説明

画像形成装置

【課題】現像カートリッジのみを交換すべきときに、像担持体カートリッジが現像カートリッジと一緒に交換されることを防止することができる、画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とを連結する連結機構66と、この連結機構66によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結を解除するための連結解除カム67とを備える。トナー収容室38内のトナー量が所定量以上のときには、連結機構66によってドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とを連結し、トナー収容室38内のトナーの量が所定量より少ないエンプティ状態になると、連結機構66によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーザプリンタなどの画像形成装置には、ドラムカートリッジと、このドラムカートリッジに対して着脱自在な現像カートリッジとを備えるプロセスカートリッジが、着脱自在に装着されている。
ドラムカートリッジには、画像データに基づく静電潜像が形成される感光ドラムが備えられている。また、現像カートリッジには、感光ドラムに形成された静電潜像をトナー像に現像するための現像ローラが備えられている。この現像ローラは、現像カートリッジがドラムカートリッジに装着された状態で、感光ドラムに対向して接触し、画像形成時には、感光ドラムと逆方向に回転駆動される。感光ドラムの表面に形成された静電潜像は、現像ローラと対向したときに、現像ローラから供給されるトナーによってトナー像に現像される。そして、そのトナー像は、感光ドラムに対向配置された転写ローラと対向したときに、感光ドラムと転写ローラとの間に搬送されてくる用紙に転写される。
【0003】
このようなプロセスカートリッジを備える画像形成装置において、装置本体に対して、現像カートリッジをドラムカートリッジと一体的に着脱させることができ、また、ドラムカートリッジを装置本体に残したまま、装置本体に対して、現像カートリッジを単独で着脱させることができるように構成されたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−84645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、ドラムカートリッジの交換時期に達する前に、現像カートリッジ内のトナーがなくなった場合、その現像カートリッジのみを装置本体から取り出して、新品の現像カートリッジと交換すればよい。それにもかかわらず、従来の構成では、現像カートリッジをドラムカートリッジと一体的に着脱可能であるために、ユーザが誤って、現像カートリッジと一緒にドラムカートリッジまで新品と交換し、そのドラムカートリッジを廃棄するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、現像カートリッジのみを交換すべきときに、像担持体カートリッジが現像カートリッジと一緒に交換されることを防止することができる、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、像担持体を有する像担持体カートリッジと、前記像担持体に現像剤を供給するための現像カートリッジとを備え、装置本体に対して、前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジの一体的な着脱と、前記像担持体カートリッジが装置本体に装着された状態における前記現像カートリッジの単独での着脱とを選択的に行うことのできる画像形成装置において、装置本体から前記現像カートリッジが単独で離脱される状態を検知し、その検知結果に基づいて、装置本体からの前記像担持体カートリッジの離脱を防止するための離脱防止手段を備えていることを特徴としている。
【0007】
このような構成によると、装置本体から現像カートリッジが単独で離脱されるときには、離脱防止手段によって、装置本体からの像担持体カートリッジの離脱が防止される。そのため、現像カートリッジのみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを交換することを防止することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとを装置本体に対して一体的に着脱されるように連結する連結手段を備え、前記離脱防止手段は、装置本体からの前記像担持体カートリッジの離脱の必要がなく、前記現像カートリッジの離脱が必要な現像離脱必要状態を検知する検知手段と、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたことに基づいて、前記連結手段による前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとの連結を解除する連結解除手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
このような構成によると、検知手段によって、装置本体からの像担持体カートリッジの離脱の必要がなく、現像カートリッジの離脱が必要な状態が自動で検知される。そして、装置本体から現像カートリッジを単独で離脱させる必要があるときには、連結解除手段によって、連結手段による像担持体カートリッジと現像カートリッジとの連結が解除される。そのため、像担持体カートリッジを装置本体に残したまま、現像カートリッジを装置本体から離脱させることができる。その結果、現像カートリッジのみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを交換することを確実に防止することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記連結手段は、前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジのいずれか一方に設けられた係止部と、それらの他方に設けられ、前記係止部が係止される被係止部とを備えていることを特徴としている。
このような構成によると、係止部を被係止部に係止させることによって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの連結を達成することができる。また、係止部を被係止部から離脱させることによって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの連結を解除することができる。そのため、係止部と被係止部とを備える簡素な構成によって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結および連結解除を達成することができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記被係止部は、前記現像カートリッジに形成された突起であり、前記係止部は、前記像担持体カートリッジに設けられ、常には前記突起に係止される連結アームであり、前記連結解除手段は、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたことに基づいて、前記連結アームの前記突起に対する係止を解除するアクチュエータを備えていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によると、突起に連結アームを係止させることによって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとを連結することができ、アクチュエータが突起に対する連結アームの係止を解除することによって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの連結を解除することができる。そのため、突起と連結アームとからなる簡素な構成によって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結および連結解除を達成することができる。
【0012】
しかも、交換頻度が相対的に低い像担持体カートリッジに連結アームが設けられ、交換頻度が相対的に高い現像カートリッジに連結アームよりも簡素な構成の突起が設けられているので、現像カートリッジのコストの低減を図ることができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記被係止部は、前記像担持体カートリッジに形成された突起であり、前記係止部は、前記現像カートリッジに設けられ、常には前記突起に係止される連結アームであり、前記連結解除手段は、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたことに基づいて、前記連結アームの前記突起に対する係止を解除するアクチュエータを備えていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、突起に連結アームを係止させることによって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとを連結することができ、アクチュエータが突起に対する連結アームの係止を解除することによって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの連結を解除することができる。そのため、突起と連結アームとからなる簡素な構成によって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結および連結解除を達成することができる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記連結アームは、揺動軸を支点として揺動可能に設けられ、前記揺動軸に対する一方側に前記突起と係止する係止突起を備えており、前記アクチュエータは、前記連結アームの前記揺動軸に対する他方側を押圧して、前記連結アームを前記揺動軸を支点として回動させることによって、前記係止突起を前記突起から離脱させることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、連結アームの揺動によって、その連結アームに設けられた係止突起を、突起に対して確実に係止および離脱させることができる。そのため、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結および連結解除を達成することができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6のいずれかに記載の発明において、前記連結手段は、前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとを連結した状態で、前記現像カートリッジに対して装置本体から離脱させる方向の力が加えられたときに、その離脱方向の力を前記像担持体カートリッジに伝達することを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、像担持体カートリッジと現像カートリッジとが連結された状態において、現像カートリッジに離脱方向の力が加えられると、その力が連結手段によって像担持体カートリッジに伝達される。そのため、像担持体カートリッジと現像カートリッジとが連結された状態では、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを確実に離脱させることができる。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、請求項2ないし7のいずれかに記載の発明において、前記連結解除手段は、装置本体に設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、連結解除手段は、装置本体に設けられ、像担持体カートリッジおよび現像カートリッジに設けられていない。そのため、像担持体カートリッジおよび現像カートリッジのコストを低減することができる。
