説明

画像処理システム、画像処理方法、画像処理装置及び情報処理装置、並びに画像処理プログラム

【課題】情報処理装置のフォルダにアクセス可能な共有ユーザの設定が、画像処理装置に送信・記憶されたデータに関し引き継がれる画像処理システムであって、画像処理装置へログインできるユーザが予め登録されている場合に、情報処理装置のフォルダの共有ユーザであるが画像処理装置に登録されていないユーザを、画像処理装置のデータにアクセス可能とするための設定を自動で行うことができる画像処理システム等を提供する。
【解決手段】情報処理装置4は、指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、画像処理装置2に送信する。これらを受信した画像処理装置2は、共有ユーザ情報に示された各共有ユーザ情報のうち登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、該当ユーザに一時的なパスワードを発行してゲストユーザ情報を一時的に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置と情報処理装置とがネットワークを介して接続された画像処理システム、このシステムで実行される画像処理方法、前記システムに好適に用いられる画像処理装置と情報処理装置、並びに画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像処理装置は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置から受信した文書データ等を直ちにプリント出力等する機能に加えて、ハードディスク等の記憶装置にデータを一旦記憶し、ユーザが希望するタイミングでデータを出力する機能を有している。
【0003】
一方、情報処理装置では、データを複数のユーザで共有可能な共有フォルダに対して、共有フォルダ毎に異なる共有ユーザを設定することが、従来より可能である。
【0004】
このように、アクセス可能な共有ユーザが設定された情報処理装置の共有フォルダの管理者等が、共有フォルダ内のデータを指定して画像処理装置に送信し、このデータを画像処理装置の記憶部に記憶・蓄積させる場合、従来では、次のような問題があった。
【0005】
即ち、情報処理装置の共有フォルダに対してなされた共有ユーザの設定は、画像処理装置に送信されたデータには持ち越されない。このため、情報処理装置からデータを送信したユーザが、画像処理装置に送信されたデータについて、情報処理装置の共有フォルダの共有ユーザと同様の設定をデータに対して行いたい場合には、そのための設定を別途画像処理装置で手動操作等にて行わなければならず、非常に手間がかかるという問題があった。
【0006】
そこで、本出願人は、データが保存されている共有フォルダに対して予め設定された、該共有フォルダにアクセス可能な共有ユーザを示す共有ユーザ情報を、情報処理装置からデータと共に画像処理装置に送信し、画像処理装置ではデータと共有ユーザ情報とを関連付けて記憶しておく画像処理システムを提案している(特願2008−296165)。この画像処理システムによれば、情報処理装置のフォルダにアクセス可能な共有ユーザの設定を、画像処理装置に記憶されたデータに関してそのまま引き継ぐことが可能となるから、画像処理装置にログインしたユーザが共有ユーザ情報に示されたユーザであれば、情報処理装置から送信され画像処理装置に保存されたデータにアクセスすることができ、画像処理装置でデータを共有するための手動操作等は不要となる。
【0007】
なお、画像処理装置の中には、情報処理装置から受信したデータを、ユーザ毎にあるいはグループ毎に、ボックスと称される区分けした記憶領域に保存することができる機能を備えたものが存在する。
【0008】
また、ボックスに関する技術として、特許文献1には、受信したファクシミリ情報を区分する工程を備え、受信したファクシミリ情報を、該情報から認識した宛先ごとに分割された宛先専用の記憶領域であるボックスに振り分けるファクシミリ装置が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、親展文書を受信すると、親展先ユーザ専用の記憶領域である個人ボックスにその親展文書を格納するとともに、自身のWebサーバにこの親展文書の記憶先を登録し、その後、親展先ユーザに親展文書を受信したことを電子メールで通知し、これを受けた親展先ユーザが、パーソナルコンピュータから該ファクシミリ装置にアクセスし、ID、パスワードを入力すると、親展文書へのリンク先を通知し、これを用いて親展文書の閲覧を行うことができるファクシミリ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−196206号公報
【特許文献2】特開平11−239238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述したような情報処理装置側の共有設定を画像処理装置側で引き継ぐことが可能な画像処理システムにおいて用いられる画像処理装置が、ログインを許可するユーザが予め登録されたユーザに限定される画像処理装置である場合には、情報処理装置のフォルダの共有ユーザとして設定されていても、画像処理装置側で登録されていなければ、そのユーザは情報処理装置から画像処理装置に送信されたデータにアクセスすることができない。このため、このようなユーザについては、画像処理装置側でアクセス可能とするための設定操作を手動にて行う必要がある。
【0012】
なお、前述した特許文献1及び2に記載された技術は、このような技術的課題の解決策を提供し得るものではなかった。
【0013】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、情報処理装置のフォルダにアクセス可能な共有ユーザの設定が、画像処理装置に送信され記憶されたデータに関してそのまま引き継がれる画像処理システムであって、前記画像処理装置へログインできるユーザが予め登録されたユーザに限定される場合に、情報処理装置のフォルダの共有ユーザであるが画像処理装置に登録されていないユーザを、画像処理装置のデータにアクセス可能とするための設定を自動で行うことができる画像処理システムを提供し、さらにはこのシステムで実行される画像処理方法、前記システムに好適に用いられる画像処理装置と情報処理装置、並びに画像処理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)画像処理装置と情報処理装置とがネットワークを介して接続された画像処理システムであって、前記情報処理装置は、1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する記憶手段と、ユーザによってなされた前記共有フォルダに保存されたデータの指定、及び指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた蓄積要求に基づいて、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、前記画像処理装置に送信する送信手段と、を備え、前記画像処理装置は、前記データと共有ユーザ情報を受信する受信手段と、ログインを許可するユーザの情報を予め登録情報として保持するユーザ情報保持手段と、前記受信手段により受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、前記ユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段により、登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、前記ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行するパスワード発行手段と、前記ゲストユーザを特定するための、前記パスワード発行手段により発行されたパスワードを含むゲストユーザ情報を、前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録する登録手段と、前記蓄積要求に基づいてデータを記憶すると共に、前記ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報と前記ゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶する記憶手段と、を備えたことを特徴とする画像処理システム。
(2)前記情報処理装置は、前記共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に画像処理装置に送信し、前記画像処理装置は、ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信手段により受信された前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、前記アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、前記データアクセス権情報を生成するデータアクセス権情報生成手段を備え、前記記憶手段は、前記データアクセス権情報生成手段により生成されたデータアクセス権情報を、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶する前項1に記載の画像処理システム。
(3)前記画像処理装置の前記データアクセス権情報生成手段は、前記アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づいて前記データアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を生成する前項1または2に記載の画像処理システム。
(4)前記画像処理装置は、前記ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録手段により一時的に登録されたゲストユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証を行う認証手段と、前記記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータを表示する表示手段と、を備えている前項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
(5)前記画像処理装置は、前記記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、前記データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行う制御手段を備えている前項2または3に記載の画像処理システム。
(6)前記画像処理装置は、一時的に登録された前記ゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除する削除手段を備えている前項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
(7)前記画像処理装置は、前記ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするプリント手段を備えている前項1〜6のいずれかに記載の画像処理システム。
(8)前記画像処理装置は、前記ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データを読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段により読み取られた画像データから、前記ゲストユーザ情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出されたゲストユーザ情報を表示する表示手段と、を備えている前項7に記載の画像処理システム。
(9)前記画像処理装置は、前記表示手段に表示されたゲストユーザ情報の入力に基づいて、ゲストユーザの認証を行う認証手段と、認証手段による認証が成功したときに、ゲストユーザにログインを許可するログイン許可手段と、を備えている前項8に記載の画像処理システム。
