説明

状態通知システム

【課題】水センサのような設置困難なものを使わない。居住者が倒れる前に生活状態を定期的に通報する。ペットによる誤動作をなくす。外部に、ホストコンピュータなどを要するサーバーを使わない。外出時には、侵入者の存在を通報するセキュリティ機能を果たす。
【解決手段】赤外線リモコン1の信号を赤外線受信ユニットが受信してパルス信号P1を出す。居住者の移動を検出すると人体感知ユニット20がパルス信号P2を出す。リビングのドア、ベッドルームのドア、トイレットのドアの開閉を検出してパルス信号P3、P4、P5を出す。各パルス信号の種類、発生時刻を編集して、定期的に携帯電話機70から通報先の携帯電話機80へ状態を通報する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住者の生活状態を自動的に検出して、定期的に通知する状態通報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
水の使用パターンから居住者の健康・異変を自動的に検出して、所定の通報先へ通報する通報システムが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この通報システムは、一戸の住宅で使用する水の全量が通過する水道管等の管路に取付けた流量検知センサ(単に流量センサとも言う)の信号を監視して、一定時間以上にわたって水が使用されなかったときに、所定の通報先へ異常信号を送信し、異常信号を受信して通報する通報システムである。
【0004】
また、離れて暮らす高齢の居住者(例えば親御さん)を家の中に設置した複数のセンサが感知し、在室状況(時間・部屋名)を、家族の携帯電話やパソコンなどに1日1回、指定の時間にEメールで送信することで、毎日の生活パターンから、体調不良などに気づくことができるシステムが、「みまもりネットサービス」の名称で提供されている(非特許文献1参照。)
このシステムでは、各部屋に設置したセンサが居住者を感知すると、その情報が1台の送受信機に無線で送られる。更に、送受信機からデータセンターに在室状況が無線で送信される。データセンターに蓄積された在室状況のデータは、1日1回、指定の時刻に、家族の携帯電話やパソコン、Lモード対応電話機などへEメールで在室状況(時間・部屋名)を届ける(非特許文献2参照)。
【0005】
受信したEメールの在室状況から、就寝中の状態や、日中の状態などをチェックして異変が起きている可能性がないか推定することができる(非特許文献3参照)。
【0006】
センサは、受動式赤外線方式で居住者を感知し、小電力無線で送受信機に送信する。送受信機は、携帯パケット通信方式で、NTTドコモのパケット通信サービス(DoPa)のサービスエリア内で使用している(非特許文献4参照)。
【特許文献1】特開平8−30886号公報
【非特許文献1】松下電工、「みまもりネットとは、みまもりネットサービス」[online]、[2004年8月31日検索]、インターネット<URL:http://www.mew.co.jp/mimamori/about.html>
【非特許文献2】松下電工、「サービスについて、みまもりネットサービス」[online]、[2004年8月31日検索]、インターネット<URL:http://www.mew.co.jp/mimamori/feature.html>
【非特許文献3】松下電工、「サービスについて、みまもりネットサービス」[online]、[2004年8月31日検索]、インターネット<URL:http://www.mew.co.jp/mimamori/mail.html>
【非特許文献4】松下電工、「見守り機器の仕様、みまもりネットサービス」[online]、[2004年8月31日検索]、インターネット<URL:http://www.mew.co.jp/mimamori/spec.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1の通報システムでは、水センサを管路に取り付けるために、給水管の切断・取付調整が必要で、設置費用が高額になるという問題点があった。また、近時、全自動洗濯機や全自動風呂釜給湯器、深夜電力温水器などのように、タイマーや水量センサによって自動的に給水する機器が用いられることがあり、水使用の有無が居住者の健康状態と直接結びつかなくて、誤報の原因となるという問題点もある。更にまた、自動的に給水する機器を用いない場合であっても、一定時間以上にわたって水が使用されなかったときに、通報先へ異常信号が送信されたときは、居住者が健康上の異常から倒れた後であるため、手遅れになってしまう可能性があるという問題点もあった。
