説明

画像表示装置およびディスプレイシステム。

【課題】画像表示素子の液晶層近辺にアパーチャーを設けることなく高解像度化を図ることの出来る画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示素子の部分以外で、画像あるいはアパーチャーパターンを結像させ、その結像面で画像表示素子の画素とアパーチャーとを対応させる構成とする。つまり、画像表示装置が、画素がアレー状に配置された画像表示素子と、前記画像表示素子からの読み出し光を結像する結像光学系と、前記結像光学系による像の結像面に設けられ、該結像面上での前記画素に対して少なくとも1個のアパーチャー(または偏光子)が配置されたアパーチャーアレー(または偏光子アレー)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置およびディスプレイシステムに関する。特に、高解像度化に適した投射型の画像表示装置およびディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、臨場感豊かな高精細映像技術が急速に普及し、ハイビジョンを超える高精細映像表示が実現されつつある。現在、高精細画像表示の手法としては、投射型ディスプレイがもっとも有望である。特に微細な画素構造を有し、しかも開口率が大きな反射型のLCoSを用いた超高精細ディスプレイシステムが、次世代の映像技術として開発されつつある(非特許文献1を参照)。
本方式では、緑色用画像パネルを2枚使用し、半画素ずらし表示することで画像の解像度を向上する技術が用いられている。今後、表示画素の微細化による高精細技術とともに、画素ずらしによる高解像度な映像表示技術は、将来の高精細テレビの実現やそれらを基盤技術とした立体映像表示技術の開拓などに有効な手段となっていく。
【非特許文献1】M. Kanazawa, K. Hamada, I. Kondoh, F. Okano, Y. Haino, M. Sato, K. Doi, “An ultrahigh-definition display using the pixel-offset method”, Journal of the Society for Information Display, vol.12, no.1,2004,p.93-103
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、さらなる高精細化を図るには、画素ずらし表示手法の高精度化などの改善が必要である。画素ずらし方法の課題は次の通りである。即ち、LCoS素子の開口率がほぼ100%であるため、2枚の緑色画像を半画素ずらした場合にはその2枚の緑色画像の画素同士がオーバーラップして表示されるため、高解像度化の面で不利な特性を有している。
【0004】
これを解決するためには、簡易な手段として、画像表示素子の液晶層近辺にアパーチャーを設置することが考えられるが、素子の製作工程にアパーチャーを作り込むことは多大なコストがかかるとともに、アパーチャーによる回折光や反射光の発生による迷光の発生や、熱吸収による液晶変調特性の温度依存性の影響など、表示画像の画質低下の要因を多数引き起こすことが予想される。
さらに、液晶層を挟む対向ガラス基板にアパーチャーを作り込むことで、表面に凹凸が生じ、液晶配向膜特性にも影響を与える。以上の理由により、画素表示面にアパーチャーを作り込むことは現実的ではない。
【0005】
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、画像表示素子の液晶層近辺にアパーチャーを設けることなく高解像度化を図ることの出来る画像表示装置を提供することを目的とする。さらに、そのような画像表示装置の応用として、立体画像を表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明では、上記課題を解決するために、技術的特徴として、画像表示素子の部分以外で、画像あるいはアパーチャーパターンを結像させ、その結像面で画像表示素子の画素とアパーチャーとを対応させる構成とする。
つまり、画像表示素子に直接アパーチャーを設置するのではなく、表示素子の画像を一度、リレーレンズで結像させ、その結像面にアパーチャーストップを設置する構成とする。もしくは照明光学系内に、アパーチャーストップを設置することで、投射画像の画質低下を招くことなく、画素ずらしによる高解像度な画像表示性能を上げるものである。また、アパーチャーアレーの代わりに偏光子アレーを用いることでより光の利用効率をあげることもできる。さらに、レンズアレーを組み合わせて構成することにより、インテグラル式の立体像表示も可能とする。
なお、下記解決手段の各態様の記載に付した符号は、実施形態を参照するためのものであるが、解決手段の解釈を限定するものではない。
【0007】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による画像表示装置は、画素がアレー状に配置された画像表示素子(12)と、前記画像表示素子からの読み出し光を結像する結像光学系(14)と、前記結像光学系による像の結像面に設けられ、該結像面上での前記画素に対して少なくとも1個のアパーチャーが配置されたアパーチャーアレー(15)とを備えることを特徴とするものである。
ここで、画像表示素子は、反射型であっても透過型であっても良い。また、アパーチャーは画素に対応して配置される。この構成によれば、アパーチャーアレーは、画像表示素子から離れた場所に設けられる。そして、画像表示素子からの読み出し光の結像面において、画素に対応したアパーチャーが設けられているため、高解像度化が図れる。
【0008】
[2]また、本発明の一態様による画像表示装置は、画素がアレー状に配置された画像表示素子(20,21)と、前記画像表示素子からの読み出し光を結像する結像光学系(23)と、前記結像光学系による像の結像面に設けられ、該結像面上での前記画素に対して少なくとも1個の偏光子が配置された偏光子アレー(24)とを備えることを特徴とするものである。
