説明

画像処理装置及びその色再現評価方法

【課題】 観察環境光に応じた評価基準に基づいて、画像の好ましい色再現を実現する色再現評価を行う。
【解決手段】 入力色信号を出力色信号へと変換する色変換による色再現性を評価する画像処理装置において、再現範囲のハイライト領域における色度変化を、閾値を用いて比較した結果に基づいて前記色再現性を評価する。そして、評価対象色における評価基準である目標再現色又は再現範囲が、出力画像を観察する観察環境光の条件に応じて獲得した値である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力されたカラー画像信号を色補正処理して出力する際に、再現された色を評価する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力カラー画像信号を出力機器の画像信号に変換する方法では、画像を好ましく出力する写真調色補正があり、なかでも記憶色と呼ばれる肌色や空の色、草の緑について好ましい色再現を行うことが重要視されている。
【0003】
更に、上述の写真調再現やモニタマッチ再現のような様々な画像出力モードにおいて、グレイラインの色再現については、厳密な色再現を行う必要がある。これは、出力媒体の白色からグレイ色度に変化する際の色の変化について、均等色空間座標上における色差値の僅かな違いであっても、色がずれて見えるためである。
【0004】
そこで、上記従来の技術では、色変換プロファイルを作成するための色空間写像処理において、グレイラインの色再現評価を行い、評価結果が合格となるようにグレイラインの写像色を決定している。
【0005】
また、出力画像を観察する観察環境における光によって色の見えが異なることが知られている。これは、出力色自体の分光分布波長と、観察環境における光源の色温度や波長の種類によって異なる観察環境の分光分布波長とを掛け合わせた分光波長を人間が観察するため、同じ出力色であっても、その見えが異なって見えるためである。
【0006】
しかし、従来の色変換処理に用いられる均等色空間は、D50やD60といった特定の光源下での色の見えを基準としており、入力色空間と出力色空間との間における写像処理が行われている。
【0007】
また、観察環境下での色の見えの違いに対応した均等色空間にCIECAM02(JCh色空間)などがある。
【0008】
例えば、特許文献1には、グレイ重心の再現色について目標色設定、及び明度に対する色度変化量に基づく傾き量について閾値を設定し、グレイラインの色再現を評価することが開示されている。
【0009】
特許文献2には、CIECAM02に代表される観察環境光下の見えの影響を考慮した均等色空間上において、環境光の違いに対して共通のグレイライン目標を設定し、出力画像におけるグレイラインとの色差に基づく評価を実施することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3833170号公報
【特許文献2】特開2006-197366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1では、グレイ重心の再現色について評価や目標色設定、及びハイライト部の傾きについて閾値を設定しているが、環境光下におけるハイライト間の色度変化に着目した評価は行っていない。
【0012】
そのため、観察環境光の異なる条件において、デバイス白色の色度座標が異なる場合、色度ハイライト部の再現において環境光との間で共通の閾値を用いた傾き評価では、実際の色飛び、色曲がりが発生しても正確な判定ができない。
【0013】
また、ハイライト部の傾きが上記特許文献1における閾値を超えた場合であっても、グレイラインにおける明度カーブの設定値によっては、色度変化の大きさが変化し、十分に許容できる結果となる。
【0014】
また、特許文献2では、CIECAM02に代表される観察環境光下の見えの影響を考慮した均等色空間上において、環境光の違いに対して共通のグレイライン目標を設定し、出力画像におけるグレイラインとの色差に基づく評価を実施している。
【0015】
しかしながら、観察環境光の異なる条件において、デバイス白色の色度座標が異なる場合において、色差のみを用いて評価を行うと、白色点の色度座標が離れている場合、目標グレイラインに対する色変化が急峻であるほど色差が小さく高評価となる。しかし、好ましいグレイラインの変化からすると急峻な色変化は好ましいグレイ再現とならない。
【0016】
本発明は、観察環境光に応じた評価基準に基づいて、画像の好ましい色再現を実現する色再現評価を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、入力色信号を出力色信号へと変換する色変換による色再現性を評価する画像処理装置であって、
再現範囲のハイライト領域における色度変化を、閾値を用いて比較した結果に基づいて前記色再現性を評価する手段を有し、
前記閾値は評価対象色における評価基準であり、出力画像を観察する観察環境光の条件に応じた目標色又は再現範囲であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、入力色信号を出力色信号へと変換する色変換によるグレイラインの色再現性を評価する画像処理装置であって、
前記グレイライン上の複数の色度点を均等色空間上の値として獲得する手段と、
前記色度点の間の色度変化量を獲得する手段と、
前記色度変化量に対して閾値を用いて評価する手段とを有し、
前記色度変化量の評価に用いる閾値は観察環境光の条件に応じた値であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、観察環境光に応じた評価基準に基づいて、画像の好ましい色再現を実現する色再現評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態における画像処理装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態における画像処理部105の画像評価モジュールの構成の一例を示す図。
【図3】(A)は均等色空間上における出力デバイス色域と、評価対象色における再現範囲との関係を示す図、(B)は第1の実施形態における環境光に応じた評価対象色再現範囲の設定方法を説明するための図。
【図4】第1の実施形態における画像評価処理を示すフローチャート。
【図5】(A)は横軸を彩度とし、縦軸を明度としてグレイラインの軌跡を示す図、(B)は白丸で示す色度点変化が好ましいグレイラインの再現を示す図。
【図6】(A)は均等色空間上の色度平面座標上において観察環境の違いに応じて作成した色変換プロファイルにおけるグレイライン軌跡を簡略化して示す図、(B)は(A)における各グレイライン軌跡を明度・彩度の2次元座標上で見た図。
【図7】第2の実施形態におけるグレイライン評価の観察照明条件に応じた色再現基準を記述した評価基準プロファイルの一例を示す図。
【図8】第2の実施形態におけるグレイライン評価処理を示すフローチャート。
【図9】画像評価処理の初期条件を設定するためのUIの一例を示す図。
【図10】第2の実施形態におけるグレイライン評価結果を表示したグレイライン評価結果表示UIの一例を示す図。
【図11】第1の実施形態における色再現評価の評価結果を表示するUIの一例を示す図。
【図12】評価結果リストの一例を示す図。
【図13】色変換プロファイルを補正する色補正UIの一例を示す図。
【図14】変形例における色変換プロファイル作成装置の構成の一例を示す図。
【図15】変形例の色変換プロファイル作成を開始する際に、初期条件を設定するためのUIの一例を示す図。