【0018】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記像担持体カートリッジは、前記現像カートリッジを受けるように構成されており、前記現像カートリッジを装置本体から取り出すときに把持される第1把持部と、前記像担持体カートリッジを装置本体から取り出すときに把持される第2把持部とを備え、前記離脱防止手段は、装置本体からの前記像担持体カートリッジの離脱の必要がなく、前記現像カートリッジの離脱が必要な現像離脱必要状態を検知する検知手段と、装置本体に設けられ、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたときには、前記第1把持部のみを露出させるような開放が許容されるカバー部材とを備えていることを特徴としている。
【0019】
このような構成によると、検知手段によって、装置本体からの像担持体カートリッジの離脱の必要がなく、現像カートリッジの離脱が必要な状態が自動で検知される。そして、装置本体から現像カートリッジを単独で離脱させる必要があるときには、現像カートリッジに備えられた第1把持部のみが露出される。そのため、第1把持部を把持して、像担持体カートリッジを装置本体に残したまま、現像カートリッジを単独で装置本体から離脱させることができる。そのため、現像カートリッジのみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを交換することを確実に防止することができる。
【0020】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記カバー部材は、前記第1把持手段のみを露出させるように開放される第1カバー部と、前記第1カバー部が開放された状態で、前記第2把持部をさらに露出させるように開放される第2カバー部とを備え、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたときには、前記第1カバー部のみの開放が許容されることを特徴としている。
【0021】
このような構成によると、第1カバー部が開放されることによって、現像カートリッジに備えられた第1把持部が露出し、さらに第2カバー部が開放されることによって、像担持体カートリッジに備えられた第2把持部が露出する。そのため、第1カバー部と第2カバー部とを備える簡素な構成によって、現像カートリッジを単独で装置本体から離脱させる必要があるときには、確実に第1把持部のみを露出させて、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが離脱されることを確実に防止することができる。
【0022】
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記第1カバー部と前記第2カバー部とを連動して開放させるためのアクチュエータを備え、前記離脱防止手段は、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたときに、前記アクチュエータによる前記第1カバー部と前記第2カバー部との連動を解除するカバー連動解除手段を備えていることを特徴としている。
【0023】
このような構成によると、現像カートリッジを単独で装置本体から離脱させる必要があるときには、カバー連動解除手段によって、第1カバー部と第2カバー部との連動が解除されるので、第1カバー部のみを開放させて、現像カートリッジに備えられた第1把持部のみを露出させることができる。そのため、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが離脱されることをより確実に防止することができる。
【0024】
また、請求項12に記載の発明は、請求項9ないし11のいずれかに記載の発明において、前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとが装置本体に対して一体的に着脱されるように連結する連結手段と、前記第1カバー部の開放に連動して、前記連結手段による前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとの連結を解除する連結解除手段とを備えていることを特徴としている。
【0025】
このような構成によると、第1カバー部の開放に連動して、連結手段による像担持体カートリッジと現像カートリッジとの連結が解除される。そのため、第1カバー部を開放した後、第1把持部を把持して、像担持体カートリッジを装置本体に残したまま、現像カートリッジを装置本体から離脱させることができる。一方、第1カバー部と第2カバー部とが連動して開放されるときには、連結手段による像担持体カートリッジと現像カートリッジとの連結が解除されないので、第2把持部を把持する場合はもちろん、第2把持部ではなく、第1把持部を把持しても、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを装置本体から離脱させることができる。そのため、現像カートリッジのみを交換すべきときには、装置本体から現像カートリッジを単独で離脱させることができながら、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの両方を交換すべきときには、現像カートリッジの離脱に伴って、像担持体カートリッジを装置本体から離脱させることができる。
【0026】
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記連結手段は、前記現像カートリッジに形成された突起と、前記像担持体カートリッジに設けられ、常には前記突起に係止される連結アームとを備え、前記第1カバー部は、回動軸を支点として開閉可能に設けられており、前記回動軸に対する一方側に、前記回動軸を支点とする開閉に伴って、前記第1把持手段を露出させる状態と被覆する状態とに移動する開閉部を備え、前記連結解除手段は、前記第1カバー部の前記回動軸に対する他方側に設けられ、前記第1カバー部の開放に伴って、前記連結アームを操作して、前記連結アームの前記突起に対する係止を解除する操作突起を備えていることを特徴としている。
【0027】
このような構成によると、連結アームが突起に係止されることによって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとが連結される。そして、第1カバー部が開放されると、操作突起によって連結アームが操作されて、連結アームの突起に対する係止が解除され、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの連結が解除される。そのため、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結および連結解除を達成することができる。
【0028】
また、請求項14に記載の発明は、請求項2ないし13のいずれかに記載の発明において、前記検知手段は、前記現像カートリッジにおける現像剤のエンプティ状態を検知するものであることを特徴としている。
このような構成によると、現像カートリッジにおける現像剤のエンプティ状態が生じたときに、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが交換されることを確実に防止することができる。
【0029】
また、請求項15に記載の発明は、像担持体を有する像担持体カートリッジと、前記像担持体に現像剤を供給するための現像カートリッジとを備え、装置本体に対して、前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジの一体的な着脱と、前記像担持体カートリッジが装置本体に装着された状態における前記現像カートリッジの単独での着脱とを選択的に行うことのできる画像形成装置において、前記像担持体カートリッジが装置本体に装着された状態で、前記現像カートリッジの着脱のみを許容するカバー部材を備えていることを特徴としている。
【0030】
このような構成によると、ユーザが、現像カートリッジのみの交換を行いたい場合は、カバー部材を操作することにより、像担持体カートリッジを装置本体に残したまま、現像カートリッジを単独で着脱することができる。よって、ユーザが誤って、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを交換することを低減することができる。
また、請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の発明において、前記カバー部材は、前記現像カートリッジの着脱のみを許容する第1カバー部と、前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジの一体的な着脱を許容する第2カバー部とを備えることを特徴としている。
【0031】
このような構成によると、第1カバー部と第2カバー部とを備える簡素な構成によって、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが離脱されることを確実に防止することができる。
