説明

癌または過剰増殖の治療に有用なAXLキナーゼ阻害剤

Axlキナーゼ抑制性化合物、並びにAxlキナーゼによって媒介される、及び/又はAxlキナーゼに付随する、癌及び他の症状の治療において、Axlキナーゼ抑制性化合物を使用する組成物及び方法が開示される。別の一態様においては、本発明は、癌などのAxlキナーゼ媒介性疾患を治療又は予防する方法を提供する。この方法は、本明細書に記載の化合物、又は該化合物を含む薬学的に許容される組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする患者に投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2007年4月13日に出願された米国特許出願第60/911,832号の利益を主張する。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本発明は、一般的には、プロテインキナーゼ活性を阻害する化合物、並びにそれに関連した組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
癌(及び他の過剰増殖疾患)は、制御されない細胞増殖を特徴とする。この細胞増殖の正常な制御の喪失は、細胞周期の進行を制御する細胞経路に対する遺伝子的損傷の結果として生じるように見えることが多い。細胞周期は、DNA合成(S期)、細胞分裂又は有糸分裂(M期)、並びにギャップ1(G1)及びギャップ2(G2)と称する非合成期間からなる。M期は、有糸分裂及び細胞質分裂(2個の細胞への分離)で構成される。細胞周期の全段階は、タンパク質リン酸化の整然としたカスケードによって制御され、幾つかのプロテインキナーゼファミリーがこれらのリン酸化段階の実行に関与する。さらに、多数のプロテインキナーゼの活性は、正常組織よりもヒト腫ようにおいて増大し、この増大した活性は、高レベルのキナーゼ、又はコアクチベーター若しくは抑制タンパク質の発現の変化を含めて、多数の因子に起因し得る。
【0004】
細胞は、細胞周期の1つの期から別の期への移行を支配するタンパク質を有する。例えば、サイクリンは、その濃度が細胞周期全体を通して増減するタンパク質ファミリーである。サイクリンは、細胞周期の進行に不可欠な基質をリン酸化する種々のサイクリン依存性タンパク質キナーゼ(CDK)を適切な時期に活性化させる。特定の時期における特定のCDKの活性は、細胞周期の開始と協調的進行の両方に不可欠である。例えば、CDK1は、M期活性を調整する最も卓越した細胞周期制御因子である。一方、ポロ、オーロラ及びNIMA(Never−In−Mitosis−A)ファミリーのメンバー、並びに有糸分裂チェックポイント、有糸分裂停止及び細胞質分裂に関係するキナーゼを含めて、M期に関与する幾つかの別の有糸分裂プロテインキナーゼが特定された。
【0005】
Axlは、細胞接着分子に共通した特徴である、2個の直列型免疫グロブリン様繰り返し及び2個のフィブロネクチンタイプIII繰り返しを有する点で独特である、受容体チロシンキナーゼ(リガンド:増殖停止特異的タンパク質6、Gas6)である。そのため、Axlは、それ自体のファミリー、チロシンキナーゼのAxl/Ufoサブファミリーを有する。Axl/Gas6の発現は、卵巣、黒色腫、腎細胞癌、子宮平滑筋腫、子宮体癌、甲状腺癌、胃癌、乳癌、NSCLC、CML、AML、結腸直腸癌、前立腺癌、種々のリンパ腫、及び食道癌を含めて、幾つかのヒト悪性腫ようで見られる。したがって、Axl癌原遺伝子は、新しい治療薬の発見及び開発の魅力的で価値ある標的である。
【0006】
幾つかのヒト悪性腫ようにおける関与に基づいて、Axlキナーゼによって媒介される、及び/又はAxlキナーゼに付随する、癌及び他の症状を治療するための特異的選択的阻害剤の設計が必要である。本発明は、これらの必要を満たし、他の関連する利点を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(摘要)
本発明は、一般に、その立体異性体、プロドラッグ、及び薬学的に許容される塩を含めて、以下の一般構造(I)を有する化合物を対象とする。
【0008】
【化1】

式中、L、R、L、R及び環部分Aは、本明細書に定義されたとおりである。
【0009】
これらの化合物は、広範な治療用途に有用であり、これらの化合物を使用して、Axlキナーゼによって(少なくとも部分的に)媒介される、及び/又はAxlキナーゼに(少なくとも部分的に)付随する、癌などの疾患を治療することができる。したがって、本発明の一態様においては、本明細書に記載の化合物は、それを必要とする対象に投与するための薬学的に許容される組成物として処方される。
【0010】
別の一態様においては、本発明は、癌などのAxlキナーゼ媒介性疾患を治療又は予防する方法を提供する。この方法は、本明細書に記載の化合物、又は該化合物を含む薬学的に許容される組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする患者に投与することを含む。
【0011】
別の一態様は、生物試料においてAxlキナーゼ活性を阻害することに関し、この方法は、本明細書に記載の化合物、又は該化合物を含む薬学的に許容される組成物と生物試料を接触させることを含む。
【0012】
別の一態様は、患者におけるAxlキナーゼ活性を阻害する方法に関し、この方法は、本明細書に記載の化合物、又は該化合物を含む薬学的に許容される組成物を患者に投与することを含む。
【0013】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。そのために、ある特許及び他の文献を本明細書で引用して、本発明の種々の態様をより具体的に説明する。これらの文献の各々を参照によりその全体を援用する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(詳細な説明)
本発明は、一般に、その立体異性体、プロドラッグ、及び薬学的に許容される塩を含めて、以下の式(I)の一般構造を有する化合物を対象とする。
【0015】
【化2】

式中、環部分Aは、
【0016】
【化3】

から選択され、
式中、
は、−NH−、−C(=S)NH−、−C(=S)NHS(=O)−又は−C(=O)NH−であり、
は任意であって、存在する場合にはピペラジニルであり、
= −S(=O)NH−、−S(=O)−又は−NH−であり、
は、複素環、置換複素環又は−C(=O)Rであり(式中、Rはアルキルである)、
Xは、O、S又はNHであり、
Yは、存在ごとに、独立にハロ、ハロアルキル又はアルコキシであり、
mは0、1、2又は3であり、
は、−H、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール又は置換アリールであり、
は、−H、アルキル、置換アルキル、アリール又は置換アリール、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである。
【0017】
本発明の一態様においては、Lは−NH−であり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0018】
この態様の一実施形態においては、Lは−NH−であり、環部分Aは、
【0019】
【化4】

であり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0020】
この態様の別の一実施形態においては、Lは−NH−であり、環部分Aは、
【0021】
【化5】

であり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0022】
本発明の別の一態様においては、Lは−C(=S)NH−であり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0023】
本発明のこの態様の一実施形態においては、Lは−C(=S)NH−であり、環部分Aは、
【0024】
【化6】

であり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0025】
本発明のこの態様の別の一実施形態においては、Lは−C(=S)NH−であり、環部分Aは、
【0026】
【化7】

であり、Rはヘテロアリール又は置換ヘテロアリールであり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0027】
本発明のこの態様の別の一実施形態においては、Lは−C(=S)NH−であり、環部分Aは、
【0028】
【化8】

であり、Rは−H又はアルキルであり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0029】
本発明の更に別の一態様においては、Lは−C(=S)NHS(=O)−であり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0030】
この態様の一実施形態においては、Lは−C(=S)NHS(=O)−であり、環部分Aは、
【0031】
【化9】

であり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0032】
本発明の更に別の一態様においては、Lは−C(=O)NH−であり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0033】
この態様の一実施形態においては、Lは−C(=O)NH−であり、環部分Aは、
【0034】
【化10】

