説明

発光装置およびプロジェクター

【課題】複数の光出射部の間隔を大きくすることができ、発光装置がライトバルブの直下に配置された方式のプロジェクターに適用できる発光装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る発光装置100は、電極により得られる光の導波路は、帯状の第1領域160および帯状の第2領域162を有し、第1領域160は曲率を備える第1部分162を有し、第2領域170は曲率を備える第2部分172を有し、第1領域160と第2領域170とは、第1層の側面130に設けられる反射部180,184にて接続され、反射部180,184が設けられる側面130に対向し、出射面となる第1層の側面132において第1領域160から出射される第1の光20と、出射面130において第2領域170から出射される第2の光22とは、同じ方向に出射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode、以下「SLD」という)は、通常の発光ダイオード同様にインコヒーレント性を示し、かつ広帯域なスペクトル形状を示しながら、光出力特性では半導体レーザー同様に単一の素子で数百mW程度までの出力を得ることが可能な半導体発光素子である。
【0003】
SLDは、例えばプロジェクターの光源として用いられるが、高出力かつエテンデュの小さな光源を実現するためには、複数の利得領域から出射される光が、同一の方向に進むことが望ましい。特許文献1では、直線状の形状を有する利得領域と、円弧の形状を有する利得領域と、を組合せることによって、2つの利得領域の光出射部(発光点)から出射される光を、同一の方向に進行させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−192603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光学系の損失低減と部品点数の削減とのため、SLDをライトバルブの直下に配置し、レンズアレイを用いて集光と均一照明とを同時に行う方式のプロジェクターが提案されている。このような方式のプロジェクターでは、レンズアレイに合わせて、光出射部を配置する必要がある。
【0006】
特許文献1に記載されたSLDでは、複数の光出射部の間隔をレンズアレイに合わせて大きくして配置することが困難であり、上記の方式のプロジェクターに適用できない。
【0007】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、複数の光出射部の間隔を大きくすることができ、発光装置がライトバルブの直下に配置された方式のプロジェクターに適用できる発光装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記発光装置を有するプロジェクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る発光装置は、
電流を注入することによって光を発生させ、かつ当該光の導波路を形成する、第1層と、
前記第1層を挟み、かつ前記光の漏れを抑制する第2層および第3層と、
前記第1層に前記電流を注入する電極と、
を含み、
前記電極により得られる前記光の導波路は、帯状の第1領域および帯状の第2領域を有し、
前記第1領域は曲率を備える第1部分を有し、
前記第2領域は曲率を備える第2部分を有し、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層の側面に設けられる反射部にて接続され、
前記反射部が設けられる側面に対向し、出射面となる前記第1層の側面において前記第1領域から出射される第1の光と、当該出射面において前記第2領域から出射される第2の光とは、同じ方向に出射される。
【0009】
このような発光装置によれば、第1利得領域および第2利得領域に発生する光の第2面に対する入射角を大きくすることなく、第1利得領域の光出射部と、第2利得領域の光出射部と、の間隔を大きくすることができる。これにより、出射光の放射パターンが歪むことを抑制することができ、例えば発光装置をプロジェクターの光源に用いた場合に、ライドバルブを均一に照明することができる。
【0010】
さらに、このような発光装置によれば、第1面から第2面まで直線状である利得領域を用いた例に比べて、利得領域の全長を大きくすることなく、光出射部の間隔を大きくすることができる。そのため、多大な電流を流す必要はなく、消費電力を抑えることができる。さらに、利得領域の全長を大きくしなくてよいので、装置全体の小型化を図ることができる。そのため、資源が無駄となることもなく、製造コストを抑えることができる。
【0011】
以上のように、このような発光装置では、放射パターンが良好で、小型化を図りつつ、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0012】
本発明に係る発光装置において、
前記反射部は、前記第1層で発生する光の波長帯において、前記出射面における反射率よりも高い反射率を備えることができる。
【0013】
このような発光装置によれば、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0014】
本発明に係る発光装置において、
前記第1領域は、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記反射部が設けられた側面の垂線に対して一方側に傾いて前記反射部と接続し、
前記第2領域は、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記反射部が設けられた側面の垂線に対して他方側に傾いて前記反射部と接続することができる。
【0015】
このような発光装置によれば、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0016】
本発明に係る発光装置において、
前記第1領域は、前記垂線に対して第1角度で傾いて前記反射部と接続し、
前記第2領域は、前記垂線に対して第2角度で傾いて前記反射部と接続し、
前記第1角度と前記第2角度とは、臨界角以上であって、同じ大きさであることができる。
【0017】
このような発光装置によれば、反射部は、第1領域および第2領域に発生する光を、全反射させることができる。したがって、反射部における光損失を抑制することができ、効率よく光を反射させることができる。
【0018】
本発明に係る発光装置において、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層、前記第2層、前記第3層の積層方向から見て、同じ方向で前記出射面に接続されていることができる。
【0019】
このような発光装置によれば、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0020】
本発明に係る発光装置において、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層、前記第2層、前記第3層の積層方向から見て、前記出射面の垂線に対して傾いて前記出射面に接続することができる。
【0021】
このような発光装置によれば、第1領域および第2領域に発生する光を、多重反射させないことができる。その結果、直接的な共振器を構成させないことができるため、第1領域および第2領域に発生する光のレーザー発振を抑制することができる。
【0022】
本発明に係る発光装置において、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層、前記第2層、前記第3層の積層方向から見て、前記出射面の垂線に対して平行に前記出射面に接続することができる。
【0023】
このような発光装置によれば、後段の光学系の設計を容易にすることができる。
【0024】
本発明に係る発光装置において、
前記第1領域は、
前記第1部分から前記出射面まで、直線状に設けられた第3部分を有し、
前記第2領域は、
前記第2部分から前記出射面まで、直線状に設けられた第4部分を有することができる。
【0025】
このような発光装置によれば、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0026】
本発明に係る発光装置において、
