説明

無線通信装置、制御方法、及びプログラム

【課題】煩雑な操作を行うこと無しに装置間のデータ転送を可能とし、外部装置との意図しないデータの転送を防止可能とした無線通信装置、制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】送り手側の近接無線通信装置12は、システム制御部201、操作スイッチ207を備える。システム制御部201は、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11が通信可能な距離に近接された場合、操作スイッチ207が押下されたか否かを判定する。操作スイッチ207が押下されていない場合、システム制御部201は、受け手側の近接無線通信装置11がデータの転送を許可する装置として登録されていることを認証した後に受け手側の近接無線通信装置11にデータを転送する。操作スイッチ207が押下された場合、システム制御部201は、認証を行わずに受け手側の近接無線通信装置11にデータを転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の通信可能範囲内で近接無線通信を行う無線通信装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高周波電流が流れる導体により発生する誘導電界などを用いて、数cm〜数十cmの通信可能範囲内で通信を行う近接無線通信を利用した無線システムの開発が進展している。近接無線通信は、高速なデータ転送速度を有すると共に至近距離専用で他の無線システムへの影響を与えにくいという特徴を備えている。近接無線通信は、機器同士の間でケーブル接続を不要としたデータ通信に適している。
【0003】
例えば、アンテナを内蔵したカードを通信目的機器に近接させた場合に、カードに記憶されている情報を無線により通信目的機器に送信する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、現在では、アンテナを内蔵したカードだけではなく、携帯電話機などの通信端末を他の機器に近接させた場合に、通信端末と他の機器との間でデータ通信を行う技術も知られている。
【0004】
しかしながら、近接無線通信は、その利便性の反面では、当該機器を他の機器に近接させるだけで通信が行われる性格上、利用者が意図しない状況で当該機器と他の機器との間でデータの転送が行われてしまう場合がある。そこで、予めデータの転送を許可する機器を登録しておくことで、通信が許可された機器(登録された機器)が登録していない機器とのデータの転送を行わないように制限する方法も考えられる。
【特許文献1】特開平07−141537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように予めデータの転送を許可する機器を登録しておく従来方法の場合、データの転送を許可する機器を登録する作業は利用者にとって煩雑であるという問題がある。例えば利用者が所有する機器を用いて初めて会った人が所有する未登録の機器とその場でデータ通信を行おうとする場合、利用者は通信相手となる未登録の機器を登録する操作を行わなければならないため煩雑である。
【0006】
本発明の目的は、煩雑な操作を行うこと無しに装置間のデータ転送を可能とし、外部装置との意図しないデータの転送を防止可能とした無線通信装置、制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明は、外部装置に対して所定の距離に近接された際に外部装置と非接触による通信を行う無線通信装置において、外部装置が前記無線通信装置とのデータの転送を許可される装置として登録されているかを認証する認証手段と、前記無線通信装置に格納されているデータの転送を指示する指示手段と、前記無線通信装置と外部装置とが通信が可能な距離に近接された場合、前記指示手段によりデータの転送が指示されたか否かを判定する判定手段と、前記指示手段によりデータの転送が指示されていないと前記判定手段で判定された場合は、前記外部装置がデータの転送を許可される装置として登録されていることを前記認証手段で認証した後に前記外部装置にデータを転送し、前記指示手段によりデータの転送が指示されたと前記判定手段で判定された場合は、前記認証手段により認証を行わずに前記外部装置にデータを転送する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無線通信装置と外部装置が通信が可能な距離に近接された場合に、データの転送が指示されていない場合は、外部装置を認証した後に外部装置にデータを転送し、データの転送が指示された場合は、認証を行わずに外部装置にデータを転送する。これにより、煩雑な操作を行うこと無しに無線通信装置と外部装置との間のデータ転送が可能となる。更に、操作者はデータの転送を許可する外部装置を登録する煩雑な作業を行わなくとも、外部装置との意図しないデータの転送を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る送り手側の近接無線通信装置と受け手側の近接無線通信装置の構成を示すブロック図である。尚、図1に示す構成は、本発明の認証手段、指示手段、判定手段、制御手段、表示手段を実現するための一例である。
【0011】
図1において、受け手側の近接無線通信装置11(外部装置)は、システム制御部101、近距離通信送受信部102、メモリ103、無線アンテナ104を備えている。送り手側の近接無線通信装置12(無線通信装置)は、システム制御部201(認証手段、判定手段、制御手段)、近距離通信送受信部202、メモリ203、無線アンテナ204、操作スイッチ207(指示手段)を備えている。
【0012】
本実施の形態では、受け手側の近接無線通信装置11と送り手側の近接無線通信装置12の間で近接無線通信を行う際に、双方の装置を接近させる。これにより、受け手側の近接無線通信装置11と送り手側の近接無線通信装置12の間のデータ通信(所定の距離に近接することで非接触による通信)を行うことが可能である。
【0013】
受け手側の近接無線通信装置11において、システム制御部101は、近接無線通信装置11全体の制御を司る。近距離通信送受信部102は、受け手側の近接無線通信装置11と送り手側の近接無線通信装置12の接近による無線アンテナ104と無線アンテナ204の近接に伴い、近接無線通信に必要な電界強度の強度情報を取得し、システム制御部101に出力する。メモリ103は、データを格納する。無線アンテナ104は、送り手側の近接無線通信装置12の無線アンテナ204との間で近接無線通信を行う。
【0014】
