説明

画像処理によるパンタグラフ撮影装置

【課題】監視カメラの視野内を通過する列車を撮影した画像の保管を効率よく行うとともに、録画画像からパンタグラフを自動検索することを可能とした画像処理によるパンタグラフ撮影装置を提供する。
【解決手段】車輌接近警報部10と、監視カメラ30と、画像処理装置40とを備え、画像処理装置40が、入力画像から車輌1を検出する進入車輌検出部43と、入力画像を記録する録画部44と、列車接近信号に基づいて監視カメラ30の起動及び停止を制御するとともに、車輌1の有無に基づいて録画部44による画像の記録の開始及び停止を制御する制御部42を備える撮影機能部40Aと、録画部44において記録された画像からパンタグラフの有無を検索するパンタグラフ検索部47と、パンタグラフが検出された場合にパンタグラフの画像を表示する画像出力部49を備えるパンタグラフ検索機能部とから構成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行中の列車の屋根上の状態を撮影する装置に関し、特に線路上方に設置された監視カメラにより撮影した連続画像から、画像処理によりパンタグラフを検出するパンタグラフ撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走行中の列車の屋根上の状態を撮影する装置としては、線路上方に監視カメラと照明を固定する一方、録画装置を屋内に設置し、監視カメラによって撮影した画像を車輌接近警報装置と連動させて録画するようにした装置が一般的に用いられている。このような装置は、例えば列車が接近した際に車輌接近警報装置が発生する列車接近信号を基に照明装置の点灯と録画の開始を行い、列車接近信号が発生している期間の画像を録画することでその間に監視カメラの視野内を通過する列車の屋根上を撮影している。そして、撮影の開始と終了の基準となる列車接近信号を発生する車輌接近警報装置にはいくつかの提案が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、磁石を利用して振動センサをレールに直接取り付け、鉄道車輌が接近する際の振動を検出して列車接近信号を発生させるようにした技術が開示されている。また、特許文献2には、電車電流検出センサをレールにマグネットを介して取り付け、センサの出力を演算処理装置に内蔵されたアンプに接続し、演算処理部で処理された結果により警報器を鳴らすようにした技術が開示されている。また、特許文献3には、送信手段と受信手段を備え、送信手段で探査信号をレールに送信し、近づいた軌道車両に反射された反射信号を受信手段で受信し、受信手段による反射信号の受信に応動して警報を発するようにした技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献4には、鉄道車輌車庫の入出庫線に車輌検知センサ、パンタ検知センサ、カメラ、照明を設置し、パンタ検知センサがパンタグラフを検出するとストロボフラッシュを発光させ、パンタすり板撮影カメラによりパンタすり板部の撮影を行うものが開示されている。また、特許文献5には、橋上駅舎の下側に、車輌検知センサ、遮光センサにより構成されるパンタグラフ検知センサ、カメラ、投光器を設置し、パンタグラフ検知センサがパンタグラフすり板を検知すると、ストロボを発光し、同時にカメラによりパンタグラフを撮影するようにした技術が開示されている。また、特許文献6には、トンネル形状の建屋内に検査箇所の通過を検知する通過検知センサ、カメラ、ストロボを設置し、検査箇所であるパンタグラフを通過検知センサが検知したときにストロボを瞬時に点灯すると共にカメラによって撮影するようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−39304号公報
【特許文献2】特開2002−337687号公報
【特許文献3】特開平9−132141号公報
【特許文献4】特開2004−312832号公報
【特許文献5】特開2002−150271号公報
【特許文献6】特開平5−143714号公報
【特許文献7】特開平9−212643号公報
【特許文献8】特開平9−282454号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】F.ULLAH, S.KANEKO and S.IGARASHI, “Orientation Code Matching for Robust Object Search”, IEICE Trance. Inf. & Syst., Vol.E84-D, No.8, pp.999-1006, 2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載されたものは、線路近傍で作業する工事作業者に列車の接近を報知するための装置である。よって、これらの車輌接近警報装置は、工事作業者が退避するために充分な時間を確保できるように作業現場から所定の距離だけ離れた位置において列車を検出するように構成されている。そのため、パンタグラフ撮影装置において、車輌接近警報装置の発生する列車接近信号を基に録画の開始及び終了を行う場合、実際にカメラの視野内を列車が通過する以前から列車を撮影した画像を録画することとなり、列車が監視カメラの視野内を通過している時間以外に録画を実施する時間が発生する。
【0008】
このような場合、列車の撮影されていない画像データが多数存在することとなり、録画装置の多くの画像保管領域が使用されることに加えて、保管画像から通過列車の屋根上の状態を確認する作業を行う際には、画像データの中から列車が映っている画像部分を探索する必要が生じ、パンタグラフの状態を監視する作業の効率が低下するおそれがあった。
【0009】
また、上記特許文献4〜6に記載された装置は、パンタグラフ検出センサ、このパンタグラフ検出センサの検知出力からストロボ発光用のトリガを出力する装置、パンタグラフ検出センサの検知出力によりカメラ撮影用のトリガを出力する装置等の信号処理装置が必要となるため、装置が大掛かりとなる。そのため、各装置間の調整が必要となり、装置の設置コストが大きくなるという問題があった。さらに、装置の構成が複雑になるため、部品の故障が生じたり、センサ類の定期的な交換等の運用コストが大きくなるという問題もあった。さらに、パンタグラフ検出センサの反応が適切でなかった場合は画像撮影が適切に行われないため、パンタグラフの録画漏れが生じるおそれがあるという問題もあった。
【0010】
このようなことから本発明は、走行中の列車の屋根上を効率よく撮影・録画するとともに、録画画像からパンタグラフを自動検索することを可能とした画像処理によるパンタグラフ撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための第1の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、車輌の接近を検知して信号を出力する車輌接近警報手段と、前記車輌の屋根上を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された入力画像を解析する画像処理手段とを備えた画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、前記画像処理手段が、撮影機能部とパンタグラフ検索機能部とを有し、前記撮影機能部が、前記入力画像から車輌を検出する車輌検出手段と、前記入力画像を記録する録画手段と、前記車輌接近警報手段から送信される列車接近信号に基づいて前記撮影手段の起動及び停止を制御するとともに、前記車輌検出手段から送信される前記車輌の有無に基づいて前記録画手段による前記入力画像の記録の開始及び停止を制御する撮影制御手段とを備える一方、前記パンタグラフ検索機能部が、前記録画手段において記録された前記入力画像からパンタグラフを検索するパンタグラフ検索手段と、前記パンタグラフ検索手段によって前記パンタグラフが検出された場合に前記入力画像を表示する画像出力手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決するための第2の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、第1の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、前記パンタグラフ検索手段が、予め設定する基準画像と、前記入力画像との正規化相関演算により前記入力画像中から前記パンタグラフを検出するように構成されたことを特徴とする。