【図16】変形例における色変換プロファイル作成処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理装置にはCPU101、ROM102、RAM103、操作部104、画像処理部105、モニタ106、入力デバイス107、出力デバイス108が含まれる。CPU101はROM102に格納されている制御プログラムや情報データに従って装置全体を制御する。ROM102には、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションと略す)、カラーマッチング処理モジュール、デバイスドライバなども格納される。RAM103は各種制御プログラムや操作部104から入力されるデータの作業領域及び一時待避領域である。
【0023】
操作部104は入力デバイス107の設定やデータの入力を行う。画像処理部105は後述する画像評価や色域写像処理による色変換プロファイル作成又は色変換プロファイルに対する色補正を含む画像処理を行う。モニタ106は画像処理部105による処理結果や操作部104から入力されたデータなどを表示する。
【0024】
入力デバイス107はCCDセンサを含むイメージスキャナなどの画像読取装置や色を測定する測色装置により任意のプロファイルの作成や色空間情報データを入力する。出力デバイス108はインクジェットプリンタ、熱転写プリンタ、ドットプリンタなどにより画像を形成して出力する。
【0025】
ここで、入力色信号を出力色信号に変換する際に参照される色変換プロファイルの出力再現色を色再現評価する画像処理部105の構成及び処理を説明する。
【0026】
図2は、第1の実施形態における画像処理部105の画像評価モジュールの構成の一例を示す図である。観察環境光情報格納部201は出力画像を観察する観察環境光の条件を格納する。入力機器情報格納部202は入力デバイス107における色域データや色域データを記述する光源条件などを記録した入力デバイスプロファイルを格納する。出力機器情報格納部203は出力デバイス108における色域データや色域データを記述する光源条件などを記録した出力デバイスプロファイルを格納する。色変換プロファイル格納部205は色変換プロファイルを格納する。
【0027】
また、評価条件情報格納部204は異なる環境光条件に応じた評価基準を記録した評価基準プロファイルを格納する。評価条件情報格納部204は、予め異なるデバイスや出力媒体及び異なる環境光条件に応じた評価基準を格納しても良い。評価条件設定部206は観察環境光情報格納部201に格納された観察環境光条件と少なくとも出力機器情報格納部203に格納された白色データを参照し、設定された画像出力条件と、観察環境光とに応じた各評価項目における評価基準データを獲得する。
【0028】
また、均等色空間変換部207は入力機器情報格納部202に格納された入力デバイスプロファイルを参照し、入力デバイス色域を均等色空間上の色度データに変換する。また同様に、観察環境光情報格納部201に格納された出力画像を観察する観察環境光条件と出力機器情報格納部203に格納された出力デバイスプロファイルを参照し、観察環境下における出力デバイス色域を均等色空間上の色度データに変換する。
【0029】
色変換部208は色変換プロファイル格納部205に格納された色変換プロファイルを用いて均等色空間変換部207で変換された均等色空間において、入力デバイス色域上の色を出力デバイス色域上の色に変換する色変換処理を行う。尚、色変換プロファイルは、入力デバイス色域上の離散点を格子点データとして記述し、各格子点における入力色信号に対応する出力色信号を記述したルックアップテーブル形式のデータである。この色変換部208によって格子点上の入力色信号に対応する出力色信号が均等色空間上の色度値に変換される。
【0030】
評価判定部209は色変換部208によって変換された均等色空間上の出力色の色度値を参照して各評価項目における評価対象色の出力再現色を獲得し、評価条件設定部206にて設定された各評価項目の評価基準データを用いて評価を行う。評価結果格納部210は評価判定部209から出力された各評価項目の評価結果を格納し、モニタ106に表示する。
【0031】
尚、上述の各格納部に格納される情報やプロファイルは、操作部104から入力されても良く、不図示の外部機器から入力されても良い。
【0032】
次に、色再現評価における評価基準データを説明する。図3の(A)は、均等色空間上における出力デバイス色域と、評価対象色における再現範囲の関係を示す図である。出力デバイス色域301は従来の色再現評価において適用されるD50光源における出力デバイス色域である。また、評価対象色再現範囲302、303、304、305も同様にD50光源において画像を観察した場合に好ましい色再現となる再現範囲である。
【0033】
ここで、評価対象色再現範囲302は記憶色である肌色の再現範囲であり、評価対象色再現範囲303は記憶色である草の緑色の再現範囲であり、評価対象色再現範囲304は記憶色である空の青色の再現範囲である。評価対象色再現範囲305はユーザが任意の色として設定した高彩度の赤色の再現範囲であり、観察環境光D50における好ましい出力色について被験者実験に基づいて決定され、定義された再現範囲である。
【0034】
次に、同じ出力デバイス色域を色温度3000Kの光源下で観察した場合の再現色域を出力デバイス色域306に示す。CIECAM02による環境光を考慮した均等色空間上であっても、赤色の強い光源である3000Kの照明下では、出力デバイス色域306も赤方向にシフトしている。そして、ユーザが任意の色として設定した高彩度の赤色に対して、観察環境光3000Kの光源下における好ましい出力色について被験者実験に基づいて決定された範囲は評価対象色再現範囲307となる。即ち、光源が変化することにより、好ましい色再現範囲も変化している。
【0035】
従って、図3の(A)に示すような異なる環境光条件に応じた評価基準を評価条件設定部206が評価条件情報格納部204に設定する。ユーザが定義する任意の高彩度の赤色入力色に対する出力色の再現範囲として、環境光D50条件において評価対象色再現範囲305を設定し、環境光3000Kにおいて評価対象色再現範囲307を設定する。
【0036】
次に、環境光に応じた評価対象色再現範囲を設定する方法の一例を、図3に示す(B)を用いて説明する。図3の(B)は、第1の実施形態における環境光に応じた評価対象色再現範囲の設定方法を説明するための図である。被験者実験に基づいて決定した評価対象色再現範囲305及び307は楕円によって近似可能な範囲である。よって、図3の(B)に示すように、長軸404、短軸403を持つ楕円を回転角θ3によって回転させ、色度点402の座標(a_offset,b_offset)をオフセットとして適用した楕円401として設定できる。
【0037】
よって、任意環境光に応じた評価対象色再現範囲を獲得する評価対象色再現範囲の設定モデルは、評価項目設定と、入力された環境光条件に応じて楕円の長軸、短軸、回転角、オフセットの各値を設定する。そして、楕円を描く関数として以下に示す式(1)のように記述することができる。
【0038】
評価対象色再現範囲座標(a、b)=Func(環境光条件、評価項目)…式(1)
上述の評価条件情報格納部204は、上記式(1)における各種評価項目設定に対して入力される環境光条件に応じて楕円の長軸、短軸、回転角、オフセットの各値を格納している。
【0039】
そして、評価条件設定部206は、上記式(1)を用いて入力された環境光情報を参照し、入力される環境光条件に応じて楕円の長軸、短軸、回転角、オフセットの各値を獲得し、楕円の座標データを評価対象色再現範囲として獲得する。
【0040】
尚、評価条件情報格納部204における評価対象色再現範囲の格納形式は、入力される環境光条件に応じて評価対象色再現範囲を獲得できる形式であれば、これ以外の形式でも何ら問題はない。
