現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
【課題】濃度ムラ、トナー飛散の抑制された画像を形成することが可能な現像装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1の収容部14bには、トナーボトル31Yから供給パイプ19と連結された補給口部12の先端の補給口12aが現像剤層13の下方に向けて開放して現像剤層13内に埋没するように取り付けられている。従って、補給トナー11は、現像剤層13の内部で現像剤13aと混合することになるので、現像剤層13の上面13bを上滑りすることなく適切に補給トナー11が現像剤13aに均一に分配、配合され、濃度ムラやトナー飛散を抑制することができる。
【解決手段】第1の収容部14bには、トナーボトル31Yから供給パイプ19と連結された補給口部12の先端の補給口12aが現像剤層13の下方に向けて開放して現像剤層13内に埋没するように取り付けられている。従って、補給トナー11は、現像剤層13の内部で現像剤13aと混合することになるので、現像剤層13の上面13bを上滑りすることなく適切に補給トナー11が現像剤13aに均一に分配、配合され、濃度ムラやトナー飛散を抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる画像形成装置に適用される現像装置、これを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、現像装置へのトナー補給は、現像装置の上部に位置する補給口から現像装置内に収容されている現像剤層の上部にトナーを落下させることにより行われる。この方式のトナー補給は、特にトナーを感光体に供給する現像ローラに、2本のスクリューにより現像剤をスクリュー軸方向に搬送する場合、トナーは、トナーとキャリアとからなる現像剤よりも比重が小さいために現像剤層面を上滑りするように搬送され、補給トナーと現像剤が十分に混合・攪拌され難いという不都合を有している。このように、補給トナーと現像剤との混合・攪拌が十分に行われないと濃度ムラやトナー飛散などが発生しやすくなる。また、補給トナーが現像装置内の現像剤層の上面を上滑りしたまま画像まで到達すると、画像上には現像装置内の現像剤の循環方向上流に相当する位置に画像が形成される転写紙の搬送方向に伸びた画像濃度ムラとなって現れることになる。特に、高速化、小サイズ化という現像装置に求められる性能を満たすには、一度に供給するトナー量を多くすることや、またスクリュー等の回転搬送体のサイズを小さくすることなどが必要になる。しかし、これらは混合に不利な条件であるため、前記問題はより顕著になる。
このような問題を改善するため、画像形成装置に使用する現像装置において、図14に示すように、トナー補給口7から投入された補給トナー11を現像剤収容容器14内の第1の搬送スクリュー1の回転方向(矢印方向)の上流側の現像剤13aへ案内するトナーガイド10を前記現像剤収容容器14のトナー補給口7近傍に設け、補給トナーをトナーガイド10によって現像剤収容容器14の下方に供給することによって現像剤層の上面を補給トナーが上滑りすることを防止することが提案されている(例えば特許文献1参照)。なお、図14中、2は第2の搬送スクリュー、7は現像ローラである。
【特許文献1】特開2004−69789公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載のものでは、第1のスクリュー1の回転方向がトナーガイド10から見て上から下に向かって回転する方向にあり、第一のスクリュー1の回転状態では図15のような偏在状態になるものと予想される。そうするとトナーガイド10から滑落したトナーは現像剤層13の上面に供給されることになるので、補給トナー11と現像剤Gとの混合が十分に行われず、依然として、現像剤層13の上方に貯留された状態となって濃度ムラやトナー飛散を招き易い問題が生じている。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、現像剤容器内に補給されたトナーと現像剤との混合、攪拌を十分行なわせて、現像剤にトナーを均一に分配することにより濃度ムラ、トナー飛散の抑制された画像を形成することが可能な現像装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する収容容器内に、感光体に形成された静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像剤担持体と、当該現像剤担持体に前記収容容器内の現像剤を供給する回転搬送体を収容した現像装置において、前記回転搬送体を収容した回転搬送体収容部の現像剤層内に、外部からトナー単体もしくはキャリア単体、又はトナーに所定のキャリアを混合したプレミックストナーといった画像形成に用いる粉体を補給する管状の補給口部を配設し、前記補給口部の補給口は、前記回転搬送体の回転動作によって偏った状態になる現像剤層の内部に埋没するように前記回転搬送体収容部に配置されてあることを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、前記回転搬送体の回転方向は、前記補給口から見て下方から上方に移動する方向である請求項1記載の現像装置を特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、前記補給口部内には前記粉体を強制的に前記回転搬送体収納部内に搬送する補給手段を備えてある請求項1又は2記載の現像装置を特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、前記管状の補給口部は、前記補給口が前記回転搬送体に対向するように斜め上方から前記回転搬送体に向かって延在されてある請求項1乃至3のいずれか1項記載の現像装置を特徴とする。
【0005】
また請求項5に記載の発明は、前記補給口部は、前記回転搬送体収容部の現像剤が前記補給口部の上方に流出することを防止する防止弁を備えている請求項1乃至4のいずれか1項記載の現像装置を特徴とする。
また請求項6に記載の発明は、前記回転搬送体の回転方向は、前記補給口に対して前記回転搬送体収納部内の現像剤を押し込む方向に回転する方向である請求項5記載の現像装置を特徴とする。
また請求項7に記載の発明は、前記補給口部内の気圧を前記回転搬送体収容部内の気圧より高圧とする高圧化手段を備え、前記高圧化手段によって高圧気体を前記補給口部内に供給して前記補給口部内の粉体を上方より下方に押圧する請求項5又は6記載の現像装置を特徴とする。
また請求項8に記載の発明は、前記回転搬送体収納部の壁面に内部から外部に高圧気体を流出が可能な脱気手段を有する請求項7記載の現像装置を特徴とする。
【0006】
また請求項9に記載の発明は、静電潜像を形成する感光体と、前記静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像装置とを少なくとも一体にして画像形成装置に着脱自在に取り付け可能なプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置は請求項1乃至8のいずれか1項記載の現像装置であるプロセスカートリッジを特徴とする。
また請求項10に記載の発明は、前記プロセスカートリッジは、前記感光体を帯電させる帯電装置、現像後のトナー像を転写材に転写した後に前記感光体上に残留する転写残トナーを除去するクリーニング装置の何れか1つ以上を備えている請求項9記載のプロセスカートリッジを特徴とする。
また請求項11に記載の発明は、静電潜像を形成する感光体と前記静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像装置とを少なくとも備える画像形成装置において、前記現像装置は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の現像装置である画像形成装置を特徴とする。
また請求項12に記載の発明は、前記感光体と現像装置は一体化されたプロセスカートリッジであって、当該プロセスカートリッジは、請求項9又は10記載のプロセスカートリッジである請求項11記載の画像形成装置ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上記構成を採用することによって、現像剤容器内に補給されたトナーと現像剤との混合、攪拌を十分行なわせて、現像剤にトナーを均一に分配することにより濃度ムラ、トナー飛散の抑制された画像を形成することが可能な現像装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による一実施形態の画像形成装置であるカラープリンターの概略構成を示す図である。本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成装置本体の下部に転写紙等の転写材Sを収納する給紙カセットを配した給紙部20と、その上方に画像形成部30とを配置した構成となっている。画像形成部30は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色に対応するドラム状の感光体3Y、3C、3M、3Kを備えた複数の画像形成手段としての4個のプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)33Y、33C、33M、33Kと、各感光体3Y、3C、3M、3Kに静電潜像を形成する光書込みユニット4とを備えている。さらに、画像形成装置は、画像形成部30でY、C、M、Kの色で形成されたトナー像が転写される複数のローラ26、27、28に巻き掛けられた可撓性を有する無端ベルトにより構成した中間転写体としての中間転写ベルト25と、転写材Sにトナー像を定着させる定着装置23等を備えている。給紙部20から定着装置23までの間には、転写材Sを搬送する搬送経路が形成してある。なお、図中符号21は呼び出しローラ、符号22はレジストローラである。
