画像形成装置
【課題】現像部材を像担持体に対して離接させる離接機構を有する画像形成装置において、像担持体と現像部材との衝突音を低下しつつ、離接機構を駆動する駆動モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーの色に応じた複数の感光体ドラム1を有し、接触現像方式を採用する画像形成装置において、フルカラー画像形成時にのみ駆動されるイエロー、マゼンタ、シアンのトナーに対応するそれぞれの現像ローラ40の離接カム80と、ブラックのトナーに対応する現像ローラ40の離接カム80とを、一つの駆動源によって別々に駆動可能な駆動伝達機構を備えることを特徴とする。
【解決手段】トナーの色に応じた複数の感光体ドラム1を有し、接触現像方式を採用する画像形成装置において、フルカラー画像形成時にのみ駆動されるイエロー、マゼンタ、シアンのトナーに対応するそれぞれの現像ローラ40の離接カム80と、ブラックのトナーに対応する現像ローラ40の離接カム80とを、一つの駆動源によって別々に駆動可能な駆動伝達機構を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触現像方式を採用する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現像剤の色に対応する複数の画像形成部を設け、被転写材上に各画像形成部から画像を順次転写するインライン方式を採用するカラー画像形成装置が知られている。また、画像形成部において、現像剤を担持する現像部材を像担持体の表面に接触させた状態で、該表面に現像剤を供給する接触現像方式が知られている。このような画像形成装置では、現像部材と像担持体との当接状態が必要以上に続くと、現像部材と像担持体とが回転駆動し続けることで両者が摩耗し、現像部材と像担持体の寿命を縮めてしまうといった課題がある。そこで特許文献1には、ゼネバ機構を用い、各画像形成部に対応するゼネバ従車を間欠的に駆動させることで、像担持体に対する現像部材の当接、離間を制御する技術が開示されている。また、特許文献2には、カムを複数連結させた機構を用いて、像担持体に対する現像部材の当接、離間を制御する技術が開示されている。図17に、特許文献1におけるゼネバ源車(動節)1回転または、特許文献2における離接カムの1回転の動作に対する現像部材の離接状態を表している。これによると、それぞれの画像形成部における現像部材の当接、離間は、1/8周期ずつに細分化して間欠的に行われていることがわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−47424号公報
【特許文献2】特開2006−292868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来の技術には、次の課題がある。近年、画像形成装置の小型化や高生産性への要求が高まっており、小型化への要求に対しては、各画像形成部の配置間隔を短くするといった手法が採用され、また、高生産性への要求に対しては、プロセス速度を速くするといった手法が採用されている。しかしこれらの手法によると、短時間に被転写材が高速で搬送されてくることになるので、非常に速い速度で現像部材を像担持体に対して当接、離間させる必要がある。その結果、現像部材が像担持体に当接する際の衝突音が大きくなるといった課題がある。
【0005】
これに対して、現像部材が像担持体に当接する際の衝突音の低減を図る技術が知られている。図18に、かかる技術を採用した場合の現像部材の離接状態の状態遷移図(図18(a))、及び現像部材を離接させる駆動モータ軸に係る負荷トルク線図(図18(b))を示す。ただし、このとき駆動モータは等速回転による駆動を行っているものとする。
【0006】
図18(a)に示す技術では、特許文献1及び特許文献2に記載の発明のように間欠的に各画像形成部の現像部材の離接機構を駆動させるのではなく、離接機構を非間欠的にかつ連続的に動作させていることが特徴である。即ち、複数の画像形成部の離接機構の駆動開始タイミングをずらし、離接カム外周半径長の変局位相部位を複数の離接カムの軌跡とある程度オーバラップするよう位相差を設けて駆動させている。ただし、モノカラーモードは、一色目(イエロー)、二色目(マゼンタ)、三色目(シアン)の画像形成部が離間した状態で四色目(ブラック)の画像形成部が当接した状態で行うよう設定されている。
【0007】
このため、四色目の画像形成部における離接カム形状は、その他の画像形成部の離接カ
ム形状と異なった形状として、カム1周のプロファイルを異なったものにしている。この構成の場合、カムの外周半径長の変局位相における変動率を小さくしているので、特に現像部材が像担持体に当接する際の像担持体に対する現像部材の当接スピードを遅くすることが可能となる。よって、像担持体と現像部材との衝突音を低減することが可能になる。
【0008】
しかし、像担持体と現像部材との衝突音の低減を図った前述の技術には、次の課題がある。まず、図18(b)に示すように、それぞれの画像形成部で生じる負荷トルクのタイミングが重なり合い、現像部材を離接させる駆動モータの負荷トルク値T2(max)が非常
に大きな値になる。このため、駆動モータの大型化、それに伴うコストアップを生じてしまう。
【0009】
また、図19に、前述の従来例においてインライン方式で1枚のフルカラー画像形成を行った際、現像部材が像担持体に当接している時間と、作像に要する時間との配分を示す。ここに示すように、それぞれの画像形成部では、現像工程のタイミングより少し早く現像部材を像担持体に当接させなければならない。このため、現像部材が非画像領域に当接する時間が生じる。離間動作時も同様に、画像形成が終了したタイミングより遅れて現像部材が離間するため、非画像領域への当接時間が生じる。
【0010】
さらに四色目の画像形成部では、現像部材当接時の非画像領域への当接時間が、他の画像形成部と比べて長くなることがわかる。これは、図18(a)に示すように、モノカラーモードを設定すべく、四色目の画像形成部において現像部材が像担持体に当接している状態で、他の画像形成部の現像部材を離間状態にするように離接カムの位相を設定しているためである。さらに付言すると、駆動モータが離間動作をするために一定角速度で回転して駆動した際に、モノカラーモード設定に必要なカム位相差分だけ、四色目の現像部材の離間タイミングが遅くなる。
【0011】
即ち、等間隔に設定されている画像形成部間をインライン方式で画像形成および転写されるタイミングに対して、四色目の現像部材だけ遅れて離間することになり、遅れた離間タイミング時間分だけ不必要に像担持体と現像部材が当接してしまっている。特に1枚間欠等の少数プリントジョブを多数回行う場合は、四色目の像担持体だけ、他の画像形成部の像担持体ならびに現像部材に比べて顕著に寿命を低下させてしまう虞がある。
【0012】
そこで本発明は、現像部材を像担持体に対して離接させる離接機構を有する画像形成装置において、像担持体と現像部材との衝突音を低下しつつ、離接機構を駆動する駆動モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
被転写材の搬送方向に沿って配列される複数の像担持体と、前記像担持体に対して離接可能に構成されており、前記像担持体に当接して前記像担持体に形成された静電潜像をトナー像として現像する複数の現像部材と、それぞれの前記現像部材に対して設けられ、駆動されることで前記像担持体に対する前記現像部材の離接状態を切り換え可能な複数の離接機構と、一つの駆動源からそれぞれの前記離接機構に駆動力を伝達する駆動伝達機構と、を備え、前記複数の現像部材を前記複数の像担持体に対して当接させて画像形成を行う多色画像形成と、前記複数の現像部材のうちの一つの現像部材を前記像担持体に対して当接させて画像形成を行う単色画像形成と、を行うことが可能な画像形成装置において、前記駆動伝達機構は、前記多色画像形成を行うために複数の前記離接機構に駆動力を伝達し、前記複数の像担持体に対して前記複数の現像部材を順次当接させる状態と、前記単色画像形成を行うために一つの前記離接機構に駆動力を伝達し、前記像担持体に対して前記一つの現像部材を当接させる状態と、を切り換え可能に構成されていると共に、前記多色画
像形成を行う際は、それぞれの前記像担持体から被転写材にトナー像を順次転写するタイミングと同期するように、複数の前記離接機構のそれぞれに対して連続的に駆動力を伝達し、前記単色画像形成を行う際は、前記一つの離接機構にのみに駆動力を伝達するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現像部材を像担持体に対して離接させる離接機構を有する画像形成装置において、像担持体と現像部材との衝突音を低下しつつ、離接機構を駆動する駆動モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像形成装置を説明する概略断面図。
【図2】本発明の画像形成部であるプロセスカートリッジを説明する概略断面図。
【図3】本発明の現像部材の当接・離間機構の駆動構成を説明するための図。
【図4】本発明の駆動連結機構の概略構成を示す斜視図。
【図5】本発明の駆動連結機構の概略構成を示す側面図。
【図6】本発明の各印字モードにおける現像部材の当接・離間状態を説明するための図。
【図7】本発明の現像部材の当接・離間状態の遷移線図および負荷トルク線図。
【図8】本発明の現像離接装置を含む画像形成装置の制御回路構成を示すブロック線図。
【図9】本発明の現像離接装置におけるイニシャライズシーケンスの制御フロー。
【図10】本発明に現像離接装置における位相検知センサ信号出力と離接カムを示す図。
【図11】本発明の位相検知センサ信号出力と離接カムの状態を示す図。
【図12】本発明の位相検知センサ信号出力と離接カムの状態を示す図。
【図13】本発明の位相検知センサ信号出力と離接カムの状態を示す図。
【図14】本発明の位相検知センサ信号出力と離接カムの状態を示す図。
【図15】本発明の画像形成と現像離接装置の駆動シーケンスの制御フロー。
【図16】本発明の第2実施形態における当接・離間機構の概略構成図。
【図17】従来例の現像部材の当接・離間状態の遷移線図。
【図18】従来例の現像部材の当接・離間状態の遷移線図及び負荷トルク線図。
【図19】従来例の像担持体への現像部材の当接時間を比較するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
[1−1:画像形成装置の全体構成]
図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。図示するカラー画像形成装置は、トナーの色に対応した4つの画像形成部(以下、「画像形成ステーション」という)Pを備えている。即ち、一色目の画像形成ステーションP(1st)、二色目の画像形成ステーションP(2st)、三色目の画像形成ステーションP(3st)、及び、四色目の画像形成ステーションP(4st)を備えたインライン方式のカラー画像形成装置である。
【0017】
各画像形成ステーションPは、像担持体としてのドラム状の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備えている。これらの感光体ドラム1は、被転写材(記録媒体S)の搬送方向に沿って配列されている。それぞれの感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1上に静電潜像を形成する露光ユニット3(3a、3b、3c、3d)、静電潜像にト
ナーを付着させて現像像(トナー像)として顕像化する現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)、感光体ドラム1上のトナー像を被転写材に転写させる転写部材12(12a、12b、12c、12d)、転写後の感光体ドラム1表面に残ったトナーを除去するクリーニング部材6(6a、6b、6c、6d)等が配設されている。
【0018】
また、感光体ドラム1(1a〜1d)、帯電ローラ2(2a〜2d)、現像ユニット4(4a〜4d)及びクリーニング部材6(6a〜6d)は、プロセスカートリッジ7(7a〜7d)として一体的にカートリッジ化されている。また、プロセスカートリッジ7(7a〜7d)は、画像形成装置の装置本体100Aに着脱可能に構成されている。
【0019】
給送部16から給送された記録媒体Sは、レジストローラ対19を経て、静電搬送ベルト11へ搬送され、静電搬送ベルト11の移動に伴って各画像形成部へ順次到達する。その後、各画像形成ステーションPにより、各色トナー像が順次記録媒体Sへ転写されてカラー画像が記録媒体S上に記録された後、定着ユニット20でカラー画像が加熱定着されて排出ローラ対23によって記録媒体Sが積載部24へ排出される。以下、画像形成装置を構成する主な部材について、より詳しく説明する。
【0020】
(記録媒体を給送するための構成)
給送部16は、画像形成部に記録媒体Sを給送するものであり、複数枚の記録媒体Sが給送カセット17に収納されている。画像形成時には、給送ローラ18(半月ローラ)、レジストローラ対19が画像形成動作に応じて回転駆動され、給送カセット17内の記録媒体Sを一枚毎に分離給送する。その後、記録媒体Sの先端がレジストローラ対19に突き当たって一端停止し、ループを形成した後、静電搬送ベルト11の回転と画像書出し位置との同期をとって、記録媒体Sがレジストローラ対19によって静電搬送ベルト11へと給送されていく。
【0021】
(画像形成部の構成)
感光体ドラム1は、直径30mmのアルミシリンダの外周面に有機光導電体層(OPC感光体)を塗布したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材(図示せず)によって回転自在に支持されており、駆動モータ(図示せず)により、反時計方向(図2にて矢印X方向)に回転駆動される。
【0022】
帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)は導電性ローラであって、ここでは図2に示すような接触帯電方式のものを使用する。この帯電ローラ2を感光体ドラム1表面に当接させ、帯電電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面をトナーと同極性に一様に帯電させる。
【0023】
露光ユニット3(3a、3b、3c、3d)は、感光体ドラム1の略水平方向に配置されている。そして、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、スキャナモーター(不図示)によって回転されるポリゴンミラー9(9a、9b、9c、9d)に照射される。ポリゴンミラー9で反射した画像光は、結像レンズ10(10a、10b、10c、10d)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面に選択的に照射される。これによって、感光体ドラム1に、画像信号に応じた静電潜像を形成する。
【0024】
