説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置のトナーカートリッジ等の交換部材には、画像形成装置やトナーカートリッジの情報を記憶するメモリーを備えたものがあり、交換部材が、画像形成装置本体に装着された状態で、画像形成装置本体に対して移動できる構成の場合には、その移動に応じて交換部材のコンタクト部と画像形成装置のコンタクト部の接触状態が変化するため、電気的接続を確実に保つことが難しかった。
【解決手段】
現像ユニット123が、付勢部材155によって脱方向に付勢されたメモリー保持部材154を着脱方向に移動可能に保持し、現像形成装置100本体に装着された状態で、脱方向に移動されるとき、これに伴って移動しようとするメモリー保持部材154の脱方向移動をストッパー部材157によって抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ユニット等の着脱自在な交換部材を備えた電子写真装置などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真のプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置においては、感光体の表面を一様に、かつ、均一に帯電させ、帯電させられた表面を露光して静電潜像を形成し、静電潜像に現像剤であるトナーを付着させてトナー像を形成し、そして、トナー像を用紙に転写した後に定着することにより画像を形成している。画像形成装置には、着脱自在な交換部材(例えば現像剤カートリッジや、現像ユニットなど)に対して、自己に関する情報の読み出しや書き込みが可能な記憶手段としてのメモリーを備えたものがある。
【0003】
メモリーと画像形成装置間のデータのやり取り方法については、大きく分けて接触方式、非接触方式の2通りがあるが、特に接触方式の場合、メモリーに接続された記憶素子コンタクト部とそれに対応する画像形成装置側のコンタクト部との間で所定の電気的導通を得るために必要とされる接圧を保って接触している。また、各コンタクトの接触部では酸化防止材として、主に、コンタクト表面に金メッキを施しているのもが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007―271895号公報(段落0022〜0023、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、寿命などにより、上記交換部材を交換するための画像形成装置からの挿抜動作の際に、画像形成装置のコンタクト部が交換部材のコンタクト部以外の個所を擦ってしまい、その擦りによって生じるコンタクト部の金メッキの磨耗、削れ、破損等により接触不良が発生し、メモリー部材と画像形成装置の情報のやり取りができなくなるという問題があった。
また交換部材が、画像形成装置本体に装着された状態で、画像形成装置本体に対して移動できる構成の場合には、その移動に応じて交換部材のコンタクト部と画像形成装置のコンタクト部の接触状態が変化するため、電気的接続を確実に保つことが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による画像形成装置は、画像形成装置本体に対して着脱自在な交換部材を有する画像形成装置であって、
前記交換部材は、電気的に導通可能な第1の接合部と、前記交換部材が前記画像形成装置本体に装着された状態で、前記第1の接合部を前記交換部材の着脱方向に移動可能に保持する保持部と、前記第1の接合部を前記交換部材の脱方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記画像形成装置本体は、前記第1の接合部と電気的に接続可能な第2の接合部と、前記交換部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させる移動機構とを備え、
前記移動機構が前記交換部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるとき、前記第1の接合部の移動が抑制されることを特徴とする画像形成装置。
【0007】
参考例としての画像形成装置は、着脱方向へ移動して画像形成装置本体に対して着脱する着脱自在な交換部材を有する画像形成装置において、
前記交換部材は、前記交換部材及び/又は前記画像形成装置本体の情報を記憶するメモリーと該メモリーと電気的に接続する第1の接合部とを有する記憶部を有し、
前記画像形成装置本体は、前記第1の接合部と電気的に接合する第2の接合部を有し、
前記第1の接合部が、前記着脱方向に対して所定の角度を有して備えられることを特徴とする。
【0008】
参考例としての別の画像形成装置は、着脱方向へ移動して画像形成装置本体に対して着脱する着脱自在な交換部材を有する画像形成装置において、
前記交換部材は、前記交換部材及び/又は前記画像形成装置本体の情報を記憶するメモリーと該メモリーと電気的に接続する第1の接合部とを備えた記憶部と、前記第1の接合部と接合する第3の接合部とを有し、
前記画像形成装置本体は、前記着脱方向に対して所定の角度傾斜した傾斜面と、該傾斜面から一部が突出して前記第3の接合部と電気的に接合する第2の接合部とを有することを特徴とする。
【0009】
参考例としての更に別の画像形成装置は、着脱方向へ移動して画像形成装置本体に対して着脱する着脱自在な交換部材を有する画像形成装置において、
前記交換部材は、前記交換部材及び/又は前記画像形成装置本体の情報を記憶するメモリーと該メモリーと電気的に接続する第1の接合部とを備えた記憶部と、前記画像形成装置本体に備えられた態勢で前記記憶部を略前記着脱方向にスライド可能に保持する保持部と、前記記憶部を脱方向に付勢する付勢部材とを有する第1の構造体と、複数の前記第1の構造体を載置する第2の構造体と備え、前記第1の接合部が、前記着脱方向に対して所定の角度を有して備えられ、
前記画像形成装置本体は、前記第1の接合部と電気的に接合する第2の接合部を備え、
前記画像形成装置は、前記第1の構造体を画像形成可能な画像形成位置と画像形成が不可能な非画像形成位置との間で移動させる移動機構を備え、前記第1の構造体が前記画像形成位置と前記非画像形成位置との間で移動する際に、前記記憶部の脱方向への移動を抑止する抑止部材を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、交換部材及び/又は画像形成装置本体の情報を記憶するメモリーを備えた交換部材を、画像形成装置本体に対して着脱する際に、メモリーと画像形成装置本体の電気的な接続を行う各接合部が、接続相手となる接合部以外の部位に接触しにくくすることができる。
また交換部材が、画像形成装置本体に装着された状態で、画像形成装置本体に対して移動する場合に、その移動に応じて交換部材のコンタクト部と画像形成装置のコンタクト部の接触状態が変化することがないため電気的接続を確実に保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を採用した実施の形態1の画像形成装置の要部構成を説明するための概略構成図である。
【図2】ブラック(K)の現像ユニット、転写部材、露光装置、及び印刷された記録用紙を模式的に示す概略構成図である。
【図3】実施の形態1において、交換部材としての現像ユニットを一方向から見た外観斜視図である。
【図4】実施の形態1において、交換部材としての現像ユニットを他方向から見た外観斜視図である。
【図5】実施の形態1において、現像ユニット本体を一方向から見た外観斜視図である。
【図6】実施の形態1において、現像ユニット本体を他方向から見た外観斜視図である。
【図7】実施の形態1において、トナーカートリッジを一方向から見た外観斜視図である。
【図8】実施の形態1において、トナーカートリッジを他方向から見た外観斜視図である。
【図9】(a)は、実施の形態1において、メモリー部をY軸のプラス方向から見た図であり、(b)は、(a)に示すX―Z平面のZ方向に対して角度αのA、B方向と直交する矢印D方向から見た側面図である。
【図10】実施の形態1において、画像形成装置本体に現像ユニットを装着する動作の説明に供する図である。
【図11】実施の形態1において、画像形成装置本体に装着された現像ユニットのトナーカートリッジのメモリー部に具備されたメモリー部材、画像形成装置本体内に具備されたコンタクト部材、及びその周辺を、図9(a)に示した矢印D方向からみた構成図である。
【図12】(a),(b),(c)は、実施の形態1において、トナーカートリッジを現像ユニット本体に装着する動作を説明するための動作説明図である。
【図13】(a),(b),(c)は、実施の形態1において、トナーカートリッジに形成されたメモリー部と画像形成装置本体に形成された電気的接続部とが離間する動作の説明に供する動作説明図である。
【図14】(a),(b)は、本発明に基づく実施の形態2の画像形成装置に採用される現像ユニットのメモリー保持部材とその周辺部の構造を示すと共に、アップダウン時におけるそれらの動作説明に供する図である。
【図15】(a),(b)は、実施の形態2において、図1に示すアップダウンバーが機能した時の動作を説明するための概略構成図である。
【図16】実施の形態3において、交換部材としての現像ユニット集合体を一方向から見た外観斜視図である。
【図17】実施の形態3において、交換部材としての現像ユニット集合体を他方向から見た外観斜視図である。
【図18】実施の形態3において、現像ユニット集合体本体を一方向から見た外観斜視図である。
【図19】実施の形態3において、現像ユニット集合体本体を他方向から見た外観斜視図である。
【図20】実施の形態3において、トナーカートリッジを一方向から見た外観斜視図である。
【図21】実施の形態3において、トナーカートリッジを他方向から見た外観斜視図である。
【図22】実施の形態3において、メモリー部をY軸のプラス方向から見た図である。
【図23】実施の形態3において、現像ユニット集合体を装着する画像形成装置本体の上部開口部を示すと共に現像ユニット集合体を装着する動作の説明に供する図である。
【図24】実施の形態3において、画像形成装置本体に装着された現像ユニットのトナーカートリッジのメモリー部に具備されたメモリー部材、画像形成装置本体内に具備されたコンタクト部材、現像ユニット集合体本体の接点中継部に具備された中継用接点部材、及びその周辺を図9(a)に示した矢印D方向からみた構成図である。
【図25】(a),(b)は、実施の形態3において、図1に示すアップダウンバーが機能した時の動作を説明するための概略構成図である。
【図26】(a),(b),(c)は、実施の形態3において、現像ユニット集合体本体に形成された接点中継部と画像形成装置本体に形成された電気的接続部とが離間する動作の説明に供する動作説明図である。
【図27】(a),(b)は、実施の形態3において、現像ユニットのメモリー保持部材とその周辺部の構造を示すと共に、アップダウン時におけるそれらの動作説明に供する図である。
【図28】本発明に基づく実施の形態4の画像形成装置に採用される画像形成装置本体に形成された電気的接続部とその周辺部の構造を示すと共に、その動作説明に供する図である。
【図29】本発明に基づく実施の形態5の画像形成装置に採用される、トナーカートリッジに形成されたメモリー部、現像ユニット集合体本体の一方の側壁部に形成された接点中継部、画像形成装置本体に形成された電気的接続部、及びその周辺部の構造を示すと共に、その動作説明に供する図である。
【図30】(a),(b)は、実施の形態5において、現像ユニットのメモリー保持部材とその周辺部の構造を示すと共に、アップダウン時におけるそれらの動作説明に供する図である。
【図31】本発明に基づく実施の形態6の画像形成装置に採用される現像ユニットのメモリー保持部材とその周辺部の構造を示すと共に、その動作説明に供する図である。
【図32】本発明に基づく実施の形態7の画像形成装置に採用される現像ユニットのメモリー保持部材とその周辺部の構造を示すと共に、その動作説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明を採用した実施の形態1の画像形成装置の要部構成を説明するための概略構成図である。
【0013】
同図において、画像形成装置100は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色を印刷可能なカラー用電子写真式プリンタとしての構成を備えている。ロワーフレーム28には、用紙搬送ローラ16〜19を有する概ねS字状の用紙搬送路15が形成されており、この用紙搬送路15の、上流側端部には記録用紙を収納する給紙カセット20が配置され、下流側端部にはスタッカ21が設けられている。
