監視カメラシステム及び顔画像追跡記録方法
【課題】常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握可能にし、オペレータの監視に要する労力を軽減する。
【解決手段】コンピュータ7からIPカメラ1〜5に顔画像を送信し、各IPカメラ1〜5はそれぞれ受信した顔画像を顔画像記録部14に記録する。IPカメラ1〜5は撮影画像から顔画像を切り出し、顔画像記録部14内のメモリに記録されている顔画像との顔認証を行う。顔認証で照合された場合、顔画像、カメラ番号および撮影時刻をコンピュータ7に送信する。コンピュータ7は、受信した顔画像を時系列にディスプレイ装置8に表示する。
【解決手段】コンピュータ7からIPカメラ1〜5に顔画像を送信し、各IPカメラ1〜5はそれぞれ受信した顔画像を顔画像記録部14に記録する。IPカメラ1〜5は撮影画像から顔画像を切り出し、顔画像記録部14内のメモリに記録されている顔画像との顔認証を行う。顔認証で照合された場合、顔画像、カメラ番号および撮影時刻をコンピュータ7に送信する。コンピュータ7は、受信した顔画像を時系列にディスプレイ装置8に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラで撮影された画像を用い、対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステム及び顔画像追跡記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図14は従来の監視カメラシステムの構成例を示す図である。IP(インターネット・プロトコル)監視カメラシステムは、複数のIPカメラ100およびコンピュータ200がネットワーク(LAN)150に接続された構成を有する。
【0003】
IPカメラ100は、レンズ部111、撮像部112およびネットワーク接続部113を有し、レンズ部111を介して撮像部112により撮影された画像を、ネットワーク接続部113に接続されたLAN150を経由してコンピュータ200に送信する。
【0004】
一方、コンピュータ200は、制御部201、表示部202、操作部203、ネットワーク接続部204、メモリ部205等を有し、LAN150に接続されたネットワーク接続部204を通じてIPカメラ100からの画像を受信する。また、コンピュータ200は、受信した画像を表示部202に表示する画像表示機能、操作部203の指示に従って受信した画像をメモリ部205に記録する画像記録機能、LAN150を経由してIPカメラ100の各種設定を行うカメラコントロール機能を有する。
【0005】
このような構成を有するIP監視カメラシステムは、各IPカメラ100で撮影された画像をLAN150経由でコンピュータ200に転送し、その撮影画像をコンピュータ200の表示部202に表示するとともに、必要に応じてメモリ部205に記録する。
【0006】
また、特許文献1に開示されているような特定人物検出システムも提案されている。このシステムでは、以下の動作を行う。駅の自動券売機で切符を購入する利用者をビデオカメラで撮影し、その映像から顔画像を切り出し、顔画像から利用者の顔特徴量データを作成する。この利用者の顔特徴量データと予めデータベースに登録された特定人物の顔特徴量データとを照合し、照合の結果から利用者が特定人物である可能性を判定する。そして、利用者が特定人物である可能性が高い場合には警察署に報知する。
【特許文献1】特開2003−187352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の監視カメラシステムでは、オペレータがコンピュータの表示部に表示された画像を常に監視し、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握する必要があった。このため、オペレータは注意を集中し続けなければならず、多くの労力を必要としていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減することが可能な監視カメラシステム及び顔画像追跡記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の監視カメラシステムは、対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラと情報処理装置とがネットワークを介して接続され、前記カメラで撮影された画像を用いて前記対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステムであって、前記カメラは、顔画像が登録された顔画像記憶手段と、撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出手段と、前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証手段と、前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する顔画像情報送信手段とを備え、前記情報処理装置は、前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信手段と、前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録する記録手段と、前記記録された顔画像を表示する表示手段とを備えたものである。
【0010】
上記構成により、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減できる。
【0011】
また、本発明は、上記の監視カメラシステムであって、特定の前記カメラは、前記対象範囲内の所定の場所を撮影するように設置され、前記撮影された所定の場所の画像から顔画像を検出し、前記検出された顔画像を前記情報処理装置に送信するものであり、前記情報処理装置は、前記特定のカメラから送信された顔画像を受信し、前記受信した顔画像を他の前記カメラに配信する配信手段を備え、前記他のカメラは、前記情報処理装置から配信された顔画像を前記顔画像記憶手段に登録する登録手段を備えるものとする。
【0012】
上記構成により、予め人物を特定することなく、対象範囲内に存在する人物を監視することができる。
【0013】
また、本発明は、上記の監視カメラシステムであって、前記カメラは、特定の人物の顔画像を前記顔画像記憶手段に登録する登録手段を備えるものとする。
【0014】
上記構成により、例えば以前に撮影された特定の人物の画像を登録することで、特定の人物に絞った監視を行うことができる。
【0015】
また、本発明は、上記の監視カメラシステムであって、前記情報処理装置に無線ネットワークを介して接続される携帯端末を備え、前記情報処理装置は、前記受信した顔画像に関する情報を前記携帯端末に転送する転送手段を備え、前記携帯端末は、前記転送された顔画像に関する情報を表示する表示手段を備えるものとする。
【0016】
上記構成により、例えば複数のカメラで撮影された人物の顔画像情報を携帯端末に送信することができ、携帯端末を保持する者はその人物を容易に発見することができる。
【0017】
また、本発明は、上記の監視カメラシステムであって、前記表示手段は、カメラ毎に前記記録された顔画像を時系列に表示するものとする。
【0018】
上記構成により、対象範囲内に存在する人物の様子など、人物の足跡を容易に把握することができる。
【0019】
また、本発明は、上記のいずれかの監視カメラシステムであって、前記顔画像に関する情報は、顔画像、カメラ番号および撮影時刻を含むものとする。
【0020】
上記構成により、顔画像、カメラ番号、撮影時刻をコンピュータに時系列に記録することができ、人物が何時何分にどのカメラに映っていたか等の履歴を知ることができる。
【0021】
本発明の顔画像追跡記録方法は、対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラと情報処理装置とがネットワークを介して接続された監視カメラシステムを用いて、対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する顔画像追跡記録方法であって、前記カメラにおいて、予め顔画像をメモリに登録しておく顔画像登録ステップと、撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出ステップと、前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証ステップと、前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信ステップとを有し、前記情報処理装置において、前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信ステップと、前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録装置に記録する記録ステップと、前記記録された顔画像を表示装置に表示する表示ステップとを有するものである。
