説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理プログラム

【課題】イエロー色、マゼンタ色およびシアン色の3つの色に基づく画像の生成にかかわる第1の画像処理モードと当該3つの色および当該3つの色以外の所定の色とに基づく画像の生成にかかわる第2の画像処理モードとを動的に切り換えて画像処理を実施することのできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、イエロー色、マゼンタ色およびシアン色の3つの色に基づくカラー画像またはモノクロ画像を生成する第1の画像処理モードと、前記3つの色および当該3つの色以外の所定の色に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成するとともに当該所定の色に基づく画像を生成する第2の画像処理モードとを適宜切り換え、切り換えた後の画像処理モードに従って画像処理を実行する画像処理手段、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、周知のように、カラー画像データに対応して形成される静電潜像をイエロー色、マゼンタ色、シアン色およびブラック色の各トナー像で現像することでカラー画像を形成する画像形成装置すなわちカラー画像形成装置がある。
【0003】
タンデム型のカラー画像形成装置においては、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット(色毎の画像形成ユニット)が着脱自在に装着されるものもある。
【0004】
この色毎の画像形成ユニットは、例えば、感光体ドラムと、感光体ドラムを帯電する帯電ロールと、帯電された感光体上に形成される静電潜像を対応する色トナーで現像する現像器と、感光体ドラム上に残留するトナーを除去するクリーニング部と、帯電された感光体ドラムの表面を除電する除電部とを含んでいる。
【0005】
なお、カラー画像形成装置としては、特許文献1から特許文献5に記載されたものが知られている。
【特許文献1】特開平6−19271号公報
【特許文献2】特開平7−64381号公報
【特許文献3】特開平8−137176号公報
【特許文献4】特開平8−248857号公報
【特許文献5】特開平8−254872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、必要に応じて任意の画像を得ることのできる画像処理装置、画像形成装置および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の画像処理装置は、イエロー色、マゼンタ色、およびシアン色の3つの色に基づくカラー画像を生成する第1の画像処理モードと、前記3つの色および当該3つの色以外の所定の色に基づくカラー画像を生成若しくは当該所定の色に基づく画像を生成する第2の画像処理モードとを適宜切り換え、切り換えた後の画像処理モードに従って画像処理を実行する画像処理部、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記3つの色および前記所定の色のそれぞれのトナー像の形成にかかわる色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を取得する取得部、を更に備え、前記画像処理部は、前記第1の画像処理モードに従って画像処理を実行する第1の画像処理部と、前記第2の画像処理モードに従って画像処理を実行する第2の画像処理部と、を備え、前記取得部が取得した色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を基に、前記第1の画像処理部または前記第2の画像処理部による画像処理を実行する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記第2の画像処理部は、前記3つの色および前記所定の色としてのブラック色に対応する画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報が前記取得部によって取得されたときは、前記3つの色および前記ブラック色に基づくカラー画像を生成するとともに前記ブラック色に基づくモノクロ画像を生成する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記第2の画像処理部は、前記3つの色および前記所定の色としてのブラック色以外の色に対応する画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報が前記取得部によって取得されたときは、前記3つの色および前記ブラック色以外の色に基づくカラー画像を生成するとともに前記ブラック色以外の色に基づく画像を生成する、ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため、請求項5に記載の本発明の画像形成装置は、画像形成装置本体に着脱自在に装着され、イエロー色、マゼンタ色、およびシアン色の3つの色のそれぞれのトナー像を形成する第1の画像形成部と、画像形成装置本体に設けられ、前記3つの色以外の所定の色のトナー像を形成する第2の画像形成手段が着脱自在に装着される被装着部と、前記3つの色に基づくカラー画像を生成する第1の画像処理部と、前記3つの色および前記所定の色に基づくカラー画像を生成若しくは前記所定の色に基づく画像を生成する第2の画像処理部と、前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着されたか否かに応じて前記第1の画像処理部または前記第2の画像処理部に対し画像の生成処理を実行させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、上記請求項5に記載の発明において、前記第2の画像処理部は、前記所定の色としてのブラック色のトナー像を形成する前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された場合に、前記3つの色およびブラック色に基づくカラー画像を生成するとともに前記ブラック色に基づく画像を生成する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、上記請求項5に記載の発明において、前記第2の画像処理部は、前記所定の色としてのブラック色以外の色のトナー像を形成する前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された場合に、前記3つの色および前記ブラック色以外の色に基づくカラー画像を生成するとともに前記ブラック色以外の色に基づく画像を生成する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、上記請求項5〜7の何れか一項に記載の発明において、前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着されたことを検知する検知手段と、前記検知手段によって前記第2の画像形成手段が装着されたことが検知されたときは、前記第2の画像処理部による画像の生成処理の基礎とする色として前記3つの色と前記所定の色とを含む複数の色、前記3つの色、および前記所定の色の3つに分類された色情報が提示される色情報提示部と、前記色情報提示部によって提示された3つに分類された色情報の中から所定の色情報を選択させる色情報選択部と、を更に備え、前記制御手段は、前記第2の画像処理部に対し、前記色情報選択部によって選択された色情報に基づく画像の生成処理を実施するように制御する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、上記請求項8に記載の発明において、前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された後の任意のタイミングで、前記所定の色情報を変更させる色情報変更部、を更に備え、前記制御手段は、前記第2の画像処理部に対し、前記色情報変更部によって変更された変更後の色情報に基づく画像の生成処理を実施するように制御する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、上記請求項8または9に記載の発明において、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報として指定された前記3つに分類された色情報の中の所定の色情報を取得する色情報取得部、を更に備え、前記制御手段は、前記第2の画像処理部に対し、前記印刷対象の画像データに関しては、前記第2の画像処理部による画像の生成処理の基礎とする色として選択された色情報に基づく画像処理を実施せずに、前記色情報取得部によって取得された所定の色情報に基づく画像処理を実施するように制御する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、上記請求項5〜7の何れか一項に記載の発明において、前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着されたことを検知する検知手段、を更に備え、前記制御手段は、前記検知手段による検知の結果が、前記第2の画像形成手段が未装着である旨の場合には前記第1の画像処理部に対し画像処理を実施するように指示し、前記第2の画像形成手段が装着された旨の場合は前記第2の画像処理部に対し画像処理を実施するように制御する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、上記請求項11に記載の発明において、前記制御手段は、前記検知手段による検知の結果が前記第2の画像形成手段が未装着である旨から前記第2の画像形成手段が装着された旨に変移したときは、前記第2の画像処理部による画像処理が実施される旨をユーザに対し報知するとともに、前記変移してから前記検知手段による検知の結果が前記第2の画像形成手段は未装着である旨に変移するまでについては、前記第2の画像処理部に対し画像処理を実施するように制御する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項13に記載の発明は、上記請求項5〜12の何れか一項に記載の発明において、前記第2の画像形成手段は、当該第2の画像形成手段を識別する識別情報を報知する報知媒体、を備え、前記検知手段は、前記報知媒体によって報知される識別情報を基に、前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着されたことを検知する、ことを特徴とする。
【0020】
請求項14に記載の発明は、上記請求項13に記載の発明において、前記第2の画像形成手段の前記報知媒体は、前記識別情報を記憶する記憶手段と、外部との無線或いは有線による通信により前記記憶手段に記憶されている識別情報を送信する第1の通信手段と、を備え、前記検知手段は、前記第1の通信手段との無線或いは有線による通信により前記識別情報を受信する第2の通信手段と、前記第2の通信手段が前記識別情報を受信したときは、前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された状態であると確定する確定手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0021】
請求項15に記載の発明は、上記請求項14に記載の発明において、前記記憶手段には、前記第2の画像形成手段の現像にかかわる色材の色を判別するための判別情報が記憶されている、ことを特徴とする。
【0022】
請求項16に記載の発明は、上記請求項5〜15の何れか一項に記載の発明において、前記第2の画像形成手段は、静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を前記3つの色以外の所定の色のトナーにより現像する現像手段と、を有することを特徴とする。
【0023】
請求項17に記載の発明は、上記請求項16に記載の発明において、前記第2の画像形成手段は、前記所定のトナーを収容するトナー収容手段と、前記現像手段に残留するトナーが除去された後の使用済みのトナーを収容する使用済トナー収容手段と、を更に備え、前記トナー収容手段および前記使用済トナー収容手段のうち少なくとも一方の収容手段は、当該第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された場合に、前記画像形成装置本体に装着される前記第1の画像形成部に対し、当該第1の画像形成部に設けられる像担持体の長手方向での水平方向に延長した領域と少なくとも一部が重ねられた構造である、ことを特徴とする。
【0024】
請求項18に記載の発明は、上記請求項5〜17の何れか一項に記載の発明において、前記第2の画像形成手段は、画像形成装置本体に形成される開口部を覆う開閉可能なカバーを開状態とすることで、当該画像形成装置本体に設けられた前記被装着部に着脱自在に装着される、ことを特徴とする。
【0025】
上記課題を解決するため、請求項19に記載の本発明の画像処理プログラムは、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、およびこれらの色以外の所定の色のそれぞれのトナー像の形成にかかわる色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を取得する取得処理過程と、前記取得処理過程により取得された色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を基に、イエロー色、マゼンタ色、およびシアン色の3つの色に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成する第1の画像処理モードと、前記3つの色および該3つの色以外の所定の色に基づくカラー画像を生成若しくは当該所定の色に基づく画像を生成する第2の画像処理モードとを適宜切り換え、切り換えた後の画像処理モードに従って画像処理を実行する画像処理過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1記載の発明によれば、必要に応じて任意の画像を得ることができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、3つの色および所定の色のそれぞれのトナー像の形成にかかわる色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報に基づき、第1の画像処理部または第2の画像処理部による画像処理を実行することができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、3つの色およびブラック色に基づくカラー画像を生成するとともにブラック色に基づくモノクロ画像を生成することができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、3つの色およびブラック色以外の色に基づくカラー画像を生成するとともにブラック色以外の色に基づく画像を生成することができる。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、必要に応じて任意の画像を得ることができる。