(10)画像処理装置と、1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された画像処理システムで実行される画像処理方法であって、前記情報処理装置は、ユーザによってなされた前記共有フォルダに保存されたデータの指定、及び指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けられた蓄積要求に基づいて、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、前記画像処理装置に送信する送信ステップと、を実行し、前記画像処理装置は、前記データと共有ユーザ情報を受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、ログインを許可するユーザの情報を予め登録情報として保持するユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、前記ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行するパスワード発行ステップと、前記ゲストユーザを特定するための、前記パスワード発行ステップにおいて発行されたパスワードを含むゲストユーザ情報を、前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録する登録ステップと、前記蓄積要求に基づいてデータを記憶手段に記憶すると共に、前記ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報と前記ゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、を実施することを特徴とする画像処理方法。
(11)前記情報処理装置は、前記共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に画像処理装置に送信し、前記画像処理装置は、ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信ステップにおいて受信された前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、前記アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、前記データアクセス権情報を生成するデータアクセス権情報生成ステップを実施し、前記記憶ステップでは、前記データアクセス権情報生成ステップにおいて生成されたデータアクセス権情報を、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶手段に記憶する前項10に記載の画像処理方法。
(12)前記画像処理装置で実施される前記データアクセス権情報生成ステップでは、前記アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づいて前記データアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を生成する前項10または11に記載の画像処理方法。
(13)前記画像処理装置は、前記ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録ステップにおいて一時的に登録されたゲストユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証を行う認証ステップと、認証されたユーザに関連するデータを表示手段に表示する表示ステップと、をさらに実施する前項10〜12のいずれかに記載の画像処理方法。
(14)前記画像処理装置は、前記記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、前記データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行う制御ステップをさらに実施する前項11または12に記載の画像処理方法。
(15)前記画像処理装置は、一時的に登録された前記ゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除する削除ステップを実施する前項10〜14のいずれかに記載の画像処理方法。
(16)前記画像処理装置は、前記ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするプリントステップを実施する前項10〜15のいずれかに記載の画像処理方法。
(17)前記画像処理装置は、前記ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データを読み取る読み取りステップと、前記読み取りステップにおいて読み取られた画像データから、前記ゲストユーザ情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出されたゲストユーザ情報を表示手段に表示するステップと、をさらに実施する前項16に記載の画像処理方法。
(18)前記画像処理装置は、前記表示手段に表示されたゲストユーザ情報の入力に基づいて、ゲストユーザの認証を行う認証ステップと、認証ステップにおける認証が成功したときに、ゲストユーザにログインを許可するログイン許可ステップと、を実施する前項17に記載の画像処理方法。
(19)1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する情報処理装置からネットワークを介して送信される、データと該データが保存されている共有フォルダへ設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを受信する受信手段と、ログインを許可するユーザの情報を予め登録情報として保持するユーザ情報保持手段と、前記受信手段により受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、前記ユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段により、登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、前記ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行するパスワード発行手段と、前記ゲストユーザを特定するための、前記パスワード発行手段により発行されたパスワードを含むゲストユーザ情報を、前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録する登録手段と、前記情報処理装置を介して受け付けられた、前記データの蓄積要求に基づいて前記データを記憶すると共に、前記ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報と前記ゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶する記憶手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(20)前記受信手段は、前記共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に受信し、さらに、ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信手段により受信された前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、前記アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、前記データアクセス権情報を生成するデータアクセス権情報生成手段を備え、前記記憶手段は、前記データアクセス権情報生成手段により生成されたデータアクセス権情報を、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶する前項19に記載の画像処理装置。
(21)前記データアクセス権情報生成手段は、前記アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づいて前記データアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を生成する前項19または20に記載の画像処理装置。
(22)前記ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録手段により一時的に登録されたゲストユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証を行う認証手段と、前記記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータを表示する表示手段と、を備えている前項19〜21のいずれかに記載の画像処理装置。
(23)前記記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、前記データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行う制御手段を備えている前項20または21に記載の画像処理装置。
(24)一時的に登録された前記ゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除する削除手段を備えている前項19〜23のいずれかに記載の画像処理装置。
(25)前記ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするプリント手段を備えている前項19〜24のいずれかに記載の画像処理装置。
(26)前記ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データを読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段により読み取られた画像データから、前記ゲストユーザ情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出されたゲストユーザ情報を表示する表示手段と、を備えている前項25に記載の画像処理装置。
(27)前記表示手段に表示されたゲストユーザ情報の入力に基づいて、ゲストユーザの認証を行う認証手段と、認証手段による認証が成功したときに、ゲストユーザにログインを許可するログイン許可手段と、を備えている前項26に記載の画像処理装置。
(28)1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する情報処理装置からネットワークを介して送信される、データと該データが保存されている共有フォルダへ設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、画像処理装置へのログインを許可するユーザの情報を予め登録情報として保持するユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、前記ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行するパスワード発行ステップと、前記ゲストユーザを特定するための、前記パスワード発行ステップにおいて発行されたパスワードを含むゲストユーザ情報を、前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録する登録ステップと、前記情報処理装置を介して受け付けられた、前記データの蓄積要求に基づいて前記データを記憶手段に記憶すると共に、前記ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報と前記ゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、を画像処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
(29)前記受信ステップでは、前記共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に受信する処理をコンピュータに実行させ、ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信ステップにおいて受信された前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、前記アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、前記データアクセス権情報を生成するデータアクセス権情報生成ステップをコンピュータに実行させ、さらに、前記記憶ステップでは、前記アクセス権情報生成ステップにおいて生成されたデータアクセス権情報を、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶する処理をコンピュータに実行させる前項28に記載の画像処理プログラム。
(30)前記データアクセス権情報生成ステップでは、前記アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づいて前記データアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を生成する処理をコンピュータに実行させる前項28または29に記載の画像処理プログラム。
(31)前記ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録手段により一時的に登録されたゲストユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証を行う認証ステップと、前記記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータを表示手段に表示するステップと、をさらにコンピュータに実行させる前項28〜30のいずれかに記載の画像処理プログラム。
