説明

環状オレフィン付加重合体の製造方法

【課題】多量の重合触媒や多量の分子量調節剤を使用することなく、比較的に低分子量の環状オレフィン付加重合体を与えることができる環状オレフィン付加重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物と、(B)イオン性ホウ素化合物または有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒により、環状オレフィン化合物を付加重合させる環状オレフィン付加重合体の製造方法であって、分子量調節剤として特定の不飽和環状(チオ)エーテル化合物を用い、当該分子量調節剤の使用量が、環状オレフィン化合物1モル当り、0.1モル以下であることを特徴とする環状オレフィン付加重合体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状オレフィン付加重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、多量の重合触媒や多量の分子量調節剤を使用することなく、比較的に低分子量の環状オレフィン付加重合体を与えることができる環状オレフィン付加重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノルボルネン類などの環状オレフィン化合物を付加重合してなる環状オレフィン付加重合体は、一般に透明性や耐熱性が優れる材料として知られている。しかし、環状オレフィン付加重合体のガラス転移温度は、通常250℃以上であり、多くの透明樹脂で用いられている射出成形や押し出し成形などの溶融成形を適用することが困難である。そのため、環状オレフィン付加重合体を成形する場合は、該重合体を溶媒に溶解し、得られる溶液を溶液流延法(キャスト法)により、フィルム、シートなどの形態に成形する方法が用いられている。
【0003】
溶液流延法による成形を制御するためには、用いる溶液の粘度の調節が重要であり、また、溶液中の溶媒に不溶な成分の含有量が極力少ないことが好ましい。そのため、環状オレフィン付加重合体の製造においては、得られる重合体の分子量の制御(特に分子量が高すぎないようにする制御)が重要であり、また、得られる重合体が触媒残渣やゲル化した重合体などの含有量が少ないものであることが求められる。
【0004】
環状オレフィン付加重合体の分子量を制御する方法としては、次のような方法が知られている。例えば、非特許文献1や非特許文献2には、環状オレフィン付加重合体を製造するにあたり、用いる重合触媒の量を調節することにより、得られる重合体の分子量を制御する手法が記載されている。また、特許文献1に記載されたチタンやジルコニウムなどを含有する金属化合物を重合触媒として用いる場合において水素を分子量調節剤として用いる方法、特許文献2に記載されたパラジウムやニッケルを含有する金属化合物を重合触媒として用いる場合においてα―オレフィンを分子量調節剤として用いる方法、特許文献3に記載されたパラジウムを含有する金属化合物を重合触媒として用いる場合においてスチレンなどの芳香族ビニル化合物を分子量調節剤として用いる方法、および特許文献4や特許文献5に記載されたパラジウムやニッケル化合物を重合触媒として用いる場合においてシクロオクタジエンなどの環状非共役ポリエンやシクロペンテン類を分子量調節剤として用いる方法などの種々の分子量調節剤を用いて環状オレフィン付加重合体の分子量を制御する手法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−262821号公報
【特許文献2】特表平9−508649号公報
【特許文献3】特開2003−40929号公報
【特許文献4】特開2002−212209号公報
【特許文献5】特開2007−2082号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“Macromolecules”1992年、第25巻、p.4226−4228
【非特許文献2】“Macromolecular Rapid Communications”1997年、第18巻、p.689−697
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、重合触媒の量の調節により環状オレフィン付加重合体の分子量を制御する方法では、目的とする分子量の重合体を得るために多量の重合触媒を用いる必要がある場合があり、経済性に欠ける上に、重合体中に多量の触媒残渣が残留し、また、その多量の触媒残渣が重合体の劣化を引き起こすという問題がある。また、特許文献1に記載されているチタンやジルコニウムなどを含有する金属化合物を重合触媒として用い、水素を分子量調節剤として用いる方法は、用いる重合触媒の性質により極性基を含有する環状オレフィン化合物には適用できないなどの制限がある。さらに、特許文献2〜5に記載されている種々の分子量調節剤を用いる方法では、環状オレフィン付加重合体の分子量を、溶液流延法を適用できるほど十分に低くするためには、多量(例えば、単量体である環状オレフィン化合物1モルに対して0.4モル以上)の分子量調節剤の使用が必要であるが、この多量の分子量調節剤は、溶液流延法による成形後の乾燥時などに重合体の着色や劣化を引き起こし得ることから、用いた分子量調節剤を除去する必要があるという問題がある。また、場合によっては、多量の分子量調節剤が、重合反応時の副反応を引き起こし、除去困難な副生物を生じさせる場合もある。
【0008】
したがって、本発明は、多量の重合触媒や多量の分子量調節剤を使用することなく、比較的に低分子量の環状オレフィン付加重合体を与えることができる環状オレフィン付加重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、特定の重合触媒を用いて環状オレフィン化合物を付加重合させる場合において、分子量調節剤として2,3−ジヒドロフランなどの不飽和環状エーテル化合物を用いることにより、多量の重合触媒や多量の分子量調節剤を必要とすることなく、溶液流延法を適用するために十分なほど比較的低分子量である環状オレフィン付加重合体が得られることを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0010】