送り手側の近接無線通信装置12において、システム制御部201は、近接無線通信装置11全体の制御を司る。また、システム制御部201は、制御プログラムに基づき図2のフローチャートに示す処理を実行する。近距離通信送受信部202は、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11の接近による無線アンテナ204と無線アンテナ104の近接に伴い、近接無線通信に必要な電界強度の強度情報を取得する。
【0015】
メモリ203は、データを格納する。無線アンテナ204は、受け手側の近接無線通信装置11の無線アンテナ104との間で近接無線通信を行う。操作スイッチ207は、近接無線通信装置12に固定されており、操作者が押下している場合のみスイッチ入り状態となる。操作スイッチ207は、送り手側の近接無線通信装置12から受け手側の近接無線通信装置11に対するデータ転送を指示する場合などに押下する。
【0016】
尚、本実施の形態では、受け手側の近接無線通信装置11、送り手側の近接無線通信装置12は、機器群(例えば、携帯端末、デジタルカメラ、携帯電話機など)のうちの何れかの機器に装備されている場合を想定している。受け手側の近接無線通信装置11、送り手側の近接無線通信装置12は、機器に装備されたメモリ(メモリ103、203)に記憶されているデータの転送を行うための無線通信装置として用いられる。本実施の形態及び他の実施の形態では、近接無線通信装置が携帯端末やデジタルカメラなどに装備されている場合でも、便宜上、近接無線通信装置として説明するものとする。
【0017】
次に、本実施の形態の動作について図1及び図2を参照しながら説明する。
【0018】
図2は、送り手側の近接無線通信装置12における受け手側の近接無線通信装置11との間の無線通信処理を示すフローチャートである。尚、受け手側の近接無線通信装置11の無線通信処理についてはフローチャートの図示を省略すると共に説明を簡略化または省略する。
【0019】
図2において、送り手側の近接無線通信装置12のシステム制御部201は、本処理を所定のタイミングで繰り返し開始する(ステップS301)。ここで、本処理を開始する所定のタイミングは、操作者が機器(例えば、携帯端末、デジタルカメラ、携帯電話機など)の動作の遅延を感じさせない時間間隔であればよく、本実施の形態では例えば1秒毎に本処理が開始される。
【0020】
操作者が送り手側の近接無線通信装置12を受け手側の近接無線通信装置11に接近させたことに伴い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104が近接すると、近接無線通信に必要な電界強度が得られる。これにより、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11の間の近接無線通信が可能となる。システム制御部201は、近距離通信送受信部202により得られる電界強度の強度情報を用い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたか否かを判定する(ステップS302)。
【0021】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されず電界強度等が通信条件に満たないと、システム制御部201が判定した場合は、本処理を終了する(ステップS320)。送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたと、システム制御部201が判定した場合は、ステップS303へ移行する。
【0022】
尚、本実施の形態では、ステップS302の判定を、システム制御部201が行う構成を例に挙げているが、システム制御部201とシステム制御部101の何れか一方が行う構成、或いは双方が行う構成のいずれでもよい。
【0023】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接された場合、システム制御部201は、近距離無線通信によるデータの転送を行うための接続処理を行い、データ転送路を確保する(ステップS303)。ここで、データ転送路とは、近距離通信送受信部202、無線アンテナ204、無線アンテナ104、近距離通信送受信部102を通る経路である。データの転送が可能となった時点で、システム制御部201は、操作者が送り手側の近接無線通信装置12に装備されている操作スイッチ207を押下したか(操作スイッチ207がスイッチ入り状態であるか)否かを判定する(ステップS304)。
【0024】
操作スイッチ207が押下されていない場合は、本処理を終了する(ステップS320)。操作スイッチ207が押下された場合(データ転送が指示された場合)は、システム制御部201は、次の制御を行う。システム制御部201は、メモリ203に格納されているデータを上記データ転送路を介して受け手側の近接無線通信装置11のメモリ103へ転送すべく、メモリ203、近距離通信送受信部202を介したデータ転送(送信)制御を行う(ステップS307)。この場合、受け手側の近接無線通信装置11でも、近距離通信送受信部102、メモリ103を介したデータ転送(受信)制御を行う。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態によれば、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11の間でデータを転送する際に、操作者は送り手側装置の操作スイッチ207を押下しながら送り手側装置と受け手側装置を近接させる。これに伴い、送り手側装置のメモリから受け手側装置のメモリにデータが転送されるため、煩雑な操作を行うこと無しにデータ転送が可能となる。更に、操作者はデータの転送を許可する装置を登録する煩雑な作業を行わなくとも、他の装置との意図しないデータの転送を防止することが可能となる。
【0026】
また、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11の間でデータを転送する際は、操作者が送り手側装置の操作スイッチ207を押下しなければデータ転送が実行されないように制限している。これにより、送り手側の知らぬ間に他の装置に送り手側のデータを吸い上げられてしまうことを防止することも可能となる。
【0027】
〔第2の実施の形態〕
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る送り手側の近接無線通信装置と受け手側の近接無線通信装置の構成を示すブロック図である。尚、図3に示す構成は、本発明の認証手段、指示手段、判定手段、制御手段、表示手段、登録手段を実現するための一例である。
【0028】