であり、それ以外の変数は式(I)に対して上で定義したとおりである。
【0035】
別段の記載がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用する次の用語は以下に考察する意味を有する。
【0036】
「アルキル」とは、炭素原子1から6個、好ましくは炭素原子1から4個の飽和直鎖又は分枝炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなど、好ましくはメチル、エチル、プロピル又は2−プロピルを指す。代表的飽和直鎖アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが挙げられ、一方、飽和分枝アルキルとしてはイソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどが挙げられる。代表的飽和環式アルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシルなどが挙げられ、一方、不飽和環式アルキルとしては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、−CH−シクロヘキセニルなどが挙げられる。環式アルキルは、本明細書では「シクロアルキル」とも称する。不飽和アルキルは、隣接炭素原子間に少なくとも1個の二重又は三重結合を含む(それぞれ、「アルケニル」又は「アルキニル」と称する。)。代表的な直鎖及び分枝アルケニルとしては、エチレニル、プロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニルなどが挙げられ、一方、代表的な直鎖及び分枝アルキニルとしては、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニルなどが挙げられる。
【0037】
「アルキレン」とは、炭素原子1から6個の線状飽和二価炭化水素基、又は炭素原子3から6個の分枝飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなど、好ましくはメチレン、エチレン又はプロピレンを意味する。
【0038】
「シクロアルキル」とは、炭素原子3から8個の飽和環状炭化水素基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを指す。
【0039】
「アルコキシ」とは、基−OR(式中、Rは上で定義したアルキルである。)、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどを意味する。
【0040】
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード、好ましくはフルオロ及びクロロを意味する。
【0041】
「ハロアルキル」とは、1個以上、好ましくは1、2又は3個の同じ又は異なるハロ原子で置換されたアルキル、例えば、−CHCl、−CF、−CHCF、−CHCClなどを意味する。
【0042】
「ハロアルコキシ」とは、基−OR(式中、Rは上で定義したハロアルキルである。)、例えば、トリフルオロメトキシ、トリクロロエトキシ、2,2−ジクロロプロポキシなどを意味する。
【0043】
「アシル」とは、基−C(O)R(Rは本明細書に定義された水素、アルキル又はハロアルキルである。)、例えば、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ブタノイルなどを意味する。
【0044】
「アリール」とは、完全に共役したパイ電子系を有する炭素原子6から12個のすべて炭素の単環式又は縮合環多環式(すなわち、炭素原子の隣接対を共有する環)基を指す。アリール基の非限定的例は、フェニル、ナフチル及びアントラセニルである。アリール基は、置換されていても、いなくてもよい。置換されているときには、アリール基は、アルキル(アルキルは、場合によっては1又は2個の置換基で置換されている。)、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、フェノキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、炭素環又は複素環(アリール、ヘテロアリール、炭素環又は複素環は、場合によっては置換されている。)からなる群から独立に選択される1個以上、より好ましくは1、2又は3個、更により好ましくは1又は2個の置換基で置換されている。
【0045】
「ヘテロアリール」とは、N、O又はSから選択される環ヘテロ原子1、2、3又は4個を含み、残りの環原子がCであり、さらに、完全に共役したパイ電子系を有する、環原子5から12個の単環式又は縮合環(すなわち、原子の隣接対を共有する環)基を指す。非置換ヘテロアリール基の非限定的例は、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、プリン、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン及びカルバゾールである。ヘテロアリール基は、置換されていても、いなくてもよい。置換されているときには、ヘテロアリール基は、アルキル(アルキルは、場合によっては1又は2個の置換基で置換されている。)、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、炭素環又は複素環(アリール、ヘテロアリール、炭素環又は複素環は、場合によっては置換されている。)からなる群から独立に選択される1個以上、より好ましくは1、2又は3個、更により好ましくは1又は2個の置換基で置換されている。
【0046】
「炭素環」とは、3から14個の環炭素原子を有する飽和、不飽和又は芳香環系を指す。「炭素環」という用語は、飽和でも部分不飽和でも、場合によっては置換されている環も指す。「炭素環」という用語は、アリールを含む。「炭素環」という用語は、結合の基又は点が脂肪族環上にある、デカヒドロナフチル、テトラヒドロナフチルなど、1個以上の芳香環又は非芳香環と縮合した脂肪族環も含む。炭素環基は、置換されていても、いなくてもよい。置換されているときには、炭素環基は、アルキル(アルキルは、場合によっては1又は2個の置換基で置換されている。)、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、炭素環又は複素環(アリール、ヘテロアリール、炭素環又は複素環は、場合によっては置換されている。)からなる群から独立に選択される1個以上、より好ましくは1、2又は3個、更により好ましくは1又は2個の置換基で置換されている。
【0047】
「複素環」とは、1、2又は3個の環原子がN、O又はS(O)(式中、mは0から2の整数である。)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子がCであり、1又は2個のC原子が場合によってはカルボニル基で置換された、3から14個の環原子を有する飽和、不飽和又は芳香族環式環構造を指す。「複素環」という用語は、ヘテロアリールを含む。ヘテロシクリル環は、アルキル(アルキルは、場合によっては1又は2個の置換基で置換されている。)、ハロアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、シクロアルキルアルキルアミノアルキル、シアノアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環(アリール、ヘテロアリール、炭素環又は複素環は、場合によっては置換されている。)、アラルキル、ヘテロアラルキル、飽和又は不飽和ヘテロシクロアミノ、飽和又は不飽和ヘテロシクロアミノアルキル、及び−COR(式中、Rはアルキルである。)から選択される1個以上、好ましくは1、2又は3個の置換基で独立に置換されていてもよい。より具体的には、ヘテロシクリルという用語は、テトラヒドロピラニル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、ピペリジノ、N−メチルピペリジン−3−イル、ピペラジノ、N−メチルピロリジン−3−イル、ピロリジノ、モルホリノ、4−シクロプロピルメチルピペラジノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−1−オキシド、チオモルホリノ−1,1−ジオキシド、4−エチルオキシカルボニルピペラジノ、3−オキソピペラジノ、2−イミダゾリドン、2−ピロリジノン、2−オキソホモピペラジノ、テトラヒドロピリミジン−2−オン及びこれらの誘導体を含むが、これらだけに限定されない。ある実施形態においては、複素環基は、ハロ、アルキル、カルボキシで置換されたアルキル、エステル、ヒドロキシ、アルキルアミノ、飽和若しくは不飽和ヘテロシクロアミノ、飽和若しくは不飽和ヘテロシクロアミノアルキル、又はジアルキルアミノから独立に選択される1又は2個の置換基で場合によっては置換されている。
【0048】
「任意の」又は「場合によっては」とは、その後に記述される事象又は状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、事象又は状況が起こる場合と起こらない場合をその記述が含むことを意味する。例えば、「アルキル基で場合によっては置換された複素環式基」とは、アルキルが存在してもしなくてもよいことを意味し、複素環基がアルキル基で置換された状況と複素環基がアルキル基で置換されていない状況をその記述が含むことを意味する。
【0049】
最後に、本明細書では「置換された」という用語は、少なくとも1個の水素原子が置換基で置換された上記基(例えば、アルキル、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環など)のいずれかを意味する。オキソ置換基(「=O」)の場合には、2個の水素原子が置換される。本発明に関連した「置換基」としては、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ハロアルキル(例えば、−CF)、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、複素環、置換複素環、複素環アルキル、置換複素環アルキル、−NR、−NRC(=O)R、−NRC(=O)NR、−NRC(=O)OR −NRSO、−OR、−C(=O)R −C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)NR、−SH、−SR、−SOR、−S(=O)、−OS(=O)、−S(=O)ORなどが挙げられる。式中、R及びRは、同じ又は異なり、独立に水素、アルキル、ハロアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、複素環、置換複素環、複素環アルキル又は置換複素環アルキルである。
【0050】
上記構造(I)のより具体的な一態様においては、Lは−C(=S)NH−、−C(=S)NHS(=O)−又は−C(=O)NH−であり、Rはピペラジニルである。
【0051】
構造(I)のより具体的な一態様においては、Rはピペラジニルであり、環部分Aは、
【0052】
【化11】

であり、化合物は、以下の構造(II)を有する。
【0053】
【化12】

上記構造(I)及び(II)のより具体的な一態様においては、L=−S(=O)NH−である。
【0054】
構造(I)及び(II)のより具体的な一態様においては、Rは、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール又は−C(=O)R(式中、Rはアルキルである。)である。
【0055】
構造(I)及び(II)のより具体的な一態様においては、Rは−C(=O)R(式中、Rはアルキルである。)であり、又はRは以下から選択される。
【0056】
【化13】

式中、Rは−H又はアルキル、例えば、C〜Cアルキルである。
【0057】
上記構造(I)及び(II)のより具体的な一態様においては、Rは−H、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、フェニル又は置換フェニルである。
【0058】
上記構造(I)及び(II)のより具体的な一態様においては、Rは、
【0059】
【化14】

