説明

画像形成装置

【課題】 画像不良やジャムが発生することを防止し、且つ、効率よく記録体搬送手段の保守管理を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成装置である複写機1は、スキュー検知手段であるスキューセンサ2の検知結果である記録体スキュー情報を経時的に記憶するスキュー情報記憶手段である内部メモリ102を備え、サービスマン等の装置の管理者が、内部メモリ102から転写紙Pのスキュー情報を取り出すことができ、予め定められたスキューズレと記録体搬送手段の搬送品質との関係と取り出したスキュー情報とに基づいて、管理者が記録体搬送手段の搬送品質を把握することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写紙などの定型に裁断された記録体上に画像を形成する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
転写紙などの定型に裁断された記録体としてのカット紙に画像を形成する画像形成装置としては、記録体を収容する記録体収容部から画像形成部まで記録体を搬送し、画像形成部によって記録体上に画像を形成するものがある。この画像形成装置では、表面に画像が形成された記録体を、定着装置に搬送し記録体上に画像を定着して、記録体を排紙部まで搬送する。このような画像形成装置では、使用し続けることによって記録体が通過する記録体搬送経路を形成する部材や記録体に搬送力を付与する搬送ローラが劣化する等の原因により、次の問題が生じることがある。すなわち、部材の劣化などにより記録体の搬送方向に対して記録体が斜めに傾いた状態となる、いわゆるスキューが発生する問題である。そして、スキューが発生したままの状態の記録体に対して画像形成部で画像を形成すると、記録体に対して画像が斜めに載る画像不良が発生する。また、スキューが発生した状態の記録体は記録体搬送経路を形成する部材に引っかかりやすく、スキューが発生した状態で記録体を搬送し続けると、ジャムと呼ばれる紙詰まりが発生する可能性が高くなる。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置では、スキューを検知するスキュー検知センサが画像不良やジャムが発生する可能性がある程度の異常スキューの発生を検知した場合には、記録体への画像形成を停止する。そして、異常スキューが発生した記録体をそのまま排紙する。異常スキューが発生した記録体が画像形成を行われず排紙されるため、記録体に対して画像が斜めになる画像不良の発生を防止することができる。また、異常スキューが発生したまま画像形成を行うとジャムの発生を招くおそれがあるので、画像形成を停止することにより、ジャムの発生を回避することができる。
また、特許文献2に記載の画像形成装置は、画像転写部の前に設置されたスキュー検知センサによって異常スキューの発生が検知された場合には、記録体上にトナー画像を転写・定着後に記録体の搬送を停止するものとしている。これにより、未定着トナー画像が記録体上に残り、ジャム紙の処理時にマシンやユーザーを汚してしまうことを回避している。
このような異常スキューが発生したことが検知された場合は、画像形成を停止して記録体搬送経路や搬送ローラなどの記録体搬送手段の保守管理作業を行い、良好な記録体の搬送を行える状態として、画像形成を再開させる。
【0004】
【特許文献1】特開平07−112849号公報
【特許文献2】特第3381416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のスキュー検知センサを備えた画像形成装置では、画像不良やジャムが発生する可能性がある程度の異常スキューの発生を検知した場合の処理である。異常スキューの発生を検知すると画像形成を停止するため、その後の画像不良やジャムの発生を防止することができるが、異常スキューの発生後は、記録体搬送手段の保守管理作業を行うまで画像形成を行うことができないという問題が生じる。また、異常スキュー発生後の保守管理作業を行うまでの間でも画像形成可能な構成としても、異常画像やジャム等の不具合が発生しやすい状態であり、頻繁に不具合が発生することで使用者の不満が高まるおそれがある。
なお、異常スキューとして検出するスキューのズレを小さくし、保守管理作業を行うように報知することによって、異常スキュー検出後でもすぐに使用不可としなくても画像不良やジャムの発生を抑制することができる。しかし、異常スキューとするスキューのズレを小さく設定すると、スキューのズレが許容範囲内であっても保守管理作業を行うため、頻繁に保守管理作業を行うことになる。これによって、記録体搬送手段の保守管理の効率が悪くなり、記録体搬送手段の保守管理のコスト高につながる。
【0006】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、画像不良やジャムが発生することを防止し、且つ、効率よく記録体搬送手段の保守管理を行うことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、定型に裁断された記録体上に画像を形成する画像形成部と、該記録体に画像を形成するときに該記録体を装置本体内の記録体搬送経路を通過させる記録体搬送手段と、該記録体搬送経路で搬送される該記録体の搬送方向に対する斜行量を検知するスキュー検知手段とを備える画像形成装置において、該スキュー検知手段の検知結果である記録体スキュー情報を経時的に記憶するスキュー情報記憶手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記スキュー検知手段を、上記記録体搬送経路の複数箇所に配置することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記記録体のスキューのズレの大きさが規定値よりも大きくなった場合、アラーム情報を報知することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、上記スキュー情報記憶手段が記憶する上記記録体スキュー情報の履歴に基づいて、アラーム情報を報知することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3または4の画像形成装置において、通信回線を用いて遠隔地の遠隔監視装置との間で情報の送受信を行う通信手段を備え、上記アラーム情報を該遠隔監視装置に送信することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3、4または5の画像形成装置において、上記アラーム情報を装置本体内のアラーム情報記憶手段に記憶することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3、4、5または6の画像形成装置において、上記アラーム情報を表示する表示手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、上記記録体スキュー情報に基づいて保守管理情報を生成することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記記録体スキュー情報に基づいて保守管理情報を生成する保守管理情報生成手段を備え、該保守管理情報生成手段は、複数のスキュー検知手段が記録体の斜行量を検知する複数の検知位置の各検知位置での斜行量を、それぞれ独立に用いて該保守管理情報を生成することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記記録体スキュー情報に基づいて保守管理情報を生成する保守管理情報生成手段を備え、該保守管理情報生成手段は、複数のスキュー検知手段が記録体の斜行量を検知する複数の検知位置のうち、ある検知位置での記録体の斜行量と、次の検知位置での記録体の斜行量との差分値を用いて該保守管理情報を生成することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記記録体スキュー情報に基づいて保守管理情報を生成する保守管理情報生成手段を備え、該保守管理情報生成手段は、複数のスキュー検知手段が記録体の斜行量を検知する複数の検知位置のうち、ある検知位置での該記録体の斜行量と、次の検知位置での記録体の斜行量との差分値と、各検知位置でのそれぞれの斜行量とを用いて該保守管理情報を生成することを特徴とするものである。