【0014】
用紙搬送路15には、給紙カセット20から記録用紙を繰り出す用紙繰り出し部22、記録用紙の紙厚を検知する検知部26、繰り出された記録用紙を静電効果により転写ベルト11に付着させて搬送する転写ベルトユニット24、及びトナー画像を記録用紙に定着させる定着器25が設けられている。
【0015】
転写ベルトユニット24とによって、転写ベルト11に付着して搬送される記録用紙を挟む位置に、記録用紙の搬送方向上流側より順にブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを収容する現像ユニット23K,23Y,23M,23C(これらを総称する場合は現像ユニット23と称す)が一列に、画像形成装置本体に対して着脱自在に配列されている。尚、画像形成装置100の現像ユニット23のように、着脱可能な或いは可動な構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を画像形成装置100本体と称す場合がある。
【0016】
画像形成裝置100のトップカバー30を開けることで、現像ユニット23、定着器25、及び転写ベルトユニット24の交換が可能となる。また、アップダウンバー29は、後述するように、現像ユニット23を単色印刷時に不要な現像ユニット23を転写ベルトユニット24から離させるための部材である。両面印刷ユニット52は、両面印刷を行う際に、記録用紙を反転させて再び用紙搬送路15に送り出す。
【0017】
本実施の形態においては、これらの現像ユニット23K,23Y,23M,23Cの構成は同一であり、収容されているトナーの色のみが異なるため、ここではブラック(K)の現像ユニットKを例にとり、その内部構造を以下に説明する。
【0018】
尚、図1中のX、Y、Zの各軸は、記録用紙13(図2)が現像ユニット23を通過する際の搬送方向にX軸をとり、後述する感光体1の回転軸方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸をとっている。また、後述する他の図においてX、Y、Zの各軸が示される場合、これらの軸方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のXYZ軸は、各図の描写部分が、図1に示す画像形成装置100を構成する際の配置方向を示している。またここでは、Z軸が略鉛直方向となるように配置されるものとする。
【0019】
図2は、ブラック(K)の現像ユニット23K、転写部材、露光装置、及び印刷された記録用紙を模式的に示す概略構成図である。
【0020】
同図に示すように、現像ユニット23Kには、像担持体としての感光体1が矢印方向に回転可能に配置され、この感光体1の周囲には、その回転方向上流側から順に、感光体1の表面に一定の圧力で接触して電荷を供給して帯電させる帯電ローラ2、帯電された感光体1の表面に、例えばLEDヘッド等の光源による光を照射して静電潜像を形成する露光装置3が配設される。尚、この露光装置3は、画像形成装置100の本体側のトップカバー30(図1)に配設されている。
【0021】
更に、静電潜像が形成された感光体1の表面に、所定色(ここではブラック)のトナーを付着させて現像を発生させる現像部91、感光体1上のトナー現像を記録用紙13に転写した際に残留した転写残トナーを除去して、廃トナー収集部92に落下させるクリーニングブレード9が配設されている。このためクリーニングブレード9は弾性体で形成され、そのエッジ部が感光体1の表面に一定の圧力で接触するように配置されている。尚、これら各装置に用いられている回転体は、図示しない駆動源からギアなどを経由して動力が伝達され回転する。
【0022】
現像部91は、トナー4を収容し、その下部に形成されたトナー供給口41からトナー4を供給するトナーカートリッジ5、トナーカートリッジ5から供給されたトナー4を貯蔵するトナー貯蔵部93、現像ローラ6、この現像ローラ6にトナー4を供給するトナー供給ローラ8、現像ローラ6上のトナー4を薄層化する現像ブレード7を有し、感光体1の表面に形成された静電潜像をトナー4によって顕像化、即ち現像する。尚、現像ユニット23Kは、後述するようにトナーカートリッジ5を、トナー供給ローラ8の上方において、着脱自在に配置するように構成されているものであり、以後、現像ユニット23の、着脱自在なトナーカートリッジ5を除いた部分を現像ユニット本体23a(例えば図5)と称す。現像ユニット本体23aは、外側がモールド10で構成されている。
【0023】
現像ローラ6とトナー供給ローラ8とは、一定の圧力で当接するように、互いに平行に配置され、それぞれ同図に示される矢印の方向(同方向)に回転する。また、現像ブレード7と現像ローラ6とは、同図に示すように、例えば現像ブレード7の折り曲げ部分が現像ローラ6の周面に一定の圧力で接触するように、互いに平行に配置される。尚、これら各装置に用いられている回転体は、図示しない駆動源からギアなどを経由して動力が伝達され回転する。
【0024】
図1に示すように、上記した4つの現像ユニット23の各感光体1に対向する位置には、それぞれ導電性のゴム等によって形成された転写ローラ12が、記録用紙13(図2)を静電吸収して搬送する転写ベルト11を介して圧接された状態で配設されている。これらの転写ローラ12は、感光体1上のトナー現像を記録用紙13(図2)に転写するが、この転写時に、各感光体1の表面電位とこれらの各感光体に対向して配置された各転写ローラ12の表面電位に電位差を持たせるための電位が印加される。
【0025】
定着器25は、内部に加熱ローラとバックアップローラとを有し、記録用紙13(図2)上に転写された転写済みトナー14を加圧・加熱することによって定着する。ここで定着された記録用紙13は、後段の用紙搬送ローラ18,19によって、記録用紙のスタッカ21に搬送される。
【0026】
次に、トナーカートリッジ5を装着した状態の現像ユニット23を、画像形成装置100本体に対して着脱するための機構について説明する。
【0027】
図3、図4は、交換部材としての現像ユニット23を異なる方向から見た外観斜視図であり、図5、図6は、現像ユニット本体23aを異なる方向から見た外観斜視図であり、図7、図8は、トナーカートリッジ5を異なる方向から見た外観斜視図である。
【0028】
トナーカートリッジ5は、図7、図8に示すように、トナー収容部34とメモリー部35で構成され、トナー収容部34には、長手方向にスライド移動してトナー供給するトナー供給口41(図2)を開閉するシャッター39、現像ユニット本体23aから駆動力をもらうギア40と同軸でトナー収容部34の内部で回転する攪拌部材(図示せず)が備えられている。メモリー部35は、トナーカートリッジ5の一方の側面部から突き出るように形成され、このメモリー部35には、表面部35b(図9参照)を有するメモリー部材35aが備えられている。
【0029】
図9(a)は、メモリー部35をY軸のプラス方向から見た図であり、同図(b)は、同図(a)に示すX―Z平面のZ方向に対して角度αのA、B方向と直交する矢印D方向から見た側面図である。
同図(a)、(b)に示すように、この表面部35bは、X―Z平面のZ方向に対して角度α傾斜したA、B方向において、X―Z平面に対して角度βだけ傾斜した傾斜面となっている。この表面部35bには、この表面に沿って矢印A、B方向に延在する導電性の一対の接触板36が形成されている。
【0030】
このトナーカートリッジ5は、図5、図6に示す現像ユニット本体23aに装着される。この現像ユニット本体23aの一方の側壁部23bには、開口23cが形成されており、現像ユニット本体23aにトナーカートリッジ5が装着された段階で、図3、図4に示すように、メモリー部35が側壁部23bの開口23cから突出し、現像ユニット23の突出部として外部に現れるように構成されている。また現像ユニット本体23aの両側壁部23bには、一対のガイドポスト48a及び48bがそれぞれ相対する位置に形成されている。
【0031】
図10は、画像形成装置100本体に現像ユニット23を装着する動作の説明に供する図である。同図に示すように、画像形成装置100本体の両内側面31aには、各現像ユニット23に対して、現像ユニット23のガイドポスト48aと係合してこれをガイドするガイド溝50aと現像ユニット23のガイドポスト48bと係合してこれをガイドするガイド溝50bが形成されている。尚、図10では、1つの現像ユニット23に対応してこれをガイドするガイド溝50a,50bの近傍の円で囲んだ辺りを、ガイド溝50a,50bが見える角度から拡大して描写している。
【0032】
使用者は、現像ユニット23を画像形成装置100本体に装着する際には、図10に示すように現像ユニット23を保持し、先ず現像ユニット23の両側の一対のガイドポスト48aが画像形成装置100本体の一対のガイド溝50aと係合してガイドされるよう位置合わせして挿入し、更にガイドポスト48bが画像形成装置100本体の一対のガイド溝50bと係合してガイドされるように挿入して装着する。
【0033】
ここで、現像ユニット23は、一対のガイドポスト48bが画像形成装置100本体の一対のガイド溝50bと係合してガイドされる段階で4箇所でガイドされることになり、装着時の姿勢を保ったままガイド溝50a,50bでガイドされる装着方向に平行移動する。この時の装着方向を決めるガイド溝50a,50bの方向は、少なくとも装着位置に達する所定の移動領域においては、図9で説明した矢印A,B方向と一致するように構成されている。従って、以後、矢印A方向を脱方向と称し、矢印B方向を着方向と称し、矢印A,B方向を着脱方向と称する場合がある。
【0034】
図11は、画像形成装置100本体に装着された現像ユニット23のトナーカートリッジ5のメモリー部35に具備されたメモリー部材35a、画像形成装置100本体内に具備されたコンタクト部材37、及びそれらの周辺を、図9(a)に示した矢印D方向からみた構成図である。
【0035】
図11に示すように、メモリー部35は、トナーカートリッジ5が現像ユニット本体23aに装着された段階で、少なくともメモリー部材35aの表面部35bが、現像ユニット本体23aの側壁部23bの開口23c(図6参照)から突出した状態となるように構成されている。メモリー部材35aには、EEPROMやフラッシュメモリーなどによる不揮発性メモリー47と、不揮発性メモリー47に電気的に接合され、メモリー部材35aの表面部35bに沿って現像ユニット23の着脱方向(ここでは矢印A、B方向と一致)に延在し、外部の通信手段と接続するための導電性の接触板36が具備されている。
【0036】
表面部35bは、前記したように画像形成装置100本体に対する現像ユニット23の着脱方向に相当する矢印A、B方向において、X−Z平面に対して角度β(ここでは、15°程度)だけ傾斜しており、メモリー部材35aの接触板36の表面が外部から見えるようなっている。つまり、メモリー部材35aは、現像ユニット23において、画像形成装置100本体の内側面31aに向けて突出して備えられている。現像ユニット23の開口23cが形成された側壁部23bの外側面23dにおいて、開口23cよりも矢印B方向(着方向)側は、突出部を有さずに略平面状に形成され、画像形成装置100本体の内側面31aとの間に空間が形成されている。
【0037】
ここで、接触板36は、画像形成装置100本体とメモリー部材35aを電気的に接合する第1の接合部であり、表面を金メッキでコーティングされている。
【0038】
なお、メモリー部材35aの不揮発性メモリー47には、トナーカートリッジ5の使用情報や製造情報などの固有の情報を記憶しておく。又は、画像形成装置100本体側に配設された接続基板59を通して、画像形成装置100の印刷枚数や、現像ユニット23などの画像形成装置100に装着されるユニットの固有の情報を書き込んでもよい。更に不揮発性メモリー47の記憶容量が多い場合には、全ての特有の情報を記憶させても良い。
【0039】
画像形成装置100内には、現像ユニット23の装着によってトナーカートリッジ5のメモリー部35の接触板36と電気的に接続し、画像形成装置100本体の通信手段とメモリー部35の不揮発性メモリー47との通信を可能とする電気的接続部32が備えられている。この電気的接続部32は、表面を金メッキでコーティングされたトーションスプリングで形成された第2の接合部としてのコンタクト部材37、コンタクト部材37の巻き線部37cに緩く嵌入してこれを支持する支点部42、及びコンタクト部材37の一端側を固定すると共に電気的に接続する接続基板59を有し、コンタクト部材37の、巻き線部37cを介した両端側は、後述するように折り曲げられている。
【0040】
