画像形成装置
【課題】 記録媒体の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 プリンター25は、重送センサー52によって重送が検出された時に、重送が検出された記録媒体である重送媒体の次以降の記録媒体を搬送していることが可能であるMFP10において、画像保留手段21bは、重送センサー52によって重送が検出された場合に、重送媒体に印刷される予定であった画像を保留し、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に、重送媒体への印刷を中止し、重送センサー52によって重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体のうち、属性が重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、画像保留手段21bによって保留された画像を印刷することを特徴とする。
【解決手段】 プリンター25は、重送センサー52によって重送が検出された時に、重送が検出された記録媒体である重送媒体の次以降の記録媒体を搬送していることが可能であるMFP10において、画像保留手段21bは、重送センサー52によって重送が検出された場合に、重送媒体に印刷される予定であった画像を保留し、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に、重送媒体への印刷を中止し、重送センサー52によって重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体のうち、属性が重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、画像保留手段21bによって保留された画像を印刷することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚重なった状態での記録媒体の搬送、すなわち、重送を検出することができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、重送を検出することができる画像形成装置として、記録媒体である用紙の重送を検出した場合、重送を検出した用紙への画像の形成を中止して排紙トレイに排出した後、この用紙に形成する予定であった画像を形成するために、給紙ユニットから次の用紙を搬送する画像形成装置が知られている(特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−333797号公報
【特許文献2】特開2004−4181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、用紙の排出が終了した後に次の用紙の搬送が開始されるので、単位時間当たりの印刷枚数が少ないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、記録媒体の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体の重送を検出する重送検出部とを備えていて、前記印刷部は、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に、前記重送が検出された前記記録媒体である重送媒体の次以降の前記記録媒体を搬送していることが可能である画像形成装置であって、前記印刷部による前記印刷を制御する印刷制御手段と、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留手段とを備えており、前記画像保留手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留し、前記印刷制御手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体への前記印刷を中止し、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体のうち、属性が前記重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、前記画像保留手段によって保留された前記画像を印刷することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成装置は、重送媒体に印刷される予定であった画像を既に搬送中の記録媒体である同性最近媒体に印刷するので、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷するための記録媒体を新たに搬送する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。すなわち、本発明の画像形成装置は、記録媒体の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置の前記印刷制御手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に前記重送媒体を排出し、前記重送媒体の排出が予定されていた排出先と同じ排出先に前記同性最近媒体を排出しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の画像形成装置は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体である同性最近媒体を、重送媒体の排出が予定されていた排出先、すなわち、利用者の意図に沿った排出先に排出するとともに、その同性最近媒体と、重送媒体とが排出先で混ざることを防止することができる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置の前記印刷制御手段は、前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体であって、順番が前記同性最近媒体の次以降ではない前記記録媒体のうち、排出先が前記重送媒体の排出先と異なる記録媒体である異性異先媒体への前記印刷を継続しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成装置は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体である同性最近媒体と排出先で混ざらない異性異先媒体への印刷を継続するので、異性異先媒体への印刷を中止する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置の前記印刷制御手段は、前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体であって、順番が前記同性最近媒体の次以降ではない前記記録媒体のうち、排出先が前記重送媒体の排出先と同じ記録媒体である異性同先媒体への前記印刷を中止し、前記異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に前記異性同先媒体を排出しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成装置は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体である同性最近媒体と、印刷を中止した異性同先媒体とが排出先で混ざることを防止することができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置の前記印刷部は、トナーによって形成された前記画像を熱によって前記記録媒体に定着させる定着部を備えており、前記印刷制御手段は、前記印刷を中止した前記記録媒体を前記定着部を通過させて排出先に排出しても良い。
【0015】
この構成の場合、印刷が中止された記録媒体は、定着部の熱によって縮むので、排出先に排出された後で再利用されることが困難となる可能性がある。しかしながら、本発明の画像形成装置は、重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体のうち同性最近媒体に印刷を実行するので、重送が検出された時に重送媒体以降に搬送されている全ての記録媒体への印刷を常に中止して排出先に排出する構成と比較して、再利用されることが困難となる記録媒体の発生枚数を抑えることができる。すなわち、本発明の画像形成装置は、印刷を中止した記録媒体を定着部を通過させずに排出先に排出する構成と比較して、重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体のうち同性最近媒体に印刷を実行することの有用性が高い。
【0016】
本発明の印刷制御方法は、記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体の重送を検出する重送検出部とを備えていて、前記印刷部は、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に、前記重送が検出された前記記録媒体である重送媒体の次以降の前記記録媒体を搬送していることが可能である画像形成装置の印刷制御方法であって、前記印刷部による前記印刷を制御する印刷制御ステップと、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留ステップとを備えており、前記画像保留ステップは、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留するステップであり、前記印刷制御ステップは、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体への前記印刷を中止し、前記重送媒体の次以降の搬送中の前記記録媒体のうち、属性が前記重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、前記画像保留ステップによって保留された前記画像を印刷するステップであることを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明の印刷制御方法を実行する画像形成装置は、重送検出部によって重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体のうち、属性が重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷するので、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷するための記録媒体を新たに搬送する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。すなわち、本発明の印刷制御方法を実行する画像形成装置は、記録媒体の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置は、記録媒体の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るMFPの構成図である。
【図2】図1に示すMFPのブロック図である。
【図3】印刷データに基づいた印刷を実行するときの図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図4】搬送中の記録媒体毎に実行される図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図5】重送に対する図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図6】図5に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るMFPの構成図である。
【図8】図7に示すMFPのブロック図である。
【図9】搬送中の記録媒体毎に実行される図7に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図10】重送に対する図7に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図11】図10に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)の構成について説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係るMFP10の構成図である。