【0008】
上記請求項1乃至11の画像形成装置においては、サービスマン等の装置の管理者、装置の使用者、または装置自体が備える制御部が、スキュー情報記憶手段から記録体スキュー情報を取り出すことができる。よって、予め定められたスキューズレと記録体搬送手段の搬送品質との関係と取り出した記録体スキュー情報とに基づいて、装置の管理者、使用者、または装置自体が備える制御部が記録体搬送手段の搬送品質を把握することが可能となる。また、異常スキューとは判断されない程度のスキューズレの記録体スキュー情報も常にスキュー情報記憶手段に記憶されている。そして、この記録体スキュー情報を取り出すことにより、装置の使用者、管理者または制御部が、保守管理作業をすぐには必要としないが保守管理作業を行った方が搬送品質をより向上させることができる搬送品質の状態を把握することが可能となる。この状態を装置自体が備える制御部が把握する場合は、装置が備える報知手段を用いて、その状態を示す情報を装置の使用者または管理者に知らしめることで、上述の状態を装置の使用者または管理者が把握することが可能となる。
装置の使用者または管理者が、保守管理作業をした方が搬送品質をより向上させることができる状態であることを把握することにより、他の箇所の修理や定期点検など他の保守管理作業を行うときに併せて記録体搬送手段の保守管理作業を行うことができる。この記録体搬送手段の保守管理作業により、記録体の搬送品質を向上することができるため、安定した記録体の搬送ができ、画像不良やジャムが発生する可能性がある程度の異常スキューが発生することを防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至11の発明によれば、異常スキューが発生することを防止できることにより、画像不良やジャムが発生することを防止し、他の保守管理作業を行うときに併せて記録体搬送手段の保守管理作業を行うことができるため、効率よく記録体搬送手段の保守管理を行うことができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式の複写機(以下、単に複写機1という)に適用した一実施形態について説明する。
まず、複写機1の基本的な構成について説明する。図1は、複写機1を示す概略構成図である。複写機1は、プリンタ部100と給紙部200とからなる画像形成手段と、スキャナ部300と、原稿搬送部400とを備えている。スキャナ部300はプリンタ部100上に取り付けられ、そのスキャナ部300の上に原稿自動搬送装置(ADF)からなる原稿搬送部400が取り付けられている。
【0011】
スキャナ部300は、不図示のコンタクトガラスや読取センサを備え、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報を読取センサで読み取り、読み取った画像情報を図示しない制御部に送る。制御部は、スキャナ部300から受け取った画像情報に基づき、プリンタ部100の露光装置21内に配設された図示しないレーザやLED等を制御してドラム状の4つの感光体40K,Y,M,Cに向けてレーザ書き込み光Lを照射させる。この照射により、感光体40K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
【0012】
感光体40K,Y,M,Cは、その他の幾つかの装置とともに1つのユニットとして共通の支持体に支持されてプロセスユニット18K,Y,M,Cを形成し、複写機1本体に対して着脱可能となっている。ブラック用のプロセスユニット18Kを例にすると、これは、感光体40Kの他、感光体40K表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像手段たる現像ユニット61Kを有している。また、一次転写ニップを通過した後の感光体40K表面に付着している転写残トナーをクリーニングする感光体クリーニング装置63Kも有している。また、クリーニング後の感光体40K表面を除電する除電装置としてのクエンチングランプ64Mや、除電後の感光体40K表面を一様帯電せしめる図示しない帯電装置60Yなども有している。他色用のプロセスユニット18Y,M,Cも、取り扱うトナーの色が異なる他は、ほぼ同様の構成になっている。複写機1では、これら4つのプロセスユニット18K,Y,M,Cを、中間転写ベルト10に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設したいわゆるタンデム型の構成になっている。なお、色の並べ順はシステムによって異なる。
【0013】
プリンタ部100は、露光装置21の他、一次転写ローラ62K,Y,M,C、二次転写ローラ22、定着装置25、排紙装置、図示しないトナー供給装置、トナー供給装置等も備えている。
【0014】
プリンタ部100の下方には自動給紙部としての給紙部200が配設されている。給紙部200は、ペーパーバンク43内に多段に配設された2つの給紙カセット44、給紙カセットから記録体たる転写紙Pを繰り出すピックアップローラ42、繰り出した転写紙Pを分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45等を有している。また、プリンタ部100の搬送路48に転写紙Pを搬送する搬送ローラ47等も有している。
複写機1では、搬送ローラ47、レジストローラ対49、二次転写ローラ22、定着装置25等のローラ部材や不図示のガイド部材などによって記録体搬送手段を構成し、転写紙Pを記録体搬送経路としての給紙路46及び搬送路48を通過させる。
【0015】
プリンタ部100の搬送路48における二次転写ローラ22の上流側には、レジストローラ対49が配設されている。このレジストローラ対49は、給紙カセット44から送られてくる転写紙Pを受け入れた後、所定のタイミングで中間転写体たる中間転写ベルト10と二次転写ローラ22との間に形成される二次転写ニップに送る。
【0016】
プリンタ部100内の二次転写ローラ22や定着装置25の下には、転写紙反転装置28が設けられている。これにより、両面プリントのときには、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pが、切換爪で転写紙Pの進路を転写紙反転装置28側に切り換えられ、そこで反転されて再び二次転写転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ上に排紙される。
【0017】
複写機1を用いてカラー画像のコピーをとるときに、原稿搬送部400の原稿台上に原稿をセットする。あるいは、原稿搬送部400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス上に原稿をセットした後、原稿搬送部400を閉じて原稿を押さえる。そして、図示しないスタートスイッチを押す。すると、原稿搬送部400に原稿がセットされている場合には原稿がコンタクトガラス上に搬送された後に、コンタクトガラス上に原稿がセットされている場合には直ちに、スキャナ部300が駆動を開始する。そして、不図示の走行体の光源から発せられる光が原稿面で反射した後、不図示の結像レンズを経由して読取センサに至り、画像情報として読み取られる。
【0018】
