説明

画像形成装置

【課題】 装置コストの上昇を抑えつつ、記録媒体の給送精度の向上および連続給送時の騒音の低減を図ることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 メインモータ95の回転駆動力によって、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで移動させるとき、用紙押圧板を低速で移動させるために、メインモータ95から感光ドラム29へ伝達される駆動力を遮断する。これによって、感光ドラム29の寿命を縮めることなく、用紙押圧板15を搬送位置に精度よく停止させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタなどの画像形成装置には、通常、用紙を給紙するための給紙トレイが備えられている。給紙トレイには、用紙が積層状に載置される用紙押圧板と、その用紙押圧板上の最上位の用紙をピックアップするためのピックアップローラとが設けられている。用紙押圧板は、ピックアップローラに対して遠い方の端部が揺動可能に支持されるとともに、近い方の端部がばねによって給紙ローラに向けて付勢されている。そのため、用紙押圧板上の最上位にある用紙は、ピックアップローラに向かって押圧されて、ピックアップローラの回転によって給紙される。
【0003】
しかるに、このような構成では、用紙押圧板上に載置されている用紙の枚数やサイズによって、用紙押圧板にかかる重量が変化するため、ピックアップローラに対して用紙押圧板上の用紙を押圧する押圧力が変化する。このような押圧力の変化は、重送や空送を生じる原因となる。すなわち、押圧力が大きすぎると、複数枚の用紙が重なって給送される重送を生じ、押圧力が小さすぎると、ピックアップローラが回転しても用紙が給送されない空送を生じる。
【0004】
また、ピックアップローラによって用紙がピックアップされる度に、用紙押圧板が微小に揺動して、用紙押圧板上の用紙がピックアップローラに押し当てられるために、連続給紙時の騒音が大きいという不具合もある。
【0005】
そこで、駆動源の駆動力によって、シートを載置するシート載置手段を、そのシート載置手段上のシートがピックアップローラから離間した位置から、最上位のシートがピックアップローラに接触する位置に移動させて、最上位のシートをピックアップローラに対して一定の高さで保持する構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許2698535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、駆動源を新たに設けるとなると、装置コストが高くなってしまう。
【0007】
本発明の目的は、装置コストの上昇を抑えつつ、記録媒体の給送精度の向上および連続給送時の騒音の低減を図ることができる、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、第1駆動源と、前記第1駆動源からの駆動力が入力される感光体と、前記感光体に向けて搬送する記録媒体が載置され、記録媒体を載置するための載置位置と、記録媒体を搬送するための搬送位置とに移動可能な載置部材と、前記第1駆動源からの駆動力が入力され、前記載置部材を、前記載置位置から前記搬送位置に移動させる駆動機構と、前記第1駆動源から前記感光体への駆動力の入力経路の途中に設けられ、前記第1駆動源から前記感光体へ伝達される駆動力の伝達および遮断を切り替えるための切替手段と、前記載置部材が前記搬送位置に位置しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記載置部材が前記搬送位置に位置していないと判断された場合には、前記切替手段を制御して、前記駆動機構によって前記載
置部材が前記載置位置から前記搬送位置に移動される期間において、少なくとも所定期間は、前記第1駆動源から前記感光体へ伝達される駆動力を遮断する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によると、第1駆動源からの駆動力によって、記録媒体が載置される載置部材を載置位置から搬送位置に移動させて、記録媒体を載置部材上から感光体に向けて送り出すための給送手段に対して、その載置部材上の記録媒体を、一定の押圧力で押し当てることができる。そのため、記録媒体の給送精度の向上および連続給送時の騒音の低減を図ることができる。
【0010】
しかも、この構成では、第1駆動源の駆動力が感光体と載置部材との両方に入力され、第1駆動源がこれら感光体および載置部材の駆動源として兼用されているので、装置コストの上昇を抑えることができる。
【0011】
さらに、この構成では、載置部材の移動期間内の少なくとも所定期間は、感光体が駆動されないので、その分、感光体の駆動による劣化を抑制することができる。そのため、感光体の寿命を延ばすことができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記判断手段は、記録媒体に画像を形成するための画像形成動作終了後の所定時間以内は、前記載置部材が前記搬送位置に位置していると判断することを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、画像形成動作終了後の所定時間以内は、載置部材が搬送位置に位置していると判断される。画像形成動作終了後の短時間に、載置部材が搬送位置から載置位置に移動されることはないので、画像形成動作終了後の所定時間以内は、載置部材が搬送位置に位置していると判断することにより、載置部材が搬送位置に位置しているか否かを正しく判断することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記画像形成装置に対して着脱自在に装着され、前記載置部材が収容されるトレイと、前記トレイの前記画像形成装置に対する装着および離脱を検知する検知手段とを備え、前記判断手段は、前記検出手段によって前記トレイの前記画像形成装置に対する装着が検知されている間は、前記載置部材が前記搬送位置に位置していると判断することを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、トレイが画像形成装置に装着され続けている間は、載置部材が搬送位置に位置していると判断される。画像形成装置に対して着脱自在なトレイに載置部材が収容されている場合、載置部材に記録媒体を載置するときには、トレイが画像形成装置から離脱されるので、トレイが装着され続けている間は、載置部材が搬送位置に位置していると判断することにより、載置部材が搬送位置に位置しているか否かを正しく判断することができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記載置部材が前記搬送位置に位置していることを検知する位置検知手段を備え、前記判断手段は、前記位置検知手段によって前記載置部材が前記搬送位置に位置していることが検知されているときは、前記載置部材が前記搬送位置に位置していると判断することを特徴としている。
【0017】
このような構成によると、載置部材が搬送位置に位置していることを検知する位置検知手段を備えているので、この位置検知手段の検知に基づいて、載置部材が搬送位置に位置しているか否かを正しく判断することができる。 また、請求項5に記載の発明は、請求
項1ないし4のいずれかに記載の発明において、第2駆動源と、前記第2駆動源によって駆動され、前記感光体にレーザ光を走査して静電潜像を形成するための光学部材とを備え、前記感光体は、静電潜像の現像により形成される現像剤像を担持し、前記制御手段は、前記第2駆動源の駆動開始から、その駆動速度が、前記光学部材によるレーザ光の走査が可能となる走査開始速度となるまでの走査準備期間に基づいて、前記感光体から現像剤像を記録媒体に転写する転写タイミングを設定し、前記転写タイミングまでに、前記載置部材に載置される記録媒体が前記感光体に搬送されるように、記録媒体の搬送開始タイミングを設定し、前記走査準備期間以内で、前記搬送開始タイミング以前に、前記切替手段を制御して、前記第1駆動源から前記感光体へ駆動力を伝達させることを特徴としている。
【0018】
このような構成によると、記録媒体の搬送が開始されるまでに、第1駆動源の駆動力が感光体に伝達されて、走査準備期間に基づいて設定する転写タイミングまでに、載置部材から搬送される記録媒体を、第1駆動源からの駆動力によって駆動されている感光体に到達させることができる。そのため、載置部材の移動期間に、感光体への駆動力の伝達を遮断しても、転写タイミングを遅らせることなく、記録媒体への現像剤像の転写を完了することができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記制御手段は、前記第2駆動源の駆動開始タイミングと異なるタイミングで、前記第1駆動源の駆動開始タイミングを設定することを特徴としている。
【0020】
このような構成によると、第1駆動源の駆動開始タイミングと第2駆動源の駆動開始タイミングとがずれるので、第1駆動源および第2駆動源に電力を供給するための電源ユニットに大きな負荷がかかることを回避することができる。そのため、電源ユニットから第1駆動源および第2駆動源に電力を安定して供給することができる。その結果、第1駆動源および第2駆動源を安定して駆動することができる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明において、前記感光体に形成された現像剤像を記録媒体に転写するための転写手段と、前記転写手段に転写バイアスと、前記転写バイアスと逆極性の転写クリーニングバイアスとを、選択的に印加可能な転写バイアス印加手段とを備え、前記制御手段は、前記走査準備期間以内で、前記搬送開始タイミング以前に、前記転写バイアス印加手段により前記転写手段に前記転写クリーニングバイアスを印加して、前記転写手段をクリーニングするクリーニング処理を完了することを特徴としている。
【0022】
このような構成によると、記録媒体の搬送開始までに、転写手段のクリーニングを完了することができる。そのため、記録媒体の搬送中に転写バイアスを印加して、現像剤像の記録媒体への安定した転写を図ることができる。
【0023】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記制御手段は、前記搬送開始タイミングと同時またはそれ以降に、前記転写バイアス印加手段により、前記転写手段に対する前記転写バイアスの印加を開始することを特徴としている。
【0024】
