説明

画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム、及び、記録媒体

【課題】圧縮率を高くしても画質が劣化しにくいJPEG圧縮画像を得る、画像処理装置、画像処理方法、及び、画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】原画像を所定の大きさのブロックに分解し、各ブロックに対してウェーブレット変換を行い、ウェーブレット変換により求められたウェーブレット係数をブロックノイズが低減するように補正した後、逆ウェーブレット変換を行って画像を再構成するウェーブレット処理手順と、各ブロックの画素を色相及び明度に基づいて同質となる画素の集合に分類し、同質と見なされた画素集合の画素の画素値を該画像集合の平均の画素値を中心とした許容誤差範囲内となるように補正する補正手順と、補正手順で補正された画素集合が一定の条件に達していない場合には補正手順で補正された画素集合からなる画像に対して再度、補正手順を行い、JPEG変換を行う、画像処理手順とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム、及び、記録媒体に係り、特に、原画像に対してJPEG変換を行って、JPEG圧縮画像を得る画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム、及び、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴って、ウェブ上でディジタル画像を扱うことが多くなっている。ディジタル画像の情報量は、音声の情報量に比べて非常に膨大である。情報量の増大は、それを処理するための時間の増大、保存の容量の増大、伝送のための時間の増大に繋がる。一般に、ウェブ上では、JPEG画像などのような圧縮した画像を扱っている。
【0003】
そこで、画像圧縮して情報量を減らす方法が種々提案されている。このうち画像を圧縮する方法としては、例えば、JPEGによる画像変換方法がある(例えば、特許文献1−12参照)。
【特許文献1】特開2006−086883号公報
【特許文献2】特開2006−060508号公報
【特許文献3】特開2005−318063号公報
【特許文献4】特開2005−311785号公報
【特許文献5】特開2005−130244号公報
【特許文献6】特開2004−038482号公報
【特許文献7】特開2004−038481号公報
【特許文献8】特開2004−038480号公報
【特許文献9】特開2003−230145号公報
【特許文献10】特開2002−157108号公報
【特許文献11】特開2001−319216号公報
【特許文献12】特開2000−308011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、JPEG画像は、画像を圧縮する割合が小さい、すなわち、画像ファイルサイズが大きければ、画質の劣化は小さく、画像を圧縮する割合が大きい、すなわち、画像ファイルサイズが小さければ、画質の劣化は大きくなる。例えば、圧縮率が高いと、圧縮の際、ブロックノイズ、高周波成分が多い場合、モスキートノイズが発生していた。このように、ファイルサイズと画質にはトレードオフの関係がある。このため、圧縮率を高くしても画質の劣化が少ない画像処理方法が望まれている。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、圧縮率を高くしても画質が劣化しにくい画像処理装置、画像処理方法、及び、画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、原画像を所定の大きさのブロックに分解し、各ブロックに対してウェーブレット変換を行い、ウェーブレット変換により求められたウェーブレット係数のうちHH成分に対してノイズが小さくなるようにその一部を除去した後、逆ウェーブレット変換を行って画像を再構成するウェーブレット処理手順と、画像を所定の大きさのブロックに分割し、各ブロックの画素を色相及び明度に基づいて同質となる画素の集合に分類し、同質と見なされた画素集合の画素の画素値を該画像集合の平均の画素値を中心とした許容誤差範囲内となるように補正する補正手順と、補正手順で補正された画素集合が一定の条件となったか否かを判断する判断手順と、判断手順で一定の条件に達していない場合には補正手順で補正された画素集合からなる画像に対して再度、補正手順を行い、判断手順で一定の条件に達したと判断された場合には補正手順で補正された画素集合からなる画像に対してJPEG変換を行う画像処理手順とを有することを特徴とする。
【0007】
なお、上記ウェーブレット処理手順は、ノイズの度合いに応じてHH成分を除去する量を変えることを特徴とする。また、上記補正手順は、POCS補正であることを特徴とする。さらに、上記補正手順は、注目画素値をr、同質の画素集合の画素値の平均値をM、係数をαとしたとき、補正値r'を
r'={αr+(1−α)M}
により決定することを特徴とする。
【0008】
また、上記補正手順は、同質となる画素の集合をクラスタ解析により分類することを特徴とする。
【0009】