【0013】
上記の課題を解決するための第3の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、第1の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、前記パンタグラフ検索手段が、予め設定する特徴データと、前記入力画像から抽出した特徴データとを比較することにより前記入力画像中から前記パンタグラフを検出するように構成されたことを特徴とする。
【0014】
上記の課題を解決するための第4の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、第1の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、前記パンタグラフ検索手段が、予め設定する基準符合画像と、前記入力画像から作成した入力符号画像とを比較することにより前記入力画像中から前記パンタグラフを検出するように構成されたことを特徴とする。
【0015】
上記の課題を解決するための第5の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、第1乃至第4のいずれかの発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、前記画像処理手段が検索結果帳票処理機能部を有し、前記検索結果帳票処理機能部が、前記パンタグラフ検索手段から入力される前記パンタグラフの有無と、各入力画像の個別情報とを関連付けて構成される検索結果リストを作成する検索結果リスト作成手段を備えることを特徴とする。
【0016】
上記の課題を解決するための第6の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、第5の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、前記検索結果帳票処理機能部が、前記検索結果リストを保管する検索結果リスト保管手段と、前記検索結果リストを表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
上記の課題を解決するための第7の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、第5の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、前記検索結果帳票処理機能部が、前記検索結果リストを編集して前記パンタグラフが撮像された前記入力画像の情報のみを抽出してなる検索結果リストを作成する保管候補検索結果リスト編集手段を備えることを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決するための第8の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、第5の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、前記検索結果帳票処理機能部が、前記検索結果リストを編集して前記パンタグラフが撮像されていない前記入力画像の情報のみを抽出してなる削除候補検索結果リストを作成する削除候補検索結果リスト編集手段を備えることを特徴とする。
【0019】
上記の課題を解決するための第9の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、第8の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、前記削除候補検索結果リスト編集手段が、前記処理設定部からの削除指令に応じて前記削除候補検索結果リストに記載された前記入力画像の情報を前記録画手段に出力するように構成されるとともに、前記録画手段が、前記削除候補検索結果リスト編集手段から入力される削除候補検索結果リストに記載された前記入力画像を削除するように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上述した第1の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、撮影手段によって撮影された画像中に列車が映っている間だけ、撮影手段の画像を録画することができ、列車が撮影されている画像データを保管するためだけに録画手段の画像保管領域を使用することができるため、録画手段の保管領域を効率よく使用することができる。また、保管画像から通過列車の屋根上状態を確認する作業を行う際には、列車が映っている画像部分を探索する作業を省くことができ、作業の効率化が実現できる。また、録画画像中からパンタグラフを自動検索することができるため、列車の屋根上装置として重要な監視対象であるパンタグラフが映っている画像を容易に閲覧することが可能になる。また、パンタグラフの通過を検知するためのセンサを用いない簡易な装置構成となっており、装置自体のコストを抑制することができるとともに、このようなセンサの定期的な交換等による装置運用コストを抑制することができる。また、録画画像が保管されているため、通過したパンタグラフの録画漏れが発生せず、撮影装置としての信頼性が向上する。
【0021】
上述した第2の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、パンタグラフ検索手段が、予め設定する基準画像と、入力画像との正規化相関演算により入力画像中からパンタグラフを検出するように構成されたので、パンタグラフの検出を簡単な構成で行うことができる。
【0022】
上述した第3の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、パンタグラフ検索手段が、予め設定する特徴データと、入力画像から抽出した特徴データとを比較することにより入力画像中からパンタグラフを検出するように構成されたので、日照変化等による明るさ変動や、検出対象であるパンタグラフ表面の汚れ等による表面状態の変化に頑健で、より安定したパンタグラフ検索が可能となる。
【0023】
上述した第4の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、パンタグラフ検索手段が、予め設定する基準符合画像と、入力画像から作成した入力符号画像とを比較することにより入力画像中からパンタグラフを検出するように構成されたので、日照変化等による明るさ変動に頑健で、より安定したパンタグラフ検索が可能となる。
【0024】
上述した第5の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、画像処理手段が検索結果帳票処理機能部を有し、検索結果帳票処理機能部が、パンタグラフ検索手段から入力されるパンタグラフの有無と、各入力画像の個別情報とを関連付けて構成される検索結果リストを作成する検索結果リスト作成手段を備えるので、各入力画像におけるパンタグラフの有無を効率よく管理することができる。
【0025】
上述した第6の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、検索結果帳票処理機能部が、検索結果リストを保管する検索結果リスト保管手段と、検索結果リストを表示する表示手段とを備えるので、表示手段に表示される検索結果リストから閲覧したい画像を容易に特定することが可能となり、作業性が向上する。
【0026】
上述した第7の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、検索結果帳票処理機能部が、検索結果リストを編集してパンタグラフが撮像された入力画像の情報のみを抽出してなる検索結果リストを作成する保管候補検索結果リスト編集手段を備えるので、パンタグラフが撮影されている入力画像を抽出する作業を省略することが可能となり、作業効率が向上する。
【0027】
上述した第8の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、検索結果帳票処理機能部が、検索結果リストを編集してパンタグラフが撮像されていない入力画像の情報のみを抽出してなる削除候補検索結果リストを作成する削除候補検索結果リスト編集手段を備えるので、パンタグラフが撮影されている入力画像を抽出する作業を省略することが可能となり、作業効率が向上する。
