説明

現像装置

【課題】現像剤の温度を迅速に検出できる現像装置を提供する
【解決手段】現像剤を収容するケーシング17と、感光体1に現像剤を供給可能な現像ローラ8と、現像剤を攪拌して現像ローラ8に供給する攪拌部材18とを備える現像装置であって、ケーシング17の一部に良熱伝導の伝熱壁部9を設け、その伝熱壁部9に温度検出センサー10を取り付けてある

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
現像剤を収容するケーシングと、感光体に現像剤を供給可能な現像ローラと、
現像剤を攪拌して現像ローラに供給する攪拌部材とを備える現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像装置のケーシングは、軽量化のために通常合成樹脂で成形され、現像装置内の温度を検知するために、温度検出センサーを現像装置近傍に配置して現像装置近傍の雰囲気温度を検知する装置や(例えば特許文献1参照)、温度検出センサーをケーシングに近接させて配置してケーシング部分の温度を検知する装置があった(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−35312号公報
【特許文献2】特開平9−160473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の装置のように、現像装置近傍の雰囲気温度や、ケーシング部分の温度を検知する場合、その検知温度と実際のケーシング内の現像剤の温度とに差が生じて、実際の現像剤の温度の上昇や下降に対して温度検出センサーの反応が遅れ、現像装置の様々な制御に不具合が生じる虞があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、現像剤の温度を迅速に検出できる現像装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、前記ケーシングの一部に良熱伝導の伝熱壁部を設け、その伝熱壁部に温度検出センサーを取り付けてあるところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、ケーシング内の温度は、ケーシングの一部に設けた伝熱壁部を介して迅速に外部に伝わり、温度検出センサーで検知される。
従って、ケーシング内の現像剤の温度測定が迅速に正確にできるようになり、現像装置の様々な制御が良好に行えるようになる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記伝熱壁部を、前記現像ローラに対向する縦壁部に配置してあるところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、伝熱壁部が現像ローラに対向する縦壁部に配置してあるために、ケーシング内の現像剤が縦壁部の内側には溜まりにくく、常に流動する現像剤の温度を検出でき、ケーシング内の現像剤全体の温度をより正確に把握できる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記伝熱壁部は、銅またはアルミニウムからなる金属材で形成してあるところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、銅またはアルミニウムからなる金属材で形成してある伝熱壁部は、ケーシング内の現像剤の温度を迅速に温度検出センサーに伝え、正確な制御に役立てさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による電子写真式画像形成装置の一例としてのタンデム型カラープリンタを示し、シアン,マゼンダ,イエロー,ブラックの4色のトナーの夫々に対応させて、感光体1を備えたユニットAと、その感光体1に現像剤を供給可能な第1現像ローラ2を備えた現像ユニットBとの組み合わせの4組を装着してあり、各感光体1は、表面に担持した対応する色のトナー像を中間転写ベルト3に転写できるように設けてある。
【0013】
前記中間転写ベルト3は、画像形成動作に伴って循環駆動される無端ベルトで構成してあり、中間転写ベルト3に転写されたトナー像は、給紙カセット4や手差しトレイ5から用紙搬送路6を通って搬送されてきた用紙に、転写装置7によって転写される。
【0014】
前記ユニットAと現像ユニットBとの夫々は、装置本体Cに対して、感光体1の回転軸芯X方向に沿ってスライド移動させて各別に挿抜操作自在に設けてある。
【0015】
前記現像ユニットBの夫々は、2成分系現像剤を使用可能なハイブリッド型のユニットであり、図2に示すように、現像ローラ8を第1現像ローラ2と第2現像ローラ15とから構成し、ブレード16と、現像剤が充填されているケーシング17とを備え、ケーシング17には、二つのスクリュウ軸からなる攪拌部材18を内装してあり、二つのスクリュウ軸間で、それらの回転によって現像剤であるトナーが循環しながら攪拌されるようになっている。
【0016】
前記第2現像ローラ15は、周方向で複数の箇所に磁極を配置して、現像剤の汲み上げと引き剥がしとを回転しながら行えるように設けてあり、ブレード16は、第2現像ローラ15上に汲み上げられた現像剤に対して穂切りを行えるように設けてある。
【0017】
前記第1現像ローラ2は、現像ユニットBを装置本体Cの所定の装着位置に装着してある状態で、感光体1に対して近接させる近接姿勢で略平行に支持され、画像形成動作に伴って駆動回転させて、第2現像ローラ15上から汲み上げた現像剤を感光体1に供給できるように設けてある。
【0018】
前記第1現像ローラ2の回転軸芯方向両端部にギャップコロを装着してあるとともに、第1現像ローラ2を感光体1側に向けて付勢する付勢機構(図示せず)を設けて、現像ユニットBを装置本体Cの所定の装着位置に装着すると、ギャップコロが感光体1の回転軸芯方向両端部に接当して、感光体1と第1現像ローラ2との間隔を略一定に保持できるように構成してある。
【0019】
図2及び図3に示すように、合成樹脂から成るケーシング17の一部(特に、現像ローラに対向する縦壁部)に、銅やアルミニウムなどの良熱伝導の金属材からなる伝熱壁部9を設け、その伝熱壁部9に温度検出センサー10を取り付けてある。
【0020】
尚、図中11は、ケーシング17内に対する現像剤であるトナーの補給口である。
【0021】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記伝熱壁部9は、ケーシング17の一部であればどこでも良く、攪拌部材18の近傍の壁部であってもよい。
【0022】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】画像形成装置の内部を示す側面図
【図2】一部縦断した現像ユニットの斜視図
【図3】現像ユニット全体の斜視図
【符号の説明】
【0024】
1 感光体
8 現像ローラ
9 伝熱壁部
10 温度検出センサー
17 ケーシング
18 攪拌装置
11 補給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容するケーシングと、感光体に現像剤を供給可能な現像ローラと、
現像剤を攪拌して現像ローラに供給する攪拌部材とを備える現像装置であって、
前記ケーシングの一部に良熱伝導の伝熱壁部を設け、
その伝熱壁部に温度検出センサーを取り付けてある現像装置。
【請求項2】
前記伝熱壁部を、前記現像ローラに対向する縦壁部に配置してある請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記伝熱壁部は、銅またはアルミニウムからなる金属材で形成してある請求項1または2に記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−156764(P2010−156764A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333886(P2008−333886)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】