また、請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記現像カートリッジは、該現像カートリッジを装置本体から取り出すときに把持される第1把持部を備え、前記像担持体カートリッジは、前記現像カートリッジを支持可能に構成されるとともに、該像担持体カートリッジを装置本体から取り出すときに把持される第2把持部を備え、前記第1カバー部は、前記第1把持部のみを露出させるように開放され、前記第2カバー部は、前記第1カバー部が開放された状態で、前記第2把持部をさらに露出させるように開放されることを特徴としている。
【0032】
このような構成によると、第1カバー部が開放されることによって、現像カートリッジに備えられた第1把持部が露出し、さらに第2カバー部が開放されることによって、像担持体カートリッジに備えられた第2把持部が露出する。そのため、第1カバー部と第2カバー部とを備える簡素な構成によって、現像カートリッジを単独で装置本体から離脱させる必要があるときには、確実に第1把持部のみを露出させて、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが離脱されることをより確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0033】
請求項1に記載の発明によれば、現像カートリッジのみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを交換することを防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、現像カートリッジのみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを交換することを確実に防止することができる。
【0034】
請求項3に記載の発明によれば、係止部と被係止部とを備える簡素な構成によって、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結および連結解除を達成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結および連結解除を達成することができる。そのうえ、現像カートリッジのコストの低減を図ることができる。
【0035】
請求項5に記載の発明によれば、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結および連結解除を達成することができる。
請求項6に記載の発明によれば、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結およびその解除を達成することができる。
請求項7に記載の発明によれば、像担持体カートリッジと現像カートリッジとが連結された状態では、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを確実に離脱させることができる。
【0036】
請求項8に記載の発明によれば、像担持体カートリッジおよび現像カートリッジのコストを低減することができる。
請求項9に記載の発明によれば、現像カートリッジのみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを交換することを確実に防止することができる。
【0037】
請求項10に記載の発明によれば、第1カバー部と第2カバー部とを備える簡素な構成によって、現像カートリッジを単独で装置本体から離脱させる必要があるときには、確実に第1把持部のみを露出させて、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが離脱されることを確実に防止することができる。
請求項11に記載の発明によれば、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが離脱されることをより確実に防止することができる。
【0038】
請求項12に記載の発明によれば、現像カートリッジのみを交換すべきときには、装置本体から現像カートリッジを単独で離脱させることができながら、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの両方を交換すべきときには、現像カートリッジの離脱に伴って、像担持体カートリッジを装置本体から離脱させることができる。
請求項13に記載の発明によれば、像担持体カートリッジと現像カートリッジとの確実な連結およびその解除を達成することができる。
【0039】
請求項14に記載の発明によれば、現像カートリッジにおける現像剤のエンプティ状態が生じたときに、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが交換されることを確実に防止することができる。
請求項15に記載の発明によれば、ユーザが誤って、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジを交換することを低減することができる。
【0040】
請求項16に記載の発明によれば、第1カバー部と第2カバー部とを備える簡素な構成によって、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが離脱されることを確実に防止することができる。
請求項17に記載の発明によれば、第1カバー部と第2カバー部とを備える簡素な構成によって、現像カートリッジを単独で装置本体から離脱させる必要があるときには、確実に第1把持部のみを露出させて、現像カートリッジと一緒に像担持体カートリッジが離脱されることをより確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図1および図2は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す図解的な断面図である。このレーザプリンタ1は、装置本体としての本体ケーシング2内に、用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
本体ケーシング2において、一方側の側壁には、後述するプロセスカートリッジ15を着脱するための着脱開口部6が形成されており、その着脱開口部6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。
【0042】
このフロントカバー7は、その下端部に挿通されたカバー軸8に回動自在に支持されている。フロントカバー7をカバー軸8を中心として閉じると、そのフロントカバー7によって着脱開口部6が閉鎖される。また、フロントカバー7をカバー軸8を支点として開くと、着脱開口部6が開放され、この開放された着脱開口部6から、プロセスカートリッジ15を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0043】
なお、以下では、このレーザプリンタ1およびプロセスカートリッジ15において、フロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。
フロントカバー7の内面(フロントカバー7の閉鎖状態での後面)には、押圧部材61が配置されている。この押圧部材61は、フロントカバー7に固定される固定部62と、固定部62に対して接離可能に係合された押圧部63と、固定部62と押圧部63との間に圧縮状態で介装されたコイルばね64とを備えている。フロントカバー7を閉鎖した状態では、押圧部63が後述する現像カートリッジ22の筐体33の前面に当接し、コイルばね64の付勢力によって、その筐体33が後述するドラムカートリッジ21に向けて押圧される。
【0044】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、用紙3を積層状にスタック可能な給紙トレイ9と、給紙トレイ9の前端部の上方に設けられる給紙ローラ10および給紙パッド11と、給紙ローラ10の前側下方において対向配置される紙粉取りローラ12と、給紙ローラ10の後方に設けられるレジストローラ13とを備えている。
給紙パッド11は、給紙ローラ10に対して下方から対向して接触しており、その裏側(下側)に設けられた図示しないばねによって、給紙ローラ10に向かって押圧されている。
【0045】
給紙トレイ9内の最上位にある用紙3は、給紙ローラ10に押圧され、その給紙ローラ10の回転によって、給紙ローラ10と給紙パッド11とで挟まれたときに、確実に1枚ごとに捌かれて給紙される。その後、給紙された用紙3は、紙粉取りローラ12によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ13に搬送される。
レジストローラ13は、互いに対向する1対のローラから構成され、用紙3を、レジスト後に、画像形成部5の転写位置(後述する感光ドラム24と転写ローラ26との間のニップ位置であって、感光ドラム24上のトナー像を用紙3に転写する位置)に向けて搬送する。
【0046】
画像形成部5は、スキャナ部14、プロセスカートリッジ15および定着部16を備えている。
スキャナ部14は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー17および反射鏡18,19,20などを備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、ポリゴンミラー17で偏向された後、反射鏡18,19によって光路が折り返され、さらに反射鏡20によって光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ15の後述する感光ドラム24の表面上に高速走査にて照射される。
【0047】
プロセスカートリッジ15は、スキャナ部14の下方において、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着されている。このプロセスカートリッジ15は、像担持体カートリッジとしてのドラムカートリッジ21と、ドラムカートリッジ21に対して着脱可能に装着される現像カートリッジ22とを備えている。
ドラムカートリッジ21は、それぞれ前後方向に延び、その前後方向に直交する方向(以下、単に「幅方向」という。)において互いに対向配置された1対の側板23を備えている。そして、1対の側板23間において、前側には、現像カートリッジ22が装着され、その後側には、図1に示すように、像担持体としての感光ドラム24、スコロトロン型帯電器25、転写ローラ26およびクリーニングブラシ27を備えている。
【0048】
