説明

画像形成システム

【課題】封筒の内容物の封入に過不足がないかどうかを検査する代替手段としての内容物封入後の封筒の重量を測定する重量測定手段と、重量測定手段により測定された内容物封入後の封筒毎の重量データに基づいて、内容物封入後の封筒を仕分ける仕分け手段とを備えることによって、封入装置と画像形成装置との画像形成システムとしての機能と使いやすさを改善する。
【解決手段】画像形成装置としての複写機1で画像形成された用紙Pを封筒Pfに封入する封入手段ないし封入装置としてのSSPユニット40(ソートガイド部44および封筒チャック部45)と、用紙封入済みの封筒Pfの重量を測定するロードセル222を備えた重量測定装置220と、重量測定装置220により測定された用紙封入済みの封筒Pf毎の重量データに基づいて、用紙封入済みの封筒Pfを仕分ける仕分け装置190とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と封入装置を備えた後処理装置との画像形成システムに関し、詳しくは、封筒を含むシートに画像形成を行うことが可能な画像形成装置と、該画像形成装置により画像形成されたシート等の内容物を封筒に封入する封入装置を備えた後処理装置とが連結された画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビン等の用紙(シート)積載手段上に積載した用紙を封筒に詰め込む作業を自動的に行うことができるようにした用紙処理装置が、既に知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
特許文献1には、用紙処理装置において、インラインで封筒と内容物の画像形成・印刷を行い、封筒に内容物を封入する装置が開示されており、封入の不具合を回避する目的で、用紙サイズと封筒サイズ情報から、封筒詰め可否の判断を行えるシステムの構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1および2記載等の技術を含め、今までの画像形成装置と後処理装置等とを含んで構成されるインラインの封入装置(画像形成システム)では、内容物の封入に過不足がないかどうか検査する機構を持たないものが一般的で、もしも検品を実施するには、システムの後ろに、封入封緘された封筒の重量や厚さを測定して判定する検品装置を連結する必要があった。
その場合、既に封緘された後に良否判定がなされることになり、不具合品と判定されたものについての人手での確認や修正が困難になっていた。あるいは、検品後に封緘するように構成するには、検品装置の後ろに封緘装置を連結することになり、システムとして大きくなったり、各種の設定作業が煩雑になったりするなど、使いにくくなることも多くなってしまう、などといった問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて上記課題を解決するためになされたものであり、封筒の内容物の封入に過不足がないかどうかを検査する代替手段としての内容物封入後の封筒の重量を測定する重量測定手段と、重量測定手段により測定された内容物封入後の封筒毎の重量データに基づいて、内容物封入後の封筒を仕分ける仕分け手段とを備えることによって、封入装置と画像形成装置との画像形成システムとしての機能と使いやすさを改善することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決すると共に前述した目的を達成するために、請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、封筒を含むシートに画像形成を行うことが可能な画像形成手段と、前記画像形成手段により画像形成されたシートを封筒に封入する封入手段と、前記シート封入済みの封筒の重量を測定する重量測定手段と、前記重量測定手段により測定されたシート封入済みの封筒毎の重量データに基づいて、前記シート封入済みの封筒を仕分ける仕分け手段とを有することを特徴とする画像形成システムである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成システムにおいて、前記測定後の前記シート封入済みの封筒を前記仕分け手段に排出する排出手段と、前記排出手段により排出されたシート封入済みの封筒を積載する積載手段とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像形成システムにおいて、前記積載手段は、複数の積載台を有し、前記仕分け手段によって仕分けられたシート封入済みの封筒が、重量別に前記複数の積載台の何れかに積載されることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の画像形成システムにおいて、前記積載手段は、複数の積載台を有し、前記仕分け手段によって仕分けられたシート封入済みの封筒を、重量別に前記複数の積載台の何れかに積載するよう設定する設定手段を有することを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の画像形成システムにおいて、前記仕分け手段は、閾値に基づいて前記シート封入済みの封筒を仕分け、前記閾値は、所定部数の前記シート封入済みの封筒の重量データに基づいて算出されることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成手段で画像形成されるべく給送される同一サイズのシートを収容するシート収容手段を複数備え、該複数のシート収容手段の何れか一つに収容されているシートが無くなった場合に、前記複数のシート収容手段の何れかに収容されているシートを自動で給送するシート自動選択モードを有し、前記封筒にシートを封入する場合であって、前記シート自動選択モード実行時には、指定先の前記シート収容手段のシートが無くなった場合でも、該指定先のシート収容手段からのみシートを給送することを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の画像形成システムにおいて、前記封入手段は、封筒を挟持・搬送する搬送手段を有し、前記搬送手段は、封筒に対する圧接を解除する圧接解除手段を備え、前記重量測定手段によって前記シート封入済みの封筒の重量を測定するとき、前記搬送手段は、前記シート封入済みの封筒に対する前記圧接を解除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前記構成により、前記課題を解決して新規な画像形成システムを実現し提供することができる。すなわち、本発明によれば、シート封入済みの封筒の重量を測定する重量測定手段と、重量測定手段により測定されたシート封入済みの封筒毎の重量データに基づいて、シート封入済みの封筒を仕分ける仕分け手段とを有することによって、封入手段(封入装置)と画像形成手段(画像形成装置)との画像形成システムとしての機能と使いやすさを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概略構成と共に、用紙や封筒のサイズを検知するサイズ検知系および制御系を説明する説明図である。
【図2】図1の画像形成システムを構成するデジタル複写機およびSSP装置の全体構成図である。
【図3】図1のデジタル複写機の給紙部に装着される給紙カセットを示す斜視図である。
【図4】図1のデジタル複写機のトレイに封筒がセットされた状態を示す斜視図である。
【図5】図4のトレイに装着された封筒のサイズを検知するサイズ検知装置の側面図である。
【図6】図1のデジタル複写機のSSPユニットを拡大して示す正面図である。
【図7】SSPユニットのソートガイドと搬送ベルトとの位置関係を示した斜視図である。
【図8】SSPユニットのソートガイドによって用紙がビン上に排出される様子を示した正面図である。
【図9】SSPユニットにおいて封筒が封筒チャック部に搬送される様子を示した正面図である。
【図10】図9に引き続き、封筒が封筒チャック部に搬送される様子を示す正面図である。
【図11】封筒チャック部において封筒が開口部を開封マイラーの下端よりも下側にして保持された状態を示す正面図である。
【図12】開封マイラーの下端が封筒内に入り込んだ状態を示す正面図である。
【図13】図12と同様に開封マイラーが封筒の下端に入り込んだ状態の斜視図である。
【図14】SSPユニットに1対設けられているパックユニットとビンとの位置関係を示した斜視図である。
【図15】パックユニットとビンとの位置関係を示した側面図である。
【図16】パックユニットの主要部を示す斜視図である。
【図17】パックユニットの平面図である。
【図18】パックユニットの上・下コロをそれぞれ駆動する駆動系の斜視図である。
【図19】SSPユニットに設けられているステイプラを示す構成図である。
【図20】SSPユニットとパックユニットを移動させる駆動系を示す斜視図である。
【図21】パックユニットが挾持した用紙の下面がビンフェンスの上端を越える位置まで上昇した状態を示す要部の正面図である。
【図22】パックユニットが用紙を挾持して封筒内へ挿入する位置まで移動する様子を説明するための正面図である。
【図23】パックユニットが挾持した用紙を封筒内へ挿入している様子を示す正面図である。
【図24】(a)〜(c)は、重量測定装置の構成および封筒の重量を測定する際の動作推移を説明する正面図である。
【図25】重量測定装置の構成および封筒の重量を測定する際の図24に続く動作推移を説明する正面図である。
【図26】重量測定装置の要部の拡大断面図である。
【図27】用紙封入モードの動作を説明するフローチャートである。
【図28】ロードセルを使用した重量測定部のブロック図である。
【図29】ロードセルからの出力電圧と時間との関係を示すグラフである。
【図30】収納キャリアの外観斜視図である。
【図31】SSPユニットの封入部に設けられている重量測定装置と収納キャリア4内の仕分け装置とを示す要部の断面図である。
【図32】(a)は図1のデジタル複写機に設けられている操作パネルの平面図、(b)は操作パネルの表示部の拡大平面図である。
【図33】図1における複写機とSSP装置との画像形成システム全体の制御を行う制御装置とその関連構成を示すブロック図である。
【図34】用紙封入処理後の仕分け処理モードの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施形態を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。
【0015】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成システムについて説明する。同図は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概略構成と共に、用紙および封筒のサイズを検知するサイズ検知系とこれからの検知信号を入力する制御系を説明する説明図である。以下、本実施形態では郵便物としての「封筒」を郵便対象物として説明する。本実施形態のハードウェア構成は、前記背景技術に記載した特許文献1および2の用紙処理装置の一部構成および動作を利用していることを付記しておく。
【0016】
図1に示す画像形成システムは、画像形成装置の一例としてのデジタル複写機1と、このデジタル複写機(以下、単に「複写機」ともいう)1における装置本体1Aのシート排出側の側部に、後処理装置として機能するソータ・ステイプラ・パッケージャ装置(以下、「SSP装置」ともいう)3とを装着したシステムからなる。