(32)前記記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、前記データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行う制御ステップを、さらにコンピュータに実行させる前項29または30に記載の画像処理プログラム。
(33)一時的に登録された前記ゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除する削除ステップをコンピュータに実行させる前項28〜32のいずれかに記載の画像処理プログラム。
(34)前記ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするプリントステップを、さらにコンピュータに実行させる前項28〜33のいずれかに記載の画像処理プログラム。
(35)前記ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データを読み取る読み取りステップと、前記読み取りステップにおいて読み取られた画像データから、前記ゲストユーザ情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出されたゲストユーザ情報を表示手段に表示するステップと、をさらにコンピュータに実行させる前項34に記載の画像処理プログラム。
(36)前記表示手段に表示されたゲストユーザ情報の入力に基づいて、ゲストユーザの認証を行う認証ステップと、認証ステップにおける認証が成功したときに、ゲストユーザにログインを許可するログイン許可ステップと、をさらにコンピュータに実行させる前項35に記載の画像処理プログラム。
(37)1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する記憶手段と、ユーザによってなされた前記共有フォルダに保存されたデータの指定、及び指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた蓄積要求に基づいて、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、ネットワークを介して画像処理装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする情報処理装置。
(38)1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する記憶手段を備えた情報処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラムであって、ユーザによってなされた前記共有フォルダに保存されたデータの指定、及び指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けられた蓄積要求に基づいて、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、ネットワークを介して画像処理装置に送信する送信ステップと、を情報処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【発明の効果】
【0015】
前項(1)に記載の発明によれば、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された情報処理装置の共有フォルダに保存されたデータが、例えば共有ユーザの1人により指定され、指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求がなされると、情報処理装置はこれを受け付け、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定されている前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、前記画像処理装置に送信する。画像処理装置は、ログインを許可するユーザの情報をユーザ情報保持手段に予め登録情報として保持している。そして、データ及び共有ユーザ情報を受信すると、受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、前記ユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定する。登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行し、ゲストユーザを特定するための前記パスワードを含むゲストユーザ情報を、前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録する。そして、蓄積要求に基づいてデータを記憶すると共に、ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報とゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶手段に記憶する。
【0016】
このように、画像処理装置では、ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報とゲストユーザ情報がデータと関連付けて記憶手段に記憶されるから、情報処理装置のフォルダの共有ユーザであって画像処理装置に登録されていないユーザであっても、ゲストユーザ情報を用いることにより、前記情報処理装置から送信され画像処理装置に記憶されたデータにアクセスすることができる。従って、該ユーザを画像処理装置側でアクセス可能とするための設定操作を手動にて行う必要はなくなり、便利である。
【0017】
前項(2)に記載の発明によれば、共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に画像処理装置に送信し、前記画像処理装置は、ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信手段により受信された前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、前記アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、前記データアクセス権情報を生成し、生成されたデータアクセス権情報が、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶される。従って、画像処理装置は、ゲストユーザを含む各ユーザによるデータの取り扱いを、データアクセス権情報に基づいて制御することができる。
【0018】
前項(3)に記載の発明によれば、アクセス許可情報をアクセス権変換情報に基づいてデータアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を簡単に生成することができる。
【0019】
前項(4)に記載の発明によれば、ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録手段により一時的に登録されたユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証が行われ、記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータが表示手段に表示される。
【0020】
前項(5)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、前記データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行うことができる。
【0021】
前項(6)に記載の発明によれば、画像処理装置は、一時的に登録されたゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除するから、ゲストユーザがいつまでもデータにアクセスできるのを防止することができる。
【0022】
前項(7)に記載の発明によれば、画像処理装置は、ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするから、ゲストユーザはこの用紙によりゲストユーザ情報を取得することができる。
【0023】
前項(8)に記載の発明によれば、ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データが読み取られると共に、読み取られた画像データから、前記ゲストユーザ情報が抽出され、抽出されたゲストユーザ情報が表示手段に表示されるから、ゲストユーザはゲストユーザ情報を知ることができる。
【0024】
前項(9)に記載の発明によれば、表示手段に表示されたゲストユーザ情報をゲストユーザが入力すると、ゲストユーザの認証が行われ、認証が成功したときに、ゲストユーザはログインを許可される。
【0025】
前項(10)に記載の発明によれば、ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報とゲストユーザ情報がデータと関連付けて画像処理装置の記憶手段に記憶されるから、情報処理装置のフォルダの共有ユーザであって画像処理装置に登録されていないユーザであっても、ゲストユーザ情報を用いることにより、前記情報処理装置から送信され画像処理装置に記憶されたデータにアクセスすることができる。従って、該ユーザを画像処理装置側でアクセス可能とするための設定操作を手動にて行う必要はなくなり、便利である。
【0026】
前項(11)に記載の発明によれば、画像処理装置は、ゲストユーザを含む各ユーザによるデータの取り扱いを、データアクセス権情報に基づいて制御することができる。
【0027】
前項(12)に記載の発明によれば、アクセス許可情報をアクセス権変換情報に基づいてデータアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を簡単に生成することができる。
【0028】
前項(13)に記載の発明によれば、ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録手段により一時的に登録されたユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証が行われ、記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータが表示手段に表示される。
【0029】
前項(14)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行うことができる。
【0030】
前項(15)に記載の発明によれば、画像処理装置は、一時的に登録されたゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除するから、ゲストユーザがいつまでもデータにアクセスできるのを防止することができる。
【0031】
前項(16)に記載の発明によれば、画像処理装置は、ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするから、ゲストユーザはこの用紙によりゲストユーザ情報を取得することができる。
【0032】
前項(17)に記載の発明によれば、ゲストユーザ情報が表示手段に表示されるから、ゲストユーザはゲストユーザ情報を知ることができる。
【0033】
前項(18)に記載の発明によれば、表示手段に表示されたゲストユーザ情報をゲストユーザが入力すると、ゲストユーザの認証が行われ、認証が成功したときに、ゲストユーザはログインを許可される。
【0034】
前項(19)に記載の発明によれば、ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報とゲストユーザ情報がデータと関連付けて記憶手段に記憶されるから、情報処理装置のフォルダの共有ユーザであって自装置に登録されていないユーザであっても、ゲストユーザ情報を用いることにより、前記情報処理装置から送信され画像処理装置に記憶されたデータにアクセスすることができる。
【0035】
前項(20)に記載の発明によれば、ゲストユーザを含む各共有ユーザによるデータの取り扱いを、データアクセス権情報に基づいて制御することができる画像処理装置となしうる。
【0036】
前項(21)に記載の発明によれば、アクセス許可情報をアクセス権変換情報に基づいてデータアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を簡単に生成することができる。
【0037】
前項(22)に記載の発明によれば、ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録手段により一時的に登録されたユーザ情報に基づいて、アクセスするユーザの認証が行われ、記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータが表示手段に表示される。