【0028】
上述した第9の発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、削除候補検索結果リスト編集手段が、処理設定部からの削除指令に応じて削除候補検索結果リストに記載された入力画像の情報を録画手段に出力するように構成されるとともに、録画手段が、削除候補検索結果リスト編集手段から入力される削除候補検索結果リストに記載された入力画像を削除するように構成されたので、パンタグラフが撮影されていない入力画像を必要に応じて削除することができ、録画手段の画像保管領域を節約し、より有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の一設置例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例1に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1のパンタグラフ検索部の構成を示すブロック図である。
【図4】入力画像の一例を示す説明図である。
【図5】パンタグラフ基準画像の一例を示す説明図である。
【図6】パンタグラフ検出結果の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例2に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例2のパンタグラフ検索部の構成を示すブロック図である。
【図9】物体形状モデルの一例を示す説明図である。
【図10】パンタグラフ検出結果の一例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施例3に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施例3のパンタグラフ検索部の構成を示すブロック図である。
【図13】基準符合画像の一例を示す説明図である。
【図14】本発明の実施例4に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図15】検索結果リストの一例を示す説明図である。
【図16】本発明の実施例5に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図17】保管候補検索結果リストの一例を示す説明図である。
【図18】本発明の実施例6に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図19】削除候補検索結果リストの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて本発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の詳細を説明する。
【実施例1】
【0031】
図1乃至図6を用いて本発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の第1の実施例を説明する。図1は本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の設置例を示す説明図、図2は本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の概略構成を示すブロック図、図3は本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置のパンタグラフ検索部の構成示すブロック図、図4はパンタグラフ基準画像の一例を示す説明図、図5は入力画像の一例を示す説明図、図6はパンタグラフ検出結果の一例を示す説明図である。
【0032】
図1に示すように、本実施例において画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、車輌1の接近を検知するためのセンサ10a、車輌1の屋根上を照らす照明装置20、車輌1の屋根上の照明装置20によって照らされる領域を撮影する撮影手段としての監視カメラ30、及びこれらセンサ10a、照明装置20及び監視カメラ30に接続された画像処理手段としての画像処理装置40とから構成されている。
【0033】
センサ10aは、例えばレール2の振動等を測定するものであり、レール2に取り付けられるとともに車輌接近警報手段としての車輌接近警報部10(図2参照)に接続されている。車輌接近警報部10は、センサ10aの出力に応じて車輌1の接近の有無を検知するものであり、車輌1が接近していると判断した場合には警報として列車接近信号を画像処理装置40へ送信する。
【0034】
照明装置20は、センサ10aに対して車輌1の進行方向前方に設置され、画像処理装置40からの信号に基づいて点灯及び消灯を行うように構成されている。
【0035】
監視カメラ30は、照明装置20と概ね同位置に、車輌1の屋根上の照明装置20によって照らされた領域を撮影するように設置され、画像処理装置40からの信号に基づいて撮影の開始、終了を行うように構成されている。この監視カメラ30によって撮影した画像は画像処理装置40へ送信される。
【0036】
なお、照明装置20及び監視カメラ30が設置される位置は、センサ10aから所定の距離だけ離間した位置、例えば、センサ10aの出力に基づいて監視カメラ30を起動したときに、車輌1がこの監視カメラ30の視野内に進入する直前にこの監視カメラ30による撮影を開始することができる位置とする。
【0037】
画像処理装置40は、図2に示すように撮影機能部40Aおよびパンタグラフ検索機能部40Bとから構成されている。
【0038】
撮影機能部40Aは図2に示す処理設定部41、撮影制御手段としての制御部42、車輌検出手段としての進入車輌検出部43、および録画手段としての録画部44を備えて構成されている。
【0039】
処理設定部41は、進入車輌検出部43から取得した車輌1が撮影されていない画像に対して、所定の位置に検知エリアを設定すると共に、検知エリア内に車輌1が進入したか否かを判断するための差分検出しきい値を設定し、これらの設定データを処理データとして保管する。
【0040】
制御部42は車輌接近警報部10から列車接近信号が入力されたら、照明装置20、監視カメラ30、進入車輌検出部43、及び録画部44へ起動信号を送信する。また、進入車輌検出部43から列車検知信号が入力されたら、録画部44へ録画開始信号を送信する。更に、進入車輌検出部43から列車消失信号が入力されたら、録画部44へ録画停止信号を送信すると共に、照明装置20、監視カメラ30、進入車輌検出部43、録画部44へ停止信号を送信する。
【0041】
進入車輌検出部43は、制御部42から起動信号が入力されたら進入車輌検出処理を開始すると共に、処理設定部41から処理データを読み出す。そして、進入車輌検出処理中には、監視カメラ30から送信された画像(図5参照。以下、入力画像という)5を解析することで車輌1の進入の有無を検知し、入力画像5中に車輌1を検出した場合、列車検知信号を制御部42へ送信する。また、車輌1の進入を検知した後で入力画像5中に車輌1が検出されなくなった場合、列車消失信号を制御部42へ送信する。そして、制御部42から停止信号が入力されたら進入車輌検出処理を停止する。
【0042】
録画部44は、制御部42から起動信号が入力されたら録画機能を起動する。また、制御部42から録画開始信号が入力されたら入力画像5の録画を開始し、制御部42から録画停止信号が入力されたら録画を停止する。さらに、パンタグラフ検出機能部4Bの後述する検索制御部46から検索する画像の個別情報(以下、画像IDという)が入力されたら、この画像IDに対応する画像データをパンタグラフ検索機能部40Bの後述する記憶部48へ保管する。そして、制御部42から停止信号が入力されたら録画機能を停止する。
【0043】
一方、パンタグラフ検索機能部40Bは図2に示す検索設定部45、検索制御部46、パンタグラフ検索手段としてのパンタグラフ検索部47、記憶部48、画像出力手段としての画像出力部49を備えて構成されている。
【0044】
検索設定部45は、パンタグラフ1aの有無を検索するための画像IDの範囲、検査実行停止等のパンタグラフ1aの検索に必要な情報を設定し、これらを検索指令として検索制御部46へ送信する。また、後で詳述する相関探索パラメータ、パンタグラフ照合データを設定し、記憶部48へ保管する。
