画像形成装置
【課題】単色モード時のベルト部材の波打ちによる転写不良を抑制することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写ベルト16と最上流転写ニップを形成する感光体を、モノクロモード実行時に用いるK色の感光体2Kとすることで、K色の感光体2Kを、転写ベルト16と最下流転写ニップを形成する感光体としたものに比べて、モノクロモード実行時の張架ローラからK色の感光体2Kまでの距離を短くすることができる。よって、この領域間でベルトの波打ちが発生するのを抑制することができ、波打ちによる転写ニップの変動を抑制することができ、モノクロモード時の転写不良を抑制することができる。
【解決手段】転写ベルト16と最上流転写ニップを形成する感光体を、モノクロモード実行時に用いるK色の感光体2Kとすることで、K色の感光体2Kを、転写ベルト16と最下流転写ニップを形成する感光体としたものに比べて、モノクロモード実行時の張架ローラからK色の感光体2Kまでの距離を短くすることができる。よって、この領域間でベルトの波打ちが発生するのを抑制することができ、波打ちによる転写ニップの変動を抑制することができ、モノクロモード時の転写不良を抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置として、次のような画像形成装置が知られている。すなわち、複数の張架ローラに張架されたベルト部材たる転写ベルトの張架ローラ間に複数の像担持体たる感光体を平行に配置する。これら感光体上にそれぞれトナー像を形成し、各感光体上のトナー像を、転写ベルトに重ね合わせて1次転写し、この転写ベルト上に重ね合わせて転写されたトナー像を、記録媒体上に2次転写する画像形成装置である。この種の画像形成装置は、各感光体と、各感光体に個別に対応するように配設された1次転写体(以下、1次転写ローラという)とを転写ベルトを介して圧接対向させ、これにより、各感光体と転写ベルトとを接触させて1次転写ニップ部を形成している。この種の画像形成装置は、一次転写ローラの最上部が転写ベルトを介して感光体の最下部に当接するように、一次転写ローラを配置している。そして、発泡スポンジローラなどの柔らかい部材で一次転写ローラを構成し、一次転写ローラを変形させることで、一次転写ニップ幅を所定の幅に形成している。
この画像形成装置においては、所定のニップ幅を形成するために、金属ローラよりも高価な発泡スポンジローラなどの柔らかい部材で一次転写ローラを構成する必要があった。
【0003】
そこで、感光体の軸中心に対して一次転写ローラの軸中心を転写ベルト移動方向下流側にずらして、1次転写ローラよりも転写ベルト移動方向上流側の転写ベルトが感光体に巻きつくように配置した画像形成装置が知られている。転写ベルトを感光体に巻き付かせることで、所定のニップ幅を得るようにしているので、発泡スポンジローラよりも安価な金属ローラで一次転写ローラを構成することができ、装置を従来よりも安価にすることもできる。
【0004】
また、原稿画像が単色画像たるモノクロ画像である場合は、単色モードたるモノクロモードで画像形成を行い、カラー画像である場合はカラーモードで画像形成を行う画像形成装置が特許文献1に記載されている。モノクロモードは、モノクロ画像形成に不必要な感光体と転写ベルトとを離間させて画像形成を行い、カラーモードは、全ての感光体を転写ベルトに当接させて画像形成を行う。これにより、Y、M、C色の感光体の劣化を抑えることができる。また、モノクロモード時のファーストプリントの時間が短くなるように、K色の感光体は、他の感光体よりもベルト移動方向最下流に配置している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、転写ベルトを複数のローラに張架して駆動するときに転写ベルトに波打ちが生じてしまう場合がある。これは、例えば、転写ベルトの製造誤差などにより、転写ベルトの両端部に周長差があると、ベルトの回転駆動が進むにつれ、ベルト周長の長い側の端部が徐々に余り、その部分がベルトの弾性によって波打つのである。また、張架ローラの平行度が低くても、上述同様、ベルトの回転駆動が進むにつれ、ベルトの一端側が徐々に余り、その部分がベルトの弾性によって波打つ。このようなベルトの波打ちが転写ニップよりもベルト移動方向上流側で発生すると、このベルトの波打ちが転写ニップに及んでしまう。ベルトの波打ちが転写ニップに及ぶと、転写ニップ幅が変動し、転写不良が生じるという問題が生じる。特に、感光体よりも転写ベルト移動方向下流側の一次転写ローラで転写ベルトを感光体に巻き付かせて上述の転写ニップを形成した画像形成装置は、一次転写ローラを転写ベルトを介して感光体に当接させて、この当接した領域を転写ニップとしたものに比べて、ベルト波打ちの影響を受けやすい。
カラーモード時においては、転写ベルトをY、M、C色の感光体にテンションを有して巻き付けているため、各転写ニップよりも上流側の領域でこのようなベルトの弾性による波打ちが発生するのが抑制される。しかし、モノクロモード時は、K色の感光体よりもベルト移動方向上流側のY、M、C色の一次転写ローラを感光体との距離が拡大する方向に移動させて、転写ベルトのY、M、C色の感光体への巻き付きを解除している。このため、K色の転写ニップよりもベルト移動方向上流側の張架ローラからK色の感光体に至るまでの領域で転写ベルトのテンションが弱まり、この領域でベルトが波打ってしまう。その結果、この波打ちがK色の転写ニップに及んで、転写ニップ幅が変動し、単色モード実行時に転写不良が生じるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、単色モード時のベルト部材の波打ちによる転写不良を抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、L>(A/2)+(B/2)+Cとなり、かつ、該一次転写体が対応する像担持体よりもベルト移動方向下流側となるように該一次転写体を配置し、該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、該単色モード実行時に用いられる像担持体を、該ベルト部材と該最上流転写ニップを形成する像担持体としたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、L>(A/2)+(B/2)+Cとなるように該1次転写体を配置し、該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、該単色モード実行時に用いられる像担持体を、該ベルト部材と該最下流ニップを形成する像担持体とし、該単色モード実行時に用いられる像担持体と、該単色モード実行時に用いられる像担持体と隣合う像担持体との間に、該ベルト部材の裏面からベルト部材にテンションを付与して、ベルトの波打ちを抑制する波打ち抑制部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記波打ち抑制部材を、上記単色モード実行時に用いられる像担持体と隣合う像担持体に対応する1次転写体として用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記波打ち抑制部材を、上記単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体として用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、上記単色モード実行時に用いられる像担持体の転写ニップが3[mm]以下、かつ、該単色モード実行時に用いられる像担持体から該像担持体に対応する一次転写体までの上記ベルト部材の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、該該単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する一次転写体を配置したことを特徴するものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、上記単色モード実行時に用いられる像担持体の軸中心から該像担持体に対応する1次転写体の軸中心までの距離Lが、他の像担持体の軸中心から該像担持体に対応する1次転写体の軸中心までの距離Lよりも短くなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、上記像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、上記単色モード実行時に用いられる像担持体の軸中心から、該像担持体に対応する一次転写体の軸中心までの上下方向の距離が、他の像担持体の軸中心から、該像担持体に対応する一次転写体の軸中心までの上下方向の距離よりも短くなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、上記一次転写体または上記像担持体の少なくとも一方に、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、所定の距離となるように該像担持体または該一次転写体に突き当たる第1突き当て部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、上記像担持体を保持するフレームまたは上記一次転写体を支持する支持部材の少なくとも一方に、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、該一次転写体が対応する像担持体に対する一次転写体の上下方向の位置が所定の位置となるように、該フレームまたは該支持部材に突き当たる第2突き当て部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該単色モード実行時に用いられる像担持体以外の像担持体に対応する1次転写体を、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離L1が、L1>(A/2)+(B/2)+Cとなり、かつ、該一次転写体が対応する像担持体よりもベルト移動方向下流側となるように配置し、該単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体を、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離L2が、L2<(A/2)+(B/2)+Cとなるように配置したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体として、弾性層有する部材を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかの画像形成装置において、上記単色モード実行時に用いられる像担持体と上記ベルト部材とで形成する転写ニップの位置が、他の像担持体と該ベルト部材とで形成する転写ニップの位置よりもベルト部材側になるように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、単色モード実行時に用いる像担持体を、ベルト部材と最上流転写ニップを形成する像担持体としたので、単色モード実行時に用いる像担持体を、ベルト部材と最下流転写ニップを形成する像担持体としたものに比べて、単色モード実行時の張架ローラから単色モード用の像担持体までの距離を短くすることができる。よって、単色モード時の単色モード実行時に用いられる像担持体とベルト部材が形成する転写ニップからベルト移動方向上流側に延びるベルト部材にテンションが付与されない領域を、単色モード実行時に用いる像担持体を、ベルト部材と最下流転写ニップを形成する像担持体としたものに比べて、短くすることができる。その結果、この領域間でベルトの波打ちが発生するのを単色モード実行時に用いる像担持体を、ベルト部材と最下流転写ニップを形成する像担持体としたものに比べて、抑制することができる。従って、単色モード実行時において、単色モード用の像担持体と一次転写体とで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、単色モード時の転写不良を抑制することができる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、単色モード時の単色モード実行時に用いられる像担持体とベルト部材が形成する転写ニップからベルト移動方向上流側に延びるベルト部材にテンションが付与されない領域を、波打ち抑制部材までにすることができる。よって、像担持体とベルト部材が形成する転写ニップからベルト移動方向上流側に延びるベルト部材にテンションが付与されない領域を短くすることができ、この領域間でベルトの波打ちが発生するのを抑制することができる。その結果、単色モード実行時において、単色モード用の像担持体と一次転写体とで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、単色モード時の転写不良を抑制することができる。
【0010】
また、請求項10の発明によれば、像担持体軸中心から一次転写体の軸中心までの距離L2が、L2<(A/2)+(B/2)+Cとなるように単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する一次転写体を配置することで、一次転写体がベルト部材を介して像担持体と当接した部分を転写ニップとすることができる。これにより、単色モード用の像担持体と単色モード用の一次転写ローラで形成する転写ニップは、一次転写体によってベルト部材裏面からベルト部材を像担持体へ押し付けることで形成される。よって、張架ローラから単色モード用の像担持体に至るまでの間にベルトの波打ちの影響が転写ニップに及ぶことが抑制される。従って、単色モード実行時において、単色モード用の像担持体と一次転写体とで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、単色モード時の転写不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1の画像形成装置を示す概略構成図。
【図2】同画像形成装置のK用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】同画像形成装置の転写ユニットを示す概略構成図。
【図4】感光体と一次転写ローラとの配置関係を示す図。
【図5】カラー部材が感光体に突き当たって一次転写ローラが位置決めされている様子を示す図。
【図6】図5のA方向から見た図。
【図7】突き当て部材が一次転写ローラの軸受部に突き当たっている様子を示す図。
【図8】同画像形成装置の接離手段を示す図。
【図9】モノクロモード実行時の転写ユニットを示す図。
【図10】離間手段の他の構成例を示す図。
【図11】K色の転写ニップをカラー用転写ニップよりも転写ベルト側に配置したときの感光体の軸中心とカラー用感光体の軸中心の位置を示す図。
【図12】(a)は、K色の感光体の軸中心とカラー用の感光体の軸中心とが同一線上にある場合の、転写ベルトがY色の感光体から離間するときのY色の一次転写ローラの移動量を示す図。(b)は、K色の感光体の軸中心がカラー用の感光体の軸中心よりも転写ベルト側にある場合の、転写ベルトがY色の感光体から離間するときのY色の一次転写ローラの移動量を示す図。
【図13】(a)は、実施形態2の画像形成装置におけるカラーモード実行時の様子を示す図であり、(b)は、モノクロモード実行時の様子を示す図。
【図14】(a)は、実施形態3の画像形成装置におけるカラーモード実行時の様子を示す図であり、(b)は、モノクロモード実行時の様子を示す図。
【図15】(a)は、実施形態3の第1変形例におけるカラーモード実行時の様子を示す図であり、(b)は、モノクロモード実行時の様子を示す図。
【図16】(a)は、実施形態3の第2変形例におけるカラーモード実行時の様子を示す図であり、(b)は、モノクロモード実行時の様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態1]
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン(以下、K、Y、M、Cと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1K,Y,M,Cを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のK,Y,M,Cトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット1Kを例にすると、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置5K等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスユニット1Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0013】
上記帯電装置4Kは、図示しない駆動手段によって周速150[mm/sec]で図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を−500[V]に一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置5KによってKトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(1Y,M,C)においても、同様にして感光体(2Y,M,C)上に(Y,M,C)トナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。なお、感光体2Kにおける筒状のドラム部は、中空のアルミ素管のおもて面に有機感光層が被覆されたものである。このドラム部の軸線方向の両端部にそれぞれドラム軸を有するフランジが取り付けられて、感光体2Kを構成している。
【0014】
現像手段たる現像装置5Kは、図示しないKトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。ホッパ部6K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向で図示しない駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
【0015】