支点部42は、画像形成装置100内の側部材31の外側近傍に配置され、接続基板59は、支点部42を介して側部材31と反対側にあってこの支点部42の近傍に配置されている。コンタクト部材37の一端側は、接続基板59に形成された二つの穴59a,59bを貫通してコ字状に形成され、その先端部37eが更に外側に曲まげられることにより接続基板59に固定されている。このとき、コンタクト部材37のコ字状中部37dが接続基板59の対応する部分に形成された電気的接続部59cと接触して電気的に接続した状態となっている。
【0041】
一方、コンタクト部材37の巻き線部37cを介した他端側は、変形したクランク状に形成され、接点部37bは、側部材31に形成れた開口部31bから、メモリー部材35の接触板36と接触可能な位置まで側部材31の内方に突出している。尚、コンタクト部材37は、例えば鋼線(SW−C材)の表面を金メッキしたトーションスプリングの特性によって、この接点部37bに内方への付勢力が生じるように設定されている。先端部37aは、この付勢力による移動を制限するもので、現像ユニット23が装着されていない初期状態(図13(c)参照)では、側部材31の規制部31cに圧接し、それ以上の接点部37bの内方への移動を規制している。
【0042】
尚、着脱方向(ここでは矢印A、B方向と一致)と直交する方向における、接点部37bの上記初期状態での位置から、図11に示すように現像ユニット23が装着された状態での接点部37bの位置までの移動量は、例えば約2mmとなるように設定されている。この時の移動量をある程度余裕をもって設定することにより、装着時に多少位置ずれが発生しても、接触板36と接点部37bとの電気的な導通を良好な状態に保つことができる。
【0043】
また、画像形成装置100内の側部材31及び支点部42は、例えばABS樹脂(成形材)等の非導電性部材で一体的に形成され、接続基板59は、電気的接続部59c以外非導電性部材で形成されているものとする。
【0044】
以上の構成において、先ず画像形成装置100の動作について図1を参照しながら説明する。
【0045】
印刷が起動されると、画像形成装置100は、図1に示す用紙繰り出し部22によって、給紙カセット20から記録用紙を繰り出し、この記録用紙を用紙搬送路15に沿って下流側に搬送する。そして用紙搬送路の途中にあって、紙の厚さを検知する検知部26にてこの記録用紙の紙厚を検知し、転写ベルトユニット24で搬送する。この搬送過程で、現像ユニット23K,23Y,23M,23Cによって個々に形成したトナー画像を、転写ローラ12により順次記録用紙記録面上に転写し、更に定着器25によって記録面上へのトナー画像の定着を行った後、印刷済みの記録用紙をスタッカ21へ搬送する。
【0046】
次に、この時の現像ユニット23の動作について、図2を参照しながら以下に説明する。
【0047】
現像ユニット23では、トナーカートリッジ5から供給されたトナー4をトナー供給ローラ8により現像ローラ6に供給し、現像ローラ6に供給したトナー4を現像ブレード7により均一な厚さに均す。そして、感光体1上に露光装置3によって形成された静電潜像を均一化されたトナー4によって顕像化、即ち現像する。現像されたトナー4は、転写ローラ12によって記録用紙13に電気的に転写される。記録用紙13上に転写されず、感光体1表面に残った残留トナー4は、クリーニングブレード9により掻き取られ、廃トナー収集部92内に蓄積される。
【0048】
次に、トナーカートリッジ5が係る着脱動作について説明する。
【0049】
図12(a),(b),(c)は、トナーカートリッジ5を現像ユニット本体23aに装着する動作を説明するための動作説明図である。同図に示すように、トナーカートリッジ5の底部には、シャッター39とガイドリブ44(図8参照)が形成され、現像ユニット本体23aのモールド10の上面には、シャッター受け部45a,45b及びガイドリブ43(図5、図6参照)が形成されている。同図(a)は、現像ユニット本体23a上にトナーカートリッジ5を載置した段階の図であり、同図(b)は、トナーカートリッジ205のガイドリブ44と現像ユニット本体23aのガイドリブ43が係合している段階の図であり、同図(c)は、同図(b)のA−A断面図である。
【0050】
同図(c)に示すように、ガイドリブ44とガイドリブ43は、断面L字状に形成され、相互のL字形状が係合する構成となっている。従って、トナーカートリッジ205のガイドリブ44は、現像ユニット本体23aのガイドリブ43によって、互いに分離することなくガイドされて所定方向(ここではY軸方向)に移動できる。
【0051】
トナーカートリッジ5を現像ユニット本体23aに装着する際には、先ず図12(a)に示すように、トナーカートリッジ5のシャッター39が現像ユニット本体23aのシャッター受け部45aと45bの間に嵌入し、トナーカートリッジ205のガイドリブ44と現像ユニット本体23aのガイドリブ43が対向する位置でトナーカートリッジ5を現像ユニット本体23a上に載置する。
【0052】
その後、トナーカートリッジ5をY軸のプラス方向にスライドさせる。このとき、トナーカートリッジ5は、ガイドリブ43とガイドリブ44の係合によってY軸方向にガイドされ移動するが、シャッター39は、当接するシャッター受け部45bによって移動が阻止されるため、シャッター39によって塞がれたトナー供給口41(図2参照)がこの移動と共に現れ、やがてモールド10の上面に形成されたトナー受け口45c(図6)に対向する位置で移動が規制され、図示しない位置決め手段によって固定される。これにより、トナーカートリッジ5内のトナーを現像ユニット本体23aのトナー貯蔵部93(図2)に供給することが可能となる。
【0053】
一方、現像ユニット本体23aに載置されたトナーカートリッジ5のY軸プラス方向移動によって、トナーカートリッジ5のメモリー部35が、図4、図11に示すように現像ユニット本体23aの側壁部23bの開口23cに嵌入し、移動が終了して固定された時点で、図11に示すようにメモリー部材35aの表面部35bが、少なくとも現像ユニット本体23aの側壁部23bの開口23cから突出した状態となるように各位置関係が設定されている。
【0054】
次に、画像形成装置100本体に対して、トナーカートリッジ5を装着した現像ユニット23を着脱する時の動作について、主に図1、図10を参照しながら説明する。
【0055】
画像形成装置100のトップカバー30は、回動軸100a(図1)を回動中心として回動できるように構成されており、この回動によりトップカバー30を上方に移動すると、図10に示すように、現像ユニット23が現れてこれを着脱可能な状態となる。この時、トップカバー30に配設された保持部材によって保持された露光装置3も同時に上方に移動する。使用者は、この状態で所望の現像ユニット23を持ち上げることにより、画像形成装置100本体から取り出すことができる。
【0056】
この時、画像形成装置100本体の両内側面31aに形成されたガイド溝50aは、係合している現像ユニット23のガイドポスト48aをガイドし、ガイド溝50bは、係合している現像ユニット23のガイドポスト48bをガイドする。従って、現像ユニット23は、少なくとも4箇所でガイドされている間は、装着時の姿勢を保ったまま、各ガイド溝でガイドされる脱方向に平行移動し、ガイド溝50aとガイドポスト48aとが係合している間は、Y軸方向の移動が規制される。
【0057】
この時、トナーカートリッジ5に形成されたメモリー部35と画像形成装置100本体に形成された電気的接続部32とが離間する動作を、図13の動作説明図を参照しながら説明する。尚図13は、図11と同様に、図9(a)に示す矢印D方向から見た動作説明図である。
【0058】
図13(a)に示すように、画像形成装置100本体に現像ユニット23が装着された状態では、コンタクト部材37の接点部37bが、着脱方向(ここでは矢印A、B方向と一致)に対して着方向側が内側面31a側に所定角度β(ここでは15°程度)だけ傾斜した表面部35bに沿って着脱方向に延在する接触板36に圧接している。現像ユニット23がこの装着位置にある状態で印刷が実行される。
【0059】
この状態から現像ユニット23を取り出すため、使用者が現像ユニット23を上方に引き出すと、上記したように現像ユニット23は、少なくとも4箇所でガイドされている間は、装着時の姿勢を保ったまま、ガイド溝でガイドされる脱方向(矢印A方向)に平行移動を開始する。この時、メモリー部35の接触板36は、脱方向(矢印A方向)に移動し、この移動に伴って、コンタクト部材37の接点部37bは、内方向への付勢力により、支点部42を中心として同方向へ回動移動しながら接触板36に圧接し続ける。
【0060】
現像ユニット23が、図13(b)に示すように、コンタクト部材37の先端部37aが側部材31の規制部31cに当接して接点部37bの回動移動が規制される位置まで平行移動すると、以後、現像ユニット23の脱方向移動に伴って、図13(c)に示すように、接点部37bと接触板36とが離間して電気的接続状態が解除され、且つ接点部37bと現像ユニット23の外側面23dとの間に隙間γが形成されるため、接点部37bが現像ユニット23の他の箇所と当接することなく、現像ユニット23を画像形成装置100本体から取り出すことができる。
【0061】
このように、画像形成装置は、コンタクト部材37の接点部37bが、図13(a)に示す現像ユニット23が装着された状態での位置から、図13(c)に示す初期状態での位置までの移動量が約2mmとなり、更に図13(c)に示す初期状態での位置において、現像ユニット23の外側面23dとの間に隙間γが形成されるように各部材の寸法及び位置関係が設定される。また、少なくとも、コンタクト部材37の接点部37bとメモリー部35の接触板36とが当接する現像ユニット23の移動領域においては、前記した矢印A、B方向と着脱方向が一致し、装着時の姿勢を保ったままでの平行移動ができるように、画像形成装置100本体の両内側面31aのガイド溝50a、50bが形成されている。
【0062】
一方、画像形成装置100本体に現像ユニット23を装着する際には、現像ユニット23が、上記した取り外し時とは逆の工程を経て図13(a)に示す装着位置に装着されるが、この時もまたガイド溝50aとガイドポスト48aとが係合する時点で、現像ユニット23のY軸方向の移動が規制される。このため、現像ユニット23は、上記隙間γにより、装着過程で接触板36以外の箇所が接点部37bと接することなく、画像形成装置100本体に装着できる。
【0063】
またこの時、図13(b)に示すようにコンタクト部材37の接点部37bとメモリー部35の接触板36とが当接してコンタクト部材37の先端部37aが側部材31の規制部31cから離れることによって、先端部37aの付勢力が接触板36にかかるため、以後接点部37bは接触板36に圧接し続ける。これにより、現像ユニット23の装着時に、装着方向において多少の位置ずれが発生しても、先端部37aと接触板36との電気的接続を確実に維持できる。
【0064】
尚、本実施の形態では、画像形成装置100内において、支点部42が側部材31と一体的に形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、接続基板59と一体的に形成して画像形成装置100内の所定部に固定するように構成してもよいし、側部材31、支点部42及び接続基板59を一体的に構成することも可能である。
【0065】
また、本実施の形態では、コンタクト部材37の一端側が、接続基板59に形成された二つの穴59a,59bを貫通してコ字状に形成され、その先端部37eが更に外側に曲げられて接続基板59に固定されている例を示したが、これに限定されるものではなく、コンタクト部材37の一端側が接続基板59の対向面(支点部42に対向する側の面)に沿って延在して直接当接して固定され、当接部において基板と電気的な接続がなされるように構成しても良い。この場合、トーションスプリングによる付勢力によってコンタクト部材37と接続基板の当接部が圧接するため、電気的接続をより確実に維持することができる。
【0066】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置によれば、メモリー部材35aの接触板36が、着脱方向に対して傾斜した表面部35bに沿って形成されているため、装置サイズを大きくすることなく、画像形成装置100本体に対して現像ユニット23を着脱する際に、画像形成装置本体に備えたコンタクト部材37が、メモリー部材35aの接触板36以外の構成部品と接触するのを回避することが可能となる。また、コンタクト部材37の接点部37bが着脱動作の過程で、メモリー部材35aの接触板36に圧接したまま、着脱方向と略直交する方向に移動するように構成されているため、現像ユニット23が着脱方向に多少ずれて装着された場合にも、接点部と接触板との電気的接続を確実に保つことが可能となる。
【0067】
実施の形態2.