【0041】
次に、画像処理部105における画像評価モジュールの処理を、図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態における画像評価処理を示すフローチャートである。ステップS501において、出力画像を観察する観察環境光条件を入力し、観察環境光情報格納部201に格納する。ステップS502において、入力デバイスにおける色域データや色域データを記述する光源条件などを記録した入力デバイスプロファイルを入力し、入力機器情報格納部202に格納する。ステップS503において、出力デバイスにおける色域データや色域データを記述する光源条件などを記録した出力デバイスプロファイルを入力し、出力機器情報格納部203に格納する。
【0042】
次に、ステップS504において、色変換プロファイルを入力し、色変換プロファイル格納部205に格納する。ステップS505において、入力機器情報格納部202に格納した入力デバイスプロファイルを参照し、入力デバイス色域を均等色空間上の色度データに変換する。また、観察環境光情報格納部201に格納した出力画像を観察する観察環境光条件と出力機器情報格納部203に格納した出力デバイスプロファイルとを参照し、観察環境下における出力デバイス色域を均等色空間上の色度データに変換する。
【0043】
次に、ステップS506において、色変換プロファイル格納部205に格納した色変換プロファイルを用いて均等色空間変換部207によって変換された均等色空間において、入力デバイス色域上の色を出力デバイス色域上の色に変換する色変換処理を行う。そして、ステップS507において、観察環境光情報格納部201に格納した観察環境光条件と出力機器情報格納部203に格納した白色データとを参照し、設定された画像出力条件と、観察環境光に応じた各評価項目における評価基準データを獲得する。
【0044】
次に、ステップS508において、色変換部208によって変換された均等色空間上の出力色の色度値を参照して各評価項目における評価対象色の出力再現色を獲得し、評価条件設定部206で設定された各評価項目の評価基準データを用いて評価を行う。ステップS509において、評価判定部209から出力された各評価項目における評価結果を評価結果格納部210に格納する。ステップS510において、評価結果格納部210に格納した各評価項目における評価結果をモニタ106に表示する。
【0045】
このように、記憶色である肌色、空の色、草の緑を代表する色度点、及び他のユーザによって定義される任意の入力色度点における各入力信号値について観察環境光条件及び出力デバイスに応じた再現目標値、再現範囲を設定して評価を実施する。これにより、評価に合格した色変換プロファイルが出力デバイスにおいて好ましい色再現を実現する。
【0046】
第1の実施形態によれば、色変換プロファイルを用いて入力画像を出力画像に色変換し、グレイライン、記憶色である肌色、空の色、草の緑、その他の任意の色について、出力画像を観察する観察環境光条件に応じた好ましい色再現性を実現することができる。
【0047】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第2の実施形態を詳細に説明する。第1の実施形態では、画像評価手法において評価の対象色を1色とし、評価色の評価基準に評価色の出力画像における色再現範囲を設定し、その再現範囲を観察環境光に対応する範囲として設定した。第2の実施形態では、連続する色変化に対する評価手法の一例として、グレイライン再現の評価を説明する。
【0048】
グレイライン再現の評価における着目点を、図5を用いて説明する。図5の(A)は、横軸を彩度とし、縦軸を明度としてグレイラインの軌跡を示す図である。図5の(A)において、グレイラインの軌跡は出力媒体の白色点W601から再現明度の低下に従ってグレイ重心色と呼ぶ点603へと色度が変化する。白色点W601からグレイ重心色までの明度範囲をハイライト領域607とする。任意の明度範囲(グレイ重心再現領域608)においてグレイ重心色の再現を保持した後、黒色Bk606付近におけるシャドウ領域609においてグレイ重心色から出力色における黒色Bk606に色度が変化する。
【0049】
色変換プロファイル作成におけるグレイライン軌跡の設計において、特に困難な点はハイライト領域607におけるグレイラインの色度変化の制御である。図5の(A)に示すグレイの丸の色度点変化のように、明度変化に対してグレイ重心色度への変化が早いほど好ましいグレイに再現されるグレイ重心再現領域608は拡大する。しかし、ハイライト領域607における色度変化が急峻となることで、グレイラインのハイライト領域607の再現に無彩色以外の色が見えてしまいグレイライン再現としての総合評価が低下してしまう。
【0050】
従って、上述のようなグレイライン再現の評価において、特許文献1では、ハイライト領域におけるグレイラインの明度変化に対する色度変化量より傾き値を算出し、傾き値に対して閾値を設定している。これにより、図5の(A)に示す白丸の色度点変化のように、好ましいグレイラインの再現となるようにハイライト領域の色度変化を制御しようとしていた。しかし、先願のように明度変化に対する色度変化量に基づく傾きでは、図5の(B)におけるグレイラインの再現に対して適切な評価を行うことができない。
【0051】
図5の(B)は、白丸で示す色度点変化が好ましいグレイラインの再現を示す図である。一方、グレイ丸の色度点変化に示されるグレイラインは、先願における評価値である傾きは白丸で示される色度点変化と同等であるが、点701に示すように、ハイライト領域の白色点W601の次の第一格子点の再現明度が異なっている。そのため、第一格子点において白丸の点602の色度において色度の距離D2の値が十分に小さく、色の変化が人間の色の違いを識別できる範囲を超えない限り、わかりにくい。
【0052】
一方、グレイ丸の点701の色度において色度の距離D3値が大きく、人間の色の違いを識別できる範囲を超えていると、色の変化が見えてしまい、好ましいグレイ再現とならない。
【0053】
よって、好ましいグレイラインの評価においては、ハイライト領域のグレイライン上の格子点間の色度変化量についても評価対象とする必要がある。これを図5の(A)の2つのグレイライン軌跡に適用すると、点602及び604における再現明度は共通であるが、白色点W601との色度変化量が、点604ではD1、点602ではD2と大きさが異なる。よって、D2の色度変化量が十分に小さいため、好ましいグレイライン再現と評価され、一方、D1の色度変化量がある基準以上に大きいため、グレイラインとして好ましくないと評価できる。
【0054】
よって、第2の実施形態では、特にハイライト領域における格子点間の色度変化量に対して評価基準を設定し評価を行うことを特徴とする。
【0055】
また、グレイライン再現において着目すべき評価点がもう一つある。それは、ハイライト領域からグレイ重心点への切り替わりにおける色度変化量である。白色点からグレイ重心色度に到達したグレイライン軌跡は、シャドウ領域までほぼ直線となる軌跡を描く。そこで、特にグレイのグラデーション画像においては、ハイライト領域におけるグレイラインの色度変化のある状態とグレイ重心色度における安定したグレイ色度とを比較することになる。そのため、グレイ重心に切り替わる部分の色度変化が特に目立って見えるのではないかと考えられる。従って、グレイライン評価において、ハイライト領域、若しくはシャドウ領域からグレイ重心色度への切り替わりにおける色度変化量についても評価が必要である。
【0056】