図3において、受け手側の近接無線通信装置21(外部装置)は、システム制御部101、近距離通信送受信部102、メモリ103、無線アンテナ104、モニタ401、操作スイッチ群402を備えている。送り手側の近接無線通信装置22(無線通信装置)は、システム制御部201(認証手段、判定手段、制御手段)、近距離通信送受信部202、メモリ203、無線アンテナ204、操作スイッチ207(指示手段)を備えている。更に、送り手側の近接無線通信装置22は、レンズ501、撮像素子502、画像信号処理回路503、モニタ504(表示手段)、認証番号メモリ510(登録手段)を備えている。
【0029】
受け手側の近接無線通信装置21は、例えば携帯電話機に装備される複数のキースイッチ(操作スイッチ群402)を含んでおり、携帯電話機の無線通信装置として機能する。送り手側の近接無線通信装置22は、例えばデジタルカメラ(撮像装置)に装備される構成(メモリ203、レンズ501、撮像素子502、画像信号処理回路503、モニタ504)を含んでおり、デジタルカメラの無線通信装置として機能する。尚、図3に示す構成要素のうち図1に示す構成要素と同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。以下では相違点を中心に説明する。
【0030】
受け手側の近接無線通信装置21において、モニタ401は、操作者に対する報知情報(送り手側の近接無線通信装置12から受け手側の近接無線通信装置11へのデータ転送が実行(完了)されたことを報知する情報)等を表示する。操作スイッチ群402は、複数のキー/スイッチから構成されており、数値やデータ等の入力に用いる。モニタ401と操作スイッチ群402は、例えば携帯電話機に装備されている表示部と操作部に相当する。
【0031】
送り手側の近接無線通信装置22において、システム制御部201は、制御プログラムに基づき図4(第2の実施の形態)、図5(第3の実施の形態)、図6(第4の実施の形態)の各フローチャートに示す処理を実行する。レンズ501は、撮像光学系を構成しており、被写体の光学像を撮像素子502に結像させる。撮像素子502は、例えばCCD(電荷結合素子)から構成されており、レンズ501により結像された被写体の光学像を撮像信号に光電変換する。画像信号処理回路503は、撮像素子502から出力される撮像信号より画像データを生成する。
【0032】
モニタ504は、撮像された画像、操作者に対する報知情報(送り手側の近接無線通信装置12から受け手側の近接無線通信装置11へのデータ転送を実行(完了)したか否かを報知する情報)等を表示する。認証番号メモリ510には、認証を行うための認証番号情報(認証情報)が登録されている。認証番号情報は、送り手側の近接無線通信装置22とのデータの転送を許可される装置(機器)を示す情報である。
【0033】
ここで、送り手側の近接無線通信装置22のデジタルカメラとしての動作を簡単に説明する。例えば、操作者が送り手側の近接無線通信装置22に装備されているモード切り換えスイッチ(不図示)により、データを転送するデータ転送モードから撮影を行うデジタルカメラ撮影モードへの切り換え操作を行ったとする。これに伴い、システム制御部201は、モード切り換えスイッチの操作信号をきっかけに近接無線通信装置22をデジタルカメラ撮影モードに移行させる。
【0034】
送り手側の近接無線通信装置22がデジタルカメラ撮影モードに移行すると、レンズ501から入射した被写体の光学像が撮像素子502に結像し、撮像素子502により光電変換された撮像信号が得られる。撮像信号は、画像信号処理回路503により画像データフォーマットに変換され、モニタ504に画像として表示されると共に、操作者による撮影スイッチ(不図示)の操作によりメモリ203に画像データとして格納される。尚、撮影スイッチは操作スイッチ207と兼用することも可能である。
【0035】
次に、本実施の形態の動作について図3及び図4を参照しながら説明する。
【0036】
図4は、送り手側の近接無線通信装置22における受け手側の近接無線通信装置21との間の無線通信処理を示すフローチャートである。尚、受け手側の近接無線通信装置21の無線通信処理についてはフローチャートの図示を省略すると共に説明を簡略化または省略する。図4における図2と同一の処理については同一のステップ番号を付す。
【0037】
図4において、送り手側の近接無線通信装置22のシステム制御部201は、本処理を所定のタイミングで繰り返し開始する(ステップS301)。ここで、本処理を開始する所定のタイミングは、操作者が装置(機器)の動作の遅延を感じさせない時間間隔であればよく、本実施の形態では例えば1秒毎に本処理が開始される。
【0038】
操作者が送り手側の近接無線通信装置22を受け手側の近接無線通信装置21に接近させたことに伴い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104が近接すると、近接無線通信に必要な電界強度が得られる。これにより、送り手側の近接無線通信装置22と受け手側の近接無線通信装置21の間の近接無線通信が可能となる。システム制御部201は、近距離通信送受信部202により得られる電界強度の強度情報を用い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたか否かを判定する(ステップS302)。
【0039】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されず電界強度等が通信条件に満たないと、システム制御部201が判定した場合は、本処理を終了する(ステップS320)。送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたと、システム制御部201が判定した場合は、ステップS303へ移行する。
【0040】
尚、本実施の形態では、ステップS302の判定を、システム制御部201が行う構成を例に挙げているが、システム制御部201とシステム制御部101の何れか一方が行う構成、或いは双方が行う構成のいずれでもよい。
【0041】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接された場合、システム制御部201は、近距離無線通信によるデータの転送を行うための接続処理を行い、データ転送路を確保する(ステップS303)。ここで、データ転送路とは、近距離通信送受信部202、無線アンテナ204、無線アンテナ104、近距離通信送受信部102を通る経路である。データの転送が可能となった時点で、システム制御部201は、操作者が送り手側の近接無線通信装置22に装備されている操作スイッチ207を押下したか(操作スイッチ207がスイッチ入り状態であるか)否かを判定する(ステップS304)。