感光ドラム24は、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成される円筒形状のドラム本体28と、このドラム本体28の軸心において、ドラム本体28の長手方向に沿って延びる金属製のドラム軸29とを備えている。ドラム軸29がドラムカートリッジ21の両側板23に回転不能に支持され、このドラム軸29に対してドラム本体28が回転可能に支持されることにより、感光ドラム24は、両側板23間において、ドラム軸29を中心に回転可能に設けられている。
【0049】
スコロトロン型帯電器25は、感光ドラム24の後側斜め上方において、感光ドラム24と接触しないように、間隔を隔てて対向配置されている。このスコロトロン型帯電器25は、タングステンなどの帯電用ワイヤ30からコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム24の表面を一様に正極性に帯電させることができるように設けられている。
【0050】
転写ローラ26は、ドラムカートリッジ21の両側板23に回転自在に支持されており、感光ドラム24と上下方向において下側から対向して接触し、感光ドラム24との間にニップを形成するように配置されている。この転写ローラ26は、金属製のローラ軸31を、導電性のゴム材料からなるローラ32で被覆することにより構成されている。転写ローラ26には、転写時に転写バイアスが印加される。
【0051】
クリーニングブラシ27は、感光ドラム24の後方において、ブラシの先端が感光ドラム24のドラム本体28の表面に接触する状態で配置されている。
現像カートリッジ22は、後側が開口されたボックス状をなす筐体33と、この筐体33内に設けられる、供給ローラ34、現像ローラ35および層厚規制ブレード36とを備えている。
【0052】
筐体33の前面には、下方が開放される略コ字状の把持部65が設けられている。また、筐体33内には、その上面から下方に向かって突出する仕切板37が幅方向に延びて設けられており、その仕切板37よりも前方の内部空間がトナー収容室38とされ、仕切板37よりも後方の内部空間が現像室39とされている。
トナー収容室38内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが収容されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが使用されている。このような重合トナーは、球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
【0053】
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
トナー収容室38内には、このトナー収容室38内のトナーを撹拌するためのアジテータ40が設けられている。アジテータ40は、トナー収容室38の中心部において、幅方向に延びるアジテータ回転軸41に支持されており、このアジテータ回転軸41を支点として、アジテータ40が回転されることによって、トナー収容室38内のトナーは、撹拌され、仕切板37の下方のトナー放出口42から現像室39に向けて放出される。
【0054】
また、このトナー収容室38には、トナー収容室38内のトナーの量が所定量より少なくなったことを検知するための検知窓43が設けられており、この検知窓43の外側には、離脱防止手段である検知手段としてのトナーエンプティセンサ44が設けられている。トナー収容室38内のトナーが所定量より少ないエンプティ状態になると、トナーエンプティセンサ44から後述するCPU79に向けてトナーエンプティ信号が出力される。また、このトナーエンプティ信号は、新品の現像カートリッジ22に交換されたときに解除される。
【0055】
供給ローラ34は、現像室39内において、前側下方に配置され、筐体33の幅方向に対向する両側板間に回転自在に支持されている。この供給ローラ34は、幅方向に延びる、金属製の供給ローラ軸45と、その供給ローラ軸45の周りを被覆する、導電性の発泡材料からなるスポンジローラ46とを備えている。
現像ローラ35は、現像室39内において、後側下方に配置され、筐体33の幅方向に対向する両側板間に回転自在に支持されている。また、現像ローラ35は、その表面の一部が筐体33から後方に突出して露出するように配置されている。そして、現像カートリッジ22がドラムカートリッジ21に装着され、フロントカバー7が閉鎖された状態で、押圧部材61が筐体33をドラムカートリッジ21に向けて押圧することにより、現像ローラ35は、その筐体33から露出した部分において、感光ドラム24に対してその前側から押圧される。
【0056】
また、この現像ローラ35は、金属製の現像ローラ軸47と、その現像ローラ軸47の周りを被覆する、導電性のゴム材料からなるゴムローラ48とを備えている。ゴムローラ48は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなり、その表面が、フッ素含有ウレタンゴムまたはシリコーンゴムにより被覆されている。このゴムローラ48は、供給ローラ34のスポンジローラ46と互いに圧縮されるように接触している。
【0057】
層厚規制ブレード36は、金属の板ばね材からなり、その先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧ゴム部材49を備えている。そして、層厚規制ブレード36は、現像ローラ35の上方において筐体33に支持されて、その下端部が、現像ローラ35のゴムローラ48に対して前側から対向し、押圧ゴム部材49が、層厚規制ブレード36の弾性力によってゴムローラ48に圧接される。
【0058】
そして、アジテータ40の回転によってトナー放出口42から現像室39に放出されるトナーは、供給ローラ34の回転によって、現像ローラ35のゴムローラ48上に供給され、このとき、供給ローラ34のスポンジローラ46と現像ローラ35のゴムローラ48との間で正に摩擦帯電される。ゴムローラ48上に供給されたトナーは、現像ローラ35の回転に伴って、層厚規制ブレード36の押圧ゴム部材49とゴムローラ48との間に進入し、一定厚さの薄層となって、ゴムローラ48上に担持される。
【0059】
一方、感光ドラム24の表面は、スコロトロン型帯電器25により一様に正帯電された後、スキャナ部14からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ35の回転により、現像ローラ35のゴムローラ48上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム24に対向して接触する時に、感光ドラム24の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム24の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像によりトナー像が形成される。
【0060】
その後、感光ドラム24と転写ローラ26とが、それらの間で用紙3を挟持して搬送するように回転駆動され、感光ドラム24と転写ローラ26との間を用紙3が搬送されることにより、感光ドラム24の表面に担持されているトナー像が用紙3上に転写される。
なお、転写後に、用紙3との接触によって感光ドラム24の表面に付着した紙粉は、その感光ドラム24の表面が、感光ドラム24の回転に伴って、クリーニングブラシ27と対向した時に、そのクリーニングブラシ27によって除去される。
【0061】
定着部16は、プロセスカートリッジ15の後側に設けられ、幅方向に延びる定着フレーム50と、この定着フレーム50に回転自在に支持され、上下方向に対向配置される加熱ローラ51および押圧ローラ52とを備えている。
加熱ローラ51は、金属素管53と、その金属素管53内に加熱のためのハロゲンランプ54とを備え、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。
【0062】
押圧ローラ52は、加熱ローラ51の下方において、加熱ローラ51を押圧するように対向配置されている。この押圧ローラ52は、金属製のローラ軸55を、ゴム材料からなるローラ56で被覆することにより構成されており、加熱ローラ51の回転駆動に従って従動される。
定着部16では、用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ51と押圧ローラ52との間を通過する間に熱定着させる。トナーが定着した用紙3は、本体ケーシング2の上面に向かって上下方向に延びた排紙パス57に搬送される。排紙パス57に搬送された用紙3は、搬送ローラ58によって、排紙パス57に沿って搬送され、排紙パス57の上端に設けられた排紙ローラ59によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ60上に排紙される。
【0063】
そして、このレーザプリンタ1では、本体ケーシング2に対して現像カートリッジ22をドラムカートリッジ21と一体的に着脱させることができ、また、ドラムカートリッジ21を本体ケーシング2に装着した状態で、現像カートリッジ22を単独で本体ケーシング2に対して着脱させることができるようになっている。
また、このレーザプリンタ1では、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とを連結する連結手段としての連結機構66と、この連結機構66によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結を解除するための離脱防止手段の連結解除手段であるアクチュエータとしての連結解除カム67とを備えている。
【0064】
連結機構66は、ドラムカートリッジ21の両側板23の前端部からそれぞれ幅方向外方に向けて突出した揺動軸68と、各揺動軸68に揺動自在に支持された係止部としての連結アーム69と、現像カートリッジ22の筐体33の前側下方部を幅方向にわたって形成された凹部70とを備えている。この凹部70は、被係止部である突起70a(図2参照)を有している。
【0065】
各連結アーム69は、略V字状に屈曲しており、その屈曲した部分に揺動軸68が挿通されている。また、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結された状態において、各連結アーム69の前端部には、凹部70に係合する係止突起としての係合突起71が幅方向内方に延びるように設けられ、各連結アーム69の後端部には、連結解除カム67の周面が当接される当接部72が設けられている。そして、各連結アーム69は、アーム付勢ばね73によって、常には係合突起71が凹部70に係合する方向(図1および図2における反時計回り方向)に付勢されている。
【0066】
