説明

画像形成装置、データ処理方法、プログラム、及び記憶媒体

【課題】記憶領域の容量が不足する場合であっても、実行できないワークフローをインポートの対象から除外することで、ワークフローのインポートを効率よく行う。
【解決手段】ワークフローの登録と実行が可能か否かを判定するために、クライアントから送信されたワークフローを実行するためのデータ数、データサイズ、アプリケーションのリストの情報を有するインポート要求データを受信する。アプリケーションのリストと予め格納されているアプリケーションのライセンス設定を示す情報とを比較して、ワークフローにより定められた処理が実行可能か否かを判定する。登録可能と判定された場合に、仮ワークフローリストに含まれるそれぞれのワークフローを実行するための実行用データと表示を制御するための表示用データとをクライアントから取得し、表示用データに基づき、実行が可能なワークフローと、実行不可のワークフローとを識別可能な状態で表示制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成技術および画像形成装置におけるデータ処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複写機をベースにして多数の機能が付加された複合機能装置(デバイス)が実用化されている。デバイス間、デバイス−情報処理装置(PC)間で、ワークフローの送受信が可能であるが、デバイス内で保存可能なワークフローの件数やサイズには制限があり、ワークフローのインポートに失敗するケースが少なくない。しかも、大量のワークフローをインポートする際にはかなりの時間を必要とするため、なるべく1回のインポート操作で処理を成功させる必要がある。
【0003】
特許文献1では、クライアントPCからサーバへ画像をアップロードする際に、画像ファイルの合計サイズがサーバ上の記憶領域の残り容量を超えるかどうかを検知する。そして、記憶領域の残り容量を超える場合には、それらの画像の類似度に基づき、残り容量を超えないような数だけ画像を自動的に選択してアップロードするといった提案がされている。
【特許文献1】特開2006−302093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワークフローの件数やサイズオーバーを引き起こす大きな要因として、そのデバイスでは実行不可能なワークフローが登録されたままとなっている事があげられる。一つの解決策として、それら実行不可能なワークフローを消去するという方法があるが、実行不可能なフローだからといって即座に消去したのでは困るといった新たな課題がでてきた。
【0005】
具体的には、近年、ワークフローに定義可能なデバイス内アプリケーション(スキャン、送信、プリントなど)もライセンス管理されるようになってきており、試用期間を設けているアプリケーションも存在する。例えばE-mail送信機能がそれに該当する。E-mail送信機能の試用期間が終了すると、E-mail送信機能が定義されているワークフローは全てエラー終了となってしまう。しかしながら、後日改めてライセンスが購入される可能性もあるため、ライセンス切れと同時に、その機能が定義されたワークフローをすぐに消去したのでは、かえって不都合が生じることになる。
【0006】
本発明は、記憶領域の容量が不足する場合であっても、実行できないワークフローをインポートの対象から除外することで、ワークフローのインポートを効率よく行うことを可能にすることを目的とする。
【0007】
あるいは、ライセンス設定の状態変化などにより実行可能な状態になった場合、外部に退避したデータを利用することで、ワークフローの再登録を行うことなく、所望のワークフローの実行を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するべく、本発明に係る画像形成装置は、複数の機能の組み合わせにより実行すべき処理を定めたワークフローの登録が可能か否かを判定するために、クライアントから送信されたワークフロー数と、前記ワークフローを実行するためのデータサイズと、前記ワークフローを実行するためのアプリケーションのリストとを有するインポート要求データを受信する受信手段と、
前記アプリケーションのリストと予め格納されているアプリケーションのライセンス設定を示す情報とを比較して、前記ワークフローにより定められた処理が実行可能か否かを判定する実行可否判定手段と、
前記データサイズと、前記実行可否判定手段による判定結果と、をそれぞれのワークフローについて対応させた仮ワークフローリストを作成する作成手段と、
前記仮ワークフローリストに含まれるワークフローの数及びデータサイズに基づき、登録可能なワークフロー数及びデータサイズの上限を超えているか否かを判定する登録可否判定手段と、
前記登録可否判定手段により登録可能と判定された場合に、前記仮ワークフローリストに含まれるそれぞれのワークフローを実行するための実行用データと表示手段の表示を制御するための表示用データとを前記クライアントから取得し、登録する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記表示用データに基づき、実行が可能なワークフローと、実行不可のワークフローとを識別可能な状態で前記表示手段に表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記憶領域の容量が不足する場合であっても、実行できないワークフローをインポートの対象から除外することで、ワークフローのインポートを効率よく行うことが可能になる。
【0010】
あるいは、ライセンス設定の状態変化などにより実行可能な状態になった場合、外部に退避したデータを利用することで、ワークフローの再登録を行うことなく、所望のワークフローの実行が可能になり、ユーザの利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、画像形成システムの第1の構成例を示す図である。図1に示す第1の構成例において、画像形成装置の一例としての複合機101は、クライアントPC102とLAN110とに接続可能であり、互いに通信可能である。
【0013】
クライアントPC102は、複合機101により実行可能なワークフローの作成、編集が可能で、LAN110を介して複合機101との通信によりワークフローの送受信が可能である。図1では画像形成システムの構成例として、複合機101とクライアントPC102の構成を示している。複合機101においてもワークフローの作成、編集、ワークフローの送受信が可能であり、クライアントPC102を他の複合機に置き換えて、画像形成システムを構成しても良い。
【0014】
図2は、画像形成システムの第2の構成例を示す図である。図2に示す第2の構成例において、画像形成装置の一例としての複合機101は、クライアントPC102、ワークフローの管理を行うことが可能なワークフローサーバ103と共にLAN110に接続可能であり、互いに通信可能である。クライアントPC102は、複合機101により実行可能なワークフローの作成、編集が可能で、LAN110を介して複合機101やワークフローサーバ103とワークフローの送受信が可能である。
【0015】