【0042】
操作スイッチ207が押下された場合は、システム制御部201は、次の制御を行う。システム制御部201は、メモリ203に格納されているデータを上記データ転送路を介して受け手側の近接無線通信装置21のメモリ103へ転送すべく、メモリ203、近距離通信送受信部202を介したデータ転送(送信)制御を行う(ステップS307)。この場合、受け手側の近接無線通信装置21でも、近距離通信送受信部102、メモリ103を介したデータ転送(受信)制御を行う。
【0043】
更に、システム制御部201は、データの転送が完了した旨をモニタ504に表示する(ステップS310)。この場合、受け手側の近接無線通信装置21でも、データの転送が完了した旨をモニタ401に表示する。
【0044】
操作スイッチ207が押下されていない場合は、システム制御部201は、データの通信は行われたがデータの転送が未完であった旨をモニタ504に表示する(ステップS310)。この場合、受け手側の近接無線通信装置21でも、データの通信は行われたがデータの転送が未完であった旨をモニタ401に表示する。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態によれば、送り手側の近接無線通信装置22と受け手側の近接無線通信装置21の間でデータを転送する際に、操作者は送り手側装置の操作スイッチ207を押下しながら送り手側装置と受け手側装置を近接させる。これに伴い、送り手側装置のメモリから受け手側装置のメモリにデータが転送されるため、煩雑な操作を行うこと無しにデータ転送が可能となる。更に、操作者はデータの転送を許可する装置を登録する煩雑な作業を行わなくとも、他の装置との意図しないデータの転送を防止することが可能となる。
【0046】
また、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11の間でデータを転送する際は、データの転送が完了したか(実行されたか)否かを送り手側装置のモニタ504と受け手側装置のモニタ401にそれぞれ表示する。これにより、操作者はデータ転送の完了の有無を確認することが可能となる。
【0047】
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態は、上記第2の実施の形態に対して、下記に示す点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第2の実施の形態(図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0048】
次に、本実施の形態の動作について図3及び図5を参照しながら説明する。
【0049】
図5は、送り手側の近接無線通信装置22における受け手側の近接無線通信装置21との間の無線通信処理を示すフローチャートである。尚、受け手側の近接無線通信装置21の無線通信処理についてはフローチャートの図示を省略すると共に説明を簡略化または省略する。図5における図2と同一の処理については同一のステップ番号を付す。
【0050】
図5において、送り手側の近接無線通信装置12のシステム制御部201は、本処理を所定のタイミングで繰り返し開始する(ステップS301)。ここで、本処理を開始する所定のタイミングは、操作者が装置(機器)の動作の遅延を感じさせない時間間隔であればよく、本実施の形態では例えば1秒毎に本処理が開始される。
【0051】
操作者が送り手側の近接無線通信装置12を受け手側の近接無線通信装置11に接近させたことに伴い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104が近接すると、近接無線通信に必要な電界強度が得られる。これにより、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11の間の近接無線通信が可能となる。システム制御部201は、近距離通信送受信部202により得られる電界強度の強度情報を用い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたか否かを判定する(ステップS302)。
【0052】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されず電界強度等が通信条件に満たないと、システム制御部201が判定した場合は、本処理を終了する(ステップS320)。送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたと、システム制御部201が判定した場合は、ステップS303へ移行する。
【0053】
尚、本実施の形態では、ステップS302の判定を、システム制御部201が行う構成を例に挙げているが、システム制御部201とシステム制御部101の何れか一方が行う構成、或いは双方が行う構成のいずれでもよい。
【0054】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接された場合、システム制御部201は、近距離無線通信によるデータの転送を行うための接続処理を行い、データ転送路を確保する(ステップS303)。ここで、データ転送路とは、近距離通信送受信部202、無線アンテナ204、無線アンテナ104、近距離通信送受信部102を通る経路である。データの転送が可能となった時点で、システム制御部201は、操作者が送り手側の近接無線通信装置12に装備されている操作スイッチ207を押下したか(操作スイッチ207がスイッチ入り状態であるか)否かを判定する(ステップS304)。
【0055】
操作スイッチ207が押下された場合は、システム制御部201は、次の制御を行う。システム制御部201は、メモリ203に格納されているデータを上記データ転送路を介して受け手側の近接無線通信装置11のメモリ103へ転送すべく、メモリ203、近距離通信送受信部202を介したデータ転送(送信)制御を行う(ステップS307)。この場合、受け手側の近接無線通信装置11でも、近距離通信送受信部102、メモリ103を介したデータ転送(受信)制御を行う。
【0056】
操作スイッチ207が押下されていない場合は、システム制御部201は、データの転送を行うための接続可否に関する情報をモニタ504に表示する(ステップS331)。本実施の形態では、「データの転送が実行されていません。データの転送を実行するのであれば10秒以内に操作スイッチを押してください。」を表示する。接続可否に関する情報としては、操作スイッチ207の操作を促す表示であればよい。
【0057】