図14は、本発明に基づく実施の形態2の画像形成装置に採用される現像ユニット123のメモリー保持部材154とその周辺部の構造を示すと共に、その動作説明に供する図である。
【0068】
この現像ユニット123を採用する画像形成装置が、前記した図1に示す実施の形態1の画像形成装置の現像ユニット23と主に異なる点は、メモリー部材35を保持するメモリー保持部材154が備えられた点である。従って、この現像ユニット123を採用する画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置100(図1)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。尚、本実施の形態の画像形成装置の要部構成は、現像ユニット以外において図1に示す実施の形態1の画像形成装置100の要部構成と共通するため、必要に応じて図1を参照する。
【0069】
図15は、図1に示すアップダウンバー29が機能した時の動作を説明するための概略構成図である。尚、ここでは、現像ユニット123を備えたものとして説明する。
【0070】
同図(a)に示すように、アップダウンバー29を有するアップダウン機構は、アップダウンバー29、ピニオンギア143、及びアップダウンモータ115を備える。アップダウンバー29は、現像ユニット123の配列方向(X軸方向)に延在し、画像形成装置100本体によって、同方向の矢印F、G方向にスライド可能に保持されている。
【0071】
アップダウンバー29は、現像ユニット123に形成された各位置決めカム165と係合して、対応する現像ユニット123を、感光体1(図2参照)と転写ベルト11が離間して画像形成が不可能な非画像形成位置(アップ位置)に位置規制するアップ位置規制部29a、同じく各現像ユニット123を、感光体1と転写ベルト11が当接して画像形成が可能な画像形成位置(ダウン位置)に導く画像形成位置案内部29b、及びピニオンギア143と噛合するラックギア29cを有する。このピニオンギア143は、アップダウンモータ115の回転軸と噛合し、回転力を得てアップダウンバー29を矢印F、G方向にスライド駆動する。
【0072】
尚、ここでは、現像ユニット123に形成された位置決めカム165を前記したガイドポスト48aと別に設けた部材として説明したが、ガイドポスト48aが位置決めカム165を兼ねる構成であってもよい。
【0073】
カラー印刷時には、アップダウンモータ115に駆動されてアップダウンバー29が、同図(a)に示すように矢印F方向に移動し、4つの現像ユニット123が、画像形成位置案内部29bによって画像形成位置(ダウン位置)に導かれ、単色印刷(ここでは黒印刷)時には、同図(b)に示すようにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各現像ユニット123Y,123M,123Cがアップ位置規制部29aによって非画像形成位置(アップ位置)に規制され、ブラック(K)の現像ユニット123(K)のみが画像形成位置(ダウン位置)に保たれる。このようにして、単色印刷時に、ブラック(K)以外の現像ユニット123が消耗しないようにしている。
【0074】
また、この時の現像ユニット123のアップダウン移動は、前記したガイド溝50a,50b(図10)によってガイドされるため、現像ユニット123の着脱方向(例えば図11の矢印A、B方向)において、装着時の姿勢を保ったまま移動する。尚、この時、露光装置3も同時にアップダウンするが、露光装置3は、トップカバー30(図1)に保持された保持部材によってこの時の移動が許容されるように保持されている。
【0075】
図14は、本実施の形態の画像形成装置100本体に装着された現像ユニット123のトナーカートリッジ105のメモリー保持部材154に具備されたメモリー部材35aと画像形成装置100内の電気的接続部32のコンタクト部材37、及びそれらの周辺部材を、前記した図11と同様に、図9(a)に示す矢印D方向からみた構成を示している。
【0076】
図14において、トナーカートリッジ105は、メモリー保持部材154を着脱方向(ここでは矢印A、B方向と一致)と平行にスライド可能に保持し、付勢部材155によってメモリー保持部材154を脱方向に付勢し、更に規制部105aによってその移動範囲を規制している。トナーカートリッジ105は、現像ユニット本体123aに装着された段階で、少なくともメモリー部材35aの表面部35bが、現像ユニット本体123aの外側面123dよりも突出した状態となるように構成され、前記したように画像形成装置100本体に対する現像ユニット123の着脱方向に相当する矢印A、B方向において、X−Z平面(図9参照)に対して角度β(ここでは15°程度)だけ傾斜している。
【0077】
図14(a)は、現像ユニット123が画像形成位置(ダウン位置)にある時の状態を示しているが、このとき、メモリー保持部材154は、トップカバー30に具備されたストッパー部材157によって、規制部105aに当接する手前で脱方向移動が規制されている。またこの状態で、メモリー部材35aの表面部35bに沿って現像ユニット123の着脱方向に延在する導電性の接触板36にコンタクト部材37の接点部37bが圧接し、電気的な接続が確保されている。
【0078】
以上の構成で、現像ユニット123がアップダウン機構によってアップダウンした時の動作について以下に説明する。
【0079】
上記したように、図14(a)は、例えば図15(a)に示すカラー印刷時のように4つの現像ユニット123が、画像形成位置案内部29bによって画像形成位置(ダウン位置)に導かれているときの各現像ユニット123のメモリー保持部材154の状態を示している。この状態から、例えば図15(b)に示す単色印刷(ここでは黒印刷)時のようにブラック(K)以外の3つの現像ユニット123が、アップ位置規制部29aによって非画像形成位置(アップ位置)に規制されると、これら3つの現像ユニット123は、図14(b)に示すように、脱方向(矢印A方向)に向かって、付勢部材155を圧縮しながら非画像形成位置(アップ位置)に移動する。
【0080】
この時、メモリー保持部材154は、トップカバー30に具備されたストッパー部材157によって脱方向(矢印A方向)への移動が規制されているため、メモリー保持部材154をストッパー部材157に圧接したまま、メモリー保持部材154以外の現像ユニット123が、付勢部材155を圧縮しながら脱方向(矢印A方向)に移動して非画像形成位置(アップ位置)に移動する。従ってこの間、メモリー部材35aの接触板36とコンタクト部材37の接点部37bとの圧接状態は変化せず、電気的な接続が確保されている。尚、トップカバー30と現像ユニット123間には、この時の現像ユニット123の移動を許容するだけのスペースが設けられている。
【0081】
同様にして、現像ユニット123が図14(b)に示す非画像形成位置(アップ位置)に規制される状態から再び画像形成位置(ダウン位置)に導かれる場合も、メモリー保持部材154をトップカバー30に具備されたストッパー部材157に圧接したまま、メモリー保持部材154以外の現像ユニット123が、付勢部材155を伸長させながら着方向(矢印B方向)に向かって、図14(a)に示す画像形成位置(ダウン位置)に移動する。従ってこの間も、メモリー部材35aの接触板36とコンタクト部材37の接点部37bとの圧接状態は変化せず、電気的な接続が確保される。
【0082】
以上のように本実施の形態の画像形成装置によれば、画像形成装置が、単色印刷時に、使用しない現像ユニットを非画像形成位置(アップ位置)に移動できる構成であっても、現像ユニットのメモリー部材35aの接触板36とコンタクト部材37の接点部37bとの圧接状態を変えず維持できるため、カラー印刷時、単色印刷時の何れにおいても、接点部と接触板との電気的接続を確実に保ち、且つ擦れによる消耗を防ぐことがでる。
【0083】
実施の形態3.
