説明

画像形成装置

【課題】機密文書の流出を防ぎつつ、従来よりもトナーの消費量を抑制することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】文書の印字時に、印字対象となる画像に基づいた重ね印字用画像を作成もしくは印字要求元から取得する重ね印字用画像作成・取得手段と、作成もしくは取得された前記重ね印字用画像を印字対象の用紙と対応付けて記録する重ね印字用画像記録手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MFP(Multi Function Printer)等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省資源化やコスト低減のため、片面のみに既に印字された用紙の裏面である非印字面を画像形成に利用(いわゆる「裏紙印字」あるいは「裏紙印刷」)するユーザが増えてきている。一般に片面のみの印字が多く、そのほとんどが恒久的に保存されることなく破棄されている現状から、このような裏紙印字を行なうことで用紙の消費量を相当量節約することができる。
【0003】
一方で個人情報等の機密情報の流出事件が頻発し、セキュリティの意識が高まっている。機密情報の流出は電子データの形で行なわれるほか、機密情報(機密文書)が印字された用紙自体が流出することに起因するものも少なくない。
【0004】
このような状況で、前述した裏紙印字を行なう場合の問題としては、新たに印字する面の情報ではなく、裏側に既に印字されている機密情報の流出である。用紙に印字する際、裏面に既に印字されている情報を確認するユーザは少なく、新たに印字する情報が特に機密性の高いものでない場合は、シュレッダー等にかけることなくそのまま破棄してしまうことが多いからである。その結果、意図することなく、機密文書が流出してしまう怖れがある。
【0005】
このような背景から、裏紙印字の時に、既に裏面に印字された文書が機密文書だった場合、機密エリアを塗り潰す技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
図1は従来の機密文書裏紙印字における機密文書面の印字例を示す図である。(a)は部分的に塗り潰しを行なう例であり、作像済用紙PPの文字列CRに所定の網状の模様NEが付されている場合に、その上に黒ベタパターン画像BLを重ねて印字することで機密情報を塗り潰すようにしている。また、(b)はページ全体の塗り潰しを行なう例であり、作像済用紙PPに「社外秘」の符号CDが付されている場合に、ページ全体に黒ベタパターン画像BLHを重ねて印字することで機密情報を塗り潰すようにしている。
【特許文献1】特開2001−228751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の技術では、裏紙印字時に用紙の裏面の機密エリアを塗り潰すことで機密情報の流出を防止することができるが、機密保護上で必要のない箇所までベタパターンで塗り潰してしまうことから、トナーを無駄に消費してしまうという問題があった。すなわち、機密文書であっても、文字間の空白部分や、一つの文字でも離れた印字がある文字(例えば、「い」や「ッ」といった文字)にはベタパターンで全面を覆ってしまう必要がなく、それらの部分までベタパターンで潰してしまうと多くのトナーを消費してしまうからである。
【0008】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、機密文書の流出を防ぎつつ、従来よりもトナーの消費量を抑制することのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、文書の印字時に、印字対象となる画像に基づいた重ね印字用画像を作成もしくは印字要求元から取得する重ね印字用画像作成・取得手段と、作成もしくは取得された前記重ね印字用画像を印字対象の用紙と対応付けて記録する重ね印字用画像記録手段とを備える画像形成装置と、裏紙印字時に、印字対象の用紙と対応付けて記録された重ね印字用画像を取得する重ね印字用画像取得手段と、取得された前記重ね印字用画像を前記用紙の既印字面に重ねて印字する印字手段とを備える画像形成装置とをそれぞれ要旨としている。また、本発明は画像形成制御方法もしくは画像形成制御プログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像形成装置にあっては、文書の印字時に、印字対象となる画像に基づいた重ね印字用画像を作成もしくは印字要求元から取得し、その重ね印字用画像を印字対象の用紙と対応付けて記録しておく。そして、裏紙印字時に、印字対象の用紙と対応付けて記録された重ね印字用画像を取得し、その重ね印字用画像を用紙の既印字面に重ねて印字する。これにより、重ね印字用画像は従来のようなベタパターンとは異なり、非印字部分を含みながらも機密文書の内容に即してその内容を十分に判読不能にできるため、機密文書の流出を防止しつつ、従来よりもトナーの消費量を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0012】
<機密文書への重ね印字の概要>
図2は本発明の実施形態による機密文書裏紙印字における機密文書面の印字例を示す図である。
【0013】
