説明

画像情報検出装置及びそれを有する画像形成装置

【課題】 照明光学系の球面収差の状態を考慮することにより照明領域中心部及びその近傍の照明光量を大きくすることができ、検出信号のS/N比を向上させ位置検出用のパターン像を高精度に検出することができる画像情報検出装置を得ること。
【解決手段】 光源手段から出射した光束で、搬送されてくる像担持体の面を照射する照明光学系と、該像担持体の面に形成されている画像を介した光を受光する受光光学系と、受光光学系で得られる信号より該像担持体に形成された画像の画像情報を求める演算手段とを有する画像情報検出装置において、該照明光学系の光学面は球面又は球面と平面より成り、像担持体の面と平行である理想結像面、像担持体の面と平行な面である近軸結像面の該像担持体の面に対して垂直方向の相対的距離をΔとするとき、該像担持体の面が該理想結像面の位置に対し±0.5Δの範囲内に位置するように配置されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像情報検出装置及びそれを有する画像形成装置に関し、例えば電子写真方式や静電記録方式などを応用した複写機やプリンター、あるいはファクシミリ等のカラー画像形成装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
多色の画像を得る為の画像形成装置では、複数の画像形成部において互いに異なった色の画像を形成している。そして搬送ベルトのごとき搬送手段によって搬送された紙上に各色の画像を重ねて転写し多色の画像形成を行っている。
【0003】
この方式では各色の画像形成部の状態(作動状態)が異なる。このため、最終的に形成される多色の画像において、各色に色の濃度差が生じて期待した色の画像が出力されなかったり、各色の画像を重ねるとき重なりずれが生じることがあった。良好な多色の画像を得るためには、各色の画像の濃度や重なりずれを精度良く管理することが重要になっている。従来より多色の画像を得る画像形成装置では、画像情報検出装置を設置し、形成画像(パターン像)の濃度や位置情報等の画像情報を検出し、各色毎に濃度や位置ずれを補正することが行われている。
【0004】
この画像情報検出装置では転写ベルトである像担持体上に描写された位置検出用パターン像の画像情報を検出する。具体的には光源手段の発光面から放射された光束を集光部と照明レンズで集光し、防塵ガラスを介して像担持体上の位置検出用パターンを照明している。そして、像担持体とその上に描写されたパターン像からの散乱光を、絞り、結像レンズを介して受光手段で検出している。受光手段で検出された検出信号に従い各色の画像を出力すべく画像形成部(画像形成手段)を制御している。
【0005】
高精度な多色の画像を得るためには、位置検出用パターン像の画像情報を高精度に検出することが重要になってくる。一般にこのときの検出の精度を悪化させる原因の一つに、検出信号のノイズがある。検出信号のS/N比を向上させる一手段として、受光手段で得られる光束の受光光量を大きくする方法がある。従来より照射面である像担持体をケーラー照明することで、パターン像からの正反射光の受光光量を大きくし、S/N比を向上させる構成を有した画像情報検出装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−055572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の画像情報検出装置では、像担持体(記録部材)上のパターン像からの散乱光の内、正反射光成分を主に受光している。このため、パターン像からの散乱光全体の受光光量は少ない。そのため、パターン像の散乱光全体を受光し、かつ受光光量を大きくして、S/N比を向上させることが難しい。
【0008】
一般的に画像情報検出装置に用いられる照明光学系と受光光学系は、それらの光軸が像担持体である照射面上で交わるように配置されている。このため、その照射面上の交点近傍の照明光量が大きいほど散乱光の受光光量は大きくなる。この原理を利用して検出信号のS/N比を向上させる照明手法として、照明領域中心部の照明光量を大きくすることができるクリティカル照明がよく知られている。しかしながらクリティカル照明においては照明光学系に球面収差があると光束径が増大し、照明領域中心部の照明光量が低下してくる。このため照射面上で球面収差が発生する照明光学系を用いるときには球面収差の発生状態を考慮した構成が必要となってくる。
【0009】
本発明は、照明領域中心部及びその近傍の照明光量を大きくすることができる。そして検出信号のS/N比を向上させ位置検出用のパターン像とパターン像の濃度を高精度に検出することができる画像情報検出装置及びそれを有する画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像情報検出装置は、光源手段と、該光源手段から出射した光束で、搬送されてくる像担持体の面を照射する照明光学系と、該像担持体の面に形成されている画像を介した光を受光する受光光学系と、
該受光光学系で得られる信号より該像担持体に形成された画像の画像情報を求める演算手段とを有する画像情報検出装置において、該照明光学系の光学面は球面又は球面と平面より成り、像担持体の面と平行であって、