図16〜図27は、本発明に基づく実施の形態3の画像形成装置の構成図及び動作説明に供する図である。
【0084】
本実施の形態3の画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置と主に異なる相違点は以下の通りである。
(1)図16、図17に示す現像ユニット集合体250が、前記した実施の形態1で説明したブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色の各現像ユニット23に相当する4つの現像ユニット223(第1の構造体に相当)と、これらの4つの現像ユニット223を後述するアップダウン移動が可能な程度の自由度をもって、直列に保持する現像ユニット集合体本体250a(第2の構造体に相当)とからなる。
(2)現像ユニット集合体本体250aに保持されているのは、各現像ユニット223の現像ユニット本体223aの部分であり、図20、図21に示すトナーカートリッジ205が、図18、図19に示すように、現像ユニット本体223aに対して着脱自在に構成されている。
(3)図16、図17に示す交換部材としての現像ユニット集合体250を画像形成装置100本体に対して着脱可能に構成している。現像ユニット集合体250を画像形成装置100本体に装着した時の各現像ユニット223と画像形成装置100本体との関係は、前記した図1で説明した各現像ユニット23と画像形成装置100本体との関係と同様である。
(4)従って、本実施の形態の画像形成装置は、図1に示す画像形成装置100に現像ユニット集合体本体250aを追加した構成となるが、便宜上、同符号100を付して説明する。
(5)上記構成の違いに伴って、トナーカートリッジ205のメモリー部35に具備されたメモリー部材35aと画像形成装置100内のコンタクト部材37間の間に後述する中継用接点部材261(図24参)が備えられている。
【0085】
従って、現像ユニット集合体250を採用する本実施の形態の画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置100(図1)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。尚、本実施の形態の画像形成装置の要部構成は、現像ユニット集合体250以外において図1に示す実施の形態1の画像形成装置100の要部構成と共通するため、必要に応じて図1を参照する。
【0086】
図16、図17は、現像ユニット集合体250を異なる方向から見た外観斜視図であり、図18、図19は、4つの現像ユニット本体223aを保持する現像ユニット集合体本体250aを異なる方向から見た外観斜視図であり、図20、図21は、トナーカートリッジ205を異なる方向から見た外観斜視図である。
【0087】
トナーカートリッジ205は、図20、図21に示すように、トナー収容部234とメモリー部235で構成され、トナー収容部234には、長手方向にスライド移動してトナー供給するトナー供給口41(図2参照)を開閉するシャッター239、現像ユニット本体223aから駆動力をもらうギア40と同軸でトナー収容部234の内部で回転する攪拌部材(図示せず)が備えられている。メモリー部235では、トナーカートリッジ205の一方の側面部から突き出るように形成され、表面に接触板236と不揮発性メモリー47を配設するメモリー部材235aを保持するメモリー保持部材254が、後述する所定方向にスライド可能に保持されている。
【0088】
図22は、メモリー部235をY軸のプラス方向から見た図である。同図に示すように、メモリー部材235aの表面には、同図に示すX―Z平面のZ方向に対して角度αだけ傾斜した矢印A、B方向に延在する導電性の一対の接触板236が形成され、このメモリー部材235aを表面に保持するメモリー保持部材254は、コ字状に形成されたガイド部材235bによって矢印A、B方向にスライド可能に保持され、更に付勢部材255によって矢印A方向に付勢されてコ字状ガイド部材235bの底部に当接した状態を保っている。
【0089】
トナーカートリッジ205は、図18、図19に示す現像ユニット本体223aに装着される。この現像ユニット本体223aを保持する現像ユニット集合体本体250aの一方の側壁部250bには、接点中継部242が形成されており、現像ユニット本体223aにトナーカートリッジ205が装着された段階で、後述するように、メモリー部235の一部が接点中継部242に形成された開孔部242a(図24)に入り込むように構成されている。また各現像ユニット本体223aの両側壁部223bには、ガイドポスト48がそれぞれ相対する位置に形成されている。
【0090】
図23は、現像ユニット集合体250を装着する画像形成装置100本体の上部開口部を示す図である。同図に示すように、画像形成装置100本体の両内側面231aには、各現像ユニット223に対して、各現像ユニット223のガイドポスト48(図16)と係合してこれをガイドするガイド溝50が形成されている。尚、図23では、1つの現像ユニット223に対応してこれをガイドするガイド溝50の近傍の円で囲んだ辺りを、ガイド溝50が見える角度から拡大して描写している。
【0091】
使用者は、現像ユニット集合体250を画像形成装置100本体に装着する際には、図16、図17に示すように、現像ユニット集合体250の両側から4つずつ突出する各現像ユニット223のガイドポスト48が、画像形成装置100本体にそれぞれ対応して形成されたガイド溝50と係合してガイドされるよう位置合わせして挿入して装着する。
【0092】
ここで、現像ユニット集合体250は、全てのガイドポスト48が画像形成装置100本体のそれぞれ対向するガイド溝50と係合してガイドされる段階で、装着時の姿勢を保ったまま、ガイド溝でガイドされる装着方向に平行移動する。この時の装着方向を決めるガイド溝50の方向は、少なくとも装着位置に達する所定の移動領域においては、図22で説明した矢印A,B方向と一致するように構成されている。従って、実施の形態1の場合と同様に、矢印A方向を脱方向と称し、矢印B方向を着方向と称し、矢印A,B方向を着脱方向と称する場合がある。
【0093】
図24は、画像形成装置100本体に装着された現像ユニット223のトナーカートリッジ205のメモリー部235で着脱方向(ここでは矢印A、B方向と一致)にスライド可能に保持されたメモリー保持部材254に具備されたメモリー部材235aと、画像形成装置100本体内に具備されたコンタクト部材237と、現像ユニット集合体本体250aの接点中継部242に具備されてメモリー部材235aとコンタクト部材237とを中継する中継用接点部材261を、図22に示す、X―Z平面のZ方向に対して角度α傾斜したA、B方向と直交する矢印D方向から見た側面図である。
【0094】
図24に示すように、メモリー保持部材254は、トナーカートリッジ205が現像ユニット本体223aに装着された段階で、メモリー保持部材254の表面に保持されたメモリー部材235aの周囲を囲む突出部254aが、現像ユニット集合体本体250aの接点中継部242の開孔部242aに入り込み、脱方向(矢印A方向)側が開口部242aの縁に圧接した状態となっている。メモリー部材235aには、EEPROMやフラッシュメモリーなどによる不揮発性メモリー47(図22参照)と、不揮発性メモリー47に接合され、メモリー部材35aの表面(X−Z平面と平行)に沿って現像ユニットの着脱方向に延在し、外部の通信手段と接続するための導電性の接触板236が具備されている。尚、ここでは、メモリー保持部材254のスライド方向と、現像ユニット集合体250の着脱方向が一致する構成として説明するが、必ずしもこれらは一致しなくてもよい。
【0095】
接点中継部242の開孔部242aには、接触板236と電気的に接触する線材で形成された中継用接点部材261が配設されている。この中継用接点部材261は、表面を金メッキでコーティングされたトーションスプリングで形成され、開孔部242a内に具備されてその巻き線部261aに緩く嵌入する支点部242bによって回動自在に支持されている。
【0096】
巻き線部261aを介した中継用接点部材261の一方の側には、折り曲げによりメモリー部材235aの接触板236と電気的に接触するメモリー側接点部261bが形成され、更にその先端部には、開孔部242a内に形成されたストッパー部材242cに当接して時計回りの回動量が規制される当接部261dが形成されている。巻き線部261aを介した中継用接点部材261の他方の側には、折り曲げにより、後述するコンタクト部材237の湾曲接点部237bと電気的に接触するコンタクト側接点部261cが形成され、更にその先端部には、開孔部242aの縁に形成されたストッパー部材242dに当接して反時計回りの回動量が規制される当接部261eが形成されている。
【0097】
接点中継部242の開孔部242aのコンタクト部材237に対向する開孔面242eは、画像形成装置100本体に対する現像ユニット集合体250の着脱方向に相当する矢印A、B方向において、X−Z平面(図22参照)に対して角度β(ここでは、15°程度)だけ傾斜している。中継用接点部材261は、コンタクト側接点部261cに負荷がかからない初期状態において、メモリー側接点部261bが接触板236に当接し、後述するようにコンタクト側接点部261cが開孔面242eから突出して、先端部の当接部261eがストッパー部材242dに当接する程度に形成されている(図26(c)参照)。
【0098】
画像形成装置100本体内には、現像ユニット集合体250の装着によって、現像ユニット集合体本体250aに具備された中継用接点部材261のコンタクト側接点部261cと電気的に接続し、画像形成装置100本体の通信手段とメモリー部235の不揮発性メモリー47との通信を可能とする電気的接続部232が備えられている。電気的接続部232は、板状の導電性部材で形成されたコンタクト部材237、画像形成装置100本体内の側部材231の外側で着脱方向と略並行に配置されてコンタクト部材237の一端側を固定すると共に電気的に接続する接続基板259を有する。
【0099】
コンタクト部材237は、接続基板259の表面に接して延在する接触部、接触部に続いて接続基板259から離間する方向に傾斜した傾斜部237a、傾斜部237aに続いて円弧状に湾曲した湾曲接点部237b、湾曲接点部237bに続く端部に当接部237cを備えている。側部材231は、接点中継部242の開孔部242aに対向する部分に開孔面242eと平行に形成された傾斜部231bを有し、この傾斜部231bには、コンタクト部材237の湾曲接点部237bが外側から内側に臨む開孔231cが形成されている。図24に示すように、湾曲接点部237bは、開孔231cから少なくとも先端側半部が突出するように形成され、当接部237cが開孔231cの縁部に固定されている。
【0100】
従って、図24に示すように画像形成装置100本体に現像ユニット集合体250が装着されると、中継用接点部材261のメモリー側接点部261bがメモリー部材235aの接触板236と当接し、中継用接点部材261のコンタクト側接点部261cがコンタクト部材237の湾曲接点部237bに当接し、更にコンタクト側接点部261cが時計方向に所定量移動した圧縮状態となるため、各当接部はトーションスプリングの復元力により圧接状態となり、各当接部での電気的な導通が確実なものとなる。
【0101】
尚、着脱方向(ここでは矢印A、B方向と一致)と直交する方向における、コンタクト側接点部261cの上記初期状態での位置から、図24に示すように現像ユニット集合体250が装着された状態でのコンタクト側接点部261cの位置までの移動量は、約2mmとなるように設定されている。この時の移動量をある程度余裕をもって設定することにより、装着時に多少位置ずれが発生しても、中継用接点部材261と湾曲接点部237bとの電気的な導通を良好な状態に保つことができる。
【0102】
図25は、図1に示すアップダウンバー29が機能した時の動作を説明するための概略構成図である。尚、ここでは、画像形成装置100本体に図16、図17に示す現像ユニット集合体250が装着されているものとして説明する。
【0103】
同図(a)に示すように、アップダウンバー29を有するアップダウン機構は、アップダウンバー29、ピニオンギア143、及びアップダウンモータ115を備える。アップダウンバー29は、現像ユニット223の配列方向(X軸方向)に延在し、画像形成装置100本体によって、同方向の矢印F、G方向にスライド可能に保持されている。
【0104】