前記第1領域は、
前記反射部から前記第1部分まで、直線状に設けられた第5部分を有し、
前記第2領域は、
前記反射部から前記第2部分まで、直線状に設けられた第6部分を有することができる。
【0027】
このような発光装置によれば、第1利得領域において発生し反射部において反射する光を、より確実に第2利得領域に入射させ、第2利得領域において発生し反射部において反射する光を、より確実に第1利得領域に入射させることができる。
【0028】
本発明に係る発光装置において、
前記第1部分は、前記反射部および前記出射面に接続し、
前記第2部分は、前記反射部および前記出射面に接続することができる。
【0029】
このような発光装置によれば、直線状の部分がないので、その分、小型化を図ることができる。
【0030】
本発明に係る発光装置において、
前記第1部分および前記第2部分は、前記第1層、前記第2層、前記第3層の積層方向から見て、円弧の形状を有することができる。
【0031】
このような発光装置によれば、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0032】
本発明に係る発光装置において、
前記反射部が設けられた側面は、劈開面であることができる。
【0033】
このような発光装置によれば、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によって形成する場合に比べて、精度よく反射部を形成することができ、反射部における光散乱を小さくすることができる。したがって、反射部における光損失を抑制することができ、効率よく光を反射させることができる。
【0034】
本発明に係る発光装置は、
第1層と、前記第1層を挟む第2層および第3層と、を有する積層体を含み、
前記第1層は、
光を発生させて導波させる、第1利得領域および第2利得領域を有し、
前記第2層および前記第3層は、
前記第1利得領域および前記第2利得領域に発生する光の漏れを抑制する層であり、
前記第1層は、
前記積層体の外形を形成し、互いに対向する第1面および第2面を有し、
前記第1利得領域および前記第2利得領域に発生する光の波長体において、前記第1面の反射率は、前記第2面の反射率よりも高く、
前記第1利得領域および前記第2利得領域は、前記第1面から前記第2面まで設けられ、
前記第1利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、前記第1面の垂線に対して一方側に傾いて前記第1面と接続し、
前記第2利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、前記垂線に対して他方側に傾いて前記第1面と接続し、
前記第1利得領域と前記第2利得領域とは、前記積層体の積層方向から見て、同じ方向で前記第2面と接続し、
前記第1利得領域の前記第1面側の端面と、前記第2利得領域の前記第1面側の端面とは、前記第1面において重なっており、
前記第1利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、第1の曲率を備えた第1利得部分を有し、
前記第2利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、第2の曲率を備えた第2利得部分を有する。
【0035】
このような発光装置によれば、放射パターンが良好で、小型化を図りつつ、光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0036】
本発明に係るプロジェクターは、
本発明に係る発光装置と、
前記発光装置から出射された光を集光するマイクロレンズと、
前記マイクロレンズによって集光された光を、画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
を含む。
【0037】
このようなプロジェクターによれば、レンズアレイのアライメントが容易で、均一性よく光変調装置を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図2】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図3】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図4】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図5】本実施形態の第1変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図6】本実施形態の第2変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図7】本実施形態の第2変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図8】本実施形態の第2変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図9】本実施形態の第3変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図10】本実施形態の第4変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図11】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【図12】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【図13】本実施形態に係るプロジェクターの光源を模式的に示す図。
【図14】本実施形態に係るプロジェクターの光源を模式的に示す断面図。
【図15】本実施形態に係るプロジェクターの光源を模式的に示す断面図。
【図16】本実施形態に係るプロジェクターの光源を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0040】
1. 発光装置
まず、本実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す図1のII−II線断面図である。なお、図1では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
【0041】
以下では、発光装置100がInGaAlP系(赤色)のSLDである場合について説明する。SLDは、半導体レーザーと異なり、端面反射による共振器の形成を抑えることにより、レーザー発振を防止することができる。そのため、スペックルノイズを低減することができる。
【0042】
発光装置100は、図1および図2に示すように、積層体120と、第1電極112と、第2電極114と、を含むことができる。
【0043】
積層体120は、基板102と、第2層104(以下「第1クラッド層104」ともいう)と、第1層106(以下「活性層106」ともいう)と、第3層108(以下「第2クラッド層108」ともいう)と、第4層110(以下「コンタクト層110」ともいう)と、絶縁層116と、を有することができる。積層体120の形状は、例えば直方体(立方体である場合を含む)などである。
【0044】
基板102としては、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaAs基板などを用いることができる。
【0045】
第1クラッド層104は、基板102上に形成されている。第1クラッド層104としては、例えば、n型のInGaAlP層などを用いることができる。なお、図示はしないが、基板102と第1クラッド層104との間に、バッファー層が形成されていてもよい。バッファー層としては、例えば、n型のGaAs層、AlGaAs層、InGaP層などを用いることができる。バッファー層は、その上方に形成される層の結晶性を向上させることができる。
【0046】
活性層106は、第1クラッド層104上に形成されている。活性層106は、第1クラッド層104と第2クラッド層108とに挟まれている。活性層106は、例えば、InGaPウェル層とInGaAlPバリア層とから構成される量子井戸構造を3つ重ねた多重量子井戸(MQW)構造を有する。
【0047】