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2Kやトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部で現像ローラ11Kの表面に供給される。供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域において、感光体2K表面のK用の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
【0016】
図2を用いてK用のプロセスユニットについて説明したが、Y,M,C用のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
【0017】
先に示した図1において、プロセスユニット1K,Y,M,Cの鉛直方向上方には、光書込ユニット70が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット70は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザ光Lにより、プロセスユニット1K,Y,M,Cにおける感光体2K,Y,M,Cを光走査する。この光走査により、感光体2K,Y,M,C上にK,Y,M,C用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット70は、光源から発したレーザ光(L)を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
【0018】
プロセスユニット1K,Y,M,Cの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、駆動ローラ17、従動ローラ18、4つの1次転写ローラ19Y,M,C,K、2次転写ローラ20、ベルトクリーニング装置21、クリーニングバックアップローラ22などを備えている。
【0019】
中間転写ベルト16は、そのループ内側に配設された駆動ローラ17、従動ローラ18、クリーニングバックアップローラ22及び4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ17の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
【0020】
4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト16を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0021】
1次転写ローラ19Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、1次転写ローラ19Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。
【0022】
K用のプロセスユニット1Kの感光体2K表面に形成されたKトナーは、感光体2Kの回転に伴ってK用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2K上から中間転写ベルト16上に1次転写される。このようにしてKトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト16は、その無端移動に伴ってY,C,M用の1次転写ニップを通過する際に、感光体2Y,M,C上のY,M,Cトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト16上には4色トナー像が形成される。
【0023】
転写ユニット15の2次転写ローラ20は、中間転写ベルト16のループ外側に配設されて、ループ内側の駆動ローラ18との間に中間転写ベルト16を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、2次転写ローラ20とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ20には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ20と、アース接続されている従動ローラとの間には、2次転写電界が形成される。なお、転写ユニット15の詳細については、後述する。
【0024】
転写ユニット15の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット30は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路31に向けて送り出す。
【0025】
給紙路31の末端付近には、レジストローラ対32が配設されている。このレジストローラ対32は、給紙カセット30から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト16上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
【0026】
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト16上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
【0027】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト16には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト16のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置21によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト16のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ22は、ベルトクリーニング装置21によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
【0028】
定着装置34は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。定着装置34内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0029】
定着装置34内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路35を経由した後、排紙路36と反転前搬送路41との分岐点にさしかかる。定着後搬送路35の側方には、回動軸42aを中心にして回動駆動される切替爪42が配設されており、その回動によって定着後搬送路35の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置34から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、切替爪42が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路35の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路35から排紙路36内に進入して、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれる。
【0030】
図示しないテンキー等からなる操作部に対する入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対37に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー50の上面であるスタック部にスタックされる。
【0031】
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対37に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路35を通り抜けると、切替爪42が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路35の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対37が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路41内に進入する。
【0032】
図1は、本プリンタを正面側から示している。図紙面に直交する方向の手前側がプリンタの前面であり、奥側が後面である。また、本プリンタの図中右側が右側面、左側が左側面である。本プリンタの右端部は、回動軸40aを中心に回動することで筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット40になっている。排紙ローラ対37が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット40の反転前搬送路41内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対43のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路44内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路31内を経て、2次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、転写後搬送路33、定着装置34、定着後搬送路35、排紙路36、排紙ローラ対37を順次経由して、機外へと排出される。
【0033】
次に、転写ユニット15について詳細に説明する。
図3は、転写ユニット15の概略構成を示す拡大図である。図3に示すように、転写ベルト16は、主に駆動ローラ18とテンション17とに張架されており、転写ベルト16の駆動ローラ18との巻き付き角および、テンションローラ17との巻き付き角がほぼ180°となるようにしている。このような構成をとることで、転写ユニット15を上下方向に短くすることができ、装置を小型化することができる。この転写ベルト16の上方には、感光体2K,Y、M、Cが、ベルト移動方向の上流側から順に並ぶように配設されている。K色の感光体1Kのベルト移動方向下流側には、K色の一次転写ローラ19Kが配置されている。同様に、感光体2Yの下流には、一次転写ローラ19Y、感光体2Mの下流には、一次転写ローラ19M、感光体1Cの下流には、一次転写ローラ19Cが配置されている。
【0034】
駆動ローラ18には、転写ベルト16を介して2次転写ローラ20が当接しており、2次転写ニップ部が形成されている。なお、本実施形態の各感光体の直径φは、24[mm]、駆動ローラ19の直径φは、20[mm]、各一次転写ローラの直径φは、8[mm]、感光体ピッチは、70[mm]としている。
駆動ローラ18としては、芯金と肉厚が0.3〜1[mm]程度のポリウレタンゴムの表面層とからなっているものを用いた。また、肉厚が0.05〜0.1[mm]の薄層コーテイングしたものの方が、温度による径変化が小さく、好ましい。
【0035】
テンションローラ17は、バネ等の付勢手段によって転写ベルトを内周面から外側に向けて付勢しており、転写ベルト16に25[N]〜35[N]の張力を与えている。
【0036】
駆動ローラ18の転写ベルト移動方向下流側で、K色の感光体1Kの上流側には、ベルトクリーニング手段たるベルトクリーニング装置21が設けられている。このベルトクリーニング装置21は、転写ベルト16の裏面に当接する対抗部材たる対向ローラ22と、この対向ローラ22に転写ベルト16を介して当接するクリーニングブレード21bと、クリーニングブレード21bによって掻き取られたトナーを収容する収容部21cとで構成されている。
【0037】
転写ベルト16としては、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、TPE(サーモプラスチックエラストマー)等にカーボンブラック等の導電性材料を分散させ樹脂フィルム状のエンドレスベルトとしたものを用いることができる。実施形態1の転写ベルト16は、PC(ポリカーボネート)にカーボンブラックを添加した単層構造の構成とし、その厚みを140[μm]に調整したものを用いた。
【0038】
また、転写ベルト16は、体積抵抗率が108〜1012[Ωcm]、かつ表面抵抗率が109〜1012[Ω/□]の範囲であることが望ましい。転写ベルト16の体積抵抗率および表面抵抗率が上述した範囲を超えると、転写ベルト16が帯電するため、作像順の下流へ行くほど、設定電圧値を高く設定するなどの処置が必要となるため1次転写ローラ19へ供給電源を共通化する事が困難となる。これは、体積抵抗率および表面抵抗率が上述した範囲を超えると、1次転写工程、2次転写工程などで発生する放電によって転写ベルト16表面の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるためである。このため、転写ベルト16の除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるため転写ニップ入り口で放電が起こり、トナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本発明における転写ベルト16の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内でなければならない。
【0039】
転写ベルト16の抵抗測定方法は、デジタル超高抵抗微少電流計(アドバンテスト社製:R8340A)にプローブ(内側電極直径50[mm],リング電極内径60[mm]:JIS−K6911準拠)を接続し、転写ベルト16の表裏に1000[V](表面抵抗率は500[V])の電圧を印加してdischarge5[sec]、charge10[sec]で測定を行ない、その測定時の環境は22[℃]55[%RH]に固定して行なった。
【0040】
各一次転写ローラ19K,Y,M,Cは、各感光体2K,Y,M,Cから転写ベルト16の移動方向下流側にずらして配置し、転写ベルト16を各感光体側に押圧して、一次転写ローラ19よりもベルト移動方向上流側の転写ベルト16を各感光体2K,Y,M,Cの周面に巻き付かせて一次転写ニップを形成している。4つの1次転写ローラ19K,Y,M,Cは、それぞれ図示しない電源から中間転写バイアスが印加される。各一次転写ニップには、上記中間転写バイアスの影響により、感光体2と1次転写ローラ19との間に中間転写電界が形成される。そして、感光体2上に形成されたトナー像は、この中間転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト16上に一次転写される。
【0041】
また、実施形態1の場合は、一次転写ローラ19K,Y,M,Cは、安価な金属ローラを使用している。しかし、金属ローラのような剛体の一次転写ローラ19を、感光体2と転写ベルト16を介して当接させた場合は、一次転写ローラ19を金属ローラよりも高価な発泡スポンジローラを使用した場合に比べて、感光体2の劣化が早まってしまう場合がある。これは、感光体2や一次転写ローラ19に偏心があった場合、感光体2と1次転写ローラ19との接触圧が一定でなくなり、所定の接触圧よりも高くなる部分が生じてしまう。このように接触圧が所定よりも高くなってしまう結果、感光体2の摩耗の進行が早まり、感光体2の劣化を早めてしまうのである。
このため、発泡スポンジローラよりも安価な金属ローラを一次転写ローラ19に用いる場合は、一次転写ローラ19を感光体2と当接させないように配置するのが好ましい。具体的に示すと、図4に示すように、一次転写ローラ19の直径をA[mm]、感光体2の直径をB[mm]、転写ベルトの厚みをC[mm]としたとき、一次転写ローラ19の軸心と感光体1の軸心との距離Lが、以下のような関係を満たすように一次転写ローラ19を配置する。
L>(A/2)+(B/2)+C・・・・(式1)
【0042】
上記式1を満たすように、一次転写ローラ19を配置することで、一次転写ローラ19と感光体2とが当接しなくなり、一次転写ローラ19を発泡スポンジローラよりも安価な金属ローラを用いても、感光体の劣化が早まってしまうのことがない。
【0043】
また、各感光体2K,Y,M,Cと転写ベルト16とが、転写ベルト16の張力により接触するようになり、金属ローラを転写ベルトを介して当接させた場合に比べて、転写圧が安定する。よって、転写圧が高まることが抑制され、転写ニップでトナー同士の凝集力が高くなり、中抜けなどの画像不良が解消される。また、各一次転写ローラ19K,Y,M,Cが一次転写ニップよりも転写ベルト移動方向下流側に配置されるため、一次転写ニップ入口と一次転写ローラ表面との距離が離れる。これにより、一次転写バイアスが一次転写ニップ入口に作用しなくなり、ニップ入口での各感光体2と転写ベルト16とのギャップ放電によるトナー飛散を防止することができる。
【0044】
図5、図6に示すように一次転写ローラ19Kの両端には、第1突き当て部材たるカラー部材190Kが取り付けられている。このカラー部材190Kは、感光体2Kの非画像形成領域に突き当たっている。カラー部材190Kの直径は、一次転写ローラ19Kの直径よりも大きくなるように設定されている。これにより、カラー部材190Kを感光体2Kに突き当てれば、感光体2Kの軸芯と一次転写ローラ19Kの軸芯との軸芯間距離Lを、上記式1の右辺よりも大きくすることができ、一次転写ローラ19Kを感光体2Kから離間させて配置することができる。なお、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cも同様な構成を有している。また、感光体2K、Y、M、Cの両端に感光体の直径よりも径の大きなカラー部材を設けて、一次転写ローラ19K、Y、M、Cの回転軸などに当接させるようにしても良い。また、感光体2K,Y,M,Cと一次転写ローラ19K、Y、M、Cの両方にカラー部材を設けて、感光体2K,Y,M,Cのカラー部材と一次転写ローラ19K、Y、M、Cとを突き当てて、一次転写ローラの位置決めを行うようにしても良い。
【0045】
