画像形成装置および画像形成プログラムおよび画像形成システム
【課題】ネットワークシステム全体としての消費電力を少なくする為に、複数の情報処理間で共用する共用データ(ブラウズリスト)を管理するマスタを、ネットワーク内の情報処理間で適切に変化させる画像形成装置および画像形成プログラムおよび画像形成システムを提供する。
【解決手段】主装置として動作時に画像処理部106への給電を停止し、従装置として動作時に画像処理部106とネットワーク制御部110への給電を停止するように節電制御を行い、主装置としての動作時に、従装置として動作する画像形成装置が節電状態から画像処理部106とネットワーク制御部110へ給電される非節電状態に復帰すると、復帰した従装置に、主装置として動作するように動作移譲を行う。
【解決手段】主装置として動作時に画像処理部106への給電を停止し、従装置として動作時に画像処理部106とネットワーク制御部110への給電を停止するように節電制御を行い、主装置としての動作時に、従装置として動作する画像形成装置が節電状態から画像処理部106とネットワーク制御部110へ給電される非節電状態に復帰すると、復帰した従装置に、主装置として動作するように動作移譲を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成プログラムおよび画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりデバイスの電源状態には、消費電力を節約するための節電モード(省電力状態)と呼ばれる状態が存在する。
【0003】
省電力状態は、デバイスの主要な動作が可能なスタンバイ/ラン状態から所定の時間操作されない状態(待機状態)が続くと、デバイス内の不要な部分への電力供給を止めて、消費電力の節約を行うものである。
【0004】
更に消費電力を低減する施策として、ネットワークに接続されるデバイスでは、省電力状態として、ネットワーク回路への電力供給が行われる省電力状態(仮に、浅い省エネ状態と称す)とネットワーク回路への電力供給が行われない省電力状態(仮に、深い省エネ状態と称す)とがある。
【0005】
特許文献1には、複数の印刷装置がネットワーク接続されるシステムにおいて、装置のネットワーク回路をオン/オフさせて、各印刷装置間相互でネットワーク回路のオン時間が重ならないように省電力機能を制御してシステムの省電力化を図る画像形成装置および画像形成システムが提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、ネットワークに接続されている全ての印刷装置が省電力モードに入ってしまうことを回避するため、複数の印刷装置の中から、所定期間内では常時、電源起動時よりも印刷可能になるまでの時間が速い電源状態にする代表印刷装置を特定し、特定された印刷装置に対してその電源状態を維持させる情報処理装置およびプリンタ制御方法およびプログラムが提案されている。
【0007】
また、ネットワーク上の複数の情報処理装置間で共用データ(ブラウズリスト)を共用して、ネットワーク上の情報処理装置を識別することができるブラウジング機能が知られている。
【0008】
そして、共用データ(ブラウズリスト)を管理するマスタと呼ばれる情報処理装置は、省電力状態であってもスレーブである情報処理装置からの共用データの要求に応える為にネットワーク回路に電源が供給された状態である必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−110695号公報
【特許文献2】特開2006−023696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、ネットワークシステム全体としての消費電力を少なくする為に、情報処理装置間で共用する共用データ(ブラウズリスト)を管理するマスタを担当する情報処理装置を、ネットワーク内の情報処理間で適切に変化させる画像形成装置および画像形成プログラムおよび画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明の画像形成装置は、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、前記主装置としての動作時、他の従装置として動作する前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段とを具備するように構成される。
【0012】
また、請求項2の発明の画像形成装置は、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段と、前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段と、前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段とを具備するように構成される。
【0013】
また、請求項3の発明の画像形成プログラムは、コンピュータを、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、前記主装置としての動作時、他の従装置として動作する前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段、前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段として機能させる。 また、請求項4の発明の画像形成プログラムは、コンピュータを、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段、待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段、前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段、前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段、前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段として機能させる。
【0014】
また、請求項5の発明の画像形成システムは、ネットワーク制御部によりネットワークを介して互いに通信する複数の画像形成装置を有し、前記ネットワークでは、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられ、前記主装置としての動作時、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段とを具備するように構成される。
【0015】
また、請求項6の発明の画像形成システムは、ネットワーク制御部によりネットワークを介して互いに通信する複数の画像形成装置を有し、前記ネットワークでは、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられ、前記主装置としての動作時、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段と、前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段と、前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段とを具備するように構成される。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、従装置としてネットワーク制御部を給電停止する深い省電力制御が行われ、また、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0017】
請求項2の発明によれば、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0018】
請求項3の発明によれば、従装置としてネットワーク制御部を給電停止する深い省電力制御が行われ、また、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0019】
請求項4の発明によれば、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0020】
請求項5の発明によれば、従装置としてネットワーク制御部を給電停止する深い省電力制御が行われ、また、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0021】
請求項6の発明によれば、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1はネットワークシステム1の構成を示す模式図である。
【図2】図2は複合機100の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は複合機100の各種電源状態をしめす模式図である。
【図4】図4は複合機100間におけるマスタの担当の変化を示す図である。(実施例1)
【図5】図5はマスタである複合機100の処理を示すフローチャートである。
【図6】図6はスレーブである複合機100の処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は複合機100間でのマスタの担当の変化を示すシーケンス図である。(実施例1)
【図8】図8は複合機200間におけるマスタの担当の変化を示す図である。(実施例2)
【図9】マスタである複合機200の処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は複合機200間でのマスタの担当の変化を示すシーケンス図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
まず、本発明に係るネットワークシステム1について図1を参照して説明を行う。
【0025】
図1は、ネットワークシステム1の構成を示す模式図である。
【0026】
ネットワークシステム1には、省電力機能を有する情報処理装置の一例として複合機100が通信回線2に複数接続される。
【0027】
複合機100は、通信回線2に接続される情報処理装置(複合機100等)の一覧を識別することができるブラウジング機能を有する。
【0028】
ブラウジング機能が動作するために、ネットワークシステム1内の複数の複合機100は、マスタとスレーブとに区別される。
【0029】
マスタは、ネットワークシステム1内の複数の複合機100に1つだけあり、その他の複合機100はスレーブとなる。
【0030】
また、マスタとスレーブとの担当は動的に変化する。
【0031】
マスタとなった複合機100は、ネットワークシステム1内で通信回線2に接続される複合機100の識別情報等が記載される一覧リストであるブラウズリストを管理する。
【0032】
スレーブとなった複合機100は、通信回線2に接続される複合機100を確認する際にマスタとなっている複合機100にブラウズリストを要求して、そしてマスタより取得したブラウズリストから通信回線2に接続される複合機100を識別する。
【0033】
ネットワークシステム1内の複合機100のマスタ、スレーブの担当は、ネットワークシステム1全体の消費電力が低くなることが考慮されて決定される。
【0034】
スレーブである複合機100は、マスタである複合機100に定期的にホストアナウンスメントを送信する。
【0035】
マスタである複合機100は、ホストアナウンスメントを受信すると、ホストアナウンスメントを送信した複合機100をブラウズリストに登録する。
【0036】
また、マスタである複合機100は、一定時間ホストアナウンスメントを送らないスレーブを、通信回線2上に接続されていない複合機100であるとして、ブラウズリストから削除する。
【0037】
このように、ネットワークシステム1では、通信回線2に接続される情報処理装置(複合機100等)の一覧を識別するためにブラウズリストが活用される。
【0038】
ブラウズリストは、ネットワークシステム1内の複数の情報処理装置(複合機100等)で共用される共用データである。
【0039】
