説明

現像装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】現像剤の流動性が変化しても、現像容器内で現像剤量を常に安定させるように現像剤を排出する現像装置を提供する。
【解決手段】現像装置2は、現像剤を撹拌、搬送する回転可能な第2撹拌部材44と、現像剤排出口22hに対向し第2撹拌部材44に対して同軸に設けられ現像剤排出口22hへの現像剤の移動を規制する回転可能な規制部材52と、を備え、第2撹拌部材44及び規制部材52は互いに独立して回転可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる現像装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤の補給を行うとともに余剰現像剤を排出する現像装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、感光体等からなる像担持体上に形成した潜像を、現像装置により現像しトナー像として可視化することを行っている。このような現像装置の一つとして、2成分現像剤を用いる2成分現像方式が採用されている。この種の現像装置は現像容器内にトナーとキャリアとからなる現像剤を収容し、像担持体に現像剤を供給する現像ローラーが配設されるとともに、現像容器内の現像剤を搬送撹拌しながら現像ローラーへと供給する撹拌部材が配設されている。
【0003】
この現像装置では、現像動作によってトナーは消費されていく一方、キャリアは消費されずに現像容器内に残る。従って、現像容器内でトナーとともに撹拌されるキャリアは撹拌頻度が多くなるにつれて劣化し、その結果トナーに対するキャリアの帯電付与性能が徐々に低下してしまう。
【0004】
そこで、現像容器内にキャリアを含む現像剤を補給するとともに、余剰となった現像剤を排出することで、帯電性能の低下を抑制するようにした現像装置が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、現像容器内で現像剤を撹拌、搬送する撹拌部材が設けられ、また、搬送方向の下流側に現像剤排出口が設けられ、さらに、撹拌部材と現像剤排出口との間には、撹拌部材の螺旋羽根とは逆向きで螺旋状に形成される規制部材が設けられている。この構成において、現像剤が現像容器内に補給されると、撹拌部材の回転により現像剤が撹拌されながら搬送方向の下流側まで搬送される。規制部材が撹拌部材と同方向に回転すると、規制部材によって、撹拌部材による現像剤搬送方向に対して逆方向の搬送力が現像剤に付与される。この逆方向の搬送力によって、搬送方向下流側では現像剤が塞き止められて嵩高となることから、余剰の現像剤が規制部材を乗り越えて現像剤排出口に移動し現像容器から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−265098号公報(段落[0021]、[0023]、[0024]、[0028]、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1では、トナーとキャリアとからなる現像剤のトナー濃度や、現像装置の温湿度が変化すると、現像剤の流動性が変わり、現像剤排出口から排出される現像剤量が変動するために、現像容器内で所定の現像剤量に安定させることが難しかった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、現像剤の流動性が変化しても、現像容器内で現像剤量を常に安定させるように現像剤を排出する現像装置、及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために第1の発明は、キャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、現像剤を前記現像容器に補給する現像剤補給口と、前記現像容器内の余剰の現像剤を排出する現像剤排出口と、を備えた現像装置であって、回転軸と、該回転軸の外周面に形成される螺旋羽根とで構成され、前記現像容器内の現像剤を撹拌、搬送する回転可能な撹拌部材と、前記現像剤排出口に対向し前記撹拌部材に対して同軸に設けられ前記現像剤排出口への現像剤の移動を規制する回転可能な規制部材と、を備え、前記撹拌部材及び規制部材は、互いに独立して回転可能であることを特徴としている。
【0010】
また、第2の発明では、上記の現像装置において、前記規制部材は、内周面が前記回転軸に回転可能に嵌合する円筒軸を有することを特徴としている。
【0011】
また、第3の発明では、上記の現像装置において、前記現像容器は、第1搬送路と、該第1搬送路と逆方向に現像剤が搬送される第2搬送路と、前記第1及び第2搬送路の両端部を連通する連通部と、を有し、前記現像剤排出口は前記第2搬送路の下流側端部に延設されており、前記撹拌部材は、前記第1搬送路内に配置される第1撹拌部材と、前記第2搬送路内に配置される第2撹拌部材と、からなり、前記規制部材は前記第2撹拌部材に対して独立して回転可能であることを特徴としている。
【0012】
また、第4の発明の画像形成装置では、上記の現像装置と、前記撹拌部材を回転駆動させる第1駆動部と、前記規制部材を回転駆動させる第2駆動部と、前記第1及び第2駆動部を互いに独立して駆動制御する制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、第5の発明では、上記の画像形成装置において、前記現像容器内のトナー濃度を検知する濃度センサーと、トナー濃度と前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関が記憶された記憶部と、を備え、前記制御部は、前記濃度センサーの検知結果と、前記記憶部に記憶されたトナー濃度と前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関とに基づいて、前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数を制御することを特徴としている。
