説明

着色パターンの形成方法

【課題】安定した感度および解像度で着色パターンを形成し得る方法を提供する。
【解決手段】(A)顔料、(B)バインダー樹脂、(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物および(D)光重合開始剤を含む着色感光性樹脂組成物からなる層にフォトマスクを介して光線を照射したのち、該層の光線未照射領域を10nm/秒以上60nm/秒以下の溶解速度で水酸化カリウムを含む現像液に溶解させることを特徴とする着色パターンの形成方法であり、(B)バインダー樹脂が、式(I)


で示される化合物と多塩基酸との縮重合物である形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色パターンの形成方法に関し、詳しくはカラーフィルターを構成する着色パターン、特にはブラックマトリックスの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルター(6)は、例えば液晶表示装置に組み込まれて該装置の表示画像をカラー化するために用いられたり、固体撮像素子に組み込まれてカラー画像を得るために用いられる光学素子であって、基板(2)上の同一平面上に互いに隣接して形成された着色パターン(5)からなるものが知られている。ここで、着色パターンは、例えば赤色画素(5R)、緑色画素(5G)および青色画素(5B)の3原色の色画素と、各色画素の境界に形成されたブラックマトリックス(5BM)とが挙げられる。ここで、各色の色画素は各色に着色された透明な層であり、ブラックマトリックスは黒色で可視光を実質的に透過しない層である。
【0003】
かかるカラーフィルター(6)の製造方法としては、着色感光性樹脂組成物の固形分からなる着色感光性樹脂組成物層(1)を基板(2)の上に形成し(図2(a))、該層(1)にフォトマスク(3)を介して光線(4)を照射したのち(図2(b))、光線未照射領域(11)を現像液に溶解させて着色パターン(5)を形成する方法が知られている(図2(c))。着色感光性樹脂組成物に含まれる顔料の色を替えながら上記操作を繰返し行い、各色の着色パターンを順次形成することによって(図3〜図4)、カラーフィルター(6)を形成することができる。
【0004】
しかし、かかる従来の方法では、着色感光性樹脂組成物層(1)の感度が低下して露光に必要な光線照射量が多くなる場合や、得られる着色パターンの解像度が低下する場合があった。このため、安定して着色パターンを形成するためには十分な量の光線を照射しなければならず、また細かい着色パターンを形成する場合にはその歩留まりが低下し易いという問題があった。かかる感度の低下や解像度の低下は、着色パターン(5)のなかでも光を透過しないブラックマトリックス(5BM)を形成する場合に特に顕著であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明者は、安定した感度および解像度で着色パターンを形成し得る方法を開発するべく鋭意検討した結果、光線未照射領域の現像液への溶解速度を特定の範囲とすれば、露光における感度や解像度を安定して向上し得ることを見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明は、(A)顔料、(B)バインダー樹脂、(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物および(D)光重合開始剤を含む着色感光性樹脂組成物からなる層(1)にフォトマスク(3)を介して光線(4)を照射したのち、該層(1)の光線未照射領域(11)を10nm/秒以上60nm/秒以下の溶解速度で水酸化カリウムを含む現像液に溶解させることを特徴とする着色パターン(5)の形成方法であり、(B)バインダー樹脂が、式(I)

〔式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子を示し、R4は水素原子またはメチル基を示し、Xは式(I−1)〜(I−6)

