磁区壁移動を利用した半導体装置及びその製造方法
【課題】磁区壁移動を利用した半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に形成されて複数の磁区を持つ磁性層及びその磁性層に磁区壁移動のためのエネルギーを印加する手段を備える半導体装置であって、前記磁性層は基板と平行に形成され、磁性層の長手方向に沿って交互に配置される突出部及び陥没部を持つことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置。この磁区壁移動を利用した半導体装置では、磁性層が凸凹の形態を持って磁区壁のビット単位移動の安定性が確保される。
【解決手段】基板上に形成されて複数の磁区を持つ磁性層及びその磁性層に磁区壁移動のためのエネルギーを印加する手段を備える半導体装置であって、前記磁性層は基板と平行に形成され、磁性層の長手方向に沿って交互に配置される突出部及び陥没部を持つことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置。この磁区壁移動を利用した半導体装置では、磁性層が凸凹の形態を持って磁区壁のビット単位移動の安定性が確保される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に係り、より詳細には磁性材料の磁区壁移動を利用する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データ保存装置は、揮発性データ保存装置と不揮発性データ保存装置とに大別できる。揮発性データ保存装置の場合、電源が遮断されれば記録されたデータがいずれも消去されるが、不揮発性データ保存装置の場合、電源が遮断されても記録されたデータは消えない。
【0003】
不揮発性データ保存装置は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性RAM(Ramdom Access Memory)などがある。HDDは、読み取り/書き込みヘッドとデータが記録される回転媒体とを備え、100GB(gigabytes)以上の多くのデータが保存されうる。ところが、HDDのように回転する部分を持つ保存装置は摩耗される傾向があり、動作時にフェイル(fail)が発生する可能性が大きいために信頼性が落ちる。
【0004】
このために、最近には前記のような従来の不揮発性データ保存装置の問題点を克服するための方法として、磁性物質の磁区壁の移動原理を利用する新たなデータ保存装置に関する研究及び開発が行われている。
【0005】
まず、磁性物質の磁区及び磁区壁について説明した後、それを利用したデータ保存装置について説明する。
【0006】
強磁性体を構成する磁性の微小領域を磁気区域(magnetic domain;以下、磁区という)という。このような磁区内では電子の自転、すなわち、磁気モーメントの方向が同一である。このような磁区の大きさ及び磁化方向は、磁性材料の物性、形態、サイズ及び外部のエネルギーにより適切に制御されうる。
【0007】
磁区壁は、相異なる磁化方向を持つ磁区の境界部分であり、このような磁区壁は、磁性材料に印加される磁場または電流により移動しうる。すなわち、所定の幅及び厚さを持つ磁性層内に特定方向を持つ複数の磁区を作ることができ、適切な強度を持つ磁場または電流を利用して前記磁区を移動させることができる。
【0008】
前記磁区壁の移動原理は、HDDのようなデータ保存装置に適用されうる。すなわち、磁性物質内に特定データと対応するように磁化された磁区を読み取り/書き込みするためのヘッドを通過するように移動させることによって、データの読み取り/書き込み動作が可能である。この場合、記録媒体を直接回転させなくても読み取り/書き込みが可能であるので、従来のHDDの摩耗及びフェイル問題が解決される。このように、磁区壁の移動原理をHDDのようにデータ保存装置に適用した一例が特許文献1に紹介された。
【0009】
また、磁区壁の移動原理は、不揮発性RAMのようなメモリに適用される。すなわち、特定方向に磁化された磁区及びそれらの境界の磁区壁を持つ磁性物質で磁区壁が移動するにつれて磁性物質内の電圧が変化する原理を利用して、‘0’または‘1’のデータを書き込み/読み取り可能な不揮発性メモリ素子を具現できる。この場合、ライン形態の磁性物質内に特定電流を流して磁区壁の位置を変化させつつデータを書き込み/読み取り可能であるために、非常に簡単な構造を持つ高集積素子の具現が可能である。このように、磁区壁の移動原理をRAMのようなメモリに適用した例は、特許文献2及び3に紹介された。
【0010】
しかし、磁区壁移動を利用した半導体装置はまだ開発初期段階にあり、その実用化のためにはいくつかの問題点が解決されねばならない。重要な問題点のうち一つは、磁区壁移動の安定性と関連する。
【0011】
磁区壁移動の安定性を確保するためには、一般的に人為的なノッチが利用される。図1は、前記特許文献2に紹介されたものであり、ノッチが形成された磁性層200の平面図である。図面符号20及び25はそれぞれ磁区及び磁区壁を表す。図1で磁区壁25は二次元で表現されたが、実際の磁区壁は体積を持つ3次元的な要素である。
【0012】
図1に示したように、ノッチは、磁区壁予定部分に該当する磁性層200の両側に形成された溝であり、移動する磁区壁をピンニングする役割を行う。すなわち、ノッチにより磁区壁が1ビット単位で移動できる。
【0013】
しかし、数十ナノメートル程度の厚さ及び幅を持つ磁性層に微細なサイズのノッチを形成することは現実的に非常に困難である。さらに微細なノッチを均一な間隔、サイズ及び形態を持つように形成することはさらに困難である。もし、ノッチの間隔、サイズ及び形態が不均一であれば、それにより磁区壁をピンニングする磁場の強度、すなわち、ピンニング磁場の強度が変わるために素子特性が不均一になる。
【0014】
また、基板と平行したノッチを形成する場合、露光工程の限界によってノッチ間隔を縮め難い。これは、ビットサイズの縮小が困難であるということを意味する。
【0015】
したがって、ノッチを利用する従来技術では素子の高集積化が困難であり、磁区壁移動の安定性を確保し難い。
【特許文献1】米国特許第6,834,005 B1号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開10−2006−0013476号明細書
【特許文献3】米国特許第6,781,871 B2号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した従来技術の問題点を改善するためのものであり、ノッチによるビットサイズ縮少の難点及び製造工程上の難点など諸般問題が解決され、磁区壁移動の安定性も確保された半導体装置を提供するところにある。
【0017】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、前記半導体装置の製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記技術的課題を達成するために、本発明は、基板上に形成されて複数の磁区を持つ磁性層、及び前記磁性層に磁区壁移動のためのエネルギーを印加する手段を備える半導体装置であって、前記磁性層は前記基板と平行に形成され、前記磁性層の長手方向に沿って交互に配置される突出部及び陥没部を持つことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置を提供する。
【0019】
ここで、前記基板と前記突出部との間に絶縁層パターンが備わる。前記基板と前記突出部との間に絶縁層パターンが備わる場合、前記磁性層は、前記基板及び前記絶縁層パターンの表面に沿って形成される。
【0020】
前記突出部に対応する前記基板部分は突出する。前記突出部に対応する前記基板部分が突出する場合、前記磁性層は、前記基板の表面に沿って形成される。
【0021】
前記基板表面は平坦である。
【0022】
前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部を除外した残りの突出部または陥没部の長さより長い。
【0023】
前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、前記磁性層の幅の1〜3倍である。
【0024】
前記残りの突出部のピッチ及び前記残りの陥没部のピッチは、前記磁性層の幅の1〜2倍である。
【0025】
前記磁性層の一端及び他端に電流印加のための第1及び第2電極が備わる。
【0026】
