説明

画像形成装置

【課題】帯電ギャップ設定と書込みギャップ設定とを共通の位置決め手段で行うことで、帯電ローラおよび書込みヘッドの各位置決め作業性を向上する。
【解決手段】像担持体9の外周面に当接する書込みヘッド位置決め部材43に位置決め設定突出部47が当接することで書込みヘッド15が像担持体9に対して位置決めされて、書込みギャップGwが設定される。同時に、書込みヘッド位置決め部材43により帯電ローラ14が像担持体9に対して位置決めされて、帯電ローラ14の帯電部14aと像担持体9との間に所定の帯電ギャップGcが設定されている。すなわち、書込みヘッド位置決め部材43が書込みヘッド15の位置決め手段と帯電ローラ14の位置決め手段との共通位置決め手段として構成されている。これにより、帯電ローラ14および書込みヘッド15の各位置決め作業性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体に対して所定の帯電ギャップが設定される位置に帯電ローラ位置決め手段で位置決めされて像担持体を非接触帯電する帯電ローラと、像担持体に対して所定の書込みギャップが設定される位置に書込みヘッド位置決め手段で位置決めされて像担持体に静電潜像を書き込む書込みヘッドとを少なくとも備えている、例えば、静電複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置からなる画像形成装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、像担持体に対して所定の帯電ギャップを置いてこの像担持体を非接触帯電する帯電ローラを備え、帯電ローラの画像形成領域に対応する部分を像担持体に接触させないようにすることで、帯電ローラの弾性層中に含まれている物質の像担持体への付着や、像担持体の表面に付着したトナー等の付着物の帯電ローラへの転移を防止した画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1および2等参照)。
【0003】
特許文献1に開示の画像形成装置では、帯電ローラの両端部外周面に、それぞれ、テープ状のフィルム部材を巻き付けてギャップ部材を構成し、帯電ローラを与圧により押圧してこれらのギャップ部材を感光体ドラムの外周面に当接させることにより、帯電ローラと感光体ドラムとの間に所定の帯電ギャップを設定している。
【0004】
また、特許文献2に開示の画像形成装置では、帯電ローラを構成する導電性の基体の両端部外周面に、それぞれスペーサ部を設けるとともに基体およびスペーサ部を抵抗層でコーティングし、スペーサ部によって突出した抵抗層の部分でギャップ部材を構成するか、あるいは帯電ローラの両端部外周面に、それぞれ熱収縮チューブを装着しかつこれらを熱収縮させてギャップ部材を構成し、これらのギャップ部材を像担持体の外周面に当接させることにより、帯電ローラと像担持体との間に所定の帯電ギャップを設定している。
【0005】
一方、従来の画像形成装置として、像担持体に静電潜像を書き込む書込みヘッドを像担持体に対して位置決め部材で位置決めすることで、書込みヘッドによる像担持体への像の書込みを高精度に行うようにした画像形成装置が知られている(例えば、特許文献3および4等参照)。
【0006】
特許文献3に開示の画像形成装置では、感光体ドラムが位置決めされたプロセスカ−トリッジのサイドフレ−ムの凸部に書込みヘッドを嵌合することによって、感光ドラムと書込みヘッドとの間に所定の書込みギャップが得られるように書込みヘッドを感光体ドラムに対して位置決めしている。
【0007】
また、特許文献4に開示の画像形成装置では、書込みヘッドを支持する支持部材にアジャスト機構を介してスペーサを設けるとともにこのスペーサを感光ドラムに当接させることで、感光ドラムと書込みヘッドとの間に所定の書込みギャップが得られるように書込みヘッドを感光体ドラムに対して位置決めしている。
【特許文献1】特開2001−296723号公報。
【特許文献2】特開2003−207996号公報。
【特許文献3】特開平6−166209号公報。
【特許文献4】特開2002−361931号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述のように所定の帯電ギャップを用いて帯電ローラにより像担持体を非接触帯電する場合、図4に示すように帯電ローラaと像担持体bとの間の帯電ギャップGcを所定の帯電ギャップとなるように帯電ローラaを像担持体bに対して位置決めしなければならないばかりでなく、像担持体bと書込みヘッドcとの間の書込みギャップGwを所定の書込みギャップとなるように書込みヘッドcを像担持体bに対して位置決めしなければならない。帯電ローラaで像担持体bに対して非接触帯電を行う通常の一般的な画像形成装置では、帯電ギャップGcが50μm以下に設定されるとともに、書込みギャップGwが100〜200μmに設定される。このため、像担持体に対する帯電ローラおよび書込みヘッドの位置決め作業が煩雑となって、作業性が悪いものとなっている。