画像形成装置
【課題】媒体を加熱定着するヒータの温度制御プログラムを非圧縮プログラムとして不揮発性メモリに記憶させることによって、圧縮されて不揮発性メモリに記憶されているプログラムが伸長される前にヒータの温度制御プログラムを実行してヒータのウォームアップを開始することができ、電源が投入されてから印刷可能となるまでの時間を短縮することができるようにする。
【解決手段】媒体を加熱定着するヒータを有する画像形成装置10であって、前記ヒータの温度制御プログラムを含む非圧縮プログラムと圧縮プログラムとを記憶する不揮発性メモリ12と、実行するプログラムを展開する揮発性メモリ13と、前記非圧縮プログラムを揮発性メモリ13上に展開し、前記ヒータの温度制御プログラムを実行するとともに、前記圧縮プログラムを伸長して揮発性メモリ13上に展開する制御部とを有する。
【解決手段】媒体を加熱定着するヒータを有する画像形成装置10であって、前記ヒータの温度制御プログラムを含む非圧縮プログラムと圧縮プログラムとを記憶する不揮発性メモリ12と、実行するプログラムを展開する揮発性メモリ13と、前記非圧縮プログラムを揮発性メモリ13上に展開し、前記ヒータの温度制御プログラムを実行するとともに、前記圧縮プログラムを伸長して揮発性メモリ13上に展開する制御部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ機、複合型プリンタ(MFP:Multi Function Printer)等の画像形成装置においては、不揮発性メモリを有効利用するために、前記画像形成装置の各部の動作を制御するためのプログラムを圧縮して不揮発性メモリに格納し、電源が投入されると、前記プログラムを伸長して該プログラムを実行することによって、画像形成装置の各部の動作を制御するようになっている。
【0003】
例えば、不揮発性メモリに圧縮した状態で格納されたプログラムの伸長動作を時分割で行い、この時分割伸長動作における間隙(げき)時間に、表示部の表示内容を更新するように制御することによって動作状態を確認表示可能とする画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−018418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の画像形成装置においては、定着ユニットのヒータを制御するプログラムも圧縮されて不揮発性メモリに格納されているので、圧縮されたプログラムの伸長後に、ヒータを制御するプログラムを実行してヒータのウォームアップが行われる。そのため、電源が投入されてから印刷可能となるまでの時間が遅くなってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の画像形成装置の問題点を解決して、媒体を加熱定着するヒータの温度制御プログラムを非圧縮プログラムとして不揮発性メモリに記憶させることによって、圧縮されて不揮発性メモリに記憶されているプログラムが伸長される前にヒータの温度制御プログラムを実行してヒータのウォームアップを開始することができ、電源が投入されてから印刷可能となるまでの時間を短縮することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の画像形成装置においては、媒体を加熱定着するヒータを有する画像形成装置であって、前記ヒータの温度制御プログラムを含む非圧縮プログラムと圧縮プログラムとを記憶する不揮発性メモリと、実行するプログラムを展開する揮発性メモリと、前記非圧縮プログラムを揮発性メモリ上に展開し、前記ヒータの温度制御プログラムを実行するとともに、前記圧縮プログラムを伸長して揮発性メモリ上に展開する制御部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置においては、媒体を加熱定着するヒータの温度制御プログラムを非圧縮プログラムとして不揮発性メモリに記憶させるようになっている。これにより、圧縮されて不揮発性メモリに記憶されているプログラムが伸長される前にヒータの温度制御プログラムを実行してヒータのウォームアップを開始することができ、電源が投入されてから印刷可能となるまでの時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の機能的構成を示すブロック図、図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における不揮発性メモリ及び揮発性メモリのデータ構造を示す図である。
【0010】
図において、10は本実施の形態における画像形成装置である。該画像形成装置10は、例えば、プリンタ、ファクシミリ機、複写機等であり、印刷用紙、封筒、OHP(Over Head Projector)シート等の媒体上に白黒(モノクロ)やカラーの画像を形成する装置であれば、いかなる種類の装置であってもよいが、ここでは、プリンタ、ファクシミリ機及び複写機の機能を兼ね備えた複合型プリンタ、すなわち、MFPであるものとして説明する。なお、画像形成装置10の画像形成方式は、インクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式等いかなる種類のものであってもよく、白黒画像を形成するものであってもよいし、カラー画像を形成するものであってもよいが、ここでは、電子写真方式によって白黒画像を形成するものであるとする。
【0011】
また、前記画像形成装置10は、外部ネットワークとしてのネットワーク21を介して図示されない外部機器に通信可能に接続されている。前記ネットワーク21は、例えば、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)等であるが、有線又は無線によってデータの通信を行うことができるものであれば、いかなる種類のものであってもよい。なお、前記ネットワーク21には、画像形成装置10の上位装置として機能する図示されないパーソナルコンピュータ、サーバ、情報端末等の装置が外部機器として接続されていてもよい。
【0012】
前記画像形成装置10は、CPU11、不揮発性メモリ12、揮発性メモリ13、操作表示部14、画像読取ユニット15、画像形成ユニット16、転写ユニット17、定着ユニット18及び通信制御部19を有する。なお、各部は通信回線としてのバス20によって通信可能に接続されている。
【0013】
そして、前記CPU11は、不揮発性メモリ12に記憶されている画像形成装置10を制御するためのシステムプログラムを揮発性メモリ13上に展開し、展開されたシステムプログラムとの協働によって、画像形成装置10全体の制御を行う。
【0014】
また、CPU11は、揮発性メモリ13上に展開された各種の処理プログラムとの協働によって、操作表示部14から入力される操作信号や通信制御部19を介して入力されるデータに応じて各種の処理を実行する。例えば、CPU11は、揮発性メモリ13上に展開された各種の処理プログラムに従い、ユーザによる操作表示部14の押下操作に応じて画像読取ユニット15のコンタクトガラス15a上に載置された原稿を複写する複写処理、ネットワーク21を介して外部機器から送信されたデータを受信して、該データに基づいて印刷出力するプリント処理、画像読取ユニット15のコンタクトガラス15a上に載置された原稿を読み取って、読み取った画像データをネットワーク21を介して外部機器に出力するスキャナ処理等を行う。
【0015】
本実施の形態において、前記CPU11は、非圧縮プログラムを揮発性メモリ13上に展開し、ヒータの温度制御プログラムを実行するとともに、圧縮プログラムを伸長して揮発性メモリ13上に展開する制御部として機能する。また、前記CPU11は、電源オン後に、制御部にプログラム展開の実行を促す信号を出力する初期化判断部としても機能する。さらに、前記CPU11は、あらかじめ決められた条件を検知すると揮発性メモリ13への通電を停止するパワーセーブ制御部としても機能する。さらに、前記CPU11は、所定の入力を検知すると揮発性メモリ13への通電を行い、制御部にプログラム展開の実行を促す信号を出力するパワーセーブ復帰制御部としても機能する。なお、前記所定の入力は、例えば、ネットワーク21を介して外部機器から受信したG3ファクシミリのリング信号、G4ファクシミリのDチャネル信号、インターネットファクシミリのパケット信号等である。
【0016】
また、前記不揮発性メモリ12は、不揮発性の半導体メモリ等によって構成される読み出し専用又は電気的に書き換え可能なメモリであり、画像形成装置10に対応するシステムプログラム、及び、該システムプログラム上で実行可能な各種の処理プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU11は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0017】
そして、図3に示されるように、不揮発性メモリ12は、ハード初期化プログラム12a、伸長及びヒータ制御プログラム12b、並びに、圧縮されたプログラム12cを格納する。なお、ハード初期化プログラム12a並びに伸長及びヒータ制御プログラム12bは非圧縮の状態で不揮発性メモリ12に格納されている。その他、電源投入時に起動すべきタスク生成に係るプログラム等の起動プログラム、各種の処理プログラムは、圧縮されたプログラム12cとして、圧縮された状態で不揮発性メモリ12に格納されている。
【0018】