【0031】
請求項6記載の発明によれば、ブラック色用の第2の画像形成手段が被装着部に装着された場合に、3つの色およびブラック色に基づくカラー画像を生成するとともにブラック色に基づくモノクロ画像を生成することができる。
【0032】
請求項7記載の発明によれば、ブラック色以外の色用の第2の画像形成手段が被装着部に装着された場合に、3つの色およびブラック色以外の色に基づくカラー画像を生成するとともにブラック色以外の色に基づく画像を生成することができる。
【0033】
請求項8記載の発明によれば、好みに応じて選択して所定の色情報に基づく画像を生成させることができる。
【0034】
請求項9記載の発明によれば、選択された所定の色情報を任意のタイミングで変更し、この変更後の所定の色情報に基づく画像を生成することができる。
【0035】
請求項10記載の発明によれば、必要なときに適宜切り換えて画像処理を実施することができる。
【0036】
請求項11記載の発明によれば、第2の画像形成手段が被装着部に装着されたか否かの検知手段による検知の結果に応じて、第1の画像処理部または第2の画像処理部によって画像処理を実施することができる。
【0037】
請求項12記載の発明によれば、新たな第2の画像形成手段が被装着部に装着されたときは、第2の画像処理部による画像処理が実施される旨をユーザに対し報知し、当該第2の画像形成手段が取り外されるまでは第2の画像処理部による画像処理を実施することができる。
【0038】
請求項13記載の発明によれば、第2の画像形成手段に設けられる報知媒体によって報知される識別情報を基に第2の画像形成手段が被装着部に装着されたことを検知することができる。
【0039】
請求項14記載の発明によれば、第2の画像形成手段に設けられる報知媒体の記憶手段に記憶されている識別情報を取得することで第2の画像形成手段が被装着部に装着されたことを検知することができる。
【0040】
請求項15記載の発明によれば、第2の画像形成手段に設けられる報知媒体の記憶手段に記憶されている判別情報を取得することで第2の画像形成手段が被装着部に装着されたことを検知することができる。
【0041】
請求項16記載の発明によれば、第2の画像形成手段を提供する場合に、トナー像の形成にかかわる画像形成の機能を有する第2の画像形成手段を提供することができる。
【0042】
請求項17記載の発明によれば、第2の画像形成手段のトナー収容手段および使用済トナー収容手段を大容量化した場合であっても、画像形成装置本体の高さを低減することができる。
【0043】
請求項18記載の発明によれば、第2の画像形成手段の着脱操作を容易に行うことができる。
【0044】
請求項19記載の発明によれば、必要に応じて任意の画像を得ることができる画像処理を実施させるソフトウェアを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0046】
(実施の形態1)
【0047】
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置は、例えばタンデム型の画像形成装置を想定しており、イエロー色、マゼンタ色およびシアン色の3つの色のそれぞれのトナー像を形成する第1の画像形成部の一形態としての複数の第1の画像形成手段が標準品として画像形成装置本体の被装着部の一形態としての被装着手段に着脱自在に装着されている。このような画像形成装置においては、上記3つの色以外の所定の色例えばブラック色のトナー像を形成する第2の画像形成手段が、オプション品として提供され画像形成装置本体の被装着部の一形態としての被装着手段に着脱自在に装着されるようになっている。
【0048】
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置の概略構成を示している。
【0049】
図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成装置本体10a内に4つのプロセスカートリッジ30(30Y,30M,30C,30K)を縦方向に順に配列したタンデム型である。また、各プロセスカートリッジ30の各々の対応した箇所に、記録用紙Pを下方から上方に略垂直に搬送する搬送路12が配置されている。そして、最下段(最上流)のプロセスカートリッジ30Yの更に下方(上流側)には、搬送路12を搬送されてトナー像が順に転写される記録用紙Pを収容する給紙カセット13が配設されている。
【0050】
プロセスカートリッジ30(30Y,30M,30C,30K)は、搬送路12の上流側(図中下側)から順に、イエロー(Y)のトナー像を形成するプロセスカートリッジ30Y、マゼンタ(M)のトナー像を形成するプロセスカートリッジ30M、シアン(C)のトナー像を形成するプロセスカートリッジ30C、ブラック(K)のトナー像を形成するプロセスカートリッジ30Kが配設されている。これらのプロセスカートリッジはトナーの色を除いて同様の構成となっており、個別に説明をする必要がある場合以外はプロセスカートリッジ30として説明する。
【0051】
本実施の形態1では、プロセスカートリッジ30Y,30M,30Cは、画像形成装置本体10aに着脱自在に装着され、イエロー色(以下「Y色」という。)、マゼンタ色(以下「M色」という。)およびシアン色(以下「C色」という。)の3つの色のそれぞれのトナー像を形成する複数の第1の画像形成手段の機能を有し、標準品として提供され画像形成装置本体10aに装着される。一方、プロセスカートリッジ30Kは、上記3つの色以外の所定の色のトナー像を形成する第2の画像形成手段の機能を有し、オプション品として提供され画像形成装置本体10aに装着される。
【0052】
また、本実施の形態1では、オプション品としてブラック色(以下「K色」という。)のプロセスカートリッジ30Kを採用、つまり色材(トナー)の色はK色を採用するようにしているが、これに限定されることなく、トナーの色は、例えば透明色、金色など特色であればその種類は問わない。
【0053】
なお、図1においては、K色用のプロセスカートリッジ30Kはオプション品として提供されるが、ここではプロセスカートリッジ30Kが装着されていることを前提に説明する。
【0054】
プロセスカートリッジ30は、感光体ドラム(像担持体)31と、感光体ドラム31の周囲に順次配設されている各種の電子写真用デバイスとを一体的にカートリッジ化したものである。内蔵したトナーが消費されると、このプロセスカートリッジ30ごと新たなものと交換される。
【0055】
ここで、各種の電子写真用デバイスは、感光体ドラム31を予め帯電する帯電ロール(図示せず)と、帯電された感光体ドラム31上に後述する露光装置15にて露光形成された静電潜像を対応する色トナー(本実施の形態では例えば負極性)で現像する現像装置(図示せず)と、感光体ドラム41上の廃トナーを除去するクリーニング装置(図示せず)と、帯電された感光体ドラム31の表面を除電するイレーズランプ(図示せず)とを含んでいる。
【0056】
プロセスカートリッジ30を挟んで搬送路12と反対の側には、各プロセスカートリッジ30に共通の露光装置15が配設されている。この露光装置15は、各色に対応した画像データに基づいて図示しない4つの例えば半導体レーザを点灯駆動する。そして、この4つの半導体レーザからの光を図示しないポリゴンミラーで偏向走査し、図示しないfθレンズおよび複数の反射ミラーを介して感光体31上の露光ポイントに導くことで、感光体ドラム31上に結像を描くように構成される。
【0057】
プロセスカートリッジ30と露光装置15とで対応する色のトナー像を形成する画像形成ユニットを構成している。つまり画像形成装置10は、イエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用の各画像形成ユニットを備えている。
【0058】
各プロセスカートリッジ30の感光体ドラム31に対応した箇所には、搬送路12に沿って循環移動する搬送ベルト16が配設されている。この搬送ベルト16は、記録用紙Pを静電吸着し得るベルト素材にて構成され、一対からなる駆動ローラ17Aおよび従動ローラ17Bに掛け渡されている。搬送路12には、搬送ベルト16に記録用紙Pを静電吸着させるための吸着ローラ18が配設されている。
【0059】
各プロセスカートリッジ30が感光体ドラム31と対応する搬送ベルト16の裏面側には、それぞれ転写ローラ19が配設されている。この転写ローラ19は、感光体ドラム31と搬送ベルト16上の記録用紙Pとを密着させて感光体ドラム31に形成されたトナー像を記録用紙Pに転写するためのものである。
【0060】
最上段(最下流)のプロセスカートリッジ30Kの更に上方(下流側)の搬送路12には、定着装置20が設けられている。画像形成装置本体10aの上部には、定着装置20によりトナー像が定着されて排出された記録用紙Pを収容するための排紙部21が画像形成装置本体10aと一体に設けられている。また、画像形成装置本体10aには、定着装置20によって片面が定着された記録用紙Pを表裏反転させて搬送路12に再度送り込むための反転用搬送路22が配置されている。
【0061】
上述したプロセスカートリッジ30、露光装置15、転写ローラ19および定着装置20が作動することにより、帯電プロセス、露光プロセス、現像プロセス、転写プロセスおよび定着プロセス、いわゆる電子写真プロセスが実行される。
【0062】
このような電子写真プロセスや記録用紙の搬送など画像形成処理(印刷処理)は、画像形成装置を構成する画像出力装置(図示せず)に含まれる。
【0063】
画像形成装置10の画像形成装置本体10aには、図2に示すように、下端に設けた回動支点25aを中心に回動可能なフロントカバー25が設けられている。このフロントカバー25は、閉じた状態では画像形成装置本体10aとともに外部カバーとして機能する。すなわち、フロントカバー25は、給紙カセット13よりも上側でかつ画像形成装置10の手前側の側壁部を構成する。
【0064】
フロントカバー25には、搬送ベルト16、駆動ローラ17A、従動ローラ17B、吸着ローラ18、転写ローラ19および反転用搬送路22が取り付けられている。したがって、フロントカバー25を開けると、これらの部品が随伴して画像形成装置本体10aから離間する。このため、フロントカバー25を開けることでプロセスカートリッジ30が露出する。これにより画像形成装置本体10aには、図2に示すように開口部25bが形成される。
【0065】
ここで、各プロセスカートリッジ30は、図2中のプロセスカートリッジ30Kを例として示すように、各々画像形成装置本体10aに対して略水平方向に着脱自在に装着されている。このため、画像形成装置本体10aのフロントカバー25を開けることにより、各プロセスカートリッジ30の着脱操作を行うことが可能となる。
【0066】
各プロセスカートリッジ30は、図3(a)に示すように、矢印Aの方向に挿入され画像形成装置本体10aに形成された装着開口部(被装着手段)10bに装着される。特に、プロセスカートリッジ30Kに対応する装着開口部10bは、画像形成装置本体に設けられ、上記記3つの色以外の所定の色のトナー像を形成する第2の画像形成手段が着脱自在に装着される被装着手段の機能を有する。
【0067】
すなわち、プロセスカートリッジ30Kは、画像形成装置本体10aに形成される開口部25bを介してプロセスカートリッジ30Y,30M,30Cよびプロセスカートリッジ30Kが装着される場合の当該開口部25bを覆うフロントカバー25を開状態とすることで、当該画像形成装置本体10aに設けられた装着開口部10bに着脱自在に装着される(図2参照)。
【0068】
操作部32は、プロセスカートリッジ30の装着時あるいは交換時にユーザによる操作性を向上させるとともに、揺動操作によってプロセスカートリッジ30を所定の位置に固定する機能を有している。
【0069】
本実施の形態1では、図3(a)に示すように、各プロセスカートリッジ30の側面部30aの例えば奥側の所定の位置には、当該プロセスカートリッジ30を識別する識別情報を報知する報知媒体40が配設されている。また、図3(b)に示すように、プロセスカートリッジ30が画像形成装置本体10aの装着開口部10bに装着された状態における、当該プロセスカートリッジ30に配設されている報知媒体40の配置位置に対応する画像形成装置本体10aの側面部10cの位置に、当該プロセスカートリッジ30が装着されたことを検知する検知部(検知手段)50が配設されている。
【0070】
検知部50は、プロセスカートリッジ30の各々のセット状態を検出し、その検出結果を後述する画像処理装置に向けて出力する。
【0071】
次に、画像形成装置10の制御系について説明する。
【0072】
図4は、第1の画像処理モードによる画像処理と第2の画像処理モードによる画像処理との動的な切り換えを実施する画像形成装置10の制御系の機能構成を示している。
【0073】
画像形成装置10は、画像処理装置100と画像出力装置200と操作パネル部300とを有している。尚、ここでは、画像形成装置10が、画像処理装置100と画像出力装置200と操作パネル部300とを有している形態で説明をするが、画像処理装置100の一部や全体が、画像形成装置10と接続されたコンピュータ等の外部接続装置に設けられていてもよい。
【0074】
画像出力装置200は、画像出力装置制御部60、上述した各プロセスカートリッジ30の報知媒体40(40Y,40M,40C)およびこれらに対応する検知部50(50Y,50M,50C,50K)を有する。
【0075】
画像出力装置制御部60は、画像出力装置200全体を制御するものであり、例えば画像処理装置100から供給された画像データに対する画像形成処理つまり電子写真プロセス全体の制御を行う。例えば、プロセスカートリッジ30に対する制御例えば帯電ロールに対する帯電バイアスの制御や現像装置に対する現像バイアスの制御など、露光装置15に対するレーザ発振制御、転写ロール19に対する転写電流の制御、定着部20に対する温度制御(ヒータの温度制御)などが行われる。