該照明光学系からの光束のうち比例領域内の光線が集光する光束の径が像担持体の搬送方向と垂直な方向において最小となる位置にある面を理想結像面とし、像担持体の面と平行な面であって、該照明光学系の近軸光線が結像する該像担持体の面に対して垂直方向の位置にある面を近軸結像面とし、該理想結像面と該近軸結像面の該像担持体の面に対して垂直方向の相対的距離をΔとするとき、該像担持体の面が該理想結像面の位置に対し±0.5Δの範囲内に位置するように配置されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、照明光学系の球面収差の状態を考慮する。これにより照明領域中心部及びその近傍の照明光量を大きくすることができ、検出信号のS/N比を向上させ位置検出用のパターン像とパターン像の濃度を高精度に検出することができる画像情報検出装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の画像情報検出装置の実施例1の要部副走査断面図
【図2】図1の一部分の照明光学系の光路図
【図3】実施例1において光源出射角度θと集光部出射面への光束の到達位置の光軸からの動径距離Dとの関係を示す説明図
【図4】実施例1において光源出射角度θと集光部出射面からの光束の出射角度φとの関係を示す説明図
【図5】実施例1において集光部出射面への光束の到達位置の光軸からの動径距離Dと集光部出射面からの光束の出射角度φとの関係を示す説明図
【図6】図1において比例領域内光線の光路図と比例領域外光線の光路図
【図7】実施例1において集光部出射面への光束の到達位置の光軸からの動径距離Dと結像位置hとの関係を示す説明図
【図8】実施例1において照射面位置Lと光束径wを示した光路図
【図9】実施例1において照射面位置Lと光束径wとの関係を示す説明図
【図10】本発明の実施例2に係る照明光学系の光路図
【図11】実施例2において光源出射角度θと集光部出射面への光束の到達位置の光軸からの動径距離Dとの関係を示す説明図
【図12】実施例2において集光部出射面への光束の到達位置の光軸からの動径距離Dと結像位置hとの関係を示す説明図
【図13】実施例2において照射面位置Lと光束径wとの関係を示す説明図
【図14】本発明の画像情報検出装置の実施例3の要部副走査断面図
【図15】実施例3の照明光学系の光路図
【図16】実施例3において光源出射角度θと集光部出射面への光束の到達位置の光軸からの動径距離Dとの関係を示す説明図
【図17】図15において比例領域の光路図と比例領域外の光路図
【図18】実施例3において集光部出射面への光束の到達位置の光軸からの動径距離Dと結像位置hとの関係を示す説明図
【図19】実施例3において照射面位置Lと光束径wを示した光路図
【図20】実施例3において照射面位置Lと光束径wとの関係を示す説明図
【図21】本発明に係るデジタルカラー複写機の要部概略図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明の画像情報検出装置は、光源手段31と、光源手段31から出射した光束で搬送されてくる像担持体(転写ベルト)34の面を照射する照明光学系S1と、像担持体の面に形成されている画像を介した光を受光する受光光学系S2とを有している。更に受光光学系S2で得られる信号より像担持体34に形成された画像34bの画像情報(位置情報と濃度情報)を求める演算手段101とを有している。
【0014】
[実施例1]
図1は本発明のカラー画像形成装置に用いられる画像情報検出装置の副走査断面内の要部概略図である。本発明の画像情報検出装置はカラー画像形成装置以外の多色の画像形成装置にも用いられる。図1を用いて、画像情報検出装置の構成を説明する。
【0015】
31は照明手段(光源手段)(光源)でありLED光源より成っている。光源31の発光面31aは、一辺が0.35mmの正方形である。発光面31aはランバート分布型の発光光量分布を持つ。31bは発光部31aを内包し、発光面31aからの光束を集光する光源集光部(樹脂より成る樹脂レンズ)である。33は光学素子であり、同一材質から成る照明光学系S1の一部としての照明レンズ33aと受光光学系S2の一部としての結像レンズ33bとを一体成形より製造されている。照明光学系S1を構成する光源集光部1bと1枚の正レンズ33aは光軸回転対称な球面、非球面、平面等の形状より成っている。
【0016】
ここで、照明光学系S1の光軸Laとは、発光面31aの中心位置から、発光面31aに対して垂直な方向に出射した光線の光路を指す。34は各色のトナーから成る位置検出用のパターン像(画像)34bを搬送する、像担持体としての転写ベルトである。35は、受光光学系S2の一部で、結像レンズ33bからの光束を制限する絞りである。36は、受光手段としての受光素子である。受光素子36の受光面36aは、一辺が1mmの正方形である。34aは像担持体34の照射面(面)である。
【0017】
図1において、転写ベルト34に垂直な方向をX方向、紙面に平行でX方向と垂直な方向をY方向、紙面に垂直な方向をZ方向とする。Y方向は画像形成装置の主走査方向、Z方向は画像形成装置の副走査方向であり、パターン像34bが形成される転写ベルト34の搬送方向である。発光面31aから出射した光束は、光源集光部31bと照明レンズ33aによって集光され、転写ベルト34の照射面34a上を照明する。このとき、光源31から出射した光束の主光線Paは、照射面34aである転写ベルト34面に対して垂直に入射する。転写ベルト34面上のパターン像34bによって散乱した光は、結像レンズ33bによって集光され、絞り35により光束を制限されて、受光素子36によって受光される。