前記他の技術的課題を達成するために、本発明は、磁区壁が移動する磁性層を備える半導体装置の製造方法であって、基板上にダミーパターンを形成する工程と、前記ダミーパターン両側の前記基板上に絶縁層パターンを形成する工程と、前記ダミーパターンを除去する工程と、前記基板及び前記絶縁層パターン上に磁性層を形成する工程と、を含む磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を提供する。
【0027】
前記ダミーパターンは、ラインタイプである。さらに望ましくは、前記ダミーパターンは、等間隔に離隔した複数のラインパターンである。
【0028】
前記ダミーパターンは、シリコンで形成される。
【0029】
前記絶縁層パターンは、シリコン窒化物で形成される。
【0030】
前記本発明の磁区壁移動を用いた半導体装置の製造方法は、前記絶縁層パターンを形成する工程と前記ダミーパターンを除去する工程との間に、前記ダミーパターンの上端部及び前記絶縁層パターンの上端部をエッチングする工程をさらに含む。
【0031】
また、前記他の技術的な課題を達成するために、本発明は、磁区壁が移動する磁性層を備える半導体装置の製造方法であって、基板上に均一な厚さの磁性層を形成する工程と、前記磁性層上に第1パターンを形成する工程と、前記第1パターン両側の前記磁性層上に第2パターンを形成する工程と、前記第1パターンを除去する工程と、前記第2パターンをエッチングマスクとして利用して前記磁性層の一部厚さをエッチングする工程と、を含む磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を提供する。
【0032】
ここで、前記第1パターンは、前記磁性層を横切るラインパターンである。
【0033】
前記第1パターンは、等間隔に離隔した複数のラインパターンである。
【0034】
前記第1パターンは、シリコンで形成される。
【0035】
前記本発明の磁区壁移動を用いた半導体装置の製造方法は、前記第2パターンを形成する工程と前記第1パターンを除去する工程との間に、前記第1パターンの上端部及び前記第2パターンの上端部をエッチングする工程をさらに含む。
【0036】
前記本発明の磁区壁移動を用いた半導体装置の製造方法は、前記磁性層の一部厚さをエッチングする工程後、前記第2パターンを除去する工程をさらに含む。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、磁区壁移動を利用した半導体装置の磁性層を全体的に基板と平行に形成するが、凸凹の形態を持つように形成する。この場合、磁性層に規則的に段差が付いたことと関連して磁区壁のビット単位移動の安定性が確保される。
【0038】
特に、基板上にピッチがFである絶縁層パターンを形成した後、基板と絶縁層パターンとの表面に沿ってコンフォーマル(conformal)に磁性層を形成する場合、ノッチを利用する従来技術に比べて2倍の集積度を得ることができる。本発明の実施形態による半導体装置のセルサイズは1F2であるので、Fが30nmである場合に100GB/cm2の記録密度を持つ高集積素子の具現が可能である。
【0039】
また、ノッチ形成による工程の難点及び素子特性の均一性低下の問題点なしに、信頼性の高い磁区壁移動半導体装置を具現できる。ノッチ形成が現実的に難しく、その均一性確保はさらに難しいということに鑑みれば、本発明は磁区壁移動を利用した半導体装置の大量生産及び再現性確保に大きく寄与できると期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置及びその製造方法を、添付された図面を参照して詳細に説明する。この過程で図面に図示された層や領域の厚さは、明細書の明確性のために多少誇張されて図示されている。
【0041】
図2は、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置(以下、本発明の実施形態による半導体装置)の部分斜視図である。
【0042】
図2を参照すれば、本発明の実施形態による半導体装置は、基板1上に形成されて複数の磁区を持つ磁性層300と、前記磁性層300に磁区壁(前記磁区の壁)移動のためのエネルギーを印加する手段とを備える半導体装置である。
【0043】
ここで、前記エネルギーを印加する手段は、第1及び第2トランジスタT1、T2を備えることができる。前記磁性層300は、前記基板1と平行に形成され、前記磁性層300の長手方向に沿って交互に配置される突出部4と陥没部5とを持つ。突出部4の幅と陥没部5の幅とは磁性層300の幅と同じである。
【0044】
基板1と突出部4との間には絶縁層パターン3が備わりうる。この場合、磁性層300は、基板1と絶縁層パターン3の表面に沿ってコンフォーマル(conformal)に形成される。絶縁層パターン3の介在の代りに基板1の一部分が突出することもある。この場合、突出部4に対応する基板部分が突出し、磁性層300は、基板の表面に沿ってコンフォーマルに形成される。
【0045】
突出部4及び陥没部5のうち、いずれか一つは少なくとも2つでありうる。
【0046】
磁性層300の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、残りの突出部または陥没部の長さより長い。さらに具体的には、磁性層300の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、磁性層300の幅の1〜3倍でありうる。図面には両端の陥没部の長さが磁性層300の幅と同じ場合について図示されている。
【0047】
前記残りの突出部及び前記残りの陥没部のピッチは、磁性層300の幅と同一であることが望ましいが、前記残りの突出部及び前記残りの陥没部のピッチは磁性層300の幅の1〜2倍でありうる。ここで、ピッチは突出部または陥没部の中央部の距離である。
【0048】
前記磁区壁移動のためのエネルギーは、電流及び磁場のうち一つでありうる。
【0049】
前記磁区壁移動のためのエネルギーが電流である場合、磁性層300の一端及び他端に第1及び第2電極400a、400bが備わりうる。第1及び第2電極400a、400bは、第1及び第2トランジスタT1、T2とそれぞれ連結されるか、または交流電流発生器(図示せず)と連結されうる。第1及び第2トランジスタT1、T2または前記交流電流発生器は、第1及び第2電極400a、400bと共に磁区壁移動のための前記エネルギー印加手段を構成できる。
【0050】
図示していないが、磁性層300の中央部には読み取りヘッドと書き込みヘッドとがさらに備わりうる。前記読み取りヘッドと書き込みヘッドとは一体型であり、磁性層300の中央部ではない両端のうち少なくともいずれか1箇所に備わってもよい。このように、磁性層300に読み取りヘッドと書き込みヘッドとが備われば、本発明の実施形態による半導体装置は記録装置である。もし、読み取りヘッドと書き込みヘッドの代りに磁性層300の特定位置を選択するためのワードラインとビットラインとが備われば、本発明の実施形態による半導体装置はメモリ素子である。
【0051】
以下では、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明する。
【0052】
図3Aないし図3Fは、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【0053】
図3Aを参照すれば、基板1上にダミーパターン2を形成する。ダミーパターン2は等間隔に離隔した複数のラインパターンでありうる。ダミーパターン2の材質はシリコンであり、ダミーパターン2のピッチは2F(F:feature size)でありうる。ここで、Fは、以後に形成される磁性層の線幅であり、露光工程で具現可能な最小線幅でありうる。
【0054】
図3Bを参照すれば、ダミーパターン2を覆うように、基板1上に絶縁膜3’を形成する。絶縁膜3’はシリコン窒化膜(SixNy)であり、基板1とダミーパターン2との表面に沿ってコンフォーマルに形成される。
【0055】
図3Cを参照すれば、絶縁膜3’をRIE(Reactive Ion Etching)などの方法で異方性エッチングして、ダミーパターン2の上部面と基板1の一部とを露出させる。これにより、ダミーパターン2の両側の基板1上に絶縁層パターン3が形成される。絶縁層パターン3のピッチはFであり、絶縁層パターン3の間隔はF/2である。
【0056】
図3Dを参照すれば、ダミーパターン2の上端部及び絶縁層パターン3の上端部をCMP(Chemical Mechanical Polishing)でエッチングする。前記CMPは選択的工程である。