図3は、本発明の実施形態にかかる複合機101のハードウェア構成を示す図である。リーダ部301は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダ部301は、原稿を読取るための機能を持つスキャナユニットと、原稿用紙を搬送するための機能を持つ原稿給紙ユニットとで構成される。機器構成によっては、原稿給紙ユニットを持たないもの、例えば、いわゆる圧板と呼ばれるプラテンガラスに原稿を置きセンサにより読取る構成でもよい。
【0016】
プリンタ部303は、記録紙を搬送し、その上に画像データを可視画像として印刷して画像形成装置外に記録紙を排紙する。プリンタ部303は複数種の記録紙カセットを持つ給紙ユニットと、画像データを記録紙に転写、定着させる定着ユニット、印刷された記録紙をソート、ステイプルして機器外へ出力する排紙ユニットとで構成される。コントローラ部302は複合機101の制御を司るもので、不図示のCPU、ROM、RAMを含む。コントローラ部302は、リーダ部301、プリンタ部303と電気的に接続され、さらにLAN110と接続されている。
【0017】
コントローラ部302は、リーダ部301を制御して、原稿の画像データを読込み、プリンタ部303を制御して画像データを記録用紙に形成することによりコピー機能を提供する。
【0018】
また、コントローラ部302は、リーダ部301から読取った画像データをコードデータに変換し、LAN110を介してホストコンピュータへ送信するネットワークスキャナ機能を提供する。また、コントローラ部302は、リーダ部301から読取った画像データをHDD305に備えるボックスというストレージサービスに登録するボックススキャン機能を提供する。
【0019】
さらに、コントローラ部302は、ホストコンピュータからLAN110を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部303に出力するプリンタ機能を提供する。
【0020】
操作部304は液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有し、ユーザが様々な操作を行うためのユーザI/Fを提供する。タッチパネルまたはハードキーにより入力された信号はコントローラ部302に伝えられ、液晶表示部はコントローラ部302から送られてきた画像データを表示する。
【0021】
図4は、複合機101のソフトウェアの実行による機能構成を示す図である。ユーザインタフェース410はコントローラ部302の状態を操作部304に表示したり、ユーザからの指示を受け付ける。例えば、ユーザから複合機101のHDD305に格納されているワークフローの一覧表示指示やワークフローの実行指示を受け付ける。その指示に従って、ワークフローの一覧表示やワークフローが実行される。
【0022】
ワークフローの一覧表示が指示されると、後述のワークフロー実行可否チェック部443によって実行可能なワークフローであるかが判別され、その判別結果がユーザに分かりやすく表示される。
【0023】
操作部304に表示されるユーザインタフェース410は、例えば、図7のような一覧画面700により実現される。一覧画面700は、複合機101のHDD305に格納(登録)されたワークフローの一覧が表示された画面である。登録されたワークフローを識別するために、それぞれのワークフローに対応したアイコン表示(ボタン)が表示される。ボタンを選択することで、対応するワークフローが呼び出され、実行される。アイコン表示(ボタン)はワークフロー呼び出しボタン701として、一覧画面700内に配置される。それぞれのボタンは後述のワークフロー実行可否チェック部443の判別結果に基づき、実行不可のワークフローと実行可能なワークフローとが目視により識別可能な状態で表示される。ワークフロー実行可否チェック部443によって実行できないと判別されたワークフローに対応したボタンは、例えば、実行不可ボタン703のように表示される。また、ワークフロー実行可否チェック部443によって実行可能と判別されたワークフローに対応したボタンは、例えば、実行可能ボタン702のように表示される。ここで、コントローラ部302とユーザインタフェース410は、ワークフローの実行可否を識別表示する表示制御手段として機能する。
【0024】
一覧画面700は、実行可能ボタン702と実行不可ボタン703から構成される。実行できないボタンは、灰色に網掛けされたボタンで表示されるため、ユーザは実行できないボタンであることがすぐに判別できる。但し、一覧画面700は、ワークフローを実行する際の画面であり、登録/編集ボタン704を押下して登録/編集画面に遷移した際には、この実行不可のワークフローに対応するボタンの網掛けが解除され、編集や削除が可能となる。
【0025】
本実施形態では、実行できないと判別されたワークフローに対応したボタンを灰色に網掛けされたボタンで表示する構成としたが、ボタンそのものを非表示にするといった構成でも良い。
【0026】
ワークフロー取得部460は、複合機101に登録されているワークフローの実行用データ502をHDD305から取得したり、クライアントPC102やワークフローサーバ103からLAN110を介して送られてくるワークフローを取得する。
【0027】
ワークフローチェック部440は、予め決められたタイミングでHDD305内に登録されているワークフローの数をチェックするためのワークフロー数チェック部441を有する。また、ワークフローチェック部440は、登録されているワークフローのトータルサイズおよび個々のサイズをチェックするためのワークフローサイズチェック部442を有する。また、ワークフローチェック部440は、登録されているワークフローが複合機101で実行可能かどうかをチェックするためのワークフロー実行可否チェック部443を有する。
【0028】
予めきめられたタイミングとしては、例えば、ユーザインタフェース410を通して、ワークフローの編集や削除が行われたときやワークフローの実行要求を受け付けたときが挙げられる。また、予めきめられたタイミングとしては、例えば、ワークフロー取得部460を介して、クライアントPC102やワークフローサーバ103からワークフローを受信したときが挙げられる。更に、予めきめられたタイミングとしては、例えば、複合機101内のアプリケーションのライセンス状態の変化に伴ってイベントが通知されたときが挙げられる。また、予めきめられたタイミングとしては、原稿給紙ユニットや排紙ユニットなどのハード的なオプション構成の変化に伴ってイベントが通知されたときなどがあげられる。ここで、ライセンス状態、オプション構成については、コントローラ部302で記憶しているものとする。
【0029】
ワークフローチェック部440のチェック結果に基づいて、ワークフローリスト作成部420はワークフローリストの作成を行う。例えば、図8のようなリストである。ワークフローを特定するための識別情報として機能するワークフローIDと、そのワークフローのサイズ、更にそのワークフローが現在実行可能な状態にあるか否かの情報(実行可否判別情報)から構成される。
【0030】
図13は、後に説明するサーバありモデルの構成で用いられるワークフローリストである。ワークフローIDと、そのワークフローのサイズ、更にそのワークフローが現在実行可能な状態にあるか否かの情報に加え、実行用データ502の保存場所(複合機101もしくはワークフローサーバ103)を示す情報が含まれる。
【0031】