【0045】
検索制御部46は、検索設定部45から検索指令が入力され、検索指令が検査実行の場合、検索設定部45から読み出した画像IDの範囲に基づいて画像IDを設定し、この画像IDを撮影機能部40Aの録画部44へ送信するとともに、パンタグラフ検索部47へ検索信号を送信する。また、パンタグラフ検索部47よりパンタグラフ有無結果を入力し、パンタグラフ有りの場合は画像出力部49へ表示信号を送信する。パンタグラフ無しの場合は次に検索する画像の画像IDを設定し、録画部44へ送信するとともに、パンタグラフ検索部47へ検索信号を送信する。
【0046】
ただし、パンタグラフ検索部47より受け取ったパンタグラフ有無結果がパンタグラフ無しの場合でも、検索指令が検査停止の場合および検索する画像IDの範囲の全画像に対するパンタグラフ1aの探索を終了した場合は検索する画像IDの設定並びに送信、および、検索信号の送信を行わない。
【0047】
パンタグラフ検索部47は、検索制御部46から検索信号が入力されると記憶部48より相関探索パラメータ、パンタグラフ照合データ、画像データ(入力画像5、後述するパンタグラフ基準画像3)を読み出し、入力画像5中からパンタグラフ1aの検出を行う。そして、パンタグラフ検出処理後、相関探索結果データを記憶部48へ保管し、パンタグラフ1aの有無をパンタグラフ有無結果として検索制御部46へ送信する。
【0048】
なお、パンタグラフ基準画像3としては、予めパンタグラフ1aを撮影した図4に一例を示すような画像をパンタグラフ基準画像3として用意しておくものとし、さらにパンタグラフ基準画像3におけるパンタグラフ部分Aの位置やパンタグラフ部分Aの範囲からなるパンタグラフ照合データを作成しておくものとする。なお、図4中の符合4はトロリー線を示す。
【0049】
より詳しく説明すると、図3に示すように、パンタグラフ検索部47には、パンタグラフ検出処理部47aとパンタグラフ判断処理部47bとが設けられ、正規化相関により入力画像中からパンタグラフ1aを検出するように構成されている。
【0050】
即ち、パンタグラフ検索部47においてパンタグラフ検出処理を行う場合、まず、パンタグラフ検出処理部47aにおいて、図5に示すように入力画像5に予め設定しておいた探索範囲Bに対して、この探索範囲Bとパンタグラフ基準画像3におけるパンタグラフ部分Aとの画像データ同士の比較を正規化相関演算により行い、探索範囲B中においてパンタグラフ部分Aに最も適合する領域(図6中、斜線を付して示す位置)Cの位置(以下、パンタグラフ検出位置という)と、そのパンタグラフ検出位置におけるパンタグラフ部分Aとの相関値(以下、パンタグラフ検出相関値という)を求める。
【0051】
そして、パンタグラフ判断処理部47bにおいて、パンタグラフ検出相関値と予め設定しておいたしきい値(以下、相関探索しきい値という)とを比較し、適合度が高い場合、即ち、パンタグラフ検出相関値が相関探索しきい値より大きい場合は、探索範囲Bにパンタグラフ1aが存在すると判断し、パンタグラフ有りとみなす。一方、適合度が低い場合、即ち、パンタグラフ検出相関値が相関探索しきい値以下の場合は、探索範囲Bにパンタグラフが存在しないと判断し、パンタグラフ無しとみなす。このようにして得られたパンタグラフ1aの有無をパンタグラフ有無結果として検索制御部46へ出力する。
【0052】
ここで、探索範囲Bや相関探索しきい値をまとめて相関探索パラメータと呼ぶ。また、パンタグラフ検出位置とパンタグラフ検出相関値とをまとめて相関探索結果データと呼ぶ。このような処理を行うことにより、入力画像5中に撮影されたパンタグラフ1aが自動検索される。
【0053】
記憶部48は、相関探索パラメータ、パンタグラフ照合データ、パンタグラフ基準画像3や撮影機能部40Aの録画部44から送信された入力画像5等の画像データ、相関探索結果データを保管する。
【0054】
画像出力部49は、検索制御部46から表示信号が入力されると、記憶部48から現在設定されている画像IDの画像データを読み出し、この画像データを表示する。
【0055】
このように構成されるため、本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置では、監視カメラ30によって撮影している画像中の車輌1が映っている画像のみを録画部44で録画することができる。
【0056】
上述した本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、監視カメラ30で撮影している画像中に車輌1が映っている間だけ、監視カメラ30の画像を録画するため、車輌1が撮影されている画像データのみを録画部44の画像保管領域に保管することができる。
【0057】
また、録画画像中からパンタグラフ1aを自動検索することができるため、車輌1の屋根上の装置として重要な監視対象であるパンタグラフ1aが映っている画像を簡単に閲覧することができる。パンタグラフ1aの検出は録画画像を画像解析することにより行うためパンタグラフ1aの通過を検出するためのセンサを用いない簡素な装置構成となっており、装置自体のコストや装置運用コストを小さくすることができる。また、入力画像が録画部44保管されているため、パンタグラフ1aの通過を検出するためのセンサを用いる方法に比較して通過したパンタグラフ1aの録画漏れの発生を防止することができ、撮影装置としての信頼性が向上する。
【実施例2】
【0058】
図7乃至図10を用いて本発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の第2の実施例を説明する。図7は本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を示すブロック図、図8は本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置のパンタグラフ検索部の構成示すブロック図、図9は物体形状モデルの一例を示す説明図、図10はパンタグラフ検出結果の一例を示す説明図である。
【0059】
本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、実施例1の正規化相関によりパンタグラフ1aの検出を行うパンタグラフ検索部47に代えて、図7に示す物体形状検査によりパンタグラフ1aの検出を行うパンタグラフ検索手段としてのパンタグラフ検索部50を設けるとともに、実施例1とは検索設定部45及び記憶部48における処理が異なるものである。
【0060】
その他の構成は実施例1において説明したものと概ね同様であり、以下、図1乃至図6に示し上述したものと類似する作用を奏するものについては同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
【0061】
本実施例においてパンタグラフ検索機能部40Bは、図7に示す検索設定部45、検索制御部46、パンタグラフ検索部50、記憶部48、及び画像出力手段としての画像出力部49を備えて構成されている。
【0062】
検索設定部45は、パンタグラフ1aの有無を検査するための画像IDの範囲、検査実行停止等のパンタグラフ1aの検索に必要な情報を設定し、これらを検索指令として検索制御部46へ送信する。また、後で詳述する形状検査パラメータを設定し記憶部48へ保管する。物体形状モデル作製時においては、記憶部48より特徴データを読み出し、図9に示すような物体形状モデル6を作製して記憶部48へ保管する。
【0063】
検索制御部46は、検索設定部45から検索指令が入力され、検索指令が検査実行の場合、検索設定部45から読み出した検索する画像IDの範囲に基づいて画像IDを設定し、この画像IDを撮影機能部40Aの録画部44へ送信するとともに、パンタグラフ検索部50へ検索信号を送信する。また、パンタグラフ検索部50よりパンタグラフ有無結果を入力し、パンタグラフ有りの場合は画像出力部49へ表示信号を送信する。パンタグラフ無しの場合は次に検索する画像の画像IDを設定し、録画部44へ送信するとともに、パンタグラフ検索部50へ検索信号を送信する。
【0064】
パンタグラフ検索部50は、本実施例では、物体認識方法(例えば、上記特許文献7,8参照)を応用した物体形状検査により入力画像5中からパンタグラフ1aを検出する。なお、物体形状検査では、まず、入力画像5中から輪郭線や模様等の特徴的な部分を直線もしくは円弧に近似して抽出した直線特徴と円弧特徴とからなる特徴データを作成し、対象とする物体の形状を特徴データで構成した物体形状モデル(図9参照)6を予め作製しておく。次に、入力画像5から特徴データを抽出し、物体形状モデル6の特徴データとの照合を行い、物体形状モデル6を構成する特徴データと適合する部分を検出する。