また、前記揮発性メモリ13は、随時書き換え可能なメモリであり、CPU11によって実行制御される各種の処理において、不揮発性メモリ12から読み出されて展開されたプログラムである展開された伸長及びヒータ制御プログラム13a、展開されたプログラム13b、並びに、入力データ、出力データ、パラメータ等13cの一時的な格納領域となる。
【0019】
そして、前記操作表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示手段を含み、CPU11から入力される表示信号の指示に従って表示手段の画面上に、各種の操作ボタン、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。なお、前記表示手段は、入力手段としての機能も兼ねるタッチパネルであることが望ましい。この場合、前記表示手段は、透明なシートパネルによって覆われ、ユーザが手指又は専用のスタイラスペンでその表面をタッチすることによって入力される位置情報を入力情報としてCPU11に出力する。
【0020】
さらに、前記操作表示部14は、その他、電源を投入するための電源ボタン、スタートボタン、数字ボタンや各種設定を切り替える機能ボタン等の各種の操作ボタンを備えており、ボタン操作による操作信号をCPU11に出力する。
【0021】
また、前記画像読取ユニット15は、原稿を載置するコンタクトガラス15aの下部にスキャナ15bを備え、該スキャナ15bによって原稿の画像を読み取る。前記スキャナ15bは、光源15c、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等から成る撮像手段15d等を備え、光源15cから原稿へ照明走査した光の反射光を結像して光電変換することによって原稿の画像を画像データとして読み取り、読み取った画像データを画像形成ユニット16に出力する。なお、前記画像データは、図形、写真等のイメージデータに限らず、文字、記号等のテキストデータ等も含む。
【0022】
さらに、前記画像形成ユニット16は、画像読取ユニット15から入力された画像データ、及び、通信制御部19が受信した画像データに対して、操作表示部14から入力された指示、又は、通信制御部19が受信した画像データに含まれる指示データに従って、拡大、縮小、回転、位置変更等の画像処理を施して、画像処理した画像データを転写ユニット17に出力する。
【0023】
該転写ユニット17は、像担持体としての感光体ドラム17a、現像剤としてのトナー17b、排出部17c、印刷用紙等の媒体を収納する給紙部17d等を備える。そして、前記転写ユニット17は、CPU11からの印刷指示に従って、操作表示部14から入力された指示、又は、通信制御部19から受信したデータに含まれる指示データによって指示されたサイズ及び向きの媒体を給紙部17dから搬送する。また、前記転写ユニット17は、感光体ドラム17aの表面に、画像形成ユニット16から入力された画像データの静電潜像を形成する。さらに、前記転写ユニット17は、感光体ドラム17aの表面の静電潜像を含む領域にトナー17bを付着させて現像し、給紙部17dから搬送された媒体にトナー像を転写した後、媒体を定着ユニット18に搬送してトナー像を定着させ、排出部17cから排出する。
【0024】
なお、前記定着ユニット18は、図示されない駆動源によって回転させられるヒートローラ18a、該ヒートローラ18aに押し付けられ、該ヒートローラ18aとともに回転するバックアップローラ18b、加熱定着するためのヒータとしてヒートローラ18a内に配設されたハロゲンランプ18c、及び、定着温度としてヒートローラ18aの温度を検出する定着温度センサ18dを有し、CPU11からの印刷指示に従って、転写ユニット17によって媒体に転写されたトナー像を媒体に加熱定着させる。
【0025】
また、前記通信制御部19は、通信モデム、TA(Terminal Adapter)、ルータ等を備え、ネットワーク21に接続された外部機器と通信を行うための制御を行う。
【0026】
次に、前記構成の画像形成装置10の動作について説明する。まず、電源投入時の電源投入処理について説明する。
【0027】
図4は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すタイムチャート、図5は本発明の第1の実施の形態における電源投入時の電源投入処理についてのフローチャートである。なお、図4において、(a)は比較のために示される従来の画像形成装置のタイムチャートであり、(b)は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置のタイムチャートである。
【0028】
まず、画像形成装置10の電源が投入されて電源オンとなると、CPU11は、不揮発性メモリ12の最初に記憶されているハード初期化プログラム12aを実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12の非圧縮プログラムである伸長及びヒータ制御プログラム12bを揮発性メモリ13上に展開する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリ13上に展開されたヒータ制御プログラムに従って、ヒータ制御処理を実行する。次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理を起動するために、インターバルタイマのスタートを実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリl3上に展開された伸長プログラムに従って伸長処理を実行し、電源投入処理を終了する。
【0029】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 ハード初期化プログラム12aを実行する。
ステップS2 不揮発性メモリ12の非圧縮プログラムである伸長及びヒータ制御プログラム12bを揮発性メモリ13上に展開する。
ステップS3 ヒータ制御処理を実行する。
ステップS4 インターバルタイマ割り込み処理を起動する。
ステップS5 伸長処理を実行し、電源投入処理を終了する。
【0030】
次に、前記電源投入処理におけるヒータ制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0031】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるヒータ制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0032】
ヒータ制御処理において、CPU11は、まず、定着ユニット18の動作の制御、すなわち、定着制御が可能であるか否かを判断する。そして、定着制御が可能である場合、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される定着制御について定着制御ありとする。また、定着制御が可能でない場合、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される定着制御について定着制御なしとして、処理を終了する。
【0033】
次に、ヒータ制御処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS3−1 定着制御が可能であるか否かを判断する。定着制御が可能である場合はステップS3−2に進み、定着制御が可能でない場合はステップS3−3に進む。
ステップS3−2 定着制御ありとして、処理を終了する。
ステップS3−3 定着制御なしとして、処理を終了する。
【0034】
次に、電源投入処理におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンについて説明する。
【0035】
図7は本発明の第1の実施の形態におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0036】
インターバルタイマ割り込み処理において、CPU11は、まず、各種の処理において使用可能な共通の一定周期カウンタを更新する。次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で処理される定着制御について、定着制御ありか否かを判断する。そして、定着制御ありの場合、CPU11は、ヒータ制御割り込み処理を実行する。最後に、CPU11は、インターバルタイマの割り込みを解除し、処理を終了する。なお、定着制御ありか否かを判断して定着制御なしの場合、CPU11は、ヒータ制御割り込み処理を実行せずに、そのまま、インターバルタイマの割り込みを解除して処理を終了する。
【0037】
次に、インターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS4−1 一定周期カウンタを更新する。
ステップS4−2 定着制御ありか否かを判断する。定着制御ありの場合はステップS4−3に進み、定着制御なしの場合はステップS4−4に進む。
ステップS4−3 ヒータ制御割り込み処理を実行する。
ステップS4−4 インターバルタイマの割り込みを解除して、処理を終了する。
【0038】
次に、インターバルタイマ割り込み処理におけるヒータ制御割り込み処理のサブルーチンについて説明する。
【0039】
図8は本発明の第1の実施の形態におけるヒータ制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0040】