この実施形態では、図2(a)に示すように、機密文書を新たに印字する際に、機密文書を通常に印字するのとは別に、機密文書の文書画像に基づく重ね印字用文書画像の情報を含む記号画像としてのQRコード303を用紙の上下左右端部の中央4箇所に併せて印字するようにしている。QRコード303に含ませる重ね印字用文書画像の作成手法としては、紙面に印字する内容の解像度を低下することにより粗くした画像とする場合、紙面に印字する内容に膨張処理(印字対象の画素の周囲8個の画素の全てを印字対象とする処理)を所定回数行う場合、あるいは、解像度の低下と膨張処理を併せて行う場合とがある。作成された重ね印字用文書画像をQRコードのパターンに変換することでQRコード303の画像データを生成する。なお、重ね印字用文書画像のデータ量は一般に大きいため、所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮を行うことが望ましい。また、QRコード303には、用紙上の四箇所の上下左右の位置情報を示すデータも含ませておく。上下左右の位置情報を示すデータは、QRコード303に情報として含ませることに代え、マーク等を付加的に印字するようにしてもよい。この位置情報を示すデータは、後述するように、用紙の向きと重ねる重ね印字用文書画像の向きを整合させるために用いる。
【0014】
そして、次回その用紙を裏紙として使用する時に、機密情報が印字されている面のQRコード303を読み取り、当該QRコード303に含まれる情報を読み出して重ね印字用文書画像を取得し、図2(b)に示すように、機密情報が印字された面に重ね印字用文書画像を重ねて印字する。その後、装置内の両面ユニットにより用紙を反転し、非印字面に対する通常の印字を行う。用紙の非印字面に対する通常の印字を先に行い、用紙を反転して重ね印字用文書画像の印字を行ってもよい。更に、重ね印字用文書画像の既印字面に対する印字のみを行い、裏面への通常の印字は別途に行ってもよい。
【0015】
図3は重ね印字用文書画像の他の例を示す図であり、機密文書の文書画像を所定方向にずらすことで重ね印字用文書画像を作成するものである。この手法は単独で用いてもよいし、上述した解像度低下、膨張処理のいずれかもしくは両者と併せて用いてもよい。図3(a)は機密文書の文書画像の一部である「あ」という文字部分を示している。これを(b)に示すように右方向および下方向に1画素ずらした画像を重ね印字用文書画像とする。そして、(a)の文書画像に(b)の重ね印字用文書画像を重ねて印字することにより、(c)に示すように元の文字「あ」を判別不能とすることができる。
【0016】
解像度の粗さ、膨張処理の回数もしくは画像のずらしの実施および程度の設定は、セキュリティレベル等に合わせて調整することで、印字されている機密文書の画像に即した重ね印字用文書画像とし、元の画像を適度に潰して見えなくするようにする。こうすることで、トナーの無駄な消費を抑えつつ機密漏洩を防止することができる。なお、本発明は文字のみでなく、写真やグラフといった画像も、重ね印字用文書画像を重ね印字することで見えなくすることができる。
【0017】
図4は重ね印字における解像度によるトナー消費量とセキュリティの関係の例を示す図である。
【0018】
(a)は印字済の文字列の例を示しており、破線の枠はトナー消費量を評価するために便宜的に示したものである。
【0019】
(b)は従来技術のように文字列があるエリアを全てベタパターンで潰す場合であり、この場合の破線枠内のトナー消費量を100%とする。
【0020】
それに対し、(c)〜(g)が本発明を適用したものである。
【0021】
(c)は、最も大きい解像度で文字を潰した例である。この画像は従来技術と比較してトナー消費量が73%となっており、書かれている内容を識別することは困難である。
【0022】
(d)は、次に大きい解像度で文字を潰した例である。この画像は従来技術と比較してトナー消費量が59%となっており、書かれている内容を識別することは困難である。
【0023】
(e)は、次に大きい解像度で文字を潰した例である。この画像は従来技術と比較してトナー消費量が54%となっており、書かれている内容を識別することは困難であるが、雰囲気は伝わるレベルである。
【0024】
(f)は、次に大きい解像度で文字を潰した例である。この画像は従来技術と比較してトナー消費量が36%となっており、書かれている内容が識別可能である。
【0025】
(g)は、最も小さい解像度で文字を潰した例である。この画像は従来技術と比較してトナー消費量が32%となっており、書かれている内容が識別可能である。
【0026】
これらから分かるように、解像度が大きく(粗く)なるほどトナー消費量が大きくなるがセキュリティが強固となる。また、図4では解像度によるトナー消費量とセキュリティの関係の例を示したが、膨張処理を単独で所定回数行なう場合や、画像ずらしを単独で行なう場合や、これらを組み合わせて行う場合等、重ね印字用文書画像の作成の仕方によりトナー消費量とセキュリティの関係が変わってくる。そこで、これらの処理の仕方を機密文書に対して要求されるセキュリティレベルに応じて設定することで、機密文書漏洩を防ぎつつ、最適なトナー使用量を任意に決定することができる。すなわち、トナー消費量を一律に低下させることだけが重要ではなく、セキュリティやユーザの意思とのバランスをとることが重要である。
【0027】
なお、用紙に既に形成されていた画像としては、特に制限はなく、任意のものでよく、例えば、機密保持に利用するという観点からは、顧客情報、社員情報、契約関連情報、税務関連情報、研究開発関連情報など部外秘、社外秘などの機密情報あるいは機密情報を一部に含んだ画像が挙げられる。
【0028】
また、画像形成装置は、重ね印字用文書画像を形成できればよく、例えば、複写機、プリンタ、FAXなどの任意の画像を形成できる装置に所定の機能を追加したもののほか、重ね印字用文書画像を印字済用紙上に形成するための専用装置であってもよい。