各感光体3Y、3C、3M、3Kの周りには、各感光体3Y、3C、3M、3Kの表面を一様に帯電する帯電装置5、感光体3Y、3C、3M、3Kの静電潜像をトナーによって現像する各色の現像ユニット9Y、9C、9M、9K、感光体3Y、3C、3M、3Kの残留トナーをクリーニングするクリーニング装置6等がそれぞれ配置してある。各感光体3Y、3C、3M、3Kが中間転写ベルト25に接する位置における中間転写ベルト25の内側には、1次転写を行う1次転写ローラ29Y、29C、29M、29Kがそれぞれ設けてある。
中間転写ベルト25には、ローラ28と対向する部位に2次転写ローラ16を搬送経路に臨ませて配設し(ローラ28と2次転写ローラを合わせて2次転写装置17という)、ローラ26と対向する部位にベルト表面を清掃するベルトクリーニング装置15が配設されている。画像形成装置の上部には、補給用のトナーが収納されているトナーボトル31Y、31C、31M、31K(トナーボトル31)を有している。後述するように、これらのトナーボトル31と現像装置9Y、9C、9M、9Kの補給口部とをパイプ等の配給手段で連結して必要に応じてトナーボトル31Y、31C、31M、31Kから現像装置9Y、9C、9M、9Kに補給トナーを供給するようになっている。この場合、通常はトナーボトル31のみの交換でトナーを補給する。
【0009】
上記の構成において画像形成のプロセスを説明する。給紙部20の給紙カセットから呼び出しローラ21により転写材Sがフィードされ、フィードされた転写材Sがレジストローラ22まで到達すると、像形成のタイミングを合わせるために転写材Sは一旦待機して停止する。帯電装置5によって一様に帯電された感光体3Y、3C、3M、3Kは、光書込みユニット4によりレーザ光にて露光走査され、感光体3Y、3C、3M、3K上に静電潜像が作られる。各静電潜像には、それぞれ各色の現像ユニット9Y、9C、9M、9Kによりトナーが供給されて感光体3Y、3C、3M、3K表面にそれぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナー像が形成される。
次いで、1次転写ローラ29Y、29C、29M、29Kに電圧が印加され、感光体3Y、3C、3M、3K上のトナー像が、中間転写ベルト25上に順次転写されていく。この時、各色の画像形成動作は、そのトナー像が中間転写ベルト25の同じ位置に重ねて転写される様に、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト25上に形成された画像は、2次転写ローラ16の位置まで搬送され、このタイミングに合わせて、レジストローラ22に待機した転写材Sが転写装置17である2次転写ローラ16の位置まで送られ、転写材Sにトナー像が転写される。その後、トナー像が転写された転写材Sは、定着装置23に搬送されて熱定着され、定着終了後の転写材Sは排紙ローラ24から機外に排紙される。
本実施形態の画像形成装置としては、図1に示すようなタンデム型カラープリンターを例示したが、このカラープリンターは、単なる例であり、本発明の画像形成装置は、白黒の画像を形成する画像形成装置でもよく、好ましくはトナーとキャリアの2成分現像剤を使用する電子写真方式の画像形成装置であれば、十分に適用可能である。
【0010】
次に、本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。本実施形態に係るプロセスカートリッジ33Y、33C、33M、33Kは、現像装置9Y、9C、9M、9K内に収納されるトナーの色が異なるだけで基本構造は同一である。従って、プロセスカートリッジ33Yを代表して図2に基づいて説明する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジ33Yの概略構成を示す図である。このプロセスカートリッジ33Yは、静電潜像を担持させる感光体3Yを中心として、感光体3Yの周囲に感光体3Yの回転方向(矢印B方向)に沿って順に、現像後のトナー像を転写材S(図1参照)に転写した後に感光体3Y上に残留する転写残トナーを除去するクリーニング装置6と、感光体3Yを帯電させる帯電装置5と、現像装置9Yとが感光体3Yと一体に取り付けられている。そして、このプロセスカートリッジ33Yは、画像形成装置の画像形成部30の所定位置(図1参照)から感光体3Yと共に着脱自在に取り付けられるようになっており、プロセスカートリッジ33Yの修理、交換を容易に行うことができるようになっている。なお、図2中のクリーニング装置6としては、転写残トナーを除去するクリーニング手段6aと感光体3Yの表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段6bも図示されているが、潤滑剤塗布手段6bは必ずしも必要でなく、転写残トナーを除去するクリーニング手段6aだけでも十分である。
本実施形態の画像形成装置においては、画像形成部30としてプロセスカートリッジ33Y、33C、33M、33Kを使用しているが、このプロセスカートリッジ33Y、33C、33M、33Kの使用は、必須ではない。勿論、クリーニング装置6、帯電装置5、現像装置9Yを感光体3Yからそれぞれ独立した装置として組み込むことも可能である。しかしながら、プロセスカートリッジとして使用する場合には、上記各装置6、5、9Yの修理、交換の際の取り付け調整が容易となるので好適である。
【0011】
[第1の実施の形態]
次に、本発明の特徴である現像装置9Yについて図3に基づいて説明する。図3は、本発明による一実施形態の現像装置の概略構成を示す図である。第1の実施の形態に係る現像装置9Yは、粒径が10μm以下のトナーと粒径が20〜100μmの磁性キャリアを含む粒状の現像剤を収容する現像剤収容容器14内に、感光体3Yに形成された静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像剤担持体である現像ローラ7と、現像ローラ7に現像剤を供給する回転搬送体である第2のスクリュー2と、第2のスクリュー2に現像剤を供給する回転搬送体である第1のスクリュー1とが回転自在に収容されている。
現像ローラ7は、その中心部に磁界を所定方向に放射状に放射するマグネット(図示せず)が固定して取り付けられ、このマグネットの周囲に駆動モータ等によって矢印Cの方向に回転駆動される円筒状の現像スリーブ(図示せず)がその中心軸を中心として回転自在に取り付けられている。現像スリーブは、その表面にドクターブレード8によって所定量に規制された現像剤を前記マグネットによって磁気的に吸引、保持し、感光体3Yの近傍で磁気ブラシを形成して磁性キャリアの表面に付着しているトナーを感光体3Yの静電潜像に電界的に供給するようになっている。
【0012】
現像ローラ7は、トナーを感光体3Yに供給した後に前記マグネットの磁力を開放することによって第2の収容部14a内に現像剤を回収させる。第2の収容部14aには第2のスクリュー2が配置されてあり、また第1収容部14bと第2収容部14aとを仕切る仕切り壁14cに形成された2つの開口14dと14eが形成されてある。第2のスクリュー2は、開口14eを介して第1のスクリュー1から供給される現像剤と上述の回収された現像剤とを攪拌混合しながら搬送する。現像ローラ7は、かかる攪拌混合しながら搬送される現像剤を前述の現像ローラ7内のマグネットの磁力作用で汲み上げてドクターブレード8に供給している。第2のスクリュー2は、矢印Dの反時計回りの方向に回転することで現像剤層13を右上がりの状態(破線E)、即ちドクターブレード8側に偏在させる状態にさせている。
第1のスクリュー1は、後述するように、補給口部12から第1の収容部14b内に補給される補給トナーと仕切り壁14cに形成された開口14dを通じて供給される現像剤とを攪拌、混合しながら現像剤を開口14eを介して第2のスクリュー2に供給している。第1のスクリュー1は、矢印Fの時計回りの方向に回転することで現像剤層を左上がりの状態に偏在させている。
【0013】
