説明

異方導電性接着剤フィルム

【課題】微細パターンの電気的接続において、接続信頼性に優れると共に、導電粒子が流出して、接続不良、絶縁不良、電極間がショート等を起こさない異方導電性フィルムの提供。
【解決手段】導電粒子が絶縁性接着剤の表面層に単層で導電層を形成し、該層の少なくとも片側に、絶縁性接着剤を有する、異方導電性接着剤フィルムにおいて、導電粒子の中心間距離の平均が2μm〜20μm、かつ、導電粒子の平均粒径に対して1.5倍〜5倍、その変動係数が、0.025〜0.5、該導電層の硬化後のshore−D硬度(a)と該絶縁層の硬化後のshore−D硬度(b)が a≧bであり、該絶縁性接着剤が、熱硬化性樹脂と潜在性硬化剤からなり、該導電粒子の平均粒径が1μm以上6μm未満である異方導電性接着剤フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細パターンの電気的接続において、微小面積の電極の電気的接続性に優れると共に、微細な配線間の絶縁破壊(ショート)を起こしにくく、異なる電極パターンの半導体チップに対しても接続可能な異方導電性接着剤フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
異方導電性接着剤フィルムは、接着剤中に導電性粒子を分散させたフィルムであり、液晶ディスプレイとTCP又はFPCとTCPとの接続、FPCとプリント配線板との接続を簡便に行うために使用される接続部材で、例えば、テレビや携帯電話の液晶画面と制御ICとの接続用として広範に用いられ、最近では、ICチップを直接プリント基板やフレキシブル配線板に搭載するフリップチップ実装にも用いられている(特許文献1、2、3)。
この分野では近年、接続される配線パターンや電極パターンの寸法が益々微細化されている。微細化された配線や電極の幅は10μレベルまで微細化される場合も多くなってきている一方で、これまで用いられてきた導電粒子の平均粒径も、配線や電極の線幅と同じ10μレベルの粒子であった。そうすると、接続される電極パターンの寸法が小さくなると、導電粒子がランダムに分散配置されている異方導電性接着剤フィルムでは、導電粒子の分布に偏差が生じているため、接続すべき電極パターンが導電粒子の存在しない位置に配置されてしまい、電気的に接続されない場合が、確率論として避けられない。
【0003】
この問題点を解決するためには、より小さな導電粒子を高密度でフィルム内に分散させることが有効であるが、導電粒子の寸法を小さくすると、表面積が急激に大きくなって2次凝集し易くなり、隣接電極間の絶縁を保持できなくなり、逆に、絶縁を保持するために導電粒子の密度を下げると、今度は、接続されない配線パターンや電極パターンが発生してしまうため、接続信頼性を保ったまま微細化に対応することは困難とされていた(特許文献4)。
さらに、配線の微細化に伴い、確実な接続と確実な絶縁を実現するために、接続時の絶縁性接着剤の硬度や硬化開始温度の制御への要求も高まってきた。すなわち、絶縁層は最終的な接続形態においては接続部分から排除されていなければならず、一方で、導電層は最終的な接続形態においては接続部に存在して接続を保持しなければならない。また、接続工程での硬化開始温度も、絶縁層の樹脂の排除と導電層の樹脂と導電粒子の残留を確実にするために制御する必要が高まっていた。導電粒子や絶縁性接着剤の流動性を制御する方法は種々開示されてはいるが(特許文献5、6、7、8、9)、これらはすべて多層構造の異方導電性接着剤フィルムであって、製造工程が複雑になったり、余分な製造装置を必要としたり、その分製造歩留まりが低下したりといった問題点を抱えており、本発明の実施例で説明するように、導電層と絶縁層が実質的に同一で、生産性に優れる異方導電性接着剤フィルムが求められていた。
【0004】
【特許文献1】特開平03−107888号公報
【特許文献2】特開平04−366630号公報
【特許文献3】特開昭61−195179号公報
【特許文献4】特開平09−312176号公報
【特許文献5】特開2004−006417号公報
【特許文献6】特開平09−312176号公報
【特許文献7】特開平08−279371号公報
【特許文献8】特開平07−230840号公報
