移動通信システム、基地局装置、移動局装置および移動通信方法
【課題】参照信号に用いる複数の直交符号を割り当てる場合、直交リソース利用を効率化する。
【解決手段】基地局装置は、まず移動局装置へCQIを送信するためのリソースを割り当て(501)、CQI計算用信号を送信する(503)。移動局装置はCQIを算出し(504)、拡散を行い、周波数リソースにマッピングを行い(505)、アンテナマッピングが行われ(506)、割り当てられた時間リソースにおいて基地局装置Aへ送信される(507)。基地局装置Aは、この信号を受信し、参照信号の抽出、チャネル推定、CQI情報の抽出、復調などの受信処理を行う(508)。上記503から508までの処理は、CQI送信リソースの割り当て501の後に複数回処理が行われ、また、同様の処理がM個の移動局装置についても同様に行われる。
【解決手段】基地局装置は、まず移動局装置へCQIを送信するためのリソースを割り当て(501)、CQI計算用信号を送信する(503)。移動局装置はCQIを算出し(504)、拡散を行い、周波数リソースにマッピングを行い(505)、アンテナマッピングが行われ(506)、割り当てられた時間リソースにおいて基地局装置Aへ送信される(507)。基地局装置Aは、この信号を受信し、参照信号の抽出、チャネル推定、CQI情報の抽出、復調などの受信処理を行う(508)。上記503から508までの処理は、CQI送信リソースの割り当て501の後に複数回処理が行われ、また、同様の処理がM個の移動局装置についても同様に行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、より詳細には、送信および受信する基地局装置、移動局装置を有する移動通信システムにおいて、受信品質を向上するための送信ダイバーシチ技術及び、その受信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代セルラー移動通信の一方式として、国際的な標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)とGSM(Global System for Mobile Communications)を発展させたネットワークの仕様に関して検討が行われている。
【0003】
3GPPでは、以前からセルラー移動通信方式について検討されており、第3世代セルラー移動通信方式として、W−CDMA方式が標準化された。また、通信速度を更に向上したHSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)も標準化され、サービスが運用されている。現在、3GPPでは、第3世代無線アクセス技術の進化(Long Term Evolution: 以下、「LTE」と呼ぶ)や、さらなる通信速度の高速化へ向けたLTE Advanced(以下、「LTE−A」と呼ぶ)についても検討が行われている。
【0004】
LTEにおける上りリンク制御情報の送信では、基地局装置から割り当てられた直交リソースに基づくCDMA(Code Division Multiple Access)が採用されている。具体的には、制御チャネルを利用した上りリンクの受信品質情報CQI(Channel Quality Indicator)の送信では、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)を想定して分割された周波数リソースにおいて、CAZAC(Constant Amplitude and Zero Auto−Correlation)系列を時間軸上で異なる長さのサイクリックシフトを行うことにより得られる直交符号を用いた符号拡散が行われる。CAZAC系列とは、時間領域および周波数領域において一定振幅かつ自己相関特性に優れた系列のことである。時間領域で一定振幅であることからPAPR(Peak to Average Power Ratio)を低く抑えることが可能である。
【0005】
図9および図10は、LTEの上り制御チャネルにおける時間および周波数で分割されるリソース管理の原理を示す図であり、それぞれの横軸は時間を、縦軸は周波数を表している。図9に示すとおり、上りリンクリソースは主に制御情報を送信するために利用される物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)と各移動局装置が主にデータを送信するための物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)を持ち、それぞれはリソースブロック(RB:Resource Block)と呼ばれる分割単位の集合として表現される。周波数方向におけるリソースブロック数はシステムの帯域幅に依存している。また、時間方向については、1リソースブロックが占める時間単位を1スロットとよび、これを2つ合わせて1サブフレームと呼んでいる。PUCCHにおける割り当て単位はサブフレームであり、周波数ダイバーシチ獲得のためにスロット毎にホッピングして配置される。具体的には、図9に示す番号(図中のmで表記されたもの)が同じリソースブロックXが割り当てられ、周波数軸における両端に配置されるように、サブフレームが割り当てられる。
【0006】
一方、図10は1リソースブロック(RB)X内における構成を周波数−時間軸上において示した1例を示す図である。この例においては、1リソースブロックは7個のSC-FDMA シンボル(1スロットに相当)、周波数方向に12サブキャリアから構成され、1SC-FDMAシンボル×1サブキャリアで構成される最小のリソースの単位をリソースエレメント(RE)と呼ぶ。
【0007】
リソースエレメントに配置された変調シンボルは、SC-FDMAシンボル単位でFFT(Fast Fourier Transformation)などの処理により時間領域に変換された後、移動局装置から基地局装置へ送信される。特に、上述のCQIをPUCCHで送信する場合には、CQIの1シンボル(たとえばQPSKであれば2ビットの情報)が系列長12の直交系列により拡散され、1SC-FDMAシンボルx12サブキャリアで構成されるリソースエレメントに配置される。また、復調時における伝搬路推定用途の参照信号(もしくはパイロット信号とも呼称される)も同様の配置がなされ、具体的には、送信機と受信機とで、既知の系列が系列長12の直交符号により拡散され、1SC-FDMAシンボルx12サブキャリアで構成されるリソースエレメントに配置される。LTEでは図10中のSC-FDMAシンボル番号1番及び5番の位置に参照信号が配置されることが決められている。
【0008】
一方、LTEにおける移動局装置は、1つの増幅器と複数の送信アンテナを有することが想定されていたが、LTE-Aでは複数の増幅器と送信アンテナを利用した送信ダイバーシチの採用が検討されている。送信ダイバーシチを用いると、一つの伝搬路の特性が劣化していても、他の状態の良い伝搬路を利用することによるゲインを得ることができ、結果として受信特性を向上することができる。
