説明

監視システム

【課題】 複数の携帯通信端末が搭乗者によって車両内に持ち込まれた場合であっても携帯通信端末の位置を判別して端末IDを記録させることができる監視システムを提供する。
【解決手段】 車両内には、運転席を含む複数の座席が設けられ、車両監視装置3が、車両内に配置された近距離無線通信用のアンテナ31aと、アンテナ31aを介して端末IDを受信する近距離無線通信部31と、携帯電話機2から端末IDが転送された際に、この端末IDを受信したアンテナ31aの位置情報及び受信電力に基づいて、当該端末IDを転送した携帯電話機2が位置する座席を判別する判別部34と、判別部34によって判別された座席に関連付けて端末IDを記録するID記録部36により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムに係り、さらに詳しくは、車両内に配置され、車両の状態を検知する車載センサーと、車載センサーによって検知された車両状態を記録する車両監視装置と、移動体基地局との間で無線通信を行うとともに、車両監視装置との間で近距離無線通信を行う携帯通信端末とからなる監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転中における携帯電話機の使用を制限するための様々な技術が従来から提案されている。例えば、端末の操作者が発した音声を認識することによって、手で直接に操作しなくても端末に対してキー入力を行えるようにする技術として、ハンズフリーシステムが知られている。このハンズフリーシステムでは、端末を車内に持ち込んだ際に操作者が端末を車載装置に接続することによって、音声認識が利用できるようになる。
【0003】
また、特許文献1には、運転中の携帯電話機による通話を制限する技術が開示されている。この特許文献1に記載の携帯電話機は、自動車のエンジン音を検知し、或いは、自動車が受ける空気抵抗を検知して、自動車が走行状態であるのか停止状態であるのかを判別し、この判別結果に基づいて通話を禁止するものである。また、特許文献2には、自動車内に配置されたセンサーによって車内状況を検知し、車内状況の変化に応じて携帯電話機の機能を制限する技術が開示されている。この特許文献2に記載のシステムでは、停止時や車両速度が所定値以下である場合に、機能制限が解除される。
【0004】
また、特許文献3には、車両内における端末の位置に応じて選択的に通話制限を行う技術が開示されている。この特許文献3に記載のシステムは、搭乗者によって車両内に持ち込まれた携帯電話機が、車載装置から発信された位置特定信号に基づいて車両内における自局の位置を判断し、自局が運転席にある場合に通話を制限するものである。
【0005】
また、特許文献4には、車両内に持ち込まれた携帯電話機と近距離無線通信を行い、携帯電話機から取得した端末IDを車両の運行情報として記録する運行記録装置が記載されている。また、特許文献5には、車外の様子を撮影して得られた動画像を記録するドライブレコーダー機能を有する携帯電話機が記載されている。
【特許文献1】特開平10−70492号公報
【特許文献2】特開2005−184153号公報
【特許文献3】特開2006−304034号公報
【特許文献4】特開2005−165982号公報
【特許文献5】特開2006−245836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のシステムでは、携帯通信端末の操作者が車載装置に携帯通信端末を接続する必要があった。また、複数の携帯通信端末が搭乗者によって車両内に持ち込まれた場合のことが考慮されていないので、この様な場合に携帯通信端末の使用を適切に制限することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の携帯通信端末が搭乗者によって車両内に持ち込まれた場合であっても携帯通信端末の位置を判別して端末IDを記録させることができる監視システムを提供することを目的としている。特に、携帯通信端末が位置する座席を判別して端末IDを記録させることができる監視システムを提供することを目的としている。また、携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かを判別して端末IDを記録させることができる監視システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明による監視システムは、車両内に配置され、車両の状態を検知する車載センサーと、上記車載センサーによって検知された車両状態を記録する車両監視装置と、移動体基地局との間で無線通信を行うとともに、上記車両監視装置との間で近距離無線通信を行う携帯通信端末とからなる監視システムであって、上記携帯通信端末が、端末IDを保持する端末ID記憶手段と、上記端末IDを上記車両監視装置へ転送する端末ID転送手段とを備え、上記車両内には、運転席を含む2以上の座席が設けられ、上記車両監視装置が、上記車両内に配置された近距離無線通信用のアンテナと、上記アンテナを介して上記端末IDを受信する受信手段と、上記携帯通信端末から上記端末IDが転送された際に、この端末IDを受信したアンテナの位置情報及び受信電力に基づいて、当該端末IDを転送した携帯通信端末が位置する上記座席を判別する判別手段と、上記判別手段によって判別された座席に関連付けて上記端末IDを記録するID記録手段とを備えて構成される。
