説明

磁束調節手段を有する電気機械

永久磁石電気機械(即ち、モータ/発電機)は固定子と固定子に対して軸の回りに回転するように取り付けられた永久磁石回転子とを有する。固定子は、固定子材料がキュリー温度以上の温度になるときに固定子材料を通る磁束循環が妨害されるようなキュリー温度を有する材料で出来ている。固定子は熱伝導層と磁束伝導層を含み、その場合、熱伝導層の熱伝導率は磁束伝導層の熱伝導率より大きい。電気機械の停止を迅速に実行する手段には固定子に熱的に連結され、それにより固定子材料を通る磁束循環を調節する熱交換器が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱伝導率が向上された固定子を有しかつ熱的に作動される制御装置を有する電動機/発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械であるモータ・発電機は出力電流、回転速度、過剰な熱発生を制御し、故障モード(例えば短絡状態等によるもの)に適応させる何らかの手段を必要とする。
【0003】
例えば本発明者の米国特許第6313560号は、機械の製作にフェライトのような低キュリー点材料のキュリー点特性を用いて高い短絡電流のような内部故障から生じる損傷から熱的に保護される電気機械(以下「機械」とも呼ぶ。)に関する。短絡等の内部故障により発生する熱は材料をそのキュリー点以上に加熱する。即ちその場合、磁束循環が妨害され、機械が停止される。機械に対する最大許容動作温度以下のキュリー点を有する材料を慎重に選択することにより低キュリー点材料が装置に対する一種の温度ヒューズとして作用する。
【0004】
永久磁石電動機及び発電機は通常サマリウム−コバルトのような磁性材料の回転子を含む。回転子に密接した固定子上の電気巻線は、磁界を発生する電流をモータに搬送し、あるいはモータにより発生し回転磁界により誘導された電流を発電機に搬送する。
【0005】
周知のように、モータ/発電機配置は内側固定子が外側回転子の内側に収容されるように反転できる。従って、本発明と先行技術の説明とが同様に、内側回転子をもつ一般的な電気機械構造にも、外側回転子をもつ一般的な電気機械構造にも適用されることは言うまでもない。
【0006】
航空機エンジンのスタータ−発電機用途において、電気機械(一般的に好ましくはガスタービンのメインスプールに直接接続される)が従来の補助ギヤボックスに取って代わっている。しかしながら不都合なことに、航空機タービンエンジンに連結された電気機械は機械の回転子を駆動するタービンエンジンの動力によってのみ制限される極端な電力を潜在的に発生する可能性がある。そのような電力の減衰しない発生は、特に固定子巻線において極端な熱を結果として生じ、それがモータを溶解させ、もしかすると燃焼させる。これは特に航空機には望ましくないことは明らかである。
【0007】
機械により外側電気装置に供給された電流はヒューズ装置により制限され得るが、そのようなヒューズ装置は機械自身を保護しない。本願発明者の米国特許第6313560号に記載の装置は内部故障から生じる損傷からモータ/発電機自身を熱的に保護する。
【0008】
フェライトのような低キュリー点材料が機械に組み入れられるときは、機械内の低キュリー材料内のフェライトが内部故障発生中にキュリー温度に達するのに要する時間は、熱容量対熱伝導率比および固定子材料と周囲の間の温度差に関連する。これは特に大きい機械において応答時間と密接に関係する。従って、設計改良の余地が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は低キュリー点内部故障保護システムの応答時間を改良することである。
【0010】