活性層106の形状は、例えば直方体(立方体である場合を含む)などである。活性層106の平面形状は、例えば、積層体120の平面形状と同じである。活性層106は、図1に示すように、第1面130、第2面132、第3面134、および第4面136を有することができる。面130,132,134,136は、活性層106の面のうち第1クラッド層104または第2クラッド層108に面状に接していない面であり、積層体120の外形を形成している面である。面130,132,134,136は、積層体120の積層方向から見て、活性層106の側面(側壁)、言い換えれば積層体120の側面部、に設けられているともいえ、平坦な面である。第1面130および第2面132は、互いに対向しており、図示の例では平行である。第3面134および第4面136は、第1面130および第2面132に接続する面であって、互いに対向しており、図示の例では平行である。
【0048】
第1面130は、劈開によって形成された劈開面である。第2面132は、第1面130に対向していれば、形成方法は特に限定されないが、例えば第2面132も劈開面とすることで、容易に第1面130に対して平行に対向させることができる。
【0049】
活性層106の一部は、第1利得領域160および第2利得領域170を構成している。利得領域160,170は、光を発生させることができ、この光は、利得領域160,170内を利得を受けつつ導波することができる。すなわち、利得領域160,170は、活性層106にて発生する光に対する導波路であるともいえる。
【0050】
利得領域160,170は、図1に示すように、第1面130から第2面132まで設けられており、積層体120の積層方向からの平面視にて、所定の幅を有する帯状の形状を備えている。そして、利得領域160,170の各帯状の領域が、第1面130側で接続されている。第1利得領域160は、第1面130と接続部分に設けられた第1端面180と、第2面132と接続部分に設けられた第2端面182と、を有する。第2利得領域170は、第1面130と接続部分に設けられた第3端面184と、第2面132と接続部分に設けられた第4端面186と、を有する。
【0051】
第1利得領域160の第1端面180と、第2利得領域170の第3端面184とは、第1面130において重なっている。図示の例では、第1端面180と第3端面184とは、完全に重なっている。一方、第1利得領域160の第2端面182と、第2利得領域170の第4端面186とは、第2面132において、間隔Dで離間している。
【0052】
第1利得領域160は、図1に示すように積層体120の積層方向から見て(平面視において)、第1面130の垂線P(面130,132が平行である場合は、「第2垂線132の垂線P」ともいえる)に対して一方側(例えば第3面134側)に傾いて第1面130と接続している。言い換えれば、垂線Pに対して、第1利得領域160の帯状形状の長手方向が角度を有しているといえる。より具体的には、第1利得領域160は、垂線Pに対して、第1角度α1で傾いて第1面130と接続している。第1利得領域160の長手方向は、第1面130近傍における第1利得領域160の延在方向であり、例えば、第1利得領域160(と第1利得領域160を除いた部分と)の境界線と第1面130との交点における当該境界線に対する接線方向とすることができる。第2利得領域170は、平面視において、垂線Pに対して他方側(例えば第4面136側)に傾いて第1面130と接続していている。言い換えれば、垂線Pに対して、第2利得領域170の帯状形状の長手方向が角度を有しているといえる。より具体的には、第2利得領域170は、垂線Pに対して、第2角度α2で傾いて第1面130と接続している。第2利得領域170の長手方向は、第1面130近傍における第2利得領域170の延在方向であり、例えば、第2利得領域170(と第2利得領域170を除いた部分と)の境界線と第1面130との交点における当該境界線に対する接線方向とすることができる。
【0053】
なお、第1角度α1は、第1利得領域160に発生する光の第1面130に対する入射角であるともいえ、第2角度α2は、第2利得領域170に発生する光の第1面130に対する入射角であるともいえる。
【0054】
図示の例では、第1角度α1と第2角度α2とは、同じ大きさの鋭角であり、臨界角以上である。これにより、第1面130は、利得領域160,170に発生する光を、全反射させることができる。
【0055】
第1利得領域160と第2利得領域170とは、それぞれの帯状形状の長手方向が第2面132の垂線Pに対して同じ傾き(同じ方向)で傾いて第2面132と接続している。より具体的には、利得領域160,170は、垂線Pに対して第3角度βで傾いて第2面132と接続している。利得領域160,170の長手方向は、第2面132近傍における利得領域160,170の延在方向である。例えば、これらは、利得領域160、170(と利得領域160、170を除いた部分と)の境界線と第2面132との交点における当該境界線に対する接線方向とすることができる。第3角度βは、臨界角より小さい角度であれば、0°であってもよい。これにより、第1利得領域160の第2端面182から出射される光20と、第2利得領域170の第4端面186から出射される光22とは、同一の方向に進むことができる。端面182,186は、光出射部であるといえる。
【0056】
なお、第3角度βは、利得領域160,170に発生する光の第2面132に対する入射角であるともいえる。
【0057】
以上のとおり、角度α1,α2を臨界角以上とし、角度βを臨界角より小さくすることにより、利得領域160,170に発生する光の波長帯において、第1面130の反射率を、第2面132の反射率より高くすることができる。すなわち、第1面130は、反射面となることができ、第2面132は、光出射面となることができる。つまり、反射面となる第1面130に設けられた第1端面180および第3端面184は、利得領域160,170に発生する光を反射させる反射部となることができる。光出射面となる第2面132に設けられた第2端面182および第4端面186は、利得領域160,170に発生する光を出射させる光出射部となることができる。
【0058】
なお、図示はしないが、例えば、第1面130を反射膜で覆い、第2面132を反射防止膜で覆ってもよい。これにより、利得領域160,170に発生する光の波長帯において、第1面130の反射率を、第2面132の反射率より高くすることもできる。反射膜および反射防止膜としては、SiO層、Ta層、Al層、TiN層、TiO層、SiON層、SiN層や、これらの多層膜などを用いることができる。
【0059】
さらに、第3角度βは、0°より大きい角度とすることができる。これにより、第2端面182と第4端面186との間で、利得領域160,170に発生する光を、多重反射させないことができる。その結果、直接的な共振器を構成させないことができるため、利得領域160,170に発生する光のレーザー発振を抑制することができる。
【0060】
第1利得領域160は、第1利得部分162を有する。同様に、第2利得領域170は、第2利得部分172を有する。
【0061】
第1利得部分162および第2利得部分172は、例えば、第1面130と接続している。すなわち、第1利得部分162は、第1面130との接続部分において第1利得領域160の第1端面180を構成し、第2利得部分172は、第1面130との接続部分において第2利得領域170の第3端面184を構成している。
【0062】
第1利得部分162は、図1に示すように平面視において、所定の幅を有する帯状の長手形状(長手方向と短手方向を有する形状)を備え、平面視における面内方向に沿って第1の曲率を備えた形状である。第2利得部分172は、平面視において、所定の幅を有する帯状の長手形状を備え、平面視における面内方向に沿って第2の曲率を備えた形状である。第1の曲率と第2の曲率とは、同じ値であってもよし、異なる値であってもよい。図示の例では、第1利得部分162および第2利得部分172は、円弧の形状を有し、同じ曲率半径を有している。第2利得部分172の円弧の長さは、図1に示すように、第1利得部分162の円弧の長さより小さくてもよい。例えば、第1利得部分162は、点O1を中心とする円弧の形状を有し、第2利得部分172は、点O2を中心とする円弧の形状を有する。点O1は、端面180,184を通る垂線Pに対して、第4面136側に位置し、点O2は、該垂線Pに対して、第3面134側に位置している。