このようにして画像情報が読み取られると、プリンタ部100は、図示しない駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動させながら他の2つの支持ローラを従動回転させる。そして、これらローラに張架される中間転写ベルト10を無端移動させる。また、感光体40周辺、給紙路46及び搬送路48などにある各ローラが既定のタイミングで回転し始める。
各感光体40は、帯電装置60の帯電チャージャによってその表面を一様な電位に帯電され、上述したレーザ書き込みによって、その表面を画像データに従って露光される。感光体40表面上の露光された後の電位パターンである静電潜像に、現像ユニット61によってトナーを供給されることによって、静電潜像の現像が成され、感光体40の表面上に特定色のトナー像が形成される。図1に示す複写機1では、4つのプロセスユニット18K,Y,M,Cが備える、それぞれの感光体40K,Y,M,Cの表面上にブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの単色のトナー像がそれぞれ形成される。これらは、感光体40K,Y,M,Cと、中間転写ベルト10とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップで順次重ね合わせて静電転写されて4色重ね合わせトナー像になる。一次転写ニップでは、感光体40K,Y,M,Cに対向して設置された一次転写ローラ62K,Y,M,Cに印加される一次転写バイアス、及び押圧力によって、感光体40K,Y,M,C上のトナー像が中間転写ベルト10上に転写される。
【0019】
一方、給紙部200は、画像情報に応じたサイズの転写紙Pを給紙すべく、2つのピックアップローラ42のうちの何れか1つを作動させて、転写紙Pをプリンタ部100の搬送路48に導く。搬送路48内に進入した転写紙Pは、レジストローラ対49に挟み込まれて一旦停止した後、タイミングを合わせて、中間転写ベルト10と二次転写ローラ22との当接部である二次転写ニップに送り込まれる。すると、二次転写ニップにおいて、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像と、転写紙Pとが同期して密着する。そして、ニップに形成されている転写用電界やニップ圧などの影響によって4色重ね合わせトナー像が転写紙P上に二次転写され、紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
【0020】
二次転写ニップを通過した転写紙Pは、定着装置25を通過することにより、表面に担持しているトナー像を加熱定着される。片面プリントの場合は、そのまま排紙トレイ57上に排出される。一方、両面プリントの場合は、搬送方向を図中下向きに変えられ、転写紙反転装置28へ搬送される。転写紙反転装置28に搬送された転写紙Pは、スイッチバックローラ29に搬送され用紙反転部28aに到達する。転写紙Pが用紙反転部28aに到達するとスイッチバックローラ29が逆回転し、転写紙Pは搬送方向を逆転されて後端から用紙反転部28aを出て行く。これをスイッチバック動作と呼び、この動作によって転写紙Pの表裏を反転させることができる。表裏反転された転写紙Pは定着装置25方向には戻らず、再給紙経路28bを通過してレジストローラ対49に向かう搬送路48へ向かう。この後は、表面プリントの時と同じ様にトナー像を転写されて、定着装置25を通過して排紙トレイ57に排紙される。以上が、両面プリント動作である。
【0021】
一方、一次転写ニップを通過した感光体40は、その表面が一次転写残トナーを担持しており、これをブレード及びブラシ等で構成された感光体クリーニング装置63において除去される。その後、感光体40はクエンチングランプ64によってその表面を一様に除電されて、次の画像の為の帯電に備える。また、二次転写ニップを通過した中間転写ベルト10に関しても、その表面に二次転写残トナーを担持している。こちらもブレード及びブラシ等で構成された中間転写ベルトクリーニングユニット17によってこれを除去され、次のトナー像の転写に備える。この様な動作の繰り返すことにより、片面プリント若しくは両面プリントが行われる。
【0022】
なお、図1に示す複写機1ではシステムとしては4連タンデム型中間転写方式のフルカラー機として描かれているが、これは画像形成装置の代表例として描いているだけであり、本発明を適用する構成はこれに限るものではない。たとえば、4連タンデム型直接転写方式や1ドラム型中間転写方式などのフルカラー機でも良いし、直接転写方式のモノクロ機でも良い。
【0023】
次に、複写機1の給紙路46や搬送路48に搭載する、スキュー検知手段としてのスキューセンサにつてい説明する。
図2は、スキューセンサ2の概略説明図である。図2(a)は、スキューセンサ2を転写紙P搬送方向に沿って横から見た側方説明図であり、図2(b)は、スキューセンサ2を斜め上から俯瞰した斜視説明図である。
スキューセンサ2は一対の光学的センサ3で形成されており、この2つの光学的センサ3が主走査方向両端部に副走査方向の位置を合わせて設置される構成となっている。光学的センサ3としては、本実施形態では反射型センサ(リフレクタ)を例示しているが、転写紙Pを挟んで投光部と受光部が存在する透過型センサ(インタラプタ)を用いて、スキューセンサ2を構成しても良い。また、図2(a)では一対の光学的センサ3が一枚のセンサ基板4上に設置される構成となっているが、2つの光学的センサ3の副走査方向の位置が合ってさえいれば、同一の基板上に形成する必要は必ずしもない。例えば、独立な光学的センサ3が副走査方向の位置を合わせて、画像形成装置の側板に固定されていても良い。この様に構成されたスキューセンサ2は図2(b)に示す様に搬送される転写紙P先端を検知する。両端の光学的センサ3が転写紙Pを検知したタイミングのずれによって記録体である転写紙Pの搬送方向に対する斜行量であるスキューの度合いを検知する。
【0024】
カット紙を用いる画像形成装置において、ユーザーが不満に感じる上位項目のひとつとして紙詰まり(ジャム)がある。特に、定着部における紙詰まりはジャム紙を取り除きづらく、転写部における紙詰まりは未定着画像が紙上に転写されているのでユーザーが手を汚しやすい、等という点で不満度の高い項目となっている。通常のジャム検知制御では、ジャムが発生したことを検知するだけなので、これらの不満を回避することはできない。
【0025】
従来の画像形成装置では、転写紙のスキューに注目して、ジャムが発生する前段階の情報を得て制御を行っている。ジャムが発生するプロセスには、滑り、引っ掛かり、巻き付き、等が考えられ、滑りや引っ掛かりが発生すると転写紙のスキューになって現れ、それが悪化し異常スキューとなるとジャムになると考えられるためである。
特開平07−112849号公報においては、異常スキューが発生した場合には転写紙への記録を行わずに排紙するように制御している。この制御の目的としては、第一に転写紙上に斜めの画像をプリントしないということである。異常スキューが発生していると画像転写部において画像が転写紙に対して斜めに載ることになってしまうので、ユーザーの不満項目となる。また第二には、異常スキューしたままでプリントを行うとジャムを招く恐れがあるので、これを回避するということである。異常スキューによる不具合としては、主にこれら2点(画像不良、ジャム)が考えられる。
特第3381416号公報においては、画像転写部の前に設置されたスキューセンサによって異常スキューの発生が検知された場合には、転写紙上にトナー画像を転写・定着後に転写紙の搬送を停止するものとしている。これは、未定着トナー画像が転写紙上に残り、ジャム紙の処理時にマシンやユーザーを汚してしまうことを回避するためである。
特開平10−129890号公報においては給紙部にスキューセンサが設けられ、ピックアップされた直後の転写紙のスキュー状態を検知している。異常スキューが発生した場合には搬送を停止してジャムの発生を回避し、場合によっては給紙カセット内に逆搬送したりして、転写紙の再利用を図っている。