【0018】
転写ベルト34がパターン像34bを搬送するに従って、受光素子36で受光される受光光量が変化する。このときの受光光量の検出信号から、各色の画像に対応するパターン像34bの形成位置を演算手段101で検出し、画像形成時(各色の画像を重ね合わせるとき)の制御を行う。パターン像34bの形成位置を検出し、予め設定した基準位置からの形成位置ずれを算出するに当たっては、検出信号のノイズの発生が問題となる。S/N比を向上させる方法として、受光素子36で受光する受光光量を上げる(増やす)方法がある。
【0019】
本実施例では、照明光学系S1と受光光学系S2の光軸が照射面34aにおいて交点を持つ光学配置をしている。そのため、その照射面34a上の交点近傍の照明光量が大きいほど、受光素子36で受光する受光光量も大きくなる。本実施例の照明光学系S1ではこのことを利用し受光光量を上げるため、照射面34aの照明領域中心部の照明光量が大きくなるクリティカル照明の光学配置をとっている。
【0020】
ここで、これまで述べてきた、「照明領域中心部」について定義する。照明領域の中心は照射面34aにおける光軸La上の光線の到達位置を指す。「照明領域中心部」は照明領域の中心の近傍を意味するが、本明細書内では、特に、主走査方向(Y方向)の照明領域中心の近傍を指す。以下にその理由を述べる。
【0021】
通常、画像情報検出装置をカラー画像形成装置内にコンパクトに配置するため、光源31から転写ベルト34を経由して受光素子36に向かう光路(光路断面)が、主走査方向(Y方向)に平行となるようにしている。そのため、照明光の主走査方向の光量分布の方が、副走査方向の光量分布よりも、受光素子36で受光される受光光量に対して敏感となる。このことから、「照明領域中心部」とは、主走査方向における照明領域中心の近傍と定義する。
【0022】
次に主走査方向における光源31から出射された光線の光路について説明する。図1における照明光学系S1の光路を図2に示す。図2は照射面34a近傍について拡大図を示している。図2の光路より、照射面34aである転写ベルト34面上で照明光学系S1に球面収差が発生していることがわかる。
【0023】
本実施例では、光源集光部31bと照明レンズ33aの表面33aaが凸形状の球面で、裏面33abが平面である。このため、照明光学系S1の集光部の光学面が、球面と平面のみで構成されている。照射面34a上での球面収差は、この構成のために生じる。
【0024】
図2に示した照明光学系S1において、照明レンズ33aの裏面33abが照明光学系S1における光路の集光部出射面33abとなる。図3に、発光面31aからの光線の光源出射角度θを横軸、集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dを縦軸に取ったグラフを示す。ここで、動径距離Dの基準となる光軸Laは、集光部出射面33abからの出射後の光軸である。図3より、光線の光源出射角度θと、集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dにおいて、略比例関係が成り立つ領域が光軸La近傍に存在することがわかる。光源出射角度θに対する集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dが光軸Laから軸外に向かって最初の極値となるまでの領域を「比例領域」と定義する。比例領域は、照明光学系S1の集光部が球面又は平面のみで構成された照明光学系において、必ず生じる。
【0025】
また、図4は、発光面31aからの光線の光源出射角度θを横軸、集光部出射面33abからの光束の出射角度φを縦軸に取ったグラフである。ここで、集光部出射面33abからの光束の出射角度φは集光部出射面33abからの出射後の光軸Laからの角度である。図4より、比例領域において、光源出射角度θと集光部出射面33abからの光束の出射角度φに略比例関係が成り立つことがわかる。
【0026】
これらのことを踏まえて、図5に、集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dを横軸、集光部出射面33abへの光束の出射角度φを縦軸にとったグラフを示す。図5より、比例領域において、集光部出射面33abからの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dと集光部出射面33abからの光束の出射角度φに略比例関係が成り立つことがわかる。このときの光線を比例領域内光線とは次のとおりである。集光手段の出射面到達光束の中でも、照射面上の画像搬送方向と垂直な方向において、光源出射角度に対する集光手段出射面到達位置の(集光手段出射後)光軸からの動径距離が光軸から軸外に向かって最初の極値となるまでの光線と定義する。この関係のため、比例領域内光線は、結像位置に特徴を生じる。比例領域内光線の特徴を示すために、図6(A)、(B)に、比例領域内光線の光路図と、比例領域外光線の光路図を示す。
【0027】