【特許文献9】特開平06−045024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、微細パターンの電気的接続において、微小面積の電極の電気的接続信頼性に優れると共に、接続時に導電粒子が流出して、接続不良を起こしたり、絶縁不良を起こしたり、電極間がショートしたりすることのない異方導電性フィルムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、まず、接続信頼性を保ったまま微細化に対応する課題に対しては、粒子間距離が特定の平均値と特定の標準偏差を有する様に、導電粒子を絶縁性接着剤の表面層に単層として配置する事で、上記目的に適合しうることを見出し、本発明の骨格をなした。
さらに、導電層の絶縁性接着剤の硬度を高めたり、硬化開始温度を低くしたりすることで、高い接続信頼性を維持できることが判り、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、
1.導電粒子が絶縁性接着剤の表面層に単層として配置されて導電層を形成し、該導電層の少なくとも片側に、絶縁性接着剤からなる絶縁層を有してなる、厚さ方向に加圧することで導電性を有する異方導電性接着剤フィルムにおいて、
(1)導電粒子の中心間距離の平均が2μm以上20μm以下、かつ、導電粒子の平均粒径に対して1.5倍以上5倍以下であり、その変動係数が、0.025以上0.5以下であり、
(2)該導電層の硬化後のshore−D硬度(a)と該絶縁層の硬化後のshore−D硬度(b)が
a≧b
であり、
(3)該絶縁性接着剤が、熱硬化性樹脂と潜在性硬化剤からなり、
(4)該導電粒子の平均粒径が1μm以上6μm未満であることを特徴とする異方導電性接着剤フィルムに係わる。
2.該導電層における硬化開始温度(Ta)と、絶縁層における硬化開始温度(Tb)が
Ta≦Tb
であることを特徴とする上記1記載の異方導電性接着剤フィルムに係わる。
3.該異方導電性フィルムの膜厚が、5μm以上50μm以下である上記1あるいは2に記載の異方導電性接着剤フィルムに係わる。
4.該絶縁層が、絶縁性粒子を含むことを特徴とする上記1〜3のいずれか記載の異方導電性接着剤フィルムに係わる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の異方導電性接着剤フィルムは、微細パターンの電気的接続において、微小面積の電極の電気的接続に優れると共に、接続時に導電粒子が流出して、接続不良を起こしたり、絶縁不良を起こしたり、電極間がショートしたりすることのない高い接続信頼性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明は、導電粒子が絶縁性接着剤に分散し、厚さ方向に加圧することで導電性を有する異方導電性接着剤フィルムに関する。
本発明の異方導電性接着剤フィルムは、絶縁性接着剤の表面層に導電粒子が単層として配置されて導電層が形成されている。
ここで表面層に配置するとは、導電粒子の一部または全体が絶縁性接着剤の表面に埋め込まれている状態を意味し、全体が埋め込まれている状態が、電極への接着性が高く好ましい。導電粒子の一部が埋め込まれている場合、導電粒子はその平均粒径に対して1/3以上が絶縁性接着剤に埋め込まれていることで絶縁性接着剤からの脱離が起こりにくくなり好ましい。更に好ましくは1/2以上埋め込まれていることであり、更に好ましくは2/3以上埋め込まれていることであり、更に好ましくは4/5以上埋め込まれていることであり、更に好ましくは9/10以上埋め込まれていることである。一方、導電粒子が絶縁性接着剤層に完全に埋め込まれている場合、導電粒子と絶縁性接着剤の表面との間の絶縁性接着剤の厚みは、導電性を得るための加圧の際に導電粒子の移動を抑えるために、導電粒子の平均粒径に対して1.0倍未満が好ましい。更に好ましくは0.8倍未満、更に好ましくは0.5倍未満、更に好ましくは0.3倍未満、更に好ましくは0.1倍未満である。
【0010】
本発明では、厚み方向の導電性と面方向の絶縁性(以下しばしば異方導電性と称す)を高レベルで確保するために、絶縁性接着剤層に導電粒子は単層で配置される。ここで単層で配置されるとは、導電粒子の存在する接着剤層の厚みが導電粒子の平均粒径に対して2倍未満であることを意味する。好ましくは1倍以上1.8倍未満、更に好ましくは1倍以上1.5倍未満、更に好ましくは1倍以上1.3倍未満である。本発明では、導電粒子が絶縁性接着剤の表面層に単層として存在することにより、特に、半導体チップと液晶パネルの接続の様に、接続する電極高さが高いものとほぼ平らなものとの接続において、配列した導電粒子が接続時に大きく移動してしまう事を抑制することが可能となっている。
【0011】