ヒータ制御割り込み処理において、CPU11は、まず、定着ユニット18の定着温度センサ18dが検出した定着温度が正常であるか否かを判断する。そして、定着温度が正常である場合、CPU11は、定着温度があらかじめ設定された目標温度より低いか否かを判断する。ここで、定着温度が目標温度より低い場合、CPU11は、定着ユニット18のハロゲンランプ18cをオンにする。すなわち、ハロゲン・オンとして、処理を終了する。
【0041】
また、定着温度が目標温度以上の場合、CPU11は、定着ユニット18のハロゲンランプ18cをオフにする。すなわち、ハロゲン・オフとすることによって、定着温度を一定温度に保つようにして処理を終了する。
【0042】
さらに、定着ユニット18の定着温度センサ18dの定着温度が正常であるか否かを判断して、定着温度が異常である場合、CPU11は、定着ユニット18のハロゲンランプ18cをオフにしてハロゲン・オフとし、続いて、ヒータ異常とし、最後に、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される定着制御について定着制御なしとして、処理を終了する。
【0043】
次に、ヒータ制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS4−3−1 定着温度が正常であるか否かを判断する。定着温度が正常である場合はステップS4−3−2に進み、定着温度が正常でない場合はステップS4−3−5に進む。
ステップS4−3−2 定着温度があらかじめ設定された目標温度より低いか否かを判断する。定着温度があらかじめ設定された目標温度より低い場合はステップS4−3−3に進み、定着温度があらかじめ設定された目標温度以上の場合はステップSS4−3−4に進む。
ステップS4−3−3 ハロゲン・オンとして、処理を終了する。
ステップS4−3−4 ハロゲン・オフとして、処理を終了する。
ステップS4−3−5 ハロゲン・オフとする。
ステップS4−3−6 ヒータ異常とする。
ステップS4−3−7 定着制御なしとして、処理を終了する。
【0044】
次に、電源投入処理における伸長処理のサブルーチンについて説明する。
【0045】
図9は本発明の第1の実施の形態における伸長処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0046】
伸長処理において、CPU11は、まず、カウンタiにStartADRを格納して初期化する。続いて、CPU11は、不揮発性メモリ12に記憶されているiアドレスの圧縮されたプログラムを読み込みながら伸長し、揮発性メモリ13上に展開する。
【0047】
続いて、CPU11は、圧縮されたプログラムが終了したか否か、すなわち、カウンタiがEndADR以上であるか否かを判断する。そして、カウンタiがEndADR以上でない場合、圧縮されたプログラムが終了していないので、CPU11は、アドレスの更新を行い、i+1をiとして、カウンタiをインクリメントする。そして、CPU11は、再び、不揮発性メモリ12に記憶されているiアドレスの圧縮されたプログラムを読み込みながら伸長し、揮発性メモリ13上に展開し、以降の動作を繰り返し実行する。
【0048】
一方、カウンタiがEndADR以上であるか否かを判断してカウンタiがEndADR以上となった場合、圧縮されたプログラムが終了したので、CPU11は、揮発性メモリ13上の伸長されたプログラムを実行し、処理を終了する。
【0049】
次に、伸長処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS5−1 カウンタiにStartADRを格納して初期化する。
ステップS5−2 不揮発性メモリ12に記憶されているiアドレスの圧縮されたプログラムを読み込みながら伸長し、揮発性メモリ13上に展開する。
ステップS5−3 圧縮されたプログラムが終了したか否か、すなわち、カウンタiがEndADR以上であるか否かを判断する。カウンタiがEndADR以上である場合はステップS5−5に進み、カウンタiがEndADR以上でない場合はステップS5−4に進む。
ステップS5−4 アドレスの更新を行い、i+1をiとして、カウンタiをインクリメントし、ステップS5−2に戻る。
ステップS5−5 揮発性メモリ13上の伸長されたプログラムを実行し、処理を終了する。
【0050】
このように、本実施の形態においては、図4に示されるように、伸長処理を行う前にインターバルタイマをスタートさせることによって、インターバルタイマ割り込み処理と伸長処理とを時分割で並列して実行し、ヒータ制御を早く実行することができる。
【0051】
これにより、電源投入時のプログラムブロックの伸長前に、ヒータ制御プログラムを実行してヒータとしてのハロゲンランプ18cのウォームアップを行うことが可能となり、プログラムブロックの伸長時間の分だけ、電源が投入されてから印刷可能となるまでの時間を短縮することができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
【0053】
図10は本発明の第2の実施の形態における不揮発性メモリ及び揮発性メモリのデータ構造を示す図である。
【0054】
本実施の形態において、不揮発性メモリ12は、図に示されるように、ハード初期化プログラム12a、伸長、ヒータ及び光源制御プログラム12d、並びに、圧縮されたプログラム12cを格納する。なお、ハード初期化プログラム12a並びに伸長、ヒータ及び光源制御プログラム12dは、非圧縮の状態で不揮発性メモリ12に格納されている。その他、電源投入時に起動すべきタスク生成に係るプログラム等の起動プログラム、各種の処理プログラムは、圧縮されたプログラム12cとして、圧縮された状態で不揮発性メモリ12に格納されている。
【0055】
また、揮発性メモリ13は、随時書き換え可能なメモリであり、CPU11によって実行制御される各種の処理において、不揮発性メモリ12から読み出されたて展開されたプログラムである展開された伸長、ヒータ及び光源制御プログラム13d、展開されたプログラム13b、並びに、入力データ、出力データ、パラメータ等13cの一時的な格納領域となる。
【0056】
ここで、前記CPU11、不揮発性メモリ12及び揮発性メモリ13は、本実施の形態における制御手段として機能する。
【0057】
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
次に、本実施の形態の画像形成装置10の動作について説明する。まず、電源投入時の電源投入処理について説明する。
【0059】
図11は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の動作を示すタイムチャート、図12は本発明の第2の実施の形態における電源投入時の電源投入処理についてのフローチャートである。なお、図11において、(a)は比較のために示される従来の画像形成装置のタイムチャートであり、(b)は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置のタイムチャートである。
【0060】
まず、画像形成装置10の電源が投入されて電源オンとなると、CPU11は、不揮発性メモリ12の最初に記憶されているハード初期化プログラム12aを実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12の非圧縮プログラムである伸長、ヒータ及び光源制御プログラム12dを揮発性メモリ13上に展開する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリ13上に展開されたヒータ制御プログラムに従って、ヒータ制御処理を実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリ13上に展開された光源制御プログラムに従って、光源制御処理を実行する。次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理を起動するために、インターバルタイマのスタートを実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリl3上に展開された伸長プログラムに従って伸長処理を実行し、電源投入処理を終了する。
【0061】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 ハード初期化プログラム12aを実行する。
ステップS12 不揮発性メモリ12の非圧縮プログラムである伸長、ヒータ及び光源制御プログラム12dを揮発性メモリ13上に展開する。
ステップS13 ヒータ制御処理を実行する。
ステップS14 光源制御処理を実行する。
ステップS15 インターバルタイマ割り込み処理を起動する。
ステップS16 伸長処理を実行し、電源投入処理を終了する。
【0062】
次に、電源投入処理における光源制御処理のサブルーチンについて説明する。なお、ヒータ制御処理のサブルーチンについては、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0063】
図13は本発明の第2の実施の形態における光源制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0064】