複写機1は、封筒を含むシートとしての用紙等に画像形成を行うと共に画像形成済みの封筒や用紙等を搬送することが可能な画像形成手段(広義)として機能する。
【0017】
SSP装置3は、装置本体1Aから搬送されてくる画像形成済みの封筒や用紙Pを積載する複数の用紙積載手段(シート積載手段)として機能する用紙積載ビン(以下、単に「ビン」ともいう)35と、装置本体1Aの用紙(シート)収納部としての給紙部11から給送・給紙されて画像形成された用紙Pを各ビン35に仕分けして排出する仕分排出手段となるソートガイド部44と、ビン35上の用紙Pを封筒Pf内に搬入する手段となるパックユニット46とを備えている。
【0018】
給紙部11には、給紙カセット15A〜15Dおよびトレイ24が配設されている。これら給紙カセット15A〜15Dおよびトレイ24は、何れも、給紙される用紙Pまたは封筒Pfを収納またはセットできるように構成されている。
上述したとおり、シートには、用紙の他に、郵便物(封筒やはがき等)および厚紙、OHPフィルム等、画像形成手段で画像形成が可能な全てのシート状の記録媒体が含まれる。従って、画像形成手段には、本実施形態例の電子写真方式の複写機1に限らず、電子写真方式・磁気記録方式の単色カラーないしフルカラー複写機や、インクジェット記録装置や、孔版印刷機等を含む印刷機や、これら2つ以上の機能を兼ね備えた複合機等の画像形成装置が含まれる。
【0019】
複写機1は、給紙部11の給紙カセット15A〜15Dおよびトレイ24等から給紙される用紙Pまたは封筒Pf等のサイズをそれぞれ検知する用紙(シート)サイズ検知手段および封筒サイズ検知手段の両機能を兼ねる各サイズ検知センサ32およびサイズ検知装置30と、これらのサイズ検知系によって検知された封筒等のサイズを表示するサイズ報知手段、サイズ表示手段ないし各種報知・表示手段として機能する表示部104(封筒サイズ表示部)と、各サイズ検知センサ32またはサイズ検知装置30が検知したサイズの用紙Pを収納可能な封筒サイズを認識・判断し、その判断した封筒サイズとサイズ検知センサ32またはサイズ検知装置30が検知した封筒サイズとを照合するなどの特許文献1および2と同様の機能および本実施形態に特有の後述する諸機能を備えた制御装置120とを有している。
【0020】
さらに、この複写機1は、詳細な説明は後述するが、封筒に詰める用紙枚数を設定・入力(以下、単に「設定」という)するシート枚数設定手段としてのテンキー105および上記した表示部104等を備えた操作部として機能する操作パネル100(図32参照)を具備しており、制御装置120は用紙を封筒内に詰める「封筒詰めモード」が選択されたとき、サイズ検知センサ32やサイズ検知装置30によって検知されたサイズの用紙をその設定された用紙枚数だけ収納可能な認識したサイズの封筒の中から選択する使用封筒選択手段としても機能する。また、制御装置120は、設定された用紙枚数が上記の認識・判断された収納可能な枚数を超える場合には「封筒詰めモード」を解除させると共に、その「封筒詰めモード」が選択されたときには封筒に詰める用紙の枚数を設定させるための表示を表示部104にさせる制御も行う。
【0021】
ここで、各サイズ検知センサ32およびサイズ検知装置30は、封筒や用紙のサイズを検知するサイズ検知手段として機能する他、封筒や用紙のサイズを測定するサイズ測定手段として機能する。封筒や用紙のサイズを認識するサイズ認識手段には、上記したサイズ検知手段やサイズ測定手段の他に、封筒のサイズをマニュアルで設定するサイズ設定手段が含まれる。サイズ設定手段の具体例としては、例えば、後述する図32に示す操作パネル100に配設されているテンキー105、エンタキー107および表示部104を用いて封筒のサイズをマニュアルで設定する例が挙げられる。
【0022】
制御装置120は、詳細な説明は後述するが、本実施形態例の複写機1により画像形成された用紙(シート)封入済みの封筒の重量を測定する重量測定手段(後述する図24等参照)からの、用紙封入済みの封筒毎の重量データに基づいて、用紙封入済みの封筒を仕分けるように後述する仕分け手段等を制御する仕分け制御手段としての機能を有する。
本実施形態では、郵送可能な封筒の内容物として、主として画像形成済みの少なくとも1枚の用紙(シート)等が封入される封筒について説明する。前記少なくとも1枚の用紙を封筒内に封入する封入手段ないし封入機構もしくは封入装置は、SSP装置3の後述する図2および図6等に示す封筒チャック部45および図1、図2および図6等に示すパックユニット46から主に構成されている(狭義の構成)。広義の封入手段ないし封入機構もしくは封入装置は、SSPユニット40で構成されている。
【0023】
図2を参照して、用紙を封筒に封入する画像形成システムの全体構成と共に、複写機1の要部の構成および動作について説明する。複写機1は、図2に示すように、装置本体1Aの上部には循環型原稿自動給送装置(RDH)2を搭載し、左側面の上部には後処理装置であるSSP装置3を、このSSP装置3の下部には用紙が封入された封筒(以下、「用紙封入済みの封筒」ともいう)を収納する収納キャリア4をそれぞれ装着している。この収納キャリア4は、本発明に特有の構成、すなわち上記仕分け手段によって仕分けられた用紙封入済みの封筒を積載する後述する積載手段を備えているが、詳細は後述する。
【0024】
図2に示す複写機1では、画像走査部5によって画像処理した後の画像情報は、書き込み部6によるレーザ光のラスター走査により光の点の集合の形で像担持体としての感光体ドラム7上に書き込まれる。そのレーザ光源としては半導体レーザが使用されている。
感光体ドラム7の表面は、コロトロン方式の帯電チャージャ8によって均一に負帯電される。この負帯電された感光体ドラム7にレーザ光が照射されて、その画像部分の電位が落とされると、その感光体ドラム7の表面には、地肌部分の電位が−750〜−800Vで、画像部の電位が−50V程度の静電潜像が形成される。
【0025】
その静電潜像は、現像器9の現像ローラにより−500〜−600Vのバイアス電圧が与えられることによって負帯電されたトナーにより顕像化される。その顕像化された画像は、給紙部11から給紙されて感光体ドラム7の回転に合わせてタイミング調整された用紙(転写紙)Pの表面上に、転写チャージャ12によって紙面の裏面側から正電位のチャージが加えられることによって転写される。
【0026】
その画像が転写された用紙は、転写チャージャ12と一体に保持される分離チャージャ13により交流除電されることによって、感光体ドラム7の表面から分離される。このとき、感光体ドラム7上に残った残留トナーは、クリーニング装置14のクリーニングブレード(図示せず)により感光体ドラム7の表面から掻き落とされ、それが回収タンク(図示せず)内に収容される。感光体ドラム7の表面に残留する電位は、除電ランプ(図示せず)によって光が照射されることにより消去される。
【0027】
一方、画像が転写される用紙Pは、給紙部11に設けられている4段の給紙カセット15A〜15Dの中から用紙サイズに応じて選択的に送り出される。すなわち、オペレータによって何れか一つの給紙段の給紙カセットが選択されてスタートキー108(図32参照)が押されると、その選択された給紙段のシート給送手段としての給紙コロが回転して給紙カセット内の用紙が給送され、その給送された用紙がシート搬送路上の図示する複数箇所に設けられているシート搬送手段としてのコロによってレジストローラ16のニップに突き当たるまで給送される。
そのレジストローラ16は、感光体ドラム7に形成された画像の位置と用紙の位置とが一致するようにタイミングをとって、それを感光体ドラム7に向けて給送する。
【0028】
このようにして用紙Pが給紙され、そこに前述した方法によって画像が転写され、その画像(トナー像)が定着ローラによって定着される。その画像が定着された用紙Pは、その後、SSP装置3内に送り込まれ、通常のプリント時には直進状態の位置にある切換爪21に案内されて排紙トレイ22上に排出される。
【0029】
図3〜図5を参照して、封筒等を給送する給紙装置について説明する。図3は、図1および図2に示した給紙部11の各給紙カセット15A〜15Dと用紙サイズ検知手段および封筒サイズ検知手段を共に兼ねるサイズ検知系(サイズ検知手段)を説明するための斜視図である。
給紙部11の各給紙カセット15A〜15Dには、収納する各用紙サイズまたは封筒サイズにそれぞれ対応させて形成したサイズ指示板31が取り付けられている。その給紙カセットを装置本体にセットすると、装置本体側にそのサイズ指示板31に対応させて設けてあるサイズ検知センサ32がそのサイズ指示板31を検知して、その給紙カセット内に入っている用紙または封筒(図3では封筒Pfがセット・収納されている)のサイズを検知する。
給紙カセット15A〜15Dの各側面15aには、その給紙カセット内に収納されている収納物である用紙や封筒のサイズが表示されたサイズシール33を貼着していて、ユーザがカセット内の収納物のサイズを一目で分かるようにしてある。
【0030】
また、この複写機1における用紙の給送は、図2における装置本体1Aの右側面に配設され、実線と仮想線とで示した位置とに開閉可能な手差しトレイ23と、その下方に設けているトレイ24とからもできるようになっている。
トレイ24は、図4および図5に示すように、給紙カセット15A〜15Dよりも多くの用紙や封筒等をセットできるようになっており、底板25上に用紙や封筒Pfを載置して、それを図5に示すガイドロッド26に沿って矢示A方向にスライド可能な一対のサイドガイド27,28によって挾んで底板25の中央位置にセットする。
その底板25の下側には、サイドガイド28の位置を検知することにより底板25上の用紙や封筒サイズを検知するサイズ検知装置30(例えば公知の可変抵抗型位置センサからなる)を配設し、それによって検知した値を、制御装置120を構成する後述するメイン制御ボード130のROM132に予め記憶させてあるサイズデータと比較して、底板25上にセットされている用紙または図示の封筒Pfのサイズを検知・認知することができるようにしている。
【0031】
図6を参照して、少なくとも1枚の用紙を封筒内に封入する封入手段ないし封入機構もしくは封入装置について説明する。
後処理装置としての図2に示すSSP装置3は、同図に示す装置本体1Aから画像が形成されて排出される用紙や封筒等を前述したように排紙トレイ22に排出したり、その用紙等を選択されるモード内容に応じて仕分けして多段に配置されている各ビン35上に排出したり、さらにはステイプラ47でその用紙等を綴じたり、それを封筒内に送り込んだりする役割を果す。
SSP装置3は、用紙を積載する複数の用紙積載ビン35と、装置本体1Aから排出された用紙等を排紙トレイ22上に排出する横搬送路41と、その横搬送路41に設けられている切換爪21によって下方へ向けて案内された用紙や封筒等を下方へ搬送する縦搬送路42と、その縦搬送路42へ送り込まれた用紙をビン35上へ選択的に排出したりするSSPユニット40等によって構成されている。
【0032】
SSPユニット40は、後述するモータと上下のプーリとその間に張装される無端状の駆動ベルトとからなる昇降装置43(図20参照)によって各ビン間を昇降される。SSPユニット40は、図2に示す装置本体1A内で画像が形成された用紙Pを、図6に示すように、各ビン35に仕分けして排出する仕分排出手段となるソートガイド部44と、その下方に設けられていてビン35上の用紙(図示せず)を封筒チャック部45によって保持される封筒内に搬入する手段であるパックユニット46と、そのパックユニット46に一体に取付けられているステイプラ47等によって構成されている。