さらに、上記判断手順は画素集合の画素値が前記画素集合の平均値を中心として許容誤差範囲内に収まったときに一定の条件に達したと判断し、前記画素集合の画素値が前記画素集合の平均値を中心として許容誤差範囲内に収まらないときには、一定の条件に達していないと判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、原画像を所定の大きさのブロックに分解し、各ブロックに対してウェーブレット変換を行い、ウェーブレット変換により求められたウェーブレット係数をブロックノイズが低減するように補正した後、逆ウェーブレット変換を行って画像を再構成するウェーブレット処理手順と、画像を所定の大きさのブロックに分割し、各ブロックの画素を色相及び明度に基づいて同質となる画素の集合を決定し、同質と見なされた画素集合の画素の画素値を画像集合の平均の画素値に基づいて補正する補正手順と、補正手順で補正された画素集合が一定の条件となったか否かを判断する判断手順と、判断手順で一定の条件に達していない場合には補正手順で補正された画素集合からなる画像に対して再度、補正手順を行い、判断手順で一定の条件に達したと判断された場合には補正手順で補正された画素集合からなる画像に対してJPEG変換を行う画像処理手順とを実行することにより、モスキートノイズを除去でき、かつ、同質の画素値が多くできるため、ノイズを押さえることができ、見た目上の画質を維持しつつ、画像容量を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の一実施例のシステム構成図を示す。
【0012】
本実施例の画像処理システム100は、処理部111、記憶装置112、メモリ113、インタフェース回路114、入力装置115、表示制御部116、表示装置117、通信制御部118から構成されている。
【0013】
処理部111は、例えば、CPUなどから構成されており、記憶装置112に予めインストールされた画像処理プログラムに基づいて画像圧縮処理を行う。
【0014】
記憶装置112は、例えば、ハードディスクドライブなどから構成されており、画像処理プログラムが予めインストールされているとともに、原画像、及び、画像処理プログラムにより圧縮された画像が記憶される。メモリ113は、RAM、ROMなどから構成されており、処理部111の作業用記憶領域として用いられる。
【0015】
インタフェース回路114は、入力装置115とバス119とのインタフェースをとる。入力装置115は、キーボード115a、マウス115bなどから構成されており、入力・指示操作を行う。
【0016】
表示制御部116は、グラフィックコントローラなどから構成されており、処理部111から画像データなどが供給され、表示装置117に表示させる。表示装置117は、液晶ディスプレイ、CRTなどから構成されており、表示制御部116からの画像を画面に2次元表示する。通信制御部118は、ネットワークを介したデータ通信の制御を行う。
【0017】
次に、本実施例で実行される画像処理プログラムについて説明する。
【0018】
図2は画像処理プログラムの処理フローチャートを示す。
【0019】
処理部111は、画像処理プログラムが起動されると、ステップS1−1で原画像をブロックに分割し、JPEG変換画像でブロックノイズが多い部分とそうでない部分とにクラスタリングする。
【0020】
クラスタリング(clustering)、あるいは、クラスタ解析(cluster analysis)と呼ばれるデータ分類法によって行われる。
【0021】
クラスタリング、あるは、クラスタ解析は、与えられたデータを、外的な基準を設けることなく、自動的に分類するデータ分類法である。また、クラスタリング、あるは、クラスタ解析には、データの分類が階層的になされる階層型法と、特定のクラスタ数に分類する非階層的法とがあり、例えば、ウォード法(Ward's method)、K平均法 (K-means)などがある。
【0022】
処理部111は、ステップS1−2でブロックノイズが多い部分に対してウェーブレット変換を行う。
【0023】
処理部111は、ステップS1−3でウェーブレット係数のうちHH成分を補正する。このとき、ノイズの度合いなどに応じてHH成分の補正量を制御する。例えば、ノイズが多い場合には補正量を大きくし、HH成分の低減量を大きくなるように補正し、ノイズが少ないときには補正量を小さくし、HH成分の低減量を小さくするように制御する。
【0024】
処理部111は、ステップS1−4でウェーブレット逆変換を行い、画像を再構成する。
【0025】
次に、処理部111は、ステップS1−5でブロックに分割して、各ブロックの画素毎に同質領域を決定する。本実施例では、各ブロックの画素に対してHSV変換を行い、H成分及びV成分に基づいてクラスタリングを行い、同質画素の分類を行っている。例えば、H成分を38領域に分割、V成分を10領域に分割して、H成分とV成分が同じ領域に入る画素値を持つ画素を同質であるとしている。
【0026】
処理部111は、ステップS1−6でPOCS補正を行う。
POCS補正では、同質と見なされた画素集合の画素の画素値を画像集合の平均の画素値を中心とした許容誤差範囲内となるように補正する処理を行っている。
【0027】
なお、POCS補正の詳細については、例えば、下記の周知文献1、2に記載がある。
【0028】
(1)周知文献1
[C. Weerasinghe, A. Wee-Chung Liew, and H. Yan,
"Artifact Reduction in compressed images based on region homogeneity constraints using the projection onto convex set algorithm",
IEEE Trans. Circuits Syst. Video Technol., vol.12, no.10, pp.891-897, Oct., 2002]
(2)周知文献2
特開平8−263639号公報
ここで、ステップS1−2のPOCS補正による補正処理を、数式を用いて説明する。
【0029】
同じ領域にある空間領域で同質の画素の集合をCSとすると、
【0030】
【数1】

