画像形成装置
【課題】無端状のベルト部材をクリーニングするブレード部材に捲れ等が発生した場合でも、クリーニング手段を容易に取り外すことが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー像を担持した状態で周回移動する無端状のベルト部材と、前記無端状のベルト部材を周回移動自在に張架する張架ロールと、前記無端状ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向けて、前記張架ロールにより張架された前記無端状ベルト部材の表面に当接するブレード部材を有し、画像形成装置本体に対して当該画像形成装置本体の手前側に向けて着脱自在に装着されるクリーニング手段と、前記クリーニング手段の着脱方向の手前側端部に、ネジ結合を介して着脱自在に装着され、進行方向への回動時に前記画像形成装置本体側の部材に当接し、その反力として前記クリーニング手段を離脱方向に押動して離脱動作を補助する離脱補助部材とを備えるように構成した。
【解決手段】トナー像を担持した状態で周回移動する無端状のベルト部材と、前記無端状のベルト部材を周回移動自在に張架する張架ロールと、前記無端状ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向けて、前記張架ロールにより張架された前記無端状ベルト部材の表面に当接するブレード部材を有し、画像形成装置本体に対して当該画像形成装置本体の手前側に向けて着脱自在に装着されるクリーニング手段と、前記クリーニング手段の着脱方向の手前側端部に、ネジ結合を介して着脱自在に装着され、進行方向への回動時に前記画像形成装置本体側の部材に当接し、その反力として前記クリーニング手段を離脱方向に押動して離脱動作を補助する離脱補助部材とを備えるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置に関連する技術としては、例えば、特開2008−96570号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0003】
上記特開2008−96570号公報に係る画像形成装置は、回転することによってトナー像を移動させる無端のベルト部材と、移動可能に支持されて、前記ベルト部材を回転自在に支持するとともに所定の張力で張架する張架ロールと、前記ベルト部材を介して前記張架ロールに圧接されることにより、前記ベルト部材をクリーニングするクリーニング部と、このクリーニング部を着脱自在に支持する支持部と、前記クリーニング部を着脱する場合に、前記支持部に対して前記クリーニング部を案内する案内部とを有し、前記支持部及び前記案内部は、前記張架ロールの移動に応じて移動するように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−96570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、無端状のベルト部材をクリーニングするブレード部材に捲れ等が発生した場合でも、クリーニング手段を容易に取り外すことが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載された発明は、トナー像を担持した状態で周回移動する無端状のベルト部材と、
前記無端状のベルト部材を周回移動自在に張架する張架ロールと、
前記無端状ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向けて、前記張架ロールにより張架された前記無端状ベルト部材の表面に当接するブレード部材を有し、画像形成装置本体に対して当該画像形成装置本体の手前側に向けて着脱自在に装着されるクリーニング手段と、
前記クリーニング手段の着脱方向の手前側端部に、ネジ結合を介して着脱自在に装着され、進行方向への回動時に前記画像形成装置本体側の部材に当接し、その反力として前記クリーニング手段を離脱方向に押動して離脱動作を補助する離脱補助部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、無端状のベルト部材をクリーニングするブレード部材に捲れ等が発生した場合でも、クリーニング手段を容易に取り外すことが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す斜視構成図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置を示す構成図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成装置のクリーニン装置を示す断面構成図である。
【図4】本実施形態に係る画像形成装置のクリーニン装置を示す概略構成図である。
【図5】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す斜視構成図である。
【図6】ブレード捲れが発生した状態を示す断面構成図である。
【図7】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す概略斜視図である。
【図8】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す概略正面図である。
【図9】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す概略平面図である。
【図10】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す斜視構成図である。
【図11】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す平面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置を示すものである。このカラー画像形成装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)2から送られてくる画像データをプリントするプリンターとしての機能以外に、画像読取装置3によって読み取られた図示しない原稿の画像を複写したり画像情報を送受信する複写機並びにファクシミリとしても機能するように構成されている。