【0033】
ここで、SSPユニット40は、郵送可能な用紙等の内容物を封筒内に封入する封入手段ないし封入機構もしくは封入装置として機能する(広義の封入手段)。そして、前述したとおり、狭義の封入手段ないし封入機構は、図2、図6等に示した封筒チャック部45と、図2、図6等に示したパックユニット46とから主になる。
【0034】
縦搬送路42は、上下に設けたプーリ49,49(図6では下方側は見えない)では下方側は見えない)間に回動可能に張設された無端状の搬送ベルト48等によって構成され、その搬送ベルト48に接するように繰り出しベルト50を設けている。繰り出しベルト50は、その一端がSSPユニット40のフレーム51の上端に固定され、他端側がSSP装置3における装置本体の固定部に回動可能に取付けられている巻き取りローラ52に固定されて、そのローラ52の矢示B方向への回転によってそれが巻き取られるようになっている。
【0035】
その巻き取りローラ52は、繰り出しベルト50を巻き取る矢示B方向にバネ(図示せず)によって常に巻き取り付勢されていて、SSPユニット40が上下方向に移動するのに合わせて繰り出しベルト50を繰り出したり巻き取ったりして、繰り出しベルト50に常に所定の張力を作用させてそれが弛むことなく搬送ベルト48との間で縦搬送路42を形成するようにしている。
【0036】
図6〜図9を参照して、ソートガイド部44について説明する。図6および図8において、ソートガイド部44は、用紙Pを各ビン35に仕分け(ソート)するための装置であり、薄い板状部材を共に弧状に形成した一対のソートガイド53,54の下端付近に揺動支点部53a,54aをそれぞれ形成し、その各揺動支点部53a,54aよりも上側の各可動ガイド部分を矢示C方向に揺動可能にすると共に、その各可動ガイド部分にソレノイド55の可動軸を取付け、それをオン状態にした時にその可動ガイド部分が図6に仮想線で示す位置に移動するようにしている。
ソートガイド対53,54の揺動支点部53a,54aよりも下側の各端部は、フレーム51にそれぞれ固定されていて、そこに形成した切欠溝内に排紙ローラ対56を干渉することなく挿入させている。
【0037】
下側のソートガイド54には、図7に示すように、前後方向に略等間隔に配設されている複数本の各搬送ベルト48を干渉させることなくそれぞれ受け入れ可能な切欠溝54bを形成し、それによってソートガイド54が図6に実線で示す位置にあるときでも搬送ベルト48の駆動に影響を与えないようにしている。
【0038】
このソートガイド部44は、用紙Pを各ビン35に仕分けするときは、図8に示すように、ソレノイド55がオフ状態のままであるため、縦搬送路42の搬送ベルト48によって下方へ搬送されてきた用紙Pは図示の位置にあるソートガイド対53,54の間に送り込まれ、それが排紙ローラ対56によって指定されたビン35上に排出される。
【0039】
一方、図9に示すように、縦搬送路42へ搬送された用紙が封筒Pfであり、それを封筒チャック部45へ搬送するときには、今度はソレノイド55がオン状態になるためソートガイド対53,54は共に図9に示す位置に揺動支点部53a,54aを中心に揺動して縦搬送路42内から退避し、下側に位置するソートガイド54の背面(下面)と搬送ベルト48とによって封筒Pfを下方へ搬送する縦搬送路42が形成される。したがって、縦搬送路42を下方へ搬送される封筒Pfは搬送ベルト48によって封筒チャック部45へ搬送される。
【0040】
図10〜図13を参照して、封筒チャック部45について説明する。封筒チャック部45は、図10に示すように、上、下方向に互いに圧接して回転可能な一対のチャックコロ59,60(ローラであってもよい)と、このチャックコロ対59,60のニップ部に封筒Pfを案内する一対の封筒ガイド57,58と、チャックコロ対59,60のニップ部の搬送上流側に配設された封筒検知用センサ62と、下側のチャックコロ60の一部に当接する、弾性変形可能なシート状の開封部材となる開封マイラー61とから主に構成されている。そして、これらの部品がユニット状態でフレーム51(図6参照)に取付けられていて、ソートガイド部44と共に上下動する。
【0041】
なお、開封マイラー61は、チャックコロ対59,60によって保持される封筒Pfの開口部内にその一部を挿入させることによって封筒Pfを開封し得る位置に配設してある。
チャックコロ対59,60は、略鉛直(垂直)方向に配置されていて、封筒Pfや用紙等が搬送されるときには互いに圧接して回転可能状態にある。また、封筒ガイド対57,58は、封筒Pfを縦搬送路42から用紙が移送される位置へ案内してチャックコロ対59,60のニップ部へ導くと共に、そのチャックコロ対59,60に達した封筒Pfをさらに下方へ導き、その際に封筒Pfを下側のチャックコロ60に略沿わせて案内する。
【0042】
ここで、本実施形態のチャックコロ対59,60は、封筒Pfを挟持・搬送する搬送手段として機能する。本実施形態の搬送手段としてのチャックコロ対59,60は、特許文献1および2に開示されているそれと比較して、詳細は後述するが、封筒Pfに対する圧接を解除する圧接解除手段として機能する図示しないニップ解除機構によって、ニップ圧を解除することが可能な特有の構成を採っていることを付記しておく。
【0043】
開封マイラー61は、例えば薄いフィルム状の樹脂材で形成され、それがチャックコロ60に近接して配設されてその上端側が固定されており、通常は下端部より少し上側の部分を下側のチャックコロ60に材料自身の持つ弾性力によって所定の加圧力で当接させているが、用紙を封筒内へ案内する際には図12に示すように下端61a側を封筒Pfの開口部Pon内に挿入して、パックユニット46によって移送される用紙P(図6参照)をその開口部Pon内に導く。
【0044】
この封筒チャック部45は、図9に示すように、封筒Pfが搬送ベルト48によって下方へ向けて搬送されてくると、それを封筒ガイド対57,58によってチャックコロ対59,60間に案内する。次いで、その封筒Pfは、図9の矢示方向にそれぞれ回転するチャックコロ対59,60の搬送力によってチャックコロ60と開封マイラー61との間へ図10に示すように送られる。
【0045】
そして、封筒Pfのフラップ(封筒代)Pfcの部分が図11に示すようにチャックコロ対59,60によって互いに挾持される位置になった時に、封筒検知用センサ62がフラップPfcの端部の通過を検知すると、チャックコロ対59,60は回転を停止するため封筒Pfの送りが停止する。この時、封筒Pfの開口部Ponは同図に示すように開封マイラー61の下端61aよりも下側に位置するように、封筒Pfの縦サイズに合わせて封筒Pfの所定量の送りが行われるようになっている。
【0046】
次いで、チャックコロ対59,60が矢示E方向にそれぞれ逆回転を始め、封筒Pfがスイッチバックして縦搬送路42を昇るようになる。その際、開封マイラー61は自己の弾性力によって下端61a側が封筒のフラップPfcの部分に接しているので、開封マイラーの下端61aが図12に示すように封筒Pfの開口部Pon内に入り込む。この状態で、チャックコロ対59,60の逆回転が停止して封筒Pfの上昇が止まる。したがって、封筒Pfは、図13に示すように開封マイラー61の下端61aが封筒Pfの開口部Pon内に挿入された開封状態にセットされる。
【0047】
図6、図14〜図18を参照して、パックユニット46について説明する。パックユニット46は、図6に示すように、上パック部63と下パック部64とからなり、その上パック部に上コロ65を、下パック部に下コロ66をそれぞれ回転可能に取付けている。
【0048】
その上、下パック部63,64の同図における右端側には、上下一対の挿入ガイド67,68を揺動可能に取付け、それらを弱いバネによって先端側が互いに接近するように付勢して、束状の用紙Pがそこを通過する際にはそれらが押し開かれて用紙Pが大きな抵抗を受けることなく搬送されるようにしている。
【0049】
各パックユニット46は、図14に仮想線で示すように、ビン35を挾むように前後に一対設けられており、ビン35の後端側(右方)に形成されているビンフェンス35aを切り欠いた両側の切欠部35b,35c内を後述する機構によって上下方向に移動できるようになっていて、図15に実線で示すように、その両側の一対の各上コロ65と下コロ66との間でビン35上の用紙Pを挾持できるようになっている。
【0050】
また、各パックユニット46は、図6に示すパックブラケット69に取付けられていて、パックブラケット69の軸71を支点にして同図に仮想線で示す位置までパックブラケット69と共に矢示F方向に揺動できるようになっている。さらに、一対のパックユニット46は、図示しないラックとピニオンを用いた機構によって互いに接近離間可能に設けられていて、図14に示すビン35の切欠部35b,35cから外側に退避したり、それが接近したりできるようになっていて、図6に示す上、下パック部63,64の間が閉じたり開いたりすることによって上コロ65と下コロ66とが互いに接近・離間するようにもなっている。
【0051】
そして、パックユニット46,46は、用紙Pがビン35上に排出されるとその度に用紙Pを両側縁から挾むように接近して用紙を中央基準に位置決めするサイドジョガーの役割を果たす。さらに、パックユニット46,46は、その中央に寄せた用紙を、上,下のコロ65,66を互いに接近させてその間に挾持し、それをビンフェンス35a側に寄せる方向に上、下コロ65,66をそれぞれ回転させて用紙の端部をビンフェンス35aに突き当たるまで寄せて用紙の端部を揃える役割、すなわちエンドジョガーとしての役割も果たす。
【0052】
図16は、パックユニット46の主要部を示す斜視図である。同図に示すように、上コロ65は、上パック部63に内蔵されていて、その下側の部分のみを露出させている。また、下コロ66は、下パック部64に内蔵されていてその上側の部分のみを露出させている。上パック部63は、側面の一部を突出させてそこに雌ネジ部63aを上下方向に形成し、その雌ネジ部63aに上下送りネジ72を螺合させている。
【0053】
上下送りネジ72の下端には、ウォームホイール73を固定し、そこに正逆転可能なモータ74の回転軸に固定したウォーム77を図17にも示すように噛み合わせている。なお、図16では図示を省略しているが、上下送りネジ72は下パック部64に回転自在に軸支されている。したがって、モータ74を正逆両方向に回転させると、上パック部63が上コロ65と共に上下動する。
【0054】
上コロ65は、図17および図18に示すように、回転軸75Aの一端に固定されており、その回転軸75Aが上パック部63に回転可能に取付けられている。同様に、下コロ66が図18に示すように、回転軸75Bの一端に固定されていて、それが下パック部64(図16参照)に回転可能に取付けられている。
図18に示すように、回転軸75Aの他端にはギヤ76が、下側の回転軸75Bの他端にはギヤ78がそれぞれ固定されている。ギヤ76は、中間ギヤ79に噛み合い、その中間ギヤ79が駆動ギヤ81に噛み合っている。
【0055】