本発明の異方導電性接着剤フィルムは、導電粒子が特定の中心間距離で、更にその中心間距離が特定の変動係数を有して配列されることによって、高い異方導電性を有している。即ち、本発明の異方導電性接着剤フィルムは、その導電粒子の中心間距離の平均が2μm以上20μm以下であり、かつ、導電粒子の平均粒径の1.5倍以上5倍以下である。2μm以上の中心間距離でかつ導電粒子の平均粒径の1.5倍以上にすることで、面方向の絶縁性、即ち、隣接する電極間の絶縁性を高レベルで維持できる。一方、中心間距離を20μm以下でかつ導電粒子の平均粒径の5倍以下にすることで、厚さ方向の導電性、即ち接続電極間の電気的接続性を維持できる導電粒子密度を得ることができ、異方導電性接着剤フィルムとして高い性能を発揮する。導電粒子の中心間距離の平均は、好ましくは2.5μm以上18μm以下、更に好ましくは3μm以上16μm以下、更に好ましくは3.5μm以上15μm以下であり、更に好ましくは4μm以上13μm以下であり、導電粒子の平均粒径に対して、好ましくは1.55倍以上4.5倍以下、更に好ましくは1.6倍以上4倍以下、更に好ましくは1.65倍以上3.5倍以下である。導電粒子の中心間距離の変動係数は、導電粒子の中心間距離の標準偏差をその平均値で割った値であり、本発明においては、0.025以上0.5以下である。好ましくは0.05以上0.45以下、更に好ましくは0.07以上0.4以下、更に好ましくは0.08以上0.35以下、更に好ましくは0.1以上0.3以下である。0.025以上にすることで、異なる電極パターンの半導体チップであっても安定した接続が可能であり、一方、0.5以下とすることで、接続電極間に補足される導電粒子数が安定し、電極ごとの接続抵抗のバラツキが小さく、安定した接続が得られる。
【0012】
本発明の異方導電性接着剤において、導電粒子を絶縁性接着剤の表面層に単層として配列させるには、例えば下記の様な方法がある。
即ち、まず延伸可能なフィルム上に粘着剤を塗布し、その上に導電粒子を密に充填する。次に、粘着剤層に届かず、他の導電粒子の上に乗った導電粒子を排除する事で、密に充填された単層の導電粒子層が得られる。ここで得られた導電粒子層の乗ったフィルムを、所望の延伸倍率で延伸することで、個々の導電粒子が、本発明に必要な標準偏差をもって、所望の中心間距離となる様に配置される。次に、延伸したフィルムの導電粒子が配置された側に、絶縁性接着剤層を重ね、絶縁性接着剤層に導電粒子を埋め込むことで、本発明の異方導電性接着剤フィルムが得られる。一般に異方導電性接着剤フィルムは、所望の幅にスリットされ、リール状に巻き取られる。
延伸可能なフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PET、PEN等のポリエステル、ナイロン、塩化ビニール、ポリビニルアルコール等のフィルムが例示される。粘着剤としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル、クロロプレン等が例示される。好ましいフィルム用の樹脂としては、ポリプロピレン、PETが挙げられ、好ましい粘着剤としては、アクリル樹脂系粘着剤が挙げられる。
【0013】
延伸は縦方向延伸と横方向延伸の両方が行われる、所謂、2軸延伸であり、公知の方法で実施することができる。例えば、クリップ等でフィルムの2辺または4辺を挟んで引っ張る方法や、2以上のロールで挟んでロールの回転速度を変えることで延伸する方法等が挙げられる。延伸は縦方向と横方向を同時に延伸する同時二軸延伸でもしても良いし、一方向を延伸した後、他方を延伸する逐次ニ軸延伸でも良い。延伸時の導電粒子の配列乱れを起こし難いので同時ニ軸延伸が好ましい。延伸を精度良く行うために、延伸可能なフィルムを軟化させて行うのが好ましく、使用する延伸可能なフィルムによるが、例えば、70℃以上250℃以下で延伸を行うのが好ましい。
延伸したフィルムの導電粒子が配置された側に、絶縁性接着剤層を重ね、絶縁性接着剤層に導電粒子を埋め込む方法としては、例えば、絶縁性接着剤と溶剤を含む塗工液を、延伸したフィルムの導電粒子が配置された側に、所望の膜厚になる様に塗工し、溶剤を飛散させて乾燥する方法や、セパレーター上に形成されたフィルム状の絶縁性接着剤を、延伸したフィルムの導電粒子が配置された側に、ラミネーター等を用いてラミネートし、ローラー等を用いたて絶縁性接着剤層に導電粒子を埋め込む方法等が挙げられる。必要に応じ延伸したフィルムを剥離した後、本発明の異方導電性接着剤フィルムはスリットされる。
【0014】
本発明の異方導電性接着剤フィルムにおいて、導電粒子を絶縁性接着剤の表層に単層として配列させる他の方法としては、導電粒子の平均粒子径よりも小さく、所望の中心間距離と中心間距離の変動係数を有する吸引孔を多数設けた吸引治具に導電粒子を吸引し、絶縁性接着剤に転写する方法が挙げられる。