【0011】
カラー画像形成装置1の内部には、図2に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3から送られてくる画像データに対して、必要に応じて、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理を施す画像処理部4が配設されているとともに、当該画像処理部4で画像処理が施された画像データに基づいてカラー画像の形成動作を制御する制御部5が配設されている。
【0012】
そして、上記の如く画像処理部4で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理部4によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、カラー画像形成装置1の内部に設けられた画像出力部6によってフルカラー画像やモノクロ画像として出力される。
【0013】
上記画像処理部4によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの画像露光装置8に送られ、これらの画像露光装置8では、対応する色の画像データに応じてLED発光素子アレイから出射される光によって画像露光が行われる。
【0014】
上記カラー画像形成装置1の内部には、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像形成部)7Y、7M、7C、7Kが、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット7Yが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット7Kが相対的に低くなるように、水平方向に対して予め定められた角度だけ傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。
【0015】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kを、予め定められた角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kを水平に配置した場合に比較して、画像形成ユニット7Y、7M、7C、7K間の距離を短く設定することができ、カラー画像形成装置1の幅を小さくして小型化が可能となる。
【0016】
これらの4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kは、基本的に、形成する画像の色以外は同様に構成されており、図2に示すように、大別して、図示しない駆動手段により矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム10と、この感光体ドラム10の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール11と、当該感光体ドラム10の表面に予め定められた色に対応した画像を露光して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる画像露光装置8と、感光体ドラム10上に形成された静電潜像を予め定められた色のトナーで現像する現像装置12と、感光体ドラム10の表面を清掃するクリーニング装置13とから構成されている。
【0017】
上記感光体ドラム10としては、例えば、直径30mmのドラム状に形成され、表面に有機光導電体を被覆したものが用いられ、図示しない駆動モーターにより矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される。
【0018】
また、上記帯電ロール11としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂やゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール11の芯金には、予め定められた帯電バイアスが印加される。
【0019】
上記画像露光装置8は、図2に示すように、4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7K毎にそれぞれ個別に配置されており、各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kに設けられた画像露光装置8としては、LED発光素子を予め定められたピッチ(例えば、600dpi〜2400dpi)で感光体ドラム10の軸方向に沿って直線状に配置したLED発光素子アレイと、当該LED発光素子アレイの各LED発光素子から出射された光を感光体ドラム10上にスポット状に結像するセルフォックレンズ(商品名)アレイとを備えたものが用いられる。また、上記画像露光装置8は、図2に示すように、下方から感光体ドラム10上に画像を走査露光するように構成されている。
【0020】
なお、上記画像露光装置8としては、LED発光素子アレイからなるものに限らず、レーザービームを各感光体ドラム10の軸方向に沿って偏向走査するものなどを用いても勿論良い。この場合には、4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kに対して1つの画像露光装置8が配設される。
【0021】
上記画像処理部4からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kに個別に設けられた画像露光装置8Y、8M、8C、8Kに、対応する色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置8Y、8M、8C、8Kから画像データに応じて出射された光束は、対応する感光体ドラム10の表面に走査露光され、画像データに応じた静電潜像が形成される。上記感光体ドラム10上に形成された静電潜像は、現像装置12Y、12M、12C、12Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0022】