【0008】
前記非特許文献1乃至4のみまもりシステムは、複数のセンサで感知した居住者の在室状況のデータを、送受信機を介してデータセンターに送信して蓄積し、1日1回、指定の時刻に、家族の携帯電話機やパソコン等にEメールで届けるため、外部にサーバーとして機能するホストコンピュータ等を設ける必要がある。送受信機から送信した在室状況のデータは、サーバーで一括管理されたうえで、所定の携帯電話機などの送信先へ届けられるため、サーバーの管理者と送信先との間であらかじめ所定の契約を取り交わすための事務手続きが必要となり、かつ、契約料や毎月の使用料・通信費も支払う必要があるという面倒があった。また、送信先を変更したりする場合にも変更費用がかかってしまう。さらにまた、システムの設置に特別な工事や技術を必要とするものもあり、使用者(高齢の居住者)やその家族が簡単に設定することができないという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明の状態通知システムは、高齢者等の居住者の状態を通知するシステムであって、上記従来技術の問題点や面倒を解消できる通知システムを提供することを第1の目的とする。
【0010】
さらに、居室内の状況がより詳しく判る通知システムを提供することを第2の目的とする。
【0011】
さらにまた、居住者が外出している間には、セキュリティシステムとしての機能を果す通知システムを提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、状態通知ユニットと、該状態通知ユニットに有線で接続されている携帯電話機を設け、テレビジョン受信機などのリモコンの信号を受信するとパルス信号を前記状態通知ユニットに入力する受信ユニットを設け、パルス信号の種類とその発生時刻とを状態通知ユニットに記憶編集して予め設定された状態通知時刻になると編集したデータを所定の通報先へ携帯電話を介してEメールで通報することを最も主要な特徴とする。
【0013】
そこで、前記第1の目的を達成するために、請求項1の発明は、テレビジョン受信機などを操作するリモコンの信号を受信してパルス信号を出力する受信ユニットと、
該受信ユニットからのパルス信号を入力し、パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶したパルス信号の種類と発生時刻を編集して、状態通知ユニットに有線で接続されている携帯電話機から所定の通報先へ、編集したデータをEメールで通報する状態通知ユニットを具備したことを特徴とする状態通知システムである。
【0014】
請求項2の発明は、テレビジョン受信機を操作する赤外線リモコンの赤外線信号を受信してパルス信号を出力する赤外線受信ユニットと、
該赤外線受信ユニットからのパルス信号を入力し、パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶したパルス信号の種類と発生時刻を編集して、状態通知ユニットに有線で接続されている携帯電話機から所定の通報先へ、編集したデータをEメールで通報する状態通知ユニットを具備したことを特徴とする状態通知システムである。
【0015】
請求項3の発明は、テレビジョン受信機などを操作するリモコンの信号を受信してパルス信号を出力する受信ユニットと、部屋の扉の開閉に応じてパルス信号を出力する扉開閉スイッチと、
前記受信ユニットからのパルス信号と、前記扉開閉スイッチからのパルス信号を入力し、各パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶したパルス信号の種類と発生時刻を編集して、状態通知ユニットに有線で接続されている携帯電話機から所定の通報先へ、編集したデータをEメールで通報する状態通知ユニットを具備したことを特徴とする状態通知システムである。
【0016】
請求項4の発明は、テレビジョン受信機を操作する赤外線リモコンの赤外線信号を受信してパルス信号を出力する赤外線受信ユニットと、部屋の扉の開閉に応じてパルス信号を出力する扉開閉スイッチと、
前記赤外線受信ユニットからのパルス信号と、前記扉開閉スイッチからのパルス信号を入力し、各パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶したパルス信号の種類と発生時刻を編集して、状態通知ユニットに有線で接続されている携帯電話機から所定の通報先へ、編集したデータをEメールで通報する状態通知ユニットを具備したことを特徴とする状態通知システムである。
【0017】