である。式中、Zの各存在は、独立にH、アルコキシ、ハロ又はハロアルキル ハロアルコキシ、−NO、−NH −CN、−S(=O)CHであり、mは0、1、2又は3である。
【0060】
上記構造(I)のより具体的な一態様においては、Lは−NH−であり、Rは存在しない。
【0061】
分子式が同じであるが、原子の結合の性質若しくは配列、又は原子の空間配置が異なる化合物を「異性体」と称する。原子の空間配置が異なる異性体を「立体異性体」と称する。互いに鏡像ではない立体異性体を「ジアステレオマー」と称し、互いに重ねることができない鏡像である立体異性体を「鏡像異性体」と称する。化合物が不斉中心を有するときには、例えば、それが4個の異なる基に結合しているときには、1対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対配置によって特徴づけることができ、Cahn及びPrelogのR及びS配列決定則によって(Cahn,R.,Ingold,C.,and Prelog,V.Angew.Chem.78:413−47,1966;Angew.Chem.Internat.Ed.Eng.5:385−415,511,1966)、又は分子が偏光面を回転させる仕方によって表され、右旋性又は左旋性(すなわち、それぞれ(+)又は(−)異性体)と称する。鏡像異性化合物は、個々の鏡像異性体として、又はそれらの混合物として存在し得る。等しい割合の鏡像異性体を含む混合物を「ラセミ混合物」と称する。
【0062】
本発明の化合物は、1個以上の不斉中心を有することがあり、したがって、かかる化合物は個々の(R)若しくは(S)立体異性体として、又はそれらの混合物として生成し得る。別段の記載がない限り、本明細書及び特許請求の範囲における特定の化合物の記載又は命名は、個々の鏡像異性体とそれらの混合物、ラセミ又はその他の両方を含むものとする。立体化学の決定方法、及び立体異性体の分離方法は、当分野で周知である(ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY,4th edition,March,J.,John Wiley and Sons,New York City,1992の第4章の考察を参照されたい。)。
【0063】
本発明の化合物は、互変異性及び構造異性の現象を示し得る。本発明は、Axlキナーゼ活性を調節する能力を有する任意の互変異性体又は構造異性体、及びそれらの混合物を包含し、どの互変異性体又は構造異性体にも限定されない。
【0064】
本発明の化合物は、ヒトなどの生物体の体内の酵素によって代謝されて、プロテインキナーゼの活性を調節することができる代謝産物を産生することが企図される。かかる代謝産物は本発明の範囲内である。
【0065】
本発明の化合物、又は薬学的に許容されるその塩は、それ自体でヒト患者に投与することができ、又は上記材料が適切な担体若しくは賦形剤(単数又は複数)と混合された薬剤組成物として投与することができる。薬物の処方及び投与技術は、例えば、REMINGTON’S PHARMACOLOGICAL SCIENCES,Mack Publishing Co.,Easton,PA,latest editionに記載されている。
【0066】
「薬剤組成物」とは、本明細書に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩若しくはプロドラッグの1種類以上と、薬学的に許容される賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。薬剤組成物の目的は、生物体への化合物の投与を容易にすることである。
【0067】
「薬学的に許容される賦形剤」とは、薬剤組成物に添加して、化合物の投与を更に容易にする不活性物質を指す。賦形剤の非限定的例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、デンプンの種々の糖及びタイプ、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、並びにポリエチレングリコールが挙げられる。
【0068】
「薬学的に許容される塩」とは、親化合物の生物学的効果及び諸性質を保持する塩を指す。かかる塩としては、(1)親化合物の遊離塩基と、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、(D)若しくは(L)リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸などの有機酸、好ましくは塩酸又は(L)リンゴ酸との反応によって得られる酸付加塩、又は(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン若しくはアルミニウムイオンで置換されているとき、又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合するときに形成される、塩を挙げることができる。
【0069】
本発明の化合物は、プロドラッグとして作用することもでき、又はプロドラッグとして作用するように設計することもできる。「プロドラッグ」とは、in vivoで親薬物に変換される薬剤を指す。プロドラッグは、一部の状況においては親薬物よりも容易に投与することができるので、有用であることが多い。例えば、親薬物を経口投与によって生物学的に利用できない場合でも、プロドラッグを経口投与によって生物学的に利用することができる。プロドラッグは、薬剤組成物への溶解性を親薬物よりも改善することもできる。プロドラッグの非限定的例は、エステル(「プロドラッグ」)、ホスファート、アミド、カルバマート又は尿素として投与される、本発明の化合物である。
【0070】
「治療有効量」とは、治療される障害の症候の1つ以上をある程度軽減する、化合物の投与量を指す。癌治療に関連しては、治療有効量とは、(1)腫ようサイズを減少させる、(2)腫よう転移を阻害する、(3)腫よう増殖を阻害する、及び/又は(4)癌に付随する1つ以上の症候を軽減する、効果を有する量を指す。
【0071】
本明細書では「プロテインキナーゼ媒介性症状」又は「疾患」という用語は、プロテインキナーゼがある役割を果たすことが公知である、あらゆる疾患又は他の有害症状を意味する。「プロテインキナーゼ媒介性症状」又は「疾患」という用語は、プロテインキナーゼ阻害剤を用いた治療によって軽減される疾患又は症状も意味する。かかる非限定的症状としては、癌及び他の過剰増殖障害が挙げられる。ある実施形態においては、癌は、結腸、乳房、胃、前立腺、すい臓又は卵巣組織の癌である。
【0072】
本明細書では「Axlキナーゼ媒介性症状」又は「疾患」という用語は、Axlキナーゼが過剰発現する、過剰活性である、及び/又はある役割を果たすことが公知である、あらゆる疾患又は他の有害症状を意味する。「Axlキナーゼ媒介性症状」という用語は、Axlキナーゼ阻害剤を用いた治療によって軽減される疾患又は症状も意味する。
【0073】
本明細書では「投与する」又は「投与」とは、プロテインキナーゼ関連障害の予防又は治療目的での、生物体への、発明化合物若しくは薬学的に許容されるその塩の送達、又は本発明の発明化合物若しくは薬学的に許容されるその塩を含む薬剤組成物の送達を指す。
【0074】
適切な投与経路としては、経口、直腸、経粘膜若しくは腸投与、又は筋肉内、皮下、髄内、鞘内、直接脳室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内若しくは眼内注射が挙げられるが、これらだけに限定されない。ある実施形態においては、好ましい投与経路は、経口及び静脈内である。
【0075】
或いは、化合物を全身的ではなく局所的に、例えば、しばしばデポ又は徐放性製剤として、化合物を固形腫ように直接注射することによって、投与することができる。
【0076】
さらに、標的薬物送達システム中で、例えば、腫よう特異抗体で被覆されたリポソーム中で、薬物を投与することができる。このようにして、リポソームは、腫ようを標的にすることができ、腫ように選択的に吸収され得る。
【0077】
本発明の薬剤組成物は、当分野で周知のプロセスによって、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠剤製造、研和、乳化、カプセル化、封入又は凍結乾燥プロセスによって、製造することができる。
【0078】
本発明に従って使用される薬剤組成物は、賦形剤と、薬学的に使用することができる調製物に活性化合物を加工するのを容易にする助剤とを含む、1種類以上の生理的に許容される担体を用いて、任意の従来様式で処方することができる。適切な処方は、選択する投与経路に応じて決まる。
【0079】
注射の場合、本発明の化合物は、水溶液中で、好ましくはハンクス液、リンゲル液、生理食塩水緩衝剤などの生理的に適合する緩衝剤中で、処方することができる。経粘膜投与の場合、透過すべき障壁に適切な浸透剤を処方に使用する。かかる浸透剤は、当分野で一般に公知である。
【0080】
経口投与の場合、化合物は、当分野で周知の薬学的に許容される担体と活性化合物を組み合わせることによって処方することができる。かかる担体によって、本発明の化合物を、患者による経口摂取用の錠剤、丸剤、舐剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液剤などとして処方することができる。経口用薬剤は、固体賦形剤を用いて製造することができ、場合によっては、生成した混合物を粉砕し、必要に応じて他の適切な助剤を添加後、顆粒混合物を加工して、錠剤、又は糖衣錠剤の核を得ることができる。有用である賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトールを含めた糖などの充填剤、セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン及びジャガイモデンプン、並びにゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニル−ピロリドン(PVP)などの他の材料である。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸などの崩壊剤を添加することができる。アルギン酸ナトリウムなどの塩を使用することもできる。
【0081】
糖衣錠剤の核は、適切なコーティングが施されている。この目的のために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、Carbopolゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び適切な有機溶媒又は溶媒混合物を場合によっては含む、濃縮糖液を使用することができる。識別のために、又は活性化合物用量の異なる組合せを特徴づけるために、色素又は顔料を錠剤又は糖衣錠剤コーティングに添加することができる。
【0082】
経口的に使用することができる薬剤組成物としては、ゼラチンでできた押しばめ式カプセル剤、ゼラチンとグリセリン、ソルビトールなどの可塑剤でできた密封軟カプセル剤などが挙げられる。押しばめ式カプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、さらに場合によっては安定剤との混合物中に、活性成分を含むことができる。軟カプセル剤では、脂肪油、流動パラフィン、液状ポリエチレングリコールなどの適切な液体に活性化合物を溶解又は懸濁させることができる。これらの製剤でも安定剤を添加することができる。やはり使用することができる薬剤組成物としては、硬カプセル剤が挙げられる。カプセル剤又は丸剤は、褐色のガラス又はプラスチック瓶に詰めて、活性化合物を光から保護することができる。活性化合物カプセル剤を含む容器は、好ましくは、管理された室温(15〜30℃)で貯蔵される。
【0083】
吸入投与の場合、本発明に従って使用される化合物は、加圧パック又はネブライザー及び適切な噴霧剤、例えば、これらだけに限定されないが、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラ−フルオロエタン又は二酸化炭素を使用して、エアロゾル噴霧の形で好都合には送達することができる。加圧エアロゾルの場合には、単位用量は、計量された量を送達するための弁を備えることによって、制御することができる。化合物とラクトース、デンプンなどの適切な粉末基剤との混合粉末を含む、例えば吸入器又は散布器用ゼラチンの、カプセル剤及びカートリッジを処方することができる。
【0084】
化合物は、例えば大量瞬時投与又は連続注入による、非経口投与用に処方することもできる。注射用製剤は、添加された防腐剤と一緒に、単位剤形として、例えばアンプル又は複数回投与容器中に、存在することができる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液剤、溶液剤又は乳濁液剤のような剤形をとることができ、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤などの調合剤を含むことができる。
【0085】