上記各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの感光体ドラム10上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの上方にわたって傾斜した状態で配置された無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト14上に、4つの一次転写ロール15Y、15M、15C、15Kによって順次多重に一次転写される。
【0023】
この中間転写ベルト14は、複数のロールによって張架された無端ベルト状部材であって、当該ベルト状部材の下辺走行領域が、その走行方向に沿った下流側が相対的に低く、且つ上流側が相対的に高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。
【0024】
即ち、上記中間転写ベルト14は、図2に示すように、駆動ロール16と、背面支持ロール17と、張力付与ロール18と、従動ロール19との間に一定の張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた駆動モーターによって回転駆動される駆動ロール16により、矢印B方向に沿って予め定められた速度で循環移動する。上記中間転写ベルト14としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより無端ベルト状に形成したものや、あるいは最初から無端ベルト状に形成したものが用いられる。上記中間転写ベルト14は、その下辺走行領域において、各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの感光体ドラム10Y、10M、10C、10Kに接触するように配置されている。
【0025】
また、上記中間転写ベルト14には、図2に示すように、当該中間転写ベルト14の上部走行領域の低位側端部に配置され、中間転写ベルト14上に一次転写されたトナー像を記録媒体21上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール20が、背面支持ロール17によって張架された中間転写ベルト14の表面に当接するように配置されている。
【0026】
上記中間転写ベルト14上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、背面支持ロール17に圧接する二次転写ロール20によって、記録媒体としての記録用紙21上に静電気力で二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙21は、鉛直方向の上方に位置する本実施の形態に係る定着装置30へと搬送される。上記二次転写ロール20は、背面支持ロール17の側方に圧接しており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙21上に、各色のトナー像を一括して二次転写するようになっている。
【0027】
上記二次転写ロール20としては、例えば、ステンレス等の金属からなる芯金の外周に、導電剤を添加したゴム材料等の導電性弾性体からなる弾性体層を予め定められた厚さに被覆したものが用いられる。
【0028】
そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙21は、本実施の形態に係る定着装置30によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール22によって装置1の上端部に設けられた排出トレイ23上に画像面を下にした状態で排出される。
【0029】
上記記録用紙21は、図2に示すように、装置1内の底部に配置された給紙トレイ24から予め定められたサイズ及び材質のものが、給紙ロール25及び用紙分離搬送用のロール26により一枚ずつ分離された状態で給紙され、レジストロール27まで一旦搬送されて停止される。そして、上記給紙トレイ24から供給された記録用紙21は、予め定められたタイミングで回転するレジストロール27によって中間転写ベルト14の二次転写位置へ送出される。上記記録用紙21としては、普通紙以外にも、表面又は表裏両面にコーティング処理が施されたコート紙等の厚紙なども供給可能となっており、コート紙からなる記録用紙21には、写真画像なども出力される。
【0030】
トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニング装置28によって残留トナー等が除去されて、次の画像形成工程に備える。尚、図2中、29は、カラー画像形成装置1の各部に電力を供給する電力供給部を示している。
【0031】
図3はこの発明の実施の形態1に係るカラー画像形成装置のクリーニング装置を示す構成図である。
【0032】
このクリーニング装置28は、図3に示すように、カラー画像形成装置本体100に対して着脱自在に構成された装置ハウジング50を備えており、当該装置ハウジング50は、その下端部に設けられた案内部51を介して、カラー画像形成装置本体100側の案内用凹部52に、装置本体100の手前側から奥側(張架ロールの軸方向)に向けて摺動することにより着脱自在となっている。
【0033】
上記クリーニング装置28の装置ハウジング50は、中間転写ベルト14を張架する駆動ロール16側に開口部53が設けられており、装置ハウジング50の開口部53には、中間転写ベルト14の移動方向と逆方向から当接するクリーニングブレード54が設けられているとともに、当該クリーニングブレード54と反対側には、開口部53をシールするシール部材55が設けられている。また、上記装置ハウジング50の内部には、クリーニングブレード54によって掻き取られた残留トナーを搬送する搬送用オーガー56が回転可能に配設されている。
【0034】
また、上記クリーニング装置28は、図1、図4及び図5に示すように、装置ハウジング50のフロント側の側壁57内面に設けられた駆動ロール16の回転軸16aを軸支する軸受け部材58を挿入する挿入孔59と、位置決め用孔60の内部に設けられた位置決めピン61とによって位置決めした状態で、装置ハウジング50のフロント側の側壁57外面に設けられた取付ネジ62によって、カラー画像形成装置本体100のフロント側に締結固定される。なお、図1中、符号63は取付ネジ62のハンドルを示している。
【0035】