【0009】
LTE−AにおけるPUCCHを用いたCQI送信に適用する送信ダイバーシチについて、下記非特許文献1では、上りリンクの制御信号に対する2アンテナ送信ダイバーシチ技術として、STBC(Space Time Block Coding)などの方式が定性的に評価されている。下記非特許文献2においてもSCTD(Space Code Transmit Diversity)という方式を適用することが検討されている。
【0010】
STBCは、複数のアンテナを用いた送信ダイバーシチ技術であり、フェージング環境における伝送品質の向上に有効である。STBCは、複数のアンテナと連続した時間にまたがるシンボルを利用してペアとなる送信信号を生成しこれを伝送する。受信機では、得られた信号を処理することにより、それぞれの伝搬路を最大比合成した信号が得られるため、受信品質の向上に効果的である。しかし、STBCは送信アンテナに対応した数の伝搬路を受信機が知る必要があり、つまり、それぞれが送信アンテナと同数の直交リソースを参照信号に対して割り当てる必要がある。LTEにおけるリソース割り当ての手続きにおいては、参照であるかCQI情報を送信するか(すなわちSC−FDMAシンボル番号に関わらず)ひとつの直交符号(CAZAC系列に対して、時間領域に異なるサイクリックシフト処理を施すことにより生成される)の符号を割り当てるため、参照の直交符号を2個割り当てるためには、実際には利用されないCQI情報の送信リソースも移動局装置へ割り当ててしまう。図11を用いて具体的に説明すると、移動局装置AがSTBCを行う場合には、移動局装置から直交符号番号0番と1番の系列が割り当てられる。CQI情報は0番の直交符号を用いて、SC−FDMAシンボル番号0、2,3,4,6のシンボルでSTBCで送信されるが、参照はSC−FDMAシンボル番号1、5番のシンボルでそれぞれの送信アンテナが異なる直交符号により送信される。つまり、直交符号番号1におけるSC−FDMAシンボル番号0,2,3,4,6のリソースは利用されない。移動局装置BからFについても同様である。つまり、CAZAC系列のサイクリックシフト処理により取得できる直交符号は12個であるが、符号分割多重数は6となってしまい、リソースの利用効率は向上できない。
【0011】
これを解決するために、1番目と5番目の参照を [+1, +1], [+1, -1] の系列を利用したブロック拡散により符号分割多重することで、2つの参照多重することも提案されているが(下記非特許文献3参照)、1スロット内に参照が2つ以上必要であるか、もしくは、LTEですでに仕様化されている2つの参照間の位相差による情報送信方式との整合がないという問題もある。
【0012】
一方、SCTDは送信アンテナごとに直交符号を割り当てて信号を送信し、分離して受信できる送信信号を最大比合成することによって利得を得る送信ダイバーシチ方式である。この方式では送信ダイバーシチのない場合からの受信機の構成が少なくて済み、かつ、送信側における最大比合成を行うSTBCと同等の利得を得られるというメリットがある。しかしながら、図12に示すように、すべてのSC-FDMAシンボルにおいて、1つの移動局装置が送信アンテナ数に対応した数の直交リソースの利用することになり、STBCよりリソースの利用効率は低下する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】“UL MIMO Transmission LTE”、 3GPP TSG RAN WG1 #54bis、 R1−083684
【非特許文献2】“Evaluation of transmit diversity for PUCCH in LTE−A”、 3GPP TSG RAN WG1 #54bis、 R1−083862
【非特許文献3】“Evaluation of transmit diversity for PUCCH in LTE−A”、 3GPP TSG RAN WG1 #55bis、 R1−090135
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のように、非特許文献1から3まででは、従来のLTEとの整合性と保持したまま、符号分割多重における多重数を向上させる送信ダイバーシチ方式は提案されていない。具体的にSTBCよる送信ダイバーシチ方式では参照信号が分離できる必要があり、送信アンテナの数に応じた直交リソースを割り当てる必要がある。しかしながら、送信ダイバーシチを用いないことを想定して設計されたシステムにおいては、参照信号に用いる複数の直交符号を割り当てる場合、参照信号だけでなくSTBCでは利用されないデータ信号の直交リソースまで割り当ててしまうことが発生し、直交リソース利用が非効率であるという問題が発生していた。本発明は、直交リソース利用を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、STBCを利用し、かつ、STBCのために付加的に必要となる参照信号の直交リソースを、複数の端末でシェアすることを特徴とする。
【0016】
本発明の一観点によれば、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムであって、前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号は、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられ、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする無線通信システムが提供される。
【0017】
また、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置はSTBC方式を利用した送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムであって、前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号は、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられ、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする無線通信システムが提供される。LTEへの拡張を考慮すると、STBCに適用が適している。
【0018】