【0014】
また、第6の発明では、上記の画像形成装置において、前記現像部近傍の温湿度を検知する温湿度センサーと、温湿度と前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関が記憶された記憶部と、を備え、前記制御部は、前記温湿度センサーの検知結果と、前記記憶部に記憶された温湿度と前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関とに基づいて、前記第2駆動部材の単位時間当たりの回転数を制御することを特徴としている。
【0015】
また、第7の発明では、上記の画像形成装置において、前記現像部の傾きを検知する傾き検知センサーと、前記現像部の傾きと前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関が記憶された記憶部と、を備え、前記制御部は、前記傾き検知センサーの検知結果と、前記記憶部に記憶された前記現像部の傾きと前記第2駆動部材の単位時間当たりの回転数との相関とに基づいて、前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数を制御することを特徴としている。
【0016】
また、第8の発明では、上記の画像形成装置において、前記規制部材は、前記撹拌部材の螺旋羽根に対して逆位相である螺旋羽根を有し、前記制御部は、前記規制部材を逆方向に回転駆動させることで前記現像剤排出口からの現像剤の排出を促す調整モードを実行可能であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明によれば、撹拌部材が回転すると、現像剤を現像剤排出口へ搬送する搬送力が発生する一方、規制部材が回転すると、現像剤が現像剤排出口へ移動するのに対抗する規制力が発生する。撹拌部材の回転数に対して、規制部材の回転数及び回転方向を変更することによって、現像剤を現像剤排出口へ搬送する力と、その逆に作用する規制力とのバランスを変化させることが可能となる。例えば、現像装置近傍の温湿度が変化し現像剤の流動性が変化する場合、現像装置近傍の温湿度に応じて撹拌部材に対する規制部材の回転数を変化させると、上記の搬送力と規制力のバランスが変わるために、現像容器から現像剤排出口への現像剤の排出量が現像装置近傍の温湿度に応じて変わり、現像容器内の現像剤量を常に安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る現像部を備えた画像形成装置を概略的に示す図
【図2】実施形態に係る現像部を概略的に示す断面図
【図3】実施形態に係る現像部の撹拌機構を示す平面断面図
【図4】実施形態に係る撹拌部材と規制部材を示す平面断面図
【図5】実施形態に係るトナー濃度に対して第2駆動部の回転数と現像部内の現像剤量との関係を示す図
【図6】実施形態に係る温湿度に対して第2駆動部の回転数と現像部内の現像剤量との関係を示す図
【図7】実施形態に係る制御部の周辺を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る現像部を備えた画像形成装置の構成を示す図である。画像形成装置1はタンデム型のカラープリンターであり、回転自在である感光体11a〜11dは、感光層を形成する感光材料として、有機感光体(OPC感光体)が用いられ、ブラック、イエロー、シアン、及びマゼンタの各色に対応させて配設される。各感光体11a〜11dの周囲に、現像部2a〜2d、露光ユニット12、帯電器13a〜13d及びクリーニング装置14a〜14dが配設される。
【0021】
現像部2a〜2dは、感光体11a〜11dの右方に夫々対向して配置され、感光体11a〜11dにトナーを供給する。帯電器13a〜13dは、感光体回転方向に対し現像部2a〜2dの上流側であって感光体11a〜11dの表面に対向して配置され、感光体11a〜11dの表面を一様に帯電させる。
【0022】
露光ユニット12は、パーソナルコンピューター等から画像入力部(図略)に入力された文字や絵柄などの画像データに基づいて、各感光体11a〜11dを走査露光するためのものであり、現像部2a〜2dの下方に設けられる。露光ユニット12には、レーザー光源、ポリゴンミラーが設けられ、各感光体11a〜11dに対応して反射ミラー及びレンズが設けられる。レーザー光源から出射されたレーザー光が、ポリゴンミラー、反射ミラー及びレンズを介して、帯電器13a〜13dの感光体回転方向下流側から、各感光体11a〜11dの表面に照射される。照射されたレーザー光により、各感光体11a〜11dの表面には静電潜像が形成され、この静電潜像が各現像部2a〜2dによりトナー像に現像される。
【0023】
無端状の中間転写ベルト17は、テンションローラー6、駆動ローラー25及び従動ローラー27に張架されている。駆動ローラー25は図示しないモーターによって回転駆動され、中間転写ベルト17は駆動ローラー25の回転によって循環駆動させられる。
【0024】
この中間転写ベルト17に接触するように各感光体11a〜11dが中間転写ベルト17の下方で回転方向(図1の矢印方向)に沿って隣り合うように配列されている。1次転写ローラー26a〜26dは、中間転写ベルト17を挟んで感光体11a〜11dと対向し、中間転写ベルト17に圧接して1次転写部を形成する。この1次転写部において、中間転写ベルト17の回転とともに所定のタイミングで各感光体11a〜11dのトナー像が中間転写ベルト17に順次転写される。これにより、中間転写ベルト17表面にはマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたトナー像が形成される。
【0025】