このような構成によると、記録媒体の搬送開始以前から転写手段に転写バイアスが印加されないので、転写手段に対する転写バイアスの長時間にわたる印加を防止して、転写手段の耐久性の向上を図ることができる。
【0025】
また、請求項9に記載の発明は、請求項5ないし8のいずれかに記載の発明において、感光体クリーニングバイアスの印加により、前記感光体をクリーニングするためのクリーニング手段を備え、前記制御手段は、前記走査準備期間以内で、前記搬送開始タイミング
以前に、前記クリーニング手段に対する前記感光体クリーニングバイアスの印加を開始することを特徴としている。
【0026】
このような構成によると、記録媒体の搬送開始以前に、クリーニング手段に対する感光体クリーニングバイアスの印加が開始される。そのため、感光体に対するレーザ光の走査が開始されるまでに、感光体のクリーニングを完了して、確実な静電潜像の形成を達成することができる。
【0027】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の発明において、前記画像形成装置に対して着脱自在に装着されるトレイと、前記載置部材上の記録媒体を前記感光体に向けて送り出すための給送手段とを備え、前記載置部材は、前記トレイ内に収容され、前記搬送位置と前記載置位置とに昇降可能に設けらており、前記搬送位置は、前記載置部材が最も下降した位置であり、前記載置位置は、前記載置部材が最も上昇し、前記載置部材上の最上位の記録媒体が前記給送手段に接触する位置であることを特徴としている。
【0028】
このような構成によると、載置部材が最も下降した載置位置において、載置部材に記録媒体を載置することができる。また、載置部材が最も上昇した搬送位置において、載置部材上の最上位の記録媒体を、給送手段に接触させて、その記録媒体を給送することができる。
【発明の効果】
【0029】
請求項1に記載の発明によれば、装置コストの上昇を抑えつつ、記録媒体の給送精度の向上および連続給送時の騒音の低減を図ることができる。また、感光体の寿命を延ばすことができる。
【0030】
請求項2に記載の発明によれば、載置部材が搬送位置に位置しているか否かを正しく判断することができる。
【0031】
請求項3に記載の発明によれば、載置部材が搬送位置に位置しているか否かを正しく判断することができる。
【0032】
請求項4に記載の発明によれば、載置部材が搬送位置に位置しているか否かを正しく判断することができる。
【0033】
請求項5に記載の発明によれば、載置部材の移動期間に、感光体への駆動力の伝達を遮断しても、転写タイミングを遅らせることなく、記録媒体への現像剤像の転写を完了することができる。
【0034】
請求項6に記載の発明によれば、第1駆動源および第2駆動源を安定して駆動することができる。
【0035】
請求項7に記載の発明によれば、記録媒体の搬送開始までに、転写手段のクリーニングを完了することができる。そのため、記録媒体の搬送中に転写バイアスを印加して、現像剤像の記録媒体への安定した転写を図ることができる。
【0036】
請求項8に記載の発明によれば、転写手段の耐久性の向上を図ることができる。
【0037】
請求項9に記載の発明によれば、感光体に対するレーザ光の走査が開始されるまでに、感光体のクリーニングを完了して、確実な静電潜像の形成を達成することができる。
【0038】
請求項10に記載の発明によれば、載置部材が最も下降した載置位置において、載置部材に記録媒体を載置することができる。また、載置部材が最も上昇した搬送位置において、載置部材上の最上位の記録媒体を、給送手段に接触させて、その記録媒体を給送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1は、画像形成装置としてのレーザプリンタの参考例を示す要部側断面図である。このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2と、その本体ケーシング2内に収容される、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0040】
本体ケーシング2の一方側の側壁には、後述するプロセスカートリッジ20を着脱するための着脱口6が形成されており、その着脱口6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。このフロントカバー7は、その下端部に挿通されたカバー軸(図示せず)に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー7をカバー軸を中心として閉じると、フロントカバー7によって着脱口6が閉鎖され、フロントカバー7をカバー軸を支点として開くと(傾倒させると)、着脱口6が開放され、この着脱口6を介して、プロセスカートリッジ20を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0041】
なお、以下の説明において、このレーザプリンタ1および後述するプロセスカートリッジ20において、プロセスカートリッジ20が本体ケーシング2に装着された状態において、フロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。
【0042】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着されるトレイとしての給紙トレイ9と、給紙トレイ9の前端部の上方に設けられる給紙ローラ10および給紙パッド11と、給紙ローラ10の後側に設けられる給送手段としてのピックアップローラ12と、給紙ローラ10の前側下方において対向配置されるピンチローラ13と、給紙ローラ10の前側上方において対向配置される紙粉取りローラ8と、給紙ローラ10の後側上方に設けられるレジストローラ14とを備えている。
【0043】
給紙トレイ9は、本体ケーシング2に対して、前後方向(略水平方向)にスライド移動して、着脱自在に装着されている。
【0044】
給紙トレイ9の内部には、用紙3を積層状に載置可能な載置部材としての用紙押圧板15が備えられている。この用紙押圧板15は、後端部において揺動可能に支持されることによって、給紙トレイ9の底板16に沿って延び、その前端部がピックアップローラ12から下方へ離間した実線で示す載置位置と、その後端部を支点として前端部が上方に持ち上がるように傾斜し、その前端部がピックアップローラ12に近接する二点鎖線で示す搬送位置とに揺動可能とされている。
【0045】
また、給紙トレイ9の前端部には、用紙押圧板15の前端部を上方に持ち上げるための駆動機構としてのレバー17が設けられている。このレバー17は、用紙押圧板15の前側から下側へ回り込むように断面略L字状に形成されており、その上端部が、給紙トレイ9の前端部に設けられたレバー軸18に取り付けられ、その後端部が、用紙押圧板15の下面の前端部に当接している。これによって、後述するメインモータ95からの回転駆動力がレバー軸18に入力されると、レバー17がレバー軸18を支点として回転し、レバー17の後端部が用紙押圧板15の前端部を持ち上げる。
【0046】
用紙押圧板15は、その前端部が持ち上げられることにより上昇し、搬送位置に位置さ
れ、用紙押圧板15上の最上位の用紙3をピックアップローラ12に対して押圧する。用紙押圧板15が搬送位置に位置した状態において、後述するメインモータ95からの回転駆動力がピックアップローラ12に入力されて、ピックアップローラ12が回転されると、用紙押圧板15上の最上位にある用紙3が、ピックアップローラ12にピックアップされて、給紙ローラ10と給紙パッド11との間に向けて給送される。
【0047】
一方、給紙トレイ9を本体ケーシング2から離脱させると、用紙押圧板15は、その自重によって、前端部が降下して、ピックアップローラ12から下方へ離間し、用紙押圧板15が給紙トレイ9の底板16に沿って延びる載置位置に位置される。この用紙押圧板15が載置位置に位置した状態では、用紙押圧板15上に用紙3を積層状に載置することができる。
【0048】
ピックアップローラ12によって給紙ローラ10と給紙パッド11との間に向けて送り出された用紙3は、後述するメインモータ95からの回転駆動力による給紙ローラ10の回転によって、給紙ローラ10と給紙パッド11との間に挟まれたときに確実に1枚ごとに捌かれて給紙される。給紙された用紙3は、給紙ローラ10とピンチローラ13との間を通り、給紙ローラ10に従動する紙粉取りローラ8によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ14に搬送される。レジストローラ14は、1対のローラから構成され、用紙3を、レジスト後に、後述する感光ドラム29と転写ローラ32との間であって、感光ドラム29上のトナー像を用紙3に転写する転写位置に搬送する。
【0049】
なお、用紙3の搬送方向における給紙ローラ10の下流側であって、レジストローラ14の上流側には、用紙3の通過を検知するためのレジストセンサ106が設けられている。レジストセンサ106は、本体ケーシング2に揺動自在に設けられており、用紙3の通過に伴なって揺動することにより、その用紙3の通過を検知し、用紙3の通過中はオンされ、それ以外はオフされる。
【0050】
画像形成部5は、スキャナ部19、プロセスカートリッジ20、定着部21などを備えている。
【0051】
スキャナ部19は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、第2駆動源としてのスキャナモータ108、光学部材としてのポリゴンミラー22、f閭激塔Y23、反射鏡24、レンズ25および反射鏡26などを備えている。レーザ光源から
発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、スキャナモータ108によって回転駆動されるポリゴンミラー22で偏向されて、f閭激塔Y23を通過した
後、反射鏡24によって光路が折り返され、さらにレンズ25を通過した後、反射鏡26によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ20の後述する感光ドラム29の表面上に照射される。
【0052】
プロセスカートリッジ20は、スキャナ部19の下方において、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されている。このプロセスカートリッジ20は、上フレーム27と、上フレーム27と別体に形成されて、上フレーム27と組み合わされる下フレーム28とを備えている。また、プロセスカートリッジ20は、上フレーム27と下フレーム28とを組み合わせて形成される筐体内に、感光体としての感光ドラム29、スコロトロン型帯電器30、現像カートリッジ31、転写手段としての転写ローラ32、およびクリーニング手段としてのクリーニングブラシ33を備えている。