【0022】
上記手順により、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減できる。
【0023】
本発明のカメラは、ネットワークを介して情報処理装置と接続され、対象範囲を撮影可能に設置された監視カメラシステム用のカメラであって、顔画像が登録された顔画像記憶手段と、撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出手段と、前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証手段と、前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する顔画像情報送信手段とを備えたものである。
【0024】
上記構成により、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減可能な監視カメラシステムを実現できる。
【0025】
本発明の情報処理装置は、対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラとネットワークを介して接続され、前記カメラで撮影された画像を用いて前記対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステム用の情報処理装置であって、前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信手段と、前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録する記録手段と、前記記録された顔画像を表示する表示手段とを備えたものである。
【0026】
上記構成により、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減可能な監視カメラシステムを実現できる。
【0027】
また、本発明は、上記いずれかに記載の監視カメラシステムの各手段の機能をコンピュータにより実現するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減することが可能な監視カメラシステム及び顔画像追跡記録方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本実施形態の監視カメラシステムは、自動顔画像追跡記録システムに適用されるものである。この監視カメラシステムとしての自動顔画像追跡記録システムの構成、及び顔画像追跡記録方法に関する動作について説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態における自動顔画像追跡記録システムの構成を示す図である。この自動顔画像追跡記録システムは、ネットワーク(LAN)6に接続された複数のIPカメラ1〜5およびコンピュータ7から主に構成される。コンピュータ7には、ディスプレイ装置8が接続されている。
【0031】
IPカメラ1は監視対象範囲の入口を撮影できるように設置されている。また、IPカメラ2〜4は監視対象範囲の入口から出口までの途中の場所を撮影できるように設置されている。また、IPカメラ5は監視対象範囲の出口を撮影できるように設置されている。
【0032】
図2はIPカメラの構成を示す図である。IPカメラは、レンズ11、撮像部12、ネットワーク接続部13、顔画像記録部14、顔画像切出部15および顔認証照合部16を有して構成される。このIPカメラは、レンズ11を介して撮像部12により撮影された画像に対し、後述する画像処理を行い、その結果をネットワーク接続部13に接続されたLAN6を経由してコンピュータ7に送信する。ここで、顔画像記録部14、顔画像切出部15および顔認証照合部16の各機能は、IPカメラ内蔵のCPUがROMに格納された制御プログラムを実行することによって実現される。ここで、ネットワーク接続部13が顔画像情報送信手段の一例に相当する。
【0033】
顔画像記録部14は、メモリ(RAM、ハードディスク、磁気テープ等)を有し、顔画像切出部15によって切り出された、あるいはコンピュータ7から送信された顔画像のデータをメモリに記録する。この顔画像記録部14内のメモリが顔画像記憶手段の一例に相当する。
【0034】
顔画像切出部15は、撮影された画像から顔画像を検出し、検出された顔画像を撮影画像から切り出す。この顔画像を検出して切り出す方法として、例えば、背景差分法を用いて撮影画像に含まれる人物などの概略的なオブジェクト画像を取得し、このオブジェクト画像から、目や鼻などの位置を基に、顔部分を認識し、この認識された顔部分あるいは顔部分を含む枠を撮影画像から切り出して顔画像のデータを生成する方法などが挙げられる。この顔画像切出部15が顔画像検出手段の一例に相当する。
【0035】
顔認証照合部16は、切り出された顔画像の顔認証を行う。顔認証技術として、例えばガーバー(Gabor)フィルタを用いた方法が挙げられる。この方法では、顔画像上にある目、鼻、口などの顔器官の特徴点を見つけ、各特徴点でガーバー(Gabor)フィルタによってデータを畳み込むことで、特徴点周辺における色の濃淡等の周期性や方向性を特徴量データとして取り出す。そして、その特徴量データと予めメモリに登録された顔画像の特徴量データとを照合する。この照合の際、両特徴量データの類似度を算出し、この算出された類似度が閾値以上であるか否かを判別し、閾値以上である場合、切り出された顔画像は予め登録された顔画像と一致すると判定する。この顔認証照合部16が顔画像認証手段の一例に相当する。
【0036】
図3はコンピュータ7の構成を示す図である。コンピュータ7は、周知のCPU21、ROM22、RAM23の他、ストレージメモリ24、操作パネル25、I/Oインタフェース(I/F)26、ディスプレイI/F27等がバス28を介して接続された構成を有する。ディスプレイI/F27には、ディスプレイ装置8が接続されている。ストレージメモリ24は、大容量のハードディスク等の記憶媒体からなり、顔画像に関するデータが格納される顔画像記憶部24aを有する。
【0037】
上記構成を有する自動顔画像追跡記録システムの動作を示す。図4はIPカメラ1における撮影時の動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムはIPカメラ1内のROMに内蔵されており、CPUによって所定周期毎に撮影中に実行される。このIPカメラ1は、前述したように、監視対象範囲の入口に設置されており、監視対象範囲に入場する人物の顔画像を撮影可能である。まず、撮影中の画像が記録された記録媒体(メモリ)から撮影画像を取得する(ステップS1)。撮影画像内に顔画像があるか否かを判別する(ステップS2)。顔画像がない場合、そのまま本処理を終了する。
【0038】
一方、顔画像がある場合、顔画像を切り出し、顔画像記録部14内のメモリに格納する(ステップS3)。切り出された顔画像に識別符号を付加する(ステップS4)。図5は撮影画像から切り出される顔画像およびその識別符号を示す図である。ここでは、撮影画像から3人の顔画像が検出され、切り出される3人の顔画像に、顔画像A、顔画像B、顔画像Cと統一的な識別符号が付加されている。
【0039】
そして、識別符号が付加された顔画像、カメラ番号(ここでは、値1)および撮影時刻からなる顔画像情報をコンピュータ7に送信し(ステップS5)、本処理を終了する。
【0040】
図6はコンピュータ7における顔画像配信処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、コンピュータ7内の記憶媒体(ROM22あるいはストレージメモリ24)に格納されており、CPU21によって所定周期毎に実行される。
【0041】