図2に示すように、現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)は、それぞれ、現像剤(トナー)を収納したトナー容器41(41a、41b、41c、41d)及び現像容器45(45a、45b、45c、45d)を有している。トナー容器41a、41b、41c、41dには、この順にそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが収納されている。また、各トナー容器41内には、感光体ドラム1と対向して、トナーを担持搬送する現像部材としての現像ローラ40が配置されている。
【0025】
トナー容器41内において、トナーはトナー搬送攪拌機構42によってトナー供給ローラ43へ送り込まれる。次いで、トナーは、トナー供給ローラ43、及び、現像ローラ40の外周に圧接された現像ブレード44によって、現像ローラ40の外周に塗布され、トナーに電荷が付与される。そして、現像ローラ40に現像電圧を印加することにより、感光体ドラム1に形成された静電潜像にトナーを供給し、トナー像を形成する。
【0026】
静電搬送ベルト11の内側には、4個の感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対向して静電搬送ベルト11に当接するローラ状の転写部材12a、12b、12c、12dが併設されている。これら転写部材12は、不図示の電源に接続されており、転写部材12に印加される電圧によって生じる電界の作用によって、感光体ドラム1上の負極性の各色トナー像が記録媒体S上に順次転写され、カラー画像が形成される。
【0027】
(記録媒体を搬送するための構成)
画像形成領域において記録媒体Sを搬送する静電搬送ベルト11は、駆動ローラ13と従動ローラ14a、14b、15の4本のローラで張架支持され、すべての感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対向し配設されている。この駆動ローラ13により、記録媒体Sは静電搬送ベルト11と共に転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像が転写される。また、静電搬送ベルト11の最上流位置には、静電搬送ベルト11とともに記録媒体Sを挟持し、且つ記録媒体Sを静電搬送ベルト11に吸着させる吸着ローラ22が配設されている。記録媒体Sの搬送に際しては、吸着ローラ22に電圧を印加することで、対向している接地されたローラ14aとの間に電界を形成し、静電搬送ベルト11及び記録媒体Sの間に誘電分極を発生させて両者に静電吸着力を生じさせるようにしている。
【0028】
(補助搬送構成)
静電搬送ベルト11で記録媒体Sを搬送する際、補助ローラ25によって記録媒体Sが静電搬送ベルト11から剥がれないようにしているが、この補助ローラ25は静電搬送ベルト11上の記録媒体Sを担持する側にある。また、後述するように静電搬送ベルト11を第2の位置へ移動させる移動手段としても機能するものである。
【0029】
具体的には、静電搬送ベルト11の表面側に従動回転可能な複数個の補助ローラ25が配設されており、この補助ローラ25がカム機構(図示せず)によって左右方向に一体的に移動可能に構成されている。そして、カラー画像形成を行う場合には、補助ローラ25が左方へ退避して静電搬送ベルト11から離間している。一方、モノクロ画像形成を行う場合には、カム機構が動作して補助ローラ25を右方へ移動させ、静電搬送ベルト11に当接するとともに、該ベルト11を押し込む。これにより、転写搬送ベルト11とブラックの感光体ドラム1dとを当接させたまま、転写搬送ベルト11が他の感光体ドラム1a、1b、1cから離間するようしている。
【0030】
(定着ユニットの構成)
定着ユニット20は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものであり、回転する加熱ローラ21aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ21bとからなる。即ち、感光体ドラム1上のトナー像が転写された記録媒体Sは、定着ユニット20を通過する際に定着ローラ対21a、21bで搬送されるとともに、定着ローラ対21a、21bによって熱及び圧力を与えられる。これによって、複数色のトナー像が記録媒体Sの表面に定着される。
【0031】
(画像形成動作)
上記構成の画像形成装置によって画像記録を行う場合の動作について説明する。まず、フルカラー(多色)画像形成を行う場合は、補助ローラ25を左方へ退避させておく。こ
の状態では、静電搬送ベルト11は4個の感光体ドラム1a、1b、1c、1dに当接している。そして、給送部16から給送された記録媒体Sが静電搬送ベルト11に吸着されて搬送される間に画像形成ステーションPで各色のトナー像が順次転写されてフルカラー画像が形成され、画像を定着ユニット20で定着した後に排出部24へ排出して画像形成を終了する。
【0032】
次に、黒印字(モノカラー印字)について説明する。ブラックの感光体ドラム1dのみによるモノカラー画像記録が選択されると、カム機構が駆動して補助ローラ25を右方へ移動させ、該ローラ25が静電搬送ベルト11を押し込むことで、ブラックの感光体ドラム1dを除く他の感光体ドラム1a、1b、1cから静電搬送ベルト11を離間させる。この状態でブラック感光体ドラム1dに形成したブラックトナー像を記録媒体Sに転写し、画像を定着ユニット20で定着した後に排出部24へ排出して画像形成を終了する。
【0033】
(プロセスカートリッジ)
図2を参照して、プロセスカートリッジ7(7a、7c、7d、7d)について説明する。図2は、トナーを収納したプロセスカートリッジ7の主断面である。なお、トナーの色に対応する4つのプロセスカートリッジ7は全て同一構成である。
【0034】
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1、帯電ローラ2及びクリーニング部材6を備えた第一枠体としての感光体ドラムユニット50、及び、第二枠体としての現像ユニット4に分かれている。現像ユニット4は、支持軸(支点)Poにて揺動可能に感光体ドラムユニット50に取り付けられており、ばね55の押圧力により、現像ローラ40は感光体ドラム1に当接している。
【0035】
感光体ドラムユニット50では、感光体ドラム1が軸受(図示せず)を介してクリーニング枠体51に回転自在に取り付けられている。感光体ドラム1の周辺には、帯電ローラ2、及びクリーニングブレード60が配置されている。さらにクリーニングブレード60によって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーは、トナー送り機構52によってクリーニング枠体後方に設けられた廃トナー室51aに順次送られる。そして、図示しない駆動モータの駆動力により、感光体ドラム1を画像形成動作に応じて図示X方向(反時計回り)に回転駆動させる。
【0036】
現像ユニット4は、図2に示すように、感光体ドラム1と接触して矢印Y方向に回転する現像部材としての現像ローラ40、現像ローラ40を有する現像容器(現像枠体)45、及びトナーが収納されているトナー容器41を有している。
【0037】
現像ローラ40は、回転自在に現像容器45に支持され、また現像ローラ40の周辺には、現像ローラ40と接触して矢印Z方向に回転するトナー供給ローラ43と現像剤規制部材としての現像ブレード44がそれぞれ配置されている。さらに、トナー容器41内には、収納されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラ43に搬送するためのトナー搬送攪拌機構42が設けられている。
【0038】
現像時、トナー搬送攪拌機構42によって、収納されたトナーがトナー供給ローラ43へ搬送されると、図中矢印方向に回転するトナー供給ローラ43が、そのトナーを図中矢印方向に回転する現像ローラ40との摺擦によって現像ローラ40に供給し、現像ローラ40上に担持させる。現像ローラ40上に担持されたトナーは、現像ローラ40の回転に伴い現像ブレード44まで至り、現像ブレード44がトナーを規制して所定のトナー薄層に形成する。規制されたトナーは、現像ローラ40の回転につれて、現像剤帯電手段としての帯電ローラ70へ至り、所望の帯電電荷量が付与される。
【0039】
さらに、現像ローラ40上のトナー薄層は、感光体ドラム1と現像ローラ40とが接触した現像部に搬送される。そして、現像部において、図示しない電源から現像ローラ40に印加した直流現像電圧により、感光体ドラム1の表面に形成されている静電潜像にトナーが付着して潜像が現像される。
【0040】
現像に寄与せずに現像ローラ40の表面に残留したトナーは、現像ローラ40の回転に伴い現像容器45内に戻され、トナー供給ローラ43との摺擦部で現像ローラ40から剥離、回収される。回収されたトナーは、トナー搬送攪拌機構42により残りのトナーと撹拌混合される。
【0041】
本実施形態のように、感光体ドラム1に対して現像ローラ40が当接して現像を行なう接触現像方式においては、感光体ドラム1を剛体とする一方で、現像ローラ40は弾性体を有するローラとすることが好ましい。この弾性体としては、ソリッドゴム単層やトナーへの帯電付与性を考慮してソリッドゴム層上に樹脂コーティングを施したもの等が用いられる。
【0042】
図1、図2に示すように、プロセスカートリッジ7の画像形成装置本体100Aへの装着は、プロセスカートリッジ7を矢印方向から、装置本体100Aに設けられたプロセスカートリッジガイド(図示せず)に沿って本体内部に挿入することで行われる。装置本体100Aにはガイド部材が設けられており、このガイド部材に沿ってプロセスカートリッジ7を挿入し装着部33に装着することで、プロセスカートリッジ7を所定位置に位置決めすることができる。また、本実施形態では、装置本体100Aの装着部33に装着されたプロセスカートリッジ7に隣接して、現像離接駆動8が配置されており、これにより、感光体ドラム1に対して現像ローラ40が当接・離間可能(離接可能)となる。
【0043】
[1−2:現像ローラ40の当接・離間機構および駆動動作]
次に、図1〜図6を参照して、現像離接駆動8(離接機構)について詳細に説明する。図3は、現像離接駆動8の概略断面図である。現像離接駆動8は、現像ローラ40の当接・離間切換え手段として、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの各色の現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)に設けられたボス46(46a、46b、46c、46d)の上下動作をするための離接カム80(80a、80b、80c、80d)を有している。
【0044】
各離接カム80のそれぞれの回転軸上の一端には、歯車94(94a、94b、94c、94d)が取り付けられており、歯車94は、ウォームホイール部と平歯車部とが一体に構成されており、ウォームホイール部がウォーム92(92a、92b、92c、92d)に噛合っている。また、平歯車部は、不図示の現像ローラ駆動列のクラッチ機構の駆動列に噛合っている。この現像ローラ駆動列のクラッチ機構は、現像当接・離間動作に連動して、現像ローラ40の駆動連結および連結解除をしている。
【0045】
ウォーム92は駆動伝達軸102(102a、102b)と一体的に回転する。駆動伝達軸102は、1st、2st、3stのカラー用離接カム80a、80b、80cに動力伝達するカラー用駆動伝軸102aと、4st離接カム80dに駆動伝達するモノカラー用駆動伝達軸102bに分割されている。分割配置された駆動伝達軸102(102a、102b)の間には、カラー用駆動伝達軸102aとモノカラー用駆動伝達軸102bに駆動力を伝達又は伝達解除する駆動連結機構120(駆動伝達機構)が設けられている。即ち、駆動連結機構120は、フルカラー画像形成とモノカラー(単色)画像形成を切り換え可能とするものである。駆動連結機構120に関しては後述で詳細を説明する。
【0046】
モノカラー用駆動伝達軸102bには、ウォームホイール91が一体的に取り付けられ
ており、ステッピングモータM80の回転軸に取り付けられたウォーム90がウォームホール91と噛合している。
【0047】
上記構成にて、装置本体100Aに設けられている一つの駆動源であるステッピングモータM80からウォームホイール91に駆動が伝達されると、離接機構を構成する離接カム80が回転し、この回転に伴い現像ユニット4のボス46が上下動する。これにより、現像ローラ40が感光体ドラム1に対して当接、離間する。つまり、離接カム80と係合してボス46が上下方向に移動することにより、現像ユニット4をバネ55の付勢力に抗して支点Po(図2)の周りに揺動させ、感光体ドラム1に対する現像ローラ40の当接、離間を行う。
【0048】
前述した駆動連結機構120について説明する。図4に駆動連結機構120の概略構成図を示し、図5に駆動連結機構120の側断面図(図3におけるW−W断面)を示す。
【0049】
図4に示すように、連結入力ギア106(第1ギア)は平歯ギアで構成され、モノカラー用駆動伝達軸102bの一端において一体的に回転可能に取り付けられている。また、連結入力ギア106に隣接した位置には、モノカラー用駆動伝達軸102bを中心に回動自在に取り付けられたスイングアーム105が設けられている。スイングアームの一端にはスイング軸110が設けられており、スイング軸110に軸支されてスイングギア108(駆動ギア)が設置されている。スイングギア108は、駆動源から回転駆動されるように構成されている。スイングアーム105が回動しても、スイングギア108と連結入力ギア106との噛合い状態は維持される。
【0050】
連結入力ギア106とスイングアーム105の間には、連結入力ギア106と一体的に回転する圧縮ばね104が配されており、この圧縮バネ104によってスイングアーム105は回動軸方向に押圧付勢されている。従って、スイングアーム105は圧縮ばね104の押圧力とそれによる摺動抵抗によって、モノカラー用駆動伝達軸102bと同じ回転方向へ回動する。またこのとき、軸支板エッジ101aもしくは軸支板エッジ101bにスイングアーム105の外形部が突き当たることで、スイングアーム105の回動角度が規制される。また、カラー用駆動伝達軸102aの一端部にも平歯ギアの連結出力ギア107(第2ギア)が一体的に回転可能な状態で取り付けられている。
【0051】
図5(a)は、ステッピングモータM80が図3におけるV方向(本実施形態では正回転とする)へ回転した場合の駆動連結機構120側面図である。また、図5(b)はステッピングモータM80が図3におけるV’方向(本実施形態では逆回転)へ回転した場合の駆動連結機構120側面図である。
【0052】
図示するように、前述したモノカラー用駆動伝達軸102bは、カラー用駆動伝達軸102aと少しずれた位置関係で配置されている。これによりスイングアーム105の回動位置(連結入力ギア106に対するスイングギア108の相対位置)に応じて、スイングギア108が連結出力ギア107と噛合う位置と噛合わない位置とが形成されている。