アーム付勢ばね73は、針金を揺動軸68の周面に巻回して形成されている。このアーム付勢ばね73の一端は、ドラムカートリッジ21の側板23に配置された第1ばね係止部74に係止され、その他端は、連結アーム69における係合突起71の近傍に配置された第2ばね係止部75に係止されている。そして、アーム付勢ばね73は、第2ばね係止部75を揺動軸68の上方を通って第1ばね係止部74に近づける方向の付勢力を有しており、この付勢力によって、連結アーム69は、常には係合突起71が凹部70に係合する方向に付勢されている。
【0067】
プロセスカートリッジ15が本体ケーシング2に装着された状態で、各連結アーム69の後側斜め下方には、幅方向に延びる1本の回転軸76が回転自在に配置されており、その回転軸76に、各連結解除カム67が偏心して支持されている。各連結解除カム67は、回転軸76から遠い側の端部が先細りとなる側面視略卵形状に形成されており、回転軸76を支点とする回転によって、連結アーム69の当接部72に対する周面の離間および当接が交互に繰り返されるように設けられている。
【0068】
また、このレーザプリンタ1は、連結解除カム67の回転力を発生する駆動部77と、この駆動部77から回転軸76への回転力の伝達および遮断を切り替えるためのクラッチ78と、クラッチ78を制御するためのCPU79と、このCPU79に接続されたROM80およびRAM81とを備えている。
CPU79には、トナーエンプティセンサ44からのトナーエンプティ信号が入力されるようになっている。
【0069】
ROM80には、CPU79によるクラッチ78の制御に必要なプログラムが格納されている。
また、RAM81は、CPU79がROM80に格納されているプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
そして、CPU79は、そのトナーエンプティセンサ44からのトナーエンプティ信号の入力状態に基づいて、クラッチ78を制御し、連結解除カム67への回転力の伝達および遮断を制御する。
【0070】
トナーエンプティセンサ44からCPU79へのトナーエンプティ信号の入力がないときには、各連結解除カム67は、その周面が連結アーム69の当接部72から離間する回転位置、または、当接部72に対して押圧せずに接触するような回転位置で停止している。そのため、アーム付勢ばね73の付勢力によって、連結アーム69の係合突起71が凹部70に係合し、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結されている。
【0071】
そして、トナー収容室38内のトナーの量が所定量より少なくなって、トナーエンプティセンサ44からCPU79にトナーエンプティ信号が入力されると、CPU79によってクラッチ78が制御されて、駆動部77からの回転力が回転軸76に伝達され、連結解除カム67が図1における反時計回りに回転される。この連結解除カム67の回転の途中で、連結解除カム67の周面が、連結アーム69の当接部72に当接し、その当接部72を上方へ押し上げる。これにより、連結アーム69が揺動軸68を支点として傾動し、連結アーム69の係合突起71が下方に移動して、図2に示すように、係合突起71が凹部70から離脱し、連結アーム69によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除される。そして、係合突起71が凹部70から離脱する回転位置まで連結解除カム67が回転されると、CPU79によってクラッチ78が制御されて、駆動部77から回転軸76への回転力の伝達が遮断される。これにより、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除された状態が維持される。そのため、ユーザが把持部65を把持してプロセスカートリッジ15を引き出そうとすれば、ドラムカートリッジ21を本体ケーシング2内に残したまま、現像カートリッジ22を単独で本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0072】
現像カートリッジ22が単独で本体ケーシング2内から離脱されて、新品の現像カートリッジ22が本体ケーシング2内に装着されると、トナーエンプティセンサ44からCPU79へのトナーエンプティ信号が入力がなくなる。すると、CPU79によってクラッチ78が制御されて、駆動部77からの回転力が回転軸76に伝達され、連結解除カム67が図2における反時計回りに回転される。そして、連結解除カム67の回転が進み、連結解除カム67の周面が連結アーム69の当接部72から離間すると、アーム付勢ばね73の付勢力によって、連結アーム69の係合突起71が凹部70に係合し、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結される。その後、CPU79によってクラッチ78が制御されて、駆動部77から回転軸76への回転力の伝達が遮断され、連結解除カム67は、その周面が連結アーム69の当接部72から離間する回転位置、または、当接部72に対して押圧せずに接触するような回転位置で停止する。これにより、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結状態が維持される。そのため、ユーザが把持部65を把持してプロセスカートリッジ15を引き出そうとすれば、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とを一体的に本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0073】
以上のように、このレーザプリンタ1では、トナー収容室38内のトナーの量が所定量より少ないエンプティ状態になると、連結機構66によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除される。そのため、ドラムカートリッジ21を本体ケーシング2内に残したまま、現像カートリッジ22を単独で本体ケーシング2から離脱させることができる。その結果、現像カートリッジ22のみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21を交換することを確実に防止することができる。
また、連結機構66を連結アーム69と凹部70とを備える簡素な構成とすることができながら、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との確実な連結および連結解除を達成することができる。
【0074】
さらに、連結解除カム67が連結アーム69を傾動させて、現像カートリッジ22の凹部70に連結アーム69の係合突起71が係合することによって、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結される。また、連結解除カム67が連結アーム69を傾動させて、凹部70から係合突起71が離脱することによって、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除される。そのため、連結アーム69の揺動によって、その連結アーム69に設けられた係合突起71を凹部70に対して確実に係止および離脱させることができ、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との確実な連結および連結解除を達成することができる。
【0075】
しかも、ドラムカートリッジ21の両側板23に連結アーム69が設けられ、現像カートリッジ22に連結アーム69よりも簡素な構成の凹部70が形成されているので、ドラムカートリッジ21よりも交換頻度が高い現像カートリッジ22のコストの低減を図ることができる。
また、連結機構66によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結を解除するための連結解除カム67は、本体ケーシング2に設けられ、ドラムカートリッジ21および現像カートリッジ22に設けられていない。そのため、ドラムカートリッジ21および現像カートリッジ22のコストをより低減することができる。
【0076】
さらにまた、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結された状態において、現像カートリッジ22に離脱方向の力が加えられると、現像カートリッジ22の筐体33の前面が連結アーム69の係合突起71に当接し、その係合突起71が前方に向けて押圧されることによって、現像カートリッジ22に加えられた離脱方向の力がドラムカートリッジ21に伝達される。そのため、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結された状態では、現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21を確実に本体ケーシング2から離脱させることができる。
【0077】
図3および図4は、連結機構66の他の実施形態を示す図解的な側面図である。なお、上記した各部に対応する部分については、図3および図4において同一の参照符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図3および図4に示す連結機構66は、ドラムカートリッジ21の両側板23の前端部からそれぞれ幅方向外方に向けて突出した揺動軸82と、各揺動軸82に揺動自在に支持された連結アーム83と、現像カートリッジ22の筐体33の幅方向両端部における前側下方部に形成された凹部84とを備えている。この凹部84の下端が、被係止部である突起84aをなしている。
【0078】
各連結アーム83は、略V字状に屈曲しており、その屈曲した部分に揺動軸82が挿通されている。また、各連結アーム69は、その一端部85が鉤状に形成されており、この鉤状の一端部85が、係合突起として、凹部84に対して係合および離脱するように設けられている。また、各連結アーム83は、図示しないアーム付勢ばねによって、常には一端部85が凹部84に係合する方向(図3および図4における反時計回り方向)に付勢されている。
【0079】
連結解除カム67は、プロセスカートリッジ15が本体ケーシング2に装着されたときに、各連結アーム69の前側斜め下方に位置し、回転軸76を支点とする回転によって、プロセスカートリッジ15が引き抜かれる途中で、その周面が連結アーム83を揺動させるように設けられている。すなわち、連結解除カム67を図3における反時計回りに回転させて、その先端が上方を向いた状態で停止させる。その状態で、ユーザが把持部65を把持してプロセスカートリッジ15を引き抜くと、その途中で、連結解除カム67の周面が連結アーム83の他端部に対して前側から当接し、連結アーム83の他端部を後方へ押圧することによって、連結アーム83が図3における時計回りに傾動する。その結果、図4に示すように、連結アーム83の一端部85が凹部84から離脱し、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除される。この結果、プロセスカートリッジ15を引き抜く途中で、ドラムカートリッジ21を残して、現像カートリッジ22のみを離脱することができる。