ここで、画像表示素子は、反射型であっても透過型であっても良い。また、偏光子は画素に対応して配置される。この構成によれば、偏光子は、画像表示素子から離れた場所に設けられる。そして、画像表示素子からの読み出し光の結像面において、画素に対応した偏光子が設けられているため、高解像度化が図れる。
【0009】
[3]また、本発明の一態様による画像表示装置は、前記の画像表示装置において、さらに、前記アパーチャーアレーの面の画像を拡大投影する第2の結像光学系(16,25)を備えることを特徴とする。
これによれば、第2の結像光学系が、アパーチャーアレーの面の画像を拡大投影する。
【0010】
[4]また、本発明の一態様による画像表示装置は、前記の画像表示装置において、少なくとも2個の前記画像表示素子(20,21)と、第1の前記画像表示素子からの第1の読み出し光と、前記第1の読み出し光とは偏光方向が異なる第2の前記画像表示素子からの第2の読み出し光とを合成して出力する合成光学系(22)とを備え、前記結像光学系(23)は前記合成光学系から出力される光を結像するものであり、前記偏光子アレー(24)は、前記第1の読み出し光の偏光方向と前記第2の読み出し光の偏光方向にそれぞれ対応した複数の偏光方向の偏光子が配置されたものであることを特徴とする。
なお、一態様としては、偏光子アレーにおいて、偏光方向の異なる偏光子を交互に配置する。その一形態は、2種の偏光子を平面視において市松模様状に配置する。このときの偏光子の配置は画像に対して斜め方向(例えば斜め45度)でも良い。
これによれば、第1および第2の読み出し光がそれぞれ、別の画像表示素子からが贈与読み出す。合成光学系は、これらの読み出し光を合成して出力する。偏光子アレーには、第1および第2の読み出し光それぞれの偏光方向に対応した偏光子が配置されており、その対応に応じて、ある偏光子は第1の読み出し光のみを通し、他の偏光子は第2の読み出し光のみを通す。これにより、高精細化が図れる。
【0011】
[5]また、本発明の一態様による画像表示装置は、前記の画像表示装置において、赤色画像用表示素子(42)と、青色画像用表示素子(43)と、前記偏光子アレーの面の画像を拡大投影する第2の結像光学系とをさらに備え、前記第1の画像表示素子は、第1の緑色画像用表示素子(40)であり、前記第2の画像表示素子は、第2の緑色画像用表示素子(41)であり、前記第1の読み出し光は、第1の偏光方向を有する直線偏光であり、前記第2の読み出し光は、第2の偏光方向を有する直線偏光であり、前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とは略直交するものであり、前記合成光学系(47)は、前記第1の読み出し光と前記第2の読み出し光と前記赤色画像用表示素子からの第3の読み出し光と前記青色画像用表示素子からの第4の読み出し光とを合成して出力するものであり、前記第3の読み出し光は、前記偏光子アレーに入力されるときには円偏光または無偏光であり、前記第4の読み出し光は、前記偏光子アレーに入力されるときには円偏光または無偏光であり、前記偏光子アレー(49)は、前記第1の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子と前記第2の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子とが適宜配置されたものであることを特徴とする。
これによれば、第1の緑色画像表示装置からの第1の読み出し光と第2の緑色画像表示装置からの第2の読み出し光の偏光方向は直交している。合成光学系は、第1から第4までの読み出し光を合成して出力する。第3および第4の読み出し光は円偏光または無偏光である。偏光子アレーに配置された偏光子のうち、第1の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子は、第1の偏光方向の直線偏光の光と、円偏光(または無偏光)の光のうちの第1の偏光方向の成分を通す。つまり、第1、第3、第4の読み出し光のみを通して第2の読み出し光を遮光する。一方、第2の偏光方向の光のみを透過する偏光子は、第2の偏光方向の直線偏光の光と、円偏光(または無偏光)の光のうちの第2の偏光方向の成分を通す。つまり、第2、第3、第4の読み出し光のみを通して第1の読み出し光を遮光する。これにより、緑色画像の高精細化が図れる。
【0012】
[6]また、本発明の一態様による画像表示装置は、前記の画像表示装置において、赤色画像用表示素子(52)と、青色画像用表示素子(53)と、前記合成光学系(59)からの出力を拡大投影する第2の結像光学系(150)とをさらに備え、前記第1の画像表示素子は、第1の緑色画像用表示素子(50)であり、前記第2の画像表示素子は、第2の緑色画像用表示素子(51)であり、前記第1の読み出し光は、第1の偏光方向を有する直線偏光であり、前記第2の読み出し光は、第2の偏光方向を有する直線偏光であり、前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とは略直交するものであり、前記偏光子アレー(58)は、前記第1の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子と前記第2の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子とが適宜配置されたものであり、前記合成光学系(59)は、前記偏光子アレーを通した後の前記第1の読み出し光と前記第2の読み出し光とを合成するとともに、さらに前記赤色画像用表示素子からの第3の読み出し光と前記青色画像用表示素子からの第4の読み出し光とを合成して出力するものであることを特徴とする。
これによれば、第1の緑色画像表示装置からの第1の読み出し光と第2の緑色画像表示装置からの第2の読み出し光の偏光方向は直交している。偏光子アレーに配置された偏光子のうち、第1の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子は、第1の読み出し光のみを通して第2の読み出し光を遮光する。一方、第2の偏光方向の光のみを透過する偏光子は、第2の読み出し光のみを通して第1の読み出し光を遮光する。合成光学系は、この偏光子アレーの後に設けられており、第1から第4までの読み出し光を合成する。このとき、第3の読み出し光あるいは第4の読み出し光の偏光がそれぞれいかなる方向であれ、これらは偏光子アレーを通らずに合成光学系で合成されて出力されるため、偏光子の影響を受けない。そして、合成光学系からの出力を第2の結像光学系が拡大投射する。