【0053】
図5(a)に示す状態では、ステッピングモータM80が正回転した際(ステッピングモータM80は両方向に回転可能である)、モノカラー用駆動伝達軸102bが図中U方向へ回転し、スイングアーム105は前述した軸支板エッジ101bへと突き当たるまで図中U方向へ回動する。この際、スイングギア108と連結出力ギア107が噛合った状態となり、スイングギア108は図中Q方向に回転する。これにより、カラー用駆動伝達軸102aへ駆動が伝達され、連結出力ギア107が図中J方向に回転することが可能になる。つまり、図5(a)の状態では、スイングギア108からモノカラー用駆動伝達軸102bとカラー用駆動伝達軸102aの両方に対して駆動力が伝達されていることにな
る。
【0054】
一方、図5(b)に示す状態では、ステッピングモータM80が逆回転した際、モノカラー用駆動伝達軸102bが図中U’方向へ回転し、スイングアーム105が軸支板エッジ101aへと突き当たるまで回動する。この際、スイングギア108と連結出力ギア107は噛合わない状態となり、よって、カラー用駆動伝達軸102aへ駆動が伝達されなくなる。つまり、図5(b)の状態では、スイングギア108からモノカラー用駆動伝達軸102bにのみ駆動力が伝達されていることになる。このように、スイングアーム105は、図中αの位相角度内で回動可能で、その回動位置に応じて連結出力ギア107との駆動連結および連結解除がなされている。
【0055】
ステッピングモータM80が正回転した場合は、モノカラー用駆動伝達軸102bは図中U方向に回転する。駆動連結機構120は、図5(a)のような連結状態となり、ウォーム92(92a、92b、92c、92d)に噛合っている歯車94(94a、94b、94c、94d)と歯車94と同軸一体な離接カム80(80a、80b、80c、80d)が図3中R方向に連続的に回転駆動する。逆にステッピングモータM80が逆回転する際は、モノカラー用駆動伝達軸102bは図中U’方向へ回転し、駆動連結機構120は図5(b)のような連結解除状態となる。従って、カラー用駆動伝達軸102aには駆動が伝わらず、歯車94dおよび離接カム80dのみが図中R’方向へ回転する。
【0056】
しかしながら、図5(b)の状態から図5(a)の状態へスイングアーム105が移動する際に回動角αを移動する回転時間だけ、モノカラー用駆動伝達軸102bに対してフルカラー用駆動伝達軸102aが回転し始めるタイミングが遅れてしまう。このことにより、ブラックの離接カム80dに対して、カラー用離接カム80a、80b、80cの位相差設定がずれてしまい、フルカラーモードにおいてフルカラーの画像形成のタイミングがずれる虞がある。
【0057】
そこで本実施形態では、図3に示すような位相検知手段s1、s2(第1離接状態検知部材、第2離接状態検知部材)を設け、これによって、4つの離接カム80の位相合わせ制御を行っている。即ち、位相検知手段s1、s2の検知結果に基づいて、記録媒体Sにトナー像を順次転写するタイミングと同期して複数の現像ローラ40が感光体ドラム1に当接するように、駆動源の駆動状態を制御する制御部を設けている。これによれば、離接カム80の間で位相ずれが生じることがないので、タイミングよく画像形成を行うことができる。なお、位相検知手段(s1、s2)、及び位相制御方法に関しては後述する。
【0058】
ここで、現像ローラ40の当接・離間を行う現像離接駆動8についてまとめると、現像離接駆動8によれば、図6に示すような3つの状態(下記(状態1)〜(状態3))をとることができる。
【0059】
(状態1)図6(a)に示すように、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの全色の離接カム80(80a、80b、80c、80d)の最大半径でボス46(46a、46b、46c、46d)と接し、全ての現像ローラ40(40a、40b、40c、40d)と感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)とが離間する待機状態。
(状態2)図6(b)に示すようにイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの全色の離接カム80(80a、80b、80c、80d)がボス46(46a、46b、46c、46d)と離間し、全ての現像ローラ40(40a、40b、40c、40d)と感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)とが当接するフルカラー状態。
(状態3)図6(c)に示すように、イエロー、シアン、マゼンダの3色の離接カム80(80a、80b、80c)が最大半径でボス46(46a、46b、46c)と接し、かつブラックの離接カム80dがボス46dと離間することで、ブラックの現像ローラ
40dのみが感光体ドラム1dと当接するモノカラー状態。
【0060】
図7に、フルカラーモード時の現像当接・離間の状態遷移図(図7(a))および現像離接駆動8のモータ軸に係る負荷トルク線図(図7(b))、モノカラーモード時の現像当接・離間の状態遷移図(図7(c))を示す。ただし、図7(b)の負荷トルク線図は駆動モータが一定角速度で正回転駆動を行っているものとする。
【0061】
図7(a)に示すように、各色の離接カム80(80a、80b、80c、80d)が共通したプロフィールを持ち、尚且つ、各色の離接カム80(80a、80b、80c、80d)の位相を一定角度ずらして配置されることで、次のように現像当接・離間動作が可能となる。
【0062】
つまり、図7(a)に示すようにフルカラーモードにおいては、イエロー画像形成ステーションP(1st)→シアン画像形成ステーションP(2st)→マゼンダ画像形成ステーションP(3st)→ブラック画像形成ステーションP(4st)の順に現像ローラ40が感光体ドラム1に当接し、現像動作を行う。そして、離接カム80の位相πの位置で停止し、フルカラー画像形成がなされる。さらに、現像動作終了時には、イエロー画像形成ステーションP(1st)→シアン画像形成ステーションP(2st)→マゼンダ画像形成ステーションP(3st)→ブラック画像形成ステーションP(4st)の順に、現像ローラ40が感光体ドラム1から離間していき、印字を終了する。
【0063】
また、図7(c)に示すように、モノカラーモードでは、駆動源をフルカラーモードと逆方向に回転することでブラック画像形成ステーションP(4st)のみの現像ローラ40dを感光体ドラム1dに当接させ、現像動作を行う。4stの離間カム80dは位相−3π/5の位置で停止し、モノカラー画像形成がなされる。さらに、現像動作終了後には、ステッピングモータM80を再度逆回転方向に回転することでブラックの現像ローラ40dを感光体ドラム1dから離間させ、印字を終了する。モノカラーモードでの現像離接動作においては、ステッピングモータ80を逆回転させており、駆動連結機構120の駆動連結が連結解除されているため、1st、2st、3stの現像ローラ40は離間状態のままである。
【0064】
また、特にフルカラーモードにおいては、従来例のカムプロファイルに比べて離接カム80の外周半径増減の位相角領域を増やした形に設定している。このことで、図7(b)に示すように、負荷トルクのピーク値T1(max)は、従来例のピーク値T2(max)に対して大幅に低い値となった。これは、本実施形態では前述した通り駆動源であるステッピングモータM80の回転方向を逆回転させることで4st離接カム80dだけ独立して回転できるよう構成したため、従来例で必要としていたモノカラーモードを形成する離接カムの位相角度を不要としたためである。これにより駆動源のモータを大型化、高出力化する必要はなく、小型で低コストなモータを選定することが可能となった。
【0065】
加えて、インライン方式のフルカラーモードで画像形成するタイミングと同期して現像当接・離間を動作させることが可能となった。特に従来ではブラックの離間タイミングが遅くなることにより、ブラックに対応する感光体ドラムへの当接時間が多くなっていたが、本実施形態では、それに伴う感光体ドラムの削れによる寿命の低下および現像ローラの寿命の低下を防ぐことが可能になる。
【0066】
同時に、現像ローラ40の当接時においても、従来と比べて現像ローラ40の当接速度をさらに遅くすることができる。すなわち、従来と同等の離接カム80の回転速度で現像ローラ40を感光体ドラム1へ当接させる場合、本実施形態では離接カム外周半径の変動位相角度が従来と比較して広がっているので、現像ローラ40の移動速度を遅くすること
ができる。これにより感光体ドラム1との当接衝撃音を更に小さくすることが可能となる。
【0067】
さらに本実施形態によれば、駆動源である回転式モータの正逆回転動作を利用し、比較的低コストでかつ簡易な構成で現像離接駆動の連結および連結解除動作を実現している。特にこの連結および連結解除動作を行うために別途駆動源のモータや、電磁クラッチ及びソレノイド等のアクチュエータを併用せずに各画像形成モードに応じた現像当接・離間動作を行うことが可能である。よって、画像形成装置の小型化、低コスト化を実現できる。
【0068】
また、本実施形態では、離接カム80の現像加圧力による先回りの防止も実現させている。一般的に、モータの正逆回転の回転方向切換えを用いて駆動の連結・解除を行う際に、フリーホイールであるワンウェイクラッチやラチェット等を用いる構成が見受けられる。一方、現像離間機構のように現像ローラの当接圧をばね等の押圧部材を用いる場合が多く、その押圧力をカム面で受ける構成が一般的である。
【0069】
本実施形態においても、現像ユニット4のばね55の付勢力を現像ユニットに付随のボス46部で離接カム80面と係合するよう構成している。この現像ユニットを離間状態から当接状態へ移動させる際、現像ユニット4のばね55の付勢力を受けながら離接カム80の外周半径は徐々に小さくなるようモータによって回転させている。しかしながら、このとき前述したように現像離接駆動8の駆動連結機構120にワンウェイクラッチ等のフリーホイールを用いてしまうと、モータで設定した離接カム80の回転速度より速い速度で離接カム80が先回りしてしまうという問題が生じてしまう。そこで本実施形態では、フルカラーモードでの現像離接駆動8の連結状態においては、負荷側からの逆負荷を受けた場合でも、駆動連結が外れることはなく、常に駆動源と連結が保たれているので、上述した離接カム80の先回りの問題を解決することができる。
【0070】
[1−3:位相検知制御について]
前述したように、本実施形態では、図3に示すような位相検知手段(s1、s2)を設け、これによって、4つの離接カム80の位相合わせ制御を行っている。以下、この位相検知制御について説明する。
【0071】
前述したように、図5(b)の状態から図5(a)の状態へスイングアーム105が移動する際に、回転角αを移動する回転角度だけ、モノカラー用駆動伝達軸102bに対してカラー用駆動伝達軸102aの回り始めるタイミングが遅れてしまう。何も制御せずにモータの正逆回転を画像形成のタイミングに合わせて行うと、ブラックの4st離接カム80dに対してカラー用離接カム80a、80b、80cの位相がずれてしまう。従って、インライン方式のフルカラーモードに対応する現像離間動作を行った場合に画像形成のタイミングがずれる虞がある。
【0072】
そこで本実施形態では、位相検知手段(s1、s2)を設けている。図3において、s1はカラー用離接カム80a、80b、80cの位相検知を行うカラー用位相検知センサであり、s2はモノカラー用離接カム80dの位相検知を行うモノカラー用位相検知センサである。イエローステーションの歯車94aにはリブ状の1st位相検知フラグ94a’が設けられており、カラー用位相検知センサs1によって位相検知している。同様に4stの歯車94dにも、4st位相検知フラグ94d’が設けられており、モノカラー用位相検知センサs2によって位相検知している。
【0073】
図8に、現像離接装置を含む画像形成装置の制御回路構成を示すブロック図を示す。また、図9に、位相検知によるイニシャライズシーケンスの制御フローを示す。
【0074】
図8に示すように制御回路は、制御部200内のCPU210(マイクロプロセッサ)を中心に構成されており、CPU210の入出力ポートには、各種負荷の駆動回路およびセンサ信号が接続されている。また、制御回路は電池によりバックアップされるRAM220と、制御シーケンスソフトが格納されている不図示のROMを備えている。
【0075】
画像イメージデータ211はCPU210へ送られ、それを受けてCPU210は画像形成開始するようメインモータM70やステッピングモータM80等へ駆動開始指令を出す。カラー用位相検知センサs1やモノカラー用位相検知センサs2の検出信号は、CPU210へ送られ、以下に示す位相検知制御の処理を行っている。
【0076】
[1−4:イニシャライズシーケンスの制御フローについて]
図9を参照して、前述した離接カム80の位相検知によるイニシャライズシーケンス制御について説明する。
【0077】
前述したように、本制御は、ステッピングモータM80の回転方向の切換えに伴う4st離接カム80dに対して、1st、2st、及び3stのカラー用離接カム80a、80b、80cの位相差設定がずれてしまうのを防止することが目的である。特に、製品出荷時や製品設置して画像形成装置の電源を立ち上げた際などに実施されている。
【0078】
まず図3に示す状態のように、1stの歯車94aの1st位相検知フラグ94a’と、4stの歯車94dの4st位相検知フラグ94d’とが、それぞれ位相検知センサに位相検知フラグの中央位相で停止している状態をホームポジション(以下HPと略す)とする。このHPの位相状態では、現像ローラ40(40a、40b、40c、40d)は全画像ステーションにおいてそれぞれの感光ドラム1に対して離間状態となる。
【0079】
このHPの位相状態を維持できるよう、以下の制御フローが行われている。なお、図10から図14は、各ステップにおける位相検知センサs1、s2の出力信号状態図および
、1stと4stにおける離接カムならびに検知フラグ、位相検知センサの位相状態を示した図である。
【0080】
まず図10に示すように、最初にステップ1としてステッピングモータM80を正回転させ、カラー用位相検知センサs1の信号がHigh(図中、Hと略す)からLow(図中、Lと略す)へ移行した後、t1秒経過した時点でステッピングモータM80を停止させる。このとき、t1秒で駆動を停止させるのは、HP位相である位相検知フラグの中央位相で停止させるためである。すなわち、位相検知フラグの端部を検知してから位相検知フラグの中央位相と推定される位相で駆動停止させるためである。このため、本実施形態のようにステッピングモータを採用している場合は、駆動入力パルス数等で制御しても良い。
【0081】
検知フラグ94a’、94d’の位相角度は設計値から2×θ1(rad)にしており、且つステッピングモータM80の回転角速度も一定値で駆動しているため、歯車94の角速度ω1(rad/s)より、t1は事前算出されている。なお、ステップ1でステッピングモータM80が停止した状態では、駆動連結機構120は、図5(a)の状態となっている。