【0026】
以上の様にスキュー検知に関しては従来から公知の技術となっておる。そして、従来の画像形成装置では異常スキューが発生した場合の処理として(1)画像不良(斜め画像)を出力しない、(2)そのまま作像動作を続けてジャムを招かない、の2点を意識した出願が多くなっている。しかしいずれも「異常スキューが発生した」場合の対応動作に関する制御であり、その制御は通常「ある閾値以上のスキューが検知された場合」に発動するものである。言うなれば対処療法的な制御であり、異常スキューの発生自体を予防しようという考え方は含まれていない。
【0027】
本発明は、この点に鑑みて為されたものであり、異常スキューの発生を検知してから対応動作を行うのではなく、異常スキューが発生しそうか否かという点で紙搬送品質を検知し、紙搬送品質の低下が認められた場合には、異常スキューによる不具合(画像不良、ジャム)が発生する以前にメンテナンスを行い、不具合の発生を防止しようとするものである。
本実施形態の複写機1は、紙搬送経路の複数箇所にスキュー検知センサを設け、経時的に紙のスキュー具合(異常スキューが発生したと判断されない程度の転写紙の傾き)を検知することにより、転写紙の搬送状態が安定しているか、それとも異常スキューが発生しそうな不安定な状態かを判別するものとしている。もし後者の状態であれば、迅速にメンテナンス計画を作成してサービスマンを派遣することで、スキューが発生して画像不良(斜め画像)やジャムが発生することによるユーザーの不満を未然に防ぐことができる。この様に紙搬送品質を監視して状態を良好に保つことにより、ユーザーの満足度を向上することができる。
【0028】
次に本実施形態の特徴部について説明する。
図3は、本実施形態の複写機1における、スキュー検知システムの概略説明図である。
図3に示すように、複写機1は、スキューセンサ2の検知結果である転写紙Pのスキュー情報を経時的に記憶するスキュー情報記憶手段としての内部メモリ102を備えている。そして、サービスマン等の装置の管理者、装置の使用者、または装置自体が備える制御部101が、内部メモリ102から転写紙Pのスキュー情報を取り出すことができる。よって、予め定められたスキューズレと記録体搬送手段の搬送品質との関係と取り出したスキュー情報とに基づいて、管理者、使用者、または制御部101が記録体搬送手段の搬送品質を把握することが可能となる。
また、このような内部メモリ102を備えることにより、管理者、使用者、または制御部101が異常スキューとは判断されない程度のスキューズレの状態も常に把握することができる。これにより、転写紙Pが安定して搬送されている状態か、すぐにでも保守管理作業を必要とする状態か、保守管理作業をすぐには必要としないが保守管理作業を行った方が搬送品質をより向上させることができる状態かを、管理者、使用者、または制御部101が把握することができる。
保守管理作業をした方が搬送品質をより向上させることができる状態であることを把握することにより、他の箇所の修理や定期点検など他の保守管理作業を行うときに併せて転写紙Pの搬送経路の保守管理作業であるメンテナンスを行うことができる。この転写紙Pの搬送経路のメンテナンス作業により、搬送経路の搬送品質を向上することができるため、安定した転写紙Pの搬送ができ、画像不良やジャムが発生する可能性がある程度の異常スキューが発生することを防止することができる。さらに、すぐにでもメンテナンス作業を必要とする状態であることを把握することができることにより、より確実に画像不良やジャムが発生する可能性がある程度の異常スキューが発生することを防止することができる。
なお、搬送経路の保守管理作業は、搬送経路を形成する不図示のガイド部材のメンテナンスに限らず、搬送経路を形成する各ローラ部材、また、駆動が伝達されるローラ部材であればその駆動源等も必要に応じてメンテナンスを行う。すなわち、本実施形態の搬送経路の保守管理作業は、複写機1の記録体搬送手段の搬送品質を向上させるメンテナンスも含む。
【0029】
複写機1では、異常スキューが発生することを防止できることにより、画像不良やジャムが発生することを防止することができる。また、他の保守管理作業を行うときに併せて記録体搬送経路のメンテナンス作業を行うことができるため、効率よく記録体搬送経路の保守管理を行うことができる。
【0030】
複写機1は、スキューセンサ2を複写機1内の紙搬送経路である給紙路46及び搬送路48の複数箇所に配置している。紙搬送経路内の複数箇所の設置位置としては、図1中の破線で示す領域A〜Eの位置が考えられる。図1中の領域A〜Eに示す箇所は、それぞれ異常スキューが発生しやすい箇所、またはスキュー発生により画像不良、もしくはそれ以降の紙搬送に不具合が置きやすいと考えられる箇所である。この様な箇所を選択することにより、スキュー検知による紙搬送品質管理が妥当なものとなる。
【0031】
図1中の領域Aは、給紙部出口である。給紙部出口においては、給紙カセット44内においてピックアップローラ42でピックされた時にスキューが発生しやすい。これは、通常、ピックアップローラ42が、主走査方向に短いローラであり、かつ片持ちなので片減りするためである。また給紙カセット44内への転写紙Pのセット状態が悪い場合には、最初から転写紙Pがスキュー気味になっている場合があり、スキューが発生している確率が高い。転写紙Pが給紙部出口を通過した後は、レジストローラ対49においてスキュー補正されるまでの紙搬送経路が比較的長いため、異常スキューしたまま搬送するとジャムに至る可能性が高い。
【0032】
図1中の領域Bは、レジストローラ対49への入口となるレジストローラ入口である。レジストローラ入口においては、ピックアップされてから給紙路46、搬送路48を搬送されてくるまでの間に転写紙Pに発生したスキューが積算されて検知される。搬送経路が長いため割と大きなスキューが検知される可能性が高いが、すぐ後のレジストローラでスキュー補正が行われるので、ある程度大きいスキューも許容可能である。
【0033】
図1中の領域Cは二次転写ニップへの入口となる転写部入口である。転写部入口においては、レジストローラ対49でスキュー補正された転写紙Pが検知されるため、常にあまりスキューが発生していない状態が検知されるはずである。そして、この位置で異常スキューが発生していた場合には転写紙P上に画像が斜めに載ってしまうため、スキューはあまり許容できない。
【0034】
図1中の領域Dは、定着装置25への入口となる定着部入口である。二次転写ニップで画像が転写された後に転写紙Pが到達する定着部入口においては、レジストローラ対49からの距離が長くないため、大きなスキューは発生しづらい傾向にあると考えられる。しかし、画像転写部における紙分離時に異常スキューが発生してしまうことがあり、異常スキューが発生している状態で定着装置25に突入すると、定着巻き付きジャムや転写紙Pのしわの発生等に結びついてしまう可能性が高い。両方ともにユーザーの満足度を大きく損なう項目であるため、ここでもスキュー許容度は小さめとなる。
【0035】
図1中の領域Eは、定着装置25からの出口となる定着部出口である。定着部出口においては、定着装置25での紙分離動作によってスキューが発生する可能性がある。しかし、定着部出口以後は排紙トレイ57に排出されるだけなので、ある程度大きめのスキューでも許容できる。しかし、両面プリントの場合は、定着部出口から転写紙反転装置28に搬送するため、領域Eを通過した後の紙搬送経路が長くなるため、スキュー許容度はそれに応じて小さくなる。
このように、スキューセンサ2を複写機1の搬送経路の複数箇所に設けることにより、複写機1内の搬送経路のどこでスキューによる不具合が発生しそうかを判断することができる。これにより、紙搬送状態を安定化するためにどの箇所をメンテナンスすべきか特定することができる。例えば、転写部入口に設けたスキューセンサ2の検知結果ではスキューのズレは大きくなく、定着部入口に設けたスキューセンサ2の検知結果でスキューのズレが大きくなった場合は、その間の搬送経路に対してメンテナンスを行う。