その後、システム制御部201は、操作スイッチ207が押下されたか否かを判定する(ステップS332)。操作スイッチ207が押下されていない場合は、ステップS307へ移行し、データ転送制御を行う。操作スイッチ207が押下された場合は、システム制御部201は、当該ステップS333の処理を最初に開始してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS333)。当該ステップS333の処理を最初に開始してから経過した時間が例えば10秒以内の場合は、ステップS332へ戻る。当該ステップS333の処理を最初に開始してから経過した時間が10秒を超えた場合は、本処理を終了する(ステップS320)。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によれば、送り手側の近接無線通信装置22と受け手側の近接無線通信装置21の間でデータを転送する際に、操作者は送り手側装置の操作スイッチ207を押下しながら送り手側装置と受け手側装置を近接させる。これに伴い、送り手側装置のメモリから受け手側装置のメモリにデータが転送されるため、煩雑な操作を行うこと無しにデータ転送が可能となる。更に、操作者はデータの転送を許可する装置を登録する煩雑な作業を行わなくとも、他の装置との意図しないデータの転送を防止することが可能となる。
【0059】
また、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11を近接させる際に、操作者が操作スイッチ207を押下していない場合であっても、送り手側装置のモニタに、その旨を示す表示とデータの転送を実行するための操作を促す表示を行う。これにより、データ転送を継続することが可能となる。
【0060】
〔第4の実施の形態〕
本発明の第4の実施の形態は、上記第2の実施の形態に対して、下記に示す点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第2の実施の形態(図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0061】
次に、本実施の形態の動作について図3及び図6を参照しながら説明する。
【0062】
図6は、送り手側の近接無線通信装置22及び受け手側の近接無線通信装置21の無線通信処理を示すフローチャートである。図6における図2と同一の処理については同一のステップ番号を付す。
【0063】
図6において、送り手側の近接無線通信装置12のシステム制御部201は、本処理を所定のタイミングで繰り返し開始する(ステップS301)。ここで、本処理を開始する所定のタイミングは、操作者が装置(機器)の動作の遅延を感じさせない時間間隔であればよく、本実施の形態では例えば1秒毎に本処理が開始される。
【0064】
操作者が送り手側の近接無線通信装置12を受け手側の近接無線通信装置11に接近させたことに伴い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104が近接すると、近接無線通信に必要な電界強度が得られる。これにより、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11の間の近接無線通信が可能となる。システム制御部201は、近距離通信送受信部202により得られる電界強度の強度情報を用い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたか否かを判定する(ステップS302)。
【0065】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されず電界強度等が通信条件に満たないと、システム制御部201が判定した場合は、本処理を終了する(ステップS320)。送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたと、システム制御部201が判定した場合は、ステップS303へ移行する。
【0066】
尚、本実施の形態では、ステップS302の判定を、システム制御部201が行う構成を例に挙げているが、システム制御部201とシステム制御部101の何れか一方が行う構成、或いは双方が行う構成のいずれでもよい。
【0067】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接された場合、システム制御部201は、近距離無線通信によるデータの転送を行うための接続処理を行い、データ転送路を確保する(ステップS303)。ここで、データ転送路とは、近距離通信送受信部202、無線アンテナ204、無線アンテナ104、近距離通信送受信部102を通る経路である。データの転送が可能となった時点で、システム制御部201は、操作者が送り手側の近接無線通信装置12に装備されている操作スイッチ207を押下したか(操作スイッチ207がスイッチ入り状態であるか)否かを判定する(ステップS304)。
【0068】
操作スイッチ207が押下された場合は、システム制御部201は、次の制御を行う。システム制御部201は、メモリ203に格納されているデータを上記データ転送路を介して受け手側の近接無線通信装置11のメモリ103へ転送すべく、メモリ203、近距離通信送受信部202を介したデータ転送(送信)制御を行う(ステップS307)。この場合、受け手側の近接無線通信装置11でも、近距離通信送受信部102、メモリ103を介したデータ転送(受信)制御を行う。
【0069】
操作スイッチ207が押下されていない場合は、システム制御部201は、次の転送を行う。システム制御部201は、データの転送を行うための認証要求信号を、近距離通信送受信部202、102を介した無線通信により受け手側の近接無線通信装置21のシステム制御部101に転送する(ステップS341)。
【0070】
他方、受け手側の近接無線通信装置21のシステム制御部101は、送り手側の近接無線通信装置22から認証要求信号を受信すると、認証が必要である旨をモニタ401に表示する(ステップS342)。本実施の形態では、送り手側の近接無線通信装置22の認証番号メモリ510に予め登録されている認証のための認証番号情報(認証情報)を操作スイッチ群402から入力するよう促す旨の表示を行う。
【0071】
システム制御部101は、認証のための認証番号情報が操作スイッチ群402から入力されたか否かを判定する(ステップS343)。認証番号情報が操作スイッチ群402から入力されていない場合は、システム制御部101は、当該ステップS344の処理を最初に開始してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS344)。当該ステップS344の処理を最初に開始してから経過した時間が例えば10秒以内の場合は、ステップS343へ戻る。当該ステップS344の処理を最初に開始してから経過した時間が10秒を超えた場合は、本処理を終了する(ステップS320)。