仮ワークフローリスト作成部450は、クライアントPC102やワークフローサーバ103など、外部からワークフロー取得部460がワークフローのインポート要求をうけた際に、インポート後のワークフローリストを仮に作成する。仮ワークフローリストも、ワークフローリストと同様、図8、または図13のような構成を有する。
【0032】
図5は、本実施形態におけるワークフローの基本的な構成を示す図である。本実施形態においてワークフローとは、複合機が実行すべき機能をどのように組み合わせるかを記憶したデータである。複合機が持つ機能としては、大きく「入力」、「編集」、「出力」の3つの機能がある。具体的には「入力」として「原稿をスキャンする」機能、ボックスに保存されている「文書を選択する」という機能がある。「編集」としては前述した「入力」の各機能によって入力されたジョブあるいは文書を「結合する」機能、「ページを削除する」機能、「プレビューする」機能がある。「出力」としては前述した「編集」の各機能により編集されたジョブあるいは文書を「印刷する」機能、「送信する」機能、「ボックスに保管する」機能などがある。
【0033】
機能を組み合わせるとは、例えば、「原稿をスキャンする」機能によりスキャンした文書と「文書を選択する」機能により選択されたボックス内文書とを、「結合する」機能により文書結合する。そして、結合後の文書を「印刷する」機能で印刷し、更に「送信する」機能により送信も行う、といったように、前述した複合機の各機能の中から任意の機能を指定し、ワークフローとして記録することをいう。
【0034】
図5に示されるワークフロー500は、ワークフローリスト作成部420により作成され、ワークフロー500は表示用データ501と実行用データ502によって構成されている。表示用データ501は不図示のメモリ内に保持される。表示用データ501には、ワークフローID、ワークフロー名称、ワークフローのサイズや、ワークフローで使用される機能(前述した複合機が持つ機能)のリスト、ワークフローで使用されるハードオプションなども記録されている。表示用データ501は、操作部304でのワークフローの一覧表示などに利用される。
【0035】
実行用データ502はワークフローで使用される各機能と各機能における詳細な設定値が記録されており、各機能を実行する順番に並べられている。詳細な設定値としては、例えば「原稿をスキャンする」機能には、フルカラー/白黒などのカラーモードに関する設定や読取時の倍率指定などが可能か否かを示す情報が含まれる。
【0036】
ワークフローを実行するとは、ワークフロー実行部430がワークフローに記録されている情報を解析し、各機能が記録されている順番通りに、記録されている詳細な設定値で呼び出し逐次実行していくことをいう。
【0037】
ワークフローにおいて組み合わされる機能は、少なくとも1つ以上で、複合機以外の機器が持つ機能を呼び出す構成でも良いものとする。また、ワークフローを実行する機能とは、実行用データ502に記憶された通りに機能を呼び出して実行する機能を示すものとする。
【0038】
図6は、複合機101、クライアントPC102、ワークフローサーバ103がLAN110を介してワークフローをやり取りする際の基本的な送受信用データの構成例を示した図である。一つのワークフローには、表示用データ501と実行用データ502が含まれることは先に説明したが、送受信用データ600には、少なくとも一つ以上の複数のワークフロー500が含まれる。
【0039】
複合機101のワークフローリスト作成部420は、クライアントPC102からのエクスポート要求に応じて、クライアントPCから指定された任意のワークフローを作成し、送受信用データ600のように1ファイルにまとめ、送信する。また、複合機101がワークフローサーバ103へワークフローを送信する際にも、送受信用データ600を生成し、後述するワークフロー取得部460からLAN110を介して送信される。
【0040】
送受信用データは、HTTPプロトコルを利用したSwA (SOAP with Attachments) 方式でやりとりされる事を前提としているため、このようにファイル形式となっている。データのフォーマットやプロトコル等は、ワークフローのやり取りが行われる各装置間で認識可能であれば特に限定するものではない。
【0041】
図10は、インポート要求データを例示する図である。インポート要求データは、図6のような送受信用データ600を送信する前に、所望のデータがインポート可能かどうかを問い合わせる時に用いられるデータである。インポート要求データは、ワークフロー500の一部である表示用データ501のみから構成される。クライアントPC102は、インポート要求データ1001を用いて複合機101に対してインポート要求を送信する。インポート要求データを受信した複合機101でインポート可能と解析された場合に、クライアントPC102は、改めて送受信用データ600を生成し、インポートを行う。このインポート要求データもSwAによる1ファイル送信を想定しているが、送受信用データ600と同様、データのフォーマット、プロトコル等は、ワークフローのやり取りが行われる各装置間で認識可能であれば特に限定するものではない。
【0042】
(第1の構成例(サーバなしモデル)の処理)
図1で説明した第1の構成例の画像形成システムを構成する画像形成装置におけるデータ処理の流れを図9のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
ステップS901において、複合機101はクライアントPC102からワークフローのインポート要求を受信する。このときクライアントPC102から送られてくるデータには、インポートしたいワークフローの表示用データのみで構成されるファイル(例えば、図10のようなインポート要求データ1001)が添付されているものとする。図示していないが、表示用データの中には、使用する機能のリストや、使用するハードオプション情報なども記録されている。本実施形態では、HTTPプロトコルを用いたSOAPメッセージによる通信を想定しているが、通信手段として限定するものではない。
【0044】
ステップS902において、ワークフロー取得部460がステップS901でリクエストされたワークフローの表示用データを受け取ると、その表示用データに基づき、仮ワークフローリスト作成部450は、仮ワークフローリストを作成する。
【0045】
例えば、現在、作成済のワークフローリストが図8のような内容であるとき、図10のインポート要求データ1001を伴うインポート要求を受けると、仮ワークフローリストは図11のようになる。
【0046】
インポート要求データ1001に記録されているワークフローIDと同じIDのワークフローがHDD305に格納されている場合、HDD305のワークフローは送受信用データ600の受信によりインポート処理が完了した際に、上書きされる。ワークフローIDが異なるワークフローはHDD305に新規ワークフローとして追加される。図11の場合、ワークフローIDが共通するフローIDのデータ1101、1102、1103は上書きされる。インポート要求データ1001にのみ含まれているフローIDのデータ1104は新規データとして追加される。
【0047】
仮ワークフローリスト作成部450は、図8のワークフローリストを複製する形で仮ワークフローリストを作成する。その後、仮ワークフローリスト作成部450は、インポート要求データ1001内のワークフローIDと仮ワークフローリスト(現段階では未だ図8と同じ内容)のワークフローIDとを比較する。そして、新規追加のワークフローIDがインポート要求データ1001内に存在すれば、仮ワークフローリストのフローID欄に追加する。