一方、下コロ66側のギヤ78は、中間ギヤ82に噛み合い、その中間ギヤ82がさらに中間ギヤ83に噛み合って、さらにその中間ギヤ83が駆動ギヤ81に噛み合っている。そして、駆動ギヤ81がチャックモータ84の出力軸に固定されている。なお、ギヤ76とギヤ78は歯数を同じにしているため、チャックモータ84の回転によって常に同一の回転数で互いに逆方向に回転する。
【0056】
パックユニット46には、図17に簡略化して示すように、ステイプラ47がビンフェンス35a(図14参照)寄りに一体に取付けられている。そのステイプラ47は、図19に示すステイプルモータ10と図示しない減速ギヤによって連結された軸17を中心にして回転する偏心カム18の回転によって針打部19を打ち降ろし、針出口38に移動されて打ち出された綴じ針20を用紙等に打ち込んで、その針の先端を針曲座29によって折り曲げてステイプル動作を完了させるものである。
その綴じ針20の針出口38への移動は、送り出しベルト37の回動によって行われる。送り出しベルト37は、ステイプルモータ10の回転力が図示しない減速ギヤを介して伝達される送り出しプーリ34とプーリ39との間に張設されている。
【0057】
図20は、SSPユニット40およびパックユニット46を移動させる駆動系を示す斜視図である。同図に示すように、上、下コロ65,66をそれぞれ支持する回転軸75A,75Bは、共にパックブラケット69の鉛直面である垂直面に形成した垂直ガイド溝69a内に移動可能に嵌入されていて、その回転軸75Aの一端に固定されるギヤ76に噛み合う各ギヤ群、すなわち中間ギヤ79と駆動ギヤ81とがギヤ76と共に上ギヤ支持板85に回転自在に支持されて、駆動ギヤ81からの回転力がギヤ76にスムーズに伝達されるようになっている。
【0058】
また、下側の回転軸75Bの一端に固定されるギヤ78に噛み合う中間ギヤ82,83と駆動ギヤ81とが、同様にギヤ78と共に下ギヤ支持板86に回転自在に支持されていて、駆動ギヤ81からの回転力がギヤ78にスムーズに伝達されるようになっている。
駆動ギヤ81は、図18に示した正逆転可能なモータ84によって正逆両方向に回転され、その中心部分を固定支持する軸87がパックブラケット69に形成した水平ガイド溝69b内に移動可能に嵌入されている。
【0059】
したがって、パックユニット46は、パックブラケット69に取付けられているモータ74(図16参照)を回転させると、上下送りネジ72がウォーム77、ウォームホイール73を介して回転し、その上下送りネジ72に雌ネジ部63aが噛み合う上パック部63が上下動することとなる。
この際、ギヤ76が上昇した場合には、そのギヤ76と駆動ギヤ81は上ギヤ支持板85によって連結されているので、駆動ギヤ81は水平ガイド溝69b内を矢示G方向に移動し、それに伴って下ギヤ支持板86によって駆動ギヤ81と連結されている下側のギヤ78が垂直ガイド溝69a内を下方へ移動して、回転軸75Bが下コロ66と共に下降する。
また、モータ74は上パック部63が下降する方向に回転した場合には、上記の場合と逆に、上、下のギヤ76,78が互いに接近して駆動ギヤ81が矢示Gと反対方向に移動する。
【0060】
パックユニット46は、パックブラケット69の下部に軸71を水平方向に嵌入させ、パックユニット46全体をその軸71に沿って矢示K方向に移動可能にし、同様に対向する他方側のパックユニット46(図15参照)も移動可能にしている。
その軸71は、両端(図20では片側のみ図示している)が移動フレーム91に固定されている。その移動フレーム91は、SSP装置3の装置本体固定部に垂直(鉛直)に固定されるガイドロッド92に両端の張出部91aに形成した孔部91bが上下動可能に嵌入されていて、その張出部91aの一側縁がSSP装置3の装置本体固定部に回転可能に取付けられている昇降装置43を構成する上下のプーリ94(図20では上側のみ図示)間に張設される無端状の駆動ベルト93の一部に固定されている。
【0061】
したがって、パックユニット46は、駆動ベルト93を正逆両方向に回動させることによって、移動フレーム91と一体で上下移動し、その移動フレーム91には図6で説明したソートガイド部44と封筒チャック部45もフレーム51を介して(直接であってもよい)取付けられているので、それらが全て一体で上下移動する。
また、パックユニット46は、パックブラケット69が軸71を支点として図6の矢示F方向に仮想線で示す位置まで所定角度回動、すなわち揺動できるようになっている。
【0062】
パックブラケット69を揺動させる機構は、例えばモータの回転軸に固定した回転板に連結されて直線運動するリンクロッドの一端をパックブラケット69にボールジョイント等を使用して連結し、そのリンクロッドを移動させることによって、パックブラケット69を軸71を支点にして回動させるものであったり、その軸71のパックブラケット69が移動する範囲の全てにスプラインを形成し、その軸端にスパーギヤを固着してそのギヤに駆動力を伝達して軸71を回転させることによってパックブラケット69を回動させる機構等によって、当業者であれば容易に構成できる。
なお、パックユニット46の図20における矢示K方向への移動は、移動フレーム91内の両端に回転可能に取付たプーリ95,95(図20では一方のみ図示)間に張設した駆動ワイヤ96によって行われ、そのワイヤ96の一部がパックブラケット69の下端部に固定されていて、そのワイヤ96が図示しないジョガーモータによって正逆両方向に回動されるようになっている。
【0063】
なお、上、下コロ65,66の形状、材質および上コロ65と下コロ66との外径寸法の関係により用紙に所定の圧力を加えて「送り出しモードポジション」に位置決め搬送する構成等は、前記した特許文献1および2の図21〜図24に示されると共に、特許文献1の段落「0068」〜「0070」に記載されている技術内容と同じであるため、その詳細説明を省略する。
【0064】
ところで、上コロ65と下コロ66のポジションには、前述した「送り出しモードポジション」の他に「寄せモードポジション」がある。この各ポジションは、図16の上パック部63と下パック部64の位置で決まり、それはモータ74の回転量によって決定される。
なお、前記「寄せモードポジション」と「送り出しモードポジション」とは、ビン35上にある用紙の枚数によってその都度異なるが、その用紙の枚数に対応したモータ74の回転量をその都度、制御装置120のROM132(図33参照)に記憶させてある用紙枚数と回転量との関係を示したデータを読み出すことによって常に最適なポジションが得られる。
【0065】
図21〜図23を参照して、封筒内に郵送可能な内容物を封入するための封入手段を備えた封入機構について説明する。以下、郵送可能な内容物として「用紙」を代表して説明する。
前記したパックユニット46,46は、封筒内に用紙を挿入ないし封入するパックモード(以下、「封筒詰めモード」ともいう)が選択されると、それらが互いに図15に示す位置でモータ74(図16参照)が回転されることによって上、下コロ65,66が接近してその間に用紙P(ステイプル綴じされているときには用紙束の状態)を挾み込んで固定する。
次いで、図20に示す駆動ベルト93が矢示M方向に回動されてパックユニット46が上昇し、その挾持した用紙Pの下面が図21に示すように、ビン35のビンフェンス35aの上端を越える位置になると、その上昇が停止される。
【0066】
その後、図22に示すように、パックユニット46は軸71を中心にして揺動されることにより、先端側の挿入ガイド67,68が、図12および図13で説明したように、封筒チャック部45において開口部Ponが開かれた状態にある封筒Pfの開口部Ponまで移動され、その挿入ガイド67,68が開封マイラー61の上部または封筒の開口部Pon内まで移動される。
この状態で、パックユニット46の上コロ65と下コロ66が図22の矢示方向(送り出し方向)にそれぞれ回転することで、図23に示すようにその間に挾持している用紙Pが封筒Pf内へ挿入される。
【0067】
このように、本実施形態例では、封筒Pfを、用紙が移送される位置へ封筒ガイド57,58によって案内し、案内された封筒Pfをチャックコロ対59,60によって保持し、その保持状態にある封筒Pfの開口部Pon内に開封マイラー61の下端61a側を挿入して開口部Ponを開放状態とした後、パックユニット46によって移送される用紙Pをその封筒Pfの開口部Pon内へ挿入するものである。
【0068】
次に、本発明に係る本実施形態の特徴的な技術内容を詳述する。
本実施形態の特徴は、封入手段ないし封入装置であるSSPユニット40(封筒チャック部45およびパックユニット46)によって作製された用紙封入済みの封筒の重量を測定する重量測定手段(後述する図24の重量測定装置220参照)と、前記重量測定手段により測定された用紙封入済みの封筒毎の重量データに基づいて、用紙封入済みの封筒を仕分ける仕分け手段(後述する図31に示す収納キャリア4の内部構成参照)と、前記重量測定手段により測定された用紙封入済みの封筒を前記仕分け手段に排出する排出手段(後述する図25、図31に示す封筒チャック部45のチャックコロ対59,60および上下動機構223等参照)と、前記排出手段により排出された用紙封入済みの封筒を積載する積載手段(後述する図31に示す収納キャリア4の内部構成等参照)と、前記重量測定手段からの、用紙封入済みの封筒毎の重量データに基づいて、用紙封入済みの封筒を仕分けるように前記仕分け手段等を制御する仕分け制御手段としての機能を備えた図1および後述する図33の制御装置120とを有する構成にある。
【0069】
まず、図24〜図29を参照して、用紙封入後の封筒の重量(質量)を測定するための重量測定装置220およびその制御構成について説明する。図24および図25は、本実施形態に係る用紙封入済みの封筒もしくは用紙封入後の封筒(以下、用紙封入後であることが自明であるときは単に「封筒」ともいう)の重量(質量)を測定する重量測定装置220の構成およびその重量を測定する際の動作推移を示している。なお、同図においては、図の簡明化を図るため図23等に示したパックユニット46の図示を省略している。
【0070】
重量測定装置220は、図24〜図26等に示すように、重量測定機構とも呼ぶべき構成を具備し、用紙封入後の封筒を乗せる封筒フェンス221と、封筒フェンス221の下部に取付けられた重量測定手段ないし重量検知手段としてのロードセル222と、封筒のサイズ(主として封筒の長さ)に応じて封筒フェンス221と共にロードセル222を重量測定可能となる設定位置(もしくは設定位置)に上下動可能な上下動機構223と、チャックコロ対59,60のニップ圧を解除または加圧するニップ解除/加圧機構から主に構成されている(広義の構成)。
重量測定装置220は、前記広義の構成に、それぞれ後述する、封筒到達センサ228および一対の側板229a,229b等を加えた狭義の構成であってもよい。
【0071】
ロードセル222は、力(質量、トルク)を電気信号に変換して出力するセンサであり、複数枚の歪ゲージを貼り付けたものや半導体を変換素子にしたものなどが使用可能である。ロードセル222は、本実施形態例では「用紙封入後の封筒」の総重量を測定することが可能な必要な感度および測定範囲のものが選択される。
【0072】
上下動機構223は、フレーム51(図6等参照)に回動可能に支持された一対の従動プーリ224および駆動プーリ225と、これらプーリ224,225間に張設され、ロードセル222の非測定部分を固着した無端状のベルト226と、駆動プーリ225に図示しないギヤ等の駆動伝達手段を介して連結された駆動モータ227(図24(a)参照)とから主に構成されている。なお、図24(a)以外の図では、図の簡明化のため駆動モータ227の簡略的な図示を省略している。