このように、カラー部材190を設けることで、一次転写ローラ19を所定の軸芯間距離Lとなるように配置することができるが、一次転写ローラ19の転写ベルト16の持ち上げ量(感光体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、感光体の軸中心から、感光体に対応する一次転写ローラの軸中心までの上下方向の距離)によって転写ニップ幅や転写圧が変わってきてしまう。そこで、図5、図7に示すように、プロセスユニット1Kの枠体100Kに一次転写ローラ19Kの軸受部191Kと突き当たる第2突き当て部材たる突き当て部101Kを設ける。そして、一次転写ローラ19Kの軸受部191Kをこの突き当て部101Kに突き当てることで、一次転写ローラ19Kの転写ベルト16の持ち上げ量を所定量にすることができる。これにより、一次転写ローラ19Kを、感光体2Kに対して上下方向の距離および軸芯間距離Lが所定値となるように配置することができ、転写ニップ幅および転写ニップ圧を所定の値にすることができる。なお、Y,M,Cも同様な構成を有している。また、一次転写ローラ19の軸受部191に突き当て部材を設けて、枠体100に突き当てる構成でも良い。
【0046】
二次転写ローラ20はSUS等の金属製芯金上に、導電性材料によって106〜1010Ωの抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。ここで、二次転写ローラ20の抵抗値が上記範囲を超えると電流が流れ難くなるため、必要な転写性を得る為にはより高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加する必要生じるため転写部ニップ前後の空隙にて放電が起こり、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。このような放電による白ポチ抜けは、低温低湿環境(例えば10[℃]15[%RH])で顕著となる。逆に、二次転写ローラ20の抵抗値が上記範囲を下回ると同一画像上に存在する複数色画像部(例えば3色重ね像)と単色画像部との転写性が両立できなくなる。これは、二次転写ローラ20の抵抗値が低い為、比較的低電圧で単色画像部を転写するのに十分な電流が流れるが、複数色画像部を転写するには単色画像部に最適な電圧よりも高い電圧値が必要となるため、複数色画像部を転写できる電圧に設定すると単色画像では転写電流過剰となり転写効率の低減を招くからである。
【0047】
二次転写ローラ20の抵抗値測定は、導電性の金属製板に二次転写ローラ20を設置し、芯金両端部に片側4.9[N](両側で合計9.8[N])の荷重を掛けた状態にて、芯金と金属製板との間に1000[V]の電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。なお、二次転写ローラ12の抵抗測定時も、環境を22[℃]55[%RH]に固定して行った。本実施形態の二次転写ローラ20は、前述の方法で測定したときに7.8LogΩとなるように調整したものを用いた。
【0048】
実施形態1の画像形成装置には、形成する画像の色がフルカラーのときには全ての感光体2K,Y,M,Cを転写ベルト16表面に接触させておくフルカラーモードと、黒単色のときにはカラー用感光体2Y,M,Cを転写ベルト16表面から離間させる単色モードたるモノクロモードとを備えている。
【0049】
モードの選択は、形成される画像情報から、自動的にモード選択を行うように構成してもよいし、ユーザーによって、モードを選択できるようにしても良い。
【0050】
図8は、離間手段210の斜視図である。図5に示すように、離間手段210は、底板201cを備えたローラ保持部材201を有している。ローラ保持部材201の両側面板201a、201bに、カラー用一次転写ローラ19Y、M、Cと、テンションローラ17とを保持している。ローラ保持部材201の底板201cには、プランジャ203が取り付けられている。また、ローラ保持部材201の底板201cには、ばね202が取り付けられており、ローラ保持部材201を感光体側に付勢している。また、ローラ保持部201の両側面板201a、201bには、揺動軸205が設けらており、図示しない画像形成装置の側板に取り付けられている。
【0051】
モノクロモード実行時には、プランジャ203がローラ保持部材201を図中下側に吸引する。すると、ローラ保持部材201が揺動軸205を回転中心として回転し、図9に示すように、テンションローラ17およびカラー用一次転写ローラ19C、M、Yが図中下方へ移動する。すると、カラー用の一次転写ローラ19C、M、Yによってカラー用感光体側に押し付けられていた転写ベルト16は、撓もうとするが、テンションローラ17によって再び張架される。その結果、転写ベルト16が、カラー用感光体2Y、M、Cから離間する。
【0052】
一方、カラーモード実行時には、プランジャ203の吸引を解除する。すると、ばね202の付勢により、ローラ保持部材201が揺動軸205を中心として、感光体側に移動する。カラー用一次転写ローラ19Y、M、Cおよびテンションローラ17が図3に示した位置に移動して、転写ベルト16がカラー用感光体Y、M、Cと巻き付いて接触する。
【0053】
上述の離間手段210は、テンションローラ17およびカラー用一次転写ローラ19Y、M、Cをモノクロモード時に感光体から離間する方向に移動させるように構成しているが、これに限られない。例えば、図10に示すように、カラー用一次転写ローラ19Y、M、Cのみを感光体に対して離接可能にした構成にしても良い。この構成の離間手段210の場合は、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cのみを離間手段の保持部材201に支持し、モノクロモード時においては、保持部材201全体を感光体から離間する方向に移動させて、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cを転写ベルト16から離間させる。カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cが転写ベルト16から離間すると、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cよって感光体側に押し付けられていた転写ベルト16は、撓もうとするが、テンションローラ17によって再び張架される。その結果、転写ベルト16が、カラー用感光体2Y,M,Cから離間する。
【0054】
また、図11に示すように、K色の感光体2Kとカラー用の感光体2Y,M,Cとを、感光体軸方向と直交する方向に段差を有するように配置して、K色の転写ニップをカラー用転写ニップよりも転写ベルト側に位置するようにしても良い。具体的には、図に示すようにK色の感光体2Kの中心を通過する第1の仮想線C1が、第1の仮想線C1と平行でカラー用の感光体2Y,M,Cの中心を通る第2の仮想線C2よりも転写ベルト16に近い位置になるように、各感光体を配置しておく。図12(a)に示すように、各感光体を平行に配置して、K色の転写ニップとカラー用転写ニップとを同位置にした場合は、K色の感光体に対して所定の一次転写ニップを形成すべく配設された一次転写ローラ19Kの図中最上点D1が、Y色の感光体2Yの図中最下点D2から大きく上方に位置する。このため、Y色の感光体の最下点D2へ進入する転写ベルトの角度θ1(カラー用感光体の最下点を通過する仮想線C3と、Y色の感光体の最下点D2とK色の一次転写ローラの最上点D1とを結んだ直線とがなす角度)が大きくなる。転写ベルトがY色の感光体から離間するには、Y色の一次転写ローラ19の最上点D3が、Y色の感光体2Yの最下点D2よりも下方に位置し、Y感光体2Yの最下点D2を通過する仮想線C3とY色の感光体の最下点D2とY色の一次転写ローラ19の最上点D3とのなす角度が、θ1となる移動量M1以上、Y色の一次転写ローラ19Yを感光体から離間する方向へ移動させる必要がある。
【0055】
一方、図12(b)に示すように、カラー用の一次転写ニップよりもK色の一次転写ニップを下方に位置させたものは、K色の感光体2Kに対して所定の一次転写ニップを形成すべく配設された一次転写ローラ19Kの図中最上点D1が、Y色の感光体2Yの図中最下点D2から大きく上方に位置しない。このため、Y色の感光体の最下点D2へ進入する転写ベルトの角度θ2(Y色感光体の最下点D2を通過する仮想線C3と、Y色の感光体の最下点D2とK色の一次転写ローラの最上点D1とを結んだ直線とがなす角度)が大きくなるのを抑制することができる。よって、Y色の感光体2Yの最下点D2を通過する仮想線C3と、Y色の感光体2Yの最下点D2とY色の一次転写ローラ19Yの最上点D3とを結んだ直線とがなす角度がθ2以上となるようにY色の一次転写ローラ19YをY色の一次転写ローラ19Yを感光体から離間する方向へ移動させれば、転写ベルトをY色の感光対から離間させることができる。その結果、少なくとも、一次転写ローラ19Yが移動量M2以上、Y色の一次転写ローラ19Yを感光体から離間する方向へ移動させれば、Y色の感光体2Yから転写ベルト16を離間させることができる。その結果、モノクロモード実行時に離間手段210の揺動量を、各感光体を平行に配置したときよりも少なくしても、転写ベルト16がY色感光体2Yから離間させることができる。よって、転写ベルト16の揺動量を少なくでき、転写ベルト周りのスペースを狭めることができ、レイアウトの自由度を高めたり、装置を小型化したりすることができる。
【0056】
転写ベルト16の両端部の周長差や張架ローラ(駆動ローラ19、対向ローラ22等)の平行度が低いと、ベルトの駆動によって、転写ベルト16の一端側が余り、ベルトの弾性で波打ちが生じる。カラーモード実行時においては、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cでベルトを張架することで、ベルトの弾性による波打ちが抑制される。しかし、モノクロモード実行時には、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cが転写ベルト16を張架しなくなるので、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cによる波打ち抑制効果がなくなる。K色の感光体2Kよりもカラー用感光体2Y、M、Cがベルト移動方向上流側に配置されている場合、モノクロモード実行時に上記離間手段210で転写ベルト16をカラー用感光体2Y,M,Cから離間させると、転写ベルト16は、対向ローラ22からK色の感光体2Kまで張架されなくなる。よって、この対向ローラ22からK色の感光体2Kまでの領域でベルトが波打ってしまう。また、本実施形態においては、一次転写ローラ19を感光体2と当接せずにニップ幅を形成しているため、このような波打ちがあると、K色の転写ニップの幅やニップ圧を良好に維持することができなくなる。その結果、モノクロモード実行時に転写不良が生じてしまう。しかし、実施形態1の画像形成装置においては、K色の感光体2Kをカラー用感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向よりも上流側に配置している。これにより、モノクロモード実行時における、K色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域を、K色の感光体2Kをカラー用感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向よりも下流側に配置したものに比べて短くなる。このように、K色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域を短くすることができるので、ベルトの波打ちの影響を抑制することができ、K色の転写ニップの幅やニップ圧が変動するのを抑制することができる。
【0057】
転写ニップ圧を高めることで、上記波打ちによるニップ幅の変動やニップ圧の変動を抑制することができる。しかし、K色の感光体2Kをカラー用の感光体よりも下流に配置した場合は、カラーモードの場合、K色のトナー像を転写ベルト16に転写する際、転写ベルト上には、Y,M,Cのトナー像が重ね合わせられたカラートナー像が存在する。転写ベルト上のカラートナー像は、3色のトナー像が重ね合わさっているので、K色の転写ニップ圧がY,M,Cの転写ニップ圧よりも高いと、上記カラートナー像がK色の転写ニップで凝集して、K色の感光体2Kにくっついて中抜けが生じるおそれがあり、ニップ圧を高めることができない。
【0058】
一方、本実施形態1のように、K色の感光体2Kをカラー用の感光体2Y,M,Cよりも上流に配置したので、K色のトナー像を転写する際、転写ベルト上にカラートナー像が重ね合わされていない。よって、K色の転写圧を高めても、K色の転写ニップでカラートナー像の中抜けが生じることがないので、K色の転写ニップ圧を高めることができる。K色の転写ニップ圧を高めることができるので、上記波打ちによるK色の転写ニップのニップ幅の変動やニップ圧の変動をさらに抑制することができ、K色トナー像を良好に転写することができ、良好なモノクロ画像を得ることができる。一方、K色の転写ニップよりも転写ベルト移動方向下流側のY,M,C色の転写ニップは、転写ベルト上にトナーが重ね合わせられるため、転写ニップ圧をK色転写ニップよりも高くすると、転写ベルト上のトナー像が中抜けしてしまうおそれがある。このため、Y,M,C色の転写ニップのY転写圧は、K色の転写ニップの転写圧以下にする必要がある。
【0059】
よって、実施形態1の画像形成装置においては、K色感光体2Kと一次転写ローラ19Kとの軸芯間距離Lをカラー用の感光体2Y,M,Cと一次転写ローラ19Y,M,Cの軸芯間距離Lよりも近づける。また、K色の一次転写ローラ19Kの転写ベルト16の持ち上げ量をカラー用一次転写ローラ19Y,M,Cの転写ベルト16の持ち上げ量よりも多くしている。具体的には、図5、図6に示す、K色のカラー部材191Kの直径を9[mm]とし、カラー用のカラー部材191Y,M,Cの直径を10[mm]に設定した。また、K色の一次転写ローラ19Kによる転写ベルト16の持ち上げ量が1[mm]、Y,M,C色の一次転写ローラ19Y,M,Cによる転写ベルト16の持ち上げ量が0.5[mm]になるように、図6、図7に示すK色の突き当て部材101KおよびY,M,C色の突き当て部材101Y,M,Cの突出量を設定した。これにより、K色の転写ニップの転写圧をY,M,C色の転写ニップ圧よりも高くすることができる。
【0060】
また、K色の転写ニップが3[mm]以下、かつ、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、K色一次転写ローラを配置するのがこのましい。転写ニップが3[mm]を超えると、K色のトナー像が転写ニップで長期間加圧されることになる。その結果、K色のトナー像がK色の転写ニップで凝集して、K色の感光体2Kにくっついて中抜けが生じるおそれがある。また、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1[mm]未満だと、感光体の径のばらつきや転写ローラの径のばらつきによる、転写ニップ圧のばらつきが大きくなり、好ましくない。また、5[mm]を超えると、一次転写ローラによって転写ニップが3[mm]以下で所定の転写ニップを得ることができなくなり、良好な転写を行うことができなくなる。K色の転写ニップが3[mm]以下、かつ、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、K色一次転写ローラを配置することで、転写ニップ圧のばらつきが抑制され、所定のニップ圧を得ることができる。
【0061】
[実施形態2]
次に、実施形態2の画像形成装置について、説明する。実施形態2の画像形成装置の基本的な構成は、実施形態1の画像形成装置と同じなので、説明を省略し、実施形態2画像形成装置の特徴点のみを説明する。
図13は、実施形態2の画像形成装置の要部構成図である。図13(a)は、実施形態2の画像形成装置におけるフルカラーモードのときの様子を示す図であり、図13(b)は、モノクロモードのときの様子を示す図である。
図に示すように、実施形態2の画像形成装置は、K色の感光体2Kをカラー用感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に設けている。カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cは、上述同様、安価な金属ローラを用い、式1の関係を満たすように、一次転写ローラ19Y,M,Cを感光体にベルトの下流側に配置し、ベルトを介して感光体に接触させずに転写ベルト16を感光体2Y,M,Cに巻き付けて、転写ニップ形成している。一方、K色の一次転写ローラ19Kは、スポンジローラを使用し、一次転写ローラ19の軸心と感光体1の軸心との距離Lが、
L<(A/2)+(B/2)+C・・・・(式2)
となるようにK色の一次転写ローラ19Kを配置する。すなわち、一次転写ローラ19Kを弾性変形させて、転写ベルト16を介してK色の感光体2Kに当接させるのである。このため、K色の転写ニップは、K色の一次転写ローラがベルトを介してK色の感光体に当接している領域が転写ニップとなる。このように、一次転写ローラ19Kをベルトを介して感光体2Kに当接させて転写ニップを形成することで、転写ベルト16を感光体2に巻き付けて転写ニップを形成するものに比べて、転写ベルト16の波打ちによるニップ幅の変動や転写圧の変動を抑えることができる。
【0062】
実施形態2の画像形成装置においては、K色の感光体2Kをカラーの感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に配置している。このため、モノクロモード実行時にカラー用一次転写ローラ19Y,M,Cが転写ベルト16から離間すると、K色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域が長くなる。よって、この無張架領域でベルトの波打ちが発生するが、K色の一次転写ローラ19Kでベルトを感光体に押し当てて転写ニップを形成しているので、上記のような波打ちが発生しても転写ニップ幅の変動や転写圧の変動を抑えることができる。これにより、モノクロモード実行時のK色のトナー像を転写ベルトに良好に転写することができ、転写不良を抑制することができる。また、K色の感光体をカラーの感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に配置するので、モノクロモード実行時のファーストプリントを実施形態1の画像形成装置よりも早くすることができる。
【0063】
[実施形態3]
次に、実施形態3の画像形成装置について、説明する。実施形態3の画像形成装置の基本的な構成は、実施形態1の画像形成装置と同じなので、説明を省略し、実施形態3の画像形成装置の特徴点のみを説明する。
図14は、実施形態3の画像形成装置の要部構成図である。図14(a)は、実施形態3の画像形成装置におけるフルカラーモードのときの様子を示す図であり、図14(b)は、モノクロモードのときの様子を示す図である。