【0038】
前項(23)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行うことができる。
【0039】
前項(24)に記載の発明によれば、一時的に登録されたゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除するから、ゲストユーザがいつまでもデータにアクセスできるのを防止することができる。
【0040】
前項(25)に記載の発明によれば、ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするから、ゲストユーザはこの用紙によりゲストユーザ情報を取得することができる。
【0041】
前項(26)に記載の発明によれば、ゲストユーザ情報が表示手段に表示されるから、ゲストユーザはゲストユーザ情報を知ることができる。
【0042】
前項(27)に記載の発明によれば、表示手段に表示されたゲストユーザ情報をゲストユーザが入力すると、ゲストユーザの認証が行われ、認証が成功したときに、ゲストユーザはログインを許可される。
【0043】
前項(28)に記載の発明によれば、データ及び共有ユーザ情報を受信すると、受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、ユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定し、登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、前記ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行するとともに、ゲストユーザを特定するためのパスワードを含むゲストユーザ情報を前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録し、蓄積要求に基づいてデータを記憶手段に記憶すると共に、前記ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報と前記ゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶手段に記憶する処理を、画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【0044】
前項(29)に記載の発明によれば、共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に受信し、ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信した前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、データアクセス権情報を生成し、生成されたデータアクセス権情報を、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶する処理を、コンピュータに実行させることができる。
【0045】
前項(30)に記載の発明によれば、アクセス許可情報をアクセス権変換情報に基づいてデータアクセス権情報に変換する処理を、コンピュータに実行させることができる。
【0046】
前項(31)に記載の発明によれば、ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または登録手段により一時的に登録されたゲストユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証を行い、記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータを表示手段に表示する処理を、コンピュータに実行させることができる。
【0047】
前項(32)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行う処理をコンピュータに実行させることができる。
【0048】
前項(33)に記載の発明によれば、一時的に登録されたゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除する処理を、コンピュータに実行させることができる。
【0049】
前項(34)に記載の発明によれば、ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントする処理を、コンピュータに実行させることができる。
【0050】
前項(35)に記載の発明によれば、ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データを読み取るとともに、読み取られた画像データから、ゲストユーザ情報を抽出し、表示手段に表示する処理を、コンピュータに実行させることができる。
【0051】
前項(36)に記載の発明によれば、表示手段に表示されたゲストユーザ情報の入力に基づいて、ゲストユーザの認証を行い、認証が成功したときに、ゲストユーザにログインを許可する処理を、コンピュータに実行させることができる。
【0052】
前項(37)に記載の発明によれば、前項(1)に記載の画像処理システムに好適に用いることができる情報処理装置となしうる。
【0053】
前項(38)に記載の発明によれば、ユーザによってなされた前記共有フォルダに保存されたデータの指定、及び指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求を受け付けるとともに、受け付けられた蓄積要求に基づいて、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、ネットワークを介して画像処理装置に送信する処理を、情報処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理システムの全体的な概略構成を示す図である。
【図2】図1のシステムに用いられる画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1のシステムに用いられる情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図1のシステムに用いられる情報処理装置において、アクセス許可情報を設定する際の設定画面を示す図である。
【図5】情報処理装置において実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】ドキュメントデータ蓄積ジョブの設定画面の一例を示す図である。
【図7】情報処理装置からのデータ蓄積ジョブを受信した画像処理装置の動作の概要を説明するための図である。
【図8】ユーザ管理テーブルの一例を示す図である。
【図9】ボックス管理テーブルの一例を示す図である。
【図10】アクセス権変換情報の一例を示す図である。
【図11】ドキュメント管理テーブルの一例を示す図である。
【図12】画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートにおけるドキュメント蓄積処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】図12のフローチャートにおけるドキュメントアクセス処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】図12のフローチャートにおけるゲストユーザ情報の期限チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
次に、この発明の一実施形態について図面を参照しつつ詳述する。
【0056】
図1は、この発明の一実施形態における画像処理システム1の全体的な概略構成を示す図である。
【0057】
この画像処理システム1は、複合機やMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる画像処理装置2と、パーソナルコンピュータなどで構成されるクライアントコンピュータ(以下、単に「クライアント」という)4及び5とを備えており、これらが有線又は無線LANなどのネットワーク3を介して相互にアクセス可能であると共に、相互にデータ交換が可能なように構成されている。また、画像処理装置2は公衆回線6を通じて外部のファクシミリ(FAX)装置とも接続されている。
【0058】
尚、クライアント4及びクライアント5はそれぞれネットワーク3に接続された情報処理装置であり、異なるユーザが使用することを示している。
【0059】
また、この実施形態では、クライアント4、5から画像処理装置2に送信されるデータがドキュメントデータである場合を示し、以下の説明においては、ドキュメントデータを単にドキュメントという場合もある。ただし、データはドキュメントデータに限定されることはない。
【0060】
図2は画像処理装置2におけるハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理装置2は、CPU201、ROM202、RAM203、記憶部204、操作パネル205、スキャナ部206、プリンタ部207、FAX部208及び通信インタフェース209を備えている。
【0061】
CPU201は、ROM202に格納されるプログラムを読み出して実行することにより、画像処理装置2としての基本機能(コピー、ネットワークプリンタ、スキャナ、FAXなどの基本機能)を実現する他、この実施形態では次のような機能を実現する。
【0062】
例えば、画像処理装置2に対するユーザの操作権限を認証するためのユーザ認証機能や、後述するように、クライアント4、5からデータと共に送信されたフォルダアクセス権情報から、共有ユーザ情報とアクセス許可情報を抽出して、アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づきドキュメントアクセス権情報に変換する機能を実現する。また、前記共有ユーザ情報で示される共有ユーザであるが、画像処理装置2に登録されていないユーザをゲストユーザとして一時的なパスワードを発行したり、ゲストユーザのユーザID及び前記パスワードを含むゲストユーザ情報を一時的に登録する機能等も実現する。なお、CPU201によって実現される機能については後述する。
【0063】
ROM202は、CPU201の動作用プログラムやその他のデータを格納するメモリであり、前記RAM203は、CPU202が動作プログラムに従って動作する際のワークエリアを提供するメモリである。
【0064】
記憶部204は、例えばハードディスク装置(HDD)などで構成されており、画像処理装置2へのログインを許可するユーザの情報が予め認証用の登録情報として記憶保持されている。登録情報は例えばユーザIDとパスワードである。
【0065】
さらに、記憶部204は、クライアント4、5から送信されてきたジョブに含まれるジョブの実行対象となるデータを後述するボックスに記憶、蓄積すると共に、ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報、前記ゲストユーザ情報とその有効期限、各ユーザのドキュメントアクセス権情報等を管理テーブルに記憶する。尚、管理テーブルはRAM203に記憶されても良い。
【0066】
前記共有ユーザ情報は、クライアント4、5から送信されるドキュメントデータの保存元の共有フォルダにアクセスできるユーザ(共有ユーザ)を示す情報である。この共有ユーザ情報は、クライアント4、5からドキュメントデータとともに送信されるフォルダアクセス権情報から抽出されたものである。
【0067】
前記ドキュメントアクセス権情報は、クライアント4、5から送信されてきたドキュメントデータの画像処理装置2における取り扱い権限を規定するための情報である。このドキュメントアクセス権情報はアクセス許可情報を基に生成される。このアクセス許可情報は、前記共有ユーザ情報とともに、フォルダアクセス権情報に含まれるものであり、ドキュメントデータに対する前記共有ユーザのクライアント4、5側での取り扱い権限を規定した情報である。例えば、共有フォルダの共有ユーザに対して、ドキュメントデータの読み取り権限や変更権限、フルコントロール権限などのアクセス許可情報が設定されている場合、これらと同様の内容の権限を画像処理装置2側でドキュメントデータに適用するためのドキュメントアクセス権情報が生成される。
【0068】
さらに、記憶部204はボックス(Box)と称される区分けした複数の記憶領域を有している。ボックスとしてこの実施形態では、ログインユーザの全てがアクセスできるパブリックボックス(Public Box)、ユーザ個人が所有する個人ボックス、所定のグループで所有しグループのメンバーがアクセスできるグループボックス、クライアント4、5からボックスへの蓄積要求を伴って送信されてきたドキュメントデータの共有ユーザのみがアクセスできる共有ボックスなどがある。
【0069】
