説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】 画像を色分解して色ムラを補正する場合に、色ムラを示す画像を記憶するために必要なメモリ、及び色ムラを示す画像の数を低減する。
【解決手段】 画像読取ユニット11は、CMY(3次色)のテスト画像をRGBの3つの画像に色分解する。画像メモリ208は、画像選択部206が選択した画像(例えばデフォルトとして選択したRGBの3つの画像)を記憶する。補正演算回路210は、画像メモリ208から画像データを取得し、色ムラ(色の濃淡)を検出し、色ムラを検出した画像の色の補色の画像に色ムラが生じているとみなし、色ムラを検出した画像の色の補色の画像に色ムラが生じないように補正する補正量(濃度変換量)を算出し、算出した補正量から色ムラを補正するための変換テーブルを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の色ムラを補正する画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置によって記録媒体に形成された画像を読取ることにより、画像形成装置が画像に生じさせる濃度ムラを示す濃度データを取得して、画像形成装置が画像に生じさせる濃度ムラを補正することは公知である(特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平06−003911号公報
【特許文献2】特開平05−227396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像の濃度ムラ(色ムラ)を示す濃度データは、色ムラの補正精度に応じてデータ量が多くなる。また、色ムラを補正すべき画像の量又は数が多い場合にも、濃度データのデータ量は多くなり、補正のために読取った画像の濃度データを記憶するために十分なメモリが必要になる。例えば画像形成装置が形成するカラー画像の色ムラを補正する場合には、カラー画像を構成する複数色の画像それぞれに対して色ムラを示す濃度データが必要になるので、カラー画像を色分解して複数の色ムラを示す画像を取得することになる。つまり、画像を色分解して複数の色ムラを示す画像を記憶するためには、大容量のメモリが必要になってしまう。
上記従来例においては、画像を色分解して色ムラを補正する場合に、色ムラを示す画像を記憶するために必要なメモリを低減することについて、何ら開示されていない。
【0005】
本発明の第1の目的は、画像を色分解して色ムラを補正する場合に、色ムラを示す画像を記憶するために必要なメモリ、及び色ムラを示す画像の数を低減することができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、任意の多次色の画像の色ムラを補正する場合に、色ムラを示す画像を記憶するために必要なメモリ、及び色ムラを示す画像の数を低減することができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴とするところは、記録媒体に印刷された画像を複数色に色分解する色分解手段と、この色分解手段が色分解した画像のすくなくとも1つを記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶する画像の色ムラを検出する検出手段と、この検出手段が検出する色ムラに対する補正量を算出する補正量算出手段とを有する画像処理装置にある。したがって、記録媒体に印刷される画像が複数色により構成されていても、複数色それぞれの画像を個別に色分解する必要がなく、画像を色分解して色ムラを補正する場合に、色ムラを示す画像を記憶するために必要なメモリ、及び色ムラを示す画像の数を低減することができる。
【0007】
また、本発明の第2の特徴とするところは、記録媒体に画像を印刷する印刷手段と、この印刷手段が印刷した画像を複数色に色分解する色分解手段と、この色分解手段が色分解した画像のすくなくとも1つを記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶する画像の色ムラを検出する検出手段と、この検出手段が検出する色ムラに対する補正量を算出する補正量算出手段と、この補正量算出手段が算出した補正量に応じて、前記印刷手段が画像を印刷するように制御する制御手段とを有する画像処理装置にある。したがって、印刷手段が記録媒体に印刷する画像が複数色により構成されても、複数色それぞれの画像を個別に色分解する必要がなく、画像を色分解して印刷手段による色ムラを補正する場合に、色ムラを示す画像を記憶するために必要なメモリ、及び色ムラを示す画像の数を低減することができる。