なお、請求項1乃至4におけるパルス信号の種類とは、テレビジョン受信機、エアコンやオーディオなどの「機器の種類」、又はテレビジョン受信機などのリモコンからのリモートコントロール信号の「信号形態の種類」のどちらであってもよい。また、請求項1と3では、赤外線リモコンに限定することなく、超音波や電波を通信手段として用いる超音波リモコンや電波リモコンも使用できる。
【0018】
請求項5の発明は、請求項2又は4の状態通知システムにおいて、赤外線受信ユニットはテレビジョン受信機のリモコン受信部の近くに設置したことを特徴とするものである。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの情報通知システムにおいて、人体を感知するとパルス信号を出力する人体感知ユニットを具備し、該人体感知ユニットからの出力パルス信号を前記状態通知ユニットに入力して該出力パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶した各種パルス信号の種類と発生時刻を編集して、編集したデータを通報する事を特徴とするものである。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1乃至5の何れかの状態通知システムにおいて、人体を感知するとパルス信号を出力すると共に、周りの明るさを検知する光センサを備え、周りが暗い状態のときに人体を感知すると照明用のライトを点灯する人体感知ユニットを具備し、該人体感知ユニットからの出力パルス信号を前記状態通知ユニットに入力して該出力パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶した各種パルス信号の種類と発生時刻を編集して、編集したデータを通報する事を特徴とするものである。
【0021】
請求項8の発明は、請求項6又は7の状態通知システムにおいて、人体感知ユニットは床面から一定以上上方に離れた位置に設置したことを特徴とするものである。
【0022】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の状態通知システムにおいて、状態通知ユニットに、前記携帯電話機の方向キー及び決定ボタンにそれぞれ対応する第2の方向キーと第2の決定ボタンとを設けたことを特徴とするものである。
【0023】
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れかに記載の状態通知システムにおいて、携帯電話機がカメラ付携帯電話機であることを特徴とするものである。
【0024】
そして、請求項11の発明は、請求項1乃至10の何れかに記載の状態通知システムにおいて、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後のパルス信号の種類と発生時刻を編集して、編集したデータを所定の通報先へEメールで通報する動作を通常モードとし、
状態通知ユニットの動作を通常モードからセキュリティモードに切替える外出スイッチを設け、
該外出スイッチを操作してセキュリティモードに切替えたときは、前記各種パルス信号の何れかが状態通知ユニットに入力されると、入力後所定時間後に前記所定の通報先へ通報することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明の状態通知システムは上述のように構成されているので、通報先では、先回の通知以後の編集データを一括して受信できる。従って、通知時刻毎に、高齢の居住者の生活状態を一括して見ることができるため、健康状態の変化を受信テータから容易に推測して、必要な対処を行うことが可能となる。従って、従来技術のように通報を受けたが手遅れになるという虞がない。
【0026】
通常の健康状態であれば、例えば、朝起きてすぐにトイレに行き、食事をしながらTVを見る。就寝前にTVを消す。毎日連続ドラマを見るなど無意識のうちに決まった生活パターンを繰り返す。体調が悪くなってくると、トイレに行く回数が減ったり、TVを見ずに横になっているなど今までと違う生活パターンが見られるようになる。毎日定期的に生活パターンのデータを通知することで、家族が高齢の居住者の健康状態に気を配ることができる。このようにして、居住者の生活パターンのデータの変化から体調の変化を推測できる。
【0027】
また、水センサを用いないので、設置が容易で、誤報の虞も少ない。
また、サーバーとしての機能するホストコンピュータ等を外部に設ける必要がない点からも設置が容易で、諸経費が少なくて済む。
【0028】