第2の実施形態では、図5の(A)に示すように、グレイ重心色度との境界となる格子点を中心に隣り合うハイライト側の格子点とグレイ重心側の格子点の色度座標がなす角度θ1若しくはθ2に着目する。この角度が180度に近ければ、色度変化量は小さく、180度から小さくなるにつれて色度変化量は大きくなるため、この角度に対して評価基準を設定し評価する。
【0057】
次に、観察環境光の違いによるグレイライン再現への影響を、図6に示す(A)を用いて説明する。図6の(A)は、均等色空間上の色度平面座標上において観察環境の違いに応じて作成した色変換プロファイルにおけるグレイライン軌跡を簡略化して示す図である。特に、観察環境光の色温度は出力色の見えに大きく影響を及ぼすことが分かっており、出力媒体における白色は観察環境光の色温度変化の影響を受けてその見えが変化する。
【0058】
図6の(A)に示す801、802、803は均等色空間上の観察環境光の色温度の違いによる白色点W1、W2、W3である。白色点W1は観察環境光の色温度が3000Kの赤みの強い観察環境光における色度点である。白色点W2は観察環境光の色温度が5000Kの標準的な観察環境光における色度点である。白色点W3は観察環境光の色温度が7500Kの青みの強い観察環境光における色度点である。804はグレイ重心色度である。
【0059】
一方、観察環境光の色温度が変化しても、好ましいグレイ重心色度Gは、均等色空間上においてほぼ同様の色度点であることが実験により判明している。従って、観察環境光の違いによるグレイライン再現では、グレイ色度の変化は図6の(A)に示すような軌跡となる。色温度の低い観察環境光では、白色点W1とグレイ重心色度Gとの間の色度間の距離D4は、他の色温度の観察環境光における白色点W2、W3とグレイ重心色度Gとの間の色度間の距離D5、D6に比べて長くなることが分かる。
【0060】
図6に示す(B)は、(A)における各グレイライン軌跡を明度・彩度の2次元座標上で見た図である。3つのグレイライン軌跡においてハイライト領域における明度変化に対する色度変化がそれぞれ異なっている。ここで、観察環境光の色温度が変化しても、観察環境光の照度によって出力画像の明度ダイナミックレンジが同じ範囲にある場合、グレイラインの好ましい再現で可能な限り明度γカーブとグレイ重心再現領域の明度範囲が共通していることが望ましい。よって、色変換プロファイルのグレイライン再現格子点における再現明度は、各観察環境でほぼ共通となる必要がある。そのため、ハイライト領域における色度変化は、観察環境光により白色点とグレイライン重心色度間の距離の影響を受け、図6の(B)に示すように、ハイライト領域における格子点間の距離D6、D7、D8のように異なる。
【0061】
しかし、上述したように、ハイライト領域における格子点間の色度距離の大きさに対してはグレイライン再現に色が出ないように評価する必要もある。そこで、グレイライン色再現における人間の知覚の傾向について実験を行った結果を参照すると、グレイの色度変化について青色方向(均等色空間色度座標におけるa軸マイナス方向・b軸マイナス方向)の色変化については最も許容が広いことが分かっている。これに対して、青色方向以外の色変化については許容が狭い。このグレイライン色再現における人間の知覚の傾向から、上述の観察環境光の違いによるグレイライン再現の評価基準を考える。即ち、観察環境光の色温度が3000Kの赤みの強い観察環境光における白色点W1からグレイ重心色度Gへの色度変化は、均等色空間色度座標におけるa軸マイナス方向・b軸マイナス方向となる。そのため、色度変化量に対する許容を比較的大きくとることが可能である。
【0062】
また、観察環境光の色温度が7500Kの青みの強い観察環境光における白色点W3からグレイ重心色度Gへの色度変化は均等色空間色度座標におけるa軸プラス方向の色度変化となるため、色度変化量に対する許容を狭くとることが必要である。即ち、観察環境光によって色度変化量に対する許容は変化する。
【0063】
このように、第2の実施形態におけるグレイラインの色再現評価は、次の2つの評価を行う。1つ目は、観察環境光の影響による白色点色度の変化とグレイライン重心色度により決定されるハイライト領域における格子点間の色度距離の大きさに対する評価を行う。2つ目は、ハイライト領域若しくはシャドウ領域からグレイ重心色度への切り替わりにおける色度変化量(角度)の評価を行う。そして、ハイライト領域における格子点間の色度距離に対する評価基準は、観察環境光の条件によって評価基準となる色度変化量が変化することを特徴する。
【0064】
図7は、第2の実施形態におけるグレイライン評価の観察照明条件に応じた色再現基準を記述した評価基準プロファイルの一例を示す図である。この例では、グレイラインにおける各格子点の出力色について、評価基準プロファイル1001を参照し、評価基準値を獲得し、評価基準値に基づく評価を行う。
【0065】
この評価基準プロファイル1001は、出力条件格納部1002と、評価基準値格納部1003によって構成される。出力条件格納部1002は、評価基準プロファイル1001における評価基準を適用する出力条件について諸条件項目が格納されている。具体的には、出力デバイスの機種や出力媒体条件、印刷モード、色変換プロファイルのガマットマッピング(GMA)インテントなどの項目がある。そして、評価基準値格納部1003は、グレイライン格子点間の色度距離に対する色度距離閾値と隣り合う3点の格子点を結ぶ線分のなす角度に対する角度閾値を、観察環境光の色温度別に格納している。
【0066】
第2の実施形態における評価では、出力条件が合致する評価基準プロファイルを獲得し、評価を行う観察環境光条件に応じて評価基準プロファイルを参照し、必要な評価基準値を獲得する。
【0067】
評価基準値格納部1003の格子点インデックス格納部1004はグレイライン格子点IDが格納されている。また、環境光別評価基準格納部1005〜1008の各格納部について観察環境条件の一つである色温度別の評価基準値が、グレイライン格子点番号(ID)毎に格納されている。
【0068】
色温度条件については、代表的な色温度について評価基準が格納されているため、任意の色温度において評価基準値を獲得するためには、対象色温度を間に挟む色温度条件の評価基準値を獲得し、補間処理を用いて評価基準値を算出する。
【0069】
尚、評価基準プロファイルにおける評価基準値の格納形式は、図7に示すグレイライン格子点毎に格納する形式以外でも良い。例えば、出力明度再現範囲についてハイライト領域、グレイ重心領域、シャドウ領域に分割し、各領域における評価値基準値を記載する形式であっても良い。また、観察環境光条件と出力再現明度に対する荷重によって評価値基準値を算出するようなモデル関数の形式であっても良い。即ち、評価基準プロファイルの評価基準値の格納形態は、観察環境光に応じて適切な評価基準値を参照することが可能な形式であれば良い。
【0070】
ここで、第2の実施形態におけるグレイライン評価の手順を、図8を用いて説明する。図8は、第2の実施形態におけるグレイライン評価処理を示すフローチャートである。尚、このフローチャートでは、特許文献1に記載の従来のグレイ評価手法による評価も実施している。
【0071】
まず、ステップS1101において、色変換プロファイル格納部205の色変換プロファイルを用いて均等色空間変換部207で変換された均等色空間において、入力デバイス色域上の格子点における入力色を出力デバイス色域上の出力色座標に変換する。そして、ステップS1102において、格子点毎の出力色座標のデータからグレイライン格子点における出力色座標のデータを獲得する。次に、ステップS1103において、観察環境光情報格納部201に格納された出力画像を観察する観察環境光条件と少なくとも出力機器情報格納部203に格納された画像出力条件であるデバイス機器や出力媒体の白色データを参照する。そして、参照することで、設定された画像出力条件と、観察環境光に応じたグレイ評価項目における評価基準データを獲得する。