【0009】
この監視システムでは、携帯通信端末から端末IDが転送された際に、車両監視装置において、端末IDを受信したアンテナの位置情報及び受信電力に基づいて携帯通信端末が位置する座席が判別され、判別された座席に関連付けて端末IDが記録される。この様な構成によれば、携帯通信端末から取得した端末IDが座席に関連付けて記録されるので、複数の携帯通信端末が搭乗者によって車両内に持ち込まれた場合であっても、携帯通信端末が位置する座席を判別して端末IDを記録させることができる。
【0010】
第2の本発明による監視システムは、上記構成に加え、上記アンテナが上記座席ごとに設けられ、上記判別手段が、上記携帯通信端末から上記端末IDが転送された際に、この端末IDを受信したアンテナに対応する座席を当該携帯通信端末が位置する座席とするように構成される。
【0011】
第3の本発明による監視システムは、上記構成に加え、上記判別手段が、上記端末IDの取得順位に基づいて、当該端末IDを転送した携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かを判別するように構成される。この様な構成によれば、端末IDの取得順位に基づいて携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かが判別されるので、端末IDを転送した携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かを判別して端末IDを記録させることができる。
【0012】
第4の本発明による監視システムは、上記構成に加え、上記車両には、上記運転席への搭乗口にドアが設けられ、上記車両監視装置が、上記ドアの開閉を検出する開閉検出手段を備え、上記判別手段が、上記携帯通信端末から上記端末IDが転送された際に、上記開閉検出手段による検出結果に基づいて、当該携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かを判別するように構成される。この様な構成によれば、運転席への搭乗口に設けられたドアの開閉を検知して携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かが判別されるので、携帯通信端末が位置する座席が判別しづらいような場合に、携帯通信端末が位置する座席を判別する際の検知精度を向上させることができる。
【0013】
第5の本発明による監視システムは、上記構成に加え、上記判別手段が、上記ドアが開扉されてから所定時間内に取得された端末IDに基づいて、当該端末IDを転送した携帯通信端末の所持者を車両操縦者であると判断するように構成される。
【0014】
第6の本発明による監視システムは、上記構成に加え、上記判別手段が、上記ドアが開扉されてから最初に取得された端末IDに基づいて、当該端末IDを転送した携帯通信端末の所持者を車両操縦者であると判断するように構成される。
【0015】
第7の本発明による監視システムは、上記構成に加え、上記車両監視装置が、上記車載センサーによって車両異常が検知された場合に、上記携帯通信端末へ緊急通報のための通報コマンドを送信する通報コマンド送信手段を備え、上記携帯通信端末が、上記車両監視装置からの上記通報コマンドに基づいて、予め登録されている緊急時の通報先へ自動発呼する自動発呼手段を備えて構成される。
【0016】
第8の本発明による監視システムは、上記構成に加え、上記車両監視装置が、車両内の携帯通信端末を検索するための検索コマンドを送信する検索コマンド送信手段を備え、上記携帯通信端末が、上記車両監視装置からの上記検索コマンドに基づいて、認証コードを当該車両監視装置へ送信する認証コード送信手段を備え、上記判別手段が、上記携帯通信端末からの上記認証コードと予め登録されている認証コードとを比較し、この比較結果に基づいて当該携帯通信端末の所持者を判別するように構成される。
【0017】
第9の本発明による監視システムは、上記構成に加え、上記車両監視装置が、上記車載センサーによって車両異常が検知された場合に、上記携帯通信端末へ緊急通報のための通報コマンドを送信する通報コマンド送信手段を備え、上記携帯通信端末が、上記車両監視装置からの上記通報コマンドに基づいて、予め登録されている緊急時の通報先へ自動発呼する自動発呼手段と、上記検索コマンドを受信した際に、認証コードの入力を促すための照会画面を表示する表示手段とを備え、上記認証コード送信手段が、上記照会画面の表示時に、ユーザがキー入力した認証コードを車両監視装置へ送信するように構成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明による監視システムによれば、携帯通信端末から取得した端末IDが座席に関連付けて記録されるので、複数の携帯通信端末が搭乗者によって車両内に持ち込まれた場合であっても、携帯通信端末が位置する座席を判別して端末IDを記録させることができる。また、端末IDの取得順位に基づいて携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かが判別されるので、端末IDを転送した携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かを判別して端末IDを記録させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による監視システムの概略構成の一例を示したブロック図である。この監視システム1は、車両状態を検知するセンサー部4と、センサー部4によって検知された車両状態を記録する車両監視装置3と、MSC12を介してPSTN13に接続された移動体基地局11と、移動体基地局11との間で無線通信を行うとともに、車両監視装置3との間で近距離無線通信を行う携帯電話機2により構成される。