ここで用いられる吸引治具の吸引孔の内径は導電粒子の平均粒子径よりも小さいことが必要であり、導電粒子の平均粒粒子径の90%以下が好ましい。30%〜80%の径が更に好ましい。
ここで用いられる吸引治具は、例えば、吸引孔をなす貫通孔が所定の配置で形成された孔開きシート部品と、真空ポンプ等の吸引機構に接続する接続口と孔開きシート部品を保持する部分を有するハウジング部から構成された治具が挙げられる。
【0015】
孔開きシート部品の製造方法としては、例えば、ポリイミド等の合成樹脂等からなる厚さ1μm以上1000μm以下の板状物の所定位置に高エネルギー線を照射することにより、当該板状物に、吸引孔に対応させた配置で貫通孔を形成する方法が挙げられる。高エネルギー線を照射するときに、孔開きシート部品の貫通孔に対応した開口部を有する金属マスクを用いることで所定位置に照射することができる。高エネルギー線としては、エキシマレーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、電子線、分子線、各種のイオン線、収束イオン線などを用いることができる。あるいは、微小領域に収束できる高エネルギー線を用いて、ガルバノミラーや電磁石等を用いて高エネルギー線の収束ビームを走査することで、あるいは貫通孔を形成する上記板状物をXYステージ上で移動させることで、合成樹脂等からなる上記板状物に所定配置で貫通孔を形成することができる。
微小領域に収束できない高エネルギー線の場合には、上述のように金属マスクを用いるか、フォトマスクを用いて照射を行う。あるいは、貫通孔を形成する上記板状物に感光性樹脂層を設け、フォトリソグラフィとエッチングを行うことによって、当該板状物に所定配置で貫通孔を形成してもよい。
上記板状物の材料としては、ポリイミド以外にも、各種液晶ポリマー、アラミド、ポリエステル等の寸法安定性の良い樹脂を使用することができる。また、合成樹脂以外にも、ニッケル、クロム、タングステン等の金属、シリコン等の半導体が挙げられる。この方法によれば、数μm程度の微小な貫通孔が所定配置で形成されている孔開きシート部品が容易に得られる。
【0016】
吸引治具のハウジング内には、孔開きシート部品を支持するために、孔開きシート部品の貫通孔よりも小さい孔を有するセラミック等からなる多孔質材が固定されていて、その外側に孔開きシート部品が固定されている構造が好ましい。
吸引治具を用いて、本発明の異方導電性接着剤フィルムを製造する方法としては、吸引治具を真空ポンプ等の吸引機構に接続し、孔開きシート部品側を、多数の導電粒子が入った容器内に挿入し、吸引状態にして、全ての吸引孔に導電粒子が吸着されるようにし、吸引孔以外の部分に付着した導電粒子をエアーブロー等の手段で除去する。
次に、絶縁性接着剤を、孔開きシート部品の導電粒子を吸着している面に向けて押し付ける。次に、吸引状態を解除し、絶縁性接着剤を孔開きシート部品から引き離すことで導電粒子は絶縁性接着剤に所定の配置で転写される。これで導電粒子は絶縁性接着剤の表面層に単層として所定配置される。導電粒子の絶縁性接着剤中への埋め込みが不十分であれば、表面にPETフィルム等のカバーを掛けてロール等で埋め込むことができる。得られた本発明の異方導電性接着剤フィルムは所望の幅にスリットされる。
【0017】
本発明に用いられる導電粒子としては、金属粒子、炭素からなる粒子や高分子核材に金属薄膜を被覆した粒子等を用いる事ができる。
金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛、半田、インジウム、パラジウム等の単体や、2種以上のこれらの金属が層状あるいは傾斜状に組み合わされている粒子が例示される。好ましい金属粒子としては、ニッケル粒子、銀/銅傾斜粒子などが挙げられる。
高分子核材に金属薄膜を被覆した粒子としては、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン架橋体、NBR、SBR等のポリマーの中から1種あるいは2種以上組み合わせた高分子核材に、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛、半田、インジウム、パラジウム等の中から1種あるいは2種以上組み合わせてメッキ等により金属被覆した粒子が例示される。金属薄膜の厚さは0.005μm以上1μm以下の範囲が、接続安定性と粒子の凝集性の観点から好ましい。金属薄膜は均一に被覆されていることが接続安定性上好ましい。これら導電粒子の表面を更に絶縁被覆した粒子も使用することができる。所定の粒子径のポリスチレン樹脂に金やニッケルを被覆した粒子などが好ましく例示される。