のいずれかで示される2価の残基を示し、R3は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示し、mは0〜5の整数を示し、nは1〜10の整数を示す。〕
で示される化合物と多塩基酸との縮重合物である形成方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の形成方法によれば、感度および解像度よく着色パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】カラーフィルターの一例を部分的に示す模式図である。
【図2】着色感光性樹脂組成物を用いて基板上に着色パターンを形成する工程を示す模式図である。
【図3】着色感光性樹脂組成物を用いて基板上に着色パターンを形成する工程を示す模式図である。
【図4】着色感光性樹脂組成物を用いて基板上に着色パターンを形成する工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の形成方法において使用される着色感光性樹脂組成物に含まれる(A)顔料は、無機顔料であってもよいし、有機顔料であってもよい。無機顔料としては、金属酸化物や金属錯塩のような金属化合物が挙げられ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモンなどの金属の酸化物または複合金属酸化物が挙げられる。また、有機顔料として具体的には、カラーインデックス(Colour Index)(ザ・ソサイアティ・オブ・ダイヤーズ・アンド・カラーリスツ(The Society of Dyers and Colourists )出版)で、ピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
【0010】
ブラックマトリックスを形成するには、黒色顔料を含有して黒色に着色された着色感光性樹脂組成物を用いる。赤色画素、緑色画素、青色画素などの色画素を形成するには、目的とする色画素に対応する色の顔料を含有して各色に着色された着色感光性樹脂組成物を用いる。
【0011】
黒色顔料としては、例えばカーボンブラック、特開平5−311109号公報、特開平6−11613号公報等に記載の黒鉛、特開平4−322219号公報、特開平3−274503号公報等に記載の無機黒色顔料、特開平2−216102号公報等に記載のアゾ系ブラック色素、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7などの有機黒色顔料などを用いることができる。黒色に着色された着色感光性樹脂組成物は、顔料として、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、シアン色顔料、マゼンタ色顔料などを含有していてもよい。
【0012】
各色に着色された着色感光性樹脂組成物は、各色の顔料を含有する。各色の含量として1種の顔料を含有していてもよいし、2種以上の顔料を含有していてもよい。かかる顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175、
【0013】
C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、
【0014】
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38、
【0015】
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメント
レッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265、
【0016】
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、
【0017】
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25などが挙げられる。
【0018】
かかる顔料の中でも、好ましい顔料としては、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7などが挙げられ、特に好ましくはC.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7である。
【0019】
顔料の粒径は、平均粒径で0.005μm〜0.2μmであることが好ましく、より好ましくは0.01μm〜0.1μmである。かかる粒径の顔料は、例えばニーダー法、硫酸法、アルカリ還元溶解法などの公知の方法により製造することができる。
【0020】
顔料は、その表面がポリマーなどで改質されていてもよい。ポリマーとしては、例えば特開平8−259876号公報等に記載されたポリマーや、市販の各種の顔料分散用ポリマーなどを挙げることができる。具体的にはアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂などを挙げることができる。樹脂で処理された加工顔料の形態としては、樹脂と顔料が均一に分散している粉末、ペースト状、ペレット状が好ましい。
【0021】
着色感光性樹脂組成物における顔料の含有量は、揮発成分が揮発した後の固形分に対して質量分率で、通常20%以上60%以下、好ましくは30%以上60%以下である。
【0022】
(B)バインダー樹脂は、着色感光性樹脂組成物層に、その光線未照射領域が現像液に溶解する性質を付与する成分であり、また着色感光性樹脂組成物層や形成された着色パターンにおいて顔料を分散させる分散媒として機能するものである。
かかるバインダー樹脂としては、例えば式(I)

〔式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子を示し、R4は水素原子またはメチル基を示し、Xは式(I−1)〜(I−6)