なお、図4において、dは現像ローラ、eは像担持体bのクリーニングブレード、fは帯電ローラaのクリーニングローラである。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、帯電ギャップ設定と書込みギャップ設定とを共通の位置決め手段で行うことで、帯電ローラおよび書込みヘッドの各位置決め作業性を向上することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、静電潜像が書き込まれる像担持体と、前記像担持体に対して所定の帯電ギャップが設定される位置に帯電ローラ位置決め手段で位置決めされて前記像担持体を非接触帯電する帯電ローラと、前記像担持体に対して所定の書込みギャップが設定される位置に書込みヘッド位置決め手段で位置決めされて前記像担持体に静電潜像を書き込む書込みヘッドとを少なくとも備えている画像形成装置において、前記書込みヘッド位置決め手段と前記帯電ローラ位置決め手段とが共通位置決め手段で構成されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2の発明は、前記共通位置決め手段が、前記像担持体の外周面に前記像担持体が摺動回転可能に当接する摺動部材からなることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記帯電ローラを回転可能に支持する軸受と、この軸受を前記像担持体の方へガイドするガイド手段と、前記帯電ローラを前記像担持体の方へ与圧する帯電ローラ与圧手段とを備え、前記ガイド手段が、ハウジングに固定されたガイド部材と、このガイド部材に摺動可能にガイドされかつ前記軸受を支持する軸受支持部材とからなり、前記共通位置決め手段が前記軸受支持部材に一体に設けられ、前記ガイド部材が断面矩形状に形成されており、前記書込みヘッド側と反対側のガイド部を前記書込みヘッド側のガイド部より前記像担持体側に長く設定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
このように構成された本発明の画像形成装置によれば、書込みヘッドの位置決め手段と帯電ローラの位置決め手段とを共通位置決め手段としているので、書込みギャップと帯電ギャップとを同時に設定することができる。これにより、非接触帯電により画像形成を行う場合に必要な2つの帯電ギャップおよび書込みギャップの設定のための帯電ローラの位置決め作業および書込みヘッドの位置決め作業を簡単にかつ精度よく行うことができ、各位置決め作業性を向上することができる。しかも、帯電ローラおよび書込みヘッドの各位置決め作業を簡単にかつ精度よく行うことができることから、高画質の画像を得ることができる。
【0013】
また、軸受支持部材をガイドするガイド手段の書込みヘッド側と反対側のガイド部を書込みヘッド側のガイド部より長く設定することで、軸受支持部材とガイド部材との間のがたに起因するガイド部材に対する軸受支持部材の傾きを抑制することができる。これにより、帯電ローラを与圧する帯電ローラ与圧手段の比較的小さい与圧力で、軸受支持部材と帯電ローラガイド部材との間のがたを効果的に抑制することができる。しかも、帯電ローラ与圧手段の与圧力を小さくすることができることから、軸受を押圧する力を小さくできるので、軸受の回転での摺動性を良好に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を模式的に示す横断面図である。
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、ハウジング本体2を備えている。このハウジング本体2には、画像形成ユニット3、一次転写ユニット4、給紙ユニット5、二次転写ユニット6,定着ユニット7、排紙トレイ8がそれぞれ配設されている。
【0015】
画像形成ユニット3は、複数個(この例では、4個:以下、4個として説明する)の異なる色、つまりイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの画像をそれぞれ形成する画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。その場合、各画像ステーションY、M、C、Kの配置順序は、図1において左側から右側に向かってこれらのY、M、C、Kの順にタンデムに配置されている。なお、各画像ステーションY、M、C、Kの配置順序は図1に示す順序に限定されることはなく、任意に設定することができる。以下の説明では、各画像ステーションY、M、C、Kの配置順序は図1に示す順序に設定されるものとして説明する。
【0016】
また、これらの画像形成ステーションY、M、C、Kは、それぞれ、感光ドラムからなり静電潜像が書き込まれる像担持体9と、この像担持体9の周囲に配設された、帯電手段10、像書込み手段11、現像手段12、および除電手段13を備えている。
各色の画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体9、帯電手段10、像書込み手段11、現像手段12、および除電手段13は、いずれも同一に構成されている。
【0017】
