説明

画像形成装置

【課題】定着ローラにおける軸方向上の温度分布の均一化を図る。
【解決手段】ローラ温度センサ76によりローラ温度T1を検出し、ローラ温度T1がT1>T2×α1(ただし、定着ローラ71の設定温度をT2、第1の安全係数をα1(0<α1<1)とする。)の関係を満たす場合に、冷却ファン78,79の駆動を開始させる。冷却ファン78,79の駆動により、定着ローラ71内部の仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに空気が互いに逆方向に流れ、誘導加熱コイル73が冷却される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱方式の定着ローラを備えた画像形成装置に関し、特に、定着ローラの温度分布を均一化するための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置には、トナーを記録紙に定着させるための定着装置が備えられており、近年、誘導加熱方式の定着装置が導入されている。誘導加熱方式の定着装置では、円筒状の定着ローラの内部に誘導加熱コイルが配置されており、誘導加熱コイルに高周波電流を供給して周囲に高周波磁界を発生させる。この磁界により定着ローラに渦電流が生じ、ジュール熱で定着ローラが発熱する。
【0003】
しかし、誘導加熱コイルが過度に発熱するとコイルの絶縁被覆が破損するおそれがあるため、定着ローラの端部に冷却用のファンを設置して、そのファンを回転させることにより定着ローラ内に空気を流通させ、誘導加熱コイルを冷却している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
特に、特許文献1の定着装置では、定着ローラ(加熱ローラ本体1)の両端部に、誘導加熱コイル(誘導コイル2)を冷却するためのファン(コイル冷却用ファン3,4)をそれぞれ設置し、一定時間毎に、各ファンの回転方向を反転させて定着ローラの内部の空気の流通方向を切り替え、定着ローラにおける軸方向上の温度分布の均一化を図っている。
【特許文献1】特開2002−72764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の定着装置では、空気の流通方向が一定の時間間隔で切り替わるが、空気の流通路が共通であるため、どの時間帯においても空気の流通方向が一方向に偏っていた。したがって、定着ローラの端部同士で温度差が生じ、定着ローラにおける軸方向の温度分布が僅かながら不均一となっていた。この温度分布の不均一を改善するためには、各ファンの回転方向を頻繁に切り替えればよいが、それでは空気の流通時間が短くなり、冷却効率が低下する可能性があった。
【0006】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、定着ローラにおける軸方向上の温度分布の均一化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、画像形成装置において、中空筒体状の定着ローラと、前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、前記定着ローラの温度を検出するローラ温度検出手段と、前記ローラ温度検出手段によって検出された前記定着ローラの検出温度をT1、前記定着ローラの設定温度をT2、第1の安全係数をα1(0<α1<1)として、前記定着ローラの検出温度T1が
T1>T2×α1
の関係を満たした場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記冷却ファン駆動制御手段は、第2の安全係数をα2(0<α2<1)として、前記定着ローラの検出温度T1が
T1<T2×α2
の関係を満たした場合に、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、画像形成装置において、中空筒体状の定着ローラと、前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、前記誘導加熱コイルの温度を検出するコイル温度検出手段と、前記コイル温度検出手段によって検出された前記誘導加熱コイルの検出温度をT3、前記誘導加熱コイルの耐熱温度をT4、第3の安全係数をα3(0<α3<1)として、前記誘導加熱コイルの検出温度T3が
T3>T4×α3
の関係を満たした場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記冷却ファン駆動制御手段は、第4の安全係数をα4(0<α4<1)として、前記誘導加熱コイルの検出温度T3が
T3<T4×α4
の関係を満たした場合に、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、画像形成装置において、中空筒体状の定着ローラと、前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、記録紙の通紙開始からの前記誘導加熱コイルで消費される積算電力が所定値以上になった場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、画像形成装置において、中空筒体状の定着ローラと、前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、記録紙の通紙開始からの積算枚数が所定値以上になった場