【0036】
これらキーポイントになる複数箇所のスキュー具合を検知することにより、紙搬送経路全域にわたって紙搬送品質を定量化することができる。すなわち給紙路46及び搬送路48といった転写紙Pの搬送経路の紙搬送品質を評価する指標として、スキューセンサ2の検出結果であるスキュー情報を用い、スキュー情報に基づいて紙搬送品質を定量化する。
紙搬送品質を定量化する方法として最も単純なものは、各箇所のスキューセンサ2が検出したスキュー情報であるスキューの大きさに閾値(紙搬送品質ランク閾値)を設定しておく。そして、その閾値を越えているか否かで紙搬送品質をランク分けする方法である。そして、この紙搬送品質のランク分けした情報を、保守管理情報としてメンテナンスするかどうかの判断の指標として用いる。一箇所でもランクが下がっているならば、その箇所でのジャム発生確率が増加しているということなので、複写機1の紙搬送経路全域としての紙搬送品質もランクが下がっていると判断する。これにより、予め定められたスキューのズレと記録体搬送手段の搬送品質との関係と取り出した記録体スキュー情報とに基づいて、サービスマン、ユーザー、または複写機1が備える制御部が記録体搬送手段の搬送品質を把握することができる。
ここで、各スキューセンサ2における閾値の設定例を表1に示す。なお、表1に示すようなランク付けは内部メモリ102に予め入力されているものである。
【0037】
【表1】

【0038】
領域A〜Eについて説明したように、スキューセンサ2の設置位置によってスキューの許容度は異なる。よって、複写機1では、このスキューの許容度に基づいて、それぞれの位置における正常範囲、警戒範囲、異常範囲の閾値を設定している。
表1での正常範囲とは文字通りスキュー量が正常として許容できる範囲の状態ある。警戒範囲とはスキュー量が増えて紙搬送品質が下がっていると判断できるがすぐにでもメンテナンスが必要な訳ではない状態である。そして、異常範囲とは画像不良やジャムが発生する可能性が高くメンテナンスが必要な状態である。
例えば複数のスキューセンサ2が検出したスキュー量の全てが、表1に示す正常範囲に入っているならば、複写機1の紙搬送経路の紙搬送品質はランク0で正常と見なす。一方、一箇所でも警戒範囲に入っている箇所があれば、複写機1の紙搬送経路のランク1と見なすようにする。複写機1の紙搬送経路全体での紙搬送品質がランク1に低下したことを受けて、サービスマンまたはユーザーが、各スキューセンサ2でのランクを確認することにより、どの位置での搬送品質が低下しているかを判別することができる。
【0039】
表1におけるランク1は警戒範囲という位置付けなので、この場合、複写機1の制御部101はアラーム情報として例えば注意情報を発報することになる。注意情報の場合には緊急事態ではなく、例えば次にサービスマンが訪れた時についでに調整するという位置付けでのメンテナンス情報で良い。一方、表1におけるランク2の場合には、今にもジャム若しくは画像不良(斜め画像)が発生しそうな異常状態なので、即座にサービスマンが訪れてメンテナンスしなければいけない状態である。
この様に紙搬送経路全体に渡ってスキュー発生状態を検知し、紙搬送品質を定量化することによって、画像形成装置のメンテナンスを適切なタイミングで行うことができ、ユーザーの満足度の低下を防止することができる。
【0040】
転写紙Pのスキューのズレの大きさが、既定値である閾値よりも大きくなり、ランク1やランク2として検出された場合は、アラーム情報を報知する。本実施形態の複写機1では表1のランク分けに基づいて、注意情報や異常情報をアラーム情報として報知する。
アラーム情報を報知するランクの分け方としては、表1のものに限らず他の分け方でも良い。例えば、ランクを2通りとする簡単な報知システム(正常か異常か)であっても良いし、もっと細かいランク分けに基づく報知システムであっても良い。また、複写機1では、複数のスキューセンサ2の検知結果のうち、紙搬送品質が最も悪いとされるランクを複写機1の紙搬送経路全体の紙搬送品質のランクとするシステムであるが、これに限るものではない。例えば、搬送品質の悪化した状態にランクが変わった箇所の数によって、紙搬送経路全体の紙搬送品質ランクが変わる様なシステムでも構わない。
いずれにしても、紙搬送品質の推移が検出された場合に、それに応じてアラーム情報を報知するシステムであれば良い。
【0041】
また、内部メモリ102が記憶するスキュー情報の履歴に基づいて、アラーム情報の報知しても良い。これは、過去の紙搬送品質履歴である過去のスキュー情報により、将来の紙搬送品質の低下度合いを予測するものである。すなわち、過去のデータ変動を学習し、それに基づいて未来の状態を予測し、アラーム情報を報知するシステムとなる。
図4は、ある箇所のスキューセンサ2が検知するスキュー量の経時における典型的な変動を示すグラフの一例である。この典型的なスキュー量変動曲線は、通常いくつものスキュー量変動データを総合し、直線近似若しくは曲線近似することによって得られる。
図4においては曲線近似のようなグラフになっており、例えば給紙部出口のスキュー量が典型的にはこの様に変動することが分かっている場合には、ランクが0から1に低下した時点で、いつ頃ランク2に至るかという予測可能となる。この様に過去のスキュー変動量データを学習することによって典型的な変動曲線を算出し、紙搬送品質がある既定値より低下する時期が予測できるので、その予測した情報をアラーム情報として報知することができるようになる。
なお、図4のグラフに示すような関係を出荷前の実験等により予め求めておき、複写機1の記憶部に入力しておいても良い。
【0042】
次に、アラーム情報の報知について説明する。
図5は、複写機1におけるアラーム情報の報知システムの概略説明図である。
図5に示すように、複写機1は、通信回線502を用いて遠隔地にあるサービスセンター500が備える遠隔監視装置としてのホストコンピュータ501との間で情報の送受信を行う通信手段としての通信部103を備えている。通信回線502としては専用回線でもよいし、公衆回線を用いてもよい。複写機1で搬送品質の推移が検出されてアラーム情報を報知する場合、制御部101は、通信部103及び通信回線502を介して、ホストコンピュータ501にアラーム情報を自動送信する。これにより、アラーム情報が自動的にサービスセンター500に収集されることになる。サービスセンター500では、管理している複写機1のアラーム情報を常に監視しており、アラーム情報の内容に応じて速やかにサービス・メンテナンス計画を立てることができる。例えばランク1の注意情報の場合には、次回定期訪問時のメンテナンス項目としてランクが下がった箇所の紙搬送部品メンテナンスを含めれば良い。一方、ランク2の異常情報の場合には、すぐにサービスマンを派遣するという対応を取ることができる。
なお、複写機1の制御部101がホストコンピュータ501に送信する情報としては、アラーム情報に限らず、スキュー情報、またはスキュー情報に基づいて生成された他のスキューに関する情報を送信してもよい。
【0043】
また、アラーム情報は、アラーム情報記憶手段としての機能も備えた複写機1本体内の内部メモリ102に記憶するようにしても良い。この場合、サービスマンが訪れた時にメモリの内容を見ることによって複写機1の現状の紙搬送品質ランクを認識し、紙搬送品質の低下している箇所をメンテナンスすることができる。
【0044】
また、アラーム情報を表示手段であるオペレーションパネル401に表示し、アラーム情報をユーザーに報知するようにしても良い。また、ユーザーにアラーム情報を報知するために、アラーム情報を表示する表示手段としてはオペレーションパネルに限るものではなく、例えば、複写機1に接続されたPC画面にアラーム情報を報知しても良い。