【0065】
ここで、パンタグラフ検索部50において物体形状モデル6を作製する際は、記憶部48より画像データとしてパンタグラフ基準画像3を読み出し、パンタグラフ基準画像3中から物体形状モデル6を構成する特徴データを抽出し、この特徴データを記憶部48へ保管する。
【0066】
一方、パンタグラフ検索部50において入力画像5中のパンタグラフ1aを検索する際は、検索制御部46からの検索信号を受けて、記憶部48より形状検査パラメータ、物体形状モデル6、画像データ(入力画像5)を読み出し、入力画像5中からパンタグラフ1aを検索する処理を行う。そして、パンタグラフ1a検索処理が終了したら、形状検査結果データを記憶部48へ保管し、検索結果としてパンタグラフ有無結果を検索制御部46へ送信する。
【0067】
より詳しくは、図8に示すように、パンタグラフ検索部50には、特徴抽出処理部50a、パンタグラフ検出処理部50b、及びパンタグラフ判断処理部50cが設けられている。
【0068】
パンタグラフ検索部50においてパンタグラフ検出処理を行う場合、まず、特徴抽出処理部50aにより入力画像5に予め設定しておいた探索範囲Bに対して特徴を抽出する処理を行う。そして、パンタグラフ検出処理部50bにおいて物体形状検査を行い、パンタグラフ検出位置として探索範囲B中において物体形状モデル6に最も適合する部分D(図10参照)の位置と、そのパンタグラフ検出位置における特徴データの適合率(以下、パンタグラフ特徴適合率という)とを求める。
【0069】
最後に、パンタグラフ判断処理部50cにおいてパンタグラフ特徴適合率と予め設定しておいたしきい値(以下、形状検査しきい値という)を比較し、適合度が高い、即ち、パンタグラフ特徴適合率が形状検査しきい値より大きい場合は、探索範囲Bにパンタグラフ1aが存在すると判断し、パンタグラフ有りとみなす。一方、適合度が低い、即ち、パンタグラフ特徴適合率が形状検査しきい値以下である場合は、探索範囲Bにパンタグラフが存在しないと判断し、パンタグラフ無しとみなす。このようにして得られたパンタグラフ1aの有無をパンタグラフ有無結果として検索制御部46へ出力する。
【0070】
ここで、探索範囲Bや形状検査しきい値をまとめて形状検査パラメータと呼ぶ。また、パンタグラフ検出位置とパンタグラフ特徴適合率をまとめて形状検査結果データと呼ぶ。このような処理を行うことにより、入力画像5中に撮影されたパンタグラフ1aが自動検索される。
【0071】
記憶部48は、形状検査パラメータ、物体形状モデル6、特徴データ、パンタグラフ基準画像3や撮影機能部40Aの録画部44から送信された入力画像5等による画像データ、形状検査結果データを保管する。
【0072】
画像出力部49は、検索制御部46から表示信号が入力されたら、記憶部48から現在設定されている画像IDの画像データ(入力画像5)を読み出し、この画像データを表示する。
【0073】
このように構成されるため、本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置では、監視カメラ30によって撮影している画像中の車輌1が映っている画像のみを録画部44で録画することができる。
【0074】
上述した本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、実施例1による効果に加えて、日照変化等による照度の変動や、検出対象であるパンタグラフ表面の汚れ等による表面上体の変化に頑健で、より安定したパンタグラフ検索を行うことができる。
【実施例3】
【0075】
図11乃至図13を用いて本発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の第3の実施例を説明する。図11は本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を示すブロック図、図12は本実施例のパンタグラフ検索部の構成を示すブロック図、図13は基準符合画像の例を示す説明図である。
【0076】
本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、実施例1の正規化相関によりパンタグラフの検出を行うパンタグラフ検索部47に代えて、図11に示す方向符号照合によりパンタグラフの検出を行うパンタグラフ検索手段としてのパンタグラフ検索部51を設けるとともに、実施例1とは検索設定部45及び記憶部48における処理が異なるものである。その他の構成は図2に示し実施例1において説明したものと概ね同様であり、以下、図1乃至図6に示した部材と類似する作用を奏する部材については同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
【0077】
本実施例では、「方向符号照合(Orientation Code Matching)」(例えば、非特許文献1参照)を応用した方向符号照合処理により入力画像5中からパンタグラフ1aを検出する。方向符号照合は、画像の各部分の濃淡の強さ方向を符号化し、パンタグラフ基準画像3と入力画像5との符合同士を照合することで、画像データ同士の適合度合いを検査する方法で、明るさ変化や隠れに頑健な照合方法である。
【0078】
本実施例においてパンタグラフ検索機能部40Bは、図11に示す検索設定部45、検索制御部46、パンタグラフ検索部51、記憶部48、及び画像出力手段としての画像出力部49を備えて構成されている。
【0079】
検索設定部45は、パンタグラフ1aの有無を検査するための画像IDの範囲、検査実行停止等のパンタグラフ1aの検索に必要な情報を設定し、これらを検索指令として検索制御部46へ送信する。また、後で詳述する方向符合探索パラメータ、パンタグラフ照合データを設定し、記憶部48へ保管する。
【0080】
検索制御部46は、検索設定部45から検索指令が入力され、検索指令が検査実行の場合、検索設定部45から読み出した検索する画像IDの範囲に基づいて画像IDを設定し、この画像IDを撮影機能部40Aの録画部44へ送信するとともに、パンタグラフ検索部51へ検索信号を送信する。また、パンタグラフ検索部51よりパンタグラフ有無結果を入力し、パンタグラフ有りの場合は画像出力部49へ表示信号を送信する。パンタグラフ無しの場合は次に検索する画像IDを設定し、録画部44へ送信するとともに、パンタグラフ検索部51へ検索信号を送信する。
【0081】
パンタグラフ検索部51では、予めパンタグラフ基準画像3(図4参照)を画像部分の濃淡で符号化した方向符合画像(図13参照。以下、基準符合画像という。なお、図13では符号化した部分を斜線を付して示している)7を作成し、さらに、パンタグラフ基準画像3におけるパンタグラフ部分Aの位置やパンタグラフ部分Aの範囲からなるパンタグラフ照合データを作成しておく。この基準符合画像7の作成時においては、記憶部48より画像データ(パンタグラフ基準画像3)を読み出し、これを画像部分の濃淡で符号化して基準符合画像7を作成して記憶部48へ保管する。
【0082】
一方、パンタグラフ検索時においては、検索制御部46から検索信号が入力されると、記憶部48より方向符合探索パラメータ、パンタグラフ照合データ、画像データ(基準符合画像7、入力画像5)を読み出し、入力画像5中からパンタグラフ1aの検出を行う。パンタグラフ1aの検出処理後、方向符合探索結果データを記憶部48へ保管し、パンタグラフ有無結果を検索制御部46へ送信する。
【0083】
より詳しく説明すると、図12に示すように、本実施例においてパンタグラフ検索部51には、方向符号化処理部51a、パンタグラフ検出処理部51b、及び、パンタグラフ判断処理部51cが設けられている。
【0084】
パンタグラフ検索部51においてパンタグラフ検出処理を行う場合は、方向符号化処理部51aにおいて、入力画像5(図5参照)を画像部分の濃淡で符号化して方向符合画像(以下、入力符合画像という)を作成し、パンタグラフ検出処理部51bにおいて予め設定しておいた探索範囲Bに対して方向符号を照合することにより基準符合画像7におけるパンタグラフ部分Aとの画像データ同士の比較を行う。そして、パンタグラフ検出位置として探索範囲Bにおいてパンタグラフ部分Aと適合する領域Cの位置と、そのパンタグラフ検出位置での方向符合照合値(以下、パンタグラフ検出照合値という)とを求める。