導電粒子の平均粒子径は、上限は10μm未満、好ましくは8μm未満、更に好ましくは6μm未満、更に好ましくは5μm未満であり、下限は0.5μm以上、好ましくは0.7μm以上、更に好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上である。導電粒子の粒子径分布の標準偏差は平均粒子径の50%以下が好ましい。
【0018】
本発明に用いられる絶縁性接着剤は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂から選ばれた1種類以上の樹脂を含有する。これらの樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、SBR、SBS、NBR、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルオキシド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、スチレンブタジエン樹脂、カルボキシル変性ニトリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等又はそれらの変性樹脂が挙げられる。特に基板との接着性を必要とする場合には、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
【0019】
ここで用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エーテル型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環族エポキサイド等があり、これらエポキシ樹脂はハロゲン化や水素添加されていても良く、また、ウレタン変性、ゴム変性、シリコーン変性等の変性されたエポキシ樹脂でも良い。
【0020】
本発明の異方導電性接着剤フィルムは、上記導電層の少なくとも片側に絶縁層を有することが特徴である。
絶縁層は、絶縁性接着剤からなり、該絶縁性接着剤は、上記に示した導電層の絶縁性接着剤の中から適宜選ばれる。
該絶縁層の製作方法としては、上記導電層の少なくとも片側にラミネート等の方法により接着させても良いし、上記導電層は、導電粒子が絶縁性接着剤の表面層に単層で配置されているため、該絶縁性接着剤の表面より内側の部分は絶縁層になっており、これを以って絶縁層としても良い。
さらに、該導電層と該絶縁層の繰り返しを何層かに渡って積層しても良いし、導電層と絶縁層の中間に、例えば、熱可塑性樹脂などからなる中間層を有していても良い。
【0021】
該絶縁層には、絶縁性粒子、絶縁性繊維、無機微粒子などを適宜含有することができて、絶縁性粒子は隣接電極間の絶縁性向上や接続電極のギャップ調整の効果が期待できて好ましく、例えば無機系材料ならば、マイカ粉末、シリカまたは石英粉末、炭酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、ガラス粉末等が例示され、有機系材料であるならば、パルプ粉末、ナイロン粉末、テトロン粉末、あるいは、ベンゾグアナミン粒子などが例示される。絶縁性粒子は、平均粒径が導電粒子よりも小さく、また、硬度が導電粒子よりも固い粒子が好ましい。
絶縁性繊維は、該絶縁性接着剤の強度を増すことで、基板との熱膨張率の差に由来する応力や剥離を防止する効果が期待できて好ましく、不織布でも織布でも、絶縁性を有するならば使用することができ、例えば、ガラス、セラミック、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素などの無機物の繊維状物、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ケブラー、シリコーンカーバイドなどの有機物の繊維状物などが例示される。
無機微粒子も、絶縁性繊維と同様の効果が期待できて好ましく、例えば、シリカ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、砂、タルク、金属粉末、エロジール等の微粒子が挙げられる。
【0022】
本発明で開示する異方導電性接着剤フィルムは保護フィルムを有する場合がほとんどで、該保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PET、PEN等のポリエステル、ナイロン、塩化ビニール、ポリビニルアルコール等のフィルムが例示される。好ましい保護フィルム用の樹脂としては、ポリプロピレン、PETが挙げられる。