アップダウンバー29は、現像ユニット223に形成された各位置決めカム265と係合して、対応する現像ユニット223を、感光体1(図2参照)と転写ベルト11が離間する非画像形成位置(アップ位置)に位置規制するアップ位置規制部29a、同じく各現像ユニット223を、感光体1と転写ベルト11が当接して画像形成が可能な画像形成位置(ダウン位置)に導く画像形成位置案内部29b、及びピニオンギア143と噛合するラックギア29cを有する。このピニオンギア143は、アップダウンモータ115の回転軸と噛合し、回転力を得てアップダウンバー29を矢印F、G方向にスライド駆動する。
【0105】
尚、ここでは、現像ユニット223に形成された位置決めカム265を前記したガイドポスト48と別に設けた部材として説明したが、ガイドポスト48が位置決めカム265を兼ねる構成であってもよい。
【0106】
カラー印刷時には、アップダウンモータ115に駆動されてアップダウンバー29が、同図(a)に示すように矢印F方向に移動し、4つの現像ユニット223が、画像形成位置案内部29bによって画像形成位置(ダウン位置)に導かれ、単色印刷(ここでは黒印刷)時には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各現像ユニット123Y,123M,123Cがアップ位置規制部29aによって非画像形成位置(アップ位置)に規制され、ブラック(K)の現像ユニット123(K)のみが画像形成位置(ダウン位置)に保たれる。このようにして、単色印刷時に、ブラック(K)以外の現像ユニット223が消耗しないようにしている。
【0107】
また、この時の現像ユニット223のアップダウン移動は、前記したガイド溝50(図23)によるガイドによって行われるため、現像ユニット223の着脱方向(例えば図24の矢印A、B方向)に移動する。尚、この時、露光装置3も同時にアップダウンするが、露光装置3は、トップカバー30(図1)に保持された保持部材によってこの時の移動が許容されるように保持されている。また、現像ユニット集合体本体250aは、個々の現像ユニット223が装着時の姿勢を保ってアップダウン移動ができるようにガイドし、且つ移動を許容するように、各現像ユニット223の現像ユニット本体223aを保持しているものとする。
【0108】
尚、ここではアップダウン機構を画像形成装置100本体に具備されているものとして説明するが、これに限定されるものではなく、現像ユニット集合体本体250aに備えられた構成とすることもできる。
【0109】
次に、トナーカートリッジ205が係る着脱動作について説明する。
【0110】
トナーカートリッジ205を現像ユニット本体223aに装着する際には、図20、図21に示すトナーカートリッジ205の底部に形成されたガイドリブ244と、図18、図19に示す現像ユニット本体223aのモールド210の上面に形成されたガイドリブ243とが対向し、且つトナーカートリッジ205の底部に形成されたシャッター239の係合部239aに、現像ユニット本体223aのモールド210の上面に形成されたシャッター受部245が係合する位置でトナーカートリッジ205を現像ユニット本体223a上に載置する。
【0111】
その後、トナーカートリッジ205をY軸のプラス方向にスライドさせる。このとき、トナーカートリッジ205は、ガイドリブ243とガイドリブ244の係合によってY軸方向にガイドされ移動するが、シャッター239は、係合するシャッター受部245によって移動が阻止されるため、シャッター239によって塞がれたトナー供給口41(図2参照)がこの移動と共に現れ、やがてモールド210の上面に形成されたトナー受け口(図示せず)に対向する位置で移動が規制され、図示しない位置決め手段によって固定される。これにより、トナーカートリッジ205内のトナーを現像ユニット本体223aのトナー貯蔵部93(図2)に供給することが可能となる。
【0112】
一方、現像ユニット本体223aに載置されたトナーカートリッジ205のY軸プラス方向移動が終了して固定された時点で、図24に示すように、メモリー部材235aを表面に保持するメモリー保持部材254の突出部254aが、現像ユニット集合体本体250aの接点中継部242の開孔部242aに入り込み、脱方向(矢印A方向)側が開孔部242aの縁に相当する係止部242fに圧接した状態となる。
【0113】
次に、画像形成装置100本体に対して、トナーカートリッジ205を装着した現像ユニット集合体250を着脱する時の動作について、主に図1、図23を参照しながら説明する。
【0114】
画像形成装置100のトップカバー30は、回動軸100a(図1)を回動中心として回動できるように構成されており、この回動によりトップカバー30を上方に移動すると、図23に示すように、現像ユニット集合体250が現れてこれを着脱可能な状態となる。この時、トップカバーに配設された保持部材によって保持された露光装置3も同時に上方に移動する。使用者は、この状態で現像ユニット集合体250を持ち上げることにより、画像形成装置100本体から取り出すことができる。
【0115】
このとき、画像形成装置100本体の両内側面231aに形成された各ガイド溝50は、係合している現像ユニット223のガイドポスト48をそれぞれガイドする。従って、現像ユニット集合体250は、装着時の姿勢を保ったまま、各ガイド溝でガイドされる脱方向に平行移動し、各ガイド溝50と対応するガイドポスト48とが係合している間は、Y軸方向の移動が規制される。
【0116】
この時、現像ユニット集合体本体250aに形成された接点中継部242と画像形成装置100本体に形成された電気的接続部232とが離間する動作を、図26の動作説明図を参照しながら説明する。尚図26は、図24と同様に、図22に示す、X―Z平面のZ方向に対して角度α傾斜したA、B方向と直交する矢印D方向から見た図である。
【0117】
図26(a)に示すように、画像形成装置100本体に現像ユニット集合体250が装着された状態では、中継用接点部材261が圧縮状態となっているため、メモリー側接点部261bがメモリー部材235aの接触板236と圧接し、コンタクト側接点部261cがコンタクト部材237の湾曲接点部237bと圧接し、各当接部での電気的な導通が確実なものとなっている。現像ユニット集合体本体250aがこの装着位置にある状態で印刷が実行される。
【0118】
この状態から現像ユニット集合体250を取り出すため、使用者が現像ユニット集合体250を上方に引き出すと、上記したように現像ユニット集合体250は、装着時の姿勢を保ったまま、ガイド溝でガイドされる脱方向(矢印A方向)に平行移動を開始する。この時、中継用接点部材261のコンタクト側接点部261cがコンタクト部材237の湾曲接点部237bに沿って脱方向(矢印A方向)に移動しながら半時計方向に回動し、やがて、同図(b)に示すように、中継用接点部材261の先端部の当接部261eがストッパー部材242dに当接して同方向移動が規制される。
【0119】
従って、それ以後は、現像ユニット集合体250の脱方向移動に伴って、図26(c)に示すように、コンタクト側接点部261cと湾曲接点部237bとが離間して電気的接続状態が解除され、且つコンタクト側接点部261cと側部材231の傾斜部231b間、及び湾曲接点部237bと現像ユニット集合体本体250aの側壁部250b間は広がるため、コンタクト側接点部261cが画像形成装置100本体の他の箇所と当接することなく、更に湾曲接点部237bが現像ユニット集合体本体250aの他の箇所と当接することなく、現像ユニット集合体250を画像形成装置100本体から取り出すことができる。
【0120】
このように、少なくとも、コンタクト部材237の湾曲接点部237bと中継用接点部材261のコンタクト側接点部261cとが当接する現像ユニット集合体250の移動領域においては、前記した矢印A、B方向と着脱方向が一致し、装着時の姿勢を保ったままでの平行移動ができるように、画像形成装置100本体の両内側面231aのガイド溝50が形成されている。
【0121】
一方、画像形成装置100本体に現像ユニット集合体250を装着する際には、現像ユニット集合体250が、上記した取り外し時とは逆の工程を経て図26(a)に示す装着位置に装着されるが、この時もまたコンタクト側接点部261cと湾曲接点部237bとが接触する前に、それぞれが他の個所と接触することなく、現像ユニット集合体250を画像形成装置100本体に装着できる。
【0122】
接点中継部242の中継用接点部材261は線材であり、そのコンタクト側接点部261cが常に同じ点で接触するのに対し、電気的接続部232のコンタクト部材237は板材で、着脱動作時には接触部が線状に広がる。そのため、金メッキの磨耗は、交換部材である現像ユニット集合体250に属する中継用接点部材261の方で多く、コンタクト部材237の方で少ないため、画像形成装置100本体に属してその交換が困難なコンタクト部材237の寿命を交換部材の中継用接点部材261より長くすることができる。
【0123】
次に、現像ユニット223がアップダウン機構によってアップダウンした時の動作について、図27の動作説明図を参照しながら説明する。
【0124】
図27(a)は、例えば図25(a)に示すカラー印刷時のように4つの現像ユニット223が、画像形成位置案内部29bによって画像形成位置(ダウン位置)に導かれているときの各現像ユニット223のメモリー保持部材254の状態を示している。この状態から、例えば図25(b)に示す単色印刷(ここでは黒印刷)時のようにブラック(K)以外の3つの現像ユニット223が、アップ位置規制部29aによって非画像形成位置(アップ位置)に規制されると、これら3つの現像ユニット223は、図27(b)に示すように、脱方向(矢印A方向)に向かって、付勢部材255を圧縮しながら非画像形成位置(アップ位置)に移動する。
【0125】
この時、メモリー保持部材254は、現像ユニット集合体本体250aの接点中継部242の係止部242fによって脱方向(矢印A方向)移動が規制されているため、メモリー保持部材254を係止部242fに圧接したまま、メモリー保持部材254以外の現像ユニット223が、付勢部材255を圧縮しながら脱方向(矢印A方向)に移動して非画像形成位置(アップ位置)に移動する。従ってこの間、メモリー部材235aの接触板236と接点中継部242の中継用接点部材261のメモリー側接点部261bとの圧接状態は変化せず、電気的な接続が確保されている。尚、トップカバー30と現像ユニット223間には、この時の現像ユニット223の移動を許容するだけのスペースが設けられている。
【0126】
同様にして、現像ユニット223が図27(b)に示す非画像形成位置(アップ位置)に規制される状態から再び画像形成位置(ダウン位置)に導かれる場合も、メモリー保持部材254を係止部242fに圧接したまま、メモリー保持部材254以外の現像ユニット223が、付勢部材255を伸長させながら着方向(矢印B方向)に向かって、図27(a)に示す画像形成位置(ダウン位置)に移動する。従ってこの間も、メモリー部材235aの接触板236と接点中継部242の中継用接点部材261のメモリー側接点部261bとの圧接状態は変化せず、電気的な接続が確保される。
【0127】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置によれば、画像形成装置100本体に備えたコンタクト部材237の湾曲接点部237bが装着方向に対して傾斜した傾斜部231bの傾斜面から突出するように形成され、また接点中継部242の中継用接点部材261のコンタクト側接点部261cが、上記傾斜部に平行に対向する開孔面242eから突出するように形成されているため、装置サイズを大きくすることなく、画像形成装置100本体に対して現像ユニット集合体250を着脱する際に、コンタクト側接点部261cが画像形成装置100本体の湾曲接点部237b以外の箇所と当接することなく、更に湾曲接点部237bが現像ユニット集合体本体250aのコンタクト側接点部261c以外の箇所と当接することがないため、各接点部の損傷や、不要な擦れや摩耗を抑制できる。
【0128】
更に、現像ユニット集合体本体250に対して現像ユニット223をアップダウンさせる場合にも、中継用接点部材261のコンタクト側接点部261cとコンタクト部材237の湾曲接点部237bとの位置関係が変わらないため、カラー印刷時、単色印刷時の何れにおいても、接点部と接触板との電気的接続を確実に保ち、且つ擦れによる消耗を防ぐことができる。
【0129】
実施の形態4.