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記冷却ファン駆動制御手段は、プリント終了時に、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記冷却ファン駆動制御手段は、プリント終了時から所定時間経過した後に、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記冷却ファン駆動制御手段は、アイドリング中、ウォームアップ中、ローパワーモード中、又はオフモード中には、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、画像形成装置において、中空筒体状の定着ローラと、前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、記録紙の紙詰まりが発生した場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すので、定着ローラの端部同士で温度差がなくなり、定着ローラにおける軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、定着ローラの温度の上昇に基づいて冷却ファンの駆動を開始させるので、必要に応じて誘導加熱コイルの温度制御を行うことができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、定着ローラの温度の低下に基づいて冷却ファンの駆動を停止させるので、必要に応じて誘導加熱コイルの温度制御を行うことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すので、定着ローラの端部同士で温度差がなくなり、定着ローラにおける軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、誘導加熱コイルの温度の上昇に基づいて冷却ファンの駆動を開始させるので、必要に応じて誘導加熱コイルの温度制御を行うことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、誘導加熱コイルの温度の低下に基づいて冷却ファンの駆動を停止させるので、必要に応じて誘導加熱コイルの温度制御を行うことができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すので、定着ローラの端部同士で温度差がなくなり、定着ローラにおける軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、記録紙の通紙開始からの誘導加熱コイルで消費される積算電力が所定値以上になることにより、誘導加熱コイルの温度の上昇を予測して、冷却ファンの駆動を開始させることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すので、定着ローラの端部同士で温度差がなくなり、定着ローラにおける軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、記録紙の通紙開始からの積算枚数が所定値以上になることにより、誘導加熱コイルの温度の上昇を予測して、冷却ファンの駆動を開始させることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、プリント終了時に、冷却ファンの駆動を停止させるので、消費電力を低減させることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、プリント終了時から所定時間経過した後に、冷却ファンの駆動を停止させるので、通紙が行われないことによる定着ローラの急激な温度上昇を防ぐことができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、アイドリング中、ウォームアップ中、ローパワーモード中、又はオフモード中には、冷却ファンの駆動を停止させるので、消費電力を低減させることができる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すので、定着ローラの端部同士で温度差がなくなり、定着ローラにおける軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、記録紙の紙詰まりが発生した場合に、冷却ファンの駆動を開始させるので、通紙が行われないことによる定着ローラの急激な温度上昇を防ぐとともに、画像形成装置内の記録紙を除去する際のユーザの安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1に、第1の実施の形態の画像形成装置1の概略構成を示す。
図1に示すように、画像形成装置1は、感光体2、帯電ユニット3、プリントヘッド4、現像ユニット5、転写ユニット6、定着装置7、用紙センサ8、排紙センサ9等を備える。
【0028】
帯電ユニット3は、像担持体である感光体2を帯電させる。プリントヘッド4は、画像データに基づいて感光体2の表面に露光を行い、潜像を形成させる。現像ユニット5は、感光体2にトナーを付着させる。転写ユニット6は、感光体2上に形成されたトナー像を記録紙に転写する。
【0029】
図1に示すように、定着装置7は、定着ローラ71及び加圧ローラ72を備え、加圧ローラ72は定着ローラ71に対して加圧した状態で隣接している。定着装置7では、記録紙が定着ローラ71と加圧ローラ72との両ローラ間を通過するようになっており、定着ローラ71は、加圧ローラ72とともに記録紙を加熱・加圧してトナー像を記録紙上に定着させる。