各像担持体9は、いずれもそれらの最上面が同一水平面内で左方から右方へ向かって等間隔になるように配設されている。
各帯電手段10はいずれも帯電ローラ14を備えており、これらの帯電ローラ14は対応する像担持体9に対して所定の帯電ギャップを有して像担持体9の表面を一様に非接触で帯電させる。
【0018】
各像書込み手段11は、いずれもセルフォックレンズを像担持体9の軸方向に列状に配置したセルフォックレンズアレイ(SLA)からなる書込みヘッド15を備えている。前述の従来例と同様にこの書込みヘッド15は像担持体2に対して所定の書込みギャップが設定されている。この書込みギャップの詳細な設定については後述する。
【0019】
各現像手段12は、像担持体9にトナーを搬送する現像ローラ16、トナーを貯留するトナー貯留部17、およびこのトナー貯留部17のトナーを現像ローラ16に供給するトナー供給ローラ18を少なくとも備えている。そして、現像ローラ16上に図示しない規制ブレードにより所定の厚さの層厚に規制されて薄層化されたトナーは、この現像ローラ16によって像担持体9へと搬送されて像担持体9の潜像を現像し、像担持体9上にトナー像を形成する。
【0020】
各除電手段13は、各現像手段12より像担持体9の回転方向下流側で一次転写ユニット4よりに像担持体9の回転方向上流側に配置されている。これらの除電手段13は、一次転写ユニット4による一次転写前に像担持体9を除電するようになっている。このように各像担持体9を除電することで、一次転写前の各像担持体9の電位を一定にすることができるため、静電吸着力を一定にすることができる。
【0021】
一次転写ユニット4は、ハウジング本体2の右方に配置されて図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ19、ハウジング本体2の左方に配置されて駆動ローラ19より若干上方に配設された従動ローラ20、これらの駆動ローラ19と従動ローラ20との間に張架されて図示矢印方向に回転駆動される中間転写ベルト21、中間転写ベルト21の各像担持体9に対向するベルト部分21aの裏面に配設されかつ転写バイアスが印加された一次転写ローラ22、およびこの中間転写ベルト21の表面に離接可能に設けられたクリーニング手段23を備えている。
【0022】
中間転写ベルト21のベルト部分21aは一次転写ローラ22によって押圧されて各像担持体9に当接されている。そして、中間転写ベルト21が図1において反時計回りに回動しかつ各像担持体9がそれぞれ時計回りに回動することで、そのベルト部分21aに各像担持体9からそれぞれトナー像が一次転写ローラ22により一次転写(中間転写)されて色重ねされたカラートナー像が形成される。その場合、前述のように一次転写前の各像担持体9の電位が一定にされてそれらの静電吸着力が一定となっていることから、一次転写部での各像担持体9と中間転写ベルト21との間の摩擦力の変動が防止されて、中間転写ベルト21の伸びの変動が抑制されている。
【0023】
給紙ユニット5は、紙等の記録媒体(不図示)が積層保持されている給紙カセット24およびこの給紙カセット24から記録媒体を1枚ずつ給送するピックアップローラ25を備えている。
【0024】
二次転写ユニット6は、二次転写ローラ26および前述の一次転写ユニット4の駆動ローラ19を備えている。二次転写ローラ26は、給紙カセット24からレジストローラ対27で給紙タイミングが規定されて給送されてくる記録媒体を中間転写ベルト21に押し付けてこれらの記録媒体と中間転写ベルト21とを駆動ローラ19との間に挟圧して中間転写ベルト21上のカラートナー像を記録媒体に二次転写させる。したがって、駆動ローラ19は二次転写ローラ26のバックアップローラとして機能している。
二次転写後に中間転写ベルト21に残った転写残りトナーはクリーニング手段23により中間転写ベルト21から除去されて回収されるようになっている。その場合、従動ローラ20がクリーニング手段23のバックアップローラとして機能している。
【0025】
定着ユニット7は、回転可能に設けられた加熱ローラ28、この加熱ローラ28を押圧付勢する加圧ローラ29と、この加圧ローラ29に揺動可能に配設されたベルト張架部材30と、加熱ローラ28とベルト張架部材30間に張架された耐熱ベルト31とを備えている。そして、記録媒体に二次転写されたカラートナー像が、この定着ユニット7の加熱ローラ28と耐熱ベルト31で形成するニップ部において所定の温度で記録媒体に定着され、記録媒体にフルカラーのカラー画像が形成される。
定着によってカラー画像が形成された記録媒体は排紙トレイに収納される。
【0026】
ところで、この例の画像形成装置1においては、図2に示すように帯電ローラ14の両端面からそれぞれ軸方向に同軸に突設された回転軸34,35がそれぞれ軸受36,37に回転可能に支持されている。そして、前述の従来例と同様に帯電ローラ14の回転軸34,35の軸受36,37を介して圧縮スプリング38,39の与圧荷重により、帯電ローラ14が像担持体9の方向に押圧されている。
【0027】