【0073】
本実施形態例では、図25および図31に示すように、ロードセル222を固着したベルト226を備えた上下動機構223によって、ロードセル222を前記設定位置に位置決め保持させて重量測定後、上述したように用紙封入後の封筒毎の重量データに基づき、仕分ける制御が実行されるようになっているため、前記仕分け手段によって仕分け可能に、重量測定後の用紙封入済みの封筒を排出する必要がある。そこで、ロードセル222によって重量測定された用紙封入後の封筒を、図31に示す収納キャリア4内の前記仕分け手段に向けて排出する排出手段としての機能を、単一の上下動機構223に付与している。
【0074】
図25において、重量測定後の用紙封入済みの封筒Pfを図31に示す収納キャリア4内の前記仕分け手段に向けて排出する際、用紙封入済みの封筒Pfが鉛直下方向Zに搬送されてスムーズに排出できるように、つまり封筒Pfの落下中に封筒フェンス221およびロードセル222等に引っ掛からないように封筒フェンス221およびロードセル222を同図に示す上下動機構223の真下の退避位置まで移動させる必要がある。
【0075】
そこで、図26に示すように、ロードセル222の左側面をベルト226に選択的に保持する機構を設けた。同図において、ロードセル222の左側面上端部は、軸230を介してベルト226に揺動可能に支持され、ロードセル222の左側面下端部側は、ベルト226に固着された網状可撓性の鉄製の強磁性体232に選択的に吸着・保持されるマグネット231が取り付け・固定されている。
これにより、図24(a)〜図24(c)に示すような、封筒フェンス221が前記設定位置ないしその近傍に位置するときには、ロードセル222のマグネット231が好適な磁力でベルト226の強磁性体232に吸着・保持されることによりロードセル222は重量測定可能な姿勢を取り、重量測定後に用紙封入済みの封筒Pfを図31に示す収納キャリア4内の前記仕分け手段に向けて排出するときには、ベルト226が時計回り方向に走行して駆動プーリ225部の曲率によって、図25に実線で、図31に破線でそれぞれ示すように、マグネット231と強磁性体232との吸磁力に打ち勝つことで、ロードセル222は軸230部分のみでベルト226に支持されて退避位置を占めることができる。なお、ロードセル222のベルト226に対する保持機構は、マグネット231と強磁性体232との吸磁力による選択的な保持に代えて、いわゆるマジックテープ(登録商標)等によるものでもよい。
【0076】
駆動モータ227は、フレーム51(図6等参照)に固着されている。駆動モータ227としては、駆動プーリ225およびベルト226を介して、封筒Pfのサイズによって封筒フェンス221と共にロードセル222を所定の移動量だけ上下動させる制御に好適なパルス入力で駆動されるステッピングモータ等が用いられる。そして、このような制御を精確に行うために、封筒フェンス221が後述する待機状態で保持される初期位置を、例えば、予め基準となる封筒のサイズ(縦方向長さ)に合わせて決めると共に、その初期位置を検知するホームポジションセンサを配設することが好ましい。
【0077】
チャックコロ対59,60は、封筒に対する圧接を解除する圧接解除手段を含む図示しないニップ解除/加圧機構により、ニップ圧を解除することが可能に構成されている。このニップ解除/加圧機構によってチャックコロ対59,60のニップ圧を解除した状態(ここではチャックコロ60からチャックコロ59が離間した状態でニップ圧を解除)で、ロードセル222上に装着された封筒フェンス221の上に用紙封入後の封筒を乗せることにより、外部から用紙封入後の封筒に負荷される摩擦抵抗などを可能な限り排除した状態で、すなわち用紙封入後の封筒の重量(質量)だけが測定可能となるように工夫している。
前記図示しないニップ解除/加圧機構としては、例えば本願発明者らが提案した特開2009−58763号公報の図6に示されている「第1のシートフィーダの加圧および加圧解除機構」などが好適である。
【0078】
下側のチャックコロ60と開封マイラー61の下端61aとの間の下方には、封筒PfのフラップPfcと反対側の封筒下端部を封筒フェンス221の上に確実に案内する郵便物(封筒)案内部材としての一対の側板229a,229bが配設されている。この側板対229a,229bは、フレーム51(図6等参照)に固着され、互いに鉛直方向および紙面の奥方向(封筒Pfや用紙の幅ないし横方向)に延びて略平行に配設されている。側板対229a,229bは、その上下端が開口された連通状態となっており、封筒Pfが自重によって落下してその下端部が封筒フェンス221上に乗るべく案内するように形成されている。側板対229a,229bは、できるだけ正確な重量測定ができるように封筒Pfに対して摩擦抵抗を与えない材質、すなわち封筒Pfに対して摩擦係数が小さく、かつ、発生する静電気を逃がし易いものとして、例えば薄い板金などが好ましい。
【0079】
封筒到達センサ228は、側板対229a,229bを通過した封筒Pfの封筒フェンス221への到達を検知することによりロードセル222による重量測定開始のトリガとするものであり、例えば反射型フォトセンサや遮光片(フィラー)付きの透過型フォトセンサなどが用いられる。
【0080】
図27のフローチャートを併用しながら封入装置のある封入部における重量測定装置220の動作を中心に説明する。
先ず、ユーザが封入モード(封筒詰めモードもしくはパックモード)を設定すべく、図32(b)に示すタッチパネル表示部104のパッケージキー101を押すことにより封入モードが選択され(封入モードの開始)、次いで図32(b)の用紙・封筒選択キー109a〜109dの何れか一つを押すことにより、封筒が収容されている封筒トレイ(例えば図1の給紙カセット15Aやトレイ24参照)を選択する(ステップS1)と、封入モードに係るジョブがスタートする(ステップS2)。
【0081】
ステップS3において、封筒Pfが複写機1側の封筒トレイ(例えば図1の給紙カセット15Aやトレイ24参照)から給紙され、図9を参照して説明したように、封筒Pfが複写機1からSSP装置3の縦搬送路42に搬送されて来る。次いで、図10を参照して説明したように、封筒Pfはチャックコロ対59,60によって封入装置のある封入部へ搬送される(ステップS4)。
【0082】
次いで、ステップS5に進み、封筒検知用センサ62がオンしたか否かがチェックされる。この際、図11を参照して説明したように、封筒検知用センサ62が封筒PfのフラップPfcの端部の通過をオン検知すると、封筒Pfを規定量搬送して停止する(ステップS6)。ここで、図11に示したように、封筒Pfの開口部Ponは開封マイラー61の下端61aよりも下側に位置するように、封筒Pfの長さ:縦サイズに合わせて封筒Pfの規定量の送りが行われるようになっている。一方、ステップS5において、封筒検知用センサ62がオンしないときには、ステップS4での封筒の搬送が継続される。
【0083】
ステップS6における封筒Pfの規定量搬送停止後、また規定量を逆方向に搬送される(ステップS7)。すなわち、図11に示したように、チャックコロ対59,60が矢示E方向にそれぞれ逆回転を始め、封筒Pfがスイッチバックして縦搬送路42を昇るようになる。このスイッチバックの際、開封マイラー61は自己の弾性力によって下端61a側が封筒のフラップPfcの部分に接しているので、開封マイラーの下端61aが図12に示すように封筒Pfの開口部Pon内に入り込み、封筒Pfの開口部Ponを開いて、封入物としての用紙や用紙束を入れるためのガイドとなる。この状態で、チャックコロ対59,60の逆回転が停止して封筒Pfの上昇が止まる。したがって、封筒Pfは、図13に示したように開封マイラー61の下端61aが封筒Pfの開口部Pon内に挿入された開封状態にセットされることとなる。
【0084】
次いで、ステップS8に進み、上下動機構223が作動することにより、測定機構部である封筒フェンス221とロードセル222とが予め設定された前記初期位置から、各封筒のサイズ・大きさに合わせた規定量上昇した設定位置に移動し、封筒フェンス221が封筒Pfの下端に接しない付近で停止し、待機保持状態となる。この設定位置は、用紙封入後の封筒Pfの重量のみを測定するために、封筒フェンス221の上面(封筒当接面)とチャックコロ対59,60のニップ部中心との間の搬送経路の距離が、使用する封筒Pfの縦方向長さ以上になるように設定する(図24(b)参照)。
【0085】
その後、ステップS9においてロードセル222の0設定が行われた後、ステップS11に進んで、前述した図22〜図23に示したパックユニット46から開口した封筒Pfの開口部Ponを経由して封筒Pf内に内容物である用紙P(または用紙束)が挿入・封入される。この際、封筒到達センサ228が封筒Pfの下部をオン検知する(図24(b)〜図24(c)参照)。
【0086】
次いで、封筒Pf内への用紙の封入終了後(図24(c)参照)、チャックコロ対59,60のニップ圧を完全に解除、すなわちチャックコロ60からチャックコロ59を上に離間することでニップを、前記図示しないニップ解除/加圧機構により解除することで、封筒Pfの重量がほとんど全てロードセル222にかかるようになり、その後、封筒到達センサ228からのオン信号に基づいての次に述べる重量測定が実行される(ステップS12)。
【0087】
ステップS12において、用紙封入済みの封筒Pfが封筒フェンス201に乗り、ロードセル222による用紙封入後の封筒Pfの重量(質量)が測定される。ロードセル222によって測定された重量データは、SSP装置3側に設けられた図33のSSP制御ボード143を介して、装置本体1Aの制御装置120へ送信される。重量データ送信後には、前記図示しないニップ解除/加圧機構により、チャックコロ対59,60のニップ圧が復元される。
【0088】
装置本体1Aの制御装置120は、重量データに基づいて、図32の操作パネル100で後述するように設定された排紙先(指定トレイ)設定に係る信号をSSP装置3側のSSP制御ボード143に送信することで前記封入装置へ返信する(ステップS13)。排紙先(指定トレイ)設定に係る信号に基づいて、図25に示すように、用紙封入済みの封筒Pfが図31に示す収納キャリア4内の仕分け手段を構成する指定された排紙先トレイへ排紙される(ステップS14)。
【0089】
図25において、用紙封入済みの封筒Pfが図31に示す収納キャリア4へ向けて排出される時には、チャックコロ対59,60が図中矢印方向に回転し始めると同時に、上下動機構223のベルト226が上述したとは逆の時計回り方向に走行・回転することにより、封筒フェンス221が用紙封入済みの封筒Pfの鉛直下方向Zへの搬送に支障を与えない駆動ローラ225の真下位置に退避することで行われる(この真下位置を封筒フェンス221およびロードセル222の初期位置としてもよい)。
【0090】
次いで、ステップS15に進み、指定されたジョブの最終封筒が出力・排紙されたか否かがチェックされる。ここで、ジョブの最終封筒が出力・排紙されていれば封入モードに係る上記一連の動作が終了し、出力・排紙されていなければステップS3に戻り、ステップS3からの上記一連の動作が繰り返される。
【0091】