【0008】
好適には、前記色分解手段は、多次色の画像を複数色に色分解する。また、好適には、前記記憶手段は、前記色分解手段が色分解した画像それぞれを記憶する。即ち、1回の画像の色分解により、多次色の画像を構成する各色の色ムラに対する補正量を算出することができる。
【0009】
また、好適には、前記色分解手段は、グレーの画像を複数色に色分解する。即ち、多次色の画像であるグレーの画像に対しても、1回の画像の色分解により、多次色の画像を構成する各色の色ムラに対する補正量を算出することができる。
【0010】
また、好適には、前記色分解手段は、記録媒体に印刷される画像における最も広い領域を占める色の画像、又は記録媒体に最も頻繁に印刷される色の画像を色分解する。即ち、任意の多次色を含む画像に対し、任意の多次色の色ムラを補正するために最適な補正量を算出することができる。
【0011】
また、本発明の第3の特徴とするところは、記録媒体に印刷された画像を複数色に色分解し、色分解した画像のすくなくとも1つを記憶し、記憶した画像の色ムラを検出し、検出した色ムラに対する補正量を算出する画像処理方法にある。
【0012】
また、本発明の第4の特徴とするところは、印刷手段により記録媒体に画像を印刷し、印刷した画像を複数色に色分解し、色分解した画像のすくなくとも1つを記憶し、記憶した画像の色ムラを検出し、検出した色ムラに対する補正量を算出し、算出した補正量に応じて前記印刷手段が画像を印刷するように制御する画像処理方法にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像を色分解して色ムラを補正する場合に、色ムラを示す画像を記憶するために必要なメモリ、及び色ムラを示す画像の数を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の実施形態に係る画像処理装置10の概要が示されている。画像処理装置10は、画像読取ユニット11、露光装置13、複数の画像形成ユニット14、中間転写ベルト16、記録媒体トレイ17a〜17d、記録媒体搬送路18、定着器19及び制御部20を有し、ユーザの操作に応じて、図示しないコンピュータ又はサーバなどのDFE(Digital Front End)からC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(黒)の画像データを取得して、用紙などの記録媒体に画像を印刷する。なお、画像処理装置10は、システムとしてはネットワークを介して接続されるコンピュータやその他の端末装置を含むことがあり、制御部20がシステムのいずれかに配置されている。
【0015】
画像処理装置10の上部には、画像読取ユニット11が配設されている。画像読取ユニット11は、画像をR(赤),G(緑),B(青紫)に分解して読取るスキャナであり、例えば画像処理装置10が印刷したテスト画像を読み取り、テスト画像を構成するRGBの画像データを制御部20に対して出力する。
画像読取ユニット11の下方には、露光装置13が配置されている。露光装置13は、図示しない光源及びレンズ等を含み、制御部20から入力される画像データに応じてYMCKの色ごとに変調したレーザ光を露光装置13の下方に配置された複数の画像形成ユニット14に対してそれぞれ出力する。
【0016】
複数の画像形成ユニット14は、カラー画像を構成する色に対応して配設されている。本例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応して第1の画像形成ユニット14Y、第2の画像形成ユニット14M、第3の画像形成ユニット14C及び第4の画像形成ユニット14Kが、中間転写ベルト16に沿って一定の間隔を空けて水平に配列されている。中間転写ベルト16は、中間転写体として図中矢印aの方向に回動する。4つの画像形成ユニット14Y、14M、14C、14Kは、制御部20から入力された画像データに基づいて各色のトナー像を順次形成し、複数のトナー像が互いに重ね合わせられるように中間転写ベルト16にトナー像を転写(一次転写)する。なお、各画像形成ユニット14Y、14M、14C、14Kの色の順序は、限定されるものではなく任意である。
【0017】