【0080】
このような構成においても、連結解除カム67の回転位置を制御することによって、プロセスカートリッジ15の引き抜き途中で、連結アーム83の一端部85の凹部84への係合を維持させて、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結された状態を維持したり、連結アーム83の一端部85を凹部84から離脱させて、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除された状態を維持したりすることができる。そのため、図1および図2に示す構成と同様な効果を奏することができる。
【0081】
図5および図6は、レーザプリンタ1の他の実施形態を示す図解的な断面図である。なお、上記した各部に対応する部分については、図5および図6において同一の参照符号を付し、以下ではその説明を省略する。
この図5および図6に示すレーザプリンタ1において、カバー部材としてのフロントカバー7は、第1カバー部86と、着脱開口部6を閉鎖する状態で、第1カバー部86の下方に配置される第2カバー部87と、第1カバー部86と第2カバー部87とを連結するためのアクチュエータとしての連結部材90と、この連結部材90に結合されたカバー連動解除手段としてのソレノイド97とを備えている。
【0082】
第1カバー部86は、着脱開口部6を閉鎖する状態で、第2カバー部87の上端部において幅方向に延びる第1カバー軸88が下端部に挿通されて、その第1カバー軸88に回動自在に支持されている。この第1カバー部86は、第1カバー軸88に対する一方側に、着脱開口部6を開閉する開閉部121を備え、他方側に、後述する連結アーム95を操作する操作突起としての操作部122を備えている。また、第1カバー部86(操作部122)の下端面には、第1カバー部86と第2カバー部87との連結時に連結部材90が係合される凹部91が形成されている。この第1カバー部86のみを開放することによって、着脱開口部6から現像カートリッジ22の第1把持部としての把持部65を露出させることができる。
【0083】
第2カバー部87は、着脱開口部6の下端縁に沿って幅方向に延びる第2カバー軸89に回動自在に支持されている。この第2カバー軸89を支点として、第1カバー部86および第2カバー部87を開放することによって、着脱開口部6から、現像カートリッジ22の把持部65とともに、後述するドラム把持部93を露出させることができる。
連結部材90は、側面視クランク形状に形成されており、第2カバー部87に取り付けられている。この連結部材90は、ソレノイド97によって、第1カバー部86に向けて突出し、その先端が第1カバー部86の凹部91に係合する位置と、第2カバー部87側に退避し、その先端が第1カバー部86の凹部91から離脱する位置とに進退可能に設けられている。連結部材90の先端が凹部91に係合した状態で、第1カバー部86と第2カバー部87とを連動して一体的に開閉させることができ、連結部材90の先端が凹部91から離脱した状態で、第2カバー部87を閉鎖したまま、第1カバー部86を単独で開閉させることができる。
【0084】
また、このレーザプリンタ1は、ドラムカートリッジ21の前面下端縁から前方に延び、幅方向にわたって形成された延設部92と、この延設部92の前端縁から下方に延びる第2把持部としてのドラム把持部93と、延設部92の幅方向両端面からそれぞれ幅方向外方に突出した揺動軸94と、各揺動軸94に揺動自在に支持された連結手段としての連結アーム95と、現像カートリッジ22の筐体33の幅方向両端部からそれぞれ前方に延びる両端延設部123と、この両端延設部123の下端部に形成された凹部96とを備えている。この凹部96の右端が、連結手段である突起96aをなしている。
【0085】
各連結アーム95は、側面視略L字状に形成されており、前後方向に延びる揺動部124と、その揺動部124の後端部から上方に延びる係合部125とを一体的に備えている。
そして、揺動部124の前後方向中央部に揺動軸94が挿通されており、各連結アーム95は、この揺動軸94を支点とする揺動によって、係合部125が現像カートリッジ22の凹部96に対して係合および離脱するように設けられている。また、各連結アーム95は、図示しないアーム付勢ばねによって、常には係合部125が凹部96に係合する方向(図5および図6における時計回り方向)に付勢されている。
【0086】
また、このレーザプリンタ1において、CPU79は、トナーエンプティセンサ44からのトナーエンプティ信号の入力状態に基づいて、ソレノイド97を制御し、連結部材90を進退させて、連結部材90の凹部91に対する係合および離脱を制御する。
トナーエンプティセンサ44からCPU79へのトナーエンプティ信号の入力がないときには、ソレノイド97は非作動状態であり、連結部材90の先端が第1カバー部86の凹部91に係合し、第1カバー部86と第2カバー部87とを連動して開閉させることができる。また、このとき、連結アーム95の係合部125が現像カートリッジ22の凹部96に係合し、連結アーム95によって、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結されている。
【0087】
そして、トナー収容室38内のトナーの量が所定量より少なくなって、トナーエンプティセンサ44からCPU79にトナーエンプティ信号が入力されると、CPU79によってソレノイド97が作動されて、連結部材90の先端が第1カバー部86の凹部91から離脱される。これにより、第1カバー部86と第2カバー部87との連動が解除されて、第2カバー部87を閉鎖した状態で、第1カバー部86を開閉させることができる。そして、第1カバー部86が開放されると、その第1カバー部86の開放の途中で、第1カバー部86の操作部122が、連結アーム95の前端部に下方から当接し、この連結アーム95の前端部を上方に持ち上げる。その結果、図6に示すように、連結アーム95が揺動軸94を支点として反時計回りに傾動し、連結アーム95の係合部125が現像カートリッジ22の凹部96から離脱して、連結アーム95によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除される。
【0088】
このように、トナー収容室38内のトナーの量が所定量より少ないエンプティ状態になると、第1カバー部86と第2カバー部87との連動が解除される。そのため、ユーザが把持部65を把持してプロセスカートリッジ15を引き出そうとすれば、第1カバー部86のみを開放させて、着脱開口部6から、ドラムカートリッジ21のドラム把持部93が露出されない状態で、現像カートリッジ22の把持部65を露出させることができる。そのため、ドラムカートリッジ21を本体ケーシング2内に残したまま、現像カートリッジ22を単独で本体ケーシング2から離脱させることができる。その結果、現像カートリッジ22のみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21を交換することを確実に防止することができる。
【0089】
また、第1カバー部86と第2カバー部87とを備える簡素な構成によって、現像カートリッジ22を単独で本体ケーシング2から離脱させる必要があるときには、確実に現像カートリッジ22の把持部65のみを露出させて、現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21が離脱されることを確実に防止することができる。
さらに、現像カートリッジ22を単独で本体ケーシング2から離脱させる必要があるときには、連結部材90の先端部が凹部91から離脱されて、第1カバー部86と第2カバー部87との連動が解除されるので、第1カバー部86のみを開放させて、現像カートリッジ22の把持部65のみを露出させることができる。そのため、現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21が離脱されることをより確実に防止することができる。
【0090】
そのうえ、第1カバー部86の開放に連動して、連結アーム95によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除される。そのため、第1カバー部86を開放した後、現像カートリッジ22の把持部65を把持して、ドラムカートリッジを本体ケーシング2内に残したまま、現像カートリッジ22を本体ケーシング2から離脱させることができる。一方、第1カバー部86と第2カバー部87とが連動して開放されるときには、連結アーム95によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除されないので、ユーザは、現像カートリッジ22の把持部65を把持して、現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21を本体ケーシング2から離脱させることもできる一方で、露出されたドラム把持部93を把持して、現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21を本体ケーシング2から離脱させることもできる。そのため、現像カートリッジ22のみを交換すべきときには、本体ケーシング2から現像カートリッジ22を単独で離脱させることができながら、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との両方を交換すべきときには、現像カートリッジ22の離脱に伴って、ドラムカートリッジ21を装置本体から離脱させることができる。
【0091】
さらに、連結アーム95の係合部125が現像カートリッジ22の凹部96に係合されることによって、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結される。そして、第1カバー部86が開放されると、第1カバー部86の操作部122によって、連結アーム95が操作されて、連結アーム95の係合部125の凹部96に係合が解除され、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除される。そのため、ドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との確実な連結および連結解除を達成することができる。