2次転写ローラー34は、中間転写ベルト17を挟んで駆動ローラー25と対向し、中間転写ベルト17に圧接して2次転写部を形成する。この2次転写部において、中間転写ベルト17表面のトナー像が用紙Pに転写される。転写後に、ベルトクリーニング装置31が中間転写ベルト17に残存するトナーを清掃する。
【0026】
画像形成装置1内の下方には、用紙Pを収納する給紙カセット32が配設され、給紙カセット32の右方には、手差しの用紙を供給するスタックトレイ35が配設される。給紙カセット32の左方には、給紙カセット32から繰り出された用紙Pを中間転写ベルト17の2次転写部に搬送する第1用紙搬送路33が配設される。また、スタックトレイ35の左方には、スタックトレイ35から繰り出された用紙を2次転写部に搬送する第2用紙搬送路36が配設される。更に、画像形成装置1の左上方には、画像が形成された用紙Pに対して定着処理を行う定着部18と、定着処理の行われた用紙を用紙排出部37に搬送する第3用紙搬送路39とが配設される。
【0027】
給紙カセット32は、装置の外部(図1の紙面表側)に引き出すことにより用紙の補充を可能にしたもので、収納されている用紙Pがピックアップローラー33b及び捌きローラー33aにより1枚ずつ第1用紙搬送路33側に繰り出される。
【0028】
第1用紙搬送路33と第2用紙搬送路36とはレジストローラー33cの手前で合流しており、レジストローラー33cにより、中間転写ベルト17における画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取って、用紙Pが2次転写部に搬送される。2次転写部に搬送された用紙Pは、バイアス電位が印加された2次転写ローラー34によって、中間転写ベルト17上のトナー像を2次転写され、定着部18に搬送される。
【0029】
定着部18は、ヒーターにより加熱される定着ベルトと、定着ベルトに内接する定着ローラーと、定着ベルトを挟んで定着ローラーに圧接して配設された加圧ローラー等とを備え、トナー像が転写された用紙Pを加熱及び加圧することにより定着処理を行う。用紙Pは、トナー像が定着部18で定着された後、必要に応じて第4用紙搬送路40で反転されて用紙の裏面にも2次転写ローラー34でトナー像が2次転写され、定着部18で定着される。トナー像が定着された用紙は第3用紙搬送路39を通って、排出ローラー19aにより用紙排出部37に排出される。
【0030】
図2は、上述の画像形成装置1に用いられる現像装置である現像部の構成を示す断面図である。なお、以下の説明では、図1に示す感光体11aに対応する現像部2aの構成及び動作について説明するが、現像部2b〜2dの構成及び動作については現像部2aと同様であり、説明を省略し、また各色の現像部及び感光体を示すa〜dの符号を省略する。
【0031】
現像部2は、現像ローラー20と、磁気ローラー21と、規制ブレード24と、撹拌部材42、及び現像容器22等により構成されている。
【0032】
現像容器22は、現像部2の外郭を構成し、その下部で仕切り部22bによって第1搬送路22cと第2搬送路22dに仕切られている。第1搬送路22c及び第2搬送路22dには、キャリアとトナーからなる現像剤が収容される。また、現像容器22は、撹拌部材42と磁気ローラー21及び現像ローラー20を回転可能に保持している。更に、現像容器22には、現像ローラー20を感光体11に向けて露出させる開口22aが形成されている。
【0033】
現像ローラー20は、感光体11に対向し、一定の間隔を設けて感光体11の右方に配設される。また、現像ローラー20は、感光体11に接近した対向位置において、感光体11にトナーを供給する現像領域Dを形成している。磁気ローラー21は、一定の間隔を設けて現像ローラー20に対向し、現像ローラー20の右斜め下方に配設される。また、磁気ローラー21は、現像ローラー20に接近した対向位置において、現像ローラー20にトナーを供給する。規制ブレード24は磁気ローラー21の左斜め下方にて現像容器22に固定保持されている。撹拌部材42は磁気ローラー21の略下方に配設される。
【0034】
撹拌部材42は、第1撹拌部材43と第2撹拌部材44との2本で構成される。第2撹拌部材44が磁気ローラー21の下方で、第2搬送路22d内に設けられ、第1撹拌部材43が第2撹拌部材44の右方に隣接して、第1搬送路22c内に設けられる。
【0035】
第1及び第2の撹拌部材43、44は現像剤を撹拌して現像剤中のトナーを所定のレベルに帯電させる。これによりトナーはキャリアに保持される。また、第1搬送路22cと第2搬送路22dを仕切る仕切り部22bの長手方向(図2の紙面表裏方向)の両端部側には、連通部(図略)が設けられており、第1撹拌部材43が回転すると、帯電した現像剤は、仕切り部22bに設けた一方の連通部から第2搬送路22d内に搬送され、第1搬送路22c内と第2搬送路22d内とを循環する。そして、第2撹拌部材44から磁気ローラー21に現像剤が供給される。
【0036】
磁気ローラー21は、ローラー軸21aと磁極部材M及び非磁性材からなる回転スリーブ21bを備え、第2撹拌部材44により供給された現像剤を担持し、担持した現像剤からトナーのみを現像ローラー20に供給するものである。磁極部材Mは、断面扇形に形成された外周部の極性の異なる複数の磁石からなり、ローラー軸21aに接着等により固着される。ローラー軸21aは、回転スリーブ21b内で、磁極部材Mと回転スリーブ21bの間に所定の間隔を設けて、現像容器22に回転不能に支持される。回転スリーブ21bは、図示しないモーターと歯車からなる駆動機構により、現像ローラー20と同方向(図2の時計回り方向)に回転し、また直流電圧56aに交流電圧56bを重畳したバイアス56を印加される。回転スリーブ21b表面において、帯電した現像剤は磁極部材Mの磁力によって磁気ブラシを形成して担持され、磁気ブラシは規制ブレード24によって所定の高さに調節される。
【0037】