【0085】
最後に、パンタグラフ判断処理部51cにおいて、パンタグラフ検出照合値と予め設定しておいたしきい値(以下、方向符合探索しきい値という)とを比較し、適合度が高い場合、即ち、パンタグラフ検出照合値が方向符合探索しきい値より高い場合は、探索範囲B中にパンタグラフ1aが存在すると判断し、パンタグラフ有りとみなす。一方、適合度が低い場合、即ち、パンタグラフ検出照合値が方向符合探索しきい値以下の場合は、探索範囲B中にパンタグラフ1aは存在しないと判断し、パンタグラフ無しとみなす。このようにして得られたパンタグラフ1aの有無をパンタグラフ有無結果として検索制御部46へ出力する。
【0086】
ここで、探索範囲や方向符合探索しきい値をまとめて方向符号探索パラメータと呼ぶ。また、パンタグラフ検出位置とパンタグラフ検出照合値をまとめて方向符号探索結果データと呼ぶ。このような処理を行うことにより、入力画像5中に撮影されたパンタグラフ1aが自動検索される。
【0087】
記憶部48は、方向符合探索パラメータ、パンタグラフ照合データ、パンタグラフ基準画像3や撮影機能部40Aの録画部44から送信された入力画像5及び基準符合画像7等の画像データ、方向符合探索結果データを保管する。
【0088】
画像出力部49は、検索制御部46から表示信号が入力されると、記憶部48から現在設定されている画像IDの画像データを読み出し、この画像データを表示する。
【0089】
このように構成されるため、本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置では、監視カメラ30によって撮影している画像中の車輌1が映っている画像のみを録画部44で録画することができる。
【0090】
上述した本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、実施例1の効果に加え、物体形状モデルを必要とすることなく日照変化等による照度の変動に頑健で、より安定したパンタグラフ検索を行うことができる。
【実施例4】
【0091】
図14および図15を用いて本発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の第4の実施例を説明する。図14は本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を部分的に示すブロック図、図15は本実施例において作成する検索結果リストの一例を示す説明図である。
【0092】
本実施例に係るパンタグラフ撮影装置は、図1乃至図6に示し上述した実施例1の画像処理装置に、図14に示す検索結果帳票処理機能部40Cを追加した例である。撮影機能部40A及びパンタグラフ検索機能部40Bの構成は実施例1において説明したものと概ね同様であり、図14では図2に示した構成と重複する一部の構成を省略している。以下、同一の部材には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
【0093】
検索結果帳票処理機能部40Cは、監視カメラ30によって撮影し、撮影機能部40Aの録画部44に録画された連続画像中から、パンタグラフ1aが撮影されている画像(以下、パンタグラフ画像という)を自動検索し、この結果を一覧表にした検索結果リストを作成する機能を有する。
【0094】
より詳しくは、図14に示すように、検索結果帳票処理機能部40Cは、検索結果リスト作成手段としての検索結果リスト作成部52、検索結果リスト保管手段としての検索結果リスト保管部53、表示手段としての表示部54、及び処理設定部55を備えて構成されている。
【0095】
検索結果リスト作成部52は、パンタグラフ検索機能部40Bのパンタグラフ検索部47から順次送信されるパンタグラフ有無結果を受信し、画像IDとパンタグラフ有無結果を関連付けた検索結果データを作成して、この検索結果データを一覧表としてまとめた検索結果リスト81(図15参照)を作成する。作成した検索結果リスト81は検索結果リスト保管部53へ送信する。
【0096】
検索結果リスト保管部53は、検索結果リスト作成部52から入力された検索結果リスト81を保管する。そして、処理設定部55から表示指令を受けた場合は、検索結果リスト81を表示部54へ送信する。
【0097】
表示部54は、検索結果リスト保管部53から入力された検索結果リスト81を表示する。
【0098】
処理設定部55は、検索結果リスト81を作成する場合、パンタグラフ検索機能部40Bの検索制御部46へ検索リスト作成指令と検索する画像ID範囲を送信する。また、検索結果リスト81を表示する場合、検索結果リスト保管部53へリスト表示指令を送信する。
【0099】
また、例えば検索結果リスト81から抽出したパンタグラフ有りの画像等、パンタグラフ検索機能部40Bの画像出力部49に表示する場合は、表示したい画像の画像IDを設定し、この画像IDを画像表示指令とともにパンタグラフ検索機能部40Bの検索制御部46へ送信する。これにより検索制御部46から画像出力部49へ表示信号が送信され、画像出力部49において所望の画像IDの画像が表示される。
【0100】
さらに、撮影機能部40Aの録画部44は、上述した実施例1での処理に加えて、パンタグラフ検索機能部40Bの検索制御部46から入力される画像IDに応じて、この画像IDに対応する画像データをパンタグラフ検索機能部40Bの記憶部48へ保管する。
【0101】
また、パンタグラフ検索機能部40Bの検索制御部46は、実施例1での処理に加えて、検索結果帳票処理機能部40Cの後述する処理設定部55からの検索リスト作成指令及び検索する画像ID範囲の入力を受けて、画像ID範囲の画像IDを撮影機能部40Aの録画部44に順次送信するとともに、パンタグラフ検索部47から入力されるパンタグラフの有無に関係なくパンタグラフ検索部47に画像ID範囲の画像データに対するパンタグラフ1aの検索信号を送信する。
【0102】
記憶部48は実施例1での処理に加えて、画像IDに対応する画像データを撮影機能部40Aの録画部44から受信する。パンタグラフ検索部47は実施例1での処理に加えて、パンタグラフ有無結果を検索結果帳票処理機能部40Cの検索結果リスト作成部52に送信する一方、検索制御部46からの検索信号に基づいてパンタグラフ1aの検索を連続的に実施する。
【0103】
画像出力部49は、検索制御部46から表示信号が入力されると、記憶部48から現在の検索画像IDの画像データを読み出し、この画像データを表示する。
【0104】
このように構成されるため、本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置では、撮影機能部40Aの録画部44に録画された連続画像中からパンタグラフ画像を自動検索した結果を一覧表としてまとめた検索結果リスト81を作成することができる。
【0105】
上述した本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、実施例1に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の効果に加えて、録画画像中からパンタグラフ1aを自動検索し検索結果リストを作成する機能を持つため、屋根上装置として重要な監視対象であるパンタグラフ画像の画像IDを検索結果リストより簡単に確認し、これを表示することができる。
【0106】
一度検索結果リストを作成しておけば、閲覧したいパンタグラフ画像を画像IDによって簡単に特定することが可能であり、閲覧するたびに連続画像を順次検索する必要がない。パンタグラフ1aの検索は録画画像を画像解析することによって行うためセンサを用いない簡易な装置構成となっており、装置自体のコストや装置運用コストを抑えることができる。また録画画像が保管されているため、センサによる検出方法に対して通過したパンタグラフ1aの録画漏れが発生せず、撮影装置としての信頼性が高い。
【0107】
なお、本実施例では実施例1に示し上述した画像処理によるパンタグラフ撮影装置に検索結果帳票処理機能部40Cを追加する例を示したが、検索結果帳票処理機能部40Cを実施例2または実施例3において説明した画像処理によるパンタグラフ撮影装置に適用してもよいことはいうまでもない。
【実施例5】
【0108】