かくして、本発明によれば、(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物と、(B)イオン性ホウ素化合物または有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒により、環状オレフィン化合物を付加重合させる環状オレフィン付加重合体の製造方法であって、分子量調節剤として下記の一般式(1)で表される不飽和環状(チオ)エーテル化合物を用い、当該分子量調節剤の使用量が、環状オレフィン化合物1モル当り、0.1モル以下であることを特徴とする環状オレフィン付加重合体の製造方法が提供される。
【0011】
【化1】

(一般式(1)において、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、nは、自然数である。)
【0012】
上記の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、重合触媒が、さらに(C)ホスフィン化合物を含んでなるものであることが好ましい。
【0013】
上記の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、付加重合させる環状オレフィン化合物が、下記の一般式(2)で表される環状オレフィン化合物であることが好ましい。
【0014】
【化2】

(一般式(2)において、A、A、A、およびAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、および酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、およびハロゲン原子から選択される少なくとも1つの原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基から選択される置換基を表し、A、A、A、およびAのうち少なくとも2つが互いに結合し、環構造を形成していても良い。mは0または1である。)
【0015】
上記の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、分子量調節剤として2,3−ジヒドロフランを用いることが好ましい。
【0016】
また、本発明によれば、上記の環状オレフィン付加重合体の製造方法により得られる環状オレフィン付加重合体を、溶液流延法により成形する、成形体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法によれば、多量の重合触媒や多量の分子量調節剤を使用することなく、比較的に低分子量の環状オレフィン付加重合体が得られる。したがって、得られる環状オレフィン付加重合体は、溶液流延法により成形体を得る目的に好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法は、(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物と、(B)イオン性ホウ素化合物または有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒により、環状オレフィン化合物を付加重合させるにあたり、分子量調節剤として特定の不飽和環状(チオ)エーテル化合物を特定量用いることを特徴とするものである。
【0019】
本発明で用いる重合触媒を構成する必須成分の1つである、(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物は、周期律表第10族の金属原子、すなわち、ニッケル、パラジウム、およびプラチナから選択される少なくとも1つの金属原子を含有する有機金属化合物であればよく、特段制限されるものではない。ただし、重合活性を高くする観点からは、ニッケル、およびパラジウムから選択される少なくとも1つの金属原子を含有する有機金属化合物が好ましく用いられ、パラジウム原子を含有する有機金属化合物が特に好ましく用いられる。
【0020】
本発明で用いる(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物の具体例としては、特開平4−63807号公報に記載のニッケル化合物やパラジウム化合物、特表平9−508649号公報に記載のニッケル化合物やパラジウム化合物、国際公開第00/20472号に記載のニッケル化合物やパラジウム化合物を挙げることができる。本発明では、これらのなかでもホスフィン配位子を有するニッケル化合物やパラジウム化合物が特に好適に用いられ、その具体例としては、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、クロロヒドリドビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル、クロロ(フェニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジメチルビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、(シクロペンタジエニル)ニッケル(トリシクロヘキシルホスフィン)クロリド、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロリド、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフレートを挙げることができる。
【0021】