発明の更なる目的は以下の発明の開示、図面及び説明を調べれば明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は固定子と、固定子に対して軸の回りに回転するように取り付けられた永久磁石回転子とを含む磁束回路を有する電気機械(即ち、モータ/発電機)を提供する。固定子は磁束回路に電磁的に連結された巻線を有する電気回路を有する。固定子は、固定子材料がキュリー点を越える温度になるときに固定子材料を通る磁束循環が妨害されるような低キュリー点を有する材料で出来ている。好ましくは動作速度を増すために、固定子は熱伝導層と磁束伝導層を含み、その場合、熱伝導層の熱伝導率は磁束伝導層の熱伝導率より大きい。この手段により、積層された固定子アセンブリーの全体の熱伝導率が改良され、電気機械の停止を迅速に実行する手段には、固定子に熱的に連結され、それにより固定子材料を通る磁束循環を調節する熱交換器が設けられる。好ましくは、磁束伝導層はマンガン亜鉛フェライトであり、熱伝導層は絶縁された銅シート、絶縁されたアルミニウムシート、熱伝導性ポリマシート、シート状金属、又は関連する磁束伝導層上に堆積された金属メッキ層である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明を分り易くするために、発明の実施例が例として添付図面に図解される。
【0013】
本発明の更なる詳細及びその利点が以下の詳細な説明により明らかになる。
【0014】
図1と2は内側回転子1と外側固定子2を有する電気機械に適用される本発明の第1の実施例を示す。図3乃至7は内側固定子22と周囲の環状外側回転子16を有する、本発明による電気機械構造の第2の実施例を示す。図3と4は熱交換器タイプの機能を果たすように軸方向に伸びる流体流孔12を有する固定子鉄心13の層状構造を示し(説明のために固定子の歯21が取り外れている)、この層状構造は機械構成要素を固定子鉄心13に熱的に連結することを助長する。
【0015】
図5に矢印で示され、また以下に詳細に述べられるように、オイル等の熱交換流体は固定子の歯21の間の巻線9を浸しながら固定子スロット23を通って循環し、孔12を介して固定子鉄心13を通って戻る。熱伝導層14に加えて、流体が固定子22を通過することにより正常動作中に巻線9を冷却し、熱を発生する内部故障が生じたら、固定子22の質量全体に熱をより均一に分配して、低キュリー点内部故障保護システムの応答時間を更に改良する。
【0016】
図1は、外側固定子2に囲まれた内側回転子1を含む磁束回路を有する永久磁石電気機械を示し、固定子と回転子は両者とも環状ハウジング3の内側に取り付けられかつエンドプレート4と5の間に閉じ込められる。内側回転子1は中心軸6に取り付けられ、その端部はエンドプレート4と5の間にある環状ボス7内で軸受8上に回転可能に取り付けられる。
【0017】
図2に示されるように、外側固定子2は以下に詳細に述べられる層状構造を有する。固定子2はループ状の巻線回路を完成するように端部導体10を有する矩形バー状の巻線9を備える電気回路を有する。図2は回路ループを示す。三相機械の他の二つの巻線回路が説明のために省略されていることは言うまでもない。固定子2と電気回路巻線9は当業者には周知の方法で磁束回路に電磁的に連結される。
【0018】
固定子2は、機械に熱損傷が生じる最大許容動作温度より低いキュリー温度を有するタイプの材料(例えば米国特許第6313560号に記載されているような)の磁束伝導層11で作られる。好ましくは、キュリー点は電気機械における実用的用途に対しては90℃乃至300℃である。例えば、機械設計により、磁束伝導層11はおよそ200℃(420°F)のキュリー温度を有するマンガン亜鉛フェライトで形成されてもよい。磁束伝導層11に対する材料選択は以下により詳細に述べられる。固定子2はまた、固定子2の回りに間隔を空けかつ熱交換器24により供給されるオイルのような温度制御流体源と連通する軸方向に伸びる流体流孔12の円周方向配列を含む。以下により詳細に述べられ、図5に矢印で示されるように、固定子2は熱的に連結され、それにより固定子材料を通る磁束循環を調節でき、熱交換器24から流体流孔12および固定子スロット23を通って導かれる加熱されたオイルは固定子2をそのキュリー温度以上(しかし最大許容動作温度以下)に加熱し、それにより固定子2と回転子1の間の磁束流循環の流れを妨害するために使用できる。
【0019】