【0076】
標準品として装着されるプロセスカートリッジ30Y,30M,30Cの報知媒体40Y,40M,40C、およびオプション品として装着されるプロセスカートリッジ30Kの報知媒体40Kは、図5に示すように、上記識別情報を記憶する記憶部(記憶手段)41と、外部との無線通信により記憶部41に記憶されている識別情報を送信する第1の通信部(第1の通信手段)42と、を備えている。
【0077】
これらの報知媒体は、例えば小型のIC(集積回路)チップと無線通信用のアンテナとを組み合わせた非接触型のICタグ(無線ICタグ)で実現される。記憶部41は上記ICチップに含まれ、第1の通信部42は上記アンテナに対応する。
【0078】
記憶部41に記憶されるプロセスカートリッジ30を識別する識別情報は、例えば当該プロセスカートリッジ30を示す情報(固有情報)、当該プロセスカートリッジ30に収容されている色材(トナー)の色を判別するための判別情報など、プロセスカートリッジが装着されたことを検知できる情報であればその種類は問わない。
【0079】
検知部50Y,50M,50C,50Kは、図5に示すように、第1の通信部41との無線通信により識別情報を受信する第2の通信部(第2の通信手段)51と、第2の通信部51が識別情報を受信したときは、対応するプロセスカートリッジ(第2の画像形成手段)が装着開口部10b(被装着手段)に装着された状態であると確定する確定部(確定手段)52と、を備えている。
【0080】
これらの報知部は、無線通信装置例えばICタグ(無線タグ)リーダで実現される。第2の通信部51はアンテナを含む通信部であり、確定部52は例えばCPU(中央演算処理装置)やICチップで実現される。
【0081】
検知部50Y,50M,50C,50Kの各確定部51は、検知した結果(対応するプロセスカートリッジが装着されたか否かを示す情報)を画像処理装置100に向けて出力する。
【0082】
再度、図4を参照して説明すると、操作パネル部300は、色情報提示手段310、色情報選択手段320および色情報変更手段330を有している。
【0083】
例えば、操作パネル部300は、図6に示すように、メッセージなど所定の表示情報を表示する表示部301と、表示部301に表示されるカーソル(選択肢を選択するためのカーソル)を上方向、下方向、左方向および右方向に移動させるための移動キーやテンキーなどを含む操作キー部302と、指定されたデフォルトの色情報を変更するためのデフォルト色情報変更キー303と、指定されたデフォルトの色情報とは異なる色情報を一時的に指定するための一時的色情報指定操作キー304とを備えている。
【0084】
色情報提示部の一形態としての色情報提示手段310の機能を果たす表示部301は、検知部50Kによってプロセスカートリッジ30K(第2の画像形成手段)が装着されたことが検知されたときは、色情報提示手段310を表示する。
【0085】
この色情報提示手段310は、プロセスカートリッジ30Kによる画像の生成処理の基礎とする色として、Y色、M色およびC色の3つの色および該3つの色以外の所定の色(この例ではK色)を含む複数の色(この例では4つの色)を示す色情報「Y色、M色、C色、K色」、前記3つの色を示す色情報「Y色、M色、C色」および前記所定の色(この例ではK色)を示す色情報「K色」の3つに分類された色情報を提示する。
【0086】
なお、色情報提示手段310には、3つに分類された色情報に対応するチェック欄311a〜311c、所望の色情報として選択した選択肢を確定するための「確定」ボタン312、確定した選択肢を変更するための「変更」ボタン313が表示される。
【0087】
色情報選択部の一形態としての色情報選択手段320の機能を果たす操作キー部302は、色情報提示手段310によって提示された3つに分類された色情報の中から有効とする色情報を選択する。
【0088】
ここで、ユーザが操作キー部302を操作することによりカーソルを移動させて、有効とする色情報に対応するチェック欄を選択し、その後、「確定」ボタン312を押下(選択)することで、当該有効とする色情報がデフォルトの色情報として確定される。その確定されたデフォルトの色情報を変更する場合、ユーザは、操作キー部302を操作することによりカーソルを移動させて、「変更」ボタン313を押下(選択)し、その後、改めて有効とする色情報に対応するチェック欄を選択し、その後、「確定」ボタン312を押下(選択)する。これにより、変更後の有効とする色情報がデフォルトの色情報として確定される。この例では、塗り潰しのチェック欄311bに対応する3つの色を示す色情報「Y色、M色、C色」がデフォルトの色情報として選択されていることを示している。
【0089】
なお、実施の形態1では、「確定」ボタン312が押下(選択)された後、所定の時間t1が経過すると、色情報提示手段310が表示部301から消去され、その後、表示部310には、所定の表示情報(画像形成装置の状態を示すメッセージなど)が表示される。また、所定の時間t2以内にデフォルトの色情報(有効とする色情報)が選択されなかった場合は、予め設定されたデフォルトの色情報例えば「Y色、M色、C色、K色」が採用されるようになっている。
【0090】
色情報変更部の一形態としての色情報変更手段330の機能を果たすデフォルト色情報変更キー303は、プロセスカートリッジ30Kが画像形成装置本体10aに装着された後(デフォルトの色情報が確定された後)の任意のタイミングで、既に選択(指定)されているデフォルトの色情報(有効とする色情報)を変更する。
【0091】
例えば、ユーザがデフォルト色情報変更キー303を操作(押下)すると、所定の表示情報が表示されている表示部301には色情報提示手段310が表示されるので、ユーザは、操作キー部302を操作することによりカーソルを移動させて、「変更」ボタン313を押下(選択)し、その後、改めて有効とする色情報に対応するチェック欄を選択し、その後、「確定」ボタン312を押下(選択)する。これにより、変更後の有効とする色情報がデフォルトの色情報として確定される。
【0092】
一時的色情報指定操作キー304は、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報として、上記3つに分類された色情報の中から所望の色情報を指定するときに操作される。この一時的色情報指定操作キー304が操作(押下)されると、表示部301には、図7に示す色情報提示手段(色情報提示部の一形態)340が表示される。この色情報提示手段340に対して、上述した色情報提示手段310に対する操作と同様の操作を実施することで、上記3つに分類された色情報の中から選択され確定された所望の色情報を、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報として指定することができる。
【0093】
再度、図4を参照して説明すると、画像処理装置100は、第1の画像処理手段110、第2の画像処理手段120、実行可能状態情報取得部130、ユーザインタフェース(以下「ユーザI/F」という。)部140、制御部150およびネットワークインタフェース(以下「ネットワークI/F」という。)部160を備えている。
【0094】
第1の画像処理手段110は、受け付けた画像データに対する色変換処理を行う色変換部111と、この色変換部111からの画像データに対する階調補正処理を行う階調補正部112と、この階調補正部112からの画像データに対する網点生成処理(スクリーン処理)を行う網点生成部113とを有している。網点生成部113によって網点生成処理された画像データは、画像出力装置200の画像出力装置制御部60に向けて出力される。
【0095】
また、第1の画像処理手段110は、Y色、M色およびC色の3つの色に基づくカラー画像またはモノクロ画像を生成する第1の画像処理モードに従って画像処理を実施する第1の画像処理部の一形態としての機能を有している。
【0096】
第2の画像処理手段120は、上記色変換部111、階調補正部112および網点生成部113と同様の処理を実行する色変換部121、階調補正部122および網点生成部123を有している。
【0097】
また、第2の画像処理手段120は、上記3つの色および当該3つの色以外の所定の色(例えばK色、透明色)に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成するとともに当該所定の色(例えばK色、透明色)に基づく画像を生成する第2の画像処理モードに従って画像処理を実施する第2の画像処理部の一形態としての機能を有している。
【0098】
すなわち、第2の画像処理手段120は、上記所定の色としてのK色のトナー像を形成するプロセスカートリッジ(第2の画像形成手段)30Kが装着開口部(被装着手段)10bに装着された場合に、換言すれば上記3つの色および上記所定の色としてのK色に対応する画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報が後述する実行可能状態情報取得部130によって取得されたときは、上記3つの色および上記K色に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成するとともに上記K色に基づくモノクロ画像を生成する。
【0099】
また、第2の画像処理手段120は、上記所定の色としてのK色以外の色例えば透明色のトナー像を形成するプロセスカートリッジ(第2の画像形成手段)30Kが装着開口部(被装着手段)10bに装着された場合に、換言すれば上記3つの色および上記所定の色としてのK色以外の色例えば透明色に対応する画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報が後述する実行可能状態情報取得部130によって取得されたときは、上記3つの色および上記K色以外の色例えば透明色に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成する。この時の透明色を使用した画像処理は、特開2006−279293に示されるような、秘匿すべき情報を埋め込む技術、それを目立たなくする技術に基づくもの等であっても良い。また、余白部に付加情報を書き込んでおく等の用途であっても良い。
【0100】
実行可能状態情報取得部130は、検知部50Y,50M,50C,50Kからの検知結果つまりプロセスカートリッジ30が画像形成装置本体10aに装着されたか否かを示す情報を取得する取得部の一形態としての取得手段の機能を有している。この情報は、画像形成処理に関する実行可能状態か否かを示す情報を意味する。そのため、例えば、オプション品としてのプロセスカートリッジ30Kが画像形成装置本体10aに装着されたときは、検知部50Kからは画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報が実行可能状態情報取得部130に向けて出力される。
【0101】
実行可能状態情報取得部(取得手段)130は、色毎の画像形成処理に関する実行可能状態であるか否かを示す情報(プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着されたか否かを示す情報)を制御部150へ出力する。
【0102】
ユーザI/F部140は、操作パネル部300とのインタフェースを司るものであり、操作パネル部300からの入力情報、例えば確定されたデフォルトの色情報、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報などの入力情報を受け取り、この入力情報を制御部150へ出力するとともに、制御部150の制御に従って色情報提示手段310,340など所定の表示情報を操作パネル部300(の表示部301)へ出力する。
【0103】
また、ユーザI/F部140は、操作パネル部300の所定の操作により今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報として指定され、上記3つに分類された色情報の中の所望の色情報を取得する色情報取得部の一形態としての色情報取得手段141の機能を有している。
【0104】
ネットワークI/F部160は、印刷対象の画像データを印刷要求するクライアント装置とのインタフェースを司るものである。例えば、ネットワークI/F部160は、クライアント装置からの印刷対象の画像データや、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報を受け取り、この受け取った情報を制御部150へ出力する。
【0105】
また、ネットワークI/F部160は、図示しないクライアント装置の入力装置の所定の操作により今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報として指定され、上記3つに分類された色情報の中の所望の色情報を取得する色情報取得部の一形態としての色情報取得手段161の機能を有している。
【0106】
なみに、クライアント装置(図示せず)において今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報の指定を行う場合、一時的色情報指定操作キー304による操作と同様の操作が行われ、また図7に示す色情報提示手段340と同様の提示内容に対する選択および確定の操作が行われる。
【0107】
制御部150は、Y色、M色およびC色の3つの色に基づくカラー画像またはモノクロ画像を生成する第1の画像処理モードと、前記3つの色および当該3つの色以外の所定の色に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成するとともに当該所定の色に基づく画像を生成する第2の画像処理モードとを適宜(動的に)切り換える制御を行う。
【0108】
制御部150は、次の(1)〜(6)の制御をおこなう制御手段の機能を有している。
【0109】
(1)プロセスカートリッジ30K(第2の画像形成手段)が装着開口部10b(被装着手段)に装着されたか否かに応じて、第1の画像処理手段110または第2の画像処理手段120に対し画像の生成処理を実行させる。
【0110】
(2)第2の画像処理手段120に対し、色変換選択部(色情報選択手段)320によって選択された色情報に基づく画像の生成処理を実施するように制御する。
【0111】
(3)第2の画像処理手段120に対し、色情報変更手段330によって変更された変更後の色情報に基づく画像の生成処理を実施するように制御する。
【0112】
(4)第2の画像処理手段120に対し、印刷対象の画像データに関しては、有効とする色情報(デフォルトの色情報)を無視し、色情報取得手段141あるいは色情報取得手段161によって取得された所望の色情報に基づく画像の生成処理を実施するように制御する。