まず、IPカメラ1から識別符号が付加された顔画像、カメラ番号および撮影時刻からなる顔画像情報を受信したか否かを判別する(ステップS11)。顔画像情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。一方、顔画像情報を受信すると、ストレージメモリ24内の顔画像記憶部24aに格納し(ステップS12)、受信した顔画像をディスプレイ装置8に表示する(ステップS13)。さらに、顔画像記憶部24aに格納された、識別番号が付加された顔画像をIPカメラ2〜5に配信する(ステップS14)。このステップS14が配信手段の機能に相当する。この後、本処理を終了する。なお、IPカメラ1内のメモリには、既に識別番号が付加された顔画像が記憶されているので、ステップS14における配信処理では、IPカメラ1に顔画像を送信していないが、送信するようにしてもよい。
【0042】
図7はIPカメラ2〜5における撮影時の動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムはIPカメラ2〜5内の各ROMに内蔵されており、各CPUによって撮影中に所定周期毎に実行される。まず、コンピュータ7から送信される識別符号が付加された顔画像を受信したか否かを判別する(ステップS21)。顔画像を受信していない場合、ステップS23の処理に移行する。一方、顔画像を受信している場合、顔画像記録部14内のメモリにその顔画像を登録する(ステップS22)。このステップS22が登録手段の機能に相当する。
【0043】
そして、撮影中の画像が記録された記録媒体(メモリ)から撮影画像を取得し(ステップS23)、撮影画像内に顔画像があるか否かを判別する(ステップS24)。顔画像がない場合、そのまま本処理を終了する。一方、顔画像がある場合、撮影画像から顔画像を切り出す(ステップS25)。このステップS24、S25が顔画像検出手段の機能に相当する。
【0044】
切り出された顔画像と顔画像記録部14内のメモリに登録された顔画像との顔認証を行う(ステップS26)。このステップS26が顔画像認証手段の機能に相当する。顔認証の結果、両顔画像が一致するか否かを判別し(ステップS27)、一致する場合、切り出された顔画像、カメラ番号および撮影時刻からなる顔画像情報をコンピュータ7に送信する(ステップS28)。このステップS28が顔画像情報送信手段の機能に相当する。この後、本処理を終了する。一方、一致しない場合、そのまま本処理を終了する。なお、IPカメラ1については、既に顔画像記録部14内のメモリに顔画像情報が格納されているので、本処理は行われない。
【0045】
図8はコンピュータ7における顔画像追跡記録動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、コンピュータ7内の記憶媒体(ROM22あるいはストレージメモリ24)に格納されており、CPU21によって所定周期毎に実行される。
【0046】
まず、IPカメラ2〜5のいずれかから顔画像情報を受信したか否かを判別する(ステップS31)。このステップS31が受信手段の機能に相当する。IPカメラ2〜5のいずれからも顔画像情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。一方、IPカメラ2〜5の少なくとも1つから顔画像情報を受信すると、受信した顔画像情報を顔画像記憶部24aに記録する(ステップS32)。このステップS32が記録手段の機能に相当する。そして、顔画像記憶部24aに記録された顔画像を時系列にディスプレイ装置8に表示する(ステップS33)。このステップS33が表示手段の機能に相当する。この後、本処理を終了する。
【0047】
図9は顔画像が時系列に表示されたディスプレイ装置8の画面を示す図である。この画面では、IPカメラ1〜5で撮影された3人の顔画像A、B、Cがカメラ毎に時系列に表示されている。なお、顔画像の表示の仕方は、これに限らず、カメラで区別することなく単に時系列に表示してもよいし、人物毎に分けて時系列に表示するようにしてもよい。
【0048】
このように、第1の実施形態の自動顔画像追跡記録システムによれば、顔画像を用いて、人物A、人物B、人物C毎にどのカメラに何時何分に映っていたかを記録することができるとともに、ディスプレイ装置に表示することができる。したがって、オペレータの監視に要する労力を軽減できる。また、各IPカメラ側で、顔画像を検出してその切り出しを行い、さらに、切り出された顔画像と予め登録されている顔画像との顔認証を行うので、コンピュータ側の処理における負荷を低減できる。
【0049】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の自動顔画像追跡記録システムは、前記第1の実施形態と同一のハードウェア構成を有するので、同一の符号を用いることによりその説明を省略する。第2の実施形態では、ストレージメモリ24内の顔画像記憶部24aには、予め要注意人物の顔画像が登録されており、この要注意人物の監視が行われる。
【0050】
図10は第2の実施形態における顔画像記憶部24aに登録されている要注意人物の顔画像を示す図である。この顔画像は、以前にIPカメラで撮影された要注意人物の顔画像を消去せず、そのまま登録しておいたものでよい。あるいは、デジタルカメラで撮影された顔画像をコンピュータ7に新たに入力して登録したものでもよい。さらには、監視中、IPカメラ1〜5のいずれかで、オペレータが要注意人物であると認識した場合、その顔画像を要注意人物であるとして、コンピュータ7に登録したものでもよい。
【0051】
図11はコンピュータ7における要注意人物の顔画像配信処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、コンピュータ7内の記憶媒体(ROM22あるいはストレージメモリ24)に格納されており、CPU21によって定期的に実行される。
【0052】
まず、顔画像記憶部24aに要注意人物の顔画像が登録されているか否かを判別する(ステップS41)。登録されていない場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS41で要注意人物の顔画像が登録されている場合、その顔画像をIPカメラ1〜5に配信する(ステップS42)。この後、本処理を終了する。
【0053】
これ以降の各IPカメラ1〜5およびコンピュータ7の動作は、前記第1の実施形態と同様である。即ち、IPカメラ1〜5は、コンピュータ7から要注意人物の顔画像を受信すると、顔画像記録部14内のメモリにその顔画像を登録し、撮影画像中に要注意人物の顔画像を認識すると、その顔画像、カメラ番号および撮影時刻からなる顔画像情報をコンピュータ7に送信する。コンピュータ7は、IPカメラ1〜5から送信された顔画像情報を受信すると、顔画像記憶部24aにその顔画像情報を格納するとともに、ディスプレイ装置8に要注意人物の顔画像を時系列に表示する。
【0054】
このように、第2の実施形態の自動顔画像追跡記録システムによれば、予め登録された要注意人物がどのカメラに何時何分に映っていたかを記録することができるとともに、ディスプレイ装置に表示することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
図12は第3の実施形態におけるコンピュータ7の構成を示す図である。前記第1、第2の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことによりその説明を省略する。第3の実施形態では、コンピュータ7は、バス28に接続された無線部29を有し、アンテナ29aを介して携帯端末51とデータ通信可能である。
【0056】
第3の実施形態では、前記第2の実施形態と同様、ストレージメモリ24内の顔画像記憶部24aには、要注意人物の顔画像が登録されており、コンピュータ7から各IPカメラ1〜5にその顔画像が配信されている。そして、IPカメラ1〜5は、前記第2の実施形態と同様、撮影画像中に要注意人物の顔画像を認識すると、その顔画像、カメラ番号および撮影時刻からなる顔画像情報をコンピュータ7に送信する。
【0057】
図13はコンピュータ7における顔画像追跡記録動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、コンピュータ7内の記憶媒体(ROM22あるいはストレージメモリ24)に格納されており、CPU21によって所定周期毎に実行される。
【0058】
まず、IPカメラ1〜5のいずれかから要注意人物の顔画像情報を受信したか否かを判別する(ステップS51)。IPカメラ1〜5のいずれからも顔画像情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。一方、IPカメラ1〜5の少なくとも1つから顔画像情報を受信すると、受信した顔画像情報を顔画像記憶部24aに記録する(ステップS52)。そして、顔画像記憶部部24aに記録された顔画像を時系列にディスプレイ装置8に表示する(ステップS53)。さらに、携帯端末51の表示能力に合わせた解像度の変換処理を行った後(ステップS54)、無線部29を通じて、顔画像情報に含まれる顔画像、カメラ番号および撮影時刻を携帯端末51に送信する(ステップS55)。このステップS55が転送手段の機能に相当する。この後、本処理を終了する。そして、携帯端末51の画面には、コンピュータ7から送信された顔画像等が表示される。