【0020】
移動体基地局11は、サービスエリア内の携帯電話機2と通信を行うベースステーションである。MSC(Mobile Switching Center:移動通信交換局)12は、複数の移動体基地局11を管理する交換局である。PSTN(Public Switched Telephone Networks:公衆電話交換回線網)13は、回線交換方式で音声通信を行うための通信ネットワークである。
【0021】
携帯電話機2は、移動体基地局11を介して他の通信端末とセルラー通信を行うとともに、車両監視装置3との間で近距離無線通信可能な通信端末である。近距離無線通信とは、移動体基地局11のサービスエリアに比べて狭いエリアを通信エリアとする無線通信のことであり、電界強度が小さな微弱電波を用いてデータが送受信される。ここでは、この様な近距離無線通信による通信方式として、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を用いるものとする。このブルートゥースは、搬送波の周波数が2.45GHzであり、データの伝送レートが最大で1Mbpsの通信方式となっている。
【0022】
センサー部4は、車両状態を検知する検知手段であり、車両内に配置された様々な車載センサーからなる。具体的には、エンジン系検出部41、ブレーキ系検出部42、車両挙動検知部43、シート状態検知部44、バッテリー系検出部45、GPS受信系検出部46、ライト系検出部47、ハンズフリーシステム検出部48、異常検知部49及び制御系検出部50からなる。
【0023】
エンジン系検出部41は、車両に搭載されたエンジン(内燃機関)の状態を検知するためのセンサーであり、回転数や油温が検出される。ブレーキ系検出部42は、ブレーキ装置(制動装置)の状態を検知するためのセンサーであり、車両速度などが検出される。
【0024】
車両挙動検知部43は、車両の挙動状態を検知するためのセンサーであり、車両に生じた振動や回転が検知される。シート状態検知部44は、座席状態を検知するためのセンサーであり、座面に加えられた圧力や重力が検知される。バッテリー系検出部45は、バッテリー(電池)の状態を検知するためのセンサーである。
【0025】
GPS受信系検出部46は、GPS(全地球測位システム)衛星からの電波の受信状態を検知するためのセンサーであり、GPS用アンテナによる電波の受信状態が検出される。ライト系検出部47は、ヘッドライト(前照灯)などの照明装置の状態を検知するためのセンサーである。
【0026】
ハンズフリーシステム検出部48は、ハンズフリーシステムの状態を検知するためのセンサーであり、ハンズフリー用のスピーカーやマイクロホンの状態が検出される。異常検知部49は、車両内で生じた異常や不具合を検知するためのセンサーである。制御系検出部50は、車両の制御状態を検知するためのセンサーである。
【0027】
センサー部4では、これらのセンサーによって検知された車両状態が車両情報として車両監視装置3へ出力される。
【0028】
車両監視装置3は、車両に搭載され、センサー部4からの車両情報を記録するとともに、携帯電話機2が搭乗者によって車両内に持ち込まれた際に、携帯電話機2から端末IDを取得する動作を行っている。端末IDとは、携帯電話機2固有の識別情報のことである。この様な端末IDとしては、例えば、携帯電話機の製造時に付与される製造番号、通信事業者との通信契約時に付与される電話番号を用いることができる。
【0029】
図2は、図1の監視システム1における携帯電話機2の構成例を示したブロック図である。この携帯電話機2は、セルラー通信用のアンテナ21a、セルラー通信部21、変復調部22、デコーダ部23、レシーバ24a、マイクロホン24b、制御部25、近距離通信用のアンテナ26a、近距離無線通信部26、変復調部27、データ変換部28、インターフェース部29、端末ID記憶部51、表示部52、キー入力部53、電池部54及び外部端子部55からなる。
【0030】
セルラー通信部21は、アンテナ21aを介して移動体基地局11との間で電波を送受信する移動体通信手段である。他の通信端末との間で通信が確立された状態では、セルラー通信部21によって、送話用のマイクロホン24bから入力された音声信号が送信され、受信した音声信号が受話用のレシーバ24aに出力される。
【0031】
変復調部22は、セルラー通信部21からの受信信号を復調してデコーダ部23へ出力し、デコーダ部23からの送信信号を変調してセルラー通信部21へ出力するための回路である。デコーダ部23は、受信信号をデコード(復号化)し、送信信号をエンコード(符号化)するための回路である。制御部25は、バスを介してこれらのデバイス21〜23、29及び51〜55を制御する動作を行っている。
【0032】