【0048】
この時の状態が図15の1500に該当する。フローID欄1501にワークフローID000006が追加されている。次にインポート要求データの各表示用データからワークフローサイズを参照し、仮ワークフローリスト1500の該当するワークフローIDに対応するサイズ欄を、参照したサイズで更新する。この時の状態が図15の1502である。ワークフローID000001、000002、000006のサイズ欄1503が更新されているのがわかる。
【0049】
次に、ワークフロー実行可否チェック部443は各表示用データに記録されている、複合機101の有する複数の機能のうち使用する機能のアプリケーションのリスト及びハードウエア構成を示すリスト(ハードオプションリスト)を参照する。ワークフロー実行可否チェック部443は、アプリケーションのリスト及びハードオプションリストと、コントローラ部302内に格納されているアプリケーションのライセンス設定及びハードウエアの動作状態を示す情報とを比較する。ワークフロー実行可否チェック部443は、例えば、アプリケーションが実行可能なライセンス設定の状態にあるか、ハードウエア構成(ハードウエアオプション)が正常に動作していて利用可能か否かを判定する。ワークフロー実行可否チェック部443は、ライセンスが切れた状態にある場合、該当するアプリケーションを利用した機能は実行不可と判定する。また、ワークフロー実行可否チェック部443は、ハードオプションが正常に動作していない状態の場合、該当するハードオプションを利用した機能は実行不可と判定する。ワークフロー実行可否チェック部443は、表示用データに対応するワークフローが実行可能か否かを判定する実行可否判定手段として機能する。
【0050】
そして、ワークフロー実行可否チェック部443は、各ワークフローIDに対応する実行可否の判定結果欄を、比較結果に基づき更新する。この時の状態が図15の実行可否の判定結果欄1505に該当する。ワークフローID000002、000006の実行の可否が更新されているのがわかる。例えば、ワークフローID000002においては、クライアントPC102でワークフローの編集が行われ、使用する機能やハードオプションに変更があったため、実行不可から実行可に更新されている。以上の処理により仮ワークフローリスト(図11)が生成される。
【0051】
ステップS903において、ステップS902で作成された仮ワークフローリストに基づき、ワークフロー数チェック部441が複合機101内に登録可能なワークフロー数の上限を超えていないかどうかのチェックを行う。登録可能なワークフロー数の上限を超えていれば、処理はS909に進められ、いなければ、登録可能なワークフロー数の上限を超えていなければ処理はS904に進められる。
【0052】
ステップS904において、ワークフローサイズチェック部442は複合機101のHDD305内に登録可能なワークフローサイズの上限を超えていないかどうかのチェックを行う。登録可能なワークフローサイズの上限を超えていれば処理はS910に進められ、登録可能なワークフローサイズの上限を超えていれば処理はS905に進められる。ワークフロー数チェック部441及びワークフローサイズチェック部442は、ワークフローの数及びデータサイズに基づき、仮ワークフローリストに含まれるワークフローが登録可能か否かを再度判定する登録可否判定手段として機能する。
【0053】
ステップS905において、クライアントPC102に対し、ワークフロー取得部460からインポート開始要求が送信される。
【0054】
ステップS906において、複合機101のワークフロー取得部460は、クライアントPC102からインポート用データ(例えば、図6のような送受信データ)を取得する。ワークフローの取得が完了すると、ステップS907において、取得されたワークフローに基づいて既存のワークフローリストが更新される。ステップS911の処理により実行不可のワークフローが削除されていない場合には、既存のワークフローリストは、ステップS902で作成された仮ワークフローの内容で更新される。一方、ステップS911の処理により実行不可のワークフローが削除されている場合には、実行不可のワークフローが削除された後の仮ワークフローリストに基づいて、既存のワークフローリストが更新される。
【0055】
既存のワークフローリストが更新された場合にはワークフローリスト作成部420からユーザインタフェース410に対して表示の更新要求が出力される。ワークフローリストの内容に従って、ステップS913において、ユーザインタフェース410は、図7のような表示に更新される。
【0056】
ワークフローリスト作成部420はユーザインタフェースの表示の更新の要求を出力した後、仮ワークフローリスト作成部450に対して、仮ワークフローの削除要求を出力する。
【0057】
ステップS908において、仮ワークフローリスト作成部450は仮ワークフローリストを削除し、インポート処理は終了となる。
【0058】
このときHDD305には、実行可能なワークフローと、実行不可のワークフローと共に実行用データが登録されており、実行不可のワークフローに関しては、図7の実行不可ボタン703のように、網掛けで表示される。
【0059】
一方、ステップS909において、ワークフロー数チェック部441は仮ワークフローリスト内の実行不可のワークフローID000005を除くワークフロー数を算出し、登録可能なワークフロー数の上限を超えないかどうかのチェックを行う。
【0060】
ステップS909の判定で、登録可能なワークフロー数の上限を超えていなければ、処理はS910に進められる。
【0061】
ステップ910において、ワークフローサイズチェック部442は、実行不可のワークフローID000005を除くワークフローの合計サイズが登録可能な上限のサイズを超えないかどうかのチェックを行う。
【0062】
ステップS910の判定により、登録可能な上限のサイズを超えていなければワークフローサイズチェック部442は、実行不可のワークフローID000005をHDD305から消去し、処理はステップS905に進められる。ステップS905〜ステップS908までの処理は、前述と同様の処理手順を踏む。この場合、ステップ905のインポート開始要求をクライアントPCへ送信する際、実行不可のワークフローID000005を除く、ワークフローID000001、000002、000006のみをインポートするようにクライアントPCに通知される。
【0063】
S909、S910で実行不可のワークフローを消去した場合でもインポートが不可と判定される場合、ワークフロー数チェック部441及びワークフローサイズチェック部442はクライアントPC102に対してエラーを通知する(S912)。以上により図9の処理を終了する。
【0064】
(インポート完了後、ワークフローの状態に変化があった場合の処理)
第1の構成例(サーバなしモデル)の処理において、インポート完了後、ワークフローに関する状態に変化があった場合の処理を、図16のフローチャートを用いて説明する。再度のインポート要求があった場合には、図9の処理と同様の処理となるため、重複した説明を避けるため、ここでは説明を省略する。
【0065】
