無線通信システムの無線送信機の総数が3の場合であり、無線送信機1a,1b,1cに接続されているセンサ2a,2b,2cが同時に検知信号を生成しているときの送信出力レベル、及び無線受信機3の受信可能/不可能状態の時間的変化の別の例である。
【0036】
この図において、無線送信機1aの送信出力レベルの時間的変化は図6と同じである。一方、無線送信機1b,1cについては、図6の先頭フレームのレベルHを削除するとともに、1フレーム進めたものと言える。つまり、無線送信機1bでは、4フレームをレベルLにした後に次の1フレームをレベルHにする動作を繰り返し、無線送信機1cでは、6フレームをレベルLにした後に次の1フレームをレベルHにする動作をそれぞれの先頭の送信フレームから繰り返す。
【0037】
この結果、無線受信機3では、無線送信機1b及び1cの送信出力レベルがLの送信フレーム(F1〜F4,F6,F8〜F9、F11〜F13)で、無線送信機1aから送信された通信データを受信できる(図の○)。つまり、図6よりも1フレーム期間早いタイミングで受信できることになるから、より早く警報を発することができる。
【0038】
次に、図1の無線通信システムを構成する無線送信機が1a,1b,1cの3台であり、かつ無線送信機1b,1cの送信出力レベルをH、M、Lの3段階に変化させる場合について説明する。ここで、Hは法規制範囲内の最大レベル、M、Lは例えばそれぞれHの80%、60%である。また、図6〜図8では、3台の無線送信機が1a,1b,1cに接続されているセンサ2a,2b,2cが同時に検知信号を生成しているときの動作を示したが、以下の動作例ではセンサ2a,2b,2cのうち検知信号を生成していないセンサがある場合についても説明する。
【0039】
図9に示すように、3台の無線送信機1a,1b,1cのそれぞれがセンサ2a,2b,2cの検知信号に応じてデータ送信を行う組み合わせのパターンは7通りである。この図において、○はデータ送信を行っている状態を示し、×は行っていない状態を示す。
【0040】
この図のパターンP1は3台の無線送信機が1a,1b,1cがデータ送信を行うパターン、P2〜P4は3台のうち2台の無線送信機がデータ送信を行うパターン、P5〜P7は1台の無線送信機のみがデータ送信を行うパターンである。これらのパターンのうち、パターンP5〜P7では電波干渉は起こらないため、無線送信機から送信されたデータは確実に無線受信機3で受信される。従って、以下、パターンP1〜P4の場合について説明する。
【0041】
図10〜図13は、無線送信機が1a,1b,1cそれぞれパターンP1〜P4で動作する場合の無線送信機1a,1b,1cの送信出力レベル、及び無線受信機3の受信可能/不可能状態の時間的変化を示している。
【0042】
このように無線送信機1b,1cのレベルを3段階に変化させると、図13に示されているパターンP4、即ち送信出力レベルが常時Hである無線送信機1aがデータ送信を行わないときに、2段階に変化させた場合と比べて、無線受信機3がデータを受信できるフレーム数が増えることになる。
【0043】
以上のように、本発明の実施形態の通信システムによれば、無線受信機3から等距離に配置されている複数の無線送信機1a,1b等がそれぞれのセンサ2a,2b等の検知信号に基づいて、同時に通信データを連続送信した場合でも、無線受信機3は、そのうち1台の無線送信機から送信された通信データを確実に受信することができるため、警報動作の即応性及び確実性が向上する。
【0044】
なお、以上の説明では、無線受信機3にて警報表示を行っているが、無線受信機3を電話回線で警備センタに接続し、その警備センタにも通報するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態の無線通信システムの構成を示す図である。
【図2】図1の無線送信機の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の無線受信機の構成を示すブロック図である。
【図4】無線送信機の台数が2の場合のそれらの送信出力レベル及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【図5】図4の1台の無線送信機の送信フレームのタイミングが遅れた場合を示す図である。
【図6】無線送信機の台数が3の場合のそれらの送信出力レベル及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化の一例を示す図である。
【図7】図6の2台の無線送信機の送信フレームのタイミングが遅れた場合を示す図である。
【図8】無線送信機の台数が3の場合のそれらの送信出力レベル及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化の別の例を示す図である。
【図9】3台の無線送信機によるデータ送信の有無の組み合わせのパターンを示す図である。
【図10】3台の無線送信機が図9のパターンP1で動作する場合の3台の無線送信機の送信出力レベル、及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【図11】3台の無線送信機が図9のパターンP2で動作する場合の3台の無線送信機の送信出力レベル、及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【図12】3台の無線送信機が図9のパターンP3で動作する場合の3台の無線送信機の送信出力レベル、及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【図13】3台の無線送信機が図9のパターンP4で動作する場合の3台の無線送信機の送信出力レベル、及び無線受信機の受信可能/不可能状態の時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1a,1b・・・無線送信機、3・・・無線受信機、4・・・警報表示部、11・・・制御部、13・・・送信部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが同一の通信チャンネルを用いてデータを所定時間続けて送信する複数の無線送信機と、前記無線送信機から送信されたデータを受信する無線受信機とを有する無線通信システムであって、
一の無線送信機は前記データの送信出力レベルを前記所定時間所定のレベルになるように制御する第1の送信レベル制御手段を有し、他の無線送信機は前記データの送信出力レベルを前記所定時間内で一時的に前記所定のレベルより低いレベルになるように制御する第2の送信レベル制御手段を有することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の送信レベル制御手段は、前記所定時間内で周期的に送信出力レベルを変化させることを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の送信レベル制御手段は、前記所定時間の先頭にて前記所定のレベルより低いレベルになるように制御することを特徴とする無線通信システム。
【請求項1】
それぞれが同一の通信チャンネルを用いてデータを所定時間続けて送信する複数の無線送信機と、前記無線送信機から送信されたデータを受信する無線受信機とを有する無線通信システムであって、
一の無線送信機は前記データの送信出力レベルを前記所定時間所定のレベルになるように制御する第1の送信レベル制御手段を有し、他の無線送信機は前記データの送信出力レベルを前記所定時間内で一時的に前記所定のレベルより低いレベルになるように制御する第2の送信レベル制御手段を有することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の送信レベル制御手段は、前記所定時間内で周期的に送信出力レベルを変化させることを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の送信レベル制御手段は、前記所定時間の先頭にて前記所定のレベルより低いレベルになるように制御することを特徴とする無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−77000(P2009−77000A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241772(P2007−241772)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】
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