【0023】
図1に示すように、MFP10は、MFP本体20と、MFP本体20に接続されてMFP本体20に用紙などの記録媒体91を供給する補助供給装置としてのサイドマルチトレイ(Side multi tray)50と、MFP本体20に接続されてMFP本体20によって印刷された記録媒体91の仕分け、ステープルなどの後処理を実行するフィニッシャー(Finisher)70とを備えている。
【0024】
図2は、MFP10のブロック図である。
【0025】
図2に示すように、MFP本体20は、MFP本体20全体を制御する制御部21と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部22と、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部23と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部24と、記録媒体91に印刷を実行する印刷デバイスである印刷部としてのプリンター25と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー26と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部27と、LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由でPC(Personal Computer)などの外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部28とを備えている。
【0026】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部22に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0027】
記憶部22は、MFP本体20用のプログラムである画像形成装置用プログラム22aを記憶している。また、記憶部22は、プリンター25による印刷のためのデータである印刷データのうち、記録媒体91が搬送される前の印刷データの列である搬送前印刷データ列22bと、記録媒体91の搬送中の印刷データの列である搬送中印刷データ列22cと、プリンター25によって記録媒体91に印刷される予定の画像のデータである画像データ22dと、記録媒体91の排出が予定されている排出先のデータである排出先データ22eとを記憶することができる。印刷データは、印刷される予定の順番が常に管理されている。画像データ22dおよび排出先データ22eは、搬送前印刷データ列22b内の印刷データに基づいて生成されるデータであり、搬送中の記録媒体91と対応付けられて記憶される。
【0028】
なお、画像形成装置用プログラム22aは、MFP本体20の製造段階でMFP本体20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から、または、ネットワーク上からMFP本体20に追加でインストールされても良い。
【0029】
制御部21は、記憶部22に記憶されている画像形成装置用プログラム22aを実行することによって、プリンター25による印刷を制御する印刷制御手段21a、および、後述の重送センサー52によって重送が検出された記録媒体91である重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留手段21bとして機能する。
【0030】
図1に示すように、プリンター25は、記録媒体91を収納する複数のトレイ31aを備えていて記録媒体91を供給する供給装置31と、トナーによって形成された画像であって最終的に記録媒体91に定着させられる予定のトナー画像が現像される感光体としてのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の感光体ドラム32a〜32dと、感光体ドラム32a〜32dに現像されたトナー画像が一時的に転写される中間転写体としての中間転写ベルト33と、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像を記録媒体91に転写する転写ローラー34と、記録媒体91に転写されたトナー画像を熱によって記録媒体91に定着させる定着部としての定着ローラー35と、定着ローラー35に記録媒体91を押し付ける加圧ローラー36と、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像に記録媒体91の搬送のタイミングを合わせるためのレジストローラー37と、印刷された記録媒体91が排出される排出トレイ38と、複数の搬送ローラー39aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部39とを備えている。
【0031】
サイドマルチトレイ50は、記録媒体91を収納する複数のトレイ51aと、記録媒体91の重送を検出する重送検出部としての重送センサー52と、記録媒体91の厚み、材質、色などの属性を検知する属性センサー53と、重送媒体の除去先であるパージトレイ54と、複数の搬送ローラー55aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部55とを備えている。
【0032】
重送センサー52としては、例えば、超音波式の重送センサー、光学式の重送センサーなど、公知の任意の重送センサーが採用されることが可能である。
【0033】
記録媒体91の厚みを検知する属性センサー53としては、例えば、接触式の紙厚センサー、非接触式の紙厚センサーなど、公知の任意の紙厚センサーが採用されることが可能である。また、属性センサー53が記録媒体91の材質を検知する方法としては、例えば、記録媒体91の表面に光を照射するとともに、記録媒体91の表面に照射された光のうち記録媒体91の表面によって反射された光を検知することによって、記録媒体91の表面の凹凸を検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることが可能である。また、属性センサー53が記録媒体91の色を検知する方法としては、例えば、記録媒体91の表面に光を照射するとともに、記録媒体91の表面に照射された光のうち記録媒体91の表面によって反射された光を検知することによって、記録媒体91の色を検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることが可能である。
【0034】
なお、複数のトレイ51a、パージトレイ54および搬送部55は、プリンター25の一部を構成している。
【0035】
フィニッシャー70は、MFP本体20によって印刷された記録媒体91が排出される排出トレイ71、72と、複数の搬送ローラー73aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部73とを備えている。
【0036】
なお、排出トレイ71、72および搬送部73は、プリンター25の一部を構成している。
【0037】
次に、MFP10の動作について説明する。
【0038】
MFP10の制御部21は、印刷データを搬送前印刷データ列22bに加える。例えば、制御部21は、コピーのためにスキャナー26によって原稿から画像が読み取られると、読み取られた画像に基づいた印刷データを生成し、生成した印刷データを搬送前印刷データ列22bに加える。また、制御部21は、ファックス通信部27を介して外部のファクシミリ装置からFAXデータを受信すると、受信したFAXデータに基づいた印刷データを生成し、生成した印刷データを搬送前印刷データ列22bに加える。また、制御部21は、ネットワーク通信部28を介して外部の装置から印刷データを受信すると、受信した印刷データを搬送前印刷データ列22bに加える。
【0039】
図3は、印刷データに基づいた印刷を実行するときのMFP10の動作のフローチャートである。
【0040】
図3に示すように、制御部21の印刷制御手段21aは、搬送前印刷データ列22bに印刷データが存在すると判断するまで、搬送前印刷データ列22bに印刷データが存在するか否かを判断する(S101)。
【0041】
印刷制御手段21aは、搬送前印刷データ列22bに印刷データが存在するとS101において判断すると、保留中の画像データ22dが存在しないと判断するまで、保留中の画像データ22dが存在するか否かを判断する(S102)。
【0042】
印刷制御手段21aは、保留中の画像データ22dが存在しないとS102において判断すると、搬送前印刷データ列22bの先頭の印刷データに基づいて、画像データ22dおよび排出先データ22eを生成する(S103)。
【0043】
次いで、印刷制御手段21aは、搬送前印刷データ列22bの先頭の印刷データに基づいて、プリンター25によって記録媒体91の搬送を開始する(S104)。ここで、印刷制御手段21aは、複数のトレイ51aのうち、印刷データにおいて指定されているトレイから記録媒体91をプリンター25に搬送させる。
【0044】
次いで、印刷制御手段21aは、搬送前印刷データ列22bの先頭の印刷データを、搬送中印刷データ列22cの最後に移動する(S105)。ここで、印刷制御手段21aは、S104において搬送を開始した記録媒体91と、S105において搬送中印刷データ列22cに移動させた印刷データとを、搬送中印刷データ列22cにおいて対応付ける。
【0045】
印刷制御手段21aは、S105の処理の後、再びS101に戻る。
【0046】
なお、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された時に重送媒体の次以降の記録媒体91をプリンター25が搬送していることが可能であるように、図3に示す処理を実行する。
【0047】
制御部21は、S105の処理を実行すると、S104において搬送を開始した記録媒体91毎に図4に示す処理を実行する。
【0048】
図4は、搬送中の記録媒体91毎に実行されるMFP10の動作のフローチャートである。図4に示す処理は、図3に示す処理とは独立して実行される。また、図4に示す処理は、搬送中の記録媒体91毎に独立して実行される。以下、図4に示すフローチャートにおいて対象とされている記録媒体91を自媒体という。
【0049】
図4に示すように、制御部21の印刷制御手段21aは、記録媒体91の除去先であるパージトレイ54に記録媒体91が排出されるか否かの判断地点に自媒体が到達したと判断するまで、判断地点に自媒体が到達したか否かを図示していないセンサーの出力に基づいて判断する(S121)。このセンサーは、判断地点に配置されている。判断地点は、自媒体の搬送路において、重送センサー52の位置より下流の位置であって、除去先、すなわち、パージトレイ54への分岐点より上流の位置である。
【0050】
印刷制御手段21aは、判断地点に自媒体が到達したとS121において判断すると、自媒体の排出が予定されている排出先が除去先、すなわち、パージトレイ54であるか否かを、自媒体に対応付けられて記憶されている排出先データ22eに基づいて判断する(S122)。
【0051】
印刷制御手段21aは、自媒体の排出が予定されている排出先が除去先であるとS122において判断すると、搬送部55を制御することによって、自媒体を除去先、すなわち、パージトレイ54に排出する(S123)。すなわち、自媒体は、印刷が実行されずに排出される。
【0052】
次いで、印刷制御手段21aは、自媒体に対応付けられて記憶されている排出先データ22eを削除して(S124)、図4に示す処理を終了する。
【0053】
印刷制御手段21aは、自媒体の排出が予定されている排出先が除去先ではないとS122において判断すると、感光体ドラム32a〜32d、中間転写ベルト33、転写ローラー34、定着ローラー35および加圧ローラー36を制御することによって、自媒体に印刷される予定である画像を、自媒体に対応付けられて記憶されている画像データ22dに基づいて自媒体に印刷する(S125)。
【0054】
次いで、印刷制御手段21aは、自媒体に対応付けられて記憶されている画像データ22dを削除する(S126)。ここで、削除する画像データ22dが保留中の画像データであった場合には、保留中の画像データは、S126の処理によって存在しなくなる。