非経口投与用薬剤組成物としては、活性化合物の塩など、ただしこれだけに限定されない水溶性の形の水溶液などが挙げられる。さらに、活性化合物の懸濁液剤は、親油性ビヒクル中で調製することができる。適切な親油性ビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、オレイン酸エチル、トリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、リポソームなどの材料などが挙げられる。水性注射懸濁液剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、デキストランなど、懸濁液剤の粘度を増加させる物質を含むことができる。場合によっては、懸濁液剤は、適切な安定剤、及び/又は化合物の溶解性を増大させて高濃縮溶液の調製を可能にする薬剤を含むこともできる。
【0086】
或いは、活性成分は、使用前に適切なビヒクルで、例えば発熱物質を含まない滅菌水で、構成するための粉末の形態とすることができる。
【0087】
化合物は、例えばカカオ脂、他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を用いて、坐剤、保留かん腸などの直腸組成物中に処方することもできる。
【0088】
上記処方に加えて、化合物は、デポ製剤として処方することもできる。かかる長時間作用性製剤は、移植(例えば、皮下又は筋肉内)又は筋肉内注射によって投与することができる。本発明の化合物は、(例えば、薬理学的に許容される油を用いた乳濁液中で)適切な重合又は疎水材料を用いて、イオン交換樹脂を用いて、又はやや難溶性の塩など、ただしこれだけに限定されないやや難溶性の誘導体として、この投与経路のために処方することができる。
【0089】
本発明の疎水性化合物用薬剤担体の非限定的例は、VPD共溶媒系など、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー及び水相を含む共溶媒系である。VPDは、無水エタノールで体積をあわせた、3%w/vベンジルアルコール、8%w/v非極性界面活性剤ポリソルベート80及び65%w/vポリエチレングリコール300の溶液である。VPD共溶媒系(VPD:D5W)は、5%デキストロース水溶液で1:1希釈されたVPDからなる。この共溶媒系は、疎水性化合物を十分に溶解させ、全身投与時に、それ自体は低毒性である。当然のことながら、かかる共溶媒系の割合は、その溶解性及び毒性特性を損なわずに、かなり変動し得る。さらに、共溶媒成分の性状(identity)は変動してもよい。例えば、別の低毒性非極性界面活性剤をポリソルベート80の代わりに使用することができ、ポリエチレングリコールの分率は変動してもよく、別の生体適合性ポリマー、例えばポリビニルピロリドンでポリエチレングリコールを置換することができ、別の糖又は多糖でデキストロースを置換することができる。
【0090】
或いは、別の疎水性薬剤化合物用送達系を使用することができる。リポソーム及び乳濁液は、疎水性薬物用送達ビヒクル又は担体の周知の例である。さらに、毒性の増大を招くことが多いが、ジメチルスルホキシドなどのある種の有機溶媒を使用することもできる。
【0091】
さらに、化合物は、治療薬を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの徐放系を用いて、送達することもできる。種々の徐放性材料が確立され、当業者に周知である。徐放性カプセル剤は、その化学的性質に応じて、化合物を数週間から100日以上まで放出することができる。治療試薬の化学的性質及び生物学的安定性に応じて、タンパク質安定化の追加の戦略を使用することができる。
【0092】
本明細書の薬剤組成物は、適切な固体又はゲル相の担体又は賦形剤を含むこともできる。かかる担体又は賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0093】
本発明のプロテインキナーゼ調節化合物の多くは、生理的に許容される塩として提供することができ、特許請求の範囲に記載の化合物は、負又は正に帯電した種を形成することができる。正に帯電した部分を化合物が形成する塩の例としては、(本明細書に定義する)第4級アンモニウム、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩などの塩が挙げられるが、これらだけに限定されない。ここで、第4級アンモニウム基の窒素原子は、適切な酸と反応した本発明の選択された化合物の窒素である。負に帯電した種を本発明の化合物が形成する塩としては、化合物中のカルボン酸基と適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))など)との反応によって形成されるナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウム塩などが挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0094】
本発明での使用に適切な薬剤組成物としては、活性成分が、意図した目的、例えば、プロテインキナーゼ活性の調節、及び/又はプロテインキナーゼ関連障害の治療若しくは予防を達成するのに十分な量で含まれる、組成物などが挙げられる。
【0095】
より具体的には、治療有効量は、疾患の症候の防止、軽減若しくは改善に、又は治療対象の延命に有効な化合物の量を意味する。
【0096】
治療有効量の決定は、特に本明細書の詳細な開示に照らして、当業者の能力の十分な範囲内である。
【0097】
本発明の方法で使用される任意の化合物では、治療に有効な量又は用量は、細胞培養アッセイから最初に推定することができる。次いで、細胞培養で決定されるIC50(すなわち、プロテインキナーゼ活性の最高値の半分を阻害する試験化合物の濃度)を含む循環濃度範囲が得られるように、動物モデルにおける使用に対して、投与量を定式化することができる。次いで、かかる情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定することができる。
【0098】
本明細書に記載の化合物の毒性及び治療効果は、培養細胞又は実験動物において標準の薬学手順によって、例えば、対象化合物に対して(どちらも本明細書で考察する)IC50及びLD50を測定することによって、決定することができる。これらの細胞培養アッセイ及び動物試験から得られるデータは、ヒト用の投与量範囲を定式化するのに使用することができる。投与量は、使用剤形及び利用する投与経路に応じて変動し得る。正確な処方、投与経路及び投与量は、個々の医師が、患者の症状を考慮して選択することができる。(例えば、GOODMAN&GILMAN’S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS,Ch.3,9th ed.,Ed.by Hardman,J.,and Limbard,L.,McGraw−Hill,New York City,1996,p.46を参照されたい。)
投与量及び間隔を個々に調節して、キナーゼ調節効果を維持するのに十分な活性種の血しょう中濃度を得ることができる。この血しょう中濃度を最小有効濃度(MEC)と称する。MECは、化合物ごとに変動するが、in vitroデータから推定することができる。例えば、キナーゼを50〜90%阻害するのに必要な濃度は、本明細書に記載のアッセイによって確認することができる。MECを得るのに必要な投与量は、個々の特性及び投与経路によって決まる。HPLCアッセイ又はバイオアッセイを用いて、血しょう中濃度を測定することができる。
【0099】
投与間隔は、MEC値を用いて決定することもできる。化合物は、時間の10〜90%、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%にわたって、MECを超える血しょう中濃度を維持する投薬計画によって投与すべきである。
【0100】
現時点で、本発明の化合物の治療有効量は、約2.5mg/mから1500mg/m/日の範囲とすることができる。説明のための更なる量は、0.2〜1000mg/qid、2〜500mg/qid及び20〜250mg/qidの範囲である。
【0101】
局所投与又は選択的取り込みの場合には、薬物の有効な局所濃度は、血しょう中濃度に関連しなくともよく、当分野で公知の別の手順を使用して、正確な投与量及び間隔を決定することができる。
【0102】
言うまでもなく、投与する組成物の量は、治療対象、病気の重症度、投与方式、処方する医師の判断などに依存する。
【0103】
組成物は、必要に応じて、活性成分を含む1つ以上の単位剤形を含むことができる、FDAによって認可されたキットなどの分包(pack)又は分注装置として提供することができる。分包は、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチック箔を含むことができる。分包又は分注装置は、投与説明書を添付することができる。分包又は分注装置は、製造、医薬品の使用又は販売を規制する政府機関によって規定された形式で容器に付随した通知を添付することもでき、この通知は、組成物又はヒト若しくは動物投与の形式について、政府機関によって認可されたことを示す。例えば、かかる通知は、処方薬に対してU.S.Food and Drug Administrationによって認可された標識とすることができ、又は認可された製品折り込み(product insert)とすることができる。適合した薬剤担体中に調剤された本発明の化合物を含む組成物を調製し、適切な容器に入れ、適応症(indicated condition)の治療のための表示をすることもできる。ラベルに表示される適切な症状としては、腫ようの治療、血管新生の阻害、線維症、糖尿病の治療などが挙げられる。
【0104】
上述したように、本発明の化合物及び組成物は、Axlキナーゼによって媒介される疾患及び症状を含めて、プロテインキナーゼによって媒介される広範囲の疾患及び症状に有用である。かかる疾患としては、例として、肺癌、NSCLC(非小細胞肺癌)、燕麦細胞癌、骨癌、すい癌、皮膚癌、隆起性皮膚線維肉腫、頭頚部癌、皮膚若しくは眼球内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、結腸直腸癌、肛門癌、胃癌、結腸癌、乳癌、婦人科の腫よう(例えば、子宮肉腫、ファロピウス管癌、子宮内膜癌、子宮頚部癌、膣癌又は外陰癌)、ホジキン病、肝細胞癌、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌(例えば、甲状腺癌、すい臓癌、副甲状腺癌又は副腎癌)、軟部組織の肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌(特に、ホルモン不応性)、慢性若しくは急性白血病、小児期の固形腫よう、過好酸球増加症、リンパ球性リンパ腫、ぼうこう癌、腎癌若しくは尿管癌(例えば、腎細胞癌、腎う癌)、小児悪性腫よう、中枢神経系新生物(例えば、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸腫よう、髄芽腫、脳幹神経こう腫又は下垂体腺腫)などの癌、バレット食道(前悪性症候群)、腫よう性皮膚疾患、乾せん、菌状息肉腫、及び良性前立腺肥大症、糖尿病性網膜症などの糖尿病関連疾患、網膜虚血、及び網膜血管新生、肝硬変、血管新生、アテローム性動脈硬化症などの循環器疾患、自己免疫疾患などの免疫学的疾患、及び腎疾患が挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0105】
本発明の化合物は、1種類以上の別の化学療法剤と併用することができる。本発明の化合物の投与量は、任意の薬物−薬物反応ごとに調節することができる。一実施形態においては、化学療法剤は、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、細胞周期阻害剤、酵素、CAMPTOSAR(イリノテカン)などのトポイソメラーゼ阻害剤、生体応答調節物質、抗ホルモン、MMP−2、MMP−9、COX−2阻害剤などの血管新生阻害剤、抗アンドロゲン、白金配位化合物(シスプラチンなど)、ヒドロキシ尿素などの置換尿素;メチルヒドラジン誘導体、例えば、プロカルバジン;副腎皮質抑制剤、例えば、ミトタン、アミノグルテチミド、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール)などのホルモン及びホルモン拮抗薬、タモキシフェンなどの抗エストロゲン剤、アンドロゲン、例えば、プロピオン酸テストステロン、並びにアナストロゾール、AROMASIN(エキセメスタン)などのアロマターゼ阻害剤からなる群から選択される。
【0106】
上記方法を組み合わせて実施することができるアルキル化剤の例としては、単独の、又はleukovorinと更に組み合わせられたフルオロウラシル(5−FU);UFT、カペシタビン、ゲムシタビン、シタラビンなどの他のピリミジン類似体、スルホン酸アルキル、例えば、(慢性顆粒球性白血病の治療に使用される)ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾデパ、カルボコン、メツレデパ及びウレデパ;エチレンイミン及びメチルメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド及びトリメチロールメラミン;及びナイトロジェンマスタード、例えば、(慢性リンパ性白血病、原発性マクログロブリン血症及び非ホジキンリンパ腫の治療に使用される)クロランブシル、(ホジキン病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫よう及び横紋筋肉腫の治療に使用される)シクロホスファミド、(原発性血小板血症、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病及び卵巣癌の治療に使用される)エストラムスチン、イホスファミド、ノブエンブリチン(novembrichin)、プレドニムスチン及びウラシルマスタード、並びに(軟部組織肉腫の治療に使用される)トリアジン、例えばダカルバジンが挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0107】