前記制御信号は、チャネル品質情報もしくは空間多重系列情報もしくは送信信号前処理情報を含むことが好ましい。また、前記制御信号は、SC-FDMA方式により送信され、前記直交符号により拡散された信号は、周波数軸方向に配置されることが好ましい。前記基地局装置から前記移動局装置へと通知される直交符号の割り当て情報は、どの時刻において、どの直交符号を用いて、前記制御情報を送信するかという第1の情報と、どの時刻において、どの直交符号を用いて、どの送信アンテナに対応する参照信号を送信するかという第2の情報とを含むことを特徴とする。ここで、時刻とはSC-FDMAシンボルを指す。
【0019】
前記基地局装置から前記移動局装置へと通知される直交符号の割り当てについて、どの時刻において、どの直交符号を用いて、前記制御情報を送信するかという第1の情報と、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、どの送信アンテナに対応する参照信号を送信するかという管理情報およびそれに対応したインデックスが前記移動局装置と前記移動局装置で管理されており、前記移動局装置から前記基地局装置へそのインデックスを通知することで前記割り当てが実施されることが好ましい。
【0020】
前記移動局装置を複数のグループに分類し、前記移動局装置が前記基地局装置から受信した前記インデックスは、前記グループによって異なる直交符号割り当ての解釈を行うようにしても良い。
【0021】
前記グループとは、参照信号の送信に利用する直交符号の数で分類され、N(Nは2以上の整数)個の直交符号を利用して参照信号の多重送信を行う移動局装置は、前記受信したインデックスに対応したN個の直交符号を利用して参照信号を符号分割多重して前記基地局装置に送信することが好ましい。また、前記基地局装置から前記移動局装置へと通知されるインデックスの解釈について、所定の時刻単位ごとに変化するようにしても良い。これは、スロットごとに参照信号の配置が変わることを意味する。
【0022】
本発明の他の観点によれば、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける基地局装置であって、前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号を前記移動局装置へと割り当て、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てることを特徴とする基地局装置が提供される。
【0023】
また、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける移動局装置であって、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられた前記2個以上の参照信号を多重するための1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置において時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする移動局装置が提供される。
【0024】
本発明の別の観点によれば、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける通信方法であって、前記2個以上の参照信号を、1つの移動局装置において符号拡散多重されて前記基地局装置へ送信するステップと、前記参照信号を多重するための直交符号を、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てるステップと、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てるステップと、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用するステップと、有することを特徴とする通信方法が提供される。
【0025】
本発明は、コンピュータに上記に記載の通信方法を実行させるためのプログラムであっても良い。当該プログラムは、インターネットなどの伝送媒体により取得されるものでも良い。また、本発明は、上記プログラムをコンピュータに実行させるための記録媒体でも良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、1つの符号リソースを複数の移動局装置で共用し、時間(つまりSC−FDMAシンボル)を分割して各移動局装置にこの直交リソースを割り当てる。これにより、STBCおいて利用できない直交リソースを減らし、CDMAによる同時多重可能な移動局装置の数を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態による基地局装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態による移動局装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】従来のリソースの割当と本実施の形態によるリソースの割当を比較した図である。
【図4】送信アンテナ数2個であり、送信ダイバーシチ方式にSTBCを利用する場合において、割り当てられた直交符号の利用の仕方を模式的に表した図である。
【図5】基地局装置から移動局装置へCQIの送信リソースが割り当てられ、そのリソースでCQIの送信を行うシーケンスチャート図である。
【図6】図6(a)は、本発明の第2の実施の形態による移動通信システムにおける、基地局装置と移動局装置との間の処理及び信号の流れを示すシーケンス図であり、図6(b)、(c)は、STBCを用いた送信ダイバーシチでCQIを送信する移動局装置1および2に対して拡散符号系列を割り当てるときの手順を示す図である。
【図7】どのSC-FDMAシンボルに参照信号を配置するかに関する図6(c)とは異なる配置例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態におけるスロット毎にRSの位置を変える例を示す図である。
【図9】LTEの上り制御チャネルにおける時間および周波数で分割されるリソース管理の原理を示す図であり、
【図10】1リソースブロック内における構成を周波数および時間において示した1例を表す。
【図11】移動局装置への直交符号番号の符号の割り当て例を示す図である。
【図12】移動局装置への直交符号番号の符号の割り当て例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明を行う。
【0029】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態による移動通信システムは、移動局装置と基地局装置とを有している。本実施の形態では、アンテナ本数と同数の直交リソースを移動局装置に割り当てている場合を示している。ここでは、LTEにおけるPUCCHを用いたCQI送信に適用可能な送信ダイバーシチ法について説明する。但し、本発明は、CQIに限定されるものでなく、決められた周波数領域において符号拡散しCDMAを行う通信方式であれば、同様に適用可能であり、他の情報信号を送信してもよい。