操作パネル205は、コピーの画質や用紙の設定、スキャナ部206で読み取られたデータの送信先の登録、選択等、各種入力操作等のために使用されるものであり、表面にタッチパネルが積層された液晶等からなる表示部を備えている。
【0070】
前記スキャナ部206は、原稿台(図示せず)に置かれた原稿の画像を読み取り、電子データである画像データを出力する。
【0071】
前記プリンタ部207は、公知の電子写真方式等により、スキャナ部206で読み取られた画像データや、クライアント4、5等からのプリントデータや、FAX部208で受信したFAXデータを、印刷のためのデータに変換し、変換後のデータに基づいて文書等の画像を用紙に印刷する。
【0072】
FAX部208は、スキャナ部206で読み取られた原稿の画像データを、公衆回線6を使用して外部のFAX装置7に転送したり、外部のFAX装置7からFAXデータを受信するものである。
【0073】
通信インタフェース209は、クライアント4、5等の外部装置との間で、ジョブやデータ等の送受信を行う通信部として機能する。通信インタフェース209としては、例えばNIC(ネットワークインタフェースカード)、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、無線通信などが用いられる。
【0074】
尚、ROM202に記憶されるプログラムは、ネットワーク3などを介して外部の装置からダウンロードすることにより、最新バージョンのプログラムに更新することができるようになっている。
【0075】
図3は、クライアント4の構成を示すブロック図である。尚、クライアント5の構成も同様であるので、説明は省略する。
【0076】
クライアント4は、通信インタフェース41、CPU42、表示部43、操作部44、記憶部45等を備えている。
【0077】
通信インタフェース41は、ネットワーク3を介してクライアント5や画像処理装置2とデータ通信を行うためのものである。
【0078】
CPU42は、クライアントとしての各種機能を実現すると共に、画像処理装置2へのジョブ実行要求をユーザがキーボードやマウスなどの操作部44を介して入力した場合に、このジョブを生成するためのジョブ生成部421、ジョブの生成を指示したユーザを示すユーザ情報を生成するユーザ情報生成部422、前述したフォルダアクセス権情報を生成するフォルダアクセス権情報生成部423、ジョブ生成部421で生成されたジョブを送信するジョブ送信部424、及び前述した各共有フォルダを共有する共有ユーザや各ユーザのアクセス許可情報を管理するアクセス管理部425として機能する。
【0079】
記憶部45は1個または複数個の共有フォルダを有し、各フォルダには1個または複数個のドキュメントデータが保存されている。
【0080】
この実施形態では、クライアント4、5は、図4に示す設定画面により共有フォルダ毎に、共有フォルダに保存されたドキュメントデータにアクセスできる共有ユーザが設定されるとともに、ドキュメントデータの取り扱い権限を規定するアクセス許可情報が設定されるものとなされている。図4の例では、ある共有フォルダに対して「yamada」「kimura」「itou」という3人のユーザが共有ユーザとしてアクセス可能であることが設定されている。また、共有ユーザの全体またはそれぞれに対して、アクセス許可情報として「フルコントロール」「変更」「読み取り」が設定可能となされている。
【0081】
「フルコントロール」とは、共有フォルダに保存されたドキュメントデータに対して全ての取り扱いを許可するものであり、「変更」とは、ドキュメントデータの読み取り及び内容変更を許可するものであり、「読み取り」とはドキュメントデータの読み取りのみを許可するものである。
【0082】
このような構成において、クライアント4のユーザが、記憶部45の1個または複数個の共有フォルダの中のいずれかの共有フォルダに格納された1個または複数個のドキュメントデータの中から、ジョブを実行するドキュメントデータを指定する。
【0083】
例えば、画像処理装置2に対して要求するジョブが、ドキュメントデータをボックスへ蓄積するドキュメントデータ蓄積ジョブである場合は、ユーザがフォルダに保存されているドキュメントデータを選択し実行指示を与えると、クライアント4においてドキュメントデータ蓄積ジョブを画像処理装置2に指示するためのドライバが作動し、ユーザ情報生成部422が機能し、クライアント4のユーザのログイン情報に基づきユーザ情報を生成する。
【0084】
また、フォルダアクセス権情報生成部423が機能し、共有フォルダにアクセス可能な共有ユーザを示す共有ユーザ情報と、その共有フォルダに保存されているドキュメントデータに対する共有ユーザの取り扱い権限を規定した前記アクセス許可情報とを、フォルダアクセス権情報として生成する。なお、これらの共有ユーザ情報及びアクセス許可情報は、前述した図4のような設定画面を介して予め管理者等により設定され記憶部45等に記憶され、アクセス管理部425により管理されている。
【0085】
さらに、ジョブ生成部421が機能し、ユーザにより指定されたドキュメントデータに基づいてドキュメントデータ蓄積ジョブを生成し、ジョブ送信部424が機能して画像処理装置2にジョブを送信する。
【0086】
このとき、ユーザ情報生成部422で生成されたユーザ情報と、フォルダアクセス権情報生成部423で生成されたフォルダアクセス権情報とを、ジョブと共にネットワーク3を介して画像処理装置2に送信する。ジョブとユーザ情報とフォルダアクセス権情報とを例えば一連の情報として送信することにより、画像処理装置2では、受信したジョブとユーザ情報とフォルダアクセス権情報との対応関係が識別可能となる。
【0087】
図5は、上記の画像処理システム1において、クライアント4で実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。かかる処理は、CPU42が図示しないROM等の記録媒体に記録された所定のプログラムを実行することにより行われる。
【0088】
例えば、クライアント4が、記憶部45に格納されたドキュメントデータの一覧を表示部43に表示している状態で、ユーザが操作部44を操作してドキュメントデータ蓄積ジョブの対象データを指定すると、ステップS101でこれを受け付け、指定されたドキュメントデータを開く。
【0089】
ステップS102では、ドキュメントデータ蓄積ジョブの設定画面の表示指示がユーザからなされたかどうかを判断しており、ドキュメントデータ蓄積ジョブの設定画面の表示指示がなされると(ステップS102でYES)、ステップS103で、クライアント4はユーザのログイン情報に基づき、ユーザ情報を生成する。
【0090】
次に、ステップS104で、指定されたドキュメントデータが保存されているフォルダが共有フォルダかどうかを判断する。ドキュメントデータが保存されているフォルダが共有フォルダの場合は(ステップS104でYES)、ステップS108で、フォルダアクセス権情報を生成し、さらにステップS109で、ドキュメントデータ蓄積ジョブの設定画面にドキュメントデータ名、ユーザ情報及び保存先のボックス番号等を表示する。
【0091】
図6は、ステップS109においてクライアント4の表示部43に表示されるドキュメントデータ蓄積ジョブの設定画面G1の一例を示す図である。ドキュメントデータ蓄積ジョブの設定画面G1には、ユーザによって指定されたドキュメントデータの名称(ファイル名)ボタンB1と、クライアント4にログインしたユーザを示すユーザ情報ボタンB2と、ドキュメントデータの保存先である画像処理装置2のボックス番号の入力ボタンB3が表示されている。ボックス番号は共有ボックスの中からユーザが選択して番号を入力しても良いし、新たな番号を入力しても良い。
【0092】
さらに、ユーザが指定したドキュメントデータの保存元フォルダに対する共有ユーザの設定を、画像処理装置2で引き継ぐかどうか、換言すれば画像処理装置2でドキュメントデータの共有化をするかしないかの選択ボタンB4が設けられている。
【0093】
これらのボタンB1〜B4を操作して、ユーザは設定内容を変更することができるものとなされている。
【0094】
また、設定画面G1の下部にはさらに、ユーザによる操作が可能なOKボタンB5とキャンセルボタンB6が表示されている。ユーザがOKボタンB5を操作した場合には、設定画面G1に表示された条件で、ドキュメントデータ蓄積ジョブの送信がなされる。また、ユーザがキャンセルボタンB6を操作した場合は、ジョブの送信がなされることなく、本画面G1が閉じられる。
【0095】
図5に戻って、ステップS104で、指定されたドキュメントデータの保存元フォルダが共有フォルダでないと判定された場合は(ステップS104でNO),ステップS105で、現在のフォルダがルートフォルダかどうかを判断する。ルートフォルダの場合は(ステップS105でYES)、フォルダアクセス権情報を生成することなく、ステップS109に進み、ドキュメントデータ蓄積ジョブの設定画面を表示する。
【0096】
一方、ルートフォルダでない場合は(ステップS105でNO)、ステップS106で、1つ上の階層のフォルダヘ移動し、ステップS104で再び共有フォルダかどうかを判断する。共有フォルダであれば(ステップS104でYES)、前述したように、ステップS108〜S109を実行する。
【0097】
クライアント4は、ドキュメントデータ蓄積ジョブの設定画面を表示した状態で(ステップS109)、ステップS110で、ユーザによりボタン操作が行われるのを待つ。ステップS111では、いずれのボタンが操作されたかを判断する。
【0098】
ボタンB1〜B4が操作された場合には(ステップS111で再設定ボタン)、ステップS112に進み、ジョブの再設定処理を行ってステップS110に戻る。
【0099】
OKボタンB5を操作された場合には(ステップS111でOKボタン)、ステップS114で、ジョブ生成部421はドキュメントデータ蓄積ジョブを生成する。
【0100】
その後、ステップS115において、ドキュメントデータ蓄積ジョブと共にユーザ情報とフォルダアクセス権情報とを画像形成装置2に送信し、ドキュメントデータ蓄積ジョブの送信を終了する。
【0101】
一方、ステップS111でキャンセルボタンB6が操作された場合(ステップS111でキャンセルボタン)、ジョブ生成部421は処理を終了する。
【0102】
図7は、クライアント4からのドキュメントデータ蓄積ジョブを受信した画像処理装置2の動作の概要を説明するための図である。
【0103】
クライアント4から、クライアント4の所有者である例えばユーザ「yamada」から、ドキュメントデータ蓄積ジョブが画像処理装置2に送信される(丸数字1)。前述したように、ジョブと共に、ジョブを送信したユーザのユーザ情報とフォルダアクセス権情報も送信される。
【0104】
ドキュメントデータ蓄積ジョブを受信した画像処理装置2は、フォルダアクセス権情報に含まれる共有ユーザ情報に示された共有ユーザの各ユーザ情報が、記憶部204のユーザ管理テーブルに登録されているかどうかを判断する。ここで、共有ユーザが「yamada」「kimura」「itou」の3人であり、ユーザ管理テーブルに登録されているユーザは「yamada」「kimura」であった場合、共有ユーザであるが登録されていないユーザである「itou」については、ゲストユーザ(図7ではNo7のゲストユーザID:guest7)として乱数パスワードを発行し、この発行されたパスワード及びゲストユーザIDを含む、ゲストユーザを特定するためのゲストユーザ情報を有効期限付きでユーザ認証用情報として一時的に登録する(図7の丸数字2)。これにより、ユーザ「itou」は、画像処理装置2にログインすることが可能となる。
【0105】
なお、ゲストユーザIDは新たに生成しても良いし、共有ユーザとして使用されていたユーザ情報をそのまま使用しても良い。
【0106】
図8は、記憶部204またはRAM203等に記憶されている前記ユーザ管理テーブルの一例を示す。このユーザ管理テーブルには、ゲストユーザを含む各ユーザの情報が記憶されている。具体的には、ユーザ名(ユーザID)、パスワード、ゲストユーザか否かの別、ゲストユーザの有効期限が、各ユーザ毎に記憶されている。なお、テーブル中「TRUE」はゲストユーザであることを示し、「FALSE」はゲストユーザでないことを示している。この管理テーブルでは、No7のユーザがゲストユーザとして一時的に登録されている。
【0107】
なお、ゲストユーザ情報の有効期限が1日に設定されている場合、登録日に1日を加算してユーザ管理テーブルに登録する。有効期限は固定された値であっても良いし、画像処理装置2の管理者等が、適宜有効期限を設定することも可能である。
【0108】
ゲストユーザの登録後、クライアント4からのドキュメントデータ蓄積ジョブの設定時に入力されたボックス番号の共有ボックスが存在すれば、そのボックスに蓄積対象のドキュメントデータを保存する。また、入力されたボックス番号の共有ボックスが存在しなければその番号の共有ボックスを作成し、蓄積対象のドキュメントデータを蓄積する(図7の丸数字3)。
【0109】
なお、ボックスは、記憶部204またはRAM203等に記憶されている、図9に示すようなボックス管理テーブルによって管理されている。このボックス管理テーブルでは、ボックス番号とボックスの種類が管理されている。