で表される。
【0031】
ここで、fは画像、rfは画像f内の画素、εは許容誤差、kは許容誤差に含まれる同質な画素の数であり、また、MrfCは、同質の画素の画素値の平均値であり、
【0032】
【数2】

で表せる。
【0033】
ここで、元画像をg、JPEG圧縮画像をf、変換作用子をPSとすると、
g=PSf ・・・(3)
で表せる。
【0034】
さらに、画像f内の画素値をrf、画像g内の画素をrgとすると、
f⊂f、rg⊂g
で表される。
【0035】
同質の画素集合CSは、原画像gでは、
【0036】
【数3】

であり、また、JPEG圧縮後の画像fでは、
【0037】
【数4】

である。
【0038】
ここで、ラグランジェ関数J(rf)を考えると、
【0039】
【数5】

となる。ここで、λはラグランジェ乗数である。
【0040】
式(4)を最小とするrf(i)は、
【0041】
【数6】

により求めることができる。
【0042】
式(5)をrf(i)について解くと、
【0043】
【数7】

となる。
【0044】
また、原画像gとJPEG画像fとでは、同質の画素の平均値はほぼ等しいから
rf=Mrg
と置くことができる。
【0045】
よって、式(6)は
【0046】
【数8】

と書き直すことができる。
【0047】
λを算出するために、同質であるための制約条件を下記の式(8)のように与える。
【0048】
【数9】

式(7)に式(8)の制約条件を適用して、λを導くと、
【0049】
【数10】

で表すことができる。
【0050】
式(9)を式(7)に代入すると、
【0051】
【数11】

で表すことができる。
【0052】
よって、式(11)を用いることにより、同一とみなした画素集合CSにJPEG画像に変換した画素rfC(i)を、画素集合の平均値MrfCを中心とした許容誤差範囲εに収まるように決定することができる。
【0053】
【数12】