回転スリーブ21bの回転によって、磁気ブラシは、磁極部材Mによって回転スリーブ21bの表面に担持されて搬送され、現像ローラー20に設けた磁極部材20bにて磁気ブラシが立ち上がり現像ローラー20に接触すると、磁気ブラシのトナーのみが、回転スリーブ21bに印加されたバイアス56に応じて、現像ローラー20に供給される。
【0038】
現像ローラー20は、固定軸20aと、磁極部材20bと、非磁性の金属材料で円筒状に形成される現像スリーブ20c等を備えて構成されている。
【0039】
固定軸20aは現像容器22に回転不能に支持される。この固定軸20aには、現像スリーブ20cが回転自在に保持され、更に、磁石よりなる磁極部材20bが磁気ローラー21と対向する位置に現像スリーブ20cと所定の間隔を設けて、接着等により固着される。現像スリーブ20cは、図示しないモーターと歯車からなる駆動機構により、図2の矢印方向(時計回り方向)に回転させられる。また、現像スリーブ20cには、直流電圧57aに交流電圧57bを重畳した現像バイアス57が印加される。
【0040】
現像バイアス57が現像スリーブ20cに印加されると、現像バイアス電位と感光体11の露光部位の電位との電位差により、現像スリーブ20cの表面に担持されたトナーが現像領域Dにおいて感光体11に向けて飛翔する。飛翔したトナーは矢印A方向(反時計回り方向)に回転する感光体11上の露光部位に順次付着し、感光体11上の静電潜像が現像される。
【0041】
次に、図3を用いて撹拌部について詳しく説明する。図3は撹拌部を上側から見た平面断面図である。
【0042】
現像容器22には、前述のように、第1搬送路22cと、第2搬送路22dと、仕切り部22bと、上流側連通部22e、及び下流側連通部22fが形成され、その他に、現像剤補給口22gと、現像剤排出口22hと、上流側壁部22i、及び下流側壁部22jが形成されている。
【0043】
仕切り部22bは、現像容器22の長手方向に延びて第1搬送路22cと第2搬送路22dを並列させるように仕切っている。仕切り部22bの長手方向の両端部分には、上流側連通部22eと下流側連通部22fが設けられており、現像剤は、第1搬送路22cと、上流側連通部22eと、第2搬送路22d、及び下流側連通部22f内を循環することが可能である。
【0044】
現像剤補給口22gは、現像容器22の上部に設けられた現像剤補給容器(図略)から新たなトナー及びキャリアを現像容器22内に補給するための開口であり、第1搬送路22cの上流側(図2の左側)に配置される。
【0045】
現像剤排出口22hは、現像剤の補給によって、第1及び第2搬送路22c、22d内で余剰となった現像剤を排出するためのものであり、第2搬送路22dの下流側で第2搬送路22dの長手方向に連続して設けられる。
【0046】
第1搬送路22c内には第1撹拌部材43が配設され、第2搬送路22d内には第2撹拌部材44が配設されている。
【0047】
第1撹拌部材43は、回転軸43bと、回転軸43bに一体に設けられ、回転軸43bの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される第1螺旋羽根43aとを有する。第1螺旋羽根43aは、第1搬送路22cの長手方向の両端部側まで延び、上流側及び下流側連通部22e、22fにも対向して設けられている。回転軸43bは現像容器22の上流側壁部22iと下流側壁部22jに回転可能に軸支されている。
【0048】
第2撹拌部材44は、回転軸44bと、回転軸44bに一体に設けられ、回転軸44bの軸方向に第1螺旋羽根43aと同じピッチで第1螺旋羽根43aに対して逆方向の羽根で螺旋状に形成される第2螺旋羽根44aとを有する。第2螺旋羽根44aは、磁気ローラー21の軸方向長さ以上の長さを有し、上流側連通部22e及び下流側連通部22fに対向して設けられている。回転軸44bは、回転軸43bと平行に配置され、現像容器22の上流側壁部22iと下流側壁部22jに回転可能に軸支されている。
【0049】
また、回転軸44bには、規制部材52が回転可能に配設されている。図4に示すように、規制部材52は、円筒軸52bと、円筒軸52bに一体に設けられる逆螺旋羽根52aとを有する。図4は規制部材52と第2撹拌部材44の平面断面図である。
【0050】
図4に示すように、円筒軸52bは、その内周面が回転軸44bに回転可能に嵌合し、その外周面に逆螺旋羽根52aが形成されている。
【0051】
逆螺旋羽根52aは、現像剤排出口22hに対向し、現像剤排出口22hと第2螺旋羽根44aとの間に配置されるとともに、逆螺旋羽根52aの外縁は、下流側壁部22jにおける第2搬送路22dの内周面と間隔を隔てて配設される。また、逆螺旋羽根52aは、第2螺旋羽根44aと逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成され、且つ、第2螺旋羽根44aよりピッチが小さい2〜3巻きの羽根で形成されている。従って、逆螺旋羽根52aが第2螺旋羽根44aと同じ方向に回転すると、逆螺旋羽根52aによって、現像剤が現像剤排出口22hへ移動するのに対抗する規制力が発生し、現像剤が塞き止められる。塞き止められた現像剤は、第2螺旋羽根44aの搬送力によって、下流側連通部22fに搬送されるとともに、余剰の現像剤として逆螺旋羽根52aの外縁を乗り越えて現像剤排出口22hに排出することになる。
【0052】
円筒軸52bは現像剤排出口22h内まで延びている。現像剤排出口22h内の円筒軸52bには排出羽根53が形成されている。排出羽根53は、第2螺旋羽根44aと同じ方向の螺旋状の羽根からなるが、第2螺旋羽根44aよりピッチが小さく、また羽根の外径が小さくなっている。従って、円筒軸52bの回転によって、排出羽根53が回転し、逆螺旋羽根52aを乗り越えて現像剤排出口22h内に搬送された余剰現像剤は、図4の左側に送られて、現像容器22外に排出されるようになっている。
【0053】