【0057】
図3Eを参照すれば、ウェットまたはドライエッチングで前記ダミーパターンを除去する。前記ウェットまたはドライエッチングは、シリコン材質のダミーパターンを選択的にエッチングする選択的エッチング特性を持つ。
【0058】
図3Fを参照すれば、基板1及び絶縁層パターン3上にそれらの表面に沿って磁性物質膜を形成した後、前記磁性物質膜をライン形態にパターニングする。これにより、基板1と平行して、突出部4と陥没部5とを持つ磁性層300が形成される。突出部4と陥没部5とは、磁性層300の長手方向に沿って交互に配置される。突出部4のピッチ及び陥没部5のピッチはFであり、突出部4の長さ及び陥没部5の長さはそれぞれF/2程度である。ここで、図示していないが、磁性層300の両端の突出部または陥没部の長さは、残りの突出部及び陥没部の長さより長い。磁性層300の両端の突出部または陥没部の長さを長くする理由は、それに形成される電極のコンタクトマージンを確保するためである。
【0059】
以後、図示していないが、磁性層300の両端に磁区壁を移動させるための手段として第1及び第2電極を形成できる。前記磁区壁を移動させるための手段は他の形態でありうる。
【0060】
このように、本発明の実施形態では、ダミーパターン2を利用して基板1上にピッチがFである絶縁層パターン3を形成した後、基板1と絶縁層パターン3との表面に沿って磁性層300を形成する。これにより、突出部4と陥没部5とが交互に配置される磁性層300が形成されるが、ここで、突出部4と陥没部5それぞれのピッチはFであり、突出部4と陥没部5の長さはF/2程度である。
【0061】
一方、本発明の実施形態による半導体装置では、突出部4と陥没部5とが交互に配置されることと関連して、磁区壁のビット単位移動の安定性が確保される。すなわち、突出部4と陥没部5との境界の段差部が従来のノッチのような役割を行える。この場合、前記段差部で磁区壁がピンニングされる。一方、段差部を除外した残りの部分、すなわち、突出部4の中央部及び陥没部5の中央部が従来のノッチのような役割を行うこともある。この場合、突出部4の中央部及び陥没部5の中央部で磁区壁がピンニングされる。磁区壁のピンニング位置は磁性層の形態によって決定される。
【0062】
図4ないし図6は、本発明の実施形態による半導体装置の磁性層の多様な形態を示す断面図である。各磁性層300a、300b、300c及び絶縁層パターン3a’、3b’、3c’の部位別寸法は図面に記載されている。磁性層300a、300b、300cの部位別寸法は、磁性層の材質、形成条件及び段差被覆性に依存する。図4ないし図6で図面番号1は基板を表す。
【0063】
磁性層の内部エネルギーは、スピン交換エネルギー、結晶異方性エネルギー及び静磁場エネルギーなどの相互作用により決定されるが、凹凸状の磁性層において磁区壁は特定位置で低いエネルギーを持つ。前述したように、磁区壁の停止位置は磁性層の形態によって変わるので、磁性層の形態を適切に調節することによって所望の位置に磁区壁を停止させることができる。
【0064】
磁区壁が突出部(または陥没部)の中央部でピンニングされる場合、突出部(または陥没部)の中央部が一つのビットになる。一方、磁区壁が段差部でピンニングされる場合、段差部が一つのビットになる。したがって、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置では、磁区壁がビット単位として安定的にピンニングされることができるが、ここで、ビットサイズはF×(F/2)程度でありうる。磁性層の間隔をFとすれば、本発明の実施形態による半導体装置のセルサイズは2F×(F/2)、すなわち、1F2程度である。このような本発明の実施形態による半導体装置でのビットサイズ及びセルサイズは、従来の工程で具現できるビットサイズ及びセルサイズの半分ほどである。
【0065】
一方、図7は、本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置(以下、本発明の他の実施形態による半導体装置)の部分斜視図である。本発明の他の実施形態による半導体装置は、基板と磁性層との間に絶縁層パターンがなく、磁性層の下面が平坦なことを除いては、図2を参照して説明した本発明の実施形態による半導体装置と同じ構造を持つ。図2と図7とで同じ図面番号は同じ構成要素を表す。
【0066】
図7を参照すれば、本発明の他の実施形態による半導体装置で磁性層600aの下面は平坦である。そして、突出部4及び陥没部5のピッチは、磁性層600aの幅Fの1〜2倍でありうる。
【0067】
図8Aないし図8Gは、本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【0068】
図8Aを参照すれば、基板1上に均一な厚さの磁性層600を形成する。次いで、前記磁性層600上に第1パターン2aを形成する。第1パターン2aは磁性層600と垂直のライン形態であり、等間隔に離隔した複数のラインパターンでありうる。第1パターン2aの材質はシリコンであり、第1パターン2aのピッチは2Fでありうる。
【0069】
図8Bを参照すれば、第1パターン2aを覆うように磁性層600上に絶縁膜3”を形成する。絶縁膜3”はシリコン窒化膜(SixNy)であり、磁性層600と第1パターン2aとの表面に沿ってコンフォーマルに形成される。
【0070】
図8Cを参照すれば、絶縁膜3”をRIEなどの方法で異方性エッチングして第1パターン2aの上部面と磁性層600の一部とを露出させる。これにより、第1パターン2aの両側の磁性層600上に第2パターン3aが形成される。第2パターン3aのピッチはFであり、第2パターン3aの間隔はF/2である。
【0071】
図8Dを参照すれば、第1パターン2aの上端部及び第2パターン3aの上端部をCMPでエッチングする。前記CMPは選択的工程である。
【0072】
図8Eを参照すれば、ウェットまたはドライエッチングで前記第1パターンを除去する。前記ウェットまたはドライエッチングは、シリコン材質の第1パターンを選択的にエッチングする選択的エッチング特性を持つ。
【0073】
図8Fを参照すれば、第2パターン3aをエッチングマスクとして利用して前記磁性層600の一部厚さをエッチングする。これにより、下面が平坦であって突出部4と陥没部5とが交互に配置される磁性層600aが形成される。突出部4と陥没部5とは、磁性層600aの長手方向に沿って交互に配置される。突出部4のピッチ及び陥没部5のピッチはFであり、突出部4の長さ及び陥没部5の長さはそれぞれF/2程度である。ここで、図示していないが、磁性層600aの両端の突出部または陥没部の長さは、残りの突出部及び陥没部の長さより長い。磁性層600aの両端の突出部または陥没部の長さを長くする理由は、それに形成される電極のコンタクトマージンを確保するためである。
【0074】
図8Gを参照すれば、前記第2パターンを除去する。以後、図示していないが、磁性層600aの両端に磁区壁を移動させるための手段として第1及び第2電極を形成できる。前記磁区壁を移動させるための手段は他の形態でありうる。
【0075】
前述した本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置でも、磁性層600aに段差があることと関連して磁区壁がビット単位で安定的に移動できる。ところが、前記本発明の他の実施形態による半導体装置では磁性層600aの下面が平坦であるので、本発明の実施形態による半導体装置とは異なって突出部4または陥没部5の全体が磁区壁領域となる。したがって、本発明の他の実施形態による半導体装置のセルサイズは、本発明の実施形態による半導体装置のセルサイズより大きい。したがって、本発明の実施形態による半導体装置の製造方法の方が本発明の他の実施形態による半導体装置の製造方法より高集積化に有利である。
【0076】
前記の説明で多くの事項が具体的に記載されているが、それらは発明の範囲を限定するというよりは、望ましい実施形態の例示として解釈されねばならない。例えば、当業者ならば、本発明の半導体装置は、HDDのようなストレージ装置でもあり、RAMのようなメモリ素子でもあり、場合によってはロジック素子でもありうるということが分かり、また、それぞれの場合に付加される構成要素がさらに多様化するということが分かるであろう。さらに、本発明の半導体装置の製造方法は、前記の製造方法に限定されず、製造方法によって突出部4と陥没部5とのピッチ及び形態は多様に変更されるということが分かる。したがって、本発明の範囲は説明された実施形態によって定められるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想により定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、半導体装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】従来技術による磁性層の平面図である。