【0013】
[7]また、本発明の一態様による画像表示装置は、前記の画像表示装置において、赤色画像用表示素子(62)と、青色画像用表示素子(63)と、前記偏光子アレー(69)の出力側に近接して設けられた拡散板とをさらに備え、前記第1の画像表示素子は、第1の緑色画像用表示素子(60)であり、前記第2の画像表示素子は、第2の緑色画像用表示素子(61)であり、前記第1の読み出し光は、第1の偏光方向を有する直線偏光であり、前記第2の読み出し光は、第2の偏光方向を有する直線偏光であり、前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とは略直交するものであり、前記合成光学系(67)は、前記第1の読み出し光と前記第2の読み出し光と前記赤色画像用表示素子からの第3の読み出し光と前記青色画像用表示素子からの第4の読み出し光とを合成して出力するものであり、前記結像光学系(68)は、拡大投射するものであり、前記第3の読み出し光は、前記偏光子アレーに入力されるときには円偏光または無偏光であり、前記第4の読み出し光は、前記偏光子アレーに入力されるときには円偏光または無偏光であり、前記偏光子アレー(69)は、前記第1の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子と前記第2の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子とが適宜配置されたものであることを特徴とする。
これによれば、偏光子アレーの中の第1の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子は、上述したもの同様に、第1、第3、第4の読み出し光のみを通して第2の読み出し光を遮光する。また、偏光子アレーの中の第2の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子は、上述したものと同様に、第2、第3、第4の読み出し光のみを通して第1の読み出し光を遮光する。
また、これによれば、結像光学系は拡大投射するため、投影される画像の物理的なサイズは大きくなる。よって、拡大するための光学系を別に設ける必要がなくなる。また、拡散板は偏光子アレーを通った光を適度に拡散する。
【0014】
[8]また、本発明の一態様による画像表示装置は、光源を含む照明光学系(70,80〜83)と、前記照明光学系からの光を通すアパーチャーアレー(75,84)または偏光子アレー(84)と、前記アパーチャーアレーまたは前記偏光子アレーを通した光を結像する結像光学系(74,85)と、前記アパーチャーアレーまたは前記偏光子アレーのパターンの前記結像光学系による結像面に設けられ当該結像面における前記パターンに対応して画素が配置された画像表示素子(72,86)と、前記画像表示素子からの読み出し光を拡大投射する第2の結像光学系(76)を備えることを特徴とするものである。
ここで、画像表示素子は、反射型であっても透過型であっても良い。また、アパーチャーは画素に対応して配置される。これによれば、アパーチャーアレーまたは偏光子アレーを通した光が結像光学系によって結像される。その結像面に画像表示素子を設けて、アパーチャーアレー又は偏光子アレーの結像されたパターンと画像表示素子の画素パターンとが対応するようになる。この構成で、本発明の特別な技術的特徴である画像表示素子の部分以外で、画像あるいはアパーチャーパターンを結像させ、その結像面で画像表示素子の画素とアパーチャーとを対応させることが実現されている。
【0015】
[9]また、本発明の一態様による画像表示装置は、前記の画像表示装置であって、前記結像光学系(92)による像の結像面に対して前記画像表示素子(91)からの読み出し光の入射方向とは反対側に、複数のマイクロレンズを配置したレンズアレー(94)を設けたことを特徴とする。
これによれば、画像表示素子にインテグラル立体像の基となる多数の要素画像を表示させたときに、レンズアレーの作用により、立体像が得られる。なお、多数の要素画像を撮影する際には、撮像素子の前に多数の凸レンズからなるレンズアレーを置く。これにより、撮像素子によって凸レンズの数に応じた多数の小さな倒立の要素画像が撮影される。
【0016】
[10]また、本発明の一態様による画像表示装置は、前記の画像表示装置であって、前記拡散板(97)に対して前記画像表示素子(91)からの読み出し光の入射方向とは反対側に、複数のマイクロレンズを配置したレンズアレー(94)を設けたことを特徴とする。
これによれば、結像光学系が拡大投射したことにより偏光子アレーには、物理的に大きいサイズの多数の要素画像が入力される。そして、レンズアレーの作用により、大きいサイズの立体像が得られる。
【0017】
[11]また、本発明の一態様は、前記のいずれかに記載の画像表示装置を含んだディスプレイシステムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、アパーチャーアレーまたは偏光子アレーを画像表示素子の近傍に設けなくて済むため、開口率の大きな画像表示素子を使用しても、高精細な画素ずらし投射画像表示が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施形態による投射型画像表示装置の構成の概要を示す機能構成図である。この投射型画像表示装置は、照明光学系10と画像表示素子12とリレーレンズ14(結像光学系)とアパーチャーアレー15と投射レンズ16(第2の結像光学系)とを含んで構成される。
【0020】
照明光学系10より画像表示素子12へ照明光11が入射される。画像表示素子12としては、透過型あるいは反射型の液晶デバイス、デジタルマイクロミラーデバイス、グレーティングライトバブルなどを使用することができるが、本実施形態では、現在の技術で高精細性を実現可能な反射型画像表示素子を用いている。そして、画像表示素子12からの読出し光13は、リレーレンズ14により一度、結像される。この結像面に、画素構造に対応した微小なアパーチャーストップをアレー状に配置したアパーチャーアレー15を設置している。そしてアパーチャーアレー15の透過光は、投射レンズ16により拡大結像され、スクリーンなどへ投射表示される。