【0030】
用紙センサ8は、画像形成前の搬送路に設けられ、記録紙の先端が用紙センサ8に接触することにより、搬送路を通過する記録紙を検出する。排紙センサ9は、画像形成後の搬送路に設けられ、記録紙が排紙センサ9に接触することにより、定着装置7から排出される記録紙を検出する。
【0031】
次に、図2及び図3を参照して、定着ローラ71の内部構成を詳細に説明する。
図2は定着ローラ71の上面図、図3は定着ローラ71の断面図である。ただし、図2においては、定着ローラ71の上半分を切り取った状態を示している。
【0032】
図2及び図3に示すように、定着ローラ71は中空筒体状を呈している。定着ローラ71の内筒部には、誘導加熱コイル73、コア74及び仕切り板75が固定配置されている。また、定着ローラ71にはローラ温度センサ76が設けられ、誘導加熱コイル73にはコイル温度センサ77が設けられている。
【0033】
誘導加熱コイル73は、コア74を中心として、定着ローラ71より長さが短い円筒状を呈している。また、定着ローラ71の中心軸と誘導加熱コイル73の中心軸とは略一致している。誘導加熱コイル73の半径は定着ローラ71の半径より小さく、定着ローラ71の内周面と誘導加熱コイル73との間には、定着ローラ71の軸方向に連通する空間部が形成されている。
【0034】
誘導加熱コイル73に高周波電流が流れることにより磁界が発生する。発生した磁界により定着ローラ71の表面に渦電流が生じ、その結果ジュール熱により定着ローラ71が発熱する。
【0035】
仕切り板75は平板状であって、定着ローラ71より長さが長く、その両端部が定着ローラ71の外部に突出している。定着ローラ71の内部に形成された空間部は、定着ローラ71の軸方向に延在された仕切り板75により定着ローラ71の周方向に沿って略2等分に仕切られており、2つの空間部に分割されている。
【0036】
定着ローラ71の一端部71aの近傍であって仕切り板75により分割された一方の空間部(図2において上方の空間部)に対向する位置には、この空間部に冷却媒体としての空気を流して誘導加熱コイル73を冷却するための冷却ファン78が設置されている。冷却ファン78は、図2において左方から右方に向けて空間部に空気を送り込む方向にのみ回転するようになっている。
【0037】
また、定着ローラ71の他端部71bの近傍であって仕切り板75により分割された他方の空間部(図2において下方の空間部)に対向する位置には、この空間部に空気を流して誘導加熱コイル73を冷却するための冷却ファン79が設置されている。冷却ファン79は、図2において右方から左方に向けて空間部に空気を送り込む方向にのみ回転するようになっている。
【0038】
冷却ファン78が回転すると、仕切り板75により分割された一方の空間部中を図2において左方から右方に向かって空気が流れ、誘導加熱コイル73を冷却する。また、冷却ファン79が回転すると、仕切り板75により分割された他方の空間部中を図2において右方から左方に向かって空気が流れ、誘導加熱コイル73を冷却する。つまり、各空間部に対し、空気が互いに逆方向に流れて誘導加熱コイル73を冷却するようになっている。
【0039】
ローラ温度センサ76は、定着ローラ71の表面温度(以下、ローラ温度という。)T1を検出する。コイル温度センサ77は、誘導加熱コイル73の温度(以下、コイル温度という。)T3を検出する。
【0040】
図4は、画像形成装置1の制御ブロック図である。図4に示すように、画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、用紙センサ8、排紙センサ9、カウンタ11、ローラ温度センサ76、コイル温度センサ77、冷却ファン78,79、AC電源12、IH(Induction Heating)ヒータ制御回路13、電力測定回路14、誘導加熱コイル73等を備える。なお、図1、図2又は図3で説明した各部と同一の構成部については、その説明を省略する。
【0041】
CPU10は、図示しないRAMの所定領域を作業領域として図示しないROMに記憶されている各種制御プログラムに従い、画像形成装置1の各部の処理動作を統括的に制御する。
【0042】
具体的に、CPU10は、冷却ファン78,79の駆動開始及び駆動停止を制御する。さらに、CPU10は、冷却ファン78,79の回転速度を制御可能とする。
【0043】
また、CPU10は、用紙センサ8から出力される記録紙の検出結果に基づいて、プリントヘッド4による感光体2への潜像書き込み、及び現像ユニット5による現像のタイミングを決定する。また、CPU10は、用紙センサ8及び排紙センサ9の記録紙の検出状況に基づいて、画像形成装置1内の紙詰まりの発生を検出する。
【0044】
また、CPU10は、電力測定回路14により計測された電流及び電圧に基づいて、誘導加熱コイル73で消費される電力を算出し、さらに、積算電力を算出する。
【0045】
用紙センサ8、排紙センサ9、ローラ温度センサ76、コイル温度センサ77は、それぞれ、検出結果をCPU10に出力する。カウンタ11は、排紙センサ9の出力ON回数を計測し、プリント積算枚数をCPU10に出力する。
【0046】
AC電源12は、周波数50Hz〜60Hzの交流電源である。IHヒータ制御回路13は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子により、誘導加熱コイル73に約20KHz〜100KHzの高周波電流が流れるように制御する。電力測定回路14は、誘導加熱コイル73に流れる電流及び電圧を計測し、CPU10に出力する。