上記方法を組み合わせて実施することができる代謝拮抗物質化学療法剤の例としては、葉酸類似体、例えば、(急性リンパ球性白血病、じゅう毛癌、菌状息肉腫、乳癌、頭頚部癌及び骨原性肉腫の治療に使用される)メトトレキサート、及びプテロプテリン、並びに急性顆粒球性、急性リンパ性及び慢性顆粒球性白血病の治療に使用されるメルカプトプリン、チオグアニンなどのプリン類似体が挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0108】
上記方法を組み合わせて実施することができる天然物系化学療法剤の例としては、ビンカアルカロイド、例えば、(乳癌及び精巣癌の治療に使用される)ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビンデシン;エピポドフィロトキシン、例えば、どちらも精巣癌及びカポジ肉腫の治療に有用であるエトポシド及びテニポシド;抗生物質化学療法剤、例えば、(胃癌、頚部癌、結腸癌、乳癌、ぼうこう癌及びすい癌の治療に使用される)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、(皮膚癌、食道癌及び尿生殖路癌の治療に使用される)ダクチノマイシン、テモゾロマイド、プリカマイシン、ブレオマイシン、並びにL−アスパラギナーゼなどの酵素化学療法剤が挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0109】
有用なCOX−II阻害剤の例としては、Vioxx、CELEBREX(セレコキシブ)、バルデコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ及びCox 189が挙げられる。
【0110】
有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、そのすべてを参照によりその全体を本明細書に援用する、(1996年10月24日に公表された)国際公開第96/33172号、(1996年3月7日に公表された)国際公開第96/27583号、(1997年7月8日に出願された)欧州特許出願第97304971.1号、(1999年10月29日に出願された)欧州特許出願第99308617.2号、(1998年2月26日に公表された)国際公開第98/07697号、(1998年1月29日に公表された)国際公開第98/03516号、(1998年8月13日に公表された)国際公開第98/34918号、(1998年8月13日に公表された)国際公開第98/34915号、(1998年8月6日に公表された)国際公開第98/33768号、(1998年7月16日に公表された)国際公開第98/30566号、(1994年7月13日に公表された)欧州特許第606,046号、(1999年7月28日に公表された)欧州特許第931,788号、(1990年5月31日に公表された)国際公開第90/05719号、(1999年10月21日に公表された)国際公開第99/52910号、(1999年10月21日に公表された)国際公開第99/52889号、(1999年6月17日に公表された)国際公開第99/29667号、(1998年7月21日に出願された)国際出願PCT/IB98/01113号、(1999年3月25日に出願された)欧州特許出願第99302232.1号、(1999年6月3日に出願された)英国特許出願第9912961.1号、(1999年1月26日に発行された)米国特許第5,863,949号、(1999年1月19日に発行された)米国特許第5,861,510号、及び(1997年6月25日に公表された)欧州特許第780,386号に記載されている。好ましいMMP−2及びMMP−9阻害剤は、MMP−1を阻害する活性をほとんど又は全く持たない阻害剤である。他のマトリックス−メタロプロテイナーゼ(すなわち、MMP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12及びMMP−13)よりもMMP−2及び/又はMMP−9を選択的に阻害する阻害剤がより好ましい。
【0111】
本発明に有用であるMMP阻害剤の幾つかの具体例は、AG−3340、RO 32−3555、RS 13−0830、並びに3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロペンチル)−アミノ]−プロピオン酸、3−エキソ−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、(2R,3R)1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド、4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド、3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロブチル)−アミノ]−プロピオン酸、4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド、(R)3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、(2R,3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチルベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド、3−[[(4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチル−エチル)−アミノ]−プロピオン酸、3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ]−プロピオン酸、3−エキソ−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、3−エンド−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド及び(R)3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミドから選択される化合物、並びにこれらの化合物の薬学的に許容される塩及び溶媒和化合物である。
【0112】
他の血管新生抑制薬、他のCOX−II阻害剤、及び他のMMP阻害剤も本発明に使用することができる。
【0113】
発明化合物は、EGFR抗体、EGF抗体、EGFR阻害剤である分子などのEGFR(上皮成長因子受容体)応答を阻害することができる薬剤;VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤;HERCEPTIN(Genentech,Inc.,South San Francisco,CA)などのerbB2受容体に結合する有機分子、抗体などのerbB2受容体阻害剤など、他のシグナル伝達阻害剤と一緒に使用することもできる。EGFR阻害剤は、例えば、(1995年7月27日に公表された)国際公開第95/19970号、(1998年4月9日に公表された)国際公開第98/14451号、(1998年1月22日に公表された)国際公開第98/02434号、及び(1998年5月5日に発行された)米国特許第5,747,498号に記載されており、かかる物質は、本明細書に記載のとおりに本発明に使用することができる。
【0114】
EGFR阻害剤としては、モノクローナル抗体C225及び抗EGFR 22Mab(ImClone Systems,Inc.,New York,NY)、化合物ZD−1839(AstraZeneca)、BIBX−1382(Boehringer Ingelheim)、MDX−447(Medarex Inc.,Annandale,NJ)、及びOLX−103(Merck&Co.,Whitehouse Station,NJ)、及びEGF融合毒素(Seragen Inc.,Hopkinton,MA)が挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0115】
これら及び他のEGFR阻害剤を本発明に使用することができる。VEGF阻害剤、例えば、SU−5416及びSU−6668(Sugen Inc.,South San Francisco,CA)を発明化合物と組み合わせることもできる。VEGF阻害剤は、例えば、そのすべてを参照によりその全体を本明細書に援用する、(2001年8月23日に公表された)国際公開第01/60814号A3、(1999年5月20日に公表された)国際公開第99/24440号、(1999年5月3日に出願された)国際出願PCT/IB99/00797号、(1995年8月17日に公表された)国際公開第95/21613号、(1999年12月2日に公表された)国際公開第99/61422号、(1998年11月10日に発行された)米国特許第5,834,504号、国際公開第01/60814号、(1998年11月12日に公表された)国際公開第98/50356号、(1999年3月16日に発行された)米国特許第5,883,113号、(1999年3月23日に発行された)米国特許第5,886,020号、(1998年8月11日に発行された)米国特許第5,792,783号、(1999年3月4日に公表された)国際公開第99/10349号、(1997年9月12日に公表された)国際公開第97/32856号、(1997年6月26日に公表された)国際公開第97/22596号、(1998年12月3日に公表された)国際公開第98/54093号、(1998年1月22日に公表された)国際公開第98/02438号、(1999年4月8日に公表された)国際公開第99/16755号、及び(1998年1月22日に公表された)国際公開第98/02437号に記載されている。本発明に有用である幾つかの具体的VEGF阻害剤の他の例は、IM862(Cytran Inc.,Kirkland,WA)、Genentech,Inc.の抗VEGFモノクローナル抗体、及びリボザイム(Boulder,CO)とChiron(Emeryville,CA)の合成リボザイムAngiozymeである。これら及び他のVEGF阻害剤は、本明細書に記載のとおりに本発明に使用することができる。GW−282974(Glaxo Wellcome plc)などのpErbB2受容体阻害剤、並びにモノクローナル抗体AR−209(Aronex Pharmaceuticals Inc.,The Woodlands,TX)及び2B−1(Chiron)、例えば、すべてを参照によりその全体を本明細書に援用する、(1998年1月22日に公表された)国際公開第98/02434号、(1999年7月15日に公表された)国際公開第99/35146号、(1999年7月15日に公表された)国際公開第99/35132号、(1998年1月22日に公表された)国際公開第98/02437号、(1997年4月17日に公表された)国際公開第97/13760号、(1995年7月27日に公表された)国際公開第95/19970号、(1996年12月24日に発行された)米国特許第5,587,458号、及び(1999年3月2日に発行された)米国特許第5,877,305号に示された化合物も発明化合物と組み合わせることができる。本発明に有用であるErbB2受容体阻害剤は、参照によりその全体を本明細書に援用する(2001年9月4日に発行された)米国特許第6,284,764号にも記載されている。erbB2受容体阻害剤化合物、上記PCT出願、米国特許及び米国特許仮出願に記載の物質、並びにerbB2受容体を阻害する他の化合物及び物質は、本発明によれば、発明化合物と一緒に使用することができる。
【0116】
発明化合物は、CTLA4(細胞傷害性リンパ球抗原4)抗体などの抗腫よう免疫応答を増強する能力のある薬剤、及びCTLA4を遮断する能力のある他の薬剤、並びに他のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、例えば、米国特許第6,258,824号B1の「背景」の項で引用された参考文献に記載されているファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤などの抗増殖薬を含めて、ただしこれらだけに限定されない、癌治療に有用である他の薬剤と一緒に使用することもできる。
【0117】
上記方法は、放射線療法と組み合わせて実施することもでき、放射線療法と組み合わせられる発明化合物の量は、上記疾患の治療に有効である。
【0118】
放射線療法を施す技術は当分野で公知であり、これらの技術を、本明細書に記載の併用療法に使用することができる。この併用療法における本発明の化合物の投与は、本明細書に記載のとおりに決定することができる。
【0119】
本発明は、以下の非限定的実施例を考察することによって更に理解されるであろう。
【実施例】
【0120】
AXLキナーゼ阻害剤の同定
本発明の代表的実施例を下記表1、2及び3に示す。
【0121】
【表1−1】