光源制御処理において、CPU11は、まず、画像読取ユニット15の光源15cの動作の制御、すなわち、光源制御が可能であるか否かを判断する。そして、光源制御が可能である場合、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される光源制御について光源制御ありとする。続いて、CPU11は、画像読取ユニット15の光源15cをオンにし、光源オン時間を初期化して、処理を終了する。
【0065】
また、光源制御が可能であるか否かを判断して光源制御が可能でない場合、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される光源制御について光源制御なしとして、処理を終了する。
【0066】
次に、光源制御処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS14−1 光源制御が可能であるか否かを判断する。光源制御が可能である場合はステップS14−2に進み、光源制御が可能でない場合はステップS14−5に進む。
ステップS14−2 光源制御ありとする。
ステップS14−3 画像読取ユニット15の光源15cをオンにする。
ステップS14−4 光源オン時間を初期化して、処理を終了する。
ステップS14−5 光源制御なしとして、処理を終了する。
【0067】
次に、電源投入処理におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンについて説明する。なお、伸長処理のサブルーチンについては、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0068】
図14は本発明の第2の実施の形態におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0069】
インターバルタイマ割り込み処理において、CPU11は、まず、各種の処理において使用可能な共通の一定周期カウンタを更新する。次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で処理される定着制御について、定着制御ありか否かを判断する。そして、定着制御ありの場合、CPU11は、ヒータ制御割り込み処理を実行する。
【0070】
次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で処理される光源制御について、光源制御ありか否かを判断する。なお、定着制御ありか否かを判断して定着制御なしの場合、CPU11は、ヒータ制御割り込み処理を実行せずに、そのまま、光源制御ありか否かを判断する。
【0071】
そして、光源制御ありの場合、CPU11は、光源制御割り込み処理を実行する。最後に、CPU11は、インターバルタイマの割り込みを解除し、処理を終了する。なお、光源制御ありか否かを判断して光源制御なしの場合、CPU11は、光源制御割り込み処理を実行せずに、そのまま、インターバルタイマの割り込みを解除して処理を終了する。
【0072】
次に、インターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS15−1 一定周期カウンタを更新する。
ステップS15−2 定着制御ありか否かを判断する。定着制御ありの場合はステップS15−3に進み、定着制御なしの場合はステップS15−4に進む。
ステップS15−3 ヒータ制御割り込み処理を実行する。
ステップS15−4 光源制御ありか否かを判断する。光源制御ありの場合はステップS15−5に進み、光源制御なしの場合はステップS15−6に進む。
ステップS15−5 光源制御割り込み処理を実行する。
ステップS15−6 インターバルタイマの割り込みを解除して、処理を終了する。
【0073】
次に、インターバルタイマ割り込み処理における光源制御割り込み処理のサブルーチンについて説明する。なお、ヒータ制御割り込み処理については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0074】
図15は本発明の第2の実施の形態における光源制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0075】
光源制御割り込み処理において、CPU11は、まず、画像読取ユニット15の光源15cが正常であるか否かを判断する。そして、光源15cが正常である場合、CPU11は、光源オン時間を更新して処理を終了する。
【0076】
また、光源15cが異常である場合、CPU11は、画像読取ユニット15の光源15cをオフにし、続いて、光源異常とし、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される光源制御について光源制御なしとして、処理を終了する。
【0077】
次に、光源制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS15−5−1 光源15cが正常であるか否かを判断する。光源15cが正常である場合はステップS15−5−2に進み、光源15cが正常でない場合はステップS15−5−3に進む。
ステップS15−5−2 光源オン時間を更新して、処理を終了する。
ステップS15−5−3 光源15cをオフにする。
ステップS15−5−4 光源異常とする。
ステップS15−5−5 光源制御なしとして、処理を終了する。
【0078】
なお、その他の点の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0079】
このように、本実施の形態においては、図11に示されるように、伸長処理を行う前にインターバルタイマをスタートさせることによって、インターバルタイマ割り込み処理と伸長処理とを時分割で並列して実行し、ヒータ制御及び光源制御を早く実行することができる。
【0080】
これにより、電源投入時のプログラムブロックの伸長前にヒータ制御プログラム及び光源制御プログラムを実行し、ヒータとしてのハロゲンランプ18c及び光源15cのウォームアップを行うことが可能となり、プログラムブロックの伸長時間の分だけ、電源が投入されてから印刷可能及び原稿読取可能となるまでの時間を短縮することができる。
【0081】
なお、前記第1及び第2の実施の形態においては、画像形成装置10がMFPである例について説明したが、スキャナ、複写機、ファクシミリ機、プリンタ等にも適用することができる。
【0082】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における不揮発性メモリ及び揮発性メモリのデータ構造を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態における電源投入時の電源投入処理についてのフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるヒータ制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるヒータ制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における伸長処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における不揮発性メモリ及び揮発性メモリのデータ構造を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の動作を示すタイムチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態における電源投入時の電源投入処理についてのフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態における光源制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態における光源制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
10 画像形成装置
11 CPU
12 不揮発性メモリ
13 揮発性メモリ
18c ハロゲンランプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ機、複合型プリンタ(MFP:Multi Function Printer)等の画像形成装置においては、不揮発性メモリを有効利用するために、前記画像形成装置の各部の動作を制御するためのプログラムを圧縮して不揮発性メモリに格納し、電源が投入されると、前記プログラムを伸長して該プログラムを実行することによって、画像形成装置の各部の動作を制御するようになっている。
【0003】