該絶縁性接着剤は、接続に際して加熱されたり、該接着剤と基板等の熱伝導率の差により、応力がかかったり、剥離が生じたりする場合があるため、具備しておくことが好ましい物性がいくつか例示される。代表的な物性としては、例えば、該絶縁性接着剤が明瞭な融点を持つ場合には、その融点は一般的に25℃以上250℃以下が好ましく、JIS−K−6887記載の方法で測定した引張り強さは一般的に0.3kgf/mm以上10kgf/mm以下が好ましく、伸びは一般的に0%以上300%以下であることが好ましい。
【0023】
本発明の重要な要件の一つは、ASTM−D−2240およびJIS−Z−2246記載の測定方法で測定した該導電層の硬化後のshore−D硬度(a)と絶縁層の硬化後のshore−D硬度(b)がa≧bであることである。
shore−D硬度は、規定の重さのハンマーを対象物に落下させて、落下高さ(h)に対する跳ね上がり高さ(h)の割合を以って測定するが、対象物である異方導電性接着剤フィルムの構造上、導電層と絶縁層を剥離させて測定することが難しいと想定される。
そこで、本発明の場合、同じ異方導電性接着剤フィルムの導電層側と絶縁層側を裏返して、それぞれshore−D硬度を測定し、それを以ってshore−D硬度を定めることとする。
a<bである場合には、導電粒子が適切に電極上に配置されずに良好な接続が取れない場合があって好ましくない。
【0024】
該硬度の調整方法は、もともと硬度の異なる樹脂を用いても良いし、同じ種類の樹脂でも、例えばエポキシ樹脂を用いる場合には、導電層と絶縁層でエポキシ樹脂と硬化剤や硬化促進剤の量比を変えたり、エポキシ樹脂にエラストマー成分を混合したりして、調整しても良い。
また、同じ配合の絶縁性樹脂を用いるならば、絶縁性樹脂に光硬化開始剤を混合しておき、導電粒子側だけに光を照射して、予めある程度硬化させておく方法も、簡便で好ましく例示される。
光硬化開始剤としては、紫外光または可視光の照射で分解して、硬化剤として活性化される一連の化合物が用いられ、一般的には、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩、トリアリルセレニウム塩などが挙げられる。
また、例えば、導電粒子を充填した延伸フィルムに湿気硬化型硬化剤を予め塗布しておき、導電層側だけに硬化剤が付与される方法も好ましく例示される。
湿気硬化型硬化剤としては、一般的には、DETA、TETA、m−XDAなどの脂肪族ポリアミン類とMEK、MIBKなどのケトン類の反応で得られるケチミン化合物が用いられる。
【0025】
本発明のもう一つの重要な要件は、該導電層と絶縁層で硬化開始温度が異なることで、導電層の硬化開始温度の方が、絶縁層の硬化開始温度よりも低いことが好ましい。
逆の場合には、導電粒子が絶縁性接着剤と一緒に流出してしまい、電極上に適切に配置されず、良好な接続が得られない場合があるため好ましくない。
硬化開始温度の制御方法も、開始剤の種類や量を変えて制御したり、潜在性硬化剤を用いるならば、その開始温度が異なるグレードのものを用いたり、上記のように導電粒子が存在する側だけ予めある程度硬化させたりといった方法が好ましく例示される。
前記エポキシ樹脂の硬化剤としては、潜在性硬化剤が好ましい。潜在性硬化剤としては、ホウ素化合物、ヒドラジド、3級アミン、イミダゾール、ジシアンジアミド、無機酸、カルボン酸無水物、チオール、イソシアネート、ホウ素錯塩及びそれらの誘導体等の硬化剤が好ましい。潜在性硬化剤の中でも、マイクロカプセル型の硬化剤が好ましい。マイクロカプセル型硬化剤は、前記硬化剤の表面を樹脂皮膜等で安定化したもので、接続作業時の温度や圧力で樹脂皮膜が破壊され、硬化剤がマイクロカプセル外に拡散し、エポキシ樹脂と反応する。マイクロカプセル型潜在性硬化剤の中でも、アミンアダクト、イミダゾールアダクト等のアダクト型硬化剤をマイクロカプセル化した潜在性硬化剤が安定性と硬化性のバランスに優れ好ましい。これらエポキシ樹脂の硬化剤は一般に、エポキシ樹脂100質量部に対して、2〜100質量部の量で用いられる。
マイクロカプセル型潜在性硬化剤を用いる場合には、硬化開始温度の制御はカプセル膜の膜厚で制御するのが一般的である。
【0026】
光硬化剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩、トリアリルセレニウム塩などが代表例として好ましく挙げられる。