記録媒体搬送路18は、中間転写ベルト16の下方に配設されている。記録媒体トレイ17a〜17dいずれかから供給された記録媒体は、記録媒体搬送路18上を搬送され、中間転写ベルト16上に多重に転写された各色のトナー像が一括して転写(二次転写)され、転写されたトナー像が定着器19によって定着され、矢印bに沿って外部に排出される。
【0018】
次に、画像処理装置10の各構成についてより詳細に説明する。
画像読取ユニット11は、例えばテスト画像などの原稿Pを載せるプラテンガラス110と、原稿Pをプラテンガラス110上に押圧するプラテンカバー112と、プラテンガラス110上に載置された原稿Pに形成された画像をRGBの3つの画像に分解して読み取る画像読取部120とを有し、分解して読取った画像それぞれを制御部20に対して出力する。画像読取部120は、プラテンガラス110上に載置された原稿Pを光源122によって照明し、原稿Pからの反射光像を、複数のミラー124などからなる縮小光学系を介して、3つのCCD等からなる画像読取素子126上に走査露光し、原稿Pに形成された画像を画像読取素子126によって所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)のRGBの3つの画像に分解して読み取るように構成されている。
【0019】
第1の画像形成ユニット14Y、第2の画像形成ユニット14M、第3の画像形成ユニット14C及び第4の画像形成ユニット14Kは、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置され、形成する画像の色が異なる他は、ほぼ同様に構成されている。そこで、以下、第1の画像形成ユニット14Yについて説明する。なお、各画像形成ユニット14の構成は、Y、M、C又はKを付すことにより区別する。
【0020】
画像形成ユニット14Yは、光走査装置140Y及び像形成装置150Yを有する。
光走査装置140Yは、露光装置13から入力されたイエロー(Y)に対応するレーザ光を回転多面鏡142Yによって偏向走査し、反射ミラー144Yを介して像形成装置150Yの感光体ドラム152Y上に照射する。
像形成装置150Yは、矢印aの方向に沿って所定の回転速度で回転する像担持体としての感光体ドラム152Yと、この感光体ドラム152Yの表面を一様に帯電する帯電器154Yと、感光体ドラム152Y上に形成された静電潜像を現像する現像器156Yと、クリーニング装置158Yと、除電装置159Yとから構成されている。感光体ドラム152Yは、帯電器154Yにより一様に帯電され、光走査装置140Yにより照射されたレーザ光により静電潜像を形成される。感光体ドラム152Yに形成された静電潜像は、現像器156Yによりイエローのトナーで現像され、中間転写ベルト16に転写される。なお、トナー像の転写工程の後には、感光体ドラム152Yに付着している残留トナー及び紙粉等がクリーニング装置158Yによって除去され、感光体ドラム152Yが除電装置159Yにより除電される。
他の画像形成ユニット14M、14C及び14Kも、上記と同様に、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の各色のトナー像を形成し、形成された各色のトナー像を中間転写ベルト16に転写する。
【0021】
中間転写ベルト16は、ドライブロール160と、アイドルロール162と、ステアリングロール164と、バックアップロール166との間に一定のテンションで掛け回されており、駆動モータ(図示せず)によってドライブロール160が回転駆動されることにより、矢印aの方向に所定の速度で循環駆動される。この中間転写ベルト16は、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等によって接続することにより無端ベルト状に形成されたものである。
また、中間転写ベルト16には、各画像形成ユニット14Y、14M、14C、14Kに対向する位置にそれぞれ第1の一次転写ロール168Y、第2の一次転写ロール168M、第3の一次転写ロール168C及び第4の一次転写ロール168Kが配設され、感光体ドラム152Y、152M、152C、152K上に形成された各色のトナー像は、これらの一次転写ロール168により中間転写ベルト16上に多重に転写される。
【0022】
記録媒体搬送路18には、記録媒体トレイ17a〜17dそれぞれから記録媒体を取り出す給紙ローラ180と、記録媒体搬送用のローラ対182と、記録媒体を既定のタイミングで二次転写位置に搬送するレジストロール184とが配設される。