【0055】
次いで、印刷制御手段21aは、搬送部39および搬送部73を制御することによって、自媒体の排出が予定されている排出先、すなわち、排出トレイ38、71または72に自媒体を排出する(S127)。すなわち、自媒体は、印刷が実行されて排出される。
【0056】
次いで、印刷制御手段21aは、自媒体に対応付けられて記憶されている排出先データ22eを削除する(S128)。
【0057】
次いで、印刷制御手段21aは、自媒体に対応付けられて記憶されている印刷データを搬送中印刷データ列22cから削除して(S129)、図4に示す処理を終了する。
【0058】
図5は、重送に対するMFP10の動作のフローチャートである。図6は、図5に示すフローチャートの続きのフローチャートである。図5、6に示す処理は、図3、4に示す処理とは独立して実行される。
【0059】
図5および図6に示すように、制御部21の印刷制御手段21aは、重送が発生したと判断するまで、重送が発生したか否かを重送センサー52の検出結果に基づいて判断する(S141)。
【0060】
印刷制御手段21aは、重送が発生したとS141において判断すると、保留中の画像データ22dが存在するか否かを判断する(S142)。
【0061】
印刷制御手段21aは、保留中の画像データ22dが存在しないとS142において判断すると、S141において重送が発生したと判断した重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在するか否かを搬送中印刷データ列22cに基づいて判断する(S143)。ここで、印刷制御手段21aは、搬送中印刷データ列22cにおいて重送媒体に対応付けられている印刷データの次に印刷データが存在する場合、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在すると判断する。一方、印刷制御手段21aは、搬送中印刷データ列22cにおいて重送媒体に対応付けられている印刷データの次に印刷データが存在しない場合、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在しないと判断する。
【0062】
印刷制御手段21aは、保留中の画像データ22dが存在するとS142において判断するか、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在しないとS143において判断すると、重送媒体に印刷される予定であった印刷データ、すなわち、重送媒体に対応付けられている印刷データ(以下「重送媒体用印刷データ」という。)を、搬送中印刷データ列22cから搬送前印刷データ列22b内の適切な順番に移動する(S144)。すなわち、印刷制御手段21aは、印刷される予定の順番が重送媒体用印刷データより先の印刷データが搬送前印刷データ列22bに記憶されている場合、印刷される予定の順番が重送媒体用印刷データより先の印刷データのうち最後の印刷データの直後に重送媒体用印刷データを挿入する。また、印刷制御手段21aは、印刷される予定の順番が重送媒体用印刷データより先の印刷データが搬送前印刷データ列22bに記憶されていない場合、搬送前印刷データ列22bの先頭に重送媒体用印刷データを挿入する。
【0063】
次いで、印刷制御手段21aは、重送媒体に対応付けられている画像データ22dおよび排出先データ22eを削除する(S145)。
【0064】
次いで、印刷制御手段21aは、排出先が除去先、すなわち、パージトレイ54である排出先データ22eを生成して重送媒体に対応付けて(S146)、再びS141の処理に戻る。
【0065】
印刷制御手段21aは、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在するとS143において判断すると、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91を対象の記録媒体91(以下「対象媒体」という。)とする(S147)。
【0066】
次いで、印刷制御手段21aは、対象媒体が、属性が重送媒体の属性と同じ記録媒体(以下「同性媒体」という。)であるか否かを判断する(S148)。ここで、属性とは、搬送中の記録媒体91のサイズ、給紙方向、厚み、材質、色などの特徴のことである。印刷制御手段21aは、様々な方法によって記録媒体91の属性を判断することができる。例えば、印刷制御手段21aは、記録媒体91の搬送前の利用者による指定に基づいて記録媒体91のサイズ、給紙方向を判断しても良いし、トレイ51aに配置された図示していないセンサーの出力に基づいて記録媒体91のサイズ、給紙方向を判断しても良い。また、印刷制御手段21aは、記録媒体91の搬送前の利用者による指定に基づいて記録媒体91の厚み、材質、色を判断しても良いし、属性センサー53の検知結果に基づいて記録媒体91の厚み、材質、色を判断しても良い。
【0067】
印刷制御手段21aは、対象媒体が同性媒体であるとS148において判断すると、対象媒体に印刷される予定であった印刷データ、すなわち、対象媒体に対応付けられている印刷データ(以下「対象媒体用印刷データ」という。)を、搬送中印刷データ列22cから搬送前印刷データ列22b内の適切な順番に移動する(S149)。すなわち、印刷制御手段21aは、印刷される予定の順番が対象媒体用印刷データより先の印刷データが搬送前印刷データ列22bに記憶されている場合、印刷される予定の順番が対象媒体用印刷データより先の印刷データのうち最後の印刷データの直後に対象媒体用印刷データを挿入する。また、印刷制御手段21aは、印刷される予定の順番が対象媒体用印刷データより先の印刷データが搬送前印刷データ列22bに記憶されていない場合、搬送前印刷データ列22bの先頭に対象媒体用印刷データを挿入する。
【0068】
次いで、印刷制御手段21aは、対象媒体に対応付けられている画像データ22dおよび排出先データ22eを削除する(S150)。
【0069】
次いで、制御部21の画像保留手段21bは、重送媒体に対応付けて記憶されている画像データ22dを、保留中の画像データとして管理する(S151)。すなわち、画像保留手段21bは、重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する。
【0070】
次いで、印刷制御手段21aは、重送媒体に対応付けて記憶されている画像データ22dおよび排出先データ22eを対象媒体に対応付ける(S152)。すなわち、重送媒体に対応付けられている画像データ22dおよび排出先データ22eは、存在しなくなる。
【0071】
次いで、印刷制御手段21aは、S146の処理を実行する。
【0072】
印刷制御手段21aは、対象媒体が同性媒体ではないとS148において判断すると、対象媒体が、排出先が重送媒体の排出先と同じ記録媒体(以下「同先媒体」という。)であるか否かを判断する(S153)。
【0073】
印刷制御手段21aは、対象媒体が同先媒体であるとS153において判断すると、対象媒体に印刷される予定であった印刷データ、すなわち、対象媒体用印刷データを、搬送中印刷データ列22cから搬送前印刷データ列22b内の適切な順番に移動する(S154)。
【0074】
次いで、印刷制御手段21aは、対象媒体に対応付けられている画像データ22dおよび排出先データ22eを削除する(S155)。
【0075】
次いで、印刷制御手段21aは、排出先が除去先、すなわち、パージトレイ54である排出先データ22eを生成して対象媒体に対応付ける(S156)。
【0076】
印刷制御手段21aは、対象媒体が同先媒体ではないとS153において判断するか、S156の処理を実行すると、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在するか否かを搬送中印刷データ列22cに基づいて判断する(S157)。ここで、印刷制御手段21aは、搬送中印刷データ列22cにおいて対象媒体に対応付けられている印刷データの次に印刷データが存在する場合、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在すると判断する。一方、印刷制御手段21aは、搬送中印刷データ列22cにおいて対象媒体に対応付けられている印刷データの次に印刷データが存在しない場合、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在しないと判断する。
【0077】
印刷制御手段21aは、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在しないとS157において判断すると、S144の処理を実行する。
【0078】
一方、印刷制御手段21aは、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在するとS157において判断すると、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91を新たな対象媒体として(S158)、再びS148の処理を実行する。
【0079】
以上に説明したように、画像保留手段21bは、重送センサー52によって重送が検出された場合に(S141でYES)、重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する(S151)。また、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に(S141でYES)、重送媒体への印刷を中止し(S145またはS152)、「重送センサー52によって重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91のうち、属性が重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体91」(以下「同性最近媒体」という。)に、画像保留手段21bによって保留された画像を印刷する(S125およびS152)。したがって、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を既に搬送中の記録媒体91である同性最近媒体に印刷するので、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷するための記録媒体91を新たに搬送する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。すなわち、MFP10は、記録媒体91の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる。また、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を既に搬送中の記録媒体91である同性最近媒体に印刷するので、「重送が検出された時に重送媒体以降に搬送されている全ての記録媒体91への印刷を常に中止して除去先に排出し、それらの記録媒体に印刷される予定であった画像について記録媒体91の搬送からやり直す」という構成と比較して、除去先に排出される記録媒体91の枚数を抑えることができる。
【0080】
なお、印刷制御手段21aは、同性最近媒体にもともと印刷される予定であった画像については、記録媒体91の搬送からやり直す(S104およびS149)。また、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に同性最近媒体が存在しないとき(S143でNOまたはS157でNO)、重送媒体に印刷される予定であった画像については、記録媒体91の搬送からやり直す(S104およびS144)。また、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に保留中の画像データ22dが既に存在するときにも(S142でYES)、重送媒体に印刷される予定であった画像については、記録媒体91の搬送からやり直す(S104およびS144)。
【0081】