【0029】
また、QRコード303を印字する箇所を、図2(a)に示すような用紙の上下左右端部の中央四箇所とした理由は、QRコード303を読み取るためのQRコードリーダの個数を減らすことでコストが削減できる点にある。すなわち、QRコード303を上下左右端部の中央四箇所とすることで、用紙の向き、サイズを問わず、QRコードリーダが中央一箇所にあればQRコード303を検出できるので、コスト削減が図れる。なお、QRコード303の位置は用紙の中央四箇所のみだけではなく、用途に応じて変化させればよく、QRコード303を用紙上に何箇所配置してもよい。従って、QRコードリーダの配置や個数に制限がなく、用紙の向きも他の手法で検出することができる場合は、QRコード303を一つとすることもでき、更にQRコード303に位置情報を含ませる必要もない。例えば、QRコード303を用紙の偏った位置に配置することにより、QRコード303が検出された用紙上の相対位置から用紙の方向を検出することができる。また、用紙の印字面を読み取り、文字認識を行うことにより用紙の方向を検出することもできる。
【0030】
また、用紙に印字する記号画像としては、QRコード303の他に、バーコード、印字済用紙の所定位置に貼り付けられた磁気テープに坦持させた磁気情報等としてもよい。磁気テープを用いる場合、読取手段としては磁気センサなどを用いることになる。更に、用紙に貼り付けられ、あるいは用紙の中に埋め込まれたRFIDタグに重ね印字用文書画像等を記録することもできる。RFIDタグとは、小型のICチップにデータ記録機能と無線通信機能が設けら、データの書き込みおよび読み取りが行なえるものである。
【0031】
図5は用紙への記録にRFIDタグを用いた例を示す図であり、(a)は用紙の上下左右端部の中央4箇所にRFIDタグ303'が貼り付けられた状態を示し、(b)は用紙の上下左右端部の中央4箇所にRFIDタグ303'が埋め込まれた状態を示している。なお、前述したQRコード303と同様にRFIDタグ303'の個数に限定はない。なお、RFIDタグ303'を用いた場合には、裏面印字時に、用紙の裏表に関係せずに読み取りが行なえてしまうため、用紙の裏表を別途検出する必要がある。例えば、用紙の表面の画像を粗く読み取ることで印字面であるか否かを検出することができる。
【0032】
また、重ね印字用文書画像をQRコード303あるいはRFIDタグ303'に記録する場合について説明したが、要は重ね印字用文書画像を印字対象の用紙と対応付けて記録しておけばよいものであるから、重ね印字用文書画像を他の場所に記録してもよい。図6は重ね印字用文書画像を画像形成装置内に保持する例を示す図であり、用紙上のQRコード303あるいはRFIDタグ303'に用紙を識別する用紙IDを記録し、この用紙IDと対応させて画像形成装置100内の記憶装置に重ね印字用文書画像を記録するようにしている。
【0033】
また、記号画像として紙面に載せる情報として、重ね印字用文書画像のデータを載せる他に、有効期限を載せることが考えられる。機密情報は、公表文書等、ある一定期間を過ぎれば機密でなくなるものも多く存在するので、そういったものは有効期限を設けておき、それが過ぎた場合は重ね印字用文書画像を重ねて印字することなく、通常の裏紙として印字を行い、トナーの無駄な消費を抑えることができる。
【0034】
また、QRコード303等の記号画像に重ね印字用文書画像を載せるのに代え、裏紙印字時に印字済用紙の画像を読み取って重ね印字用文書画像を生成してもよい。この場合、複写機やFAXにおいて搭載されているイメージリーダを利用することができる。すなわち、いったん印字済用紙の情報を読み取り、機密度の高い部分のみの重ね印字用文書画像を形成しておき、再度オペレータが印字済用紙を差し込むことで、該当部分に重ね印字用文書画像を重ねて印字することができる。
【0035】
<装置構成>
図7は本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【0036】
図7において、デジタル複写機の機能を備える画像形成装置100の制御系は、画像形成動作の指定を受け付けて画像形成動作を設定するコントローラ制御系120と、プリンタエンジン各部150の駆動制御を行うエンジン制御系130とに分けられている。コントローラ制御系120は、具体的には、画像形成、ユーザインタフェース、モード設定、コピーやプリンタといったアプリケーションの制御などを司る。
【0037】
コントローラ制御系120は、主に、画像形成処理を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)等からなる画像形成部121、各種の処理動作を行うCPU(Central Processing Unit)122、制御用プログラムを固定的に記憶したROM(Read Only Memory)123、各種情報を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)124、デジタル複写機の動作条件の設定情報を記憶する不揮発性記憶装置125、外部の通信機器9からLAN(Local Area Network)等のネットワーク8を介して情報を送受信する送受信インタフェース126、操作パネル110やシリアル通信などのインタフェースを提供するI/O(Input/Output)インタフェース127、エンジン制御系130との通信を行う外部インタフェース128などから構成されており、それらはローカル通信バスで結ばれている。
【0038】