【0072】
認証番号情報が操作スイッチ群402から入力された場合は、システム制御部101は、次の転送を行う。システム制御部101は、操作スイッチ群402から入力された認証番号情報(認証データ)を、近距離通信送受信部102、202を介した無線通信により送り手側の近接無線通信装置22のシステム制御部201に転送する(ステップS345)。
【0073】
送り手側の近接無線通信装置22のシステム制御部201は、受け手側の近接無線通信装置21のシステム制御部101から転送された認証番号情報と、認証番号メモリ510に登録されている認証番号情報とを比較する。更に、システム制御部201は、双方の認証番号情報が一致しているか否かを判定する(ステップS346)。
【0074】
即ち、システム制御部201は、双方の認証番号情報が一致するか否かに基づき、受け手側の近接無線通信装置21がデータの転送を許可する装置として予め登録されているかを認証する。双方の認証番号情報が一致している場合は、ステップS307へ移行し、データ転送制御を行う。双方の認証番号情報が一致していない場合は、本処理を終了する(ステップS320)。
【0075】
尚、図6に示した処理では、上記第2の実施の形態と同様に、送り手側の近接無線通信装置22から受け手側の近接無線通信装置21に対するデータの転送が実行(完了)されたか否かを、送り手側装置のモニタ504に表示するようにしてもよい。また、受け手側装置のモニタ401に表示するようにしてもよい。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態によれば、送り手側の近接無線通信装置22と受け手側の近接無線通信装置21の間でデータを転送する際に、操作者は送り手側装置の操作スイッチ207を押下しながら送り手側装置と受け手側装置を近接させる。これに伴い、送り手側装置のメモリから受け手側装置のメモリにデータが転送されるため、煩雑な操作を行うこと無しにデータ転送が可能となる。更に、操作者はデータの転送を許可する装置を登録する煩雑な作業を行わなくとも、他の装置との意図しないデータの転送を防止することが可能となる。
【0077】
また、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11を近接させる際に、操作者が操作スイッチ207を押下していない場合であっても、受け手側装置のモニタに、その旨を示す表示と認証番号情報の入力を促す表示を行う。これに伴い、受け手側装置で入力された認証番号情報が送り手側装置に転送され、送り手側装置に登録されている認証番号情報と転送された認証番号情報が一致した場合にデータ転送制御を行う。これにより、データ転送を継続することが可能となる。
【0078】
〔第5の実施の形態〕
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る送り手側の近接無線通信装置と受け手側の近接無線通信装置の構成を示すブロック図である。尚、図7に示す構成は、本発明の認証手段、指示手段、判定手段、制御手段、登録手段を実現するための一例である。
【0079】
図7において、受け手側の近接無線通信装置21(外部装置)は、システム制御部101、近距離通信送受信部102、メモリ103、無線アンテナ104、モニタ401、認証番号メモリ410を備えている。送り手側の近接無線通信装置22(無線通信装置)は、システム制御部201(認証手段、判定手段、制御手段)、近距離通信送受信部202、メモリ203、無線アンテナ204、操作スイッチ207(指示手段)を備えている。更に、送り手側の近接無線通信装置22は、レンズ501、撮像素子502、画像信号処理回路503、モニタ504(表示手段)、認証番号メモリ510(登録手段)を備えている。
【0080】
受け手側の近接無線通信装置21は、上記のように受け手側認証番号メモリ410を装備している。認証番号メモリ410には、自機、つまり受け手側の近接無線通信装置21自身の認証番号情報が登録されている。
【0081】
送り手側の近接無線通信装置22は、例えばデジタルカメラ(撮像装置)に装備される構成(メモリ203、レンズ501、撮像素子502、画像信号処理回路503、モニタ504)を含んでおり、デジタルカメラの無線通信装置として機能する。尚、図7に示す構成要素のうち図1に示す構成要素と同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。以下では相違点を中心に説明する。
【0082】
受け手側の近接無線通信装置21において、モニタ401は、操作者に対する報知情報(送り手側の近接無線通信装置12から受け手側の近接無線通信装置11へのデータ転送が実行(完了)されたことを報知する情報)等を表示する。認証番号メモリ410には、上記のように自機の認証番号情報(認証情報)が登録されている。
【0083】
送り手側の近接無線通信装置22において、システム制御部201は、制御プログラムに基づき図8のフローチャートに示す処理を実行する。レンズ501は、撮像光学系を構成しており、被写体の光学像を撮像素子502に結像させる。撮像素子502は、例えばCCD(電荷結合素子)から構成されており、レンズ501により結像された被写体の光学像を撮像信号に光電変換する。画像信号処理回路503は、撮像素子502から出力される撮像信号より画像データを生成する。
【0084】
モニタ504は、撮像された画像、操作者に対する報知情報(送り手側の近接無線通信装置12から受け手側の近接無線通信装置11へのデータ転送を実行(完了)したか否かを報知する情報)等を表示する。認証番号メモリ510には、認証を行うための複数の機器の認証番号情報(認証情報)が登録されている。認証番号情報は、送り手側の近接無線通信装置22との近接無線通信を許可される装置(機器)を示す情報である。
【0085】
尚、送り手側の近接無線通信装置22のデジタルカメラとしての動作は、上記第2の実施の形態(図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0086】
次に、本実施の形態の動作について図7及び図8を参照しながら説明する。
【0087】
図8は、送り手側の近接無線通信装置22及び受け手側の近接無線通信装置21の無線通信処理を示すフローチャートである。図8における図6と同一の処理については同一のステップ番号を付す。
【0088】