本発明に用いられる絶縁性接着剤は、フィルム形成性、接着性、硬化時の応力緩和製等を付与する目的で、フェノキ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルゴム、SBR、NBR、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、カルボキシル基、ヒドロシキシル基、ビニル基、アミノ基などの官能基を含有するゴム、エラストマー類等の高分子成分を含有することが好ましい。これら高分子成分は分子量が10000〜1,000,000のものが好ましい。高分子成分の含有量は、絶縁性接着剤に対して2〜80質量%が好ましい。
絶縁性接着剤には、さらに、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤等を含有することもできる。充填剤を含有する場合、充填剤の最大径は導電粒子平均粒径未満である事が好ましい。カップリング剤としてはケチミン基、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基含有シランカップリング剤が、接着性の向上の点から好ましい。
【0027】
絶縁性接着剤の各成分を混合する場合、必要に応じ、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等が挙げられる。
絶縁性接着剤は単一組成であっても構わないし、異なる組成の接着剤が2層以上積層されていても構わない。単一組成のほうが、内部応力の蓄積がなく好ましい。
絶縁性接着剤の製造は、例えば、各成分を溶剤中で混合、塗工液を作成し、基材上にアプリケーター塗装等により塗工、オーブン中で溶剤を揮散させる事で製造できる。
本発明の異方導電性接着剤フィルムの厚みは、5μm以上50μm以下が好ましく、更に好ましくは6μm以上35μm以下、更に好ましくは7μm以上25μm以下、更に好ましくは8μm以上20μm以下である。
【0028】
異方導電性接着剤フィルムは保護フィルムを有していてもよい。該保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PET、PEN等のポリエステル、ナイロン、塩化ビニール、ポリビニルアルコール等のフィルムが例示される。好ましい保護フィルム用の樹脂としては、ポリプロピレン、PETが挙げられる。該保護フィルムはフッ素処理、Si処理、アルキド処理等の表面処理を行っていることが好ましい。
このようにして製造された本発明の異方導電性接着剤フィルムは、線幅10μクラスのファインピッチ接続用に好適に用いることができ、液晶ディスプレイとTCP、TCPとFPC、FPCとプリント配線基板との接続、あるいは、半導体シリコンチップを直接基板に実装するフリップチップ実装に好適に用いることができる。
【実施例】
【0029】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
[実施例1]
フェノキシ樹脂(PKHC;InChem Corp社製)100質量部、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量185)50質量部、マイクロカプセル型潜在性硬化剤と液状エポキシ樹脂の混合物(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:ノバキュアHX−3941HP)50質量部、ビスドデシルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート2質量部、酢酸エチル200質量部を混合し、接着剤ワニスを得た。この接着剤ワニスを離型処理した厚さ50μmのPETフィルム製セパレーター上にブレードコーターを用いて塗布、溶剤を乾燥除去して、平均膜厚20μmのフィルム状の絶縁性接着剤Aを得た。
【0030】
厚さ250μm無延伸ポリプロピレンフィルム上に、アクリル系の粘着剤を塗布、乾燥し、2μmの粘着剤層を有するフィルムを得た。このフィルム上に、平均粒径5μmのNi導電粒子を密に配置した後、エアーブローにより粘着剤層に到達していない導電粒子を排除した。次にこの導電粒子が付着したフィルムを、試験ニ軸延伸装置を用いて、150℃で、縦横共に3%/秒の比率で2倍延伸し、導電粒子が配列したフィルムを得た。この導電粒子が配列したフィルムの導電粒子側にセパレーターに付着した絶縁性接着剤Aをラミネートした後、ローラーを用いて、導電粒子を絶縁性接着剤の表面層に埋め込み固定させて、さらに、このフィルムの導電層側にコンベヤ式紫外線照射機を用いて、0.5W/cmの出力で紫外線を照射して、室温で部分的に硬化させて異方導電性接着剤フィルムaを得た。