図に示すように、実施形態2の画像形成装置は、K色の感光体2Kをカラー用感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に設けている。K色の一次転写ローラ19Kおよびカラー用一次転写ローラ19Y,M,Cは、それぞれ各感光体2K,Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に設けている。各一次転写ローラ19K,Y,M,Cは、安価な金属ローラを用い、上記式1の関係を満たすように、一次転写ローラ19を感光体2にベルトを介して接触させずに配置して、転写ベルト16を感光体2に巻き付けて、転写ニップ形成している。そして、実施形態3の画像形成装置においては、K色の感光体2Kと、K色の感光体2Kと隣り合って設けられ、K色の感光体2Kよりもベルト移動方向上流側に配置されたC色の感光体2Cとの間にローラ状の波打ち抑制部材61を設けている。この波打ち抑制部材61は、転写ベルト16を内側から張架している。図(b)に示す、モノクロモード実行時にカラー用の一次転写ローラ19Y,M,Cを転写ベルト16から離間させても、波打ち抑制部材61は、転写ベルト16から離間させずに転写ベルト16を張架する。これにより、モノクロモード実行時のK色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域を短くすることができ、K色の転写ニップのベルトの波打ちによって受ける影響を低減することができる。これにより、モノクロモード実行時のK色のトナー像を転写ベルト16に良好に転写することができ、転写不良を抑制することができる。また、K色の感光体をカラーの感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に配置するので、モノクロモード実行時のファーストプリントを実施形態1の画像形成装置よりも早くすることができる。
【0064】
図15は、実施形態3の画像形成装置の第1変形例である。図15(a)は、第1変形例の画像形成装置のフルカラーモードのときの様子を示す図であり、図15(b)は、モノクロモードのときの様子を示す図である。
図に示す実施形態3の第1変形例は、K色の感光体2Kと隣り合って設けられ、K色の感光体2Kよりもベルト移動方向上流側に配置されたC色の感光体2Cのトナー像を転写するC色の一次転写ローラ19Cを、波打ち抑制部材としても用いたものである。よって、図(b)に示すように、モノクロモード実行時においては、C色の一次転写ローラ19Cよりもベルト移動方向上流側のM色とY色の一次転写ローラ19M,Yを転写ベルト16から離間させて、C色の一次転写ローラ19Cは、そのまま転写ベルト16を張架しつづける構成とする。これにより、モノクロモード実行時のK色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域をC色の一次転写ローラ19Cの位置までにすることができ、無張架領域を短くすることができる。また、C色の一次転写ローラ19Cを波打ち抑制部材としても用いることで部品点数を削減することができるメリットがある。
【0065】
図16は、実施形態3の画像形成装置の第2変形例である。図16(a)は、第2変形例の画像形成装置のフルカラーモードのときの様子を示す図であり、図16(b)は、モノクロモードのときの様子を示す図である。
図に示す第2変形例は、K色の一次転写ローラ19KをK色の感光体2Kよりもベルト移動方向上流側に配置して、K色の一次転写ローラ19Kを波打ち抑制部材としても用いたものである。よって、モノクロモード実行時のK色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域をK色の一次転写ローラ19Kの位置までにすることができ、無張架領域を短くすることができる。また、K色の一次転写ローラ19Kを波打ち抑制部材としても用いることで部品点数を削減することができるメリットがある。
【0066】
(1)
以上、本実施形態1の画像形成装置によれば、単色モードたるモノクロモード実行時に用いる像担持体たるK色の感光体を、ベルト部材たる転写ベルトと最上流転写ニップを形成する感光体としている。よって、K色の感光体を、転写ベルトと最下流転写ニップを形成する感光体としたものに比べて、モノクロモード実行時の張架ローラからK色の感光体までの距離を短くすることができる。よって、モノクロモード時のK色の感光体と転写ベルトが形成する転写ニップからベルト移動方向上流側に延びる転写ベルトにテンションが付与されない領域を、K色の感光体を、転写ベルトと最下流転写ニップを形成する感光体としたものに比べて、短くすることができる。その結果、この領域間でベルトの波打ちが発生するのをK色の感光体を、転写ベルトと最下流転写ニップを形成する感光体としたものに比べて、抑制することができる。従って、モノクロモード実行時において、K色の感光体と一次転写ローラとで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、モノクロモード時の転写不良を抑制することができる。
(2)
また、実施形態3の画像形成装置によれば、モノクロモード時のK色の転写ニップからベルト移動方向上流側に延びる転写ベルトにテンションが付与されない領域を、波打ち抑制部材までにすることができる。よって、K色の転写ニップからベルト移動方向上流側に延びる転写ベルトにテンションが付与されない領域を短くすることができ、この領域間でベルトの波打ちが発生するのを抑制することができる。その結果、モノクロモード実行時において、K色の転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、モノクロモード時の転写不良を抑制することができる。
(3)
また、実施形態3の変形例1の画像形成装置によれば、上記波打ち抑制部材を、K色の感光体体と隣り合うC色の1次転写体としたので、部品点数を削減することができる。
(4)
また、実施形態3の変形例2の画像形成装置によれば、上記波打ち抑制部材を、K色の1次転写ローラとしたので、部品点数を削減することができる。
(5)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、K色の転写ニップが3[mm]以下、かつ、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、K色一次転写ローラを配置するのがこのましい。転写ニップが3[mm]を超えると、K色のトナー像が転写ニップで長期間加圧されることになる。その結果、K色のトナー像がK色の転写ニップで凝集して、K色の感光体2Kにくっついて中抜けが生じるおそれがある。また、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1[mm]未満だと、感光体の径のばらつきや転写ローラの径のばらつきによる、転写ニップ圧のばらつきが大きくなり、好ましくない。また、5[mm]を超えると、一次転写ローラによって転写ニップが3[mm]以下で所定の転写ニップを得ることができなくなり、良好な転写を行うことができなくなる。K色の転写ニップが3[mm]以下、かつ、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、K色一次転写ローラを配置することで、転写ニップ圧のばらつきが抑制され、所定のニップ圧を得ることができる。
(6)
また、実施形態1、3の画像形成装置によれば、K色の感光体の軸中心からK色の1次転写ローラの軸中心までの距離Lが、カラー用感光体の軸中心からカラー用1次転写ローラの軸中心までの距離Lよりも短くなるように構成している。これにより、カラー用一次転写ローラとK色一次転写ローラとが同じ径で、感光体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、K色の一次転写ローラの上下方向の位置が同じ場合、K色の一次転写ローラがK色の感光体に当接させる力(転写圧)がカラー用の転写圧よりも高くすることができる。K色の一次転写ローラによって、K色の感光体にベルトを強く押し付けることができ、K色の転写ニップがベルトの波打ちによる影響を受け難くすることができる。
(7)
また、実施形態1、3の画像形成装置によれば、感光体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、K色の一次転写ローラの位置が、カラー用一次転写ローラの位置よりも上方に位置するように構成している。よって、カラー用一次転写ローラとK色一次転写ローラとが同じ径で、感光体軸中心から一次転写ローラの軸中心までの距離Lが同じ場合、K色の一次転写ローラがK色の感光体に当接させる力(転写圧)がカラー用の転写圧よりも高くすることができる。K色の一次転写ローラによって、K色の感光体にベルトを強く押し付けることができ、K色の転写ニップがベルトの波打ちによる影響を受け難くすることができる。
(8)
また、実施形態1、3の画像形成装置によれば、一次転写ローラまたは感光体の少なくとも一方に、感光体軸中心から一次転写ローラの軸中心までの距離Lが、所定の距離となるように感光体または一次転写ローラに突き当たる第1突き当て部材たるカラー部材を設けている。これにより、感光体軸中心から一次転写ローラの軸中心までの距離Lが、所定の距離となるように一次転写ローラを位置決めすることができる。これにより、一次転写ローラを所定の位置に配置することができ、転写ニップを所定のニップ幅、所定の圧力にすることができる。
(9)
また、実施形態1、3の画像形成装置によれば、上記像担持体を保持するフレームたるプロセスユニットの枠体または一次転写ローラを支持する支持部材たる軸受部に突き当たる第2突き当て部材たる突き当て部材を設けている。この突き当て部材を枠体または軸受部に突き当てることで、感光体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、感光体に対する上下方向に一次転写ローラを位置決めすることができる。これにより、一次転写ローラを所定の位置に配置することができ、転写ニップを所定のニップ幅、所定の圧力にすることができる。
(10)
また、実施形態2の画像形成装置によれば、K色の感光体軸中心からK色の一次転写ローラの軸中心までの距離L2が、L2<(A/2)+(B/2)+CとなるようにK色の一次転写ローラを配置した。これにより、K色の転写ニップは、K色の一次転写ローラが転写ベルトを介してK色の感光体と当接した部分となる。これにより、K色の感光体とK色の一次転写ローラで形成する転写ニップは、一次転写ローラによってベルト部材裏面から転写ベルトを感光体へ押し付けることで形成される。よって、張架ローラからK色の感光体に至るまでの間でベルトの波打ちの影響が転写ニップに及ぶことがない。従って、モノクロモード実行時において、K色の感光体と一次転写ローラとで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、単色モード時の転写不良を抑制することができる。
(11)
また、実施形態2の画像形成装置によれば、K色の1次転写ローラとして、弾性層有する部材を用いることで、一次転写ローラを弾性変形させて、ベルトを介して感光体に当接させることができる。よって、転写ニップを所定のニップ幅、所定の圧力で当接させることができる。
(12)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、K色転写ニップの位置が、カラー用転写ニップの位置よりも転写ベルト部材側になるように構成している。よって、モノクロモード実行時にカラー用の一次転写ローラが転写ベルトから離間した際、K色の転写ニップから張架ローラまでの転写ベルトの位置が、K色の転写ニップをカラー用転写ニップと平行に配置したものに比べて、転写ベルト側に位置させることができる。このように、K色の転写ニップから張架ローラまでの転写ベルトの位置を転写ベルト側に位置させることができるので、僅かに張架ローラを揺動させるだけで、転写ベルトをカラー用感光体から離間させることができる。これにより、張架ローラの揺動スペースを削減することができ、装置の小型化や、装置のレイアウトの自由度を高めることができる。
【符号の説明】
【0067】
1Y,M,C,K:プロセスユニット
2Y,M,C,K:感光体
15:転写ユニット
16:転写ベルト
17:テンションローラ
18:駆動ローラ
19Y,M,C,K:一次転写ローラ
20:2次転写ローラ
34:定着装置
70:光書込ユニット
210:離間手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2003−216001号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置として、次のような画像形成装置が知られている。すなわち、複数の張架ローラに張架されたベルト部材たる転写ベルトの張架ローラ間に複数の像担持体たる感光体を平行に配置する。これら感光体上にそれぞれトナー像を形成し、各感光体上のトナー像を、転写ベルトに重ね合わせて1次転写し、この転写ベルト上に重ね合わせて転写されたトナー像を、記録媒体上に2次転写する画像形成装置である。この種の画像形成装置は、各感光体と、各感光体に個別に対応するように配設された1次転写体(以下、1次転写ローラという)とを転写ベルトを介して圧接対向させ、これにより、各感光体と転写ベルトとを接触させて1次転写ニップ部を形成している。この種の画像形成装置は、一次転写ローラの最上部が転写ベルトを介して感光体の最下部に当接するように、一次転写ローラを配置している。そして、発泡スポンジローラなどの柔らかい部材で一次転写ローラを構成し、一次転写ローラを変形させることで、一次転写ニップ幅を所定の幅に形成している。
この画像形成装置においては、所定のニップ幅を形成するために、金属ローラよりも高価な発泡スポンジローラなどの柔らかい部材で一次転写ローラを構成する必要があった。
【0003】
そこで、感光体の軸中心に対して一次転写ローラの軸中心を転写ベルト移動方向下流側にずらして、1次転写ローラよりも転写ベルト移動方向上流側の転写ベルトが感光体に巻きつくように配置した画像形成装置が知られている。転写ベルトを感光体に巻き付かせることで、所定のニップ幅を得るようにしているので、発泡スポンジローラよりも安価な金属ローラで一次転写ローラを構成することができ、装置を従来よりも安価にすることもできる。
【0004】
また、原稿画像が単色画像たるモノクロ画像である場合は、単色モードたるモノクロモードで画像形成を行い、カラー画像である場合はカラーモードで画像形成を行う画像形成装置が特許文献1に記載されている。モノクロモードは、モノクロ画像形成に不必要な感光体と転写ベルトとを離間させて画像形成を行い、カラーモードは、全ての感光体を転写ベルトに当接させて画像形成を行う。これにより、Y、M、C色の感光体の劣化を抑えることができる。また、モノクロモード時のファーストプリントの時間が短くなるように、K色の感光体は、他の感光体よりもベルト移動方向最下流に配置している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、転写ベルトを複数のローラに張架して駆動するときに転写ベルトに波打ちが生じてしまう場合がある。これは、例えば、転写ベルトの製造誤差などにより、転写ベルトの両端部に周長差があると、ベルトの回転駆動が進むにつれ、ベルト周長の長い側の端部が徐々に余り、その部分がベルトの弾性によって波打つのである。また、張架ローラの平行度が低くても、上述同様、ベルトの回転駆動が進むにつれ、ベルトの一端側が徐々に余り、その部分がベルトの弾性によって波打つ。このようなベルトの波打ちが転写ニップよりもベルト移動方向上流側で発生すると、このベルトの波打ちが転写ニップに及んでしまう。ベルトの波打ちが転写ニップに及ぶと、転写ニップ幅が変動し、転写不良が生じるという問題が生じる。特に、感光体よりも転写ベルト移動方向下流側の一次転写ローラで転写ベルトを感光体に巻き付かせて上述の転写ニップを形成した画像形成装置は、一次転写ローラを転写ベルトを介して感光体に当接させて、この当接した領域を転写ニップとしたものに比べて、ベルト波打ちの影響を受けやすい。