また、図7に、集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dと光軸方向の光束の結像位置hとの関係を示す。ここで結像位置hは、近軸光線が結像する近軸像面(光軸近傍の光束の結像面)の位置を原点としている。図7より、比例領域内光線には、結像位置hと集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dについて、光軸Laを中心軸として略比例関係が成り立つことがわかる。つまり、比例領域内光線は、集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dが大きいほど、大きい角度で光軸方向の光源31側に結像する。また集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dが小さいほど、小さい角度で光軸方向の光源31と反対側に結像する。
【0028】
一方、図6(A)、(B)より、比例領域外光線には、比例領域内光線のような結像位置hと集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dとの略比例関係がないことがわかる。本実施例ではこれらのことを踏まえて、照明領域中心部の照明光量が大きくなる光学配置をとっている。
【0029】
集光部出射面33abに到達する比例領域内光線と比例領域外光線の光源出射角度θの範囲を表1に示す。表1より、比例領域内光線は比例領域外光線に比べて、光源出射角度θが小さい光線であり、且つより広い範囲の光源出射角度θの光線から構成されていることがわかる。通常の光源では、光源出射角度θが小さいほど光線の光強度が大きく、光線本数が多い程全体の光量は大きくなるので、比例領域内光線の方が比例領域外光線よりも、光量が大きい。また、先に述べたように、比例領域外光線には結像位置hと集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dとの略比例関係がない。このため、照射面34aの位置による照明光量の変化は小さい。
【0030】
更に、一般的な照明光学系について論じると、比例領域外光線は光束を広げる要因となりやすく、絞り等により遮蔽されることが多いため、考慮する必要性は更に低くなる。これらのことから、最も照明領域中心部の照明光量が大きい光学配置を考えるに当たって、比例領域外光線は近似的に考慮する必要がなく、比例領域内光線のみを考えればよい。
【0031】
そこで、比例領域内光線における、最も照明領域中心部の照明光量が大きい光学配置を設定する。比例領域内光線による照明領域中心部(Y方向)の照明光量が最も大きい光学配置とは、転写ベルト34に対して垂直な断面内(XY断面内)において、比例領域内光線の光束の光束径が最小となる位置Lに照射面34aを配置することである。このときの位置を「理想結像位置」と定義する。また転写ベルト34の面と平行であって、理想結像位置に相当する面を「理想結像面」という。これらのことから、理想結像面の位置に転写ベルト34を配置した配置が、最も照明領域中心部の照明光量が大きい光学配置となる。
【0032】
図2に示した照明光学系S1の比例領域内光線による光束の、転写ベルト34の搬送方向(Z方向)に垂直な方向(Y方向)の光束径wを考える。ここで、光束径wは比例領域内光線の光束の光束径であり、照射面34aの位置1、2、3に応じて変化する。図8はこの様子の説明図である。図9は、照射面34aの位置を横軸、光束径wを縦軸に取った説明図である。ここで、照射面34aの位置Lの原点は、図2に示した照明光学系S1の照射面34aであり、設計上の面とする。図9から、理想結像位置Loを照射面とした配置の方が、近軸結像位置(光束近傍の光束が結像する位置)Lcを照射面とした配置より、光束径が小さくなり、照明領域中心部の照明光量が大きい光学配置となることがわかる。照明領域中心部の照明光量が大きいことは、即ち受光光量を大きくし、検出信号のS/N比を向上させることができる。これまでの議論で、理想結像位置Loの近傍を照射面とする配置は、照射面上で球面収差が発生する照明光学系において、照明領域中心部の光量を上げるという利点があることを説明した。
【0033】
以下に、本発明の有効な照射面の範囲について説明する。近軸結像位置Lcを照射面とする配置に対して、理想結像位置Loを照射面とする配置の、比例領域内光線の光束径の差を本実施例による改善と考える。そして、改善率が50%を超えた配置において、本発明の効果があると考えることができる。
【0034】
ここで、図9より、理想結像位置Loと近軸結像位置Lcの間に照射面が配置された場合、照射面の位置と比例領域内光線の光束径には、略比例関係がある。このことから、理想結像位置(理想結像面)Loと近軸結像位置(近軸結像面)Lcの間隔(照射面34aに対し垂直方向の相対的距離)をΔとし、
理想結像位置±0.5Δ
の領域を照射面とする光学配置を本実施例において有効な範囲とする。ここで符号は理想結像位置に対して照明光学系S1側を(−)側、逆側を(+)側とする。
【0035】
集光部出射面33abに対して垂直な方向(X方向)において、集光部出射面33abから理想結像位置Loまでの距離をDLoとする。集光部出射面33abから近軸結像位置Lcまでの距離をDLcとする。集光部出射面33abから像担持体34の面34aまでの距離をDLpとすると、