第1の収容部14bには、トナーボトル31Y(図1参照)から供給パイプ19と連結された補給口部12の先端の補給口12aが上記の左上がりの状態に偏在した現像剤層13の内部に埋没するように取り付けられている。補給口部12は、補給口12aが第1のスクリュー1に対向するように斜め上方から第1のスクリュー1に向かって延在されてある。このような構成によって、補給トナー11は、現像剤層13の内部で現像剤13aと混合することになるので、現像剤層13の界面G(破線G)を上滑りすることなく適切に補給トナー11が現像剤13aに均一に分配、配合され、濃度ムラやトナー飛散を抑制することができる。この場合、現像装置の各回転体が駆動した際の第1の収容部14b内の現像剤層13の偏在状態を基準として補給口12aの位置を設定している。具体的には、初期セット時の現像剤量公差の下限量を収納した場合において、トナー濃度が設定範囲の下限にある状態を再現する。この状態で現像装置の各回転体を駆動して現像剤を循環させたときの現像剤層13の偏在状態が、この現像装置がとり得る最も界面Gが低い状態に相当する。補給口12aはその状態よりも低い位置に設定するようにしている。このように設定すれば、現像剤13aがどのような状態になっても補給口12aは現像剤層13の内部に埋没させることができる。また、別の設定として、初期セット時の現像剤13aに含まれるのと同量のキャリアのみ、即ちトナー濃度0の状態にして現像装置を駆動させ、そのときの現像剤層界面(キャリア層界面)よりも下方に補給口12aが存在するようにしてもよい。この設定によっても補給口12aを確実に現像剤層の内部に埋没させることが可能になる。
【0014】
図4は、第1の収容部14bと第2の収容部14aを上方から見た場合の構成概略図であり、現像剤が第1のスクリュー1と第2のスクリュー2の駆動によって各収納部を循環搬送される状態を表している。補給口部12は、第1のスクリュー1における現像剤搬送方向の上流側に位置し、第2の収容部14aから送られてきた現像剤が通過する仕切り壁14cに形成された開口14eの近傍に配置されてある。第2の収容部14aから送られてくる現像剤とは、トナー像を形成してトナー濃度が低下した現像剤である。この低トナー濃度の現像剤に補給口12aから補給トナー11が補給される。同時に現像剤13aは第1のスクリュー1によって混合攪拌されながら矢印Hの方向に搬送される。第1のスクリュー1における現像剤搬送方向下流側であって、開口14dの近傍にはトナー濃度センサ15が配置されてあり、補給トナーと混合攪拌された現像剤のトナー濃度に相当する電圧情報(以下トナー濃度と略す)を検知して図示しない画像形成装置本体のCPUに送信する。CPUは送信されたトナー濃度が、所定の下限値以上か否かを判断し、下限値未満ならばトナーボトル31Yからのトナーの補給を継続させ、下限値以上ならトナー補給を終了させる。
尚、図3にあるようにトナー濃度センサ15の配置は、第1のスクリュー1が回転した時の現像剤層13の偏在状態に鑑み、第1のスクリュー1の回転中心よりも現像剤層13が偏在する側(=補給口12a側)に寄った位置に配置されてある。トナー濃度センサ15の検知面15aは第1のスクリュー1の回転中心方向に対向する角度に設定されてある。
【0015】
また、補給口部12を現像剤層13内に埋没させた際に、補給口部12内に現像剤13aが流出して第1の収容部14b内の現像剤13aの濃度が低下する恐れがあるが、この現像剤13aの補給口部12内への流出を防ぐために、補給口部12に流出防止弁を取り付けることが好ましい。図5は、その具体例を示す図である。この実施形態では、補給口部12の先端の補給口12aの近傍に支点12bを中心として上下に回動する流出防止弁12cを取り付け、流出防止弁12cの先端と当接して流出防止弁12cの回動を規制する規制部材12dを補給口部12の内面に形成している。補給口部12内にトナーや現像剤が全くない状態では流出防止弁は弁自身の自重によって下方に垂れ、開放した状態になる。図5(A)は第1のスクリュー1が回動し、かつ補給トナー11が送給された後に第1のスクリュー1、補給トナーの送給ともに停止した状態を表す。このとき、第1のスクリュー1の回動によって現像剤層13は補給口12aを覆い、一部は補給口部12の内部を逆流して弁近辺まで上昇している。その現像剤13aの補給口部12内への上昇力によって流出防止弁12cが上方に回動され、かつ規制部材12dによって流出防止弁12cの回動が規制されて補給口部12を閉塞する。その結果、現像剤13aの補給口部12内での上昇、流出が抑制され、第1の収容部14b内の現像剤13aの濃度低下を抑制することが可能となる。一方、補給口部12から第1の収容部14b内に、補給トナー11が送給される場合には、図5(B)に示すように、トナーボトル31Yからの補給トナー11に及ぼされる落下力及び補給トナー11自身の自重が逆流現像剤の上昇力に勝り、その結果、流出防止弁12cが下方に回動されて補給口部12内が開放されて補給トナー11の第1の収容部14bへの送給を可能とする。尚、予め上記逆流現像剤の上昇力を実験等で確認し、その上昇力に勝るように補給トナーの補給量や補給口の角度が設定することが好ましい。
【0016】
以上のように、第1の実施の形態の現像装置においては、第1のスクリュー1が収容される第1収容部14bの現像剤層13内に、補給トナー11の補給口部12の補給口13が現像剤層13の界面Gより下方となるように取り付けられるので、補給トナー11が現像剤層13の界面Gを上滑りすることなく適切に補給トナー11が現像剤13aに均一に分配、配合され、濃度ムラやトナー飛散を抑制することができる。
なお、第1の実施の形態においては、補給部材としてトナーを例示したが、予めトナーの中に一定量のキャリアを混合したプレミックストナーを補給する方式の現像装置や、トナー補給とは別にキャリア単体の自動補給を行う方式の現像装置にも適用することが可能である。それら変形タイプの現像装置を図6、図7に夫々示す。
【0017】
図6はプレミックストナー補給方式の現像装置であり、図3の現像装置との相違箇所として、第1の収容部14bの一部にプレミックストナー補給で嵩が増えた現像剤の一部がオーバーフローして廃棄される廃棄通路16が追加されている。また、トナーボトル31Yの中にはプレミックストナー11aが収納されてある。これにより、プレミックストナー中の新規のキャリアと今まで循環していた現像剤中のある程度劣化したキャリアの一部が交換され、現像剤の寿命を延命できるという効果を生じさせることが出来る。
図6の場合においても同様の作用、効果を奏することができる。廃棄通路の下流には廃棄スクリュー16aが配置されてあり、水平方向に現像剤を搬送して図示しない廃剤ボトルに廃棄する。
図7は図6の廃棄通路16を有する現像装置であって、トナーとキャリアがそれぞれ別々に補給できる方式の現像装置である。トナーボトル31Yと同様の構成のキャリアボトル32Yを備え、トナー補給とは別に所定のタイミングで新しいキャリア11bを収容部14に補給する。その際、増加した現像剤の一部が図6の現像装置同様に廃棄通路16を介して現像装置外に排出される。
【0018】
また、第1の実施の形態においては、補給トナー11の第1収容部14b内への補給を補給トナー自体の自重及びトナーボトル31Yからの落下力を利用して、現像剤層13への流入力を発生させていたが、図8、図9、図10にあるようにスクリュー搬送手段35を用いて強制的に補給トナー11を第1の収容部14b内に搬送する構成を採用しても良い。この構成ならば、図示しない駆動手段からの駆動力をその端部のギア35bに受けて回転する補給スクリュー35aの搬送力で補給トナーを搬送することができる。搬送力が十分であれば、左上がりに偏在する現像剤層13の内部に補給口12aが埋没する構成であれば、トナー自重及び落下力を利用できるように斜め上方から第1のスクリュー1に向かって延在するように補給口部12を構成する必要もない。補給スクリュー35aは図10のようにポリプレピレン等の柔軟な樹脂製の平板コイルで形成されており、補給口内35aの内部の大部分を占有する。よって、第1のスクリュー1の回転数が小さい場合なら逆流現像剤の補給口部12内への侵入を抑制でき、流出防止弁を省略することも可能である。もちろん、補給スクリュー35aの下流端を少し短くして、流出防止弁を備えることで逆流現像剤に確実に備える構成であってもよい。
また、第1の実施の形態においては、回転搬送体として第1及び第2のスクリュー1及び2の2個の回転搬送体を使用しているが、1個または2個以上の回転搬送体を使用しても良い。この場合、補給口部12が取り付けられる回転搬送体収容部は、いずれの回転搬送体収容部に取り付けても良いが、現像ローラ7に対して最上流となる回転搬送体収容部に取り付けることが好ましい。
【0019】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態の現像装置においては、補給トナー11の第1収容部14b内への補給を補給トナー自体の自重及びトナーボトル31Yからの落下力を利用して、流出防止弁2cに対する押圧力及び現像剤層13への流入力を発生させているが、第2の実施の形態においてはこれらの押圧力及び流入力を高圧化手段を利用して発生させている。
図11、図12は、本発明の第2の実施の形態の現像装置の概略構成を示す図である。第2の実施の形態においては、前記高圧化手段としてモーノポンプ(一軸偏心スクリューポンプ)34をトナーボトル31Y直下であって供給パイプ19の上端に配置してある。図12にあるようにモーノポンプは、トナーボトル31Yからの供給管34a、一時的にトナーを収納し、供給パイプ19と連通するケーシング34b、プロピレンゴムやシリコンゴムで作られ、内部に貫通孔を備えたステータ34c、モータ34dからの駆動力を得てステータ34cの貫通孔との擦動回転で高圧ガスを発生させるロータ34eから成る。また現像ユニット9Yの天面の第1の収容部14bに対向する位置にはフィルタ36が備えられてある、モーノポンプ34によって高圧ガスと共に補給トナー11を第1収容部14b内に送給するようにしている。従って、補給トナー11は第1収容部14bの底部に確実に送給されることになり、補給トナー11をより確実に現像剤13aに均一に分配、配合することが可能となり、より濃度ムラやトナー飛散を抑制することができる。また、現像装置9Y内送り込まれた高圧ガスはフィルタ36から機外に排出され、現像装置内の高圧化に起因するトナー飛散も防止することが可能になる。