【0053】
感光ドラム29は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体34と、このドラム本体34の軸心において、ドラム本体34の長手方向に沿って延びる金属製のドラム軸35とを備えている。ドラム軸3
5が上フレーム27に支持され、このドラム軸35に対してドラム本体34が回転自在に支持されることにより、感光ドラム29は、上フレーム27において、ドラム軸35を中心に回転自在に設けられている。そして、この感光ドラム29は、メインモータ95(図7参照)からの動力の入力により、回転駆動される。
【0054】
スコロトロン型帯電器30は、上フレーム27に支持されており、感光ドラム29の後側斜め上方において、感光ドラム29と接触しないように所定間隔を隔てて、感光ドラム29と対向配置されている。このスコロトロン型帯電器30は、感光ドラム29の軸方向に所定間隔を隔てて対向配置された放電ワイヤ37と、放電ワイヤ37と感光ドラム29との間に設けられ、放電ワイヤ37から感光ドラム29への放電量を制御するためのグリッド38とを備えている。このスコロトロン型帯電器30では、グリッド38にバイアス電圧を印加すると同時に、放電ワイヤ37に高電圧を印加して、放電ワイヤ37をコロナ放電させることにより、感光ドラム29の表面を一様に正極性に帯電させることができる。
【0055】
なお、このスコロトロン型帯電器30には、放電ワイヤ37をクリーニングするためのクリーニング部材36が、放電ワイヤ37を挟持するように設けられている。
【0056】
現像カートリッジ31は、下フレーム28に対して着脱自在に装着されている。この現像カートリッジ31内には、収容部としてのトナー収容室39、供給ローラ40、現像ローラ41および層厚規制ブレード42が設けられている。
【0057】
トナー収容室39は、仕切板43によって仕切られる現像カートリッジ31の前側の内部空間として形成されている。トナー収容室39内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などによって共重合させることにより得られる重合トナーが用いられている。このような重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
【0058】
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。トナーの平均粒径は、約6〜10μmある。
【0059】
また、トナー収容室39内には、撹拌手段としてのアジテータ44が設けられている。トナー収容室39内のトナーは、アジテータ44により攪拌されて、仕切板43の下方において前後方向に連通する開口部45から供給ローラ40に向かって放出される。
【0060】
供給ローラ40は、開口部45の後側に配置されて、現像カートリッジ31に回転可能に支持されている。この供給ローラ40は、金属製のローラ軸を、導電性の発泡材料からなるローラで被覆することにより構成されている。この供給ローラ40は、メインモータ95(図7参照)からの動力の入力により回転駆動される。
【0061】
現像ローラ41は、供給ローラ40の後側において、供給ローラ40と互いに圧縮されるように接触した状態で、現像カートリッジ31に回転可能に支持されている。また、現像ローラ41は、現像カートリッジ31が下フレーム28に装着された状態で、感光ドラム29に対向して接触する。この現像ローラ41は、金属製のローラ軸を、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。現像ローラ41のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本
体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。現像ローラ41には、現像時に現像バイアスが印加される。また、現像ローラ41は、メインモータ95(図7参照)からの動力の入力により、供給ローラ40と同じ方向に回転駆動される。
【0062】
層厚規制ブレード42は、金属の板ばね材からなるブレード本体46の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部47を備えている。この層厚規制ブレード42は、現像ローラ41の上方において現像カートリッジ31に支持されて、押圧部47がブレード本体46の弾性力によって現像ローラ41上に圧接されている。
【0063】
開口部45から放出されたトナーは、供給ローラ40の回転により、現像ローラ41に供給され、このとき、供給ローラ40と現像ローラ41との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ41上に供給されたトナーは、現像ローラ41の回転に伴って、層厚規制ブレード42の押圧部47と現像ローラ41との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ41上に担持される。
【0064】
転写ローラ32は、下フレーム28に回転自在に支持されており、感光ドラム29と上下方向において対向して接触し、感光ドラム29との間にニップを形成するように配置されている。この転写ローラ32は、金属製のローラ軸を、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。転写ローラ32には、後述するCPU103の制御によって、転写時に転写順バイアスが印加され、後述する転写クリーニング処理時に転写順バイアスと逆極性の転写逆バイアスが印加される。また、転写ローラ32は、メインモータ95(図7参照)からの動力の入力により、感光ドラム29と反対方向に回転駆動される。
【0065】
クリーニングブラシ33は、下フレーム28に取り付けられており、感光ドラム29の後側において、感光ドラム29と対向して接触するように配置されている。クリーニングブラシ33には、後述するCPU103の制御によって、ドラムクリーニング処理時にクリーニングバイアスが印加される。
【0066】
感光ドラム29の表面は、その感光ドラム29の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器30により一様に正帯電された後、スキャナ部19からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0067】
次いで、現像ローラ41の回転により、現像ローラ41上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム29に対向して接触するときに、感光ドラム29の表面上に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム29の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム29の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム29の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0068】
その後、感光ドラム29の表面上に担持されたトナー像は、レジストローラ14によって搬送されてくる用紙3が、感光ドラム29と転写ローラ32との間の転写位置を通る間に、転写ローラ32に印加される転写順バイアスによって、用紙3に転写される。トナー像が転写された用紙3は、定着部21に搬送される。
【0069】
なお、転写後に感光ドラム29上に残存する転写残トナーは、現像ローラ41に回収される。また、転写後に感光ドラム29上に付着する用紙3からの紙粉は、クリーニングバイアスが印加されたクリーニングブラシ33によって回収される。
【0070】
定着部21は、プロセスカートリッジ20の後側に設けられ、定着フレーム48と、その定着フレーム48内に、加熱ローラ49および加圧ローラ50とを備えている。
【0071】
加熱ローラ49は、金属素管と、その金属素管内に加熱のためのハロゲンランプとを備え、メインモータ(図7参照)からの動力の入力により回転駆動される。
【0072】
加圧ローラ50は、加熱ローラ49の下方において、加熱ローラ49を押圧するように対向配置されている。この加圧ローラ50は、金属製のローラ軸を、ゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されており、加熱ローラ49の回転駆動に従って従動される。
【0073】
定着部21では、転写位置において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ49と加圧ローラ50との間を通過する間に熱定着させる。トナーが定着した用紙3は、本体ケーシング2の上面に向かって上下方向に延びた排紙パス51に搬送される。排紙パス51に搬送された用紙3は、その上側に設けられる排紙ローラ52によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ53上に排紙される。
【0074】
図2は、給紙トレイ9の平面図である。給紙トレイ9は、底板16の前端縁から立設する前壁54と、底板16の後端縁から立設する後壁55と、底板16の前後方向に直交する方向の両端縁から立設する1対の側壁56,57とを一体的に備えている。前壁54には、図示しない把持部が形成されており、給紙トレイ9は、着脱時において、その把持部を把持して、本体ケーシング2の前側から本体ケーシング2に対して着脱される。
【0075】
なお、以下の説明において、前後方向に直交する方向を「幅方向」とする。また、幅方向一方側を「右側」とし、幅方向他方側を「左側」とする。
【0076】
前壁54、後壁55、左側壁56および右側壁57は、それぞれ底板16に対して垂直に延びており、底板16上の空間を平面視矩形状に取り囲んでいる。そして、その前壁54、後壁55、左側壁56および右側壁57に取り囲まれた空間内に、用紙押圧板15と、この用紙押圧板15の右前側に、レバー17、レバー軸18およびレバー駆動ギヤ61とが備えられている。
【0077】
レバー軸18は、右側壁57に設けられる図示しない軸受部により、回転可能に支持され、用紙押圧板15の前側において、幅方向に沿って、その左端部が用紙押圧板15の右側前端部に対向する位置まで延びている。そして、そのレバー軸18の左端部に、レバー17が相対回転不能に取り付けられている。
【0078】