【0072】
次に、ステップS1104において、グレイライン格子点データ上の1格子点を指定し、隣接する格子点間における色度距離と、2つの隣接格子点間における角度値を獲得する。そして、ステップS1105において、格子点間の色度距離について観察環境光に対応する評価基準データを用いて評価を行い、評価値を獲得する。次に、ステップS1106において、格子点間の角度について観察環境光に対応する評価基準データを用いて評価を行い、評価値を獲得する。ステップS1107において、従来評価手法である格子点間の傾きについて評価を行う。そして、ステップS1108において、ステップS1105〜S1107における各評価値を格納する。
【0073】
そして、ステップS1109において、全グレイライン格子点における出力色について評価を行ったかを判定し、全グレイライン格子点に対する評価が終了していなければステップS1105に戻り、上述の処理を繰り返す。しかし、評価が終了していればステップS1110へ処理を進め、評価結果格納部210に格納されたグレイ各評価項目を参照し、グレイライン色再現について総合評価を決定する。ここでは、格子点毎のグレイ各評価項目の評価値に基づいて出力再現明度に対する荷重を用いた総合評価点を算出する。そして、ステップS1111において、評価結果格納部210に格納されたグレイ評価項目における評価値及びグレイライン総合評価結果をモニタ106に表示する。
【0074】
第2の実施形態によれば、入力デバイスにより入力された画像データを出力デバイスによって出力した画像におけるグレイライン色再現性について観察環境光条件に応じた評価基準を用いて評価する。これにより、出力画像を観察する観察環境光条件に応じた良好なグレイラインの色再現性を実現することができる。
【0075】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第3の実施形態を詳細に説明する。第3の実施形態として、上述の観察環境光に対応する評価基準を用いた評価手法を実現する画像処理装置におけるユーザインタフェース(UI)の一例を説明する。
【0076】
図9は、画像評価処理の初期条件を設定するためのUIの一例を示す図である。画像処理装置の評価処理では、評価対象色の出力再現色を算出するために入力色域と出力色域のデータが必要である。このUI1200には、入出力デバイスの特性を設定する入出力デバイス設定部1201、観察環境光の情報を設定する観察環境光設定部1202、評価基準プロファイルを設定する評価基準プロファイル設定部1203が含まれる。
【0077】
入出力デバイス設定部1201では、入力デバイスの特性ファイル、その特性ファイル内に格納された色域データを均等色空間データに変換するために必要な環境光設定を記述した設定ファイルが指定される。更に、出力デバイスの特性ファイル、その特性ファイル内に格納された色域データを均等色空間データに変換するために必要な環境光設定を記述した設定ファイルが指定される。更に、入力デバイスにおける入力信号を出力デバイスの出力信号に変換するための色変換プロファイルが指定される。
【0078】
ここで、色変換プロファイルを指定する代わりに、設定された入力色域と出力色域とのデータと、ガマットマッピング処理によって画像処理装置内で色域写像処理を行うことによって色変換プロファイルを作成しても良い。
【0079】
また、入出力デバイス設定部1201の右側には、参照ボタンが設けられており、上述の各ファイルを指定する代わりに、ファイルの保存先を選択することもできる。
【0080】
次に、観察環境光設定部1202では、出力デバイスによる出力画像の再現色を観察する観察環境光情報が入力される。観察環境光情報として、観察環境光の色温度、観察環境光の照度、観察環境光の光源種類を設定するための光源波長が設定される。この例では、光源波長の設定は、光源波長について代表的な「高演色形」、「三波長形」、「普通形」の3種類から選択するリストボタンの形式になっている。
【0081】
次に、評価基準プロファイル設定部1203では、評価対象色の評価基準について出力デバイス種類や出力媒体、ユーザが任意に設定可能な評価基準に対応するために、評価における各評価項目の評価基準について記述した評価基準プロファイルが指定される。また、評価基準プロファイル設定部1203の右側には、参照ボタンが設けられており、評価基準プロファイルを指定する代わりに、ファイルの保存先を選択することもできる。
【0082】
上述の各設定部において、設定が終了すると、評価開始ボタン1204を操作することによって評価を開始する。また、キャンセルボタン1205は初期条件設定操作を停止・中断するためのキャンセルボタンである。
【0083】
そして、評価開始ボタン1204の操作によって画像処理装置内で上述した評価の処理が行われ、各評価項目に対する評価値の算出や評価結果が決定され、評価結果表示UIに評価結果が表示されてユーザに提示される。
【0084】
図10は、第2の実施形態におけるグレイライン評価結果を表示したグレイライン評価結果表示UIの一例を示す図である。このUI1300は、格子点数を17とするグレイラインにおける均等色空間上の各格子点間の色度点変化を参照して評価した評価値の数値を表示する部分と、グレイラインの色度分布を座標グラフ上に表示する部分とに分かれている。ここで、数値結果として、格子点、座標、傾き、閾値(傾き)、色度変化量、閾値(色度変化量)、色度変化量の評価値・判定結果、角度、閾値(角度)、角度の評価値・判定結果が表示される。格子点は、入力格子点の値である。座標は、色変換プロファイルを用いてルックアップテーブル格子点の形式に入力された入力信号に対する出力信号の均等色空間上における出力色度点座標(グレイ再現色度値の出力グレイ座標)である。
【0085】
傾きは、従来手法によるグレイライン評価値の一つである格子点間の傾きの値である。閾値(傾き)は、傾きの値に対する評価基準の値である。傾きや閾値(傾き)の表示は、評価値が基準値に対して不合格となると、図10に示すように格子点の欄を着色するなどによって強調し、警告として表示する。色度変化量は、グレイライン評価値として格子点間の色度変化量の値である。閾値(色度変化量)は、色度変化量の値に対する観察環境光条件に対応した評価基準の値である。色度変化量の評価値・判定結果は、格子点間毎に、色度変化量を基準値に参照して決定した評価値や判定結果である。角度は、異なるグレイライン評価値として、任意の格子点を挟む前後の格子点間がなす角度である。閾値(角度)は、格子点間角度の値に対する評価基準の値である。角度の評価値・判定結果は、格子点毎に、格子点のなす角度を基準値に参照して決定した評価値や判定結果である。
【0086】
次に、座標グラフとして、均等色空間上のグレイラインの色度分布が表示される。均等色空間は3次元空間のため、表示されるグラフは3次元であり、マウス操作などによって、画面の回転・拡大・縮小表示などについて適宜ユーザが操作できる。更に、明度・彩度グラフとして、均等色空間上のグレイラインの色度分布が明度・彩度の2次元グラフとして表示される。これらのグラフは、格子点毎の評価値の数値表示に対してユーザに視覚的に確認ができるような特徴を持っている。評価値の数値表示を3次元上の色度点の関係で確認する他にユーザがグラフ上の格子点の色度座標を指定すると、対応する格子点の評価値の数値表示が強調されても良い。逆に、格子点の評価値の数値表示を指定するとグラフ上の格子点が連動して強調されるなどの補助的な視覚効果が装備されていても良い。
【0087】