【0047】
次に、画像形成装置1の動作について説明する。
本実施の形態においては、画像形成装置1の動作メインフローについての説明を省略し、本発明に係るサブルーチン処理のみを説明する。以下の各実施の形態においても同様とする。
【0048】
図5は、ローラ温度T1に基づく冷却ファン78,79の駆動開始処理を示すフローチャートである。
まず、ローラ温度センサ76によりローラ温度T1が検出される。そして、定着ローラ71の設定温度をT2、第1の安全係数をα1(0<α1<1)として、ローラ温度T1が
T1>T2×α1
の関係を満たすか否かが判断される(ステップS1)。
【0049】
定着ローラ71の設定温度T2とは、定着ローラ71の温度を制御する際に目標温度として設定される温度であり、ローラ温度T1が設定温度T2よりも高くなると定着ローラ71の加熱を止め、ローラ温度T1が設定温度T2よりも低くなると定着ローラ71を加熱するよう制御される。また、設定温度T2は、誘導加熱コイル73自身の温度がコイル耐熱温度となる場合の定着ローラ71の温度に相当する温度を適用することが好ましい。また、第1の安全係数α1は、画像形成装置1毎に任意に設定可能な係数である。
【0050】
T1>T2×α1である場合には(ステップS1;YES)、冷却ファン78,79の駆動が開始される(ステップS2)。冷却ファン78,79の駆動により、定着ローラ71内部の仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに空気が互いに逆方向に流れ、誘導加熱コイル73が冷却される。そして、メインフローに戻る。
【0051】
図6は、ローラ温度T1に基づく冷却ファン78,79の駆動停止処理を示すフローチャートである。
まず、ローラ温度センサ76によりローラ温度T1が検出される。そして、第2の安全係数をα2(0<α2<1)として、ローラ温度T1が
T1<T2×α2
の関係を満たすか否かが判断される(ステップS3)。第2の安全係数α2は、画像形成装置1毎に任意に設定可能な係数である。
【0052】
T1<T2×α2である場合には(ステップS3;YES)、冷却ファン78,79の駆動が停止される(ステップS4)。そして、メインフローに戻る。
【0053】
第1の実施の形態における画像形成装置1によれば、仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に空気を流すので、定着ローラ71の端部同士で温度差がなくなり、定着ローラ71における軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、ローラ温度T1の上昇に基づいて冷却ファン78,79の駆動を開始させ、ローラ温度T1の低下に基づいて冷却ファン78,79の駆動を停止させるので、必要に応じて誘導加熱コイル73の温度制御を行うことができる。
【0054】
また、第1の安全係数α1、第2の安全係数α2を異なる値に設定することにより、冷却ファン78,79の駆動開始時の定着ローラ71の温度と駆動停止時の定着ローラ71の温度とを変えることができる。定着ローラ71の温度が上昇するときには、定着ローラ71の温度が低下するときと比較して、温度変化が速いため、第1の安全係数α1を第2の安全係数α2より小さい値に設定することが望ましい。ただし、第1の安全係数α1と第2の安全係数α2を同じ値に設定してももちろんかまわない。
【0055】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置1と同様の構成であるため、同一の構成部分については同一の符号を付し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な処理について説明する。
【0056】
図7は、コイル温度T3に基づく冷却ファン78,79の駆動開始処理を示すフローチャートである。
まず、コイル温度センサ77によりコイル温度T3が検出される。そして、誘導加熱コイル73の耐熱温度をT4、第3の安全係数をα3(0<α3<1)として、コイル温度T3が
T3>T4×α3
の関係を満たすか否かが判断される(ステップS11)。第3の安全係数α3は、画像形成装置毎に任意に設定可能な係数である。
【0057】
T3>T4×α3である場合には(ステップS11;YES)、冷却ファン78,79の駆動が開始される(ステップS12)。冷却ファン78,79の駆動により、定着ローラ71内部の仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに空気が互いに逆方向に流れ、誘導加熱コイル73が冷却される。そして、メインフローに戻る。
【0058】
図8は、コイル温度T3に基づく冷却ファン78,79の駆動停止処理を示すフローチャートである。
まず、コイル温度センサ77によりコイル温度T3が検出される。そして、第4の安全係数をα4(0<α4<1)として、コイル温度T3が
T3<T4×α4
の関係を満たすか否かが判断される(ステップS13)。第4の安全係数α4は、画像形成装置毎に任意に設定可能な係数である。
【0059】
T3<T4×α4である場合には(ステップS13;YES)、冷却ファン78,79の駆動が停止される(ステップS14)。そして、メインフローに戻る。
【0060】