したがって、本実施形態によれば、用紙封入済みの封筒Pfの排出・搬送方向を切り換えるための切換部材や、切換部材により切り換えられた搬送路を形成する搬送ガイド部材、あるいは排出のための特別な排出搬送部材等を新たに配設することなく、極めて簡単な構成で、かつ、部品点数も少なく構成でき、これに伴い安価に済むという顕著な利点・効果を奏するものである。
【0092】
図28および図29を参照して、ロードセル222を使用した封筒Pfの重量を測定する重量測定方法を説明する。図28は、ロードセル222を使用した重量測定部のブロック図を示す。
同図に示すように、ロードセル222とSSP制御ボード140(図33を参照して後で詳述するが、SSP装置3側の制御装置を意味する)とは、電源電圧Vcc:12V、GND1、GND2、出力信号(l:エル)の4本の電線により接続される。GNDは、ノイズ低減のため、12V電源系のGND1と、信号系のGND2の2系統に分けている。ロードセル222の出力VLoad(V)は、SSP制御ボード140内の信号増幅回路146にて電位を増幅した後、ノイズ除去回路145を通し、CPU141のアナログポート(図示せず)で読み取ることによって重量を測定することが可能となっている。
【0093】
図29は、CPU141にてAD(アナログ/デジタル)変換した後の、出力電圧VLoadデータ(縦軸)と時間(横軸)との関係を示している。重量の測定開始前、ロードセル222の特性上、不安定な出力電圧VLoadに対応した時間が存在することを考慮して、出力VLoadが安定するまでの時間、安定化時間を一般に設ける。この安定化時間経過後、CPU141が実際の真の値に近い封筒の重量データを読み取る。読み取る値は、例えば測定時間を一定時間Tmとし、Tm時間にある固定数n分だけ測定する。測定誤差をできるだけ小さくするため、測定したデータの最大値Vmaxおよび最小値Vminを除いたn−2個の出力電圧データを平均化したものを用いる。以上より測定する重量(に係る電圧)VLは、下記式(1)で算出することができる。
VL={(V1+V2+・・・Vn)−(Vmax+Vmin)}/(n−2)・・(1)
【0094】
ここで、用紙封入済みの封筒の重量測定データの処理の一例について説明する。例えば、同じ内容物の郵便物として用紙封入済みの封筒を多数作製する場合、内容物に欠品や重複などの不具合発生を未然に防止するため、封入後の封筒の重量を測定し、その重量が一定範囲内にあればOKとし、一定範囲外であればNGとする判定により、検品が可能である。本発明による重量測定機能を有する画像形成システムでは、上述したとおり、一例として上記の検品機能を有している。
【0095】
封入封緘機能を備えた後処理装置から、封入後の封筒の重量データを、画像形成装置本体へ送信する。画像形成装置本体はその重量データを受けて、OKかNGかの判断結果を封入封緘機能を備えた後処理装置へ返信し、封入封緘機能を備えた後処理装置では、例えばOKと判断された封筒とNGと判断された封筒を別のトレイに仕分けしたり、NGと判定された封筒は後で手作業で修正をするために封緘しないで排出したりなどの処理を実施することができるようになる。
【0096】
ただし、紙の重さは環境の湿度による水分の吸収により変化する。同じ封筒で同じ内容物でも、作製する日によって僅かに重量が変化する、あるいは使用する用紙の製造ロットの差というものもある。
本発明の画像形成システムでは、例えば、作業開始時などに、一定数量の封筒作製ジョブを実施し、それらの重量データを統計的に処理し、OK、NGの範囲の妥当性を判定して判断基準値を自動設定する機能を有する。その一例を下表1に示す。
【0097】
【表1】

【0098】
表1では、例えば10個の用紙封入済みの封筒の重量データサンプルを元に、(1)で平均値(Ave.)と、(2)で2σ値を算出し、(3)、(4)ではAve.±2σをOK、NGの判断基準(OKmin、OKmax)としている。
何個の重量データのサンプルを計算に用いるか、判断基準の幅を2σとするか3σとするか、あるいは他の数式による基準を設定するか等、ユーザによって設定が可能となっている。これらの操作や設定は、装置本体1Aの操作パネル100からの設定・入力によってなされることとなる。
【0099】
図30および図31を参照して、本発明に係る仕分け手段を備えた収納キャリア4について詳述する。図30に示すように、収納キャリア4は、全体が箱状のケース200で覆われていて、その上面には用紙封入済みの封筒を挿入するための挿入口201が形成されている。ケース200の上面の一端には、取手202を取り付け、下面には4個のキャスタ203を取り付けて収納キャリア4全体をSSP装置3の装置本体3Aから離脱できるようにしてある。
一方、装置本体3A側には、挿入口201に対向・連通する送出口233が形成されている。
【0100】
ケース200の上面に上取出口208を、前面に前取出口204をそれぞれ形成し、用紙封入済みの封筒をその各取出口204,208から容易に取り出せるようにしてある。図31に示すように、ケース200の右側の側面には、上下にロック機構205,206を取付けると共に上部にコネクタ215を取り付け、収納キャリア4を同図に示すように装置本体1Aの所定の位置に装着したときに、それらが上下のロック機構205,206によってロックされると共にコネクタ215が装置本体3A側のコネクタに連結されて電気的な接続がなされるようにしている。
【0101】
図31に示すように、収納キャリア4内には、本発明に係る仕分け手段の一例としての仕分け装置190が設けられている。仕分け装置190は、図24等に示したロードセル222により測定された用紙封入済みの封筒Pf毎の重量データに基づいて、用紙封入済みの封筒Pfを仕分ける仕分け手段としての機能・構成を有する。
【0102】
仕分け装置190は、排出手段としての封筒チャック部45のチャックコロ対59,60および上下動機構223により排出されてきた用紙封入済みの封筒Pfを積載する積載手段・積載台としての複数の仕分けトレイ191を備えた第1トレイ210、第2トレイ211、第3トレイ212、NGトレイ213と、ロードセル222により測定された用紙封入済みの封筒Pf毎の重量データに基づいて、挿入口201の真下位置に第1トレイ210、第2トレイ211、第3トレイ212、エヌジー(以下、「NG」と略称する)トレイ213の何れか一つの仕分けトレイ191を選択的に移動させる移動手段とから主に構成される。
【0103】
収納キャリア4内には、鉛直方向に立設して矢示N方向に移動可能な縦板214が複数枚、トレイ底板209上に設けられており、挿入口201の真下位置に移動している縦板214と縦板214とトレイ底板209との間に画定・形成される仕分けトレイ191上に、挿入口201から排出された封筒Pfが図示のように受け入れられ収納される。トレイ底板209の下部は、後述するようにベルト218上面に取り付け・固定されている。
【0104】
複数の仕分けトレイ191の何れか一つを選択的に移動させる移動手段は、駆動プーリ216と従動プーリ217との間に掛け渡された無端状のベルト218と、駆動プーリ216を回転駆動するパルス入力で駆動される一例としてのステッピングモータ219(以下、単に「モータ219」という)と、仕分けトレイ191のホームポジション(初期位置)を検知するためのホームポジションセンサ215とから主に構成される。
【0105】
紙面の手前および奥側(図示せず)にそれぞれ一対ずつ設けられた歯付きの駆動プーリ216と従動プーリ217との間には、紙面の手前および奥側(図示せず)に設けられた歯付きのベルト218がそれぞれ掛け渡されている。駆動プーリ216は、ギヤやベルト等からなる駆動力伝達手段(図示せず)を介して、モータ219に連結されている。
紙面の手前および奥側(図示せず)に設けられた各ベルト218上には、トレイ底板209の下部が取り付け・固定されている。これにより、紙面の手前および奥側(図示せず)の各ベルト218は、トレイ底板209により強固に連結されている。
ホームポジションセンサ215は、例えば遮光型のフォトセンサからなり、図示の例では第1トレイ210における最も左側に位置する仕分けトレイ191の中央位置を検知するように配置されている。
【0106】
複数の仕分けトレイ191は、所定の間隔で仕切り部材210a,211a,212a,213a,214aでさらに仕切られていて、複数の積載台としての前記各トレイ210〜213が形成されるようになっている。すなわち、仕切り部材210aと仕切り部材211aとで仕切られた複数の縦板214およびトレイ底板209の間に第1トレイ210が、仕切り部材211aと仕切り部材212aとで仕切られた複数の縦板214およびトレイ底板209の間に第2トレイ211が、仕切り部材212aと仕切り部材213aとで仕切られた複数の縦板214およびトレイ底板209の間に第3トレイ212が、仕切り部材213aと仕切り部材214aとで仕切られた複数の縦板214およびトレイ底板209の間にエヌジー(以下、「NG」と略称する)トレイ213が、それぞれ形成される。
【0107】
第1トレイ210は4つの仕分けトレイ191で、第2トレイ211は4つの仕分けトレイ191で、第3トレイ212は2つの仕分けトレイ191で、NGトレイ213は2つの仕分けトレイ191で、それぞれ構成されている。第1トレイ210、第2トレイ211、第3トレイ212は、オーケー(以下、「OK」と略称する)トレイ210〜212を兼ねている。
第1トレイ210における仕切り部材210aと縦板214との間の距離d、第1トレイ210における縦板214と縦板214との間の距離dはそれぞれ等しくなるように形成されており、これと同様に第2トレイ211、第3トレイ212、NGトレイ213でもそれぞれ等しくなるように形成されている。
【0108】
第1トレイ210における図の左から1番目の仕分けトレイ191の中央と2番目の仕分けトレイ191の中央との間の距離d1、第1トレイ210における図の左から1番目の仕分けトレイ191の中央と3番目の仕分けトレイ191の中央との間の距離d2、第1トレイ210における図の左から1番目の仕分けトレイ191の中央と第1トレイ210における4番目の仕分けトレイ191の中央との間の距離d3、第1トレイ210における図の左から1番目の仕分けトレイ191の中央と第2トレイ211における1番目の仕分けトレイ191の中央との間の距離d4、以下同様の距離d5・・・が、予め所定の距離で設定されている。これら各仕分けトレイ191間の距離と、この距離移動させるための駆動パルス数との関係データが、例えばデータテーブルとして図33に示すSSP制御ボード143に設けられたROM142に記憶されている。
【0109】
上記構成のとおり、図33に示すSSP制御ボード143のCPU141からコネクタ215を通して送られてきた仕分けに応じて設定された駆動パルス数に係る信号によって、モータ219が所定のステップ数だけ回転することにより、各トレイ210〜213の仕分けトレイ191毎に設定された距離d1,d2,d3,d4・・・に対応した分だけベルト218を移動させ、各トレイ210〜213の仕分けトレイ191を挿入口201の直下位置となる封筒受入れ位置に移動させていくことで、順次排出されてくる用紙封入済みの封筒を、図33に示すSSP制御ボード143に設けられたRAM143と協働して、用紙封入済みの封筒が収納されていない仕分けトレイ191に順次収納させることができる。
【0110】