【0021】
本方式は、いわゆるデュアルフオーカス投射レンズ(特開2005−157153号公報も参照)と同様に、一度、投射光学系の途中で結像させている。そのような構成のため、合成プリズムなど投射レンズのフランジバックが長くなりがちな反射型ブロジェクタにおいても投射レンズヘの要求仕様が低いといった大きなメリットがある。
【0022】
図2は、本実施形態による画像表示素子12の画素構造と、アパーチャーアレー15と、投射画像との関係を示す概略図である。画像表示素子12の画素構造を図2(a)とした場合、図2(b)のようなアパーチャーアレーを配置すると、図2(c)に示すような1画素のサイズが小さな投射画像が得られる。このアパーチャーヘの入力光を増加するためには、各アパーチャーにレンズを配置して、開口部分に光を集光するようにしてもよい。これにより、光の利用効率を向上させることもできる。
【0023】
図3は、上述した構成を基に、実際の2枚の画像表示素子の画像を画素ずらしとして合成する場合の投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。この投射型画像表示装置は、照明光学系10と、偏光ビームスプリッタ22(Polarizing Beam Splitter; PBS、合成光学系)と、画像表示素子20および21と、リレーレンズ23(結像光学系)と、偏光子アレー24と、投射レンズ25(第2の結像光学系)とを含んで構成される。なお、画像表示素子20および21は、図1の画像表示素子12に対応する。リレーレンズ23は、図1のリレーレンズ14に対応する。偏光子アレー24は、アパーチャーアレー15に対応する。投射レンズ25は、投射レンズ16に対応する。
【0024】
図3において、照明光学系10からの照明光はP偏光とS偏光とを含み、PBS・22は、P偏光を透過してS偏光を反射するミラーを内部に有している。このPBS・22の作用によってP偏光とS偏光が分離され、それぞれ、画像表示素子21と画像表示素子20から画像が読み出される。読み出された光は、PBS・22で合成され、リレーレンズ23側へ入射する。そして、この光は、リレーレンズ23により結像される。リレーレンズ23としては、例えば、アクロマティックレンズが使用でき、比較的容易かつ低コストで、無収差で高解像度なレンズが作製できる。
リレーレンズ23による結像された像は、偏光子アレー24上に結像され、偏光子アレー面を、さらに拡大投射レンズ25でスクリーンなどへ拡大投影する。
【0025】
図4は、図3に示した偏光子アレー24におけるアパーチャー配置の一例を示す平面図である。偏光子アレー24の結像面において、アパーチャー30と31とが図示するようなパターンで配置されている。そして、この偏光子アレー24の、アパーチャー30の部分(図では横縞で表示)はP偏光の光を透過しS偏光の光を遮断する特性を持つ領域であり、アパーチャー31の部分(図では縦縞で表示)はS偏光の光を透過しP偏光の光を遮断する特性を持つ領域である。そして、その他の領域(図では縞なしで表示)は、光を遮光する部分である。つまり、この偏光子アレー24では、アパーチャー部(30と31)と遮光部とが市松模様(チェッカー模様)状に配置され、且つ、アパーチャー30と31とは行方向に交互に配置されている。
なお、アパーチャーの領域および遮光部の領域の形状は、図4に示すパターンでは略正方形であるが、この形状が特に特に正方形である必要はなく、円形、ひし形、長方系、六角形等であってもかまわない。但し、面内を隙間なく配置できる形状であるほうが全体として明るい画像が得られる。
【0026】
図5は、偏光子アレー24における領域の配置の他の例を示す平面図である。図5に示すパターンでは、P偏光の光を透過しS偏光の光を遮断する特性を持った領域32(図では横縞で表示)と、S偏光の光を透過しP偏光の光を遮断する特性を持った領域33(図では縦縞で表示)が、それぞれ略正方形であり、斜め45度の方向を有して市松模様状に交互に配置されている。図5に示すパターンは、遮光部の領域がない分、図4に示したパターンよりも光のロスが少なく光利用効率を高めることができる。
【0027】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、本実施形態による投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。この投射型画像表示装置は、照明光学系10(図示を省略)と、第1の緑色画像用表示素子40と、第2の緑色画像用表示素子41と、赤色画像用表示素子42と、青色画像用表示素子43と、PBS・44および45および46と、ダイクロイックプリズム(Dichroic Prism)47と、リレーレンズ48と、偏光子アレー49と、投射レンズ(図示を省略)を含んで構成される。なお、各色(R(赤色),G(緑色),B(青色))の読み出し光は、照明光学系10からの光を基に、適宜カラーフィルター等により色を付けたものである。
【0028】
図6において、照明光学系10(図示省略)からのG(緑)読み出し光はS偏光とP偏光とを含んでおり、図3で説明した前実施形態におけるPBS・22と同様に、PBS・44でS偏光とP偏光に分離される。そして、第1の緑色画像用表示素子40(G1)および第2の緑色画像用表示素子41(G2)から画像を読み出す。再びPBS・44を経由したこれらG1およびG2は、ダイクロイックプリズム47に入射する。また同様に、照明光学系10(図示省略)からのR(赤)読み出し光は、PBS・45を経由して赤色画像用表示素子42から画像を読み出し、さらにPBS・45およびλ/4波長板を経由してダイクロイックプリズム47に入射する。また同様に、照明光学系10(図示省略)からのB(青)読み出し光は、PBS・46を経由して青色画像用表示素子43から画像を読み出し、さらにPBS・46およびλ/4波長板を経由してダイクロイックプリズム47に入射する。RおよびBの光は、それぞれ、λ/4波長板の作用により円偏光となる。なお、RおよびBの光を円偏光とする代わりに無偏光となるようにしても良い。