例えば、不揮発性メモリに圧縮した状態で格納されたプログラムの伸長動作を時分割で行い、この時分割伸長動作における間隙(げき)時間に、表示部の表示内容を更新するように制御することによって動作状態を確認表示可能とする画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−018418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の画像形成装置においては、定着ユニットのヒータを制御するプログラムも圧縮されて不揮発性メモリに格納されているので、圧縮されたプログラムの伸長後に、ヒータを制御するプログラムを実行してヒータのウォームアップが行われる。そのため、電源が投入されてから印刷可能となるまでの時間が遅くなってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の画像形成装置の問題点を解決して、媒体を加熱定着するヒータの温度制御プログラムを非圧縮プログラムとして不揮発性メモリに記憶させることによって、圧縮されて不揮発性メモリに記憶されているプログラムが伸長される前にヒータの温度制御プログラムを実行してヒータのウォームアップを開始することができ、電源が投入されてから印刷可能となるまでの時間を短縮することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の画像形成装置においては、媒体を加熱定着するヒータを有する画像形成装置であって、前記ヒータの温度制御プログラムを含む非圧縮プログラムと圧縮プログラムとを記憶する不揮発性メモリと、実行するプログラムを展開する揮発性メモリと、前記非圧縮プログラムを揮発性メモリ上に展開し、前記ヒータの温度制御プログラムを実行するとともに、前記圧縮プログラムを伸長して揮発性メモリ上に展開する制御部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置においては、媒体を加熱定着するヒータの温度制御プログラムを非圧縮プログラムとして不揮発性メモリに記憶させるようになっている。これにより、圧縮されて不揮発性メモリに記憶されているプログラムが伸長される前にヒータの温度制御プログラムを実行してヒータのウォームアップを開始することができ、電源が投入されてから印刷可能となるまでの時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の機能的構成を示すブロック図、図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における不揮発性メモリ及び揮発性メモリのデータ構造を示す図である。
【0010】
図において、10は本実施の形態における画像形成装置である。該画像形成装置10は、例えば、プリンタ、ファクシミリ機、複写機等であり、印刷用紙、封筒、OHP(Over Head Projector)シート等の媒体上に白黒(モノクロ)やカラーの画像を形成する装置であれば、いかなる種類の装置であってもよいが、ここでは、プリンタ、ファクシミリ機及び複写機の機能を兼ね備えた複合型プリンタ、すなわち、MFPであるものとして説明する。なお、画像形成装置10の画像形成方式は、インクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式等いかなる種類のものであってもよく、白黒画像を形成するものであってもよいし、カラー画像を形成するものであってもよいが、ここでは、電子写真方式によって白黒画像を形成するものであるとする。
【0011】
また、前記画像形成装置10は、外部ネットワークとしてのネットワーク21を介して図示されない外部機器に通信可能に接続されている。前記ネットワーク21は、例えば、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)等であるが、有線又は無線によってデータの通信を行うことができるものであれば、いかなる種類のものであってもよい。なお、前記ネットワーク21には、画像形成装置10の上位装置として機能する図示されないパーソナルコンピュータ、サーバ、情報端末等の装置が外部機器として接続されていてもよい。
【0012】
前記画像形成装置10は、CPU11、不揮発性メモリ12、揮発性メモリ13、操作表示部14、画像読取ユニット15、画像形成ユニット16、転写ユニット17、定着ユニット18及び通信制御部19を有する。なお、各部は通信回線としてのバス20によって通信可能に接続されている。
【0013】
そして、前記CPU11は、不揮発性メモリ12に記憶されている画像形成装置10を制御するためのシステムプログラムを揮発性メモリ13上に展開し、展開されたシステムプログラムとの協働によって、画像形成装置10全体の制御を行う。
【0014】
また、CPU11は、揮発性メモリ13上に展開された各種の処理プログラムとの協働によって、操作表示部14から入力される操作信号や通信制御部19を介して入力されるデータに応じて各種の処理を実行する。例えば、CPU11は、揮発性メモリ13上に展開された各種の処理プログラムに従い、ユーザによる操作表示部14の押下操作に応じて画像読取ユニット15のコンタクトガラス15a上に載置された原稿を複写する複写処理、ネットワーク21を介して外部機器から送信されたデータを受信して、該データに基づいて印刷出力するプリント処理、画像読取ユニット15のコンタクトガラス15a上に載置された原稿を読み取って、読み取った画像データをネットワーク21を介して外部機器に出力するスキャナ処理等を行う。
【0015】
本実施の形態において、前記CPU11は、非圧縮プログラムを揮発性メモリ13上に展開し、ヒータの温度制御プログラムを実行するとともに、圧縮プログラムを伸長して揮発性メモリ13上に展開する制御部として機能する。また、前記CPU11は、電源オン後に、制御部にプログラム展開の実行を促す信号を出力する初期化判断部としても機能する。さらに、前記CPU11は、あらかじめ決められた条件を検知すると揮発性メモリ13への通電を停止するパワーセーブ制御部としても機能する。さらに、前記CPU11は、所定の入力を検知すると揮発性メモリ13への通電を行い、制御部にプログラム展開の実行を促す信号を出力するパワーセーブ復帰制御部としても機能する。なお、前記所定の入力は、例えば、ネットワーク21を介して外部機器から受信したG3ファクシミリのリング信号、G4ファクシミリのDチャネル信号、インターネットファクシミリのパケット信号等である。
【0016】
また、前記不揮発性メモリ12は、不揮発性の半導体メモリ等によって構成される読み出し専用又は電気的に書き換え可能なメモリであり、画像形成装置10に対応するシステムプログラム、及び、該システムプログラム上で実行可能な各種の処理プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU11は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0017】
そして、図3に示されるように、不揮発性メモリ12は、ハード初期化プログラム12a、伸長及びヒータ制御プログラム12b、並びに、圧縮されたプログラム12cを格納する。なお、ハード初期化プログラム12a並びに伸長及びヒータ制御プログラム12bは非圧縮の状態で不揮発性メモリ12に格納されている。その他、電源投入時に起動すべきタスク生成に係るプログラム等の起動プログラム、各種の処理プログラムは、圧縮されたプログラム12cとして、圧縮された状態で不揮発性メモリ12に格納されている。
【0018】
また、前記揮発性メモリ13は、随時書き換え可能なメモリであり、CPU11によって実行制御される各種の処理において、不揮発性メモリ12から読み出されて展開されたプログラムである展開された伸長及びヒータ制御プログラム13a、展開されたプログラム13b、並びに、入力データ、出力データ、パラメータ等13cの一時的な格納領域となる。
【0019】
そして、前記操作表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示手段を含み、CPU11から入力される表示信号の指示に従って表示手段の画面上に、各種の操作ボタン、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。なお、前記表示手段は、入力手段としての機能も兼ねるタッチパネルであることが望ましい。この場合、前記表示手段は、透明なシートパネルによって覆われ、ユーザが手指又は専用のスタイラスペンでその表面をタッチすることによって入力される位置情報を入力情報としてCPU11に出力する。
【0020】
さらに、前記操作表示部14は、その他、電源を投入するための電源ボタン、スタートボタン、数字ボタンや各種設定を切り替える機能ボタン等の各種の操作ボタンを備えており、ボタン操作による操作信号をCPU11に出力する。
【0021】
また、前記画像読取ユニット15は、原稿を載置するコンタクトガラス15aの下部にスキャナ15bを備え、該スキャナ15bによって原稿の画像を読み取る。前記スキャナ15bは、光源15c、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等から成る撮像手段15d等を備え、光源15cから原稿へ照明走査した光の反射光を結像して光電変換することによって原稿の画像を画像データとして読み取り、読み取った画像データを画像形成ユニット16に出力する。なお、前記画像データは、図形、写真等のイメージデータに限らず、文字、記号等のテキストデータ等も含む。
【0022】
さらに、前記画像形成ユニット16は、画像読取ユニット15から入力された画像データ、及び、通信制御部19が受信した画像データに対して、操作表示部14から入力された指示、又は、通信制御部19が受信した画像データに含まれる指示データに従って、拡大、縮小、回転、位置変更等の画像処理を施して、画像処理した画像データを転写ユニット17に出力する。
【0023】