Δ=|DLc−DLo|
より、
DLo−0.5|DLc−DLo|≦DLp≦DLo+0.5|DLc−DLo|
が成り立つ光学配置が、本実施例において有効な範囲となる。
【0036】
本実施例の場合、図9から明らかのようにΔは
Δ=1.45mm
より、
±0.5Δ=±0.73mm
である。照射面位置Lの理想結像位置Loに対するずれ
|0−DLo|=0.35mm
より、本実施例の有効な範囲内である。
【0037】
本実施例の効果をより享受するためには、改善率が70%を超えた配置が望ましい。
このことから、理想結像位置±0.3Δの領域を照射面とする光学配置を本実施例の「より有効な範囲」とする。つまり、
DLo−0.3|DLc−DLo|≦DLp≦DLo+0.3|DLc−DLo|
が成り立つ光学配置が、本実施例のより有効な範囲となる。
【0038】
本実施例の場合、
±0.3Δ=±0.44mm
で、像担持体34の位置の理想結像位置Loに対するずれ
DLp−DLo=0.35mm
より、本実施例のより有効な範囲内である。このため、本実施例の効果が大きい配置となっている。
【0039】
これまで、発光面31aの中心部からの光線のみを扱って議論を進めており、発光面31aの周辺部からの光線について言及していなかった。しかし、本実施例のように、発光面31aの大きさに対して、光源31から集光部入射面33aaまでの距離が十分大きい場合は次のようになる。即ち、照射面34aの位置に対する比例領域内光線の照射面上の光束径wの変化が、発光面中心部からの光線と発光面周辺部からの光線で近似的に等しいと考えることができる。つまり、周辺部からの光線についてもこれまでと同様の議論を適用できるので、発光面全域を考慮した場合でも、これまでの議論と同様の結果となる。そのため、これまでの議論で、発光面の周辺部からの光線も考慮した説明がなされている。このことは、実施例1に限らず、後述する実施例2及び実施例3についても同様であるため、実施例2及び実施例3では言及を省略する。最後に、実施例1の照明光学系S1の特性値を表2に示す。なお、これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0040】
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について説明する。尚、上記実施例1と異なる点を中心に説明する。本実施例では、実施例1の照明光学系S1の光学配置において、照明レンズ33aの手前に、光束径を制限する絞り32を配置した構成となっている。また、実施例1の照明光学系の光学配置に対して、照射面の位置が光軸方向に1mm移動している。これらの二点が実施例1との主たる相違点である。以後、実施例1と同様に主走査方向の光路について説明する。
【0041】
図10は、本発明の実施例2の照明光学系S1の光路図である。図10には、照射面34aの近傍について拡大図を示す。図10より、転写ベルト34面上で球面収差が発生していることがわかる。この起因は、実施例1と同様である。図11は実施例1と同様に、光線の光源出射角度θを横軸、集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dを縦軸に取った説明図である。図12は集光部出射面33abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dを横軸、光軸La方向の結像位置hを縦軸に取った説明図である。図11、図12に示す動径距離Dの基準となる光軸Laは、集光部出射面33ab後の光軸である。図11と図12より、集光部出射面33abに到達する光線の全ての光線が比例領域内光線となることがわかる。また、図3と図11の比較から、絞り32によって光束が制限されたことにより、比例領域内光線が実施例1に対して減少したことがわかる。
【0042】
絞り32が光束を制限することで、比例領域外光線が存在しなくなり、比例領域内光線が減少したことが、実施例1との本質的な相違点である。実施例1と同様に、図10に示した照明光学系S1の比例領域内光線による光束の、照射面34aにおける搬送方向(Z方向)に垂直な方向(Y方向)の光束径wを考える。図13に、照射面位置Lを横軸、光束径wを縦軸に取ったグラフを示す。ここで、照射面位置(設計上の位置)Lの原点は、図10に示した照明光学系S1の照射面34aとする。図13から、理想結像位置Loを照射面とした配置の方が、近軸結像位置Lcを照射面とした配置より、光束径が小さくなり、照明領域中心部の照明光量が大きい光学配置となることがわかる。照明領域中心部の照明光量が大きいことは、即ち受光素子36で受光される受光光量を大きくし、検出信号のS/N比を向上させる。
【0043】