このコントローラ制御系120は、操作パネル110や外部の通信機器9からの画像形成動作の指定を受け付け、画像形成動作を設定し、設定した画像形成動作をエンジン制御系130に伝達する。
【0039】
エンジン制御系130は、主に各種の処理動作を行うCPU131、制御用プログラムを固定的に記憶したROM132、各種情報を一時的に記憶するRAM133、コントローラ制御系120との通信を行う外部インタフェース134、プリンタエンジン各部150からの情報の読み取りなどを行うI/Oインタフェース135、電源投入後のプリンタエンジンの準備動作を開始するために必要な動作条件に関する最小限の設定情報を記憶する不揮発性記憶装置136などから構成されており、それらはローカル通信バスで結ばれている。
【0040】
コントローラ制御系120の画像形成部121によって作成された画像情報は、コントローラ制御系120の外部インタフェース128からエンジン制御系130の外部インタフェース134に送られ、エンジン制御系130から書き込み制御部140に送信されて画像が印字される。
【0041】
プリンタエンジン各部150は、各種モータ151、クラッチ152、ソレノイド153、定着熱源154、各種センサ155、両面ユニット156などを備えている。
【0042】
図8は画像形成装置の用紙搬送経路の構成例を示す図である。
【0043】
図8において、画像形成装置100は用紙への両面印字が可能となっており、特徴的な構成として、機密文書をまとめて入れておくことができる機密トレイ301と、機密トレイ301から供給される用紙のQRコード303を検知するQRコードリーダ302と、機密トレイ301に鍵をかける機密トレイ専用ロック304と、用紙を反転させる両面ユニット306とを備えている。なお、両面ユニット306による用紙の反転により一連の動作の過程で両面印字が可能でなくても、手動で用紙を差し替えることにより本発明を適用することができる。また、裏紙印字とは別に、機密情報の印字された用紙に重ね印字を行なうのみの機密情報消去だけの処理を行う場合にも両面印字の機能は必要ない。
【0044】
図8において、機密文書を新規に印字する際には、給紙トレイ300から給紙コロ201を介して本体中継ローラ202により用紙が搬送され、レジストローラ203を通過した後、転写ローラ204により、機密文書と、画像形成部121(図7)によって作成された重ね印字用文書画像を含むQRコード303とが印字され、定着ローラ205により定着が行われ、排紙ローラ207を介して排紙トレイ307に排紙される。
【0045】
続いて、上記のようにして印字された機密文書を裏紙として使用する際には、その機密文書が印字された用紙を機密トレイ301に入れて、機密トレイ専用ロック304により鍵をかける。これによりユーザは、機密文書をシュレッダーにかけることなく機密トレイ301に安心して用紙を保管することができる。シュレッダーは場所を取り高価であるといった問題の他、シュレッダーをかけた用紙はリサイクル過程での脱墨(トナーを紙から分離する処理)が困難となるので、それらの問題を解決することができる。
【0046】
その機密文書を裏紙として印字する際には、機密トレイ301内において用紙に印字されたQRコード303がQRコードリーダ302により検出され、QRコード303に含まれる重ね印字用文書画像がコントローラ制御系120により再生される。その重ね印字用文書画像が外部インタフェース128を介してエンジン制御系130に送られ、エンジン制御系130から書き込み制御部140に送られ、重ね印字用文書画像が転写ローラ204によって用紙に重ねて印字される。
【0047】
その後、用紙は定着排紙ローラ206によって両面ユニット306に搬送され、用紙を再給紙ローラ211にニップされた状態とする。この状態で再給紙ローラ211を反転させて用紙をスイッチバックさせ、用紙を横搬送ローラ(駆動)212、横搬送ローラ(中)213、横搬送ローラ(右)214を順次に介してレジストローラ203に送り、転写ローラ204の上流域に再度搬送し、転写ローラ204により前回とは他方の面に画像を印字した後、用紙を排紙ローラ207に搬送し、排紙トレイ307に搬送する。
【0048】
ここで、QRコードリーダ302を機密トレイ301内に配置した理由としては、印字する際にQRコード303を読み込む時間を短くするために、搬送が始まる前にコントローラ制御系120にデータを送信するためである。従って、読み込む時間を特に考慮する必要がない場合は、このQRコードリーダ302は他の場所に配置してもよい。例えば、QRコードリーダ302をレジストローラ203の直前に配置することにより、用紙上のQRコード303を読み込む時間が長くなってしまう代わりに、機密トレイ301以外のトレイに機密文書を入れてしまった場合にも、機密文書であることを認識し、適切に処理を行なうことができる。また、QRコードリーダ302をレジストローラ203直前の用紙を挟んで両側(図の上下方向)に配置すると、機密文書の表裏を間違えて機密トレイ301に入れてしまった際にも、機密文書であることを認識することができる。この場合、先に印字したい文書を転写ローラ204で印字した後に両面ユニット306で反転し、転写ローラ204によって重ね印字用文書画像を機密文書上に重ねて印字し、排紙ローラ207によって排紙トレイ307に搬送する。
【0049】
また、本実施形態では、先に機密文書である印字面に対して重ね印字用文書画像を重ねて印字する場合を例示しているが、前述のように先に印字したい文書を印字して両面ユニット306により反転し、機密文書に重ね印字用文書画像を重ねて印字して排紙するようにしてもよい。この場合、裏紙が機密文書でなかった場合には、両面ユニット306による反転およびその後の処理は行なわない。