【0082】
次にステップ2(図11参照)として、ステッピングモータM80を逆回転させ、モノカラー用位相検知センサs2の信号がHighからLowへ移行した後、t1秒経過した時点でステッピングモータM80を停止させる。このとき図11(b)のように1stの歯車94aと4stの歯車94dはHPの位相に設定され、駆動連結機構120は図5(b)の状態となっている。
【0083】
再びステップ3では、ステッピングモータM80を正回転させ、カラー用位相検知センサs1の信号がHighからLowへ移行した後、t1秒経過した時点でステッピングモータM80を停止させる。このステップ3では、駆動連結機構120が図5(b)の連結解除状態から図5(a)の連結状態になり、カラー用駆動伝達軸102aが回り始めるまでの時間Δtを検出している。検出されたΔtより、4st離接カム80dの位相ずれ量Δθ(rad)を算出できる。もしくは前述したようにΔt秒間入力していた駆動入力パルス数を検出してもよい。
【0084】
次にステップ4では、ステッピングモータM80を再度逆回転させ、2×Δt秒経過した後、ステッピングモータM80を停止させる。このとき駆動連結機構120は図5(b)の連結解除状態であるため、再度ステップ5にて連結状態にさせる。従って、ステップ5では、ステッピングモータM80を正転させ、Δt秒経過した後にステッピングモータM80を停止させている。これにより、すべての歯車94および離接カム80はHPの位相におり、且つ駆動連結機構120が図5(a)のような連結状態となる。
【0085】
即ち、ステップ1で1stの歯車94aおよび離接カム80aをHPの位相に設定し、ステップ2で4stの歯車94dおよび離接カム80dをHPの位相に設定し、且つ駆動連結機構120を連結解除状態にする。このことでステップ3にて駆動連結機構120が連結解除状態から連結状態となるまでのタイミングのずれ量(すなわち切換え時間)Δtを計測できる。計測した切換え時間Δtは、バックアップRAM220へ記憶する。そして、最終的に各歯車94および離接カム80をHPの位相へ戻して、駆動連結機構120を連結状態とするために、ステップ4で4st歯車94dおよび離接カム80dをHPの位相よりΔθだけ回しすぎた位相に配し、ステップ5で4st離接カム80dだけHPの位相に戻しつつ、駆動連結機構120を連結状態とさせている。これにより、モノカラーモードからフルカラーモードへの切換える際に生じる切換え時間Δtを計測した上で画像形成を開始する準備を整えることができる。
【0086】
[1−5:画像形成シーケンスの説明]
図7(a)、及び図15のフローチャートを用いて、画像形成シーケンスについて説明する。
【0087】
まず、装置本体100Aの電源をONにする(ステップ6)と、現像離接駆動8が前述のイニシャライズシーケンス(ステップ1〜ステップ5)を実施する(ステップ7)。この操作により、電源立上げ時に駆動連結機構120の切換え時間Δtを毎回計測し、バックアップRAM220へ書き換えを行う。
【0088】
この動作は、駆動連結機構120の経時的変化に追従させる為に行っている。例えば揺動するスイングアーム105の摺動抵抗が経時変化した場合など、切換え時間Δtは変動してしまう。このため、4st離接カム80dとカラー離接カム80aの位相ずれを生じてしまう虞れがある。したがってこれによる位相ずれを防止する為に電源ONされた際のイニシャライズシーケンスで随時補正するようにしている。
【0089】
次に、画像イメージデータを入力するまで待機する(ステップ8)。ここで画像イメージデータを入力(ステップ9)した際、入力した画像イメージデータがフルカラーモードであるか、モノカラーモードであるか判定する(ステップ10)。フルカラーモードである場合は、フルカラー画像形成がスタートする(ステップ11)。CPU210は画像形成信号を受けると、現像離接駆動8のステッピングモータM80を正回転させる(ステップ12)。カラー用位相検知センサs1の信号から、離接カム80がHP位相から半周(θ=π(rad))回転したことを判定(ステップ13)すると、ステッピングモータM
80を停止させる(ステップ14)。
【0090】
ここでθ(rad)は離接カム80および歯車94の位相角度であり、HP位相でθ=0(=2π)とする。このとき図7(a)に示すように、それぞれの離接カム80の角度がθ=0からθ=πへと変化し、各画像形成ステーションの現像ローラ4dが順次当接状態になり、順次現像工程がなされる。画像形成の作像終了信号を受けると(ステップ15)、その信号タイミングと同期して再びステッピングモータM80を正回転させ(ステップ16)、HP位相(=2π(rad))まで回転させ(ステップ17)、停止させる(ステップ18)。この場合も、図7(a)に示すように、それぞれの離接カム80の角度がθ=πからθ=2πへと変化し、各画像形成ステーションの現像ローラ40を順次離間状態とさせ、順次現像工程を終了する。電源がOFFにならなければ(ステップ19)、再び画像イメージデータを待ち受ける状態(ステップ8)となる。
【0091】
前述のステップ10にて、モノカラーモードであった場合について説明する。モノカラーモードである場合は、まずモノカラーの画像形成をスタートする(ステップ20)。この際、画像形成信号と同期して現像離接駆動8のステッピングモータM80を逆回転させる(ステップ21)。モノカラー用位相検知センサs2の信号から4st離接カム80dがHP位相から逆回転方向にθ=−3π/5(rad)まで回転したことを判定(ステップ22)すると、ステッピングモータM80を停止させる(ステップ23)。このとき図7(a)に示すようブラック画像形成ステーションの現像ローラ40dは当接状態となるが、ステッピングモータM80が逆回転しているためカラー画像形成ステーションの離接カム80a、80b、80cは駆動連結解除状態であるため現像ローラ40a、40b、40cは離間状態のままである。
【0092】
画像形成の作像終了信号を受けると(ステップ24)、再びステッピングモータM80を逆回転を開始し(ステップ25)、HP位相(θ=−2π)よりΔθ(rad)位相分多い角度(θ=−2π−Δθ(rad))まで回転させ(ステップ26)、停止させる(ステップ27)。再びステッピングモータM80を正転させ(ステップ28)、ブラック離接カム80dの位相角がθ=−2π(=0)(rad)まで到達したところ(ステップ29)でステッピングモータM80を停止させる(ステップ30)。
【0093】
ステップ21からステップ27までの処理では、駆動連結機構120が連結解除状態で駆動している。このため、次の画像形成がフルカラーモードである場合に、そのままステッピングモータM80を正回転させて現像当接・離間動作を行うとスイングアーム105が回動して駆動連結するまでの位相ずれ量Δθ(rad)だけ4st離接カム80dの位相がずれてしまう。このため、ステップ26からステップ30までの処理では、ステップ26で4st離接カム80dをHP位相よりΔθ(rad)だけ多く逆回転させておき、ステップ29で余分に回転させた4st離接カム80dのみΔθ(rad)角度位相だけ正回転させ、HP位相に戻す操作を行っている。
【0094】
このとき、カラー離接カム80a、80b、80cは駆動連結がなされないので、HP位相の位置を保っている。このため、再びすべての画像形成ステーションの離接カム位相がHP位相にて一致する状態となる。同様に、ステップ19で本体電源がOFF状態にならなければ、ステップ8の画像イメージデータの入力待機状態となる。本体電源がOFF状態となれば(ステップ31)、終了となる。
【0095】
本実施形態では、上記ステップ21から27において、ステッピングモータM80を逆転駆動する際、ステップ12からステップ18においてステッピングモータM80を正回転駆動させる回転速度に比べて速い速度で駆動させている。一般的にステッピングモータなどの駆動モータにおいては回転速度を速めると駆動出力トルクが低下してしまう。複数
の画像形成ステーションの現像離接機構を駆動させる場合は、重複する離接カム外周半径の変動により負荷トルクが大きく、駆動モータを高い回転数を設定できないといった課題がある。
【0096】
しかしながら、駆動連結機構120によって駆動連結解除状態である駆動モータの逆転回転に対してはブラックの画像形成ステーションの現像離接機構の負荷トルクだけ受けるため、駆動モータの回転速度を速い速度に設定する事が可能である。このため、モノカラーモードにおける最速プリントアウト時間を短縮することが可能になる。言い換えると、モノカラー画像形成を行う際における接離機構の駆動速度が、フルカラー画像形成を行う際における接離機構の駆動速度よりも速くなるようにステッピングモータM80が制御されている。このように本実施形態では、前述したステップによって、スイングアーム105が回動するときに夫々の離接カム80のタイミングがずれないように制御している。
【0097】
以上、本実施形態によれば、現像部材を像担持体に対して離接させる離接機構を有する画像形成装置において、像担持体と現像部材との衝突音を低下しつつ、離接機構を駆動する駆動モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能になる。
【0098】
<第2実施形態>
[2−1:駆動連結機構の構成]
図16を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について説明するが、第1実施形態とは駆動連結機構の構成のみが異なるので、ここでは駆動連結機構についてのみ説明する。
【0099】
図16は、本実施形態における現像離接駆動140を示すものである。現像離接駆動140のカラー用駆動伝達軸102aとモノカラー用駆動伝達軸102bは、第1実施形態と同様に、同軸上において分割されている。
【0100】
カラー用駆動伝達軸102aとモノカラー用駆動伝達軸102bの間には駆動連結手段となる電磁クラッチ130が設けられている。電磁クラッチ130の固定子部131は、回転止めが本体フレームの一部と係合している(不図示)。また、固定子部131の内周には、回転自在なロータ(不図示)が保持されており、ロータはモノカラー用駆動伝達軸102bと一体的に回転する。一方、カラー用駆動伝達軸102aに対しては、アーマチェア132が一体的に取り付けられている。
【0101】
電磁クラッチ130に電流を流すと、固定子部131内部のロータとアーマチェア132が吸着する。これにより、モノカラー用駆動伝達軸102bとカラー用駆動伝達軸102aとが駆動連結する。
【0102】
このように本実施形態では、電磁クラッチ130により駆動の連結動作および連結解除動作を行っているため、瞬時に駆動連結操作を行うことが可能である。第1実施形態のような回動式のスイングアームの連結方式では、2つの回動位置に移動させる時間に遅れが生じ、ブラックの画像形成ステーションの離接カムとカラー画像形成ステーションの離接カムの位相ずれが生じてしまっていた。このためそれぞれの離接カムの位相検知を行い、位相合わせ制御を図ってきた。しかしながら、本実施形態では、駆動連結および駆動連結解除に要するタイミングずれを殆んど生じない為、第1実施形態のような位相あわせ制御を行う必要がない。よって、画像形成装置の構成をより簡易化、小型化することができる。
【0103】
以上より、本実施形態によれば、現像部材を像担持体に対して離接させる離接機構を有する画像形成装置において、像担持体と現像部材との衝突音を低下しつつ、離接機構を駆
動する駆動モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能になる。
【符号の説明】
【0104】
102a…カラー用駆動伝達軸 102b…モノクロ用駆動伝達軸 108…スイングギア 120…駆動連結機構 M80…ステッピングモータ P…画像形成ステーション
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触現像方式を採用する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現像剤の色に対応する複数の画像形成部を設け、被転写材上に各画像形成部から画像を順次転写するインライン方式を採用するカラー画像形成装置が知られている。また、画像形成部において、現像剤を担持する現像部材を像担持体の表面に接触させた状態で、該表面に現像剤を供給する接触現像方式が知られている。このような画像形成装置では、現像部材と像担持体との当接状態が必要以上に続くと、現像部材と像担持体とが回転駆動し続けることで両者が摩耗し、現像部材と像担持体の寿命を縮めてしまうといった課題がある。そこで特許文献1には、ゼネバ機構を用い、各画像形成部に対応するゼネバ従車を間欠的に駆動させることで、像担持体に対する現像部材の当接、離間を制御する技術が開示されている。また、特許文献2には、カムを複数連結させた機構を用いて、像担持体に対する現像部材の当接、離間を制御する技術が開示されている。図17に、特許文献1におけるゼネバ源車(動節)1回転または、特許文献2における離接カムの1回転の動作に対する現像部材の離接状態を表している。これによると、それぞれの画像形成部における現像部材の当接、離間は、1/8周期ずつに細分化して間欠的に行われていることがわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−47424号公報
【特許文献2】特開2006−292868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来の技術には、次の課題がある。近年、画像形成装置の小型化や高生産性への要求が高まっており、小型化への要求に対しては、各画像形成部の配置間隔を短くするといった手法が採用され、また、高生産性への要求に対しては、プロセス速度を速くするといった手法が採用されている。しかしこれらの手法によると、短時間に被転写材が高速で搬送されてくることになるので、非常に速い速度で現像部材を像担持体に対して当接、離間させる必要がある。その結果、現像部材が像担持体に当接する際の衝突音が大きくなるといった課題がある。
【0005】
これに対して、現像部材が像担持体に当接する際の衝突音の低減を図る技術が知られている。図18に、かかる技術を採用した場合の現像部材の離接状態の状態遷移図(図18(a))、及び現像部材を離接させる駆動モータ軸に係る負荷トルク線図(図18(b))を示す。ただし、このとき駆動モータは等速回転による駆動を行っているものとする。
【0006】
図18(a)に示す技術では、特許文献1及び特許文献2に記載の発明のように間欠的に各画像形成部の現像部材の離接機構を駆動させるのではなく、離接機構を非間欠的にかつ連続的に動作させていることが特徴である。即ち、複数の画像形成部の離接機構の駆動開始タイミングをずらし、離接カム外周半径長の変局位相部位を複数の離接カムの軌跡とある程度オーバラップするよう位相差を設けて駆動させている。ただし、モノカラーモードは、一色目(イエロー)、二色目(マゼンタ)、三色目(シアン)の画像形成部が離間した状態で四色目(ブラック)の画像形成部が当接した状態で行うよう設定されている。