【0092】
図7および図8は、レーザプリンタ1の他の実施形態を示す図解的な断面図である。なお、上記した各部に対応する部分については、図7および図8において同一の参照符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図7および図8に示す連結機構66は、現像カートリッジ22の筐体33の幅方向両端部における前側下方部からそれぞれ幅方向外方に向けて突出した揺動軸99と、各揺動軸99に揺動自在に支持された連結アーム100と、ドラムカートリッジ21の両側板23の前端縁から略L字状に切り込むことによって形成された係合溝部101とを備えている。この係合溝部101の右端が、被係止部である突起101aをなしている。
【0093】
各係合溝部101は、側板23の前端縁から後方に延びる導入部126と、この導入部126の後端部から上方に延びる嵌合部127とを備えている。
各連結アーム100は、前後方向に延びている。各連結アーム100の前後方向中間部は、その長手方向と直交する方向に円弧状に膨出しており、この前後方向中間部に揺動軸99が挿通されている。また、各連結アーム100の前後方向中間部の上端には、2つのV字溝104が形成されている。さらに、各連結アーム100の後端部には、係合溝部101に係合する係止突起としての係合突起102が、それぞれ幅方向外方へ延びるように設けられ、各連結アーム100の後端部には、プロセスカートリッジ15が本体ケーシング2に装着された状態で、後述するアクチュエータ98の操作溝部107に嵌合する嵌合ボス103が、それぞれ幅方向外方へ延びるように設けられている。
【0094】
また、各連結アーム100の上方には、クリックばね105が配置されている。各クリックばね105は、ねじによって、その一端部が現像カートリッジ22の筐体33の両側面にそれぞれ固定されている。また、クリックばね105の他端部106は、略V字状に折り曲げられており、その他端部106が2つのV字溝104に選択的に嵌合することによって、各連結アーム100を、係合突起102が係合溝部101の嵌合部127の上端部に嵌合する位置(図7に示す位置)と、係合突起102が係合溝部101の導入部126の後端部に配置される位置(図8に示す位置)とに保持することができる。
【0095】
また、このレーザプリンタ1は、各連結アーム100を揺動軸99を支点として揺動させるためのアクチュエータ98を備えている。このアクチュエータ98は、プロセスカートリッジ15が本体ケーシング2に装着された状態で、連結アーム100の嵌合ボス103に対して幅方向外側から対向配置されている。さらに、アクチュエータ98には、プロセスカートリッジ15が本体ケーシング2に装着された状態で、嵌合ボス103の先端部が嵌合される操作溝部107が前後方向にわたって形成されている。そして、アクチュエータ98は、上下方向に往復動可能に設けられており、操作溝部107に嵌合ボス103の先端部が嵌合した状態で、このアクチュエータ98を最下位置に下降させると、連結アーム100が図8における時計回りに傾動して、図7に示すように、連結アーム100の係合突起102が係合溝部101の嵌合部127の上端部に配置される。一方、アクチュエータ98を最上位置に上昇させると、連結アーム100が図7における反時計回りに傾動して、図8に示すように、連結アーム100の係合突起102を導入部126の後端部に配置される。この状態で、現像カートリッジ22を前側に引き出すと、係合突起102が導入部126を通って係合溝部101から離脱するとともに、嵌合ボス103が操作溝部107から離脱する。したがって、ドラムカートリッジを本体ケーシング2内に残したまま、現像カートリッジ22を本体ケーシング2から離脱させることができる。
【0096】
このレーザプリンタ1においても、トナー収容室38内のトナーの量が所定量以上のときには、アクチュエータ98を最上位置に上昇させておくことにより、連結アーム100(連結機構66)によってドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結された状態を維持することができ、現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジを本体ケーシング2から離脱させることができる。そして、トナー収容室38内のトナーの量が所定量より少ないエンプティ状態になると、アクチュエータ98を最下位置に下降させて、連結アーム100によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結を解除することができる。そのため、ドラムカートリッジ21を本体ケーシング2内に残したまま、現像カートリッジ22を単独で本体ケーシング2から離脱させることができる。その結果、現像カートリッジ22のみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21を交換することを確実に防止することができる。
【0097】
図9および図10は、レーザプリンタ1の他の実施形態を示す図解的な断面図である。なお、上記した各部に対応する部分については、図9および図10において同一の参照符号を付し、以下ではその説明を省略する。
この図9および図10に示すレーザプリンタ1において、フロントカバー7は、第1カバー部108と、着脱開口部6を閉鎖する状態で、第1カバー部108の下方に配置される第2カバー部109と備えている。
【0098】
第1カバー部108は、着脱開口部6を閉鎖する状態で、第2カバー部109の上端部において幅方向に延びる第1カバー軸110が下端部に挿通されて、その第1カバー軸110に回動自在に支持されている。この第1カバー部108は、第1カバー軸110に対する一方側に、着脱開口部6を開閉する開閉部128を備え、他方側に、連結アーム95を操作する側面視略三角形状の操作部111を備えている。この第1カバー部108を第1カバー軸110を支点として開放することによって、着脱開口部6から、現像カートリッジ22の把持部65を露出させることができる。
【0099】
第2カバー部109は、第1カバー部108の操作部111を結合させることができるように構成されている。
また、このレーザプリンタ1では、本体ケーシング2の上前端部に、幅方向に延びるアッパカバー軸112に回動自在に支持されたアッパカバー113を備えている。このアッパカバー113は、その前端部に第1カバー部108の上端部を結合させることができるように構成されている。そして、アッパカバー113の前端部に第1カバー部108の上端部を結合させ、第1カバー部108の操作部111を第2カバー部109に結合させた状態で、アッパカバー軸112を支点として、アッパカバー113、第1カバー部108および第2カバー部109を回動させることにより、図10に示すように、これらを一体的に開放させることができる。アッパカバー113、第1カバー部108および第2カバー部109を一体的に開放することによって、着脱開口部6から、現像カートリッジ22の把持部65とともに、ドラムカートリッジ21のドラム把持部93を露出させることができる。
【0100】
このような構成では、トナー収容室38内のトナーの量が所定量以上のときには、図示しない表示部に、アッパカバー113、第1カバー部108および第2カバー部109を一体的に開放する旨の表示を出せば、その表示を見たユーザは、アッパカバー113、第1カバー部108および第2カバー部109を開放させる。このとき、着脱開口部6から、現像カートリッジ22の把持部65およびドラムカートリッジ21のドラム把持部93の両方が露出するので、ドラム把持部93を把持して、ドラムカートリッジ21および現像カートリッジ22を本体ケーシング2から離脱させることができる。また、連結アーム95によってドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22とが連結されているので、現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21を本体ケーシング2から離脱させることができる。
【0101】
そして、トナー収容室38内のトナーの量が所定量より少ないエンプティ状態になると、図示しない表示部に、第1カバー部108を開放する旨の表示を出せば、その表示を見たユーザは、第1カバー部108を開放させる。このとき、着脱開口部6から、現像カートリッジ22の把持部65のみが露出するので、その把持部65を把持して、ドラムカートリッジ21を単独で本体ケーシング2から離脱させることができる。また、第1カバー部108の開放に連動して、操作部111によって連結アーム95が操作されて、連結アーム95によるドラムカートリッジ21と現像カートリッジ22との連結が解除されるので、ドラムカートリッジ21を本体ケーシング2内に残したまま、現像カートリッジ22を確実に単独で本体ケーシング2から離脱させることができる。その結果、現像カートリッジ22のみを新品と交換すべきときに、ユーザが誤って、その現像カートリッジ22と一緒にドラムカートリッジ21を交換することを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す図解的な断面図であり、現像カートリッジと一緒にドラムカートリッジが本体ケーシングから離脱される状態を示す。
【図2】図1に示すレーザプリンタの図解的な断面図であり、ドラムカートリッジを本体ケーシング内に残したまま、現像カートリッジが単独で本体ケーシングから離脱される状態を示す。
【図3】連結機構の他の実施形態(連結アームの一端部が鉤状に形成された態様)を示す図解的な側面図であり、ドラムカートリッジと現像カートリッジとが連結された状態を示す。
【図4】図3に示す連結機構およびプロセスカートリッジの図解的な側面図であり、ドラムカートリッジと現像カートリッジとの連結が解除された状態を示す。
【図5】レーザプリンタの他の実施形態(第1カバー部の開放に伴って、ドラムカートリッジと現像カートリッジとの連結が解除される態様)を示す図解的な断面図であり、現像カートリッジと一緒にドラムカートリッジが本体ケーシングから離脱される状態を示す。
【図6】図5に示すレーザプリンタの図解的な断面図であり、ドラムカートリッジを本体ケーシング内に残したまま、現像カートリッジが単独で本体ケーシングから離脱される状態を示す。
【図7】レーザプリンタの他の実施形態(連結アームが現像カートリッジに備えられる態様)を示す図解的な断面図であり、現像カートリッジと一緒にドラムカートリッジが本体ケーシングから離脱される状態を示す。
【図8】図7に示すレーザプリンタの図解的な断面図であり、ドラムカートリッジを本体ケーシング内に残したまま、現像カートリッジが単独で本体ケーシングから離脱される状態を示す。