【図2】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の部分斜視図である。
【図3A】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3B】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3C】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3D】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3E】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3F】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図4】本発明の実施形態による半導体装置の磁性層の多様な形態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態による半導体装置の磁性層の多様な形態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態による半導体装置の磁性層の多様な形態を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の部分斜視図である。
【図8A】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8B】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8C】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8D】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8E】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8F】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8G】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【符号の説明】
【0079】
1 基板
3 絶縁層パターン
4 突出部
5 陥没部
300 磁性層
400a 第1電極
400b 第2電極
F 磁性層の線幅
T1 第1トランジスタ
T2 第2トランジスタ
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に係り、より詳細には磁性材料の磁区壁移動を利用する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データ保存装置は、揮発性データ保存装置と不揮発性データ保存装置とに大別できる。揮発性データ保存装置の場合、電源が遮断されれば記録されたデータがいずれも消去されるが、不揮発性データ保存装置の場合、電源が遮断されても記録されたデータは消えない。
【0003】
不揮発性データ保存装置は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性RAM(Ramdom Access Memory)などがある。HDDは、読み取り/書き込みヘッドとデータが記録される回転媒体とを備え、100GB(gigabytes)以上の多くのデータが保存されうる。ところが、HDDのように回転する部分を持つ保存装置は摩耗される傾向があり、動作時にフェイル(fail)が発生する可能性が大きいために信頼性が落ちる。
【0004】
このために、最近には前記のような従来の不揮発性データ保存装置の問題点を克服するための方法として、磁性物質の磁区壁の移動原理を利用する新たなデータ保存装置に関する研究及び開発が行われている。
【0005】
まず、磁性物質の磁区及び磁区壁について説明した後、それを利用したデータ保存装置について説明する。
【0006】
強磁性体を構成する磁性の微小領域を磁気区域(magnetic domain;以下、磁区という)という。このような磁区内では電子の自転、すなわち、磁気モーメントの方向が同一である。このような磁区の大きさ及び磁化方向は、磁性材料の物性、形態、サイズ及び外部のエネルギーにより適切に制御されうる。
【0007】
磁区壁は、相異なる磁化方向を持つ磁区の境界部分であり、このような磁区壁は、磁性材料に印加される磁場または電流により移動しうる。すなわち、所定の幅及び厚さを持つ磁性層内に特定方向を持つ複数の磁区を作ることができ、適切な強度を持つ磁場または電流を利用して前記磁区を移動させることができる。
【0008】
前記磁区壁の移動原理は、HDDのようなデータ保存装置に適用されうる。すなわち、磁性物質内に特定データと対応するように磁化された磁区を読み取り/書き込みするためのヘッドを通過するように移動させることによって、データの読み取り/書き込み動作が可能である。この場合、記録媒体を直接回転させなくても読み取り/書き込みが可能であるので、従来のHDDの摩耗及びフェイル問題が解決される。このように、磁区壁の移動原理をHDDのようにデータ保存装置に適用した一例が特許文献1に紹介された。
【0009】
また、磁区壁の移動原理は、不揮発性RAMのようなメモリに適用される。すなわち、特定方向に磁化された磁区及びそれらの境界の磁区壁を持つ磁性物質で磁区壁が移動するにつれて磁性物質内の電圧が変化する原理を利用して、‘0’または‘1’のデータを書き込み/読み取り可能な不揮発性メモリ素子を具現できる。この場合、ライン形態の磁性物質内に特定電流を流して磁区壁の位置を変化させつつデータを書き込み/読み取り可能であるために、非常に簡単な構造を持つ高集積素子の具現が可能である。このように、磁区壁の移動原理をRAMのようなメモリに適用した例は、特許文献2及び3に紹介された。
【0010】
しかし、磁区壁移動を利用した半導体装置はまだ開発初期段階にあり、その実用化のためにはいくつかの問題点が解決されねばならない。重要な問題点のうち一つは、磁区壁移動の安定性と関連する。
【0011】
磁区壁移動の安定性を確保するためには、一般的に人為的なノッチが利用される。図1は、前記特許文献2に紹介されたものであり、ノッチが形成された磁性層200の平面図である。図面符号20及び25はそれぞれ磁区及び磁区壁を表す。図1で磁区壁25は二次元で表現されたが、実際の磁区壁は体積を持つ3次元的な要素である。
【0012】
図1に示したように、ノッチは、磁区壁予定部分に該当する磁性層200の両側に形成された溝であり、移動する磁区壁をピンニングする役割を行う。すなわち、ノッチにより磁区壁が1ビット単位で移動できる。
【0013】
しかし、数十ナノメートル程度の厚さ及び幅を持つ磁性層に微細なサイズのノッチを形成することは現実的に非常に困難である。さらに微細なノッチを均一な間隔、サイズ及び形態を持つように形成することはさらに困難である。もし、ノッチの間隔、サイズ及び形態が不均一であれば、それにより磁区壁をピンニングする磁場の強度、すなわち、ピンニング磁場の強度が変わるために素子特性が不均一になる。
【0014】
また、基板と平行したノッチを形成する場合、露光工程の限界によってノッチ間隔を縮め難い。これは、ビットサイズの縮小が困難であるということを意味する。
【0015】
したがって、ノッチを利用する従来技術では素子の高集積化が困難であり、磁区壁移動の安定性を確保し難い。
【特許文献1】米国特許第6,834,005 B1号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開10−2006−0013476号明細書
【特許文献3】米国特許第6,781,871 B2号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した従来技術の問題点を改善するためのものであり、ノッチによるビットサイズ縮少の難点及び製造工程上の難点など諸般問題が解決され、磁区壁移動の安定性も確保された半導体装置を提供するところにある。