ステップS1600において、ワークフローリスト作成部420は、状態変化通知を受け付ける(イベント受信)。各機能を実行するためのアプリケーションのライセンス設定やハードウエアの動作状態を示す情報に変化があったとき、ワークフローリスト作成部420は、不図示のライセンス管理部やオプション構成管理部からイベントを受信する。また、ユーザインタフェース410によってワークフローの新規作成/編集や削除が行われたときは、各処理に対応した通知がされる。
【0066】
例えば、ワークフローが削除された場合には、削除された旨と、削除されたワークフローIDが通知される。ワークフローの新規作成が行われたときは、新規作成された旨と表示用データ501が通知される。またワークフローの編集が行われた際にはワークフローの編集が行われた旨と表示用データ501が通知される。ワークフローの新規作成/編集では、新規作成/編集後のワークフローデータは、まだ不図示のメモリ上に保持されており、HDD305への登録はされていない。
【0067】
ワークフローが削除された場合、処理はステップS1604に進められ、ワークフローリスト作成部420は、該当するワークフローIDに対応するリストを削除し、ワークフローリストを更新する。
【0068】
不図示のライセンス管理部やオプション管理部から状態変化通知を受けた場合には、処理はS1603に進められる。ワークフロー実行可否チェック部443は、メモリに保持されている各ワークフローの機能およびオプションリストとライセンス設定およびオプション状態とを比較し、ワークフロー実行可否チェックを行う。ワークフロー実行可否チェックの判定結果に基づき、ステップ1604でワークフローリスト作成部420は、図11のワークフローリストの実行欄を更新する。
【0069】
ワークフローが編集された場合には、処理はS1602に進められる。表示用データ501のワークフローサイズを基に、ワークフローサイズチェック部442が、ワークフローサイズの上限を超えないかどうかのチェックを行う。以降の処理は、前述のライセンス/オプション状態変化時と同様の処理である。
【0070】
ワークフローが新規作成された場合には、処理はS1601に進められる。表示用データ501を基に、ワークフロー数チェック部441は、ワークフロー数の上限を超えていないかどうかのチェックを行う。以降の処理は、前述のワークフロー編集時の処理と同様である。
【0071】
上記のように、通知されてきたイベントの種類によって適切な処理を行い、ワークフローリストを更新した後、ステップS1605において、ユーザインタフェース410が、最新のワークフローリストの内容に従った表示を行う。
【0072】
つまり、削除されたワークフローに対応するボタンは削除され、実行不可から実行可に変更されたワークフローに対応するボタンは網掛けの表示が解除され、実行可能ボタン702のようにユーザが実行可能な状態に表示が切り替えられる。逆に実行可から実行不可に変更されたワークフローに対応するボタンは網掛けをし、実行不可ボタン703のようにユーザが実行できない状態に切り替えられる。
【0073】
また、図16のフローチャートのステップS1601、S1602において、ワークフロー数を超える場合、あるいはワークフローサイズを超える場合には、ワークフローリストおよびボタン表示の更新は行わず、処理は終了となる。
【0074】
(第2の構成例(サーバありモデル)の処理)
図2で説明した第2の構成例の画像形成システムを構成する画像形成装置におけるデータ処理方法の流れを図12のフローチャートを参照して説明する。
【0075】
ステップS1201において、複合機101はクライアントPC102からワークフローのインポート要求を受信する。このときクライアントPC102から送られてくるデータには、インポートしたいワークフローの表示用データのみで構成されるファイル(例えば図10のようなインポート要求データ1001)が添付されているものとする。図示していないが、表示用データの中には、使用する機能(アプリケーション)のリストや、使用するハードオプション情報なども記録されている。本実施形態では、HTTPプロトコルを用いたSOAPメッセージによる通信を想定しているが、通信手段として限定するものではない。
【0076】
ステップ1202において、ワークフロー取得部460がステップS1201でリクエストされたワークフローの表示用データを受け取ると、その表示用データに基づき、仮ワークフローリスト作成部450は仮ワークフローリストを作成する。
【0077】
例えば、現在、作成済のワークフローリストが図13のような内容であるとき、図10のデータを伴うインポート要求データ1001を伴うインポート要求を受けると、仮ワークフローリストは図14のようになる。
【0078】
同じフローIDのワークフローが存在した場合は、上書きされ、新規フローIDのワークフローは追加される。また、同一フローIDのワークフローであっても、ワークフローの編集によって、実行の可否やサイズに変化がありうる。例えば、ワークフローID000001とワークフローID000002とワークフローID000005は、現在のワークフローリスト(図13)にもあるため上書きとなる。ワークフローID000001とワークフローID000005はワークフローサイズ、ワークフローID000002はワークフローサイズと実行の可否を示す情報は更新され、ワークフローID000006は新規での追加となる(図14)。ワークフロー実行可否チェック部443はインポート要求データに含まれる表示用データ内のアプリケーションリストやハードオプションリストと、コントローラ部302に格納されているライセンス状態、オプション構成とを比較する。ワークフローを全てインポートした場合の仮の状態が図14の仮ワークフローリストということになる。
【0079】
ステップS1203において、ステップS1202で作成した仮ワークフローリストに基づき、ワークフロー数チェック部441が複合機101内に登録可能なワークフロー数の上限を超えていないかどうかのチェックを行う。
【0080】
登録可能なワークフロー数の上限を超えていなければ、処理はステップS1204に進められる。
【0081】
ステップS1204において、ワークフローサイズチェック部442は複合機101のHDD305内に登録可能なワークフローサイズの上限を超えていないかどうかのチェックを行う。
【0082】
登録可能なワークフローサイズの上限を超えていなければ、処理はS1205に進められる。
【0083】
ステップS1205において、クライアントPC102に対し、ワークフロー取得部460からインポート開始要求が送信される。
【0084】
ステップS1206において、複合機101のワークフロー取得部460は、クライアントPC102からインポート用データ(例えば、図6のような送受信データ)を受け取る。ワークフローのインポートが完了すると、ステップS1207において、後述する退避フラグがセットされているかどうかがチェックされる。退避フラグがセットされていなければ、処理はS1208に進められる。
【0085】
ステップS1208において、ステップ1202で作成された仮ワークフローの内容で、ワークフローリストが更新される。ワークフローリストが更新された場合にはワークフローリスト作成部420からユーザインタフェース410に対して表示の更新要求が出力される。ワークフローリストの内容に従って、ステップS1217において、ユーザインタフェース410は、図7のような表示に更新される。
【0086】