これらの表示手段を介してユーザーにアラーム情報を報知することによってユーザーが複写機1の紙搬送品質の状態を把握でき、複写機1の使用状況を考慮して都合の良い時期にメンテナンス要求を出すことができる。
なお、アラーム情報を報知するシステムとしては、ホストコンピュータ501に送信するもの、内部メモリ102に記憶するもの、及び、オペレーションパネル401に表示するものについて説明したがこれに限るものではない。また、アラーム情報を報知するシステムとしてこれらを単独で採用してもよいし、複合的に採用しても良い。複合的にアラーム情報を報知するシステムとしては、例えばアラーム情報をサービスセンター500のホストコンピュータ501に報知する一方、オペレーションパネル401に表示するようにしても良い。
【0045】
〔変形例1〕
次に、変形例1として、複数のスキューセンサ2が転写紙Pの斜行量を検出する複数の検知位置の各検知位置での斜行量であるスキュー量をそれぞれ独立で用いて、保守管理情報を生成する一例について説明する。
変形例1では、制御部101が保守管理情報生成手段として、各スキューセンサ2のスキュー情報に基づいて紙の搬送品質を示す保守管理情報である紙搬送品質値を生成する。
変形例1の複写機1で、一枚の転写紙Pが、複写機1内の紙搬送経路である給紙路46及び搬送路48を通って、給紙カセット44から排紙トレイ57に排紙されるまでに、領域A〜Eの各検知位置のスキューセンサ2で検知されるスキュー情報の一例を表2に示す。
【0046】
【表2】

【0047】
表2でのマイナス表記は、スキューの傾きがプラスの場合と逆(例えば転写紙Pの右側が前に出ているのをプラス、左側が前に出ているのをマイナスとする。)であることを意味している。
この様に得られたスキュー量をそのまま各検出位置における紙搬送品質値として置き換える。
詳しくは、領域Aの紙搬送品質値である給紙部出口搬送品質値は1.2、領域Bの紙搬送品質値であるレジストローラ入口搬送品質値は1.7、等と定義する。マイナスの値に関しては、スキュー量の絶対量を評価指標とする場合には、絶対値として扱えば良い。しかし、表2に示すように、搬送途中でスキューの向きが逆転する場合も考えられるため、プラス・マイナスの符号付きで扱った方が情報量の点では好ましい。
【0048】
この様にスキュー量をそのまま紙搬送品質値として用いた場合、各検知位置でのスキュー量に対する許容度が紙搬送品質値に反映されていないため、紙搬送品質判断の閾値を検知位置ごとに設定する必要がある。
例えば、領域Bで示すレジストローラ入口部では直後にスキュー補正がかかるので、スキューに対する許容度が大きく、変形例1の複写機1でのスキュー量は8[mm]まで許容されることとする。一方、領域Cで示す転写部入口ではスキューしていると転写紙P上に画像が斜めに転写されてしまうため、スキュー量に対する許容度が非常に低く、変形例1の複写機1でのスキュー量は2[mm]までしか許容されないこととする。これらのことを踏まえ、レジストローラ入口部ではスキュー異常と判断する紙搬送品質値の閾値を8、転写部入口では2、と設定する。
このような各検知位置での紙搬送品質値に対して、スキュー異常と判断する紙搬送品質値の閾値を内部メモリ102に予め保存しておき、制御部101で生成された紙搬送品質値が、この閾値を越えた場合に異常情報をアラーム情報として報知する。
【0049】
また、各検知位置でのスキュー量を用いて紙搬送品質値を生成するもとのとして、スキュー量に対する許容度に応じてランク付けして紙搬送品質を定量化した値を紙搬送品質値として用いても良い。
変形例1の複写機1での、レジストローラ入口と転写部入口とのスキュー量に対するランク付けの一例を表3に示す。表3に示すようなランク付けの情報は内部メモリ102に予め入力されているものである。
【0050】
【表3】

【0051】
表3に示す例では5段階に分けた搬送品質ランクを用いる。表3に示すように、レジストローラ入口部では、+8[mm]以上、または、−8[mm]以下のスキュー量をランク5とし、転写部入口部では、+2[mm]以上、または、−2[mm]以下のスキュー量をランク5としてランク分けをしている。
各検知位置のスキューセンサ2から各検知位置での転写紙Pのスキュー情報を受信した制御部101は、内部メモリ102が備えるランク付けの情報とを用いて、各検知位置での搬送品質にランクを付ける。このように、制御部101は、各検知位置での転写紙Pのスキュー量をそれぞれ独立に用いて、紙搬送品質値である搬送品質ランクを生成する。制御部101によって生成された各検知位置の搬送品質ランクは、各検知位置での紙搬送品質値として内部メモリ102に記憶される。
この様にランク分けしておくことにより、紙搬送品質が悪化したことを判断するための閾値は搬送品質ランクの1種類のみの設定で良いことになる(例えば、複数のスキューセンサ2の検知結果うち、一つの検知結果に基づいた搬送品質ランクがランク5になると紙搬送品質異常、等)。
【0052】
変形例1では、各検知位置でのスキュー量の絶対量に応じて各検知位置での紙搬送品質値を定める。この方式であれば、例えば紙搬送経路のどこかでランク5が発生した場合に、ランク5を検出したタイミングで給紙中の転写紙Pまでで給紙を中止し、その転写紙Pが排紙されるとともに画像出力動作を終了し、紙搬送経路の点検を促すアラーム報知を行う等の対応動作を行うことができる。
【0053】
〔変形例2〕
次に、変形例2として、複数のスキューセンサ2が転写紙Pの斜行量を検出する複数の検知位置のうち、ある検知位置での転写紙Pのスキュー量と、次の検知位置での転写紙Pのスキュー量との差分値を用いて、保守管理情報を生成する一例について説明する。
変形例2でも、制御部101が保守管理情報生成手段として、各スキューセンサ2のスキュー情報を用いて紙の搬送品質を示す保守管理情報である紙搬送品質値を生成する。
変形例2の複写機1で、一枚の転写紙Pが、給紙カセット44から排紙トレイ57に排紙されるまでに、領域A〜Eの各検知位置のスキューセンサ2で検知されるスキュー量と、各検知位置の一つ前の検知位置との間のスキュー量の差分値との一例を表4に示す。なお、転写紙Pのスキュー量を最初に検知する給紙部出口での差分値は、給紙部出口のスキュー量と、スキュー量「0」との差分値である。
【0054】
【表4】

【0055】
表4に示す各検知位置のスキュー量は、表2で示したものと同じである。表2及び表3を用いて説明した変形例1では、各検知位置でのそれぞれのスキュー量を用いて紙搬送品質値生成したが、変形例2では、各検知位置間の差分値を求め、この差分値を用いて、紙搬送品質値を生成する。
例えば、定着部入口のスキュー量は−1.0[mm]、定着部出口のスキュー量は0.4[mm]となっている。変形例1の考え方では前者(定着部入口)の方が紙搬送品質は2倍悪いことになる。一方、変形例2の考え方は「該当区間でどれだけスキューしたか?」というものであり、転写部入口〜定着部入口の経路での差分値が−0.7[mm]、定着部入口〜定着部出口の経路での差分値が+1.4[mm]である。よって、後者(定着部出口)の方が紙搬送品質は2倍悪いということになる。
このように、ある検知位置でのスキュー量とその一つ前の検知位置でのスキュー量との差分値を、各検知位置での紙搬送品質値として置き換える。詳しくは、領域Dの紙搬送品質値は、−0.7、領域Eの紙搬送品質値は、1.4と定義する。
このような紙搬送品質値に対して、スキュー異常と判断する紙搬送品質値の閾値を内部メモリ102に予め保存しておき、制御部101で生成された紙搬送品質値が、この閾値を越えた場合に異常情報をアラーム情報として報知する。
【0056】
また、各検知位置間でのスキュー量の差分値に用いて紙搬送品質値を生成するもとのとして、差分値に応じてランク付けして紙搬送品質を定量化した値を紙搬送品質値として用いても良い。
変形例2の複写機1での、スキュー量の差分値に対するランク付けの一例を表5に示す。表5に示すようなランク付けの情報は内部メモリ102に予め入力されているものである。