本実施例の場合、間隔Δ=DLc−DLoよりΔ=0.70mmである。±0.5Δ=±0.35mmで、像担持体34の位置の理想結像位置Loに対するずれ|0−DLo|=0.10mmより、本実施例の有効な範囲内である。さらに、±0.3Δ=±0.21mmで照射面位置の理想結像位置Loに対するずれDLp−DLo=0.10mmより、本実施例のより有効な範囲内である。このため、本実施例の効果が大きい配置となっている。また、図13から図9の実施例1の理想結像位置Loと比較して、実施例2の理想結像位置Loが変化していることがわかる。これは、絞り32によって比例領域内光線が実施例1に比べて少なくなったことに起因する。しかし、絞り32によって比例領域内光線が少なくなっても、近軸結像位置Lcと異なる理想結像位置Loは存在し、本実施例の効果には影響が無いことがわかる。これまでの議論で、絞り32により光束が制限された照明光学系においても、理想結像位置近傍を照射面とする配置は、照明領域中心部の光量を上げ、また、照射面の配置誤差に対して照明光量が鈍感とするという利点がある。最後に、実施例2の照明光学系の特性値を表3に示す。なお、これまで本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は、これらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0044】
[実施例3]
次に、本発明の実施例3について説明する。尚、上記実施例1と異なる点を中心に説明する。図14は本発明の画像形成装置が有する、パターン像の濃度(画像情報)を検出する画像情報検出装置の要部副走査断面図である。本発明は実施例1に比べて転写ベルト204に対して照明光学系S1の光軸Laが垂直でなく、傾いている点が異なっている。そして照明光学系S1からの光束でパターン像204bを介した光束のうち正反射光を受光光学系S2で検出している。
【0045】
図14を用いて、画像情報検出装置の構成を説明する。201は照明手段の一部である光源としてのLED光源である。光源201の発光面201aは、一辺が0.35mmの正方形である。光源201はランバート分布型の発光光量分布を持つ。201bは発光面201aからの光束を集光する光源集光部である。203は光学素子であり、同一材質から成る照明光学系S1の一部としての照明レンズ203aと受光光学系S2の一部としての結像レンズ203bとを一体成形している。発光面201aからの光線は、照明レンズ203aの軸(光軸)Laaに対して斜入射する。このため、照明光学系S1の光路は光軸回転非対称となる。ここで、光軸Laとは、発光面201aの中心位置から、発光面201aに対して垂直な方向に出射した光線の光路を指す。204は各色のトナーから成る濃度検出用パターン像を搬送する、像担持体としての転写ベルトである。205は、受光光学系S2の一部としての、結像レンズ203bからの光束を制限する絞りである。206は、受光手段としての受光素子である。受光素子206の受光面206aは、一辺が1mmの正方形である。
【0046】
図14の、転写ベルト204に垂直な方向をX方向、紙面に平行でX方向と垂直な方向をY方向、紙面に垂直な方向をZ方向とする。Y方向は画像形成装置の主走査方向、Z方向は画像形成装置の副走査方向であり、像担持体204(パターン像204b)の搬送方向である。発光面201aから出射した光束は、集光部である、光源集光部201bと照明レンズ203aによって集光され、転写ベルト204面上の照射面(面)204aを照明する。このとき、光源201から出射した光軸光線は、転写ベルト204面に対して斜めに入射する。転写ベルト204面上のパターン像204bによって散乱した光は、結像レンズ203bによって集光され、絞り205により光束を制限されて、受光素子206によって受光される。転写ベルト204がパターン像204bを搬送するに従って、受光素子206で受光する受光光量が変化する。この受光光量の検出信号から、パターン像204bの濃度を検出し、画像形成時(各色の画像を重ね合わせるとき)の制御を行う。また、光源手段から出射される光量を検出して光源手段の駆動を制御している。
【0047】
本実施例でも実施例1と同様に、照明光学系S1と受光光学系S2の光軸が照射面204aにおいて交点を持つような一般的な光学配置をしている。そして受光素子206で受光する受光光量を上げるため、照明領域中心部の照明光量が大きくなる光学配置をしている。
【0048】
本実施例と実施例1との違いは、照明光学系S1が光軸回転非対称であることと、照射面204aが光軸方向に対して垂直な配置とならないことである。以後、実施例1と同様に主走査方向の光路について説明する。
【0049】
図15は、実施例3の照明光学系S1の光路図である。図15は照射面204a近傍について拡大図を示している。図15より、転写ベルト204面上で球面収差が発生していることがわかる。この起因は、実施例1と同様である。
【0050】
図16は実施例1と同様に、光線の光源出射角度θを横軸、集光部出射面203abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dを縦軸に取ったグラフである。ここで、動径距離Dの基準となる光軸は、集光部出射面203abからの出射後の光軸である。図16より、実施例3の照明光学系S1においても、光線の光源出射角度θと、集光部出射面203abへの光束の到達位置の光軸からの動径距離Dにおいて、略比例関係が成り立つ、比例領域が光軸近傍に存在することがわかる。
【0051】
比例領域内光線の特徴を示すために、図17(A)、(B)に、比例領域の光路図と、比例領域外の光路図を示し、また、図18に、集光部出射面203abへの光束の到達位置の光軸Laからの動径距離Dと光軸方向の結像位置hとの関係を示す。ここで、結像位置hは、近軸像面の位置を原点としている。
【0052】