また、ネットワークシステム1に接続される複数の複合機100のそれぞれは、複合機(A)100−1、複合機(B)100−2、複合機(C)100−3である。 また、複合機(A)100−1、複合機(B)100−2、複合機(C)100−3を総称して呼ぶときには複合機100と呼ぶ。
【0040】
また、ネットワークシステム1には、複合機100に印刷データを送信するクライアントPC3が通信回線2に接続される。
【0041】
次に、複合機100の構成について図2を参照して説明を行う。
【0042】
図2は、複合機100の構成を示すブロック図である。
【0043】
複合機100は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、NVRAM(Non-Volatile RAM)104、HDD(Hard Disc Drive)105、画像処理部106、印刷実行部107、操作/表示部108、ネットワークインタフェース(以下、I/Fと呼ぶ)109、ネットワーク制御部110、省電力制御部111がバス112に接続されて構成される。
【0044】
CPU101は、複合機100が有する機能の主制御を行う。各処理部はCPU101による指示に基づいて処理を行い、その処理結果を指定された処理部に対して通知する。
【0045】
ROM102は、複合機100の制御、ユーザ認証、省電力機能、画像処理等を行うための各種プログラムや、複合機100が固有に持つ自装置の識別情報を格納し、CPU101からのプログラム実行命令などによってNVRAM104などに格納された情報を参照しながら実行する。
【0046】
RAM103は、ROM102に記憶されたプログラムを動作させるための環境変数などのシステム変数や画像処理を行うために一時的にデータを記憶する。
【0047】
NVRAM104は、電源を切っても記憶内容を保持することができる不揮発性メモリであって、システムデータと呼ばれるROM103に記憶されるプログラムを動作させるための各種パラメータを記憶するほか、履歴情報等を記憶する。
【0048】
HDD105は、画像処理される画像データ等を記憶する。
【0049】
画像処理部106は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成され、画像データの各種画像処理を行う。
【0050】
印刷実行部107は、画像データの印刷出力を行うプリントエンジンである。
【0051】
操作/表示部108は、液晶のタッチパネルで構成され、ユーザに情報を表示したり、ユーザからの指示を受付ける処理を行う。
【0052】
ネットワークI/F109は、通信回線2と接続され、通信回線2に接続される他の複合機100からの情報の授受や、クライアントPC3から印刷データの受信等を行う。
【0053】
ネットワーク制御部110は、ネットワークI/F109を介して接続されネットワークシステム1内の複合機100やクライアントPC3との通信制御を行う。
【0054】
省電力制御部111は、複合機100の電源の省電力に関する機能を担う。
【0055】
複合機100の電源は、スタンバイ/ラン状態、浅い省エネ状態、深い省エネ状態の3つの状態で管理される。
【0056】
複合機100の電源状態がスタンバイ/ラン状態、浅い省エネ状態、深い省エネ状態の3つの状態のそれぞれに移行する制御は、省電力制御部111によって行われる。 それぞれの状態については後で図3を参照して詳しく説明するが、浅い省エネ状態と深い省エネ状態とは共に、複合機100が一定時間待機状態となって電源が節電状態に移行された省エネ状態である。
【0057】
次に、省電力制御部111で管理される、複合機100の電源状態について図3を参照して説明を行う。
【0058】
図3は、複合機100の各種電源状態を示す模式図である。
【0059】
複合機100の電源状態は、図3に示すように、スタンバイ/ラン状態(参照番号301)、浅い省エネ状態(参照番号302)、深い省エネ状態(参照番号303)とがある。
【0060】
スタンバイ/ラン状態は、複合機100が印刷データの画像処理や印刷出力処理等の実行状態、或いは操作/表示部108で指示されると起動時間がかかることなく指示内容を実行できる実行可能状態であり、ネットワーク回路やコントローラボードや印刷実行部107の電源が入った状態である。
【0061】
複合機100は、スタンバイ/ラン状態において、一定時間、表示/操作部108からの指示や印刷ジョブ等の各種処理の実行がされない場合には、消費電力を節約する省エネ状態に移行する。
【0062】
省エネ状態は、浅い省エネ状態と深い省エネ状態との2種類があり、浅い省エネ状態は、図3の参照番号302に示すように、ネットワーク回路と一部のコントローラボードに電源が入っている状態である。 ネットワーク回路に電源が入っているので、浅い省エネ状態である複合機100は、通信回線2に接続される他の複合機100等からブラウザリストの要求やホストアナウンスメントを受信することが可能である。
【0063】
また、深い省エネ状態は、浅い省エネ状態よりも更に消費電力を節約する状態であり、ネットワーク回路に電源が入らず、一部のコントローラボードにだけ電源が入っている状態である。
【0064】
深い省エネ状態では、ネットワーク回路に電源が入っていない状態であるために、省エネ状態でも大きな消費電力を占めるネットワーク回路分の消費電力が削減されて、効果的な省エネ状態となる。
【0065】
ネットワーク回路に電源が入らない状態では、ネットワークI/F109、ネットワーク制御部110に電源が入らない状態である。
【0066】
複合機100は、省エネ状態であるときには、マスタである場合には浅い省エネ状態となり、スレーブである場合には深い省エネ状態となる。
【実施例1】
【0067】
次に、ネットワークシステム1の複数の複合機100間におけるマスタ、スレーブの変化について図4を参照して説明する。
【0068】
図4は、ネットワークシステム1の複数の複合機100間におけるマスタ、スレーブの担当の変化について示す模式図であり、図4(a)はネットワークシステム1の3台の複合機100が全て省エネ状態になっている場合を示す模式図であり、図4(b)はマスタ、スレーブが複合機100の間で変化しないと仮定した場合の複合機100の電源状態を示す模式図であり、図4(c)はネットワークシステム1の複合機100においてマスタ、スレーブの担当が変化した状態の複合機100の電源状態を示す模式図である。
【0069】
まず、3台の複合機100におけるマスタとスレーブの担当が、図4(a)に示すように、マスタは複合機(A)100−1、スレーブは複合機(B)100−2と複合機(C)100−3となっているものとする。
【0070】
また、それぞれの複合機100の電源状態は、図4(a)に示すように、複合機(A)100−1はマスタである為浅い省エネ状態であり、複合機(B)100−2はスレーブである為深い省エネ状態であり、複合機(C)100−3はスレーブである為深い省エネ状態である。
【0071】
そして、図4(a)に示すように3台の複合機100が省エネ状態になっている場合に、複合機(B)100−2の操作/表示部108にユーザが操作を行って、複合機(B)100−2の電源状態が省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行したとする。
【0072】
図4(a)に示す状態から複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態に移行した場合に、本発明に係るネットワークシステム1の複合機100とは異なり複合機100間でマスタ、スレーブの担当が変化せずに固定である場合には、図4(b)に示すように、複合機(A)100−1が浅い省エネ状態、複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態、複合機(C)100−3が深い省エネ状態となる。
【0073】
しかし、本発明に係るネットワークシステム1では、図4(a)に示す状態から複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態に移行した場合に、複合機100間でのマスタ、スレーブの担当が変化して、マスタは複合機(A)100−1から複合機(B)100−2となり、スレーブは複合機(A)100−1と複合機(C)100−3とになる。
【0074】
ネットワークシステム1では、このように、複合機100の間でマスタ、スレーブの担当が変化するので、図4(a)に示す状態から複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態に移行すると、それぞれの複合機100の電源状態は、複合機(A)100−1はスレーブとして深い省エネ状態、複合機(B)100−2はスタンバイ/ラン状態、複合機(C)100−3はスレーブとして深い省エネ状態となる。
【0075】
それで、本発明に係るネットワークシステム1では図4(c)に示すように、本発明に係るネットワークシステム1とは異なる場合(図4(b)に示す)と比較すると、複合機(A)100−1がマスタでなくてスレーブになっているので複合機(A)100−1の電源状態が浅い省エネ状態ではなくて深い省エネ状態となっていて、複合機(B)100−2はスタンバイ/ラン状態で同じであり、複合機(C)100−3はスレーブであるので深い省エネ状態で同じである。
【0076】
このように、マスタ、スレーブが不変の場合(図4(b))と本発明に係るネットワークシステム1のマスタ、スレーブが変化する場合(図4(c))とを比較すると、複合機(A)100−1が浅い省エネ状態ではなくて深い省エネ状態となるので、ネットワーク回路に相当する分の消費電力が、ネットワークシステム1全体として節約される(参照番号401)。
【0077】
次に、ネットワークシステム1における複合機100のマスタ、スレーブの担当の変化について、マスタである複合機100での処理に注目して図5を参照して説明を行う。
【0078】
図5は、マスタである複合機100が浅い省エネ状態になっている場合における処理を示したフローチャートである。
【0079】
マスタである複合機100は、省エネ状態の場合には、ネットワーク回路と一部のコントローラボードに電源が入っている状態である浅い省エネ状態となっている。
【0080】
浅い省エネ状態となっている複合機100に、ユーザによる操作/表示部108の操作、或いは、自装置で印刷出力する印刷要求が確認されると、省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する(ステップ501)。 マスタである複合機100が省エネ状態からスタンバイ/ラン状態へ移行する要因は、ユーザによる操作/表示部108の操作や自装置で印刷出力する印刷要求の確認だけでなく他のアクションであってもよく、ステップ501ではそのようなアクションによって省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する。
【0081】
さて、クライアントPC3は、複合機100で印刷出力される印刷データを生成すると、マスタである複合機100に印刷要求を送信する。 クライアントPC3からマスタである複合機100に送られる印刷要求には、印刷出力先の複合機100の識別情報が含まれている。
【0082】
マスタである複合機100は、印刷要求を受信して、その印刷要求の印刷出力先が自装置であるならば、浅い省エネ状態の場合には浅い省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する。 スタンバイ/ラン状態に移行したマスタである複合機100は、自装置が印刷出力先となっている印刷要求に対応する印刷データを、クライアントPC3より受信して、画像処理部106や印刷実行部107等で印刷出力処理を行う。
【0083】
また、スレーブである複合機100は、印刷出力先が自装置となっている印刷要求がマスタである複合機100に受信されているか否かを、定期的に、マスタである複合機100に対して問合せする。 マスタへの問合せの結果、印刷出力先が自装置となっている印刷要求がマスタである複合機100に受信されていた場合には、スレーブである複合機100は、クライアントPC3から印刷データを受信して、画像処理部106や印刷実行部107などで印刷出力処理を行う。