図28は、本発明に基づく実施の形態4の画像形成装置に採用される画像形成装置本体に形成された電気的接続部とその周辺部の構造を示すと共に、その動作説明に供する図である。尚、図28は、図24と同様に、図22に示す矢印D方向から見た図である。
【0130】
本実施の形態の画像形成装置が実施の形態3の画像形成装置と主に異なる点は、電気的接続部332のコンタクト部材337が板バネで形成されている点である。従って、この電気的接続部332を採用する画像形成装置が、前記した実施の形態3の画像形成装置と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0131】
本実施の形態におけるコンタクト部材337は、金メッキでコーティングされた板バネ材で形成され、接続基板59の表面に接して延在する接触部、接触部に続いて接続基板59から離間する方向に傾斜した傾斜部337a、傾斜部337aに続いて円弧状に湾曲した湾曲接点部337b、湾曲接点部337bに続く端部に当接部337cを備えている。図24に示すように、側部材231は、接点中継部242の開孔部242aに対向する部分に開孔面242eと平行に形成された傾斜部231bを有し、この傾斜部231bには、コンタクト部材337の湾曲接点部337bが外側から内側に臨む開孔231cが形成されている。
【0132】
コンタクト部材337は、図28に示すように、湾曲接点部337bが、開孔231cから少なくとも先端側半部が突出するように形成され、図28(c)に示す初期状態で、当接部337cが開孔231cの縁部である係止部371に圧接する付勢力が生じるように設定されている。即ちコンタクト部材337は、係止部371によって開孔231cから突出する方向への移動が制限されている。
【0133】
以上の構成において、現像ユニット集合体本体250aに形成された接点中継部242と画像形成装置100本体に形成された電気的接続部332とが離間する動作を、図28の動作説明図を参照しながら説明する。
【0134】
図28(a)に示すように、画像形成装置100本体に現像ユニット集合体250が装着された状態では、中継用接点部材261が圧縮状態となっているため、メモリー側接点部261bがメモリー部材235aの接触板236(図24)と圧接し、コンタクト側接点部261cがコンタクト部材337の湾曲接点部337bと圧接し、各当接部での電気的な導通が確実なものとなっている。このとき、コンタクト部材337は、その当接部337cが係止部371から所定量離間した位置でバランスし、各圧接部で所望の接圧が得られるように設定されている。これにより、接圧の強さに応じてコンタクト部材337の離間量が変化するため、各圧接部での接圧が必要以上に大きくなるのを防止できる。
【0135】
この状態から現像ユニット集合体250を取り出すため、使用者が現像ユニット集合体250を上方に引き出すと、上記したように現像ユニット集合体250は、装着時の姿勢を保ったまま、ガイド溝でガイドされる脱方向(矢印A方向)に平行移動を開始する。この時、中継用接点部材261のコンタクト側接点部261cがコンタクト部材337の湾曲接点部337bに沿って脱方向(矢印A方向)に移動するため、この移動に伴って中継用接点部材261及びコンタクト部材337は、やがて同図(b)に示すように初期状態に復帰する。
【0136】
従って、それ以後は、現像ユニット集合体250の脱方向移動に伴って、図28(c)に示すように、コンタクト側接点部261cと湾曲接点部337bとが離間して電気的接続状態が解除され、且つコンタクト側接点部261cと側部材231の傾斜部231b間、及び湾曲接点部337bと現像ユニット集合体本体の側壁部250b間は広がるため、コンタクト側接点部261cが画像形成装置100本体の他の箇所と当接することなく、更に湾曲接点部337bが現像ユニット集合体本体250aの他の箇所と当接することなく、現像ユニット集合体250を画像形成装置100本体から取り出すことができる。
【0137】
一方、画像形成装置100本体に現像ユニット集合体250を装着する際には、現像ユニット集合体250が、上記した取り外し時とは逆の工程を経て図28(a)に示す装着位置に装着されるが、この時もまたコンタクト側接点部261cと湾曲接点部337bとが接触する前に、それぞれが他の個所と接触することなく、現像ユニット集合体250を画像形成装置100本体に装着できる。
【0138】
尚、本実施の形態において、現像ユニット223がアップダウン機構によってアップダウンする時の動作は、前記した実施の形態3で説明した動作と全く同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0139】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置によれば、電気的接続部332のコンタクト部材337が板バネ材で形成されているため、着脱動作時に接点同士の接圧が必要以上に大きくなるのを防止できるため、接点部に用いられた金メッキへの過負荷の発生を防いで電気的接続の信頼性を高めることができる。
【0140】
実施の形態5.
図29は、本発明に基づく実施の形態5の画像形成装置に採用される、トナーカートリッジに形成されたメモリー部、現像ユニット集合体本体の一方の側壁部250bに形成された接点中継部、画像形成装置本体に形成された電気的接続部、及びその周辺部の構造を示すと共に、その動作説明に供する図である。尚図29は、図24と同様に、図22に示す、X−Z平面のZ方向に対して角度α傾斜したA、B方向と直交する矢印D方向から見た図である。
【0141】
本実施の形態の画像形成装置が実施の形態4の画像形成装置と主に異なる点は、メモリー部435及び接点中継部442の構成である。従って、このメモリー部435及び接点中継部442を採用する画像形成装置が、前記した実施の形態3及び4の画像形成装置と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0142】
図29に示すように、本実施の形態におけるメモリー部435のメモリー保持部材454は、トナーカートリッジ205が現像ユニット本体223aに装着された段階で、現像ユニット集合体本体250aの接点中継部442の開孔部442aに入り込み、脱方向(矢印A方向)側が開孔部442aの縁に圧接した状態となっている。メモリー保持部材454の表面にはメモリー部材235aが保持され、このメモリー部材235aを囲むように、断面L字状の張り出し部454aが形成されている。メモリー部材235aには、EEPROMやフラッシュメモリーなどによる不揮発性メモリー47(図22参照)と、不揮発性メモリー47に接合され、メモリー部材235aの表面(X−Z平面と平行)に沿って現像ユニットの着脱方向に延在し、外部の通信手段と接続するための導電性の接触板236が具備されている。
【0143】
張り出し部454a内には、接触板236と電気的に接触する線材で形成された接点部材461が配設されている。この接点部材461は、表面を金メッキでコーティングされたトーションスプリングで形成され、張り出し部454a内に具備されてその巻き線部461aに嵌入する支点部454bによって支持されている。尚、接点部材461は板バネで構成することも可能である。
【0144】
巻き線部461aを介した接点部材461の一方の側は、接触板236の表面に略平行に接触し、巻き線部461aを介した接点部材461の他方の側には、折り曲げにより、コンタクト部材337の湾曲接点部337bと電気的に接触する接点部461cが形成され、更にその先端部には、張り出し部454aの縁に当接して反時計回りの回動量が規制される当接部461eが形成されている。
【0145】
接点部材461は、図29に示すように、接点部461cが、張り出し部454aの開口部、更には接点中継部442の開孔面442eから突出するように形成され、図29(c)に示す初期状態で、当接部461eが張り出し部454aの縁の係止部に圧接する付勢力が生じるように設定されている。即ち接点部材461は、張り出し部454aの開口部から突出する方向への移動が制限されている。接点中継部442は、開孔面442e等の外部形状は、前記した実施の形態3で説明した接点中継部242(図24)と同じに形成され、開孔部442a内において、図24に示す中継用接点部材261、支点部242b等が除かれた構成となっている。
【0146】
以上の構成において、トナーカートリッジ205のメモリー部435と画像形成装置100本体に形成された電気的接続部332とが離間する動作を、図29の動作説明図を参照しながら説明する。
【0147】
図29(a)に示すように、画像形成装置100本体に現像ユニット集合体250が装着された状態では、接点部材461の当接部461e及びコンタクト部材337の当接部337cが共に係止部から離間した状態となっているため、接点部材461の接点部461cとコンタクト部材337の湾曲接点部337bとが圧接し、当接部での電気的な導通が確実なものとなっている。このとき、コンタクト部材337は、その当接部337cが係止部371から所定量離間した位置でバランスし、圧接部で所望の接圧が得られるように設定されている。これにより、接圧の強さに応じてコンタクト部材337の離間量が変化するため、圧接部での接圧が必要以上に大きくなるのを防止できる。
【0148】
この状態から現像ユニット集合体250を取り出すため、使用者が現像ユニット集合体250を上方に引き出すと、前記したように現像ユニット集合体250は、装着時の姿勢を保ったまま、ガイド溝でガイドされる脱方向(矢印A方向)に平行移動を開始する。この時、接点部材461の接点部261cがコンタクト部材237の湾曲接点部337bに沿って脱方向(矢印A方向)に移動するため、この移動に伴って接点部材461及びコンタクト部材337は、やがて同図(b)に示すように初期状態に復帰する。
【0149】
従って、それ以後は、現像ユニット集合体250の脱方向移動に伴って、図29(c)に示すように、コンタクト側接点部461cと湾曲接点部337bとが離間して電気的接続状態が解除され、且つコンタクト側接点部461cと側部材231の傾斜部231b間、及び湾曲接点部337bと現像ユニット集合体本体の側壁部250b間は広がるため、接点部461cが画像形成装置100本体の他の箇所と当接することなく、更に湾曲接点部337bが現像ユニット集合体本体250aの他の箇所と当接することなく、現像ユニット集合体250を画像形成装置100本体から取り出すことができる。
【0150】
一方、画像形成装置100本体に現像ユニット集合体250を装着する際には、現像ユニット集合体250が、上記した取り外し時とは逆の工程を経て図29(a)に示す装着位置に装着されるが、この時もまた接点部461cと湾曲接点部337bとが接触する前に、それぞれが他の個所と接触することなく、現像ユニット集合体250を画像形成装置100本体に装着できる。
【0151】
次に、現像ユニット223がアップダウン機構によってアップダウンした時の動作について、図30の動作説明図を参照しながら説明する。
【0152】
図30(a)は、例えば図25(a)に示すカラー印刷時のように4つの現像ユニット223が、画像形成位置案内部29bによって画像形成位置(ダウン位置)に導かれているときの各現像ユニット223のメモリー保持部材454の状態を示している。この状態から、例えば図25(b)に示す単色印刷(ここでは黒印刷)時のようにブラック(K)以外の3つの現像ユニット223が、アップ位置規制部29aによって非画像形成位置(アップ位置)に規制されると、これら3つの現像ユニット223は、図30(b)に示すように、脱方向(矢印A方向)に向かって、付勢部材255を圧縮しながら非画像形成位置(アップ位置)に移動する。
【0153】
この時、メモリー保持部材454は、現像ユニット集合体本体250aの接点中継部442の係止部442fによって脱方向(矢印A方向)移動が規制されているため、メモリー保持部材454を係止部442fに圧接したまま、メモリー保持部材454以外の現像ユニット223が、付勢部材255を圧縮しながら脱方向(矢印A方向)に移動して非画像形成位置(アップ位置)に移動する。従ってこの間、接点部材461の接点部461cとコンタクト部材337の湾曲接点部337bとの圧接状態は変化せず、電気的な接続が確保されている。
【0154】
同様にして、現像ユニット223が図30(b)に示す非画像形成位置(アップ位置)に規制される状態から再び画像形成位置(ダウン位置)に導かれる場合も、メモリー保持部材454を係止部442fに圧接したまま、メモリー保持部材454以外の現像ユニット223が、付勢部材255を伸長させながら着方向(矢印B方向)に向かって、図30(a)に示す画像形成位置(ダウン位置)に移動する。従ってこの間も、接点部材461の接点部461cとコンタクト部材337の湾曲接点部337bとの圧接状態は変化せず、電気的な接続が確保されている。
【0155】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置によれば、接点部材461をメモリー保持部材454に具備した構成としているため、現像ユニット集合体本体250aに形成される接点中継部442の構成を簡単にすることができ、製造上有利となる。また、メモリー部材235aを張り出し部によって囲んでいるため、メモリー部材235aが外部と接触して破損するといった事態を避けることができる。
【0156】
実施の形態6.