【0030】
本発明の第1の実施の形態による移動通信システムは、基地局装置と移動局装置とを有している。図1、図2は、本実施の形態による基地局装置と移動局装置とのそれぞれの一構成例を示す機能ブロック図である。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態による基地局装置Aは、送信部210、スケジューリング部220、受信部230、および、アンテナ240を備えている。送信部210は、情報多重部211、変調部212、マッピング部213、無線送信部214を備えている。また、スケジューリング部220は、制御情報送信リソース制御部222を備えており、受信部230は、無線受信部231、情報抽出部232、伝搬路補償・逆拡散部233、合成・復調部234、を備えている。アンテナ240は、下りリンク信号の送信および上りリンク信号の受信に必要な数だけ備えられている。
【0032】
基地局装置Aにおいて生成された、各移動局装置に送信する下りリンクデータと、スケジューリング部220から出力される制御情報送信のためのスケジューリング情報とは、情報多重部211に入力され、各移動局装置に送信するデータが生成される。但し、下りリンクデータは必ず存在する必要はなく、スケジューリング情報のみが存在してもよい。また、ここで、スケジューリング情報とは、各移動局装置がCQIを送信するために利用する制御チャネルの時間リソース(サブフレーム番号、つまりある基準からのオフセットや周期)、周波数リソース(リソースブロック番号)、符号リソースを表す情報のことである。ここで、送信される制御情報はCQIに関わらず、空間多重における送信系列数、送信信号の前処理情報などの情報や、もしくはそれらを同時に送信するものでもよい。
【0033】
情報多重部211から出力された信号は、スケジューリング部220の指定のもとに変調部212において変調され、送信される信号形態に変換される。具体的には、ビット列がQAM、QPSKなどの信号に変調される。
【0034】
変調部212により変調された信号はマッピング部213に供給され、スケジューリング部220の指定に従ったリソースにマッピングされる。具体的には、OFDMAであれば、移動局装置毎に指定された周波数、時間リソースにマッピングされ、全移動局装置に報知される情報なども所定の周波数、時間リソースにマッピングされる。
【0035】
マッピング部213の出力は無線送信部214に供給され、送信方式にあった形態に変換される。具体的にOFDMAベースの通信方式であれば、周波数領域の信号に対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transformation)が施されることにより、時間領域の信号が生成される。また、MIMO(Multiple Input Multiple Output)による空間多重が採用されていれば、この処理がこのブロックにおいて行われる。無線送信部214の出力信号はアンテナ240に供給され、ここから各移動局装置へ信号が送信される。
【0036】
スケジューリング部220は、上位レイヤからの制御情報を受け取り、各移動局装置へのリソース割り振りや変調方式、符号化率の決定などを行っている。特に、制御情報送信リソース制御部221は、上述のスケジューリング情報を生成および管理する機能であり、従来は、SC−FDMAシンボル単位での直交符号割り当てを行えなかったところを、SC−FDMA単位で分割して異なる移動局装置に割り当てることができる点が従来とは異なる点である。図3を用いて具体的に説明すると、左に示す従来の割り当て方法では、STBCを実現するために移動局装置Aへは直交符号番号0番と1番を、移動局装置Bへは直交符号番号2番と3番の直交符号(CAZAC系列のサイクリックシフトの値に相当する)を割り当てる必要があったが、本実施の形態による方法では、移動局装置Aへは全てのSC−FDMAシンボルにおける直交符号番号0番と、SC−FDMAシンボル番号1番、5番における直交符号番号1番の直交符号を割り当て、移動局装置BへはすべてのSC−FDMAシンボルにおける直交符号番号2番と、SC−FDMAシンボル番号2番、4番における直交符号番号1番の直交符号を割り当てることが可能である。
【0037】
移動局装置から送信された信号は、アンテナ240で受信された後、無線受信部231に入力される。無線受信部231はデータや制御信号を受け取り、送信方式に応じたディジタル信号を生成して出力する。具体的には、OFDMベースの通信方式であれば、受信信号をアナログ・ディジタル変換した後、処理時間単位でFFT処理を施した信号が出力される。
【0038】
無線受信部231の出力は情報抽出部232に入力され、情報の種類ごとに切り分けが行われる。具体的には、受信した信号を、各移動局装置からのデータ毎の切り分けが行われ、その中でも制御情報送信リソース制御部221で管理される制御情報と、上位レイヤへの信号とが分離される。
【0039】
情報抽出部232の出力は伝搬路補償・逆拡散部233に入力される。伝搬路補償・逆拡散部233では、入力信号に含まれた参照信号から伝搬路の推定を行い、受信信号の補償を行うと同時に、制御情報送信リソース制御部で管理されている直交符号を用いて入力信号の逆拡散を行う。もし、参照信号も拡散されている場合は、スケジューリング部220から入力される拡散符号の情報を基に逆拡散を行ってから伝搬路が算出される。ここで、伝搬路補償と逆拡散とを行う順序は問われない。伝搬路補償・逆拡散部233はそれぞれの拡散符号に対する出力を行う。
【0040】
伝搬路補償・逆拡散部233の出力は合成・復調部234に入力され、複数の入力系列を合成すると同時に送信されたビットを再生する復調処理が行われる。合成とは、伝搬路の状況に応じた重み付け加算を行うことにより、受信品質を高めるための処理である。送信された信号がCQIである場合、そのビットが上位レイヤに渡され、再送処理などの処理に利用される。ここで、伝搬路補償・逆拡散部233及び合成・復調部234についても、その処理順序は問わない。さらに、受信品質を高めるためにMMSE(Minimum Mean Square Error:最小二乗平均誤差)法を用いることで、これらの処理を同時に行うことも可能であり、その受信アルゴリズムの種別が問われるものではない。
【0041】
一方、図2に示すように、各移動局装置Bは、受信部310、スケジューリング情報管理部320、送信部330、及び、アンテナ240を備えている。受信部310は無線受信部311、伝搬路補償部312、復号処理部313、制御情報生成部317、を備えている。復号処理部313は、誤り訂正・検出部314、復調部315、情報抽出・分離部316を備えている。また、スケジュール情報管理320は制御情報送信リソース管理部321、制御情報管理部322を備えており、送信部330は情報多重部331、変調・拡散部332、マッピング部333、送信ダイバーシチ信号生成部334、無線送信部335、を備えている。アンテナ240は上りリンク信号の送信及び下りリンク信号の受信に必要な数だけ備えられている。