第2の実施の形態における画像形成装置によれば、仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に空気を流すので、定着ローラ71の端部同士で温度差がなくなり、定着ローラ71における軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、コイル温度T3の上昇に基づいて冷却ファン78,79の駆動を開始させ、コイル温度T3の低下に基づいて冷却ファン78,79の駆動を停止させるので、必要に応じて誘導加熱コイル73の温度制御を行うことができる。
【0061】
また、第3の安全係数α3、第4の安全係数α4を異なる値に設定することにより、冷却ファン78,79の駆動開始時の誘導加熱コイル73の温度と駆動停止時の誘導加熱コイル73の温度とを変えることができる。誘導加熱コイル73の温度が上昇するときには、誘導加熱コイル73の温度が低下するときと比較して、温度変化が速いため、第3の安全係数α3を第4の安全係数α4より小さい値に設定することが望ましい。ただし、第3の安全係数α3と第4の安全係数α4を同じ値に設定してももちろんかまわない。
【0062】
[第3の実施の形態]
次に、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置1と同様の構成であるため、同一の構成部分については同一の符号を付し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第3の実施の形態に特徴的な処理について説明する。
【0063】
図9は、積算枚数に基づく冷却ファン78,79の駆動開始処理を示すフローチャートである。
まず、排紙センサ9により定着装置7から排出される記録紙が検出される毎に、カウンタ11により通紙開始からのプリント積算枚数C1が計測される(ステップS21)。そして、積算枚数C1が所定枚数C2以上であるか否かが判断される(ステップS22)。
【0064】
積算枚数C1が所定枚数C2以上である場合には(ステップS22;YES)、冷却ファン78,79の駆動が開始される(ステップS23)。冷却ファン78,79の駆動により、定着ローラ71内部の仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに空気が互いに逆方向に流れ、誘導加熱コイル73が冷却される。そして、メインフローに戻る。
【0065】
図10は、プリント終了時からの経過時間に基づく冷却ファン78,79の駆動停止処理を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置において、プリント終了が判断される(ステップS24)。そして、プリント終了後(ステップS24;YES)、プリント終了時からの経過時間Tがファン駆動停止時間h以上であるか否かが判断される(ステップS25)。ここで、ファン駆動停止時間hとは、画像形成装置毎に予め定められている時間であって、プリント終了時から冷却ファン78,79の駆動を停止させるまでの時間をいう。
【0066】
プリント終了時からの経過時間Tがファン駆動停止時間h以上である場合には(ステップS25;YES)、冷却ファン78,79の駆動が停止される(ステップS26)。そして、メインフローに戻る。
【0067】
第3の実施の形態における画像形成装置によれば、仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に空気を流すので、定着ローラ71の端部同士で温度差がなくなり、定着ローラ71における軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、記録紙の通紙開始からの積算枚数C1が所定枚数C2以上になることにより、誘導加熱コイル73の温度の上昇を予測して、冷却ファン78,79の駆動を開始させることができる。
【0068】
また、プリント終了時からファン駆動停止時間hだけ経過した後に、冷却ファン78,79の駆動を停止させるので、通紙が行われないことによる定着ローラ71の急激な温度上昇を防ぐことができる。
【0069】
なお、第3の実施の形態では、プリント終了時から所定時間経過した後に、冷却ファン78,79の駆動を停止させることとしたが、プリント終了時に冷却ファン78,79の駆動を停止させることとしてもよい。ただし、プリント終了後、通紙が行われないことにより、定着ローラ71の温度が急に上昇するおそれがある場合には、プリント終了時から所定時間経過した後に、冷却ファン78,79の駆動を停止させることが望ましい。
【0070】
[第4の実施の形態]
次に、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置1と同様の構成であるため、同一の構成部分については同一の符号を付し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第4の実施の形態に特徴的な処理について説明する。
【0071】
図11は、積算電力に基づく冷却ファン78,79の駆動開始処理を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置によりプリントが行われる毎に、電力測定回路14により誘導加熱コイル73における電流及び電圧が計測される。この電流及び電圧に基づいて誘導加熱コイル73で消費される電力が算出され、さらに、通紙開始からの積算電力W1が算出される(ステップS31)。そして、積算電力W1が所定電力W2以上であるか否かが判断される(ステップS32)。
【0072】