【0063】
利得領域160,170に発生する光は、利得部分162,172を含む積層体120の垂直断面の有効屈折率(以下、単に「利得部分162,172の有効屈折率」という)と、利得領域160,170を避けた積層体120の垂直断面の有効屈折率(以下、単に「利得領域160,170を避けた部分の有効屈折率」という)と、の差により、円弧状の利得部分162,172内を進行することができる。
【0064】
利得部分162,172の曲率半径は、利得部分162,172の有効屈折率と、利得領域160,170を避けた部分の有効屈折率と、の差によるが、例えば、800μm以上である。利得部分162,172の曲率半径が、800μm未満であると、効率よく利得部分162,172内の光を導波させることができない場合がある。好ましくは、利得部分162,172の曲率半径は、1600μm程度である。これにより、不必要に発光装置100全体を大きくすることなく、効率よく利得部分162,172内の光を導波させることができる。
【0065】
第1利得領域160は、さらに、第3利得部分164を有することができる。同様に、第2利得領域170は、さらに、第4利得部分174を有することができる。
【0066】
第3利得部分164は、第1利得部分162から第2面132まで、直線状に設けられており、所定の幅を有する帯状の長手形状を備えている。第3利得部分164は、第2面132との接続部分において第1利得領域160の第2端面182を構成している。第3利得部分164は、円弧状の第1利得部分162と滑らかに接続されている。例えば、第3利得部分164は、利得部分162,164の境界上の点における第1利得部分162の接線と平行となるように設けられている。第3利得部分164は、垂線Pに対して、第3角度βで傾斜している。
【0067】
第4利得部分174は、第2利得部分172から第2面132まで、直線状に設けられており、所定の幅を有する帯状の長手形状を備えている。第4利得部分174は、第2面132との接続部分において第2利得領域170の第4端面186を構成している。第4利得部分174は、円弧状の第2利得部分172と滑らかに接続されている。例えば、利得部分174は、利得部分172,174の境界上の点における第2利得部分172の接線と平行となるように設けられている。第4利得部分174は、垂線Pに対して、第3角度βで傾斜している。第3利得部分164および第4利得部分174は、互いに平行である。第4利得部分174の長さは、図1に示すように、第3利得部分164の長さより大きくてもよい。
【0068】
第2クラッド層108は、図2に示すように、活性層106上に形成されている。第2クラッド層108としては、例えば、第2導電型(例えばp型)のInGaAlP層などを用いることができる。
【0069】
例えば、p型の第2クラッド層108、不純物がドーピングされていない活性層106、およびn型の第1クラッド層104により、pinダイオードが構成される。第1クラッド層104および第2クラッド層108の各々は、活性層106よりも禁制帯幅が大きく、屈折率が小さい層である。活性層106は、光を発生させ、かつ光を増幅しつつ導波させる機能を有する。第1クラッド層104および第2クラッド層108は、活性層106を挟んで、注入キャリア(電子および正孔)並びに光を閉じ込める機能(光の漏れを抑制する機能)を有する。
【0070】
発光装置100は、第1電極112と第2電極114との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加する(電流を注入する)と、活性層106に利得領域160,170を生じ、利得領域160,170において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。この生じた光を起点として、連鎖的に誘導放出が起こり、利得領域160,170内で光の強度が増幅される。
【0071】
例えば、図1に示すように、第1利得領域160に生じ、第1面130側に向かう光10は、第1利得領域160内で増幅された後、第1面130において反射して、第2利得領域170の第4端面186から出射光22として出射されるが、反射後の第2利得領域170内においても光強度が増幅される。同様に、第2利得領域170に生じ、第1面130側に向かう光は、第2利得領域170内で増幅された後、第1面130において反射して、第1利得領域160の第2端面182から出射光20として出射されるが、反射後の第1利得領域160内においても光強度が増幅される。
【0072】
なお、第1利得領域160に発生する光には、直接、第2端面182から出射光20として出射されるものもある。同様に、第2利得領域170に発生する光には、直接、第4端面186から出射光22として出射されるものもある。これらの光も同様に各利得領域160,170内において増幅される。
【0073】
コンタクト層110は、図2に示すように、第2クラッド層108上に形成されている。すなわち、コンタクト層110は、第2クラッド層108の活性層106側とは反対側に形成されているといえる。コンタクト層110は、第2電極114とオーミックコンタクトすることができる。コンタクト層110の上面113は、コンタクト層110と第2電極114との接触面であるといえる。コンタクト層110としては、例えば、p型のGaAs層などを用いることができる。
【0074】
コンタクト層110と、第2クラッド層108の一部とは、柱状部111を構成することができる。柱状部111の積層体120の積層方向から見た平面形状は、利得領域160,170の積層体120の積層方向から見た平面形状と同じである。すなわち、コンタクト層110の上面113の平面形状は、利得領域160,170の平面形状と同じであるといえる。例えば、柱状部111の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域160,170の平面形状が決定される。なお、図示はしないが、柱状部111の側面を傾斜させることもできる。
【0075】
絶縁層116は、第2クラッド層108上であって、柱状部111の側方に形成されている。絶縁層116は、柱状部111の側面に接していることができる。絶縁層116の上面は、例えば、コンタクト層110の上面113と連続している。絶縁層116としては、例えば、SiN層、SiO層、SiON層、Al層、ポリイミド層などを用いることができる。
【0076】
絶縁層116として上記の材料を用いた場合、電極112,114間の電流は、絶縁層116を避けて、該絶縁層116に挟まれた柱状部111を流れることができる。絶縁層116は、活性層106の屈折率よりも小さい屈折率を有することができる。この場合、絶縁層116を形成した部分の垂直断面の有効屈折率は、絶縁層116を形成しない部分、すなわち、柱状部111が形成された部分の垂直断面の有効屈折率よりも小さくなる。これにより、平面方向において、利得領域160,170内に効率良く光を閉じ込めることができる。なお、図示はしないが、絶縁層116として上記の材料を用いず、空気層としてもよい。この場合、空気層が絶縁層116として機能することができる。
【0077】
第1電極112は、基板102の下の全面に形成されている。第1電極112は、該第1電極112とオーミックコンタクトする層(図示の例では基板102)と接していることができる。第1電極112は、基板102を介して、第1クラッド層104と電気的に接続されている。第1電極112は、発光装置100を駆動するための一方の電極である。第1電極112としては、例えば、基板102側からCr層、AuGe層、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。
【0078】
なお、第1クラッド層104と基板102との間に、第2コンタクト層(図示せず)を設け、基板102と反対側からのドライエッチングなどにより該第2コンタクト層を基板102と反対側に露出させ、第1電極112を第2コンタクト層上に設けることもできる。これにより、片面電極構造を得ることができる。この形態は、基板102が絶縁性である場合に特に有効である。
【0079】