本願に引用して援用する発明者の米国特許第6313560号の教示に従って、磁気伝導層11用の材料が以下の考察に従って選ばれる。機械設計者がある機械設計に対し、過剰な熱が機械に対し熱的損傷(例えば構成要素の溶解、絶縁体の劣化、潤滑剤の劣化等)を生じる温度を決定することができることは言うまでもない。こうして設計者は機械動作中に越えてはならない所望温度(「指定最大」温度)を決定できる。指定最大温度が分ったら磁気伝導層11用の磁性材料を選択でき、これは指定最大温度以下の、好ましくは適当な安全上の余裕を備えるために指定最大温度より十分低いキュリー点を有する。このように磁性材料を選択することにより、短絡、冷却損失、あるいは機械(特に磁気伝導層11)の内部温度を磁気伝導層11のキュリー点まで上昇させる他の故障のような内部故障の存在の下に、確実に磁気伝導層11により構成される磁気回路の部分がその磁気特性をなくし、それにより磁気回路を通る磁束流を妨害又は完全に防止(実際の温度による)し始める。そのように磁気回路の一部の磁気特性を妨害又は除外することにより、発電機として動作されるときは、既述のキュリー消磁の影響を受けた機械の部分における電気エネルギー(熱を含む)の発生を機械が止めるようにし、あるいはモータとして動作されるときは、機械の速度を低下させてモータ内に生じる熱を減らす。伝導層14の存在は磁気伝導層11を通りかつそれに沿うより急速な熱伝達を保証することを助長し、それにより伝導層14に隣接する装置の部分内でキュリー温度に局部的に到達する場合、応答時間の増加を助長する。米国特許第6313560号に述べられるように、内部故障が、上記のキュリー消磁機構が働いている期間中に機械が十分冷却され、動作温度が十分磁気伝導層11のキュリー点以下に降下するような故障である場合、機械は磁気伝導層11用の磁気特性に戻すという理由により正常動作をし始める可能性がある。更にこの状況でも、伝導層14は磁気伝導層11を通りかつそれに沿って温度降下を伝えるのに有用である可能性がある。
【0020】
図3乃至7に示されるように、本発明は外側回転子16内の固定子鉄心13を有する内側固定子22にも同様に適用可能である。固定子鉄心13は流体流孔12を有し、外側の固定子スロット23列が巻線9を収容するT字状固定子の歯21の配列により定められる。図3は、固定子2が二つのタイプのラミネートされた層11、14を含むことを示す。熱伝導層14は磁束伝導層11と比較して比較的薄い。熱伝導層14の熱伝導率は好ましくは磁束伝導層11の熱伝導率より大きく、従って熱伝導層14は外側固定子2、及び内側固定子22の固定子鉄心13の全体の熱伝導率を増加する傾向にある。ラミネートされた固定子の使用が広く知られているけれども、熱伝導層14の本発明による導入は、特に熱交換器24と流体流孔12の間を流れる流体に関連する正味の熱伝導率を著しく改良する。ラミネートされた低キュリー点固定子2、22の使用は本発明以前には知られていなかった。
【0021】
熱伝導層14は電気絶縁された銅シート、電気絶縁されたアルミシート、熱伝導性で非導電性のポリマシート、関連する磁束伝導層11の隣接表面に堆積された薄膜層としてメッキされた種々のシート金属又は金属のような何れの数の材料から選択されてもよい。熱伝導層14は材料によっては0.005インチまで薄くてもよいことが見出された。必要なものは、固定子アセンブリー全体の総合熱伝導率に影響を与えられる熱伝導層14であることは言うまでもない。上記の金属材料に対し、好ましい厚さ範囲は0.005〜0.050インチである。
【0022】
次いで動作時には、図5を参照すれば、巻線9を備える回路が電気機械をモータとして動作しながら適当な電源により駆動されてもよい。しかしながらより重要なことは、機械が機械的回転動力源を用いてタービン軸27を駆動することにより発電機として動作されてもよいことである。例えば、タービン軸27は図8に示されるようなガスタービンエンジンの高圧タービン35に相互接続されて、非常に高速(潜在的には100,000rpm以上の)で駆動されてもよい。回転する回転子16、より詳細には永久磁石17の磁気配列が回転子16の中心軸の回りに回転磁界を発生することは言うまでもない。これが今度は固定子22により定められる磁気回路内に交流磁束を発生する。この磁束が今度は巻線9に電流を誘導する。
【0023】