【0050】
また、機密トレイ301につける機密トレイ専用ロック304は、物理的な鍵でもよいが、電子キー等を用いたパスワードタイプの鍵や指紋認証等による鍵であってもよい。
【0051】
また、排紙トレイ307に排紙される用紙の排出先を、裏面が機密文書のものとそうでないものとで分けることで、ユーザが目視で本当に機密情報が潰れているか否かを確認することができるようにしてもよい。
【0052】
<印字処理動作>
図9は機密文書印字時の処理例を示すフローチャートである。
【0053】
図9において、ステップS101で機密文書印字の処理を開始すると、ユーザ側の通信機器9では、印字する文書を特定して印字を指示することにより表示されるプリンタドライバのダイアログボックス上で、印字する文書につき「機密文書であるか?」「機密文書である場合にセキュリティレベルはいくらか?」等を指定する。これにより、ステップS102で画像形成装置100は通信機器9からネットワーク8を介してコントローラ制御系120の送受信インタフェース126で各種指定を含む画像情報を受信する。この時、機密文書あるいはセキュリティレベルの指定は、ユーザが指定することに代え、画像形成装置100側で自動に設定されるようにしてもよい。この場合、画像形成装置100のコントローラ制御系120で文書の種類(極秘報告書や顧客情報など)と機密文書およびセキュリティレベルとの対応付けをROM123等に記憶させておき、受信した画像情報に基づいて機密文書であるか否かおよび機密文書である場合はセキュリティレベルを判断して設定する。セキュリティレベルの設定例については後述する。
【0054】
また、印字する文書の機密エリアが全部あるいは一部といった指定を併せて行なうことができ、機密文書が個人の名前といった紙面の一部のみに印字されている場合には、その範囲をユーザがマウス等でドラッグするなどにより指定することができる。更に、その範囲内の印字がある箇所だけをコントローラ制御系120が再検出することで、その部分のみに重ね印字を適用するようにして、トナー使用量を抑えることができるようにしてもよい。
【0055】
続いて、ステップS103でコントローラ制御系120の画像形成部121は、受信した画像情報をユーザが印字したい文書になるようにレンダリングして文書画像を作成する。レンダリングとは、数値データとして与えられた印字内容に関する情報を計算によって画像化することである。
【0056】
続いて、ステップS104でコントローラ制御系120のCPU122は、画像情報から印字対象の文書が機密文書であるか否か判断する。これは、ユーザによる機密文書であるとの指定もしくは文書の種類に応じて判断する。そして、印字対象が機密文書でなかった場合は、ステップS112で文書画像を転写ローラ204により用紙に印字し、排紙ローラ207によって排紙トレイ307に搬送する。そして、ステップS113で印字処理を終了する。
【0057】
コントローラ制御系120のCPU122が、印字対象の文書が機密文書であると判断すると、ステップS105でCPU122はセキュリティレベルを検出する。これは、ユーザによるセキュリティレベルの指定もしくは文書の種類に応じてコントローラ制御系120側で自動設定した内容に基づいて判断する。続いて、検出されたセキュリティレベルに従い、CPU122はステップS106で画素を粗くするための解像度と膨張処理回数を決定する。
【0058】
図10は図9のステップS105、S106に相当するセキュリティレベルの検出および解像度/膨張処理回数の決定の処理例を示すフローチャートである。図10において、ステップS121で処理を開始すると、ステップS122でセキュリティレベルを「0」に初期化し、ステップS123で印字要求者の役職に応じた加算を行なう。例えば、「一般」の場合は加算はせず、「管理職」の場合は「1」を加算し、「役員」の場合は「2」を加算する。印字要求者の役職は、印字要求者のIDからユーザデータベース等を参照することにより取得する。
【0059】
続いて、ステップS124で文書種類に応じた加算を行なう。例えば、「一般文書」の場合は加算はせず、「仕様書」の場合は「1」を加算し、「極秘文書」の場合は「2」を加算し、「顧客情報文書」の場合は「2」を加算する。文書種類は、文書に付加された情報もしくは文書管理データベース等を参照することにより取得する。
【0060】
続いて、ステップS125でユーザ設定に応じた加算を行なう。例えば、「機密情報なし」の場合は加算はせず、「機密情報」の場合は「1」を加算し、「極秘情報」の場合は「2」を加算する。
【0061】
続いて、ステップS126でセキュリティレベルに応じた解像度低下/膨張処理の詳細を取得する。例えば、セキュリティレベル「0」の場合、解像度低下なし、膨張処理なし(600dpi、膨張処理:0回)とし、セキュリティレベル「1」の場合、解像度低下なし、膨張処理あり(600dpi、膨張処理:2回)とし、セキュリティレベル「2」の場合、解像度低下あり、膨張処理なし(200dpi、膨張処理:0回)とし、セキュリティレベル「3」の場合、解像度低下あり、膨張処理あり(200dpi、膨張処理:2回)とし、セキュリティレベル「4」の場合、解像度低下あり、膨張処理なし(100dpi、膨張処理:0回)とし、セキュリティレベル「5」の場合、解像度低下あり、膨張処理あり(100dpi、膨張処理:2回)とし、セキュリティレベル「6」の場合、解像度低下あり、膨張処理あり(50dpi、膨張処理:4回)とする。そして、ステップS127で処理を終了する。
【0062】