本発明で用いる重合触媒は、(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物に加え、(B)イオン性ホウ素化合物または有機アルミニウム化合物のいずれかを必須成分として構成される。本発明で重合触媒の成分として用いられ得るイオン性ホウ素化合物は、イオン性を有するホウ素化合物であれば、特に制限はないが、下記の一般式(3)で表されるイオン性ホウ素化合物が好適に使用される。
【0022】
(X〔B(Ar (3)
(一般式(3)において、(Xはアルカリ金属カチオン、カルボニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンおよびアニリニウムカチオンから選択されるカチオンを表し、Arは2,4,6−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基を表す。)
【0023】
一般式(3)で表されるイオン性ホウ素化合物の具体例としては、(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジフェニルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
【0024】
本発明で重合触媒の成分として用いられ得る有機アルミニウム化合物に特に制限はないが、下記の一般式(4)で表されるイオン性を有する有機アルミニウム化合物またはアルミニウム原子−アルキル基の結合を有するアルキルアルミニウム化合物が好適に使用される。
【0025】
(X〔Al(Ar (4)
(一般式(4)において、(Xはカルボニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンおよびアニリニウムカチオンから選択されるカチオンを表し、Arは2,4,6−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基を表す。)
【0026】
一般式(4)で表されるイオン性を有する有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミナート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アルミナートが挙げられる。
【0027】
また、アルキルアルミニウム化合物の具体例としては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサンなどのアルミノキサン化合物やトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム化合物が挙げられる。
【0028】
本発明で用いる重合触媒は、(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物および(B)イオン性ホウ素化合物または有機アルミニウム化合物のみからなるものであっても良いが、他の成分を含んでなるものであっても良い。特に、本発明で用いる重合触媒が、さらに(C)ホスフィン化合物を含んでなるものであると、重合触媒の活性が高くなり、その使用量を少なくすることができるので好ましい。
【0029】
本発明で重合触媒の成分として用いられ得る(C)ホスフィン化合物に特に制限はないが、下記の一般式(5)で表されるホスフィン化合物が好適に使用される。
【0030】
P(Ar (5)
(一般式(5)において、Arは炭素数1〜12のアルキル基または置換基を有していても良いフェニル基を表す。)
【0031】
一般式(5)で表されるホスフィン化合物の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィンなどが挙げられる。
【0032】
本発明で用いる重合触媒において、上述の各成分の使用量は特に限定されず、適宜に選択することができるが、(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物の使用量は、単量体である環状オレフィン化合物1モルに対して、1.0×10−6〜0.02モルの範囲であることが好ましく、2.0×10−6〜0.01モルの範囲であることがより好ましい。また、(B)イオン性ホウ素化合物または有機アルミニウム化合物の使用量は、使用する(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物1モルに対して、0.5〜10モルの範囲であることが好ましく、0.7〜2モルの範囲であることがより好ましく、1.0〜1.5モルの範囲であることがさらに好ましい。(C)ホスフィン化合物を使用する場合の使用量は、使用する(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物1モルに対して、0.5〜10モルの範囲であることが好ましく、0.7〜2モルの範囲であることがより好ましく、1.0〜1.5モルの範囲であることがさらに好ましい。
【0033】
上述の各成分を用いて重合触媒を調製する方法は特に限定されず、例えば、予めトルエンなどの不活性溶媒中で各成分を混合して重合触媒溶液を調製し、その重合触媒溶液を単量体に添加することで重合を行っても良いし、単量体に重合触媒の各成分を順次添加することにより重合を行っても良い。また、重合触媒の各成分を混合する順序も特に限定されないが、(C)ホスフィン化合物を用いる場合においては、(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物と(C)ホスフィン化合物とを混合した後、その混合物に(B)イオン性ホウ素化合物または有機アルミニウム化合物を添加することが好ましい。
【0034】
本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、上述の重合触媒を用いて、環状オレフィン化合物を付加重合させる。本発明において単量体として用いられる環状オレフィン化合物は特に限定されないが、下記の一般式(2)で表される環状オレフィン化合物が好適に用いられる。
【0035】
【化3】