【0122】
【表1−2】

【0123】
【表2−1】

【0124】
【表2−2】

【0125】
【表3−1】

【表3−2】

代表的化合物の一般的合成
本発明の化合物は、従来の合成手順を用いて化学分野の当業者によって、並びに一般的反応スキーム及び下記実施例によって、調製することができる。
【0126】
スキーム1
5−アリールピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物の一般的合成
【0127】
【化15】

(実施例27)
4−クロロ−5−ヨード−7−ベンゼンスルホニル−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.75(s,1H),8.22(dm,J=6.5 Hz,2H),7.94(s,1H),7.68(tm,J=8.6 Hz,1H),7.55(tm,J=8.6 Hz,2H).MS (ES+, m/z): 419.9 (M+1, 100.0)。
【0128】
(実施例28)
7−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−5−(4−メトキシフェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン
H−NMR (CDCl/400 MHz): 8.76(s,1H),8.23(d,J=7.9 Hz,2H),7.70(s,1H),7.65(t,J=7.6 Hz,1H),7.55(t,J=7.6 Hz,3H),7.37(d,J=8.5 Hz,2H),6.95(d,J=8.6 Hz,2H),3.84(s,3H).MS (ES+, m/z): 400.0 (M+1, 100.0), 402.0 (M+1, 45.0)。
【0129】
(実施例29)
4−ピペラジン−5−(4−メトキシベンゼン)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン
H−NMR (CDOD/CDCl/400 MHz): 8.27(s,1H),7.38(dd,J=6.5, 2.1 Hz,2H),7.12(s,1H),6.95(dd,J=6.5, 2.1 Hz,2H),3.82(s,3H),3.29(m,4H),2.63(m,4H).MS (ES+, m/z): 310.1 (M+1, 100.0)。
【0130】
(実施例8)
N−(4−(4−(5−(4−メトキシフェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド)フェニルスルホニル)アセトアミド
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.32(s,1H),7.79(d,J=8.9 Hz,2H),7.42(d,J=8.9 Hz,2H),7.35(d,J=8.9 Hz,2H),7.23(s,1H),7.01(d,J=8.9 Hz,2H),3.83(s,3H),3.80(m,4H),3.37(m,4H),1.85(s,3H).MS (ES+, m/z): 566.1 (M+1, 100.0)。
【0131】
(実施例9)
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)スルファモイル)フェニル)−4−(5−(4−メトキシフェニル)−(7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
H−NMR (CDOD/CDCl/400 MHz): 8.31(s,1H),7.74(d,J=8.9 Hz,2H),7.34(d,J=8.9 Hz,4H),7.13(s,1H),6.95(d,J=8.9 Hz,2H),3.82(s,3H),3.78(m,4H),3.40(m,4H),2.80(q,J=7.5 Hz,2H),1.27(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 636.1 (M+1, 100.0)。
【0132】
(実施例30)
4−クロロ−5−(4−メトキシベンゼン)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.51(s,1H),7.47(d,J=8.9 Hz,2H),7.37(s,1H),6.92(d,J=8.9 Hz,2H),3.82(s,3H).MS (ES+, m/z): 260.0 (M+1, 100.0)。
【0133】
(実施例31)
4−クロロ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.58(s,1H),7.72(m,4H).MS (ES+, m/z): 298.0 (M+1, 100.0)。
【0134】
(実施例32)
4−ピペラジン−5−(4−トリフルオロメチルベンゼン)−N−ベンゼンスルホニル−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.60(s,1H),7.96(m,4H),2.93(m,8H).MS (ES+, m/z): 348.1 (M+1, 100.0)。
【0135】
(実施例10)
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾ−2−イル)スルファモイル)フェニル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
H−NMR (CDOD/CDCl/400 MHz): 8.14(s,1H),7.51(d,J=8.5 Hz,2H),7.44(dd,J=7.5 Hz,4H),7.09(d,J=8.5 Hz,2H),7.07(s,1H),3.56(t,J=4.4 Hz,4H),3.19(t,J=4.4 Hz,4H),2.76(q,J=7.5 Hz,2H),0.92(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 674.1 (M+1, 100.0)。
【0136】
(実施例11)
N−(4−(N−チアゾル−2−イルスルファモイル)フェニル)−4−(5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
H−NMR (CDOD/CDCl/400 MHz): 7.97(s,1H),7.38(d,J=6.8 Hz,2H),7.29(d,J=1.7 Hz,4H),7.00(d,J=6.8 Hz,2H),6.95(s,1H),6.57(d,J=4.6 Hz,1H),6.19(d,J=4.6 Hz,1H),3.42(t,J=4.4 Hz,4H),3.03(t,J=4.4 Hz,4H),2.75(q,J=7.5 Hz,2H),0.90(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 645.1 (M+1, 100.0)。
【0137】
(実施例12)
N−(4−(4−メチルピペラジン−1−イルスルホニル)フェニル)−4−(5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
H−NMR (CDOD/CDCl/400 MHz): 8.20(s,1H),7.46(m,6H),7.28(d,J=8.5 Hz,2H),7.11(s,1H),3.63(t,J=4.4 Hz,4H),3.26(t,J=4.4 Hz,4H),2.86(t,J=4.5 Hz,4H),2.30(t,J=4.5 Hz,4H),2.07(s,3H),0.90(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 645.2 (M+1, 30.0)。
【0138】
(実施例13)
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾ−2−イル)スルファモイル)フェニル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボアミド
H−NMR (CDOD/CDCl/400 MHz): 8.35(s,1H),7.73(d,J=8.9 Hz,2H),7.69(m,4H),7.37(d,J=8.9 Hz,2H),7.36(s,1H),3.35(m,8H),3.26(t,J=4.4 Hz,4H),2.79(q,J=7.5 Hz,2H),1.23(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 658.0 (M+1, 100.0)。
【0139】
(実施例33)
4−ピペラジン−5−(4−トリフルオロメチル−3−クロロベンゼン)−N−ベンゼンスルホニル−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.36(s,1H),7.83(s,1H),7.79(d,J=8.2 Hz,1H),7.65(d,J=8.2 Hz,1H),7.52(s,1H),3.26(t,J=5.1 Hz,4H),2.70(t,J=5.1 Hz,4H).MS (ES+, m/z): 382.0 (M+1, 100.0)。
【0140】
(実施例15)
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾ−2−イル)スルファモイル)フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−3−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
H−NMR (CDOD/CDCl/400 MHz): 8.41(s,1H),7.86(d,J=7.8 Hz,1H),7.86(s,1H),7.75(d,J=8.5 Hz,2H),7.70(d,J=7.9 Hz,1H),7.58(s,1H),7.41(d,J=8.5 Hz,2H),3.88(t,J=4.5 Hz,4H),3.42(t,J=4.5 Hz,4H),2.82(q,J=7.5 Hz,2H),1.29(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 708.0 (M+1, 45.0)。
【0141】
スキーム2
ピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物の一般的合成
【0142】
【化16】

【0143】
【化17】

(実施例4)
N−(4−(7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イルアミノ)フェニルスルホニル)アセトアミド
H−NMR (DMSO−d/400 MHz): 11.92 (br,2H),9.77(s,1H),8.36(s,1H),8.15(d,J=8.9 Hz,2H),7.85(d,J=8.9 Hz,2H),7.31(d,J=3.4 Hz,1H),6.84(d,J=3.4 Hz,1H),1.90(s,3H).MS (ES+, m/z): 583.1 (M+1, 100.0)。
【0144】
中間体:4−(ピペラジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
H−NMR (CDCl/400 MHz): 8.13(s,1H),7.12(d,J=3.4 Hz,1H),6.60(d,J=3.8 Hz,1H),3.91(t,J=5.1 Hz,4H),2.94(t,J=5.1 Hz,4H).MS (ES+, m/z): 204.1 (M+1, 100.0)。
【0145】
(実施例5)
N−(4−(4−(7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド)フェニルスルホニル)アセトアミド
H−NMR (DMSO−d/400 MHz): 8.16(s,1H),7.81(dd,J=6.8, 2.5 Hz,2H),7.60(dd,J=6.8, 2.5 Hz,2H),7.20(d,J=3.4 Hz,1H),6.65(d,J=3.4 Hz,1H),4.06(m,8H),1.92(s,3H).MS (ES+, m/z): 460.1 (M+1, 100.0)。
【0146】
(実施例6)
4−(7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.31(s,1H),8.00(d,J=8.9 Hz,1H),7.82(d,J=8.9 Hz,2H),7.21(d,J=3.4 Hz,1H),6.77(d,J=3.4 Hz,1H),2.83(q,J=7.5 Hz,2H),1.29(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 402.1 (M+1, 100.0)。
【0147】
(実施例7)
N−(4−(4−(5−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド)フェニルスルホニル)アセトアミド
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.16(s,1H),7.79(d,J=8.9 Hz,2H),7.52(d,J=8.9 Hz,2H),7.15(d,J=3.4 Hz,1H),6.68(d,J=3.4 Hz,1H),4.16(m,8H),2.84(q,J=7.5 Hz,2H),1.29(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 530.0 (M+1, 100.0)。
【0148】
中間体:4,5−ジクロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
H−NMR (DMSO−d/400 MHz): 12.57 (br,1H),8.58(s,1H),7.92(s,1H).MS (ES+, m/z): 188.0 (M+1, 100.0)。
【0149】
中間体:4−ピペラジン−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.23(s,1H),7.26(s,1H),3.92(t,J=4.5 Hz,4H),3.65(t,J=4.5 Hz,4H).MS (ES+, m/z): 238.1 (M+1, 100.0)。
【0150】
(実施例16)
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾ−2−イル)スルファモイル)フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−3−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
H−NMR (CDOD/CDCl/400 MHz): 8.25(s,1H),7.79(d,J=8.9 Hz,2H),7.47(d,J=8.9 Hz,2H),7.18(s,1H),4.15(t,J=4.5 Hz,4H),3.81(t,J=4.5 Hz,4H),2.80(q,J=7.5 Hz,2H),1.29(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 564.0 (M+1, 70.0)。
【0151】
スキーム3
二環式化合物C:チエノ[2,3−d]ピリミジン化合物
【0152】
【化18】