また、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に(S141でYES)、重送媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に重送媒体を排出し(S123およびS146)、重送媒体の排出が予定されていた排出先と同じ排出先に同性最近媒体を排出する(S127およびS152)。したがって、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体91である同性最近媒体を、重送媒体の排出が予定されていた排出先、すなわち、利用者の意図に沿った排出先に排出するとともに、その同性最近媒体と、重送媒体とが排出先で混ざることを防止することができる。例えば、印刷物がフィニッシャー70においてステープルによって綴じられる場合、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した同性最近媒体と、印刷を中止した重送媒体とが混ざらないことは好ましい。
【0082】
また、印刷制御手段21aは、「重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91であって、順番が同性最近媒体の次以降ではない記録媒体のうち、排出先が重送媒体の排出先と異なる記録媒体」(以下「異性異先媒体」という。)への印刷を継続する(S125、S148でNOおよびS153でNO)。したがって、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体91である同性最近媒体と排出先で混ざらない異性異先媒体への印刷を継続するので、異性異先媒体への印刷を中止する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。
【0083】
また、印刷制御手段21aは、「重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91であって、順番が同性最近媒体の次以降ではない記録媒体のうち、排出先が重送媒体の排出先と同じ記録媒体」(以下「異性同先媒体」という。)への印刷を中止し(S148でNO、S153でYESおよびS155)、異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に異性同先媒体を排出する(S123およびS156)。したがって、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体91である同性最近媒体と、印刷を中止した異性同先媒体とが排出先で混ざることを防止することができる。
【0084】
なお、印刷制御手段21aは、異性同先媒体に印刷される予定であった画像については、記録媒体91の搬送からやり直す(S104およびS154)。
【0085】
なお、印刷制御手段21aは、本実施の形態において、異性同先媒体について、印刷を中止して除去先に排出するようになっている。しかしながら、印刷制御手段21aは、異性同先媒体について、印刷される予定であった画像を印刷し、異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に異性同先媒体を排出するようになっていても良い。ただし、そのようになっている場合、異性同先媒体については、異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先、すなわち、利用者の意図に沿っていない排出先に排出されることになる。
【0086】
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFPの構成について説明する。
【0087】
本実施の形態に係るMFPの構成のうち、以下に説明する構成以外の構成については、第1の実施の形態に係るMFP10(図1および図2参照。)の構成と同様であるので、MFP10の構成と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0088】
図7は、本実施の形態に係るMFP210の構成図である。図2は、MFP210のブロック図である。
【0089】
図7および図8に示すように、MFP210の構成は、MFP10がMFP本体20およびサイドマルチトレイ50(図1および図2参照。)に代えてMFP本体220およびサイドマルチトレイ250を備えた構成と同様である。
【0090】
MFP本体220の構成は、MFP本体20が重送センサー52(図1および図2参照。)と同様の重送センサー221を備えた構成と同様である。
【0091】
サイドマルチトレイ250の構成は、サイドマルチトレイ50が重送センサー52およびパージトレイ54(図1参照。)を備えていない構成と同様である。
【0092】
なお、MFP210において、除去先は、排出トレイ38である。
【0093】
次に、MFP210の動作について説明する。
【0094】
MFP210の動作のうち、以下に説明する動作以外の動作については、第1の実施の形態に係るMFP10の動作(図3〜図6参照。)と同様であるので、MFP10の動作と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0095】
図9は、搬送中の記録媒体91毎に実行されるMFP210の動作のフローチャートである。図9に示す処理は、図4に示す処理に代えて実行される。
【0096】
図9に示すS121における判断地点は、自媒体の搬送路において、重送センサー221の位置より下流の位置であって、感光体ドラム32a〜32dへのトナー画像の現像が開始される時点の自媒体の位置より上流の位置である。
【0097】
図9に示す処理は、印刷制御手段21aが、自媒体の予定されている排出先が除去先であるとS122において判断した場合に、S123の処理を実行する前にS321およびS322の処理を実行する点を除いて、図4に示す処理と同様である。
【0098】
印刷制御手段21aは、S321の処理において、自画像に対応付けられた画像データ22dに基づいて、感光体ドラム32a〜32dにトナー画像を現像せずに転写ローラー34、定着ローラー35および加圧ローラー36によって自媒体を搬送する。ここで、S321において処理される画像データ22dは、白紙に相当する画像のデータである。
【0099】
S322の処理は、S126の処理と同様である。
【0100】
図10は、重送に対するMFP210の動作のフローチャートである。図11は、図10に示すフローチャートの続きのフローチャートである。図10、11に示す処理は、図5、6に示す処理に代えて実行される。
【0101】
図10、11に示す処理は、印刷制御手段21aが、S146の処理とS141の処理との間にS341の処理を実行し、S156の処理とS157の処理との間にS342の処理を実行する点を除いて、図5、6に示す処理と同様である。
【0102】
印刷制御手段21aは、S341の処理において、白紙に相当する画像のデータを画像データ22dとして生成して重送媒体に対応付ける。
【0103】
また、印刷制御手段21aは、S342の処理において、白紙に相当する画像のデータを画像データ22dとして生成して対象媒体に対応付ける。
【0104】
以上に説明したように、MFP210の印刷制御手段21aは、印刷を中止した記録媒体91を定着ローラー35を通過させて除去先に排出する(「S123、S145、S321およびS341」、「S123、S152、S321およびS341」または「S123、S155、S321およびS342」)。
【0105】
この構成の場合、印刷が中止された記録媒体91は、定着ローラー35の熱によって縮むので、除去先に排出された後で再利用されることが困難となる可能性がある。しかしながら、MFP210は、重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91のうち同性最近媒体に印刷を実行するので、重送が検出された時に重送媒体以降に搬送されている全ての記録媒体91への印刷を常に中止して除去先に排出する構成と比較して、再利用されることが困難となる記録媒体91の発生枚数を抑えることができる。すなわち、MFP210は、印刷を中止した記録媒体91を定着ローラー35を通過させずに除去先に排出するMFP10のような構成と比較して、重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91のうち同性最近媒体に印刷を実行することの有用性が高い。
【0106】
なお、本発明の画像形成装置は、上述の各実施の形態においてサイドマルチトレイおよびフィニッシャーを備えているが、MFP本体に重送センサーおよび複数の排出先を備えていれば、サイドマルチトレイおよびフィニッシャーを備えていなくても良い。
【0107】
また、本発明の画像形成装置は、上述の各実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、ファックス専用機、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0108】
10 MFP(画像形成装置)
21a 印刷制御手段
21b 画像保留手段
25 プリンター(印刷部)
35 定着ローラー(定着部)
38 排出トレイ(排出先)
52 重送センサー(重送検出部)
54 パージトレイ(排出先)
71、72 排出トレイ(排出先)
91 記録媒体
210 MFP(画像形成装置)
221 重送センサー(重送検出部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚重なった状態での記録媒体の搬送、すなわち、重送を検出することができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、重送を検出することができる画像形成装置として、記録媒体である用紙の重送を検出した場合、重送を検出した用紙への画像の形成を中止して排紙トレイに排出した後、この用紙に形成する予定であった画像を形成するために、給紙ユニットから次の用紙を搬送する画像形成装置が知られている(特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−333797号公報
【特許文献2】特開2004−4181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、用紙の排出が終了した後に次の用紙の搬送が開始されるので、単位時間当たりの印刷枚数が少ないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、記録媒体の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体の重送を検出する重送検出部とを備えていて、前記印刷部は、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に、前記重送が検出された前記記録媒体である重送媒体の次以降の前記記録媒体を搬送していることが可能である画像形成装置であって、前記印刷部による前記印刷を制御する印刷制御手段と、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留手段とを備えており、前記画像保留手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留し、前記印刷制御手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体への前記印刷を中止し、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体のうち、属性が前記重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、前記画像保留手段によって保留された前記画像を印刷することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成装置は、重送媒体に印刷される予定であった画像を既に搬送中の記録媒体である同性最近媒体に印刷するので、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷するための記録媒体を新たに搬送する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。