カラーモード時においては、転写ベルトをY、M、C色の感光体にテンションを有して巻き付けているため、各転写ニップよりも上流側の領域でこのようなベルトの弾性による波打ちが発生するのが抑制される。しかし、モノクロモード時は、K色の感光体よりもベルト移動方向上流側のY、M、C色の一次転写ローラを感光体との距離が拡大する方向に移動させて、転写ベルトのY、M、C色の感光体への巻き付きを解除している。このため、K色の転写ニップよりもベルト移動方向上流側の張架ローラからK色の感光体に至るまでの領域で転写ベルトのテンションが弱まり、この領域でベルトが波打ってしまう。その結果、この波打ちがK色の転写ニップに及んで、転写ニップ幅が変動し、単色モード実行時に転写不良が生じるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、単色モード時のベルト部材の波打ちによる転写不良を抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、L>(A/2)+(B/2)+Cとなり、かつ、該一次転写体が対応する像担持体よりもベルト移動方向下流側となるように該一次転写体を配置し、該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、該単色モード実行時に用いられる像担持体を、該ベルト部材と該最上流転写ニップを形成する像担持体としたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、L>(A/2)+(B/2)+Cとなるように該1次転写体を配置し、該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、該単色モード実行時に用いられる像担持体を、該ベルト部材と該最下流ニップを形成する像担持体とし、該単色モード実行時に用いられる像担持体と、該単色モード実行時に用いられる像担持体と隣合う像担持体との間に、該ベルト部材の裏面からベルト部材にテンションを付与して、ベルトの波打ちを抑制する波打ち抑制部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記波打ち抑制部材を、上記単色モード実行時に用いられる像担持体と隣合う像担持体に対応する1次転写体として用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記波打ち抑制部材を、上記単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体として用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、上記単色モード実行時に用いられる像担持体の転写ニップが3[mm]以下、かつ、該単色モード実行時に用いられる像担持体から該像担持体に対応する一次転写体までの上記ベルト部材の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、該該単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する一次転写体を配置したことを特徴するものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、上記単色モード実行時に用いられる像担持体の軸中心から該像担持体に対応する1次転写体の軸中心までの距離Lが、他の像担持体の軸中心から該像担持体に対応する1次転写体の軸中心までの距離Lよりも短くなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、上記像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、上記単色モード実行時に用いられる像担持体の軸中心から、該像担持体に対応する一次転写体の軸中心までの上下方向の距離が、他の像担持体の軸中心から、該像担持体に対応する一次転写体の軸中心までの上下方向の距離よりも短くなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、上記一次転写体または上記像担持体の少なくとも一方に、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、所定の距離となるように該像担持体または該一次転写体に突き当たる第1突き当て部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、上記像担持体を保持するフレームまたは上記一次転写体を支持する支持部材の少なくとも一方に、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、該一次転写体が対応する像担持体に対する一次転写体の上下方向の位置が所定の位置となるように、該フレームまたは該支持部材に突き当たる第2突き当て部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該単色モード実行時に用いられる像担持体以外の像担持体に対応する1次転写体を、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離L1が、L1>(A/2)+(B/2)+Cとなり、かつ、該一次転写体が対応する像担持体よりもベルト移動方向下流側となるように配置し、該単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体を、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離L2が、L2<(A/2)+(B/2)+Cとなるように配置したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体として、弾性層有する部材を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかの画像形成装置において、上記単色モード実行時に用いられる像担持体と上記ベルト部材とで形成する転写ニップの位置が、他の像担持体と該ベルト部材とで形成する転写ニップの位置よりもベルト部材側になるように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、単色モード実行時に用いる像担持体を、ベルト部材と最上流転写ニップを形成する像担持体としたので、単色モード実行時に用いる像担持体を、ベルト部材と最下流転写ニップを形成する像担持体としたものに比べて、単色モード実行時の張架ローラから単色モード用の像担持体までの距離を短くすることができる。よって、単色モード時の単色モード実行時に用いられる像担持体とベルト部材が形成する転写ニップからベルト移動方向上流側に延びるベルト部材にテンションが付与されない領域を、単色モード実行時に用いる像担持体を、ベルト部材と最下流転写ニップを形成する像担持体としたものに比べて、短くすることができる。その結果、この領域間でベルトの波打ちが発生するのを単色モード実行時に用いる像担持体を、ベルト部材と最下流転写ニップを形成する像担持体としたものに比べて、抑制することができる。従って、単色モード実行時において、単色モード用の像担持体と一次転写体とで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、単色モード時の転写不良を抑制することができる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、単色モード時の単色モード実行時に用いられる像担持体とベルト部材が形成する転写ニップからベルト移動方向上流側に延びるベルト部材にテンションが付与されない領域を、波打ち抑制部材までにすることができる。よって、像担持体とベルト部材が形成する転写ニップからベルト移動方向上流側に延びるベルト部材にテンションが付与されない領域を短くすることができ、この領域間でベルトの波打ちが発生するのを抑制することができる。その結果、単色モード実行時において、単色モード用の像担持体と一次転写体とで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、単色モード時の転写不良を抑制することができる。
【0010】
また、請求項10の発明によれば、像担持体軸中心から一次転写体の軸中心までの距離L2が、L2<(A/2)+(B/2)+Cとなるように単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する一次転写体を配置することで、一次転写体がベルト部材を介して像担持体と当接した部分を転写ニップとすることができる。これにより、単色モード用の像担持体と単色モード用の一次転写ローラで形成する転写ニップは、一次転写体によってベルト部材裏面からベルト部材を像担持体へ押し付けることで形成される。よって、張架ローラから単色モード用の像担持体に至るまでの間にベルトの波打ちの影響が転写ニップに及ぶことが抑制される。従って、単色モード実行時において、単色モード用の像担持体と一次転写体とで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、単色モード時の転写不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1の画像形成装置を示す概略構成図。
【図2】同画像形成装置のK用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】同画像形成装置の転写ユニットを示す概略構成図。
【図4】感光体と一次転写ローラとの配置関係を示す図。
【図5】カラー部材が感光体に突き当たって一次転写ローラが位置決めされている様子を示す図。
【図6】図5のA方向から見た図。
【図7】突き当て部材が一次転写ローラの軸受部に突き当たっている様子を示す図。
【図8】同画像形成装置の接離手段を示す図。
【図9】モノクロモード実行時の転写ユニットを示す図。
【図10】離間手段の他の構成例を示す図。
【図11】K色の転写ニップをカラー用転写ニップよりも転写ベルト側に配置したときの感光体の軸中心とカラー用感光体の軸中心の位置を示す図。
【図12】(a)は、K色の感光体の軸中心とカラー用の感光体の軸中心とが同一線上にある場合の、転写ベルトがY色の感光体から離間するときのY色の一次転写ローラの移動量を示す図。(b)は、K色の感光体の軸中心がカラー用の感光体の軸中心よりも転写ベルト側にある場合の、転写ベルトがY色の感光体から離間するときのY色の一次転写ローラの移動量を示す図。
【図13】(a)は、実施形態2の画像形成装置におけるカラーモード実行時の様子を示す図であり、(b)は、モノクロモード実行時の様子を示す図。
【図14】(a)は、実施形態3の画像形成装置におけるカラーモード実行時の様子を示す図であり、(b)は、モノクロモード実行時の様子を示す図。
【図15】(a)は、実施形態3の第1変形例におけるカラーモード実行時の様子を示す図であり、(b)は、モノクロモード実行時の様子を示す図。
【図16】(a)は、実施形態3の第2変形例におけるカラーモード実行時の様子を示す図であり、(b)は、モノクロモード実行時の様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態1]
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン(以下、K、Y、M、Cと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1K,Y,M,Cを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のK,Y,M,Cトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット1Kを例にすると、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置5K等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスユニット1Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0013】
上記帯電装置4Kは、図示しない駆動手段によって周速150[mm/sec]で図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を−500[V]に一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置5KによってKトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(1Y,M,C)においても、同様にして感光体(2Y,M,C)上に(Y,M,C)トナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。なお、感光体2Kにおける筒状のドラム部は、中空のアルミ素管のおもて面に有機感光層が被覆されたものである。このドラム部の軸線方向の両端部にそれぞれドラム軸を有するフランジが取り付けられて、感光体2Kを構成している。
【0014】
現像手段たる現像装置5Kは、図示しないKトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。ホッパ部6K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向で図示しない駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
【0015】
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2Kやトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部で現像ローラ11Kの表面に供給される。供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域において、感光体2K表面のK用の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
【0016】
図2を用いてK用のプロセスユニットについて説明したが、Y,M,C用のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
【0017】
先に示した図1において、プロセスユニット1K,Y,M,Cの鉛直方向上方には、光書込ユニット70が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット70は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザ光Lにより、プロセスユニット1K,Y,M,Cにおける感光体2K,Y,M,Cを光走査する。この光走査により、感光体2K,Y,M,C上にK,Y,M,C用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット70は、光源から発したレーザ光(L)を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
【0018】
プロセスユニット1K,Y,M,Cの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、駆動ローラ17、従動ローラ18、4つの1次転写ローラ19Y,M,C,K、2次転写ローラ20、ベルトクリーニング装置21、クリーニングバックアップローラ22などを備えている。
【0019】
中間転写ベルト16は、そのループ内側に配設された駆動ローラ17、従動ローラ18、クリーニングバックアップローラ22及び4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ17の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
【0020】
4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト16を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0021】
1次転写ローラ19Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、1次転写ローラ19Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。
【0022】
K用のプロセスユニット1Kの感光体2K表面に形成されたKトナーは、感光体2Kの回転に伴ってK用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2K上から中間転写ベルト16上に1次転写される。このようにしてKトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト16は、その無端移動に伴ってY,C,M用の1次転写ニップを通過する際に、感光体2Y,M,C上のY,M,Cトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト16上には4色トナー像が形成される。
【0023】
転写ユニット15の2次転写ローラ20は、中間転写ベルト16のループ外側に配設されて、ループ内側の駆動ローラ18との間に中間転写ベルト16を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、2次転写ローラ20とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ20には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ20と、アース接続されている従動ローラとの間には、2次転写電界が形成される。なお、転写ユニット15の詳細については、後述する。
【0024】
転写ユニット15の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット30は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路31に向けて送り出す。
【0025】
給紙路31の末端付近には、レジストローラ対32が配設されている。このレジストローラ対32は、給紙カセット30から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト16上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
【0026】
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト16上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
【0027】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト16には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト16のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置21によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト16のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ22は、ベルトクリーニング装置21によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
【0028】
定着装置34は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。定着装置34内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0029】
定着装置34内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路35を経由した後、排紙路36と反転前搬送路41との分岐点にさしかかる。定着後搬送路35の側方には、回動軸42aを中心にして回動駆動される切替爪42が配設されており、その回動によって定着後搬送路35の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置34から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、切替爪42が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路35の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路35から排紙路36内に進入して、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれる。