【0059】
このように、第3の実施形態における自動顔画像追跡記録システムによれば、IPカメラ1〜5で撮影された要注意人物の顔画像情報を携帯端末51に送信することができ、携帯端末51を持った、例えばガードマンはその要注意人物を容易に発見することができる。また、コンピュータ7の顔画像記憶部24aに、IPカメラ1〜5の撮影画像から抽出された要注意人物の画像を登録することで、携帯端末51を持ったガードマンは新たな要注意人物の監視をリアルタイムに行うことができる。
【0060】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態では、各IPカメラは固定であったが、自動追尾機能を有するカメラであってもよい。また、カメラの台数は任意の数でよいことは勿論である。
【0062】
また、コンピュータから各IPカメラに登録用の顔画像データを転送する代わりに、コンピュータ側で顔画像の特徴量データを算出し、その特徴量データだけを送信するようにしてもよい。これにより、各IPカメラ側では、顔認証を行う際に特徴量データを算出する処理が省ける。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減することが可能となる効果を有し、カメラで撮影された画像を用い、対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステム等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施形態における自動顔画像追跡記録システムの構成を示す図
【図2】第1の実施形態におけるIPカメラの構成を示す図
【図3】第1の実施形態におけるコンピュータの構成を示す図
【図4】第1の実施形態のIPカメラ1における撮影時の動作処理手順を示すフローチャート
【図5】第1の実施形態における撮影画像から切り出される顔画像およびその識別符号を示す図
【図6】第1の実施形態のコンピュータにおける顔画像配信処理手順を示すフローチャート
【図7】第1の実施形態のIPカメラ2〜5における撮影時の動作処理手順を示すフローチャート
【図8】第1の実施形態のコンピュータにおける顔画像追跡記録動作処理手順を示すフローチャート
【図9】第1の実施形態における顔画像が時系列に表示されたディスプレイ装置の画面を示す図
【図10】本発明の第2の実施形態における顔画像記憶部に登録されている要注意人物の顔画像を示す図
【図11】第2の実施形態のコンピュータにおける要注意人物の顔画像配信処理手順を示すフローチャート
【図12】本発明の第3の実施形態におけるコンピュータの構成を示す図
【図13】第3の実施形態のコンピュータにおける顔画像追跡記録動作処理手順を示すフローチャート
【図14】従来のIPカメラを用いた監視カメラシステムの構成例を示す図
【符号の説明】
【0065】
1〜5 IPカメラ
7 コンピュータ
8 ディスプレイ装置
12 撮像部
13 ネットワーク接続部
14 顔画像記録部
15 顔画像切出部
16 顔認証照合部
24a 顔画像記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラで撮影された画像を用い、対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステム及び顔画像追跡記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図14は従来の監視カメラシステムの構成例を示す図である。IP(インターネット・プロトコル)監視カメラシステムは、複数のIPカメラ100およびコンピュータ200がネットワーク(LAN)150に接続された構成を有する。
【0003】
IPカメラ100は、レンズ部111、撮像部112およびネットワーク接続部113を有し、レンズ部111を介して撮像部112により撮影された画像を、ネットワーク接続部113に接続されたLAN150を経由してコンピュータ200に送信する。
【0004】
一方、コンピュータ200は、制御部201、表示部202、操作部203、ネットワーク接続部204、メモリ部205等を有し、LAN150に接続されたネットワーク接続部204を通じてIPカメラ100からの画像を受信する。また、コンピュータ200は、受信した画像を表示部202に表示する画像表示機能、操作部203の指示に従って受信した画像をメモリ部205に記録する画像記録機能、LAN150を経由してIPカメラ100の各種設定を行うカメラコントロール機能を有する。
【0005】
このような構成を有するIP監視カメラシステムは、各IPカメラ100で撮影された画像をLAN150経由でコンピュータ200に転送し、その撮影画像をコンピュータ200の表示部202に表示するとともに、必要に応じてメモリ部205に記録する。
【0006】
また、特許文献1に開示されているような特定人物検出システムも提案されている。このシステムでは、以下の動作を行う。駅の自動券売機で切符を購入する利用者をビデオカメラで撮影し、その映像から顔画像を切り出し、顔画像から利用者の顔特徴量データを作成する。この利用者の顔特徴量データと予めデータベースに登録された特定人物の顔特徴量データとを照合し、照合の結果から利用者が特定人物である可能性を判定する。そして、利用者が特定人物である可能性が高い場合には警察署に報知する。
【特許文献1】特開2003−187352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の監視カメラシステムでは、オペレータがコンピュータの表示部に表示された画像を常に監視し、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握する必要があった。このため、オペレータは注意を集中し続けなければならず、多くの労力を必要としていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減することが可能な監視カメラシステム及び顔画像追跡記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の監視カメラシステムは、対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラと情報処理装置とがネットワークを介して接続され、前記カメラで撮影された画像を用いて前記対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステムであって、前記カメラは、顔画像が登録された顔画像記憶手段と、撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出手段と、前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証手段と、前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する顔画像情報送信手段とを備え、前記情報処理装置は、前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信手段と、前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録する記録手段と、前記記録された顔画像を表示する表示手段とを備えたものである。
【0010】
上記構成により、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減できる。
【0011】
また、本発明は、上記の監視カメラシステムであって、特定の前記カメラは、前記対象範囲内の所定の場所を撮影するように設置され、前記撮影された所定の場所の画像から顔画像を検出し、前記検出された顔画像を前記情報処理装置に送信するものであり、前記情報処理装置は、前記特定のカメラから送信された顔画像を受信し、前記受信した顔画像を他の前記カメラに配信する配信手段を備え、前記他のカメラは、前記情報処理装置から配信された顔画像を前記顔画像記憶手段に登録する登録手段を備えるものとする。
【0012】
上記構成により、予め人物を特定することなく、対象範囲内に存在する人物を監視することができる。
【0013】