アンテナ21aで受信した受信信号は、セルラー通信部21において、増幅され、所定の周波数信号とミキシングすることによってIF周波数にダウンコンバートされ、変復調部22へ出力される。そして、変復調部22で復調された後、デコーダ部23でデジタル信号からアナログ信号に変換されてレシーバ24aから音声が出力される。一方、マイクロホン24bから入力された音声信号は、デコーダ部23でデジタル信号に変換された後、変復調部22で変調され、セルラー通信部21において増幅されて、アンテナ21aから電波として出力される。
【0033】
近距離無線通信部26は、アンテナ26aを介して車両監視装置3との間で近距離通信用の電波を送受信する通信手段である。変復調部27は、近距離無線通信部26からの受信信号を復調してデータ変換部28へ出力し、データ変換部28からの送信信号を変調して近距離無線通信部26へ出力するための回路である。データ変換部28は、受信信号をデコード(復号化)し、送信信号をエンコード(符号化)するための回路である。インターフェース部29は、データ変換部28をバスに接続するための入出力回路であり、バスを介して制御部25に接続されている。
【0034】
制御部25では、車両監視装置3からコマンドを受信すると、予め定められたプログラムに従って動作する。例えば、通話などの端末操作を制限するための規制コマンドを受信した場合、ダイアル発信のための操作入力を無効化する処理が行われる。
【0035】
また、制御部25では、車両監視装置3からの通報コマンドに基づいて、予め登録されている緊急時の通報先、例えば、最寄の修理工場やサービスセンターへ自動発呼する処理が行われる。これにより、例えば、車両が何かに衝突した場合に、緊急連絡先に自動的に電話をして救助を要請することができる。また、制御部25では、車両監視装置3からの検索コマンドに基づいて、予め登録されている認証コードを当該車両監視装置3へ送信する処理も行われる。
【0036】
端末ID記憶部51は、端末IDを保持するID保持手段であり、不揮発性の半導体メモリからなる。表示部52は、操作状態などを画面表示するデータの出力手段であり、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)からなる。キー入力部53は、ユーザによる操作キーの操作によって、所定の入力信号を生成するユーザインターフェースである。電池部54は、電池による電力供給や充電制御を行う回路である。
【0037】
外部端子部55は、外部機器と接続するための外部インターフェースであり、様々な接続端子及び入出力ポートからなる。具体的には、送信ポート、受信ポート、コマンドポート、GND端子、接続検出ポート及び充電ポートからなる。
【0038】
この携帯電話機2では、車両監視装置3からの転送要求に基づいて、端末IDを当該車両監視装置3へ送信する動作が行われる。
【0039】
図3は、図1の監視システム1における車両監視装置3の構成例を示したブロック図である。この車両監視装置3は、近距離通信用のアンテナ31a、近距離無線通信部31、変復調部32、データ変換部33、判別部34、開閉検出部35、ID記録部36、車両状態監視部37、タイマー部38、車両情報記憶部39及び端末制御部40により構成される。
【0040】
車両状態監視部37は、センサー部4からの車両情報に基づいて、車両状態を監視するとともに、タイマー部38からの時刻情報に関連付けて当該車両情報を車両情報記憶部39内に格納する動作を行っている。この車両状態監視部37では、車両速度や異常の有無が監視される。端末制御部40は、携帯電話機2を制御するためのコマンドを生成し、近距離無線通信部31を介して送信する動作を行っている。例えば、通話などの端末操作を制限するための規制コマンド、車両異常が検知された際に登録先へ自動発呼させるための通報コマンドが生成される。また、車両内の携帯電話機2を検索するための検索コマンドが生成される。
【0041】
アンテナ31aは、車両内に配置された近距離無線通信用の空中線である。ここでは、車両内に運転席を含む4つの座席が設けられ、これらの座席ごとにアンテナ31aが設けられているものとする。また、車両には、各座席への搭乗口にドアが設けられているものとする。各アンテナ31aは、例えば、座席ごとのドアに配置される。
【0042】
近距離無線通信部31は、アンテナ31aを介して携帯電話機2との間で近距離通信用の電波を送受信する通信手段である。変復調部32は、近距離無線通信部31からの受信信号を復調してデータ変換部33へ出力し、データ変換部33からの送信信号を変調して近距離無線通信部31へ出力するための回路である。データ変換部33は、受信信号をデコード(復号化)し、送信信号をエンコード(符号化)するための回路である。
【0043】
開閉検出部35は、ドアの開閉状態を検知するためのセンサーであり、例えば、ドアの開閉に応じて導通状態及び遮断状態間を遷移するスイッチを用いることができる。
【0044】
判別部34は、携帯電話機2から端末IDが転送された際に、この端末IDを受信したアンテナ31aの位置情報と、受信電力に基づいて、当該端末IDを転送した携帯電話機2が位置する座席を判別する動作を行っている。具体的には、携帯電話機2から端末IDが転送された際に、この端末IDを受信したアンテナ31aに対応する座席を当該携帯電話機2が位置する座席とする。
【0045】