また、第2の実施の形態においては、第1のスクリュー1の搬送用羽1aの径を第1の実施の形態のものよりも小さくして補給口部12が可及的に現像剤層13の下方に位置するようにしている。因みに、補給口部12の断面積は10mm×10mmとし、第1収容部14b内への補給口部12の先端補給口12aの侵入長は2mmに設定している。
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態で説明した流出防止弁12cを図示していないが、第1の実施の形態の場合と同様に流出防止弁を取り付け、現像剤13aの流出を防止することができる。
【0020】
次に、第1の実施の形態の現像装置(図3のもの)において流出防止弁を使用しない現像装置A、第1の実施の形態の現像装置(図3のもの)において流出防止弁を使用した現像装置B、第2の実施の形態の現像装置(図11のもの)において流出防止弁を使用しない現像装置Cを、また、比較のため、トナーガイド10を使用した特許文献1記載の従来の現像装置を、それぞれ図2に示すプロセスカートリッジに組み込んで、次のようにしてトナー濃度ムラ、未混合トナーの画像への到着、トナー飛散の画像特性について試験した。
実験1(トナー濃度ムラ):画像形成装置として図1に示すA4タンデムカラー複写機を用い、プロセスカートリッジを装置に装填し、全ベタ画像をA4紙10枚連続で出力した。次にプロセスカートリッジを画像形成装置機械より取り出し、現像装置内の第1及び第2スクリューの中心、中心より左に100mm、中心より右に100mmの計6点についてトナー濃度を測定し、トナー濃度の均一性を調べた。
実験2(未混合トナーの画像への到着):画像形成装置としてタンデムカラー複写機を用い、プロセスカートリッジを装置に装填し、全ベタ画像をA4紙50枚連続で出力した。画像を確認し、画像右側(現像装置内の潤滑剤の循環方向上流に相当する位置)の画像濃度ムラの発生を調べた。
実験3(トナー飛散):上記実験2終了後、画像形成装置本体内壁に付着したトナーの飛散の程度を調べた。
実験4(画像濃度ばらつき):実験2で出力した画像について上下左右をそれぞれ3分割し、1枚につき9点の画像濃度を測定した。50枚での画像濃度の推移から画像濃度バラツキの程度を調べた。
図13は、その結果を示している。この結果から明らかなように、従来の現像装置においては、トナー濃度ムラ、画像濃度ムラ、トナー飛散、画像濃度ばらつきが発生していたが、第1の実施の形態の流出防止弁を設けていない現像装置Aにおいては、画像濃度ばらつきが従来の現像装置を使用した場合と同等であったものの、他のトナー濃度ムラ、画像濃度ムラ、トナー飛散特性については、改善されていた。
第1の実施の形態の流出防止弁を設けた現像装置B、第2の実施の形態の流出防止弁を使用しない現像装置Cとも、画像濃度バラツキも他のトナー濃度ムラ、画像濃度ムラ、トナー飛散特性も共に、従来の現像装置に比べ改善されていた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明による一実施形態のプロセスカートリッジの概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す模式図である。
【図4】第1の収容部と第2の収容部を上方から見た場合の構成概略図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の現像装置で使用される補給口部の断面図で、(A)は補給トナーの補給停止時の状態を示す図であり、(B)は補給トナーの補給時の状態を示す図である。
【図6】プレミックストナー補給方式の現像装置を示した図である。
【図7】第1の実施の形態に係る現像装置の変形例を示した図である。
【図8】第1の実施の形態に係る現像装置の変形例を示した図である。
【図9】図8に示す現像装置のスクリュー搬送手段の構成を示した図である。
【図10】図8に示す現像装置のスクリュー搬送手段の構成を示した図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す図である。
【図13】本発明の第1及び第2の実施の形態、並びに従来の現像装置を使用した際の画像特性試験結果を表で示す図である。
【図14】従来の現像装置の概略構成を示す断面図である。
【図15】従来の現像装置の現像剤収容容器における現像剤層の偏在状態を示した図である。
【符号の説明】
【0022】
1…第1のスクリュー、2…第2のスクリュー、3、3Y、3C、3M、3k…感光体、4…書込みユニット、5…帯電装置、6…クリーニング装置、7…現像ローラ、9Y、9C、9M、9K…現像ユニット、10…トナーガイド、11…補給トナー、11a…プレミックストナー、11b…新しいキャリア、12…補給口部、12a…補給口、12c…流出防止弁、13…現像剤層、13a…現像剤、13b…上面、14…収容容器、14a…第2収容部、14b…第1収容部、14c…壁、14d、14e…開口、15…トナー濃度センサ、15a…検知面、16…廃棄通路、16a…廃棄スクリュー、17…2次転写装置、23…定着装置、25…中間転写ベルト、29…1次転写ローラ、30…画像形成部、31Y、31C、31M、31K、32Y…トナーボトル、33Y、33C、33M、33K…プロセスカートリッジ、34…モーノポンプ、34a…供給管、34b…ケーシング、34c…ステータ、34d…モータ、34e…ロータ、35…スクリュー搬送手段、35a…補給スクリュー、35b…ギア、36…フィルタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる画像形成装置に適用される現像装置、これを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、現像装置へのトナー補給は、現像装置の上部に位置する補給口から現像装置内に収容されている現像剤層の上部にトナーを落下させることにより行われる。この方式のトナー補給は、特にトナーを感光体に供給する現像ローラに、2本のスクリューにより現像剤をスクリュー軸方向に搬送する場合、トナーは、トナーとキャリアとからなる現像剤よりも比重が小さいために現像剤層面を上滑りするように搬送され、補給トナーと現像剤が十分に混合・攪拌され難いという不都合を有している。このように、補給トナーと現像剤との混合・攪拌が十分に行われないと濃度ムラやトナー飛散などが発生しやすくなる。また、補給トナーが現像装置内の現像剤層の上面を上滑りしたまま画像まで到達すると、画像上には現像装置内の現像剤の循環方向上流に相当する位置に画像が形成される転写紙の搬送方向に伸びた画像濃度ムラとなって現れることになる。特に、高速化、小サイズ化という現像装置に求められる性能を満たすには、一度に供給するトナー量を多くすることや、またスクリュー等の回転搬送体のサイズを小さくすることなどが必要になる。しかし、これらは混合に不利な条件であるため、前記問題はより顕著になる。
このような問題を改善するため、画像形成装置に使用する現像装置において、図14に示すように、トナー補給口7から投入された補給トナー11を現像剤収容容器14内の第1の搬送スクリュー1の回転方向(矢印方向)の上流側の現像剤13aへ案内するトナーガイド10を前記現像剤収容容器14のトナー補給口7近傍に設け、補給トナーをトナーガイド10によって現像剤収容容器14の下方に供給することによって現像剤層の上面を補給トナーが上滑りすることを防止することが提案されている(例えば特許文献1参照)。なお、図14中、2は第2の搬送スクリュー、7は現像ローラである。
【特許文献1】特開2004−69789公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載のものでは、第1のスクリュー1の回転方向がトナーガイド10から見て上から下に向かって回転する方向にあり、第一のスクリュー1の回転状態では図15のような偏在状態になるものと予想される。そうするとトナーガイド10から滑落したトナーは現像剤層13の上面に供給されることになるので、補給トナー11と現像剤Gとの混合が十分に行われず、依然として、現像剤層13の上方に貯留された状態となって濃度ムラやトナー飛散を招き易い問題が生じている。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、現像剤容器内に補給されたトナーと現像剤との混合、攪拌を十分行なわせて、現像剤にトナーを均一に分配することにより濃度ムラ、トナー飛散の抑制された画像を形成することが可能な現像装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する収容容器内に、感光体に形成された静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像剤担持体と、当該現像剤担持体に前記収容容器内の現像剤を供給する回転搬送体を収容した現像装置において、前記回転搬送体を収容した回転搬送体収容部の現像剤層内に、外部からトナー単体もしくはキャリア単体、又はトナーに所定のキャリアを混合したプレミックストナーといった画像形成に用いる粉体を補給する管状の補給口部を配設し、前記補給口部の補給口は、前記回転搬送体の回転動作によって偏った状態になる現像剤層の内部に埋没するように前記回転搬送体収容部に配置されてあることを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、前記回転搬送体の回転方向は、前記補給口から見て下方から上方に移動する方向である請求項1記載の現像装置を特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、前記補給口部内には前記粉体を強制的に前記回転搬送体収納部内に搬送する補給手段を備えてある請求項1又は2記載の現像装置を特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、前記管状の補給口部は、前記補給口が前記回転搬送体に対向するように斜め上方から前記回転搬送体に向かって延在されてある請求項1乃至3のいずれか1項記載の現像装置を特徴とする。