さて、機械が、例えば巻線9間の短絡により生じるような内部故障に見舞われた場合、巻線9内の電流は増加して巻線9内に熱の増加を結果として生じる。更に、巻線9が好ましくは固定子22に物理的に接触しかつそれに熱的に連結されるので、巻線22の温度上昇は固定子22に局部的に伝達される。次いで局部的温度上昇は固定子22や磁束伝導層11を介して導電層14により(概ね伝導と輻射により)伝達される。層14を介して伝達された更なる量の熱が、巻線9から固定子22に熱が伝達される割合を改善し、これにより固定子22の低キュリー点熱保護方式の応答時間を改善することは、これを読んだ当業者には言うまでもない。こうして、固定子22の温度が固定子22を形成する材料のキュリー温度に近づきながら、固定子22はその磁気特性を失い、それにより固定子22を通る磁束と巻線回路により形成される巻線9内に誘導される電流を制限し、発電機として動作する機械を事実上停止する。同様に、巻線9内の電流が減少するので、巻線9の温度は、固定子22の温度が材料のキュリー温度より再び降下してその磁気特性が戻るまで低下する。熱伝導層14は固定子22構造にわたり温度変化のよりよい伝達を再び助長する。一見して分るように、定常状態において、また故障の存在の下に、機械は、固定子22を選択された停止温度又はキュリー温度又はその近傍の温度にして動作し、こうして本発明は機械の動作温度を制限し、それによりその構成要素に対するあらゆる損傷を制限するのに有益である。
【0024】
図2乃至7に示され、本願に述べられるように、例えば熱交換器24により供給される熱伝達流体(好ましくはオイル)を循環するための流体流孔12のような複数の熱交換モジュールが好ましくは固定子(2、22及び固定子鉄心13)を通って伸びている。しかしながら、空気又は他の適当な流体等の他の流体が用途によって利用されてもよい。図3乃至7に示されるように、流体流孔12は熱伝導層14を通って横方向に伸びており、流体流孔12を通過する流体に曝される表面積を増すために、熱伝導層14は流体流孔12、好ましくは少なくとも部分的に直線の孔12の内部まで伸びるフランジ15を含んでもよい。従って、図4に示されるように、固定子2、22は、孔12を流れる流体から熱を伝導するように熱的に連結された環状熱伝導層14と環状磁束伝導層11の積層された配列を備える。これは好ましくは固定子2、22の熱伝導率を増加し、それにより固定子2、22の温度を調節し、低キュリー点固定子材料を通る磁束循環と巻線9内の電流の間の電磁的連結を調節するために行われる。
【0025】
特に図5〜7は、矢印で示されるように、オイル等の循環流体を介して熱交換器24に熱的に連結された好ましい内側固定子22の詳細を示す。内側固定子22は静止ハウジング26(図5参照)に取り付けるための中心開口25(図6、7参照)を有する固定子鉄心13を有する。外側回転子16は外側タービン軸27に取り付けられる。図5に示される実施例において、外側タービン軸27はそれを通過しかつ例えばガスタービンエンジンに適用されるように軸受29に取り付けられた内側同軸ファン軸28を有する。外側回転子16は内面の周りに間隔を空けて磁石17を固定するために一つおきにあるヨーク部材18を有する永久磁石17を含む。環状の空隙19が磁石17の内面と回転子16のヨーク18を、内側固定子22を囲むベスペルケース20の外側円筒面から分離する。
【0026】
内側固定子22は上記のように交互の層11、14を有するラミネートされた固定子鉄心13から組み立てられる。固定子鉄心13は中に三相巻線9が収容される固定子スロット23を定めるT字状固定子の歯21の円周方向配列を有する。環状のべスペルケース・エンドプレート30を有する概ね円筒形のべスペルケース20は以下に詳細に述べられるように、巻線9を浸しながら固定子スロット23を通過し、続いて流体流孔12を通って戻るオイル流を包含するように固定子22の外側を囲む。
【0027】