この判別部34では、端末IDの取得順位や開閉検出部35による検出結果を参照して、当該端末IDを転送した携帯電話機2の所持者が車両の操縦者であるか否かを判別する動作も行われる。特に、端末IDの受信時における受信電力では、携帯電話機2が位置する座席が判別しづらいような場合に、端末IDの取得順位や運転席への搭乗口に設けられたドアの開閉検出の結果に基づいて、携帯電話機2の所持者が車両操縦者(運転者)であるか否かが判別される。
【0046】
具体的には、最初に取得された端末IDに対応する携帯電話機2の所持者が車両操縦者であると判断する。或いは、ドアが開扉されてから所定時間内に端末IDが取得された場合に、当該端末IDを転送した携帯電話機2の所持者が車両操縦者であると判断する。この場合、より好ましくは、ドアが開扉されてから最初に取得された端末IDを転送した携帯電話機2の所持者が車両操縦者であると判断する。
【0047】
また、判別部34では、検索コマンドの送信後に携帯電話機2から認証コードを受信した場合、受信した認証コードと予め登録されている認証コードとを比較し、この比較結果に基づいて当該携帯電話機2の所持者を判別する動作が行われる。これにより、携帯電話機2が位置する座席の判別結果を当該携帯電話機2の所持者情報に関連付けて記録することができる。
【0048】
ID記録部36は、判別部34によって判別された座席に関連付けて端末IDを記録する動作を行っている。携帯電話機2から取得した端末IDは、ID記録部36によって、例えば、不揮発性の半導体メモリ内に格納される。
【0049】
端末制御部40では、近距離無線通信部31を介して携帯電話機2から端末操作に基づく割込み要求を受信すると、判別部34による判別結果を参照し、当該携帯電話機2の端末IDに対応する座席が運転席であるか否かが判別される。そして、端末IDに対応する座席が運転席であれば、車両状態をチェックして車両速度に応じたコマンドが生成され、近距離無線通信部31を介して送信される。
【0050】
図4は、図3の車両監視装置3の構成例を示した図であり、車両60の各ドア64に配置されたアンテナ31aが示されている。車両60には、トランクルーム61、ステアリング62、座席63及びドア64が設けられている。車両監視装置3は、例えば、車両後部のトランクルーム61内に配置される。
【0051】
座席63は、搭乗者用のシートであり、車両操縦者のための運転席「座席A」と、この運転席の左側に配置された助手席「座席C」と、運転席及び助手席の後方に配置された後部座席「座席B」及び「座席D」からなる。ドア64は、座席への搭乗口に設けられた開閉扉であり、座席ごとに設けられている。ステアリング62は、運転席の前方に配置されている。
【0052】
近距離通信用のアンテナ31aは、指向性を有するアンテナであり、ドア64に内蔵されている。このアンテナ31aは、ドア64ごとに設けられ、指向方向をドア64の内側に向けて配置されている。この車両監視装置3では、ドア64に内蔵されたアンテナ31aを介して携帯電話機2と通信を行うことにより、携帯電話機2から端末IDが取得される。
【0053】
車両操縦者(運転者)は、搭乗時に、運転席「座席A」の右側のドア64、すなわち、運転席に最も近いドア64を開けて搭乗口から搭乗し、運転席に着座する。運転者以外の搭乗者は、他のドア64を開けて搭乗することになる。また、運転者は、通常、車両60内に最初に搭乗する場合が多い。車両監視装置3では、搭乗者によって車両60内に持ち込まれた携帯電話機2から端末IDを取得した際に、端末IDを受信したアンテナ31aの位置に基づいて、携帯電話機2が位置する座席が判別される。さらに、端末IDの取得順位やドア64の開閉の検知結果に基づいて、携帯電話機2の所持者が運転者であるか否かが判別される。この様に、端末IDの取得順位やドア64の開閉検知結果を参照して携帯電話機2の所持者が運転者であるか否かを判別することによって、受信アンテナの特定が困難である場合に、携帯電話機2が位置する座席を判別する際の検知精度を向上させることができる。
【0054】
図5は、図3の車両監視装置3の動作例を示した図であり、ドア64に内蔵されたアンテナ31aを介して通信可能なエリアA1〜D1が示されている。ドア64に内蔵されたアンテナ31aを介して通信を行う場合、通信可能なエリアA1〜D1は、それぞれアンテナ31aを中心とする円弧状の領域によって表される。
【0055】
すなわち、エリアA1〜D1は、アンテナ31aから放射された電波について、それぞれ電界強度が所定値以上である範囲となっている。具体的には、エリアA1が、運転席「座席A」付近を含むエリアとなっている。また、エリアC1が、助手席「座席C」付近を含むエリアとなっている。エリアB1が、後部座席「座席B」付近を含むエリアとなっており、また、エリアD1が、後部座席「座席D」付近を含むエリアとなっている。
【0056】
この様に近距離無線通信では、通信に利用する電波が強くないので、電波の有効範囲、すなわち、アンテナ31aから放射された電波の到達範囲を当該アンテナ31aの近傍に制限することができる。従って、この様な通信エリアを有するアンテナ31aを座席ごとに配置することにより、搭乗者によって車両60内に持ち込まれた携帯電話機2が位置する座席を判別することができる。
【0057】