図31は、本発明に基づく実施の形態6の画像形成装置に採用される現像ユニット123のメモリー保持部材154とその周辺部の構造を示すと共に、その動作説明に供する図である。
【0157】
実施の形態2では、図14で説明した構成のメモリー保持部材154を有する4つの現像ユニット123が画像形成装置100本体に別々に装着され、図15で説明したアップダウン機構によってアップダウンするときの動作について説明したが、本実施の形態の画像形成装置は、図14で説明した構成のメモリー保持部材154を有する4つの現像ユニット123の現像ユニット本体123aが、実施の形態3で説明したように、現像ユニット集合体本体250a(例えば図18)に保持された現像ユニット集合体250として画像形成装置100本体に装着され、図25で説明したアップダウン機構によってアップダウンするように構成したものである。
【0158】
図31は、画像形成装置100本体に、現像ユニット集合体本体250aに保持されて装着された現像ユニット123のトナーカートリッジ105のメモリー保持部材154に具備されたメモリー部材35aと画像形成装置100内のコンタクト部材37を、前記した図11と同様に図9(a)に示した矢印D方向からみた構成を示している。
【0159】
本実施の形態では、図31に示すように、現像ユニット本体123aのサイドに現像ユニット集合体本体250aの側壁部250bが位置することになるが、図25に示すアップダウン機構によって行われるアップダウン時の現像ユニット123の動作は、図14を参照して実施の形態2で説明した動作と全く同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0160】
本実施の形態の画像形成装置によれば、前記した実施の形態4、5の画像形成装置に比べて部品点数が少なく、且つより簡単な構成で、同様の効果を得ることができる。
【0161】
実施の形態7.
図32は、本発明に基づく実施の形態7の画像形成装置に採用される現像ユニット123のメモリー保持部材154とその周辺部の構造を示すと共に、その動作説明に供する図である。
【0162】
本実施の形態の構成が、図31に示す実施の形態6の画像形成装置と異なる点は、矢印A方向に付勢されたメモリー保持部材154の同方向移動を制限する部材がトップカバー30に形成されたストッパー部材157から、現像ユニット集合体本体250aの側壁部250bに形成された係止部250cになっている点である。このため、トナーカートリッジ105を現像ユニット本体123aに装着する際に、現像ユニット本体123aに載置されたトナーカートリッジ105のY軸プラス方向移動が終了して固定された時点で、図32に示すように、メモリー保持部材154が、現像ユニット集合体本体250aの側壁部250bに形成された開孔部250dに入り込み、脱方向(矢印A方向)側が開孔部250dの縁に相当する係止部250cに圧接した状態となる。
【0163】
その他の構成、及び図25に示すアップダウン機構によって行われるアップダウン時の現像ユニット123の動作は、図31に示す実施の形態6の画像形成装置と同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0164】
本実施の形態の画像形成装置によれば、前記した実施の形態4、5の画像形成装置に比べて部品点数が少なく、且つより簡単な構成で、同様の効果を得ることができる。更に実施の形態6の画像形成装置のようにトップカバー30にストッパー部材157を設ける必要がなく、構成を簡素化することができる。
【0165】
尚、上記した各実施の形態では、交換部材を現像ユニットや現像ユニット集合体とし、これらの交換部材や画像形成装置本体の情報を記憶するメモリーを現像ユニットのトナーカートリッジが備えた構成を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コンタクト部材を備えた画像形成装置本体に対して、メモリーを備えた着脱可能な交換部材としては、例えば定着器25、給紙カセット20、給紙ローラ51、転写ベルトユニット24、トナーカートリッジ5、両面印刷ユニット52等を想定して構成することも可能である。
【0166】
また、前記した特許請求の範囲、及び実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」といった言葉を使用したが、これらは便宜上であって、画像形成装置を配置する状態における絶対的な位置関係を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0167】
前記した各実施の形態では、画像形成装置が電子写真プリンタである場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、ファクシミリ装置、複写機、それらを複合的に持つ複合機等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0168】
1 感光体、 2 帯電ローラ、 3 露光装置、 4 トナー、 5 トナーカートリッジ、 6 現像ローラ、 7 現像ブレード、 8 トナー供給ローラ、 9 クリーニングブレード、 10 モールド、 11 転写ベルト、 12 転写ローラ、 13 記録用紙、 14 転写済みトナー、 15 用紙搬送路、 16 用紙搬送ローラ、 17 用紙搬送ローラ、 18 用紙搬送ローラ、 19 用紙搬送ローラ、 20 給紙カセット、 21 スタッカ、 23 現像ユニット、 23a 現像ユニット本体、 23b 側壁部、 23c 開口、 23d 外側面、 24 転写ベルトユニット、 25 定着器、 26 検知部、 28 ロワーフレーム、 29 アップダウンバー、 29a アップ位置規制部、 29b 画像形成位置案内部、 29c ラックギア、 30 トップカバー、 31 側部材、 31a 内側面、 31b 開口部、 31c 規制部、 32 電気的接続部、 34 トナー収容部、 35 メモリー部、 35a メモリー部材、 35b 表面部、 36 接触板、 37 コンタクト部材、 37a 先端部、 37b 接点部、 37c 巻き線部、 39 シャッター、 39a 縁部、 40 ギア、 41 トナー供給口、 42 支点部、 43 ガイドリブ、 43b ガイド溝、 44 ガイドリブ、 45a シャッター受け部、 45b シャッター受け部、 45c トナー受け口、 47 不揮発性メモリー、 48 ガイドポスト、 48a ガイドポスト、 48b ガイドポスト、 50 ガイド溝、 50a ガイド溝、 50b ガイド溝、 52 両面印刷ユニット、 59 接続基板、 59a 穴、 59b 穴 、 59c 電気的接続部、 91 現像部、 92 廃トナー収集部、 93 トナー貯蔵部、 100 画像形成装置、 100a 回動軸、 105 トナーカートリッジ、 105a 規制部、 115 アップダウンモータ、 123 現像ユニット、 123a 現像ユニット本体、 123d 外側面、 143 ピニオンギア、 154 メモリー保持部材、 155 付勢部材、 157 ストッパー部材、 165 位置決めカム、 205 トナーカートリッジ、 210 モールド、 223 現像ユニット、 223a 現像ユニット本体、 223b 側壁部、 231 側部材、 231a 内側面、 231b 傾斜部、 231c 開孔、 232 電気的接続部、 234 トナー収容部、 235 メモリー部、 235a メモリー部材、 235b ガイド部材、 236 接触板、 237 コンタクト部材、 237a 傾斜部、 237b 湾曲接点部、 237c 当接部、 239 シャッター、 242 接点中継部、 242a 開孔部、 242b 支点部、 242c ストッパー部材、 242d ストッパー部材、 242e 開孔面、 242f 係止部、 243 ガイドリブ、 244 ガイドリブ、 245 シャッター受部、 250 現像ユニット集合体、 250a 現像ユニット集合体本体、 250b 側壁部、 250c 係止部、 250d 開孔部、 254 メモリー保持部材、 254a 突出部、 255 付勢部材、 259 接続基板、 261 中継用接点部材、 261a 巻き線部、 261b メモリー側接点部、 261c コンタクト側接点部、 261d 当接部、 261e 当接部、 265 位置決めカム、 332 電気的接続部、 337 コンタクト部材、 337a 傾斜部、 337b 湾曲接点部、 337c 当接部、 371 係止部、 435 メモリー部、 442 接点中継部、 442a 開孔部、 442e 開孔面、 442f 係止部、 454 メモリー保持部材、 454a 張り出し部、 454b 支点部、 461 接点部材、 461a 巻き線部、 461c 接点部、 461e 当接部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して着脱自在な交換部材を有する画像形成装置であって、
前記交換部材は、
電気的に導通可能な第1の接合部と、
前記交換部材が前記画像形成装置本体に装着された状態で、前記第1の接合部を前記交換部材の着脱方向に移動可能に保持する保持部と、
前記第1の接合部を前記交換部材の脱方向に付勢する付勢部材と
を備え、
前記画像形成装置本体は、
前記第1の接合部と電気的に接続可能な第2の接合部と、
前記交換部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させる移動機構と
を備え、
前記移動機構が前記交換部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるとき、前記第1の接合部の移動が抑制される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記移動機構が前記交換部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるとき、前記保持部と係合して前記第1の接合部の移動を抑制する抑止部材をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記抑止部材は、前記画像形成装置のトップカバーに配設されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記交換部材は、
前記第1の接合部、前記保持部、及び前記付勢部材を有する複数の第1の構造体と、複数の前記第1の構造体を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動可能に保持する第2の構造体と
を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記抑制部材は、前記第2の構造体に配設されていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の接合部と前記第2の接合部との間において、前記第1の接合部及び前記第2の接合部と電気的な接続可能な第3の接合部をさらに備えることを特徴とする請求項4又は5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第3の接合部は、前記第2の構造体に配設されていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の構造体は、トナーカートリッジと、前記トナーカートリッジが搭載される現像ユニット本体とからなる現像ユニットであり、前記第2の構造体は、前記現像ユニットを複数保持する現像ユニット集合体本体であることを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記交換部材は、前記交換部材及び/又は前記画像形成装置本体の情報を記憶するメモリーをさらに備え、前記第1の接合部は、前記メモリーと電気的に接続可能であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1の位置は画像形成可能な画像形成位置であり、前記第2の位置は画像形成が不可能な非画像形成装置であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−234190(P2012−234190A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−152317(P2012−152317)
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【分割の表示】特願2009−274712(P2009−274712)の分割
【原出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】