図16及び図17を用いて本発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の第5の実施例を説明する。図16は本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を部分的に示すブロック図、図17は本実施例において作成する検索結果リスト(パンタグラフ有)の一例を示す説明図である。
【0109】
本実施例は、実施例4で説明した検索結果帳票処理機能部40Cに、検索結果リスト81を編集してパンタグラフ有りの検索結果データのみから構成する検索結果リストを新たに作成し表示する機能を追加した例である。
【0110】
図16に示すように、本実施例において検索結果帳票処理機能部40Cは、実施例4で説明した検索結果リスト作成部52、検索結果リスト保存部53、表示部54、及び処理設定部55に加えて、検索結果リスト編集手段としての検索結果リスト編集部56を備えて構成されている。
【0111】
その他の構成は実施例4において説明したものと概ね同様であり、図16では、図2に示した構成と重複する構成の一部を省略している。以下、実施例1において説明した構成と同様の構成については重複する説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0112】
検索結果リスト編集部56は、処理設定部55から編集指令が入力されたら検索結果リスト保管部53から検索結果リスト81を入力し、検索結果リスト81を編集してパンタグラフ有りの検索結果データのみから構成する新たな検索結果リスト(以下、保管候補検索結果リストという)82(図17参照)を作成する。また、処理設定部55から表示指令が入力されたら編集した保管候補検索結果リスト82を表示部54へ送信する。
【0113】
そして、本実施例において、検索結果リスト作成部52は、パンタグラフ検索機能部40Bのパンタグラフ検索部47から順次送信されるパンタグラフ有無結果を受信し、画像IDとパンタグラフ有無結果を関連付けた検索結果データを作成して、検索結果データを一覧表としてまとめた検索結果リスト81を作成する。作成した検索結果リスト81は検索結果リスト保管部53へ送信する。
【0114】
検索結果リスト保管部53は、検索結果リスト81を保管し、処理設定部55から表示指令が入力されたら検索結果リスト81を表示部54へ送信する。また、処理設定部55から編集指令が入力されたら検索結果リスト81を検索結果リスト編集部56へ送信する。
【0115】
表示部54は、検索結果リスト保管部53から入力される検索結果リスト81、検索結果リスト編集部56から入力される保管候補検索結果リスト82を表示する。
【0116】
処理設定部55は、検索リスト81を作成する場合は、パンタグラフ検索機能部40Bの検索制御部46へ検索リスト作成指令と検索する画像ID範囲を送信する。また、検索結果リスト81を表示部54に表示する場合は検索結果リスト保管部53へ表示指令を送信し、検索結果リスト81を編集する場合は検索結果リスト保管部53及び検索結果リスト編集部56へ編集指令を送信する。また、保管候補検索結果リスト82を表示する場合は検索結果リスト編集部56へ表示指令を送信する。
【0117】
また、検索リスト81又は保管候補検索結果リスト82から抽出したパンタグラフ画像をパンタグラフ検索機能部40Bの画像出力部49に表示する場合は、表示したい画像の画像IDを設定し、この画像IDを画像表示指令とともにパンタグラフ検索機能部40Bの検索制御部46へ送信する。これにより、検索制御部46から画像出力部49へ表示信号が送信され、画像出力部49において所望の画像IDの画像が表示される。
【0118】
このように構成されるため、本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置では、検索結果リストを編集してパンタグラフ有りの検索結果データのみから構成される検索結果リスト82を新たに作成し表示することができる。
【0119】
上述した本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、実施例4に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置による効果に加え、パンタグラフ画像のみからなる検索結果リスト82を表示することができるため、パンタグラフ画像の閲覧作業効率が向上する。
【0120】
なお、本実施例では実施例1に示し上述した画像処理によるパンタグラフ撮影装置に検索結果帳票処理機能部40Cを追加する例であるが、検索結果帳票処理機能部40Cを実施例2または実施例3において説明した画像処理によるパンタグラフ撮影装置に適用してもよいことはいうまでもない。
【実施例6】
【0121】
図18及び図19を用いて本発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の第6の実施例を説明する。図18は本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の構成を部分的に示すブロック図、図19は本実施例において作成する検索結果リスト(パンタグラフ無)の一例を示す説明図である。
【0122】
本実施例は、実施例4に示した検索結果帳票処理機能部40Cに、撮影機能部40Aの録画部44に録画された連続画像中から、パンタグラフが撮影されていない画像データを削除する機能を追加した例である。
【0123】
図18に示すように、本実施例において検索結果帳票処理機能部40Cは、検索結果リスト作成部52、検索結果リスト保管部53、表示部54、処理設定部55に加えて、削除候補検索結果リスト編集手段としての削除候補検索結果リスト編集部57を備えている。
【0124】
その他の構成は実施例4において説明したものと概ね同様であり、図18では図2に示した構成と重複する構成の一部を省略している。以下、実施例1において説明した構成と同様の構成については重複する説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0125】
削除候補検索結果リスト編集部57では、処理設定部55から削除候補作成指令が入力されたら検索結果リスト保管部53から検索結果リスト81を入力し、検索結果リスト81を編集してパンタグラフ無しの検索結果データのみから構成する新たな検索結果リスト(以下、削除候補検索結果リストという)83(図19参照)を作成してこの検索結果リスト83を表示部54へ送信する。また、処理設定部55から削除指令が入力されたら、編集した削除候補検索結果リスト83に記載のある画像IDを削除画像IDとして抽出し、この削除画像IDを撮影機能部40Aの録画部44へ送信するとともに、検索結果データ81からパンタグラフ無しの検索結果データを削除して新たな検索結果リスト(保管候補検索結果リスト)82(図17参照)を再構成し、この保管候補検索結果リスト82を検索結果リスト保管部53へ送信する。
【0126】
そして、本実施例において、検索結果リスト作成部52は、パンタグラフ検索機能部40Bのパンタグラフ検索部47から順次送信されるパンタグラフ有無結果を受信し、画像IDとパンタグラフ有無結果を関連付けた検索結果データを作成して、検索結果データを一覧表としてまとめた検索結果リスト81を作成する。作成した検索結果リスト81は検索結果リスト保管部53へ送信する。
【0127】
検索結果リスト保管部53は、検索結果リスト81を保管し、処理設定部55から表示指令が入力されたら、検索結果リスト81を表示部54へ送信する。また、処理設定部55から削除候補作成指令が入力されたら、検索結果リスト81を削除候補検索結果リスト編集部57へ送信する。さらに、削除候補検索結果リスト編集部57から、この削除候補検索結果リスト編集部57で編集したパンタグラフ無しの検索結果データを削除して再構成した保管候補検索結果リスト82を受け取る。
【0128】
表示部54は、検索結果リスト保管部53から入力される検索結果リスト81もしくは保管候補検索結果リスト82、又は、削除候補検索結果リスト編集部57から入力される削除候補検索結果リスト83を表示する。
【0129】
処理設定部55は、検索結果リスト81を作成する場合、パンタグラフ検索機能部40Bの検索制御部46へ検索リスト作成指令と検索する画像ID範囲を送信する。また、検索結果リスト81を表示する場合は検索結果リスト保管部53へ表示指令を送信する。
【0130】