請求項6、7の発明では、さらに、人体感知ユニットを設置する主たる目的は人体感知によるパルス信号出力であるが、名目的には照明用ライトとしているため、居住者に対し監視されているという意識を与えないので、心理的な圧力とならない利点がある。また、人体感知ユニットを、赤外線受信ユニットやドア開閉検知スイッチと組み合わせて用いることで、より検知精度が高まる利点がある。
【0029】
請求項8の発明では、さらに、人体感知ユニットがペットの動きで誤動作する虞を防止できる。
【0030】
請求項9の発明では、さらに、状態通知ユニットに設けた第2の方向キーと第2の決定キーを操作することで、容易に携帯電話機を操作したのと同じ作業を行うことができる。
【0031】
請求項10の発明では、さらに、各種パルス信号の種類とその発生時刻の編集データの通知時に住居内の居室の状況(画像)を携帯電話機のカメラで撮影して、通知先へのEメールに添付して届けられるため編集データだけの場合に比べて、日が落ちた時刻に関わらず照明がついていない、などの判断要素が増え、居室の状態がより明瞭に判る利点がある。
【0032】
請求項11の発明では、さらに、外出中に、好ましくない侵入者があると、自動的に家族に通知されるため、空き巣狙いを自動的に通報できる。また、このとき、家族は、携帯電話機のハンズフリー機能を使って、部屋の内部の音を聞いたり、侵入者に威嚇を行うこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に本発明を実施するための最良の形態を図の実施例に基づいて説明する。
図1は実施例のブロック図、図2は状態通知ユニットの平面図、図3は状態通知ユニットの右側面図、図4は状態通知ユニットを図2における図示上方からみた図、図5は状態通知ユニットの正面略図(a)と、携帯電話機の一部を示す拡大正面図(b)である。
【0034】
図6は赤外線受信ユニットと、赤外線受信ユニットに付属する外付け赤外線受光部の外形図で、(a)は赤外線受信ユニットの背面図、(b)は同平面図、(c)は同正面図、(d)は外付け赤外線受光部の平面図、(e)は同正面図である。図7は人体感知ユニットの外形図で、(a)は正面図、(b)は上面図(平面図)、(c)は背面図、(d)は右側面図、図8は通報先の携帯電話機に通知された表示画面の拡大図である。
【0035】
図1において、1は図示されてないテレビジョン受信機を操作するリモートコントローラ(以後赤外線リモコンという)で、周知の赤外線信号を送出してテレビジョン受信機を操作する。赤外線リモコン1からの赤外線信号は前記図示されていないテレビジョン受信機に到達して、該受信機を操作するとともに、テレビジョン受信機の近くに設置された赤外線受信ユニット10の赤外線受光部11又は外付け赤外線受光部12で受信されて受信信号となり、赤外線受信ユニット制御部13に入力されてパルス信号P1に変換され、信号出力部16から出力されて状態通知ユニット40の入力部41に入力される。赤外線受信ユニット制御部13は、赤外線受光部11や12からの電気信号を予めメモリ14に記憶してある信号パターンと比較することで、所定の赤外線リモコン1からの赤外線信号であることを確認したうえで、パルス信号に変換する。
【0036】
記憶スイッチ15は、メモリ14に所定の赤外線リモコン1の赤外線信号を記憶させるためのもので、記憶スイッチ15を押しながら赤外線受光部11に赤外線リモコン1の赤外線送信部分を向けてテレビジョン受信機の操作のためのボタンを押すことで、赤外線リモコン1から送信された赤外線信号をメモリ14に記憶することができる。また、メモリ14に記憶させる赤外線信号はテレビジョン受信機の電源ON−OFFの信号であることが望ましいが、日常最も多く操作するチャンネル選択信号を用いるようにしてもよい。
【0037】
人体感知ユニット20は住居の廊下等のうち比較的足下の暗いところに設置され、光センサ21で検知した周囲の明るさと、人体感知部22で感知した居住者30の動きの双方を、人体感知ユニット制御部23が判断し、周囲の明るさが一定値より暗い状態のときに居住者30が人体感知ユニット20の近くを通ると、自動的に一定時間の間、ライト部24に通電して点灯し周囲を照らす。なお、居住者が猫や小型犬などのペットと暮らしている場合は、人体感知ユニット20のペットによる誤作動を防止するために、床面から一定以上高い位置、例えば床面から1m以上離れた高い位置に設けるとよい。
【0038】
また、人体感知ユニット20は光センサ21で検知した周囲の明るさにかかわらず、人体感知部22が居住者30の移動を感知した場合、信号出力部25からパルス信号P2を出力して、状態通知ユニット40の入力部42に入力する。感度調整つまみ26は、人体感知ユニット制御部がパルス信号P2を出力する人体感知レベルのしきい値を加減して適値に設定するためのつまみである。