【0110】
ドキュメントデータの共有ボックスへの保存後、前記フォルダアクセス権情報に含まれるアクセス許可情報に基づいて、前記ボックスに蓄積されたドキュメントデータに対するユーザの取り扱い権限を規定するドキュメントアクセス権情報を生成する。ドキュメントアクセス権情報の生成は、前述したように、アクセス許可情報をアクセス権変換情報に基づいてドキュメントアクセス権情報へ変換することにより行われる。
【0111】
図10は、前記アクセス権変換情報の一例を示す図である。アクセス権変換情報は、アクセス権情報から抽出した共有フォルダに対する各ユーザのアクセス許可情報を、ボックスに蓄積したドキュメントデータに対するドキュメントアクセス権情報に変換するための情報であり、画像処理装置2はドキュメントアクセス権情報に規定された権限の範囲内で、ユーザによるジョブの取り扱いを許可することができる。
【0112】
図10に示すように、この実施形態では、アクセス許可情報が「フルコントロール」の場合、換言すれば共有フォルダに保存されていたドキュメントデータに対して、全ての取り扱いがユーザに認められていた場合は、「参照(出力)、編集、削除」を内容とするドキュメントアクセス権情報に変換される。従って、ドキュメントデータの共有者であるユーザが画像処理装置2でドキュメントデータを指定した場合、該データの参照、編集、削除が認められる。
【0113】
アクセス許可情報が「変更」の場合には、「参照、編集」を内容とするドキュメントアクセス権情報に変換される。従って、ドキュメントデータを指定したユーザは、指定したドキュメントデータの参照、編集のみが認められる。
【0114】
アクセス許可情報が「読み取り」の場合には、「参照」を内容とするドキュメントアクセス権情報に変換される。従って、ドキュメントデータを指定したユーザは、選択したドキュメントデータの参照のみしか認められないことになる。
【0115】
このように、アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づいてドキュメントアクセス権情報に変換することにより、ドキュメントアクセス権情報を簡単に生成することができる。
【0116】
なお、ゲストユーザに対するドキュメントアクセス権情報は、クライアント4で設定されていたアクセス許可情報に基づいて生成されても良いし、アクセス許可情報とは無関係に、画像処理装置2で新たに生成されても良い。また、全てのゲストユーザに対して、予め定められた同一のドキュメントアクセス権情報が生成されても良い。
【0117】
ドキュメントアクセス権情報の生成後、ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報、前記ゲストユーザ情報とその有効期限、ドキュメントアクセス権情報等を、前記ドキュメントデータと互いに関連付けて、記憶部204またはRAM203等のドキュメント管理テーブルに記憶する。
【0118】
図11は、前記ドキュメント管理テーブルの一例を示す図である。この例では、図9のボックス番号10の共有ボックスについてのドキュメント管理テーブルを示す。
【0119】
共有ボックス内に保存された各ドキュメントに対して、それぞれアクセスできるユーザ(図11では「Box所有者」と記されている)が、図9のユーザ管理テーブルのユーザ番号で記載されるとともに、各ユーザに対して生成されたドキュメントアクセス権情報が記載されている。例えば、ドキュメントデータAについては、No1、2、7(No7はゲストユーザ)の各ユーザがアクセスできることが記載されている。
【0120】
なお、テーブル中「TRUE」はドキュメントアクセス権情報において取り扱いが認められることを、「FALSE」は認められないことを、それぞれ示している。
【0121】
図7に戻って、次に、画像処理装置2は、パスワードを含むゲストユーザ情報を、地紋データ等の画像データに変換した後、用紙に印刷する(図7の丸数字4)。
【0122】
ゲストユーザはゲストユーザ情報を含む地紋データが印刷された用紙をスキャナ部206で読み取り、ゲストユーザ情報を抽出し、これらを操作パネル205の表示部に表示する。これにより、ゲストユーザはゲストユーザ情報を取得することができる(図7の丸数字5)。
【0123】
そして、ゲストユーザは、取得したゲストユーザ情報(ゲストユーザID及びパスワード等)を用いて、画像処理装置2にログインし、ゲストユーザによるアクセスが許可されているドキュメントデータにアクセスすることができる(図7の丸数字6)。
【0124】
図12は、画像処理装置2の動作を示すフローチャートである。この動作は、画像処理装置2のCPU201がROM202等の記録媒体に記録された動作プログラムを実行することにより行われる。また、この動作は電源の投入により開始される。
【0125】
ステップS601で、起動処理を行った後、ステップS602で、何らかの処理要求があったかどうかを判断する。処理要求がなければ(ステップS602でNO)、ステップS608でゲストユーザ情報の期限チェック処理を行った後、ステップS602に戻る。
【0126】
ステップS602で処理要求があれば(ステップS602でYES)、ステップS603で、ドキュメントデータの蓄積処理(ドキュメント蓄積処理)かどうかを判断する。ドキュメント蓄積処理であれば(ステップS603でYES)、ステップS604で、ドキュメント蓄積処理を実行した後、ステップS608に進む。ドキュメント蓄積処理については後述する。
【0127】
ドキュメント蓄積処理でなければ(ステップS603でNO)、ステップS605で、ドキュメントデータへのアクセス処理(ドキュメントアクセス処理)かどうかを判断する。ドキュメントアクセス処理であれば(ステップS605でYES)、ステップS606で、ドキュメントアクセス処理を行ったのち、ステップS608に進む。ドキュメントアクセス処理については後述する。
【0128】
ドキュメントアクセス処理でなければ(ステップS605でNO)、ステップS607で、要求された処理を実行したのち、ステップS608に進む。
【0129】
図13は、図12におけるステップS604のドキュメント蓄積処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0130】
ステップS701で、ジョブと共に送信されてきたユーザ情報に基づいて、ユーザ認証を実施し、ステップS702で認証成功かどうかを判断する。認証失敗であれば(ステップS702でNO)、ステップS701に戻る。クライアント4にその旨連絡し、再度、ドキュメントデータ蓄積ジョブの要求を出してもらっても良い。認証成功であれば(ステップS702でYES)、ステップS703で、蓄積対象のドキュメントデータに対する共有要求があるかどうかを、ジョブに含まれるフォルダアクセス権情報等に基づいて判断する。
【0131】
共有要求がなければ(ステップS703でNO)、ステップS716で通常のドキュメント蓄積処理を実行した後、リターンする。共有要求があれば(ステップS703でYES)、ステップS704で、ジョブと共に送信されてきたフォルダアクセス権情報から、共有ユーザ情報及びアクセス許可情報を抽出した後、ステップS705で、共有ユーザ情報に示される共有者の各ユーザ情報が、画像処理装置2のユーザ管理テーブルに登録されているかどうかを調べる。
【0132】
ユーザ情報が登録されていない共有者が存在する場合は(ステップS706でNO)、ステップS707で、未登録の共有ユーザをゲストユーザとし、ゲストユーザIDを生成すると共に乱数パスワードを発行し、これらをゲストユーザを特定するためのゲストユーザ情報として一時的に管理テーブルに登録したのち、ステップS708に進む。全共有者のユーザ情報が登録されている場合(ステップS706でYES)、そのままステップS708に進む。
【0133】
ステップS708では、ジョブで指定されている共有ボックスの番号に基づいて、共有ボックスを作成するかを判断する。共有ボックスを作成する必要があれば(ステップS708でYES)、ステップS709で、新たな共有ボックスを作成した後、ステップS710に進む。共有ボックスを作成する必要がなければ(ステップS708でNO)、そのままステップS710に進む。ステップS710では、前記ジョブで指定されている共有ボックスにドキュメントデータを保存する。
【0134】
次いで、ステップS711ではドキュメント管理テーブルにドキュメントデータを登録し、ステップS712で、ドキュメント管理テーブルにドキュメントデータを共有するゲストユーザを含む共有者のユーザ情報を追記し、ステップS713で、各共有者に対してクライアント4側で設定されていたアクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づき、ドキュメントアクセス権情報へ変換する。
【0135】
ステップS714では、ドキュメント管理テーブルに、ステップS713で変換したドキュメントアクセス権情報を追記した後、ステップS715で、ゲストユーザ情報であるゲストユーザIDおよびパスワードを地紋に埋め込んで、ゲストユーザの人数分それぞれ用紙にプリントしたのち、リターンする。
【0136】
こうして、ゲストユーザ情報が一時的に登録され、ゲストユーザは画像処理装置2にログイン可能となると共に、ドキュメントデータとゲストユーザ情報とが関連付けられて管理テーブルに記憶される。
【0137】
図14は、図12におけるステップS606のドキュメントアクセス処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0138】
ステップS901で、操作パネル205からあるいはクライアント4、5等の外部装置から画像処理装置2にログインしようとするユーザの認証を実施し、認証失敗であれば(ステップS902でNO)、ステップS901に戻る。認証成功であれば(ステップS902でYES)、ステップS903で、ログインしたユーザが共有ボックスにアクセスしているかどうかを判断し、共有ボックスへのアクセスでなければ(ステップS903でNO)、ステップS916で、通常のドキュメントにアクセスしたのと同じ処理を実行した後、リターンする。
【0139】
共有ボックスへのアクセスであれば(ステップS903でYES)、ステップS904で、ログインユーザが共有者となっているドキュメントの一覧を、操作パネル205に表示した後、ステップS905で、ユーザによってなされたドキュメントに対する実行要求を受け付け、ステップS906で実行要求の種類を判定する。
【0140】
実行要求がドキュメントの「出力(参照)」であれば、ステップS907に進み、そのユーザにドキュメントの出力権があるかどうかを、ドキュメント管理テーブルのドキュメントアクセス権から判断し、出力権があれば(ステップS907でYES)、ステップS908で、ドキュメントを出力した後、リターンする。一方、出力権がなければ(ステップS907でNO)、ステップS909で、ドキュメントの出力禁止を操作パネル205に表示することでユーザに通知したのち、リターンする。
【0141】
ステップS906で、実行要求がドキュメントの「編集」であれば、ステップS910に進み、そのユーザにドキュメントの編集権があるかどうかを判断し、編集権があれば(ステップS910でYES)、ステップS911で、ドキュメントを編集した後、リターンする。一方、編集権がなければ(ステップS911でNO)、ステップS912で、ドキュメントの編集禁止を操作パネル205に表示することでユーザに通知したのち、リターンする。
【0142】
ステップS906で、実行要求がドキュメントの「削除」であれば、ステップS913に進み、そのユーザにドキュメントの削除権があるかどうかを判断し、削除権があれば(ステップS913でYES)、ステップS914で、ドキュメントを削除した後、リターンする。一方、削除権がなければ(ステップS913でNO)、ステップS915で、ドキュメントの削除禁止を操作パネル205に表示することでユーザに通知したのち、リターンする。
【0143】
このように、ユーザ認証が成功したユーザは、そのユーザの取り扱い権限の範囲内で、共有化されたドキュメントデータの取り扱いが可能となるから、一時的に登録されたゲストユーザも、前記共有化されたドキュメントデータの取り扱いが自動的に可能となる。つまり、このゲストユーザをドキュメントデータにアクセス可能とするための設定操作を、画像処理装置2側で手動にて行う必要はなくなり、極めて便利である。
【0144】
図15は、図12におけるステップS608のゲストユーザ情報の期限チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0145】
ステップS1001で、ゲストユーザの有無をユーザ管理テーブルでチェックし、ステップS1002で、ユーザ管理テーブルにゲストユーザ情報が存在するかどうかを判断する。
【0146】
ゲストユーザ情報が存在しなければ(ステップS1002でNO)、そのままリターンする。存在すれば(ステップS1002でYES)、ステップS1003で、ゲストユーザ情報の有効期限が切れているかどうかを調べ、有効期限が切れていなければ(ステップS1003でNO)、ステップS1001に戻る。有効期限が切れていれば(ステップS1003でYES)、ステップS1004に進む。