【0007】
このため、四色目の画像形成部における離接カム形状は、その他の画像形成部の離接カ
ム形状と異なった形状として、カム1周のプロファイルを異なったものにしている。この構成の場合、カムの外周半径長の変局位相における変動率を小さくしているので、特に現像部材が像担持体に当接する際の像担持体に対する現像部材の当接スピードを遅くすることが可能となる。よって、像担持体と現像部材との衝突音を低減することが可能になる。
【0008】
しかし、像担持体と現像部材との衝突音の低減を図った前述の技術には、次の課題がある。まず、図18(b)に示すように、それぞれの画像形成部で生じる負荷トルクのタイミングが重なり合い、現像部材を離接させる駆動モータの負荷トルク値T2(max)が非常
に大きな値になる。このため、駆動モータの大型化、それに伴うコストアップを生じてしまう。
【0009】
また、図19に、前述の従来例においてインライン方式で1枚のフルカラー画像形成を行った際、現像部材が像担持体に当接している時間と、作像に要する時間との配分を示す。ここに示すように、それぞれの画像形成部では、現像工程のタイミングより少し早く現像部材を像担持体に当接させなければならない。このため、現像部材が非画像領域に当接する時間が生じる。離間動作時も同様に、画像形成が終了したタイミングより遅れて現像部材が離間するため、非画像領域への当接時間が生じる。
【0010】
さらに四色目の画像形成部では、現像部材当接時の非画像領域への当接時間が、他の画像形成部と比べて長くなることがわかる。これは、図18(a)に示すように、モノカラーモードを設定すべく、四色目の画像形成部において現像部材が像担持体に当接している状態で、他の画像形成部の現像部材を離間状態にするように離接カムの位相を設定しているためである。さらに付言すると、駆動モータが離間動作をするために一定角速度で回転して駆動した際に、モノカラーモード設定に必要なカム位相差分だけ、四色目の現像部材の離間タイミングが遅くなる。
【0011】
即ち、等間隔に設定されている画像形成部間をインライン方式で画像形成および転写されるタイミングに対して、四色目の現像部材だけ遅れて離間することになり、遅れた離間タイミング時間分だけ不必要に像担持体と現像部材が当接してしまっている。特に1枚間欠等の少数プリントジョブを多数回行う場合は、四色目の像担持体だけ、他の画像形成部の像担持体ならびに現像部材に比べて顕著に寿命を低下させてしまう虞がある。
【0012】
そこで本発明は、現像部材を像担持体に対して離接させる離接機構を有する画像形成装置において、像担持体と現像部材との衝突音を低下しつつ、離接機構を駆動する駆動モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
被転写材の搬送方向に沿って配列される複数の像担持体と、前記像担持体に対して離接可能に構成されており、前記像担持体に当接して前記像担持体に形成された静電潜像をトナー像として現像する複数の現像部材と、それぞれの前記現像部材に対して設けられ、駆動されることで前記像担持体に対する前記現像部材の離接状態を切り換え可能な複数の離接機構と、一つの駆動源からそれぞれの前記離接機構に駆動力を伝達する駆動伝達機構と、を備え、前記複数の現像部材を前記複数の像担持体に対して当接させて画像形成を行う多色画像形成と、前記複数の現像部材のうちの一つの現像部材を前記像担持体に対して当接させて画像形成を行う単色画像形成と、を行うことが可能な画像形成装置において、前記駆動伝達機構は、前記多色画像形成を行うために複数の前記離接機構に駆動力を伝達し、前記複数の像担持体に対して前記複数の現像部材を順次当接させる状態と、前記単色画像形成を行うために一つの前記離接機構に駆動力を伝達し、前記像担持体に対して前記一つの現像部材を当接させる状態と、を切り換え可能に構成されていると共に、前記多色画
像形成を行う際は、それぞれの前記像担持体から被転写材にトナー像を順次転写するタイミングと同期するように、複数の前記離接機構のそれぞれに対して連続的に駆動力を伝達し、前記単色画像形成を行う際は、前記一つの離接機構にのみに駆動力を伝達するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現像部材を像担持体に対して離接させる離接機構を有する画像形成装置において、像担持体と現像部材との衝突音を低下しつつ、離接機構を駆動する駆動モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像形成装置を説明する概略断面図。
【図2】本発明の画像形成部であるプロセスカートリッジを説明する概略断面図。
【図3】本発明の現像部材の当接・離間機構の駆動構成を説明するための図。
【図4】本発明の駆動連結機構の概略構成を示す斜視図。
【図5】本発明の駆動連結機構の概略構成を示す側面図。
【図6】本発明の各印字モードにおける現像部材の当接・離間状態を説明するための図。
【図7】本発明の現像部材の当接・離間状態の遷移線図および負荷トルク線図。
【図8】本発明の現像離接装置を含む画像形成装置の制御回路構成を示すブロック線図。
【図9】本発明の現像離接装置におけるイニシャライズシーケンスの制御フロー。
【図10】本発明に現像離接装置における位相検知センサ信号出力と離接カムを示す図。
【図11】本発明の位相検知センサ信号出力と離接カムの状態を示す図。
【図12】本発明の位相検知センサ信号出力と離接カムの状態を示す図。
【図13】本発明の位相検知センサ信号出力と離接カムの状態を示す図。
【図14】本発明の位相検知センサ信号出力と離接カムの状態を示す図。
【図15】本発明の画像形成と現像離接装置の駆動シーケンスの制御フロー。
【図16】本発明の第2実施形態における当接・離間機構の概略構成図。
【図17】従来例の現像部材の当接・離間状態の遷移線図。
【図18】従来例の現像部材の当接・離間状態の遷移線図及び負荷トルク線図。
【図19】従来例の像担持体への現像部材の当接時間を比較するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
[1−1:画像形成装置の全体構成]
図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。図示するカラー画像形成装置は、トナーの色に対応した4つの画像形成部(以下、「画像形成ステーション」という)Pを備えている。即ち、一色目の画像形成ステーションP(1st)、二色目の画像形成ステーションP(2st)、三色目の画像形成ステーションP(3st)、及び、四色目の画像形成ステーションP(4st)を備えたインライン方式のカラー画像形成装置である。
【0017】
各画像形成ステーションPは、像担持体としてのドラム状の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備えている。これらの感光体ドラム1は、被転写材(記録媒体S)の搬送方向に沿って配列されている。それぞれの感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1上に静電潜像を形成する露光ユニット3(3a、3b、3c、3d)、静電潜像にト
ナーを付着させて現像像(トナー像)として顕像化する現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)、感光体ドラム1上のトナー像を被転写材に転写させる転写部材12(12a、12b、12c、12d)、転写後の感光体ドラム1表面に残ったトナーを除去するクリーニング部材6(6a、6b、6c、6d)等が配設されている。
【0018】
また、感光体ドラム1(1a〜1d)、帯電ローラ2(2a〜2d)、現像ユニット4(4a〜4d)及びクリーニング部材6(6a〜6d)は、プロセスカートリッジ7(7a〜7d)として一体的にカートリッジ化されている。また、プロセスカートリッジ7(7a〜7d)は、画像形成装置の装置本体100Aに着脱可能に構成されている。
【0019】
給送部16から給送された記録媒体Sは、レジストローラ対19を経て、静電搬送ベルト11へ搬送され、静電搬送ベルト11の移動に伴って各画像形成部へ順次到達する。その後、各画像形成ステーションPにより、各色トナー像が順次記録媒体Sへ転写されてカラー画像が記録媒体S上に記録された後、定着ユニット20でカラー画像が加熱定着されて排出ローラ対23によって記録媒体Sが積載部24へ排出される。以下、画像形成装置を構成する主な部材について、より詳しく説明する。
【0020】
(記録媒体を給送するための構成)
給送部16は、画像形成部に記録媒体Sを給送するものであり、複数枚の記録媒体Sが給送カセット17に収納されている。画像形成時には、給送ローラ18(半月ローラ)、レジストローラ対19が画像形成動作に応じて回転駆動され、給送カセット17内の記録媒体Sを一枚毎に分離給送する。その後、記録媒体Sの先端がレジストローラ対19に突き当たって一端停止し、ループを形成した後、静電搬送ベルト11の回転と画像書出し位置との同期をとって、記録媒体Sがレジストローラ対19によって静電搬送ベルト11へと給送されていく。
【0021】
(画像形成部の構成)
感光体ドラム1は、直径30mmのアルミシリンダの外周面に有機光導電体層(OPC感光体)を塗布したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材(図示せず)によって回転自在に支持されており、駆動モータ(図示せず)により、反時計方向(図2にて矢印X方向)に回転駆動される。
【0022】
帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)は導電性ローラであって、ここでは図2に示すような接触帯電方式のものを使用する。この帯電ローラ2を感光体ドラム1表面に当接させ、帯電電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面をトナーと同極性に一様に帯電させる。
【0023】
露光ユニット3(3a、3b、3c、3d)は、感光体ドラム1の略水平方向に配置されている。そして、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、スキャナモーター(不図示)によって回転されるポリゴンミラー9(9a、9b、9c、9d)に照射される。ポリゴンミラー9で反射した画像光は、結像レンズ10(10a、10b、10c、10d)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面に選択的に照射される。これによって、感光体ドラム1に、画像信号に応じた静電潜像を形成する。
【0024】
図2に示すように、現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)は、それぞれ、現像剤(トナー)を収納したトナー容器41(41a、41b、41c、41d)及び現像容器45(45a、45b、45c、45d)を有している。トナー容器41a、41b、41c、41dには、この順にそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが収納されている。また、各トナー容器41内には、感光体ドラム1と対向して、トナーを担持搬送する現像部材としての現像ローラ40が配置されている。
【0025】
トナー容器41内において、トナーはトナー搬送攪拌機構42によってトナー供給ローラ43へ送り込まれる。次いで、トナーは、トナー供給ローラ43、及び、現像ローラ40の外周に圧接された現像ブレード44によって、現像ローラ40の外周に塗布され、トナーに電荷が付与される。そして、現像ローラ40に現像電圧を印加することにより、感光体ドラム1に形成された静電潜像にトナーを供給し、トナー像を形成する。
【0026】
静電搬送ベルト11の内側には、4個の感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対向して静電搬送ベルト11に当接するローラ状の転写部材12a、12b、12c、12dが併設されている。これら転写部材12は、不図示の電源に接続されており、転写部材12に印加される電圧によって生じる電界の作用によって、感光体ドラム1上の負極性の各色トナー像が記録媒体S上に順次転写され、カラー画像が形成される。
【0027】
(記録媒体を搬送するための構成)
画像形成領域において記録媒体Sを搬送する静電搬送ベルト11は、駆動ローラ13と従動ローラ14a、14b、15の4本のローラで張架支持され、すべての感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対向し配設されている。この駆動ローラ13により、記録媒体Sは静電搬送ベルト11と共に転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像が転写される。また、静電搬送ベルト11の最上流位置には、静電搬送ベルト11とともに記録媒体Sを挟持し、且つ記録媒体Sを静電搬送ベルト11に吸着させる吸着ローラ22が配設されている。記録媒体Sの搬送に際しては、吸着ローラ22に電圧を印加することで、対向している接地されたローラ14aとの間に電界を形成し、静電搬送ベルト11及び記録媒体Sの間に誘電分極を発生させて両者に静電吸着力を生じさせるようにしている。
【0028】
(補助搬送構成)
静電搬送ベルト11で記録媒体Sを搬送する際、補助ローラ25によって記録媒体Sが静電搬送ベルト11から剥がれないようにしているが、この補助ローラ25は静電搬送ベルト11上の記録媒体Sを担持する側にある。また、後述するように静電搬送ベルト11を第2の位置へ移動させる移動手段としても機能するものである。
【0029】
具体的には、静電搬送ベルト11の表面側に従動回転可能な複数個の補助ローラ25が配設されており、この補助ローラ25がカム機構(図示せず)によって左右方向に一体的に移動可能に構成されている。そして、カラー画像形成を行う場合には、補助ローラ25が左方へ退避して静電搬送ベルト11から離間している。一方、モノクロ画像形成を行う場合には、カム機構が動作して補助ローラ25を右方へ移動させ、静電搬送ベルト11に当接するとともに、該ベルト11を押し込む。これにより、転写搬送ベルト11とブラックの感光体ドラム1dとを当接させたまま、転写搬送ベルト11が他の感光体ドラム1a、1b、1cから離間するようしている。
【0030】
(定着ユニットの構成)
定着ユニット20は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものであり、回転する加熱ローラ21aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ21bとからなる。即ち、感光体ドラム1上のトナー像が転写された記録媒体Sは、定着ユニット20を通過する際に定着ローラ対21a、21bで搬送されるとともに、定着ローラ対21a、21bによって熱及び圧力を与えられる。これによって、複数色のトナー像が記録媒体Sの表面に定着される。
【0031】