【0084】
ステップ501以降の説明に戻り、マスタである複合機100が、スタンバイ/ラン状態になって、印刷出力動作や操作/表示部108での操作がなされない待機状態となったら(ステップ502)、時間計測が開始される(ステップ503)。
【0085】
時間計測が開始された後に、操作/表示部108で操作されることや、マスタである複合機100で印刷出力する内容の印刷要求の受信などの、待機状態を脱するアクションが生じた場合には、ステップ503で計測開始された時間計測が中断され、ステップ501でYESの状態に戻る。
【0086】
また、ステップ503で時間計測が開始された後に、予め設定される、スタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する時間が計測されると(ステップ504でYES)、マスタである複合機100は、省電力制御部111に制御されて、電源状態がスタンバイ/ラン状態から浅い省エネ状態に移行する(ステップ505)。
【0087】
マスタである複合機100が浅い省エネ状態である場合に、スタンバイ/ラン状態に移行するアクションが発生しない場合には(ステップ501でNO(浅い省エネ状態))、スレーブである複合機100から、マスタ移譲可能通知を受信したか否かが確認される(ステップ506)。
【0088】
ステップ506でマスタ移譲可能通知を受信していることが確認された場合には(ステップ506でYES)、ネットワークシステム1内にマスタになることができるスレーブが存在するということである。
【0089】
それで、マスタとして浅い省エネ状態にある複合機100は、そのマスタ移譲可能通知を送信した複合機100に対してマスタ移譲通知を送信する(ステップ507)。
【0090】
マスタ移譲通知を受信した複合機100は、自装置がマスタに昇格した内容であるマスタ昇格通知を、ネットワークシステム1内の複合機100に対してブロードキャスト送信する。
【0091】
そして、マスタ移譲通知をブロードキャスト送信した複合機100は、自らはスレーブとして浅い省エネ状態から深い省エネ状態に移行する(ステップ508)。
【0092】
また、マスタである複合機100が、ステップ506のように浅い省エネ状態とは異なって、スタンバイ/ラン状態の間に、スレーブからマスタ移譲可能通知を受信しても、受信したマスタである複合機100はマスタ移譲通知を送信しない。
【0093】
なお、ステップ506でマスタ移譲可能通知を受信していることが確認されない場合には(ステップ506でNO)、マスタである複合機100は、浅い省エネ状態のまま、ステップ501とステップ506の処理を続ける。
【0094】
次に、ネットワークシステム1における複合機100のマスタ、スレーブの担当の変化についてスレーブである複合機100での処理に注目して図6を参照して説明を行う。
【0095】
図6は、スレーブである複合機100が深い省エネ状態になっている場合における処理を示したフローチャートである。
【0096】
スレーブである複合機100は、省エネ状態の場合には、一部のコントローラボードに電源が入っている状態である深い省エネ状態となっている。
【0097】
深い省エネ状態となっている複合機100に、ユーザによる操作/表示部108の操作、或いは、自装置で印刷出力する印刷要求をマスタに確認すると、省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する(ステップ601)。 スレーブである複合機100が省エネ状態からスタンバイ/ラン状態へ移行する要因は、ユーザによる操作/表示部108の操作や自装置で印刷出力する印刷要求の確認だけでなく他のアクションであってもよく、ステップ601ではそのようなアクションによって省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する。
【0098】
スレーブである複合機100が深い省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行すると(ステップ601でYES)、その複合機100は、マスタである複合機100へ、マスタ移譲可能通知を送信する(ステップ602)。
【0099】
マスタである複合機100は、スレーブから移譲可能通知を受信すると、自装置が省エネ状態である場合には図5を参照して説明したステップ507のようにマスタ移譲通知を送り返す。
【0100】
また、マスタである複合機100は、スレーブから移譲可能通知を受信すると、自装置がスタンバイ/ラン状態である場合には、マスタ移譲通知を送り返さない。
【0101】
そして、スレーブである複合機100は、マスタからマスタ移譲通知を受信すると(ステップ603)、マスタとなった自装置の識別情報が記載されたマスタ昇格通知をネットワークシステム1内の複合機100に対してブロードキャスト送信し(ステップ604)マスタになった自装置の識別情報をNVRAM104に記憶する。 マスタ昇格通知は、ネットワークシステム1内の複合機100だけでなく、全ての情報処理装置に対してブロードキャスト送信されてよい。
【0102】
ネットワークシステム1内のマスタ昇格通知を受信した複合機100は、マスタ昇格通知に記載されるマスタとなる複合機100の識別情報をNVRAM104に記憶する。
【0103】
そして、マスタとなった元スレーブの複合機100は、印刷出力動作や操作/表示部108での操作がなされない待機状態となったら(ステップ605)、時間計測が開始される(ステップ606)。
【0104】
時間計測が開始された後に、操作/表示部108で操作されたり、マスタとなった元スレーブの複合機100で印刷出力する内容の印刷要求の受信などの、待機状態を脱するアクションが生じた場合には、ステップ606で開始された時間計測が中断され、再度待機状態となるのを待ってステップ605の待機状態に戻る。
【0105】
また、ステップ606で時間計測が開始された後に、予め設定される、スタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する時間が計測されると(ステップ607でYES)、マスタとなった元スレーブの複合機100は、省電力制御部111に制御されて、電源状態がスタンバイ/ラン状態から浅い省エネ状態に移行する(ステップ608)。
【0106】
このように、ネットワークシステム1内では、マスタが浅い省エネ状態の間に、スレーブである複合機100が深い省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行すると、スタンバイ/ラン状態に移行した複合機がマスタに昇格するように処理される。
【0107】
次に、ネットワークシステム1における複合機100のマスタ、スレーブの担当の変化について、図7のシーケンス図を参照して説明を行う。
【0108】
図7は、ネットワークシステム1におけるマスタの移譲の一例を示すシーケンス図である。
【0109】
ネットワークシステム1における複合機は、図7に示すように、複合機(A)100−1がマスタを担当して省エネ状態、複合機(B)−200がスレーブを担当してブタンバイ/ラン状態、複合機(C)100−3がスレーブを担当して省エネ状態である。
【0110】
このような状態から、複合機(B)100−2の操作/表示部108でユーザによる操作が行われて(ステップ701)、省エネ状態であった複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態に復帰する(ステップ702)。
【0111】
省エネ状態であったスレーブの複合機100がスタンバイ/ラン状態に移行すると、図6を参照して説明したステップ602のように、マスタの複合機100に移譲可能通知が送信される。
【0112】
複合機(B)100−2から複合機(A)100−1に移譲可能通知が送信されると(ステップ703)、移譲可能通知を受信したマスタである複合機(A)100−1は、移譲可能通知を送信した複合機(B)100−2に対して、図5を参照して説明したステップ507の処理のように、マスタ移譲通知を送信する(ステップ704)。
【0113】
マスタ移譲通知を受信した複合機(B)100−2は、マスタ昇格通知を自装置以外の複合機100にブロードキャスト送信する(ステップ705)。 その後複合機(B)100−2は、マスタとなった自装置の識別情報をNVRAM104に記憶する(ステップ706)。
【0114】
また、マスタ昇格通知を受信した複合機(A)100−1、複合機(C)100−3は、マスタ昇格通知に記載される複合機(B)100−2の識別情報をNVRAM104に記憶する(ステップ707)。
【0115】
このようにして、マスタの担当が複合機(A)100−1から複合機(B)100−2に移譲される。
【0116】
尚、スレーブである複合機100が、定期的にマスタにホストアナウンスメントを送信する際や、定期的にマスタに印刷要求の問合せを行う際には、一時的に、深い省エネ状態からホストアナウンスメント送信や印刷要求の問合せに必要な電力が供給されるように構成できる(それはネットワーク回路に電源が入った浅い省エネ状態であってもよい。)。 尚、複合機100は、図3を参照して説明したスタンバイ/ラン状態、浅い省エネ状態、深い省エネ状態の電源状態を有するデバイスであれば、特に画像形成機能を有する装置に限らない。 つまり、ROM102に記憶される情報処理プログラムが、図3を参照して説明した電源状態を有するデバイスにインストールされて、そのデバイスが図5、図6、図7を参照して説明した処理を行うように構成してもよい。
【実施例2】
【0117】
第2実施例は、図1乃至図3を参照して説明した複合機100のROM102に、第1実施例で説明した省電力制御に関するプログラムとは異なる省電力制御に関するプログラムが記憶されている複合機200について説明を行う。
【0118】
複合機200は、省電力制御に関するプログラムが複合機100とは異なるが、それ以外の構成は第1実施例で説明した複合機100と同じである。
【0119】
そして、第2実施例で説明する図示しないネットワークシステム10は、ネットワークシステム1の複合機100が複合機200によって構成されたシステムである。
【0120】
複合機200の電源状態は、図3を参照して説明した複合機100の電源状態と同じであるので説明は省略する。
【0121】
まず、ネットワークシステム10の複数の複合機200間におけるマスタ、スレーブの変化について図8を参照して説明する。
【0122】
図8は、ネットワークシステム10の複数の複合機200間におけるマスタ、スレーブの担当の変化について示す模式図であり、図8(a)はネットワークシステム10の複合機(A)200−1と複合機(B)200−2とがスタンバイ/ラン状態で複合機(C)200−3が省エネ状態となっていることを示す模式図であり、図8(b)はマスタ、スレーブが複合機200の間で変化しないと過程した場合の複合機200の電源状態を示す模式図であり、図8(c)はネットワークシステム10の複合機200においてマスタ、スレーブの担当が変化した状態の複合機200の電源状態を示す模式図である。
【0123】
まず図8(a)に示すように、複合機(A)200−1はマスタであってスタンバイ/ラン状態であり、複合機(B)200−2はスレーブであってスタンバイ/ラン状態であり、複合機(C)200−3はスレーブであって深い省エネ状態である。
【0124】
このような図8(a)に示す状態から、複合機(A)200−1が操作/表示部108での操作もされず印刷実行処理もされない待機状態のまま所定の時間が経過すると、複合機(A)200−1の電源状態は、図3を参照して説明したように、スタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する。
【0125】
このように、マスタである複合機200がスタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する場合に、本発明に係るネットワークシステム10の複合機200とは異なり複合機200の間でマスタ、スレーブの担当が変化せずに固定である場合には、図8(b)に示すように、複合機(A)200−1がマスタとして浅い省エネ状態、複合機(B)200−2がスタンバイ/ラン状態、複合機(C)200−3がスレーブとして深い省エネ状態となる。