第2電極114は、コンタクト層110の上面113に接して形成されている。さらに、第2電極114は、図2に示すように、絶縁層116上に形成されていてもよい。第2電極114は、コンタクト層110を介して、第2クラッド層108と電気的に接続されている。第2電極114は、発光装置100を駆動するための他方の電極である。第2電極114としては、例えば、コンタクト層110側からCr層、AuZn層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。
【0080】
以上、本実施形態に係る発光装置100の一例として、InGaAlP系の場合について説明したが、発光装置100は、発光利得領域が形成可能なあらゆる材料系を用いることができる。半導体材料であれば、例えば、AlGaN系、GaN系、InGaN系、GaAs系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、ZnCdSe系などの半導体材料を用いることができる。
【0081】
また、以上の例では、いわゆる屈折率導波型の発光装置100について説明した。発光装置100は、いわゆる利得導波型でもよいが、利得部分162,172の有効屈折率と、利得領域160,170を避けた部分の有効屈折率と、に所定の差を設けることを考慮すると、少なくとも曲率を有する利得部分162,172については、屈折率導波型の構造を有することが望ましい。
【0082】
本実施形態に係る発光装置100は、例えば、プロジェクター、ディスプレイ、照明装置、計測装置などの光源に適用されることができる。
【0083】
本実施形態に係る発光装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0084】
発光装置100によれば、第1利得領域160は、第1の曲率を備えた第1利得部分162を有し、第2利得領域170は、第2の曲率を備えた第2利得部分172を有する。そのため、利得領域160,170に発生する光の第2面132に対する入射角βを大きくすることなく、第1利得領域160の第2端面182と、第2利得領域170の第4端面186と、の間隔D(光出射部の間隔D)を大きくすることができる。これにより、出射光の放射パターンが歪むことを抑制することができ、例えば発光装置をプロジェクターの光源に用いた場合に、ライドバルブを均一に照明することができる。
【0085】
例えば、直線状の形状を有する利得領域を用いた形態では、光出射部の間隔を大きくしようとすると、出射面の垂線に対する利得領域の傾き(利得領域に発生する光の出射面に対する入射角)が大きくなってしまい、放射パターンが悪化することがある。本実施形態に係る発光装置100は、このような問題を回避することができる。
【0086】
さらに、発光装置100によれば、第1面から第2面まで直線状である利得領域を用いた例に比べて、利得領域の全長を大きくせずに、間隔Dを大きくすることができる。そのため、多大な電流を流す必要はなく、消費電力を抑えることができる。さらに、利得領域の全長を大きくしなくてよいので、装置全体の小型化を図ることができる。そのため、資源が無駄となることもなく、製造コストを抑えることができる。
【0087】
例えば、利得領域の全長が大きくなると、一般的に、高出力化を図ることはできるが、反転分布を得るために多大な電流を流さなくてはならず、その結果、所定の光出力以上で用いなければ、高効率化を図ることができない。すなわち、所定の光出力未満では、効率が悪化してしまう。さらに、利得領域の全長が大きくなると、素子全体の面積が大きくなり、資源の無駄や製造コストの向上などの問題が生じる。実施形態に係る発光装置100は、このような問題を回避することができる。
【0088】
以上のように、発光装置100では、放射パターンが良好で、小型化を図りつつ、複数の間隔Dを大きくすることができる。より具体的には、発光装置100では、光出射部の間隔Dを0.262mm以上1.909mm以下とし、角度βを5°以下とし、利得領域160,170の全長を1.5mm以上3mm以下とすることができる。
【0089】
発光装置100によれば、第1利得領域160は、垂線Pに対して第1角度α1で傾いて第1面130と接続し、第2利得領域170は、垂線Pに対して第2角度α2で傾いて第1面130と接続することができる。そして、第1角度α1と第2角度α2とは、臨界角以上であって、同じ大きさであることができる。そのため、第1面130(端面180,184)は、利得領域160,170に発生する光を、全反射させることができる。したがって、発光装置100では、第1面130(端面180,184)における光損失を抑制することができ、効率よく光を反射させることができる。さらに、第1面130に反射膜を形成する工程が不要となるので、製造コストおよび製造に必要な材料・資源を削減することができる。
【0090】
発光装置100によれば、第1面130は、劈開によって形成された劈開面であることができる。そのため、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によって形成する場合に比べて、精度よく第1面130を形成することができ、端面180,184における光散乱を小さくすることができる。したがって、発光装置100では、第1面130における光損失を抑制することができ、効率よく光を反射させることができる。
【0091】
2. 発光装置の製造方法
次に、本実施形態に係る発光装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3および図4は、本実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図であって、図2に対応している。
【0092】
図3に示すように、基板102上に、第1クラッド層104、活性層106、第2クラッド層108、およびコンタクト層110を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いることができる。
【0093】
図4に示すように、コンタクト層110および第2クラッド層108をパターニングする。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて行われる。本工程により、柱状部111を形成することができる。
【0094】
図2に示すように、柱状部111の側面を覆うように絶縁層116を形成する。具体的には、まず、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、塗布法などにより、第2クラッド層108の上方(コンタクト層110上を含む)に絶縁部材(図示せず)を成膜する。次に、例えば、エッチング技術などを用いて、コンタクト層110の上面113を露出させる。以上の工程により、絶縁層116を形成することができる。
【0095】
次に、コンタクト層110上および絶縁層116上に第2電極114を形成する。次に、基板102の下面下に第1電極112を形成する。第1電極112および第2電極114は、例えば、真空蒸着法により形成される。なお、第1電極112および第2電極114の形成順序は、特に限定されない。
【0096】
以上の工程により、本実施形態に係る発光装置100を製造することができる。
【0097】
発光装置100の製造方法によれば、放射パターンが良好で、小型化を図りつつ、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる発光装置100を得ることができる。
【0098】
3. 発光装置の変形例
次に、本実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。以下、本実施形態の変形例に係る発光装置において、本実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0099】
3.1. 第1変形例に係る発光装置
まず、本実施形態の第1変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態の第1変形例に係る発光装置200を模式的に示す平面図である。なお、図5では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
【0100】
発光装置100の例では、図1に示すように、曲率を有する利得部分162,172は、第1面130と接続していた。これに対し、発光装置200では、図5に示すように、直線状の利得部分166,176が第1面130と接続している。