また、削除候補検索結果リスト83を作成する場合は検索結果リスト保管部53及び削除候補検索結果リスト編集部57へ削除候補作成指令を送信する。また、削除候補検索結果リスト83に記載された画像を削除する場合は削除候補検索結果リスト編集部57及び撮影機能部40Aの録画部44へ削除指令を送信する。また、削除候補検索結果リスト83を表示する場合は削除候補検索結果リスト編集部57へ表示指令を送信する。
【0131】
また、検索結果リスト81、保管候補検索結果リスト82、又は削除候補検索結果リスト83に記載された画像を抽出し、パンタグラフ検索機能部40Bの画像出力部49に表示する場合は、表示したい画像の画像IDを設定し、この画像IDを画像表示指令とともにパンタグラフ検索機能部40Bの検索制御部46へ送信する。これにより、検索制御部46から画像出力部49へ表示信号が送信され、画像出力部49において所望の画像IDの画像が表示される。
【0132】
さらに、撮影機能部40Aの録画部44は、検索結果帳票処理機能部40Cの処理設定部55からの削除指令と削除候補検索結果リスト編集部57からの削除画像IDとを受けて、削除画像IDに対応する画像データを削除する。
【0133】
このように構成されるため、本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置では、監視カメラ30によって撮影し、撮影機能部40Aの録画部44に録画された連続画像中から、パンタグラフ無しの画像データを削除し、パンタグラフ画像のみを残すことができる。
【0134】
上述した本実施例に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置によれば、実施例4に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置の効果に加え、パンタグラフ画像以外の重要な監視対象でない画像データを必要に応じて削除することができるため、録画部44の画像保管領域を節約し、より有効に使用することができる。
【0135】
なお、本実施例では実施例1に示し上述した画像処理によるパンタグラフ撮影装置に検索結果帳票処理機能部40Cを追加する例であるが、検索結果帳票処理機能部40Cを実施例2または実施例3において説明した画像処理によるパンタグラフ撮影装置に適用してもよいことはいうまでもない。
【0136】
なお、本発明に係る画像処理によるパンタグラフ撮影装置は、上述した実施例に限定されるものではなく、パンタグラフ検出センサ40の検出結果に基づいてパンタグラフの画像を録画し、この録画した入力画像中からパンタグラフ1aの有無を検出するようにすればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明は、画像処理によるパンタグラフ撮影装置に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0138】
1 車輌
1a パンタグラフ
2 レール
3 パンタグラフ基準画像
4 トロリー線
5 入力画像
6 物体形状モデル
7 基準符合画像
10 車輌接近警報部
10a センサ
20 照明
30 監視カメラ
40 画像処理部
40A 撮影機能部
40B パンタグラフ検索機能部
40C 検索結果帳票処理機能部
41 処理設定部
42 制御部
43 進入車輌検出部
44 録画部
45 検索設定部
46 検索制御部
47 パンタグラフ検索部
47a パンタグラフ検出処理部
47b パンタグラフ判断処理部
48 記憶部
49 画像出力部
50 パンタグラフ検索部
50a 特徴抽出処理部
50b パンタグラフ検出処理部
50c パンタグラフ判断処理部
51 パンタグラフ検索部
51a 方向符号化処理部
51b パンタグラフ検出処理部
51c パンタグラフ判断処理部
52 検索結果リスト作成部
53 検索結果リスト保管部
54 表示部
55 処理設定部
56 検索結果リスト編集部
57 削除候補検索結果リスト編集部
A パンタグラフ部分
B 探索範囲
C 適合領域
D 適合部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌の接近を検知して信号を出力する車輌接近警報手段と、前記車輌の屋根上を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された入力画像を解析する画像処理手段とを備えた画像処理によるパンタグラフ撮影装置において、
前記画像処理手段が、撮影機能部とパンタグラフ検索機能部とを有し、
前記撮影機能部が、
前記入力画像から車輌を検出する車輌検出手段と、
前記入力画像を記録する録画手段と、
前記車輌接近警報手段から送信される列車接近信号に基づいて前記撮影手段の起動及び停止を制御するとともに、前記車輌検出手段から送信される前記車輌の有無に基づいて前記録画手段による前記入力画像の記録の開始及び停止を制御する撮影制御手段とを備える一方、
前記パンタグラフ検索機能部が、
前記録画手段において記録された前記入力画像からパンタグラフを検索するパンタグラフ検索手段と、
前記パンタグラフ検索手段によって前記パンタグラフが検出された場合に前記入力画像を表示する画像出力手段とを備える
ことを特徴とする画像処理によるパンタグラフ撮影装置。
【請求項2】
前記パンタグラフ検索手段が、予め設定する基準画像と、前記入力画像との正規化相関演算により前記入力画像中から前記パンタグラフを検出するように構成された
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理によるパンタグラフ撮影装置。
【請求項3】
前記パンタグラフ検索手段が、予め設定する特徴データと、前記入力画像から抽出した特徴データとを比較することにより前記入力画像中から前記パンタグラフを検出するように構成された
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理によるパンタグラフ撮影装置。
【請求項4】
前記パンタグラフ検索手段が、予め設定する基準符合画像と、前記入力画像から作成した入力符号画像とを比較することにより前記入力画像中から前記パンタグラフを検出するように構成された
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理によるパンタグラフ撮影装置。
【請求項5】
前記画像処理手段が検索結果帳票処理機能部を有し、
前記検索結果帳票処理機能部が、前記パンタグラフ検索手段から入力される前記パンタグラフの有無と、各入力画像の個別情報とを関連付けて構成される検索結果リストを作成する検索結果リスト作成手段を備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像処理によるパンタグラフ撮影装置。
【請求項6】
前記検索結果帳票処理機能部が、
前記検索結果リストを保管する検索結果リスト保管手段と、
前記検索結果リストを表示する表示手段とを備える
ことを特徴とする請求項5記載の画像処理によるパンタグラフ撮影装置。
【請求項7】
前記検索結果帳票処理機能部が、前記検索結果リストを編集して前記パンタグラフが撮像された前記入力画像の情報のみを抽出してなる検索結果リストを作成する保管候補検索結果リスト編集手段を備える
ことを特徴とする請求項5記載の画像処理によるパンタグラフ撮影装置。
【請求項8】
前記検索結果帳票処理機能部が、前記検索結果リストを編集して前記パンタグラフが撮像されていない前記入力画像の情報のみを抽出してなる削除候補検索結果リストを作成する削除候補検索結果リスト編集手段を備える
ことを特徴とする請求項5記載の画像処理によるパンタグラフ撮影装置。
【請求項9】
前記削除候補検索結果リスト編集手段が、前記処理設定部からの削除指令に応じて前記削除候補検索結果リストに記載された前記入力画像の情報を前記録画手段に出力するように構成されるとともに、
前記録画手段が、前記削除候補検索結果リスト編集手段から入力される削除候補検索結果リストに記載された前記入力画像を削除するように構成された
ことを特徴とする請求項8記載の画像処理によるパンタグラフ撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−178399(P2010−178399A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14850(P2009−14850)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】