レバー駆動ギヤ61は、その中心にレバー軸18が挿通されて、レバー軸18の右端部に相対回転不能に取り付けられている。このレバー駆動ギヤ61は、給紙トレイ9が本体ケーシング2に装着されたときに、次に述べる給紙駆動部58の伝達ギヤ79の下方に対向配置されて、その伝達ギヤ79と噛み合う。
【0079】
給紙駆動部58は、本体ケーシング2に設けられ、図3に示すように、後述するメインモータ95(図7参照)からの回転駆動力が後述する出力ギヤ100を介して入力される入力ギヤ59と、給紙ローラ10およびピックアップローラ12を回転させるためのローラ駆動機構60と、入力ギヤ59に入力される回転駆動力を、ローラ駆動機構60およびレバー駆動ギヤ61にそれぞれ必要に応じて伝達するための駆動遮断手段としての駆動伝達機構62とを備えている。
【0080】
入力ギヤ59は、本体ケーシング2に回転可能に支持されて幅方向に延びた入力ギヤ軸
63が、中心に挿通されて、その入力ギヤ軸63に対して相対回転不能に取り付けられている。この入力ギヤ59は、メインモータ95からの回転駆動力によって出力ギヤ100が回転されると、その出力ギヤ100から回転駆動力を受けて、出力ギヤ100と逆方向に回転する。
【0081】
ローラ駆動機構60は、給紙ローラ軸64と、給紙ローラ駆動ギヤ65と、駆動出力ギヤ66と、揺動ボックス67と、ピックアップローラ軸68と、ピックアップローラ駆動ギヤ69と、中間ギヤ70とを備えている。
【0082】
給紙ローラ軸64は、本体ケーシング2に回転可能に支持され、給紙トレイ9が本体ケーシング2に装着された状態で、給紙トレイ9の右前端部上方において幅方向に延びている。この給紙ローラ軸64の左端部には、給紙ローラ10が相対回転不能に取り付けられている。
【0083】
給紙ローラ駆動ギヤ65は、給紙ローラ軸64の右端部が中心に挿通されて、その給紙ローラ軸64に対して相対回転不能に取り付けられている。この給紙ローラ駆動ギヤ65は、後述する給紙駆動伝達ギヤ76に噛み合っており、給紙駆動伝達ギヤ76が回転されると、その給紙駆動伝達ギヤ76と逆方向に回転する。また、給紙ローラ駆動ギヤ65には、給紙駆動伝達ギヤ76から受ける回転駆動力の給紙ローラ軸64への伝達および遮断を切り替えるための電磁クラッチからなる給紙クラッチ111(図7参照)が内蔵されている。
【0084】
駆動出力ギヤ66は、給紙ローラ10の右側に隣接して設けられ、給紙ローラ軸64が中心に挿通されて、その給紙ローラ軸64に対して相対回転不能に取り付けられている。
【0085】
揺動ボックス67は、給紙ローラ駆動ギヤ65と駆動出力ギヤ66との間に設けられ、幅方向において、互いに所定間隔を隔てて対向する左側板部71および右側板部72と、これらの左側板部71および右側板部72の上端縁間を連結する上板部73とを備えている。この揺動ボックス67は、給紙ローラ軸64が左側板部71および右側板部72の前下端部に挿通されて、その給紙ローラ軸64に揺動可能に支持されている。また、揺動ボックス67の右側板部72には、後述するストッパアーム80を操作する操作アーム74が、その右側板部72から右側に向かって延びるように支持されている。
【0086】
ピックアップローラ軸68は、揺動ボックス67の左側板部71の後下端部において、回転可能に支持されて、その左側板部71から給紙ローラ軸64と平行するように左側に向けて延びている。このピックアップローラ軸68には、その左端部において、ピックアップローラ12が相対回転不能に取り付けられている。
【0087】
ピックアップローラ駆動ギヤ69は、ピックアップローラ12と揺動ボックス67の左側板部71との間において、ピックアップローラ軸68が中心に挿通されて、そのピックアップローラ軸68に対して相対回転不能に取り付けられている。また、ピックアップローラ駆動ギヤ69は、駆動出力ギヤ66と同径に形成されており、その外周面には、駆動出力ギヤ66と同じ歯数のギヤ歯を有している。
【0088】
中間ギヤ70は、揺動ボックス67の左側板部71に回転可能に支持されて幅方向に延びたギヤ軸75が中心に挿通されて、そのギヤ軸75に相対回転不能に取り付けられている。この中間ギヤ70は、駆動出力ギヤ66およびピックアップローラ駆動ギヤ69に噛み合っている。
【0089】
これによって、給紙クラッチ111がオンの状態(回転駆動力を給紙ローラ軸64に伝
達する伝達状態)で、給紙ローラ駆動ギヤ65が回転すると、給紙ローラ軸64が回転し、この給紙ローラ軸64の回転に伴なって、給紙ローラ10および駆動出力ギヤ66が、給紙ローラ駆動ギヤ65と同方向に回転する。また、駆動出力ギヤ66の回転駆動力は、中間ギヤ70に伝達され、中間ギヤ70を駆動出力ギヤ66と逆方向に回転させる。さらに、その中間ギヤ70の回転駆動力は、ピックアップローラ駆動ギヤ69に伝達されて、ピックアップローラ駆動ギヤ69を中間ギヤ70と逆方向に回転させる。その結果、ピックアップローラ軸68を介して、ピックアップローラ12が、ピックアップローラ駆動ギヤ69と同方向、すなわち給紙ローラ10と同方向に回転する。
【0090】
駆動伝達機構62は、図3および図4に示すように、給紙駆動伝達ギヤ76と、揺動ギヤ77と、内歯ギヤ78と、伝達ギヤ79と、ストッパアーム80とを備えている。
【0091】
給紙駆動伝達ギヤ76は、幅方向に延びた回転軸81に相対回転不能に取り付けられて、入力ギヤ59と給紙ローラ駆動ギヤ65との間に配置され、これらと噛み合っている。この給紙駆動伝達ギヤ76は、図4に示すように、回転軸81を外嵌する円筒部82と、この円筒部82の左側に設けられて、回転軸81に対して偏心した偏心カム部83とを一体的に備えている。また、円筒部82の右端部には、入力ギヤ59と給紙ローラ駆動ギヤ65とに噛み合う多数の外歯が形成されている。なお、回転軸81は、本体ケーシング2において、図示しない軸受部により、回転可能に支持されている。
【0092】
揺動ギヤ77は、給紙駆動伝達ギヤ76の偏心カム部83に対して相対回転不能に外嵌されている。また、揺動ギヤ77は、給紙駆動伝達ギヤ76の円筒部82の周囲を取り囲むように形成された円筒状のギヤ部84を一体的に備えており、このギヤ部84の外周部に多数の外歯85が形成されている。
【0093】
内歯ギヤ78は、給紙駆動伝達ギヤ76の円筒部82が相対回転可能に挿通される円筒状の挿通部86と、この挿通部86の周囲を取り囲むように設けられた円筒状のギヤ部87と、挿通部86の右端部とギヤ部87の右端部とを連結する円環板状の連結部88とを一体的に備えている。挿通部86とギヤ部87とは、回転軸81の径方向において所定間隔が隔てられており、この挿通部86とギヤ部87との間に、揺動ギヤ77のギヤ部84が進入している。そして、ギヤ部87の内周部には、揺動ギヤ77のギヤ部84の外歯85と噛み合う内歯89が形成されている。なお、内歯89の歯数は、外歯85の歯数より少し多く設定されている。また、ギヤ部87の外周部には、ストッパアーム80が係脱される多数の被係止部90が鋸歯状に形成されている。
【0094】
伝達ギヤ79は、揺動ギヤ77の左側に所定間隔を隔てた位置において、ワンウェイクラッチ91を介して回転軸81に外嵌され、レバー駆動ギヤ61に噛み合っている。また、伝達ギヤ79は、回転軸81の周囲に設けられる略円錐状の弾性片92を介して揺動ギヤ77に連結されている。
【0095】
ストッパアーム80は、図3に示すように、操作アーム74の後側において幅方向に延びた支持軸93に、その後端部が回転自在に支持され、操作アーム74および内歯ギヤ78の上方において前後方向に延びるように配置されている。ストッパアーム80の先端部には、内歯ギヤ78の被係止部90に係止可能な係止爪94が形成されている。また、ストッパアーム80は、図示しない捩りばねによって、係止爪94が内歯ギヤ78の被係止部90に係止する方向に弾性的に付勢されている。
【0096】
用紙押圧板15が載置位置にある状態において、揺動ボックス67は、給紙ローラ軸64を支点として、後側が下方に沈むように傾いており、操作アーム74は、ストッパアーム80から下方へ離間している。そして、図5に示すように、ストッパアーム80の係止
爪94が、内歯ギヤ78の被係止部90に係止して、内歯ギヤ78の回転を規制している。
【0097】
この状態で、入力ギヤ59に回転駆動力が入力されると、その回転駆動力が給紙駆動伝達ギヤ76に伝達されて、給紙駆動伝達ギヤ76が入力ギヤ59と逆方向に回転する。
【0098】
給紙駆動伝達ギヤ76が回転すると、揺動ギヤ77が給紙駆動伝達ギヤ76と一体的に回転する。このとき、ストッパアーム80の係止爪94によって内歯ギヤ78の回転が規制されているので、揺動ギヤ77は、外歯85を内歯ギヤ78の内歯89に噛み合わせながら、内歯ギヤ78の内周上を転動する。そして、この内歯ギヤ78の転動に伴なって、揺動ギヤ77に弾性片92を介して連結された伝達ギヤ79が、内歯ギヤ78の内歯89と揺動ギヤ77の外歯85との歯数の差に応じて減速された速度で、回転軸81を中心として回転する。伝達ギヤ79が回転すると、伝達ギヤ79と噛み合っているレバー駆動ギヤ61が、伝達ギヤ79と逆方向に回転し、さらに、レバー軸18が、レバー駆動ギヤ61と一体となって回転する。その結果、レバー軸18に取り付けられたレバー17が、その後端部を持ち上げるように回転し、用紙押圧板15の前端部が、ピックアップローラ12に近接するように持ち上げられる。
【0099】
こうして用紙押圧板15の前端部が持ち上げられて、その用紙押圧板15上に載置されている用紙3がピックアップローラ12に接触した後、レバー17によって用紙押圧板15の前端部がさらに持ち上げられると、用紙3によってピックアップローラ12が押し上げられる。すると、揺動ボックス67が、給紙ローラ軸64を支点として、後側が持ち上がるように回転し、この揺動ボックス67の回転に伴なって、操作アーム74が、上昇して、ストッパアーム80の下端面に当接する。
【0100】
その後、さらに用紙押圧板15の前端部が持ち上げられると、操作アーム74によって、ストッパアーム80が、支持軸93を支点として、係止爪94が上方に持ち上がる方向に回転する。すると、係止爪94が内歯ギヤ78の被係止部90から離脱し、内歯ギヤ78が回転自在な状態となる。
【0101】
内歯ギヤ78が回転自在になると、揺動ギヤ77の回転駆動力が、外歯85から内歯ギヤ78の内歯89に伝達され、内歯ギヤ78を、給紙駆動伝達ギヤ76の円筒部82を中心に回転させる。そのため、内歯ギヤ78の内周上における揺動ギヤ77の転動が停止する。揺動ギヤ77の転動が停止すると、これに伴なって、伝達ギヤ79の回転が停止し、さらにレバー駆動ギヤ61およびレバー軸18の回転が停止する。その結果、レバー17が停止し、レバー17による用紙押圧板15の持ち上げ動作が停止されて、用紙押圧板15が搬送位置で停止する。これによって、用紙押圧板15の載置位置への移動完了後に、引き続いて、レバー17に駆動力が入力されるのを防止することができる。そのため、用紙押圧板15を搬送位置で確実に停止させることができる。