ワークフローリスト作成部420はユーザインタフェースの表示の更新の要求を出力した後、仮ワークフローリスト作成部450に対して、仮ワークフローの削除要求を出力する。
【0087】
ステップS1209において、仮ワークフローリスト作成部450は仮ワークフローリストを削除し、ステップS1210で退避フラグはクリアされ、インポート処理は終了となる。このときHDD305には、実行可能なワークフローと、実行不可のワークフローと共に、実行用データが登録されており、実行不可のワークフローに関しては、図7の実行不可ボタン703のように、網掛けで表示される。
【0088】
一方、ステップS1203の判定で、ワークフロー数が上限を超えていた場合、処理はS1211に進められる。
【0089】
ステップS1211において、ワークフロー数チェック部441は、仮ワークフローリスト内の実行不可のワークフローID000005を除くワークフロー数を算出し、登録可能なワークフロー数の上限を超えないかどうかのチェックを行う。
【0090】
ステップS1211の判定で、登録可能なワークフロー数の上限を超えていなければ、処理はステップS1212に進められる。
【0091】
ステップS1212において、ワークフローサイズチェック部442は、実行不可のワークフローID000005を除くワークフローの合計サイズが登録可能な上限のサイズを超えないかどうかのチェックを行う。
【0092】
ステップS1212の判定により、登録可能な上限のワークフローのサイズを超えていなければ、ワークフローサイズチェック部442は、実行不可のワークフローID000005により特定されるワークフローをワークフローサーバ103に対して送信する。
【0093】
ステップS1213において、ワークフローサイズチェック部442は、実行不可のワークフローの実行用データがワークフローサーバ103に送信され、複合機101から退避されたことを示す退避フラグ(=1)を設定する。
【0094】
ワークフローサーバ103に相当するワークフローサーバが画像形成システムに複数存在する場合、ワークフローの実行用データを退避させた場所を特定するための情報がワークフローリストに格納される。ワークグローリストを参照することにより実行不可と判定されたワークフローの実行用データがどのワークフローサーバに格納されているかを特定することができる。退避フラグは、プログラムコード内で管理されるが、HDD305に格納しておくことも可能である。
【0095】
複合機101は、一旦全てのワークフローを実行するための実行用データをクライアントPC102から受け取るが、ステップS1207の判定で退避フラグがセットされている場合、処理はステップS1214に進められる。
【0096】
ステップS1214において、実行不可のワークフローは、全てワークフローサーバ103へエクスポートされ、ステップS1215において、エクスポートされた実行不可のワークフローの実行用データはHDD305から削除される。
【0097】
本実施形態では、実行不可のワークフローの実行用データは全てエクスポートされる構成としたが、エクスポートの条件は、実行の可否以外でも良いし、複数の条件を組み合わせてエクスポートするワークフローを絞り込む構成でも良い。但し、実行不可のワークフローの表示用データについては、複合機101のメモリに蓄積されたままとする。
【0098】
ステップS1215の処理の後、処理はステップS1208に進められ、ステップS1208〜ステップS1210までの処理は、前述と同様の処理となる。但し、ステップS1208において、実行不可のワークフローに関しては、ワークフローの保存場所情報をワークフローサーバ103に変更し、ワークフローリストを更新する。この時のワークフローリストは図18の保存場所情報1801のように更新される。
【0099】
S1211、S1212で、実行不可のワークフローを消去した場合でもインポートが不可と判定される場合、ワークフロー数チェック部441、ワークフローサイズチェック部442は、クライアントPC102に対してエラーを通知する(S1216)。以上により図12の処理を終了する。
【0100】
(退避したワークフローの復活処理)
画像形成システムの第2の構成例(図2)において、図17のフローチャートを参照して、ワークフローサーバ103へ退避したワークフローの実行用データを取得するための処理(復活処理)を説明する。
【0101】
ステップS1700において、ワークフローチェック部440は、不図示のライセンス管理部やオプション構成管理部から状態変化通知を受け付ける。ワークフローチェック部440は、受け付けた状態変化通知がワークフローの実行要求であるか、アプリケーションのライセンス、ハードウエアオプションの変更に関する状態変化であるか判定する。
【0102】
アプリケーションのライセンス、ハードウエアオプションの変更に関する状態変化と判定される場合、ステップS1701において、ワークフロー実行可否チェック部443は、ワークフローリスト内の全てのワークフローに対して実行の可否をチェックする。
【0103】
そして、ステップS1702において、ワークフローリスト作成部420は、ワークフローの実行可否のチェック結果に応じてワークフローリストを更新する。
【0104】
ステップS1703において、ユーザインタフェース410は、例えば、図18の実行不可のワークフローID000005が実行可能なワークフローに変更された場合、実行不可ボタン703の網掛けを解除し、ユーザが実行可能な状態とする。実行不可ボタン703の表示は実行可能ボタン702に切り替えられる。ワークフローID000001〜000006が実行可能なワークフローとして表示され、処理は終了する。このときはまだ、ワークフローID000005の実行用データはワークフローサーバ103に格納(退避)されたままである。
【0105】
ステップS1700で受信したイベントが、ユーザインタフェース410からの実行要求の場合、処理はS1704に進められる。実行要求の対象となるワークフロー(実行対象となるワークフロー)を、例えば、図18のワークフローID000005とし、実行要求を受け付けた段階では既に、実行不可の状態から実行可能な状態になっているものとする。
【0106】
ステップS1704において、ワークフロー実行可否チェック部443は、ワークフローリストを参照し、ワークフローID000005の実行用データが格納されている格納エリアを確認する。
【0107】
格納エリアがワークフローサーバ103であった場合に、処理はステップS1705に進められる。
【0108】
ステップS1705において、ワークフローサイズチェック部442は、ワークフローID000005のエクスポート要求を出す前に、ワークフローID000005の実行用データを登録可能な空き容量がHDD305にあるかどうかをチェックする。HDD305に登録可能な状態であれば、処理はステップS1706に進められる。一方、HDD305に登録できないと判定される場合、ワークフローサイズチェック部442は、ワークフローID000005を実行できない旨をクライアントPC102に対して通知する(S1711)。
【0109】
ステップS1706において、ワークフロー取得部460はワークフローサーバ103に対して、ワークフローID000005の実行用データのエクスポートを要求する。
【0110】
ステップS1707において、ワークフロー取得部460がワークフローID000005の実行用データを受信すると、ワークフローID000005の実行用データは一時的にメモリに展開される。