図8において、送り手側の近接無線通信装置12のシステム制御部201は、本処理を所定のタイミングで繰り返し開始する(ステップS301)。ここで、本処理を開始する所定のタイミングは、操作者が装置(機器)の動作の遅延を感じさせない時間間隔であればよく、本実施の形態では例えば1秒毎に本処理が開始される。
【0089】
操作者が送り手側の近接無線通信装置12を受け手側の近接無線通信装置11に接近させたことに伴い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104が近接すると、近接無線通信に必要な電界強度が得られる。これにより、送り手側の近接無線通信装置12と受け手側の近接無線通信装置11の間の近接無線通信が可能となる。システム制御部201は、近距離通信送受信部202により得られる電界強度の強度情報を用い、送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたか否かを判定する(ステップS302)。
【0090】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されず電界強度等が通信条件に満たないと、システム制御部201が判定した場合は、本処理を終了する(ステップS320)。送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接されたと、システム制御部201が判定した場合は、ステップS303へ移行する。
【0091】
尚、本実施の形態では、ステップS302の判定を、システム制御部201が行う構成を例に挙げているが、システム制御部201とシステム制御部101の何れか一方が行う構成、或いは双方が行う構成のいずれでもよい。
【0092】
送り手側の無線アンテナ204と受け手側の無線アンテナ104がデータ通信可能な通信可能範囲に近接された場合、システム制御部201は、近距離無線通信によるデータの転送を行うための接続処理を行い、データ転送路を確保する(ステップS303)。ここで、データ転送路とは、近距離通信送受信部202、無線アンテナ204、無線アンテナ104、近距離通信送受信部102を通る経路である。データの転送が可能となった時点で、システム制御部201は、操作者が送り手側の近接無線通信装置12に装備されている操作スイッチ207を押下したか(操作スイッチ207がスイッチ入り状態であるか)否かを判定する(ステップS304)。
【0093】
操作スイッチ207が押下された場合は、システム制御部201は、次の制御を行う。システム制御部201は、メモリ203に格納されているデータを上記データ転送路を介して受け手側の近接無線通信装置11のメモリ103へ転送すべく、メモリ203、近距離通信送受信部202を介したデータ転送(送信)制御を行う(ステップS307)。この場合、受け手側の近接無線通信装置11でも、近距離通信送受信部102、メモリ103を介したデータ転送(受信)制御を行う。
【0094】
操作スイッチ207が押下されていない場合は、システム制御部201は、次の転送を行う。システム制御部201は、データの転送を行うための認証要求信号を、近距離通信送受信部202、102を介した無線通信により受け手側の近接無線通信装置21のシステム制御部101に転送する(ステップS341)。
【0095】
他方、受け手側の近接無線通信装置21のシステム制御部101は、送り手側の近接無線通信装置22から認証要求信号を受信すると、受け手側の認証番号メモリ410に予め登録されている認証番号情報を参照する。そして、その認証番号情報(認証データ)を読み出し、近距離通信送受信部102、202を介した無線通信により送り手側の近接無線通信装置22のシステム制御部201に転送する(ステップS345)。
【0096】
送り手側の近接無線通信装置22のシステム制御部201は、受け手側の近接無線通信装置21のシステム制御部101から転送された認証番号情報と、認証番号メモリ510に登録されている複数の認証番号情報とを比較する。更に、システム制御部201は、双方の認証番号情報のうち何れかが一致しているか否かを判定する(ステップS346)。
【0097】
即ち、システム制御部201は、双方の認証番号情報がのうち何れかが一致するか否かに基づき、受け手側の近接無線通信装置21がデータの転送を許可する装置として予め登録されているかを認証する。双方の認証番号情報のうち何れかが一致している場合は、ステップS307へ移行し、データ転送制御を行う。双方の認証番号情報が一致していない場合は、本処理を終了する(ステップS320)。
【0098】
尚、図8に示した処理では、上記第2の実施の形態と同様に、送り手側の近接無線通信装置22から受け手側の近接無線通信装置21に対するデータの転送が実行(完了)されたか否かを、送り手側装置のモニタ504に表示するようにしてもよい。また、受け手側装置のモニタ401に表示するようにしてもよい。
【0099】
以上説明したように、本実施の形態によれば、送り手側の近接無線通信装置22と受け手側の近接無線通信装置21の間でデータを転送する際に、操作者は送り手側装置の操作スイッチ207を押下しながら送り手側装置と受け手側装置を近接させる。これに伴い、送り手側装置のメモリから受け手側装置のメモリにデータが転送されるため、煩雑な操作を行うこと無しにデータ転送が可能となる。更に、他の装置との意図しない通信を防止することが可能となる。
【0100】
また、本実施の形態によれば、予めデータの転送を許可する装置の認証番号情報を送り手側装置と受け手側装置に登録しておく。受け手側装置から認証番号情報が送り手側装置に転送され、送り手側装置に登録されている認証番号情報と転送された認証番号情報が一致した場合に、送り手側装置でデータ転送制御を行う。このことにより、送り手側装置の操作スイッチが押されていない状態で送り手側装置と受け手側装置が近接された場合であっても、ユーザの操作なしに自動的に認証が行われる。つまり、受け手側装置のユーザは認証番号を入力しなくともよく、簡単な操作で間違いの無いデータ転送を実現することができる。
【0101】
〔他の実施の形態〕