【0126】
しかし、本発明に係るネットワークシステム10では、図8(a)に示す状態から複合機(A)200−1が省エネ状態に移行する前に複合機200間でマスタ、スレーブの担当が変化して、マスタは複合機(A)200−1から複合機(B)200−2となる。
【0127】
ネットワークシステム10では、このように、スタンバイ/ラン状態のマスタである複合機200が省エネ状態に移行する場合に、複合機200間でマスタ、スレーブの担当が変化する場合があり、図8(a)に示す状態から複合機(A)200−1が省エネ状態に移行すると、それぞれの複合機200の電源状態は、図8(c)に示すように、複合機(A)200−1はスレーブとして深い省エネ状態、複合機(B)200−2はスタンバイ/ラン状態、複合機(C)200−3はスレーブとして深い省エネ状態となる。
【0128】
それで、ネットワークシステム10では図8(c)に示すように、ネットワークシステム10の複合機200とは異なる場合(図8(b)に示す)と比較して、複合機(A)200−1がマスタでなくスレーブになっているので複合機(A)200−1の電源状態が浅い省エネ状態ではなくて深い省エネ状態となっていて、複合機(B)200−2はスタンバイ/ラン状態で同じであり、複合機(C)200−3は深い省エネ状態で同じである。
【0129】
このように、マスタ、スレーブが不変の場合(図8(b))とネットワークシステム10のマスタ、スレーブが変化する場合(図8(c))とを比較すると、複合機(A)200−1が浅い省エネ状態ではなくて深い省エネ状態となるので、ネットワーク回路に相当する分の消費電力がネットワークシステム10全体として節約される(参照番号801)。
【0130】
次に、ネットワークシステム10の複合機200のマスタである複合機200における処理について図9を参照して説明を行う。
【0131】
図9は、マスタである複合機200がスタンバイ/ラン状態である場合における処理を示したフローチャートである。
【0132】
マスタである複合機200は、操作/表示部108での操作もされず印刷実行処理もされない待機状態になると(ステップ901)、時間の計測が開始される(ステップ902)。
【0133】
時間計測が開始された後に、操作/表示部108で操作されることや、マスタである複合機200で印刷出力する内容の印刷要求の受信などの、待機状態を脱するアクションが生じた場合には、ステップ902で計測開始された時間計測が中断され、その後、再度待機状態となるとステップ901に処理が移る。
【0134】
また、ステップ902で時間計測が開始された後に、予め設定される、スタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する時間が計測されると(ステップ903でYES)、マスタである複合機200は、ネットワークシステム10の他の複合機200に対して、スタンバイ/ラン状態の装置があるかをブロードキャスト通信で問い合わせる(ステップ904)。
【0135】
その結果、スタンバイ/ラン状態の複合機200が存在し、その複合機200からブロードキャスト通信による問合せに対する応答があると(ステップ905でYES)、その応答を返した複合機200に対して、マスタ移譲通知が送信される(ステップ906)。
【0136】
複合機200に送られるマスタ移譲通知は、スタンバイ/ラン状態の装置があるかをブロードキャスト通信で問い合わせた複合機200から送信される。
【0137】
マスタ移譲通知を受信した複合機200は、自装置がマスタに昇格した内容であるマスタ昇格通知を、ネットワークシステム10内の複合機200に対してブロードキャスト送信する。
【0138】
マスタ昇格通知を受信した複合機は、マスタ昇格通知に記載される、マスタとなる複合機200の識別情報を、自装置内のNVRAM104に記憶する。
【0139】
そして、マスタ移譲通知を送信した複合機200は、スレーブとして深い省エネ状態に移行する(ステップ907)。
【0140】
また、ステップ904でブロードキャスト通信によりスタンバイ/ラン状態の装置があるかを問い合わせた結果、スタンバイ/ラン状態の複合機200が存在しなくて、そのブロードキャスト通信による問合せに対する応答がない場合には(ステップ905でNO)、ブロードキャスト通信を行った複合機200は、マスタとして浅い省エネ状態に移行する(ステップ908)。
【0141】
次に、ネットワークシステム10の複合機200におけるマスタ、スレーブの担当の変化について、図10を参照して説明を行う。
【0142】
図10は、ネットワークシステム10の複合機200におけるマスタの移譲の一例を示すシーケンス図である。
【0143】
複合機200は、図10に示すように、複合機(A)200−1がマスタを担当してスタンバイ/ラン状態、複合機(B)200−2がスレーブを担当して省エネ状態、複合機(C)200−3がスレーブを担当してスタンバイ/ラン状態である。
【0144】
このような状態で、マスタである複合機(A)200−1の待機状態が継続して、省エネ状態に移行する所定の時間が経過すると、図9を参照して説明したステップ904のように、自装置以外の他の複合機200に対して、ブロードキャストでスタンバイ/ラン状態にあるかを問い合わせる(ステップ1001)。
【0145】
複合機(A)200−1が問い合わせた結果、スタンバイ/ラン状態にある複合機(C)200−3からスタンバイ/ラン状態にあることを示す応答があると、複合機(A)200−1は、応答してきた複合機(C)200−3に対してマスタ移譲通知を送信する(ステップ1002)。
【0146】
マスタ移譲通知を受信した複合機(C)100−3は、自装置以外の複合機200に対してマスタ昇格通知を送信して、NVRAM104にマスタである自装置の識別情報を記憶する。
【0147】
そして、マスタ昇格通知を受信した複合機(A)200−1は、マスタ昇格通知に記載される複合機(C)200−3の識別情報をマスタである複合機200の識別情報としてNVRAM104に記憶する。 そして、複合機(A)200−1は、省エネ状態に移行する。
【0148】
また、マスタ昇格通知を受信した複合機(B)200−2も、マスタ昇格通知に記載される複合機(C)200−3の識別情報をマスタである複合機200の識別情報としてNVRAM104に記憶する。
【0149】
このようにして、複合機(A)200−1が担当していたマスタが、複合機(A)200−1がスタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する際に、他にスタンバイ/ラン状態にある複合機200が存在していれば、その複合機200にマスタが移譲される(上記の場合では複合機(C)200−3にマスタが移譲された)。
【0150】
尚、複合機200は、図3を参照して説明したスタンバイ/ラン状態、浅い省エネ状態、深い省エネ状態の電源状態を有するデバイスであれば、特に画像形成機能を有する装置に限らない。 つまり、ROM102に記憶される情報処理プログラムが、図3を参照して説明した電源状態を有するデバイスにインストールされて、そのデバイスが図9、図10を参照して説明した処理を行うように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0151】
この発明は、画像形成装置および画像形成プログラムおよび画像形成システムに関する。
【0152】
また、上記実施の形態の機能を実現するための情報処理プログラムが記録されている記憶媒体を供給し、通信装置などで記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。 プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びSDカード(Secure Digital memory card)などや、プログラムを供給するサーバなどであっても良い。
【符号の説明】
【0153】
1 ネットワークシステム
100 複合機
101 CPU
102 ROM
104 NVRAM
109 ネットワークI/F
110 ネットワーク制御部
10 ネットワークシステム(実施例2)
200 複合機(実施例2)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成プログラムおよび画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりデバイスの電源状態には、消費電力を節約するための節電モード(省電力状態)と呼ばれる状態が存在する。
【0003】
省電力状態は、デバイスの主要な動作が可能なスタンバイ/ラン状態から所定の時間操作されない状態(待機状態)が続くと、デバイス内の不要な部分への電力供給を止めて、消費電力の節約を行うものである。
【0004】
更に消費電力を低減する施策として、ネットワークに接続されるデバイスでは、省電力状態として、ネットワーク回路への電力供給が行われる省電力状態(仮に、浅い省エネ状態と称す)とネットワーク回路への電力供給が行われない省電力状態(仮に、深い省エネ状態と称す)とがある。
【0005】
特許文献1には、複数の印刷装置がネットワーク接続されるシステムにおいて、装置のネットワーク回路をオン/オフさせて、各印刷装置間相互でネットワーク回路のオン時間が重ならないように省電力機能を制御してシステムの省電力化を図る画像形成装置および画像形成システムが提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、ネットワークに接続されている全ての印刷装置が省電力モードに入ってしまうことを回避するため、複数の印刷装置の中から、所定期間内では常時、電源起動時よりも印刷可能になるまでの時間が速い電源状態にする代表印刷装置を特定し、特定された印刷装置に対してその電源状態を維持させる情報処理装置およびプリンタ制御方法およびプログラムが提案されている。
【0007】
また、ネットワーク上の複数の情報処理装置間で共用データ(ブラウズリスト)を共用して、ネットワーク上の情報処理装置を識別することができるブラウジング機能が知られている。
【0008】
そして、共用データ(ブラウズリスト)を管理するマスタと呼ばれる情報処理装置は、省電力状態であってもスレーブである情報処理装置からの共用データの要求に応える為にネットワーク回路に電源が供給された状態である必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−110695号公報
【特許文献2】特開2006−023696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、ネットワークシステム全体としての消費電力を少なくする為に、情報処理装置間で共用する共用データ(ブラウズリスト)を管理するマスタを担当する情報処理装置を、ネットワーク内の情報処理間で適切に変化させる画像形成装置および画像形成プログラムおよび画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明の画像形成装置は、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、前記主装置としての動作時、他の従装置として動作する前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段とを具備するように構成される。
【0012】
また、請求項2の発明の画像形成装置は、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段と、前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段と、前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段とを具備するように構成される。
【0013】