ところで、この実施の形態では、図1に示すように、装置ハウジング50のフロント側の側壁57には、その内側に固定プレート65がネジ66止めにより固定されており、当該固定プレート65には、取り外し用補助具67を締結するための雌ネジからなるネジ穴68が設けられている。この取り外し用補助具67は、金属によって円柱形状に形成された締結部69と、当該締結部69と略90度の角度を成して交差するように設けられた回動操作部70とから略T字形状に形成されている。
【0036】
なお、上記取り外し用補助具67は、通常は、クリーニング装置の装置ハウジング50から取り外された状態で、カラー画像形成装置1のカバー等に収容されている。
【0037】
以上の構成において、この実施の形態に係るカラー画像形成装置では、次のようにして、無端状のベルト部材をクリーニングするブレード部材に捲れ等が発生した場合でも、クリーニング手段を容易に取り外すことが可能となっている。
【0038】
すなわち、このカラー画像形成装置では、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kにおいて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像が順次形成され、これらの各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kによって形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14上に多重に転写された後、中間転写ベルト14から二次転写位置において記録用紙21上に二次転写され、当該記録用紙21が定着装置30によって定着処理を受けてカラー画像等が形成される。
【0039】
その際、上記中間転写ベルト14上に残留したトナーや、非画像形成時に中間転写ベルト14上に形成される画像制御用のトナー像は、クリーニング装置28によって除去される。
【0040】
ところで、温度や湿度等の環境条件、特に低温低湿環境下や中間転写ベルト14上に転写されるトナー量の過多等によっては、クリーニング装置28のクリーニングブレードと中間転写ベルト14の間の摩擦力が過大となり、クリーニングブレードの先端部が中間転写ベルト14の移動方向に沿って湾曲し、極端な場合には、図6に示すように、クリーニングブレード54の先端部が中間転写ベルト14の移動方向に折れ曲がる所謂ブレード捲れが発生する場合がある。
【0041】
このように、クリーニング装置28のクリーニングブレード54にブレード捲れが発生すると、クリーニングブレード54によって中間転写ベルト14表面のクリーニングが不可能となることは勿論のこと、クリーニングブレード54が中間転写ベルト14に当接するニップ荷重が過大となり、中間転写ベルト14を駆動する駆動モーターが停止する。
【0042】
この場合、クリーニング装置18をカラー画像形成装置本体100から取り外して、新しいクリーニング装置28と交換する必要があるが、クリーニング装置28のクリーニングブレード54にブレード捲れが発生すると、クリーニングブレード54が中間転写ベルト14に当接するニップ荷重が過大となり、クリーニング装置28をカラー画像形成装置本体100から容易に取り外すことができなくなる。
【0043】
そこで、この実施の形態では、クリーニング装置28をカラー画像形成装置本体100から容易に取り外すことができなくなった場合には、サービスエンジニアを呼ぶようになっている。すると、サービスエンジニアは、例えば、カラー画像形成装置のカバー等に収容された取り外し用補助具67を取り出して、図7乃至図9に示すように、当該取り外し用補助具67の先端部をクリーニング装置28のフロント側の側壁57に差し込み、当該取り外し用補助具67の締結部69を、図10及び図11に示すように、フロント側の側壁57に設けられたネジ穴68に締結する。
【0044】
そして、サービスエンジニアは、図4に示すように、取り外し用補助具67の回動操作部70を手で持って締め付け方向に回動していくことにより、取り外し用補助具67の締結部69がクリーニング装置28の側壁に設けられたネジ穴68に締結されて、カラー画像形成装置本体100の奥側に向かって進行していく。
【0045】
すると、上記取り外し用補助具67の締結部69の先端は、図4に示すように、中間転写ベルト14を回転自在に張架する駆動ロール16の軸受け部58に当接し、当該取り外し用補助具67の締結部69は、それ以上の進行が駆動ロール16の軸受け部58によって規制され、その反力として、クリーニング装置28の側壁57には、ネジ穴68が設けられた固定プレート65を介して、当該クリーニング装置28の側壁57をカラー画像形成装置本体100の手前側に押動する力F2が作用する。
【0046】
そのため、サービスエンジニアは、図11に示すように、取り外し用補助具67の締結部69の先端が、中間転写ベルト14を回転自在に張架する駆動ロール16の軸受け部58に当接した状態で、取り外し用補助具67の回動操作部70を手で持って更に締め付けていくと、クリーニング装置28の側壁57に作用する押動力F2によって、クリーニング装置28は、カラー画像形成装置本体100の手前側に徐々に移動して、最後にはカラー画像形成装置本体100から取り外される。
【0047】
このように、上記実施の形態では、クリーニング装置28のクリーニングブレード54にブレード捲れが発生し、クリーニングブレード54が中間転写ベルト14に当接するニップ荷重が過大となり、クリーニング装置28をカラー画像形成装置本体100から容易に取り外すことができなくなった場合であっても、取り外し用補助具67の締結部69を、クリーニング装置28の側壁57に設けられた固定プレート65のネジ穴68に締結していくだけで、クリーニング装置28をカラー画像形成装置本体100から容易に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0048】
100:カラー画像形成装置本体、14:中間転写ベルト、28:クリーニング装置、57:クリーニング装置の側壁、65:固定プレート、68:固定プレートのネジ穴、67:取り外し用補助具、69:取り外し用補助具の締結部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置に関連する技術としては、例えば、特開2008−96570号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0003】