上記アルゴリズムを繰り返すことで、画素値を画素集合の平均値MrfCを中心とした許容誤差範囲εに収まるようにでき、圧縮率を向上させることができるようになる。なお、ステップS1−2の補正処理を行う毎に画素値が補正され、また、画素値が補正されることにより、画素集合も変化する。
【0054】
処理部111は、ステップS1−7で条件判断を行う。処理部111は、ステップS1−7で、一定条件を満たさないときには、ステップS1−5に戻って再び同質領域の決定と、POCS補正を行う。
【0055】
処理部111は、ステップS1−7で、一定条件を満たしたときには、ステップS1−8でJPEG変換を行い、JPEG画像を取得し、記憶装置112に記憶する。
【0056】
以上により、本実施例の画像処理プログラムによるJPEG画像が得られる。
【0057】
次に、上記画像処理プログラムにより画像を圧縮したときの結果を説明する。
【0058】
図3、図4は原画像、JPEG変換を施した画像、本実施例の画像処理プログラムによる画像処理を施した画像を示す図、図5は原画像、JPEG変換を施した画像、本実施例の画像処理プログラムによる画像処理を施した画像の画像容量を比較するための図を示す。
【0059】
図3(A)は、256×256画素のカラー画像の原画像、図3(B)はクオリティレベルを60でJPEG変換を施した画像、図3(C)は本実施例の画像処理プログラムを施した画像を示している。図4(A)は図3(A)に示す原画像の要部の拡大画像、図4(B)は図3(B)に示すクオリティレベルを60でJPEG変換を施した画像の要部の拡大画像、図4(C)は図3(C)に示す本実施例の画像処理プログラムを施した画像の要部の拡大画像を示している。
【0060】
図3(B)、図4(B)に示すJPEG画像に比べて図3(C)、図4(C)に示す本実施例の画像処理プログラムによる画像処理を施した画像は、その一部で、エッジ付近に生じているノイズが小さくなっていることがわかる。
【0061】
また、図3(B)、図4(B)に示すJPEG画像に比べて図3(C)、図4(C)に示す本実施例の画像処理プログラムによる画像処理を施した画像は、図5に示すように画像容量が約12.7%減少している。
【0062】
以上のように、本実施例によれば、ウェーブレット変換を用いてモスキートノイズの原因を除去し、ノイズを低減でき、さらに、POCS処理によって同質の画素の画素値を許容範囲内となるように補正することによって、同じ画素値が多くなるため、これによって、容量を小さくできる。よって、見た目上の画質を維持しつつ、画像容量を小さくすることができる。
【0063】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形例が考えられることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成図である。
【図2】画像処理プログラムの処理フローチャートである。
【図3】原画像、JPEG変換を施した画像、本実施例の画像処理プログラムによる画像処理を施した画像を示す図である。
【図4】原画像、JPEG変換を施した画像、本実施例の画像処理プログラムによる画像処理を施した画像を示す図である。
【図5】原画像、JPEG変換を施した画像、本実施例の画像処理プログラムによる画像処理を施した画像の画像容量を比較するための図である。
【符号の説明】
【0065】
100 画像処理システム
111 処理部、112 記憶装置、113 メモリ、114 インタフェース回路
115 入力装置、116 表示制御部、117 表示装置、118 通信制御部
119 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原画像を所定の大きさのブロックに分解し、各ブロックに対してウェーブレット変換を行い、該ウェーブレット変換により求められたウェーブレット係数をブロックノイズが低減するように補正した後、逆ウェーブレット変換を行って画像を再構成するウェーブレット処理手順と、
画像を所定の大きさのブロックに分割し、各ブロックの画素を色相及び明度に基づいて同質となる画素の集合に分類し、同質と見なされた画素集合の画素の画素値を該画像集合の平均の画素値を中心とした許容誤差範囲内となるように補正する補正手順と、
前記補正手順で補正された画素集合が一定の条件となったか否かを判断する判断手順と、
前記判断手順で一定の条件に達していない場合には前記補正手順で補正された画素集合からなる画像に対して再度、前記補正手順を行い、前記判断手順で一定の条件に達したと判断された場合には前記補正手順で補正された画素集合からなる画像に対してJPEG変換を行う画像処理手順とを有する画像処理方法。
【請求項2】
前記ウェーブレット処理手順は、ノイズの度合いに応じてHH成分の補正量を変える請求項1記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記補正手順は、POCS補正である請求項1記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記補正手順は、同質の画素集合の画素値をrg(i)、同質の画素集合の画素値の平均値をMrg、許容誤差範囲をεとしたとき、補正後の画素値rf(i)
【数1】