また、本発明は、上記の監視カメラシステムであって、前記カメラは、特定の人物の顔画像を前記顔画像記憶手段に登録する登録手段を備えるものとする。
【0014】
上記構成により、例えば以前に撮影された特定の人物の画像を登録することで、特定の人物に絞った監視を行うことができる。
【0015】
また、本発明は、上記の監視カメラシステムであって、前記情報処理装置に無線ネットワークを介して接続される携帯端末を備え、前記情報処理装置は、前記受信した顔画像に関する情報を前記携帯端末に転送する転送手段を備え、前記携帯端末は、前記転送された顔画像に関する情報を表示する表示手段を備えるものとする。
【0016】
上記構成により、例えば複数のカメラで撮影された人物の顔画像情報を携帯端末に送信することができ、携帯端末を保持する者はその人物を容易に発見することができる。
【0017】
また、本発明は、上記の監視カメラシステムであって、前記表示手段は、カメラ毎に前記記録された顔画像を時系列に表示するものとする。
【0018】
上記構成により、対象範囲内に存在する人物の様子など、人物の足跡を容易に把握することができる。
【0019】
また、本発明は、上記のいずれかの監視カメラシステムであって、前記顔画像に関する情報は、顔画像、カメラ番号および撮影時刻を含むものとする。
【0020】
上記構成により、顔画像、カメラ番号、撮影時刻をコンピュータに時系列に記録することができ、人物が何時何分にどのカメラに映っていたか等の履歴を知ることができる。
【0021】
本発明の顔画像追跡記録方法は、対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラと情報処理装置とがネットワークを介して接続された監視カメラシステムを用いて、対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する顔画像追跡記録方法であって、前記カメラにおいて、予め顔画像をメモリに登録しておく顔画像登録ステップと、撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出ステップと、前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証ステップと、前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信ステップとを有し、前記情報処理装置において、前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信ステップと、前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録装置に記録する記録ステップと、前記記録された顔画像を表示装置に表示する表示ステップとを有するものである。
【0022】
上記手順により、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減できる。
【0023】
本発明のカメラは、ネットワークを介して情報処理装置と接続され、対象範囲を撮影可能に設置された監視カメラシステム用のカメラであって、顔画像が登録された顔画像記憶手段と、撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出手段と、前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証手段と、前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する顔画像情報送信手段とを備えたものである。
【0024】
上記構成により、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減可能な監視カメラシステムを実現できる。
【0025】
本発明の情報処理装置は、対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラとネットワークを介して接続され、前記カメラで撮影された画像を用いて前記対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステム用の情報処理装置であって、前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信手段と、前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録する記録手段と、前記記録された顔画像を表示する表示手段とを備えたものである。
【0026】
上記構成により、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減可能な監視カメラシステムを実現できる。
【0027】
また、本発明は、上記いずれかに記載の監視カメラシステムの各手段の機能をコンピュータにより実現するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減することが可能な監視カメラシステム及び顔画像追跡記録方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本実施形態の監視カメラシステムは、自動顔画像追跡記録システムに適用されるものである。この監視カメラシステムとしての自動顔画像追跡記録システムの構成、及び顔画像追跡記録方法に関する動作について説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態における自動顔画像追跡記録システムの構成を示す図である。この自動顔画像追跡記録システムは、ネットワーク(LAN)6に接続された複数のIPカメラ1〜5およびコンピュータ7から主に構成される。コンピュータ7には、ディスプレイ装置8が接続されている。
【0031】
IPカメラ1は監視対象範囲の入口を撮影できるように設置されている。また、IPカメラ2〜4は監視対象範囲の入口から出口までの途中の場所を撮影できるように設置されている。また、IPカメラ5は監視対象範囲の出口を撮影できるように設置されている。
【0032】
図2はIPカメラの構成を示す図である。IPカメラは、レンズ11、撮像部12、ネットワーク接続部13、顔画像記録部14、顔画像切出部15および顔認証照合部16を有して構成される。このIPカメラは、レンズ11を介して撮像部12により撮影された画像に対し、後述する画像処理を行い、その結果をネットワーク接続部13に接続されたLAN6を経由してコンピュータ7に送信する。ここで、顔画像記録部14、顔画像切出部15および顔認証照合部16の各機能は、IPカメラ内蔵のCPUがROMに格納された制御プログラムを実行することによって実現される。ここで、ネットワーク接続部13が顔画像情報送信手段の一例に相当する。
【0033】
顔画像記録部14は、メモリ(RAM、ハードディスク、磁気テープ等)を有し、顔画像切出部15によって切り出された、あるいはコンピュータ7から送信された顔画像のデータをメモリに記録する。この顔画像記録部14内のメモリが顔画像記憶手段の一例に相当する。
【0034】
顔画像切出部15は、撮影された画像から顔画像を検出し、検出された顔画像を撮影画像から切り出す。この顔画像を検出して切り出す方法として、例えば、背景差分法を用いて撮影画像に含まれる人物などの概略的なオブジェクト画像を取得し、このオブジェクト画像から、目や鼻などの位置を基に、顔部分を認識し、この認識された顔部分あるいは顔部分を含む枠を撮影画像から切り出して顔画像のデータを生成する方法などが挙げられる。この顔画像切出部15が顔画像検出手段の一例に相当する。
【0035】
顔認証照合部16は、切り出された顔画像の顔認証を行う。顔認証技術として、例えばガーバー(Gabor)フィルタを用いた方法が挙げられる。この方法では、顔画像上にある目、鼻、口などの顔器官の特徴点を見つけ、各特徴点でガーバー(Gabor)フィルタによってデータを畳み込むことで、特徴点周辺における色の濃淡等の周期性や方向性を特徴量データとして取り出す。そして、その特徴量データと予めメモリに登録された顔画像の特徴量データとを照合する。この照合の際、両特徴量データの類似度を算出し、この算出された類似度が閾値以上であるか否かを判別し、閾値以上である場合、切り出された顔画像は予め登録された顔画像と一致すると判定する。この顔認証照合部16が顔画像認証手段の一例に相当する。
【0036】