【0039】
なお、前記人体感知ユニット20は、ペットによる誤動作を防止するために、床面より一定以上高い位置、例えば床面から1m以上離れた高い位置に設けると良い(請求項8)。
【0040】
状態通知ユニットは、マイクロプロセッサを備えた状態通知ユニット制御部43を主な構成要素として、図示のように構成されている。そして、図示されてないAC100V商用電源のコンセントに連結されるプラグ44から給電される電源部45とバックアップ電池46で作動する。
【0041】
居住者30が生活する住居のリビングルームとベッドルームとトイレットにそれぞれ設けられた開閉ドアの開閉を検出してパルス信号P3、P4、P5をそれぞれ発生する扉開閉スイッチ47、48、49が、図示されていないリビングルームとベッドルームとトイレットの各開閉ドアに連動するように配設されている。各扉開閉スイッチ47、48、49は、それぞれ対応するドア(扉)の上部に取り付けたマグネットと、該マグネットがドアの開閉に応じて動くときに作動する磁界応答手段としてのリードスイッチとで構成されている。
【0042】
これらの各ドアに連動する扉開閉スイッチ47、48、49はそれぞれリビングルーム、ベッドルーム、トイレットへの居住者の出入りに基づく各ドアの各開閉動作を検出して、それぞれパルス信号P3、P4又はP5を入力部50、51、52に入力する。各パルス信号P1、P2、P3、P4、P5は、入力部41、42、50、51、52を介して状態通知ユニット制御部43に入力される。状態通知ユニット制御部43は、外出ボタン53を操作しないといわゆる通常モードとして作動するようにプログラムされている。通常モード時には、入力部41、42、50、51、52を介して状態通知ユニット制御部43に入力されたパルス信号は、そのパルス信号の種類と入力時刻とがメモリ54に記憶される。時計部55は時刻を定める。
【0043】
状態通知ユニット40は、状態通知時刻設定スイッチ56で予め設定しておいた時刻になると、先回の通知以後に記憶したパルス信号の種類とその発生時刻とを状態通知ユニット制御部43でテキストデータとして編集し、情報出力部60に後述接続ケーブルにより有線で接続されているカメラ付き携帯電話機70から通報先である家族の携帯電話機80又はパソコン90等へEメールで通報する。携帯電話機70からのEメールは、携帯電話通信会社100やインターネット200を通じて通報先の携帯電話機80やパソコン90へ届けられる。通報先は予め携帯電話機70のメモリ(例えばメモリNO.000)に登録されているEメールアドレスへEメールにて送信する。なお、携帯電話機70にカメラ付き携帯電話機を使用するとことで、カメラ撮影した画像を送信することもできる。
【0044】
居住者30が、住居から外出して不在になるときは、状態通知ユニット40の外出ボタン53を押すことで、所定時間、例えば3分後に、状態通知ユニット40は通常モードからセキュリティモードに切替えられる。セキュリティモードの状態で、人体感知ユニットからのパルス信号P2又は扉開閉スイッチ47、48、49からのパルス信号P3、P4、P5等が入力されると、状態通知ユニット制御部は留守中に侵入者ありと判断し、第2の所定時間、例えば3分後に、情報出力部に有線で接続されている携帯電話機70から所定の通報先、例えば携帯電話機70のメモリNO.000に登録されている通報先へ電話をかける。
【0045】
この通報を携帯電話機80で受けた家族又は外出中の居住者は、マイク57を使って侵入者の音を聞いて情報をとることができる。そして電話回線接続中は、状態通知ユニット40側は、マイク57とスピーカー58とで、ハンズフリー電話として機能するので、侵入者の音を聞くだけでなく、侵入者に対して音声による威嚇をすることもできる。
【0046】
居住者が外出中から戻った際には、前記第2の所定時間の3分以内に外出ボタン53を押してセキュリティモードを解除して通常モードに戻す。こうすることで、帰宅時に扉開閉スイッチ47、48、49又は人体感知ユニット20が反応して誤報してしまうことを防止する。なお、前記所定時間3分とか、第2の所定時間の3分は、その設定値を適宜変化可能としておくと好都合である。
【0047】
在室状態であるにもかかわらず、何れのパルス信号も一定以上の時間例えば16時間に亘って全く反応しないときは、状態通知ユニット制御部43の判断で、情報出力部60に接続されている携帯電話機70から所定の通報先、例えば携帯電話機70のメモリNO.000に登録されている通報先(通知先)へ電話をかけ、通知先との電話回線接続後は、マイク57とスピーカー58でハンズフリー通話をすることもできる。
【0048】