【0113】
(5)検知部(検知手段)50Mによる検知処理の結果が、プロセスカートリッジ(第2の画像形成手段)30Kが未装着である旨の場合には第1の画像処理手段110に対し画像処理を実施するように指示し、一方、プロセスカートリッジ30Kが装着された旨の場合は第2の画像処理手段120に対し画像処理を実施するように制御する。
【0114】
(6)検知部50Mによる検知処理の結果が、プロセスカートリッジ30Kが未装着である旨からプロセスカートリッジ30Kが装着された旨に変移したときは、第2の画像処理手段120による画像処理が実施される旨をユーザに対し報知するとともに、前記変移した時点から検知部50Mによる検知処理の結果がプロセスカートリッジ30Kは未装着である旨に変移する時点までの間については、第2の画像処理手段120に対し画像処理を実施するように制御する。
【0115】
次に、画像形成装置10の制御系による画像処理の一例について、図8を参照して説明する。
【0116】
図8はその画像処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0117】
ここでは、Y色、M色およびC色の3つの色以外の所定の色はK色であるとする。また、標準品としてのプロセスカートリッジ30Y,30M,30Cは画像形成装置本体10aに装着されているものとする。したがって、制御部150は、プロセスカートリッジ30Y,30M,30Cについては、実行可能状態取得部130からの色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を受け取っているので、画像形成装置本体10aに装着されていると認識している。
【0118】
さて、制御部150は、実行可能状態取得部130からの情報を基に、K色の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報であるか否か(オプション品としてのK色に対応するプロセスカートリッジ30Kが画像形成装置本体10aに装着されている否か)を判断する(ステップS101)。
【0119】
ここで、プロセスカートリッジ30Kに関する識別情報を検知した検知部50Kからの検知結果を取得した実行可能状態取得部130が、K色の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を制御部150へ出力した場合、制御部150は、K色に対応するプロセスカートリッジ30Kが装着されていると判断する。一方、実行可能状態取得部130からの情報が、プロセスカートリッジ30Kに関する識別情報を検知しなかった検知部50Kからの検知結果に対応する情報の場合、制御部150は、K色に対応するプロセスカートリッジ30Kは未装着であると判断する。
【0120】
ステップS101においてプロセスカートリッジ30Kが装着されていると判断した制御部150は、実行可能状態取得部130からの情報の内容が時系列的に変化したか否かに基づいて、画像形成装置本体10aに装着されているプロセスカートリッジ30Kは新規のプロセスカートリッジであるか否かを判断する(ステップS102)。
【0121】
ここで、実行可能状態取得部130からの情報の内容が、プロセスカートリッジ30Kが未装着である旨に対応する情報からプロセスカートリッジ30Kが装着された旨に対応する情報(K色の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報)に変移した場合は、装着されているプロセスカートリッジ30Kは新規のプロセスカートリッジであると判断される。この新規のプロセスカートリッジが装着されたということは、オプション品として初めて画像形成装置本体10aに装着された場合か、あるいは内蔵されたトナーが消費されたプロセスカートリッジと交換された場合の何れかである。
【0122】
これに対し、実行可能状態取得部130からの情報の内容が、プロセスカートリッジ30Kが装着された旨に対応する情報(K色の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報)のままの状態のときは、既に画像形成装置本体10aに装着されているプロセスカートリッジ30Kであると判断される。
【0123】
ステップS102において新規のプロセスカートリッジであると判断した制御部150は、第1の画像処理モードから第2の画像処理モードへ切り換える(移行させる)べく、第2の画像処理モードに従って画像処理を実行するように第2の画像処理手段120を制御するとともに(ステップS103)、例えばプロセスカートリッジ30Kの装着操作を行ったユーザにデフォルトの色情報を設定させるための、色情報の選択肢を提示するようにユーザI/F部140を介して操作パネル部300を制御する(ステップS104)。
【0124】
なお、ステップS103において、制御部150によって第2の画像処理モードに従って画像処理を実行するように制御された第2の画像処理手段120は、後述するデフォルトの色情報に基づく画像の生成処理モード(第2の画像処理モード中の生成処理モード)に従って画像処理すべき旨を制御部150から通知されるまでは、画像処理は実施しないようになっている。
【0125】
ところで、ステップS104においては、制御部150から操作パネル部300に対し、Y色、M色およびC色の3つの色および該3つの色以外の所定の色(この例ではK色)を含む複数の色(この例では4つの色)を示す色情報「Y色、M色、C色、K色」、前記3つの色を示す色情報「Y色、M色、C色」および前記所定の色(この例ではK色)を示す色情報「K色」の3つに分類された色情報を、上記色情報の選択肢として提示するように指示される。
【0126】
操作パネル部300では、制御部150の制御に従って、表示部301が、図6に示すように、上記色情報の選択肢(3つに分類された色情報)を含んでいる色表示提示部310を表示する。
【0127】
このようにして表示部301によって上記色情報の選択肢(3つに分類された色情報)が提示されると(表示部301に色表示提示部310が表示されると)、制御部150は、デフォルトの色情報としての所望の選択肢が選択されたか否かを判断し(ステップS105)、この判断した結果、所望の選択肢が選択された場合は、「Y色、M色、C色、K色」、「Y色、M色、C色」、「K色」の3つの選択肢のいずれであるかを判断する(ステップS106)。
【0128】
ユーザは、所定の時間t2以内に操作パネル部300の操作キー部302を操作することによりデフォルトの色情報としての所望の色情報に対応するチェック欄を選択し、「確定」ボタン312を押下(選択)することになる。例えば、チェック欄311bが選択され「確定」ボタン312が押下(選択)された場合、これらの入力情報がユーザI/F部140を介して制御部150に入力されるので、制御部150は、当該チャック欄311bに対応する選択肢「Y色、M色、C色」がデフォルトの色情報としての所望の色情報であると認識する。
【0129】
ところで、制御部150は、ステップS105において選択された所望の選択肢(色情報)が、「Y色、M色、C色、K色」の色情報のときは「Y色、M色、C色、K色」に基づく画像の生成処理モード(第1の生成処理モード)に従って画像処理すべき旨を(ステップS107)、また「Y色、M色、C色」の色情報のときは「Y色、M色、C色」に基づく画像の生成処理モード(第2の生成処理モード)に従って画像処理すべき旨を(ステップS108)、さらに「K色」の色情報のときは「K色」に基づく画像の生成処理モード(第3の生成処理モード)に従って画像処理すべき旨を(ステップS109)、第2の画像処理手段120へ通知する。
【0130】
この実施の形態1では、第2の画像処理モードには、上記第1の生成処理モード、上記第2の生成処理モードおよび上記第3の生成処理モードの3つの生成処理モードが含まれている。
【0131】
また、制御部150は、ステップS105において所定の時間t2以内に所望の選択肢が選択されなかった場合は、予め設定された選択肢例えば「Y色、M色、C色、K色」に基づく画像の生成処理モード(第1の生成処理モード)に従って画像処理すべき旨を(ステップS110)、第2の画像処理手段120へ通知する。
【0132】
第2の画像処理手段120は、制御部150の制御に従って、第2の画像処理モードであって指定された生成処理モードに従って、すなわち「Y色、M色、C色、K色」に基づく画像の生成処理モード(第1の生成処理モード)、「Y色、M色、C色」に基づく画像の生成処理モード(第2の生成処理モード)、または「K色」に基づく画像の生成処理モード(第3の生成処理モード)に従って画像処理を実施する(ステップS111)。
【0133】
ところで、ステップS102において新規のプロセスカートリッジではないと判断(既存のプロセスカートリッジであると判断)した制御部150は、ユーザI/F部140を介して、色情報変更手段330の機能を果たすデフォルト色情報変更キー303の操作に起因したデフォルトの色情報を受け取ったか否かを基に、デフォルトの色情報の変更指示があるか否かを判断する(ステップS112)。
【0134】
ステップS112においてデフォルトの色情報の変更指示であると判断された場合には、ステップS104に進む。
【0135】
このステップS104においては、ユーザは、操作パネル部300のデフォルト色情報変更キー303を操作(押下)することにより、表示部301に色情報提示手段310が表示されるので、変更後のデフォルトの色情報(有効とする色情報)に対応するチェック欄を選択し、さらに「確定」ボタン312を押下(選択)することにより、前回設定したデフォルトの色情報を変更することができる。
【0136】
一方、ステップS112においてデフォルトの色情報の変更指示はないと判断された場合は、ステップS111に進む。このステップS111においては、既にプロセスカートリッジが装着されたときにデフォルトの色情報として選択された所望の選択肢(色情報)に基づく画像の生成処理モードつまり第1の生成処理モード、第2の生成処理モードまたは第3の生成処理モードに従って画像処理が実施されることとなる。
【0137】
そして、ステップS111が終了した場合、制御部150は、次回の印刷処理が有るか否か(第2の画像処理手段120による次回の画像処理が有るか否か)を判断し(ステップS113)、この判断した結果、次回の印刷処理(画像処理)がある場合にはステップS112に戻り、一方、次回の印刷処理(画像処理)が無い場合はこの処理を終了する。
【0138】
なお、ステップS112でのデフォルトの色情報の変更指示は、ユーザの操作パネル部300の所定の操作により、例えばステップS111での第2の画像処理手段120による画像処理が終了した後の任意のタイミングで実施される。
【0139】
ステップS101においてプロセスカートリッジ30Kが未装着であると判断した制御部150は、Y色、M色およびC色の3つの色に基づくカラー画像またはモノクロ画像を生成する第1の画像処理モードに従って画像処理を実施するように第1の画像処理手段110を制御する(ステップS114)。
【0140】
その後、制御部150は、次回の印刷処理が有るか否か(第1の画像処理手段120による次回の画像処理が有るか否か)を判断し(ステップS115)、この判断した結果、次回の印刷処理(画像処理)がある場合にはステップS114に戻り、一方、次回の印刷処理(画像処理)が無い場合はこの処理を終了する。
【0141】
次に、上記図8に示した処理手順の画像処理の具体例について、図9を参照して説明する。なお、図9は、画像処理の一例を説明するための図を示している。
【0142】
時点t1で、新規なK色のプロセスカートリッジ30Kが装着されたことが検知部50Kによって検知された場合、時点t1に達するまでの期間は第1の画像処理モードになっているものの、時点t1に達した後においては第1の画像処理モードから第2の画像処理モードへ切り換えられる(移行される)。
【0143】
時点t2でユーザによってデフォルトの色情報として「Y色、M色、C色、K色」の色情報が選択されると、この時点t2で第2の画像処理モードの中の「Y色、M色、C色、K色」に基づく画像の生成処理モード(第1の生成処理モード)となる。
【0144】
そして、時点t3でK色の色指定での印刷要求があると、第2の画像処理手段120は第2の画像処理モードであって第1の生成処理モードに従って画像処理を実施する。この場合は、K色の色指定での印刷要求であるので、K色に基づく画像処理(モノクロ画像の生成処理)が実施される。この印刷要求に対応する第2の画像処理モードによる画像処理が終了し、画像出力装置200による画像形成処理が終了した時点t4では、第2の画像処理モードの中の第1の生成処理モード(図9では「YMCK」モード)が維持されている。
【0145】
次に、時点t5で、ユーザによってデフォルトの色情報の変更操作が行われ、変更後のデフォルトの色情報として「Y色、M色、C色」の色情報が選択されると、この時点t5で第2の画像処理モードの中の「Y色、M色、C色」に基づく画像の生成処理モード(第2の生成処理モード)となる。
【0146】
そして、時点t6でK色の色指定での印刷要求があると、第2の画像処理手段120は第2の画像処理モードであって第2の生成処理モードに従って画像処理を実施する。この場合は、K色の色指定での印刷要求であるので、Y色、M色、K色に基づく画像処理(プロセスブラック画像=モノクロ画像の生成処理)が実施される。この印刷要求に対応する第2の画像処理モードによる画像処理が終了し、画像出力装置200による画像形成処理が終了した時点t7では、第2の画像処理モードの中の第2の生成処理モード(図9では「YMC」モード)が維持されている。
【0147】
上述した図8および図9の画像処理の内容から明らかなように、新規にプロセスカートリッジ30Kが画像形成装置本体10aに装着されたときは、第1の画像処理モードから第2の画像処理モードへ動的に切り換えられる(移行される)。もちろん、画像形成装置本体10aに装着されたプロセスカートリッジ30Kが取り外されたときは、第2の画像処理モードから第1の画像処理モードへ動的に切り換えられる(移行される)。
【0148】
また、印刷色が指定された印刷要求があったときは、予め選択(設定)されたデフォルトの色情報(3つに分類された色情報の中の所望の色情報)に基づき当該今回の印刷要求にかかわる画像データに対する画像処理が実施される。しかも今回の画像処理(印刷処理)が終了した後の次回の印刷要求においても、予め選択(設定)されたデフォルトの色情報に基づき画像処理が実施される。これは、印刷対象の画像データに対する画像処理のときに採用される色情報は、デフォルトの色情報に制約されることを意味する。