【0042】
基地局装置Aから送信される下りリンク信号をアンテナ240で受信すると、この受信信号は無線受信部311へ入力される。無線受信部311では、アナログ・ディジタル(A/D)変換などの他に、通信方式に応じた処理が施され、出力される。具体的にOFDMAであれば、A/D変換後の時系列の信号はFFT処理され、時間・周波数領域の信号に変換されて出力される。
【0043】
無線受信部311の出力信号は伝搬路補償部312へ入力され、この入力信号に付与されている参照信号などを利用して伝搬路推定を行い、これを基に伝搬路補償を行って出力する。
【0044】
また、無線受信部311の出力信号は制御情報生成部317に入力され、制御情報が生成される。具体的に、この制御情報がCQIであれば、受信した下りリンク信号の参照信号などから受信品質を測定する。空間多重の系列数の場合や送信信号前処理情報の場合についても同様である。制御情報生成部317の出力はこれをスケジュール情報管理部320へ出力し、制御情報管理部322において管理される。
【0045】
伝搬路補償部312の出力は復号処理部313に入力され、これをスケジュール情報管理部320の出力を基にして復調し、必要であれば誤り訂正・検出が行なった後に、その種類毎に分類され、スケジューリング利用される第一の出力と、上位レイヤで処理される第二の出力と、される。特に、上記において説明したスケジューリング情報が受信された場合には、これをスケジュール情報管理部320へ出力し、制御情報送信リソース管理部321において管理される。
【0046】
ここで、復号処理部313における情報抽出・分離部316と誤り訂正・検出部314、復調部315については、その処理順序は問わない。例えば、送信された情報の種類に応じてこれらの処理が前後してもよく、また、システムによってこれらの処理が前後してもよい。
【0047】
送信部330は、上りリンクデータやCQIなどの上りリンク制御情報の送信を行う。ここでは、簡単のためCQI信号のみを送信する場合を例にして、その動作について説明する。下りリンクデータ及び制御情報管理部322で管理されるCQI信号は、その送信タイミングにおいて情報多重部331へ供給される。情報多重部331では、入力された情報を同時に送信するための処理が行われるが、ここでは基地局装置Aから送信された直交リソースを用いてCQIのみを送信することを想定する。情報多重部331へ入力されたCQI信号は変調・拡散部332に供給される。
【0048】
変調・拡散部332では、スケジュール情報管理部320から供給される送信リソースを利用して情報多重部331の信号が変調・拡散される。
【0049】
図4は、送信アンテナ数2個であり、送信ダイバーシチ方式にSTBCを利用する場合において、割り当てられた直交符号の利用の仕方を模式的に表した図である。この場合、SC−FDMAシンボル1番、5番において2つの直交符号が利用できるため、このSC−FDMAシンボルにおいて参照信号が送信される。つまり、直交符号番号0番の直交符号で送信アンテナ1の参照信号が拡散され、直交符号番号1番の直交符号で送信アンテナ2の参照信号が拡散される。その他の直交符号、つまり直交符号番号0番でありSC−FDMAシンボル番号が0,2,3,4,6である直交リソースはCQIシンボルを送信するために利用され、この符号で拡散される。
【0050】
変調・拡散部332の出力はマッピング部333に出力され、送信ダイバーシチ方式に従ったマッピングがなされ、複数の送信アンテナに対応した数の信号が出力される。
【0051】
マッピング部333によりマッピングされた信号は、送信ダイバーシチ信号生成部334に入力される。送信ダイバーシチ方式としてSTBCが利用される場合には入力信号をSTBCに基づき各アンテナにマッピングして無線送信部335へ出力する。無線送信部335では、これらの信号が送信する信号形態に変換される。具体的には、周波数領域の信号をIFFTにより時間領域の信号へ変換し、ガードインターバルを付与する動作などがこれに相当する。無線送信部335の出力はN個の系列を持ち、それぞれがN個のアンテナ240に供給される。
【0052】
図5(a)は、基地局装置から移動局装置へCQIの送信リソースが割り当てられ、そのリソースでCQIの送信を行うシーケンスチャート図である。ここでは、移動局装置における送信アンテナ数は2本でSTBCを行うことを想定している。尚、移動局装置における送信アンテナ数が2の場合についてここでは例示的に説明するが、3以上の参照信号用直交符号を割り当てる場合においても、本実施の形態と同様の手順を適用することが可能である。
【0053】
基地局装置Aは、まず移動局装置BへCQIを送信するためのリソースを割り当てる(501)。ここでいうリソースとは、時間リソース、周波数リソース、拡散符号に利用する系列の情報を含んでいる。時間リソースとは、どの時間タイミングでCQIを送信できるかを表しており、ある基準地点からのオフセット値と周期が基地局装置Aから移動局装置Bへと通知される。周波数リソースとは、どのリソースブロックを利用するかを表している。拡散符号に利用する系列の情報とは、どのSC−FDMAシンボルでどの直交符号を利用することができるかということを表す情報であり、単純にリソース番号のみが通知される、もしくはリソース番号に対応する情報が通知されることを意味する。
【0054】
501の処理による、リリース割り当ての具体例としては、STBCを用いた送信ダイバーシチにより、CQIを送信する移動局装置B(1)および移動局装置B(2)に対して拡散符号系列を割り当てる動作を図5(b)を用いて説明する。基地局装置Aは移動局装置B(1)に対して、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号0番の直交符号(CAZAC系列のサイクリックシフトの値に相当)を割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号1番、5番における直交符号番号1番の直交符号を割り当てる信号を送信する。さらに、この信号には、SC-FDMAシンボル番号1番と5番を参照信号として利用し、直交符号番号0番をアンテナ1に利用し、直交符号番号1番をアンテナ2に利用することも含められる。さらに、基地局装置Aは移動局装置B(2)に対して、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号2番のCAZACリソースを割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号2番、4番における直交符号番号1番のCAZACリソースを割り当てる信号を送信する。さらに、この信号には、SC-FDMAシンボル番号2番と4番を参照信号として利用し、直交符号番号1番をアンテナ1に利用し、直交符号番号2番をアンテナ2に利用することも含められる。この際の割り当て方法は、どのレイヤの制御信号を使用してもよく、ビットの並び順や手続きなどの詳細は問われない。