また、請求項3の発明の画像形成プログラムは、コンピュータを、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、前記主装置としての動作時、他の従装置として動作する前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段、前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段として機能させる。 また、請求項4の発明の画像形成プログラムは、コンピュータを、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段、待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段、前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段、前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段、前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段として機能させる。
【0014】
また、請求項5の発明の画像形成システムは、ネットワーク制御部によりネットワークを介して互いに通信する複数の画像形成装置を有し、前記ネットワークでは、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられ、前記主装置としての動作時、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段とを具備するように構成される。
【0015】
また、請求項6の発明の画像形成システムは、ネットワーク制御部によりネットワークを介して互いに通信する複数の画像形成装置を有し、前記ネットワークでは、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられ、前記主装置としての動作時、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段と、前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段と、前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段とを具備するように構成される。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、従装置としてネットワーク制御部を給電停止する深い省電力制御が行われ、また、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0017】
請求項2の発明によれば、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0018】
請求項3の発明によれば、従装置としてネットワーク制御部を給電停止する深い省電力制御が行われ、また、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0019】
請求項4の発明によれば、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0020】
請求項5の発明によれば、従装置としてネットワーク制御部を給電停止する深い省電力制御が行われ、また、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【0021】
請求項6の発明によれば、ネットワーク上の複数の画像形成装置トータルの消費電力が本構成を有していない場合に比較して節約されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1はネットワークシステム1の構成を示す模式図である。
【図2】図2は複合機100の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は複合機100の各種電源状態をしめす模式図である。
【図4】図4は複合機100間におけるマスタの担当の変化を示す図である。(実施例1)
【図5】図5はマスタである複合機100の処理を示すフローチャートである。
【図6】図6はスレーブである複合機100の処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は複合機100間でのマスタの担当の変化を示すシーケンス図である。(実施例1)
【図8】図8は複合機200間におけるマスタの担当の変化を示す図である。(実施例2)
【図9】マスタである複合機200の処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は複合機200間でのマスタの担当の変化を示すシーケンス図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
まず、本発明に係るネットワークシステム1について図1を参照して説明を行う。
【0025】
図1は、ネットワークシステム1の構成を示す模式図である。
【0026】
ネットワークシステム1には、省電力機能を有する情報処理装置の一例として複合機100が通信回線2に複数接続される。
【0027】
複合機100は、通信回線2に接続される情報処理装置(複合機100等)の一覧を識別することができるブラウジング機能を有する。
【0028】
ブラウジング機能が動作するために、ネットワークシステム1内の複数の複合機100は、マスタとスレーブとに区別される。
【0029】
マスタは、ネットワークシステム1内の複数の複合機100に1つだけあり、その他の複合機100はスレーブとなる。
【0030】
また、マスタとスレーブとの担当は動的に変化する。
【0031】
マスタとなった複合機100は、ネットワークシステム1内で通信回線2に接続される複合機100の識別情報等が記載される一覧リストであるブラウズリストを管理する。
【0032】
スレーブとなった複合機100は、通信回線2に接続される複合機100を確認する際にマスタとなっている複合機100にブラウズリストを要求して、そしてマスタより取得したブラウズリストから通信回線2に接続される複合機100を識別する。
【0033】
ネットワークシステム1内の複合機100のマスタ、スレーブの担当は、ネットワークシステム1全体の消費電力が低くなることが考慮されて決定される。
【0034】
スレーブである複合機100は、マスタである複合機100に定期的にホストアナウンスメントを送信する。
【0035】
マスタである複合機100は、ホストアナウンスメントを受信すると、ホストアナウンスメントを送信した複合機100をブラウズリストに登録する。
【0036】
また、マスタである複合機100は、一定時間ホストアナウンスメントを送らないスレーブを、通信回線2上に接続されていない複合機100であるとして、ブラウズリストから削除する。
【0037】
このように、ネットワークシステム1では、通信回線2に接続される情報処理装置(複合機100等)の一覧を識別するためにブラウズリストが活用される。
【0038】
ブラウズリストは、ネットワークシステム1内の複数の情報処理装置(複合機100等)で共用される共用データである。
【0039】
また、ネットワークシステム1に接続される複数の複合機100のそれぞれは、複合機(A)100−1、複合機(B)100−2、複合機(C)100−3である。 また、複合機(A)100−1、複合機(B)100−2、複合機(C)100−3を総称して呼ぶときには複合機100と呼ぶ。
【0040】
また、ネットワークシステム1には、複合機100に印刷データを送信するクライアントPC3が通信回線2に接続される。
【0041】
次に、複合機100の構成について図2を参照して説明を行う。
【0042】
図2は、複合機100の構成を示すブロック図である。
【0043】
複合機100は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、NVRAM(Non-Volatile RAM)104、HDD(Hard Disc Drive)105、画像処理部106、印刷実行部107、操作/表示部108、ネットワークインタフェース(以下、I/Fと呼ぶ)109、ネットワーク制御部110、省電力制御部111がバス112に接続されて構成される。
【0044】
CPU101は、複合機100が有する機能の主制御を行う。各処理部はCPU101による指示に基づいて処理を行い、その処理結果を指定された処理部に対して通知する。
【0045】
ROM102は、複合機100の制御、ユーザ認証、省電力機能、画像処理等を行うための各種プログラムや、複合機100が固有に持つ自装置の識別情報を格納し、CPU101からのプログラム実行命令などによってNVRAM104などに格納された情報を参照しながら実行する。
【0046】
RAM103は、ROM102に記憶されたプログラムを動作させるための環境変数などのシステム変数や画像処理を行うために一時的にデータを記憶する。
【0047】
NVRAM104は、電源を切っても記憶内容を保持することができる不揮発性メモリであって、システムデータと呼ばれるROM103に記憶されるプログラムを動作させるための各種パラメータを記憶するほか、履歴情報等を記憶する。
【0048】
HDD105は、画像処理される画像データ等を記憶する。
【0049】
画像処理部106は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成され、画像データの各種画像処理を行う。
【0050】
印刷実行部107は、画像データの印刷出力を行うプリントエンジンである。
【0051】
操作/表示部108は、液晶のタッチパネルで構成され、ユーザに情報を表示したり、ユーザからの指示を受付ける処理を行う。
【0052】
ネットワークI/F109は、通信回線2と接続され、通信回線2に接続される他の複合機100からの情報の授受や、クライアントPC3から印刷データの受信等を行う。
【0053】
ネットワーク制御部110は、ネットワークI/F109を介して接続されネットワークシステム1内の複合機100やクライアントPC3との通信制御を行う。
【0054】
省電力制御部111は、複合機100の電源の省電力に関する機能を担う。
【0055】
複合機100の電源は、スタンバイ/ラン状態、浅い省エネ状態、深い省エネ状態の3つの状態で管理される。
【0056】
複合機100の電源状態がスタンバイ/ラン状態、浅い省エネ状態、深い省エネ状態の3つの状態のそれぞれに移行する制御は、省電力制御部111によって行われる。 それぞれの状態については後で図3を参照して詳しく説明するが、浅い省エネ状態と深い省エネ状態とは共に、複合機100が一定時間待機状態となって電源が節電状態に移行された省エネ状態である。
【0057】
次に、省電力制御部111で管理される、複合機100の電源状態について図3を参照して説明を行う。
【0058】
図3は、複合機100の各種電源状態を示す模式図である。
【0059】
複合機100の電源状態は、図3に示すように、スタンバイ/ラン状態(参照番号301)、浅い省エネ状態(参照番号302)、深い省エネ状態(参照番号303)とがある。
【0060】
スタンバイ/ラン状態は、複合機100が印刷データの画像処理や印刷出力処理等の実行状態、或いは操作/表示部108で指示されると起動時間がかかることなく指示内容を実行できる実行可能状態であり、ネットワーク回路やコントローラボードや印刷実行部107の電源が入った状態である。
【0061】
複合機100は、スタンバイ/ラン状態において、一定時間、表示/操作部108からの指示や印刷ジョブ等の各種処理の実行がされない場合には、消費電力を節約する省エネ状態に移行する。
【0062】
省エネ状態は、浅い省エネ状態と深い省エネ状態との2種類があり、浅い省エネ状態は、図3の参照番号302に示すように、ネットワーク回路と一部のコントローラボードに電源が入っている状態である。 ネットワーク回路に電源が入っているので、浅い省エネ状態である複合機100は、通信回線2に接続される他の複合機100等からブラウザリストの要求やホストアナウンスメントを受信することが可能である。
【0063】