【0111】
そして、ステップS1708において、ワークフロー実行部430によって、実行用データ502に記録されている各機能が呼び出され、ワークフローID000005の各機能は実行される。ワークフローID000005の各機能の実行が終了すると、メモリに展開されたデータは削除される。
【0112】
ステップS1709において、実行用データはHDD305に登録される。ステップS1702において、ワークフローリスト作成部420は、ワークフローID000005の実行用データの格納場所をワークフローサーバ103から複合機101に変更し、ワークフローリストを更新する。
【0113】
一方、ステップS1704の判定で、ワークフローID000005の実行用データの格納場所が複合機101の場合、処理は、ステップS1710に進められ、指定されたワークフローを実行し、終了する。
【0114】
尚、ステップS1700において、実行要求がなくとも、予め決められたタイミングでワークフローチェック部440が登録可能なワークフローサイズに空き容量ありと判断した時、ステップS1706以降の処理を開始することも可能である。例えば、ワークフローリストの上位に記述されているワークフローや、実行用データサイズの小さいワークフローを優先して、ワークフローサーバ103から実行用データを取得し、HDD305に登録し、ワークフローリストを更新することも可能である。
【0115】
本実施形態によれば、記憶領域の容量が不足する場合であっても、実行できないワークフローをインポートの対象から除外することで、ワークフローのインポートを効率よく行うことが可能になる。
【0116】
あるいは、ライセンス設定の状態変化などにより実行可能な状態になった場合、外部に退避したデータを利用することで、ワークフローの再登録を行うことなく、所望のワークフローの実行が可能になり、ユーザの利便性が向上する。
【0117】
(他の実施形態)
なお、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータ可読の記憶媒体を、システムあるいは装置に供給することによっても、達成されることは言うまでもない。また、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0118】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0119】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0120】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される。また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施形態にかかる画像形成システムの第1の構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる画像形成システムの第2の構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる複合機101のハードウェア構成を示す図である。
【図4】複合機101のソフトウェアの実行による機能構成を示す図である。
【図5】ワークフローの基本的な構成を示す図である。
【図6】複合機101、クライアントPC102、ワークフローサーバ103がLAN110を介してワークフローをやり取りする際の基本的な送受信用データの構成例を示した図である。
【図7】画像形成装置のワークフロー一覧画面を例示する図である。
【図8】ワークフローリストの一例を示す図である。
【図9】第1の構成例の画像形成システムを構成する画像形成装置におけるデータ処理の流れを図9のフローチャートを参照して説明する。
【図10】インポート要求データを例示する図である。
【図11】仮ワークフローリストの一例を示す図である。
【図12】第2の構成例の画像形成システムを構成する画像形成装置におけるデータ処理方法の流れを説明するフローチャートである。
【図13】ワークフローリストの一例を示す図である。
【図14】仮ワークフローリストの一例を示す図である。
【図15】ワークフローインポート時のワークフローリストが生成される過程を説明する図である。
【図16】インポート完了後、ワークフローに関する状態に変化があった場合の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図17】ワークフローサーバへ退避したワークフローの実行用データを取得するための処理の流れを説明するフローチャートである。
【図18】ワークフローリストの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0122】
101 複合機
102 クライアントPC
103 ワークフローサーバ
110 LAN
420 ワークフローリスト作成部
440 ワークフローチェック部
450 仮ワークフローリスト作成部
460 ワークフロー取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能の組み合わせにより実行すべき処理を定めたワークフローの登録が可能か否かを判定するために、クライアントから送信されたワークフロー数と、前記ワークフローを実行するためのデータサイズと、前記ワークフローを実行するためのアプリケーションのリストとを有するインポート要求データを受信する受信手段と、
前記アプリケーションのリストと予め格納されているアプリケーションのライセンス設定を示す情報とを比較して、前記ワークフローにより定められた処理が実行可能か否かを判定する実行可否判定手段と、
前記データサイズと、前記実行可否判定手段による判定結果と、をそれぞれのワークフローについて対応させた仮ワークフローリストを作成する作成手段と、
前記仮ワークフローリストに含まれるワークフローの数及びデータサイズに基づき、登録可能なワークフロー数及びデータサイズの上限を超えているか否かを判定する登録可否判定手段と、
前記登録可否判定手段により登録可能と判定された場合に、前記仮ワークフローリストに含まれるそれぞれのワークフローを実行するための実行用データと表示手段の表示を制御するための表示用データとを前記クライアントから取得し、登録する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記表示用データに基づき、実行が可能なワークフローと、実行不可のワークフローとを識別可能な状態で前記表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記登録可否判定手段が前記仮ワークフローリストに含まれる前記ワークフローの登録ができないと判定する場合に、前記登録可否判定手段は、前記実行可否判定手段により実行ができないと判定された実行不可のワークフローを前記仮ワークフローリストから消去して、登録可能か否かを再度判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記登録可否判定手段が前記再度判定により登録可能と判定する場合、前記取得手段は、前記実行不可のワークフローを前記仮ワークフローリストから消去した後の仮ワークフローリストに含まれる実行可能なワークフローを実行するための実行用データと前記表示用データとを前記クライアントから取得することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記登録可否判定手段が前記再度判定により登録可能と判定する場合、当該判定結果を示すフラグを設定する設定手段を更に備え、