【0055】
次に、基地局装置Aは、移動局装置Bに対してCQIに利用できるCQI計算用信号を送信する(503)。これを受信した移動局装置BはCQIを算出し(504)、501の処理で割り当てられた直交符号による拡散を行い、周波数リソースにマッピングを行う(505)。さらにマッピングされた信号は送信ダイバーシチ方式に対応したアンテナマッピングが行われ(506)、割り当てられた時間リソースにおいて基地局装置Aへ送信される(507)。基地局装置Aは、この信号を受信し、参照信号の抽出、チャネル推定、CQI情報の抽出、復調などの受信処理を行う(508)。ここで、参照信号の位置については、CQI送信リソースの割り当て処理501の段階で移動局装置Bに通知しているため、基地局装置Aもその情報を利用することができる。上記503から508までの処理は、CQI送信リソースの割り当て501の後に複数回処理が行われ、また、同様の処理がM個の移動局装置についても同様に行われる。
【0056】
以上の手順により、移動局装置が制御情報をCDMAおよびSTBCによる送信ダイバーシチを適用して送信する際に、ダイバーシチ利得を得つつ拡散符号リソースを有効に利用することが可能となる。結果として、一つの時間・周波数リソースにおいてCDMAできる移動局装置数を改善することができる。本実施例では送信される制御情報としてCQIを例にとり、その手続きおよび送信方法を説明したが、送信される制御情報はCQIだけに関わらず空間多重系列数情報、送信信号前処理情報など、その他の情報を送信する場合にも適用できる。
【0057】
(第2の実施の形態)
図6(a)は、本発明の第2の実施の形態による移動通信システムにおける、基地局装置Aと移動局装置Bとの間の処理及び信号の流れを示すシーケンス図である。本実施の形態は、基地局装置Aと1つの移動局装置Bとの間の手続きについて説明しているが、複数の移動局装置が基地局装置と通信する場合にも同様の手続きが可能である。また、基地局装置Aと移動局装置Bの構成は、図2及び図3に示した構成と同様のものを利用することができる。
【0058】
ここで、本発明の第2の実施の形態と第1の実施の形態とは、基地局装置から移動局装置に割り当てられるCQI送信リソースの割り当て方法に違いがある。第1の実施の形態では、CQI送信リソースの一つとして通知される拡散符号に利用する系列の情報について、どのSC−FDMAシンボルでどのCAZAC系列を利用することができるかということを詳細かつ柔軟に通知していたが、本実施の形態では、表す情報を圧縮して一つのインデックスとして移動局装置に送信する。そして、移動局装置はそのインデックスから利用できる直交リソースを一意に解釈するということが特徴である。
【0059】
以下に、具体的な手順について、図6を参照しながら説明する。
【0060】
基地局装置Aは、まず移動局装置BへCQIを送信するためのリソースを(501)。ここでいうリソースとは、時間リソース、周波数リソース、拡散符号に利用する系列の情報を含んでいる。時間リソースとは、どの時間タイミングでCQIを送信できるかを表しており、ある基準地点からのオフセット値と周期が基地局装置から移動局装置へと通知される。周波数リソースとはどのリソースブロックを利用するかを表している。拡散符号に利用する系列の情報とは、どのSC−FDMAシンボルでどのCAZAC系列を利用することができるかということを表す情報であり、ここでは単一のインデックスのみが通知される。
【0061】
一方、これを受信した移動局装置Bは、インデックスと対応するCAZAC系列を計算し、どのSC-FDMAシンボルのどのCAZAC符号を利用して、どのような情報を送信するかを解釈する(602)。具体的には、STBCを用いた送信ダイバーシチでCQIを送信する移動局装置B(1)およびB(2)に対して拡散符号系列を割り当てるときの手順を図6(b)および図6(c)を参照しながら説明する。基地局装置Aは移動局装置B(1)に対して、インデックス0番を表す信号を送信する。0番とは、全てのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号0番の直交符号(CAZAC系列のサイクリックシフトの値に相当)を割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号1番、5番における直交符号番号1番の直交符号と、SC-FDMAシンボル番号1番と5番を参照信号として利用し、直交符号番号0番をアンテナ1に利用し、直交符号番号1番をアンテナ2に利用することを表す番号であり、あらかじめ基地局装置Aと移動局装置Bとで共有された情報である。
【0062】
さらに、基地局装置Aは、移動局装置B(2)に対して、2番を表す信号を送信する。2番とは、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号2番の直交符号を割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号2番、4番における直交符号番号1番の直交符号を割り当て、SC-FDMAシンボル番号2番と4番を参照信号として利用し、直交符号番号1番をアンテナ1に利用し、直交符号番号2番をアンテナ2に利用することを表す番号である。この解釈についても予め基地局装置Aと移動局装置Bとで共有された情報である。この際の割り当て方法は、どのレイヤの制御信号を使用してもよく、ビットの並び順や手続きなどの詳細は問われない。
【0063】
尚、図6(a)の503から508までの手順については、第1の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。
【0064】
以上の手順により、移動局装置Bが制御情報をCDMAおよびSTBCによる送信ダイバーシチを適用して送信する際に、ダイバーシチ利得を得つつ拡散符号リソースを有効に利用することが可能となる。かつ、CQI送信リソースの割り当てに発生する、基地局装置Aから移動局装置Bに送信される制御情報を削減することも可能である。さらに、送信ダイバーシチが適用可能な移動局装置と、適用不可能な移動局装置が混在するようなシステムに本発明を適用すると、CQI送信リソースの割り当ての仕組みを変更せず、移動局装置の分類によってCQIリソースの割り当てに関する解釈を変えることによって、両装置を混在させることも可能である。