更に、UI1300には、度変化量の評価値・判定結果や角度の評価値・判定結果に示すような格子点毎の評価値以外に、各評価値を参照し、全体的なグレイライン再現における総合評価結果が数値として表示される。この例では、総合得点と、判定結果の合否とが表示される。
【0088】
これにより、ユーザは総合判定結果や各格子点の判定結果を参照し、グレイラインの色再現に対する評価を獲得することが可能となる。また、このUI1300は、表示された色度評価値の数値についてファイルに保存することも可能である。保存ファイル入力設定部1310に保存ファイル名を指定し、保存ボタン1330を操作することで数値結果についてファイルに保存できる。また、参照ボタン1320は保存ファイルの保存先を設定するための参照ボタンである。
【0089】
図11は、第1の実施形態における色再現評価の評価結果を表示するUIの一例を示す図である。このUI1400で、評価色設定のリストボタン1401を操作し、評価結果表示を行う色を選択する。選択された色における入力信号値が入力信号表示部1402に表示され、均等色空間上の入力色の色度座標が入力色度座標表示部1403に表示される。また、入力色の出力デバイスによる出力画像上の再現色の色度座標が出力色度座標表示部1404に表示され、入力色に対応する色再現基準である目標色が目標色座標1405に表示される。
【0090】
次に、評価色の出力色に対する評価値は、目標色に対する色差値を目標色差表示部1406に表示する。そして、評価色の再現範囲に対する内外範囲として明度・彩度・色相の3項目毎に算出し、許容判定(明度)1407、許容判定(彩度)1408、許容判定(色相)1409に結果を表示する。また、明度・彩度・色相の再現範囲おいて、出力色がどのような位置関係にあるかを、再現範囲の上限境界値と下限境界値とで挟まれる範囲をバー状に表示し、出力色における位置を示すことでユーザに結果を表示する。3つの表示バーは、明度・再度・色相に対応し、それぞれ観察環境光に対応した範囲を示している。図11に示すように、許容値(下限)と許容値(上限)との間で目標値ポインタ1410と出力色における位置1411が示されている。
【0091】
また、グラフ表示部1412には、均等色空間上の各評価色の出力色の色度座標や再現範囲が2次元又は3次元グラフとして表示され、ユーザに評価結果を表示している。更に、このUI1400では、評価色選択のリストボタン1401によって、評価結果を表示する色は1色に限定されているが、リスト表示ボタン1413を操作することで、全評価対象色の数値結果について、リスト形式にしてユーザに表示することもできる。
【0092】
図12は、評価結果リストの一例を示す図である。図12に示す評価結果リストには、IDで示される評価色の名称1501、評価色の出力色における色度座標や明度・彩度・色相値1502、評価色における目標色の座標に対する色差1503が表示される。そして、評価色において観察環境光に対応した再現範囲に対する内外判定結果1504、明度再現範囲に対する内外判定結果1505、彩度再現範囲に対する内外判定結果1506、色相再現範囲に対する内外判定結果1507が表示される。更に、CLOSEボタン1508は、この評価結果リストを閉じる操作を行うボタンである。
【0093】
更に、このリストには非表示であるが、各評価色における目標色として色度値や明度・彩度・色相値が表示されても良い。観察環境光に対応した各再現範囲の値についても同様に表示されても良い。また、図11に示すUI1400における評価結果や、図12に示す評価結果リストにおける評価結果について、保存ファイル入力設定部を設けておき、数値結果をファイルに保存できるUIがあっても良い。
【0094】
第3の実施形態によれば、色変換プロファイルを用いて入力デバイスにより入力された画像データを出力デバイスによって出力した画像の色再現において、出力画像を観察する観察環境光条件に応じた好ましい色再現性についての評価を実現することができる。
【0095】
[変形例]
変形例として、観察環境光に対応する評価基準を用いた評価手法と連携して色変換プロファイルを補正するUIの一例を説明する。図13は、色変換プロファイルを補正する色補正UIの一例を示す図である。この例では、色変換プロファイルは入力信号を出力信号に変換するルックアップテーブルの形式に記述されたデータである。よって、色補正UI1600において、任意のユーザ指定色を補正するために色変換プロファイルを変更するには、ユーザ指定色における入力信号を囲むルックアップテーブルの入力格子点を検索する。そして、対応する格子点における出力信号において指定色が所望の色補正となるように、各格子点の出力信号の値を修正する必要がある。
【0096】
従って、複数の格子点における出力色を変更するため、格子点周囲の色再現にも影響を及ぼすことになる。そこで、色再現評価処理を用いて各格子点の出力信号の値を修正した場合にも、他の評価色における色再現評価結果を満足するように、色補正を行い、最適な色変換プロファイルの色補正を実現する。
【0097】
獲得した入力デバイス情報と出力デバイス情報と色変換プロファイルとを用いて色変換プロファイルにおけるルックアップテーブルの格子点に対応する入力信号及び出力デバイス再現色の対応付けを行う。色補正UI1600において、グラフ表示部1618において、均等色空間上におけるルックアップテーブルの格子点に対応する出力デバイス再現色1619を3次元グラフとして表示している。
【0098】
ユーザは、色補正UI1600における指定入力色信号入力部1602に色補正の対象となる色の入力信号値を入力する。或いは、指定入力色座標入力部1603に均等色空間上の補正対象入力色座標を入力しても良い。指定入力色信号入力部1602と指定入力色座標入力部1603は互いに連動しており、一方の入力部に補正対象色の入力があると、入力デバイス情報を参照して他方の入力部に対応する値を表示するようになっている。
【0099】
色補正対象色の入力信号値の指定については、不図示の画像データ入力UIを用いてユーザが任意の画像データを入力し、画像データ上の色を指定することで入力する構成でも良い。不図示の画像データ入力UIにより入力された画像データは、入力画像表示部1611に入力信号における画像データが表示される。
【0100】
次に、獲得した入力デバイス情報と出力デバイス情報と色変換プロファイルに基づいて、入力画像データを出力デバイスで出力した出力画像データをシミュレーションした画像データを出力元画像データ表示部1612に表示する。ユーザは入力画像表示部1611又は出力元画像データ表示部1612に表示された画像データ1615上の任意の色を、色抽出ポインタ1614を使用して指定することで、補正対象入力色を決定しても良い。この場合、色抽出ポインタ1614によって指定された補正対象入力色が指定入力色信号入力部1602と指定入力色座標入力部1603に表示される。
【0101】
また、色補正後画像データ表示部1613に表示された画像データ1316上に色抽出ポインタ1614によって指定された補正対象入力色の分布範囲1616が表示される。分布範囲1616によってユーザは各画面上において色補正の影響がある範囲を確認することが可能となる。
【0102】
指定入力色信号入力部1602又は指定入力色座標入力部1603に指定された補正対象入力色における色変換プロファイルによる出力再現色の色座標が、出力色座標表示部1604に表示される。ユーザは補正対象入力色の出力色について補正先の色座標を出力色補正座標入力部1605に入力する。そして、色補正適用ボタン1606を操作することにより、補正対象入力色における出力色がユーザの所望する補正先の色座標になるように色変換プロファイルの色補正処理を画像処理装置内において実施する。
【0103】