上記特開2008−96570号公報に係る画像形成装置は、回転することによってトナー像を移動させる無端のベルト部材と、移動可能に支持されて、前記ベルト部材を回転自在に支持するとともに所定の張力で張架する張架ロールと、前記ベルト部材を介して前記張架ロールに圧接されることにより、前記ベルト部材をクリーニングするクリーニング部と、このクリーニング部を着脱自在に支持する支持部と、前記クリーニング部を着脱する場合に、前記支持部に対して前記クリーニング部を案内する案内部とを有し、前記支持部及び前記案内部は、前記張架ロールの移動に応じて移動するように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−96570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、無端状のベルト部材をクリーニングするブレード部材に捲れ等が発生した場合でも、クリーニング手段を容易に取り外すことが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載された発明は、トナー像を担持した状態で周回移動する無端状のベルト部材と、
前記無端状のベルト部材を周回移動自在に張架する張架ロールと、
前記無端状ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向けて、前記張架ロールにより張架された前記無端状ベルト部材の表面に当接するブレード部材を有し、画像形成装置本体に対して当該画像形成装置本体の手前側に向けて着脱自在に装着されるクリーニング手段と、
前記クリーニング手段の着脱方向の手前側端部に、ネジ結合を介して着脱自在に装着され、進行方向への回動時に前記画像形成装置本体側の部材に当接し、その反力として前記クリーニング手段を離脱方向に押動して離脱動作を補助する離脱補助部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、無端状のベルト部材をクリーニングするブレード部材に捲れ等が発生した場合でも、クリーニング手段を容易に取り外すことが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す斜視構成図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置を示す構成図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成装置のクリーニン装置を示す断面構成図である。
【図4】本実施形態に係る画像形成装置のクリーニン装置を示す概略構成図である。
【図5】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す斜視構成図である。
【図6】ブレード捲れが発生した状態を示す断面構成図である。
【図7】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す概略斜視図である。
【図8】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す概略正面図である。
【図9】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す概略平面図である。
【図10】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す斜視構成図である。
【図11】本実施形態に係る画像形成装置の要部を示す平面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置を示すものである。このカラー画像形成装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)2から送られてくる画像データをプリントするプリンターとしての機能以外に、画像読取装置3によって読み取られた図示しない原稿の画像を複写したり画像情報を送受信する複写機並びにファクシミリとしても機能するように構成されている。
【0011】
カラー画像形成装置1の内部には、図2に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3から送られてくる画像データに対して、必要に応じて、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理を施す画像処理部4が配設されているとともに、当該画像処理部4で画像処理が施された画像データに基づいてカラー画像の形成動作を制御する制御部5が配設されている。
【0012】
そして、上記の如く画像処理部4で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理部4によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、カラー画像形成装置1の内部に設けられた画像出力部6によってフルカラー画像やモノクロ画像として出力される。
【0013】
上記画像処理部4によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの画像露光装置8に送られ、これらの画像露光装置8では、対応する色の画像データに応じてLED発光素子アレイから出射される光によって画像露光が行われる。
【0014】
上記カラー画像形成装置1の内部には、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像形成部)7Y、7M、7C、7Kが、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット7Yが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット7Kが相対的に低くなるように、水平方向に対して予め定められた角度だけ傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。