中間体:5−(メトキシフェニル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−3H−4−オン
H−NMR (DMSO−d/400 MHz): 12.43(s,1H),8.11(d,J=4.7 Hz,1H),7.96(dd,J=13.7, 1.4 Hz,1H),7.44(s,1H),6.93(dd,J=13.7, 2.0 Hz,1H),3.78(s,3H).MS (ES+, m/z): 258.90 (M+1, 100.0)。
【0153】
中間体:4−クロロ−5−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−d]ピリミジン
H−NMR (DMSO−d/400 MHz): 8.85(s,1H),7.41(s,1H),7.32(dd,J=13.7, 1.4 Hz,1H),6.95(dd,J=13.7, 2.0 Hz,1H),3.86(s,3H).MS (ES+, m/z): 277.0 (M+1, 100.0)。
【0154】
(実施例1)
N−(4−(5−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−D]ピリミジン−4−イルアミノ)フェニルスルホニル)アセトアミド
H−NMR (CDCl/CDOD/400 MHz): 8.63(s,1H),7.88(d,J=6.8 Hz,2H),7.51(d,J=8.9 Hz,2H),7.42(d,J=8.5 Hz,2H),7.34(s,1H),7.09(d,J=8.9 Hz,2H),3.90(s,3H),1.91(s,3H).MS (ES+, m/z): 455.1 (M+1, 100.0)。
【0155】
中間体:5−(4−メトキシフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン
H−NMR (CDCl/CDOD/400 MHz): 8.57(s,1H),7.41(d,J=7.2 Hz,2H),7.40(s,1H),7.03(d,J=7.2 Hz,2H),4.77(m,4H),3.85(s,3H),3.38(m,4H).MS (ES+, m/z): 327.1 (M+1, 100.0)。
【0156】
(実施例2)
N−(4−(4−(5−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド)フェニルスルホニル)アセトアミド
H−NMR (CDCl/400 MHz): 8.56(s,1H),8.46(s,1H),7.81(d,J=8.6 Hz,2H),7.34(m,4H),7.18(s,1H),6.94(d,J=8.9 Hz,2H),3.84(s,3H),3.65(m,4H),3.30(m,4H),2.04(s,3H),.MS (ES+, m/z): 583.1 (M+1, 100.0)。
【0157】
(実施例3)
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)スルファモイル)フェニル)−4−(5−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
H−NMR (CDOD/400 MHz): 8.52(s,1H),7.74(d,J=8.9 Hz,2H),7.64(s,1H),7.38(m,4H),7.00(d,J=8.6 Hz,2H),3.85(s,3H),3.34(m,8H),2.81(q,J=7.5 Hz,2H),1.29(t,J=7.5 Hz,3H).MS (ES+, m/z): 653.1 (M+1, 100.0)。
【0158】
スキーム4
5−ピロリジン−ピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物の合成
【0159】
【化19】

中間体:5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【0160】
【化20】

H−NMR (DMSO−d/400 MHz): 12.97(s,1H),8.62(s,1H),7.95(d,J=2.8 Hz,1H)。
【0161】
中間体:5−ブロモ−4−クロロ−7−(フェニルスルホニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【0162】
【化21】

H−NMR (CDCl/400 MHz): 8.75(s,1H),8.20(d,J=7.2 Hz,2H),7.83(s,1H),7.66(t,J=7.2 Hz,1H),7.54(t,J=7.9 Hz,2H).MS (ES+, m/z): 373.9 (M+3, 100.0), 371.9 (M+1, 100.0)。
【0163】
中間体:Tert−ブチル−4−(5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
【0164】
【化22】

H−NMR (CDCl/400 MHz): 8.40(s,1H),7.26(d,J=1.7 Hz,1H),3.66(s,8H),1.49(s,9H).MS (ES+, m/z): 384.1 (M+3, 40.0), 382.2 (M+1, 38.0)。
【0165】
中間体:(S)−tert−ブチル−4−(5−(3−フルオロピロリジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
【0166】
【化23】

H−NMR (DMSO−d/300 MHz): 11.44(s,1H),7.97(d,J=1.9 Hz,1H),5.60(d,J=69 Hz,1H),5.32(s,1H),3.66(m,4H),3.36(m,10H), 1.38(s,9H).MS (ES+, m/z): 391.2 (M+1, 100.0)。
【0167】
中間体:(S)−5−(3−フルオロピロリジン−1−イル)−4−(ピペラジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【0168】
【化24】

H−NMR (CDOD/300 MHz): 8.38(s,1H),7.12(d,J=2.5 Hz,1H),6.46(s,1H),5.45(d,J=69 Hz,1H),4.11(m,4H),3.75(m,6H),3.38(m,4H).MS (ES+, m/z): 291.3 (M+1, 100.0)。
【0169】
(実施例34)
(S)−N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)スルファモイル)フェニル)−4−(5−(3−フルオロピロリジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
【0170】
【化25】

H−NMR (CDOD/300 MHz): 8.23(s,1H),7.77(d,J=2.5 Hz,2H),7.44(d,J=2.5 Hz,2H),5.39(d,J=69 Hz,1H),4.08(m,4H),3.89(m,6H),3.75(m,4H),3.16(q,J=7.2 Hz,4H),1.29(t,J=7.2 Hz,1H).MS (ES+, m/z): 617.2 (M+1, 100.0)。
【0171】
代表的なAxlキナーゼ阻害剤の活性
生化学アッセイにおいてAxl酵素活性を阻害する能力についてAxlリード化合物を試験した。手短に述べると、このアッセイにおいては、キナーゼ活性は、ルシフェラーゼによって産生される相対発光量(RLU)を照度計を用いて測定することによって、キナーゼ反応後に溶液中に残留するATPの量を定量化することによって、測定される。以下の式において、薬物治療反応の照度計の読みを、薬物を含まない対照(RLU阻害剤無し)及びAxl酵素を含まない対照(RLUキナーゼ無し)と比較することによって、個々の化合物について活性パーセントを測定した。
【0172】
【数1】