【0005】
また請求項5に記載の発明は、前記補給口部は、前記回転搬送体収容部の現像剤が前記補給口部の上方に流出することを防止する防止弁を備えている請求項1乃至4のいずれか1項記載の現像装置を特徴とする。
また請求項6に記載の発明は、前記回転搬送体の回転方向は、前記補給口に対して前記回転搬送体収納部内の現像剤を押し込む方向に回転する方向である請求項5記載の現像装置を特徴とする。
また請求項7に記載の発明は、前記補給口部内の気圧を前記回転搬送体収容部内の気圧より高圧とする高圧化手段を備え、前記高圧化手段によって高圧気体を前記補給口部内に供給して前記補給口部内の粉体を上方より下方に押圧する請求項5又は6記載の現像装置を特徴とする。
また請求項8に記載の発明は、前記回転搬送体収納部の壁面に内部から外部に高圧気体を流出が可能な脱気手段を有する請求項7記載の現像装置を特徴とする。
【0006】
また請求項9に記載の発明は、静電潜像を形成する感光体と、前記静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像装置とを少なくとも一体にして画像形成装置に着脱自在に取り付け可能なプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置は請求項1乃至8のいずれか1項記載の現像装置であるプロセスカートリッジを特徴とする。
また請求項10に記載の発明は、前記プロセスカートリッジは、前記感光体を帯電させる帯電装置、現像後のトナー像を転写材に転写した後に前記感光体上に残留する転写残トナーを除去するクリーニング装置の何れか1つ以上を備えている請求項9記載のプロセスカートリッジを特徴とする。
また請求項11に記載の発明は、静電潜像を形成する感光体と前記静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像装置とを少なくとも備える画像形成装置において、前記現像装置は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の現像装置である画像形成装置を特徴とする。
また請求項12に記載の発明は、前記感光体と現像装置は一体化されたプロセスカートリッジであって、当該プロセスカートリッジは、請求項9又は10記載のプロセスカートリッジである請求項11記載の画像形成装置ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上記構成を採用することによって、現像剤容器内に補給されたトナーと現像剤との混合、攪拌を十分行なわせて、現像剤にトナーを均一に分配することにより濃度ムラ、トナー飛散の抑制された画像を形成することが可能な現像装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による一実施形態の画像形成装置であるカラープリンターの概略構成を示す図である。本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成装置本体の下部に転写紙等の転写材Sを収納する給紙カセットを配した給紙部20と、その上方に画像形成部30とを配置した構成となっている。画像形成部30は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色に対応するドラム状の感光体3Y、3C、3M、3Kを備えた複数の画像形成手段としての4個のプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)33Y、33C、33M、33Kと、各感光体3Y、3C、3M、3Kに静電潜像を形成する光書込みユニット4とを備えている。さらに、画像形成装置は、画像形成部30でY、C、M、Kの色で形成されたトナー像が転写される複数のローラ26、27、28に巻き掛けられた可撓性を有する無端ベルトにより構成した中間転写体としての中間転写ベルト25と、転写材Sにトナー像を定着させる定着装置23等を備えている。給紙部20から定着装置23までの間には、転写材Sを搬送する搬送経路が形成してある。なお、図中符号21は呼び出しローラ、符号22はレジストローラである。
各感光体3Y、3C、3M、3Kの周りには、各感光体3Y、3C、3M、3Kの表面を一様に帯電する帯電装置5、感光体3Y、3C、3M、3Kの静電潜像をトナーによって現像する各色の現像ユニット9Y、9C、9M、9K、感光体3Y、3C、3M、3Kの残留トナーをクリーニングするクリーニング装置6等がそれぞれ配置してある。各感光体3Y、3C、3M、3Kが中間転写ベルト25に接する位置における中間転写ベルト25の内側には、1次転写を行う1次転写ローラ29Y、29C、29M、29Kがそれぞれ設けてある。
中間転写ベルト25には、ローラ28と対向する部位に2次転写ローラ16を搬送経路に臨ませて配設し(ローラ28と2次転写ローラを合わせて2次転写装置17という)、ローラ26と対向する部位にベルト表面を清掃するベルトクリーニング装置15が配設されている。画像形成装置の上部には、補給用のトナーが収納されているトナーボトル31Y、31C、31M、31K(トナーボトル31)を有している。後述するように、これらのトナーボトル31と現像装置9Y、9C、9M、9Kの補給口部とをパイプ等の配給手段で連結して必要に応じてトナーボトル31Y、31C、31M、31Kから現像装置9Y、9C、9M、9Kに補給トナーを供給するようになっている。この場合、通常はトナーボトル31のみの交換でトナーを補給する。
【0009】
上記の構成において画像形成のプロセスを説明する。給紙部20の給紙カセットから呼び出しローラ21により転写材Sがフィードされ、フィードされた転写材Sがレジストローラ22まで到達すると、像形成のタイミングを合わせるために転写材Sは一旦待機して停止する。帯電装置5によって一様に帯電された感光体3Y、3C、3M、3Kは、光書込みユニット4によりレーザ光にて露光走査され、感光体3Y、3C、3M、3K上に静電潜像が作られる。各静電潜像には、それぞれ各色の現像ユニット9Y、9C、9M、9Kによりトナーが供給されて感光体3Y、3C、3M、3K表面にそれぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナー像が形成される。
次いで、1次転写ローラ29Y、29C、29M、29Kに電圧が印加され、感光体3Y、3C、3M、3K上のトナー像が、中間転写ベルト25上に順次転写されていく。この時、各色の画像形成動作は、そのトナー像が中間転写ベルト25の同じ位置に重ねて転写される様に、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト25上に形成された画像は、2次転写ローラ16の位置まで搬送され、このタイミングに合わせて、レジストローラ22に待機した転写材Sが転写装置17である2次転写ローラ16の位置まで送られ、転写材Sにトナー像が転写される。その後、トナー像が転写された転写材Sは、定着装置23に搬送されて熱定着され、定着終了後の転写材Sは排紙ローラ24から機外に排紙される。
本実施形態の画像形成装置としては、図1に示すようなタンデム型カラープリンターを例示したが、このカラープリンターは、単なる例であり、本発明の画像形成装置は、白黒の画像を形成する画像形成装置でもよく、好ましくはトナーとキャリアの2成分現像剤を使用する電子写真方式の画像形成装置であれば、十分に適用可能である。
【0010】
次に、本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。本実施形態に係るプロセスカートリッジ33Y、33C、33M、33Kは、現像装置9Y、9C、9M、9K内に収納されるトナーの色が異なるだけで基本構造は同一である。従って、プロセスカートリッジ33Yを代表して図2に基づいて説明する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジ33Yの概略構成を示す図である。このプロセスカートリッジ33Yは、静電潜像を担持させる感光体3Yを中心として、感光体3Yの周囲に感光体3Yの回転方向(矢印B方向)に沿って順に、現像後のトナー像を転写材S(図1参照)に転写した後に感光体3Y上に残留する転写残トナーを除去するクリーニング装置6と、感光体3Yを帯電させる帯電装置5と、現像装置9Yとが感光体3Yと一体に取り付けられている。そして、このプロセスカートリッジ33Yは、画像形成装置の画像形成部30の所定位置(図1参照)から感光体3Yと共に着脱自在に取り付けられるようになっており、プロセスカートリッジ33Yの修理、交換を容易に行うことができるようになっている。なお、図2中のクリーニング装置6としては、転写残トナーを除去するクリーニング手段6aと感光体3Yの表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段6bも図示されているが、潤滑剤塗布手段6bは必ずしも必要でなく、転写残トナーを除去するクリーニング手段6aだけでも十分である。