図3に示すように軸受36は横断面矩形状に形成された軸受支持部材40に支持されており、この軸受支持部材40は帯電手段10のハウジング41(図1に図示)に固定された横断面矩形状の有底角筒状に形成された帯電ローラガイド部材42に、帯電ローラ14が像担持体9に対してこの像担持体9の径方向に沿って接近および離間する方向に摺動可能にガイドされている。
【0028】
書込みヘッド15側と反対側の側壁42aの長手方向の寸法が書込みヘッド15側の側壁42bの長手方向の寸法より像担持体9側にαだけ長く設定されている。その場合、側壁42aの先端部42a1は、帯電ローラ14の中心より像担持体9に接近した位置となるように設けられ、側壁42bの先端部42b1は、像担持体9に対して帯電ローラ14の中心とほぼ同じ位置に設けられている。
【0029】
これらの軸受支持部材40と帯電ローラガイド部材42とにより本発明のガイド手段が構成されている。その場合、軸受36を像担持体9の方へ押圧(与圧)する本発明の帯電ローラ与圧手段である圧縮スプリング38は、軸受支持部材40と帯電ローラガイド部材42との間に縮設されている。
【0030】
更に、軸受支持部材40には、像書込み手段11の方に延びる書込みヘッド位置決め部材(本発明の書込みヘッド位置決め手段に相当)43が一体に設けられている。この書込みヘッド位置決め部材43の像担持体9との対向面が円弧状面に形成されており、この円弧状面が像担持体9の外周面に像担持体9が摺動回転可能に面接触している。この書込みヘッド位置決め部材43は像担持体9との摺動部材であることから、例えばポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂から形成されるのが好ましい。
【0031】
一方、書込みヘッド15は書込みヘッド支持部材44に支持されており、この書込みヘッド支持部材44は書込みヘッドガイド部材45に、書込みヘッド15が像担持体9に対してこの像担持体9の径方向に沿って接近および離間する方向に摺動可能にガイドされている。その場合、書込みヘッド支持部材44を像担持体9の方へ押圧(与圧)する書込みヘッド与圧手段である圧縮スプリング46が、帯電ローラガイド部材42内で書込みヘッド支持部材44と書込みヘッドガイド部材45との間に縮設されている。
【0032】
書込みヘッド支持部材44には、像担持体9の方へ向かって突出する位置決め設定突出部47が設けられており、この位置決め設定突出部47は、書込みヘッド支持部材44が圧縮スプリング46により像担持体9の方へ押圧されることで、書込みヘッド位置決め部材43に常時当接している。このように、像担持体9の外周面に当接する書込みヘッド位置決め部材43に位置決め設定突出部47が当接することで書込みヘッド支持部材44を介して書込みヘッド15が像担持体9に対して位置決めされ、これにより、書込みヘッド15と像担持体9との間に所定の書込みギャップGwが設定されている。同時に、像担持体9の外周面に当接する書込みヘッド位置決め部材43により、軸受支持部材40および軸受36を介して帯電ローラ14が像担持体9に対して位置決めされ、これにより、帯電ローラ14の帯電部14aと像担持体9との間に所定の帯電ギャップGcが設定されている。すなわち、書込みヘッド位置決め部材43が書込みヘッド15の位置決め手段と帯電ローラ14の位置決め手段との共通位置決め手段として構成されている。
【0033】
なお、書込みヘッドガイド部材45はハウジング本体2に、図3に示す書込みヘッド15が像担持体9に書込み可能な書込み位置と、図示しないが帯電ローラ14が交換可能な退避位置との間で回動可能に設けられていて、帯電ローラ14の軸受支持部材40に書込みヘッド位置決め部材43を一体に設けかつこの書込みヘッド位置決め部材43に書込みヘッド支持部材44の位置決め設定突出部47を当接させる構成にしても、帯電ローラ14の交換を容易に行うことができるようになっている。
【0034】
図示しないが、もう一方の軸受37側においても、軸受36側の軸受支持部材40、帯電ローラガイド部材42、書込みヘッド位置決め部材43、書込みヘッドガイド部材45、圧縮スプリング46、および位置決め設定突出部47とそれぞれ図2において左右対称ではあるがまったく同じ軸受37を支持する軸受支持部材、ハウジング41に固定されてこの軸受支持部材をガイドする帯電ローラガイド部材、軸受支持部材と一体の書込みヘッド位置決め部材、ハウジング41に回動可能に支持された書込みヘッドガイド部材、書込みヘッドガイド部材内に設けられて、書込みヘッド15を支持する書込みヘッド支持部材44を像担持体9の方へ押圧する圧縮スプリング、および位置決め設定突出部が設けられている。
【0035】
ところで、書込みギャップGwのギャップ変動は、±100μm以下程度に抑えることがよく、好ましくは±50μm以下程度が望ましい。このように書込みギャップGwのギャップ変動を設定することは、書込みヘッド位置決め部材43および書込みヘッド支持部材44の加工精度を所定精度以上に設定することで容易に行うことができる。