【0029】
そして、これらの光(G1,G2,R,B)は、ダイクロイックプリズム47(合成光学系)で合成される。このとき、GについてはS偏光(G2)とP偏光(G1)が混在した構成となっているため、ダイクロイックプリズム47においては偏光無依存特性のクロスプリズムが利用できる。そして、読み出された光は、リレーレンズ48を通して結像される。このときの偏光状態は、G1がP偏光、G2がS偏光、Rが円偏光、Bが円偏光となっている。
これらの光は、リレーレンズ48を通して、偏光子アレー49に結像入力される。偏光子アレー49を通った光は、投射レンズにより、投射結像される。
【0030】
図7は、偏光子アレー49の領域配置パターンが前述の図5に示すパターンである場合に得られる画素配置を示す平面図である。図7(a)は、P偏光のG1によって構成される画素を示す。つまり、G1は、図5の領域32の部分だけを透過し、領域33の部分で遮光される。また、図7(b)は、S偏光のG2によって構成される画素を示す。つまり、G2は、図5の領域33の部分だけを透過し、領域32の部分で遮光される。このように、G1とG2の画素間の干渉はない。また、図7(c)は、円偏光のRによって構成される画素を示す。また、図7(d)は、円偏光のBによって構成される画素を示す。これらのように、RおよびBは共に開口率100%の画像が表示される。さらに、G1がP偏光、G2がS偏光、RおよびBは円偏光の場合、偏光子アレーでカットされる光量としてはR・G・Bそれぞれ約50%と等しく、全体的な画像の輝度バランスが整えられるというメリットもある。最終的に偏光子アレー49上の像は、投射レンズにより拡大投影される。
【0031】
リレーレンズによる結像倍率が例えば1倍の時、偏光子アレーの各領域の細かさは画像表示素子の1画素以下の大きさであり、高精細映像の場合10μm(マイクロメートル)以下の場合もある。偏光子アレーの製作については、フォトニック結晶技術による自己クローニング成膜技術により偏光子アレーを多層膜で作成できるので、数マイクロメートルピッチで偏光子アレーが製作可能である(特開2001−249235、および S. Kawakami, T. Kawashima, and T, Sato, “Mechanism of shape formation of three dimensional nano structures by bias sputtering”, Appl. Phys. Lett., vol. 74, no. 3, pp・463-465, January 1999も参照)。
【0032】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態による投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。この投射型画像表示装置は、照明光学系10(図示を省略)と、第1の緑色画像用表示素子50と、第2の緑色画像用表示素子51と、PBS・54と、リレーレンズ56と、偏光子アレー58と、赤色画像用表示素子52と、青色画像用表示素子53と、PBS・55と、リレーレンズ57と、ダイクロイックプリズム59(合成光学系)と、投射レンズ150(第2の結像光学系)とを有して構成される。
【0033】
図8において、照明光学系10(図示省略)からのG読み出し光は、PBS・54でP偏光とS偏光に分離される(G1およびG2)。そして、それぞれ、第1の緑色画像用表示素子50および第2の緑色画像用表示素子51から画像を読み出す。これらは、再びPBS・54で合成され、リレーレンズ56を通して、偏光子アレー58の面で結像される。そして、偏光子アレー58を通してダイクロイックプリズム59に入射する。また一方、照明光学系10(図示省略)からのR読み出し光およびB読み出し光は、本実施形態では、それぞれP偏光およびS偏光となっており、PBS・55で分離され、それぞれ、赤色画像用表示素子52および青色画像用表示素子53から画像を読み出し、PBS・55で合成されて、リレーレンズ57を通してダイクロイックプリズム59に入射する。図からも明らかなように、赤色画像用表示素子および青色画像用表示素子からの読み取り光はいずれも偏光子アレー58を通らない。よって、これらの光(R,B)の偏光方向がいかなるものであっても偏光子アレーの影響を受けない。そして、これらの光(G1,G2,R,B)はダイクロイックプリズム59で合成され、さらに投射レンズ150で投射される。
【0034】
本実施形態の構成が前述した第2の実施形態と異なる特徴的な点は、リレーレンズ56とダイクロイックプリズム59との間に偏光子アレー58を設けることにより、緑色画像用表示素子50および51から読み出した画像のみを、偏光子アレー58に結像させるようにした点である。これにより、赤色画像および青色画像は偏光子アレーを通らないため、赤色画像および青色画像の輝度低下や画質低下を防ぐことが出来る。またこれにより、偏光子アレー58の波長領域が狭くて済むため、その設計・製作が容易になる。
【0035】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図9は、本実施形態による投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。この投射型画像表示装置は、照明光学系10(図示を省略)と、第1の緑色画像用表示素子60と、第2の緑色画像用表示素子61と、赤色画像用表示素子62と、青色画像用表示素子63と、PBS・64〜66と、ダイクロイックプリズム67(合成光学系)と、投射レンズ68(結像光学系)とを含んで構成される。また、投射レンズ68による投射位置に、偏光子アレー69が設けられる。
【0036】
前述の第1〜第3の実施形態では、リレーレンズによりほぼ等倍に結像した面に偏光子アレー(アパーチャー)を置いた構成であったが、本実施形態は、最終的に投射表示するスクリーンサイズが50インチ(1インチは約2.54センチメートル)前後の、投射型ディスプレイとしては比較的に小さなサイズの場合を想定し、図示するように、ダイクロイックプリズム67を透過した光を、投射レンズ68で拡大投影し、投射位置に偏光子ア