すなわち、本発明の画像形成装置は、記録媒体の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置の前記印刷制御手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に前記重送媒体を排出し、前記重送媒体の排出が予定されていた排出先と同じ排出先に前記同性最近媒体を排出しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の画像形成装置は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体である同性最近媒体を、重送媒体の排出が予定されていた排出先、すなわち、利用者の意図に沿った排出先に排出するとともに、その同性最近媒体と、重送媒体とが排出先で混ざることを防止することができる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置の前記印刷制御手段は、前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体であって、順番が前記同性最近媒体の次以降ではない前記記録媒体のうち、排出先が前記重送媒体の排出先と異なる記録媒体である異性異先媒体への前記印刷を継続しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成装置は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体である同性最近媒体と排出先で混ざらない異性異先媒体への印刷を継続するので、異性異先媒体への印刷を中止する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置の前記印刷制御手段は、前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体であって、順番が前記同性最近媒体の次以降ではない前記記録媒体のうち、排出先が前記重送媒体の排出先と同じ記録媒体である異性同先媒体への前記印刷を中止し、前記異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に前記異性同先媒体を排出しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成装置は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体である同性最近媒体と、印刷を中止した異性同先媒体とが排出先で混ざることを防止することができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置の前記印刷部は、トナーによって形成された前記画像を熱によって前記記録媒体に定着させる定着部を備えており、前記印刷制御手段は、前記印刷を中止した前記記録媒体を前記定着部を通過させて排出先に排出しても良い。
【0015】
この構成の場合、印刷が中止された記録媒体は、定着部の熱によって縮むので、排出先に排出された後で再利用されることが困難となる可能性がある。しかしながら、本発明の画像形成装置は、重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体のうち同性最近媒体に印刷を実行するので、重送が検出された時に重送媒体以降に搬送されている全ての記録媒体への印刷を常に中止して排出先に排出する構成と比較して、再利用されることが困難となる記録媒体の発生枚数を抑えることができる。すなわち、本発明の画像形成装置は、印刷を中止した記録媒体を定着部を通過させずに排出先に排出する構成と比較して、重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体のうち同性最近媒体に印刷を実行することの有用性が高い。
【0016】
本発明の印刷制御方法は、記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体の重送を検出する重送検出部とを備えていて、前記印刷部は、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に、前記重送が検出された前記記録媒体である重送媒体の次以降の前記記録媒体を搬送していることが可能である画像形成装置の印刷制御方法であって、前記印刷部による前記印刷を制御する印刷制御ステップと、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留ステップとを備えており、前記画像保留ステップは、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留するステップであり、前記印刷制御ステップは、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体への前記印刷を中止し、前記重送媒体の次以降の搬送中の前記記録媒体のうち、属性が前記重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、前記画像保留ステップによって保留された前記画像を印刷するステップであることを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明の印刷制御方法を実行する画像形成装置は、重送検出部によって重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体のうち、属性が重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷するので、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷するための記録媒体を新たに搬送する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。すなわち、本発明の印刷制御方法を実行する画像形成装置は、記録媒体の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置は、記録媒体の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るMFPの構成図である。
【図2】図1に示すMFPのブロック図である。
【図3】印刷データに基づいた印刷を実行するときの図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図4】搬送中の記録媒体毎に実行される図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図5】重送に対する図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図6】図5に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るMFPの構成図である。
【図8】図7に示すMFPのブロック図である。
【図9】搬送中の記録媒体毎に実行される図7に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図10】重送に対する図7に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図11】図10に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)の構成について説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係るMFP10の構成図である。
【0023】
図1に示すように、MFP10は、MFP本体20と、MFP本体20に接続されてMFP本体20に用紙などの記録媒体91を供給する補助供給装置としてのサイドマルチトレイ(Side multi tray)50と、MFP本体20に接続されてMFP本体20によって印刷された記録媒体91の仕分け、ステープルなどの後処理を実行するフィニッシャー(Finisher)70とを備えている。
【0024】
図2は、MFP10のブロック図である。
【0025】
図2に示すように、MFP本体20は、MFP本体20全体を制御する制御部21と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部22と、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部23と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部24と、記録媒体91に印刷を実行する印刷デバイスである印刷部としてのプリンター25と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー26と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部27と、LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由でPC(Personal Computer)などの外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部28とを備えている。
【0026】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部22に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0027】
記憶部22は、MFP本体20用のプログラムである画像形成装置用プログラム22aを記憶している。また、記憶部22は、プリンター25による印刷のためのデータである印刷データのうち、記録媒体91が搬送される前の印刷データの列である搬送前印刷データ列22bと、記録媒体91の搬送中の印刷データの列である搬送中印刷データ列22cと、プリンター25によって記録媒体91に印刷される予定の画像のデータである画像データ22dと、記録媒体91の排出が予定されている排出先のデータである排出先データ22eとを記憶することができる。印刷データは、印刷される予定の順番が常に管理されている。画像データ22dおよび排出先データ22eは、搬送前印刷データ列22b内の印刷データに基づいて生成されるデータであり、搬送中の記録媒体91と対応付けられて記憶される。
【0028】
なお、画像形成装置用プログラム22aは、MFP本体20の製造段階でMFP本体20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から、または、ネットワーク上からMFP本体20に追加でインストールされても良い。
【0029】
制御部21は、記憶部22に記憶されている画像形成装置用プログラム22aを実行することによって、プリンター25による印刷を制御する印刷制御手段21a、および、後述の重送センサー52によって重送が検出された記録媒体91である重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留手段21bとして機能する。
【0030】
図1に示すように、プリンター25は、記録媒体91を収納する複数のトレイ31aを備えていて記録媒体91を供給する供給装置31と、トナーによって形成された画像であって最終的に記録媒体91に定着させられる予定のトナー画像が現像される感光体としてのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の感光体ドラム32a〜32dと、感光体ドラム32a〜32dに現像されたトナー画像が一時的に転写される中間転写体としての中間転写ベルト33と、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像を記録媒体91に転写する転写ローラー34と、記録媒体91に転写されたトナー画像を熱によって記録媒体91に定着させる定着部としての定着ローラー35と、定着ローラー35に記録媒体91を押し付ける加圧ローラー36と、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像に記録媒体91の搬送のタイミングを合わせるためのレジストローラー37と、印刷された記録媒体91が排出される排出トレイ38と、複数の搬送ローラー39aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部39とを備えている。
【0031】