【0147】
ステップS1004では、有効期限の切れたゲストユーザ情報が割り当てられたゲストユーザが共有者となっているドキュメントデータの有無を、ドキュメント管理テーブルにおいて調べ、ステップS1005で、そのゲストユーザが共有者となっているドキュメントデータが存在するかどうかを判断する。
【0148】
ドキュメントデータが存在すれば(ステップS1005でYES)、ステップS1006で、ドキュメント管理テーブルにおいて、そのゲストユーザ情報をドキュメント共有者から削除したのち、ステップS1007に進む。一方、有効期限の切れたゲストユーザ情報が割り当てられたゲストユーザが共有者となっているドキュメントが存在しなければ(ステップS1005でNO)、そのままステップS1007に進む。
【0149】
ステップS1007では、ユーザ管理テーブルから該当するゲストユーザに関するゲストユーザ情報及びドキュメントアクセス権情報を削除した後、ステップS1001に戻る。
【0150】
このように、一時的に登録されたゲストユーザ情報の有効期限が切れた場合には、ゲストユーザ情報を削除するから、ゲストユーザがいつまでもドキュメントデータにアクセスできる不都合を防止することができる。
【0151】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、ゲストユーザ情報を地紋データに変換して用紙に印刷するものとしたが、QRコードやバーコード等の画像データに変換して印刷しても良い。また、ドキュメント蓄積ジョブと共に共有ユーザの電子メールの宛先情報を送信し、ゲストユーザ情報を用紙に印刷することなく、ゲストユーザにメール送信しても良い。
【0152】
また、画像処理装置はMFPに限定されることはなく、プリンタ等の他の画像処理装置であっても良い。
【符号の説明】
【0153】
1 画像処理システム
2 画像処理装置
3 ネットワーク
4 クライアント(情報処理装置)
5 クライアント(情報処理装置)
201 CPU
202 ROM
204 記憶部
205 操作パネル(表示部)
207 プリンタ部
209 通信インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と情報処理装置とがネットワークを介して接続された画像処理システムであって、
前記情報処理装置は、
1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する記憶手段と、
ユーザによってなされた前記共有フォルダに保存されたデータの指定、及び指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた蓄積要求に基づいて、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、前記画像処理装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記画像処理装置は、
前記データと共有ユーザ情報を受信する受信手段と、
ログインを許可するユーザの情報を予め登録情報として保持するユーザ情報保持手段と、
前記受信手段により受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、前記ユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、前記ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行するパスワード発行手段と、
前記ゲストユーザを特定するための、前記パスワード発行手段により発行されたパスワードを含むゲストユーザ情報を、前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録する登録手段と、
前記蓄積要求に基づいてデータを記憶すると共に、前記ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報と前記ゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶する記憶手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に画像処理装置に送信し、
前記画像処理装置は、ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信手段により受信された前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、前記アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、前記データアクセス権情報を生成するデータアクセス権情報生成手段を備え、
前記記憶手段は、前記データアクセス権情報生成手段により生成されたデータアクセス権情報を、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理装置の前記データアクセス権情報生成手段は、前記アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づいて前記データアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を生成する請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像処理装置は、前記ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録手段により一時的に登録されたゲストユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証を行う認証手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータを表示する表示手段と、
を備えている請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記画像処理装置は、前記記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、前記データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行う制御手段を備えている請求項2または3に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記画像処理装置は、一時的に登録された前記ゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除する削除手段を備えている請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記画像処理装置は、前記ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするプリント手段を備えている請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記画像処理装置は、
前記ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた画像データから、前記ゲストユーザ情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたゲストユーザ情報を表示する表示手段と、
を備えている請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記画像処理装置は、
前記表示手段に表示されたゲストユーザ情報の入力に基づいて、ゲストユーザの認証を行う認証手段と、
認証手段による認証が成功したときに、ゲストユーザにログインを許可するログイン許可手段と、
を備えている請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項10】
画像処理装置と、1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された画像処理システムで実行される画像処理方法であって、
前記情報処理装置は、
ユーザによってなされた前記共有フォルダに保存されたデータの指定、及び指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けられた蓄積要求に基づいて、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、前記画像処理装置に送信する送信ステップと、
を実行し、
前記画像処理装置は、
前記データと共有ユーザ情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、ログインを許可するユーザの情報を予め登録情報として保持するユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて、登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、前記ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行するパスワード発行ステップと、
前記ゲストユーザを特定するための、前記パスワード発行ステップにおいて発行されたパスワードを含むゲストユーザ情報を、前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録する登録ステップと、
前記蓄積要求に基づいてデータを記憶手段に記憶すると共に、前記ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報と前記ゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
を実施することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
前記情報処理装置は、前記共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に画像処理装置に送信し、
前記画像処理装置は、ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信ステップにおいて受信された前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、前記アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、前記データアクセス権情報を生成するデータアクセス権情報生成ステップを実施し、
前記記憶ステップでは、前記データアクセス権情報生成ステップにおいて生成されたデータアクセス権情報を、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶手段に記憶する請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記画像処理装置で実施される前記データアクセス権情報生成ステップでは、前記アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づいて前記データアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を生成する請求項10または11に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記画像処理装置は、前記ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録ステップにおいて一時的に登録されたゲストユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証を行う認証ステップと、
認証されたユーザに関連するデータを表示手段に表示する表示ステップと、
をさらに実施する請求項10〜12のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項14】
前記画像処理装置は、前記記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、前記データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行う制御ステップをさらに実施する請求項11または12に記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記画像処理装置は、一時的に登録された前記ゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除する削除ステップを実施する請求項10〜14のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記画像処理装置は、前記ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするプリントステップを実施する請求項10〜15のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記画像処理装置は、