【0102】
また、入力ギヤ59に入力される回転駆動力は、給紙クラッチ111がオンされているときには、給紙駆動伝達ギヤ76および給紙ローラ駆動ギヤ65を介して、給紙ローラ軸64に伝達される。これによって、給紙ローラ10およびピックアップローラ12が回転し、用紙押圧板15上の最上位の用紙3が、ピックアップローラ12にピックアップされて送り出される。
【0103】
用紙押圧板15上に載置されている用紙3の枚数の減少に伴なって、用紙押圧板15が搬送位置から下がり、揺動ボックス67が、給紙ローラ軸64を支点として、後側が下方に沈むように回転する。この揺動ボックス67の回転に伴なって、操作アーム74が所定位置まで下がると、ストッパアーム80の係止爪94が内歯ギヤ78の被係止部90に係
止して、内歯ギヤ78の回転が再び規制される。すると、上記のようにして、入力ギヤ59に入力される回転駆動力が、揺動ギヤ77などを介して、レバー駆動ギヤ61に伝達され、レバー17によって、用紙押圧板15が搬送位置まで持ち上げられる。これにより、用紙押圧板15上に載置されている用紙3の重量にかかわらず、用紙押圧板15の位置を搬送位置に保つことができ、用紙押圧板15上の用紙3をピックアップローラ12にほぼ一定の押圧力で押圧することができる。
【0104】
図6は、感光ドラム29および給紙駆動部58に回転駆動力を伝達するためのギヤ伝達機構を簡略化して示す図である。このギヤ伝達機構は、本体ケーシング2に備えられており、第1駆動源としてのメインモータ95の出力軸96に相対回転不能に外嵌されたモータギヤ97と、感光ドラム29のドラム軸35に相対回転可能に支持され、ドラム本体34に対して相対回転不能に設けられたドラムギヤ98と、一端がモータギヤ97に噛み合い、他端がドラムギヤ98に噛み合う中間ギヤ群99と、給紙駆動部58の入力ギヤ59と噛み合う出力ギヤ100と、複数の伝達ギヤ101を噛み合わせることによって一列状に連結された伝達ギヤ列102とを備えている。
【0105】
伝達ギヤ列102は、一端の伝達ギヤ101がモータギヤ97と噛み合い、他端の伝達ギヤ101が出力ギヤ100と噛み合っている。これによって、メインモータ95が駆動されて、モータギヤ97が出力軸96と一体となって回転すると、そのモータギヤ97の回転駆動力が、伝達ギヤ列102を介して出力ギヤ100に伝達されて、出力ギヤ100を回転させる。出力ギヤ100が回転されると、その出力ギヤ100から入力ギヤ59に回転駆動力が入力される。
【0106】
一方、モータギヤ97の回転駆動力は、中間ギヤ群99を介して、ドラムギヤ98に伝達され、このドラムギヤ98をドラム軸35を支点として回転させる。ドラムギヤ98が回転すると、ドラム本体34が、ドラムギヤ98と一体となって、ドラム軸35を中心に回転する。
【0107】
図7は、このレーザプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。このレーザプリンタ1は、制御手段および判断手段としてのCPU103を備えている。
【0108】
CPU103は、ROM104およびRAM105を備えている。ROM104には、このレーザプリンタ1の動作プログラムが格納されている。また、RAM105は、CPU103がROM104に格納されている動作プログラムを実行する際のワークエリアとして機能し、一時的な数値などが格納される。
【0109】
CPU103には、レジストセンサ106が接続されており、このレジストセンサ106の検知信号が入力される。また、CPU103には、このレーザプリンタ1に接続された外部機器(たとえば、パーソナルコンピュータPC)から、用紙3に画像を形成するための印刷動作の開始を指示する印刷起動指示信号が入力される。
【0110】
一方、CPU103には、メインモータ95を駆動するためのメイン駆動回路107と、スキャナモータ108を駆動するためのスキャナ駆動回路109と、転写バイアスおよびクリーニングバイアスを印加するための高電圧を発生する高圧電源回路110と、給紙クラッチ111とが、制御対象として接続されている。
【0111】
高圧電源回路110には、転写ローラ32にバイアスを印加するための転写バイアス印加手段としての転写バイアス回路112と、クリーニングブラシ33にクリーニングバイアスを印加するためのクリーニングバイアス回路113とが接続されている。
【0112】
CPU103は、高圧電源回路110および転写バイアス回路112を制御することにより、転写バイアス回路112から転写ローラ32に印加されるバイアスを制御する。具体的には、転写ローラ32には、用紙3にトナー像を転写させるための転写順バイアスと、転写ローラ32に付着したトナーを感光ドラム29に転移させるための転写逆バイアスとが選択的に印加される。
【0113】
また、CPU103は、高圧電源回路110およびクリーニングバイアス回路113を制御することにより、クリーニングバイアス回路113からクリーニングブラシ33に印加されるクリーニングバイアスを制御する。
【0114】
さらに、CPU103は、メイン駆動回路107を介して、メインモータ95の駆動を制御する。この制御によってメインモータ95が発生する回転駆動力は、上記したように、感光ドラム29を回転させる。また、メインモータ95が発生する回転駆動力は、給紙駆動部58に入力されて、用紙押圧板15(レバー17)を駆動し、給紙クラッチ111を介して、給紙ローラ10およびピックアップローラ12を駆動する。さらに、メインモータ95が発生する回転駆動力は、上記したように、供給ローラ40、現像ローラ41、転写ローラ32および加熱ローラ49にも伝達されて、これらを回転させる。
【0115】
また、CPU103は、スキャナ駆動回路109を介して、スキャナモータ108の駆動を制御する。
【0116】
図8は、CPU103への印刷起動指示信号の入力から用紙3の給送が開始されるまでの制御の流れを示すフローチャートである。また、図9は、その制御時における各部の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【0117】
CPU103に印刷起動指示信号が入力されると、この図8に示す処理が開始される。まず、CPU103の制御によって、スキャナモータ108の駆動が開始される(S1)。スキャナモータ108は、感光ドラム29への静電潜像の形成時に安定した速度で駆動されていないと、ポリゴンミラー22の回転にむらが生じ、感光ドラム29に形成される静電潜像に歪みなどを生じる。そのため、感光ドラム29への静電潜像の形成は、スキャナモータ108の駆動開始から、スキャナモータ108が安定した速度で駆動され、レーザビームの安定した走査が可能となる走査開始速度となるまでの必要十分な走査準備時間t1が経過した後に行なわれる(図9参照)。
【0118】
次に、CPU103によって、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで低速で移動させるための低速制御を実行するか否かが判断される(S2)。具体的には、図10に示すように、用紙押圧板15上に用紙3が載置されていない用紙無し状態の解除直後であれば(S21:YES)、低速制御を実行すると判断される(S25)。また、用紙3のジャム状態の解除直後である場合にも(S22:YES)、低速制御を実行すると判断される(S25)。一方、アジテータ44によるウォーミングアップのための撹拌動作(がら回し)直後(がら回し後の所定時間以内)であれば(S23:YES)、低速制御を実行しないと判断される(S26)。また、先の印刷動作の終了直後(たとえば、先の印刷動作終了から3秒間以内)である場合にも(S24:YES)、低速制御を実行しないと判断される(S26)。
【0119】
用紙無し状態は、用紙押圧板15上に用紙3が載置されることにより解除されるので、用紙無し状態が解除された直後は、用紙押圧板15が載置位置に位置していると判断することができる。また、用紙3のジャムが発生したときには、本体ケーシング2から給紙トレイ9が離脱されて、ジャムを生じている用紙3が取り除かれることにより、その用紙3のジャム状態が解除されるので、用紙3のジャム状態の解除直後は、用紙押圧板15が載
置位置に位置していると判断することができる。
【0120】
一方、アジテータ44によるウォーミングアップのための撹拌動作は、用紙3の搬送開始直前になされるので、そのような撹拌動作後の所定時間以内は、用紙押圧板15が搬送位置に位置していると判断することができる。また、印刷動作終了後の短時間に、用紙押圧板15が搬送位置から載置位置に移動されることはないので、印刷動作終了後の所定時間以内は、載置部材が搬送位置に位置していると判断することができる。そして、用紙押圧板15が搬送位置に位置していれば、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで移動させる必要はないので、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで低速で移動させるための低速制御を実行しないと判断される。これによって、用紙押圧板15を移動させる必要がない場合にまで、低速制御が実行されるのを回避することができる。
【0121】
また、アジテータ44によるウォーミングアップのための撹拌動作後の所定時間以内(直後)でない場合(S23:NO)で、かつ、先の印刷動作の終了から所定時間以内でない場合(S24:YES)は、低速制御を実行すると判断される(S25)。
【0122】
低速制御を実行しない場合には(S2:NO)、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t2(図9参照、たとえば、t2=2.7秒間)を待機した後(S3)、CPU103の制御によって、メインモータ95が、用紙3の搬送時の回転速度である第1駆動速度としての第1モータ速度(通常モータ速度)で回転駆動される(S4)。この待機時間t2、つまり、第1モータ速度で回転駆動するメインモータ95の駆動開始時間は、後述する給紙タイミングt10に基づいて設定される。そして、RAM105を用いたタイマカウンタにおけるカウントアップ速度が、所定の第1カウント速度(通常カウント速度)に設定され(S5)、このタイマカウンタによって、メインモータ95の駆動開始からの経過時間が計測される。
【0123】