続いて、図9に戻り、決定された解像度および膨張処理回数に従い、ステップS107で画像形成部121は文書画像を決定された解像度に変換し、決定された膨張処理回数だけ膨張処理を行って、重ね印字用文書画像を作成する。ここで、重ね印字用文書画像はカラー画像で作成してもよいが、既に印字されている文字に重ねて印字することで消すという目的ではモノクロ画像の方が適切だと言える。
【0063】
続いて、その重ね印字用文書画像に対し、ステップS108で画像形成部121は圧縮を行い、圧縮したデータを作成する。
【0064】
続いて、ステップS109で画像形成部121は圧縮したデータに上下左右の位置情報を載せ、紙面端中央4隅にQRコード303を印字する画像になるようレンダリングして、記号画像を作成する。
【0065】
続いて、ステップS110で画像形成部121は印字対象の機密文書の文書画像と記号画像を合成して合成画像を作成する。
【0066】
そして、ステップS111で合成画像を転写ローラ204により用紙に印字し、排紙ローラ207によって排紙トレイ307に搬送する。そして、ステップS113で印字処理を終了する。
【0067】
なお、ステップS107およびステップS108では画像形成装置100側で解像度変換、膨張処理および圧縮処理を行っているが、印字を指示する通信機器9側でこれらの処理を行い、その処理結果のデータを画像形成装置100に送信し、画像形成装置100ではこれをコントローラ制御系120の送受信インタフェース126で受信し、ステップS109での画像形成部121による記号画像のレンダリングにつなげるようにしてもよい。また、印字を指示する通信機器9側で合成画像の作成までを全て行い、画像形成装置100側では受信した合成画像を単に印字するだけで済むようにしてもよい。
【0068】
図11は機密文書印字時の他の処理例を示すフローチャートであり、通信機器9側で合成画像の作成までを全て行うようにしたものである。
【0069】
図11において、ステップS131で処理を開始すると、ステップS132で通信機器9のドライバはユーザから印字対象の画像情報の設定を受け付ける。
【0070】
続いて、ステップS133でドライバは画像情報をユーザが印字したい文書になるようにレンダリングして文書画像を作成する。
【0071】
続いて、ステップS134でドライバは、画像情報から印字対象の文書が機密文書であるか否か判断する。これは、ユーザによる機密文書であるとの指定もしくは文書の種類に応じて判断する。そして、印字対象が機密文書でなかった場合は、ステップS143で文書画像を画像形成装置100に送信し、画像形成装置100ではステップS144で転写ローラ204により用紙に印字し、排紙ローラ207によって排紙トレイ307に搬送する。そして、ステップS145で印字処理を終了する。
【0072】
印字対象の文書が機密文書であると判断すると、ステップS135でドライバはセキュリティレベルを検出する。これは、ユーザによるセキュリティレベルの指定もしくは文書の種類に応じてドライバ側で自動設定した内容に基づいて判断する。続いて、検出されたセキュリティレベルに従い、ドライバはステップS136で画素を粗くするための解像度と膨張処理回数を決定する。
【0073】
続いて、決定された解像度および膨張処理回数に従い、ステップS137でドライバは文書画像を決定された解像度に変換し、決定された膨張処理回数だけ膨張処理を行って、重ね印字用文書画像を作成する。
【0074】
続いて、その重ね印字用文書画像に対し、ステップS138でドライバは圧縮を行い、圧縮したデータを作成する。
【0075】
続いて、ステップS139でドライバは圧縮したデータに上下左右の位置情報を載せ、紙面端中央4隅にQRコード303を印字する画像になるようレンダリングして、記号画像を作成する。
【0076】
続いて、ステップS140でドライバは印字対象の機密文書の文書画像と記号画像を合成して合成画像を作成する。
【0077】
そして、ステップS141で合成画像を画像形成装置100に送信し、画像形成装置100ではステップS142で合成画像を転写ローラ204により用紙に印字し、排紙ローラ207によって排紙トレイ307に搬送する。そして、ステップS145で印字処理を終了する。
【0078】
図12は裏紙印字時の処理例を示すフローチャートである。
【0079】
図12において、ステップS201で裏紙印字の処理を開始すると、ユーザ側の通信機器9で印字する文書を特定して印字を指示することにより、ステップS202で画像形成装置100は通信機器9からネットワーク8を介してコントローラ制御系120の送受信インタフェース126で画像情報を受信する。
【0080】
続いて、ステップS203でコントローラ制御系120の画像形成部121は受信した画像情報をユーザが印字したい文書になるようにレンダリングして文書画像を作成する。
【0081】
続いて、ステップS204でコントローラ制御系120のCPU122はQRコードリーダ302が用紙上のQRコード303を検出したか否か判断する。QRコード303を検出しなかった場合は、そのままステップS214で両面ユニット306により用紙を反転させ、ステップS215で文書画像を転写ローラ204により用紙に印字し、排紙ローラ207によって排紙トレイ307に搬送する。そして、ステップS216で印字処理を終了する。
【0082】
QRコード303を検出した場合、ステップS205で画像形成部121はQRコード303に埋め込まれている情報を展開し、重ね印字用文書画像を作成(再生)する。
【0083】
続いて、ステップS206で画像形成部121はQRコード情報を展開した情報からQRコード303の位置情報を認識する。
【0084】