積算電力W1が所定電力W2以上である場合には(ステップS32;YES)、冷却ファン78,79の駆動が開始される(ステップS33)。冷却ファン78,79の駆動により、定着ローラ71内部の仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに空気が互いに逆方向に流れ、誘導加熱コイル73が冷却される。そして、メインフローに戻る。
【0073】
第4の実施の形態における画像形成装置によれば、仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に空気を流すので、定着ローラ71の端部同士で温度差がなくなり、定着ローラ71における軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、記録紙の通紙開始からの誘導加熱コイル73で消費される積算電力W1が所定電力W2以上になることにより、誘導加熱コイル73の温度の上昇を予測して、冷却ファン78,79の駆動を開始させることができる。
【0074】
<変形例>
第4の実施の形態の変形例として、通紙開始からの積算枚数又は積算電力に基づいて冷却ファン78,79の駆動を開始させる場合について説明する。
図12に示すように、まず、排紙センサ9により定着装置7から排出される記録紙が検出される毎に、カウンタ11により通紙開始からのプリント積算枚数C1が計測される(ステップS41)。そして、積算枚数C1が所定枚数C2以上であるか否かが判断される(ステップS42)。
【0075】
積算枚数C1が所定枚数C2以上でない場合には(ステップS42;NO)、電力測定回路14により計測された誘導加熱コイル73における電流及び電圧に基づいて誘導加熱コイル73で消費される電力が算出され、通紙開始からの積算電力W1が算出される(ステップS43)。そして、積算電力W1が所定電力W2以上であるか否かが判断される(ステップS44)。
【0076】
積算電力W1が所定電力W2以上でない場合には(ステップS32;NO)、ステップS41に戻る。
【0077】
積算電力W1が所定電力W2以上である場合(ステップS44;YES)、又は、積算枚数C1が所定枚数C2以上である場合には(ステップS42;YES)、冷却ファン78,79の駆動が開始される(ステップS45)。冷却ファン78,79の駆動により、定着ローラ71内部の仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに空気が互いに逆方向に流れ、誘導加熱コイル73が冷却される。そして、メインフローに戻る。
このように、冷却ファン78,79を駆動させる際の条件を複数組み合わせてもよい。
【0078】
[第5の実施の形態]
次に、本発明を適用した第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置1と同様の構成であるため、同一の構成部分については同一の符号を付し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第5の実施の形態に特徴的な処理について説明する。
【0079】
図13は、紙詰まりの発生に基づく冷却ファン78,79の駆動処理を示すフローチャートである。
まず、用紙センサ8及び排紙センサ9の記録紙の検出状況に基づいて、画像形成装置内の紙詰まりの発生が検出される(ステップS51)。
【0080】
紙詰まりの発生が検出された場合には(ステップS51;YES)、冷却ファン78,79の駆動が開始される(ステップS52)。冷却ファン78,79の駆動により、定着ローラ71内部の仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに空気が互いに逆方向に流れ、誘導加熱コイル73が冷却される。
【0081】
その後、画像形成装置内の紙詰まりが解消された場合には(ステップS53;YES)、冷却ファン78,79の駆動が停止される(ステップS54)。そして、メインフローに戻る。
【0082】
第5の実施の形態における画像形成装置によれば、仕切り板75によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に空気を流すので、定着ローラ71の端部同士で温度差がなくなり、定着ローラ71における軸方向上の温度分布の均一化を図ることができる。また、記録紙の紙詰まりが発生した場合に、冷却ファン78,79を駆動させるので、通紙が行われないことによる定着ローラ71の急激な温度上昇を防ぐとともに、画像形成装置内の記録紙を除去する際のユーザの安全性を向上させることができる。
【0083】
[第6の実施の形態]
次に、本発明を適用した第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置1と同様の構成であるため、同一の構成部分については同一の符号を付し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第6の実施の形態に特徴的な処理について説明する。
【0084】
第6の実施の形態では、画像形成装置において、アイドリング中、ウォームアップ中、ローパワーモード中、又はオフモード中には、冷却ファン78,79の駆動を停止させる。
【0085】
図14に、定着ローラ71の温度の推移を示す。ウォームアップとは、図14に示すように、定着ローラ71の温度を室温からプリント可能な状態(設定温度T2)まで上昇させることをいう。
【0086】
アイドリング(待機状態)とは、ウォームアップが終わって、次のプリント信号を待っている状態をいう。通常アイドリング時の設定温度はプリント中の設定温度T2となる。