により求める請求項1記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記補正手順は、同質となる画素の集合をクラスタ解析により分類する請求項1記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記判断手順は、前記画素集合の画素値が前記画素集合の平均値を中心として許容誤差範囲内に収まったときに一定の条件に達したと判断し、前記画素集合の画素値が前記画素集合の平均値を中心として許容誤差範囲内に収まらないときには、一定の条件に達していないと判断する請求項1記載の画像処理方法。
【請求項7】
原画像を所定の大きさのブロックに分解し、各ブロックに対してウェーブレット変換を行い、該ウェーブレット変換により求められたウェーブレット係数をブロックノイズが低減するように補正した後、逆ウェーブレット変換を行って画像を再構成するウェーブレット処理手段と、
画像を所定の大きさのブロックに分割し、各ブロックの画素を色相及び明度に基づいて同質となる画素の集合に分類し、同質と見なされた画素集合の画素の画素値を該画像集合の平均の画素値を中心とした許容誤差範囲内となるように補正する補正手段と、
前記補正手段で補正された画素集合が一定の条件となったか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で一定の条件に達していない場合には前記補正手段で補正された画素集合からなる画像に対して再度、前記補正手段で補正を行い、前記判断手段で一定の条件に達したと判断された場合には前記補正手段で補正された画素集合からなる画像に対してJPEG変換を行う画像処理手段とを有する画像処理装置。
【請求項8】
前記ウェーブレット処理手段は、ノイズの度合いに応じてHH成分を除去する量を変える請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記補正手段は、POCS補正である請求項7記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記補正手段は、同質の画素集合の画素値をrg(i)、同質の画素集合の画素値の平均値をMrg、許容誤差範囲をεとしたとき、補正後の画素値rf(i)
【数2】

により求める請求項7記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記補正手段は、同質となる画素の集合をクラスタ解析により分類する請求項7記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記判断手段は、前記画素集合の画素値が前記画素集合の平均値を中心として許容誤差範囲内に収まったときに一定の条件に達したと判断し、前記画素集合の画素値が前記画素集合の平均値を中心として許容誤差範囲内に収まらないときには、一定の条件に達していないと判断する請求項7記載の画像処理装置。
【請求項13】
コンピュータに、
原画像を所定の大きさのブロックに分解し、各ブロックに対してウェーブレット変換を行い、該ウェーブレット変換により求められたウェーブレット係数をブロックノイズが低減するように補正した後、逆ウェーブレット変換を行って画像を再構成するウェーブレット処理手順と、
画像を所定の大きさのブロックに分割し、各ブロックの画素を色相及び明度に基づいて同質となる画素の集合に分類し、同質と見なされた画素集合の画素の画素値を該画像集合の平均の画素値を中心とした許容誤差範囲内となるように補正する補正手順と、
前記補正手順で補正された画素集合が一定の条件となったか否かを判断する判断手順と、
前記判断手順で一定の条件に達していない場合には前記補正手順で補正された画素集合からなる画像に対して再度、前記補正手順を行い、前記判断手順で一定の条件に達したと判断された場合には前記補正手順で補正された画素集合からなる画像に対してJPEG変換を行う画像処理手順とを実行させるコンピュータ読み取り可能な画像処理プログラム。
【請求項14】
前記ウェーブレット処理手順は、ノイズの度合いに応じてHH成分を除去する量を変える請求項13記載の画像処理プログラム。
【請求項15】
前記補正手順は、POCS補正である請求項13記載の画像処理プログラム。
【請求項16】
前記補正手順は、同質の画素集合の画素値をrg(i)、同質の画素集合の画素値の平均値をMrg、許容誤差範囲をεとしたとき、補正後の画素値rf(i)
【数3】

により求める請求項15記載の画像処理プログラム。
【請求項17】
前記補正手順は、同質となる画素の集合をクラスタ解析により分類する請求項13記載の画像処理プログラム。
【請求項18】
前記判断手順は、前記画素集合の画素値が前記画素集合の平均値を中心として許容誤差範囲内に収まったときに一定の条件に達したと判断し、前記画素集合の画素値が前記画素集合の平均値を中心として許容誤差範囲内に収まらないときには、一定の条件に達していないと判断する請求項13記載の画像処理プログラム。
【請求項19】
請求項13乃至18のいずれか一項記載の画像処理プログラムが記憶された記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−219681(P2008−219681A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56552(P2007−56552)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【出願人】(596021562)株式会社セルシス (22)
【Fターム(参考)】