図3に戻り、上流側壁部22i及び下流側壁部22jの外壁には、歯車61〜65が配設されている。歯車61、62は回転軸43bに固着され、歯車64は回転軸44bに固着され、歯車63は、上流側壁部22iに回転可能に保持されて、歯車62、64に噛合している。歯車61は第1モーター85の駆動歯車に噛合し、歯車65は、円筒軸52b(図4参照)に固着され、第2モーター86の駆動歯車に噛合している。
【0054】
従って、第1モーター85の回転駆動によって、歯車61が回転すると、回転軸43bとともに第1螺旋羽根43aが回転し、第1螺旋羽根43aは第1搬送路22c内の現像剤を矢印P方向に搬送する。さらに、歯車62〜64の歯車列によって、回転軸44bとともに第2螺旋羽根44aが回転すると、第2螺旋羽根44aは第2搬送路22d内の現像剤を矢印Q方向に搬送し、現像剤は、第1搬送路22cから、上流側連通部22e、第2搬送路22d、及び下流側連通部22fと循環しながら撹拌される。そして、撹拌された現像剤が磁気ローラー21に供給される。
【0055】
また、第2モーター86が第1モーター85と同じ方向に回転駆動すると、逆螺旋羽根52a(規制部材52)は第2螺旋羽根44a(第2撹拌部材44)と同じ方向に回転し、規制部材52には現像剤が現像剤排出口22hへ移動するのに対抗する規制力が発生する。規制部材52の近傍の現像剤は、第2撹拌部材44の搬送力によって、下流側連通部22fに搬送されるとともに、余剰現像剤は、規制部材52の規制力に抗して規制部材52の外縁を乗り越えて現像剤排出口22hに排出されることになる。
【0056】
第1及び第2モーター85、86は夫々独立して駆動回転数を変えることができる。通常、第2モーター86は、第1モーター85と同じ回転数で駆動される。第1及び第2モーター85、86が同じ方向で且つ同じ回転数で駆動されることによって、現像剤が現像剤排出口22hへ排出されて適量の現像剤が現像部2に残存するように、第2撹拌部材44による搬送力と規制部材52による規制力とがバランスされている。しかし、現像部2内に収容している現像剤のトナー濃度が変動し、または、現像部2周辺の温湿度が変化することで、現像剤の流動性が変わると、現像部2から現像剤排出口22hへ排出される現像剤量が変動する。そこで、現像剤の流動性が変わっても、現像部2内の現像剤量を常に安定させるために、トナー濃度及び現像部2の温湿度に応じて、第1及び第2モーター85、86の駆動回転数を制御し、第2撹拌部材44による搬送力と規制部材52による規制力とのバランスを変化させている。
【0057】
図5は、トナー濃度の変化に対して第2モーター86の駆動回転数と現像部2内の現像剤量との関係を示すグラフであり、図6は、温湿度の変化に対して第2モーター86の駆動回転数と現像部2内の現像剤量との関係を示すグラフである。尚、第1モーター85は常に一定の回転数(基準回転数S)で駆動している。図5、図6に示す結果は、現像部2に現像剤を450g収容し、第1モーター85を300rpmで回転駆動する一方、第2モーター86を200〜500rpmで回転駆動した場合、現像剤排出口22hへの現像剤の排出が完了したときの、第2モーター86の各回転数における現像部2内に残存する現像剤を測定したものである。図5では、温湿度23℃、50%RHにおいてトナー濃度を7%、10%、13%に変えた場合、現像部2の残存現像剤量(単位:g)を示し、また、図6では、トナー濃度10%において温湿度を10℃、15%RHと23℃、50%RH及び32℃、80%RHに変えた場合、現像部2の残存現像剤量(単位:g)を示す。
【0058】
図5に示すように、例えば、現像部2の残存現像剤量を常に400gにする場合、トナー濃度が7%であると、第2モーター86の回転数を330rpmに設定すればよく、また、トナー濃度が10%であると、第2モーター86の回転数を370rpmに、さらに、トナー濃度が13%であると、第2モーター86の回転数を450rpmに設定すればよいことになる。
【0059】
また、図6に示すように、例えば、現像部2の残存現像剤量を常に400gにする場合、温湿度が10℃、15%RHであると、第2モーター86の回転数を360rpmに設定すればよく、また、温湿度が23℃、50%RHであると、第2モーター86の回転数を370rpmに、さらに、温湿度が32℃、80%RHであると、第2モーター86の回転数を430rpmに設定すればよいことになる。
【0060】
ここで、トナー濃度10%、温湿度23℃、50%RHを基準状態として、この状態において所定量の現像剤が現像部2に残存するときに、第2モーター86の回転数を基準回転数Sとする。例えば、トナー濃度が基準状態(トナー濃度10%)から7%に変動した場合、図5のグラフから第2モーター86を基準回転数Sより小さい回転数で駆動すると、所定量の現像剤が現像部2内に残存することになる。一方、トナー濃度が基準状態から13%に変動した場合、図5のグラフから第2モーター86を基準回転数Sより大きい回転数で駆動すると、所定量の現像剤が現像部2内に残存することになる。
【0061】
また、温湿度が基準状態(温湿度23℃、50%RH)から10℃、15%RHに変動した場合、図6のグラフから第2モーター86を基準回転数Sより小さい回転数で駆動すると、所定量の現像剤が現像部2内に残存することになる。一方、温湿度が基準状態から32℃、80%RHに変動した場合、図6のグラフから第2モーター86を基準回転数Sより大きい回転数で駆動すると、所定量の現像剤が現像部2内に残存することになる。
【0062】
従って、トナー濃度及び温湿度を測定し、測定したトナー濃度及び温湿度と、図5、図6に示す第2モーター86の回転数と残存現像剤量との関係とに基づいて、第2モーター86の駆動回転数を設定すると、現像剤の流動性に係わらずに現像部2内の現像剤を所定量にすることができる。
【0063】
第2モーター86の駆動回転数を制御する構成を図7に示す。図7は制御部の周辺を示すブロック図である。
【0064】
制御部91は、マイクロコンピュータ等で構成され、RAM、HDD、フラッシュROM等のメモリからなる記憶部92に記憶され、または入力されるプログラム、データに基づき、各種演算を行い、また画像形成部3、定着部18、操作パネル96、処理部93、駆動制御部94等の各部を制御する。