レー69を配置している。これでも、前述の各実施形態と同等の効果が得られる。
本実施形態では、偏光子アレー69の後に拡散面(拡散板)を設置している。この拡散面は、例えばアクリル板やプラスチック板やガラス板などを材料とし、光を拡散するように、例えば擦りガラス状に、表面を加工したものである。
なお、本実施形態における第1の緑色画像用表示素子60、第2の緑色画像用表示素子61、赤色画像用表示素子62、青色画像用表示素子63、PBS・64〜66、ダイクロイックプリズム67、赤色画像用および青色画像用のλ/4波長板の作用は、図6にて説明したものと同様であるので、ここでは省略する。なお、RおよびBの光を円偏光とする代わりに無偏光となるようにしても良い。
【0037】
[第5の実施形態]
次に、本発明のさらに別の実施形態について説明する。
図10は、第5の実施形態による投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。この投射型画像表示装置は、照明光学系70と、第1の緑色画像用表示素子60と、アパーチャーアレー75と、リレーレンズ74(結像光学系)と、画像表示素子72と、投射レンズ76(第2の結像光学系)とを含んで構成される。この構成の特徴は、照明光学系70とリレーレンズ74との間にアパーチャーアレー75が設けられていることである。つまり、照明光学系にアパーチャーアレーが設けられている。
図10において、照明光学系70からの照明光71は、アパーチャーアレー75に入射され、リレーレンズ74により一度、結像される。そして、この結像面に画像表示素子72を設置している。画像表示素子72からの読出し光73は、投射レンズ76により拡大結像され、表示される。
【0038】
図11は、本実施形態による投射型画像表示装置のより具体的な光学系の配置を示す概略断面図である。図11における光源80と照明レンズ81とコンデンサレンズ83が、図10の照明光学系70に対応する。また、図11におけるアパーチャーアレー(もしくは、偏光子アレー)84が図10のアパーチャーアレー75に対応する。また、図11におけるリレーレンズ85(結像光学系)が図10のリレーレンズ74に対応し、図11における画像表示素子86が図10の画像表示素子72に対応する。なお、図10の投射レンズ76は、図11では表示を省略している。
【0039】
図11において、光源80からの照明光は、照明レンズ81を通り光源像82を作る。照明光は、その後コンデンサレンズ83を通り、アパーチャーアレー(もしくは、偏光子アレー)84に入射され、リレーレンズ85により一度、結像される。この結像面に画像表示素子86を設置している。これにより、アパーチャー面(もしくは、偏光子アレー面)の画像が、画像表示素子86の面に結像投影されることになるため、アパーチャーの形状の照明光を画像表示素子に入射できる。これを一般的な光学系で読み出し、拡大投影することで、前述の各実施形態において結像後にアパーチャーを入れたのと同様の効果が得られる。本実施形態の方式による構成では、従来の装置の照明光学系のみを変更するだけでよく、画像表示素子以降の読み出し光学系、合成光学系、拡大光学系などは既存のシステムがそのまま使用できるというメリットがある。
【0040】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
本実施形態は、レンズアレー板を加えることにより、立体表示が可能な投射型表示装置を実現したものである。ここで、立体表示方式としては、インテグラル立体表示方式の原理を用いる。インテグラル立体像は、撮像時に、撮像素子の前に多数の凸レンズからなるレンズアレーを置く。これにより、撮像素子によって凸レンズの数に応じた多数の小さな倒立の要素画像が撮影される。再生時には、この要素画像が提示された表示素子を撮像素子の位置に置き、前面に置かれたレンズアレーを通して観察すれば、表示素子から発せられた光は撮影時と同じ経路を通るため元の位置に立体像が再現できる(特開平11−098532号公報、および Jun Arai, Hiroshi Kawai, Fumio Okano,“Microlenses arrays for integral imaging system”, APPLIED OPTICS, Vol.45, No.36, 20 December 2006も参照)。
【0041】
図12は、本実施形態によりインテグラル立体像を表示する投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。この投射型画像表示装置は、照明光学系90と、画像表示素子91と、リレーレンズ92(結像光学系)と、アパーチャーアレー(もしくは、偏光素子アレー)93と、レンズアレー94とを含んで構成される。
図12において、照明光学系90からの照明光は画像表示素子91に入射され、上述したインテグラル立体像を再生する要素画像を読み出し、リレーレンズ92により一度結像される。その結像面にアパーチャーアレー(もしくは、偏光子アレー)93を設置し、その背面に微小な凸レンズをアレー状に配置したレンズアレー94を設置することで、画像表示素子91から読み出された画像が、インテグラル立体像95として表示される。
【0042】
図13は、さらなる変形例の構成を示す概略図である。図13に示す構成は、図12におけるリレーレンズ92の代わりに拡大投射光学系96を設けるとともに、その結像面に設けられたアパーチャーアレー(もしくは、偏光子アレー)93と拡散性スクリーン97(拡散板)を配置し、さらにその拡散性スクリーン97の背面にレンズアレー94を配置している。この構成により、画像表示素子91から読み出された画像が拡大投射光学系96によって拡大投射され、レンズアレー94の作用により大型画面のインテグラル立体像95が表示される。
【0043】