(画像形成動作)
上記構成の画像形成装置によって画像記録を行う場合の動作について説明する。まず、フルカラー(多色)画像形成を行う場合は、補助ローラ25を左方へ退避させておく。こ
の状態では、静電搬送ベルト11は4個の感光体ドラム1a、1b、1c、1dに当接している。そして、給送部16から給送された記録媒体Sが静電搬送ベルト11に吸着されて搬送される間に画像形成ステーションPで各色のトナー像が順次転写されてフルカラー画像が形成され、画像を定着ユニット20で定着した後に排出部24へ排出して画像形成を終了する。
【0032】
次に、黒印字(モノカラー印字)について説明する。ブラックの感光体ドラム1dのみによるモノカラー画像記録が選択されると、カム機構が駆動して補助ローラ25を右方へ移動させ、該ローラ25が静電搬送ベルト11を押し込むことで、ブラックの感光体ドラム1dを除く他の感光体ドラム1a、1b、1cから静電搬送ベルト11を離間させる。この状態でブラック感光体ドラム1dに形成したブラックトナー像を記録媒体Sに転写し、画像を定着ユニット20で定着した後に排出部24へ排出して画像形成を終了する。
【0033】
(プロセスカートリッジ)
図2を参照して、プロセスカートリッジ7(7a、7c、7d、7d)について説明する。図2は、トナーを収納したプロセスカートリッジ7の主断面である。なお、トナーの色に対応する4つのプロセスカートリッジ7は全て同一構成である。
【0034】
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1、帯電ローラ2及びクリーニング部材6を備えた第一枠体としての感光体ドラムユニット50、及び、第二枠体としての現像ユニット4に分かれている。現像ユニット4は、支持軸(支点)Poにて揺動可能に感光体ドラムユニット50に取り付けられており、ばね55の押圧力により、現像ローラ40は感光体ドラム1に当接している。
【0035】
感光体ドラムユニット50では、感光体ドラム1が軸受(図示せず)を介してクリーニング枠体51に回転自在に取り付けられている。感光体ドラム1の周辺には、帯電ローラ2、及びクリーニングブレード60が配置されている。さらにクリーニングブレード60によって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーは、トナー送り機構52によってクリーニング枠体後方に設けられた廃トナー室51aに順次送られる。そして、図示しない駆動モータの駆動力により、感光体ドラム1を画像形成動作に応じて図示X方向(反時計回り)に回転駆動させる。
【0036】
現像ユニット4は、図2に示すように、感光体ドラム1と接触して矢印Y方向に回転する現像部材としての現像ローラ40、現像ローラ40を有する現像容器(現像枠体)45、及びトナーが収納されているトナー容器41を有している。
【0037】
現像ローラ40は、回転自在に現像容器45に支持され、また現像ローラ40の周辺には、現像ローラ40と接触して矢印Z方向に回転するトナー供給ローラ43と現像剤規制部材としての現像ブレード44がそれぞれ配置されている。さらに、トナー容器41内には、収納されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラ43に搬送するためのトナー搬送攪拌機構42が設けられている。
【0038】
現像時、トナー搬送攪拌機構42によって、収納されたトナーがトナー供給ローラ43へ搬送されると、図中矢印方向に回転するトナー供給ローラ43が、そのトナーを図中矢印方向に回転する現像ローラ40との摺擦によって現像ローラ40に供給し、現像ローラ40上に担持させる。現像ローラ40上に担持されたトナーは、現像ローラ40の回転に伴い現像ブレード44まで至り、現像ブレード44がトナーを規制して所定のトナー薄層に形成する。規制されたトナーは、現像ローラ40の回転につれて、現像剤帯電手段としての帯電ローラ70へ至り、所望の帯電電荷量が付与される。
【0039】
さらに、現像ローラ40上のトナー薄層は、感光体ドラム1と現像ローラ40とが接触した現像部に搬送される。そして、現像部において、図示しない電源から現像ローラ40に印加した直流現像電圧により、感光体ドラム1の表面に形成されている静電潜像にトナーが付着して潜像が現像される。
【0040】
現像に寄与せずに現像ローラ40の表面に残留したトナーは、現像ローラ40の回転に伴い現像容器45内に戻され、トナー供給ローラ43との摺擦部で現像ローラ40から剥離、回収される。回収されたトナーは、トナー搬送攪拌機構42により残りのトナーと撹拌混合される。
【0041】
本実施形態のように、感光体ドラム1に対して現像ローラ40が当接して現像を行なう接触現像方式においては、感光体ドラム1を剛体とする一方で、現像ローラ40は弾性体を有するローラとすることが好ましい。この弾性体としては、ソリッドゴム単層やトナーへの帯電付与性を考慮してソリッドゴム層上に樹脂コーティングを施したもの等が用いられる。
【0042】
図1、図2に示すように、プロセスカートリッジ7の画像形成装置本体100Aへの装着は、プロセスカートリッジ7を矢印方向から、装置本体100Aに設けられたプロセスカートリッジガイド(図示せず)に沿って本体内部に挿入することで行われる。装置本体100Aにはガイド部材が設けられており、このガイド部材に沿ってプロセスカートリッジ7を挿入し装着部33に装着することで、プロセスカートリッジ7を所定位置に位置決めすることができる。また、本実施形態では、装置本体100Aの装着部33に装着されたプロセスカートリッジ7に隣接して、現像離接駆動8が配置されており、これにより、感光体ドラム1に対して現像ローラ40が当接・離間可能(離接可能)となる。
【0043】
[1−2:現像ローラ40の当接・離間機構および駆動動作]
次に、図1〜図6を参照して、現像離接駆動8(離接機構)について詳細に説明する。図3は、現像離接駆動8の概略断面図である。現像離接駆動8は、現像ローラ40の当接・離間切換え手段として、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの各色の現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)に設けられたボス46(46a、46b、46c、46d)の上下動作をするための離接カム80(80a、80b、80c、80d)を有している。
【0044】
各離接カム80のそれぞれの回転軸上の一端には、歯車94(94a、94b、94c、94d)が取り付けられており、歯車94は、ウォームホイール部と平歯車部とが一体に構成されており、ウォームホイール部がウォーム92(92a、92b、92c、92d)に噛合っている。また、平歯車部は、不図示の現像ローラ駆動列のクラッチ機構の駆動列に噛合っている。この現像ローラ駆動列のクラッチ機構は、現像当接・離間動作に連動して、現像ローラ40の駆動連結および連結解除をしている。
【0045】
ウォーム92は駆動伝達軸102(102a、102b)と一体的に回転する。駆動伝達軸102は、1st、2st、3stのカラー用離接カム80a、80b、80cに動力伝達するカラー用駆動伝軸102aと、4st離接カム80dに駆動伝達するモノカラー用駆動伝達軸102bに分割されている。分割配置された駆動伝達軸102(102a、102b)の間には、カラー用駆動伝達軸102aとモノカラー用駆動伝達軸102bに駆動力を伝達又は伝達解除する駆動連結機構120(駆動伝達機構)が設けられている。即ち、駆動連結機構120は、フルカラー画像形成とモノカラー(単色)画像形成を切り換え可能とするものである。駆動連結機構120に関しては後述で詳細を説明する。
【0046】
モノカラー用駆動伝達軸102bには、ウォームホイール91が一体的に取り付けられ
ており、ステッピングモータM80の回転軸に取り付けられたウォーム90がウォームホール91と噛合している。
【0047】
上記構成にて、装置本体100Aに設けられている一つの駆動源であるステッピングモータM80からウォームホイール91に駆動が伝達されると、離接機構を構成する離接カム80が回転し、この回転に伴い現像ユニット4のボス46が上下動する。これにより、現像ローラ40が感光体ドラム1に対して当接、離間する。つまり、離接カム80と係合してボス46が上下方向に移動することにより、現像ユニット4をバネ55の付勢力に抗して支点Po(図2)の周りに揺動させ、感光体ドラム1に対する現像ローラ40の当接、離間を行う。
【0048】
前述した駆動連結機構120について説明する。図4に駆動連結機構120の概略構成図を示し、図5に駆動連結機構120の側断面図(図3におけるW−W断面)を示す。
【0049】
図4に示すように、連結入力ギア106(第1ギア)は平歯ギアで構成され、モノカラー用駆動伝達軸102bの一端において一体的に回転可能に取り付けられている。また、連結入力ギア106に隣接した位置には、モノカラー用駆動伝達軸102bを中心に回動自在に取り付けられたスイングアーム105が設けられている。スイングアームの一端にはスイング軸110が設けられており、スイング軸110に軸支されてスイングギア108(駆動ギア)が設置されている。スイングギア108は、駆動源から回転駆動されるように構成されている。スイングアーム105が回動しても、スイングギア108と連結入力ギア106との噛合い状態は維持される。
【0050】
連結入力ギア106とスイングアーム105の間には、連結入力ギア106と一体的に回転する圧縮ばね104が配されており、この圧縮バネ104によってスイングアーム105は回動軸方向に押圧付勢されている。従って、スイングアーム105は圧縮ばね104の押圧力とそれによる摺動抵抗によって、モノカラー用駆動伝達軸102bと同じ回転方向へ回動する。またこのとき、軸支板エッジ101aもしくは軸支板エッジ101bにスイングアーム105の外形部が突き当たることで、スイングアーム105の回動角度が規制される。また、カラー用駆動伝達軸102aの一端部にも平歯ギアの連結出力ギア107(第2ギア)が一体的に回転可能な状態で取り付けられている。
【0051】
図5(a)は、ステッピングモータM80が図3におけるV方向(本実施形態では正回転とする)へ回転した場合の駆動連結機構120側面図である。また、図5(b)はステッピングモータM80が図3におけるV’方向(本実施形態では逆回転)へ回転した場合の駆動連結機構120側面図である。
【0052】
図示するように、前述したモノカラー用駆動伝達軸102bは、カラー用駆動伝達軸102aと少しずれた位置関係で配置されている。これによりスイングアーム105の回動位置(連結入力ギア106に対するスイングギア108の相対位置)に応じて、スイングギア108が連結出力ギア107と噛合う位置と噛合わない位置とが形成されている。
【0053】
図5(a)に示す状態では、ステッピングモータM80が正回転した際(ステッピングモータM80は両方向に回転可能である)、モノカラー用駆動伝達軸102bが図中U方向へ回転し、スイングアーム105は前述した軸支板エッジ101bへと突き当たるまで図中U方向へ回動する。この際、スイングギア108と連結出力ギア107が噛合った状態となり、スイングギア108は図中Q方向に回転する。これにより、カラー用駆動伝達軸102aへ駆動が伝達され、連結出力ギア107が図中J方向に回転することが可能になる。つまり、図5(a)の状態では、スイングギア108からモノカラー用駆動伝達軸102bとカラー用駆動伝達軸102aの両方に対して駆動力が伝達されていることにな
る。
【0054】
一方、図5(b)に示す状態では、ステッピングモータM80が逆回転した際、モノカラー用駆動伝達軸102bが図中U’方向へ回転し、スイングアーム105が軸支板エッジ101aへと突き当たるまで回動する。この際、スイングギア108と連結出力ギア107は噛合わない状態となり、よって、カラー用駆動伝達軸102aへ駆動が伝達されなくなる。つまり、図5(b)の状態では、スイングギア108からモノカラー用駆動伝達軸102bにのみ駆動力が伝達されていることになる。このように、スイングアーム105は、図中αの位相角度内で回動可能で、その回動位置に応じて連結出力ギア107との駆動連結および連結解除がなされている。
【0055】
ステッピングモータM80が正回転した場合は、モノカラー用駆動伝達軸102bは図中U方向に回転する。駆動連結機構120は、図5(a)のような連結状態となり、ウォーム92(92a、92b、92c、92d)に噛合っている歯車94(94a、94b、94c、94d)と歯車94と同軸一体な離接カム80(80a、80b、80c、80d)が図3中R方向に連続的に回転駆動する。逆にステッピングモータM80が逆回転する際は、モノカラー用駆動伝達軸102bは図中U’方向へ回転し、駆動連結機構120は図5(b)のような連結解除状態となる。従って、カラー用駆動伝達軸102aには駆動が伝わらず、歯車94dおよび離接カム80dのみが図中R’方向へ回転する。
【0056】
しかしながら、図5(b)の状態から図5(a)の状態へスイングアーム105が移動する際に回動角αを移動する回転時間だけ、モノカラー用駆動伝達軸102bに対してフルカラー用駆動伝達軸102aが回転し始めるタイミングが遅れてしまう。このことにより、ブラックの離接カム80dに対して、カラー用離接カム80a、80b、80cの位相差設定がずれてしまい、フルカラーモードにおいてフルカラーの画像形成のタイミングがずれる虞がある。
【0057】
そこで本実施形態では、図3に示すような位相検知手段s1、s2(第1離接状態検知部材、第2離接状態検知部材)を設け、これによって、4つの離接カム80の位相合わせ制御を行っている。即ち、位相検知手段s1、s2の検知結果に基づいて、記録媒体Sにトナー像を順次転写するタイミングと同期して複数の現像ローラ40が感光体ドラム1に当接するように、駆動源の駆動状態を制御する制御部を設けている。これによれば、離接カム80の間で位相ずれが生じることがないので、タイミングよく画像形成を行うことができる。なお、位相検知手段(s1、s2)、及び位相制御方法に関しては後述する。
【0058】
ここで、現像ローラ40の当接・離間を行う現像離接駆動8についてまとめると、現像離接駆動8によれば、図6に示すような3つの状態(下記(状態1)〜(状態3))をとることができる。
【0059】
(状態1)図6(a)に示すように、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの全色の離接カム80(80a、80b、80c、80d)の最大半径でボス46(46a、46b、46c、46d)と接し、全ての現像ローラ40(40a、40b、40c、40d)と感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)とが離間する待機状態。
(状態2)図6(b)に示すようにイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの全色の離接カム80(80a、80b、80c、80d)がボス46(46a、46b、46c、46d)と離間し、全ての現像ローラ40(40a、40b、40c、40d)と感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)とが当接するフルカラー状態。