(一般式(2)において、A、A、A、およびAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、および酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、およびハロゲン原子から選択される少なくとも1つの原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基から選択される置換基を表し、A、A、A、およびAのうち少なくとも2つが互いに結合し、環構造を形成していても良い。mは0または1である。)
【0036】
一般式(2)で表される環状オレフィン化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができる。すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(一般式(2)において、mが0で、A、A、A、およびAが水素原子である環状オレフィン化合物);テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン(一般式(2)において、mが1で、A、A、A、およびAが水素原子である環状オレフィン化合物);5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、9−メチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデン−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどの一般式(2)において、A、A、A、およびAの少なくとも1つが炭素数1〜20の炭化水素基である環状オレフィン化合物;5−メトキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸メチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物などの一般式(2)において、A、A、A、およびAの少なくとも1つが酸素原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基である環状オレフィン化合物;ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−N−シクロヘキシル−2,3−カルボンイミドなどの一般式(2)において、A、A、A、およびAの少なくとも1つが窒素原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基である環状オレフィン化合物;5−トリメチルシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリメトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンなどの一般式(2)において、A、A、A、およびAの少なくとも1つがケイ素原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基である環状オレフィン化合物;5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンなどの一般式(2)において、A、A、A、およびAの少なくとも1つがハロゲン原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基である環状オレフィン化合物を挙げることができる。
【0037】
本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、1種の環状オレフィン化合物を単独重合しても良いし、2種以上の環状オレフィン化合物を共重合することもできる。
【0038】
本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法は、上述の重合触媒により、環状オレフィン化合物を付加重合させるにあたり、分子量調節剤として下記の一般式(1)で表される不飽和環状(チオ)エーテル化合物(なお、用語「不飽和環状(チオ)エーテル化合物」は、「不飽和環状エーテル化合物または不飽和環状チオエーテル化合物」の意味を表す)を用いることを特徴とするものである。
【0039】
【化4】

(一般式(1)において、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、nは、自然数である。)
【0040】
本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、一般式(1)で表される不飽和環状(チオ)エーテル化合物を、重合反応系に存在させて分子量調節剤として用いることにより、多量の重合触媒や多量の分子量調節剤を使用することなく、比較的に低分子量の環状オレフィン付加重合体が得られる。この分子量調節剤として用いられる一般式(1)で表される不飽和環状(チオ)エーテル化合物としては、一般式(1)におけるXが酸素原子である不飽和環状エーテル化合物が特に好適に用いられ、また、一般式(1)におけるnが1〜6の自然数である不飽和環状(チオ)エーテル化合物が特に好適に用いられる。本発明において、特に好適に使用される不飽和環状(チオ)エーテル化合物としては、2,3−ジヒドロフランおよび3,4−ジヒドロ−2H−ピランが挙げられ、2,3−ジヒドロフランを用いることが最も好ましい。
【0041】