のいずれかで示される2価の残基を示し、R3は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示し、mは0〜5の整数を示し、nは1〜10の整数を示す。〕
で示される化合物と多塩基酸との縮重合物(特開平4−355450号公報、特開平9−40745号公報、特開平09−325494号公報、特開2000−281738公報)であってもよいし、アクリル系共重合体であってもよい。
【0023】
式(I)で示される化合物と多塩基酸との縮重合物は、例えば式(I)で示される化合物と多塩基酸とを縮重合させて得られる生成物、または式(I)で示される化合物と多塩基酸無水物とを縮重合させて得られる生成物である。多塩基酸としては、例えばマレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’−ジフタル酸をはじめとするビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸などが挙げられる。多塩基酸無水物としては、上記多塩基酸の無水物などが挙げられる。かかる多塩基酸またはその無水物はそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
縮重合における多塩基酸または多塩基酸無水物の使用量は、式(I)で示される化合物と多塩基酸または多塩基酸無水物との合計量に対して物質量比(モル比)で5%以上95%以下、さらには10%以上90%以下程度であることが好ましい。縮重合物の酸価は70〜170程度、さらには80〜140程度であることが好ましい。ここで酸価は縮重合物1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常は水酸化カリウム水溶液を用いた滴定により求めることができる値である。
【0025】
バインダー樹脂として使用し得るアクリル系共重合体としては、例えばカルボキシル基含有モノマーおよびこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0026】
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸などの分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。ここで、不飽和モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物、具体的には無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などであってもよい。また、不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、具体的には、例えばこはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などであってもよい。不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、具体的にはω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどであってもよい。かかるカルボキシル基含有モノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0027】
かかるカルボキシル基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデンなどの芳香族ビニル化合物、
【0028】
メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングルコールアクリレート、メトキシジエチレングルコールメタクリレート、メトキシトリエチレングルコールアクリレート、メトキシトリエチレングルコールメタクリレート、メトキシプロピレングルコールアクリレート、メトキシプロピレングルコールメタクリレート、メトキシジプロピレングルコールアクリレート、メトキシジプロピレングルコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル類、
【0029】
2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類、
【0030】
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、
【0031】
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エーテル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物、
【0032】
アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、
【0033】
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド類、
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類、
【0034】
ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類などを挙げることができる。これらのモノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0035】
かかる共重合体におけるカルボキシル基含有モノマー単位の含有量は、質量分率で通常10〜50%程度、好ましくは15〜40%程度である。
【0036】
かかるアクリル系重合体としては、例えば(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートであることを示す。
【0037】
中でもベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体、メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体などが好ましい。
【0038】
かかるアクリル系重合体は、そのポリスチレン換算重量平均分子量が3,000〜400,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは5,000〜100,000の範囲である。また、酸価は30〜250が好ましく、より好ましくは60〜180の範囲である。ここで酸価は重合体1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常は水酸化カリウム水溶液を用いた滴定により求めることができる値である。
【0039】
かかるバインダー樹脂の中でも、式(I)で示される化合物と多塩基酸との縮重合物が好ましく、さらには式(I)におけるXが式(I−1)で示される2価の残基である化合物と多塩基酸との縮重合物が好ましい。
【0040】
かかるバインダー樹脂は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常5%以上90%以下、好ましくは10%以上60%以下の範囲で用いられる。
【0041】
(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物としては、例えば末端にエチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれ、モノマーであってもよいし、2量体、3量体およびオリゴマーなどのプレポリマーであってもよいし、それらの混合物やそれらの共重合体などであってもよい。
【0042】
モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドなどがあげられる。
【0043】
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルとしては、例えばエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エ一テル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどのアクリル酸エステル、
【0044】
テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビスー〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕
ジメチルメタンなどのメタクリル酸エステル、
【0045】
エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネートなどのイタコン酸エステル、
【0046】
エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートのクロトン酸エステルなど、
【0047】
エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートなどのイソクロトン酸エステル、
エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレートなどのマレイン酸エステルなどが挙げられる。
【0048】
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドとしては、例えばメチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミドなどが挙げられる。
【0049】
モノマーの他の例としては、例えば1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に式(II)