前記ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データを読み取る読み取りステップと、
前記読み取りステップにおいて読み取られた画像データから、前記ゲストユーザ情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出されたゲストユーザ情報を表示手段に表示するステップと、
をさらに実施する請求項16に記載の画像処理方法。
【請求項18】
前記画像処理装置は、
前記表示手段に表示されたゲストユーザ情報の入力に基づいて、ゲストユーザの認証を行う認証ステップと、
認証ステップにおける認証が成功したときに、ゲストユーザにログインを許可するログイン許可ステップと、
を実施する請求項17に記載の画像処理方法。
【請求項19】
1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する情報処理装置からネットワークを介して送信される、データと該データが保存されている共有フォルダへ設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを受信する受信手段と、
ログインを許可するユーザの情報を予め登録情報として保持するユーザ情報保持手段と、
前記受信手段により受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、前記ユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、前記ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行するパスワード発行手段と、
前記ゲストユーザを特定するための、前記パスワード発行手段により発行されたパスワードを含むゲストユーザ情報を、前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録する登録手段と、
前記情報処理装置を介して受け付けられた、前記データの蓄積要求に基づいて前記データを記憶すると共に、前記ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報と前記ゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶する記憶手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項20】
前記受信手段は、前記共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に受信し、さらに、
ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信手段により受信された前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、前記アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、前記データアクセス権情報を生成するデータアクセス権情報生成手段を備え、
前記記憶手段は、前記データアクセス権情報生成手段により生成されたデータアクセス権情報を、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶する請求項19に記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記データアクセス権情報生成手段は、前記アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づいて前記データアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を生成する請求項19または20に記載の画像処理装置。
【請求項22】
前記ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録手段により一時的に登録されたゲストユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証を行う認証手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータを表示する表示手段と、
を備えている請求項19〜21のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項23】
前記記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、前記データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行う制御手段を備えている請求項20または21に記載の画像処理装置。
【請求項24】
一時的に登録された前記ゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除する削除手段を備えている請求項19〜23のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項25】
前記ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするプリント手段を備えている請求項19〜24のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項26】
前記ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた画像データから、前記ゲストユーザ情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたゲストユーザ情報を表示する表示手段と、
を備えている請求項25に記載の画像処理装置。
【請求項27】
前記表示手段に表示されたゲストユーザ情報の入力に基づいて、ゲストユーザの認証を行う認証手段と、
認証手段による認証が成功したときに、ゲストユーザにログインを許可するログイン許可手段と、
を備えている請求項26に記載の画像処理装置。
【請求項28】
1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する情報処理装置からネットワークを介して送信される、データと該データが保存されている共有フォルダへ設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された共有ユーザ情報に示された各共有ユーザのユーザ情報が、画像処理装置へのログインを許可するユーザの情報を予め登録情報として保持するユーザ情報保持手段に登録されているかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて、登録されていないユーザ情報が存在すると判定された場合、前記ユーザ情報が登録されていない1人または2人以上の共有ユーザをゲストユーザとして、それぞれパスワードを発行するパスワード発行ステップと、
前記ゲストユーザを特定するための、前記パスワード発行ステップにおいて発行されたパスワードを含むゲストユーザ情報を、前記ユーザ情報保持手段に一時的に登録する登録ステップと、
前記情報処理装置を介して受け付けられた、前記データの蓄積要求に基づいて前記データを記憶手段に記憶すると共に、前記ゲストユーザ以外の共有ユーザのユーザ情報と前記ゲストユーザ情報を前記データと関連付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
を画像処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項29】
前記受信ステップでは、前記共有フォルダに保存されているデータに対する前記共有ユーザの取り扱い権限を規定したアクセス許可情報を、データ及び共有ユーザ情報と共に受信する処理をコンピュータに実行させ、
ゲストユーザ以外の共有ユーザについては、受信ステップにおいて受信された前記アクセス許可情報に基づいて、前記データの取り扱い権限を規定するデータアクセス権情報を生成し、ゲストユーザについては、前記アクセス許可情報に基づいてまたはアクセス許可情報と関係なく、前記データアクセス権情報を生成するデータアクセス権情報生成ステップをコンピュータに実行させ、
さらに、前記記憶ステップでは、前記アクセス権情報生成ステップにおいて生成されたデータアクセス権情報を、対応するユーザ情報またはゲストユーザ情報と関連付けて記憶する処理をコンピュータに実行させる請求項28に記載の画像処理プログラム。
【請求項30】
前記データアクセス権情報生成ステップでは、前記アクセス許可情報を、アクセス権変換情報に基づいて前記データアクセス権情報に変換することにより、データアクセス権情報を生成する処理をコンピュータに実行させる請求項28または29に記載の画像処理プログラム。
【請求項31】
前記ユーザ情報保持手段に登録されているユーザ情報、または前記登録手段により一時的に登録されたゲストユーザ情報に基づいて、画像処理装置にアクセスするユーザの認証を行う認証ステップと、
前記記憶手段に記憶されたデータのうち、認証されたユーザに関連するデータを表示手段に表示するステップと、
をさらにコンピュータに実行させる請求項28〜30のいずれかに記載の画像処理プログラム。
【請求項32】
前記記憶手段に記憶されたデータがユーザによって選択された場合に、前記データアクセス権情報に規定された取り扱い権限に基づいて、該ユーザに対する前記データの取り扱い制御を行う制御ステップを、さらにコンピュータに実行させる請求項29または30に記載の画像処理プログラム。
【請求項33】
一時的に登録された前記ゲストユーザ情報のうち、登録後所定の時間が経過しているゲストユーザ情報を削除する削除ステップをコンピュータに実行させる請求項28〜32のいずれかに記載の画像処理プログラム。
【請求項34】
前記ゲストユーザ情報を画像データに埋め込んで用紙にプリントするプリントステップを、さらにコンピュータに実行させる請求項28〜33のいずれかに記載の画像処理プログラム。
【請求項35】
前記ゲストユーザ情報が画像データに埋め込まれてプリントされた用紙から前記画像データを読み取る読み取りステップと、
前記読み取りステップにおいて読み取られた画像データから、前記ゲストユーザ情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出されたゲストユーザ情報を表示手段に表示するステップと、
をさらにコンピュータに実行させる請求項34に記載の画像処理プログラム。
【請求項36】
前記表示手段に表示されたゲストユーザ情報の入力に基づいて、ゲストユーザの認証を行う認証ステップと、
認証ステップにおける認証が成功したときに、ゲストユーザにログインを許可するログイン許可ステップと、
をさらにコンピュータに実行させる請求項35に記載の画像処理プログラム。
【請求項37】
1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する記憶手段と、
ユーザによってなされた前記共有フォルダに保存されたデータの指定、及び指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた蓄積要求に基づいて、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、ネットワークを介して画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項38】
1個または複数個のデータがそれぞれ保存されるとともに、アクセス可能な共有ユーザが予め設定された1個または複数個の共有フォルダを有する記憶手段を備えた情報処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラムであって、
ユーザによってなされた前記共有フォルダに保存されたデータの指定、及び指定されたデータを画像処理装置に蓄積するための蓄積要求を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けられた蓄積要求に基づいて、前記指定されたデータと、該データが保存されている共有フォルダに設定された前記共有ユーザを示す共有ユーザ情報とを、ネットワークを介して画像処理装置に送信する送信ステップと、
を情報処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−183358(P2010−183358A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25132(P2009−25132)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】