50μLの反応において、10μγポリ(Glu−Tyr)(Millipore Corp、Billerica、MA)、3μM ATP(Invitrogen、Carlsbad、CA)及びキナーゼ反応緩衝剤(8mM MOPS pH7.0、0.02mM EDTA、15mM塩化マグネシウム)と一緒に、組換えAxlキナーゼ(BPS Biosciences、San Diego、CA)200ngを振とう(360rpm)しながら30℃で2時間インキュベートした。3μM ATPの値が、このアッセイで使用した酵素の量に対して最大活性を与える最適濃度であることが判明した。この反応を、DMSOで所望の濃度に前もって希釈した化合物の存在下で実施した。インキュベーション後、Kinase−Glo(登録商標)(Promega,Inc.、Madison、WI)溶液50μLを各反応混合物に添加し、室温で10分間平衡にした。Kinase−Glo溶液は、ATPと反応して発光する、ルシフェラーゼ酵素とルシフェリンを含む。キナーゼ活性は、ルシフェラーゼによって産生される相対発光量(RLU)を照度計(Thermo Electron Corporation、Vantaa、Finland)を用いて測定することによって、キナーゼ反応後に溶液中に残留するATPの量を定量化することによって、測定された。IC50値は、酵素活性(ATP加水分解)を無処置レベルの50%に低下させるのに必要な阻害剤濃度として測定された。代表的実施例についてこれらのアッセイで得られたIC50の結果は、約100から2.2μMであった。IC50の結果は50μM未満であることが有利である。IC50の結果は10μM未満であることがより有利である。
【0173】
Axl TR−FRETアッセイ(Lantha Screen/Lance Ultra)
時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)HTSアッセイは、2種類の色素標識結合パートナーの相互作用が、供与体と受容体色素の間のエネルギー移動と、それに続く受容体色素による発光によって検出される、均一近接アッセイである。現在、3つのLANCE TR−FRETプラットホームが利用可能である。これらは、主に、エネルギー移動に使用される受容体色素の性質、及び直接標識又はビオチン化することができる基質が異なる。
【0174】
本発明者らは、供与体としてテルビウムキレートを用い、受容体色素としてフルオレセインを用いた、TR−FRETプラットホームを使用した。これは、Invitrogenによって開発されたLantha Screenプラットホームである。別のプラットホームは、一連のユウロピウム(Eu)キレート標識抗ホスホ基質抗体と、ULight受容体色素で標識された幾つかのキナーゼ基質とを含む。ULight色素は、赤方偏移した発光を有する低分子量蛍光色素である。このプラットホームは、Perkin Elmerによって開発され、同様に使用することができる。
【0175】
時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)は、創薬研究所において、好ましい蛍光アッセイ形式のひとつとして浮上しつつある。TR−FRETアッセイは、他のアッセイ形式よりも化合物干渉を受けにくく、複数の標的クラスに適用することができる。
【0176】
手順
この手順は、LanthaScreen(商標)キナーゼアッセイがAxlキナーゼ阻害剤を検出し、特徴づけるためにどのように設計されたかを記述する。開発は3段階で実施される。
【0177】
1.ATP Km,appの測定に必要なキナーゼ濃度の最適化
アッセイは、まず、最小と最大のTR−FRET発光比間の約80%の変化を誘発するのに必要なキナーゼ量(EC80値)を決定するために、一連の希釈されたキナーゼに対してATPの高濃度(1mM)において実施される。
【0178】
2.ATP Km,appの決定
次いで、段階1で決定された酵素濃度を用いて、アッセイは、最小と最大のTR−FRET発光比間の50%の変化を誘発するのに必要なATP量(EC50値)を決定するために、一連の希釈されたATPに対して実施される。このATP濃度をATPの「見かけの」Km値、又はATP Km,appと称する。
【0179】
3.ATP Km,appにおけるアッセイに必要なキナーゼ濃度の最適化
段階2で決定されたATPのATP Km,app濃度を用いて、ATPのATP Km,app濃度における最小と最大のTR−FRET発光比間の約80%の変化を誘発するのに必要なキナーゼ濃度(EC80値)を決定するために、キナーゼ滴定を繰り返す。これは、阻害剤のIC50値を決定するためにアッセイで使用されるキナーゼ濃度である。
【0180】
次いで、上で決定されたATP及びキナーゼ濃度を用いて、一連の希釈された阻害剤の存在下で反応を実施し、TR−FRET比の50%の変化を誘発するのに必要な阻害剤量(IC50)を決定する。
【0181】
試薬
Invitrogen Corporation(www.invitrogen.com)から得られたすべて
キナーゼAXL PV3971(10μg)
昆虫細胞において発現された、ヒスチジンタグ付き、組換えヒトタンパク質、触媒ドメイン(アミノ酸473−894)
30℃で総タンパク質量1mg、1分当たりAbl1ペプチド基質(EAIYAAPFAKKK)に移されたホスファート99nmol。最終タンパク質濃度8.33μg/mLにおいて決定された活性。
【0182】
キナーゼ反応緩衝剤:5Xキナーゼ緩衝剤PV3189(5X 4mL)
キナーゼ反応緩衝剤は、5x濃縮貯蔵物として供給される。この貯蔵物から1x溶液を調製する。1xキナーゼ反応緩衝剤は室温で安定である。
【0183】
1xキナーゼ反応緩衝剤は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ−35、10mM MgCl2及び1mM EGTAからなる。
【0184】
抗体LanthaScreen(商標)Tb−PY20 PV3552(25μg)PV3553(1mg)
PY20抗体は約1mg/mLで供給される。抗体の分子量は150kDである。したがって、抗体の貯蔵物濃度は、6.7μM、すなわち6700nMである。
【0185】
基質フルオレセイン−Poly GT PV3610(1mg)
基質は、30μMの濃度で供給される。
【0186】
抗体希釈緩衝剤TR−FRET希釈緩衝剤PV3574(100ml)
抗体希釈緩衝剤はEDTAを含まない。EDTAは、抗体添加前に、別個に添加される。
【0187】
500mM EDTAキナーゼクエンチ緩衝剤P2832(10ml)
10mM ATP PV3227(500μL)
消耗品
Perkin Elmer製384ウェル少量Proxiplate 384 Plus
ピペットチップ、微量遠心管など
機器
EnVision(商標)Xcite Multilabel Reader(PerkinElmer)
4種類の実施例化合物は、約4.1μMから約0.3μM未満のIC50の上記アッセイ結果を示した。IC50の結果は5.0μM未満であることが有利である。IC50の結果は1.0μM未満であることがより有利である。
【0188】
本明細書で参照した、及び/又は出願データシートに列挙した、あらゆる米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許刊行物を参照によりその全体を本明細書に援用する。
【0189】
上記のことから、本発明の特定の実施形態を説明のために本明細書に記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに種々の改変を成し得ることを理解されたい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲による以外は限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その立体異性体、プロドラッグ、及び薬学的に許容される塩を含めた、式(I)の化合物。
【化26】

(式中、環部分Aは、
【化27】

から選択され、式中、
は、−NH−、−C(=S)NH−、−C(=S)NHS(=O)−又は−C(=O)NH−であり、
は任意であって、存在する場合にはピペラジニルであり、
= −S(=O)NH−、−S(=O)−又は−NH−であり、
は、複素環、置換複素環又は−C(=O)Rであり(式中、Rはアルキルである)、
Xは、O、S又はNHであり、
Yは、存在ごとに、独立にハロ、ハロアルキル又はアルコキシであり、
mは0、1、2又は3であり、
は、−H、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール又は置換アリールであり、
は、−H、アルキル、置換アルキル、アリール又は置換アリール、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである。)
【請求項2】
が−NH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環部分Aが、
【化28】

である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
環部分Aが、
【化29】

である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
が−C(=S)NH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
環部分Aが、
【化30】

である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が−H又はアルキルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
が−C(=S)NHS(=O)−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
環部分Aが、
【化31】

である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が−C(=O)NH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
環部分Aが、
【化32】

である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
【化33】

【化34】

又はその立体異性体、プロドラッグ、若しくは薬学的に許容される塩からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
4−クロロ−5−ヨード−7−ベンゼンスルホニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
7−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−5−(4−メトキシフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
4−ピペラジン−5−(4−メトキシベンゼン)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
N−(4−(4−(5−(4−メトキシフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド)フェニルスルホニル)アセトアミド
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)スルファモイル)フェニル)−4−(5−(4−メトキシフェニル)−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
4−クロロ−5−(4−メトキシベンゼン)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
4−クロロ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
4−ピペラジン−5−(4−トリフルオロメチルベンゼン)−N−ベンゼンスルホニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾ−2−イル)スルファモイル)フェニル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
N−(4−(N−チアゾル−2−イルスルファモイル)フェニル)−4−(5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
N−(4−(4−メチルピペラジン−1−イルスルホニル)フェニル)−4−(5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾ−2−イル)スルファモイル)フェニル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボアミド
4−ピペラジン−5−(4−トリフルオロメチル−3−クロロベンゼン)−N−ベンゼンスルホニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾ−2−イル)スルファモイル)フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−3−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
N−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)フェニルスルホニル)アセトアミド
N−(4−(4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド)フェニルスルホニル)アセトアミド
4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
N−(4−(4−(5−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド)フェニルスルホニル)アセトアミド
N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾ−2−イル)スルファモイル)フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−3−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
(S)−N−(4−(N−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)スルファモイル)フェニル)−4−(5−(3−フルオロピロリジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボチオアミド
又はその立体異性体、プロドラッグ、若しくは薬学的に許容される塩からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物を含む、癌又は過剰増殖障害を治療するための医薬品。
【請求項16】
前記癌が、結腸、乳房、胃、前立腺、すい臓又は卵巣組織の癌である、請求項15に記載の医薬品。
【請求項17】
請求項1に記載の化合物を含む、肺癌、NSCLC(非小細胞肺癌)、燕麦細胞癌、骨癌、すい癌、皮膚癌、隆起性皮膚線維肉腫、頭頚部癌、皮膚若しくは眼球内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、結腸直腸癌、肛門癌、胃癌、結腸癌、乳癌、婦人科の腫よう(例えば、子宮肉腫、ファロピウス管癌、子宮内膜癌、子宮頚部癌、膣癌又は外陰癌)、ホジキン病、肝細胞癌、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌(例えば、甲状腺癌、すい臓癌、副甲状腺癌又は副腎癌)、軟部組織の肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌(特に、ホルモン不応性)、慢性若しくは急性白血病、小児期の固形腫よう、過好酸球増加症、リンパ球性リンパ腫、ぼうこう癌、腎癌若しくは尿管癌、腎細胞癌、腎う癌、小児悪性腫よう、中枢神経系新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸腫よう、髄芽腫、脳幹神経こう腫、下垂体腺腫、バレット食道、前悪性症候群、腫よう性皮膚疾患、乾せん、菌状息肉腫、良性前立腺肥大症、糖尿病性網膜症、網膜虚血、及び網膜血管新生、肝硬変、血管新生、循環器疾患、アテローム性動脈硬化症、免疫学的疾患、自己免疫疾患、又は腎疾患を治療するための医薬品。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、組成物。

【公表番号】特表2010−523712(P2010−523712A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503241(P2010−503241)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/060074
【国際公開番号】WO2008/128072
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(507356512)スーパージェン, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】