また、記録媒体搬送路18上の二次転写位置には、バックアップロール166に圧接する二次転写ロール186が配設されており、中間転写ベルト16上に多重に転写された各色のトナー像は、この二次転写ロール186による圧接力及び静電気力で記録媒体上に二次転写される。各色のトナー像が転写された記録媒体は、定着器19へと搬送される。
定着器19は、各色のトナー像が転写された記録媒体に対して熱と圧力とを加えることにより、トナーを記録媒体に定着させる。
【0023】
制御部20は、画像信号変換部200、テスト画像データ発生回路202、選択器204、画像選択部206、画像メモリ208及び補正演算回路210を有する。
画像信号変換部200は、後述する各色ごとの変換テーブルを記憶するメモリを含み、図示しないコンピュータ又はサーバなどのDFEからCMYK各色の画像データを取得し、取得したCMYK各色の画像データに対して補正演算回路210から受入れる各色ごとの変換テーブルにより濃度変換し、選択器204に対して出力する。
テスト画像データ発生回路202は、CMYK各色ごとのテスト画像(図3参照)を形成するためのテスト画像データを発生させ、選択器204に対して出力する。
【0024】
選択器204は、画像処理装置10がDFEから取得したCMYK各色の画像データに応じて画像を印刷するモード(通常印刷モード)、又は印刷される画像の色ムラ(色の濃淡)を補正するためのモード(テストモード)のいずれのモードで動作すべきかを示す設定を、例えば図示しないユーザインターフェイスなどを介して取得し、取得した設定に応じて選択した画像データを露光装置13に対して出力する。つまり、選択器204は、通常印刷モードで動作すべき設定を取得した場合には画像信号変換部200から入力された画像データを選択して出力し、テストモードで動作すべき設定を取得した場合にはテスト画像データ発生回路202から入力されたテスト画像データを選択して出力する。
【0025】
画像選択部206は、画像読取ユニット11が出力したRGBの3つの画像(画像データ)から、所定の画像を選択し、画像メモリ208に対して出力する。なお、画像選択部206は、例えば図示しないユーザインターフェイスなどを介してユーザが設定した色の画像を選択する。また、画像選択部206は、デフォルトとしてRGBの3つの画像を選択するようにされている。
【0026】
画像メモリ208は、画像選択部206から入力される画像(画像データ)を記憶し、補正演算回路210からのアクセスに応じて画像データを補正演算回路210に対して出力する。なお、画像メモリ208は、テスト画像を色分解したRGBの3つの画像を記憶することができる容量を有している。
【0027】
補正演算回路210は、例えばCPUを含み、画像メモリ208から画像データを取得し、画像選択部206が選択した画像における色ムラを検出する。補正演算回路210は、色ムラを検出した場合には、色ムラを検出した画像の色(RGBなど)の補色の画像(CMYなど)に色ムラが生じているとみなし、色ムラを検出した画像の色の補色の画像(CMYなど)に色ムラが生じないように補正する補正量(濃度変換量)を算出し、算出した補正量から色ムラを補正するための変換テーブルを生成し、画像信号変換部200に対して出力する。補正演算回路210が出力する変換テーブルは、CMYK各色の画像データに対し、色ムラを補正するようにCMYK各色の濃度をそれぞれ変換する各色用の4つの変換テーブルである。
なお、RGBの濃度値に対するCMYの濃度値は、例えば既知のCMYの画像のRGB値を予め測定しておくことにより、対応関係が設定されている。
【0028】
次に、画像処理装置10が色ムラを補正するための変換テーブルをテスト画像から生成する処理について詳述する。
図2は、画像処理装置10が色ムラを補正するための変換テーブルをテスト画像から生成する処理(S10)を示すフローチャートである。
図3は、画像処理装置10が色ムラを補正するための変換テーブルをテスト画像から生成する処理を示す概念図である。
変換テーブルを生成するために、画像処理装置10は、ユーザの操作に応じて、例えばCMY(3次色)及びKのテスト画像をそれぞれ1枚ずつ印刷する。CMY(3次色)及びKのテスト画像それぞれは、例えば主走査方向の色ムラを補正するために、主走査方向に同一の濃度に設定されており、且つ副走査方向に段階的に階調数が増加するようにパターンが形成されている。また、CMY各色の濃度は、例えばそれぞれ10%きざみで変化させられて、組み合わされている。
【0029】