【0149】
また、デフォルトの色情報は、新規にプロセスカートリッジ30Kが画像形成装置本体10aに装着されたときに設定されるか、また任意のタイミングで変更される。
【0150】
さらに、第2の画像処理モードにおいては、設定されるデフォルトの色情報に応じて、第1の生成処理モード(「Y色、M色、C色、K色」に基づく画像の生成処理モード)、第2の生成処理モード(「Y色、M色、C色」に基づく画像の生成処理モード)、第3の生成処理モード(「K色」に基づく画像の生成処理モード)の何れかの生成処理モードに動的に切り換えられる(移行される)
【0151】
次に、画像形成装置10の制御系による画像処理の他の例について、図10を参照して説明する。
【0152】
図10はその画像処理の処理手順を示すフローチャートである。この図10に示すフローチャートは、図8に示した処理手順にステップS201およびステップS202を追加した処理手順になっている。
【0153】
すなわち、ステップS112においてデフォルトの色情報の変更指示はないと判断した制御部150は、ユーザI/F部140の色情報取部141あるいはネットワークI/F部160の色情報取得手段161を介して、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報の指定があるか否かを判断する(ステップS201)。
【0154】
そして、制御部150は、ステップS201において上記有効とする色情報の指定があると判断した場合には、当該今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報に対応する生成処理モードに従って画像処理を実施するように第2の画像処理手段120を制御し(ステップS202)、一方、ステップS201において上記有効とする色情報の指定は無いと判断した場合はステップS111へ進む。なお、ステップS202を終了した場合は、ステップS113へ進む。
【0155】
ちなみに、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報としては、「Y色、M色、C色、K色」、「Y色、M色、C色」、「K色」の3つの色情報の中の所望の色情報が指定される。指定された所望の色情報に応じて、上記第1の生成処理モード、上記第2の生成処理モードおよび上記第3の生成処理モードの何れかが採用される。
【0156】
次に、上記図10に示した処理手順の画像処理の具体例について、図11を参照して説明する。なお、図11は、画像処理の一例を説明するための図を示している。
【0157】
時点t11で、新規なK色のプロセスカートリッジ30Kが装着されたことが検知部50Kによって検知された場合、時点t11に達するまでの期間は第1の画像処理モードになっているものの、時点t11に達した後においては第1の画像処理モードから第2の画像処理モードへ切り換えられる(移行される)。
【0158】
時点t12でユーザによってデフォルトの色情報として「Y色、M色、C色」の色情報が選択されると、この時点t12で第2の画像処理モードの中の「Y色、M色、C色」に基づく画像の生成処理モード(第2の生成処理モード)となる。
【0159】
そして、時点t13でK色の色指定での印刷要求があると、第2の画像処理手段120は第2の画像処理モードであって第2の生成処理モードに従って画像処理を実施する。この場合は、K色の色指定での印刷要求であるので、Y色、M色、C色に基づく画像処理(プロセスブラック画像=モノクロ画像の生成処理)が実施される。この印刷要求に対応する第2の画像処理モードによる画像処理が終了し、画像出力装置200による画像形成処理が終了した時点t14では、第2の画像処理モードの中の第2の生成処理モード(図11では「YMC」モード)が維持されている。
【0160】
次に、時点t15で、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報としてK色が指定されると、この時点t15で第2の画像処理モードの中の「K色」に基づく画像の生成処理モード(第3の生成処理モード(図11では「K」モード))となる。
【0161】
そして、時点t16でK色の色指定での印刷要求があると、第2の画像処理手段120は第2の画像処理モードであって第3の生成処理モードに従って画像処理を実施する。この場合は、K色の色指定での印刷要求であるので、K色に基づく画像処理(モノクロ画像の生成処理)が実施される。この印刷要求に対応する第2の画像処理モードによる画像処理が終了し、画像出力装置200による画像形成処理が終了した時点t17では、第2の画像処理モードにおいて、第3の生成処理モードから第2の生成処理モード(「Y色、M色、C色」に基づく画像の生成処理モード)へ切り換えられる。つまり元の生成処理モードに復帰することになる。
【0162】
上述した図10および図11の画像処理の内容から明らかなように、第2の画像処理手段120がデフォルトの色情報(3つに分類された色情報の中の所望の色情報)に基づき、印刷対象の画像データに対する画像処理を実施するようになっている場合であっても、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報を指定することで、今回の印刷対象の画像データについては、デフォルトの色情報に制約されることなく、当該指定された有効とする色情報を基に画像処理が実施される。
【0163】
なお、本実施の形態1では、第1の画像処理手段110は、Y色、M色およびC色の3つの色に基づくカラー画像またはモノクロ画像を生成する第1の画像処理モードに従って画像処理を実施し、第2の画処理部120は、Y色、M色およびC色の3つの色および当該3つの色以外の所定の色(例えばK色、透明色)に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成するとともに当該所定の色(例えばK色、透明色)に基づく画像を生成する第2の画像処理モードに従って画像処理を実施するようになっているが、これに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0164】
画像処理装置100は、Y色、M色およびC色の3つの色に基づくカラー画像またはモノクロ画像を生成する第1の画像処理モードに従って画像処理を実施する第1の画像処理手段と、Y色、M色およびC色の3つの色および当該3つの色以外の所定の色(例えばK色、透明色)に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成する第2の画像処理モードに従って画像処理を実施する第2の画像処理手段と、3つの色以外の所定の色(例えばK色、透明色)に基づく画像を生成する第3の画像処理モードに従って画像処理を実施する第3の画像処理部と、を備える。
【0165】
そして、制御部150は、例えばK色のプロセスカートリッジ30Kが画像形成装置本体10aに未装着の場合は第1の画像処理手段に対し画像処理を実施するように制御し、一方、K色のプロセスカートリッジ30Kが画像形成装置本体10aに装着されたときは、設定されるデフォルトの色情報または今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報に応じて、第1の画像処理手段、第2の画像処理手段および第3の画像処理部の何れかの画像処理部に対し画像処理を実施するように制御する。
【0166】
また、本実施の形態1では、Y色、M色およびC色以外の所定の色としてK色(ブラック色)を採用するようにしているが、これに限定されることなく、透明色を採用してもよい。
【0167】
さらに、本実施の形態1では、K色のプロセスカートリッジ30Kが画像形成装置本体10aに装着された場合に、例えばプロセスカートリッジ30Kの装着操作を行ったユーザにデフォルトの色情報を設定させるための、色情報の選択肢(図6参照)を提示するようにしているが、これに限定されることなく、第2の画像処理手段120による画像処理が実施される旨のメッセージを、操作パネル部300の表示部301によって報知するようにしてもよい。
【0168】
次に、上述した画像形成装置10のハードウェア構成について説明する。
【0169】
図12に示すように、画像形成装置10は、上述したように画像処理装置100、画像出力装置200および操作パネル部300を備えている。
【0170】
画像処理装置100は、CPUCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)101、ハードディスクなどの記憶装置102、ROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリ)103、RAM(Random Access Memory:随時書き込み読み出しメモリ)104およびユーザI/F部140、ネットワークI/F部160を備えている。
【0171】
記憶装置102は、図4に示した制御部150、第1の画像処理手段110、第2の画像処理手段120、実行可能状態情報取得部130の各機能を実現させるためのプログラムと上述した処理手順(図8、図10参照)に対応するプログラムとを含むプログラム(画像処理プログラム)102a、印刷処理を実施するのに必要な各種のプログラムを記憶している。
【0172】
画像処理プログラム102aは、少なくとも次の(1)、(2)の処理過程を含んでいる。
【0173】
(1)イエロー色、マゼンタ色、シアン色およびこれらの色以外の所定の色のそれぞれのトナー像の形成にかかわる色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を取得する取得処理過程。
【0174】
(2)上記取得処理過程により取得された色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を基に、イエロー色、マゼンタ色およびシアン色の3つの色に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成する第1の画像処理モードと、前記3つの色および該3つの色以外の所定の色に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成するとともに当該所定の色に基づく画像を生成する第2の画像処理モードとを動的に切り換え、切り換えた後の画像処理モードに従って画像処理を実行する画像処理過程。
【0175】
ROM103は、図4に示した第1の画像処理手段110および第2の画像処理手段120が画像処理するのに必要なパラメータ例えば色変換パラメータなどを記憶している。
【0176】
RAM104は、記憶装置102から読み出された画像処理プログラム102a、ROM103から読み出されたデータ(パラメータなど)、ユーザI/F部140を介して入力された入力情報、ネットワークI/F部160を介して受信された受信データ(例えば入力画像データなど)などを記憶する。
【0177】
CPU1010は、例えば、ROM103からRAM104へ色変換パラメータなど画像処理するのに必要なパラメータを読み込むとともに、記憶装置102からRAM104へ画像処理プログラム102aを読み込んで実行することにより、制御部150、第1および第2の画像処理手段110,120の機能を実現する。
【0178】
例えば、CPU101は、後述するICタグリーダ220からの読取結果に基づき、第1の画像処理手段110または第2の画像処理手段120による画像処理を実行する。
【0179】
ネットワークI/F部160は、ネットワーク410を介して、印刷要求を行うクライアント装置400とのデータの送受信を行う。
【0180】
画像出力装置200は、色毎のプロセスカートリッジに配設されるICタグ210と、画像形成装置本体10aに配設される色毎のICタグリーダ220とを備えている。ICタグリーダ220は、ICタグ210内のメモリに記憶されている例えば色を判別できる判別情報を読み取り、この読み取り結果(色を示す情報)を画像処理装置100(のCPU101)に向けて出力する。
【0181】
クライアント装置400は、例えば、印刷対象の画像データの送信、今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報の指定指示、デフォルトの色情報の変更指示などを、ネットワーク410を介して、画像形成装置10(の画像処理装置100)に向けて送信する。
【0182】
本願明細書において、画像形成装置の画像処理装置の各機能を実現し、上記画像処理プログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する実施形態として説明したが、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0183】
すなわち、上記所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしても良い。
【0184】
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしても良い。この場合、その記録媒体に記録されたプログラムを画像形成装置がインストールした後、このプログラムをCPUが実行するようにする。このプログラムのインストール先としては、RAMやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、画像形成装置(の画像処理装置)は、必要に応じてこの記憶装置に記憶したプログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
【0185】
さらには、画像形成装置を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータ等のコンピュータと接続するようにし、当該画像形成装置(の画像処理装置)が、サーバ装置あるいはコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしても良い。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAMやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、当該画像形成装置(の画像処理装置)が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。
【0186】
(実施の形態2)
【0187】
図13は、実施の形態2に係る画像形成装置の概略構成を示している。
【0188】
最初に、画像形成装置500の全体構成について説明する。
【0189】