続いて、ステップS207でCPU122はQRコード303の位置情報が右を示しているか否か判断し、そうであった場合は重ね印字用文書画像をステップS208で反時計回りに90度回転する。QRコードの位置情報が右でなかった場合は、ステップS209でQRコード303の位置情報が下を示しているか否か判断し、そうであった場合は重ね印字用文書画像をステップS210で反時計回りに180度回転する。QRコード303の位置情報が下でなかった場合は、ステップS211でQRコード303の位置情報が左を示しているか否か判断し、そうであった場合は重ね印字用文書画像をステップS212で反時計回りに270度回転する。QRコード303の位置情報が左でなかった場合、重ね印字用文書画像の回転は行なわない。
【0085】
そして、ステップS213で重ね印字用文書画像を転写ローラ204にて機密文書が印字されている用紙の印字面に重ねて印字する。続いて、ステップS214で両面ユニット306により用紙を反転させ、ステップS215で印字対象の文書画像を転写ローラ204により用紙に印字し、排紙ローラ207によって排紙トレイ307に搬送する。そして、ステップS216で印字処理を終了する。
【0086】
図13は用紙の向きの判定と重ねる画像の回転の様子を示す図であり、図12のステップS207〜S212の処理をより具体的に示したものである。
【0087】
上述した実施形態では、印字された機密文書を裏紙として使用する際、用紙が上下左右どの向きに搬送されてもQRコード303を検知して元画像が印字されている箇所に合わせて、重ね印字用文書画像を重ねることができるようにしている。そうすることで、ユーザが機密文書を裏紙としてセットする際に、用紙の向きを気にすることなく用紙をセットすることができる。図13はその手法を示したものである。
【0088】
先ず、機密文書を印字する際には、図13の下部に図示してある「機密トレイ301内の用紙の向き」の破線枠内に示すように、QRコード303は上下左右の中央四箇所に配置され、それぞれに上下左右を示すデータが載せられている。こうすることで、QRコードリーダ302を中央の一点に配置しておけば、用紙の向きやサイズを問わずにQRコード303を検出することができる。
【0089】
続いて、図の矢印の方向に用紙を搬送して転写ローラ204にて画像を重ねる際に、図面上部の「転写ローラ204により重ねる画像」の破線枠内の上部に示してある、「印字面に重ねる元画像」の向きでそのまま重ねて印字してしまうと、用紙が上下逆の場合や横向きにセットされた際には画像を重ねる位置が合わないといった問題が起きてしまう。そこで、前述のQRコード303に載せた上下左右を示すデータをQRコードリーダ302で読み込み、その上下左右を示すデータを画像形成部121により検出することで、以下の条件で処理(回転補正)を行なう。
・上方向を示すデータだった際には、「印字面に重ねる元画像」はそのままの向きとする。
・下方向を示すデータだった際には、「印字面に重ねる元画像」を反時計回りに180度回転する。
・右方向を示すデータだった際には、「印字面に重ねる元画像」を反時計回りに90度回転する。
・左方向を示すデータだった際には、「印字面に重ねる元画像」を反時計回りに270度回転する。
【0090】
上記の処理の後、そのままもしくは回転した「印字面に重ねる画像」を用紙に重ねて印字することで、機密文書が印字された箇所の位置に重ね印字用文書画像を適正に重ねて印字することできる。
【0091】
<総括>
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】従来の機密文書裏紙印字における機密文書面の印字例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態による機密文書裏紙印字における機密文書面の印字例を示す図である。
【図3】重ね印字用文書画像の他の例を示す図である。
【図4】重ね印字における解像度によるトナー消費量とセキュリティの関係の例を示す図である。
【図5】用紙への記録にRFIDタグを用いた例を示す図である。
【図6】重ね印字用文書画像を画像形成装置内に保持する例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図8】画像形成装置の用紙搬送経路の構成例を示す図である。
【図9】機密文書印字時の処理例を示すフローチャートである。
【図10】セキュリティレベルの検出および解像度/膨張処理回数の決定の処理例を示すフローチャートである。
【図11】機密文書印字時の他の処理例を示すフローチャートである。
【図12】裏紙印字時の処理例を示すフローチャートである。
【図13】用紙の向きの判定と重ねる画像の回転の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
100 画像形成装置
110 操作パネル
120 コントローラ制御系
121 画像形成部
122 CPU
123 ROM
124 RAM
125 不揮発性記憶装置
126 送受信インタフェース
127 I/Oインタフェース
128 外部インタフェース
130 エンジン制御系
131 CPU
132 ROM
133 RAM
134 外部インタフェース
135 I/Oインタフェース
136 不揮発性記憶装置
140 書き込み制御部
150 プリンタエンジン各部
151 各種モータ
152 クラッチ
153 ソレノイド
154 定着熱源
155 各種センサ
156 両面ユニット
201 給紙コロ
202 本体中継ローラ
203 レジストローラ
204 転写ローラ
205 定着ローラ
206 定着排紙ローラ
207 排紙ローラ
208 縦搬送ローラ(上)