図18より、集光部出射面203abへの光束の到達位置が光軸Laから主走査方向に−0.4mm位置の光線の光路を中心軸として、略比例関係が成り立っていることがわかる。図18より、比例領域外光線には、比例領域内光線のような結像位置hと集光部出射面203abへの光束の到達位置の光軸からの動径距離Dとの略比例関係がないことがわかる。また、集光部出射面203abに到達する比例領域内光線と比例領域外光線の光源出射角度の範囲を表4に示す。表4より、比例領域内光線は比例領域外光線に比べて、光源出射角度θが小さい光線であり、且つより広い範囲の光源出射角度θの光線から構成されていることがわかる。
【0053】
これらのことから、本実施例の照明光学系S1においても、比例領域内光線の方が比例領域外光線よりも光量が大きくなる。そのため、実施例1と同様に、最も照明領域中心部の照明光量が大きい光学配置を考えるに当たって、比例領域外光線は近似的に考慮する必要がなく、比例領域内光線のみを考えればよい。
【0054】
実施例1と同様に、図15に示した照明光学系S1の比例領域内光線による光束の、照射面204aにおける搬送方向(Z方向)に垂直な方向の光束径wを考える。ここで、光束径wは比例領域内光線の光束の光束径であり、照射面の位置(1)、(2)、(3)の応じて変化する。この様子を図19に示す。
【0055】
図20は、照射面204aの位置Lを横軸、光束径wを縦軸に取ったグラフである。ここで、照射面位置Lの原点は、図14に示した光学系の照射面204aとする。図20から、理想結像位置Loを照射面とした配置の方が、近軸結像位置Lcを照射面とした配置より、光束径が小さくなり、照明領域中心部の照明光量が大きい光学配置となることがわかる。照明領域中心部の照明光量が大きいことは、即ち受光素子206で受光する受光光量を大きくし、検出信号のS/N比を向上させる。
【0056】
本実施例の場合、Δ=2.07mmより、±0.5Δ=±1.04mm。照射面位置の理想結像位置に対するずれ0−DLo=−0.1mmより、本実施例の有効な範囲内である。さらに、±0.3Δ=±0.62mmで、照射面位置204aの理想結像位置Loに対するずれ0−DLo=−0.1mmより、本実施例のより有効な範囲内である。このため、本実施例の効果が大きい配置となっている。これまでの議論で、光軸非対称となる照明光学系や、照射面が光軸方向に垂直な配置とならない照明光学系においても、理想結像位置近傍を照射面とする配置は、照明領域中心部の光量を上げるという利点があることを説明した。実施例3の照明光学系の特性値を表5に示す。なお、これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0057】
以上のように各実施例によれば、照射面において球面収差が発生する照明光学系を有する画像情報検出装置において、S/N比の高い検出信号が得られる。このとき、照明光量が照明領域中心部に集中しており、散乱光の光量分布も受光領域中心部に集中するため、受光素子の面積を小さくできる。
【0058】
次に画像情報形成装置を有する画像形成装置について説明する。図21は本発明の画像情報検出装置を有した画像形成装置をデジタルフルカラー複写機に適用したときの要部概略図である。まず、図21のデジタルフルカラー複写機の構成及び作用について説明する。図中、80は原稿読取部であり、原稿ガラス台86上に載置されたカラー画像の画像情報をミラー83、84、85、読取レンズ82によってCCD等の読取手段面81上に形成して読取っている。そして読取手段81からのカラー画像情報をフルカラー画像形成部10に入力している。
【0059】
フルカラー画像形成部10には第1〜第4の4つの画像ステーション(画像形成部(画像形成手段)Pa〜Pd)が配置され、各画像形成ステーション(Pa〜Pd)は像担持体として感光ドラム(2a〜2d)を有する。また、その周りには専用の帯電手段(3a〜3d)、画像情報に応じた光束を感光ドラム面上に照射するための走査光学装置(1a〜1d)、現像手段(5a〜5d)、ドラムクリーニング手段(4a〜4d)、そして転写手段(6a〜6d)等が各々配置されている。
【0060】
51a〜51dは各々現像剤容器であり、各現像手段(5a〜5d)に各々対応しており、走査光学装置(1a〜1d)の水平部の直下で、かつ垂直部に並んで設けられており、円柱形状の現像剤カートリッジを着脱することにより現像剤の補給を行うものである。ここで画像形成ステーション(Pa〜Pd)は各々シアン画像、マゼンダ画像、イエロー画像、ブラック画像を形成するところである。
【0061】
一方、各画像形成ステーションは(Pa〜Pd)を通過する態様で感光ドラム(2a〜2d)の下方に無端ベルト状の転写ベルト(記録部材)61が配置されている。そしてその転写ベルト61は駆動ローラ62と従動ローラ63及び65に張架され、さらにその表面を清掃するクリーニング手段64が設けられている。
【0062】
走査光学装置(1a〜1d)は、光源手段としての半導体レーザ、該半導体レーザから出射した光束をポリゴンミラーに導光する入射光学手段を有する。そして該ポリゴンミラーで偏向された光束を像担持体としての感光ドラム(2a〜2d)面上に結像させるトーリックレンズと球面レンズ、非球面レンズ等の光学素子とを有する結像手段を有する。そして該トーリックレンズと光学素子との間に設けた反射部材としての反射ミラー、そしてそれらの光学要素を一体的に収容する収容手段を有している。