通話ボタン59を操作して携帯電話機70による外部との通話も勿論行うことができる。図1の操作パネル61は、図2に示すように、決定ボタン62と、該決定ボタン62の周りに配設された方向キー63を備えている。方向キー63は二つ折携帯電話機70の画面70aに表示されたメニューなどを操作するための周知のボタンで、上下左右の4方向に押すことができる。携帯電話機70は、接続用コネクタ64と接続用ケーブル65によって状態通知ユニット40の前記情報出力部57と電気的に接続されている。
【0049】
なお、状態通知ユニット40の操作パネル61に配設した決定ボタン62と、該決定ボタン62の周りに設けた方向キー63は、図5に示すように、携帯電話機70の決定ボタン72と方向キー73と対応するように配設されている。
【0050】
状態通知ユニット40と携帯電話機70を接続用コネクタ64および接続用ケーブル65で接続した状態で、状態通知ユニット40の決定ボタン62と方向キー63を操作すると、状態通知ユニット40から携帯電話機70に対して電気的な命令が送信され、携帯電話機70の決定ボタン72と方向キー73の操作をしたと同じ動作をさせることができる。この電気的な命令により、携帯電話機70では実際に操作しなくても、模擬的に操作しているような状態にすることができる。
【0051】
携帯電話機70でのメール送信や通話などの操作は、状態通知ユニット40の操作パネル61を使用して、キーボードのボタン操作を状態通知ユニットに記憶させ、メール送信時などの場合には、その操作を再現した命令を携帯電話機70に送ることで実行する。そのため、将来携帯電話機70を変更した場合でも操作の再記憶で対応できる。
【0052】
あらかじめ設定しておいた時刻になると、携帯電話機70から通報先に通報するEメール送信や、状態通知ユニット40の通話ボタン59を押すことで行う所定の通報先への通話などの操作は、前記の状態通知ユニット40の決定ボタン62と方向キー63の操作で出力される電気的な命令による携帯電話機70の模擬的操作手順を状態通知ユニット40のメモリ54に記憶させることで実現し、実際のEメール送信や通話の際には記憶した手順を再現した電気的な命令を状態通知ユニット40から携帯電話機70へ送ることで模擬的操作を行ない、送信や通話を行なう。将来携帯電話機70を変更した場合でも操作手順を再度記憶させることで対応が可能になる。
【0053】
状態通知ユニット40と携帯電話機70を接続用コネクタ64と接続用ケーブル65で接続した状態で、状態通知ユニット40の決定ボタン62と方向キー63を操作すると、前記のように携帯電話機70に対して模擬的な操作を行なうことができる。状態通知ユニット40のメール送信操作記憶SW66を押しながら、状態通知ユニット40の決定ボタン62と方向キー63を操作して携帯電話機70で携帯電話機70に有するEメール送信機能の呼び出し、送信先の決定までの操作を行なった後にメール送信操作記憶SW66を離すと、その操作手順を状態通知ユニット40のメモリ54に記憶させることができる。
【0054】
携帯電話機70にカメラ付携帯電話機を使用している場合には、カメラ撮影/送信操作記憶SW67を押しながら、状態通知ユニット40の決定ボタン62と方向キー63を操作して携帯電話機70でのカメラ撮影及び撮影した画像をEメールに添付して送信先の決定までの操作を行なった後にカメラ撮影/送信操作記憶SW67を離すと、その操作手順を状態通知ユニット40のメモリ54に記憶させることができる。
【0055】
送信操作記憶SW68を押しながら、状態通知ユニット40の決定ボタン62と方向キー63を操作して携帯電話機70でEメール送信の実行の操作を行なった後に送信操作記憶SW68を離すと、その操作手順を状態知ユニット40のメモリ54に記憶させることができる。
【0056】
通話操作記憶SW69を押しながら、状態通知ユニット40の決定ボタン62と方向キー63を操作して携帯電話機70でEメール送信の実行の操作を行なった後に通話操作記憶SW69を離すと、その操作手順を状態通知ユニット40のメモリ54に記憶させることができる。
【0057】
状態通知ユニット40は予め設定された状態通知時刻になると、前記のメール送信操作記憶SW66を押しながら記憶させた操作手順を再現した電気的な命令を携帯電話機70に対して送ることで模擬的操作にてEメール送信までの状態にする。次に、状態通知ユニット40が先回通知した以後に受信したパルス信号入力の種類と発生時刻をテキストデータとして編集し、Eメールの送信内容として携帯電話機70に送信する。さらに続けて、送信操作記憶SW68を押しながら記憶させた操作手順を再現した電気的な命令を携帯電話機70に対して送ることで、携帯電話機70を直接操作することなく模擬的操作にてEメール送信の完了までを行なうことができる。