【0015】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kを、予め定められた角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kを水平に配置した場合に比較して、画像形成ユニット7Y、7M、7C、7K間の距離を短く設定することができ、カラー画像形成装置1の幅を小さくして小型化が可能となる。
【0016】
これらの4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kは、基本的に、形成する画像の色以外は同様に構成されており、図2に示すように、大別して、図示しない駆動手段により矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム10と、この感光体ドラム10の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール11と、当該感光体ドラム10の表面に予め定められた色に対応した画像を露光して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる画像露光装置8と、感光体ドラム10上に形成された静電潜像を予め定められた色のトナーで現像する現像装置12と、感光体ドラム10の表面を清掃するクリーニング装置13とから構成されている。
【0017】
上記感光体ドラム10としては、例えば、直径30mmのドラム状に形成され、表面に有機光導電体を被覆したものが用いられ、図示しない駆動モーターにより矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される。
【0018】
また、上記帯電ロール11としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂やゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール11の芯金には、予め定められた帯電バイアスが印加される。
【0019】
上記画像露光装置8は、図2に示すように、4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7K毎にそれぞれ個別に配置されており、各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kに設けられた画像露光装置8としては、LED発光素子を予め定められたピッチ(例えば、600dpi〜2400dpi)で感光体ドラム10の軸方向に沿って直線状に配置したLED発光素子アレイと、当該LED発光素子アレイの各LED発光素子から出射された光を感光体ドラム10上にスポット状に結像するセルフォックレンズ(商品名)アレイとを備えたものが用いられる。また、上記画像露光装置8は、図2に示すように、下方から感光体ドラム10上に画像を走査露光するように構成されている。
【0020】
なお、上記画像露光装置8としては、LED発光素子アレイからなるものに限らず、レーザービームを各感光体ドラム10の軸方向に沿って偏向走査するものなどを用いても勿論良い。この場合には、4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kに対して1つの画像露光装置8が配設される。
【0021】
上記画像処理部4からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kに個別に設けられた画像露光装置8Y、8M、8C、8Kに、対応する色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置8Y、8M、8C、8Kから画像データに応じて出射された光束は、対応する感光体ドラム10の表面に走査露光され、画像データに応じた静電潜像が形成される。上記感光体ドラム10上に形成された静電潜像は、現像装置12Y、12M、12C、12Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0022】
上記各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの感光体ドラム10上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの上方にわたって傾斜した状態で配置された無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト14上に、4つの一次転写ロール15Y、15M、15C、15Kによって順次多重に一次転写される。
【0023】
この中間転写ベルト14は、複数のロールによって張架された無端ベルト状部材であって、当該ベルト状部材の下辺走行領域が、その走行方向に沿った下流側が相対的に低く、且つ上流側が相対的に高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。
【0024】
即ち、上記中間転写ベルト14は、図2に示すように、駆動ロール16と、背面支持ロール17と、張力付与ロール18と、従動ロール19との間に一定の張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた駆動モーターによって回転駆動される駆動ロール16により、矢印B方向に沿って予め定められた速度で循環移動する。上記中間転写ベルト14としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより無端ベルト状に形成したものや、あるいは最初から無端ベルト状に形成したものが用いられる。上記中間転写ベルト14は、その下辺走行領域において、各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの感光体ドラム10Y、10M、10C、10Kに接触するように配置されている。
【0025】
また、上記中間転写ベルト14には、図2に示すように、当該中間転写ベルト14の上部走行領域の低位側端部に配置され、中間転写ベルト14上に一次転写されたトナー像を記録媒体21上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール20が、背面支持ロール17によって張架された中間転写ベルト14の表面に当接するように配置されている。