図2に示すように、ステップ100(S100)において、画像読取ユニット11は、ユーザの操作に応じて、例えばCMY(3次色)のテスト画像(図3参照)をRGBの3つの画像に色分解する。
【0030】
ステップ102(S102)において、画像メモリ208は、画像選択部206が選択した画像(例えばデフォルトとして選択したRGBの3つの画像)を記憶する。
【0031】
ステップ104(S104)において、補正演算回路210は、画像メモリ208から画像データを取得し、色ムラ(色の濃淡)を検出する。例えば補正演算回路210は、画像形成ユニット14の主走査方向の位置に対応させて、段階的に増加している階調数のパターンごとに色ムラを検出する(図3参照)。
【0032】
ステップ106(S106)において、補正演算回路210は、色ムラを検出した画像の色(RGB)の補色(CMY)の画像に色ムラが生じているとみなし、補色への色変換(R→C変換、G→M変換及びB→Y変換)を行って、色ムラを検出した画像の色の補色の画像(CMY)に色ムラが生じないように補正する補正量(濃度変換量)を算出する。
【0033】
ステップ108(S108)において、補正演算回路210は、算出した補正量から色ムラを補正するための3つの変換テーブル(C用変換テーブル、M用変換テーブル及びY用変換テーブル)を生成し、画像信号変換部200に対して出力する。
【0034】
ステップ110(S110)において、画像信号変換部200は、補正演算回路210から入力された変換テーブルを記憶する。
【0035】
したがって、CMYの濃度を均一に設定しても色重ねの不均一などによって均一なグレー(3次色)の画像が形成されない場合にも、画像処理装置10は、1枚のCMYからなるグレーのテスト画像を色分解して色ムラを補正することにより、均一なグレーの画像を形成するように補正することができる。
【0036】
また、画像処理装置10は、図3に示すように、ユーザ指示に応じて、K(無彩色)のテスト画像に対してS10の処理を行い、K(無彩色)の印刷に対して色ムラが生じないように、例えばK用変換テーブルを記憶する。ここでは、ユーザ指示により、画像選択部206がGの画像を選択するようにされている。テスト画像がK(無彩色)の場合には、ユーザ指示に応じて、画像選択部206がR,Bいずれかの画像を選択するようにされてもよい。
【0037】
次に、特定の色を記録媒体に印刷する頻度が高い場合に、画像処理装置10が色ムラを補正するための変換テーブルをテスト画像から生成する処理について説明する。
図4は、特定の色を記録媒体に印刷する頻度が高い場合に、画像処理装置10が色ムラを補正するための変換テーブルをテスト画像から生成する処理を示す概念図である。
なお、記録媒体に印刷する頻度が高い特定の色とは、例えば記録媒体に印刷される画像における最も広い領域を占める色、又は記録媒体に最も頻繁に印刷される色などである。
【0038】
記録媒体に印刷する頻度が高い特定の色が例えばYMからなる2次色である場合、画像処理装置10は、YMからなる2次色のテスト画像を印刷する。例えばテスト画像がYMからなる2次色である場合、画像選択部206は、ユーザの指示に応じて、画像読取ユニット(スキャナ)11から入力されるRGBの3色の画像からBGそれぞれの画像を選択する。
画像メモリ208は、画像選択部206から入力されるBGそれぞれの画像を記憶し、補正演算回路210は、BGそれぞれの画像に応じて変換テーブル(M用変換テーブル及びY用変換テーブル)を生成する。
このように、記録媒体に印刷する頻度が高い特定の色のテスト画像を画像処理装置10により印刷して色ムラ補正を行うことにより、画像形成装置10は、記録媒体に印刷する頻度が高い特定の色に最適な色ムラ補正を行うことができる。
【0039】
また、YMからなる2次色であるテスト画像により色ムラ補正を行った場合、画像処理装置10は、C(1次色)のテスト画像及びK(無彩色)のテスト画像をそれぞれ印刷し、ユーザの指示に応じて、テスト画像それぞれを色分解した画像からR及びGの画像をそれぞれ選択して、C及びKに対しても変換テーブルを生成する。なお、テスト画像が1次色(C)の場合には、画像選択部206は、ユーザ指示に応じて、補色の画像(Rの画像)を選択する。テスト画像がK(無彩色)の場合には、画像選択部206は、ユーザ指示に応じて、R,Bいずれかの画像を選択するようにされてもよい。
【0040】