本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法において、分子量調節剤として用いられる一般式(1)で表される不飽和環状(チオ)エーテル化合物の使用量は、付加重合させる単量体である、環状オレフィン化合物1モル当り、0.1モル以下である。本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、このように比較的少量である分子量調節剤の使用量であっても、得られる環状オレフィン付加重合体を、溶液流延法を適用するために十分なほど比較的低分子量のものとするような制御が可能である。また、分子量調節剤の使用量がこのように比較的少量であることにより、得られる環状オレフィン付加重合体から分子量調節剤を除去する必要がなく、また、多量の分子量調節剤の使用する場合に問題となる重合反応時の副反応のおそれが小さい。この分子量調節剤の使用量は、目的とする環状オレフィン付加重合体の分子量に応じて、環状オレフィン化合物1モル当り0.1モル以下の範囲で設定すれば良いが、環状オレフィン化合物1モル当り0.001〜0.1モルの範囲であることが好ましく、0.005〜0.09モルの範囲であることがより好ましく、0.01〜0.08モルの範囲であることがさらに好ましい。
【0042】
本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、上述のように、特定の重合触媒と特定量の特定の分子量調節剤とを用いることにより、得られる環状オレフィン付加重合体のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量を、例えば、10,000〜1,000,000の範囲に制御することが可能である。また、得られる環状オレフィン付加重合体を、溶液流延法による成形に供する場合には、環状オレフィン付加重合体のGPCにより測定される重量平均分子量を、100,000〜800,000の範囲に制御することが好ましい。
【0043】
本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法における環状オレフィン化合物の重合反応は、無溶媒下で行なうことも可能ではあるが、溶媒中で行なうことが好ましい。溶媒を用いる場合には、不活性な溶媒であればその種類は特に限定されないが、工業的に汎用なものが好ましい。溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素溶媒;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランなどのエ−テル類;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン溶媒;を挙げることができ、これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。これらのなかでも、環境負荷を低減させる観点からは、非ハロゲン系の溶媒(ハロゲン溶媒以外の溶媒)が好ましく、また、得られる環状オレフィン付加重合体を良好に溶解させる観点からは芳香族炭化水素を溶媒として用いることが好ましい。
【0044】
重合反応を溶媒中で行なう場合には、単量体である環状オレフィン化合物の濃度は、溶液中1〜50重量%が好ましく、2〜45重量%がより好ましく、5〜40重量%が特に好ましい。また、重合反応において、単量体である環状オレフィン化合物の添加方法には特に制限は無く、予め反応容器に仕込んでおいても良いし、反応容器に逐次添加しても良い。重合温度にも特に制限はないが、一般には、−20℃〜120℃である。重合時間は、1分間〜100時間で、特に制限はない。重合反応の雰囲気にも特に制限はなく、例えば、窒素下、アルゴン下、または空気下で良い。
【0045】
重合反応液から環状オレフィン付加重合体を回収する方法も特に制限はなく、例えばメタノールなどの貧溶媒に重合反応液を注ぎ、沈殿する重合体をろ過して回収する方法が採用できる。また、重合反応液をそのまま溶液流延法などに供することも可能である。
【0046】
本発明で得られる環状オレフィン付加重合体では、触媒残渣の含有量を少量とすることができるので、そのまま各種の用途に用いることも可能であるが、例えば、酸性水溶液による抽出処理や、珪藻土、シリカゲル、アルミナ、活性炭などによる吸着剤処理などの通常の脱触媒処理により触媒残渣を除去しても良い。
【0047】
本発明により得られる環状オレフィン付加重合体は、任意の方法により成形することができるが、該重合体を溶媒に溶解し、支持体に塗工後に、溶媒を乾燥除去する方法(溶液流延法)により成形することが好ましい。この方法により、フィルム、シートおよび薄膜を容易に得ることができる。
【0048】
本発明によって得られる環状オレフィン付加重合体は、光学材料をはじめ、電子・電気部品、医療器具、包装材料などに使用することができる。光学材料の具体例としては、液晶表示素子基板、有機EL素子基板、電子ペーパー基板、カラーフィルター基板、ナノインプリント基板、太陽電池基板、ITOや導電性樹脂層を積層した透明導電フィルム、タッチパネル、導光板、保護フィルム、偏向フィルム、位相差フィルム、近赤外線カットフィルム、光拡散フィルム、光取り出しフィルム、反射防止フィルム、高反射フィルム、半透過半反射フィルム、NDフィルター、ダイクロイックフィルター、電磁波シールドフィルム、ビームスプリッター、光通信用フィルター、カメラレンズ、ピックアップレンズ、F−θレンズなどの光学レンズおよびプリズム類、MD、CD、DVDなどの光学記録基板が挙げられる。電気・電子部品の具体例としては、容器、トレイ、チューブ、キャリアテープ、セパレーションフィルム、パッシベーション膜、ゲート絶縁膜、OA機器の絶縁材料、フレキシブルプリント基板、離型フィルムが上げられ、医療器具の具体例としては、シリンジ、パイプ、薬品容器が挙げられ、包装材料の具体例としては、食品などのパッケージフィルムが挙げられる。本発明によって得られる環状オレフィン付加重合体は、これらのなかでも、溶液流延法により成形されるもの(成形体)として好適に用いられ、その具体例としては、液晶表示素子基板、有機EL素子基板、電子ペーパー基板、カラーフィルター基板、ナノインプリント基板、太陽電池基板、ITOや導電性樹脂層を積層した透明導電フィルム、タッチパネル、導光板、保護フィルム、偏向フィルム、位相差フィルム、近赤外線カットフィルム、光拡散フィルム、光取り出しフィルム、反射防止フィルム、高反射フィルム、半透過半反射フィルム、NDフィルター、ダイクロイックフィルター、電磁波シールドフィルム、ビームスプリッター、光通信用フィルター、セパレーションフィルム、パッシベーション膜、ゲート絶縁膜、フレキシブルプリント基板、離型フィルムが挙げられる。