(状態3)図6(c)に示すように、イエロー、シアン、マゼンダの3色の離接カム80(80a、80b、80c)が最大半径でボス46(46a、46b、46c)と接し、かつブラックの離接カム80dがボス46dと離間することで、ブラックの現像ローラ
40dのみが感光体ドラム1dと当接するモノカラー状態。
【0060】
図7に、フルカラーモード時の現像当接・離間の状態遷移図(図7(a))および現像離接駆動8のモータ軸に係る負荷トルク線図(図7(b))、モノカラーモード時の現像当接・離間の状態遷移図(図7(c))を示す。ただし、図7(b)の負荷トルク線図は駆動モータが一定角速度で正回転駆動を行っているものとする。
【0061】
図7(a)に示すように、各色の離接カム80(80a、80b、80c、80d)が共通したプロフィールを持ち、尚且つ、各色の離接カム80(80a、80b、80c、80d)の位相を一定角度ずらして配置されることで、次のように現像当接・離間動作が可能となる。
【0062】
つまり、図7(a)に示すようにフルカラーモードにおいては、イエロー画像形成ステーションP(1st)→シアン画像形成ステーションP(2st)→マゼンダ画像形成ステーションP(3st)→ブラック画像形成ステーションP(4st)の順に現像ローラ40が感光体ドラム1に当接し、現像動作を行う。そして、離接カム80の位相πの位置で停止し、フルカラー画像形成がなされる。さらに、現像動作終了時には、イエロー画像形成ステーションP(1st)→シアン画像形成ステーションP(2st)→マゼンダ画像形成ステーションP(3st)→ブラック画像形成ステーションP(4st)の順に、現像ローラ40が感光体ドラム1から離間していき、印字を終了する。
【0063】
また、図7(c)に示すように、モノカラーモードでは、駆動源をフルカラーモードと逆方向に回転することでブラック画像形成ステーションP(4st)のみの現像ローラ40dを感光体ドラム1dに当接させ、現像動作を行う。4stの離間カム80dは位相−3π/5の位置で停止し、モノカラー画像形成がなされる。さらに、現像動作終了後には、ステッピングモータM80を再度逆回転方向に回転することでブラックの現像ローラ40dを感光体ドラム1dから離間させ、印字を終了する。モノカラーモードでの現像離接動作においては、ステッピングモータ80を逆回転させており、駆動連結機構120の駆動連結が連結解除されているため、1st、2st、3stの現像ローラ40は離間状態のままである。
【0064】
また、特にフルカラーモードにおいては、従来例のカムプロファイルに比べて離接カム80の外周半径増減の位相角領域を増やした形に設定している。このことで、図7(b)に示すように、負荷トルクのピーク値T1(max)は、従来例のピーク値T2(max)に対して大幅に低い値となった。これは、本実施形態では前述した通り駆動源であるステッピングモータM80の回転方向を逆回転させることで4st離接カム80dだけ独立して回転できるよう構成したため、従来例で必要としていたモノカラーモードを形成する離接カムの位相角度を不要としたためである。これにより駆動源のモータを大型化、高出力化する必要はなく、小型で低コストなモータを選定することが可能となった。
【0065】
加えて、インライン方式のフルカラーモードで画像形成するタイミングと同期して現像当接・離間を動作させることが可能となった。特に従来ではブラックの離間タイミングが遅くなることにより、ブラックに対応する感光体ドラムへの当接時間が多くなっていたが、本実施形態では、それに伴う感光体ドラムの削れによる寿命の低下および現像ローラの寿命の低下を防ぐことが可能になる。
【0066】
同時に、現像ローラ40の当接時においても、従来と比べて現像ローラ40の当接速度をさらに遅くすることができる。すなわち、従来と同等の離接カム80の回転速度で現像ローラ40を感光体ドラム1へ当接させる場合、本実施形態では離接カム外周半径の変動位相角度が従来と比較して広がっているので、現像ローラ40の移動速度を遅くすること
ができる。これにより感光体ドラム1との当接衝撃音を更に小さくすることが可能となる。
【0067】
さらに本実施形態によれば、駆動源である回転式モータの正逆回転動作を利用し、比較的低コストでかつ簡易な構成で現像離接駆動の連結および連結解除動作を実現している。特にこの連結および連結解除動作を行うために別途駆動源のモータや、電磁クラッチ及びソレノイド等のアクチュエータを併用せずに各画像形成モードに応じた現像当接・離間動作を行うことが可能である。よって、画像形成装置の小型化、低コスト化を実現できる。
【0068】
また、本実施形態では、離接カム80の現像加圧力による先回りの防止も実現させている。一般的に、モータの正逆回転の回転方向切換えを用いて駆動の連結・解除を行う際に、フリーホイールであるワンウェイクラッチやラチェット等を用いる構成が見受けられる。一方、現像離間機構のように現像ローラの当接圧をばね等の押圧部材を用いる場合が多く、その押圧力をカム面で受ける構成が一般的である。
【0069】
本実施形態においても、現像ユニット4のばね55の付勢力を現像ユニットに付随のボス46部で離接カム80面と係合するよう構成している。この現像ユニットを離間状態から当接状態へ移動させる際、現像ユニット4のばね55の付勢力を受けながら離接カム80の外周半径は徐々に小さくなるようモータによって回転させている。しかしながら、このとき前述したように現像離接駆動8の駆動連結機構120にワンウェイクラッチ等のフリーホイールを用いてしまうと、モータで設定した離接カム80の回転速度より速い速度で離接カム80が先回りしてしまうという問題が生じてしまう。そこで本実施形態では、フルカラーモードでの現像離接駆動8の連結状態においては、負荷側からの逆負荷を受けた場合でも、駆動連結が外れることはなく、常に駆動源と連結が保たれているので、上述した離接カム80の先回りの問題を解決することができる。
【0070】
[1−3:位相検知制御について]
前述したように、本実施形態では、図3に示すような位相検知手段(s1、s2)を設け、これによって、4つの離接カム80の位相合わせ制御を行っている。以下、この位相検知制御について説明する。
【0071】
前述したように、図5(b)の状態から図5(a)の状態へスイングアーム105が移動する際に、回転角αを移動する回転角度だけ、モノカラー用駆動伝達軸102bに対してカラー用駆動伝達軸102aの回り始めるタイミングが遅れてしまう。何も制御せずにモータの正逆回転を画像形成のタイミングに合わせて行うと、ブラックの4st離接カム80dに対してカラー用離接カム80a、80b、80cの位相がずれてしまう。従って、インライン方式のフルカラーモードに対応する現像離間動作を行った場合に画像形成のタイミングがずれる虞がある。
【0072】
そこで本実施形態では、位相検知手段(s1、s2)を設けている。図3において、s1はカラー用離接カム80a、80b、80cの位相検知を行うカラー用位相検知センサであり、s2はモノカラー用離接カム80dの位相検知を行うモノカラー用位相検知センサである。イエローステーションの歯車94aにはリブ状の1st位相検知フラグ94a’が設けられており、カラー用位相検知センサs1によって位相検知している。同様に4stの歯車94dにも、4st位相検知フラグ94d’が設けられており、モノカラー用位相検知センサs2によって位相検知している。
【0073】
図8に、現像離接装置を含む画像形成装置の制御回路構成を示すブロック図を示す。また、図9に、位相検知によるイニシャライズシーケンスの制御フローを示す。
【0074】
図8に示すように制御回路は、制御部200内のCPU210(マイクロプロセッサ)を中心に構成されており、CPU210の入出力ポートには、各種負荷の駆動回路およびセンサ信号が接続されている。また、制御回路は電池によりバックアップされるRAM220と、制御シーケンスソフトが格納されている不図示のROMを備えている。
【0075】
画像イメージデータ211はCPU210へ送られ、それを受けてCPU210は画像形成開始するようメインモータM70やステッピングモータM80等へ駆動開始指令を出す。カラー用位相検知センサs1やモノカラー用位相検知センサs2の検出信号は、CPU210へ送られ、以下に示す位相検知制御の処理を行っている。
【0076】
[1−4:イニシャライズシーケンスの制御フローについて]
図9を参照して、前述した離接カム80の位相検知によるイニシャライズシーケンス制御について説明する。
【0077】
前述したように、本制御は、ステッピングモータM80の回転方向の切換えに伴う4st離接カム80dに対して、1st、2st、及び3stのカラー用離接カム80a、80b、80cの位相差設定がずれてしまうのを防止することが目的である。特に、製品出荷時や製品設置して画像形成装置の電源を立ち上げた際などに実施されている。
【0078】
まず図3に示す状態のように、1stの歯車94aの1st位相検知フラグ94a’と、4stの歯車94dの4st位相検知フラグ94d’とが、それぞれ位相検知センサに位相検知フラグの中央位相で停止している状態をホームポジション(以下HPと略す)とする。このHPの位相状態では、現像ローラ40(40a、40b、40c、40d)は全画像ステーションにおいてそれぞれの感光ドラム1に対して離間状態となる。
【0079】
このHPの位相状態を維持できるよう、以下の制御フローが行われている。なお、図10から図14は、各ステップにおける位相検知センサs1、s2の出力信号状態図および
、1stと4stにおける離接カムならびに検知フラグ、位相検知センサの位相状態を示した図である。
【0080】
まず図10に示すように、最初にステップ1としてステッピングモータM80を正回転させ、カラー用位相検知センサs1の信号がHigh(図中、Hと略す)からLow(図中、Lと略す)へ移行した後、t1秒経過した時点でステッピングモータM80を停止させる。このとき、t1秒で駆動を停止させるのは、HP位相である位相検知フラグの中央位相で停止させるためである。すなわち、位相検知フラグの端部を検知してから位相検知フラグの中央位相と推定される位相で駆動停止させるためである。このため、本実施形態のようにステッピングモータを採用している場合は、駆動入力パルス数等で制御しても良い。
【0081】
検知フラグ94a’、94d’の位相角度は設計値から2×θ1(rad)にしており、且つステッピングモータM80の回転角速度も一定値で駆動しているため、歯車94の角速度ω1(rad/s)より、t1は事前算出されている。なお、ステップ1でステッピングモータM80が停止した状態では、駆動連結機構120は、図5(a)の状態となっている。
【0082】
次にステップ2(図11参照)として、ステッピングモータM80を逆回転させ、モノカラー用位相検知センサs2の信号がHighからLowへ移行した後、t1秒経過した時点でステッピングモータM80を停止させる。このとき図11(b)のように1stの歯車94aと4stの歯車94dはHPの位相に設定され、駆動連結機構120は図5(b)の状態となっている。
【0083】
再びステップ3では、ステッピングモータM80を正回転させ、カラー用位相検知センサs1の信号がHighからLowへ移行した後、t1秒経過した時点でステッピングモータM80を停止させる。このステップ3では、駆動連結機構120が図5(b)の連結解除状態から図5(a)の連結状態になり、カラー用駆動伝達軸102aが回り始めるまでの時間Δtを検出している。検出されたΔtより、4st離接カム80dの位相ずれ量Δθ(rad)を算出できる。もしくは前述したようにΔt秒間入力していた駆動入力パルス数を検出してもよい。
【0084】
次にステップ4では、ステッピングモータM80を再度逆回転させ、2×Δt秒経過した後、ステッピングモータM80を停止させる。このとき駆動連結機構120は図5(b)の連結解除状態であるため、再度ステップ5にて連結状態にさせる。従って、ステップ5では、ステッピングモータM80を正転させ、Δt秒経過した後にステッピングモータM80を停止させている。これにより、すべての歯車94および離接カム80はHPの位相におり、且つ駆動連結機構120が図5(a)のような連結状態となる。
【0085】
即ち、ステップ1で1stの歯車94aおよび離接カム80aをHPの位相に設定し、ステップ2で4stの歯車94dおよび離接カム80dをHPの位相に設定し、且つ駆動連結機構120を連結解除状態にする。このことでステップ3にて駆動連結機構120が連結解除状態から連結状態となるまでのタイミングのずれ量(すなわち切換え時間)Δtを計測できる。計測した切換え時間Δtは、バックアップRAM220へ記憶する。そして、最終的に各歯車94および離接カム80をHPの位相へ戻して、駆動連結機構120を連結状態とするために、ステップ4で4st歯車94dおよび離接カム80dをHPの位相よりΔθだけ回しすぎた位相に配し、ステップ5で4st離接カム80dだけHPの位相に戻しつつ、駆動連結機構120を連結状態とさせている。これにより、モノカラーモードからフルカラーモードへの切換える際に生じる切換え時間Δtを計測した上で画像形成を開始する準備を整えることができる。
【0086】
[1−5:画像形成シーケンスの説明]
図7(a)、及び図15のフローチャートを用いて、画像形成シーケンスについて説明する。
【0087】
まず、装置本体100Aの電源をONにする(ステップ6)と、現像離接駆動8が前述のイニシャライズシーケンス(ステップ1〜ステップ5)を実施する(ステップ7)。この操作により、電源立上げ時に駆動連結機構120の切換え時間Δtを毎回計測し、バックアップRAM220へ書き換えを行う。
【0088】
この動作は、駆動連結機構120の経時的変化に追従させる為に行っている。例えば揺動するスイングアーム105の摺動抵抗が経時変化した場合など、切換え時間Δtは変動してしまう。このため、4st離接カム80dとカラー離接カム80aの位相ずれを生じてしまう虞れがある。したがってこれによる位相ずれを防止する為に電源ONされた際のイニシャライズシーケンスで随時補正するようにしている。
【0089】
次に、画像イメージデータを入力するまで待機する(ステップ8)。ここで画像イメージデータを入力(ステップ9)した際、入力した画像イメージデータがフルカラーモードであるか、モノカラーモードであるか判定する(ステップ10)。フルカラーモードである場合は、フルカラー画像形成がスタートする(ステップ11)。CPU210は画像形成信号を受けると、現像離接駆動8のステッピングモータM80を正回転させる(ステップ12)。カラー用位相検知センサs1の信号から、離接カム80がHP位相から半周(θ=π(rad))回転したことを判定(ステップ13)すると、ステッピングモータM
80を停止させる(ステップ14)。
【0090】