また、深い省エネ状態は、浅い省エネ状態よりも更に消費電力を節約する状態であり、ネットワーク回路に電源が入らず、一部のコントローラボードにだけ電源が入っている状態である。
【0064】
深い省エネ状態では、ネットワーク回路に電源が入っていない状態であるために、省エネ状態でも大きな消費電力を占めるネットワーク回路分の消費電力が削減されて、効果的な省エネ状態となる。
【0065】
ネットワーク回路に電源が入らない状態では、ネットワークI/F109、ネットワーク制御部110に電源が入らない状態である。
【0066】
複合機100は、省エネ状態であるときには、マスタである場合には浅い省エネ状態となり、スレーブである場合には深い省エネ状態となる。
【実施例1】
【0067】
次に、ネットワークシステム1の複数の複合機100間におけるマスタ、スレーブの変化について図4を参照して説明する。
【0068】
図4は、ネットワークシステム1の複数の複合機100間におけるマスタ、スレーブの担当の変化について示す模式図であり、図4(a)はネットワークシステム1の3台の複合機100が全て省エネ状態になっている場合を示す模式図であり、図4(b)はマスタ、スレーブが複合機100の間で変化しないと仮定した場合の複合機100の電源状態を示す模式図であり、図4(c)はネットワークシステム1の複合機100においてマスタ、スレーブの担当が変化した状態の複合機100の電源状態を示す模式図である。
【0069】
まず、3台の複合機100におけるマスタとスレーブの担当が、図4(a)に示すように、マスタは複合機(A)100−1、スレーブは複合機(B)100−2と複合機(C)100−3となっているものとする。
【0070】
また、それぞれの複合機100の電源状態は、図4(a)に示すように、複合機(A)100−1はマスタである為浅い省エネ状態であり、複合機(B)100−2はスレーブである為深い省エネ状態であり、複合機(C)100−3はスレーブである為深い省エネ状態である。
【0071】
そして、図4(a)に示すように3台の複合機100が省エネ状態になっている場合に、複合機(B)100−2の操作/表示部108にユーザが操作を行って、複合機(B)100−2の電源状態が省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行したとする。
【0072】
図4(a)に示す状態から複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態に移行した場合に、本発明に係るネットワークシステム1の複合機100とは異なり複合機100間でマスタ、スレーブの担当が変化せずに固定である場合には、図4(b)に示すように、複合機(A)100−1が浅い省エネ状態、複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態、複合機(C)100−3が深い省エネ状態となる。
【0073】
しかし、本発明に係るネットワークシステム1では、図4(a)に示す状態から複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態に移行した場合に、複合機100間でのマスタ、スレーブの担当が変化して、マスタは複合機(A)100−1から複合機(B)100−2となり、スレーブは複合機(A)100−1と複合機(C)100−3とになる。
【0074】
ネットワークシステム1では、このように、複合機100の間でマスタ、スレーブの担当が変化するので、図4(a)に示す状態から複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態に移行すると、それぞれの複合機100の電源状態は、複合機(A)100−1はスレーブとして深い省エネ状態、複合機(B)100−2はスタンバイ/ラン状態、複合機(C)100−3はスレーブとして深い省エネ状態となる。
【0075】
それで、本発明に係るネットワークシステム1では図4(c)に示すように、本発明に係るネットワークシステム1とは異なる場合(図4(b)に示す)と比較すると、複合機(A)100−1がマスタでなくてスレーブになっているので複合機(A)100−1の電源状態が浅い省エネ状態ではなくて深い省エネ状態となっていて、複合機(B)100−2はスタンバイ/ラン状態で同じであり、複合機(C)100−3はスレーブであるので深い省エネ状態で同じである。
【0076】
このように、マスタ、スレーブが不変の場合(図4(b))と本発明に係るネットワークシステム1のマスタ、スレーブが変化する場合(図4(c))とを比較すると、複合機(A)100−1が浅い省エネ状態ではなくて深い省エネ状態となるので、ネットワーク回路に相当する分の消費電力が、ネットワークシステム1全体として節約される(参照番号401)。
【0077】
次に、ネットワークシステム1における複合機100のマスタ、スレーブの担当の変化について、マスタである複合機100での処理に注目して図5を参照して説明を行う。
【0078】
図5は、マスタである複合機100が浅い省エネ状態になっている場合における処理を示したフローチャートである。
【0079】
マスタである複合機100は、省エネ状態の場合には、ネットワーク回路と一部のコントローラボードに電源が入っている状態である浅い省エネ状態となっている。
【0080】
浅い省エネ状態となっている複合機100に、ユーザによる操作/表示部108の操作、或いは、自装置で印刷出力する印刷要求が確認されると、省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する(ステップ501)。 マスタである複合機100が省エネ状態からスタンバイ/ラン状態へ移行する要因は、ユーザによる操作/表示部108の操作や自装置で印刷出力する印刷要求の確認だけでなく他のアクションであってもよく、ステップ501ではそのようなアクションによって省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する。
【0081】
さて、クライアントPC3は、複合機100で印刷出力される印刷データを生成すると、マスタである複合機100に印刷要求を送信する。 クライアントPC3からマスタである複合機100に送られる印刷要求には、印刷出力先の複合機100の識別情報が含まれている。
【0082】
マスタである複合機100は、印刷要求を受信して、その印刷要求の印刷出力先が自装置であるならば、浅い省エネ状態の場合には浅い省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する。 スタンバイ/ラン状態に移行したマスタである複合機100は、自装置が印刷出力先となっている印刷要求に対応する印刷データを、クライアントPC3より受信して、画像処理部106や印刷実行部107等で印刷出力処理を行う。
【0083】
また、スレーブである複合機100は、印刷出力先が自装置となっている印刷要求がマスタである複合機100に受信されているか否かを、定期的に、マスタである複合機100に対して問合せする。 マスタへの問合せの結果、印刷出力先が自装置となっている印刷要求がマスタである複合機100に受信されていた場合には、スレーブである複合機100は、クライアントPC3から印刷データを受信して、画像処理部106や印刷実行部107などで印刷出力処理を行う。
【0084】
ステップ501以降の説明に戻り、マスタである複合機100が、スタンバイ/ラン状態になって、印刷出力動作や操作/表示部108での操作がなされない待機状態となったら(ステップ502)、時間計測が開始される(ステップ503)。
【0085】
時間計測が開始された後に、操作/表示部108で操作されることや、マスタである複合機100で印刷出力する内容の印刷要求の受信などの、待機状態を脱するアクションが生じた場合には、ステップ503で計測開始された時間計測が中断され、ステップ501でYESの状態に戻る。
【0086】
また、ステップ503で時間計測が開始された後に、予め設定される、スタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する時間が計測されると(ステップ504でYES)、マスタである複合機100は、省電力制御部111に制御されて、電源状態がスタンバイ/ラン状態から浅い省エネ状態に移行する(ステップ505)。
【0087】
マスタである複合機100が浅い省エネ状態である場合に、スタンバイ/ラン状態に移行するアクションが発生しない場合には(ステップ501でNO(浅い省エネ状態))、スレーブである複合機100から、マスタ移譲可能通知を受信したか否かが確認される(ステップ506)。
【0088】
ステップ506でマスタ移譲可能通知を受信していることが確認された場合には(ステップ506でYES)、ネットワークシステム1内にマスタになることができるスレーブが存在するということである。
【0089】
それで、マスタとして浅い省エネ状態にある複合機100は、そのマスタ移譲可能通知を送信した複合機100に対してマスタ移譲通知を送信する(ステップ507)。
【0090】
マスタ移譲通知を受信した複合機100は、自装置がマスタに昇格した内容であるマスタ昇格通知を、ネットワークシステム1内の複合機100に対してブロードキャスト送信する。
【0091】
そして、マスタ移譲通知をブロードキャスト送信した複合機100は、自らはスレーブとして浅い省エネ状態から深い省エネ状態に移行する(ステップ508)。
【0092】
また、マスタである複合機100が、ステップ506のように浅い省エネ状態とは異なって、スタンバイ/ラン状態の間に、スレーブからマスタ移譲可能通知を受信しても、受信したマスタである複合機100はマスタ移譲通知を送信しない。
【0093】
なお、ステップ506でマスタ移譲可能通知を受信していることが確認されない場合には(ステップ506でNO)、マスタである複合機100は、浅い省エネ状態のまま、ステップ501とステップ506の処理を続ける。
【0094】
次に、ネットワークシステム1における複合機100のマスタ、スレーブの担当の変化についてスレーブである複合機100での処理に注目して図6を参照して説明を行う。
【0095】
図6は、スレーブである複合機100が深い省エネ状態になっている場合における処理を示したフローチャートである。
【0096】
スレーブである複合機100は、省エネ状態の場合には、一部のコントローラボードに電源が入っている状態である深い省エネ状態となっている。
【0097】
深い省エネ状態となっている複合機100に、ユーザによる操作/表示部108の操作、或いは、自装置で印刷出力する印刷要求をマスタに確認すると、省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する(ステップ601)。 スレーブである複合機100が省エネ状態からスタンバイ/ラン状態へ移行する要因は、ユーザによる操作/表示部108の操作や自装置で印刷出力する印刷要求の確認だけでなく他のアクションであってもよく、ステップ601ではそのようなアクションによって省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行する。
【0098】
スレーブである複合機100が深い省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行すると(ステップ601でYES)、その複合機100は、マスタである複合機100へ、マスタ移譲可能通知を送信する(ステップ602)。
【0099】
マスタである複合機100は、スレーブから移譲可能通知を受信すると、自装置が省エネ状態である場合には図5を参照して説明したステップ507のようにマスタ移譲通知を送り返す。
【0100】
また、マスタである複合機100は、スレーブから移譲可能通知を受信すると、自装置がスタンバイ/ラン状態である場合には、マスタ移譲通知を送り返さない。
【0101】
そして、スレーブである複合機100は、マスタからマスタ移譲通知を受信すると(ステップ603)、マスタとなった自装置の識別情報が記載されたマスタ昇格通知をネットワークシステム1内の複合機100に対してブロードキャスト送信し(ステップ604)マスタになった自装置の識別情報をNVRAM104に記憶する。 マスタ昇格通知は、ネットワークシステム1内の複合機100だけでなく、全ての情報処理装置に対してブロードキャスト送信されてよい。