【0065】
記憶部92は、図5及び図6に示すトナー濃度及び温湿度の変化に対する第2モーター86の回転数と現像部2の残存現像剤量との相関表を記憶し、また、トナー濃度10%、温湿度23℃、50%RH(基準状態)において、第2モーター86を基準回転数Sで駆動したときに、現像部2に残存する現像剤量(所定の残存現像剤量)を記憶する。制御部91が第2モーター86の回転数を算出するときに、上記の相関表と所定量の現像剤量を制御部91に出力する。
【0066】
処理部93は濃度センサー81と温湿度センサー82に接続される。処理部93は、制御部91の指示に基づき濃度センサー81及び温湿度センサー82を駆動し、また、濃度センサー81及び温湿度センサー82の出力を処理し、各検知信号を制御部91に出力する。
【0067】
温湿度センサー82は、現像部2の近傍の温度及び湿度を測定する。濃度センサー81は、現像容器22内の第1撹拌部材43(図2参照)に対向して設けられる透磁率センサーからなり、現像剤中のキャリアに対するトナー比(トナー濃度)を検知する。
【0068】
駆動制御部94は、制御部91の指示に基づき第1モーター85及び第2モーター86を駆動し、また、第1モーター85とともに第1駆動部を構成し、第2モーター86とともに第2駆動部を構成する。第1モーター85の回転駆動によって第1撹拌部材43と第2撹拌部材44とは回転する。第2モーター86の回転駆動によって規制部材52は回転する。第1モーター85は常に基準回転数Sで駆動され、第2モーター86は基準回転数Sとその前後の複数の回転数に変速することが可能である。
【0069】
操作パネル96は、使用者が画像形成の開始を指示し、また、種々のモードを選択し、さらに、選択したモード、印刷枚数、警告等を表示することが可能である。
【0070】
現像によってトナーが消費されると、所定のタイミングで、現像剤補給口22gから第1搬送路22c内にキャリア、またはキャリアを含む現像剤が補給される。制御部91が第1及び第2モーター85、86を基準回転数Sで駆動させると、補給された現像剤は、第1搬送路22cから、上流側連通部22e、第2搬送路22d、及び下流側連通部22fと循環しながら撹拌される。
【0071】
制御部91は、濃度センサー81が検知したトナー濃度に関する検知信号を処理部93から入力し、また、トナー濃度の変化に対する第2モーター86の回転数と残存現像剤量との相関表(図5参照)と、所定の残存現像剤量とを記憶部92から入力する。さらに、制御部91は、上記の検知信号と記憶部92からのデータ(相関表と所定の残存現像剤量)とに基づいて、第2モーター86が所定の残存現像剤量となる回転数に算出する。即ち、相関表から、トナー濃度の基準状態からの変化に対応させて、第2モーター86の基準回転数に対する回転数の差分を算出する。
【0072】
また、制御部91は、温湿度センサー82が検知した温度及び湿度に関する検知信号を処理部93から入力し、また、温湿度の変化に対する第2モーター86の回転数と残存現像剤量との相関表(図6参照)と、所定の残存現像剤量とを記憶部92から入力する。さらに、制御部91は、上記の検知信号と記憶部92からのデータ(相関表と所定の残存現像剤量)とに基づいて、第2モーター86が所定の残存現像剤量となる回転数に算出する。即ち、相関表から、温湿度の基準状態からの変化に対応させて、第2モーター86の基準回転数に対する回転数の差分を算出する。
【0073】
さらに、制御部91は、上記トナー濃度の変化に伴う第2モーター86の基準回転数に対する回転数の差分と、温湿度の変化に伴う第2モーター86の基準回転数に対する回転数の差分とを基準回転数に加算する。この回転数に変速して第2モーター86が駆動されると、規制部材52は変速した回転数で回転する一方、第2撹拌部材44は基準回転数で回転することによって、余剰となった現像剤は、規制部材52を乗り越えて現像剤排出口22hへ排出され、トナー濃度及び温湿度の変化に係らずに現像部2内の現像剤を所定量にすることができる。
【0074】
尚、画像形成以外の時に選択可能である調整モードを操作パネル96に設けておき、使用者が調整モードを選択したときに、上記の第2モーター86の駆動回転数の制御が行われるようにしてもよい。
【0075】
また、現像部2の現像剤排出口22hの近傍に加速度センサー等からなる傾き検知センサーを設けるようにしてもよい。傾き検知センサーが現像部2の長手方向(第2撹拌部材44の軸方向)の傾きを検知し、その検知信号に基づいて制御部91が第2モーター86の駆動回転数を制御する。
【0076】
即ち、制御部91は、現像部2の傾きの変化に対する第2モーター86の回転数と残存現像剤量との相関表と、所定の残存現像剤量とに基づいて、傾き検知信号に対応する第2モーター86の回転数に算出し駆動する。例えば、排出される現像剤量が増加する方向に現像部2が傾斜しているときには、制御部91は、第2モーター86を基準回転数Sより大きい回転数で駆動する。これによって、規制部材52の規制力が基準回転数における規制力より大きくなり、現像剤が現像剤排出口22hに排出され難くなり、現像部2内の現像剤を所定量にすることができる。一方、排出される現像剤量が減少する方向に現像部2が傾斜しているときには、制御部91は、第2モーター86を基準回転数Sより小さい回転数で駆動する。これによって、規制部材52の規制力が基準回転数における規制力より小さくなり、現像剤が現像剤排出口22hに排出され易くなり、現像部2の傾きに係らずに現像部2内の現像剤を所定量にすることができる。
【0077】