ここでθ(rad)は離接カム80および歯車94の位相角度であり、HP位相でθ=0(=2π)とする。このとき図7(a)に示すように、それぞれの離接カム80の角度がθ=0からθ=πへと変化し、各画像形成ステーションの現像ローラ4dが順次当接状態になり、順次現像工程がなされる。画像形成の作像終了信号を受けると(ステップ15)、その信号タイミングと同期して再びステッピングモータM80を正回転させ(ステップ16)、HP位相(=2π(rad))まで回転させ(ステップ17)、停止させる(ステップ18)。この場合も、図7(a)に示すように、それぞれの離接カム80の角度がθ=πからθ=2πへと変化し、各画像形成ステーションの現像ローラ40を順次離間状態とさせ、順次現像工程を終了する。電源がOFFにならなければ(ステップ19)、再び画像イメージデータを待ち受ける状態(ステップ8)となる。
【0091】
前述のステップ10にて、モノカラーモードであった場合について説明する。モノカラーモードである場合は、まずモノカラーの画像形成をスタートする(ステップ20)。この際、画像形成信号と同期して現像離接駆動8のステッピングモータM80を逆回転させる(ステップ21)。モノカラー用位相検知センサs2の信号から4st離接カム80dがHP位相から逆回転方向にθ=−3π/5(rad)まで回転したことを判定(ステップ22)すると、ステッピングモータM80を停止させる(ステップ23)。このとき図7(a)に示すようブラック画像形成ステーションの現像ローラ40dは当接状態となるが、ステッピングモータM80が逆回転しているためカラー画像形成ステーションの離接カム80a、80b、80cは駆動連結解除状態であるため現像ローラ40a、40b、40cは離間状態のままである。
【0092】
画像形成の作像終了信号を受けると(ステップ24)、再びステッピングモータM80を逆回転を開始し(ステップ25)、HP位相(θ=−2π)よりΔθ(rad)位相分多い角度(θ=−2π−Δθ(rad))まで回転させ(ステップ26)、停止させる(ステップ27)。再びステッピングモータM80を正転させ(ステップ28)、ブラック離接カム80dの位相角がθ=−2π(=0)(rad)まで到達したところ(ステップ29)でステッピングモータM80を停止させる(ステップ30)。
【0093】
ステップ21からステップ27までの処理では、駆動連結機構120が連結解除状態で駆動している。このため、次の画像形成がフルカラーモードである場合に、そのままステッピングモータM80を正回転させて現像当接・離間動作を行うとスイングアーム105が回動して駆動連結するまでの位相ずれ量Δθ(rad)だけ4st離接カム80dの位相がずれてしまう。このため、ステップ26からステップ30までの処理では、ステップ26で4st離接カム80dをHP位相よりΔθ(rad)だけ多く逆回転させておき、ステップ29で余分に回転させた4st離接カム80dのみΔθ(rad)角度位相だけ正回転させ、HP位相に戻す操作を行っている。
【0094】
このとき、カラー離接カム80a、80b、80cは駆動連結がなされないので、HP位相の位置を保っている。このため、再びすべての画像形成ステーションの離接カム位相がHP位相にて一致する状態となる。同様に、ステップ19で本体電源がOFF状態にならなければ、ステップ8の画像イメージデータの入力待機状態となる。本体電源がOFF状態となれば(ステップ31)、終了となる。
【0095】
本実施形態では、上記ステップ21から27において、ステッピングモータM80を逆転駆動する際、ステップ12からステップ18においてステッピングモータM80を正回転駆動させる回転速度に比べて速い速度で駆動させている。一般的にステッピングモータなどの駆動モータにおいては回転速度を速めると駆動出力トルクが低下してしまう。複数
の画像形成ステーションの現像離接機構を駆動させる場合は、重複する離接カム外周半径の変動により負荷トルクが大きく、駆動モータを高い回転数を設定できないといった課題がある。
【0096】
しかしながら、駆動連結機構120によって駆動連結解除状態である駆動モータの逆転回転に対してはブラックの画像形成ステーションの現像離接機構の負荷トルクだけ受けるため、駆動モータの回転速度を速い速度に設定する事が可能である。このため、モノカラーモードにおける最速プリントアウト時間を短縮することが可能になる。言い換えると、モノカラー画像形成を行う際における接離機構の駆動速度が、フルカラー画像形成を行う際における接離機構の駆動速度よりも速くなるようにステッピングモータM80が制御されている。このように本実施形態では、前述したステップによって、スイングアーム105が回動するときに夫々の離接カム80のタイミングがずれないように制御している。
【0097】
以上、本実施形態によれば、現像部材を像担持体に対して離接させる離接機構を有する画像形成装置において、像担持体と現像部材との衝突音を低下しつつ、離接機構を駆動する駆動モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能になる。
【0098】
<第2実施形態>
[2−1:駆動連結機構の構成]
図16を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について説明するが、第1実施形態とは駆動連結機構の構成のみが異なるので、ここでは駆動連結機構についてのみ説明する。
【0099】
図16は、本実施形態における現像離接駆動140を示すものである。現像離接駆動140のカラー用駆動伝達軸102aとモノカラー用駆動伝達軸102bは、第1実施形態と同様に、同軸上において分割されている。
【0100】
カラー用駆動伝達軸102aとモノカラー用駆動伝達軸102bの間には駆動連結手段となる電磁クラッチ130が設けられている。電磁クラッチ130の固定子部131は、回転止めが本体フレームの一部と係合している(不図示)。また、固定子部131の内周には、回転自在なロータ(不図示)が保持されており、ロータはモノカラー用駆動伝達軸102bと一体的に回転する。一方、カラー用駆動伝達軸102aに対しては、アーマチェア132が一体的に取り付けられている。
【0101】
電磁クラッチ130に電流を流すと、固定子部131内部のロータとアーマチェア132が吸着する。これにより、モノカラー用駆動伝達軸102bとカラー用駆動伝達軸102aとが駆動連結する。
【0102】
このように本実施形態では、電磁クラッチ130により駆動の連結動作および連結解除動作を行っているため、瞬時に駆動連結操作を行うことが可能である。第1実施形態のような回動式のスイングアームの連結方式では、2つの回動位置に移動させる時間に遅れが生じ、ブラックの画像形成ステーションの離接カムとカラー画像形成ステーションの離接カムの位相ずれが生じてしまっていた。このためそれぞれの離接カムの位相検知を行い、位相合わせ制御を図ってきた。しかしながら、本実施形態では、駆動連結および駆動連結解除に要するタイミングずれを殆んど生じない為、第1実施形態のような位相あわせ制御を行う必要がない。よって、画像形成装置の構成をより簡易化、小型化することができる。
【0103】
以上より、本実施形態によれば、現像部材を像担持体に対して離接させる離接機構を有する画像形成装置において、像担持体と現像部材との衝突音を低下しつつ、離接機構を駆
動する駆動モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能になる。
【符号の説明】
【0104】
102a…カラー用駆動伝達軸 102b…モノクロ用駆動伝達軸 108…スイングギア 120…駆動連結機構 M80…ステッピングモータ P…画像形成ステーション
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被転写材の搬送方向に沿って配列される複数の像担持体と、
前記像担持体に対して離接可能に構成されており、前記像担持体に当接して前記像担持体に形成された静電潜像をトナー像として現像する複数の現像部材と、
それぞれの前記現像部材に対して設けられ、駆動されることで前記像担持体に対する前記現像部材の離接状態を切り換え可能な複数の離接機構と、
一つの駆動源からそれぞれの前記離接機構に駆動力を伝達する駆動伝達機構と、
を備え、
前記複数の現像部材を前記複数の像担持体に対して当接させて画像形成を行う多色画像形成と、
前記複数の現像部材のうちの一つの現像部材を前記像担持体に対して当接させて画像形成を行う単色画像形成と、
を行うことが可能な画像形成装置において、
前記駆動伝達機構は、
前記多色画像形成を行うために複数の前記離接機構に駆動力を伝達し、前記複数の像担持体に対して前記複数の現像部材を順次当接させる状態と、
前記単色画像形成を行うために一つの前記離接機構に駆動力を伝達し、前記像担持体に対して前記一つの現像部材を当接させる状態と、
を切り換え可能に構成されていると共に、
前記多色画像形成を行う際は、
それぞれの前記像担持体から被転写材にトナー像を順次転写するタイミングと同期するように、複数の前記離接機構のそれぞれに対して連続的に駆動力を伝達し、
前記単色画像形成を行う際は、
前記一つの離接機構にのみに駆動力を伝達するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動伝達機構は、
前記一つの駆動源によって回転駆動される駆動ギアと、
前記駆動ギアと噛合っており、前記一つの離接機構に駆動力を伝達する第1ギアと、
前記駆動ギアと前記第1ギアとの相対位置によって、前記駆動ギアと噛合う、又は噛合わない状態になり、前記駆動ギアと噛合った状態で、前記多色画像形成を行う際にのみ駆動される前記離接機構に駆動力を伝達する第2ギアと、を有しており、
前記多色画像形成を行う際は、前記駆動ギアに対して前記第1ギア及び前記第2ギアが噛合い、
前記単色画像形成を行う際は、前記駆動ギアに対して前記第1ギアのみが噛合うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記駆動ギアは両方向に回転可能であって、その回転方向に応じて、前記第1ギアとの噛合いを維持したまま前記第1ギアに対する相対位置を変えるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の現像部材のうち、前記多色画像形成を行う際にのみ前記像担持体に対して当接する前記現像部材の少なくとも一つの離接状態を検知する第1離接状態検知部材と、
前記単色画像形成を行う際に前記像担持体に対して当接する前記現像部材の離接状態を検知する第2離接状態検知部材と、
を備えており、
前記多色画像形成を行う際に、
それぞれの前記像担持体から被転写材にトナー像を順次転写するタイミングと同期して前記複数の現像部材がそれぞれの前記像担持体に当接するように、前記第1離接状態検知
部材と前記第2離接状態検知部材の検知結果に基づいて、前記駆動源の駆動状態を制御する制御部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記単色画像形成を行う際における前記接離機構の駆動速度が、
前記多色画像形成を行う際における前記接離機構の駆動速度よりも速くなるように前記駆動源が制御されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
被転写材の搬送方向に沿って配列される複数の像担持体と、
前記像担持体に対して離接可能に構成されており、前記像担持体に当接して前記像担持体に形成された静電潜像をトナー像として現像する複数の現像部材と、
それぞれの前記現像部材に対して設けられ、駆動されることで前記像担持体に対する前記現像部材の離接状態を切り換え可能な複数の離接機構と、
一つの駆動源からそれぞれの前記離接機構に駆動力を伝達する駆動伝達機構と、
を備え、
前記複数の現像部材を前記複数の像担持体に対して当接させて画像形成を行う多色画像形成と、
前記複数の現像部材のうちの一つの現像部材を前記像担持体に対して当接させて画像形成を行う単色画像形成と、
を行うことが可能な画像形成装置において、
前記駆動伝達機構は、
前記多色画像形成を行うために複数の前記離接機構に駆動力を伝達し、前記複数の像担持体に対して前記複数の現像部材を順次当接させる状態と、
前記単色画像形成を行うために一つの前記離接機構に駆動力を伝達し、前記像担持体に対して前記一つの現像部材を当接させる状態と、
を切り換え可能に構成されていると共に、
前記多色画像形成を行う際は、
それぞれの前記像担持体から被転写材にトナー像を順次転写するタイミングと同期するように、複数の前記離接機構のそれぞれに対して連続的に駆動力を伝達し、
前記単色画像形成を行う際は、
前記一つの離接機構にのみに駆動力を伝達するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動伝達機構は、
前記一つの駆動源によって回転駆動される駆動ギアと、
前記駆動ギアと噛合っており、前記一つの離接機構に駆動力を伝達する第1ギアと、
前記駆動ギアと前記第1ギアとの相対位置によって、前記駆動ギアと噛合う、又は噛合わない状態になり、前記駆動ギアと噛合った状態で、前記多色画像形成を行う際にのみ駆動される前記離接機構に駆動力を伝達する第2ギアと、を有しており、
前記多色画像形成を行う際は、前記駆動ギアに対して前記第1ギア及び前記第2ギアが噛合い、
前記単色画像形成を行う際は、前記駆動ギアに対して前記第1ギアのみが噛合うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記駆動ギアは両方向に回転可能であって、その回転方向に応じて、前記第1ギアとの噛合いを維持したまま前記第1ギアに対する相対位置を変えるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の現像部材のうち、前記多色画像形成を行う際にのみ前記像担持体に対して当接する前記現像部材の少なくとも一つの離接状態を検知する第1離接状態検知部材と、
前記単色画像形成を行う際に前記像担持体に対して当接する前記現像部材の離接状態を検知する第2離接状態検知部材と、
を備えており、
前記多色画像形成を行う際に、
それぞれの前記像担持体から被転写材にトナー像を順次転写するタイミングと同期して前記複数の現像部材がそれぞれの前記像担持体に当接するように、前記第1離接状態検知
部材と前記第2離接状態検知部材の検知結果に基づいて、前記駆動源の駆動状態を制御する制御部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記単色画像形成を行う際における前記接離機構の駆動速度が、
前記多色画像形成を行う際における前記接離機構の駆動速度よりも速くなるように前記駆動源が制御されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−128017(P2012−128017A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277090(P2010−277090)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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