グラフ表示部1618において、色補正前表示ボタン1622を操作すると、出力色座標表示部1604に表示された色座標1620が、均等色空間における3次元グラフ上に表示され、色補正処理で実際に補正対象となる格子点が白丸で示される。一方で、グラフ表示部1618において、色補正後表示ボタン1623を操作すると、色座標1620は、出力色補正座標入力部1605に指定された色座標となり、白丸で示される実際に補正対象となる格子点は色補正後の座標を示す。ここで、色変換プロファイルの色補正処理が実施されると、色補正結果に対して評価処理による評価が実施される。そして、各評価項目における評価値が獲得され、評価結果が不合格になった項目があると、色補正UI1600に警告を表示する。
【0104】
警告表示は、警告の有無を表示する警告表示部1610と、不合格となった評価項目を示し、警告の詳細な内容を表示する警告メッセージ表示部1609がある。更に、評価値が不合格となった色領域をグラフ表示部1618上に警告範囲1621として表示する。また、色補正後画像データ表示部1613において、表示された画像に評価値が不合格となった色領域が含まれる場合は、警告範囲1617として表示する。
【0105】
グレイライン評価表示ボタン1607及び色再現評価表示ボタン1608は、各ボタンを操作すると、グレイライン評価結果のUI1300、色再現結果のUI1400を表示する。
【0106】
また、保存ボタン1626は、色変換プロファイルの色補正において色再現評価を実行することによって色再現性を確認した色変換プロファイルを新規に保存するためのものである。保存ファイル入力設定部1624に保存ファイル名を指定し、保存ボタン1626を操作することによってファイルに保存できる。参照ボタン1625は、保存ファイルの保存先を設定するためのものである。
【0107】
色補正のUIによれば、必ずしもユーザに観察環境光の違いや、色補正に対する特別な知識がなくとも最適な色補正を実施することが可能となる。従って、入力デバイスにより入力された画像データを出力デバイスによって出力した画像の色再現において、出力画像を観察する観察環境光条件に応じた好ましい色再現性を実現することができる。
【0108】
次に、観察環境光に対応する評価基準を用いた評価手法と連携して色変換プロファイルを作成する色変換プロファイル作成装置及びその色変換プロファイル作成処理の一例を、図14〜図16を用いて説明する。
【0109】
図14は、変形例における色変換プロファイル作成装置の構成の一例を示す図である。ここで、色変換プロファイル作成装置1700は、入力色空間と出力色空間における色域写像を行い、その色域写像色について色再現評価を行い、評価結果が良好な色域写像結果に基づいて色変換プロファイルを作成する。尚、図2に示す構成と同じ構成には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0110】
写像パラメータ格納部1701は色変換プロファイルを作成するために、入力デバイス色域から出力デバイス色域に写像する色域写像処理における写像パラメータを格納する。ここで、写像パラメータは、色域写像処理におけるグレイライン設定やプライマリカラー設定、階調再現制御や彩度圧縮制御などの写像アルゴリズムにおける制御パラメータである。色域写像部1703は写像パラメータ格納部1701に格納された写像パラメータを用いて、均等色空間変換部207によって変換された均等色空間において、入力デバイス色域上の色を出力デバイス色域上の色に写像する色域写像処理を行う。
【0111】
変形例における写像処理では、入力デバイス色域上の離散点を格子点データとして設定し、各格子点における入力色信号に対応する出力デバイス色域上の色度座標を写像処理によって獲得する。そして、出力色度座標に対応する出力色信号を入力色信号の格子点データに連携して記述したルックアップテーブル形式のデータを、色変換プロファイルとして作成する。
【0112】
評価判定部209は、色域写像部1703よって写像された均等色空間上の出力色の色度値を参照して各評価項目における評価対象色の出力再現色を獲得し、評価条件設定部206において設定された各評価項目における評価基準データを用いて評価を行う。ここで、評価判定部209から出力された各評価項目における評価結果は、不図示の端子を通じてモニタ106に表示される構成であっても良い。
【0113】
写像パラメータ調整部1702は、評価判定部209から評価結果を受け取り、各評価結果が所定の基準を満たしていなければ、写像パラメータの調整を行う。そして、色域写像部1703が写像パラメータ調整部1702で調整された写像パラメータを用いた写像処理を行う。この処理は、評価判定部209による各評価結果が所定の基準を満足する、若しくは、全体として最良の評価結果を獲得するまで、写像パラメータ調整部1702による写像パラメータの調整が繰り返される。
【0114】
以上の条件を満足する写像結果が獲得されると、色域写像部1703はパラメータ調整を終了し、色変換プロファイルを作成し、色変換プロファイル格納部1704に格納し、端子を通じて出力する。
【0115】
図15は、変形例の色変換プロファイル作成を開始する際に、初期条件を設定するためのUIの一例を示す図である。尚、図9を用いて説明した初期条件設定UIと同じ設定項目については説明を省略する。
【0116】
図15に示すUI1800において、入出力デバイス設定、観察環境光設定、評価基準プロファイル設定が終了すると、写像モード設定リストボタン1801によって色域写像における写像モードを選択する。代表的な写像モードには、出力画像における色再現目的によって「モニタマッチ」、「写真調」、「サチュレーション」、「カラリメトリック」がある。そして、色変換プロファイル作成開始ボタン1802を操作することで、色変換プロファイルの作成を開始する。また、キャンセルボタン1803は、初期条件設定操作を停止・中断するためのキャンセルボタンである。
【0117】
ここで、変形例における色変換プロファイルを作成する色変換プロファイル作成処理を、図16を用いて説明する。図16は、変形例における色変換プロファイル作成処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1901において、出力画像を観察する観察環境光条件が入力され、観察環境光情報格納部201に格納される。そして、ステップS1902において、入力デバイスにおける色域データや色域データを記述する光源条件などを記録した入力デバイスプロファイルが入力され、入力機器情報格納部202に格納される。
【0118】
次に、ステップS1903において、出力デバイスにおける色域データや色域データを記述する光源条件などを記録した出力デバイスプロファイルが入力され、出力機器情報格納部203に格納される。そして、ステップS1904において、入力機器情報格納部202に格納された入力デバイスプロファイルを参照し、入力デバイス色域を均等色空間上の色度データに変換する。また同様に、観察環境光情報格納部201に格納された出力画像を観察する観察環境光条件と出力機器情報格納部203に格納された出力デバイスプロファイルを参照し、観察環境下における出力デバイス色域を均等色空間上の色度データに変換する。
【0119】
次に、ステップS1905において、出力画像を観察する観察環境光条件と、少なくとも画像出力条件であるデバイス機器や出力媒体の白色データを参照し、設定された画像出力条件と、観察環境光に応じた各評価項目における評価基準データを獲得する。そして、ステップS1906において、色変換プロファイルを作成するために入力デバイス色域から出力デバイス色域に写像する色域写像処理における写像パラメータを写像パラメータ格納部1701より獲得し、色域写像部1703に設定する。
【0120】