本実施形態の画像形成装置においては、画像形成部30としてプロセスカートリッジ33Y、33C、33M、33Kを使用しているが、このプロセスカートリッジ33Y、33C、33M、33Kの使用は、必須ではない。勿論、クリーニング装置6、帯電装置5、現像装置9Yを感光体3Yからそれぞれ独立した装置として組み込むことも可能である。しかしながら、プロセスカートリッジとして使用する場合には、上記各装置6、5、9Yの修理、交換の際の取り付け調整が容易となるので好適である。
【0011】
[第1の実施の形態]
次に、本発明の特徴である現像装置9Yについて図3に基づいて説明する。図3は、本発明による一実施形態の現像装置の概略構成を示す図である。第1の実施の形態に係る現像装置9Yは、粒径が10μm以下のトナーと粒径が20〜100μmの磁性キャリアを含む粒状の現像剤を収容する現像剤収容容器14内に、感光体3Yに形成された静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像剤担持体である現像ローラ7と、現像ローラ7に現像剤を供給する回転搬送体である第2のスクリュー2と、第2のスクリュー2に現像剤を供給する回転搬送体である第1のスクリュー1とが回転自在に収容されている。
現像ローラ7は、その中心部に磁界を所定方向に放射状に放射するマグネット(図示せず)が固定して取り付けられ、このマグネットの周囲に駆動モータ等によって矢印Cの方向に回転駆動される円筒状の現像スリーブ(図示せず)がその中心軸を中心として回転自在に取り付けられている。現像スリーブは、その表面にドクターブレード8によって所定量に規制された現像剤を前記マグネットによって磁気的に吸引、保持し、感光体3Yの近傍で磁気ブラシを形成して磁性キャリアの表面に付着しているトナーを感光体3Yの静電潜像に電界的に供給するようになっている。
【0012】
現像ローラ7は、トナーを感光体3Yに供給した後に前記マグネットの磁力を開放することによって第2の収容部14a内に現像剤を回収させる。第2の収容部14aには第2のスクリュー2が配置されてあり、また第1収容部14bと第2収容部14aとを仕切る仕切り壁14cに形成された2つの開口14dと14eが形成されてある。第2のスクリュー2は、開口14eを介して第1のスクリュー1から供給される現像剤と上述の回収された現像剤とを攪拌混合しながら搬送する。現像ローラ7は、かかる攪拌混合しながら搬送される現像剤を前述の現像ローラ7内のマグネットの磁力作用で汲み上げてドクターブレード8に供給している。第2のスクリュー2は、矢印Dの反時計回りの方向に回転することで現像剤層13を右上がりの状態(破線E)、即ちドクターブレード8側に偏在させる状態にさせている。
第1のスクリュー1は、後述するように、補給口部12から第1の収容部14b内に補給される補給トナーと仕切り壁14cに形成された開口14dを通じて供給される現像剤とを攪拌、混合しながら現像剤を開口14eを介して第2のスクリュー2に供給している。第1のスクリュー1は、矢印Fの時計回りの方向に回転することで現像剤層を左上がりの状態に偏在させている。
【0013】
第1の収容部14bには、トナーボトル31Y(図1参照)から供給パイプ19と連結された補給口部12の先端の補給口12aが上記の左上がりの状態に偏在した現像剤層13の内部に埋没するように取り付けられている。補給口部12は、補給口12aが第1のスクリュー1に対向するように斜め上方から第1のスクリュー1に向かって延在されてある。このような構成によって、補給トナー11は、現像剤層13の内部で現像剤13aと混合することになるので、現像剤層13の界面G(破線G)を上滑りすることなく適切に補給トナー11が現像剤13aに均一に分配、配合され、濃度ムラやトナー飛散を抑制することができる。この場合、現像装置の各回転体が駆動した際の第1の収容部14b内の現像剤層13の偏在状態を基準として補給口12aの位置を設定している。具体的には、初期セット時の現像剤量公差の下限量を収納した場合において、トナー濃度が設定範囲の下限にある状態を再現する。この状態で現像装置の各回転体を駆動して現像剤を循環させたときの現像剤層13の偏在状態が、この現像装置がとり得る最も界面Gが低い状態に相当する。補給口12aはその状態よりも低い位置に設定するようにしている。このように設定すれば、現像剤13aがどのような状態になっても補給口12aは現像剤層13の内部に埋没させることができる。また、別の設定として、初期セット時の現像剤13aに含まれるのと同量のキャリアのみ、即ちトナー濃度0の状態にして現像装置を駆動させ、そのときの現像剤層界面(キャリア層界面)よりも下方に補給口12aが存在するようにしてもよい。この設定によっても補給口12aを確実に現像剤層の内部に埋没させることが可能になる。
【0014】
図4は、第1の収容部14bと第2の収容部14aを上方から見た場合の構成概略図であり、現像剤が第1のスクリュー1と第2のスクリュー2の駆動によって各収納部を循環搬送される状態を表している。補給口部12は、第1のスクリュー1における現像剤搬送方向の上流側に位置し、第2の収容部14aから送られてきた現像剤が通過する仕切り壁14cに形成された開口14eの近傍に配置されてある。第2の収容部14aから送られてくる現像剤とは、トナー像を形成してトナー濃度が低下した現像剤である。この低トナー濃度の現像剤に補給口12aから補給トナー11が補給される。同時に現像剤13aは第1のスクリュー1によって混合攪拌されながら矢印Hの方向に搬送される。第1のスクリュー1における現像剤搬送方向下流側であって、開口14dの近傍にはトナー濃度センサ15が配置されてあり、補給トナーと混合攪拌された現像剤のトナー濃度に相当する電圧情報(以下トナー濃度と略す)を検知して図示しない画像形成装置本体のCPUに送信する。CPUは送信されたトナー濃度が、所定の下限値以上か否かを判断し、下限値未満ならばトナーボトル31Yからのトナーの補給を継続させ、下限値以上ならトナー補給を終了させる。
尚、図3にあるようにトナー濃度センサ15の配置は、第1のスクリュー1が回転した時の現像剤層13の偏在状態に鑑み、第1のスクリュー1の回転中心よりも現像剤層13が偏在する側(=補給口12a側)に寄った位置に配置されてある。トナー濃度センサ15の検知面15aは第1のスクリュー1の回転中心方向に対向する角度に設定されてある。
【0015】
また、補給口部12を現像剤層13内に埋没させた際に、補給口部12内に現像剤13aが流出して第1の収容部14b内の現像剤13aの濃度が低下する恐れがあるが、この現像剤13aの補給口部12内への流出を防ぐために、補給口部12に流出防止弁を取り付けることが好ましい。図5は、その具体例を示す図である。この実施形態では、補給口部12の先端の補給口12aの近傍に支点12bを中心として上下に回動する流出防止弁12cを取り付け、流出防止弁12cの先端と当接して流出防止弁12cの回動を規制する規制部材12dを補給口部12の内面に形成している。補給口部12内にトナーや現像剤が全くない状態では流出防止弁は弁自身の自重によって下方に垂れ、開放した状態になる。図5(A)は第1のスクリュー1が回動し、かつ補給トナー11が送給された後に第1のスクリュー1、補給トナーの送給ともに停止した状態を表す。このとき、第1のスクリュー1の回動によって現像剤層13は補給口12aを覆い、一部は補給口部12の内部を逆流して弁近辺まで上昇している。その現像剤13aの補給口部12内への上昇力によって流出防止弁12cが上方に回動され、かつ規制部材12dによって流出防止弁12cの回動が規制されて補給口部12を閉塞する。その結果、現像剤13aの補給口部12内での上昇、流出が抑制され、第1の収容部14b内の現像剤13aの濃度低下を抑制することが可能となる。一方、補給口部12から第1の収容部14b内に、補給トナー11が送給される場合には、図5(B)に示すように、トナーボトル31Yからの補給トナー11に及ぼされる落下力及び補給トナー11自身の自重が逆流現像剤の上昇力に勝り、その結果、流出防止弁12cが下方に回動されて補給口部12内が開放されて補給トナー11の第1の収容部14bへの送給を可能とする。尚、予め上記逆流現像剤の上昇力を実験等で確認し、その上昇力に勝るように補給トナーの補給量や補給口の角度が設定することが好ましい。
【0016】
以上のように、第1の実施の形態の現像装置においては、第1のスクリュー1が収容される第1収容部14bの現像剤層13内に、補給トナー11の補給口部12の補給口13が現像剤層13の界面Gより下方となるように取り付けられるので、補給トナー11が現像剤層13の界面Gを上滑りすることなく適切に補給トナー11が現像剤13aに均一に分配、配合され、濃度ムラやトナー飛散を抑制することができる。