また、第2モーター86を第1モーター85に対して逆方向に回転させてもよい。例えば、操作パネル96に異常検知の警告が表示され、現像部2の現像剤を入れ替える必要がある場合に用いられる。異常警告に基づいて調整モードを選択すると、調整モードでは、第2モーター86が第1モーター85に対して逆方向に回転し、規制部材52の逆螺旋羽根52a(図4参照)が第2撹拌部材44の第2螺旋羽根44aと同じ方向に回転する。このために、規制部材52には、現像剤が現像剤排出口22hへ移動するのに対抗する規制力が無くなり、第2螺旋羽根44aと同様に、現像剤を現像剤排出口22hへ搬送する力が発生し、多量の現像剤が迅速に現像剤排出口22hへ排出される。現像部2から現像剤が排出されると、新たな現像剤が図示しない現像剤補給容器から現像部2に補給される。
【0078】
上記実施形態によれば、画像形成装置1は、現像剤を撹拌、搬送する回転可能な第2撹拌部材44と、現像剤排出口22hに対向し第2撹拌部材44に対して同軸に設けられ現像剤排出口22hへの現像剤の移動を規制する回転可能な規制部材52と、第2撹拌部材44を回転駆動させる第1モーター85と、規制部材52を回転駆動させる第2モーター86と、を備え、第1及び第2モーター85、86は、互いに独立して駆動制御される。
【0079】
この構成によると、第2撹拌部材44が回転すると、現像剤を現像剤排出口22hへ搬送する搬送力が発生する一方、規制部材52が回転すると、現像剤が現像剤排出口22hへ移動するのに対抗する規制力が発生する。第1モーター85による第2撹拌部材44の回転数に対して、第2モーター86による規制部材52の回転数及び回転方向を変更することによって、現像剤を現像剤排出口22hへ搬送する力と、その逆に作用する規制力とのバランスを変化させることが可能となる。例えば、現像部2の温湿度が変化し現像剤の流動性が変化し現像剤の流動性が変化する場合、現像部2の温湿度に応じて第1モーター85に対する第2モーター86の駆動回転数を制御すると、上記の搬送力と規制力のバランスが変わるために、現像部2から現像剤排出口22hへの現像剤の排出量が現像部2の温湿度に応じて変わり、現像部2の現像剤量を常に安定させることができる。
【0080】
また、上記実施形態によれば、現像容器22内のトナー濃度を検知する濃度センサー81を備え、濃度センサー81の検知結果と、トナー濃度と第2モーター86の回転数との相関とに基づいて、第2モーター86は、第1モーター85に対して回転数を制御される。
【0081】
この構成によると、トナー濃度の変化に伴い、第2モーター86が第1モーター85に対して回転数を変速して駆動すると、規制部材52は変速した回転数で回転する一方、第2撹拌部材44は基準回転数で回転することになり、余剰となった現像剤は、規制部材52を乗り越えて現像剤排出口22hへ排出され、トナー濃度の変化に係らずに現像部2の現像剤量を常に安定させることができる。
【0082】
また、上記実施形態によれば、現像部2近傍の温湿度を検知する温湿度センサー82を備え、温湿度センサー82の検知結果と、現像部2の温湿度と第2モーター86の回転数との相関とに基づいて、第2モーター86は、第1モーター85に対して回転数を制御される。
【0083】
この構成によると、現像部2近傍の温湿度の変化に伴い、第2モーター86が第1モーター85に対して回転数を変速して駆動されると、規制部材52は変速した回転数で回転する一方、第2撹拌部材44は基準回転数で回転することになり、余剰となった現像剤は、規制部材52を乗り越えて現像剤排出口22hへ排出され、現像部2の温湿度の変化に係らずに現像部2の現像剤量を常に安定させることができる。
【0084】
また、上記実施形態によれば、現像部2の傾きを検知する傾き検知センサーを備え、傾き検知センサーの検知結果と、現像部2の傾きと第2モーター86の回転数との相関とに基づいて、第2モーター86は、第1モーター85に対して回転数を制御される。
【0085】
この構成によると、現像部2の傾きの変化に伴い、第2モーター86が第1モーター85に対して回転数を変速して駆動すると、規制部材52は変速した回転数で回転する一方、第2撹拌部材44は基準回転数で回転することになり、余剰となった現像剤は、規制部材52を乗り越えて現像剤排出口22hへ排出され、現像部2の傾きの変化に係らずに現像部2の現像剤量を常に安定させることができる。
【0086】
また、上記実施形態によれば、第2モーター86は、第1モーター85に対して逆方向に回転するように駆動制御される。
【0087】
この構成によると、規制部材52の逆螺旋羽根52aが第2撹拌部材44の第2螺旋羽根44aと同じ方向に回転することで、規制部材52には、現像剤が現像剤排出口22hへ移動するのに対抗する規制力が無くなり、第2撹拌部材44と同様に、現像剤を現像剤排出口22hへ搬送する力が発生し、多量の現像剤が迅速に現像剤排出口22hへ排出される。従って、第2モーター86の回転方向を換えるという簡単な構成で、現像部2の現像剤を入れ替えるのに用いることができる。
【0088】
また、上記実施形態によれば、規制部材52は、外周面に逆螺旋羽根52aが形成され、内周面が第2撹拌部材44の回転軸44bに回転可能に嵌合する円筒軸52bを有する。
【0089】
この構成によると、現像部2を大型にすることなく、第2撹拌部材44及び規制部材52を互いに独立して回転させることができる。
【0090】
尚、上記実施形態では、規制部材52は、円筒軸52bと、円筒軸52bに一体に設けられる逆螺旋羽根52aとを有する構成を示したが、本発明はこれに限らず、規制部材52は、円筒軸52bと、下流側連通部22fに対向して下流側連通部22fに現像剤を搬送する搬送羽根と、この搬送羽根と現像剤排出口22hとの間に設けられ、搬送羽根から現像剤排出口22hへの現像剤の移動を規制する規制板とを有する構成にしてもよい。また、規制板は1枚でも複数枚であってもよい。この場合も上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0091】