〔式中、R21およびR22はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。〕
で示されるビニルモノマーを付加させて得られるビニルウレタン化合物などが挙げられる。かかるビニルウレタン化合物は、1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有する化合物である(特公昭48−41708号公報)。特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートも挙げられる。日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0050】
かかるエチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物の使用量は、組成物の固形分に対して質量分率で通常0.5%以上50%以下、好ましくは1%以上40%以下である。
【0051】
(D)光重合開始剤としては、エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物の重合を開始させうる化合物であれば、特に限定されるものではなく、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、オキサジアゾール系光重合開始剤などを用いることができる。
【0052】
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えばジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。
【0053】
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0054】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0055】
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0056】
トリアジン系光重合開始剤としては、例えば2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
【0057】
オキサジアゾール系光重合開始剤としては、例えば2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−ヒドロキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−クロロスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−ブトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(β−(2−ベンゾフリル)ビニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(β−(6−メトキシ−2−ベンゾフリル)ビニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
【0058】
また、光重合開始剤として、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
【0059】
かかる光重合開始剤の中でも、トリクロロメチル基が導入されているトリアジン系光重合開始剤、トリクロロメチル基が導入されているオキサジアゾール系光重合開始剤が好ましく用いられる。
【0060】
トリクロロメチル基が導入されているトリアジン系光重合開始剤としては、例えば2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0061】
トリクロロメチル基が導入されているオキサジアゾール系光重合開始剤としては、例えば2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(β−(2−ベンゾフリル)ビニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
【0062】
かかる光重合開始剤は、それぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0063】
着色感光性樹脂組成物は、光重合開始助剤を含有していてもよい。光重合開始助剤としては、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。これら光重合開始助剤はそれぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0064】
かかる光重合開始助剤を用いる場合、その使用量は光重合開始剤1モルに対して通常は0.01モル以上10モル以下である。光重合開始剤および光重合開始助剤の合計使用量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常1%以上50%以下、好ましくは3%以上30%以下である。
【0065】
着色感光性樹脂組成物は、熱重合防止剤、充填剤、バインダー樹脂以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0066】
熱重合防止剤は、例えば着色感光性樹脂組成物の保存中に(C)1個以上のエチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物が熱重合を開始してしまうことを防止するために含有される。かかる熱重合防止剤としては、例えばハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤を含有する場合、その含有量は、着色感光性樹脂組成物の全量に対して質量分率で通常0.01%以上5%以下程度である。
【0067】
充填剤としては、例えばガラス、アルミナなどが挙げられる。
バインダー樹脂以外の高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレートなどが挙げられる。
【0068】
界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面
活性剤のいずれであってもよい。
密着促進剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0069】
酸化防止剤としては、例えば2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられる。凝集防止剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0070】
着色感光性樹脂組成物は、有機カルボン酸、有機アミノ化合物などを含有していてもよい。
有機カルボン酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸などの脂肪族モノカルボン酸、
【0071】
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸などの脂肪族ジカルボン酸、
【0072】
トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸などの脂肪族トリカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸などの芳香族モノカルボン酸、
【0073】
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸などの芳香族ポリカルボン酸、
フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸などの分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸などが挙げられる。
【0074】
有機アミノ化合物としては通常、分子量1000以下の低分子量有機アミノ化合物が用いられ、例えばn−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン、o−メチルシクロヘキシルアミン、m−メチルシクロヘキシルアミン、p−メチルシクロヘキシルアミン、o−エチルシクロヘキシルアミン、m−エチルシクロヘキシルアミン、p−エチルシクロヘキシルアミンなどのモノ(シクロ)アルキルアミン類、
【0075】
メチル・エチルアミン、ジエチルアミン、メチル・n−プロピルアミン、エチル・n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、メチル・シクロヘキシルアミン、エチル・シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどのジ(シクロ)アルキルアミン類、
【0076】
ジメチル・エチルアミン、メチル・ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル・n−プロピルアミン、ジエチル・n−プロピルアミン、メチル・ジ−n−プロピルアミン、エチル・ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、ジメチル・シクロヘキシルアミン、ジエチル・シクロヘキシルアミン、メチル・ジシクロヘキシルアミン、エチル・ジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミンなどのトリ(シクロ)アルキルアミン類、
【0077】
2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、4−アミノ−1−シクロヘキサノールなどのモノ(シクロ)アルカノールアミン類、
【0078】
ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ−n−ブタノールアミン、ジイソブタノールアミン、ジ−n−ペンタノールアミン、ジ−n−ヘキサノールアミン、ジ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのジ(シクロ)アルカノールアミン類、
【0079】
トリエタノールアミン、トリ−n−プロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリ−n−ブタノールアミン、トリイソブタノールアミン、トリ−n−ペンタノールアミン、トリ−n−ヘキサノールアミン、トリ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのトリ(シクロ)アルカノールアミン、
【0080】
3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール、4−アミノ−1,3−ブタンジオール、4−アミノ−1,2−シクロヘキサンジオール、4−アミノ−1,3−シクロヘキサンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオールなどのアミノ(シクロ)アルカンジオール類、
【0081】
1−アミノシクロペンタンメタノール、4−アミノシクロペンタンメタノール、1−アミノシクロヘキサンメタノール、4−アミノシクロヘキサンメタノール、4−ジメチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジエチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジメチルアミノシクロヘキサンメタノール、4−ジエチルアミノシクロヘキサンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカンメタノール類、
【0082】
β−アラニン、2−アミノ酪酸、3−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、3−アミノイソ酪酸、2−アミノ吉草酸、5−アミノ吉草酸、6―アミノカプロン酸、1―アミノシクロプロパンカルボン酸、1―アミノシクロヘキサンカルボン酸、4―アミノシクロヘキサンカルボン酸などのアミノカルボン酸類などが挙げられる。
【0083】
また、例えば、アミノ基が直接フェニル基に結合した化合物、アミノ基が炭素鎖を介してフェニル基に結合した化合物なども挙げられる。アミノ基が直接フェニル基に結合した化合物としては、例えばアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、p−エチルアニリン、p−n−プロピルアニリン、p−イソプロピルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−t−ブチルアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−メチル−N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミン類、
【0084】
o−アミノベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、p−アミノベンジルアルコール、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、p−ジエチルアミノベンジルアルコールなどのアミノベンジルアルコール類、
【0085】
o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−ジエチルアミノフェノールなどのアミノフェノール類、
【0086】
m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸などのアミノ安息香酸(誘導体)類などが挙げられる。
【0087】
かかる有機カルボン酸、有機アミノ化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用される。かかる有機カルボン酸、有機アミノ化合物を用いる場合、着色感光性樹脂組成物におけるその含有量は通常、着色感光性樹脂組成物に対して質量分率で通常0.001%以上15%以下、好ましくは0.01%以上10%以下である。
【0088】
かかる着色感光性樹脂組成物は、通常、溶剤で希釈された状態で基板(2)上に塗布される(図2(a))。溶剤としては、例えばエステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類などが挙げられる。
【0089】
エステル類としては、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、
【0090】
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチルなどが挙げられる。
【0091】
エーテル類としては、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0092】
ケトン類としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノンなどが挙げられる。芳香族炭化水素類としては、例えばトルエン、キシレンなどが挙げられる。