【0030】
図示しないテンキー等からなる操作部に対する入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対37に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー50の上面であるスタック部にスタックされる。
【0031】
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対37に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路35を通り抜けると、切替爪42が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路35の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対37が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路41内に進入する。
【0032】
図1は、本プリンタを正面側から示している。図紙面に直交する方向の手前側がプリンタの前面であり、奥側が後面である。また、本プリンタの図中右側が右側面、左側が左側面である。本プリンタの右端部は、回動軸40aを中心に回動することで筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット40になっている。排紙ローラ対37が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット40の反転前搬送路41内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対43のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路44内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路31内を経て、2次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、転写後搬送路33、定着装置34、定着後搬送路35、排紙路36、排紙ローラ対37を順次経由して、機外へと排出される。
【0033】
次に、転写ユニット15について詳細に説明する。
図3は、転写ユニット15の概略構成を示す拡大図である。図3に示すように、転写ベルト16は、主に駆動ローラ18とテンション17とに張架されており、転写ベルト16の駆動ローラ18との巻き付き角および、テンションローラ17との巻き付き角がほぼ180°となるようにしている。このような構成をとることで、転写ユニット15を上下方向に短くすることができ、装置を小型化することができる。この転写ベルト16の上方には、感光体2K,Y、M、Cが、ベルト移動方向の上流側から順に並ぶように配設されている。K色の感光体1Kのベルト移動方向下流側には、K色の一次転写ローラ19Kが配置されている。同様に、感光体2Yの下流には、一次転写ローラ19Y、感光体2Mの下流には、一次転写ローラ19M、感光体1Cの下流には、一次転写ローラ19Cが配置されている。
【0034】
駆動ローラ18には、転写ベルト16を介して2次転写ローラ20が当接しており、2次転写ニップ部が形成されている。なお、本実施形態の各感光体の直径φは、24[mm]、駆動ローラ19の直径φは、20[mm]、各一次転写ローラの直径φは、8[mm]、感光体ピッチは、70[mm]としている。
駆動ローラ18としては、芯金と肉厚が0.3〜1[mm]程度のポリウレタンゴムの表面層とからなっているものを用いた。また、肉厚が0.05〜0.1[mm]の薄層コーテイングしたものの方が、温度による径変化が小さく、好ましい。
【0035】
テンションローラ17は、バネ等の付勢手段によって転写ベルトを内周面から外側に向けて付勢しており、転写ベルト16に25[N]〜35[N]の張力を与えている。
【0036】
駆動ローラ18の転写ベルト移動方向下流側で、K色の感光体1Kの上流側には、ベルトクリーニング手段たるベルトクリーニング装置21が設けられている。このベルトクリーニング装置21は、転写ベルト16の裏面に当接する対抗部材たる対向ローラ22と、この対向ローラ22に転写ベルト16を介して当接するクリーニングブレード21bと、クリーニングブレード21bによって掻き取られたトナーを収容する収容部21cとで構成されている。
【0037】
転写ベルト16としては、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、TPE(サーモプラスチックエラストマー)等にカーボンブラック等の導電性材料を分散させ樹脂フィルム状のエンドレスベルトとしたものを用いることができる。実施形態1の転写ベルト16は、PC(ポリカーボネート)にカーボンブラックを添加した単層構造の構成とし、その厚みを140[μm]に調整したものを用いた。
【0038】
また、転写ベルト16は、体積抵抗率が108〜1012[Ωcm]、かつ表面抵抗率が109〜1012[Ω/□]の範囲であることが望ましい。転写ベルト16の体積抵抗率および表面抵抗率が上述した範囲を超えると、転写ベルト16が帯電するため、作像順の下流へ行くほど、設定電圧値を高く設定するなどの処置が必要となるため1次転写ローラ19へ供給電源を共通化する事が困難となる。これは、体積抵抗率および表面抵抗率が上述した範囲を超えると、1次転写工程、2次転写工程などで発生する放電によって転写ベルト16表面の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるためである。このため、転写ベルト16の除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるため転写ニップ入り口で放電が起こり、トナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本発明における転写ベルト16の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内でなければならない。
【0039】
転写ベルト16の抵抗測定方法は、デジタル超高抵抗微少電流計(アドバンテスト社製:R8340A)にプローブ(内側電極直径50[mm],リング電極内径60[mm]:JIS−K6911準拠)を接続し、転写ベルト16の表裏に1000[V](表面抵抗率は500[V])の電圧を印加してdischarge5[sec]、charge10[sec]で測定を行ない、その測定時の環境は22[℃]55[%RH]に固定して行なった。
【0040】
各一次転写ローラ19K,Y,M,Cは、各感光体2K,Y,M,Cから転写ベルト16の移動方向下流側にずらして配置し、転写ベルト16を各感光体側に押圧して、一次転写ローラ19よりもベルト移動方向上流側の転写ベルト16を各感光体2K,Y,M,Cの周面に巻き付かせて一次転写ニップを形成している。4つの1次転写ローラ19K,Y,M,Cは、それぞれ図示しない電源から中間転写バイアスが印加される。各一次転写ニップには、上記中間転写バイアスの影響により、感光体2と1次転写ローラ19との間に中間転写電界が形成される。そして、感光体2上に形成されたトナー像は、この中間転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト16上に一次転写される。
【0041】
また、実施形態1の場合は、一次転写ローラ19K,Y,M,Cは、安価な金属ローラを使用している。しかし、金属ローラのような剛体の一次転写ローラ19を、感光体2と転写ベルト16を介して当接させた場合は、一次転写ローラ19を金属ローラよりも高価な発泡スポンジローラを使用した場合に比べて、感光体2の劣化が早まってしまう場合がある。これは、感光体2や一次転写ローラ19に偏心があった場合、感光体2と1次転写ローラ19との接触圧が一定でなくなり、所定の接触圧よりも高くなる部分が生じてしまう。このように接触圧が所定よりも高くなってしまう結果、感光体2の摩耗の進行が早まり、感光体2の劣化を早めてしまうのである。
このため、発泡スポンジローラよりも安価な金属ローラを一次転写ローラ19に用いる場合は、一次転写ローラ19を感光体2と当接させないように配置するのが好ましい。具体的に示すと、図4に示すように、一次転写ローラ19の直径をA[mm]、感光体2の直径をB[mm]、転写ベルトの厚みをC[mm]としたとき、一次転写ローラ19の軸心と感光体1の軸心との距離Lが、以下のような関係を満たすように一次転写ローラ19を配置する。
L>(A/2)+(B/2)+C・・・・(式1)
【0042】
上記式1を満たすように、一次転写ローラ19を配置することで、一次転写ローラ19と感光体2とが当接しなくなり、一次転写ローラ19を発泡スポンジローラよりも安価な金属ローラを用いても、感光体の劣化が早まってしまうのことがない。
【0043】
また、各感光体2K,Y,M,Cと転写ベルト16とが、転写ベルト16の張力により接触するようになり、金属ローラを転写ベルトを介して当接させた場合に比べて、転写圧が安定する。よって、転写圧が高まることが抑制され、転写ニップでトナー同士の凝集力が高くなり、中抜けなどの画像不良が解消される。また、各一次転写ローラ19K,Y,M,Cが一次転写ニップよりも転写ベルト移動方向下流側に配置されるため、一次転写ニップ入口と一次転写ローラ表面との距離が離れる。これにより、一次転写バイアスが一次転写ニップ入口に作用しなくなり、ニップ入口での各感光体2と転写ベルト16とのギャップ放電によるトナー飛散を防止することができる。
【0044】
図5、図6に示すように一次転写ローラ19Kの両端には、第1突き当て部材たるカラー部材190Kが取り付けられている。このカラー部材190Kは、感光体2Kの非画像形成領域に突き当たっている。カラー部材190Kの直径は、一次転写ローラ19Kの直径よりも大きくなるように設定されている。これにより、カラー部材190Kを感光体2Kに突き当てれば、感光体2Kの軸芯と一次転写ローラ19Kの軸芯との軸芯間距離Lを、上記式1の右辺よりも大きくすることができ、一次転写ローラ19Kを感光体2Kから離間させて配置することができる。なお、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cも同様な構成を有している。また、感光体2K、Y、M、Cの両端に感光体の直径よりも径の大きなカラー部材を設けて、一次転写ローラ19K、Y、M、Cの回転軸などに当接させるようにしても良い。また、感光体2K,Y,M,Cと一次転写ローラ19K、Y、M、Cの両方にカラー部材を設けて、感光体2K,Y,M,Cのカラー部材と一次転写ローラ19K、Y、M、Cとを突き当てて、一次転写ローラの位置決めを行うようにしても良い。
【0045】
このように、カラー部材190を設けることで、一次転写ローラ19を所定の軸芯間距離Lとなるように配置することができるが、一次転写ローラ19の転写ベルト16の持ち上げ量(感光体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、感光体の軸中心から、感光体に対応する一次転写ローラの軸中心までの上下方向の距離)によって転写ニップ幅や転写圧が変わってきてしまう。そこで、図5、図7に示すように、プロセスユニット1Kの枠体100Kに一次転写ローラ19Kの軸受部191Kと突き当たる第2突き当て部材たる突き当て部101Kを設ける。そして、一次転写ローラ19Kの軸受部191Kをこの突き当て部101Kに突き当てることで、一次転写ローラ19Kの転写ベルト16の持ち上げ量を所定量にすることができる。これにより、一次転写ローラ19Kを、感光体2Kに対して上下方向の距離および軸芯間距離Lが所定値となるように配置することができ、転写ニップ幅および転写ニップ圧を所定の値にすることができる。なお、Y,M,Cも同様な構成を有している。また、一次転写ローラ19の軸受部191に突き当て部材を設けて、枠体100に突き当てる構成でも良い。
【0046】
二次転写ローラ20はSUS等の金属製芯金上に、導電性材料によって106〜1010Ωの抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。ここで、二次転写ローラ20の抵抗値が上記範囲を超えると電流が流れ難くなるため、必要な転写性を得る為にはより高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加する必要生じるため転写部ニップ前後の空隙にて放電が起こり、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。このような放電による白ポチ抜けは、低温低湿環境(例えば10[℃]15[%RH])で顕著となる。逆に、二次転写ローラ20の抵抗値が上記範囲を下回ると同一画像上に存在する複数色画像部(例えば3色重ね像)と単色画像部との転写性が両立できなくなる。これは、二次転写ローラ20の抵抗値が低い為、比較的低電圧で単色画像部を転写するのに十分な電流が流れるが、複数色画像部を転写するには単色画像部に最適な電圧よりも高い電圧値が必要となるため、複数色画像部を転写できる電圧に設定すると単色画像では転写電流過剰となり転写効率の低減を招くからである。
【0047】
二次転写ローラ20の抵抗値測定は、導電性の金属製板に二次転写ローラ20を設置し、芯金両端部に片側4.9[N](両側で合計9.8[N])の荷重を掛けた状態にて、芯金と金属製板との間に1000[V]の電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。なお、二次転写ローラ12の抵抗測定時も、環境を22[℃]55[%RH]に固定して行った。本実施形態の二次転写ローラ20は、前述の方法で測定したときに7.8LogΩとなるように調整したものを用いた。
【0048】
実施形態1の画像形成装置には、形成する画像の色がフルカラーのときには全ての感光体2K,Y,M,Cを転写ベルト16表面に接触させておくフルカラーモードと、黒単色のときにはカラー用感光体2Y,M,Cを転写ベルト16表面から離間させる単色モードたるモノクロモードとを備えている。
【0049】
モードの選択は、形成される画像情報から、自動的にモード選択を行うように構成してもよいし、ユーザーによって、モードを選択できるようにしても良い。
【0050】
図8は、離間手段210の斜視図である。図5に示すように、離間手段210は、底板201cを備えたローラ保持部材201を有している。ローラ保持部材201の両側面板201a、201bに、カラー用一次転写ローラ19Y、M、Cと、テンションローラ17とを保持している。ローラ保持部材201の底板201cには、プランジャ203が取り付けられている。また、ローラ保持部材201の底板201cには、ばね202が取り付けられており、ローラ保持部材201を感光体側に付勢している。また、ローラ保持部201の両側面板201a、201bには、揺動軸205が設けらており、図示しない画像形成装置の側板に取り付けられている。
【0051】
モノクロモード実行時には、プランジャ203がローラ保持部材201を図中下側に吸引する。すると、ローラ保持部材201が揺動軸205を回転中心として回転し、図9に示すように、テンションローラ17およびカラー用一次転写ローラ19C、M、Yが図中下方へ移動する。すると、カラー用の一次転写ローラ19C、M、Yによってカラー用感光体側に押し付けられていた転写ベルト16は、撓もうとするが、テンションローラ17によって再び張架される。その結果、転写ベルト16が、カラー用感光体2Y、M、Cから離間する。
【0052】
一方、カラーモード実行時には、プランジャ203の吸引を解除する。すると、ばね202の付勢により、ローラ保持部材201が揺動軸205を中心として、感光体側に移動する。カラー用一次転写ローラ19Y、M、Cおよびテンションローラ17が図3に示した位置に移動して、転写ベルト16がカラー用感光体Y、M、Cと巻き付いて接触する。
【0053】
上述の離間手段210は、テンションローラ17およびカラー用一次転写ローラ19Y、M、Cをモノクロモード時に感光体から離間する方向に移動させるように構成しているが、これに限られない。例えば、図10に示すように、カラー用一次転写ローラ19Y、M、Cのみを感光体に対して離接可能にした構成にしても良い。この構成の離間手段210の場合は、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cのみを離間手段の保持部材201に支持し、モノクロモード時においては、保持部材201全体を感光体から離間する方向に移動させて、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cを転写ベルト16から離間させる。カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cが転写ベルト16から離間すると、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cよって感光体側に押し付けられていた転写ベルト16は、撓もうとするが、テンションローラ17によって再び張架される。その結果、転写ベルト16が、カラー用感光体2Y,M,Cから離間する。
【0054】
また、図11に示すように、K色の感光体2Kとカラー用の感光体2Y,M,Cとを、感光体軸方向と直交する方向に段差を有するように配置して、K色の転写ニップをカラー用転写ニップよりも転写ベルト側に位置するようにしても良い。具体的には、図に示すようにK色の感光体2Kの中心を通過する第1の仮想線C1が、第1の仮想線C1と平行でカラー用の感光体2Y,M,Cの中心を通る第2の仮想線C2よりも転写ベルト16に近い位置になるように、各感光体を配置しておく。図12(a)に示すように、各感光体を平行に配置して、K色の転写ニップとカラー用転写ニップとを同位置にした場合は、K色の感光体に対して所定の一次転写ニップを形成すべく配設された一次転写ローラ19Kの図中最上点D1が、Y色の感光体2Yの図中最下点D2から大きく上方に位置する。このため、Y色の感光体の最下点D2へ進入する転写ベルトの角度θ1(カラー用感光体の最下点を通過する仮想線C3と、Y色の感光体の最下点D2とK色の一次転写ローラの最上点D1とを結んだ直線とがなす角度)が大きくなる。転写ベルトがY色の感光体から離間するには、Y色の一次転写ローラ19の最上点D3が、Y色の感光体2Yの最下点D2よりも下方に位置し、Y感光体2Yの最下点D2を通過する仮想線C3とY色の感光体の最下点D2とY色の一次転写ローラ19の最上点D3とのなす角度が、θ1となる移動量M1以上、Y色の一次転写ローラ19Yを感光体から離間する方向へ移動させる必要がある。