【0058】
図8は、通報先の携帯電話機80の画面80aに表示されたテキストデータの一例を示すものである。7月1日9時03分の祖母の状態(件名)を送信している。本文は、6時51分にベッドルーム、6時51分にトイレット、6時53分にトイレットから出る。6時58分に人体感知ユニット(senser)が作動、7時32分にリビングのドア、7時32分にTV、8時31分にTVをそれぞれ操作したことが通報されている。
【0059】
状態通知ユニット40の通話ボタン59を押すことによるハンズフリー通話や、セキュリティモードで侵入者があった場合の通話を行なう場合は、前記のEメール送信と同様に、通話操作記憶SW69を押しながら記憶させた操作手順を再現した電気的な命令を携帯電話機70に対して自動的に送ることで模擬的操作にて通話の状態にし、マイク57とスピーカー58とを使ったハンズフリー電話とする。
【0060】
さらに、部屋の様子をカメラ付携帯電話機で撮影して、Eメールに添付する場合も、前記同様にカメラ撮影/送信操作記憶SW67を押しながら記憶させた操作手順を再現した電気的な命令を携帯電話機70に対して自動的に送ることで模擬的操作にてカメラ撮影および撮影した画像をEメールに添付して送信先の決定までが行なわれ、続いて送信操作記憶SW68を押しながら記憶させた手順を再現した電気的な命令を送ることで、Eメール送信が完了する。
【0061】
このように、携帯電話機70での一連の操作を状態通知ユニット40から出力する電気的な命令で模擬的に行なうことができるので、将来携帯電話機を買い替えた場合でも、操作手順を再記憶させることで新しい携帯電話機に対応することが可能となる。
【0062】
上記実施例では赤外線リモコン1からのリモートコントロール信号を赤外線受信ユニット10で受信しているが、図示されてないエアコンとかオーディオなど、テレビジョン受信機以外の他の機器をリモート操作するための図示されてないリモコンからのリモートコントロール信号も、赤外線受信ユニット10で受信するようにしても良いし、1個の赤外線リモコン1で、複数の機器、例えばテレビジョン受信機、エアコン及びオーディオ等をリモート操作するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例のブロック図。
【図2】本発明の実施例の状態通知ユニットの平面図。
【図3】本発明の実施例の状態通知ユニットの右側面図。
【図4】本発明の実施例の状態通知ユニットを図2の図示上方からみた図。
【図5】本発明の実施例における状態通知ユニットの正面略図(a)と、携帯電話機の一部を示す拡大正面図(b)。
【図6】本発明の実施例における赤外線受信ユニットの外形図で、(a)は赤外線受信ユニットの背面図、(b)は同平面図、(c)は同正面図、(d)は外付け赤外線受光部の平面図、(e)は同正面図。
【図7】人体感知ユニットの外形図で、(a)は正面図、(b)は上面図(平面図)、(c)は背面図、(d)は右側面図。
【図8】本発明における通報先の携帯電話機に通報された表示画面の拡大図。
【符号の説明】
【0064】
1 赤外線リモコン(リモコン)
10 赤外線受信ユニット(受信ユニット)
20 人体感知ユニット
21 光センサ
22 人体感知部
24 ライト部
40 状態通知ユニット
47、48、49 扉開閉スイッチ
53 外出スイッチ
62、72 決定ボタン
63、73 方向キー
70、80 携帯電話機
200 インターネット
P1、P2、P3、P4、P5 パルス信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン受信機などを操作するリモコンの信号を受信してパルス信号を出力する受信ユニットと、
該受信ユニットからのパルス信号を入力し、パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶したパルス信号の種類と発生時刻を編集して、状態通知ユニットに有線で接続されている携帯電話機から所定の通報先へ、編集したデータをEメールで通報する状態通知ユニットを具備したことを特徴とする状態通知システム。
【請求項2】
テレビジョン受信機を操作する赤外線リモコンの赤外線信号を受信してパルス信号を出力する赤外線受信ユニットと、
該赤外線受信ユニットからのパルス信号を入力し、パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶したパルス信号の種類と発生時刻を編集して、状態通知ユニットに有線で接続されている携帯電話機から所定の通報先へ、編集したデータをEメールで通報する状態通知ユニットを具備したことを特徴とする状態通知システム。