【0065】
また、本実施の形態において、どのSC-FDMAシンボルに参照信号を配置するかという一例を図6(c)に示したが、参照信号の配置は図6(c)の例に限るものではなく、例えば図7に示したような配置とすることも可能である。つまり、基地局装置から割り当てられた直交符号が移動局装置間で衝突しなければどのように割り当てられてもよい。また、参照信号はスロットごとに2SC-FDMAシンボル配置される必要もなく、移動局装置の状況(たとえば移動局装置の移動速度や基地局からの距離)に応じて可変に割り当ててもよい。
【0066】
本実施の形態では、送信される制御情報としてCQIを例にとり、その手続きおよび送信方法を説明したが、送信される制御情報はCQIだけに関わらず空間多重系列数情報、送信信号前処理情報など、その他の情報を送信する場合にも適用できる。
【0067】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施の形態による移動通信システムにおける、基地局装置と移動局装置との間の処理及び信号の流れを示すシーケンス図でもある。本実施の形態では、基地局装置と1つの移動局装置との間の手続きについて説明しているが、複数の移動局装置が基地局装置と通信する場合にも同様の手続きが可能である。また、基地局装置と移動局装置の構成は、図2及び図3に示した構成と同様のものを利用することができる。
【0068】
ここで、本実施の形態のシーケンスは、第2の実施の形態とシーケンスは同様であるが、基地局装置から移動局装置に割り当てられる参照信号リソースの割り当て方法に違いがある。すなわち、第2の実施の形態では、参照信号が配置されるSC-FDMAシンボルの位置はスロットにおいて同一であったが、本実施の形態ではスロット間でその配置が変化することが特徴である。
【0069】
具体的な手順について、図6を参照しながら説明する。
【0070】
基地局装置Aは、まず移動局装置BへCQIを送信するためのリソースを(501)。ここでいうリソースとは、時間リソース、周波数リソース、拡散符号に利用する系列の情報を含んでいる。時間リソースとは、どの時間タイミングでCQIを送信できるかを表しており、ある基準地点からのオフセット値と周期が基地局装置から移動局装置へと通知される。周波数リソースとはどのリソースブロックを利用するかを表している。拡散符号に利用する系列の情報とは、どのSC−FDMAシンボルでどの直交符号(サイクリックシフトされたCAZAC系列)を利用することができるかということを表す情報であり、ここでは単一のインデックスのみが通知される。一方、これを受信した移動局装置は、インデックスと対応するサイクリックシフトのCAZAC系列を計算し、どのSC-FDMAシンボルにおいてどの直交符号を利用して、どのような情報を送信するかを解釈する(602)。
【0071】
具体的には、STBCを用いた送信ダイバーシチでCQIを送信する移動局装置B(1)およびB(2)に対して拡散符号系列を割り当てるときの手順を図8の(a)および(b)を用いて説明する。基地局装置は移動局装置1に対して、インデックス0番を表す信号を送信する。0番とは第一のスロットにおいて、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号0番の直交符号を割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号1番、5番における直交符号番号1番のCAZACリソースと、SC-FDMAシンボル番号1番と5番を参照信号として利用し、直交符号番号0番をアンテナ1に利用し、直交符号番号1番をアンテナ2に利用することを表す番号である。また、第2のスロットにおいては、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号0番のCAZACリソースを割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号2番、4番における直交符号番号1番のCAZACリソースと、SC-FDMAシンボル番号2番と4番を参照信号として利用し、直交符号番号0番をアンテナ1に利用し、直交符号番号1番をアンテナ2に利用することを表す。これらは、あらかじめ基地局装置と移動局装置で共有された情報である503から508までの手順については、第1および第2の実施の形態と同様である。
【0072】
以上の手順により、移動局装置が、制御情報をCDMAおよびSTBCによる送信ダイバーシチを適用して送信する際に、ダイバーシチ利得を得つつ拡散符号リソースを有効に利用することが可能となる。かつ、参照信号の位置に起因した劣化が発生する場合に、その劣化を軽減させることができる。
【0073】
さらに、本実施の形態において、つまりどのSC-FDMAシンボルに参照信号を配置するかという一例を図6(c)に示したが、配置はこの図の例に限るものではなく、図7に示したような配置をすることも可能である。つまり、基地局装置から割り当てられた直交符号が移動局装置間で衝突しなければどのように割り当てられてもよい。また、参照信号はスロットごとに2SC-FDMAシンボル配置される必要もなく、移動局装置の状況(たとえば移動局装置の移動速度や基地局装置からの距離)に応じて可変に割り当てるようにしてもよい。
【0074】
本実施の形態では、送信される制御情報としてCQIを例にとり、その手続きおよび送信方法を説明したが、送信される制御情報はCQIだけに限定されるものではなく、空間多重系列数情報(RI)、送信信号前処理情報(PMI)など、ACK/NACKなどの情報を送信する場合にも適用できる。
【0075】
上記のそれぞれの実施の形態においては、説明の都合上、基地局装置と移動局装置とが一対一の場合を例にして説明したが、基地局装置および移動局装置は複数であっても良い。また、移動局装置とは、移動する端末に限らず、基地局装置や固定端末に移動局装置の機能を実装することなどにより実現しても良い。
【0076】
また、以上に説明したそれぞれの実施の形態において、CAZAC系列のサイクリックシフトによる直交符号を例にして説明を行ったが、直交符号の系列はこれに限るものではなく、どのような直交符号も利用することができる。
【0077】
また、以上に説明したそれぞれの実施の形態において、基地局装置内の各機能や、移動局装置内の各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより基地局装置や移動局装置の制御を行っても良い。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0078】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0079】