【0057】
【表5】

【0058】
各検知位置のスキューセンサ2から各検知位置での転写紙Pのスキュー情報を受信した制御部101は、ある検知位置と、その前の検知位置とのスキュー量の差分値を算出する。そして、内部メモリ102が備えるランク付けの情報と算出した差分値とを用いて、各検知位置での搬送品質にランクをつける。
このように、制御部101は、複数の検知位置での転写紙Pのスキュー量のうち、ある検知位置でのスキュー量と、次の検知位置でのスキュー量との差分値を用いて、紙搬送品質値である搬送品質ランクを生成する。制御部101によって生成された各検知位置の搬送品質ランクは、各検知位置での紙搬送品質値として内部メモリ102に記憶される。
【0059】
変形例1と変形例2との考え方の違いは積分値と微分値の違いに相当しており、変形例1の考え方はそこまでの経路のスキュー量変動を全て含んだ積分値、変形例2の考え方は各区間で発生しているスキュー量そのもの(微分値)、を紙搬送品質値とする考え方である。変形例2の考え方であれば、各区間毎の紙搬送品質値を独立に求めることができ、紙搬送経路全体で考えた場合に、紙搬送品質を悪化させている区間を特定できることになる。
例えば、給紙部200の給紙路46内で大きくスキューが発生して、そのスキューを保ったままその後ずっと搬送された様な場合、変形例1の方式であれば各検知位置での紙搬送品質値は全てランク5(最低)となってしまう。一方、変形例2の考え方であれば、先頭区間のみがランク5(最低)、その後の区間はは全てランク1(最良)という結果となる。
【0060】
この様に、変形例2の方式であれば、紙搬送品質の劣化が生じている区間が明確になるメリットがある。紙搬送品質を定量化するランク付けの一例を表5に示している。各区間で発生したスキュー量に応じて各区間の紙搬送品質値(ランク)を定めるものであり、これに照らし合わせると、表4に示した転写部入口〜定着部入口の間の紙搬送品質はランク1、定着部入口〜定着部出口の間はランク2ということになる。
紙搬送経路全体を考えると、紙搬送品質を劣化させている要因としては後者の区間(定着部入口〜定着部出口)の影響が大きいため、後者の区間をまず改善すべきだということが判断できる。
【0061】
また、このスキュー差分値に用いて紙搬送品質値を生成する場合は、レジストローラを含む区間は除いて考える必要がある。レジストローラはスキュー補正機能を持っているため、それまでにスキューが発生している場合にはそれと同量の逆方向のスキューを発生させることになり、これは意図的なスキューだからである。
【0062】
〔変形例3〕
変形例1では、各検知位置でのスキュー量を用いて紙搬送品質値を生成し、変形例2では、各検知位置間の差分値を用いて紙搬送品質値を生成していたが、これらを併用しても良い。
変形例3では、各検知位置でのスキュー量を用いて生成した紙搬送品質値と、各検知位置間の差分値を用いて算出した紙搬送品質値とを用いる方法である。変形例3は、基本的には変形例2で説明したように、各検知位置間の差分値の紙搬送品質値によってどこでスキューが発生しているかを監視しながら、各検知位置でのスキューが限界値を超えていないかどうかを、変形例1の方法で監視するという方法である。
変形例3の方法では、紙搬送品質を悪化させている区間情報を常時得ているため、メンテナンス情報としてフィードバックできる。さらに、各検知位置でのスキュー情報により、正常な画像出力機能を阻害する(ジャム、斜め画像)ほどスキューが発生していると認識した場合に、シーケンスプログラムでの対応動作も可能となる。
【0063】
以上、本実施形態によれば、画像形成装置である複写機1は、スキュー検知手段であるスキューセンサ2の検知結果である記録体スキュー情報を経時的に記憶するスキュー情報記憶手段である内部メモリ102を備えている。そして、サービスマン等の装置の管理者、装置の使用者、または装置自体が備える制御部101が、内部メモリ102から転写紙Pのスキュー情報を取り出すことができる。よって、予め定められたスキューズレと記録体搬送手段の搬送品質との関係と取り出したスキュー情報とに基づいて、管理者、使用者、または制御部101が記録体搬送手段の搬送品質を把握することが可能となる。
また、このような内部メモリ102を備えることにより、管理者、使用者、または制御部101が異常スキューとは判断されない程度のスキューズレの状態も常に把握することができる。これにより、転写紙Pが安定して搬送されている状態か、すぐにでも保守管理作業を必要とする状態か、保守管理作業をすぐには必要としないが保守管理作業を行った方が搬送品質をより向上させることができる状態かを、管理者、使用者、または制御部101が把握することができる。
保守管理作業をした方が搬送品質をより向上させることができる状態であることを把握することにより、他の箇所の修理や定期点検など他の保守管理作業を行うときに併せて転写紙Pの搬送経路の保守管理作業であるメンテナンスを行うことができる。この転写紙Pの搬送経路のメンテナンス作業により、搬送経路の搬送品質を向上することができるため、安定した転写紙Pの搬送ができ、画像不良やジャムが発生する可能性がある程度の異常スキューが発生することを防止することができる。さらに、すぐにでもメンテナンス作業を必要とする状態であることを把握することができることにより、より確実に画像不良やジャムが発生する可能性がある程度の異常スキューが発生することを防止することができる。
このように、異常スキューが発生することを防止できることにより、画像不良やジャムが発生することを防止することができる。さらに、他の保守管理作業を行うときに併せて記録体搬送経路のメンテナンス作業を行うことができるため、効率よく記録体搬送経路の保守管理を行うことができる。
また、紙搬送経路である給紙路46及び搬送路48の複数箇所に設置したスキューセンサ2によって転写紙Pの傾き具合を検知することにより、紙搬送経路の何処でスキューによる不具合が発生しそうかを判断できる。これにより、紙搬送状態を安定化するためのメンテナンスポイントを特定することができる。
また、異常スキューと判定される閾値を越えない程度の転写紙Pの傾き具合を複数箇所で検知し、複写機1の紙搬送経路全域に渡って紙搬送品質を定量化することにより、紙搬送状態が安定か不安定かを判別できる。そして、紙搬送状態が不安定になってきていると判定される場合には、異常スキューによって画像不良(斜め画像)やジャムが発生する前にサービスマンによるメンテナンスを行う。これにより、紙資源の不要な浪費を回避すると共に、ユーザーの満足度の低下を防止することができる。
また、複写機1の紙搬送経路の保守管理情報として、スキュー情報に基づいて紙搬送品質のランク分けした情報を生成する。搬送品質をランクわけすることにより、複写機1の紙搬送品質の現状を把握することができ、適切なタイミングでメンテナンスを行うことができる。
また、転写紙Pのスキューのズレの大きさが規定値よりも大きくなる紙搬送品質の低下に応じて、アラーム情報を報知することにより、ジャムや画像不良等が発生する前に紙搬送品質回復作業を行うことができる。
また、内部メモリ102が記憶するスキュー情報の履歴に基づいて、紙搬送品質低下を予測し、この予測に応じて応じてアラーム情報を報知することによって予測内容に応じたメンテナンス作業の予定を立てることができる。これにより効率的なメンテナンス作業が実施でき、かつ紙搬送品質が致命的に低下することを回避することができる。
また、通信回線502を用いて遠隔地にあるサービスセンター500の遠隔監視装置であるホストコンピュータ501にアラーム情報を報知するこれにより、サービス会社がアラーム内容に応じて効率的なメンテナンス計画を作成・実施することができる。また、ホストコンピュータ501がサービスマンに対して、自動的にメンテナンス指令を通達するようにもできるため、迅速な対応も可能となる。