該転写ユニット17は、像担持体としての感光体ドラム17a、現像剤としてのトナー17b、排出部17c、印刷用紙等の媒体を収納する給紙部17d等を備える。そして、前記転写ユニット17は、CPU11からの印刷指示に従って、操作表示部14から入力された指示、又は、通信制御部19から受信したデータに含まれる指示データによって指示されたサイズ及び向きの媒体を給紙部17dから搬送する。また、前記転写ユニット17は、感光体ドラム17aの表面に、画像形成ユニット16から入力された画像データの静電潜像を形成する。さらに、前記転写ユニット17は、感光体ドラム17aの表面の静電潜像を含む領域にトナー17bを付着させて現像し、給紙部17dから搬送された媒体にトナー像を転写した後、媒体を定着ユニット18に搬送してトナー像を定着させ、排出部17cから排出する。
【0024】
なお、前記定着ユニット18は、図示されない駆動源によって回転させられるヒートローラ18a、該ヒートローラ18aに押し付けられ、該ヒートローラ18aとともに回転するバックアップローラ18b、加熱定着するためのヒータとしてヒートローラ18a内に配設されたハロゲンランプ18c、及び、定着温度としてヒートローラ18aの温度を検出する定着温度センサ18dを有し、CPU11からの印刷指示に従って、転写ユニット17によって媒体に転写されたトナー像を媒体に加熱定着させる。
【0025】
また、前記通信制御部19は、通信モデム、TA(Terminal Adapter)、ルータ等を備え、ネットワーク21に接続された外部機器と通信を行うための制御を行う。
【0026】
次に、前記構成の画像形成装置10の動作について説明する。まず、電源投入時の電源投入処理について説明する。
【0027】
図4は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すタイムチャート、図5は本発明の第1の実施の形態における電源投入時の電源投入処理についてのフローチャートである。なお、図4において、(a)は比較のために示される従来の画像形成装置のタイムチャートであり、(b)は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置のタイムチャートである。
【0028】
まず、画像形成装置10の電源が投入されて電源オンとなると、CPU11は、不揮発性メモリ12の最初に記憶されているハード初期化プログラム12aを実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12の非圧縮プログラムである伸長及びヒータ制御プログラム12bを揮発性メモリ13上に展開する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリ13上に展開されたヒータ制御プログラムに従って、ヒータ制御処理を実行する。次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理を起動するために、インターバルタイマのスタートを実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリl3上に展開された伸長プログラムに従って伸長処理を実行し、電源投入処理を終了する。
【0029】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 ハード初期化プログラム12aを実行する。
ステップS2 不揮発性メモリ12の非圧縮プログラムである伸長及びヒータ制御プログラム12bを揮発性メモリ13上に展開する。
ステップS3 ヒータ制御処理を実行する。
ステップS4 インターバルタイマ割り込み処理を起動する。
ステップS5 伸長処理を実行し、電源投入処理を終了する。
【0030】
次に、前記電源投入処理におけるヒータ制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0031】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるヒータ制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0032】
ヒータ制御処理において、CPU11は、まず、定着ユニット18の動作の制御、すなわち、定着制御が可能であるか否かを判断する。そして、定着制御が可能である場合、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される定着制御について定着制御ありとする。また、定着制御が可能でない場合、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される定着制御について定着制御なしとして、処理を終了する。
【0033】
次に、ヒータ制御処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS3−1 定着制御が可能であるか否かを判断する。定着制御が可能である場合はステップS3−2に進み、定着制御が可能でない場合はステップS3−3に進む。
ステップS3−2 定着制御ありとして、処理を終了する。
ステップS3−3 定着制御なしとして、処理を終了する。
【0034】
次に、電源投入処理におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンについて説明する。
【0035】
図7は本発明の第1の実施の形態におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0036】
インターバルタイマ割り込み処理において、CPU11は、まず、各種の処理において使用可能な共通の一定周期カウンタを更新する。次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で処理される定着制御について、定着制御ありか否かを判断する。そして、定着制御ありの場合、CPU11は、ヒータ制御割り込み処理を実行する。最後に、CPU11は、インターバルタイマの割り込みを解除し、処理を終了する。なお、定着制御ありか否かを判断して定着制御なしの場合、CPU11は、ヒータ制御割り込み処理を実行せずに、そのまま、インターバルタイマの割り込みを解除して処理を終了する。
【0037】
次に、インターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS4−1 一定周期カウンタを更新する。
ステップS4−2 定着制御ありか否かを判断する。定着制御ありの場合はステップS4−3に進み、定着制御なしの場合はステップS4−4に進む。
ステップS4−3 ヒータ制御割り込み処理を実行する。
ステップS4−4 インターバルタイマの割り込みを解除して、処理を終了する。
【0038】
次に、インターバルタイマ割り込み処理におけるヒータ制御割り込み処理のサブルーチンについて説明する。
【0039】
図8は本発明の第1の実施の形態におけるヒータ制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0040】
ヒータ制御割り込み処理において、CPU11は、まず、定着ユニット18の定着温度センサ18dが検出した定着温度が正常であるか否かを判断する。そして、定着温度が正常である場合、CPU11は、定着温度があらかじめ設定された目標温度より低いか否かを判断する。ここで、定着温度が目標温度より低い場合、CPU11は、定着ユニット18のハロゲンランプ18cをオンにする。すなわち、ハロゲン・オンとして、処理を終了する。
【0041】
また、定着温度が目標温度以上の場合、CPU11は、定着ユニット18のハロゲンランプ18cをオフにする。すなわち、ハロゲン・オフとすることによって、定着温度を一定温度に保つようにして処理を終了する。
【0042】
さらに、定着ユニット18の定着温度センサ18dの定着温度が正常であるか否かを判断して、定着温度が異常である場合、CPU11は、定着ユニット18のハロゲンランプ18cをオフにしてハロゲン・オフとし、続いて、ヒータ異常とし、最後に、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される定着制御について定着制御なしとして、処理を終了する。
【0043】
次に、ヒータ制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS4−3−1 定着温度が正常であるか否かを判断する。定着温度が正常である場合はステップS4−3−2に進み、定着温度が正常でない場合はステップS4−3−5に進む。
ステップS4−3−2 定着温度があらかじめ設定された目標温度より低いか否かを判断する。定着温度があらかじめ設定された目標温度より低い場合はステップS4−3−3に進み、定着温度があらかじめ設定された目標温度以上の場合はステップSS4−3−4に進む。
ステップS4−3−3 ハロゲン・オンとして、処理を終了する。
ステップS4−3−4 ハロゲン・オフとして、処理を終了する。
ステップS4−3−5 ハロゲン・オフとする。
ステップS4−3−6 ヒータ異常とする。
ステップS4−3−7 定着制御なしとして、処理を終了する。
【0044】
次に、電源投入処理における伸長処理のサブルーチンについて説明する。
【0045】
図9は本発明の第1の実施の形態における伸長処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0046】
伸長処理において、CPU11は、まず、カウンタiにStartADRを格納して初期化する。続いて、CPU11は、不揮発性メモリ12に記憶されているiアドレスの圧縮されたプログラムを読み込みながら伸長し、揮発性メモリ13上に展開する。