【0093】
かかる溶剤の中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどが好ましく用いられる。
【0094】
かかる溶剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いられ、その使用量は、着色感光性樹脂組成物における固形分の濃度が質量分率で通常2%以上50%以下の範囲となるように選択される。
【0095】
かかる着色感光性樹脂組成物は、例えば回転塗布法(スピンコート法)、流延塗布法、ロール塗布法などの通常の塗布方法で、基板(2)上に塗布することができる。
【0096】
基板(2)としては、例えばガラス基板、シリコン基板などのほか、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板などの樹脂基板を用いることができる。かかる基板は、シランカップリング剤などの薬品による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング処理、スパッタリング処理、気相反応処理、真空蒸着処理などの前処理が施されていてもよい。
【0097】
着色感光性樹脂組成物を基板(2)上に塗布後、乾燥して溶剤を揮発させることで、基板上に着色感光性樹脂組成物層(1)を形成することができる(図2(a))。該層は、着色感光性樹脂組成物の固形分からなる層であり、その厚さは、通常0.1μm〜10μm、好ましくは0.2μm〜5.0μm、特に好ましくは0.2μm〜3.0μmである。
【0098】
次いで着色感光性樹脂組成物層(1)にフォトマスク(3)を介して光線(4)を照射する(図2(b))。
【0099】
フォトマスク(3)は、例えばガラス板(31)などの表面に遮光層(32)が設けられたものである。遮光層によって光線(4)は遮蔽される。ガラス板のうちの遮光層が遮光層が設けられていない部分は透光部(33)であって、光線は該透光部を透過して着色感光性樹脂組成物層(1)に照射され、該層(1)は、該透光部のパターンしたがって露光される。
【0100】
光線(4)としては通常、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの紫外線が用いられる。光線は平行光となって着色感光性樹脂組成物層(1)に照射されることが好ましく、通常はマスクアライナー(図示せず)などを介して照射される。本発明の形成方法によれば、解像度よく着色パターンを形成するので、例えば幅が20μm程度以下、さらには10μm程度以下、特には5μm以下の着色パターンを容易に安定して形成することができる。
【0101】
光線の照射量は、用いた(A)顔料の色や含有量、(B)バインダー樹脂の種類や含有量、(C)1個以上のエチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物の種類や含有量、(D)光重合開始剤の種類や含有量などに応じて適宜選択されるが、本発明の形成方法によれば、感度よく着色パターン(5)を形成するできるので、通常の着色パターンの形成方法と比較して短時間の照射量でもよい。
【0102】
露光後、現像する(図2(c))。現像するには、露光後の着色感光性樹脂組成物層(1)を現像液に接触させればよい。現像液に接触することによって、着色感光性樹脂組成物層のうちで光線が照射されなかった光線未照射領域(11)が現像液に溶解する。
【0103】
現像液としては、例えばアルカリ性水溶液を用いることができる。アルカリ性水溶液としては、水酸化カリウムの水溶液が用いられ、その濃度はアルカリ性水溶液に対して質量分率で通常0.001%以上10%以下、好ましくは0.01%以上1%以下程度である。かかるアルカリ性水溶液は、メタノール、エタノールなどの水溶性の有機溶剤、界面活性剤などを含有していてもよい。現像液として有機溶剤を用いることもでき、例えば着色感光性樹脂組成物を希釈するに用いる溶剤として前記したと同様の有機溶剤を適宜組合わせて用いてもよい。
【0104】
現像方法は、特に限定されるものではなく、例えばディップ現像法(浸漬現像法)、シャワー現像法、スプレー現像法、パドル現像法(液盛り現像法)などの方法で現像することができる。現像温度は通常10℃〜40℃の範囲であり、現像時間は通常10秒〜300秒である。
【0105】
現像によって、着色感光性樹脂組成物層のうちの光線が照射されなかった光線未照射領域(11)は現像液に溶解して除去される。その一方で光線が照射された光線照射領域(12)は残って着色パターン(5)を構成する。
【0106】
本発明の形成方法では、かかる現像において着色感光性樹脂組成物層の未照射領域(11)を10nm/秒以上60nm/秒以下の溶解速度、好ましくは50nm/秒以下の溶解速度で現像液に溶解させる。ここで溶解速度(r)は、着色感光性樹脂組成物層(1)の厚み(t)と該層を現像液に溶解するのに要する時間(T)とから式(III)
r=t/T (III)
によって求められる速度である。
【0107】
かかる溶解速度で現像液に溶解させるには、現像液としてアルカリ性水溶液を用いる場合には、該水溶液のアルカリ化合物の濃度、現像液の温度などを適宜選択すればよい。具体的にはアルカリ化合物の濃度を薄くすることで溶解速度を小さくすることができ、現像温度を低くすることで溶解速度を小さくすることができる。
【0108】
また、現像液として通常は質量分率で0.05%程度の水酸カリウムを含む水酸化カリウム水溶液が23℃で用いられる場合が多いので、基板上に形成された着色感光性樹脂組成物層が、該水酸化カリウム水溶液に23℃で10nm/秒以上60nm/秒以下の溶解速度、好ましくは50nm/秒以下の溶解速度で溶解する着色感光性樹脂組成物を用いてもよい。かかる溶解速度で溶解可能な着色感光性樹脂組成物は、例えば(B)バインダー樹脂の使用量(着色感光性樹脂組成物における含有量)を適宜選択することにより調製でき、例えば(B)バインダー樹脂の使用量(着色感光性樹脂組成物における含有量)を(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物に対して1.5質量倍以上5質量倍以下とすることによって調製することもできる。
【0109】
現像後、乾燥することで、着色パターン(5)を得るが(図2(c))、現像液としてアルカリ性水溶液を用いた場合には通常、現像後水洗したのちに、乾燥する。乾燥後、さらに加熱処理してもよい。
【0110】
かくして着色パターンを得るが、本発明の形成方法によれば、露光における感度がよいので、露光時間を短縮することができ、また解像度がよいので、細かい着色パターンであっても、容易に形成することができる。
【0111】
さらに、着色感光性樹脂組成物に含まれる(A)顔料の色を替えて基板(2)の上に着色感光性樹脂組成物層(1’)を再び形成し(図3(a))、該層(1’)にフォトマスク(3)を介して光線(4)を照射して露光したのち(図3(b))、現像することによって、さらに他の色の着色パターン(5’)を形成することもできる。着色感光性樹脂組成物に含まれる(A)顔料の色を替えながら上記操作を繰り返し行うことによって(図4)、さらに他の色の画素(5”)を形成することができ、目的とするカラーフィルター(6)を得ることができる。
【実施例】
【0112】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
【0113】
実施例1
〔着色感光性樹脂組成物の製造〕
(A)顔料〔黒色顔料(C.I.ピグメントブラック7)40質量部と分散剤12質量部との混合物〕52質量部、
(B)バインダー樹脂〔式(IV)