図3はコンピュータ7の構成を示す図である。コンピュータ7は、周知のCPU21、ROM22、RAM23の他、ストレージメモリ24、操作パネル25、I/Oインタフェース(I/F)26、ディスプレイI/F27等がバス28を介して接続された構成を有する。ディスプレイI/F27には、ディスプレイ装置8が接続されている。ストレージメモリ24は、大容量のハードディスク等の記憶媒体からなり、顔画像に関するデータが格納される顔画像記憶部24aを有する。
【0037】
上記構成を有する自動顔画像追跡記録システムの動作を示す。図4はIPカメラ1における撮影時の動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムはIPカメラ1内のROMに内蔵されており、CPUによって所定周期毎に撮影中に実行される。このIPカメラ1は、前述したように、監視対象範囲の入口に設置されており、監視対象範囲に入場する人物の顔画像を撮影可能である。まず、撮影中の画像が記録された記録媒体(メモリ)から撮影画像を取得する(ステップS1)。撮影画像内に顔画像があるか否かを判別する(ステップS2)。顔画像がない場合、そのまま本処理を終了する。
【0038】
一方、顔画像がある場合、顔画像を切り出し、顔画像記録部14内のメモリに格納する(ステップS3)。切り出された顔画像に識別符号を付加する(ステップS4)。図5は撮影画像から切り出される顔画像およびその識別符号を示す図である。ここでは、撮影画像から3人の顔画像が検出され、切り出される3人の顔画像に、顔画像A、顔画像B、顔画像Cと統一的な識別符号が付加されている。
【0039】
そして、識別符号が付加された顔画像、カメラ番号(ここでは、値1)および撮影時刻からなる顔画像情報をコンピュータ7に送信し(ステップS5)、本処理を終了する。
【0040】
図6はコンピュータ7における顔画像配信処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、コンピュータ7内の記憶媒体(ROM22あるいはストレージメモリ24)に格納されており、CPU21によって所定周期毎に実行される。
【0041】
まず、IPカメラ1から識別符号が付加された顔画像、カメラ番号および撮影時刻からなる顔画像情報を受信したか否かを判別する(ステップS11)。顔画像情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。一方、顔画像情報を受信すると、ストレージメモリ24内の顔画像記憶部24aに格納し(ステップS12)、受信した顔画像をディスプレイ装置8に表示する(ステップS13)。さらに、顔画像記憶部24aに格納された、識別番号が付加された顔画像をIPカメラ2〜5に配信する(ステップS14)。このステップS14が配信手段の機能に相当する。この後、本処理を終了する。なお、IPカメラ1内のメモリには、既に識別番号が付加された顔画像が記憶されているので、ステップS14における配信処理では、IPカメラ1に顔画像を送信していないが、送信するようにしてもよい。
【0042】
図7はIPカメラ2〜5における撮影時の動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムはIPカメラ2〜5内の各ROMに内蔵されており、各CPUによって撮影中に所定周期毎に実行される。まず、コンピュータ7から送信される識別符号が付加された顔画像を受信したか否かを判別する(ステップS21)。顔画像を受信していない場合、ステップS23の処理に移行する。一方、顔画像を受信している場合、顔画像記録部14内のメモリにその顔画像を登録する(ステップS22)。このステップS22が登録手段の機能に相当する。
【0043】
そして、撮影中の画像が記録された記録媒体(メモリ)から撮影画像を取得し(ステップS23)、撮影画像内に顔画像があるか否かを判別する(ステップS24)。顔画像がない場合、そのまま本処理を終了する。一方、顔画像がある場合、撮影画像から顔画像を切り出す(ステップS25)。このステップS24、S25が顔画像検出手段の機能に相当する。
【0044】
切り出された顔画像と顔画像記録部14内のメモリに登録された顔画像との顔認証を行う(ステップS26)。このステップS26が顔画像認証手段の機能に相当する。顔認証の結果、両顔画像が一致するか否かを判別し(ステップS27)、一致する場合、切り出された顔画像、カメラ番号および撮影時刻からなる顔画像情報をコンピュータ7に送信する(ステップS28)。このステップS28が顔画像情報送信手段の機能に相当する。この後、本処理を終了する。一方、一致しない場合、そのまま本処理を終了する。なお、IPカメラ1については、既に顔画像記録部14内のメモリに顔画像情報が格納されているので、本処理は行われない。
【0045】
図8はコンピュータ7における顔画像追跡記録動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、コンピュータ7内の記憶媒体(ROM22あるいはストレージメモリ24)に格納されており、CPU21によって所定周期毎に実行される。
【0046】
まず、IPカメラ2〜5のいずれかから顔画像情報を受信したか否かを判別する(ステップS31)。このステップS31が受信手段の機能に相当する。IPカメラ2〜5のいずれからも顔画像情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。一方、IPカメラ2〜5の少なくとも1つから顔画像情報を受信すると、受信した顔画像情報を顔画像記憶部24aに記録する(ステップS32)。このステップS32が記録手段の機能に相当する。そして、顔画像記憶部24aに記録された顔画像を時系列にディスプレイ装置8に表示する(ステップS33)。このステップS33が表示手段の機能に相当する。この後、本処理を終了する。
【0047】
図9は顔画像が時系列に表示されたディスプレイ装置8の画面を示す図である。この画面では、IPカメラ1〜5で撮影された3人の顔画像A、B、Cがカメラ毎に時系列に表示されている。なお、顔画像の表示の仕方は、これに限らず、カメラで区別することなく単に時系列に表示してもよいし、人物毎に分けて時系列に表示するようにしてもよい。
【0048】
このように、第1の実施形態の自動顔画像追跡記録システムによれば、顔画像を用いて、人物A、人物B、人物C毎にどのカメラに何時何分に映っていたかを記録することができるとともに、ディスプレイ装置に表示することができる。したがって、オペレータの監視に要する労力を軽減できる。また、各IPカメラ側で、顔画像を検出してその切り出しを行い、さらに、切り出された顔画像と予め登録されている顔画像との顔認証を行うので、コンピュータ側の処理における負荷を低減できる。
【0049】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の自動顔画像追跡記録システムは、前記第1の実施形態と同一のハードウェア構成を有するので、同一の符号を用いることによりその説明を省略する。第2の実施形態では、ストレージメモリ24内の顔画像記憶部24aには、予め要注意人物の顔画像が登録されており、この要注意人物の監視が行われる。
【0050】
図10は第2の実施形態における顔画像記憶部24aに登録されている要注意人物の顔画像を示す図である。この顔画像は、以前にIPカメラで撮影された要注意人物の顔画像を消去せず、そのまま登録しておいたものでよい。あるいは、デジタルカメラで撮影された顔画像をコンピュータ7に新たに入力して登録したものでもよい。さらには、監視中、IPカメラ1〜5のいずれかで、オペレータが要注意人物であると認識した場合、その顔画像を要注意人物であるとして、コンピュータ7に登録したものでもよい。
【0051】
図11はコンピュータ7における要注意人物の顔画像配信処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、コンピュータ7内の記憶媒体(ROM22あるいはストレージメモリ24)に格納されており、CPU21によって定期的に実行される。
【0052】
まず、顔画像記憶部24aに要注意人物の顔画像が登録されているか否かを判別する(ステップS41)。登録されていない場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS41で要注意人物の顔画像が登録されている場合、その顔画像をIPカメラ1〜5に配信する(ステップS42)。この後、本処理を終了する。
【0053】
これ以降の各IPカメラ1〜5およびコンピュータ7の動作は、前記第1の実施形態と同様である。即ち、IPカメラ1〜5は、コンピュータ7から要注意人物の顔画像を受信すると、顔画像記録部14内のメモリにその顔画像を登録し、撮影画像中に要注意人物の顔画像を認識すると、その顔画像、カメラ番号および撮影時刻からなる顔画像情報をコンピュータ7に送信する。コンピュータ7は、IPカメラ1〜5から送信された顔画像情報を受信すると、顔画像記憶部24aにその顔画像情報を格納するとともに、ディスプレイ装置8に要注意人物の顔画像を時系列に表示する。