画像形成装置500はタンデム型のカラー画像形成装置であり、装置筐体(画像形成装置本体)521内に4つの色(本実施の形態2ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成ユニット522(具体的には522a〜522d)を縦方向に配列し、その下方には供給用の用紙524が収容される給紙カセット523を配設すると共に、各画像形成ユニット522に対応した箇所には給紙カセット523からの用紙524の搬送路となる用紙搬送路525を垂直方向に配置したものである。
【0190】
本実施の形態2において、画像形成ユニット522(522a〜522d)は、用紙搬送路525の上流側から順に、イエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用のトナー像を形成するものであり、各種プロセスユニットを組み込んだプロセスカートリッジ530と、このプロセスカートリッジ530に対して作像用の走査光を照射する露光装置540とを備えている。
【0191】
ここで、プロセスカートリッジ530は、例えば感光体ドラム(像担持体)531と、この感光体ドラム531を予め帯電する帯電ロール532と、帯電された感光体ドラム531上に露光装置540にて露光形成された静電潜像を対応する色トナー(本実施の形態2では例えば負極性)で現像する現像装置(現像手段)533と、感光体ドラム531上の廃トナーを除去するクリーニング装置534と、帯電された感光体ドラム531の表面を除電するイレーズランプ535とを一体的にカートリッジ化したものである。
【0192】
一方、露光装置540は、ケース541内に図示外の半導体レーザ、ポリゴンミラー542、結像レンズ543及びミラー544を格納し、半導体レーザからの光をポリゴンミラー542で偏向走査し、結像レンズ543、ミラー544を介して感光体ドラム531上の露光ポイントに光像を導くようにしたものである。
【0193】
更に、本実施の形態2では、各画像形成ユニット522の各感光体ドラム531に対応した箇所には用紙搬送路525に沿って循環移動する搬送ベルト553が配設されている。
【0194】
この搬送ベルト553は用紙524を静電吸着し得るベルト素材(ゴム又は樹脂)にて構成され、一対の張架ロール551,552に掛け渡されており、本実施の形態2では、上方側の張架ロール552が駆動ロール、下方側の張架ロール551が従動ロールになっている。
【0195】
更にまた、搬送ベルト553の入口部位(張架ロール551対向部位)には用紙吸着ロール554が配設されており、この用紙吸着ロール554に高電圧な吸着電圧を印加することにより、搬送ベルト553に用紙524が吸着されるようになっている。また、各画像形成ユニット522の感光体ドラム531に対応した搬送ベルト553の裏面側には転写ロール550が配設されており、この転写ロール550により感光体ドラム531と搬送ベルト553上の用紙524とを更に密着させるようになっている。そして、転写ロール550と感光体ドラム531との間には転写バイアス電源による所定の転写バイアスが適宜印加されるようになっている。
【0196】
また、本実施の形態2では、給紙カセット523の近傍には、用紙524を所定のタイミングで送出するピックアップロール561が設けられており、搬送ロール562及びレジストレーションロール563を介して転写位置へと送り込むようになっている。
【0197】
更に、最下流画像形成ユニット522dの下流側に位置する用紙搬送路525には定着装置564が設けられると共に、この定着装置564の下流側には用紙排出用の排出ロール566が設けられており、装置筐体521の上部に形成された収容トレイ567に排出用紙が収容されるようになっている。
【0198】
尚、図13中、符号580は高圧用の装置デバイスに高電圧を供給する高圧電源を示し、符号581は低圧用の装置デバイスに低電圧を供給する低圧電源を示す。
【0199】
このような、画像形成装置の作像プロセスは以下の通りである。
【0200】
今、図13に示すように、各画像形成ユニット522(522a〜522d)では、感光体ドラム531が帯電ロール532により帯電され、露光装置540により感光体ドラム531上に潜像が形成された後に、現像装置533により可視像(トナー像)が形成される。
【0201】
一方、給紙カセット523からの用紙524はピックアップロール561にて所定のタイミングで繰り出され、搬送ロール562及びレジストレーションロール563を介して搬送ベルト553の吸着位置へと送り込まれ、搬送ベルト553に吸着された状態で転写位置へと送り込まれるようになっている。
【0202】
そして、各画像形成ユニット522における感光体ドラム531上のトナー像は転写ロール550により用紙524に夫々転写され、定着装置564にて用紙524上の各色成分未定着トナー像が定着された後、定着済みの用紙524は収容トレイ567へ排出される。
【0203】
なお、図13中、符号590はフロントカバーを示している。このフロントカバー590は、図2に示した実施の形態1のフロントカバー25の場合と同様に、画像形成装置500の装置筐体(画像形成装置本体)521の下端に設けた回動支点(図示せず)を中心に回動可能になっている。
【0204】
次に、プロセスカートリッジの概要について説明する。
【0205】
また、本実施の形態2で用いられるプロセスカートリッジ530の詳細を図14に示す。
【0206】
同図において、プロセスカートリッジ530は、感光体ドラム531、帯電ロール532、現像装置533の一部、クリーニング装置534のほかに、クリーニング処理前に感光体ドラム531を除電するデバイスとしてのイレーズランプ535が含まれる感光体カートリッジ530aと、この感光体カートリッジ530aの下方側に前記感光体カートリッジ530aに対して揺動自在で且つ位置決めされた状態で設けられると共に現像装置533の主要部が含まれる現像カートリッジ530bとを備えている。
【0207】
特に、本実施の形態2では、現像装置533は、感光体ドラム531に対向し且つ感光体ドラム531上の静電潜像をトナー及びキャリアからなる現像剤Gにて可視像化する現像ユニット600と、この現像ユニット600に対してトナーTを補給するトナー補給ユニット610,620(本実施の形態2では、メイントナー補給ユニット610、サブトナー補給ユニット620との分離型を採用)とを備えている。
【0208】
そして、感光体カートリッジ530aはクリーニング装置534をユニット化したクリーニングユニット700とサブトナー補給ユニット620とを横方向に一体化した構成になっており、また、現像カートリッジ530bは現像ユニット600とメイントナー補給ユニット610とを横方向に一体化した構成になっている。
【0209】
更に、本実施の形態2では、現像カートリッジ530bは装置筐体521に位置決め固定された感光体カートリッジ530aに対し現像ユニット600部位にピボット軸530cにて揺動自在に設けられており、感光体カートリッジ530aと現像カートリッジ530bとの間には露光装置540からの走査光が通過可能な走査用通路635が確保され、この走査用通路635の入口付近の各パーツカートリッジ530a,530bの両側には弾性部材からなるスペーサ630が介在され、感光体カートリッジ530aに対して現像カートリッジ530bを加圧付勢するようになっている。尚、スペーサ630に代えて、あるいは、加えて付勢スプリング等の付勢要素を用いるようにしてもよいことは勿論である。
【0210】
また、本実施の形態2では、感光体カートリッジ530aのサブトナー補給ユニット620には、図14及び図15(a),(b)に示すように、感光体ドラム531の軸方向に直交する方向に延びる例えば一対の支持突起641が設けられている。
【0211】
そして、装置筐体521のカートリッジ受部(図示せず)にプロセスカートリッジ530を装着した時に、感光体ドラム531の支持軸の両端が、カートリッジ受部に設けられた図示外の固定受け部材により所定位置に固定されると共に、前記支持軸に対して回転自在な感光体ドラム531の片端に配設された駆動伝達部材(駆動伝達ギア)が、カートリッジ受部に設けられた図示外の駆動系に連結係合する。また、前記一対の支持突起641がカートリッジ受部の被係合部(凹部や孔等)に係合し、感光体カートリッジ530aが装置筐体521に位置決め固定されるようになっている。ここで、装置筐体51のカートリッジ受部はプロセスカートリッジ530を収容保持できるものであればよく、筐体フレーム自体を用いて構成してもよいし、筐体フレームに別部材を設けて構成してもよい。
【0212】
特に、本実施の形態2にあっては、支持突起641は、感光体ドラム531から離れたユニット外壁に設けられると共に、感光体ドラム531の軸方向と異なる方向に対して位置決めされていることから、感光体カートリッジ530aを安定支持することができる。そしてまた、支持突起641は一対設けられ、感光体カートリッジ530aの支持点を四つとし、各支持点でのプロセスカートリッジ530の重量負担を少なくし、また、プロセスカートリッジ530のねじれ変形も矯正するようになっている。
【0213】
尚、図15中、符号642はプロセスカートリッジ530を着脱操作する際の把持アームである。
【0214】
続いて、現像装置について説明する。
【0215】
本実施の形態2で用いられる現像装置533を構成する各ユニット600,610,620について説明する。
【0216】
(a)現像ユニットについて
【0217】
本実施の形態2において、現像ユニット600は、図14〜図16に示すように、二成分現像方式を採用したものであって、感光体ドラム531の下方側には感光体ドラム531側に開口する現像ハウジング601を有し、この現像ハウジング601内をトナー及びキャリアからなる現像剤Gが収容可能な現像剤収容室602として構成すると共に、現像ハウジング601の開口に面した部位に現像剤担持用の現像ロール603を配設したものである。そして、この現像ユニット600は、現像ロール603の軸方向に沿って延びる仕切り壁606にて現像剤収容室602を二分すると共に、この仕切り壁606の長手方向両端に連通口607,608を開設することにより、現像剤収容室602に現像剤循環経路を構成し、この現像剤循環経路には現像ロール603の軸方向に沿って一対の撹拌搬送オーガー604,605を配設し、現像剤循環経路内の現像剤Gを撹拌しながら搬送するようになっている。
【0218】
尚、本実施の形態2では、現像ロール603寄りの撹拌搬送オーガー605が現像ロール603への現像剤供給機能を兼用しているが、撹拌搬送オーガー605とは別に現像剤供給部材(ロールやパドル等)を付加してもよいことは勿論である。また、現像ロール603の周囲には現像剤層厚を規制するトリミング部材や未使用現像剤を回収する回収部材などが必要に応じて設けられる。
【0219】
(b)メイントナー補給ユニットについて
【0220】
また、メイントナー補給ユニット610は、図14〜図16に示すように、現像ユニット600の現像ハウジング601の奥側隔壁を一部兼用するメイン補給ハウジング611を有し、このメイン補給ハウジング611内を補給用トナーTが補給可能に収容されるトナー補給室として構成するようになっている。
【0221】
特に、本実施の形態2では、トナー補給室は、補給用トナーTが収容されるトナー収容室(トナー収容手段)612と、このトナー収容室612と連通し且つ現像ユニット600に対してトナーTを定量的に補給するディスペンス室613とに分かれている。ここで、ディスペンス室613は現像ハウジング601の奥側隔壁601aの下部寄りに厚肉部601bを設け、この厚肉部601b内に現像ロール603の軸方向に沿って延びる断面略円形の長尺通路(トンネル状通路)として構成されている。
【0222】
そして、厚肉部601bの長手方向奥側のうちトナー収容室612に面した部位にはディスペンス入口開口614が開設されると共に、厚肉部601bのうちディスペンス室613に面した部位で前記ディスペンス入口開口614とは長手方向反対側にはトナー供給口615が開設されている。
【0223】
更に、トナー収容室612内には補給用トナーTを撹拌搬送するためのアジテータ616と、このアジテータ616にて撹拌搬送されたトナーTをディスペンス室613のディスペンス入口開口614に向けて撹拌搬送するアジテータ617とが配設されている。
【0224】
ここで、アジテータ616,617としては、回転ロッドにPETフィルム等のアジテートフィルムを付した態様、更にはアジテートフィルムに適宜切り込みを設けてトナー搬送方向を調整する態様、あるいは、撹拌搬送コイルスプリングなどが用いられる。尚、図16においては、アジテータ604,605の形態は模式的に示されている。
【0225】
一方、ディスペンス室613には長手方向に沿ってディスペンスオーガー618が配設されている。特に、本実施の形態2では、ディスペンスオーガー618は現像ユニット600内の撹拌搬送オーガー604,605と略同径かそれ以下の螺旋羽根を備えたものになっており、更に、ディスペンスオーガー618のピッチが撹拌搬送オーガー604,605のピッチ以下に設定されている。
【0226】
また、本実施の形態2では、トナー供給口615は、その下端が現像剤収容室602に収容される現像剤Gの表面位置より下方に位置するように開口している。すなわち、トナー供給口615は現像剤収容室602の現像剤Gの表面位置から少なくとも埋もれていればよく、現像剤収容室602の現像剤堆積部に補給用トナーTを横から供給可能とし、補給用トナーTの現像剤Gへの混合性を確保するようになっている。
【0227】
この場合、ディスペンス室613からの補給用トナーTがトナー供給口615から押し出される押圧力が現像剤収容室602の現像剤Gによる内圧よりも大きいものであれば、トナー供給口615が現像剤G表面よりも下方に面していても、補給用トナーTは安定的に供給できる。
【0228】
特に、トナー供給口615の下端が撹拌搬送オーガー604の回転中心より下方に設定されていれば、撹拌搬送オーガー604の回転中心より下方からトナーTが補給されるので、補給されたトナーTが撹拌搬送オーガー604に巻き込まれ、速やかに現像剤Gと撹拌混合される。
【0229】
また、ディスペンス入口開口614については適宜開設して差し支えないが、ディスペンス室613内でのトナー内圧を充分に上げるという観点からすれば、ディスペンス入口開口614はトナー供給口615よりも広い方が良く、また、ディスペンス室613の補給用トナーTの搬送長がディスペンス入口開口614よりも充分に長い方が良い。
【0230】