【図9】レーザプリンタの他の実施形態(第1カバー部の開放に伴って、現像カートリッジの把持部が露出するとともに、ドラムカートリッジと現像カートリッジとの連結が解除され、第1カバー部、第2カバー部およびアッパカバーの開放によって、現像カートリッジの把持部とともに、ドラムカートリッジのドラム把持部が露出する態様)を示す図解的な断面図であり、現像カートリッジと一緒にドラムカートリッジが本体ケーシングから離脱される状態を示す。
【図10】図9に示すレーザプリンタの図解的な断面図であり、ドラムカートリッジを本体ケーシング内に残したまま、現像カートリッジが単独で本体ケーシングから離脱される状態を示す。
【符号の説明】
【0103】
1 レーザプリンタ
2 本体ケーシング
7 フロントカバー
21 ドラムカートリッジ
22 現像カートリッジ
24 感光ドラム
44 トナーエンプティセンサ
65 把持部
66 連結機構
67 連結解除カム
68 揺動軸
69 連結アーム
70a 突起
71 係合突起
82 揺動軸
83 連結アーム
84a 突起
86 第1カバー部
87 第2カバー部
90 連結部材
91 凹部
93 ドラム把持部
94 揺動軸
95 連結アーム
96a 突起
97 ソレノイド
98 アクチュエータ
99 揺動軸
100 連結アーム
101a 突起
102 係合突起
121 開閉部
122 操作部
125 係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体を有する像担持体カートリッジと、前記像担持体に現像剤を供給するための現像カートリッジとを備え、装置本体に対して、前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジの一体的な着脱と、前記像担持体カートリッジが装置本体に装着された状態における前記現像カートリッジの単独での着脱とを選択的に行うことのできる画像形成装置において、
装置本体から前記現像カートリッジが単独で離脱される状態を検知し、その検知結果に基づいて、装置本体からの前記像担持体カートリッジの離脱を防止するための離脱防止手段を備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとを装置本体に対して一体的に着脱されるように連結する連結手段を備え、
前記離脱防止手段は、
装置本体からの前記像担持体カートリッジの離脱の必要がなく、前記現像カートリッジの離脱が必要な現像離脱必要状態を検知する検知手段と、
前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたことに基づいて、前記連結手段による前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとの連結を解除する連結解除手段とを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記連結手段は、
前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジのいずれか一方に設けられた係止部と、
それらの他方に設けられ、前記係止部が係止される被係止部とを備えていることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記被係止部は、前記現像カートリッジに形成された突起であり、
前記係止部は、前記像担持体カートリッジに設けられ、常には前記突起に係止される連結アームであり、
前記連結解除手段は、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたことに基づいて、前記連結アームの前記突起に対する係止を解除するアクチュエータを備えていることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記被係止部は、前記像担持体カートリッジに形成された突起であり、
前記係止部は、前記現像カートリッジに設けられ、常には前記突起に係止される連結アームであり、
前記連結解除手段は、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたことに基づいて、前記連結アームの前記突起に対する係止を解除するアクチュエータを備えていることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記連結アームは、揺動軸を支点として揺動可能に設けられ、前記揺動軸に対する一方側に前記突起と係止する係止突起を備えており、
前記アクチュエータは、前記連結アームの前記揺動軸に対する他方側を押圧して、前記連結アームを前記揺動軸を支点として回動させることによって、前記係止突起を前記突起から離脱させることを特徴とする、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記連結手段は、前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとを連結した状態で、前記現像カートリッジに対して装置本体から離脱させる方向の力が加えられたときに、その離脱方向の力を前記像担持体カートリッジに伝達することを特徴とする、請求項2ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記連結解除手段は、装置本体に設けられていることを特徴とする、請求項2ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像担持体カートリッジは、前記現像カートリッジを受けるように構成されており、
前記現像カートリッジを装置本体から取り出すときに把持される第1把持部と、
前記像担持体カートリッジを装置本体から取り出すときに把持される第2把持部とを備え、
前記離脱防止手段は、
装置本体からの前記像担持体カートリッジの離脱の必要がなく、前記現像カートリッジの離脱が必要な現像離脱必要状態を検知する検知手段と、
装置本体に設けられ、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたときには、前記第1把持部のみを露出させるような開放が許容されるカバー部材とを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記カバー部材は、
前記第1把持手段のみを露出させるように開放される第1カバー部と、
前記第1カバー部が開放された状態で、前記第2把持部をさらに露出させるように開放される第2カバー部とを備え、
前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたときには、前記第1カバー部のみの開放が許容されることを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1カバー部と前記第2カバー部とを連動して開放させるためのアクチュエータを備え、
前記離脱防止手段は、前記検知手段によって前記現像離脱必要状態が検知されたときに、前記アクチュエータによる前記第1カバー部と前記第2カバー部との連動を解除するカバー連動解除手段を備えていることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとが装置本体に対して一体的に着脱されるように連結する連結手段と、
前記第1カバー部の開放に連動して、前記連結手段による前記像担持体カートリッジと前記現像カートリッジとの連結を解除する連結解除手段とを備えていることを特徴とする、請求項9ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記連結手段は、
前記現像カートリッジに形成された突起と、
前記像担持体カートリッジに設けられ、常には前記突起に係止される連結アームとを備え、
前記第1カバー部は、回動軸を支点として開閉可能に設けられており、前記回動軸に対する一方側に、前記回動軸を支点とする開閉に伴って、前記第1把持手段を露出させる状態と被覆する状態とに移動する開閉部を備え、
前記連結解除手段は、前記第1カバー部の前記回動軸に対する他方側に設けられ、前記第1カバー部の開放に伴って、前記連結アームを操作して、前記連結アームの前記突起に対する係止を解除する操作突起を備えていることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記検知手段は、前記現像カートリッジにおける現像剤のエンプティ状態を検知するものであることを特徴とする、請求項2ないし13のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
像担持体を有する像担持体カートリッジと、前記像担持体に現像剤を供給するための現像カートリッジとを備え、装置本体に対して、前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジの一体的な着脱と、前記像担持体カートリッジが装置本体に装着された状態における前記現像カートリッジの単独での着脱とを選択的に行うことのできる画像形成装置において、
前記像担持体カートリッジが装置本体に装着された状態で、前記現像カートリッジの着脱のみを許容するカバー部材を備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項16】
前記カバー部材は、前記現像カートリッジの着脱のみを許容する第1カバー部と、前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジの一体的な着脱を許容する第2カバー部とを備えることを特徴とする、請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記現像カートリッジは、該現像カートリッジを装置本体から取り出すときに把持される第1把持部を備え、
前記像担持体カートリッジは、前記現像カートリッジを支持可能に構成されるとともに、該像担持体カートリッジを装置本体から取り出すときに把持される第2把持部を備え、
前記第1カバー部は、前記第1把持部のみを露出させるように開放され、
前記第2カバー部は、前記第1カバー部が開放された状態で、前記第2把持部をさらに露出させるように開放されることを特徴とする、請求項16に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−106020(P2006−106020A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288281(P2004−288281)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】