【0017】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、前記半導体装置の製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記技術的課題を達成するために、本発明は、基板上に形成されて複数の磁区を持つ磁性層、及び前記磁性層に磁区壁移動のためのエネルギーを印加する手段を備える半導体装置であって、前記磁性層は前記基板と平行に形成され、前記磁性層の長手方向に沿って交互に配置される突出部及び陥没部を持つことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置を提供する。
【0019】
ここで、前記基板と前記突出部との間に絶縁層パターンが備わる。前記基板と前記突出部との間に絶縁層パターンが備わる場合、前記磁性層は、前記基板及び前記絶縁層パターンの表面に沿って形成される。
【0020】
前記突出部に対応する前記基板部分は突出する。前記突出部に対応する前記基板部分が突出する場合、前記磁性層は、前記基板の表面に沿って形成される。
【0021】
前記基板表面は平坦である。
【0022】
前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部を除外した残りの突出部または陥没部の長さより長い。
【0023】
前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、前記磁性層の幅の1〜3倍である。
【0024】
前記残りの突出部のピッチ及び前記残りの陥没部のピッチは、前記磁性層の幅の1〜2倍である。
【0025】
前記磁性層の一端及び他端に電流印加のための第1及び第2電極が備わる。
【0026】
前記他の技術的課題を達成するために、本発明は、磁区壁が移動する磁性層を備える半導体装置の製造方法であって、基板上にダミーパターンを形成する工程と、前記ダミーパターン両側の前記基板上に絶縁層パターンを形成する工程と、前記ダミーパターンを除去する工程と、前記基板及び前記絶縁層パターン上に磁性層を形成する工程と、を含む磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を提供する。
【0027】
前記ダミーパターンは、ラインタイプである。さらに望ましくは、前記ダミーパターンは、等間隔に離隔した複数のラインパターンである。
【0028】
前記ダミーパターンは、シリコンで形成される。
【0029】
前記絶縁層パターンは、シリコン窒化物で形成される。
【0030】
前記本発明の磁区壁移動を用いた半導体装置の製造方法は、前記絶縁層パターンを形成する工程と前記ダミーパターンを除去する工程との間に、前記ダミーパターンの上端部及び前記絶縁層パターンの上端部をエッチングする工程をさらに含む。
【0031】
また、前記他の技術的な課題を達成するために、本発明は、磁区壁が移動する磁性層を備える半導体装置の製造方法であって、基板上に均一な厚さの磁性層を形成する工程と、前記磁性層上に第1パターンを形成する工程と、前記第1パターン両側の前記磁性層上に第2パターンを形成する工程と、前記第1パターンを除去する工程と、前記第2パターンをエッチングマスクとして利用して前記磁性層の一部厚さをエッチングする工程と、を含む磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を提供する。
【0032】
ここで、前記第1パターンは、前記磁性層を横切るラインパターンである。
【0033】
前記第1パターンは、等間隔に離隔した複数のラインパターンである。
【0034】
前記第1パターンは、シリコンで形成される。
【0035】
前記本発明の磁区壁移動を用いた半導体装置の製造方法は、前記第2パターンを形成する工程と前記第1パターンを除去する工程との間に、前記第1パターンの上端部及び前記第2パターンの上端部をエッチングする工程をさらに含む。
【0036】
前記本発明の磁区壁移動を用いた半導体装置の製造方法は、前記磁性層の一部厚さをエッチングする工程後、前記第2パターンを除去する工程をさらに含む。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、磁区壁移動を利用した半導体装置の磁性層を全体的に基板と平行に形成するが、凸凹の形態を持つように形成する。この場合、磁性層に規則的に段差が付いたことと関連して磁区壁のビット単位移動の安定性が確保される。
【0038】
特に、基板上にピッチがFである絶縁層パターンを形成した後、基板と絶縁層パターンとの表面に沿ってコンフォーマル(conformal)に磁性層を形成する場合、ノッチを利用する従来技術に比べて2倍の集積度を得ることができる。本発明の実施形態による半導体装置のセルサイズは1F2であるので、Fが30nmである場合に100GB/cm2の記録密度を持つ高集積素子の具現が可能である。
【0039】
また、ノッチ形成による工程の難点及び素子特性の均一性低下の問題点なしに、信頼性の高い磁区壁移動半導体装置を具現できる。ノッチ形成が現実的に難しく、その均一性確保はさらに難しいということに鑑みれば、本発明は磁区壁移動を利用した半導体装置の大量生産及び再現性確保に大きく寄与できると期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置及びその製造方法を、添付された図面を参照して詳細に説明する。この過程で図面に図示された層や領域の厚さは、明細書の明確性のために多少誇張されて図示されている。
【0041】
図2は、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置(以下、本発明の実施形態による半導体装置)の部分斜視図である。
【0042】
図2を参照すれば、本発明の実施形態による半導体装置は、基板1上に形成されて複数の磁区を持つ磁性層300と、前記磁性層300に磁区壁(前記磁区の壁)移動のためのエネルギーを印加する手段とを備える半導体装置である。
【0043】
ここで、前記エネルギーを印加する手段は、第1及び第2トランジスタT1、T2を備えることができる。前記磁性層300は、前記基板1と平行に形成され、前記磁性層300の長手方向に沿って交互に配置される突出部4と陥没部5とを持つ。突出部4の幅と陥没部5の幅とは磁性層300の幅と同じである。
【0044】
基板1と突出部4との間には絶縁層パターン3が備わりうる。この場合、磁性層300は、基板1と絶縁層パターン3の表面に沿ってコンフォーマル(conformal)に形成される。絶縁層パターン3の介在の代りに基板1の一部分が突出することもある。この場合、突出部4に対応する基板部分が突出し、磁性層300は、基板の表面に沿ってコンフォーマルに形成される。
【0045】
突出部4及び陥没部5のうち、いずれか一つは少なくとも2つでありうる。
【0046】
磁性層300の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、残りの突出部または陥没部の長さより長い。さらに具体的には、磁性層300の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、磁性層300の幅の1〜3倍でありうる。図面には両端の陥没部の長さが磁性層300の幅と同じ場合について図示されている。
【0047】
前記残りの突出部及び前記残りの陥没部のピッチは、磁性層300の幅と同一であることが望ましいが、前記残りの突出部及び前記残りの陥没部のピッチは磁性層300の幅の1〜2倍でありうる。ここで、ピッチは突出部または陥没部の中央部の距離である。
【0048】
前記磁区壁移動のためのエネルギーは、電流及び磁場のうち一つでありうる。
【0049】
前記磁区壁移動のためのエネルギーが電流である場合、磁性層300の一端及び他端に第1及び第2電極400a、400bが備わりうる。第1及び第2電極400a、400bは、第1及び第2トランジスタT1、T2とそれぞれ連結されるか、または交流電流発生器(図示せず)と連結されうる。第1及び第2トランジスタT1、T2または前記交流電流発生器は、第1及び第2電極400a、400bと共に磁区壁移動のための前記エネルギー印加手段を構成できる。
【0050】
図示していないが、磁性層300の中央部には読み取りヘッドと書き込みヘッドとがさらに備わりうる。前記読み取りヘッドと書き込みヘッドとは一体型であり、磁性層300の中央部ではない両端のうち少なくともいずれか1箇所に備わってもよい。このように、磁性層300に読み取りヘッドと書き込みヘッドとが備われば、本発明の実施形態による半導体装置は記録装置である。もし、読み取りヘッドと書き込みヘッドの代りに磁性層300の特定位置を選択するためのワードラインとビットラインとが備われば、本発明の実施形態による半導体装置はメモリ素子である。