また、上記実施形態では、規制部材52の円筒軸52bは、その内周面が第2撹拌部材44の回転軸44bに回転可能に嵌合し、第1モーター85が第2撹拌部材44の回転軸44bを回転させ、第2モーター86が円筒軸52bを回転させる構成を示したが、本発明はこれに限らず、現像部2の長手方向に延びて固着される固定軸を備え、規制部材52の円筒軸52bがこの固定軸に回転可能に保持されるとともに、第2撹拌部材44の第2螺旋羽根44aが固定軸に回転可能に保持され、第1モーター85が第2螺旋羽根44aを回転させ、第2モーター86が円筒軸52bを回転させる構成にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる現像装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができ、特に、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤の補給を行うとともに余剰現像剤を排出する現像装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 画像形成装置
2a〜2d、2 現像部(現像装置)
20 現像ローラー
22 現像容器
22c 第1搬送路
22d 第2搬送路
22g 現像剤補給口
22h 現像剤排出口
42 撹拌部材
43 第1撹拌部材(撹拌部材)
43a 第1螺旋羽根
43b、44b 回転軸
44 第2撹拌部材(撹拌部材)
44a 第2螺旋羽根
52 規制部材
52a 逆螺旋羽根
52b 円筒軸
61〜65 歯車
81 濃度センサー
82 温湿度センサー
85 第1モーター(第1駆動部)
86 第2モーター(第2駆動部)
91 制御部
92 記憶部
93 処理部
94 駆動制御部(第1駆動部、第2駆動部)
96 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、現像剤を前記現像容器に補給する現像剤補給口と、前記現像容器内の余剰の現像剤を排出する現像剤排出口と、を備えた現像装置であって、
回転軸と、該回転軸の外周面に形成される螺旋羽根とで構成され、前記現像容器内の現像剤を撹拌、搬送する回転可能な撹拌部材と、
前記現像剤排出口に対向し前記撹拌部材に対して同軸に設けられ前記現像剤排出口への現像剤の移動を規制する回転可能な規制部材と、を備え、
前記撹拌部材及び規制部材は、互いに独立して回転可能であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記規制部材は、内周面が前記回転軸に回転可能に嵌合する円筒軸を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像容器は、第1搬送路と、該第1搬送路と逆方向に現像剤が搬送される第2搬送路と、前記第1及び第2搬送路の両端部を連通する連通部と、を有し、前記現像剤排出口は前記第2搬送路の下流側端部に延設されており、
前記撹拌部材は、前記第1搬送路内に配置される第1撹拌部材と、前記第2搬送路内に配置される第2撹拌部材と、からなり、
前記規制部材は前記第2撹拌部材に対して独立して回転可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の現像装置と、
前記撹拌部材を回転駆動させる第1駆動部と、
前記規制部材を回転駆動させる第2駆動部と、
前記第1及び第2駆動部を互いに独立して駆動制御する制御部と、を備えた画像形成装置。
【請求項5】
前記現像容器内のトナー濃度を検知する濃度センサーと、トナー濃度と前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関が記憶された記憶部と、を備え、前記制御部は、前記濃度センサーの検知結果と、前記記憶部に記憶されたトナー濃度と前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関とに基づいて、前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数を制御することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記現像部近傍の温湿度を検知する温湿度センサーと、温湿度と前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関が記憶された記憶部と、を備え、前記制御部は、前記温湿度センサーの検知結果と、前記記憶部に記憶された温湿度と前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関とに基づいて、前記第2駆動部材の単位時間当たりの回転数を制御することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像部の傾きを検知する傾き検知センサーと、前記現像部の傾きと前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数との相関が記憶された記憶部と、を備え、前記制御部は、前記傾き検知センサーの検知結果と、前記記憶部に記憶された前記現像部の傾きと前記第2駆動部材の単位時間当たりの回転数との相関とに基づいて、前記第2駆動部の単位時間当たりの回転数を制御することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記規制部材は、前記撹拌部材の螺旋羽根に対して逆位相である螺旋羽根を有し、前記制御部は、前記規制部材を逆方向に回転駆動させることで前記現像剤排出口からの現像剤の排出を促す調整モードを実行可能であることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−181477(P2012−181477A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45943(P2011−45943)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】