【0054】
このように、第2の実施形態の自動顔画像追跡記録システムによれば、予め登録された要注意人物がどのカメラに何時何分に映っていたかを記録することができるとともに、ディスプレイ装置に表示することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
図12は第3の実施形態におけるコンピュータ7の構成を示す図である。前記第1、第2の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことによりその説明を省略する。第3の実施形態では、コンピュータ7は、バス28に接続された無線部29を有し、アンテナ29aを介して携帯端末51とデータ通信可能である。
【0056】
第3の実施形態では、前記第2の実施形態と同様、ストレージメモリ24内の顔画像記憶部24aには、要注意人物の顔画像が登録されており、コンピュータ7から各IPカメラ1〜5にその顔画像が配信されている。そして、IPカメラ1〜5は、前記第2の実施形態と同様、撮影画像中に要注意人物の顔画像を認識すると、その顔画像、カメラ番号および撮影時刻からなる顔画像情報をコンピュータ7に送信する。
【0057】
図13はコンピュータ7における顔画像追跡記録動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、コンピュータ7内の記憶媒体(ROM22あるいはストレージメモリ24)に格納されており、CPU21によって所定周期毎に実行される。
【0058】
まず、IPカメラ1〜5のいずれかから要注意人物の顔画像情報を受信したか否かを判別する(ステップS51)。IPカメラ1〜5のいずれからも顔画像情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。一方、IPカメラ1〜5の少なくとも1つから顔画像情報を受信すると、受信した顔画像情報を顔画像記憶部24aに記録する(ステップS52)。そして、顔画像記憶部部24aに記録された顔画像を時系列にディスプレイ装置8に表示する(ステップS53)。さらに、携帯端末51の表示能力に合わせた解像度の変換処理を行った後(ステップS54)、無線部29を通じて、顔画像情報に含まれる顔画像、カメラ番号および撮影時刻を携帯端末51に送信する(ステップS55)。このステップS55が転送手段の機能に相当する。この後、本処理を終了する。そして、携帯端末51の画面には、コンピュータ7から送信された顔画像等が表示される。
【0059】
このように、第3の実施形態における自動顔画像追跡記録システムによれば、IPカメラ1〜5で撮影された要注意人物の顔画像情報を携帯端末51に送信することができ、携帯端末51を持った、例えばガードマンはその要注意人物を容易に発見することができる。また、コンピュータ7の顔画像記憶部24aに、IPカメラ1〜5の撮影画像から抽出された要注意人物の画像を登録することで、携帯端末51を持ったガードマンは新たな要注意人物の監視をリアルタイムに行うことができる。
【0060】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態では、各IPカメラは固定であったが、自動追尾機能を有するカメラであってもよい。また、カメラの台数は任意の数でよいことは勿論である。
【0062】
また、コンピュータから各IPカメラに登録用の顔画像データを転送する代わりに、コンピュータ側で顔画像の特徴量データを算出し、その特徴量データだけを送信するようにしてもよい。これにより、各IPカメラ側では、顔認証を行う際に特徴量データを算出する処理が省ける。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、常時監視を必要とせずに、どの人物がどのカメラに何時に映っていたかを把握することができ、オペレータの監視に要する労力を軽減することが可能となる効果を有し、カメラで撮影された画像を用い、対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステム等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施形態における自動顔画像追跡記録システムの構成を示す図
【図2】第1の実施形態におけるIPカメラの構成を示す図
【図3】第1の実施形態におけるコンピュータの構成を示す図
【図4】第1の実施形態のIPカメラ1における撮影時の動作処理手順を示すフローチャート
【図5】第1の実施形態における撮影画像から切り出される顔画像およびその識別符号を示す図
【図6】第1の実施形態のコンピュータにおける顔画像配信処理手順を示すフローチャート
【図7】第1の実施形態のIPカメラ2〜5における撮影時の動作処理手順を示すフローチャート
【図8】第1の実施形態のコンピュータにおける顔画像追跡記録動作処理手順を示すフローチャート
【図9】第1の実施形態における顔画像が時系列に表示されたディスプレイ装置の画面を示す図
【図10】本発明の第2の実施形態における顔画像記憶部に登録されている要注意人物の顔画像を示す図
【図11】第2の実施形態のコンピュータにおける要注意人物の顔画像配信処理手順を示すフローチャート
【図12】本発明の第3の実施形態におけるコンピュータの構成を示す図
【図13】第3の実施形態のコンピュータにおける顔画像追跡記録動作処理手順を示すフローチャート
【図14】従来のIPカメラを用いた監視カメラシステムの構成例を示す図
【符号の説明】
【0065】
1〜5 IPカメラ
7 コンピュータ
8 ディスプレイ装置
12 撮像部
13 ネットワーク接続部
14 顔画像記録部
15 顔画像切出部
16 顔認証照合部
24a 顔画像記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラと情報処理装置とがネットワークを介して接続され、前記カメラで撮影された画像を用いて前記対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステムであって、
前記カメラは、
顔画像が登録された顔画像記憶手段と、
撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出手段と、
前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証手段と、
前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する顔画像情報送信手段とを備え、
前記情報処理装置は、
前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信手段と、
前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録する記録手段と、
前記記録された顔画像を表示する表示手段とを備えた監視カメラシステム。
【請求項2】
請求項1記載の監視カメラシステムであって、
特定の前記カメラは、前記対象範囲内の所定の場所を撮影するように設置され、前記撮影された所定の場所の画像から顔画像を検出し、前記検出された顔画像を前記情報処理装置に送信するものであり、
前記情報処理装置は、前記特定のカメラから送信された顔画像を受信し、前記受信した顔画像を他の前記カメラに配信する配信手段を備え、
前記他のカメラは、前記情報処理装置から配信された顔画像を前記顔画像記憶手段に登録する登録手段を備える監視カメラシステム。
【請求項3】
請求項1記載の監視カメラシステムであって、
前記カメラは、特定の人物の顔画像を前記顔画像記憶手段に登録する登録手段を備える監視カメラシステム。
【請求項4】
請求項1記載の監視カメラシステムであって、
前記情報処理装置に無線ネットワークを介して接続される携帯端末を備え、
前記情報処理装置は、前記受信した顔画像に関する情報を前記携帯端末に転送する転送手段を備え、
前記携帯端末は、前記転送された顔画像に関する情報を表示する表示手段を備える監視カメラシステム。
【請求項5】
請求項1記載の監視カメラシステムであって、
前記表示手段は、カメラ毎に前記記録された顔画像を時系列に表示する監視カメラシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の監視カメラシステムであって、
前記顔画像に関する情報は、顔画像、カメラ番号および撮影時刻を含む監視カメラシステム。