【0051】
以下では、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明する。
【0052】
図3Aないし図3Fは、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【0053】
図3Aを参照すれば、基板1上にダミーパターン2を形成する。ダミーパターン2は等間隔に離隔した複数のラインパターンでありうる。ダミーパターン2の材質はシリコンであり、ダミーパターン2のピッチは2F(F:feature size)でありうる。ここで、Fは、以後に形成される磁性層の線幅であり、露光工程で具現可能な最小線幅でありうる。
【0054】
図3Bを参照すれば、ダミーパターン2を覆うように、基板1上に絶縁膜3’を形成する。絶縁膜3’はシリコン窒化膜(SixNy)であり、基板1とダミーパターン2との表面に沿ってコンフォーマルに形成される。
【0055】
図3Cを参照すれば、絶縁膜3’をRIE(Reactive Ion Etching)などの方法で異方性エッチングして、ダミーパターン2の上部面と基板1の一部とを露出させる。これにより、ダミーパターン2の両側の基板1上に絶縁層パターン3が形成される。絶縁層パターン3のピッチはFであり、絶縁層パターン3の間隔はF/2である。
【0056】
図3Dを参照すれば、ダミーパターン2の上端部及び絶縁層パターン3の上端部をCMP(Chemical Mechanical Polishing)でエッチングする。前記CMPは選択的工程である。
【0057】
図3Eを参照すれば、ウェットまたはドライエッチングで前記ダミーパターンを除去する。前記ウェットまたはドライエッチングは、シリコン材質のダミーパターンを選択的にエッチングする選択的エッチング特性を持つ。
【0058】
図3Fを参照すれば、基板1及び絶縁層パターン3上にそれらの表面に沿って磁性物質膜を形成した後、前記磁性物質膜をライン形態にパターニングする。これにより、基板1と平行して、突出部4と陥没部5とを持つ磁性層300が形成される。突出部4と陥没部5とは、磁性層300の長手方向に沿って交互に配置される。突出部4のピッチ及び陥没部5のピッチはFであり、突出部4の長さ及び陥没部5の長さはそれぞれF/2程度である。ここで、図示していないが、磁性層300の両端の突出部または陥没部の長さは、残りの突出部及び陥没部の長さより長い。磁性層300の両端の突出部または陥没部の長さを長くする理由は、それに形成される電極のコンタクトマージンを確保するためである。
【0059】
以後、図示していないが、磁性層300の両端に磁区壁を移動させるための手段として第1及び第2電極を形成できる。前記磁区壁を移動させるための手段は他の形態でありうる。
【0060】
このように、本発明の実施形態では、ダミーパターン2を利用して基板1上にピッチがFである絶縁層パターン3を形成した後、基板1と絶縁層パターン3との表面に沿って磁性層300を形成する。これにより、突出部4と陥没部5とが交互に配置される磁性層300が形成されるが、ここで、突出部4と陥没部5それぞれのピッチはFであり、突出部4と陥没部5の長さはF/2程度である。
【0061】
一方、本発明の実施形態による半導体装置では、突出部4と陥没部5とが交互に配置されることと関連して、磁区壁のビット単位移動の安定性が確保される。すなわち、突出部4と陥没部5との境界の段差部が従来のノッチのような役割を行える。この場合、前記段差部で磁区壁がピンニングされる。一方、段差部を除外した残りの部分、すなわち、突出部4の中央部及び陥没部5の中央部が従来のノッチのような役割を行うこともある。この場合、突出部4の中央部及び陥没部5の中央部で磁区壁がピンニングされる。磁区壁のピンニング位置は磁性層の形態によって決定される。
【0062】
図4ないし図6は、本発明の実施形態による半導体装置の磁性層の多様な形態を示す断面図である。各磁性層300a、300b、300c及び絶縁層パターン3a’、3b’、3c’の部位別寸法は図面に記載されている。磁性層300a、300b、300cの部位別寸法は、磁性層の材質、形成条件及び段差被覆性に依存する。図4ないし図6で図面番号1は基板を表す。
【0063】
磁性層の内部エネルギーは、スピン交換エネルギー、結晶異方性エネルギー及び静磁場エネルギーなどの相互作用により決定されるが、凹凸状の磁性層において磁区壁は特定位置で低いエネルギーを持つ。前述したように、磁区壁の停止位置は磁性層の形態によって変わるので、磁性層の形態を適切に調節することによって所望の位置に磁区壁を停止させることができる。
【0064】
磁区壁が突出部(または陥没部)の中央部でピンニングされる場合、突出部(または陥没部)の中央部が一つのビットになる。一方、磁区壁が段差部でピンニングされる場合、段差部が一つのビットになる。したがって、本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置では、磁区壁がビット単位として安定的にピンニングされることができるが、ここで、ビットサイズはF×(F/2)程度でありうる。磁性層の間隔をFとすれば、本発明の実施形態による半導体装置のセルサイズは2F×(F/2)、すなわち、1F2程度である。このような本発明の実施形態による半導体装置でのビットサイズ及びセルサイズは、従来の工程で具現できるビットサイズ及びセルサイズの半分ほどである。
【0065】
一方、図7は、本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置(以下、本発明の他の実施形態による半導体装置)の部分斜視図である。本発明の他の実施形態による半導体装置は、基板と磁性層との間に絶縁層パターンがなく、磁性層の下面が平坦なことを除いては、図2を参照して説明した本発明の実施形態による半導体装置と同じ構造を持つ。図2と図7とで同じ図面番号は同じ構成要素を表す。
【0066】
図7を参照すれば、本発明の他の実施形態による半導体装置で磁性層600aの下面は平坦である。そして、突出部4及び陥没部5のピッチは、磁性層600aの幅Fの1〜2倍でありうる。
【0067】
図8Aないし図8Gは、本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【0068】
図8Aを参照すれば、基板1上に均一な厚さの磁性層600を形成する。次いで、前記磁性層600上に第1パターン2aを形成する。第1パターン2aは磁性層600と垂直のライン形態であり、等間隔に離隔した複数のラインパターンでありうる。第1パターン2aの材質はシリコンであり、第1パターン2aのピッチは2Fでありうる。
【0069】
図8Bを参照すれば、第1パターン2aを覆うように磁性層600上に絶縁膜3”を形成する。絶縁膜3”はシリコン窒化膜(SixNy)であり、磁性層600と第1パターン2aとの表面に沿ってコンフォーマルに形成される。
【0070】
図8Cを参照すれば、絶縁膜3”をRIEなどの方法で異方性エッチングして第1パターン2aの上部面と磁性層600の一部とを露出させる。これにより、第1パターン2aの両側の磁性層600上に第2パターン3aが形成される。第2パターン3aのピッチはFであり、第2パターン3aの間隔はF/2である。
【0071】
図8Dを参照すれば、第1パターン2aの上端部及び第2パターン3aの上端部をCMPでエッチングする。前記CMPは選択的工程である。
【0072】
図8Eを参照すれば、ウェットまたはドライエッチングで前記第1パターンを除去する。前記ウェットまたはドライエッチングは、シリコン材質の第1パターンを選択的にエッチングする選択的エッチング特性を持つ。
【0073】
図8Fを参照すれば、第2パターン3aをエッチングマスクとして利用して前記磁性層600の一部厚さをエッチングする。これにより、下面が平坦であって突出部4と陥没部5とが交互に配置される磁性層600aが形成される。突出部4と陥没部5とは、磁性層600aの長手方向に沿って交互に配置される。突出部4のピッチ及び陥没部5のピッチはFであり、突出部4の長さ及び陥没部5の長さはそれぞれF/2程度である。ここで、図示していないが、磁性層600aの両端の突出部または陥没部の長さは、残りの突出部及び陥没部の長さより長い。磁性層600aの両端の突出部または陥没部の長さを長くする理由は、それに形成される電極のコンタクトマージンを確保するためである。
【0074】