で示される化合物50質量部と4,4’−ジフタル酸無水物17質量部との縮重合物、酸価は100〕32質量部、
(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〕11質量部、
(D)光重合開始剤〔2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン〕5.0質量部および
溶剤〔プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〕374質量部を混合して着色感光性樹脂組成物(黒色)を得た。
【0114】
〔着色感光性樹脂組成物層の形成〕
上記で得た着色感光性樹脂組成物をガラス基板〔「#7059」コーニング社製〕(2)の表面にスピンコート法で塗布し、100℃で3分間加熱して乾燥させて、着色感光性樹脂組成物層(1)を基板(2)上に形成した。この乾燥後の着色感光性樹脂組成物層の厚みは1.2μmであった。
【0115】
〔着色パターンの形成(解像度の評価)〕
上記で着色感光性樹脂組成物層(1)を形成した基板(2)にフォトマスク(3)を介して超高圧水銀灯で紫外線を照射して(照射量は400mJ/cm2)、露光した。フォトマスク(3)としては、線幅が3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μmおよび100μmの線状(ラインアンドスペース)の着色パターン(5)を形成するためのフォトマスクを用いた。露光後の着色感光性樹脂組成物層を現像液〔水酸化カリウムを質量分率で0.05%含み、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液、23℃〕に90秒間浸漬して現像した。現像後、水洗し、230℃で20分間加熱して、基板(2)上に黒色の着色パターン(ブラックマトリックス)を形成した。このブラックマトリックスを光学顕微鏡で観察したところ、線幅が3μmの着色パターンが再現性よく形成されていた。
【0116】
〔感度の評価〕
光線照射領域の厚みが現像において変化しない最低の光線照射量を感度とし、以下の方法で評価した。上記と同様にして基板上に形成した着色感光性樹脂組成物層(1)にフォトマスク(3)を介して超高圧水銀灯で紫外線を照射して露光した。露光では、フォトマスク(3)として透光部のみからなりその透過率がステップ状に変化したものを用いて、4〜400mJ/cm2の範囲の光線を照射した。次いで上記で露光した着色感光性樹脂組成物層を、上記で用いたと同じ現像液に90秒間浸漬して現像し、その厚みが変化することなく現像された光線照射領域(12)の最低光線照射量(100mJ/cm2)を感度とした。表1に感度を示す。
【0117】
〔着色感光性樹脂組成物層の溶解速度の評価〕
上記と同様にして基板(2)上に形成した着色感光性樹脂組成物層(1)を現像液〔水酸化カリウムを質量分率で0.05%含み、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液、23℃〕に浸漬して現像した。浸漬時間は0秒から120秒まで1秒刻みとして、着色感光性樹脂組成物層が完全に消失するまでの時間を溶出時間とし、この溶出時間と着色感光性樹脂組成物層の厚みとから、溶解速度を算出した。結果を表1に示す。
【0118】
実施例2
〔着色感光性樹脂組成物の製造および着色感光性樹脂組成物層の形成〕
実施例1で使用したバインダー樹脂に代えて、バインダー樹脂〔式(IV)で示される化合物50質量部とベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15質量部との縮重合物、酸価は103〕32質量部を用いる以外は実施例1と同様に操作して、着色感光性樹脂組成物(黒色)を得、着色感光性樹脂組成物層(厚み1.2μm)を形成した。
【0119】
〔評価〕
実施例1で得た着色感光性樹脂組成物層(1)が形成された基板(2)に代えて上記で得た着色感光性樹脂組成物層が形成された基板を用いる以外は、実施例1と同様に操作して、溶解速度を算出し、感度を評価した。結果を表1に示す。
【0120】
〔着色パターンの形成(解像度の評価)〕
実施例1で得た着色感光性樹脂組成物に代えて上記で得た着色感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例1と同様に操作して、基板(2)上に黒色の着色パターン(ブラックマトリックス)を形成した。このブラックマトリックスを光学顕微鏡で観察したところ、線幅が3μmの着色パターンが再現性よく形成されていた。結果を表1に示す。
【0121】
実施例3
〔着色感光性樹脂組成物の製造および着色感光性樹脂組成物層の形成〕
実施例1で使用したバインダー樹脂に代えて、バインダー樹脂〔式(IV)で示される化合物50質量部とテトラヒドロフタル酸無水物25質量部との縮重合物、酸価は95〕32質量部を用いる以外は実施例1と同様に操作して、着色感光性樹脂組成物(黒色)を得、着色感光性樹脂組成物層(厚み1.2μm)を形成した。
【0122】
〔評価〕
実施例1で得た着色感光性樹脂組成物層(1)が形成された基板(2)に代えて上記で得た着色感光性樹脂組成物層が形成された基板を用いる以外は、実施例1と同様に操作して、溶解速度を算出し、感度を評価した。結果を表1に示す。
【0123】
〔着色パターンの形成(解像度の評価)〕
実施例1で得た着色感光性樹脂組成物に代えて上記で得た着色感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例1と同様に操作して、基板(2)上に黒色の着色パターン(ブラックマトリックス)を形成した。このブラックマトリックスを光学顕微鏡で観察したところ、線幅が3μmの着色パターンが再現性よく形成されていた。結果を表1に示す。
【0124】
比較例1
〔着色感光性樹脂組成物の製造および着色感光性樹脂組成物層の形成〕
バインダー樹脂の使用量を21質量部とし、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの使用量を22質量部とする以外は実施例1と同様に操作して、着色感光性樹脂組成物(黒色)を得、着色感光性樹脂組成物層(厚み1.2μm)を形成した。
【0125】
〔評価〕
実施例1で得た着色感光性樹脂組成物層(1)が形成された基板(2)に代えて上記で得た着色感光性樹脂組成物層が形成された基板を用いる以外は、実施例1と同様に操作して、溶解速度を算出し、感度を評価した。結果を表1に示す。
【0126】
〔着色パターンの形成(解像度の評価)〕
実施例1で得た着色感光性樹脂組成物に代えて上記で得た着色感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例1と同様に操作して、基板(2)上に黒色の着色パターン(ブラックマトリックス)を形成した。このブラックマトリックスを光学顕微鏡で観察したところ、線幅が30μmおよびそれ以上の着色パターンが再現性よく形成されていたが、線幅が20μm以下の着色パターンは再現性よく形成されていなかった。結果を表1に示す。
【0127】
【表1】