また、複写機1内のアラーム情報記憶手段としての内部メモリ102にアラーム情報を記録することにより、サービスマンが定期メンテナンスに訪れた時に、その時の紙搬送品質状況若しくは紙搬送品質予測状況を把握することができる。これにより、効率良く紙搬送経路のメンテナンスを行うことができる。
また、表示手段であるオペレーションパネル401にアラーム情報を表示することにより、ユーザーに向けてアラーム情報を報知することができる。これにより、ユーザー毎の緊急度合いに応じてメンテナンス要求を出してもらうことができ、ユーザーの使用を妨げないメンテナンス作業を行うことができる。
また、紙にスキューが発生した場合には、紙上への画像斜め転写、及びジャム等の不具合が発生する。各検知位置でのスキュー量が大きいほど、その後の搬送経路で不具合が発生する可能性が高くなる。よって、変形例1のように、各検知位置でのスキュー量を用いて紙搬送品質値を生成することにより、その後に不具合が発生する可能性と対応した紙搬送品質値を得ることができ、不具合が発生する可能性に応じた対応動作を行うことができる。さらに、この対応動作を行うことにより、不要に不良画像やジャムを発生させることを回避できるので、紙資源の節約につながる。
また、変形例2での、ある検知位置と次の検知位置のスキュー量の差分とは、2つ検知位置の間の区間で新たに発生したスキュー量を意味している。スキューは紙の右端が前にずれる場合と、左端が前にずれる場合の2通りあり、搬送経路中でこのスキューの向きが逆転するようなことがあり、各検知位置でのスキュー量を独立で(特に絶対値を用いて)評価指標としていると、その区間でのスキュー発生量を見誤る恐れがある。このため、スキュー量の差分値を取ってその区間で新たに発生したスキュー量を算出して、差分値を用いて紙搬送品質値を生成することにより、その区間単独での搬送品質を検出できるため、サービスマン若しくはユーザーによるメンテナンス時に有用な情報として提供することができる。
また、変形例1では、その検知位置でのスキュー量を用いて紙搬送品質値を生成するため、その後の危険性に応じた対応動作ができる利点がある。また、変形例2の方法では、その区間でのスキュー発生量である検知位置間のスキュー量の差分値を用いて紙搬送品質値を生成するため、メンテナンス時の有用な情報となる。現実的には、変形例3のように、変形例1と変形例2との2つの方式を併用して、メンテナンス時の有用な情報を得ながら、不具合発生の危険性を回避する様に対応動作を行うのが最も利用価値のある方式となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
【図2】スキューセンサの概略説明図。
【図3】実施形態の複写機におけるスキューを検知するシステムの概略説明図。
【図4】スキューセンサが検知する経時におけるスキュー量の変動の一例を示すグラフ。
【図5】実施形態の複写機におけるアラーム情報の報知システムの概略説明図。
【符号の説明】
【0065】
1 複写機
2 スキューセンサ
3 光学的センサ
4 センサ基板
10 中間転写ベルト
17 中間転写ベルトクリーニングユニット
18 プロセスユニット
21 露光装置
22 二次転写ローラ
25 定着装置
28 転写紙反転装置
28a 用紙反転部
28b 再給紙経路
29 スイッチバックローラ
40 感光体
42 ピックアップローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 搬送路
49 レジストローラ対
60 帯電装置
61 現像ユニット
62 一次転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 クエンチングランプ
100 プリンタ部
101 制御部
102 内部メモリ
103 通信部
200 給紙部
300 スキャナ部
400 原稿搬送部
401 オペレーションパネル
500 サービスセンター
501 ホストコンピュータ
502 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定型に裁断された記録体上に画像を形成する画像形成部と、
該記録体に画像を形成するときに該記録体を装置本体内の記録体搬送経路を通過させる記録体搬送手段と、
該記録体搬送経路で搬送される該記録体の搬送方向に対する斜行量を検知するスキュー検知手段とを備える画像形成装置において、
該スキュー検知手段の検知結果である記録体スキュー情報を経時的に記憶するスキュー情報記憶手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記スキュー検知手段を、上記記録体搬送経路の複数箇所に配置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
上記記録体のスキューのズレの大きさが規定値よりも大きくなった場合、アラーム情報を報知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の画像形成装置において、
上記スキュー情報記憶手段が記憶する上記記録体スキュー情報の履歴に基づいて、アラーム情報を報知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3または4の画像形成装置において、
通信回線を用いて遠隔地の遠隔監視装置との間で情報の送受信を行う通信手段を備え、
上記アラーム情報を該遠隔監視装置に送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3、4または5の画像形成装置において、
上記アラーム情報を装置本体内のアラーム情報記憶手段に記憶することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3、4、5または6の画像形成装置において、
上記アラーム情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、
上記記録体スキュー情報に基づいて保守管理情報を生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項2の画像形成装置において、
上記記録体スキュー情報に基づいて保守管理情報を生成する保守管理情報生成手段を備え、
該保守管理情報生成手段は、複数のスキュー検知手段が記録体の斜行量を検知する複数の検知位置の各検知位置での斜行量を、それぞれ独立に用いて該保守管理情報を生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項2の画像形成装置において、
上記記録体スキュー情報に基づいて保守管理情報を生成する保守管理情報生成手段を備え、
該保守管理情報生成手段は、複数のスキュー検知手段が記録体の斜行量を検知する複数の検知位置のうち、ある検知位置での記録体の斜行量と、次の検知位置での記録体の斜行量との差分値を用いて該保守管理情報を生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項2の画像形成装置において、
上記記録体スキュー情報に基づいて保守管理情報を生成する保守管理情報生成手段を備え、
該保守管理情報生成手段は、複数のスキュー検知手段が記録体の斜行量を検知する複数の検知位置のうち、ある検知位置での該記録体の斜行量と、次の検知位置での記録体の斜行量との差分値と、各検知位置でのそれぞれの斜行量とを用いて該保守管理情報を生成することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−112126(P2008−112126A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37415(P2007−37415)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】