サイドマルチトレイ50は、記録媒体91を収納する複数のトレイ51aと、記録媒体91の重送を検出する重送検出部としての重送センサー52と、記録媒体91の厚み、材質、色などの属性を検知する属性センサー53と、重送媒体の除去先であるパージトレイ54と、複数の搬送ローラー55aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部55とを備えている。
【0032】
重送センサー52としては、例えば、超音波式の重送センサー、光学式の重送センサーなど、公知の任意の重送センサーが採用されることが可能である。
【0033】
記録媒体91の厚みを検知する属性センサー53としては、例えば、接触式の紙厚センサー、非接触式の紙厚センサーなど、公知の任意の紙厚センサーが採用されることが可能である。また、属性センサー53が記録媒体91の材質を検知する方法としては、例えば、記録媒体91の表面に光を照射するとともに、記録媒体91の表面に照射された光のうち記録媒体91の表面によって反射された光を検知することによって、記録媒体91の表面の凹凸を検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることが可能である。また、属性センサー53が記録媒体91の色を検知する方法としては、例えば、記録媒体91の表面に光を照射するとともに、記録媒体91の表面に照射された光のうち記録媒体91の表面によって反射された光を検知することによって、記録媒体91の色を検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることが可能である。
【0034】
なお、複数のトレイ51a、パージトレイ54および搬送部55は、プリンター25の一部を構成している。
【0035】
フィニッシャー70は、MFP本体20によって印刷された記録媒体91が排出される排出トレイ71、72と、複数の搬送ローラー73aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部73とを備えている。
【0036】
なお、排出トレイ71、72および搬送部73は、プリンター25の一部を構成している。
【0037】
次に、MFP10の動作について説明する。
【0038】
MFP10の制御部21は、印刷データを搬送前印刷データ列22bに加える。例えば、制御部21は、コピーのためにスキャナー26によって原稿から画像が読み取られると、読み取られた画像に基づいた印刷データを生成し、生成した印刷データを搬送前印刷データ列22bに加える。また、制御部21は、ファックス通信部27を介して外部のファクシミリ装置からFAXデータを受信すると、受信したFAXデータに基づいた印刷データを生成し、生成した印刷データを搬送前印刷データ列22bに加える。また、制御部21は、ネットワーク通信部28を介して外部の装置から印刷データを受信すると、受信した印刷データを搬送前印刷データ列22bに加える。
【0039】
図3は、印刷データに基づいた印刷を実行するときのMFP10の動作のフローチャートである。
【0040】
図3に示すように、制御部21の印刷制御手段21aは、搬送前印刷データ列22bに印刷データが存在すると判断するまで、搬送前印刷データ列22bに印刷データが存在するか否かを判断する(S101)。
【0041】
印刷制御手段21aは、搬送前印刷データ列22bに印刷データが存在するとS101において判断すると、保留中の画像データ22dが存在しないと判断するまで、保留中の画像データ22dが存在するか否かを判断する(S102)。
【0042】
印刷制御手段21aは、保留中の画像データ22dが存在しないとS102において判断すると、搬送前印刷データ列22bの先頭の印刷データに基づいて、画像データ22dおよび排出先データ22eを生成する(S103)。
【0043】
次いで、印刷制御手段21aは、搬送前印刷データ列22bの先頭の印刷データに基づいて、プリンター25によって記録媒体91の搬送を開始する(S104)。ここで、印刷制御手段21aは、複数のトレイ51aのうち、印刷データにおいて指定されているトレイから記録媒体91をプリンター25に搬送させる。
【0044】
次いで、印刷制御手段21aは、搬送前印刷データ列22bの先頭の印刷データを、搬送中印刷データ列22cの最後に移動する(S105)。ここで、印刷制御手段21aは、S104において搬送を開始した記録媒体91と、S105において搬送中印刷データ列22cに移動させた印刷データとを、搬送中印刷データ列22cにおいて対応付ける。
【0045】
印刷制御手段21aは、S105の処理の後、再びS101に戻る。
【0046】
なお、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された時に重送媒体の次以降の記録媒体91をプリンター25が搬送していることが可能であるように、図3に示す処理を実行する。
【0047】
制御部21は、S105の処理を実行すると、S104において搬送を開始した記録媒体91毎に図4に示す処理を実行する。
【0048】
図4は、搬送中の記録媒体91毎に実行されるMFP10の動作のフローチャートである。図4に示す処理は、図3に示す処理とは独立して実行される。また、図4に示す処理は、搬送中の記録媒体91毎に独立して実行される。以下、図4に示すフローチャートにおいて対象とされている記録媒体91を自媒体という。
【0049】
図4に示すように、制御部21の印刷制御手段21aは、記録媒体91の除去先であるパージトレイ54に記録媒体91が排出されるか否かの判断地点に自媒体が到達したと判断するまで、判断地点に自媒体が到達したか否かを図示していないセンサーの出力に基づいて判断する(S121)。このセンサーは、判断地点に配置されている。判断地点は、自媒体の搬送路において、重送センサー52の位置より下流の位置であって、除去先、すなわち、パージトレイ54への分岐点より上流の位置である。
【0050】
印刷制御手段21aは、判断地点に自媒体が到達したとS121において判断すると、自媒体の排出が予定されている排出先が除去先、すなわち、パージトレイ54であるか否かを、自媒体に対応付けられて記憶されている排出先データ22eに基づいて判断する(S122)。
【0051】
印刷制御手段21aは、自媒体の排出が予定されている排出先が除去先であるとS122において判断すると、搬送部55を制御することによって、自媒体を除去先、すなわち、パージトレイ54に排出する(S123)。すなわち、自媒体は、印刷が実行されずに排出される。
【0052】
次いで、印刷制御手段21aは、自媒体に対応付けられて記憶されている排出先データ22eを削除して(S124)、図4に示す処理を終了する。
【0053】
印刷制御手段21aは、自媒体の排出が予定されている排出先が除去先ではないとS122において判断すると、感光体ドラム32a〜32d、中間転写ベルト33、転写ローラー34、定着ローラー35および加圧ローラー36を制御することによって、自媒体に印刷される予定である画像を、自媒体に対応付けられて記憶されている画像データ22dに基づいて自媒体に印刷する(S125)。
【0054】
次いで、印刷制御手段21aは、自媒体に対応付けられて記憶されている画像データ22dを削除する(S126)。ここで、削除する画像データ22dが保留中の画像データであった場合には、保留中の画像データは、S126の処理によって存在しなくなる。
【0055】
次いで、印刷制御手段21aは、搬送部39および搬送部73を制御することによって、自媒体の排出が予定されている排出先、すなわち、排出トレイ38、71または72に自媒体を排出する(S127)。すなわち、自媒体は、印刷が実行されて排出される。
【0056】
次いで、印刷制御手段21aは、自媒体に対応付けられて記憶されている排出先データ22eを削除する(S128)。
【0057】
次いで、印刷制御手段21aは、自媒体に対応付けられて記憶されている印刷データを搬送中印刷データ列22cから削除して(S129)、図4に示す処理を終了する。
【0058】
図5は、重送に対するMFP10の動作のフローチャートである。図6は、図5に示すフローチャートの続きのフローチャートである。図5、6に示す処理は、図3、4に示す処理とは独立して実行される。
【0059】
図5および図6に示すように、制御部21の印刷制御手段21aは、重送が発生したと判断するまで、重送が発生したか否かを重送センサー52の検出結果に基づいて判断する(S141)。
【0060】
印刷制御手段21aは、重送が発生したとS141において判断すると、保留中の画像データ22dが存在するか否かを判断する(S142)。
【0061】
印刷制御手段21aは、保留中の画像データ22dが存在しないとS142において判断すると、S141において重送が発生したと判断した重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在するか否かを搬送中印刷データ列22cに基づいて判断する(S143)。ここで、印刷制御手段21aは、搬送中印刷データ列22cにおいて重送媒体に対応付けられている印刷データの次に印刷データが存在する場合、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在すると判断する。一方、印刷制御手段21aは、搬送中印刷データ列22cにおいて重送媒体に対応付けられている印刷データの次に印刷データが存在しない場合、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在しないと判断する。
【0062】
印刷制御手段21aは、保留中の画像データ22dが存在するとS142において判断するか、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在しないとS143において判断すると、重送媒体に印刷される予定であった印刷データ、すなわち、重送媒体に対応付けられている印刷データ(以下「重送媒体用印刷データ」という。)を、搬送中印刷データ列22cから搬送前印刷データ列22b内の適切な順番に移動する(S144)。すなわち、印刷制御手段21aは、印刷される予定の順番が重送媒体用印刷データより先の印刷データが搬送前印刷データ列22bに記憶されている場合、印刷される予定の順番が重送媒体用印刷データより先の印刷データのうち最後の印刷データの直後に重送媒体用印刷データを挿入する。また、印刷制御手段21aは、印刷される予定の順番が重送媒体用印刷データより先の印刷データが搬送前印刷データ列22bに記憶されていない場合、搬送前印刷データ列22bの先頭に重送媒体用印刷データを挿入する。
【0063】
次いで、印刷制御手段21aは、重送媒体に対応付けられている画像データ22dおよび排出先データ22eを削除する(S145)。
【0064】
次いで、印刷制御手段21aは、排出先が除去先、すなわち、パージトレイ54である排出先データ22eを生成して重送媒体に対応付けて(S146)、再びS141の処理に戻る。
【0065】
印刷制御手段21aは、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在するとS143において判断すると、重送媒体の次に搬送中の記録媒体91を対象の記録媒体91(以下「対象媒体」という。)とする(S147)。
【0066】
次いで、印刷制御手段21aは、対象媒体が、属性が重送媒体の属性と同じ記録媒体(以下「同性媒体」という。)であるか否かを判断する(S148)。ここで、属性とは、搬送中の記録媒体91のサイズ、給紙方向、厚み、材質、色などの特徴のことである。印刷制御手段21aは、様々な方法によって記録媒体91の属性を判断することができる。例えば、印刷制御手段21aは、記録媒体91の搬送前の利用者による指定に基づいて記録媒体91のサイズ、給紙方向を判断しても良いし、トレイ51aに配置された図示していないセンサーの出力に基づいて記録媒体91のサイズ、給紙方向を判断しても良い。また、印刷制御手段21aは、記録媒体91の搬送前の利用者による指定に基づいて記録媒体91の厚み、材質、色を判断しても良いし、属性センサー53の検知結果に基づいて記録媒体91の厚み、材質、色を判断しても良い。
【0067】