【0102】
ネットワークシステム1内のマスタ昇格通知を受信した複合機100は、マスタ昇格通知に記載されるマスタとなる複合機100の識別情報をNVRAM104に記憶する。
【0103】
そして、マスタとなった元スレーブの複合機100は、印刷出力動作や操作/表示部108での操作がなされない待機状態となったら(ステップ605)、時間計測が開始される(ステップ606)。
【0104】
時間計測が開始された後に、操作/表示部108で操作されたり、マスタとなった元スレーブの複合機100で印刷出力する内容の印刷要求の受信などの、待機状態を脱するアクションが生じた場合には、ステップ606で開始された時間計測が中断され、再度待機状態となるのを待ってステップ605の待機状態に戻る。
【0105】
また、ステップ606で時間計測が開始された後に、予め設定される、スタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する時間が計測されると(ステップ607でYES)、マスタとなった元スレーブの複合機100は、省電力制御部111に制御されて、電源状態がスタンバイ/ラン状態から浅い省エネ状態に移行する(ステップ608)。
【0106】
このように、ネットワークシステム1内では、マスタが浅い省エネ状態の間に、スレーブである複合機100が深い省エネ状態からスタンバイ/ラン状態に移行すると、スタンバイ/ラン状態に移行した複合機がマスタに昇格するように処理される。
【0107】
次に、ネットワークシステム1における複合機100のマスタ、スレーブの担当の変化について、図7のシーケンス図を参照して説明を行う。
【0108】
図7は、ネットワークシステム1におけるマスタの移譲の一例を示すシーケンス図である。
【0109】
ネットワークシステム1における複合機は、図7に示すように、複合機(A)100−1がマスタを担当して省エネ状態、複合機(B)−200がスレーブを担当してブタンバイ/ラン状態、複合機(C)100−3がスレーブを担当して省エネ状態である。
【0110】
このような状態から、複合機(B)100−2の操作/表示部108でユーザによる操作が行われて(ステップ701)、省エネ状態であった複合機(B)100−2がスタンバイ/ラン状態に復帰する(ステップ702)。
【0111】
省エネ状態であったスレーブの複合機100がスタンバイ/ラン状態に移行すると、図6を参照して説明したステップ602のように、マスタの複合機100に移譲可能通知が送信される。
【0112】
複合機(B)100−2から複合機(A)100−1に移譲可能通知が送信されると(ステップ703)、移譲可能通知を受信したマスタである複合機(A)100−1は、移譲可能通知を送信した複合機(B)100−2に対して、図5を参照して説明したステップ507の処理のように、マスタ移譲通知を送信する(ステップ704)。
【0113】
マスタ移譲通知を受信した複合機(B)100−2は、マスタ昇格通知を自装置以外の複合機100にブロードキャスト送信する(ステップ705)。 その後複合機(B)100−2は、マスタとなった自装置の識別情報をNVRAM104に記憶する(ステップ706)。
【0114】
また、マスタ昇格通知を受信した複合機(A)100−1、複合機(C)100−3は、マスタ昇格通知に記載される複合機(B)100−2の識別情報をNVRAM104に記憶する(ステップ707)。
【0115】
このようにして、マスタの担当が複合機(A)100−1から複合機(B)100−2に移譲される。
【0116】
尚、スレーブである複合機100が、定期的にマスタにホストアナウンスメントを送信する際や、定期的にマスタに印刷要求の問合せを行う際には、一時的に、深い省エネ状態からホストアナウンスメント送信や印刷要求の問合せに必要な電力が供給されるように構成できる(それはネットワーク回路に電源が入った浅い省エネ状態であってもよい。)。 尚、複合機100は、図3を参照して説明したスタンバイ/ラン状態、浅い省エネ状態、深い省エネ状態の電源状態を有するデバイスであれば、特に画像形成機能を有する装置に限らない。 つまり、ROM102に記憶される情報処理プログラムが、図3を参照して説明した電源状態を有するデバイスにインストールされて、そのデバイスが図5、図6、図7を参照して説明した処理を行うように構成してもよい。
【実施例2】
【0117】
第2実施例は、図1乃至図3を参照して説明した複合機100のROM102に、第1実施例で説明した省電力制御に関するプログラムとは異なる省電力制御に関するプログラムが記憶されている複合機200について説明を行う。
【0118】
複合機200は、省電力制御に関するプログラムが複合機100とは異なるが、それ以外の構成は第1実施例で説明した複合機100と同じである。
【0119】
そして、第2実施例で説明する図示しないネットワークシステム10は、ネットワークシステム1の複合機100が複合機200によって構成されたシステムである。
【0120】
複合機200の電源状態は、図3を参照して説明した複合機100の電源状態と同じであるので説明は省略する。
【0121】
まず、ネットワークシステム10の複数の複合機200間におけるマスタ、スレーブの変化について図8を参照して説明する。
【0122】
図8は、ネットワークシステム10の複数の複合機200間におけるマスタ、スレーブの担当の変化について示す模式図であり、図8(a)はネットワークシステム10の複合機(A)200−1と複合機(B)200−2とがスタンバイ/ラン状態で複合機(C)200−3が省エネ状態となっていることを示す模式図であり、図8(b)はマスタ、スレーブが複合機200の間で変化しないと過程した場合の複合機200の電源状態を示す模式図であり、図8(c)はネットワークシステム10の複合機200においてマスタ、スレーブの担当が変化した状態の複合機200の電源状態を示す模式図である。
【0123】
まず図8(a)に示すように、複合機(A)200−1はマスタであってスタンバイ/ラン状態であり、複合機(B)200−2はスレーブであってスタンバイ/ラン状態であり、複合機(C)200−3はスレーブであって深い省エネ状態である。
【0124】
このような図8(a)に示す状態から、複合機(A)200−1が操作/表示部108での操作もされず印刷実行処理もされない待機状態のまま所定の時間が経過すると、複合機(A)200−1の電源状態は、図3を参照して説明したように、スタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する。
【0125】
このように、マスタである複合機200がスタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する場合に、本発明に係るネットワークシステム10の複合機200とは異なり複合機200の間でマスタ、スレーブの担当が変化せずに固定である場合には、図8(b)に示すように、複合機(A)200−1がマスタとして浅い省エネ状態、複合機(B)200−2がスタンバイ/ラン状態、複合機(C)200−3がスレーブとして深い省エネ状態となる。
【0126】
しかし、本発明に係るネットワークシステム10では、図8(a)に示す状態から複合機(A)200−1が省エネ状態に移行する前に複合機200間でマスタ、スレーブの担当が変化して、マスタは複合機(A)200−1から複合機(B)200−2となる。
【0127】
ネットワークシステム10では、このように、スタンバイ/ラン状態のマスタである複合機200が省エネ状態に移行する場合に、複合機200間でマスタ、スレーブの担当が変化する場合があり、図8(a)に示す状態から複合機(A)200−1が省エネ状態に移行すると、それぞれの複合機200の電源状態は、図8(c)に示すように、複合機(A)200−1はスレーブとして深い省エネ状態、複合機(B)200−2はスタンバイ/ラン状態、複合機(C)200−3はスレーブとして深い省エネ状態となる。
【0128】
それで、ネットワークシステム10では図8(c)に示すように、ネットワークシステム10の複合機200とは異なる場合(図8(b)に示す)と比較して、複合機(A)200−1がマスタでなくスレーブになっているので複合機(A)200−1の電源状態が浅い省エネ状態ではなくて深い省エネ状態となっていて、複合機(B)200−2はスタンバイ/ラン状態で同じであり、複合機(C)200−3は深い省エネ状態で同じである。
【0129】
このように、マスタ、スレーブが不変の場合(図8(b))とネットワークシステム10のマスタ、スレーブが変化する場合(図8(c))とを比較すると、複合機(A)200−1が浅い省エネ状態ではなくて深い省エネ状態となるので、ネットワーク回路に相当する分の消費電力がネットワークシステム10全体として節約される(参照番号801)。
【0130】
次に、ネットワークシステム10の複合機200のマスタである複合機200における処理について図9を参照して説明を行う。
【0131】
図9は、マスタである複合機200がスタンバイ/ラン状態である場合における処理を示したフローチャートである。
【0132】
マスタである複合機200は、操作/表示部108での操作もされず印刷実行処理もされない待機状態になると(ステップ901)、時間の計測が開始される(ステップ902)。
【0133】
時間計測が開始された後に、操作/表示部108で操作されることや、マスタである複合機200で印刷出力する内容の印刷要求の受信などの、待機状態を脱するアクションが生じた場合には、ステップ902で計測開始された時間計測が中断され、その後、再度待機状態となるとステップ901に処理が移る。
【0134】
また、ステップ902で時間計測が開始された後に、予め設定される、スタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する時間が計測されると(ステップ903でYES)、マスタである複合機200は、ネットワークシステム10の他の複合機200に対して、スタンバイ/ラン状態の装置があるかをブロードキャスト通信で問い合わせる(ステップ904)。
【0135】
その結果、スタンバイ/ラン状態の複合機200が存在し、その複合機200からブロードキャスト通信による問合せに対する応答があると(ステップ905でYES)、その応答を返した複合機200に対して、マスタ移譲通知が送信される(ステップ906)。
【0136】
複合機200に送られるマスタ移譲通知は、スタンバイ/ラン状態の装置があるかをブロードキャスト通信で問い合わせた複合機200から送信される。
【0137】
マスタ移譲通知を受信した複合機200は、自装置がマスタに昇格した内容であるマスタ昇格通知を、ネットワークシステム10内の複合機200に対してブロードキャスト送信する。
【0138】
マスタ昇格通知を受信した複合機は、マスタ昇格通知に記載される、マスタとなる複合機200の識別情報を、自装置内のNVRAM104に記憶する。
【0139】
そして、マスタ移譲通知を送信した複合機200は、スレーブとして深い省エネ状態に移行する(ステップ907)。
【0140】
また、ステップ904でブロードキャスト通信によりスタンバイ/ラン状態の装置があるかを問い合わせた結果、スタンバイ/ラン状態の複合機200が存在しなくて、そのブロードキャスト通信による問合せに対する応答がない場合には(ステップ905でNO)、ブロードキャスト通信を行った複合機200は、マスタとして浅い省エネ状態に移行する(ステップ908)。
【0141】
次に、ネットワークシステム10の複合機200におけるマスタ、スレーブの担当の変化について、図10を参照して説明を行う。
【0142】
図10は、ネットワークシステム10の複合機200におけるマスタの移譲の一例を示すシーケンス図である。
【0143】
複合機200は、図10に示すように、複合機(A)200−1がマスタを担当してスタンバイ/ラン状態、複合機(B)200−2がスレーブを担当して省エネ状態、複合機(C)200−3がスレーブを担当してスタンバイ/ラン状態である。
【0144】