一方、低速制御を実行する場合には(S2:YES)、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t3(図9参照、0≦t3<t2)を待機した後(S6)、CPU103の制御によって、メインモータ95が第1モータ速度よりも遅い第2駆動速度としての第2モータ速度で回転駆動される(S7)。この待機時間t3、つまり、第2モータ速度で回転駆動するメインモータ95の駆動開始時間は、後述する給紙タイミングt10に基づいて設定される。そして、RAM105を用いたタイマカウンタにおけるカウントアップ速度が第1カウント速度よりも遅い第2カウント速度に設定され(S8)、このタイマカウンタによって、メインモータ95の駆動開始からの経過時間が計測される。
【0124】
なお、このとき、給紙クラッチ111はオフされており、メインモータ95が第1モータ速度または第2モータ速度で回転駆動されても、メインモータ95からの回転駆動力は、給紙ローラ10およびピックアップローラ12に伝達されず、給紙ローラ10およびピックアップローラ12は回転されない。
【0125】
第2カウント速度は、第1モータ速度に対する第2モータ速度の減速割合に応じて、第1カウント速度から減速した速度に設定される。たとえば、第2モータ速度が、第1モータ速度の1/2に設定されている場合には、第2カウント速度は、第1カウント速度の1/2の速度に設定される。これによって、タイマカウンタが第1カウント速度で予め定めるカウント数までカウントする期間において、第1モータ速度で駆動されるメインモータ95が回転する量(駆動量)と、タイマカウンタが第2カウント速度で同じカウント数までカウントする期間において、第2モータ速度で駆動されるメインモータ95が回転する量とが同じ量になる。
【0126】
メインモータ95が第2モータ速度で回転駆動される場合、メインモータ95が第1モ
ータ速度で回転駆動される場合と比較して、給紙駆動部58の入力ギヤ59が低速で回転し、この入力ギヤ59の低速回転に伴なって、レバー駆動ギヤ61およびレバー軸18が低速で回転する。そのため、レバー17によって、用紙押圧板15の前端部をゆっくりと持ち上げて、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで低速で移動させることができる。その結果、用紙押圧板15上の用紙3がピックアップローラ12にゆっくりと押圧されるので、用紙押圧板15を、ピックアップローラ12によって用紙3を良好にピックアップすることができる搬送位置に、精度よく停止させることができる。
【0127】
メインモータ95の駆動開始後、タイマカウンタのカウントアップ速度(メインモータ95の駆動速度)に応じた各タイミングで、転写クリーニング処理およびドラムクリーニング処理などのプロセス前処理が行なわれる(S9)。
【0128】
すなわち、タイマカウンタのカウントアップ速度が第1カウント速度のときには、図9に二点鎖線で示すように、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t4が経過すると、CPU103の制御によって、クリーニングブラシ33に対するクリーニングバイアスの印加が開始される。これに対して、タイマカウンタのカウントアップ速度が第2カウント速度のときには、図9に実線で示すように、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t4よりも短い時間t5が経過した時点で、クリーニングブラシ33に対するクリーニングバイアスの印加が開始される。
【0129】
タイマカウンタのカウントアップ速度が第2カウント速度のときには、メインモータ95が第2モータ速度で回転駆動され、メインモータ95が第1モータ速度で回転駆動される場合と比較して、感光ドラム29の回転が遅いので、メインモータ95が第1モータ速度で回転駆動される場合と同じタイミングでクリーニングバイアスを印加したのでは、後述する給紙タイミングt10までに、感光ドラム29のクリーニングを完了することができない。そこで、タイマカウンタのカウントアップ速度が第2カウント速度のときには、カウントアップ速度が第1カウント速度のときよりも、クリーニングブラシ33に対するクリーニングバイアスの印加開始タイミングが早められる。これにより、メインモータ95の駆動速度が第1モータ速度および第2モータ速度のいずれの場合でも、後述する給紙タイミングt10までに、感光ドラム29のクリーニングを完了することができる。そのため、感光ドラム29への確実な静電潜像の形成を達成することができる。
【0130】
また、タイマカウンタのカウントアップ速度が第1カウント速度のときには、図9に二点鎖線で示すように、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t6が経過すると、CPU103の制御によって、転写ローラ32に対して、転写逆バイアスが所定時間t8にわたって印加される。これに対して、タイマカウンタのカウントアップ速度が第2カウント速度のときには、クリーニングブラシ33に対するクリーニングバイアスの印加の場合と同様な理由により、図9に実線で示すように、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t6よりも短い時間t7が経過した時点で、転写ローラ32に対して、転写逆バイアスが所定時間t8よりも長い所定時間t9にわたって印加される。これにより、メインモータ95の駆動速度が第1モータ速度および第2モータ速度のいずれの場合でも、後述する給紙タイミングt10までに、転写ローラ32に付着しているトナーを感光ドラム29に転移させることができ、転写逆バイアスの印加による転写ローラ32のクリーニングを達成することができる。そのため、トナー像の用紙3への安定した転写を図ることができる。
【0131】
なお、転写ローラ32に対する転写逆バイアスの印加では、用紙3へのトナー像の転写時と逆極性に帯電したトナーを転写ローラ32から感光ドラム29に転移させることはできないが、そのような逆極性に帯電したトナーは、転写ローラ32に対する転写順バイアスの印加時の初期段階において、転写ローラ32から感光ドラム29に転移し、転写ロー
ラ32の表面から除去される。転写ローラ32に対する転写順バイアスの印加は、後述する給紙タイミングt10の後に行われる。これによって、転写ローラ32に対する転写順バイアスの長時間にわたる印加を防止して、転写ローラ32の耐久性の向上を図ることができる。
【0132】
メインモータ95の駆動開始後、メインモータ95を第2モータ速度で回転駆動しても、用紙押圧板15が載置位置から搬送位置まで移動するのに必要十分な時間(たとえば、1.2秒間)が経過すると、タイマカウンタのカウントアップ速度が第1カウント速度に設定されると同時に(S10)、メインモータ95の駆動速度が第1モータ速度に設定される(S11)。これにより、給紙タイミングt10以降において、メインモータ95が第1モータ速度で駆動される。なお、低速制御が実行されない場合には、すでに、上記のステップ(S4)で、メインモータ95の第1モータ速度での駆動が開始され、また、上記のステップ(S5)で、タイマカウンタのカウントアップ速度が第1カウント速度に設定されているので、このときのステップ(S10,S11)では、メインモータ95の駆動速度およびタイマカウンタのカウントアップ速度に特に変更は加えられない。
【0133】
その後、CPU103によって、走査準備期間t1に基づいて、感光ドラム29から用紙3へのトナー像の転写タイミングが求められ、この転写タイミングまでに用紙3が感光ドラム29と転写ローラ32との間の転写位置に達するように、用紙3が用紙押圧板15上からレジストローラ14に到達するまでの時間t11(図9参照)に基づいて、用紙3の給送を開始する給紙タイミングt10が設定される。そして、その給紙タイミングt10が到来すると(S12:YES)、給紙クラッチ111がオフからオンに切り替えられる(S13)。これによって、メインモータ95からの回転駆動力がピックアップローラ12に伝達され、ピックアップローラ12の回転によって、用紙押圧板15上の最上位の用紙3が、ピックアップローラ12にピックアップされて送り出される。
【0134】
このとき、用紙押圧板15上の用紙3がピックアップローラ12にほぼ一定の押圧力で押圧されているので、重送や空送を生じることなく、用紙押圧板15上の最上位の用紙3を送り出すことができる。また、用紙押圧板15上の用紙3がピックアップローラ12にほぼ一定の押圧力で押圧される構成では、ピックアップローラ12によって用紙3がピックアップされる度に、用紙押圧板15が微小に揺動するといったことがないので、用紙3の連続給送時における騒音の低減を図ることができる。
【0135】
また、このレーザプリンタ1では、メインモータ95の回転駆動力が感光ドラム29と用紙押圧板15(レバー17)との両方に入力され、メインモータ95が感光ドラム29および用紙押圧板15の駆動源として兼用されているので、装置コストの上昇を抑えることができる。
【0136】
さらに、低速制御によって、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで低速で移動させるので、感光ドラム29の寿命を縮めることなく、用紙押圧板15を搬送位置に精度よく停止させることができる。
【0137】
すなわち、用紙押圧板15を低速で移動させるために、モータギヤ97に対するレバー駆動ギヤ61のギヤ比を大きくすると、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで移動させるために必要なメインモータ95の駆動量が多くなり、それに伴なって、メインモータ95の駆動力によって駆動される感光ドラム29の駆動量が多くなる。感光ドラム29は、その駆動量の増加に伴なって劣化するので、ギヤ比を大きくするのは、感光ドラム29の寿命を短命にするという不具合を生じる。これに対して、メインモータ95の駆動速度を下げることにより、用紙押圧板15の移動速度を低速にしても、用紙押圧板15の移動期間における感光ドラム29の駆動量は不変である。よって、感光ドラム29の寿命を
縮めることなく、用紙押圧板15の移動速度を低速にすることができ、用紙押圧板15を搬送位置に精度よく停止させることができる。
【0138】
また、上述のように、低速制御を実行するか否かにかかわらず、走査準備期間t1に基づいて転写タイミングを設定して、この転写タイミングに基づいて給紙タイミングt10を設定し、さらに、この給紙タイミングt10に基づいてメインモータ95の駆動開始時間t2,t3を設定し、かつ、そのメインモータ95の駆動開始タイミングt2,t3をスキャナモータ108の駆動開始後に設定することにより、低速制御を実行する場合でも、転写タイミングを遅らせることなく、スキャナモータ108の駆動開始から用紙3へのトナー像の転写までの画像形成時間を、低速制御しない場合と同じにすることができる。そのため、低速制御による画像形成時間の長期化を回避することができる。