ここで、ブルートゥースによる近距離無線通信では、機器同士の無線接続を完了するのに、送信側と受信側とで同じ認証コードを入力する必要がある。そこで、車両監視装置3と携帯電話機2とに予め所定の認証コード、例えば、ハンドフリープロファイル用の認証コードを登録しておくことによって、搭乗者が端末を車両内に持ち込んだ場合に、自動的に認証を行わせて接続を完了させることができる。
【0058】
図6のステップS101〜S111は、図3の車両監視装置3の動作の一例を示したフローチャートである。まず、車両監視装置3の近距離無線通信部31は、検索コマンドを送信し、携帯電話機2から認証コードが返信されるか否かを監視する(ステップS101,S102)。このとき、携帯電話機2からの返信が所定時間内になければ、検索コマンドを再度送信する。
【0059】
携帯電話機2からの認証コードを受信すると、予め登録されている認証コードと比較照合する(ステップS103)。比較照合の結果、携帯電話機2からの認証コードが登録コードと一致しなかった場合、認証エラーを出力し、エラーコマンドを送信してこの処理を終了する(ステップS110,S111)。
【0060】
一方、携帯電話機2からの認証コードが登録コードと一致した場合には、ブルートゥースによる無線接続を完了し、端末IDの転送要求コマンドを送信する(ステップS104,S105)。そして、携帯電話機2からの端末IDを受信すると、当該端末IDを転送した携帯電話機2が位置している座席を判別し、判別した座席に関連付けて端末IDを登録する(ステップS106〜S108)。
【0061】
車両監視装置3は、端末IDの登録が完了すると、携帯電話機2からの割込み要求があるまで待機するスタンバイモードに移行してこの処理を終了する(ステップS109)。この割込み要求は、端末操作に基づいて携帯電話機2から送信される。
【0062】
図7のステップS201〜S211は、図3の車両監視装置3におけるスタンバイモード時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、車両監視装置3の端末制御部40は、端末IDの登録が完了している携帯電話機2からの割込み要求があれば、当該端末IDの登録情報に基づいて携帯電話機2が位置している座席を判別する(ステップS201,S202)。このとき、携帯電話機2が位置している座席が運転席でない場合、通話などの端末操作を制限する規制モードを解除するための規制解除コマンドを送信してこの処理を終了する(ステップS211)。
【0063】
一方、携帯電話機2が位置している座席が運転席である場合には、車両状態をチェックし(ステップS203)、車両が時速10km以上で走行中であれば、通話などの端末操作を制限するための規制コマンドを送信してこの処理を終了する(ステップS204,S205)。
【0064】
また、車両が時速10km未満で走行中である場合、車両に異常がないかをチェックし(ステップS204,S206,S207)、異常が検知されていれば、登録先へ自動発呼させるための通報コマンドを送信してこの処理を終了する(ステップS208)。異常が検知されていなければ、渋滞中であると判断して規制解除コマンドを送信し、この処理を終了する(ステップS207,S210,S211)。
【0065】
また、車両が停止中である場合には、直ちに規制解除コマンドを送信してこの処理を終了する(ステップS204,S206,S209,S211)。
【0066】
本実施の形態によれば、携帯電話機2から取得した端末IDが座席に関連付けて記録されるので、複数の携帯電話機2が搭乗者によって車両内に持ち込まれた場合であっても、携帯電話機2が位置する座席を判別して端末IDを記録させることができる。さらに、端末IDの取得順位に基づいて携帯電話機2の所持者が車両操縦者であるか否かが判別されるので、端末IDを転送した携帯電話機2の所持者が車両操縦者であるか否かを判別して端末IDを記録させることができる。また、運転席への搭乗口に設けられたドアの開閉を検知して携帯電話機2の所持者が車両操縦者であるか否かが判別されるので、携帯電話機2が位置する座席が判別しづらいような場合に、携帯電話機2が位置する座席を判別する際の検知精度を向上させることができる。
【0067】
なお、本実施の形態では、車両監視装置3が携帯電話機2から端末IDを取得して記録する場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、携帯電話機2が移動体基地局11を介して他の通信装置から受信した制御情報を車両監視装置3が取得することによって、車両のエンジン系、ブレーキ系、車両挙動検知部、シート状態検知部、バッテリー系、GPS受信系、ライト系、ハンズフリーシステム、異常検知部及び制御系を車両監視装置3に制御させることもできる。
【0068】
また、本実施の形態では、近距離通信用のアンテナ31aが座席ごとに設けられる場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、運転席だけにアンテナ31aを設けるものであっても良い。また、本実施の形態では、近距離無線通信方式としてブルートゥースを用いる場合の例について説明したが、IEEE802.11やWi−MAXのような無線LAN、PHSなどの通信方式を使用しても良い。また、現在のブルートゥースには利用形態に応じた様々なプロファイルが標準化されているが、本発明に適合した新しいプロファイルを標準化することで車両監視装置3及び携帯電話機2間の通信をさらに効率化することができる。
【0069】
実施の形態2.