【0049】
本発明により得られる環状オレフィン付加重合体を用いて溶液流延法による成形を行う場合に用いる溶媒は、特に限定されないが、成形体中の溶媒残留量を少なくし、かつ、安定的に成形を行う観点から、沸点が、常圧下で、20℃以上、200℃以下のものが好ましく、30℃以上、150℃以下のものがより好ましく、35℃以上、150℃以下のものが更に好ましい。また、溶液の粘度が低いことが好ましいことから、環状オレフィン付加重合体の良溶媒を用いることが好ましい。なお、良溶媒に、貧溶媒を混合して使用することも可能である。
【0050】
好適に用い得る溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサンなどの飽和炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン含有炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、フラン、テトラヒドロフランなどのエーテル溶媒;アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトンなどのアルデヒド・ケトン溶媒;ギ酸メチルなどのエステル溶媒;を挙げることができる。
【0051】
溶液流延法に用いる環状オレフィン付加重合体の溶液の粘度は、特に限定されないが、成形を良好に制御する観点から、好ましくは1,000mPa・s以上、200,000mPa・s以下、より好ましくは2,000mPa・s以上、100,000mPa・s以下である。本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、環状オレフィン付加重合体の重量平均分子量を、前述のような適度な範囲に容易に調節できるので、このような粘度を有する溶液の調製に適した重合体を容易に得ることが可能となる。
【0052】
本発明により得られる環状オレフィン付加重合体の溶液を用いて、溶液流延法による成形を行う手法は特に限定されない。例えば、金属製のエンドレスベルト、ガラス板、平滑な樹脂フィルムなどの基材上に、コンマコーター、リップコーター、ダイコーター、ドクターブレードコーター、バーコーター、ロールコーターなどを用いて、環状オレフィン付加重合体の溶液を流延し、次いで、溶媒を揮散させる手法を採用することができる。
【実施例】
【0053】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の部および%は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0054】
また、各例で得られた重合体の分子量(重量平均分子量および数平均分子量)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム HLC−8220(東ソー社製)で、Hタイプカラム(東ソー社製)を用い、クロロホルムを溶媒として40℃で測定し、ポリスチレン換算値として求めた。
【0055】
〔重合触媒の調製〕
充分に乾燥した後、窒素置換したガラス製30ミリリットル耐圧容器に、窒素気流下、ビス(2,4−ペンタンジオナト)パラジウム(II)16.9ミリグラム(0.0555ミリモル)、トリシクロヘキシルホスフィン15.5ミリグラム(0.0553ミリモル)、およびリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート50.0ミリグラム(0.0583ミリモル)をこの順で仕込み、さらにトルエン10ミリリットルを加えて、室温で5分間攪拌した。得られた淡黄色の均一溶液を重合触媒の溶液とした。
【0056】
〔実施例1〕
充分に乾燥した後、窒素置換したガラス製80ミリリットル耐圧容器に、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン2.80グラム(29.7ミリモル)、および5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン2.40グラム(19.6ミリモル)を仕込み、さらに、トルエン50ミリリットル、および分子量調節剤として2,3−ジヒドロフラン50.0ミリグラム(0.713ミリモル、単量体1モル当り0.014モル)を加え、耐圧容器の口を穴あき王冠付きゴムキャップで閉塞した。次に、前述のように調製した重合触媒溶液1ミリリットルを、シリンジを用いてゴムキャップを通じて耐圧容器内の溶液に加えた。次いで、この耐圧容器を60℃に加熱した水浴に入れて耐圧容器内の溶液を加熱することにより、重合反応を開始した。重合反応の開始から3時間後に、イソプロピルアルコール1ミリリットルを、シリンジを用いてゴムキャップを通じて耐圧容器内の溶液に加えて、重合反応を停止した。得られた重合体の溶液にトルエンを加えて粘度を調整した後、1リットルのメタノール中に注ぎ込み、重合体を凝固させた。凝固した重合体をろ過により、溶液より分離して、重合体を回収した。得られた重合体を、減圧下60℃で10時間乾燥することにより残留溶媒を除去すると、重合体の重量は5.2グラム(収率99%超)であった。また、この重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、それぞれ925,000および292,000であり、これらから求められる分子量分布(Mw/Mn)は3.16であった。なお、用いた分子量調節剤の種類および量、重合転化率、ならびに重合体の重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布は表1にまとめて示した。