図5は、熱交換器24において始まり、入口管31を介して静止ハウジング26を通過し、ベスペルケース・エンドプレート30を通過する流体流を示す。矢印で示されるように、ベスペルケース・エンドプレート30は流体を円周方向に間隔を空けた固定子スロット23に分配するマニホルドを形成する第1の環状通路32を定める。矢印で示されるように、オイルは巻線9を浸しながら固定子スロット23内を軸方向に(右に)進み、固定子スロット23と第2の環状通路33の間のポートを通って径方向内側に固定子スロット23を出る。オイルは流体流孔12を通って軸方向に(左に)進んで第3の環状通路34の中に出る。オイルは第3の環状通路34から排出されて熱交換器24に戻る。熱交換器24が固定子22を冷却するために使用されてもよいことは言うまでもないが、本発明によれば、熱交換器は既に上に述べられたようにオイル流を用いて固定子22を加熱するように制御できる。更に「熱交換器」という用語はヒータ、チラー、ヒートポンプ及び他の流体熱制御手段を含む。本願における説明は固定子22の温度を制御するために流体流を使用することに関係するが、固定子22内に埋め込まれた電気抵抗ヒータのような他の手段を使用しても同様に効果的である。
【0028】
図8はターボファン・ガスタービンエンジンを通る軸方向断面図であり、外側タービン軸27と内側ファン軸28を含む構成要素の一般的位置を示す。高圧タービン35はタービン軸27を駆動し、一方、低圧タービン37はファン軸28を駆動する。本発明によるモータ/発電機全体に対する位置候補が破線で示される。従来は、ガスタービンエンジン用のモータ/発電機は補助ギヤボックス38に外付けされる。
【0029】
本発明はまた、本願に述べられた固定子と同様に低キュリー点フェライト構造を有する回転子、非回転電気機械、永久磁石を含まない電磁機械、あらゆるタイプの巻線構造、あらゆる数の巻線又は相、固定子又は回転子の一部にも応用でき、各層内に一つ以上のラミネートを含んでもよい。
【0030】
上の説明は発明者により現在意図される特定の好ましい実施例に関するけれども、本発明がその広い態様として、本願で述べられた要素の機械的及び機能的均等物を含むことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による固定子を有する電気機械の分解等角図である。
【図2】固定子自身の構造をよりよく示すためにいくつかの部分が取り外された図1の固定子の拡大分解等角図である。
【図3】ラミネートされた固定子鉄心アセンブリーの軸方向断面図であり、固定子鉄心の層に熱的に連結された熱交換モジュールを定めるように軸方向に伸びる流体流孔を示す。
【図4】流体流孔の詳細な軸方向断面図であり、全体の熱伝導率を向上するために流体流孔内面内にフランジを有する比較的に薄い熱伝導層を示す。
【図5】固定子の歯及び巻線と周囲の外側回転子とを有する内側固定子鉄心を通る軸方向断面図であり、矢印は固定子を通る熱交換流体の循環を示す。
【図6】図5の線6−6に沿った径方向断面図である。
【図7】図6に示される固定子切片の詳細図である。
【図8】ターボファン・ガスタービンエンジンの軸方向断面図であり、構成要素の一般的な位置を示し、モータ/発電機全体に対する位置候補を破線で示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械であって、
静止部と前記静止部に対して移動するように取り付けられた可動部とを含む磁束回路であって、前記静止部と前記可動部の少なくとも一方が前記磁束回路に電磁的に連結された少なくとも一つの巻線を備える電気回路を有する部材を備え、前記部材が、前記機械が損傷を受ける最大許容動作温度より低いキュリー温度を有する材料で出来ているような磁束回路と、
前記部材を通る磁束循環を調節するための、前記部材に熱的に連結された熱交換器を備える熱交換手段と、
を有する電気機械。
【請求項2】
前記部材が熱伝導層と磁束伝導層とを含み、前記熱伝導層の熱伝導率が前記磁束伝導層の熱伝導率より大きいことを特徴とする請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
前記磁束伝導層がフェライトを含むことを特徴とする請求項2に記載の電気機械。
【請求項4】
前記磁束伝導層がマンガン亜鉛フェライトを含むことを特徴とする請求項3に記載の電気機械。
【請求項5】
前記熱伝導層が絶縁された銅シート、絶縁されたアルミシート、熱伝導性ポリマシート、シート状金属、及び関連する磁束伝導層上に堆積された金属メッキ層から成る群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の電気機械。