【0047】
続いて、CPU11は、圧縮されたプログラムが終了したか否か、すなわち、カウンタiがEndADR以上であるか否かを判断する。そして、カウンタiがEndADR以上でない場合、圧縮されたプログラムが終了していないので、CPU11は、アドレスの更新を行い、i+1をiとして、カウンタiをインクリメントする。そして、CPU11は、再び、不揮発性メモリ12に記憶されているiアドレスの圧縮されたプログラムを読み込みながら伸長し、揮発性メモリ13上に展開し、以降の動作を繰り返し実行する。
【0048】
一方、カウンタiがEndADR以上であるか否かを判断してカウンタiがEndADR以上となった場合、圧縮されたプログラムが終了したので、CPU11は、揮発性メモリ13上の伸長されたプログラムを実行し、処理を終了する。
【0049】
次に、伸長処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS5−1 カウンタiにStartADRを格納して初期化する。
ステップS5−2 不揮発性メモリ12に記憶されているiアドレスの圧縮されたプログラムを読み込みながら伸長し、揮発性メモリ13上に展開する。
ステップS5−3 圧縮されたプログラムが終了したか否か、すなわち、カウンタiがEndADR以上であるか否かを判断する。カウンタiがEndADR以上である場合はステップS5−5に進み、カウンタiがEndADR以上でない場合はステップS5−4に進む。
ステップS5−4 アドレスの更新を行い、i+1をiとして、カウンタiをインクリメントし、ステップS5−2に戻る。
ステップS5−5 揮発性メモリ13上の伸長されたプログラムを実行し、処理を終了する。
【0050】
このように、本実施の形態においては、図4に示されるように、伸長処理を行う前にインターバルタイマをスタートさせることによって、インターバルタイマ割り込み処理と伸長処理とを時分割で並列して実行し、ヒータ制御を早く実行することができる。
【0051】
これにより、電源投入時のプログラムブロックの伸長前に、ヒータ制御プログラムを実行してヒータとしてのハロゲンランプ18cのウォームアップを行うことが可能となり、プログラムブロックの伸長時間の分だけ、電源が投入されてから印刷可能となるまでの時間を短縮することができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
【0053】
図10は本発明の第2の実施の形態における不揮発性メモリ及び揮発性メモリのデータ構造を示す図である。
【0054】
本実施の形態において、不揮発性メモリ12は、図に示されるように、ハード初期化プログラム12a、伸長、ヒータ及び光源制御プログラム12d、並びに、圧縮されたプログラム12cを格納する。なお、ハード初期化プログラム12a並びに伸長、ヒータ及び光源制御プログラム12dは、非圧縮の状態で不揮発性メモリ12に格納されている。その他、電源投入時に起動すべきタスク生成に係るプログラム等の起動プログラム、各種の処理プログラムは、圧縮されたプログラム12cとして、圧縮された状態で不揮発性メモリ12に格納されている。
【0055】
また、揮発性メモリ13は、随時書き換え可能なメモリであり、CPU11によって実行制御される各種の処理において、不揮発性メモリ12から読み出されたて展開されたプログラムである展開された伸長、ヒータ及び光源制御プログラム13d、展開されたプログラム13b、並びに、入力データ、出力データ、パラメータ等13cの一時的な格納領域となる。
【0056】
ここで、前記CPU11、不揮発性メモリ12及び揮発性メモリ13は、本実施の形態における制御手段として機能する。
【0057】
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
次に、本実施の形態の画像形成装置10の動作について説明する。まず、電源投入時の電源投入処理について説明する。
【0059】
図11は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の動作を示すタイムチャート、図12は本発明の第2の実施の形態における電源投入時の電源投入処理についてのフローチャートである。なお、図11において、(a)は比較のために示される従来の画像形成装置のタイムチャートであり、(b)は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置のタイムチャートである。
【0060】
まず、画像形成装置10の電源が投入されて電源オンとなると、CPU11は、不揮発性メモリ12の最初に記憶されているハード初期化プログラム12aを実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12の非圧縮プログラムである伸長、ヒータ及び光源制御プログラム12dを揮発性メモリ13上に展開する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリ13上に展開されたヒータ制御プログラムに従って、ヒータ制御処理を実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリ13上に展開された光源制御プログラムに従って、光源制御処理を実行する。次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理を起動するために、インターバルタイマのスタートを実行する。次に、CPU11は、不揮発性メモリ12から揮発性メモリl3上に展開された伸長プログラムに従って伸長処理を実行し、電源投入処理を終了する。
【0061】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 ハード初期化プログラム12aを実行する。
ステップS12 不揮発性メモリ12の非圧縮プログラムである伸長、ヒータ及び光源制御プログラム12dを揮発性メモリ13上に展開する。
ステップS13 ヒータ制御処理を実行する。
ステップS14 光源制御処理を実行する。
ステップS15 インターバルタイマ割り込み処理を起動する。
ステップS16 伸長処理を実行し、電源投入処理を終了する。
【0062】
次に、電源投入処理における光源制御処理のサブルーチンについて説明する。なお、ヒータ制御処理のサブルーチンについては、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0063】
図13は本発明の第2の実施の形態における光源制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0064】
光源制御処理において、CPU11は、まず、画像読取ユニット15の光源15cの動作の制御、すなわち、光源制御が可能であるか否かを判断する。そして、光源制御が可能である場合、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される光源制御について光源制御ありとする。続いて、CPU11は、画像読取ユニット15の光源15cをオンにし、光源オン時間を初期化して、処理を終了する。
【0065】
また、光源制御が可能であるか否かを判断して光源制御が可能でない場合、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される光源制御について光源制御なしとして、処理を終了する。
【0066】
次に、光源制御処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS14−1 光源制御が可能であるか否かを判断する。光源制御が可能である場合はステップS14−2に進み、光源制御が可能でない場合はステップS14−5に進む。
ステップS14−2 光源制御ありとする。
ステップS14−3 画像読取ユニット15の光源15cをオンにする。
ステップS14−4 光源オン時間を初期化して、処理を終了する。
ステップS14−5 光源制御なしとして、処理を終了する。
【0067】
次に、電源投入処理におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンについて説明する。なお、伸長処理のサブルーチンについては、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0068】
図14は本発明の第2の実施の形態におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0069】
インターバルタイマ割り込み処理において、CPU11は、まず、各種の処理において使用可能な共通の一定周期カウンタを更新する。次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で処理される定着制御について、定着制御ありか否かを判断する。そして、定着制御ありの場合、CPU11は、ヒータ制御割り込み処理を実行する。
【0070】
次に、CPU11は、インターバルタイマ割り込み処理内で処理される光源制御について、光源制御ありか否かを判断する。なお、定着制御ありか否かを判断して定着制御なしの場合、CPU11は、ヒータ制御割り込み処理を実行せずに、そのまま、光源制御ありか否かを判断する。
【0071】