【0139】
さらに、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t2または所定時間t3を待機した後に、メインモータ95が駆動開始されることにより、メインモータ95の駆動開始タイミングとスキャナモータ108の駆動開始タイミングとがずれるので、メインモータ95およびスキャナモータ108に電力を供給するための電源ユニット(図示せず)に大きな負荷がかかることを回避することができる。そのため、電源ユニットからメインモータ95およびスキャナモータ108に電力を安定して供給することができる。その結果、メインモータ95およびスキャナモータ108を安定して駆動することができる。
【0140】
図11は、レーザプリンタ1の本発明の実施形態を示すブロック図である。図11において、上述の図7に示す各部に対応する部分には、図7の場合と同一の参照符号を付して示し、以下では、その部分についての詳細な説明を省略する。
【0141】
このレーザプリンタ1では、中間ギヤ群99(図6参照)に、電磁クラッチからなる切替手段としてのドラムクラッチ115が介装されており、このドラムクラッチ115が、CPU103に制御対象として接続されている。CPU103は、ROM104に格納されている動作プログラムに従って、ドラムクラッチ115のオン/オフを制御し、これにより、モータギヤ97の回転駆動力のドラムギヤ98への伝達および遮断を制御する。
【0142】
また、このレーザプリンタ1では、モータギヤ97に対するレバー駆動ギヤ61のギヤ比が、上述の参考例のレーザプリンタ1におけるモータギヤ97に対するレバー駆動ギヤ61のギヤ比よりも高く設定されている。これによって、用紙押圧板15は、メインモータ95が第1モータ速度で回転駆動されても、第2モータ速度で駆動されるのと同様に、載置位置から搬送位置まで低速で移動される。
【0143】
図12は、この実施形態のレーザプリンタ1において、CPU103への印刷起動指示信号の入力から用紙3の搬送が開始されるまでの制御の流れを示すフローチャートである。また、図13は、その制御時における各部の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【0144】
CPU103に印刷起動指示信号が入力されると、図12に示す処理が開始される。まず、CPU103の制御によって、スキャナモータ108の駆動が開始される(S31)。
【0145】
次に、CPU103によって、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで移動させる必要があるか否かが判断される(S32)。この判断処理は、参考例において低速制御を行うか否かを判断するための低速制御判断処理(図10参照)と同様な処理である。
【0146】
すなわち、用紙無し状態の解除直後であれば、用紙押圧板15は載置位置に位置してい
るとして、用紙押圧板15を搬送位置に移動させる必要があると判断される。また、用紙3のジャム状態の解除直後である場合にも、用紙押圧板15は載置位置に位置しているとして、用紙押圧板15を搬送位置に移動させる必要があると判断される。一方、アジテータ44によるウォーミングアップのための撹拌動作直後であれば、用紙押圧板15はすでに搬送位置に位置しているとして、用紙押圧板15を移動させる必要はないと判断される。また、先の印刷動作の終了直後である場合にも、用紙押圧板15はすでに搬送位置に位置しているとして、用紙押圧板15を移動させる必要はないと判断される。
【0147】
用紙押圧板15を移動させる必要がない場合(S32:NO)、すなわち用紙押圧板15がすでに搬送位置に位置している場合には、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t2(図13参照、たとえば、t2=2.7秒間)を待機した後(S33)、CPU103の制御によって、メインモータ95が第1モータ速度で回転駆動される(S34)。また、メインモータ95の駆動開始と同時に、ドラムクラッチ115がオンにされて(S39)、メインモータ95の回転駆動力がドラムギヤ98に伝達可能な状態にされる。
【0148】
一方、用紙押圧板15を移動させる必要がある場合には(S32:YES)、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t3(図13参照、0≦t3<t2)を待機した後(S35)、CPU103の制御によって、ドラムクラッチ115がオンされず、オフされた状態(S36)、つまり、メインモータ95からの回転駆動力がドラムギヤ98に伝達されない遮断状態を継続しつつ、メインモータ95が第1モータ速度で回転駆動される(S37)。
【0149】
メインモータ95が回転駆動されると、このメインモータ95の回転駆動力が給紙駆動部58に伝達されて、レバー17によって、用紙押圧板15の前端部がゆっくりと持ち上げられ、用紙押圧板15が載置位置から搬送位置に低速で移動される。その結果、用紙押圧板15上の用紙3がピックアップローラ12にゆっくりと押圧される。
【0150】
なお、このとき、給紙クラッチ111はオフされており、メインモータ95が第1モータ速度または第2モータ速度で回転駆動されても、メインモータ95からの回転駆動力は、給紙ローラ10およびピックアップローラ12に伝達されず、給紙ローラ10およびピックアップローラ12は回転されない。
【0151】
そして、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t2が経過すると(S38:YES)、また同時に、ドラムクラッチ115がオンにされて(S39)、メインモータ95の回転駆動力がドラムギヤ98に伝達される。
【0152】
ドラムクラッチ115がオンに切り替えられた後、各タイミングで、転写クリーニング処理およびドラムクリーニング処理などのプロセス前処理が行なわれる(S40)。
【0153】
すなわち、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t4(図13参照)が経過すると、CPU103の制御によって、クリーニングブラシ33に対するクリーニングバイアスの印加が開始される。また、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t6が経過すると、CPU103の制御によって、転写ローラ32に対して、転写逆バイアスが所定時間t8(図13参照)にわたって印加される。
【0154】
なお、所定時間t4,t6は、CPU103によって、走査準備期間t1に基づいて、感光ドラム29から用紙3へのトナー像の転写タイミングが求められ、この転写タイミングまでに用紙3が感光ドラム29と転写ローラ32との間の転写位置に達するように、用紙3が用紙押圧板15上からレジストローラ14に到達するまでの時間t11に基づいて、用紙3の給送を開始する給紙タイミングt10が設定され、さらに、その給紙タイミン
グt10までに、転写クリーニング処理およびドラムクリーニング処理が終了するように設定される。これによって、給紙タイミングt10までに、感光ドラム29のクリーニングを完了することができる。そのため、感光ドラム29への確実な静電潜像の形成を達成することができる。また、給紙タイミングt10までに、転写ローラ32に付着しているトナーを感光ドラム29に転移させることができ、転写逆バイアスの印加による転写ローラ32のクリーニングを達成することができる。そのため、トナー像の用紙3への安定した転写を図ることができる。
【0155】
その後、給紙タイミングt10が到来すると(S41:YES)、CPU103によって、給紙クラッチ111がオンに切り替えられる(S42)。これによって、メインモータ95からの回転駆動力がピックアップローラ12に伝達され、ピックアップローラ12の回転によって、用紙押圧板15上の最上位の用紙3が、ピックアップローラ12にピックアップされて送り出される。
【0156】
なお、転写ローラ32に対する転写順バイアスの印加は、給紙タイミングt10の後に行なわれる。これによって、転写ローラ32に対する転写順バイアスの長時間にわたる印加を防止して、転写ローラ32の耐久性の向上を図ることができる。
【0157】
以上のように、この実施形態のレーザプリンタ1では、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置に移動させる場合に、メインモータ95の駆動を開始した後の所定期間、ドラムクラッチ115のオフが継続されて、感光ドラム29が駆動されない。これにより、感光ドラム29の駆動による劣化を抑制することができ、感光ドラム29の寿命を延ばすことができる。
【0158】
また、この処理では、走査準備期間t1に基づいて転写タイミングを設定して、この転写タイミングに基づいて給紙タイミングt10を設定し、さらに、この給紙タイミングt10に基づいてドラムクラッチ115をオンするタイミングを設定し、かつ、メインモータ95の駆動開始タイミングをスキャナモータ108の駆動開始後に設定することにより、用紙押圧板15を移動させる場合でも、転写タイミングを遅らせることなく、スキャナモータ108の駆動開始から用紙3へのトナー像の転写までの画像形成時間を、用紙押厚板15を移動させない場合と同じにすることができる。そのため、画像形成時間の長期化を回避することができる。
【0159】
さらに、このレーザプリンタ1においても、スキャナモータ108の駆動開始から所定時間t2または所定時間t3を待機した後に、メインモータ95が駆動開始されることにより、メインモータ95の駆動開始タイミングとスキャナモータ108の駆動開始タイミングとがずれるので、メインモータ95およびスキャナモータ108に電力を供給するための電源ユニット(図示せず)に大きな負荷がかかることを回避することができる。そのため、電源ユニットからメインモータ95およびスキャナモータ108に電力を安定して供給することができる。その結果、メインモータ95およびスキャナモータ108を安定して駆動することができる。
【0160】
なお、図1に仮想線で示すように、給紙トレイ9が本体ケーシング2に装着されているか否かを検知する検知手段としてのトレイ有無センサ114を、本体ケーシング2に配置し、図7に仮想線で示すように、そのトレイ有無センサ114の検知信号がCPU103に入力されるようにして、図10に示す低速制御判断処理に代えて、図14に示す低速制御判断処理を行なうようにしてもよい。なお、トレイ有無センサ114は、たとえば、給紙トレイ9が本体ケーシング2に装着されたときに、本体ケーシング2の後端部に当接することによって、本体ケーシング2に対する給紙トレイ9の装着を検知する接触型センサで構成することができる。