(B)/(C):バインダー樹脂とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
との使用量比(質量比)
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明の形成方法によれば、感度および解像度よく着色パターンを形成することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 :着色感光性樹脂組成物層 11:光線未照射領域
12:光線照射領域
2 :基板
3 :フォトマスク 31:ガラス板
32:遮光層
33:透光部
4 :光線
5 :着色パターン 5R:赤色画素
5G:緑色画素
5B:青色画素
5BM:ブラックマトリックス
6 :カラーフィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)顔料、(B)バインダー樹脂、(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物および(D)光重合開始剤を含む着色感光性樹脂組成物からなる層にフォトマスクを介して光線を照射したのち、該層の光線未照射領域を10nm/秒以上60nm/秒以下の溶解速度で水酸化カリウムを含む現像液に溶解させることを特徴とする着色パターンの形成方法であり、(B)バインダー樹脂が、式(I)

〔式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子を示し、R4は水素原子またはメチル基を示し、Xは式(I−1)〜(I−6)


のいずれかで示される2価の残基を示し、R3は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示し、mは0〜5の整数を示し、nは1〜10の整数を示す。〕
で示される化合物と多塩基酸との縮重合物である形成方法。
【請求項2】
(D)光重合開始剤が、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジンを含む光重合開始剤である請求項1記載の形成方法。
【請求項3】
(A)顔料が黒色顔料である請求項1又は2記載の形成方法。
【請求項4】
着色感光性樹脂組成物の(A)顔料の含有量が、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で30%以上である請求項1〜3のいずれか記載の形成方法。
【請求項5】
(B)バインダー樹脂の使用量が(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物の使用量に対して1.5質量倍以上5質量倍以下である請求項1〜4のいずれか記載の形成方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の方法で着色パターンを形成するカラーフィルターの製造方法。
【請求項7】
(A)顔料、(B)バインダー樹脂、(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物および(D)光重合開始剤を含む着色感光性樹脂組成物であり、
(B)バインダー樹脂が、式(I)

〔式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子を示し、R4は水素原子またはメチル基を示し、Xは式(I−1)〜(I−6)

のいずれかで示される2価の残基を示し、R3は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示し、mは0〜5の整数を示し、nは1〜10の整数を示す。〕
で示される化合物と多塩基酸との縮重合物であり、
その固形分からなる層が、水酸化カリウムを含む現像液に10nm/秒以上60nm/秒以下の溶解速度で溶解する着色感光性樹脂組成物。
【請求項8】
(A)顔料、(B)バインダー樹脂、(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物および(D)光重合開始剤を含む着色感光性樹脂組成物であり、
(B)バインダー樹脂が、式(I)

〔式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子を示し、R4は水素原子またはメチル基を示し、Xは式(I−1)〜(I−6)

のいずれかで示される2価の残基を示し、R3は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示し、mは0〜5の整数を示し、nは1〜10の整数を示す。〕
で示される化合物と多塩基酸との縮重合物であり、
その固形分からなる層が、質量分率で0.05%の水酸化カリウムを含む水酸化カリウム水溶液に23℃で10nm/秒以上60nm/秒以下の溶解速度で溶解する着色感光性樹脂組成物。
【請求項9】
(D)光重合開始剤が、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジンを含む光重合開始剤である請求項7又は8記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項10】
(A)顔料が黒色顔料である請求項7〜9のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項11】
着色感光性樹脂組成物の(A)顔料の含有量が、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で30%以上である請求項7〜10のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項12】
(B)バインダー樹脂の含有量が(C)エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物の使用量に対して1.5質量倍以上5質量倍以下である請求項7〜11のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−43828(P2011−43828A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199624(P2010−199624)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【分割の表示】特願2001−246980(P2001−246980)の分割
【原出願日】平成13年8月16日(2001.8.16)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】