次に、上記各実施形態による画像表示装置を用いたディスプレイシステムの一例について説明する。この例によるディスプレイシステムは、前記の実施形態のいずれかの画像表示装置あるいはその変形装置を含んで構成される。このディスプレイシステムは、照明光学系に含まれる光源を有している。また、光学系の各部(レンズなど)は可動となっており、それらを駆動する駆動系(モーターなど)を含んでいる。1つまたは複数の画像表示素子へは、画像信号が入力される。画像信号を入力する端子には、テレビ装置や画像再生装置(DVDプレーヤやHDDプレーヤなど)やコンピュータや携帯型端末などからの画像信号を伝達するケーブルが接続可能となっている。或いは、これら各種外部機器から無線によって画像信号を入力できるようになっている。また、光量を制御したり、焦点を制御したり、各種補正(台形補正など)を制御したりする制御系を含んでいる。また、上記各部に必要な電力を供給する電源部を備えている。
【0044】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
以上述べた各実施形態は、超高精細ディスプレイシステムや立体表示ディスプレイシステムの分野に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態による投射型画像表示装置の構成を示す機能構成図である。
【図2】同実施形態による画像表示素子の画素構造とアパーチャーアレーと投射画像との関係を示す概略図である。
【図3】同実施形態により2枚の画像表示素子の画像を合成する場合の投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。
【図4】同実施形態による偏光子アレーにおけるアパーチャー配置の一例を示す平面図である。
【図5】同実施形態による偏光子アレーにおける領域の配置例を示す平面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。
【図7】同実施形態による偏光子アレーの領域配置パターンによって得られる画素配置を示す平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態による投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。
【図9】本発明の第4の実施形態による投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。
【図10】本発明の第5の実施形態による投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。
【図11】同実施形態による投射型画像表示装置の具体的な光学系の配置を示す概略断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態によるインテグラル立体像表示用の投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。
【図13】同実施形態の変形例による投射型画像表示装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0046】
12 画像表示素子
14 リレーレンズ(結像光学系)
15 アパーチャーアレー
20,21 画像表示素子
23 リレーレンズ(結像光学系)
24 偏光子アレー
16,25 投射レンズ(第2の結像光学系)
22 偏光ビームスプリッタ(PBS,合成光学系)
42 赤色画像用表示素子
43 青色画像用表示素子
40 緑色画像用表示素子G1(第1の緑色画像用表示素子)
41 緑色画像用表示素子G2(第2の緑色画像用表示素子)
47 ダイクロイックプリズム(合成光学系)
49 偏光子アレー
52 赤色画像用表示素子
53 青色画像用表示素子
59 合成光学系
150 第2の結像光学系
50 緑色画像用表示素子G1(第1の緑色画像用表示素子)
51 緑色画像用表示素子G2(第2の緑色画像用表示素子)
58 偏光子アレー
62 赤色画像用表示素子
63 青色画像用表示素子
69 偏光子アレー
60 緑色画像用表示素子G1(第1の緑色画像用表示素子)
61 緑色画像用表示素子G2(第2の緑色画像用表示素子)
67 ダイクロイックプリズム(合成光学系)
68 投射レンズ(結像光学系)
70 照明光学系
80 光源(照明光学系)
81 照明レンズ(照明光学系)
83 コンデンサレンズ(照明光学系)
75,84 アパーチャーアレー(または偏光子アレー)
74,85 リレーレンズ(結像光学系)
72.86 画像表示素子
76 投射レンズ(第2の結像光学系)
92 リレーレンズ(結像光学系)
91 画像表示素子
94 レンズアレー
97 拡散性スクリーン(拡散板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素がアレー状に配置された画像表示素子と、
前記画像表示素子からの読み出し光を結像する結像光学系と、
前記結像光学系による像の結像面に設けられ、該結像面上での前記画素に対して少なくとも1個のアパーチャーが配置されたアパーチャーアレーと
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
画素がアレー状に配置された画像表示素子と、
前記画像表示素子からの読み出し光を結像する結像光学系と、
前記結像光学系による像の結像面に設けられ、該結像面上での前記画素に対して少なくとも1個の偏光子が配置された偏光子アレーと
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像表示装置において、さらに、
前記アパーチャーアレーの面の画像を拡大投影する第2の結像光学系を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像表示装置において、
少なくとも2個の前記画像表示素子と、
第1の前記画像表示素子からの第1の読み出し光と、前記第1の読み出し光とは偏光方向が異なる第2の前記画像表示素子からの第2の読み出し光とを合成して出力する合成光学系と、
を備え、
前記結像光学系は前記合成光学系から出力される光を結像するものであり、
前記偏光子アレーは、前記第1の読み出し光の偏光方向と前記第2の読み出し光の偏光方向にそれぞれ対応した複数の偏光方向の偏光子が配置されたものである
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像表示装置において、