【0057】
【表1】

【0058】
〔実施例2〜5〕
分子量調節剤である2,3−ジヒドロフランの使用量をそれぞれ表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。重合体の収率、ならびに重合体の重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布は表1にまとめて示した。
【0059】
〔比較例1〕
表1に示すように分子量調節剤(2,3−ジヒドロフラン)を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。重合体の収率は99%を超え、重合体の重量平均分子量は、1,000,000を超えるものとなった。
【0060】
〔比較例2〕
表1に示すように分子量調節剤として2,3−ジヒドロフランに代えてスチレン2.05グラム(19.7ミリモル、単量体1モル当り0.40モル)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。重合体の収率、ならびに重合体の重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布は表1にまとめて示した。
【0061】
〔比較例3〕
表1に示すように分子量調節剤として2,3−ジヒドロフランに代えてスチレン0.51グラム(4.90ミリモル、単量体1モル当り0.099モル)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。重合体の収率は99%を超え、重合体の重量平均分子量は、1,000,000を超えるものとなった。
【0062】
〔比較例4〕
表1に示すように分子量調節剤として2,3−ジヒドロフランに代えて1−ヘキセン1.73グラム(20.6ミリモル、単量体1モル当り0.42モル)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。重合体の収率、ならびに重合体の重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布は表1にまとめて示した。
【0063】
表1に示す結果から明らかなように、2,3−ジヒドロフランを分子量調節剤として用いる本発明の環状オレフィン付加重合体の製造方法では、分子量調節剤の使用量が、付加重合させる環状オレフィン化合物1モル当り0.1モル以下という少ないものであっても、比較的に分子量が低い重合体が得られることが分かる。また、分子量調節剤の使用量が多くなるにしたがって、得られる重合体の分子量が低くなることから、重合体の分子量が良好に制御できているといえる(実施例1〜5)。一方、分子量調節剤を用いない場合は、得られる重合体の分子量は極めて高いものとなるといえる(比較例1)。また、スチレンや1−ヘキセンを分子量調節剤として用いる場合には、その使用量が付加重合させる環状オレフィン化合物1モル当り0.1モル以下であると、得られる重合体の分子量を小さくさせることができず(比較例3)、2,3−ジヒドロフランを用いた場合と同等の分子量の重合体を得るためには、環状オレフィン化合物1モル当り0.4モル程度という極めて多量の分子量調節剤の使用が必要であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)周期律表第10族の金属原子を含有してなる有機金属化合物と、(B)イオン性ホウ素化合物または有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒により、環状オレフィン化合物を付加重合させる環状オレフィン付加重合体の製造方法であって、分子量調節剤として下記の一般式(1)で表される不飽和環状(チオ)エーテル化合物を用い、当該分子量調節剤の使用量が、環状オレフィン化合物1モル当り、0.1モル以下であることを特徴とする環状オレフィン付加重合体の製造方法。
【化1】

(一般式(1)において、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、nは、自然数である。)
【請求項2】
重合触媒が、さらに(C)ホスフィン化合物を含んでなるものである請求項1に記載の環状オレフィン付加重合体の製造方法。
【請求項3】
環状オレフィン化合物が、下記の一般式(2)で表される環状オレフィン化合物である請求項1または2に記載の環状オレフィン付加重合体の製造方法。
【化2】

(一般式(2)において、A、A、A、およびAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、および酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、およびハロゲン原子から選択される少なくとも1つの原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基から選択される置換基を表し、A、A、A、およびAのうち少なくとも2つが互いに結合し、環構造を形成していても良い。mは0または1である。)
【請求項4】
分子量調節剤として2,3−ジヒドロフランを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の環状オレフィン付加重合体の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載された環状オレフィン付加重合体の製造方法により得られる環状オレフィン付加重合体を、溶液流延法により成形する、成形体の製造方法。

【公開番号】特開2010−254910(P2010−254910A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109483(P2009−109483)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【Fターム(参考)】