図8Gを参照すれば、前記第2パターンを除去する。以後、図示していないが、磁性層600aの両端に磁区壁を移動させるための手段として第1及び第2電極を形成できる。前記磁区壁を移動させるための手段は他の形態でありうる。
【0075】
前述した本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置でも、磁性層600aに段差があることと関連して磁区壁がビット単位で安定的に移動できる。ところが、前記本発明の他の実施形態による半導体装置では磁性層600aの下面が平坦であるので、本発明の実施形態による半導体装置とは異なって突出部4または陥没部5の全体が磁区壁領域となる。したがって、本発明の他の実施形態による半導体装置のセルサイズは、本発明の実施形態による半導体装置のセルサイズより大きい。したがって、本発明の実施形態による半導体装置の製造方法の方が本発明の他の実施形態による半導体装置の製造方法より高集積化に有利である。
【0076】
前記の説明で多くの事項が具体的に記載されているが、それらは発明の範囲を限定するというよりは、望ましい実施形態の例示として解釈されねばならない。例えば、当業者ならば、本発明の半導体装置は、HDDのようなストレージ装置でもあり、RAMのようなメモリ素子でもあり、場合によってはロジック素子でもありうるということが分かり、また、それぞれの場合に付加される構成要素がさらに多様化するということが分かるであろう。さらに、本発明の半導体装置の製造方法は、前記の製造方法に限定されず、製造方法によって突出部4と陥没部5とのピッチ及び形態は多様に変更されるということが分かる。したがって、本発明の範囲は説明された実施形態によって定められるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想により定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、半導体装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】従来技術による磁性層の平面図である。
【図2】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の部分斜視図である。
【図3A】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3B】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3C】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3D】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3E】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図3F】本発明の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図4】本発明の実施形態による半導体装置の磁性層の多様な形態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態による半導体装置の磁性層の多様な形態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態による半導体装置の磁性層の多様な形態を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の部分斜視図である。
【図8A】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8B】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8C】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8D】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8E】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8F】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【図8G】本発明の他の実施形態による磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法を説明するための工程別断面図である。
【符号の説明】
【0079】
1 基板
3 絶縁層パターン
4 突出部
5 陥没部
300 磁性層
400a 第1電極
400b 第2電極
F 磁性層の線幅
T1 第1トランジスタ
T2 第2トランジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成されて複数の磁区を持つ磁性層、及び前記磁性層に磁区壁移動のためのエネルギーを印加する手段を備える半導体装置において、
前記磁性層は前記基板と平行に形成され、前記磁性層の長手方向に沿って交互に配置される突出部及び陥没部を持つことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項2】
前記基板と前記突出部との間に絶縁層パターンが備わったことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項3】
前記磁性層は、前記基板及び前記絶縁層パターンの表面に沿って形成されたことを特徴とする請求項2に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項4】
前記突出部に対応する前記基板部分突出していることを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項5】
前記磁性層は、前記基板の表面に沿って形成されたことを特徴とする請求項4に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項6】
前記基板表面は平坦であることを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項7】
前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部を除外した残りの突出部または陥没部の長さより長いことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項8】
前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、前記磁性層の幅の1〜3倍であることを特徴とする請求項7に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項9】
前記残りの突出部のピッチは、前記磁性層の幅の1〜2倍であることを特徴とする請求項7に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項10】
前記残りの陥没部のピッチは、前記磁性層の幅の1〜2倍であることを特徴とする請求項7に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項11】
前記磁性層の一端及び他端に電流印加のための第1及び第2電極が備わったことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項12】
磁区壁が移動する磁性層を備える半導体装置の製造方法において、
基板上にダミーパターンを形成する工程と、
前記ダミーパターン両側の前記基板上に絶縁層パターンを形成する工程と、
前記ダミーパターンを除去する工程と、
前記基板及び前記絶縁層パターン上に磁性層を形成する工程と、を含むことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ダミーパターンは、ラインタイプであることを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記ダミーパターンは、等間隔に離隔した複数のラインパターンであることを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記ダミーパターンは、シリコンで形成されることを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記絶縁層パターンは、シリコン窒化物で形成されることを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記絶縁層パターンを形成する工程と前記ダミーパターンを除去する工程との間に、前記ダミーパターンの上端部及び前記絶縁層パターンの上端部をエッチングする工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項18】