【0101】
すなわち、第1利得領域160は、第1面130から第1利得部分162まで、直線状に設けられ、かつ所定の幅を有する帯状の長手形状を持つ第5利得部分166を有する。つまり、第5利得部分166の第1面130との接続部分においては、第1利得領域160の第1端面180を構成している。第5利得部分166は、垂線Pに対して一方側(例えば第3面134側)に第1角度α1で傾いている。第5利得部分166の長手方向は、第1面130近傍における第5利得部分166の延在方向であり、例えば、第5利得部分166(と第1利得領域160を除いた部分と)の境界線の方向ともいえる。第5利得部分166は、円弧状の第1利得部分162と滑らかに接続されている。例えば、第5利得部分166は、利得部分162,166の境界上の点における第1利得部分162の接線と平行となるように設けられている。
【0102】
第2利得領域170は、第1面130から第2利得部分172まで、直線状に設けられ、かつ所定の幅を有する帯状の長手形状を持つ第6利得部分176を有する。つまり、第6利得部分176の第1面130との接続部分においては、第2利得領域170の第3端面184を構成している。第6利得部分176は、垂線Pに対して他方側(例えば第4面136側)に第2角度α2で傾いている。第6利得部分176の長手方向は、第1面130近傍における第6利得部分176の延在方向であり、例えば、第6利得部分176(と第2利得領域170を除いた部分と)の境界線の方向ともいえる。第6利得部分176は、円弧状の第2利得部分172と滑らかに接続されている。例えば、第6利得部分176は、利得部分172,176の境界上の点における第2利得部分172の接線と平行となるように設けられている。利得部分166,176は、垂線Pに関して対称に配置されていてもよい。
【0103】
発光装置200によれば、上述のように、直線状の利得部分166,176が、第1面130に設けられた端面180,184を構成している。そのため、発光装置200では、発光装置100の例に比べて、第1利得領域160において発生し第1面130(端面180,184)において反射する光を、より確実に第2利得領域170に入射させることができる。同様に、第2利得領域170において発生し第1面130(端面180,184)において反射する光を、より確実に第1利得領域160に入射させることができる。
【0104】
3.2. 第2変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第2変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の第2変形例に係る発光装置300を模式的に示す平面図である。図7は、本実施形態の第2変形例に係る発光装置300を模式的に示す断面図であって、図6のVII−VII線断面図である。図8は、本実施形態の第2変形例に係る発光装置300を模式的に示す断面図であって、図6のVIII−VIII線断面図である。なお、図6では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
【0105】
発光装置100の例では、図2に示すように、柱状部111は、コンタクト層110と、第2クラッド層108の一部と、によって構成されていた。これに対し、発光装置200では、図7に示すように、利得部分162,172の平面形状を形成する柱状部111は、コンタクト層110と、第2クラッド層108と、活性層106と、第1クラッド層104と、基板102の一部と、によって構成されている。
【0106】
なお、図示はしないが、利得部分162,172の平面形状を形成する柱状部111は、例えば、コンタクト層110、第2クラッド層108、活性層106、第1クラッド層104から構成されていてもよい。
【0107】
絶縁層116としては、上述のように、SiN層、SiO層、SiON層、Al層などの誘電体絶縁層や、ポリイミド層などの紫外線効果樹脂層または熱硬化樹脂層を用いることができる。また、これらを積層させて絶縁層116としてもよい。なお、利得部分162,172の有効屈折率と、利得領域160,170を避けた部分の有効屈折率と、に所定の差を設けることを考慮すると、絶縁層116は、柱状部111との屈折率差の大きい誘電体絶縁層を用いることが望ましい。例えば、まず、誘電体絶縁層をCVD法やスパッタ法で成膜した後、ポリイミド層を塗布法により形成して、絶縁層116としてもよい。これにより、誘電体絶縁層を厚く成膜して絶縁層116とする場合に比べて、簡易に(短時間で)絶縁層116を形成することができる。
【0108】
発光装置300によれば、発光装置100に比べて、利得部分162,172の有効屈折率と、利得領域160,170を避けた有効屈折率と、の差を大きくすることができ(所望の値にすることができ)、より効率よく利得部分162,172内の光を導波させることができる。
【0109】
なお、直線状の利得部分164,174の平面形状を形成する柱状部111は、図8に示すように、コンタクト層110と、第2クラッド層108の一部と、によって構成されていることが望ましい。仮に、利得部分164,174の平面形状を形成する柱状部111を、図7に示すように、コンタクト層110と、第2クラッド層108と、活性層106と、第1クラッド層104と、基板102の一部と、によって構成すると、利得領域160,170を、高次のモード(利得領域を横断する方向(水平面内で、伝播方向に垂直な方向)の波数がより大きなモード)が伝播し、放射パターンが悪化することがある。
【0110】
また、絶縁層116として上記材料を用いず、空気層としてもよい。この場合、空気は、利得部分162,172の有効屈折率と、利得領域160,170を避けた有効屈折率と、の差を大きくすることができる(空気の屈折率は約1.0、SiNの屈折率は約2.1)。
【0111】
なお、図5に示したように、直線状の第5利得部分166および第6利得部分176を、さらに有する形態では、利得部分166,176の平面形状を形成する柱状部111は、利得部分164,174と同様に、コンタクト層110と、第2クラッド層108の一部と、によって構成されていることが望ましい。
【0112】
3.3. 第3変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第3変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図9は、本実施形態の第3変形例に係る発光装置400を模式的に示す平面図である。なお、図9では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
【0113】
発光装置100の例では、図1に示すように、第1利得領域160は、直線状の第3利得部分164を有し、第3利得部分164が第2面132と接続されていた。また、第2利得領域170は、直線状の第4利得部分174を有し、第4利得部分174が第2面132と接続されていた。
【0114】
これに対し、発光装置400は、図9に示すように、直線状の利得部分164,174を有していない。すなわち、曲率を備えた第1利得部分162は、第1面130から第2面132まで設けられている。同様に、曲率を備えた第2利得部分172は、第1面130から第2面132まで設けられている。第1利得部分162の第2面132との接続部分は、第1利得領域160の第2端面182を構成している。第2利得部分172の第2面132との接続部分は、第2利得領域170の第2端面186を構成している。
【0115】
第1利得部分162の曲率と、第2利得部分172の曲率とは、同じであってもよい。第1利得部分162および第2利得部分172は、第2側面132と直交して接続されていてもよい。
【0116】
発光装置400によれば、直線状の部分がないので、その分、小型化を図ることができる。
【0117】
3.4. 第4変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第4変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図10は、本実施形態の第4変形例に係る発光装置500を模式的に示す平面図である。なお、図10では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