赤色画像用表示素子と、
青色画像用表示素子と、
前記偏光子アレーの面の画像を拡大投影する第2の結像光学系と、
をさらに備え、
前記第1の画像表示素子は、第1の緑色画像用表示素子であり、
前記第2の画像表示素子は、第2の緑色画像用表示素子であり、
前記第1の読み出し光は、第1の偏光方向を有する直線偏光であり、
前記第2の読み出し光は、第2の偏光方向を有する直線偏光であり、
前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とは略直交するものであり、
前記合成光学系は、前記第1の読み出し光と前記第2の読み出し光と前記赤色画像用表示素子からの第3の読み出し光と前記青色画像用表示素子からの第4の読み出し光とを合成して出力するものであり、
前記第3の読み出し光は、前記偏光子アレーに入力されるときには円偏光または無偏光であり、
前記第4の読み出し光は、前記偏光子アレーに入力されるときには円偏光または無偏光であり、
前記偏光子アレーは、前記第1の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子と前記第2の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子とが適宜配置されたものである
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像表示装置において、
赤色画像用表示素子と、
青色画像用表示素子と、
前記合成光学系からの出力を拡大投影する第2の結像光学系と、
をさらに備え、
前記第1の画像表示素子は、第1の緑色画像用表示素子であり、
前記第2の画像表示素子は、第2の緑色画像用表示素子であり、
前記第1の読み出し光は、第1の偏光方向を有する直線偏光であり、
前記第2の読み出し光は、第2の偏光方向を有する直線偏光であり、
前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とは略直交するものであり、
前記偏光子アレーは、前記第1の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子と前記第2の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子とが適宜配置されたものであり、
前記合成光学系は、前記偏光子アレーを通した後の前記第1の読み出し光と前記第2の読み出し光とを合成するとともに、さらに前記赤色画像用表示素子からの第3の読み出し光と前記青色画像用表示素子からの第4の読み出し光とを合成して出力するものである
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
請求項4に記載の画像表示装置において、
赤色画像用表示素子と、
青色画像用表示素子と、
前記偏光子アレーの出力側に近接して設けられた拡散板と、
をさらに備え、
前記第1の画像表示素子は、第1の緑色画像用表示素子であり、
前記第2の画像表示素子は、第2の緑色画像用表示素子であり、
前記第1の読み出し光は、第1の偏光方向を有する直線偏光であり、
前記第2の読み出し光は、第2の偏光方向を有する直線偏光であり、
前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とは略直交するものであり、
前記合成光学系は、前記第1の読み出し光と前記第2の読み出し光と前記赤色画像用表示素子からの第3の読み出し光と前記青色画像用表示素子からの第4の読み出し光とを合成して出力するものであり、
前記結像光学系は、拡大投射するものであり、
前記第3の読み出し光は、前記偏光子アレーに入力されるときには円偏光または無偏光であり、
前記第4の読み出し光は、前記偏光子アレーに入力されるときには円偏光または無偏光であり、
前記偏光子アレーは、前記第1の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子と前記第2の偏光方向の成分の光のみを透過する偏光子とが適宜配置されたものである
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
光源を含む照明光学系と、
前記照明光学系からの光を通すアパーチャーアレーまたは偏光子アレーと、
前記アパーチャーアレーまたは前記偏光子アレーを通した光を結像する結像光学系と、
前記アパーチャーアレーまたは前記偏光子アレーのパターンの前記結像光学系による結像面に設けられ当該結像面における前記パターンに対応して画素が配置された画像表示素子と、
前記画像表示素子からの読み出し光を拡大投射する第2の結像光学系と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の画像表示装置であって、
前記結像光学系による像の結像面に対して前記画像表示素子からの読み出し光の入射方向とは反対側に、複数のマイクロレンズを配置したレンズアレーを設けたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
請求項7に記載の画像表示装置であって、
前記拡散板に対して前記画像表示素子からの読み出し光の入射方向とは反対側に、複数のマイクロレンズを配置したレンズアレーを設けたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の画像表示装置を含んだディスプレイシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−256740(P2008−256740A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95457(P2007−95457)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人情報通信研究機構委託研究「多並列・像再生型立体テレビシステムに関する研究開発」(H18−H22)、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】