実施の形態1では、車両監視装置3及び携帯電話機2間の通信がブルートゥースによる無線接続によって行われる場合の例について説明した。また、携帯電話機2が、検索コマンドの受信時に、予め登録されている認証コードを送信する場合の例について説明した。これに対して、本実施の形態では、携帯電話機2が接続ケーブルを介して車両監視装置3に接続され、検索コマンドを受信した際に、認証コードの入力を促すための照会画面を表示し、ユーザがキー入力した認証コードを送信する場合について説明する。
【0070】
図8は、本発明の実施の形態2による監視システム100の概略構成の一例を示したブロック図である。この監視システム100は、図1の監視システム1と比較すれば、車両監視装置3が端末接続用の4つのカプラ101を備え、車両監視装置3及び携帯電話機2が接続ケーブル102を介して通信可能である点で異なっている。
【0071】
カプラ101は、携帯電話機2を着脱可能に接続するためのコネクタであり、接続ケーブル102の一端が接続され、接続ケーブル102の他端を携帯電話機2の外部端子部55に接続することによって車両監視装置3及び携帯電話機2が通信可能となる。
【0072】
この車両監視装置3では、カプラ101に対する携帯電話機2の接続が検知され、携帯電話機2がカプラ101に接続された場合には、接続ケーブル102を介して当該携帯電話機2との間で通信が行われる。
【0073】
図9は、図8の監視システム100における車両監視装置3の構成例を示した図であり、車両60の各ドア64に配置されたカプラ101が示されている。カプラ101は、ドア64ごとに設けられ、各ドア64の内側に配置されている。この車両監視装置3では、接続ケーブル102を介して携帯電話機2をカプラ101に接続することによって、通信可能となり、携帯電話機2から端末IDが取得される。
【0074】
この監視システム100では、携帯電話機2の表示部52が、検索コマンドの受信時に認証コードの入力を促すための照会画面を表示する動作が行われる。そして、制御部25では、照会画面の表示時に、ユーザがキー入力した認証コードを車両監視装置3へ送信する処理が行われる。検索コマンドや認証コードの送受信は、近距離無線通信又は接続ケーブル102を介して行われる。
【0075】
車両監視装置3の判別部34では、接続ケーブル102を介して携帯電話機2から端末IDが転送された場合に、この端末IDを受信したカプラ101の位置に基づいて、当該端末IDを転送した携帯電話機2が位置する座席を判別する動作が行われる。
【0076】
また、判別部34では、携帯電話機2から受信した認証コードと予め登録されている認証コードとを比較し、この比較結果に基づいて当該携帯電話機2の所持者を判別する動作も行われる。この様な構成によれば、携帯電話機2をカプラ101に接続し、認証コードを入力して認証させることによって、携帯電話機2の所持者が判別されるので、車両異常による緊急通報時に端末の所持者情報を送信することができる。
【0077】
なお、上述した実施の形態1及び2では、運転中の携帯通信端末による通話の制限を第1に捉え、次に、車両上でのアクシデントへの対処を第2に捉えて説明したが、本発明はこれに限定するものではない。将来的に、車両状態を記録する車両監視装置の搭載が全ての車両に義務付けられると同時に、携帯通信端末も車両監視装置に対応する機能の搭載が義務付けられると、例えば、高速道路を通行中の車両が所定値以上のスピードで走行している場合に、当該車両の車両監視装置が携帯通信端末を介して最寄の道路監視センターなどに自動的に接続し、センサーで検知された車両の現在速度を通知するようなものであっても良い。この様に構成することにより、速度違反の取締りを自動化できるので、運転者が安全運転せざるを得ない環境を形成することができる。ここで、運転者は、車両が走行中である場合、速度違反の自動取締りを回避するために、携帯通信端末の電源をオフにすることが考えられるが、端末の電源をオフにすれば、着信などによって運転が妨げられるのを抑制することができるので、安全性向上につながると期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1による監視システムの概略構成の一例を示したブロック図である。
【図2】図1の監視システム1における携帯電話機2の構成例を示したブロック図である。
【図3】図1の監視システム1における車両監視装置3の構成例を示したブロック図である。
【図4】図3の車両監視装置3の構成例を示した図であり、車両60の各ドア64に配置されたアンテナ31aが示されている。
【図5】図3の車両監視装置3の動作例を示した図であり、ドア64に内蔵されたアンテナ31aを介して通信可能なエリアA1〜D1が示されている。
【図6】図3の車両監視装置3の動作の一例を示したフローチャートである。
【図7】図3の車両監視装置3におけるスタンバイモード時の動作の一例を示したフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2による監視システム100の概略構成の一例を示したブロック図である。
【図9】図8の監視システム100における車両監視装置3の構成例を示した図であり、車両60の各ドア64に配置されたカプラ101が示されている。
【符号の説明】
【0079】
1 監視システム
2 携帯電話機
3 車両監視装置
4 センサー部
11 移動体基地局
12 MSC
13 PSTN
21 セルラー通信部
21a アンテナ
22 変復調部
23 デコーダ部
24a レシーバ
24b マイクロホン
25 制御部
26 近距離無線通信部
26a アンテナ
27 変復調部
28 データ変換部