磁区壁が移動する磁性層を備える半導体装置の製造方法において、
基板上に均一な厚さの磁性層を形成する工程と、
前記磁性層上に第1パターンを形成する工程と、
前記第1パターン両側の前記磁性層上に第2パターンを形成する工程と、
前記第1パターンを除去する工程と、
前記第2パターンをエッチングマスクとして利用して前記磁性層の一部厚さをエッチングする工程と、を含むことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1パターンは、前記磁性層を横切るラインパターンであることを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1パターンは、等間隔に離隔した複数のラインパターンであることを特徴とする請求項19に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記第1パターンは、シリコンで形成されることを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記第2パターンは、シリコン窒化物で形成されることを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記第2パターンを形成する工程と前記第1パターンを除去する工程との間に、前記第1パターンの上端部及び前記第2パターンの上端部をエッチングする工程をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記磁性層の一部厚さをエッチングする工程後に、前記第2パターンを除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項1】
基板上に形成されて複数の磁区を持つ磁性層、及び前記磁性層に磁区壁移動のためのエネルギーを印加する手段を備える半導体装置において、
前記磁性層は前記基板と平行に形成され、前記磁性層の長手方向に沿って交互に配置される突出部及び陥没部を持つことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項2】
前記基板と前記突出部との間に絶縁層パターンが備わったことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項3】
前記磁性層は、前記基板及び前記絶縁層パターンの表面に沿って形成されたことを特徴とする請求項2に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項4】
前記突出部に対応する前記基板部分突出していることを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項5】
前記磁性層は、前記基板の表面に沿って形成されたことを特徴とする請求項4に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項6】
前記基板表面は平坦であることを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項7】
前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部を除外した残りの突出部または陥没部の長さより長いことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項8】
前記磁性層の両端に位置した突出部または陥没部の長さは、前記磁性層の幅の1〜3倍であることを特徴とする請求項7に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項9】
前記残りの突出部のピッチは、前記磁性層の幅の1〜2倍であることを特徴とする請求項7に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項10】
前記残りの陥没部のピッチは、前記磁性層の幅の1〜2倍であることを特徴とする請求項7に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項11】
前記磁性層の一端及び他端に電流印加のための第1及び第2電極が備わったことを特徴とする請求項1に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置。
【請求項12】
磁区壁が移動する磁性層を備える半導体装置の製造方法において、
基板上にダミーパターンを形成する工程と、
前記ダミーパターン両側の前記基板上に絶縁層パターンを形成する工程と、
前記ダミーパターンを除去する工程と、
前記基板及び前記絶縁層パターン上に磁性層を形成する工程と、を含むことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ダミーパターンは、ラインタイプであることを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記ダミーパターンは、等間隔に離隔した複数のラインパターンであることを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記ダミーパターンは、シリコンで形成されることを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記絶縁層パターンは、シリコン窒化物で形成されることを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記絶縁層パターンを形成する工程と前記ダミーパターンを除去する工程との間に、前記ダミーパターンの上端部及び前記絶縁層パターンの上端部をエッチングする工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項18】
磁区壁が移動する磁性層を備える半導体装置の製造方法において、
基板上に均一な厚さの磁性層を形成する工程と、
前記磁性層上に第1パターンを形成する工程と、
前記第1パターン両側の前記磁性層上に第2パターンを形成する工程と、
前記第1パターンを除去する工程と、
前記第2パターンをエッチングマスクとして利用して前記磁性層の一部厚さをエッチングする工程と、を含むことを特徴とする磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1パターンは、前記磁性層を横切るラインパターンであることを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1パターンは、等間隔に離隔した複数のラインパターンであることを特徴とする請求項19に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記第1パターンは、シリコンで形成されることを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記第2パターンは、シリコン窒化物で形成されることを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記第2パターンを形成する工程と前記第1パターンを除去する工程との間に、前記第1パターンの上端部及び前記第2パターンの上端部をエッチングする工程をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記磁性層の一部厚さをエッチングする工程後に、前記第2パターンを除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の磁区壁移動を利用した半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【公開番号】特開2008−118128(P2008−118128A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−270380(P2007−270380)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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