次に、ステップS1907において、色域写像部1703は、写像パラメータを用いて均等色空間変換部207によって変換された均等色空間において、入力デバイス色域上の色を出力デバイス色域上の色に写像する色域写像処理を行う。そして、ステップS1908において、評価判定部209が色域写像部1703で写像された均等色空間上の出力色の色度値を参照して各評価項目における評価対象色の出力再現色を獲得する。そして、評価条件設定部206が設定された各評価項目における評価基準データを用いて評価を行い、評価値を獲得する。
【0121】
次に、ステップS1909において、ステップS1908で獲得した各評価項目における評価値が、色変換プロファイルにおいて良好な再現となる基準を満足しているか否かを判定する。判定の結果、基準を満足するものであれば、色域写像部1703は写像結果に基づいて色変換プロファイルを作成し、色変換プロファイル格納部1704に格納する。しかし、ステップS1909で判定した結果、基準を満足するものでなければステップS1911へ処理を進め、写像パラメータ調整部1702が評価判定部209から評価結果を受け取り、写像パラメータの調整を行う。そして、ステップS1907に戻り、上述の処理を繰り返す。
【0122】
この処理により、色域写像部1703は写像パラメータ調整部1702が調整した写像パラメータを用いた写像処理を行う。そして、評価判定部209による各評価結果が所定の基準を満足する、若しくは全体として最良の評価結果を獲得するまで、写像パラメータ調整部1702が写像パラメータの調整を繰り返す。
【0123】
変形例によれば、評価処理の評価値を参照しながら色変換プロファイルの作成のための色域写像処理における写像パラメータを評価値が所定の基準内となるように調整することで、観察環境光に応じた最適な色変換プロファイルの作成が可能となる。
【0124】
また、写像パラメータの調整において、各種パラメータの組み合わせに対する評価値の判定を行い、最適なパラメータの組み合わせを選択する手段によって色変換プロファイルの自動作成も可能となる。
【0125】
従って、作成した色変換プロファイルを用いることで、入力デバイスにより入力された画像データを出力デバイスによって出力した画像の色再現において、出力画像を観察する観察環境光条件に応じた好ましい色再現性を実現することができる。
【0126】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0127】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行する。これによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0128】
この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0129】
このプログラムコードを供給するための記録媒体として、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0130】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、次の場合も含まれることは言うまでもない。即ち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合である。
【0131】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードがコンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込む。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力色信号を出力色信号へと変換する色変換による色再現性を評価する画像処理装置であって、
再現範囲のハイライト領域における色度変化を、閾値を用いて比較した結果に基づいて前記色再現性を評価する手段を有し、
前記閾値は評価対象色における評価基準であり、出力画像を観察する観察環境光の条件に応じた目標色又は再現範囲であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記評価対象色には、少なくともグレイ及び記憶色が含まれ、ユーザにより定義されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記観察環境光の条件に応じて、目標色又は再現範囲の明度、色相、彩度、色度距離の少なくとも1つの値が変化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記観察環境光の条件は、少なくとも光源の色温度、照度、光源の波長の何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
入力色信号を出力色信号へと変換する色変換によるグレイラインの色再現性を評価する画像処理装置であって、
前記グレイライン上の複数の色度点を均等色空間上の値として獲得する手段と、
前記色度点の間の色度変化量を獲得する手段と、
前記色度変化量に対して閾値を用いて評価する手段とを有し、
前記色度変化量の評価に用いる閾値は観察環境光の条件に応じた値であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記閾値は、出力媒体の白色に基づいて獲得した値であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記評価は、前記色度点の間の色度の変化量と明度の変化量に対して前記閾値を用いて評価することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記均等色空間上において前記グレイライン上の3点の色度点を結ぶ線分がなす角度に基づき色再現性を判定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記評価の結果と、前記観察環境光の条件に応じた評価対象色における評価基準である目標色又は再現範囲とを表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
入力色信号を出力色信号へと変換する色変換による色再現性を評価する画像処理装置の色再現評価方法であって、
再現範囲のハイライト領域における色度変化を、閾値を用いて比較した結果に基づいて前記色再現性を評価する工程を有し、
前記閾値は評価対象色における評価基準であり、出力画像を観察する観察環境光の条件に応じた目標色又は再現範囲であることを特徴とする画像処理装置の色再現評価方法。
【請求項11】
入力色信号を出力色信号へと変換する色変換によるグレイラインの色再現性を評価する画像処理装置の色再現評価方法であって、
前記グレイライン上の複数の色度点を均等色空間上の値として獲得する工程と、
前記色度点の間の色度変化量を獲得する工程と、
前記色度変化量に対して閾値を用いて評価する工程とを有し、
前記色度変化量の評価に用いる閾値は観察環境光の条件に応じた値であることを特徴とする画像処理装置の色再現評価方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項10又は11に記載の画像処理装置の色再現評価方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−9878(P2011−9878A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149177(P2009−149177)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】