【請求項7】
対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラと情報処理装置とがネットワークを介して接続された監視カメラシステムを用いて、対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する顔画像追跡記録方法であって、
前記カメラにおいて、予め顔画像をメモリに登録しておく顔画像登録ステップと、
撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出ステップと、
前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証ステップと、
前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信ステップとを有し、
前記情報処理装置において、前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信ステップと、
前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録装置に記録する記録ステップと、
前記記録された顔画像を表示装置に表示する表示ステップとを有する顔画像追跡記録方法。
【請求項8】
ネットワークを介して情報処理装置と接続され、対象範囲を撮影可能に設置された監視カメラシステム用のカメラであって、
顔画像が登録された顔画像記憶手段と、
撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出手段と、
前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証手段と、
前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する顔画像情報送信手段とを備えたカメラ。
【請求項9】
対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラとネットワークを介して接続され、前記カメラで撮影された画像を用いて前記対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステム用の情報処理装置であって、
前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信手段と、
前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録する記録手段と、
前記記録された顔画像を表示する表示手段とを備えた情報処理装置。
【請求項10】
請求項1から6のいずれかに記載の監視カメラシステムの各手段の機能をコンピュータにより実現するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【請求項1】
対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラと情報処理装置とがネットワークを介して接続され、前記カメラで撮影された画像を用いて前記対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステムであって、
前記カメラは、
顔画像が登録された顔画像記憶手段と、
撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出手段と、
前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証手段と、
前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する顔画像情報送信手段とを備え、
前記情報処理装置は、
前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信手段と、
前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録する記録手段と、
前記記録された顔画像を表示する表示手段とを備えた監視カメラシステム。
【請求項2】
請求項1記載の監視カメラシステムであって、
特定の前記カメラは、前記対象範囲内の所定の場所を撮影するように設置され、前記撮影された所定の場所の画像から顔画像を検出し、前記検出された顔画像を前記情報処理装置に送信するものであり、
前記情報処理装置は、前記特定のカメラから送信された顔画像を受信し、前記受信した顔画像を他の前記カメラに配信する配信手段を備え、
前記他のカメラは、前記情報処理装置から配信された顔画像を前記顔画像記憶手段に登録する登録手段を備える監視カメラシステム。
【請求項3】
請求項1記載の監視カメラシステムであって、
前記カメラは、特定の人物の顔画像を前記顔画像記憶手段に登録する登録手段を備える監視カメラシステム。
【請求項4】
請求項1記載の監視カメラシステムであって、
前記情報処理装置に無線ネットワークを介して接続される携帯端末を備え、
前記情報処理装置は、前記受信した顔画像に関する情報を前記携帯端末に転送する転送手段を備え、
前記携帯端末は、前記転送された顔画像に関する情報を表示する表示手段を備える監視カメラシステム。
【請求項5】
請求項1記載の監視カメラシステムであって、
前記表示手段は、カメラ毎に前記記録された顔画像を時系列に表示する監視カメラシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の監視カメラシステムであって、
前記顔画像に関する情報は、顔画像、カメラ番号および撮影時刻を含む監視カメラシステム。
【請求項7】
対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラと情報処理装置とがネットワークを介して接続された監視カメラシステムを用いて、対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する顔画像追跡記録方法であって、
前記カメラにおいて、予め顔画像をメモリに登録しておく顔画像登録ステップと、
撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出ステップと、
前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証ステップと、
前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する送信ステップとを有し、
前記情報処理装置において、前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信ステップと、
前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録装置に記録する記録ステップと、
前記記録された顔画像を表示装置に表示する表示ステップとを有する顔画像追跡記録方法。
【請求項8】
ネットワークを介して情報処理装置と接続され、対象範囲を撮影可能に設置された監視カメラシステム用のカメラであって、
顔画像が登録された顔画像記憶手段と、
撮影した画像の中から顔画像を検出する顔画像検出手段と、
前記登録された顔画像と前記検出された顔画像との認証を行う顔画像認証手段と、
前記認証が確認された顔画像に関する情報を前記情報処理装置に送信する顔画像情報送信手段とを備えたカメラ。
【請求項9】
対象範囲を撮影可能に設置された少なくとも1台のカメラとネットワークを介して接続され、前記カメラで撮影された画像を用いて前記対象範囲内に存在する人物の顔画像を追跡して記録する監視カメラシステム用の情報処理装置であって、
前記カメラから前記顔画像に関する情報を受信する受信手段と、
前記受信した顔画像を撮影時刻とともに記録する記録手段と、
前記記録された顔画像を表示する表示手段とを備えた情報処理装置。
【請求項10】
請求項1から6のいずれかに記載の監視カメラシステムの各手段の機能をコンピュータにより実現するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−158421(P2007−158421A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346656(P2005−346656)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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