【請求項3】
テレビジョン受信機などを操作するリモコンの信号を受信してパルス信号を出力する受信ユニットと、部屋の扉の開閉に応じてパルス信号を出力する扉開閉スイッチと、
前記受信ユニットからのパルス信号と、前記扉開閉スイッチからのパルス信号を入力し、各パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶したパルス信号の種類と発生時刻を編集して、状態通知ユニットに有線で接続されている携帯電話機から所定の通報先へ、編集したデータをEメールで通報する状態通知ユニットを具備したことを特徴とする状態通知システム。
【請求項4】
テレビジョン受信機を操作する赤外線リモコンの赤外線信号を受信してパルス信号を出力する赤外線受信ユニットと、部屋の扉の開閉に応じてパルス信号を出力する扉開閉スイッチと、
前記赤外線受信ユニットからのパルス信号と、前記扉開閉スイッチからのパルス信号を入力し、各パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶したパルス信号の種類と発生時刻を編集して、状態通知ユニットに有線で接続されている携帯電話機から所定の通報先へ、編集したデータをEメールで通報する状態通知ユニットを具備したことを特徴とする状態通知システム。
【請求項5】
赤外線受信ユニットはテレビジョン受信機のリモコン受信部の近くに設置したことを特徴とする請求項2又は4記載の状態通知システム。
【請求項6】
人体を感知するとパルス信号を出力する人体感知ユニットを具備し、該人体感知ユニットからの出力パルス信号を前記状態通知ユニットに入力して該出力パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶した各種パルス信号の種類と発生時刻を編集して、編集したデータを通報する事を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の状態通知システム。
【請求項7】
人体を感知するとパルス信号を出力すると共に、周りの明るさを検知する光センサを備え、周りが暗い状態のときに人体を感知すると照明用のライトを点灯する人体感知ユニットを具備し、該人体感知ユニットからの出力パルス信号を前記状態通知ユニットに入力して該出力パルス信号の種類と発生時刻を記憶し、予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後に記憶した各種パルス信号の種類と発生時刻を編集して、編集したデータを通報する事を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の状態通知システム。
【請求項8】
人体感知ユニットは床面から一定以上上方に離れた位置に設置したことを特徴とする請求項6又は7記載の状態通知システム。
【請求項9】
状態通知ユニットに、前記携帯電話機の方向キー及び決定ボタンにそれぞれ対応する第2の方向キーと第2の決定ボタンとを設けたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の状態通知システム。
【請求項10】
携帯電話機がカメラ付携帯電話機であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の状態通知システム。
【請求項11】
予め設定された状態通知時刻になると、先回通知した以後のパルス信号の種類と発生時刻を編集して、編集したデータを所定の通報先へEメールで通報する動作を通常モードとし、
状態通知ユニットの動作を通常モードからセキュリティモードに切替える外出スイッチを設け、
該外出スイッチを操作してセキュリティモードに切替えたときは、前記各種パルス信号の何れかが状態通知ユニットに入力されると、入力後所定時間後に前記所定の通報先へ通報することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の状態通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−178574(P2006−178574A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−368826(P2004−368826)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000116633)愛知時計電機株式会社 (126)
【Fターム(参考)】