なお、第1の実施の形態においては、補給部材としてトナーを例示したが、予めトナーの中に一定量のキャリアを混合したプレミックストナーを補給する方式の現像装置や、トナー補給とは別にキャリア単体の自動補給を行う方式の現像装置にも適用することが可能である。それら変形タイプの現像装置を図6、図7に夫々示す。
【0017】
図6はプレミックストナー補給方式の現像装置であり、図3の現像装置との相違箇所として、第1の収容部14bの一部にプレミックストナー補給で嵩が増えた現像剤の一部がオーバーフローして廃棄される廃棄通路16が追加されている。また、トナーボトル31Yの中にはプレミックストナー11aが収納されてある。これにより、プレミックストナー中の新規のキャリアと今まで循環していた現像剤中のある程度劣化したキャリアの一部が交換され、現像剤の寿命を延命できるという効果を生じさせることが出来る。
図6の場合においても同様の作用、効果を奏することができる。廃棄通路の下流には廃棄スクリュー16aが配置されてあり、水平方向に現像剤を搬送して図示しない廃剤ボトルに廃棄する。
図7は図6の廃棄通路16を有する現像装置であって、トナーとキャリアがそれぞれ別々に補給できる方式の現像装置である。トナーボトル31Yと同様の構成のキャリアボトル32Yを備え、トナー補給とは別に所定のタイミングで新しいキャリア11bを収容部14に補給する。その際、増加した現像剤の一部が図6の現像装置同様に廃棄通路16を介して現像装置外に排出される。
【0018】
また、第1の実施の形態においては、補給トナー11の第1収容部14b内への補給を補給トナー自体の自重及びトナーボトル31Yからの落下力を利用して、現像剤層13への流入力を発生させていたが、図8、図9、図10にあるようにスクリュー搬送手段35を用いて強制的に補給トナー11を第1の収容部14b内に搬送する構成を採用しても良い。この構成ならば、図示しない駆動手段からの駆動力をその端部のギア35bに受けて回転する補給スクリュー35aの搬送力で補給トナーを搬送することができる。搬送力が十分であれば、左上がりに偏在する現像剤層13の内部に補給口12aが埋没する構成であれば、トナー自重及び落下力を利用できるように斜め上方から第1のスクリュー1に向かって延在するように補給口部12を構成する必要もない。補給スクリュー35aは図10のようにポリプレピレン等の柔軟な樹脂製の平板コイルで形成されており、補給口内35aの内部の大部分を占有する。よって、第1のスクリュー1の回転数が小さい場合なら逆流現像剤の補給口部12内への侵入を抑制でき、流出防止弁を省略することも可能である。もちろん、補給スクリュー35aの下流端を少し短くして、流出防止弁を備えることで逆流現像剤に確実に備える構成であってもよい。
また、第1の実施の形態においては、回転搬送体として第1及び第2のスクリュー1及び2の2個の回転搬送体を使用しているが、1個または2個以上の回転搬送体を使用しても良い。この場合、補給口部12が取り付けられる回転搬送体収容部は、いずれの回転搬送体収容部に取り付けても良いが、現像ローラ7に対して最上流となる回転搬送体収容部に取り付けることが好ましい。
【0019】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態の現像装置においては、補給トナー11の第1収容部14b内への補給を補給トナー自体の自重及びトナーボトル31Yからの落下力を利用して、流出防止弁2cに対する押圧力及び現像剤層13への流入力を発生させているが、第2の実施の形態においてはこれらの押圧力及び流入力を高圧化手段を利用して発生させている。
図11、図12は、本発明の第2の実施の形態の現像装置の概略構成を示す図である。第2の実施の形態においては、前記高圧化手段としてモーノポンプ(一軸偏心スクリューポンプ)34をトナーボトル31Y直下であって供給パイプ19の上端に配置してある。図12にあるようにモーノポンプは、トナーボトル31Yからの供給管34a、一時的にトナーを収納し、供給パイプ19と連通するケーシング34b、プロピレンゴムやシリコンゴムで作られ、内部に貫通孔を備えたステータ34c、モータ34dからの駆動力を得てステータ34cの貫通孔との擦動回転で高圧ガスを発生させるロータ34eから成る。また現像ユニット9Yの天面の第1の収容部14bに対向する位置にはフィルタ36が備えられてある、モーノポンプ34によって高圧ガスと共に補給トナー11を第1収容部14b内に送給するようにしている。従って、補給トナー11は第1収容部14bの底部に確実に送給されることになり、補給トナー11をより確実に現像剤13aに均一に分配、配合することが可能となり、より濃度ムラやトナー飛散を抑制することができる。また、現像装置9Y内送り込まれた高圧ガスはフィルタ36から機外に排出され、現像装置内の高圧化に起因するトナー飛散も防止することが可能になる。
また、第2の実施の形態においては、第1のスクリュー1の搬送用羽1aの径を第1の実施の形態のものよりも小さくして補給口部12が可及的に現像剤層13の下方に位置するようにしている。因みに、補給口部12の断面積は10mm×10mmとし、第1収容部14b内への補給口部12の先端補給口12aの侵入長は2mmに設定している。
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態で説明した流出防止弁12cを図示していないが、第1の実施の形態の場合と同様に流出防止弁を取り付け、現像剤13aの流出を防止することができる。
【0020】
次に、第1の実施の形態の現像装置(図3のもの)において流出防止弁を使用しない現像装置A、第1の実施の形態の現像装置(図3のもの)において流出防止弁を使用した現像装置B、第2の実施の形態の現像装置(図11のもの)において流出防止弁を使用しない現像装置Cを、また、比較のため、トナーガイド10を使用した特許文献1記載の従来の現像装置を、それぞれ図2に示すプロセスカートリッジに組み込んで、次のようにしてトナー濃度ムラ、未混合トナーの画像への到着、トナー飛散の画像特性について試験した。
実験1(トナー濃度ムラ):画像形成装置として図1に示すA4タンデムカラー複写機を用い、プロセスカートリッジを装置に装填し、全ベタ画像をA4紙10枚連続で出力した。次にプロセスカートリッジを画像形成装置機械より取り出し、現像装置内の第1及び第2スクリューの中心、中心より左に100mm、中心より右に100mmの計6点についてトナー濃度を測定し、トナー濃度の均一性を調べた。
実験2(未混合トナーの画像への到着):画像形成装置としてタンデムカラー複写機を用い、プロセスカートリッジを装置に装填し、全ベタ画像をA4紙50枚連続で出力した。画像を確認し、画像右側(現像装置内の潤滑剤の循環方向上流に相当する位置)の画像濃度ムラの発生を調べた。
実験3(トナー飛散):上記実験2終了後、画像形成装置本体内壁に付着したトナーの飛散の程度を調べた。
実験4(画像濃度ばらつき):実験2で出力した画像について上下左右をそれぞれ3分割し、1枚につき9点の画像濃度を測定した。50枚での画像濃度の推移から画像濃度バラツキの程度を調べた。
図13は、その結果を示している。この結果から明らかなように、従来の現像装置においては、トナー濃度ムラ、画像濃度ムラ、トナー飛散、画像濃度ばらつきが発生していたが、第1の実施の形態の流出防止弁を設けていない現像装置Aにおいては、画像濃度ばらつきが従来の現像装置を使用した場合と同等であったものの、他のトナー濃度ムラ、画像濃度ムラ、トナー飛散特性については、改善されていた。
第1の実施の形態の流出防止弁を設けた現像装置B、第2の実施の形態の流出防止弁を使用しない現像装置Cとも、画像濃度バラツキも他のトナー濃度ムラ、画像濃度ムラ、トナー飛散特性も共に、従来の現像装置に比べ改善されていた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明による一実施形態のプロセスカートリッジの概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す模式図である。
【図4】第1の収容部と第2の収容部を上方から見た場合の構成概略図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の現像装置で使用される補給口部の断面図で、(A)は補給トナーの補給停止時の状態を示す図であり、(B)は補給トナーの補給時の状態を示す図である。
【図6】プレミックストナー補給方式の現像装置を示した図である。
【図7】第1の実施の形態に係る現像装置の変形例を示した図である。
【図8】第1の実施の形態に係る現像装置の変形例を示した図である。
【図9】図8に示す現像装置のスクリュー搬送手段の構成を示した図である。
【図10】図8に示す現像装置のスクリュー搬送手段の構成を示した図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す図である。
【図13】本発明の第1及び第2の実施の形態、並びに従来の現像装置を使用した際の画像特性試験結果を表で示す図である。
【図14】従来の現像装置の概略構成を示す断面図である。
【図15】従来の現像装置の現像剤収容容器における現像剤層の偏在状態を示した図である。
【符号の説明】
【0022】