更に、ディスペンスオーガー618の径寸法や羽根ピッチ、回転数などについては、ディスペンスオーガー618によるトナーの搬送力に基づくトナー内圧がトナー供給口615にかかる現像剤収容室602内の現像剤Gの内圧(撹拌搬送オーガー604の搬送力に依存)に比べて大きくなるように選定されている。
【0231】
このとき、本実施の形態2では、ディスペンスオーガー618と撹拌搬送オーガー604,605の径寸法は略同径であるが、例えばディスペンスオーガー618の径寸法を撹拌搬送オーガー604,605の径寸法より小さくすることにより、より安定した供給が可能になる。
【0232】
更に、トナー収容室612の容量については、ディスペンス室613の容量、あるいは、ディスペンス室613と現像剤収容室602との合計容量よりもトナー収容室612の容量を大きくすれば、トナー供給が安定する上で好ましい。尚、ここでいう容量は、夫々トナーの収容量あるいは現像剤の収容量を意味する。
【0233】
更にまた、本実施の形態2では、アジテータ616,617の回転中心はディスペンスオーガー618及び撹拌搬送オーガー604,605よりも上方に位置するように配置されている。
【0234】
このため、トナー収容室112からディスペンス室613、現像剤収容室602までトナーTを持ち上げる必要がないため、ディスペンス室613でのトナー内圧を効果的に上げることができ、ディスペンス室613でのトナー内圧を損なうことなく、現像剤収容室602へのトナー補給をスムースに行うことができる。
【0235】
(c)サブトナー補給ユニットについて
【0236】
また、本実施の形態2において、サブトナー補給ユニット120は、図14に示すように、クリーニングユニット700の背面側に隣接するサブ補給ハウジング621を有し、このサブ補給ハウジング621内を補給用トナーTが補給可能に収容されるトナー補給室622として構成するようになっている。
【0237】
そして、トナー補給室622内には補給用トナーTを撹拌搬送するための一対のアジテータ623,624が配設されている。
【0238】
ここで、サブトナー補給ユニット620とメイントナー補給ユニット610との連通構造としては、図17に示すように、弾性部材からなるスペーサ630に連通路(トナー供給路)631を形成したものが用いられる。本実施の形態2では、スペーサ630は各ユニット610,620間の両側二箇所に設けられ、夫々にトナー供給路631を形成しているが、例えばいずれか一方のスペーサ630にのみトナー供給路631を形成してもよいし、あるいは、片側一箇所にスペーサ630を設け、このスペーサ630にトナー供給路631を形成しても差し支えない。
【0239】
尚、本実施の形態2では、このサブトナー補給ユニット620は、図17に仮想線で示すように、未使用時にはトナー供給路631との連結部位を使用時に開放可能なシール部材625で塞ぐことが好ましい。この場合、プロセスカートリッジ530未使用時(例えば輸送時)にサブトナー補給ユニット620内のトナーがトナー供給路631に入り込み、目詰まりを起こす懸念がないばかりか、サブトナー補給ユニット620内のトナーがメイントナー補給ユニット610側に偏って充填され、メイントナー補給ユニット610内のトナーの充填密度が不必要に高くなってしまう事態を有効に回避することができる。
【0240】
そして、本実施の形態2では、メイントナー補給ユニット110から現像ユニット600に所定量のトナーTが補給されると、これと同時に、サブトナー補給ユニット620内のトナーTがメイントナー補給ユニット610に補充されるようになっている。このため、メイントナー補給ユニット610内にはサブトナー補給ユニット620が空になるまで略一定のトナーTが充填されることになり、現像カートリッジ530bの重量変化は少なく抑えられる。
【0241】
このとき、感光体カートリッジ530aは装置筐体521のカートリッジ受部に対して位置決め固定されているため、サブトナー補給ユニット620のトナー収容量変化は現像カートリッジ530bの重量変化には何等影響しない。
【0242】
よって、サブトナー補給ユニット620が空になるまでは感光体カートリッジ530aに対する現像カートリッジ530bの加圧付勢力の変動は抑えられ、その分、画像乱れを有効に防止することが可能である。
【0243】
更に、感光体カートリッジ530aが装置筐体521に位置決め固定されていることから、少なくとも走査用通路635を形成する感光体カートリッジ530aの下側面位置が変化することはなく、その分、感光体カートリッジ530aに揺動支持されている現像カートリッジ530bの位置が変動したとしても、走査用通路635が遮られる虞れは少ない。
【0244】
最後に、クリーニング装置について説明する。
【0245】
本実施の形態2において、クリーニング装置534は、図18に示すように、感光体カートリッジ530aにクリーニングユニット700として組み込まれている。
【0246】
このクリーニングユニット700は感光体ドラム531に対向して開口するクリーニングハウジング701を有し、このクリーニングハウジング701内を廃トナーが収容可能な廃トナー収容室(使用済トナー収容手段)703として構成すると共に、クリーニングハウジング701の上壁701aを感光体ドラム531側に向けて庇状に延ばしたものである。
【0247】
そして、このクリーニングハウジング701の開口下縁部701bにはクリーニングブレード710が配設されており、このクリーニングブレード710はクリーニングハウジング701の開口下縁部701b及び上壁701a両側から垂下した側壁部(図示せず)に略L字状のブレードホルダ712を取付け、このブレードホルダ712の先端部外側にウレタンゴム等の弾性体からなるブレード本体711を取付け、このブレード本体711の先端を感光体ドラム531の回転方向(図18では反時計回り方向)に対向するように弾接させたものである。
【0248】
一方、クリーニングハウジング701の開口上縁部(本実施の形態2では上壁701a先端近傍)にはポリウレタンなどのフィルムシール715が設けられ、このフィルムシール715の先端部が感光体ドラム531の回転方向に沿って弾接し、クリーニングブレード710によって回収された廃トナーの飛散を防止するようになっている。
【0249】
本実施の形態2において、クリーニングブレード710のクリーニングハウジング701への取付部以外の部分はクリーニングハウジング701の上壁701aの庇状部分と略平行に配置されており、クリーニングブレード710で掻き取った廃トナーを一時的に溜める廃トナー溜まり部713(本例ではブレードホルダ212内面が相当)として構成される。特に、本例では、廃トナー溜まり部713は廃トナー収容室703に向かって下り勾配になっており、廃トナーTdの搬送性を向上させることが可能である。
【0250】
尚、本実施の形態2では、廃トナー溜まり部713はクリーニングブレード710のみで構成されているが、クリーニングブレード710のみならずクリーニングハウジング701の一部をも用いて構成するようにしてもよい。
【0251】
また、このクリーニングハウジング701とクリーニングブレード710との間には感光体ドラム571に対して凹所となるスペースが確保されるため、この凹所を利用して帯電ロール532が配設されている。
【0252】
尚、クリーニングハウジング701の上壁701aの先端にはイレーズランプ535の保持ブロック702が設けられている。
【0253】
更に、本実施の形態2において、クリーニングハウジング701内には、クリーニングブレード710で掻き取った廃トナーTdを廃トナー収容室703側に搬送する廃トナー搬送部材720が設けられている。
【0254】
この廃トナー搬送部材720は、廃トナー収容室703から廃トナー溜まり部713との間に跨る部材要素としての搬送プレート721を有し、この搬送プレート721の廃トナー収容室703側端部には外部からの駆動力が入力可能な駆動入力部722を設けると共に、搬送プレート721の感光体ドラム531側端部には廃トナー溜まり部713と接触可能な突出部723を設けたものである。
【0255】
ここで、搬送プレート721は板状のままでも差し支えないが、軽量化及び上面部への廃トナーTdの堆積などを有効に回避するという観点からすれば、搬送プレート721の突出部723及び駆動入力部722以外の部位に開口724を形成することが好ましい。また、突出部723の形成箇所については搬送プレート721の端部である必要は必ずしもなく、端部から離れた部位でもよいし、また、突出部723の数についても少なくとも一つあればよいが、複数設けても差し支えない。更に、突出部723の形成法については、搬送プレート721の先端部を折り曲げて形成したり、あるいは、搬送プレート721の一部に突出部723を一体的若しくは別体にて形成する等適宜選定して差し支えない。
【0256】
尚、廃トナー搬送部材720の部材要素としては、必ずしも搬送プレート721である必要はなく、例えば枠フレーム構造のものなどを用いてもよいことは勿論である。
【0257】
そして、本実施の形態2では、例えば図18に示すように、廃トナー搬送部材720の駆動入力部722には回転軌跡状の駆動力が入力されるようになっており、この回転軌跡状の駆動力は例えば回転駆動機構730の一種であるクランク軸731を回転中心として回転駆動させることにより容易に得られるものである。
【0258】
更に、本実施の形態2では、廃トナー搬送部材720には廃トナー搬送部材720の移動姿勢を規制するための姿勢規制機構740が付設されている。
【0259】
本実施の形態2において、姿勢規制機構740は、廃トナー搬送部材720の突出部723側に一端が係合し且つ他端がクリーニングハウジング701の一部に係合する付勢スプリング741にて構成され、駆動入力部722から離間する方向に向かって廃トナー搬送部材720を付勢するものである。
【0260】
(実施の形態3)
【0261】
図19は、実施の形態3に係る画像形成装置を説明する図を示している。
【0262】
図19に示す画像形成装置500は、図13に示した実施の形態2の画像形成装置500の構成において、ブラック色用の画像形成ユニット522dをブラック色用の画像形成ユニット800に変更し、4つの色の画像形成ユニットの配置を変更した構成になっている。
【0263】
4つの色の画像形成ユニットは、用紙搬送路525の上流側から順に、イエロー色用のトナー像を形成する画像形成ユニット522a、ブラック色用のトナー像を形成する画像形成ユニット800、マゼンタ色用のトナー像を形成する画像形成ユニット522b、シアン色用のトナー像を形成する画像形成ユニット522cが、略垂直方向に配置されている。
【0264】
ここで、画像形成ユニットは、実施の形態2で説明したようにプロセスカートリッジ530と露光装置540とを備えたものであるので、この実施の形態3では、イエロー色用のプロセスカートリッジをプロセスカートリッジ530Yとし、ブラック色用のプロセスカートリッジをプロセスカートリッジ800Kとし、マゼンタ色用のプロセスカートリッジをプロセスカートリッジ530Mとし、シアン色用のプロセスカートリッジをプロセスカートリッジ530Cとする。
【0265】
実施の形態3では、図19および図20に示すように、オプション品として提供されるプロセスカートリッジ800Kが装置筐体(画像形成装置本体)521に装着された場合、当該プロセスカートリッジ800Kのサブ補給ハウジング621内のトナー補給室(トナー収容手段)622およびクリーニングハウジング701内の廃トナー収容室(使用済トナー収容手段)703は、マゼンタ色用のプロセスカートリッジ530Mに対し、当該プロセスカートリッジ530Mの感光体ドラム531の長手方向での水平方向に延長した領域と少なくとも一部がオーバーラップする構造になっている。
【0266】
なお、図19および図20において、符号810はトナー補給室622の増加部分を示し、符号820は廃トナー収容室703の増加部分を示す。
【0267】
すなわち、ブラック色用のプロセスカートリッジ800Kは、図21に示すように、長手方向の長さ(幅)がW2、奥行きがD1、最大の高さが「H1+Δh1」になっている。ちなみに、実施の形態2のブラック色用のプロセスカートリッジは、長手方向の長さ(幅)がW1、奥行きがD1、高さがH1になっている。
【0268】
サブ補給ハウジング621内のトナー補給室622の増加部分810は、図21に示すように、幅Δwと高さH1と奥行きD2とで形成される増加部分622aと、幅Δwと高さΔh1と奥行きD2とで形成され増加部分622bとで形成されている。つまり、増加部分810は、幅Δwと高さ「H1+Δh1」と奥行きD2とで形成される部分である。
【0269】
なお、プロセスカートリッジ800Kが装置筐体(画像形成装置本体)521に装着された場合、増加部分810の一部である増加部分622bの全部または一部は、マゼンタ色用のプロセスカートリッジ530Mの感光体ドラム531の長手方向での水平方向に延長した領域とオーバーラップする。
【0270】
また、クリーニングハウジング701つまり廃トナー収容室703の増加部分820は、図21に示すように、幅Δwと高さH1と奥行きD3とで形成される増加部分703aと、幅Δwと高さΔh2と奥行きD3とで形成される増加部分703bとで形成されている。つまり、増加部分820は、幅Δwと高さ「H1+Δh2」と奥行きD3とで形成される部分である。
【0271】
なお、プロセスカートリッジ800Kが装置筐体(画像形成装置本体)521に装着された場合、増加部分820の一部である増加部分703bの全部または一部は、マゼンタ色用のプロセスカートリッジ530Mの感光体ドラム531の長手方向での水平方向に延長した領域とオーバーラップする。
【0272】
なお、プロセスカートリッジ800Kを装置筐体(画像形成装置本体)521に装着した場合、プロセスカートリッジ800Kの長手方向の長さが、他の色用のプロセスカートリッジの長手方向の長さよりもΔwだけ長くなっているので、サイドカバー910(図20中点線で示される部分)を取り外し、このサイドカバー910に代替してサイドカバー920(図20中実践で示される部分)を取り付けるようになっている。
【0273】
これは、例えば、形態、大きさに応じてプロセスカートリッジ800Kをオプション品として提供してユーザが交換しても良く、またオプション品として提供する会社のサービス要員(従業員)が、プロセスカートリッジ800Kとともにサイドカバー920をユーザを訪問して交換しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0274】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置、およびその画像形成装置を構成する画像処理装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0275】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置のフロントカバーを開状態にした様子を示す図である。