また、上記実施形態においては、主走査方向の色ムラを補正するために、テスト画像それぞれが主走査方向に同一の濃度に設定されたパターンを形成された場合を例に説明したが、これに限定されることなく、副走査方向の色ムラを補正するために、テスト画像それぞれが副走査方向に同一の濃度に設定されたパターンを形成されてもよい。
また、上記実施形態においては、テスト画像をユーザが画像読取ユニット11にセットすることにより、画像読取ユニット11がテスト画像を読取る場合を例に説明したが、これに限定されることなく、例えば定着器19によりテスト画像が記録媒体に定着された後にテスト画像を読取るように読取り装置を設け、テスト画像を読取った後に画像処理装置10から排出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置の概要を示す側面図である。
【図2】画像処理装置が色ムラを補正するための変換テーブルをテスト画像から生成する処理(S10)を示すフローチャートである。
【図3】画像処理装置が色ムラを補正するための変換テーブルをテスト画像から生成する処理を示す概念図である。
【図4】特定の色を記録媒体に印刷する頻度が高い場合に、画像処理装置10が色ムラを補正するための変換テーブルをテスト画像から生成する処理を示す概念図である。
【符号の説明】
【0042】
10 画像処理装置
11 画像読取ユニット(スキャナ)
13 露光装置
14Y 第1の画像形成ユニット
14M 第2の画像形成ユニット
14C 第3の画像形成ユニット
14K 第4の画像形成ユニット
16 中間転写ベルト
17a〜17d 記録媒体トレイ
18 記録媒体搬送路
19 定着器
20 制御部
200 画像信号変換部
202 テスト画像データ発生回路
204 選択器
206 画像選択部
208 画像メモリ
210 補正演算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に印刷された画像を複数色に色分解する色分解手段と、この色分解手段が色分解した画像のすくなくとも1つを記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶する画像の色ムラを検出する検出手段と、この検出手段が検出する色ムラに対する補正量を算出する補正量算出手段とを有する画像処理装置。
【請求項2】
記録媒体に画像を印刷する印刷手段と、この印刷手段が印刷した画像を複数色に色分解する色分解手段と、この色分解手段が色分解した画像のすくなくとも1つを記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶する画像の色ムラを検出する検出手段と、この検出手段が検出する色ムラに対する補正量を算出する補正量算出手段と、この補正量算出手段が算出した補正量に応じて、前記印刷手段が画像を印刷するように制御する制御手段とを有する画像処理装置。
【請求項3】
前記色分解手段は、多次色の画像を複数色に色分解する請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記色分解手段が色分解した画像それぞれを記憶する請求項1乃至3いずれか記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記色分解手段は、グレーの画像を複数色に色分解する請求項1乃至4いずれか記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記色分解手段は、記録媒体に印刷される画像における最も広い領域を占める色の画像、又は記録媒体に最も頻繁に印刷される色の画像を色分解する請求項1乃至4いずれか記載の画像処理装置。
【請求項7】
記録媒体に印刷された画像を複数色に色分解し、色分解した画像のすくなくとも1つを記憶し、記憶した画像の色ムラを検出し、検出した色ムラに対する補正量を算出する画像処理方法。
【請求項8】
印刷手段により記録媒体に画像を印刷し、印刷した画像を複数色に色分解し、色分解した画像のすくなくとも1つを記憶し、記憶した画像の色ムラを検出し、検出した色ムラに対する補正量を算出し、算出した補正量に応じて前記印刷手段が画像を印刷するように制御する画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−59986(P2007−59986A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−239654(P2005−239654)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】