1…第1のスクリュー、2…第2のスクリュー、3、3Y、3C、3M、3k…感光体、4…書込みユニット、5…帯電装置、6…クリーニング装置、7…現像ローラ、9Y、9C、9M、9K…現像ユニット、10…トナーガイド、11…補給トナー、11a…プレミックストナー、11b…新しいキャリア、12…補給口部、12a…補給口、12c…流出防止弁、13…現像剤層、13a…現像剤、13b…上面、14…収容容器、14a…第2収容部、14b…第1収容部、14c…壁、14d、14e…開口、15…トナー濃度センサ、15a…検知面、16…廃棄通路、16a…廃棄スクリュー、17…2次転写装置、23…定着装置、25…中間転写ベルト、29…1次転写ローラ、30…画像形成部、31Y、31C、31M、31K、32Y…トナーボトル、33Y、33C、33M、33K…プロセスカートリッジ、34…モーノポンプ、34a…供給管、34b…ケーシング、34c…ステータ、34d…モータ、34e…ロータ、35…スクリュー搬送手段、35a…補給スクリュー、35b…ギア、36…フィルタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリアを含む現像剤を収容する収容容器内に、感光体に形成された静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像剤担持体と、当該現像剤担持体に前記収容容器内の現像剤を供給する回転搬送体を収容した現像装置において、
前記回転搬送体を収容した回転搬送体収容部の現像剤層内に、外部からトナー単体もしくはキャリア単体、又はトナーに所定のキャリアを混合したプレミックストナーといった画像形成に用いる粉体を補給する管状の補給口部を配設し、
前記補給口部の補給口は、前記回転搬送体の回転動作によって偏った状態になる現像剤層の内部に埋没するように前記回転搬送体収容部に配置されてあることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記回転搬送体の回転方向は、前記補給口から見て下方から上方に移動する方向であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記補給口部内には前記粉体を強制的に前記回転搬送体収納部内に搬送する補給手段を備えてあることを特徴とする請求項1又は2記載の現像装置。
【請求項4】
前記管状の補給口部は、前記補給口が前記回転搬送体に対向するように斜め上方から前記回転搬送体に向かって延在されてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の現像装置。
【請求項5】
前記補給口部は、前記回転搬送体収容部の現像剤が前記補給口部の上方に流出することを防止する防止弁を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の現像装置。
【請求項6】
前記回転搬送体の回転方向は、前記補給口に対して前記回転搬送体収納部内の現像剤を押し込む方向に回転する方向であることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項7】
前記補給口部内の気圧を前記回転搬送体収容部内の気圧より高圧とする高圧化手段を備え、前記高圧化手段によって高圧気体を前記補給口部内に供給して前記補給口部内の粉体を上方より下方に押圧することを特徴とする請求項5又は6記載の現像装置。
【請求項8】
前記回転搬送体収納部の壁面に内部から外部に高圧気体を流出が可能な脱気手段を有することを特徴とする請求項7記載の現像装置。
【請求項9】
静電潜像を形成する感光体と、前記静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像装置とを少なくとも一体にして画像形成装置に着脱自在に取り付け可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置は請求項1乃至8のいずれか1項記載の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記プロセスカートリッジは、前記感光体を帯電させる帯電装置、現像後のトナー像を転写材に転写した後に前記感光体上に残留する転写残トナーを除去するクリーニング装置の何れか1つ以上を備えていることを特徴とする請求項9記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
静電潜像を形成する感光体と前記静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像装置とを少なくとも備える画像形成装置において、
前記現像装置は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記感光体と現像装置は一体化されたプロセスカートリッジであって、当該プロセスカートリッジは、請求項9又は10記載のプロセスカートリッジであることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナーとキャリアを含む現像剤を収容する収容容器内に、感光体に形成された静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像剤担持体と、当該現像剤担持体に前記収容容器内の現像剤を供給する回転搬送体を収容した現像装置において、
前記回転搬送体を収容した回転搬送体収容部の現像剤層内に、外部からトナー単体もしくはキャリア単体、又はトナーに所定のキャリアを混合したプレミックストナーといった画像形成に用いる粉体を補給する管状の補給口部を配設し、
前記補給口部の補給口は、前記回転搬送体の回転動作によって偏った状態になる現像剤層の内部に埋没するように前記回転搬送体収容部に配置されてあることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記回転搬送体の回転方向は、前記補給口から見て下方から上方に移動する方向であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記補給口部内には前記粉体を強制的に前記回転搬送体収納部内に搬送する補給手段を備えてあることを特徴とする請求項1又は2記載の現像装置。
【請求項4】
前記管状の補給口部は、前記補給口が前記回転搬送体に対向するように斜め上方から前記回転搬送体に向かって延在されてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の現像装置。
【請求項5】
前記補給口部は、前記回転搬送体収容部の現像剤が前記補給口部の上方に流出することを防止する防止弁を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の現像装置。
【請求項6】
前記回転搬送体の回転方向は、前記補給口に対して前記回転搬送体収納部内の現像剤を押し込む方向に回転する方向であることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項7】
前記補給口部内の気圧を前記回転搬送体収容部内の気圧より高圧とする高圧化手段を備え、前記高圧化手段によって高圧気体を前記補給口部内に供給して前記補給口部内の粉体を上方より下方に押圧することを特徴とする請求項5又は6記載の現像装置。
【請求項8】
前記回転搬送体収納部の壁面に内部から外部に高圧気体を流出が可能な脱気手段を有することを特徴とする請求項7記載の現像装置。
【請求項9】
静電潜像を形成する感光体と、前記静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像装置とを少なくとも一体にして画像形成装置に着脱自在に取り付け可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置は請求項1乃至8のいずれか1項記載の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記プロセスカートリッジは、前記感光体を帯電させる帯電装置、現像後のトナー像を転写材に転写した後に前記感光体上に残留する転写残トナーを除去するクリーニング装置の何れか1つ以上を備えていることを特徴とする請求項9記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
静電潜像を形成する感光体と前記静電潜像をトナー像化するためのトナーを供給する現像装置とを少なくとも備える画像形成装置において、
前記現像装置は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記感光体と現像装置は一体化されたプロセスカートリッジであって、当該プロセスカートリッジは、請求項9又は10記載のプロセスカートリッジであることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−257213(P2008−257213A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52525(P2008−52525)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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