【0055】
一方、図12(b)に示すように、カラー用の一次転写ニップよりもK色の一次転写ニップを下方に位置させたものは、K色の感光体2Kに対して所定の一次転写ニップを形成すべく配設された一次転写ローラ19Kの図中最上点D1が、Y色の感光体2Yの図中最下点D2から大きく上方に位置しない。このため、Y色の感光体の最下点D2へ進入する転写ベルトの角度θ2(Y色感光体の最下点D2を通過する仮想線C3と、Y色の感光体の最下点D2とK色の一次転写ローラの最上点D1とを結んだ直線とがなす角度)が大きくなるのを抑制することができる。よって、Y色の感光体2Yの最下点D2を通過する仮想線C3と、Y色の感光体2Yの最下点D2とY色の一次転写ローラ19Yの最上点D3とを結んだ直線とがなす角度がθ2以上となるようにY色の一次転写ローラ19YをY色の一次転写ローラ19Yを感光体から離間する方向へ移動させれば、転写ベルトをY色の感光対から離間させることができる。その結果、少なくとも、一次転写ローラ19Yが移動量M2以上、Y色の一次転写ローラ19Yを感光体から離間する方向へ移動させれば、Y色の感光体2Yから転写ベルト16を離間させることができる。その結果、モノクロモード実行時に離間手段210の揺動量を、各感光体を平行に配置したときよりも少なくしても、転写ベルト16がY色感光体2Yから離間させることができる。よって、転写ベルト16の揺動量を少なくでき、転写ベルト周りのスペースを狭めることができ、レイアウトの自由度を高めたり、装置を小型化したりすることができる。
【0056】
転写ベルト16の両端部の周長差や張架ローラ(駆動ローラ19、対向ローラ22等)の平行度が低いと、ベルトの駆動によって、転写ベルト16の一端側が余り、ベルトの弾性で波打ちが生じる。カラーモード実行時においては、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cでベルトを張架することで、ベルトの弾性による波打ちが抑制される。しかし、モノクロモード実行時には、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cが転写ベルト16を張架しなくなるので、カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cによる波打ち抑制効果がなくなる。K色の感光体2Kよりもカラー用感光体2Y、M、Cがベルト移動方向上流側に配置されている場合、モノクロモード実行時に上記離間手段210で転写ベルト16をカラー用感光体2Y,M,Cから離間させると、転写ベルト16は、対向ローラ22からK色の感光体2Kまで張架されなくなる。よって、この対向ローラ22からK色の感光体2Kまでの領域でベルトが波打ってしまう。また、本実施形態においては、一次転写ローラ19を感光体2と当接せずにニップ幅を形成しているため、このような波打ちがあると、K色の転写ニップの幅やニップ圧を良好に維持することができなくなる。その結果、モノクロモード実行時に転写不良が生じてしまう。しかし、実施形態1の画像形成装置においては、K色の感光体2Kをカラー用感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向よりも上流側に配置している。これにより、モノクロモード実行時における、K色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域を、K色の感光体2Kをカラー用感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向よりも下流側に配置したものに比べて短くなる。このように、K色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域を短くすることができるので、ベルトの波打ちの影響を抑制することができ、K色の転写ニップの幅やニップ圧が変動するのを抑制することができる。
【0057】
転写ニップ圧を高めることで、上記波打ちによるニップ幅の変動やニップ圧の変動を抑制することができる。しかし、K色の感光体2Kをカラー用の感光体よりも下流に配置した場合は、カラーモードの場合、K色のトナー像を転写ベルト16に転写する際、転写ベルト上には、Y,M,Cのトナー像が重ね合わせられたカラートナー像が存在する。転写ベルト上のカラートナー像は、3色のトナー像が重ね合わさっているので、K色の転写ニップ圧がY,M,Cの転写ニップ圧よりも高いと、上記カラートナー像がK色の転写ニップで凝集して、K色の感光体2Kにくっついて中抜けが生じるおそれがあり、ニップ圧を高めることができない。
【0058】
一方、本実施形態1のように、K色の感光体2Kをカラー用の感光体2Y,M,Cよりも上流に配置したので、K色のトナー像を転写する際、転写ベルト上にカラートナー像が重ね合わされていない。よって、K色の転写圧を高めても、K色の転写ニップでカラートナー像の中抜けが生じることがないので、K色の転写ニップ圧を高めることができる。K色の転写ニップ圧を高めることができるので、上記波打ちによるK色の転写ニップのニップ幅の変動やニップ圧の変動をさらに抑制することができ、K色トナー像を良好に転写することができ、良好なモノクロ画像を得ることができる。一方、K色の転写ニップよりも転写ベルト移動方向下流側のY,M,C色の転写ニップは、転写ベルト上にトナーが重ね合わせられるため、転写ニップ圧をK色転写ニップよりも高くすると、転写ベルト上のトナー像が中抜けしてしまうおそれがある。このため、Y,M,C色の転写ニップのY転写圧は、K色の転写ニップの転写圧以下にする必要がある。
【0059】
よって、実施形態1の画像形成装置においては、K色感光体2Kと一次転写ローラ19Kとの軸芯間距離Lをカラー用の感光体2Y,M,Cと一次転写ローラ19Y,M,Cの軸芯間距離Lよりも近づける。また、K色の一次転写ローラ19Kの転写ベルト16の持ち上げ量をカラー用一次転写ローラ19Y,M,Cの転写ベルト16の持ち上げ量よりも多くしている。具体的には、図5、図6に示す、K色のカラー部材191Kの直径を9[mm]とし、カラー用のカラー部材191Y,M,Cの直径を10[mm]に設定した。また、K色の一次転写ローラ19Kによる転写ベルト16の持ち上げ量が1[mm]、Y,M,C色の一次転写ローラ19Y,M,Cによる転写ベルト16の持ち上げ量が0.5[mm]になるように、図6、図7に示すK色の突き当て部材101KおよびY,M,C色の突き当て部材101Y,M,Cの突出量を設定した。これにより、K色の転写ニップの転写圧をY,M,C色の転写ニップ圧よりも高くすることができる。
【0060】
また、K色の転写ニップが3[mm]以下、かつ、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、K色一次転写ローラを配置するのがこのましい。転写ニップが3[mm]を超えると、K色のトナー像が転写ニップで長期間加圧されることになる。その結果、K色のトナー像がK色の転写ニップで凝集して、K色の感光体2Kにくっついて中抜けが生じるおそれがある。また、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1[mm]未満だと、感光体の径のばらつきや転写ローラの径のばらつきによる、転写ニップ圧のばらつきが大きくなり、好ましくない。また、5[mm]を超えると、一次転写ローラによって転写ニップが3[mm]以下で所定の転写ニップを得ることができなくなり、良好な転写を行うことができなくなる。K色の転写ニップが3[mm]以下、かつ、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、K色一次転写ローラを配置することで、転写ニップ圧のばらつきが抑制され、所定のニップ圧を得ることができる。
【0061】
[実施形態2]
次に、実施形態2の画像形成装置について、説明する。実施形態2の画像形成装置の基本的な構成は、実施形態1の画像形成装置と同じなので、説明を省略し、実施形態2画像形成装置の特徴点のみを説明する。
図13は、実施形態2の画像形成装置の要部構成図である。図13(a)は、実施形態2の画像形成装置におけるフルカラーモードのときの様子を示す図であり、図13(b)は、モノクロモードのときの様子を示す図である。
図に示すように、実施形態2の画像形成装置は、K色の感光体2Kをカラー用感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に設けている。カラー用一次転写ローラ19Y,M,Cは、上述同様、安価な金属ローラを用い、式1の関係を満たすように、一次転写ローラ19Y,M,Cを感光体にベルトの下流側に配置し、ベルトを介して感光体に接触させずに転写ベルト16を感光体2Y,M,Cに巻き付けて、転写ニップ形成している。一方、K色の一次転写ローラ19Kは、スポンジローラを使用し、一次転写ローラ19の軸心と感光体1の軸心との距離Lが、
L<(A/2)+(B/2)+C・・・・(式2)
となるようにK色の一次転写ローラ19Kを配置する。すなわち、一次転写ローラ19Kを弾性変形させて、転写ベルト16を介してK色の感光体2Kに当接させるのである。このため、K色の転写ニップは、K色の一次転写ローラがベルトを介してK色の感光体に当接している領域が転写ニップとなる。このように、一次転写ローラ19Kをベルトを介して感光体2Kに当接させて転写ニップを形成することで、転写ベルト16を感光体2に巻き付けて転写ニップを形成するものに比べて、転写ベルト16の波打ちによるニップ幅の変動や転写圧の変動を抑えることができる。
【0062】
実施形態2の画像形成装置においては、K色の感光体2Kをカラーの感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に配置している。このため、モノクロモード実行時にカラー用一次転写ローラ19Y,M,Cが転写ベルト16から離間すると、K色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域が長くなる。よって、この無張架領域でベルトの波打ちが発生するが、K色の一次転写ローラ19Kでベルトを感光体に押し当てて転写ニップを形成しているので、上記のような波打ちが発生しても転写ニップ幅の変動や転写圧の変動を抑えることができる。これにより、モノクロモード実行時のK色のトナー像を転写ベルトに良好に転写することができ、転写不良を抑制することができる。また、K色の感光体をカラーの感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に配置するので、モノクロモード実行時のファーストプリントを実施形態1の画像形成装置よりも早くすることができる。
【0063】
[実施形態3]
次に、実施形態3の画像形成装置について、説明する。実施形態3の画像形成装置の基本的な構成は、実施形態1の画像形成装置と同じなので、説明を省略し、実施形態3の画像形成装置の特徴点のみを説明する。
図14は、実施形態3の画像形成装置の要部構成図である。図14(a)は、実施形態3の画像形成装置におけるフルカラーモードのときの様子を示す図であり、図14(b)は、モノクロモードのときの様子を示す図である。
図に示すように、実施形態2の画像形成装置は、K色の感光体2Kをカラー用感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に設けている。K色の一次転写ローラ19Kおよびカラー用一次転写ローラ19Y,M,Cは、それぞれ各感光体2K,Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に設けている。各一次転写ローラ19K,Y,M,Cは、安価な金属ローラを用い、上記式1の関係を満たすように、一次転写ローラ19を感光体2にベルトを介して接触させずに配置して、転写ベルト16を感光体2に巻き付けて、転写ニップ形成している。そして、実施形態3の画像形成装置においては、K色の感光体2Kと、K色の感光体2Kと隣り合って設けられ、K色の感光体2Kよりもベルト移動方向上流側に配置されたC色の感光体2Cとの間にローラ状の波打ち抑制部材61を設けている。この波打ち抑制部材61は、転写ベルト16を内側から張架している。図(b)に示す、モノクロモード実行時にカラー用の一次転写ローラ19Y,M,Cを転写ベルト16から離間させても、波打ち抑制部材61は、転写ベルト16から離間させずに転写ベルト16を張架する。これにより、モノクロモード実行時のK色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域を短くすることができ、K色の転写ニップのベルトの波打ちによって受ける影響を低減することができる。これにより、モノクロモード実行時のK色のトナー像を転写ベルト16に良好に転写することができ、転写不良を抑制することができる。また、K色の感光体をカラーの感光体2Y,M,Cよりも転写ベルト移動方向下流側に配置するので、モノクロモード実行時のファーストプリントを実施形態1の画像形成装置よりも早くすることができる。
【0064】
図15は、実施形態3の画像形成装置の第1変形例である。図15(a)は、第1変形例の画像形成装置のフルカラーモードのときの様子を示す図であり、図15(b)は、モノクロモードのときの様子を示す図である。
図に示す実施形態3の第1変形例は、K色の感光体2Kと隣り合って設けられ、K色の感光体2Kよりもベルト移動方向上流側に配置されたC色の感光体2Cのトナー像を転写するC色の一次転写ローラ19Cを、波打ち抑制部材としても用いたものである。よって、図(b)に示すように、モノクロモード実行時においては、C色の一次転写ローラ19Cよりもベルト移動方向上流側のM色とY色の一次転写ローラ19M,Yを転写ベルト16から離間させて、C色の一次転写ローラ19Cは、そのまま転写ベルト16を張架しつづける構成とする。これにより、モノクロモード実行時のK色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域をC色の一次転写ローラ19Cの位置までにすることができ、無張架領域を短くすることができる。また、C色の一次転写ローラ19Cを波打ち抑制部材としても用いることで部品点数を削減することができるメリットがある。
【0065】
図16は、実施形態3の画像形成装置の第2変形例である。図16(a)は、第2変形例の画像形成装置のフルカラーモードのときの様子を示す図であり、図16(b)は、モノクロモードのときの様子を示す図である。
図に示す第2変形例は、K色の一次転写ローラ19KをK色の感光体2Kよりもベルト移動方向上流側に配置して、K色の一次転写ローラ19Kを波打ち抑制部材としても用いたものである。よって、モノクロモード実行時のK色の感光体2Kからベルト移動方向上流側に延びるベルトの無張架領域をK色の一次転写ローラ19Kの位置までにすることができ、無張架領域を短くすることができる。また、K色の一次転写ローラ19Kを波打ち抑制部材としても用いることで部品点数を削減することができるメリットがある。
【0066】
(1)
以上、本実施形態1の画像形成装置によれば、単色モードたるモノクロモード実行時に用いる像担持体たるK色の感光体を、ベルト部材たる転写ベルトと最上流転写ニップを形成する感光体としている。よって、K色の感光体を、転写ベルトと最下流転写ニップを形成する感光体としたものに比べて、モノクロモード実行時の張架ローラからK色の感光体までの距離を短くすることができる。よって、モノクロモード時のK色の感光体と転写ベルトが形成する転写ニップからベルト移動方向上流側に延びる転写ベルトにテンションが付与されない領域を、K色の感光体を、転写ベルトと最下流転写ニップを形成する感光体としたものに比べて、短くすることができる。その結果、この領域間でベルトの波打ちが発生するのをK色の感光体を、転写ベルトと最下流転写ニップを形成する感光体としたものに比べて、抑制することができる。従って、モノクロモード実行時において、K色の感光体と一次転写ローラとで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、モノクロモード時の転写不良を抑制することができる。
(2)
また、実施形態3の画像形成装置によれば、モノクロモード時のK色の転写ニップからベルト移動方向上流側に延びる転写ベルトにテンションが付与されない領域を、波打ち抑制部材までにすることができる。よって、K色の転写ニップからベルト移動方向上流側に延びる転写ベルトにテンションが付与されない領域を短くすることができ、この領域間でベルトの波打ちが発生するのを抑制することができる。その結果、モノクロモード実行時において、K色の転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、モノクロモード時の転写不良を抑制することができる。
(3)
また、実施形態3の変形例1の画像形成装置によれば、上記波打ち抑制部材を、K色の感光体体と隣り合うC色の1次転写体としたので、部品点数を削減することができる。
(4)
また、実施形態3の変形例2の画像形成装置によれば、上記波打ち抑制部材を、K色の1次転写ローラとしたので、部品点数を削減することができる。
(5)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、K色の転写ニップが3[mm]以下、かつ、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、K色一次転写ローラを配置するのがこのましい。転写ニップが3[mm]を超えると、K色のトナー像が転写ニップで長期間加圧されることになる。その結果、K色のトナー像がK色の転写ニップで凝集して、K色の感光体2Kにくっついて中抜けが生じるおそれがある。また、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1[mm]未満だと、感光体の径のばらつきや転写ローラの径のばらつきによる、転写ニップ圧のばらつきが大きくなり、好ましくない。また、5[mm]を超えると、一次転写ローラによって転写ニップが3[mm]以下で所定の転写ニップを得ることができなくなり、良好な転写を行うことができなくなる。K色の転写ニップが3[mm]以下、かつ、K色の感光体からK色の一次転写ローらまでの転写ベルト16の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、K色一次転写ローラを配置することで、転写ニップ圧のばらつきが抑制され、所定のニップ圧を得ることができる。