【0063】
このような構成において、まず第1の画像形成ステーションPaの帯電手段3a、走査光学装置1aによる露光等の公知の電子写真プロセス手段により感光ドラム2a面上に画像情報のシアン成分の潜像を形成する。その後、該潜像は現像手段5aでシアントナーを有する現像剤によりシアンパターン像として可視像化され転写手段6aでシアンパターン像が転写ベルト61の表面に転写される。
【0064】
一方、上記シアンパターン像が転写ベルト61上に転写されている間に第2の画像形成ステーションPbではマゼンダ成分色の潜像が形成される。続いて現像手段5bでマゼンタトナーによるパターン像が得られ、先の第1の画像形成ステーションPaで転写が終了した転写ベルト61に転写手段6bにて精度よくマゼンタパターン像が重ねて転写される。
【0065】
以下、イエロー像、ブラック像、についても同様な方法で画像形成が行われ、転写ベルト61に4色のパターン像の重ね合わせが終了する。次いで転写ベルト61上の4色パターン像は2次転写ローラ66にて、給紙カセット70内にあって給紙ローラ71及び搬送ローラ対72、レジストローラ対73によりタイミングを合わせて搬送されたシート材S上に再び転写(2次転写)される。そして2次転写が終了したシート材Sは定着ローラ対74で転写されたパターン像が加熱定着され、シート材Sにフルカラー画像が得られる。そしてフルカラー画像が形成されたシート材Sはローラ75,76を介してトレー77に送られる。尚、転写が終了した各々の感光ドラム(2a〜2d)はクリーニング手段(4a〜4d)で各感光ドラム(2a〜2d)から残留トナーが除去され、引き続き行われる像形成に備えられる。69は画像情報検出装置である。同図において転写ベルト61の奥側、中央、手前側の3ヶ所又は奥側と手前の2ヶ所に同構成の画像情報検出装置が各々配置されている。尚、転写ベルト61の面は鏡面に近い状態となっている。
【0066】
本実施形態では、画像形成のプロセスを行う前に、各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdは転写ベルト61上にそれぞれ4つの画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdに対応した画像としての位置検出用パターン像69aを形成する。即ち全体として各々4つの画像が形成されている。以下は簡単のために位置検出用パターン像は左右1つとして取扱う。画像情報検出装置69は、上述した画像形成部のプロセスを実行するに先立って各感光ドラム2a〜2dの非画像形成領域に形成され、そして転写ベルト61の搬送方向に転写された位置検出用パターン像69aの位置情報を検出する。その検出された検出信号によって各画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdは制御部によって制御される。
【0067】
【表1】

【符号の説明】
【0068】
S1 照明光学系 S2 受光光学系 31 光源手段 33 光学素子
34 転写ベルト(像担持体) 34b パターン像 34a 照射面
101 演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源手段と、該光源手段から出射した光束で、搬送されてくる像担持体の面を照射する照明光学系と、該像担持体の面に形成されている画像を介した光を受光する受光光学系と、
該受光光学系で得られる信号より該像担持体に形成された画像の画像情報を求める演算手段とを有する画像情報検出装置において、該照明光学系の光学面は球面又は球面と平面より成り、像担持体の面と平行であって、
該照明光学系からの光束のうち比例領域内の光線が集光する光束の径が像担持体の搬送方向と垂直な方向において最小となる位置にある面を理想結像面とし、像担持体の面と平行な面であって、該照明光学系の近軸光線が結像する該像担持体の面に対して垂直方向の位置にある面を近軸結像面とし、該理想結像面と該近軸結像面の該像担持体の面に対して垂直方向の相対的距離をΔとするとき、該像担持体の面が該理想結像面の位置に対し±0.5Δの範囲内に位置するように配置されていることを特徴とする画像情報検出装置。
【請求項2】
前記照明光学系は前記光源手段を内包する樹脂レンズと、1枚の正レンズを有することを特徴とする請求項1に記載の画像情報検出装置。
【請求項3】
該光源手段はLEDより成ることを特徴とする請求項1に記載の画像情報検出装置。
【請求項4】
前記照明光学系の光学面は凸形状または凸形状と平面より構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像情報検出装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像情報検出装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−242519(P2011−242519A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113169(P2010−113169)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】