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0102】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0103】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0104】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0105】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る送り手側の近接無線通信装置と受け手側の近接無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】送り手側の近接無線通信装置における受け手側の近接無線通信装置との間の無線通信処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る送り手側の近接無線通信装置と受け手側の近接無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】送り手側の近接無線通信装置における受け手側の近接無線通信装置との間の無線通信処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る送り手側の近接無線通信装置における受け手側の近接無線通信装置との間の無線通信処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る送り手側の近接無線通信装置及び受け手側の近接無線通信装置の無線通信処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る送り手側の近接無線通信装置と受け手側の近接無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】送り手側の近接無線通信装置及び受け手側の近接無線通信装置の無線通信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0107】
11、21 受け手側の近接無線通信装置
12、22 送り手側の近接無線通信装置
101 システム制御部
102 近距離通信送受信部
103 メモリ
104 無線アンテナ
201 システム制御部
202 近距離通信送受信部
203 メモリ
204 無線アンテナ
206 モニタ
207 操作スイッチ
402 操作キー
410 認証番号メモリ
501 レンズ
502 撮像素子
503 画像信号処理回路
504 モニタ
510 認証番号メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に対して所定の距離に近接された際に外部装置と非接触による通信を行う無線通信装置において、
外部装置が前記無線通信装置とのデータの転送を許可される装置として予め登録されているかを認証する認証手段と、
前記無線通信装置に格納されているデータの転送を指示する指示手段と、
前記無線通信装置と外部装置とが通信が可能な距離に近接された場合、前記指示手段によりデータの転送が指示されたか否かを判定する判定手段と、
前記指示手段によりデータの転送が指示されていないと前記判定手段で判定された場合は、前記外部装置がデータの転送を許可される装置として登録されていることを前記認証手段で認証した後に前記外部装置にデータを転送し、前記指示手段によりデータの転送が指示されたと前記判定手段で判定された場合は、前記認証手段により認証を行わずに前記外部装置にデータを転送する制御手段と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記無線通信装置とのデータの転送を許可される外部装置を示す認証情報を登録する登録手段、を更に備え、
前記制御手段は、前記指示手段によりデータの転送が指示されていないと前記判定手段で判定された場合は、前記外部装置に認証情報を要求し、前記外部装置から認証情報が転送されてきた場合は、前記登録手段に登録されている認証情報と前記外部装置から転送された認証情報とを比較し、双方の認証情報が一致している場合に前記外部装置にデータを転送することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
情報を表示する表示手段、を更に備え、
前記制御手段は、前記無線通信装置から前記外部装置に対するデータの転送が実行されたか否かを示す情報を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記無線通信装置は、携帯端末、携帯電話機、撮像装置を含む機器群のうちの何れかの機器に装備されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の無線通信装置。
【請求項5】
外部装置に対して所定の距離に近接された際に外部装置と非接触による通信を行う無線通信装置の制御方法において、
外部装置が前記無線通信装置とのデータの転送を許可される装置として予め登録されているかを認証する認証ステップと、
前記無線通信装置に格納されているデータの転送を指示する指示ステップと、
前記無線通信装置と外部装置とが通信が可能な距離に近接された場合、前記指示ステップによりデータの転送が指示されたか否かを判定する判定ステップと、
前記指示ステップによりデータの転送が指示されていないと前記判定ステップで判定された場合は、前記外部装置がデータの転送を許可される装置として登録されていることを前記認証ステップで認証した後に前記外部装置にデータを転送し、前記指示ステップによりデータの転送が指示されたと前記判定ステップで判定された場合は、前記認証ステップにより認証を行わずに前記外部装置にデータを転送する制御ステップと、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項6】
外部装置に対して所定の距離に近接された際に外部装置と非接触による通信を行う無線通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記制御方法は、
外部装置が前記無線通信装置とのデータの転送を許可される装置として予め登録されているかを認証する認証ステップと、
前記無線通信装置に格納されているデータの転送を指示する指示ステップと、
前記無線通信装置と外部装置とが通信が可能な距離に近接された場合、前記指示ステップによりデータの転送が指示されたか否かを判定する判定ステップと、
前記指示ステップによりデータの転送が指示されていないと前記判定ステップで判定された場合は、前記外部装置がデータの転送を許可される装置として登録されていることを前記認証ステップで認証した後に前記外部装置にデータを転送し、前記指示ステップによりデータの転送が指示されたと前記判定ステップで判定された場合は、前記認証ステップにより認証を行わずに前記外部装置にデータを転送する制御ステップと、を有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−11319(P2010−11319A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170751(P2008−170751)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】