【0026】
上記中間転写ベルト14上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、背面支持ロール17に圧接する二次転写ロール20によって、記録媒体としての記録用紙21上に静電気力で二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙21は、鉛直方向の上方に位置する本実施の形態に係る定着装置30へと搬送される。上記二次転写ロール20は、背面支持ロール17の側方に圧接しており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙21上に、各色のトナー像を一括して二次転写するようになっている。
【0027】
上記二次転写ロール20としては、例えば、ステンレス等の金属からなる芯金の外周に、導電剤を添加したゴム材料等の導電性弾性体からなる弾性体層を予め定められた厚さに被覆したものが用いられる。
【0028】
そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙21は、本実施の形態に係る定着装置30によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール22によって装置1の上端部に設けられた排出トレイ23上に画像面を下にした状態で排出される。
【0029】
上記記録用紙21は、図2に示すように、装置1内の底部に配置された給紙トレイ24から予め定められたサイズ及び材質のものが、給紙ロール25及び用紙分離搬送用のロール26により一枚ずつ分離された状態で給紙され、レジストロール27まで一旦搬送されて停止される。そして、上記給紙トレイ24から供給された記録用紙21は、予め定められたタイミングで回転するレジストロール27によって中間転写ベルト14の二次転写位置へ送出される。上記記録用紙21としては、普通紙以外にも、表面又は表裏両面にコーティング処理が施されたコート紙等の厚紙なども供給可能となっており、コート紙からなる記録用紙21には、写真画像なども出力される。
【0030】
トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニング装置28によって残留トナー等が除去されて、次の画像形成工程に備える。尚、図2中、29は、カラー画像形成装置1の各部に電力を供給する電力供給部を示している。
【0031】
図3はこの発明の実施の形態1に係るカラー画像形成装置のクリーニング装置を示す構成図である。
【0032】
このクリーニング装置28は、図3に示すように、カラー画像形成装置本体100に対して着脱自在に構成された装置ハウジング50を備えており、当該装置ハウジング50は、その下端部に設けられた案内部51を介して、カラー画像形成装置本体100側の案内用凹部52に、装置本体100の手前側から奥側(張架ロールの軸方向)に向けて摺動することにより着脱自在となっている。
【0033】
上記クリーニング装置28の装置ハウジング50は、中間転写ベルト14を張架する駆動ロール16側に開口部53が設けられており、装置ハウジング50の開口部53には、中間転写ベルト14の移動方向と逆方向から当接するクリーニングブレード54が設けられているとともに、当該クリーニングブレード54と反対側には、開口部53をシールするシール部材55が設けられている。また、上記装置ハウジング50の内部には、クリーニングブレード54によって掻き取られた残留トナーを搬送する搬送用オーガー56が回転可能に配設されている。
【0034】
また、上記クリーニング装置28は、図1、図4及び図5に示すように、装置ハウジング50のフロント側の側壁57内面に設けられた駆動ロール16の回転軸16aを軸支する軸受け部材58を挿入する挿入孔59と、位置決め用孔60の内部に設けられた位置決めピン61とによって位置決めした状態で、装置ハウジング50のフロント側の側壁57外面に設けられた取付ネジ62によって、カラー画像形成装置本体100のフロント側に締結固定される。なお、図1中、符号63は取付ネジ62のハンドルを示している。
【0035】
ところで、この実施の形態では、図1に示すように、装置ハウジング50のフロント側の側壁57には、その内側に固定プレート65がネジ66止めにより固定されており、当該固定プレート65には、取り外し用補助具67を締結するための雌ネジからなるネジ穴68が設けられている。この取り外し用補助具67は、金属によって円柱形状に形成された締結部69と、当該締結部69と略90度の角度を成して交差するように設けられた回動操作部70とから略T字形状に形成されている。
【0036】
なお、上記取り外し用補助具67は、通常は、クリーニング装置の装置ハウジング50から取り外された状態で、カラー画像形成装置1のカバー等に収容されている。
【0037】
以上の構成において、この実施の形態に係るカラー画像形成装置では、次のようにして、無端状のベルト部材をクリーニングするブレード部材に捲れ等が発生した場合でも、クリーニング手段を容易に取り外すことが可能となっている。
【0038】
すなわち、このカラー画像形成装置では、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kにおいて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像が順次形成され、これらの各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kによって形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14上に多重に転写された後、中間転写ベルト14から二次転写位置において記録用紙21上に二次転写され、当該記録用紙21が定着装置30によって定着処理を受けてカラー画像等が形成される。
【0039】
その際、上記中間転写ベルト14上に残留したトナーや、非画像形成時に中間転写ベルト14上に形成される画像制御用のトナー像は、クリーニング装置28によって除去される。
【0040】