得られた異方導電性接着剤フィルムaをマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、商品名:VHX−100、以下同じ)で観察した結果、絶縁性接着剤Aの表面に導電粒子が単層で配置され、絶縁性接着剤Aからはみ出している導電粒子部分は0.2μm以下であった。またマイクロスコープで得られた画像から、画像処理ソフト(旭化成株式会社製、商品名:A像くん、以下同じ)を用いて、導電粒子の中心間距離の平均値およびその標準偏差を求めた結果、平均値が9.9μm、標準偏差が2.1μmであった。尚、導電粒子の中心間距離は、各粒子の中心点を用いたデローニ三角分割でできる三角形の辺の長さを使用し、0.06mm内の粒子について測定した。
【0031】
次に、20μm×100μmの金バンプがピッチ30μmで並んだベアチップ1、15μm×130μmの金バンプがピッチ30μmで並んだベアチップ2、16μm×125μmの金バンプがピッチ25μmで並んだベアチップ3、および、13μm×150μmの金バンプがピッチ25μmで並んだベアチップ4とそれぞれのベアチップに対応した接続ピッチを有するITOガラス基板を準備し、異方導電性接着剤フィルムaを延伸したポリプロピレンフィルムから剥がし、4種類のITOガラス基板に80℃、5kg/cm、3秒間の条件で仮圧着し、セパレーターを剥がした後、それぞれのITOガラス基板に対応するベアチップをフリップチップボンダー(東レエンジニアリング株式会社製FC2000、以下同じ)を用いて位置合わせして、200℃、30kg/cm、20秒間加熱加圧し、ベアチップをITOガラス基板に本圧着して接続した。それぞれのベアチップとITOガラス基板からは、64箇所の接合部を有するデイジーチェーン回路と20対の櫛を有する櫛形電極が形成され、接続抵抗測定と絶縁抵抗測定を行った。4種類のベアチップとITOガラス電極よりなる回路のすべてにおいて、デイジーチェーン回路は導通がとれすべての接続が行われていた。
本実施例で用いた異方導電性接着剤フィルムaを190℃、1分で硬化させた後の導電層側のshore−D硬度は78、絶縁層側のshore−D硬度は71であった。
紫外線硬化剤の無い場合の潜在性硬化剤の硬化開始温度は125℃であった。
【0032】
[比較例1]
絶縁層側にも導電層側と同じ様に紫外線を照射した以外は、実施例1と同様の方法で導電層側よりshore−D硬度の大きい異方導電性フィルムを作成し、実施例1と同様に評価した。
接続が取れていない個所、絶縁不良を起こしている個所があった。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の異方導電性接着剤フィルムは、微小面積の電極間の電気的接続性に優れると共に、微細な配線間のショートを起こしにくく、異なる電極パターンの半導体チップに対しても接続可能であり、微細パターンの電気的接続用途において好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電粒子が絶縁性接着剤の表面層に単層として配置されて導電層を形成し、該導電層の少なくとも片側に、絶縁性接着剤からなる絶縁層を有してなる、厚さ方向に加圧することで導電性を有する異方導電性接着剤フィルムにおいて、
(1)導電粒子の中心間距離の平均が2μm以上20μm以下、かつ、導電粒子の平均粒径に対して1.5倍以上5倍以下であり、その変動係数が、0.025以上0.5以下であり、
(2)該導電層の硬化後のshore−D硬度(a)と該絶縁層の硬化後のshore−D硬度(b)が
a≧b
であり、
(3)該絶縁性接着剤が、熱硬化性樹脂と潜在性硬化剤からなり、
(4)該導電粒子の平均粒径が1μm以上6μm未満であることを特徴とする異方導電性接着剤フィルム。
【請求項2】
該導電層における硬化開始温度(Ta)と、絶縁層における硬化開始温度(Tb)が
Ta≦Tb
であることを特徴とする請求項1記載の異方導電性接着剤フィルム。
【請求項3】
該異方導電性フィルムの膜厚が、5μm以上50μm以下である請求項1あるいは2に記載の異方導電性接着剤フィルム。
【請求項4】
該絶縁層が、絶縁性粒子を含み、絶縁性粒子径が導電粒子径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の異方導電性接着剤フィルム。

【公開番号】特開2006−233203(P2006−233203A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20512(P2006−20512)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】