209 縦搬送ローラ(中)
210 縦搬送ローラ(下)
211 再給紙ローラ
212 横搬送ローラ(駆動)
213 横搬送ローラ(中)
214 横搬送ローラ(右)
215 機密給紙コロ
216 機密縦搬送ローラ
217 手差し給紙ローラ
218 手差し中継ローラ
300 給紙トレイ
301 機密トレイ
302 QRコードリーダ
303 QRコード
303' RFIDタグ
304 機密トレイ専用ロック
305 手差しトレイ
306 両面ユニット
307 排紙トレイ
8 ネットワーク
9 通信機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書の印字時に、印字対象となる画像に基づいた重ね印字用画像を作成もしくは印字要求元から取得する重ね印字用画像作成・取得手段と、
作成もしくは取得された前記重ね印字用画像を印字対象の用紙と対応付けて記録する重ね印字用画像記録手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記重ね印字用画像は、印字対象となる前記画像の解像度を低下させることにより作成される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記重ね印字用画像は、印字対象となる前記画像に対して膨張処理を行うことにより作成される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記重ね印字用画像は、印字対象となる前記画像を所定方向にずらすことにより作成される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記重ね印字用画像は、印字対象となる前記画像に対して要求されるセキュリティレベルに基づいて、印字対象となる前記画像との差異を変える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
裏紙印字時に、印字対象の用紙と対応付けて記録された重ね印字用画像を取得する重ね印字用画像取得手段と、
取得された前記重ね印字用画像を前記用紙の既印字面に重ねて印字する印字手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記用紙と対応付けて記録された前記重ね印字用画像は、前記用紙に直接記録される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記用紙と対応付けて記録された前記重ね印字用画像は、前記用紙に直接記録された用紙識別子と対応付けて、当該画像形成装置内に記録される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7または8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記用紙への直接記録は、当該用紙への記号画像の印字により行われる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項7または8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記用紙への直接記録は、当該用紙に設けられるRFIDタグへの情報の記録により行われる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記重ね印字用画像は、前記用紙の既印字面からの読取画像に基づいて作成する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
文書の印字時に、印字対象となる画像に基づいた重ね印字用画像を作成もしくは印字要求元から取得する重ね印字用画像作成・取得工程と、
作成もしくは取得された前記重ね印字用画像を印字対象の用紙と対応付けて記録する重ね印字用画像記録工程と
を備えたことを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項13】
裏紙印字時に、印字対象の用紙と対応付けて記録された重ね印字用画像を取得する重ね印字用画像取得工程と、
取得された前記重ね印字用画像を前記用紙の既印字面に重ねて印字する印字工程と
を備えたことを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項14】
画像形成装置の画像形成制御プログラムであって、
前記画像形成装置の制御を行なうコンピュータを、
文書の印字時に、印字対象となる画像に基づいた重ね印字用画像を作成もしくは印字要求元から取得する重ね印字用画像作成・取得手段、
作成もしくは取得された前記重ね印字用画像を印字対象の用紙と対応付けて記録する重ね印字用画像記録手段、
として機能させるための画像形成制御プログラム。
【請求項15】
画像形成装置の画像形成制御プログラムであって、
前記画像形成装置の制御を行なうコンピュータを、
裏紙印字時に、印字対象の用紙と対応付けて記録された重ね印字用画像を取得する重ね印字用画像取得手段、
取得された前記重ね印字用画像を前記用紙の既印字面に重ねて印字する印字手段、
として機能させるための画像形成制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−89362(P2009−89362A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196425(P2008−196425)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】