次に、図32を参照して、操作部としての操作パネル100について説明する。同図は、各種のモードを選択したり種々のコピー条件を設定したりする際に使用する各種の操作キーおよび表示部が設けられている操作パネル100の主要部分を示す平面図である。操作パネル100は、印刷・画像形成条件の各種指示を与える、図32(a)に示すスタートキー108やテンキー105等のハードキーと、LCD(液晶表示装置)を備えたタッチセンサスクリーンと一体のタッチパネルからなる表示部104とを有している。タッチパネル式の表示部104は、階層的な表示構造となっており、同図に示す「次へ」ボタンあるいは各種キーを押すことで次の画面表示に切り換えることができる。
【0111】
操作パネル100には、図32(a)に示すように、コピー枚数を設定・指示したり、封筒に詰める用紙枚数を設定したり、さらには原稿循環モードを選択する際等にも使用する10個のテンキー105(用紙枚数を設定するシート枚数設定手段となる)が配設されており、その最下段にはエンタキー107が、その右方にはストップ・クリアキー106、コピーをスタートさせる際に押すスタートキー108がそれぞれ配設されている。
【0112】
表示部104には、図32(b)に詳しく示すように、用紙を封筒内に自動的に詰めさせる「パックモード(封筒詰めモード)」を選択する際に押すパッケージキー101と、コピーした用紙を仕分けしてビン上に排出する「ソートモード」を選択する際に押すソートキー102と、ビン上の用紙を綴じる「ステイプルモード」を選択する際に押すステイプルキー103とが設けられている。また、表示部104には、同図の上部に配置され、用紙を封筒内に詰めることができる封筒サイズや、詰めることができる封筒がない場合等にそれを表示するものも設けられている。
【0113】
表示部104の左方には、用紙・封筒選択キー109a〜109eと、この上方に配置され、5個の各選択キーにそれぞれ対応させて各トレイを描いたイラスト(図示せず)とその下に左右2個のランプ(図示せず)をそれぞれ配設した用紙・封筒表示部110とが設けられており、選択したものが封筒である場合にはその右側のランプが緑色に点灯すると共にその下に封筒サイズが表示される。選択したものが用紙(転写紙)である場合にはその左側のランプがオレンジ色に点灯すると共にその下に用紙サイズが表示される。
【0114】
用紙・封筒選択キー109dの下側に設けられているキーは、封筒選択モード切換キー111であり、ビン上の用紙を封筒詰めする際の最適なサイズの封筒を自動選択させる場合と、オペレータが封筒サイズを自由に選択できるようにするモードとを選択する際等に押す。
【0115】
ユーザは、例えば、封入済みの封筒の重量データから郵便料金毎に仕分けを行いたい場合がある。この場合、図33に示す制御装置120のメイン制御ボード130は、封入済みの封筒の重量データの閾値に基づいて、封入済みの封筒を仕分けるように仕分け装置190を制御する。そして、前記閾値は、所定部数の用紙封入済みの封筒の重量データに基づいて算出されるものである。
そして、この場合、操作パネル100で料金毎の重量範囲を設定し、その重量範囲によって仕分けを実施することとなる。
【0116】
図32(b)に表示されているパッケージキー101を押すことによりパックモード(封筒詰めモード)」を選択すると、「封筒封入」と表示された封筒封入モード選択キーとして2つの、仕分けモードキー112と検品モードキー113とが表示される。ここで、仕分けモードキー112を選択すると、封入条件設定タブキー114が表示され、この封入条件設定タブキー114を押して選択すると、封入の仕分け条件を設定する画面が表示される。
【0117】
仕分け条件設定画面には、重さの下限(g)、重さの上限(g)、排紙先の仕分けトレイの選択キーが表示される。ここで、封入した封筒を重さ範囲によって排紙先の各トレイを選択することができる。この設定は、重さの下限キー群115(同図のとおり、4つの範囲を設定するキーがある)の何れか一つのキーを押して重さの下限を設定し、重さの上限キー群116(同図のとおり、4つの範囲を設定するキーがある)の何れか一つのキーを押して重さの上限を設定する。重さの範囲の具体的数値の設定は、図32(a)のテンキー105での設定・入力となる。重さの範囲を入力した後、仕分けトレイ選択キー117a、117b、117c、117dの何れか一つを押して選択することで、排紙先の第1〜第3トレイ210,211,212の何れか一つを選択設定する(なお、図31には図の簡明化のため仕分け用の第4トレイは省略されている)。なお、図32(b)に表示されている重さの下限(g)、重さの上限(g)の具体的数値はあくまでも例であって、実際には例えば「日本郵便」による郵便料金体系表によって設定される。
上記のとおり、仕分けトレイ選択キー117a、117b、117c、117dは、仕分け装置190によって仕分けられる用紙封入済みの封筒を、重量別に第1〜第3トレイ210,211,212の何れかに積載するよう設定する設定手段として機能する。
【0118】
本実施形態では、特許文献1や2と同様に、給紙部11から給送される用紙を収納可能な封筒サイズと装置本体1Aにセットされている封筒との照合で用紙を収納可能なサイズの封筒が複数あるときは、その中で最小サイズの封筒を自動的に選択する「第1のモード」ないし「封筒自動選択モード」と、その収納可能なサイズの封筒の全てを表示部104に表示する「第2のモード」ないし「封筒オペレータ選択モード」と、その収納可能なサイズの封筒を用紙封筒表示部110のイラスト図を点滅させることによって知らせる「封筒オペレータ支援モード」とを、モード選択手段としての前記した封筒選択モード切換キー111(図32参照)を押すことによって選択できるようになっている。
【0119】
次に、図33を参照して、本実施形態の画像形成システム全体の制御構成について説明する。同図は、本実施形態における複写機1とSSP装置3との画像形成システム全体の制御を行う制御装置120とその関連構成を示すブロック図である。この制御装置120は、複写機1内の作像系の制御を行うメイン制御ボード130と、ソート・ステイプル・パッケージ等の動作制御を行うSSP制御ボード140とからなる。
【0120】
メイン制御ボード130は、各種判断および処理機能を有する中央処理装置(CPU)131と、複写機1(図1および図2参照)内の各種駆動系を制御するために必要なプログラム(例えば図27、図34に示すフローに係る動作プログラム等)を含む各処理プログラムおよび固定データを記憶・格納した読み出し専用記憶装置(ROM)132と、処理データを格納するデータメモリである読み書き可能な記憶装置(RAM)133と、入出力回路(I/O)とによって構成されている。
【0121】
メイン制御ボード130のCPU131は、給紙部11の各給紙カセット15A〜15D(図1参照)にそれぞれ設けられている各サイズ検知センサ32およびトレイ24に設けられているサイズ検知置30から用紙サイズあるいは封筒サイズに対応して出力されるセンサ信号をそれぞれ入力すると共に、その他の同期検知センサ、ペーパエンドセンサ等の各種センサ類からセンサ信号をそれぞれ入力し、各種放電装置、現像モータ、高圧電源、ポリゴンモータ、図2の書き込み部6の半導体レーザ、定着装置、感光体ドラム7を駆動するモータ等の各種負荷類をオン/オフするタイミングを決定して、全体のシーケンス動作を行う。
【0122】
また、メイン制御ボード130は、図32の操作パネル100に設けられている各種キー、図2の画像走査部5の制御回路であるスキャナ制御ボード122、図2のRDHの制御回路であるRDH制御ボード123にそれぞれ接続されおり、さらに外部インターフェース124を介してパソコン125に接続されている。そして、これらの各制御ボード等とは双方向通信可能になっていてコマンドのやり取りを行うようになっている。なお、スキャナ制御ボード122と外部インターフェース124は、画像データの出力も受ける。
【0123】
SSP制御ボード140は、メイン制御ボード130と同様に各種判断および処理機能を有する中央処理装置(CPU)141と、SSP装置3(図2)内の各種駆動系を制御するために必要なプログラムを含む各処理プログラムおよび固定データを記憶・格納した読み出し専用記憶装置(ROM)142と、処理データを格納するデータメモリである読み書き可能な記憶装置(RAM)143と、入出力回路(I/O)とによって構成されている。
【0124】
SSP制御ボード140は、メイン制御ボード130に接続されていてその間でシリアル通信が可能であり、そのメイン制御ボード130から送られてくるコマンドにより動作をするようになっている。このSSP制御ボード140のCPU141には、封筒到達センサ228(図24、図31参照)、SSPユニット40の上下方向・左右方向の各ホームポジションを検知する各ホームポジションセンサ(図示せず)、収納キャリア4(図2参照)の装着状態を検知するセンサ(図示せず)、仕分け装置190のホームポジションセンサ215、収納キャリア4へ排出し損ねた封筒等を検知するセンサ(図示せず)、さらには封筒検知用センサ62(図6、図12等参照)等の各センサから各種の検知信号がそれぞれ入力される。
また、SSP制御ボード140のCPU141には、図24等に示した重量測定装置220のロードセル222からの重量データに係る信号が入力される。
【0125】
SSP制御ボード140のCPU141は、縦搬送路42を構成する搬送ベルト48が張設されるプーリ49(図6参照)を回転させるモータ151を駆動するモータドライバ、封筒チャック部45のチャックコロ駆動用のモータ153を回転させるモータドライバ、ビン35上の用紙サイズに合わせて一対のパックユニット46,46を接近・離間させるモータ155を駆動するモータドライバ、図24等に示した上下動機構223の駆動モータ227を駆動するモータドライバ、ロードセル222からの重量データに基づいて、ベルト218上の各トレイ210〜213を選択的に移動させるモータ219を駆動するモータドライバに、それぞれ駆動信号を出力する。
【0126】
また、SSP制御ボード140のCPU141は、SSPユニット40(図6参照)を上昇および下降させるモータ157を回転させるモータドライバ、上コロ65を下降させて下コロ66との間でビン35上の用紙を挾持させるためのモータ74(図16参照)を駆動するモータドライバ、その上・下コロ56,66を回転させるチャックモータ84(図18参照)を駆動するモータドライバ、ステイプラ47(図19参照)を作動させるステイプルモータ10を駆動するモータドライバ、ソートガイド53,54を揺動させるソレノイド55を駆動するドライバに、それぞれ駆動信号を出力する。
【0127】
なお、本実施形態では、前述した構成および図33の制御構成を有していることにより、特許文献1の図29および図31のフローチャートに開示されている動作ならびに段落「0082」、「0086」〜「0113」に記載されている動作が実行可能である。加えて、特許文献2の図30〜図34のフローチャートに開示されている動作ならびに段落「0096」〜「0121」に記載されている動作が実行可能であることを付記しておく。
【0128】
図34のフローチャートを参照して、用紙封入後の封筒の仕分け処理について説明する。同図のステップ20〜ステップS21までは、図27で説明したステップS12と同様である。ステップS22において、仕分け処理モードとして何が設定しているか否かがチェックされる。
ここで、「検品モード」とは、同じ用紙封入済みの封筒(封入品)を多数作製する場合に、n数のサンプルから統計計算で、平均値±2σなどの値を取得、その後に作製された封入品をその重量と比較することで、封入物の欠品、重複を判定するモードである。「重量仕分けモード」とは、色々な封入品を作製する場合に、予め各トレイに振り分ける重量範囲を設定しておき、重量範囲毎に仕分けするモードであり、例えば郵便料金毎の仕分け用などが含まれる。