そして、光源制御ありの場合、CPU11は、光源制御割り込み処理を実行する。最後に、CPU11は、インターバルタイマの割り込みを解除し、処理を終了する。なお、光源制御ありか否かを判断して光源制御なしの場合、CPU11は、光源制御割り込み処理を実行せずに、そのまま、インターバルタイマの割り込みを解除して処理を終了する。
【0072】
次に、インターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS15−1 一定周期カウンタを更新する。
ステップS15−2 定着制御ありか否かを判断する。定着制御ありの場合はステップS15−3に進み、定着制御なしの場合はステップS15−4に進む。
ステップS15−3 ヒータ制御割り込み処理を実行する。
ステップS15−4 光源制御ありか否かを判断する。光源制御ありの場合はステップS15−5に進み、光源制御なしの場合はステップS15−6に進む。
ステップS15−5 光源制御割り込み処理を実行する。
ステップS15−6 インターバルタイマの割り込みを解除して、処理を終了する。
【0073】
次に、インターバルタイマ割り込み処理における光源制御割り込み処理のサブルーチンについて説明する。なお、ヒータ制御割り込み処理については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0074】
図15は本発明の第2の実施の形態における光源制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0075】
光源制御割り込み処理において、CPU11は、まず、画像読取ユニット15の光源15cが正常であるか否かを判断する。そして、光源15cが正常である場合、CPU11は、光源オン時間を更新して処理を終了する。
【0076】
また、光源15cが異常である場合、CPU11は、画像読取ユニット15の光源15cをオフにし、続いて、光源異常とし、インターバルタイマ割り込み処理内で判断される光源制御について光源制御なしとして、処理を終了する。
【0077】
次に、光源制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS15−5−1 光源15cが正常であるか否かを判断する。光源15cが正常である場合はステップS15−5−2に進み、光源15cが正常でない場合はステップS15−5−3に進む。
ステップS15−5−2 光源オン時間を更新して、処理を終了する。
ステップS15−5−3 光源15cをオフにする。
ステップS15−5−4 光源異常とする。
ステップS15−5−5 光源制御なしとして、処理を終了する。
【0078】
なお、その他の点の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0079】
このように、本実施の形態においては、図11に示されるように、伸長処理を行う前にインターバルタイマをスタートさせることによって、インターバルタイマ割り込み処理と伸長処理とを時分割で並列して実行し、ヒータ制御及び光源制御を早く実行することができる。
【0080】
これにより、電源投入時のプログラムブロックの伸長前にヒータ制御プログラム及び光源制御プログラムを実行し、ヒータとしてのハロゲンランプ18c及び光源15cのウォームアップを行うことが可能となり、プログラムブロックの伸長時間の分だけ、電源が投入されてから印刷可能及び原稿読取可能となるまでの時間を短縮することができる。
【0081】
なお、前記第1及び第2の実施の形態においては、画像形成装置10がMFPである例について説明したが、スキャナ、複写機、ファクシミリ機、プリンタ等にも適用することができる。
【0082】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における不揮発性メモリ及び揮発性メモリのデータ構造を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態における電源投入時の電源投入処理についてのフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるヒータ制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるヒータ制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における伸長処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における不揮発性メモリ及び揮発性メモリのデータ構造を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の動作を示すタイムチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態における電源投入時の電源投入処理についてのフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態における光源制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるインターバルタイマ割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態における光源制御割り込み処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
10 画像形成装置
11 CPU
12 不揮発性メモリ
13 揮発性メモリ
18c ハロゲンランプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)媒体を加熱定着するヒータを有する画像形成装置であって、
(b)前記ヒータの温度制御プログラムを含む非圧縮プログラムと圧縮プログラムとを記憶する不揮発性メモリと、
(c)実行するプログラムを展開する揮発性メモリと、
(d)前記非圧縮プログラムを揮発性メモリ上に展開し、前記ヒータの温度制御プログラムを実行するとともに、前記圧縮プログラムを伸長して揮発性メモリ上に展開する制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
電源オン後に、前記制御部にプログラム展開の実行を促す信号を出力する初期化判断部を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
あらかじめ決められた条件を検知すると前記揮発性メモリへの通電を停止するパワーセーブ制御部と、
所定の入力を検知すると前記揮発性メモリへの通電を行い、前記制御部にプログラム展開の実行を促す信号を出力するパワーセーブ復帰制御部とを有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
G3ファクシミリのリング信号を前記所定の入力とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
G4ファクシミリのDチャネル信号を前記所定の入力とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
インターネットファクシミリのパケット信号を前記所定の入力とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項1】
(a)媒体を加熱定着するヒータを有する画像形成装置であって、
(b)前記ヒータの温度制御プログラムを含む非圧縮プログラムと圧縮プログラムとを記憶する不揮発性メモリと、
(c)実行するプログラムを展開する揮発性メモリと、
(d)前記非圧縮プログラムを揮発性メモリ上に展開し、前記ヒータの温度制御プログラムを実行するとともに、前記圧縮プログラムを伸長して揮発性メモリ上に展開する制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
電源オン後に、前記制御部にプログラム展開の実行を促す信号を出力する初期化判断部を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
あらかじめ決められた条件を検知すると前記揮発性メモリへの通電を停止するパワーセーブ制御部と、
所定の入力を検知すると前記揮発性メモリへの通電を行い、前記制御部にプログラム展開の実行を促す信号を出力するパワーセーブ復帰制御部とを有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
G3ファクシミリのリング信号を前記所定の入力とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
G4ファクシミリのDチャネル信号を前記所定の入力とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
インターネットファクシミリのパケット信号を前記所定の入力とする請求項3に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−159569(P2009−159569A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338814(P2007−338814)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】
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