前記取得手段は、前記設定手段により前記フラグが設定されている場合に、前記クライアントから取得した前記実行不可のワークフローに対応した実行用データを、サーバに送信して当該実行用データを退避させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記取得手段により取得された前記ワークフローを実行するための実行用データと表示手段の表示を制御するための表示用データとに基づき、予め作成されているワークフローリストを更新する更新手段を更に備えることを特徴とする請求項1または3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記アプリケーションのライセンス設定の変化、ワークフローの新規作成、ワークフローの編集、ワークフローの実行要求を状態変化のイベントとして受け付けるイベント受信手段を更に備え、
前記実行可否判定手段は、前記イベント受信手段が前記状態変化のイベントを受け付けた場合、前記状態変化の後のワークフローが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記イベント受信手段がワークフローの実行要求を受け付けた場合、実行対象となる前記ワークフローの実行用データが格納されている格納エリアがサーバであるか画像形成装置であるかを確認する確認手段を更に備え、
前記確認手段により前記実行用データが前記サーバに格納されていると確認される場合、前記取得手段は、前記サーバから前記実行対象となる前記ワークフローの実行用データを取得し、
前記表示制御手段は、前記実行対象となる前記ワークフローに対して、実行不可のワークフローとしての表示から実行可能なワークフローの表示に切り替えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
受信手段と、実行可否判定手段と、作成手段と、登録可否判定手段と、取得手段と、表示制御手段と、を有する画像形成装置におけるデータ処理方法であって、
複数の機能の組み合わせにより実行すべき処理を定めたワークフローの登録が可能か否かを判定するために、クライアントから送信されたワークフロー数と、前記ワークフローを実行するためのデータサイズと、前記ワークフローを実行するためのアプリケーションのリストとを有するインポート要求データを、前記受信手段が受信する受信工程と、
前記実行可否判定手段が、前記アプリケーションのリストと予め格納されているアプリケーションのライセンス設定を示す情報とを比較して、前記ワークフローにより定められた処理が実行可能か否かを判定する実行可否判定工程と、
作成手段が、前記データサイズと、前記実行可否判定工程による判定結果と、をそれぞれのワークフローについて対応させた仮ワークフローリストを作成する作成工程と、
前記登録可否判定手段が、前記仮ワークフローリストに含まれるワークフローの数及びデータサイズに基づき、登録可能なワークフロー数及びデータサイズの上限を超えているか否かを判定する登録可否判定工程と、
前記取得手段が、前記登録可否判定工程により登録可能と判定された場合に、前記仮ワークフローリストに含まれるそれぞれのワークフローを実行するための実行用データと表示手段の表示を制御するための表示用データとを前記クライアントから取得し、登録する取得工程と、
前記表示制御手段が、前記取得工程により取得された前記表示用データに基づき、実行が可能なワークフローと、実行不可のワークフローとを識別可能な状態で前記表示手段に表示する表示制御工程と、
を備えることを特徴とするデータ処理方法。
【請求項9】
前記登録可否判定工程が前記仮ワークフローリストに含まれる前記ワークフローの登録ができないと判定する場合に、前記登録可否判定工程は、前記実行可否判定工程により実行ができないと判定された実行不可のワークフローを前記仮ワークフローリストから消去して、登録可能か否かを再度判定することを特徴とする請求項8に記載のデータ処理方法。
【請求項10】
前記登録可否判定工程が前記再度判定により登録可能と判定する場合、前記取得工程は、前記実行不可のワークフローを前記仮ワークフローリストから消去した後の仮ワークフローリストに含まれる実行可能なワークフローを実行するための実行用データと前記表示手段の表示を制御するための表示用データとを前記クライアントから取得することを特徴とする請求項9に記載のデータ処理方法。
【請求項11】
前記画像形成装置は設定手段を備え、
前記登録可否判定工程が前記再度判定により登録可能と判定する場合、前記設定手段が、当該判定結果を示すフラグを設定する設定工程を更に備え、
前記取得工程は、前記設定工程により前記フラグが設定されている場合に、前記クライアントから取得した前記実行不可のワークフローに対応した実行用データを、サーバに送信して当該実行用データを退避させることを特徴とする請求項9に記載のデータ処理方法。
【請求項12】
前記画像形成装置は更新手段を更に備え、
前記更新手段が、前記取得工程により取得された前記ワークフローを実行するための実行用データと表示手段の表示を制御するための表示用データとに基づき、予め作成されているワークフローリストを更新する更新工程を更に備えることを特徴とする請求項8または10に記載のデータ処理方法。
【請求項13】
前記画像形成装置は、イベント受信手段を備え、
前記イベント受信手段が、前記アプリケーションのライセンス設定の変化、ワークフローの新規作成、ワークフローの編集、ワークフローの実行要求を状態変化のイベントとして受け付けるイベント受信工程を更に備え、
前記実行可否判定工程は、前記イベント受信工程が前記状態変化のイベントを受け付けた場合、前記状態変化の後のワークフローが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項8に記載のデータ処理方法。
【請求項14】
前記画像形成装置は、確認手段を備え、
前記イベント受信工程がワークフローの実行要求を受け付けた場合、前記確認手段が、実行対象となる前記ワークフローの実行用データが格納されている格納エリアを確認する確認工程を更に備え、
前記確認工程により前記実行用データがサーバに格納されていると判定される場合、前記取得工程は、前記サーバから前記実行対象となる前記ワークフローの実行用データを取得し、
前記表示制御工程は、前記実行対象となる前記ワークフローに対して、実行不可のワークフローとしての表示から実行可能なワークフローの表示に切り替えることを特徴とする請求項13に記載のデータ処理方法。
【請求項15】
請求項8乃至14のいずれか1項に記載のデータ処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ可読の記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−200963(P2009−200963A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42065(P2008−42065)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】