【0129】
ステップS22において、例えば図32(b)に表示されているパッケージキー101でパックモード(封筒詰めモード)」選択した後、「封筒封入」と表示された封筒封入モード選択キーとして2つの、仕分けモードキー112と検品モードキー113とが表示される。ここで、検品モードキー113を押して検品モードを選択・設定すると、ステップS23に進み、用紙封入済みの封筒の重量が設定範囲にあるか否かがチェックされる。重量が設定範囲にある場合には、仕分け装置190が作動することにより、OKトレイである第1〜第3トレイ210,211,212が選択されて、用紙封入済みの封筒が収納されていない図31の左側から右に向かって順に、各仕分けトレイ191が挿入口201の真下位置を占めるように選択的に移動した後、上述した動作によってSSPユニット40側から検品OKの用紙封入済みの封筒が第1〜第3トレイ210,211,212の各仕分けトレイ191に排紙されることとなる(ステップS24)。その後、ステップS25に進み、ジョブの最終封筒が出力・排紙されたか否かがチェックされ、最終封筒が出力・排紙された場合には封入処理後モードは終了する。
【0130】
一方、ステップS23において、用紙封入済みの封筒の重量が設定範囲にないノーの場合には、仕分け装置190が作動することにより、NGトレイ213が選択されて、NGトレイ213の各仕分けトレイ191が挿入口201の真下位置を占めるように選択的に移動した後、上述した動作によってSSPユニット40側から検品NGの用紙封入済みの封筒がNGトレイ213の各仕分けトレイ191に排紙されることとなる(ステップS26)。
【0131】
一方、ステップS22において、例えば図32(b)に表示されている仕分けモードキー112を押した後、封入条件設定タブキー114を押して重量仕分けモードを選択・設定すると、ステップS27に進み、各トレイの設定重量に仕分ける分岐動作が実行される。すなわち、ステップS27において、ユーザが設定R1の場合に、下限キー群115および上限キー群116によって図32(b)に例示されている重さの下限および上限が下限無<20を設定し、その重量仕分けモードを実行すべく第1トレイキー117aを押すと、仕分け装置190が作動することにより、OKトレイを兼ねる第1トレイ210が選択されて、用紙封入済みの封筒が収納されていない図31の左側から右に向かって順に、各仕分けトレイ191が挿入口201の真下位置を占めるように選択的に移動した後、上述した動作によってSSPユニット40側から設定R1の重量の用紙封入済みの封筒が第1トレイ210の各仕分けトレイ191に排紙されることとなる(ステップS28)。
【0132】
以下、上述したと同様の操作および動作を介して、ユーザが設定R2の場合(図32(b)に例示されている重さの下限および上限が20<30の場合)の重量仕分けモードを実行すべく第2トレイキー117bを押すと、設定R2の重量の用紙封入済みの封筒が第2トレイ211の各仕分けトレイ191に排紙されることとなる(ステップS29)。また、ユーザが設定R3の場合(図32(b)に例示されている重さの下限および上限が30<50の場合)の重量仕分けモードを実行すべく第3トレイキー117cを押すと、設定R3の重量の用紙封入済みの封筒が第3トレイ212の各仕分けトレイ191に排紙されることとなる(ステップS30)。
【0133】
また、本実施形態では、シート自動選択モードとしての「用紙自動選択」モードが実行可能である。用紙自動選択モードとは、例えば図2の画像形成装置としての複写機1で具体的に説明すると、画像形成されるべく給送される同一サイズの用紙(シート)を収容するシート収容手段としての複数の給紙カセット15A〜15D、トレイ24を備え、該複数の給紙カセット15A〜15D、トレイ24の何れか一つに収容されている用紙が無くなった場合に、複数の給紙カセット15A〜15D、トレイ24の何れかに収容されている用紙を自動で給送するモードである。
【0134】
給紙先の設定を「用紙自動選択」モードとしなければ、上述のように複数の給紙カセット15A〜15D、トレイ24の何れかへの切り替わりは発生しないが、ユーザの設定忘れ等により、給紙カセット15A〜15D、トレイ24の何れかが意図しないトレイに切り替わってしまうことがある。用紙サイズが同一でも、用紙種類の設定が異なり、紙種や坪量の異なる用紙が給紙カセット15A〜15D、トレイ24の何れかに収納されていた場合、封筒に封入される用紙の重さが異なり、重量による仕分けや検品に支障をきたす。
そこで、上記重量による仕分けや検品への支障を未然に防止するため、封入のジョブの場合には、サイズが同じトレイでも、紙種の設定が異なる場合には、「用紙自動選択」モードであっても、給紙カセット15A〜15D、トレイ24の切り替えを行わないで、指定先の給紙カセット15A〜15D、トレイ24の何れかからのみ用紙を給送するものである(請求項6)。
【0135】
以上説明したとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態や変形例等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態や変形例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0136】
例えば、図31に示した仕分け装置190では、ベルト218を用いた往復動機構を利用して仕分けトレイ191を設けたために、仕分けトレイ191を多数配設することができなかったが、これを回避すべく、変形例として外観視で円筒状に、平面視でドーナツ状に形成するとともに、そのドーナツ状の空間に円筒の中心から半径方向に放射状に延びる多数の仕切り部材で仕切り、かつ、円筒の中心軸の回りに回動可能に構成することにより、より多数の排紙先のトレイおよび仕分けトレイを構成できることは無論である。
【0137】
仕分け手段は、図31の仕分け装置190に限らず、例えば重量測定後の複数のシート封入済みの封筒の排出先を変更するシート搬送方向切換手段としての切換爪や、これに対応したシート搬送路で構成できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0138】
1 デジタル複写機(画像形成手段、画像形成装置)
1A 装置本体
3 SSP装置(後処理装置)
11 給紙部
15A〜15D 給紙カセット(シート収納手段、シート積載手段)
24 トレイ(シート積載手段)
30 サイズ検知装置
32 サイズ検知センサ(サイズ認識手段、サイズ検知手段)
35 用紙積載ビン(シート積載手段)
40 SSPユニット(封入手段、排出手段)
44 ソートガイド部(仕分排出手段)
45 封筒チャック部(封入手段、排出手段)
46 パックユニット(封入手段)
59 チャックコロ(搬送手段)
60 チャックコロ(搬送手段)
100 操作パネル(操作部)
104 表示部(報知手段・表示手段)
105 テンキー(サイズ設定手段、重量設定手段)
111 封筒選択モード切換キー(モード選択手段)
112 仕分けモードキー
113 検品モードキー
117a,117,b117c,117d 仕分けトレイ選択キー(設定手段)
120 制御装置(制御手段、仕分け制御手段)
130 メイン制御ボード(制御手段、仕分け制御手段)
140 SSP制御ボード
190 仕分け装置(仕分け手段)
191 仕分けトレイ
210,211,212 第1〜第3トレイ(積載手段、積載台)
220 重量測定装置
221 封筒フェンス
222 ロードセル(重量測定手段、重量検知手段)
223 上下動機構(排出手段)
228 封筒到達センサ
P 用紙(シート)
Pf 封筒
【先行技術文献】
【特許文献】
【0139】
【特許文献1】特許第3110806号公報
【特許文献2】特許第3110804号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒を含むシートに画像形成を行うことが可能な画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像形成されたシートを封筒に封入する封入手段と、
前記シート封入済みの封筒の重量を測定する重量測定手段と、
前記重量測定手段により測定されたシート封入済みの封筒毎の重量データに基づいて、前記シート封入済みの封筒を仕分ける仕分け手段と、
を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成システムにおいて、
前記測定後の前記シート封入済みの封筒を前記仕分け手段に排出する排出手段と、
前記排出手段により排出されたシート封入済みの封筒を積載する積載手段と、
を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成システムにおいて、
前記積載手段は、複数の積載台を有し、
前記仕分け手段によって仕分けられたシート封入済みの封筒が、重量別に前記複数の積載台の何れかに積載されることを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項2記載の画像形成システムにおいて、
前記積載手段は、複数の積載台を有し、
前記仕分け手段によって仕分けられたシート封入済みの封筒を、重量別に前記複数の積載台の何れかに積載するよう設定する設定手段を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成システムにおいて、
前記仕分け手段は、閾値に基づいて前記シート封入済みの封筒を仕分け、
前記閾値は、所定部数の前記シート封入済みの封筒の重量データに基づいて算出されることを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項1記載の画像形成システムにおいて、
前記画像形成手段で画像形成されるべく給送される同一サイズのシートを収容するシート収容手段を複数備え、該複数のシート収容手段の何れか一つに収容されているシートが無くなった場合に、前記複数のシート収容手段の何れかに収容されているシートを自動で給送するシート自動選択モードを有し、
前記封筒にシートを封入する場合であって、前記シート自動選択モード実行時には、指定先の前記シート収容手段のシートが無くなった場合でも、該指定先のシート収容手段からのみシートを給送することを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一つに記載の画像形成システムにおいて、
前記封入手段は、封筒を挟持・搬送する搬送手段を有し、
前記搬送手段は、封筒に対する圧接を解除する圧接解除手段を備え、
前記重量測定手段によって前記シート封入済みの封筒の重量を測定するとき、前記搬送手段は、前記シート封入済みの封筒に対する前記圧接を解除することを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2011−190064(P2011−190064A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58519(P2010−58519)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】