【図3】実施の形態1に係るプロセスカートリッジの装着開口部への装着を説明する図である。
【図4】実施の形態1に係る画像形成装置の制御系の機能構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1に係る報知媒体および検知部を示す構成図である。
【図6】実施の形態1に係る操作パネル部、色情報提示手段、色情報選択手段および色情報変更手段を説明する図である。
【図7】実施の形態1に係る色情報提示手段の他の例を説明する図である。
【図8】実施の形態1に係る画像形成装置の制御系による画像処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1に係る画像形成装置の制御系による画像処理の具体例を説明する図である。
【図10】実施の形態1に係る画像形成装置の制御系による他の画像処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1に係る画像形成装置の制御系による他の画像処理の具体例を説明する図である。
【図12】実施の形態1に係る画像形成装置のハードウェア構成を示す構成図である。
【図13】実施の形態2に係る画像形成装置の概略構成を示す構成図である。
【図14】実施の形態2に係るプロセスカートリッジを示す断面図である。
【図15】実施の形態2に係るプロセスカートリッジを示す斜視図である。
【図16】実施の形態2に係る現像カートリッジの図14中V−V一部破断説明図である。
【図17】実施の形態2に係るメイントナー補給ユニットとサブトナー補給ユニットとの連通構造例を示す図である。
【図18】実施の形態2に係るクリーニング装置の要部を説明する図である。
【図19】実施の形態3に係る画像形成装置の概略構成を示す構成図である。
【図20】実施の形態3に係る画像形成装置のブラック色用のプロセスカートリッジおよびサイドカバーを説明する図である。
【図21】実施の形態3に係る画像形成装置のブラック色用のプロセスカートリッジの概略を説明する図である。
【符号の説明】
【0276】
10,500 画像形成装置
10a 画像形成装置本体
10b 装着開口部
25,590 フロントカバー
25b 開口部
30Y イエロー色用のプロセスカートリッジ
30M マゼンタ色用のプロセスカートリッジ
30C シアン色用のプロセスカートリッジ
30K,800K ブラック色のプロセスカートリッジ
40,40Y,40M,40C,40K 報知媒体
41 記憶部
42 第1の通信部
50,50Y,50M,50C,50K 検知部
51 第2の通信部
52 確定部
100 画像処理装置
101 CPU(中央演算処理装置)
102 記憶部装置
103 ROM(読み出し専用メモリ)
104 RAM(随時書き込み読み出しメモリ)
110 第1の画像処理手段
120 第2の画像処理手段
130 実行可能状態情報取得部
140 ユーザI/F部
141,161 色情報取得手段
150 制御部
160 ネットワークI/F部
200 画像出力装置
210 ICタグ
220 ICタグリーダ
300 操作パネル部
301 表示部
302 操作キー部
303 デフォルト色情報変更キー
304 色情報指定操作キー
310,340 色情報提示手段
320 色情報選択手段
330 色情報変更手段
622 トナー補給室
703 廃トナー収容室
810 トナー補給室の増加部分増加部分
820 廃トナー収容室の増加部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イエロー色、マゼンタ色、およびシアン色の3つの色に基づくカラー画像を生成する第1の画像処理モードと、前記3つの色および当該3つの色以外の所定の色に基づくカラー画像を生成若しくは当該所定の色に基づく画像を生成する第2の画像処理モードとを適宜切り換え、切り換えた後の画像処理モードに従って画像処理を実行する画像処理部、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記3つの色および前記所定の色のそれぞれのトナー像の形成にかかわる色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を取得する取得部、を更に備え、
前記画像処理部は、
前記第1の画像処理モードに従って画像処理を実行する第1の画像処理部と、
前記第2の画像処理モードに従って画像処理を実行する第2の画像処理部と、
を備え、
前記取得部が取得した色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を基に、前記第1の画像処理部または前記第2の画像処理部による画像処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の画像処理部は、
前記3つの色および前記所定の色としてのブラック色に対応する画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報が前記取得部によって取得されたときは、前記3つの色および前記ブラック色に基づくカラー画像を生成するとともに前記ブラック色に基づくモノクロ画像を生成する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2の画像処理部は、
前記3つの色および前記所定の色としてのブラック色以外の色に対応する画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報が前記取得部によって取得されたときは、前記3つの色および前記ブラック色以外の色に基づくカラー画像を生成するとともに前記ブラック色以外の色に基づく画像を生成する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像形成装置本体に着脱自在に装着され、イエロー色、マゼンタ色、およびシアン色の3つの色のそれぞれのトナー像を形成する第1の画像形成部と、
画像形成装置本体に設けられ、前記3つの色以外の所定の色のトナー像を形成する第2の画像形成手段が着脱自在に装着される被装着部と、
前記3つの色に基づくカラー画像を生成する第1の画像処理部と、
前記3つの色および前記所定の色に基づくカラー画像を生成若しくは前記所定の色に基づく画像を生成する第2の画像処理部と、
前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着されたか否かに応じて前記第1の画像処理部または前記第2の画像処理部に対し画像の生成処理を実行させる制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記第2の画像処理部は、
前記所定の色としてのブラック色のトナー像を形成する前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された場合に、前記3つの色およびブラック色に基づくカラー画像を生成するとともに前記ブラック色に基づく画像を生成する、
ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の画像処理部は、
前記所定の色としてのブラック色以外の色のトナー像を形成する前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された場合に、前記3つの色および前記ブラック色以外の色に基づくカラー画像を生成するとともに前記ブラック色以外の色に基づく画像を生成する、
ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着されたことを検知する検知手段と、
前記検知手段によって前記第2の画像形成手段が装着されたことが検知されたときは、前記第2の画像処理部による画像の生成処理の基礎とする色として前記3つの色と前記所定の色とを含む複数の色、前記3つの色、および前記所定の色の3つに分類された色情報が提示される色情報提示部と、
前記色情報提示部によって提示された3つに分類された色情報の中から所定の色情報を選択させる色情報選択部と、
を更に備え、
前記制御手段は、
前記第2の画像処理部に対し、前記色情報選択部によって選択された色情報に基づく画像の生成処理を実施するように制御する、
ことを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された後の任意のタイミングで、前記所定の色情報を変更させる色情報変更部、を更に備え、
前記制御手段は、
前記第2の画像処理部に対し、前記色情報変更部によって変更された変更後の色情報に基づく画像の生成処理を実施するように制御する、
ことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
今回の印刷対象の画像データのみにおいて有効とする色情報として指定された前記3つに分類された色情報の中の所定の色情報を取得する色情報取得部、を更に備え、
前記制御手段は、
前記第2の画像処理部に対し、前記印刷対象の画像データに関しては、前記第2の画像処理部による画像の生成処理の基礎とする色として選択された色情報に基づく画像処理を実施せずに、前記色情報取得部によって取得された所定の色情報に基づく画像処理を実施するように制御する、
ことを特徴とする請求項8または9記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着されたことを検知する検知手段、
を更に備え、
前記制御手段は、
前記検知手段による検知の結果が、前記第2の画像形成手段が未装着である旨の場合には前記第1の画像処理部に対し画像処理を実施するように指示し、前記第2の画像形成手段が装着された旨の場合は前記第2の画像処理部に対し画像処理を実施するように制御する、
ことを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御手段は、
前記検知手段による検知の結果が前記第2の画像形成手段が未装着である旨から前記第2の画像形成手段が装着された旨に変移したときは、前記第2の画像処理部による画像処理が実施される旨をユーザに対し報知するとともに、
前記変移してから前記検知手段による検知の結果が前記第2の画像形成手段は未装着である旨に変移するまでについては、前記第2の画像処理部に対し画像処理を実施するように制御する、
ことを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第2の画像形成手段は、
当該第2の画像形成手段を識別する識別情報を報知する報知媒体、を備え、
前記検知手段は、
前記報知媒体によって報知される識別情報を基に、前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着されたことを検知する、
ことを特徴とする請求項5〜12の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第2の画像形成手段の前記報知媒体は、
前記識別情報を記憶する記憶手段と、
外部との無線或いは有線による通信により前記記憶手段に記憶されている識別情報を送信する第1の通信手段と、
を備え、
前記検知手段は、
前記第1の通信手段との無線或いは有線による通信により前記識別情報を受信する第2の通信手段と、
前記第2の通信手段が前記識別情報を受信したときは、前記第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された状態であると確定する確定手段と、
を備える、
ことを特徴とする請求項13記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記記憶手段には、
前記第2の画像形成手段の現像にかかわる色材の色を判別するための判別情報が記憶されている、
ことを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記第2の画像形成手段は、
静電潜像が形成される像担持体と、
前記静電潜像を前記3つの色以外の所定の色のトナーにより現像する現像手段と、
を有することを特徴とする請求項5〜15の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記第2の画像形成手段は、
前記所定のトナーを収容するトナー収容手段と、
前記現像手段に残留するトナーが除去された後の使用済みのトナーを収容する使用済トナー収容手段と、
を更に備え、
前記トナー収容手段および前記使用済トナー収容手段のうち少なくとも一方の収容手段は、
当該第2の画像形成手段が前記被装着部に装着された場合に、前記画像形成装置本体に装着される前記第1の画像形成部に対し、当該第1の画像形成部に設けられる像担持体の長手方向での水平方向に延長した領域と少なくとも一部が重ねられた構造である、
ことを特徴とする請求項16記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記第2の画像形成手段は、
画像形成装置本体に形成される開口部を覆う開閉可能なカバーを開状態とすることで、当該画像形成装置本体に設けられた前記被装着部に着脱自在に装着される、
ことを特徴とする請求項5〜17の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
イエロー色、マゼンタ色、シアン色、およびこれらの色以外の所定の色のそれぞれのトナー像の形成にかかわる色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を取得する取得処理過程と、
前記取得処理過程により取得された色毎の画像形成処理に関する実行可能状態を示す情報を基に、イエロー色、マゼンタ色、およびシアン色の3つの色に基づくカラー画像とモノクロ画像とを生成する第1の画像処理モードと、前記3つの色および該3つの色以外の所定の色に基づくカラー画像を生成若しくは当該所定の色に基づく画像を生成する第2の画像処理モードとを適宜切り換え、切り換えた後の画像処理モードに従って画像処理を実行する画像処理過程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−77063(P2009−77063A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242837(P2007−242837)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】