(6)
また、実施形態1、3の画像形成装置によれば、K色の感光体の軸中心からK色の1次転写ローラの軸中心までの距離Lが、カラー用感光体の軸中心からカラー用1次転写ローラの軸中心までの距離Lよりも短くなるように構成している。これにより、カラー用一次転写ローラとK色一次転写ローラとが同じ径で、感光体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、K色の一次転写ローラの上下方向の位置が同じ場合、K色の一次転写ローラがK色の感光体に当接させる力(転写圧)がカラー用の転写圧よりも高くすることができる。K色の一次転写ローラによって、K色の感光体にベルトを強く押し付けることができ、K色の転写ニップがベルトの波打ちによる影響を受け難くすることができる。
(7)
また、実施形態1、3の画像形成装置によれば、感光体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、K色の一次転写ローラの位置が、カラー用一次転写ローラの位置よりも上方に位置するように構成している。よって、カラー用一次転写ローラとK色一次転写ローラとが同じ径で、感光体軸中心から一次転写ローラの軸中心までの距離Lが同じ場合、K色の一次転写ローラがK色の感光体に当接させる力(転写圧)がカラー用の転写圧よりも高くすることができる。K色の一次転写ローラによって、K色の感光体にベルトを強く押し付けることができ、K色の転写ニップがベルトの波打ちによる影響を受け難くすることができる。
(8)
また、実施形態1、3の画像形成装置によれば、一次転写ローラまたは感光体の少なくとも一方に、感光体軸中心から一次転写ローラの軸中心までの距離Lが、所定の距離となるように感光体または一次転写ローラに突き当たる第1突き当て部材たるカラー部材を設けている。これにより、感光体軸中心から一次転写ローラの軸中心までの距離Lが、所定の距離となるように一次転写ローラを位置決めすることができる。これにより、一次転写ローラを所定の位置に配置することができ、転写ニップを所定のニップ幅、所定の圧力にすることができる。
(9)
また、実施形態1、3の画像形成装置によれば、上記像担持体を保持するフレームたるプロセスユニットの枠体または一次転写ローラを支持する支持部材たる軸受部に突き当たる第2突き当て部材たる突き当て部材を設けている。この突き当て部材を枠体または軸受部に突き当てることで、感光体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、感光体に対する上下方向に一次転写ローラを位置決めすることができる。これにより、一次転写ローラを所定の位置に配置することができ、転写ニップを所定のニップ幅、所定の圧力にすることができる。
(10)
また、実施形態2の画像形成装置によれば、K色の感光体軸中心からK色の一次転写ローラの軸中心までの距離L2が、L2<(A/2)+(B/2)+CとなるようにK色の一次転写ローラを配置した。これにより、K色の転写ニップは、K色の一次転写ローラが転写ベルトを介してK色の感光体と当接した部分となる。これにより、K色の感光体とK色の一次転写ローラで形成する転写ニップは、一次転写ローラによってベルト部材裏面から転写ベルトを感光体へ押し付けることで形成される。よって、張架ローラからK色の感光体に至るまでの間でベルトの波打ちの影響が転写ニップに及ぶことがない。従って、モノクロモード実行時において、K色の感光体と一次転写ローラとで形成される転写ニップ幅や転写ニップ圧がベルトの波打ちによって変動することが抑制される。その結果、単色モード時の転写不良を抑制することができる。
(11)
また、実施形態2の画像形成装置によれば、K色の1次転写ローラとして、弾性層有する部材を用いることで、一次転写ローラを弾性変形させて、ベルトを介して感光体に当接させることができる。よって、転写ニップを所定のニップ幅、所定の圧力で当接させることができる。
(12)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、K色転写ニップの位置が、カラー用転写ニップの位置よりも転写ベルト部材側になるように構成している。よって、モノクロモード実行時にカラー用の一次転写ローラが転写ベルトから離間した際、K色の転写ニップから張架ローラまでの転写ベルトの位置が、K色の転写ニップをカラー用転写ニップと平行に配置したものに比べて、転写ベルト側に位置させることができる。このように、K色の転写ニップから張架ローラまでの転写ベルトの位置を転写ベルト側に位置させることができるので、僅かに張架ローラを揺動させるだけで、転写ベルトをカラー用感光体から離間させることができる。これにより、張架ローラの揺動スペースを削減することができ、装置の小型化や、装置のレイアウトの自由度を高めることができる。
【符号の説明】
【0067】
1Y,M,C,K:プロセスユニット
2Y,M,C,K:感光体
15:転写ユニット
16:転写ベルト
17:テンションローラ
18:駆動ローラ
19Y,M,C,K:一次転写ローラ
20:2次転写ローラ
34:定着装置
70:光書込ユニット
210:離間手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2003−216001号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、
該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、
L>(A/2)+(B/2)+C
となり、かつ、該一次転写体が対応する像担持体よりもベルト移動方向下流側となるように該一次転写体を配置し、
該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、該単色モード実行時に用いられる像担持体を、該ベルト部材と該最上流転写ニップを形成する像担持体としたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、
該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、
L>(A/2)+(B/2)+C
となるように該1次転写体を配置し、
該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、
該単色モード実行時に用いられる像担持体を、該ベルト部材と該最下流ニップを形成する像担持体とし、該単色モード実行時に用いられる像担持体と、該単色モード実行時に用いられる像担持体と隣合う像担持体との間に、該ベルト部材の裏面からベルト部材にテンションを付与して、ベルトの波打ちを抑制する波打ち抑制部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記波打ち抑制部材を、上記単色モード実行時に用いられる像担持体と隣合う像担持体に対応する1次転写体として用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2の画像形成装置において、
上記波打ち抑制部材を、上記単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体として用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
上記単色モード実行時に用いられる像担持体の転写ニップが3[mm]以下、かつ、該単色モード実行時に用いられる像担持体から該像担持体に対応する一次転写体までの上記ベルト部材の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、該該単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する一次転写体を配置したことを特徴する画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、
上記単色モード実行時に用いられる像担持体の軸中心から該像担持体に対応する1次転写体の軸中心までの距離Lが、他の像担持体の軸中心から該像担持体に対応する1次転写体の軸中心までの距離Lよりも短くなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、
上記像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、上記単色モード実行時に用いられる像担持体の軸中心から、該像担持体に対応する一次転写体の軸中心までの上下方向の距離が、他の像担持体の軸中心から、該像担持体に対応する一次転写体の軸中心までの上下方向の距離よりも短くなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、
上記一次転写体または上記像担持体の少なくとも一方に、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、所定の距離となるように該像担持体または該一次転写体に突き当たる第1突き当て部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、
上記像担持体を保持するフレームまたは上記一次転写体を支持する支持部材の少なくとも一方に、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、該一次転写体が対応する像担持体に対する一次転写体の上下方向の位置が所定の位置となるように、該フレームまたは該支持部材に突き当たる第2突き当て部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、
該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、
該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該単色モード実行時に用いられる像担持体以外の像担持体に対応する1次転写体を、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離L1が、
L1>(A/2)+(B/2)+C
となり、かつ、該一次転写体が対応する像担持体よりもベルト移動方向下流側となるように配置し、
該単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体を、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離L2が、
L2<(A/2)+(B/2)+C
となるように配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10の画像形成装置において、
上記単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体として、弾性層有する部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれかの画像形成装置において、
上記単色モード実行時に用いられる像担持体と上記ベルト部材とで形成する転写ニップの位置が、他の像担持体と該ベルト部材とで形成する転写ニップの位置よりもベルト部材側になるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、
該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、
L>(A/2)+(B/2)+C
となり、かつ、該一次転写体が対応する像担持体よりもベルト移動方向下流側となるように該一次転写体を配置し、
該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、該単色モード実行時に用いられる像担持体を、該ベルト部材と該最上流転写ニップを形成する像担持体としたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、
該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、
L>(A/2)+(B/2)+C
となるように該1次転写体を配置し、
該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、
該単色モード実行時に用いられる像担持体を、該ベルト部材と該最下流ニップを形成する像担持体とし、該単色モード実行時に用いられる像担持体と、該単色モード実行時に用いられる像担持体と隣合う像担持体との間に、該ベルト部材の裏面からベルト部材にテンションを付与して、ベルトの波打ちを抑制する波打ち抑制部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記波打ち抑制部材を、上記単色モード実行時に用いられる像担持体と隣合う像担持体に対応する1次転写体として用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2の画像形成装置において、
上記波打ち抑制部材を、上記単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体として用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
上記単色モード実行時に用いられる像担持体の転写ニップが3[mm]以下、かつ、該単色モード実行時に用いられる像担持体から該像担持体に対応する一次転写体までの上記ベルト部材の無張架領域の長さが1〜5[mm]となるように、該該単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する一次転写体を配置したことを特徴する画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、
上記単色モード実行時に用いられる像担持体の軸中心から該像担持体に対応する1次転写体の軸中心までの距離Lが、他の像担持体の軸中心から該像担持体に対応する1次転写体の軸中心までの距離Lよりも短くなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、
上記像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、上記単色モード実行時に用いられる像担持体の軸中心から、該像担持体に対応する一次転写体の軸中心までの上下方向の距離が、他の像担持体の軸中心から、該像担持体に対応する一次転写体の軸中心までの上下方向の距離よりも短くなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、
上記一次転写体または上記像担持体の少なくとも一方に、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離Lが、所定の距離となるように該像担持体または該一次転写体に突き当たる第1突き当て部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、
上記像担持体を保持するフレームまたは上記一次転写体を支持する支持部材の少なくとも一方に、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上における、該一次転写体が対応する像担持体に対する一次転写体の上下方向の位置が所定の位置となるように、該フレームまたは該支持部材に突き当たる第2突き当て部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
可視像を担持する複数の像担持体と、少なくとも2個以上の張架ローラに張架され、該張架ローラ間に各像担持体を順次接触させてそれぞれ転写ニップを形成するベルト部材と、各像担持体にそれぞれ個別に対応する位置で該ベルト部材の裏面に転写バイアスを印加する複数の一次転写体とを備え、該ベルト部材の表面を最上流転写ニップから最下流転写ニップに移動させる過程で各転写ニップにて像担持体上の可視像をベルト部材側に転写して重ね合わせ画像を形成する画像形成装置において、
該像担持体を全て用いて画像を形成するカラーモードと、一つの像担持体を除く他の全ての像担持体を該ベルト部材から相対的に離間させ、該一つの像担持体を用いて画像を形成する単色モードとを備え、
該像担持体の直径をA、該一次転写体の直径をB、該ベルト部材の厚みをCとしたとき、該単色モード実行時に用いられる像担持体以外の像担持体に対応する1次転写体を、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離L1が、
L1>(A/2)+(B/2)+C
となり、かつ、該一次転写体が対応する像担持体よりもベルト移動方向下流側となるように配置し、
該単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体を、該像担持体の軸方向に対して直交する仮想平面上において、該像担持体軸中心から該一次転写体の軸中心までの距離L2が、
L2<(A/2)+(B/2)+C
となるように配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10の画像形成装置において、
上記単色モード実行時に用いられる像担持体に対応する1次転写体として、弾性層有する部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれかの画像形成装置において、
上記単色モード実行時に用いられる像担持体と上記ベルト部材とで形成する転写ニップの位置が、他の像担持体と該ベルト部材とで形成する転写ニップの位置よりもベルト部材側になるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−108554(P2012−108554A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−45055(P2012−45055)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【分割の表示】特願2011−202745(P2011−202745)の分割
【原出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【分割の表示】特願2011−202745(P2011−202745)の分割
【原出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]