ところで、温度や湿度等の環境条件、特に低温低湿環境下や中間転写ベルト14上に転写されるトナー量の過多等によっては、クリーニング装置28のクリーニングブレードと中間転写ベルト14の間の摩擦力が過大となり、クリーニングブレードの先端部が中間転写ベルト14の移動方向に沿って湾曲し、極端な場合には、図6に示すように、クリーニングブレード54の先端部が中間転写ベルト14の移動方向に折れ曲がる所謂ブレード捲れが発生する場合がある。
【0041】
このように、クリーニング装置28のクリーニングブレード54にブレード捲れが発生すると、クリーニングブレード54によって中間転写ベルト14表面のクリーニングが不可能となることは勿論のこと、クリーニングブレード54が中間転写ベルト14に当接するニップ荷重が過大となり、中間転写ベルト14を駆動する駆動モーターが停止する。
【0042】
この場合、クリーニング装置18をカラー画像形成装置本体100から取り外して、新しいクリーニング装置28と交換する必要があるが、クリーニング装置28のクリーニングブレード54にブレード捲れが発生すると、クリーニングブレード54が中間転写ベルト14に当接するニップ荷重が過大となり、クリーニング装置28をカラー画像形成装置本体100から容易に取り外すことができなくなる。
【0043】
そこで、この実施の形態では、クリーニング装置28をカラー画像形成装置本体100から容易に取り外すことができなくなった場合には、サービスエンジニアを呼ぶようになっている。すると、サービスエンジニアは、例えば、カラー画像形成装置のカバー等に収容された取り外し用補助具67を取り出して、図7乃至図9に示すように、当該取り外し用補助具67の先端部をクリーニング装置28のフロント側の側壁57に差し込み、当該取り外し用補助具67の締結部69を、図10及び図11に示すように、フロント側の側壁57に設けられたネジ穴68に締結する。
【0044】
そして、サービスエンジニアは、図4に示すように、取り外し用補助具67の回動操作部70を手で持って締め付け方向に回動していくことにより、取り外し用補助具67の締結部69がクリーニング装置28の側壁に設けられたネジ穴68に締結されて、カラー画像形成装置本体100の奥側に向かって進行していく。
【0045】
すると、上記取り外し用補助具67の締結部69の先端は、図4に示すように、中間転写ベルト14を回転自在に張架する駆動ロール16の軸受け部58に当接し、当該取り外し用補助具67の締結部69は、それ以上の進行が駆動ロール16の軸受け部58によって規制され、その反力として、クリーニング装置28の側壁57には、ネジ穴68が設けられた固定プレート65を介して、当該クリーニング装置28の側壁57をカラー画像形成装置本体100の手前側に押動する力F2が作用する。
【0046】
そのため、サービスエンジニアは、図11に示すように、取り外し用補助具67の締結部69の先端が、中間転写ベルト14を回転自在に張架する駆動ロール16の軸受け部58に当接した状態で、取り外し用補助具67の回動操作部70を手で持って更に締め付けていくと、クリーニング装置28の側壁57に作用する押動力F2によって、クリーニング装置28は、カラー画像形成装置本体100の手前側に徐々に移動して、最後にはカラー画像形成装置本体100から取り外される。
【0047】
このように、上記実施の形態では、クリーニング装置28のクリーニングブレード54にブレード捲れが発生し、クリーニングブレード54が中間転写ベルト14に当接するニップ荷重が過大となり、クリーニング装置28をカラー画像形成装置本体100から容易に取り外すことができなくなった場合であっても、取り外し用補助具67の締結部69を、クリーニング装置28の側壁57に設けられた固定プレート65のネジ穴68に締結していくだけで、クリーニング装置28をカラー画像形成装置本体100から容易に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0048】
100:カラー画像形成装置本体、14:中間転写ベルト、28:クリーニング装置、57:クリーニング装置の側壁、65:固定プレート、68:固定プレートのネジ穴、67:取り外し用補助具、69:取り外し用補助具の締結部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持した状態で周回移動する無端状のベルト部材と、
前記無端状のベルト部材を周回移動自在に張架する張架ロールと、
前記無端状ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向けて、前記張架ロールにより張架された前記無端状ベルト部材の表面に当接するブレード部材を有し、画像形成装置本体に対して当該画像形成装置本体の手前側に向けて着脱自在に装着されるクリーニング手段と、
前記クリーニング手段の着脱方向の手前側端部に、ネジ結合を介して着脱自在に装着され、進行方向への回動時に前記画像形成装置本体側の部材に当接し、その反力として前記クリーニング手段を離脱方向に押動して離脱動作を補助する離脱補助部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
トナー像を担持した状態で周回移動する無端状のベルト部材と、
前記無端状のベルト部材を周回移動自在に張架する張架ロールと、
前記無端状ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向けて、前記張架ロールにより張架された前記無端状ベルト部材の表面に当接するブレード部材を有し、画像形成装置本体に対して当該画像形成装置本体の手前側に向けて着脱自在に装着されるクリーニング手段と、
前記クリーニング手段の着脱方向の手前側端部に、ネジ結合を介して着脱自在に装着され、進行方向への回動時に前記画像形成装置本体側の部材に当接し、その反力として前記クリーニング手段を離脱方向に押動して離脱動作を補助する離脱補助部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−230926(P2010−230926A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77545(P2009−77545)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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