【0118】
発光装置100の例では、図1に示すように、第1利得領域160および第2利得領域170は、1つずつ設けられていた。これに対し、発光装置500では、図10に示すように、第1利得領域160および第2利得領域170の各々は、複数設けられている。
【0119】
すなわち、第1利得領域160および第2利得領域170は、利得領域対550を構成することができ、発光装置500では、複数の利得領域対550が設けられている。図示の例では、3つの利得領域対550が設けられているが、その数は特に限定されない。
【0120】
複数の利得領域対550は、垂線Pの延びる方向と直交する方向に沿って、配列されている。より具体的には、隣り合う利得領域対550において、一方の利得領域対550の第4端面186と、他方の利得領域対550の第2端面182と、の間隔がDとなるように(光出射部の間隔となるように)配列されている。これにより、後述するレンズアレイに、簡易に光20,22を入射させることができる。
【0121】
発光装置500によれば、発光装置100の例に比べて、高出力化を図ることができる。
【0122】
4. プロジェクター
次に、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。図11は、本実施形態に係るプロジェクター700を模式的に示す図である。図12は、本実施形態に係るプロジェクター700の一部を模式的に示す図である。なお、図11では、便宜上、プロジェクター700を構成する筐体を省略し、さらに光源600を簡略化して図示している。また、図12では、便宜上、光源600、レンズアレイ702、および液晶ライトバルブ704について図示し、さらに光源600を簡略化して図示している。
【0123】
プロジェクター700は、図11に示すように、赤色光、緑色光、青色光を出射する赤色光源600R、緑色光源600G、青色光源600Bを含む。光源600R,600G,600Bは、本発明に係る発光装置を有する。以下の例では、本発明に係る発光装置として発光装置500を有する光源600R,600G,600Bについて説明する。
【0124】
図13は、本実施形態に係るプロジェクター700の光源600を模式的に示す図である。図14は、本実施形態に係るプロジェクター700の光源600を模式的に示す図13のXIV−XIV線断面図である。
【0125】
光源600は、図13および図14に示すように、発光装置500と、ベース610と、サブマウント620と、を有することができる。
【0126】
2つの発光装置500と、サブマウント620とは、構造体630を構成することができる。構造体630は、複数設けられ、図13に示すように、発光装置500の光出射部となる端面182,186の配列方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に配列している。構造体630は、X軸方向の光出射部の間隔と、Y軸方向の光出射部の間隔と、が同じになるように、配列されることができる。これにより、発光装置500から出射される光を、簡易に、レンズアレイ702に入射させることができる。
【0127】
構造体630を構成する2つの発光装置500は、サブマウント620を挟んで配置されている。図13および図14に示す例では、2つの発光装置500は、サブマウント620を介して第2電極114同士が対向するように配置されている。サブマウント620の第2電極114と接する面には、例えば、配線が形成されている。これにより、複数の第2電極114の各々に、個別に電圧を供給することができる。サブマウント620の材質としては、例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムが挙げられる。
【0128】
ベース610は、構造体630を支持している。図14に示す例では、ベース610は、複数の発光装置500の第1電極112と接続されている。これにより、ベース610は、複数の第1電極112の共通電極として機能することができる。ベース610の材質としては、例えば、銅、アルミニウムが挙げられる。図示はしないが、ベース610は、ペルチェ素子を介して、ヒートシンクと接続されていてもよい。
【0129】
なお、構造体630の形態は、図13および図14に示す例に限定されない。例えば、図15に示すように、構造体630を構成する2つの発光装置500は、サブマウント620を介して、一方の発光装置500の第1電極112と、他方の発光装置500の第2電極114とが対向するように配置されていてもよい。また、図16に示すように、2つの発光装置500の第1電極112が、共通電極となるように配置されていてもよい。
【0130】
図11に示すように、プロジェクター700は、さらに、レンズアレイ702R,702G,702Bと、透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)704R,704G,704Bと、投射レンズ(投射装置)708と、を含む。
【0131】
光源600R,600G,600Bから出射された光は、各レンズアレイ702R,702G,702Bに入射する。図12に示すように、レンズアレイ702は、光源600側に、光出射部182,186から出射される光20,22が入射する平坦面701を有することができる。平坦面701は、複数の光出射部182,186に対応して複数設けられ、等間隔で配置されている。また、平坦面701の法線は、光20,22の光軸に対して傾斜している。したがって、平坦面701によって、光20,22の光軸を、液晶ライトバルブ704の照射面705に対して、直交させることができる。特に、第2面132と第1利得領域160ならびに第2利得領域170とのなす角度βが0°でない場合、光20,22は各光出射部182,186から第2面132の垂線Pに対して傾いて出射されるため、平坦面701が設けられることが望ましい。
【0132】
レンズアレイ702は、液晶ライトバルブ704側に、凸曲面703を有することができる。凸曲面703は、複数の平坦面701に対応して複数設けられ、等間隔で配置されている。平坦面701において光軸が変換された光20,22は、凸曲面703によって、集光される、または拡散角を小さくされることにより、重畳(一部重畳)されることができる。これにより、均一性よく液晶ライトバルブ704を照射することができる。
【0133】
以上のように、レンズアレイ702は、光源600から出射される光20,22の光軸を制御して、光20,22を集光させることができる。
【0134】
図11に示すように、各レンズアレイ702R,702G,702Bによって集光された光は、各液晶ライトバルブ704R,704G,704Bに入射する。各液晶ライトバルブ704R,704G,704Bは、入射した光をそれぞれ画像情報に応じて変調する。そして、投射レンズ708は、液晶ライトバルブ704R,704G,704Bによって形成された像を拡大してスクリーン(表示面)710に投射する。
【0135】
また、プロジェクター700は、液晶ライトバルブ704R,704G,704Bから出射された光を合成して投射レンズ708に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)706を、含むことができる。
【0136】
各液晶ライトバルブ704R,704G,704Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム706に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射光学系である投射レンズ708によりスクリーン710上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0137】
プロジェクター700によれば、放射パターンが良好で、小型化を図りつつ、複数の光出射部の間隔を所望の値に設計することができる発光装置400を有する。そのため、プロジェクター700では、レンズアレイ702のアライメントが容易で、均一性よく液晶ライトバルブ704を照射することができる。
【0138】
なお、上述の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0139】