印刷制御手段21aは、対象媒体が同性媒体であるとS148において判断すると、対象媒体に印刷される予定であった印刷データ、すなわち、対象媒体に対応付けられている印刷データ(以下「対象媒体用印刷データ」という。)を、搬送中印刷データ列22cから搬送前印刷データ列22b内の適切な順番に移動する(S149)。すなわち、印刷制御手段21aは、印刷される予定の順番が対象媒体用印刷データより先の印刷データが搬送前印刷データ列22bに記憶されている場合、印刷される予定の順番が対象媒体用印刷データより先の印刷データのうち最後の印刷データの直後に対象媒体用印刷データを挿入する。また、印刷制御手段21aは、印刷される予定の順番が対象媒体用印刷データより先の印刷データが搬送前印刷データ列22bに記憶されていない場合、搬送前印刷データ列22bの先頭に対象媒体用印刷データを挿入する。
【0068】
次いで、印刷制御手段21aは、対象媒体に対応付けられている画像データ22dおよび排出先データ22eを削除する(S150)。
【0069】
次いで、制御部21の画像保留手段21bは、重送媒体に対応付けて記憶されている画像データ22dを、保留中の画像データとして管理する(S151)。すなわち、画像保留手段21bは、重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する。
【0070】
次いで、印刷制御手段21aは、重送媒体に対応付けて記憶されている画像データ22dおよび排出先データ22eを対象媒体に対応付ける(S152)。すなわち、重送媒体に対応付けられている画像データ22dおよび排出先データ22eは、存在しなくなる。
【0071】
次いで、印刷制御手段21aは、S146の処理を実行する。
【0072】
印刷制御手段21aは、対象媒体が同性媒体ではないとS148において判断すると、対象媒体が、排出先が重送媒体の排出先と同じ記録媒体(以下「同先媒体」という。)であるか否かを判断する(S153)。
【0073】
印刷制御手段21aは、対象媒体が同先媒体であるとS153において判断すると、対象媒体に印刷される予定であった印刷データ、すなわち、対象媒体用印刷データを、搬送中印刷データ列22cから搬送前印刷データ列22b内の適切な順番に移動する(S154)。
【0074】
次いで、印刷制御手段21aは、対象媒体に対応付けられている画像データ22dおよび排出先データ22eを削除する(S155)。
【0075】
次いで、印刷制御手段21aは、排出先が除去先、すなわち、パージトレイ54である排出先データ22eを生成して対象媒体に対応付ける(S156)。
【0076】
印刷制御手段21aは、対象媒体が同先媒体ではないとS153において判断するか、S156の処理を実行すると、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在するか否かを搬送中印刷データ列22cに基づいて判断する(S157)。ここで、印刷制御手段21aは、搬送中印刷データ列22cにおいて対象媒体に対応付けられている印刷データの次に印刷データが存在する場合、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在すると判断する。一方、印刷制御手段21aは、搬送中印刷データ列22cにおいて対象媒体に対応付けられている印刷データの次に印刷データが存在しない場合、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在しないと判断する。
【0077】
印刷制御手段21aは、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在しないとS157において判断すると、S144の処理を実行する。
【0078】
一方、印刷制御手段21aは、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91が存在するとS157において判断すると、対象媒体の次に搬送中の記録媒体91を新たな対象媒体として(S158)、再びS148の処理を実行する。
【0079】
以上に説明したように、画像保留手段21bは、重送センサー52によって重送が検出された場合に(S141でYES)、重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する(S151)。また、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に(S141でYES)、重送媒体への印刷を中止し(S145またはS152)、「重送センサー52によって重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91のうち、属性が重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体91」(以下「同性最近媒体」という。)に、画像保留手段21bによって保留された画像を印刷する(S125およびS152)。したがって、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を既に搬送中の記録媒体91である同性最近媒体に印刷するので、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷するための記録媒体91を新たに搬送する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。すなわち、MFP10は、記録媒体91の重送を検出した場合の単位時間当たりの印刷枚数を従来より増やすことができる。また、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を既に搬送中の記録媒体91である同性最近媒体に印刷するので、「重送が検出された時に重送媒体以降に搬送されている全ての記録媒体91への印刷を常に中止して除去先に排出し、それらの記録媒体に印刷される予定であった画像について記録媒体91の搬送からやり直す」という構成と比較して、除去先に排出される記録媒体91の枚数を抑えることができる。
【0080】
なお、印刷制御手段21aは、同性最近媒体にもともと印刷される予定であった画像については、記録媒体91の搬送からやり直す(S104およびS149)。また、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に同性最近媒体が存在しないとき(S143でNOまたはS157でNO)、重送媒体に印刷される予定であった画像については、記録媒体91の搬送からやり直す(S104およびS144)。また、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に保留中の画像データ22dが既に存在するときにも(S142でYES)、重送媒体に印刷される予定であった画像については、記録媒体91の搬送からやり直す(S104およびS144)。
【0081】
また、印刷制御手段21aは、重送センサー52によって重送が検出された場合に(S141でYES)、重送媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に重送媒体を排出し(S123およびS146)、重送媒体の排出が予定されていた排出先と同じ排出先に同性最近媒体を排出する(S127およびS152)。したがって、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体91である同性最近媒体を、重送媒体の排出が予定されていた排出先、すなわち、利用者の意図に沿った排出先に排出するとともに、その同性最近媒体と、重送媒体とが排出先で混ざることを防止することができる。例えば、印刷物がフィニッシャー70においてステープルによって綴じられる場合、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した同性最近媒体と、印刷を中止した重送媒体とが混ざらないことは好ましい。
【0082】
また、印刷制御手段21aは、「重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91であって、順番が同性最近媒体の次以降ではない記録媒体のうち、排出先が重送媒体の排出先と異なる記録媒体」(以下「異性異先媒体」という。)への印刷を継続する(S125、S148でNOおよびS153でNO)。したがって、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体91である同性最近媒体と排出先で混ざらない異性異先媒体への印刷を継続するので、異性異先媒体への印刷を中止する構成と比較して、単位時間当たりの印刷枚数を増やすことができる。
【0083】
また、印刷制御手段21aは、「重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91であって、順番が同性最近媒体の次以降ではない記録媒体のうち、排出先が重送媒体の排出先と同じ記録媒体」(以下「異性同先媒体」という。)への印刷を中止し(S148でNO、S153でYESおよびS155)、異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に異性同先媒体を排出する(S123およびS156)。したがって、MFP10は、重送媒体に印刷される予定であった画像を印刷した記録媒体91である同性最近媒体と、印刷を中止した異性同先媒体とが排出先で混ざることを防止することができる。
【0084】
なお、印刷制御手段21aは、異性同先媒体に印刷される予定であった画像については、記録媒体91の搬送からやり直す(S104およびS154)。
【0085】
なお、印刷制御手段21aは、本実施の形態において、異性同先媒体について、印刷を中止して除去先に排出するようになっている。しかしながら、印刷制御手段21aは、異性同先媒体について、印刷される予定であった画像を印刷し、異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に異性同先媒体を排出するようになっていても良い。ただし、そのようになっている場合、異性同先媒体については、異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先、すなわち、利用者の意図に沿っていない排出先に排出されることになる。
【0086】
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFPの構成について説明する。
【0087】
本実施の形態に係るMFPの構成のうち、以下に説明する構成以外の構成については、第1の実施の形態に係るMFP10(図1および図2参照。)の構成と同様であるので、MFP10の構成と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0088】
図7は、本実施の形態に係るMFP210の構成図である。図2は、MFP210のブロック図である。
【0089】
図7および図8に示すように、MFP210の構成は、MFP10がMFP本体20およびサイドマルチトレイ50(図1および図2参照。)に代えてMFP本体220およびサイドマルチトレイ250を備えた構成と同様である。
【0090】
MFP本体220の構成は、MFP本体20が重送センサー52(図1および図2参照。)と同様の重送センサー221を備えた構成と同様である。
【0091】
サイドマルチトレイ250の構成は、サイドマルチトレイ50が重送センサー52およびパージトレイ54(図1参照。)を備えていない構成と同様である。
【0092】
なお、MFP210において、除去先は、排出トレイ38である。
【0093】
次に、MFP210の動作について説明する。
【0094】
MFP210の動作のうち、以下に説明する動作以外の動作については、第1の実施の形態に係るMFP10の動作(図3〜図6参照。)と同様であるので、MFP10の動作と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0095】
図9は、搬送中の記録媒体91毎に実行されるMFP210の動作のフローチャートである。図9に示す処理は、図4に示す処理に代えて実行される。
【0096】
図9に示すS121における判断地点は、自媒体の搬送路において、重送センサー221の位置より下流の位置であって、感光体ドラム32a〜32dへのトナー画像の現像が開始される時点の自媒体の位置より上流の位置である。
【0097】
図9に示す処理は、印刷制御手段21aが、自媒体の予定されている排出先が除去先であるとS122において判断した場合に、S123の処理を実行する前にS321およびS322の処理を実行する点を除いて、図4に示す処理と同様である。