【請求項6】
前記熱伝導層が0.0005〜0.050インチの厚さを有することを特徴とする請求項5に記載の電気機械。
【請求項7】
前記熱交換器が前記部材を通って伸びる複数の熱交換モジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載の電気機械。
【請求項8】
前記部材が熱伝導層と磁束伝導層とを含み、前記熱伝導層の熱伝導率が前記磁束伝導層の熱伝導率より大きく、かつ、前記熱伝導層が前記熱交換モジュールに熱的に連結されることを特徴とする請求項7に記載の電気機械。
【請求項9】
前記熱交換モジュールが温度制御された流体源と連通する流体流孔を備えることを特徴とする請求項8に記載の電気機械。
【請求項10】
前記流体がオイルであることを特徴とする請求項9に記載の電気機械。
【請求項11】
前記流体流孔が前記熱伝導層を通って横方向に伸びていることを特徴とする請求項8に記載の電気機械。
【請求項12】
前記熱伝導層がそれぞれ前記流体流孔内にフランジを含むことを特徴とする請求項11に記載の電気機械。
【請求項13】
前記フランジが前記流体流孔の内面の一面を覆っていることを特徴とする請求項12に記載の電気機械。
【請求項14】
前記部材が環状熱伝導層および環状磁束伝導層の軸方向に積層された配列を備えることを特徴とする請求項2に記載の電気機械。
【請求項15】
ガスタービンエンジンであって、
静止部と前記静止部に対して移動するように取り付けられた可動部とを含む磁束回路を有する電気機械であって、前記静止部と前記可動部の少なくとも一方が前記磁束回路に電磁的に連結された少なくとも一つの巻線を備える電気回路を有する部材を備え、前記部材が、前記機械が損傷を受ける最大許容動作温度より低いキュリー温度を有する材料で出来ているような電気機械と、
前記部材を通る磁束循環を調節するための、前記部材に熱的に連結された熱交換器を備える熱交換手段と、
を備えるガスタービンエンジン。
【請求項16】
前記電気機械がタービン軸に機械的に連結されたモータ/発電機を備えることを特徴とする請求項15に記載のガスタービンエンジン。
【請求項17】
静止エンジンハウジングに取り付けられた固定子とタービン軸に連結された回転子を有する請求項16に記載のガスタービンエンジン。
【請求項18】
内側固定子と外側回転子を備える請求項17に記載のガスタービンエンジン。
【請求項19】
静止部と前記静止部に対して移動するように取り付けられた可動部とを含む磁束回路を有する電気機械の動作を熱的に制御する方法であり、前記静止部と前記可動部の少なくとも一方が前記磁束回路に電磁的に連結された少なくとも一つの巻線を備える電気回路を有する部材を備え、前記部材が、前記機械が損傷を受ける最大許容動作温度より低いキュリー温度を有する材料で出来ており、熱交換器が前記部材に熱的に連結されるような方法であって、
前記部材の温度を調節し、それにより前記部材を通る磁束循環と前記巻線内の電流の間の電磁的連結を調節するように前記熱交換器を制御するステップ、を含む方法。
【請求項20】
固定子材料が前記キュリー温度を越える温度になるときに固定子材料を通る磁束循環が妨害されることを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−521076(P2006−521076A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504081(P2006−504081)
【出願日】平成16年3月19日(2004.3.19)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000407
【国際公開番号】WO2004/086592
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(592228505)プラット アンド ホイットニー カナダ コーポレイション (99)
【氏名又は名称原語表記】Pratt & Whitney Canada, Inc.
【Fターム(参考)】