【0161】
図14に示す低速制御判断処理では、先の印刷動作後に本体ケーシング2に対する給紙トレイ9の離脱がなく、給紙トレイ9の本体ケーシング2に対する装着がトレイ有無センサ114によって検知され続けている場合には(S51:NO)、低速制御を実行しないと判断される(S52)。
【0162】
用紙押圧板15上に用紙3を載置するときには、給紙トレイ9が本体ケーシング2から離脱されるので、給紙トレイ9が本体ケーシング2に装着され続けている間は、用紙押圧板15が搬送位置に位置していると判断することができる。そして、用紙押圧板15が搬送位置に位置していれば、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで移動させる必要はないので、低速制御を実行しないと判断することができる。
【0163】
一方、先の印刷動作後に、本体ケーシング2に対する給紙トレイ9の離脱がトレイ有無センサ114によって検知された場合には(S51:YES)、その給紙トレイ9の離脱によって、用紙押圧板15が載置位置に移動されているので、低速制御を実行すると判断される(S53)。
【0164】
また、図2に仮想線で示すように、給紙トレイ9が本体ケーシング2に装着されている状態において、用紙押圧板15が搬送位置に位置していることを検知するための位置検知手段としての圧板位置センサ116を、本体ケーシング2に配置し、図7に仮想線で示すように、その圧板位置センサ116の検知信号がCPU103に入力されるようにして、図10に示す低速制御判断処理に代えて、図15に示す低速制御判断処理を行なうようにしてもよい。なお、圧板位置センサ116は、たとえば、用紙押圧板15が載置位置に位置しているときに光路が遮断されるように配置された投光素子および受光素子で構成することができる。
【0165】
図15に示す低速制御判断処理では、用紙押圧板15が搬送位置に位置していることが圧板位置センサ116によって検知されている場合には(S61:YES)、用紙押圧板15を載置位置から搬送位置まで移動させる必要はないので、低速制御を実行しないと判断される(S62)。一方、用紙押圧板15が搬送位置に位置していることが圧板位置センサ116によって検知されていない場合、つまり、用紙押圧板15が搬送位置に位置していない場合には(S61:NO)、低速制御を実行すると判断される(S63)。
【0166】
このように、用紙押圧板15が搬送位置に位置しているか否かを専用の圧板位置センサ116によって正確に検知することにより、低速制御を実行する必要があるか否かを一層正確に判断することができる。
【0167】
さらに、図11に仮想線で示すように、トレイ有無センサ114または圧板位置センサ116の検知信号がCPU103に入力されるようにして、図12に示す判断ステップ(S32)において、図14または図15に示す低速判断処理と同様な処理が行なわれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】画像形成装置としてのレーザプリンタの参考例を示す要部側断面図である。
【図2】図1に示す給紙トレイの平面図である。
【図3】図1に示す本体ケーシングに備えられる給紙駆動部およびその周辺の斜視図である。
【図4】図3に示す駆動伝達機構の断面図である。
【図5】図3に示す内歯ギヤの回転がストッパアームの係止爪によって規制されている状態を示す断面図である。
【図6】図1に示す感光ドラムおよび図3に示す給紙駆動部に回転駆動力を伝達するためのギヤ伝達機構を簡略化して示す図である。
【図7】図1に示すレーザプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示すCPUへの印刷起動指示信号の入力から用紙の給送が開始されるまでの制御の流れを示すフロー図である。
【図9】図8に示す制御時における各部の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図10】図7に示すCPUが低速制御を実行するか否かを判断する低速制御判断処理を示すフロー図である。
【図11】本発明のレーザプリンタの実施形態(ドラムクラッチが設けられる態様)を示すブロック図である。
【図12】図11に示すレーザプリンタにおいて、CPUへの印刷起動指示信号の入力から用紙の搬送が開始されるまでの制御の流れを示すフロー図である。
【図13】図12に示す制御時における各部の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図14】図10に示す低速制御判断処理の他の態様(トレイ有無センサの検知信号に基づいて判断される態様)を示すフロー図である。
【図15】図10に示す低速制御判断処理の他の態様(圧板位置センサの検知信号に基づいて判断される態様)を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1駆動源と、
前記第1駆動源からの駆動力が入力される感光体と、
前記感光体に向けて搬送する記録媒体が載置され、記録媒体を載置するための載置位置と、記録媒体を搬送するための搬送位置とに移動可能な載置部材と、
前記第1駆動源からの駆動力が入力され、前記載置部材を、前記載置位置から前記搬送位置に移動させる駆動機構と、
前記第1駆動源から前記感光体への駆動力の入力経路の途中に設けられ、前記第1駆動源から前記感光体へ伝達される駆動力の伝達および遮断を切り替えるための切替手段と、
前記載置部材が前記搬送位置に位置しているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記載置部材が前記搬送位置に位置していないと判断された場合には、前記切替手段を制御して、前記駆動機構によって前記載置部材が前記載置位置から前記搬送位置に移動される期間において、少なくとも所定期間は、前記第1駆動源から前記感光体へ伝達される駆動力を遮断する制御手段と
を備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記判断手段は、記録媒体に画像を形成するための画像形成動作終了後の所定時間以内は、前記載置部材が前記搬送位置に位置していると判断することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置に対して着脱自在に装着され、前記載置部材が収容されるトレイと、
前記トレイの前記画像形成装置に対する装着および離脱を検知する検知手段とを備え、
前記判断手段は、前記検出手段によって前記トレイの前記画像形成装置に対する装着が検知されている間は、前記載置部材が前記搬送位置に位置していると判断することを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記載置部材が前記搬送位置に位置していることを検知する位置検知手段を備え、
前記判断手段は、前記位置検知手段によって前記載置部材が前記搬送位置に位置していることが検知されているときは、前記載置部材が前記搬送位置に位置していると判断することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
第2駆動源と、
前記第2駆動源によって駆動され、前記感光体にレーザ光を走査して静電潜像を形成するための光学部材とを備え、
前記感光体は、静電潜像の現像により形成される現像剤像を担持し、
前記制御手段は、前記第2駆動源の駆動開始から、その駆動速度が、前記光学部材によるレーザ光の走査が可能となる走査開始速度となるまでの走査準備期間に基づいて、前記感光体から現像剤像を記録媒体に転写する転写タイミングを設定し、
前記転写タイミングまでに、前記載置部材に載置される記録媒体が前記感光体に搬送されるように、記録媒体の搬送開始タイミングを設定し、
前記走査準備期間以内で、前記搬送開始タイミング以前に、前記切替手段を制御して、前記第1駆動源から前記感光体へ駆動力を伝達させることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2駆動源の駆動開始タイミングと異なるタイミングで、前記第1駆動源の駆動開始タイミングを設定することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記感光体に形成された現像剤像を記録媒体に転写するための転写手段と、
前記転写手段に転写バイアスと、前記転写バイアスと逆極性の転写クリーニングバイアスとを、選択的に印加可能な転写バイアス印加手段とを備え、
前記制御手段は、前記走査準備期間以内で、前記搬送開始タイミング以前に、前記転写バイアス印加手段により前記転写手段に前記転写クリーニングバイアスを印加して、前記転写手段をクリーニングするクリーニング処理を完了することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記搬送開始タイミングと同時またはそれ以降に、前記転写バイアス印加手段により、前記転写手段に対する前記転写バイアスの印加を開始することを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
感光体クリーニングバイアスの印加により、前記感光体をクリーニングするためのクリーニング手段を備え、
前記制御手段は、前記走査準備期間以内で、前記搬送開始タイミング以前に、前記クリーニング手段に対する前記感光体クリーニングバイアスの印加を開始することを特徴とする、請求項5ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置に対して着脱自在に装着されるトレイと、
前記載置部材上の記録媒体を前記感光体に向けて送り出すための給送手段とを備え、
前記載置部材は、前記トレイ内に収容され、前記搬送位置と前記載置位置とに昇降可能に設けらており、
前記搬送位置は、前記載置部材が最も下降した位置であり、
前記載置位置は、前記載置部材が最も上昇し、前記載置部材上の最上位の記録媒体が前記給送手段に接触する位置であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2009−157388(P2009−157388A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37579(P2009−37579)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【分割の表示】特願2004−107320(P2004−107320)の分割
【原出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】