また、光源600とレンズアレイ702とは、アライメントされた状態でモジュール化されることが可能である。さらに、光源600とレンズアレイ702とライトバルブ704とが、アライメントされた状態でモジュール化されていてもよい。
【0140】
また、光源600を、光源600からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクター)の光源装置にも適用することが可能である。
【0141】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0142】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0143】
10 光、20 光、22 光、100 発光装置、102 基板、104 第2層、
106 第1層、108 第3層、110 第4層、111 柱状部、
112 第1電極、113 第4層の上面、114 第2電極、116 絶縁層、
120 積層体、130 第1面、132 第2面、134 第3面、136 第4面、
160 第1利得領域、162 第1利得部分、164 第3利得部分、
166 第5利得部分、170 第2利得領域、172 第2利得部分、
174 第4利得部分、176 第6利得部分、180 第1端面、182 第2端面、
184 第3端面、186 第4端面、200〜500 発光装置、
550 利得領域対、600 光源、610 ベース、620 サブマウント、
630 構造体、700 プロジェクター、701 平坦面、702 レンズアレイ、
703 凸曲面、704 液晶ライトバルブ、705 照射面、
706 クロスダイクロイックプリズム、708 投射レンズ、710 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を注入することによって光を発生させ、かつ当該光の導波路を形成する、第1層と、
前記第1層を挟み、かつ前記光の漏れを抑制する第2層および第3層と、
前記第1層に前記電流を注入する電極と、
を含み、
前記電極により得られる前記光の導波路は、帯状の第1領域および帯状の第2領域を有し、
前記第1領域は曲率を備える第1部分を有し、
前記第2領域は曲率を備える第2部分を有し、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層の側面に設けられる反射部にて接続され、
前記反射部が設けられる側面に対向し、出射面となる前記第1層の側面において前記第1領域から出射される第1の光と、当該出射面において前記第2領域から出射される第2の光とは、同じ方向に出射される、ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記反射部は、前記第1層で発生する光の波長帯において、前記出射面における反射率よりも高い反射率を備える、ことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1領域は、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記反射部が設けられた側面の垂線に対して一方側に傾いて前記反射部と接続し、
前記第2領域は、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記反射部が設けられた側面の垂線に対して他方側に傾いて前記反射部と接続する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1領域は、前記垂線に対して第1角度で傾いて前記反射部と接続し、
前記第2領域は、前記垂線に対して第2角度で傾いて前記反射部と接続し、
前記第1角度と前記第2角度とは、臨界角以上であって、同じ大きさである、ことを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層、前記第2層、前記第3層の積層方向から見て、同じ方向で前記出射面に接続されている、ことを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層、前記第2層、前記第3層の積層方向から見て、前記出射面の垂線に対して傾いて前記出射面に接続する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層、前記第2層、前記第3層の積層方向から見て、前記出射面の垂線に対して平行に前記出射面に接続する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項において、
前記第1領域は、
前記第1部分から前記出射面まで、直線状に設けられた第3部分を有し、
前記第2領域は、
前記第2部分から前記出射面まで、直線状に設けられた第4部分を有する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項において、
前記第1領域は、
前記反射部から前記第1部分まで、直線状に設けられた第5部分を有し、
前記第2領域は、
前記反射部から前記第2部分まで、直線状に設けられた第6部分を有する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項10】
請求項1ないし7のいずれか1項において、
前記第1部分は、前記反射部および前記出射面に接続し、
前記第2部分は、前記反射部および前記出射面に接続する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項において、
前記第1部分および前記第2部分は、前記第1層、前記第2層、前記第3層の積層方向から見て、円弧の形状を有する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項において、
前記反射部が設けられた側面は、劈開面である、ことを特徴とする発光装置。
【請求項13】
第1層と、前記第1層を挟む第2層および第3層と、を有する積層体を含み、
前記第1層は、
光を発生させて導波させる、第1利得領域および第2利得領域を有し、
前記第2層および前記第3層は、
前記第1利得領域および前記第2利得領域に発生する光の漏れを抑制する層であり、
前記第1層は、
前記積層体の外形を形成し、互いに対向する第1面および第2面を有し、
前記第1利得領域および前記第2利得領域に発生する光の波長体において、前記第1面の反射率は、前記第2面の反射率よりも高く、
前記第1利得領域および前記第2利得領域は、前記第1面から前記第2面まで設けられ、
前記第1利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、前記第1面の垂線に対して一方側に傾いて前記第1面と接続し、
前記第2利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、前記垂線に対して他方側に傾いて前記第1面と接続し、
前記第1利得領域と前記第2利得領域とは、前記積層体の積層方向から見て、同じ方向で前記第2面と接続し、
前記第1利得領域の前記第1面側の端面と、前記第2利得領域の前記第1面側の端面とは、前記第1面において重なっており、
前記第1利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、第1の曲率を備えた第1利得部分を有し、
前記第2利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、第2の曲率を備えた第2利得部分を有する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の発光装置と、
前記発光装置から出射された光を集光するマイクロレンズと、
前記マイクロレンズによって集光された光を、画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
を含む、ことを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−190906(P2012−190906A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51569(P2011−51569)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】