29 インターフェース部
31 近距離無線通信部
31a アンテナ
32 変復調部
33 データ変換部
34 判別部
35 開閉検出部
36 ID記録部
37 車両状態監視部
38 タイマー部
39 車両情報記憶部
40 端末制御部
41 エンジン系検出部
42 ブレーキ系検出部
43 車両挙動検知部
44 シート状態検知部
45 バッテリー系検出部
46 GPS受信系検出部
47 ライト系検出部
48 ハンズフリーシステム検出部
49 異常検知部
50 制御系検出部
51 端末ID記憶部
52 表示部
53 キー入力部
54 電池部
55 外部端子部
60 車両
61 トランクルーム
62 ステアリング
63 座席
64 ドア
100 監視システム
101 カプラ
102 接続ケーブル
A1〜D1 近距離無線通信可能なエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に配置され、車両の状態を検知する車載センサーと、上記車載センサーによって検知された車両状態を記録する車両監視装置と、移動体基地局との間で無線通信を行うとともに、上記車両監視装置との間で近距離無線通信を行う携帯通信端末とからなる監視システムにおいて、
上記携帯通信端末は、端末IDを保持する端末ID記憶手段と、
上記端末IDを上記車両監視装置へ転送する端末ID転送手段とを備え、
上記車両内には、運転席を含む2以上の座席が設けられ、
上記車両監視装置は、上記車両内に配置された近距離無線通信用のアンテナと、
上記アンテナを介して上記端末IDを受信する受信手段と、
上記携帯通信端末から上記端末IDが転送された際に、この端末IDを受信したアンテナの位置情報及び受信電力に基づいて、当該端末IDを転送した携帯通信端末が位置する上記座席を判別する判別手段と、
上記判別手段によって判別された座席に関連付けて上記端末IDを記録するID記録手段とを備えたことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
上記アンテナが上記座席ごとに設けられ、
上記判別手段は、上記携帯通信端末から上記端末IDが転送された際に、この端末IDを受信したアンテナに対応する座席を当該携帯通信端末が位置する座席とすることを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
上記判別手段は、上記端末IDの取得順位に基づいて、当該端末IDを転送した携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かを判別することを特徴とする請求項1又は2に記載の監視システム。
【請求項4】
上記車両には、上記運転席への搭乗口にドアが設けられ、
上記車両監視装置は、上記ドアの開閉を検出する開閉検出手段を備え、
上記判別手段は、上記携帯通信端末から上記端末IDが転送された際に、上記開閉検出手段による検出結果に基づいて、当該携帯通信端末の所持者が車両操縦者であるか否かを判別することを特徴とする請求項1又は2に記載の監視システム。
【請求項5】
上記判別手段は、上記ドアが開扉されてから所定時間内に取得された端末IDに基づいて、当該端末IDを転送した携帯通信端末の所持者を車両操縦者であると判断することを特徴とする請求項4に記載の監視システム。
【請求項6】
上記判別手段は、上記ドアが開扉されてから最初に取得された端末IDに基づいて、当該端末IDを転送した携帯通信端末の所持者を車両操縦者であると判断することを特徴とする請求項5に記載の監視システム。
【請求項7】
上記車両監視装置は、上記車載センサーによって車両異常が検知された場合に、上記携帯通信端末へ緊急通報のための通報コマンドを送信する通報コマンド送信手段を備え、
上記携帯通信端末が、上記車両監視装置からの上記通報コマンドに基づいて、予め登録されている緊急時の通報先へ自動発呼する自動発呼手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項8】
上記車両監視装置は、車両内の携帯通信端末を検索するための検索コマンドを送信する検索コマンド送信手段を備え、
上記携帯通信端末が、上記車両監視装置からの上記検索コマンドに基づいて、認証コードを当該車両監視装置へ送信する認証コード送信手段を備え、
上記判別手段が、上記携帯通信端末からの上記認証コードと予め登録されている認証コードとを比較し、この比較結果に基づいて当該携帯通信端末の所持者を判別することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項9】
上記車両監視装置は、上記車載センサーによって車両異常が検知された場合に、上記携帯通信端末へ緊急通報のための通報コマンドを送信する通報コマンド送信手段を備え、
上記携帯通信端末が、上記車両監視装置からの上記通報コマンドに基づいて、予め登録されている緊急時の通報先へ自動発呼する自動発呼手段と、
上記検索コマンドを受信した際に、認証コードの入力を促すための照会画面を表示する表示手段とを備え、
上記認証コード送信手段が、上記照会画面の表示時に、ユーザがキー入力した認証コードを車両監視装置へ送信することを特徴とする請求項8に記載の監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−140445(P2009−140445A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319075(P2007−319075)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】