また、帯電ギャップGcのギャップ変動は、±50μm以下程度に抑えることがよく、好ましくは±25μm以下程度が望ましい。このように帯電ギャップGcのギャップ変動を設定することは、書込みヘッド位置決め部材43の精度を確保することに加えて、軸受支持部材40の加工精度を所定精度以上に設定することで容易に行うことができる。
【0036】
この例の画像形成装置1によれば、書込みヘッド15の位置決め手段と帯電ローラ14の位置決め手段とを共通位置決め手段としているので、書込みギャップGwと帯電ギャップGcとを同時に設定することができる。これにより、非接触帯電により画像形成を行う場合に必要な2つの帯電ギャップGcおよび書込みギャップGwの設定のための帯電ローラ14の位置決め作業および書込みヘッド15の位置決め作業を簡単にかつ精度よく行うことができ、各位置決め作業性を向上することができる。しかも、帯電ローラ14および書込みヘッド15の各位置決め作業を簡単にかつ精度よく行うことができることから、高画質の画像を得ることができる。
【0037】
また、書込みヘッド15側と反対側の側壁42aを書込みヘッド15側の側壁42bより長く設定することで、軸受支持部材40と帯電ローラガイド部材42との間のがたに起因する帯電ローラガイド部材42に対する軸受支持部材40の傾きを抑制することができる。これにより、圧縮スプリング38の比較的小さいばね力で、軸受支持部材40と帯電ローラガイド部材42との間のがたを効果的に抑制することができる。しかも、圧縮スプリング38のばね力を小さくすることができることから、軸受36を押圧する力を小さくできるので、軸受36の回転での摺動性を良好に保持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の画像形成装置は、像担持体に対して所定の帯電ギャップが設定される位置に帯電ローラ位置決め手段で位置決めされて像担持体を非接触帯電する帯電ローラと、像担持体に対して所定の書込みギャップが設定される位置に書込みヘッド位置決め手段で位置決めされて像担持体に静電潜像を書き込む書込みヘッドとを少なくとも備えている、例えば、静電複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置からなる画像形成装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を模式的に示す横断面図である。
【図2】非接触帯電の一例を説明する図である。
【図3】本発明の画像形成装置の実施の形態の一例における像担持体に対する帯電ローラおよび書込みヘッドを模式的にかつ部分的に示す図である。
【図4】非接触帯電を行う従来の画像形成装置の帯電ギャップおよび書込みギャップを説明する図である。
【符号の説明】
【0040】
1…画像形成装置、9…像担持体、10…帯電手段、11…像書込み手段、14…帯電ローラ、15…書込みヘッド、32…第1ギャップ部材、33…第2ギャップ部材、36,37…軸受、38,39…圧縮スプリング、40…軸受支持部材、42…帯電ローラガイド部材、43…書込みヘッド位置決め部材、44…書込みヘッド支持部材、45…書込みヘッドガイド部材、46…圧縮スプリング、47…位置決め設定突出部、48,49…ばね受け部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が書き込まれる像担持体と、前記像担持体に対して所定の帯電ギャップが設定される位置に帯電ローラ位置決め手段で位置決めされて前記像担持体を非接触帯電する帯電ローラと、前記像担持体に対して所定の書込みギャップが設定される位置に書込みヘッド位置決め手段で位置決めされて前記像担持体に静電潜像を書き込む書込みヘッドとを少なくとも備えている画像形成装置において、
前記書込みヘッド位置決め手段と前記帯電ローラ位置決め手段とが共通位置決め手段で構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記共通位置決め手段は、前記像担持体の外周面に前記像担持体が摺動回転可能に当接する摺動部材からなることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記帯電ローラを回転可能に支持する軸受と、この軸受を前記像担持体の方へガイドするガイド手段と、前記帯電ローラを前記像担持体の方へ与圧する帯電ローラ与圧手段とを備え、前記ガイド手段が、ハウジングに固定されたガイド部材と、このガイド部材に摺動可能にガイドされかつ前記軸受を支持する軸受支持部材とからなり、前記共通位置決め手段が前記軸受支持部材に一体に設けられ、
前記ガイド部材は断面矩形状に形成されており、前記書込みヘッド側と反対側のガイド部を前記書込みヘッド側のガイド部より前記像担持体側に長く設定することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−72353(P2007−72353A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−261818(P2005−261818)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】