【0087】
ローパワーモードとは、設定温度を下げて次のプリント信号を待っている状態で、通常の待機状態よりも消費電力が少なくて済むと言うメリットがある。プリントを開始させるためには設定温度T2まで定着ローラ71の温度を上昇させる必要があるので、プリント開始までの時間がアイドリング中よりも若干長くなるが、室温からのウォームアップよりも短い時間で済むというメリットがある。
【0088】
オフモードとは、誘導加熱コイル73に供給する電力を切った状態をいい、消費電力は無いが、ウォームアップに時間がかかる。
【0089】
プリント終了後のアイドリング、ローパワーモード、オフモードへの移行は、ウォームアップタイムの長さや消費電力との兼ね合いにより、画像形成装置に応じて予め決められていてもよいし、モード移行への設定時間を含めてユーザが任意に設定可能となっていてもよい。
【0090】
第6の実施の形態における画像形成装置によれば、アイドリング中、ウォームアップ中、ローパワーモード中、又はオフモード中には、冷却ファン78,79の駆動を停止させることにより、消費電力を低減させることができる。
【0091】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更を行ってもよい。
【0092】
例えば、冷却ファン78を、図2において右方から左方に向けて空間部中の空気を吸い出す方向に回転させ、冷却ファン79を、図2において左方から右方に向けて空間部中の空気を吸い出す方向に回転させてもよい。
【0093】
また、図15に示すように、定着ローラ71の他端部71bの近傍であって仕切り板75により仕切られた一方の空間部(図15において上方の空間部)に対向する位置に、冷却ファン78から送り込まれた空気を吸い出す冷却ファン80を配置し、定着ローラ71の一端部71aの近傍であって仕切り板75により仕切られた他方の空間部(図15において下方の空間部)に対向する位置に、冷却ファン79から送り込まれた空気を吸い出す冷却ファン81を配置してもよい。
【0094】
さらに、図2中の冷却ファン78,79、又は図15中の冷却ファン78,79,80,81に代えて冷却ポンプを配し、各冷却ポンプを作動させることにより、仕切り板75により仕切られたそれぞれの空間部に対し、冷却媒体としての液体(例えば水)を互いに逆方向に流すような構成としてもよい。
【0095】
また、誘導加熱コイル73は、定着ローラ71を加熱させるように配置されていればよい。図16及び図17に、誘導加熱コイル73の巻き方向が異なる例を示す。図16は定着ローラ71の上面図、図17は定着ローラ71の断面図である。ただし、図16においては、定着ローラ71の上半分を切り取った状態を示している。図16及び図17において、図2及び図3に示した画像形成装置1と同様の構成部分については同一の符号を付し、説明を省略する。図16及び図17に示す例では、定着ローラ71の軸方向に電流が流れるよう誘導加熱コイル73が配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】第1の実施の形態の画像形成装置1の概略構成図である。
【図2】定着ローラ71の上面図である。
【図3】定着ローラ71の断面図である。
【図4】画像形成装置1の制御ブロック図である。
【図5】画像形成装置1により実行されるローラ温度T1に基づく冷却ファン78,79の駆動開始処理を示すフローチャートである。
【図6】画像形成装置1により実行されるローラ温度T1に基づく冷却ファン78,79の駆動停止処理を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態の画像形成装置により実行されるコイル温度T3に基づく冷却ファン78,79の駆動開始処理を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態の画像形成装置により実行されるコイル温度T3に基づく冷却ファン78,79の駆動停止処理を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施の形態の画像形成装置により実行される積算枚数に基づく冷却ファン78,79の駆動開始処理を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施の形態の画像形成装置により実行されるプリント終了時からの経過時間に基づく冷却ファン78,79の駆動停止処理を示すフローチャートである。
【図11】第4の実施の形態の画像形成装置により実行される積算電力に基づく冷却ファン78,79の駆動開始処理を示すフローチャートである。
【図12】第4の実施の形態の変形例の画像形成装置により実行される通紙開始からの積算枚数又は積算電力に基づく冷却ファン78,79の駆動開始処理を示すフローチャートである。
【図13】第5の実施の形態の画像形成装置により実行される紙詰まりの発生に基づく冷却ファン78,79の駆動処理を示すフローチャートである。
【図14】各モードにおける定着ローラ71の温度推移を示す略図である。
【図15】図2の変形例を示す図である。
【図16】誘導加熱コイル73の巻き方向が異なる例を示す定着ローラ71の上面図である。
【図17】誘導加熱コイル73の巻き方向が異なる例を示す定着ローラ71の断面図である。
【符号の説明】
【0097】
1 画像形成装置
2 感光体
3 帯電ユニット
4 プリントヘッド
5 現像ユニット
6 転写ユニット
7 定着装置
71 定着ローラ
72 加圧ローラ