【0098】
印刷制御手段21aは、S321の処理において、自画像に対応付けられた画像データ22dに基づいて、感光体ドラム32a〜32dにトナー画像を現像せずに転写ローラー34、定着ローラー35および加圧ローラー36によって自媒体を搬送する。ここで、S321において処理される画像データ22dは、白紙に相当する画像のデータである。
【0099】
S322の処理は、S126の処理と同様である。
【0100】
図10は、重送に対するMFP210の動作のフローチャートである。図11は、図10に示すフローチャートの続きのフローチャートである。図10、11に示す処理は、図5、6に示す処理に代えて実行される。
【0101】
図10、11に示す処理は、印刷制御手段21aが、S146の処理とS141の処理との間にS341の処理を実行し、S156の処理とS157の処理との間にS342の処理を実行する点を除いて、図5、6に示す処理と同様である。
【0102】
印刷制御手段21aは、S341の処理において、白紙に相当する画像のデータを画像データ22dとして生成して重送媒体に対応付ける。
【0103】
また、印刷制御手段21aは、S342の処理において、白紙に相当する画像のデータを画像データ22dとして生成して対象媒体に対応付ける。
【0104】
以上に説明したように、MFP210の印刷制御手段21aは、印刷を中止した記録媒体91を定着ローラー35を通過させて除去先に排出する(「S123、S145、S321およびS341」、「S123、S152、S321およびS341」または「S123、S155、S321およびS342」)。
【0105】
この構成の場合、印刷が中止された記録媒体91は、定着ローラー35の熱によって縮むので、除去先に排出された後で再利用されることが困難となる可能性がある。しかしながら、MFP210は、重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91のうち同性最近媒体に印刷を実行するので、重送が検出された時に重送媒体以降に搬送されている全ての記録媒体91への印刷を常に中止して除去先に排出する構成と比較して、再利用されることが困難となる記録媒体91の発生枚数を抑えることができる。すなわち、MFP210は、印刷を中止した記録媒体91を定着ローラー35を通過させずに除去先に排出するMFP10のような構成と比較して、重送が検出された時に重送媒体の次以降に搬送されている記録媒体91のうち同性最近媒体に印刷を実行することの有用性が高い。
【0106】
なお、本発明の画像形成装置は、上述の各実施の形態においてサイドマルチトレイおよびフィニッシャーを備えているが、MFP本体に重送センサーおよび複数の排出先を備えていれば、サイドマルチトレイおよびフィニッシャーを備えていなくても良い。
【0107】
また、本発明の画像形成装置は、上述の各実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、ファックス専用機、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0108】
10 MFP(画像形成装置)
21a 印刷制御手段
21b 画像保留手段
25 プリンター(印刷部)
35 定着ローラー(定着部)
38 排出トレイ(排出先)
52 重送センサー(重送検出部)
54 パージトレイ(排出先)
71、72 排出トレイ(排出先)
91 記録媒体
210 MFP(画像形成装置)
221 重送センサー(重送検出部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体の重送を検出する重送検出部とを備えていて、前記印刷部は、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に、前記重送が検出された前記記録媒体である重送媒体の次以降の前記記録媒体を搬送していることが可能である画像形成装置であって、
前記印刷部による前記印刷を制御する印刷制御手段と、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留手段とを備えており、
前記画像保留手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留し、
前記印刷制御手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体への前記印刷を中止し、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体のうち、属性が前記重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、前記画像保留手段によって保留された前記画像を印刷することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に前記重送媒体を排出し、前記重送媒体の排出が予定されていた排出先と同じ排出先に前記同性最近媒体を排出することを特徴する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷制御手段は、前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体であって、順番が前記同性最近媒体の次以降ではない前記記録媒体のうち、排出先が前記重送媒体の排出先と異なる記録媒体である異性異先媒体への前記印刷を継続することを特徴する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体であって、順番が前記同性最近媒体の次以降ではない前記記録媒体のうち、排出先が前記重送媒体の排出先と同じ記録媒体である異性同先媒体への前記印刷を中止し、前記異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に前記異性同先媒体を排出することを特徴する請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷部は、トナーによって形成された前記画像を熱によって前記記録媒体に定着させる定着部を備えており、
前記印刷制御手段は、前記印刷を中止した前記記録媒体を前記定着部を通過させて排出先に排出することを特徴する請求項2から請求項4までの何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体の重送を検出する重送検出部とを備えていて、前記印刷部は、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に、前記重送が検出された前記記録媒体である重送媒体の次以降の前記記録媒体を搬送していることが可能である画像形成装置の印刷制御方法であって、
前記印刷部による前記印刷を制御する印刷制御ステップと、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留ステップとを備えており、
前記画像保留ステップは、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留するステップであり、
前記印刷制御ステップは、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体への前記印刷を中止し、前記重送媒体の次以降の搬送中の前記記録媒体のうち、属性が前記重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、前記画像保留ステップによって保留された前記画像を印刷するステップであることを特徴とする印刷制御方法。
【請求項1】
記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体の重送を検出する重送検出部とを備えていて、前記印刷部は、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に、前記重送が検出された前記記録媒体である重送媒体の次以降の前記記録媒体を搬送していることが可能である画像形成装置であって、
前記印刷部による前記印刷を制御する印刷制御手段と、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留手段とを備えており、
前記画像保留手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留し、
前記印刷制御手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体への前記印刷を中止し、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体のうち、属性が前記重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、前記画像保留手段によって保留された前記画像を印刷することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に前記重送媒体を排出し、前記重送媒体の排出が予定されていた排出先と同じ排出先に前記同性最近媒体を排出することを特徴する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷制御手段は、前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体であって、順番が前記同性最近媒体の次以降ではない前記記録媒体のうち、排出先が前記重送媒体の排出先と異なる記録媒体である異性異先媒体への前記印刷を継続することを特徴する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、前記重送媒体の次以降に搬送されている前記記録媒体であって、順番が前記同性最近媒体の次以降ではない前記記録媒体のうち、排出先が前記重送媒体の排出先と同じ記録媒体である異性同先媒体への前記印刷を中止し、前記異性同先媒体の排出が予定されていた排出先と異なる排出先に前記異性同先媒体を排出することを特徴する請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷部は、トナーによって形成された前記画像を熱によって前記記録媒体に定着させる定着部を備えており、
前記印刷制御手段は、前記印刷を中止した前記記録媒体を前記定着部を通過させて排出先に排出することを特徴する請求項2から請求項4までの何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体の重送を検出する重送検出部とを備えていて、前記印刷部は、前記重送検出部によって前記重送が検出された時に、前記重送が検出された前記記録媒体である重送媒体の次以降の前記記録媒体を搬送していることが可能である画像形成装置の印刷制御方法であって、
前記印刷部による前記印刷を制御する印刷制御ステップと、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留する画像保留ステップとを備えており、
前記画像保留ステップは、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体に印刷される予定であった画像を保留するステップであり、
前記印刷制御ステップは、前記重送検出部によって前記重送が検出された場合に、前記重送媒体への前記印刷を中止し、前記重送媒体の次以降の搬送中の前記記録媒体のうち、属性が前記重送媒体の属性と同じであって順番が最も近い記録媒体である同性最近媒体に、前記画像保留ステップによって保留された前記画像を印刷するステップであることを特徴とする印刷制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−43443(P2013−43443A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185200(P2011−185200)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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