このような状態で、マスタである複合機(A)200−1の待機状態が継続して、省エネ状態に移行する所定の時間が経過すると、図9を参照して説明したステップ904のように、自装置以外の他の複合機200に対して、ブロードキャストでスタンバイ/ラン状態にあるかを問い合わせる(ステップ1001)。
【0145】
複合機(A)200−1が問い合わせた結果、スタンバイ/ラン状態にある複合機(C)200−3からスタンバイ/ラン状態にあることを示す応答があると、複合機(A)200−1は、応答してきた複合機(C)200−3に対してマスタ移譲通知を送信する(ステップ1002)。
【0146】
マスタ移譲通知を受信した複合機(C)100−3は、自装置以外の複合機200に対してマスタ昇格通知を送信して、NVRAM104にマスタである自装置の識別情報を記憶する。
【0147】
そして、マスタ昇格通知を受信した複合機(A)200−1は、マスタ昇格通知に記載される複合機(C)200−3の識別情報をマスタである複合機200の識別情報としてNVRAM104に記憶する。 そして、複合機(A)200−1は、省エネ状態に移行する。
【0148】
また、マスタ昇格通知を受信した複合機(B)200−2も、マスタ昇格通知に記載される複合機(C)200−3の識別情報をマスタである複合機200の識別情報としてNVRAM104に記憶する。
【0149】
このようにして、複合機(A)200−1が担当していたマスタが、複合機(A)200−1がスタンバイ/ラン状態から省エネ状態に移行する際に、他にスタンバイ/ラン状態にある複合機200が存在していれば、その複合機200にマスタが移譲される(上記の場合では複合機(C)200−3にマスタが移譲された)。
【0150】
尚、複合機200は、図3を参照して説明したスタンバイ/ラン状態、浅い省エネ状態、深い省エネ状態の電源状態を有するデバイスであれば、特に画像形成機能を有する装置に限らない。 つまり、ROM102に記憶される情報処理プログラムが、図3を参照して説明した電源状態を有するデバイスにインストールされて、そのデバイスが図9、図10を参照して説明した処理を行うように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0151】
この発明は、画像形成装置および画像形成プログラムおよび画像形成システムに関する。
【0152】
また、上記実施の形態の機能を実現するための情報処理プログラムが記録されている記憶媒体を供給し、通信装置などで記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。 プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びSDカード(Secure Digital memory card)などや、プログラムを供給するサーバなどであっても良い。
【符号の説明】
【0153】
1 ネットワークシステム
100 複合機
101 CPU
102 ROM
104 NVRAM
109 ネットワークI/F
110 ネットワーク制御部
10 ネットワークシステム(実施例2)
200 複合機(実施例2)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、
前記主装置としての動作時、他の従装置として動作する前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、
前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項2】
1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、
待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段と、
前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段と、
前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、
前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項3】
コンピュータを、
1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、
前記主装置としての動作時、他の従装置として動作する前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段、
前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段
として機能させるための画像形成プログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段、
待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段、
前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段、
前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段、
前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段
として機能させるための画像形成プログラム。
【請求項5】
ネットワーク制御部によりネットワークを介して互いに通信する複数の画像形成装置を有し、
前記ネットワークでは、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられ、
前記主装置としての動作時、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、
前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段と
を具備する画像形成システム。
【請求項6】
ネットワーク制御部によりネットワークを介して互いに通信する複数の画像形成装置を有し、
前記ネットワークでは、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられ、
前記主装置としての動作時、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、
待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段と、
前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段と、
前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、
前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段と
を具備する画像形成システム。
【請求項1】
1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、
前記主装置としての動作時、他の従装置として動作する前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、
前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項2】
1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、
待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段と、
前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段と、
前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、
前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項3】
コンピュータを、
1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、
前記主装置としての動作時、他の従装置として動作する前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段、
前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段
として機能させるための画像形成プログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられるネットワークに接続され、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置との通信を制御するネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段、
待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段、
前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段、
前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段、
前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段
として機能させるための画像形成プログラム。
【請求項5】
ネットワーク制御部によりネットワークを介して互いに通信する複数の画像形成装置を有し、
前記ネットワークでは、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられ、
前記主装置としての動作時、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、
前記主装置としての動作時、従装置として動作する他の前記画像形成装置が前記節電状態から復帰すると、前記節電状態から復帰した当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、
前記従装置としての動作時、節電状態から復帰した後、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段と
を具備する画像形成システム。
【請求項6】
ネットワーク制御部によりネットワークを介して互いに通信する複数の画像形成装置を有し、
前記ネットワークでは、1の画像形成装置が主装置として動作し、他の画像形成装置が従装置として動作するように前記各画像形成装置の動作状態が切換えられ、
前記主装置としての動作時、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電しないように消費電力を節約する節電状態を制御し、前記従装置としての動作時には、前記ネットワーク制御部への電源供給を節電するように前記節電状態を制御する節電制御手段と、
待機状態が予め定められた時間継続すると前記節電状態に電源状態を移行させる制御を行う電源制御手段と、
前記主装置としての動作時、前記電源制御手段により電源状態が前記節電状態に移行されるように決定されると、前記節電状態でない従装置として動作する他の前記画像形成装置を確認する確認手段と、
前記確認手段で前記節電状態でない前記画像形成装置が確認されると、当該画像形成装置に前記主装置として動作するように動作移譲を行う動作移譲手段と、
前記従装置としての動作時、前記主装置として動作する画像形成装置からの前記動作移譲に基づき前記主装置として動作する動作状態に切換える動作状態切換え手段と
を具備する画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−65548(P2011−65548A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217374(P2009−217374)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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