73 誘導加熱コイル
74 コア
75 仕切り板
76 ローラ温度センサ
77 コイル温度センサ
78,79 冷却ファン
8 用紙センサ
9 排紙センサ
10 CPU
11 カウンタ
12 AC電源
13 IHヒータ制御回路
14 電力測定回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空筒体状の定着ローラと、
前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、
前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、
前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、
前記定着ローラの温度を検出するローラ温度検出手段と、
前記ローラ温度検出手段によって検出された前記定着ローラの検出温度をT1、前記定着ローラの設定温度をT2、第1の安全係数をα1(0<α1<1)として、前記定着ローラの検出温度T1が
T1>T2×α1
の関係を満たした場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記冷却ファン駆動制御手段は、第2の安全係数をα2(0<α2<1)として、前記定着ローラの検出温度T1が
T1<T2×α2
の関係を満たした場合に、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
中空筒体状の定着ローラと、
前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、
前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、
前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、
前記誘導加熱コイルの温度を検出するコイル温度検出手段と、
前記コイル温度検出手段によって検出された前記誘導加熱コイルの検出温度をT3、前記誘導加熱コイルの耐熱温度をT4、第3の安全係数をα3(0<α3<1)として、前記誘導加熱コイルの検出温度T3が
T3>T4×α3
の関係を満たした場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記冷却ファン駆動制御手段は、第4の安全係数をα4(0<α4<1)として、前記誘導加熱コイルの検出温度T3が
T3<T4×α4
の関係を満たした場合に、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
中空筒体状の定着ローラと、
前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、
前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、
前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、
記録紙の通紙開始からの前記誘導加熱コイルで消費される積算電力が所定値以上になった場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
中空筒体状の定着ローラと、
前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、
前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、
前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、
記録紙の通紙開始からの積算枚数が所定値以上になった場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記冷却ファン駆動制御手段は、プリント終了時に、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記冷却ファン駆動制御手段は、プリント終了時から所定時間経過した後に、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記冷却ファン駆動制御手段は、アイドリング中、ウォームアップ中、ローパワーモード中、又はオフモード中には、前記冷却ファンの駆動を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
中空筒体状の定着ローラと、
前記定着ローラの内筒部に、その内周面との間に当該定着ローラの軸方向に連通する空間部を保持して固定配置された誘導加熱コイルと、
前記定着ローラの空間部内に、当該空間部を前記定着ローラの周方向に沿って分割すべく前記定着ローラの軸方向に延在された仕切り部材と、
前記仕切り部材によって分割された空間部のそれぞれに互いに逆方向に冷却媒体を流すよう前記誘導加熱コイルの端部に設置された冷却ファンと、
記録紙の紙詰まりが発生した場合に、前記冷却ファンの駆動を開始させる冷却ファン駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−10932(P2006−10932A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186256(P2004−186256)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】