以上、この発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、移動通信装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0081】
A…基地局装置、210…送信部、211…情報多重部、220…スケジューリング部、230…受信部、212…変調部、213…マッピング部、214…無線送信部、220…スケジューリング部、222…制御情報送信リソース制御部、230…受信部、231…無線受信部、232…情報抽出部、233…伝搬路補償・逆拡散部、234…合成・復調部、240…アンテナ、B…移動局装置、310…受信部、311…無線受信部、312…伝搬路補償部、313…復号処理部、314…誤り訂正・検出部、315…復調部、316…情報抽出・分離部、317…制御情報生成部、320…スケジューリング情報管理部、321…制御情報送信リソース管理部、322…制御情報管理部、330…送信部、331…情報多重部、332…変調・拡散部、333…マッピング部、334…送信ダイバーシチ信号生成部、335…無線送信部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、より詳細には、送信および受信する基地局装置、移動局装置を有する移動通信システムにおいて、受信品質を向上するための送信ダイバーシチ技術及び、その受信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代セルラー移動通信の一方式として、国際的な標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)とGSM(Global System for Mobile Communications)を発展させたネットワークの仕様に関して検討が行われている。
【0003】
3GPPでは、以前からセルラー移動通信方式について検討されており、第3世代セルラー移動通信方式として、W−CDMA方式が標準化された。また、通信速度を更に向上したHSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)も標準化され、サービスが運用されている。現在、3GPPでは、第3世代無線アクセス技術の進化(Long Term Evolution: 以下、「LTE」と呼ぶ)や、さらなる通信速度の高速化へ向けたLTE Advanced(以下、「LTE−A」と呼ぶ)についても検討が行われている。
【0004】
LTEにおける上りリンク制御情報の送信では、基地局装置から割り当てられた直交リソースに基づくCDMA(Code Division Multiple Access)が採用されている。具体的には、制御チャネルを利用した上りリンクの受信品質情報CQI(Channel Quality Indicator)の送信では、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)を想定して分割された周波数リソースにおいて、CAZAC(Constant Amplitude and Zero Auto−Correlation)系列を時間軸上で異なる長さのサイクリックシフトを行うことにより得られる直交符号を用いた符号拡散が行われる。CAZAC系列とは、時間領域および周波数領域において一定振幅かつ自己相関特性に優れた系列のことである。時間領域で一定振幅であることからPAPR(Peak to Average Power Ratio)を低く抑えることが可能である。
【0005】
図9および図10は、LTEの上り制御チャネルにおける時間および周波数で分割されるリソース管理の原理を示す図であり、それぞれの横軸は時間を、縦軸は周波数を表している。図9に示すとおり、上りリンクリソースは主に制御情報を送信するために利用される物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)と各移動局装置が主にデータを送信するための物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)を持ち、それぞれはリソースブロック(RB:Resource Block)と呼ばれる分割単位の集合として表現される。周波数方向におけるリソースブロック数はシステムの帯域幅に依存している。また、時間方向については、1リソースブロックが占める時間単位を1スロットとよび、これを2つ合わせて1サブフレームと呼んでいる。PUCCHにおける割り当て単位はサブフレームであり、周波数ダイバーシチ獲得のためにスロット毎にホッピングして配置される。具体的には、図9に示す番号(図中のmで表記されたもの)が同じリソースブロックXが割り当てられ、周波数軸における両端に配置されるように、サブフレームが割り当てられる。
【0006】
一方、図10は1リソースブロック(RB)X内における構成を周波数−時間軸上において示した1例を示す図である。この例においては、1リソースブロックは7個のSC-FDMA シンボル(1スロットに相当)、周波数方向に12サブキャリアから構成され、1SC-FDMAシンボル×1サブキャリアで構成される最小のリソースの単位をリソースエレメント(RE)と呼ぶ。
【0007】
リソースエレメントに配置された変調シンボルは、SC-FDMAシンボル単位でFFT(Fast Fourier Transformation)などの処理により時間領域に変換された後、移動局装置から基地局装置へ送信される。特に、上述のCQIをPUCCHで送信する場合には、CQIの1シンボル(たとえばQPSKであれば2ビットの情報)が系列長12の直交系列により拡散され、1SC-FDMAシンボルx12サブキャリアで構成されるリソースエレメントに配置される。また、復調時における伝搬路推定用途の参照信号(もしくはパイロット信号とも呼称される)も同様の配置がなされ、具体的には、送信機と受信機とで、既知の系列が系列長12の直交符号により拡散され、1SC-FDMAシンボルx12サブキャリアで構成されるリソースエレメントに配置される。LTEでは図10中のSC-FDMAシンボル番号1番及び5番の位置に参照信号が配置されることが決められている。
【0008】
一方、LTEにおける移動局装置は、1つの増幅器と複数の送信アンテナを有することが想定されていたが、LTE-Aでは複数の増幅器と送信アンテナを利用した送信ダイバーシチの採用が検討されている。送信ダイバーシチを用いると、一つの伝搬路の特性が劣化していても、他の状態の良い伝搬路を利用することによるゲインを得ることができ、結果として受信特性を向上することができる。
【0009】
LTE−AにおけるPUCCHを用いたCQI送信に適用する送信ダイバーシチについて、下記非特許文献1では、上りリンクの制御信号に対する2アンテナ送信ダイバーシチ技術として、STBC(Space Time Block Coding)などの方式が定性的に評価されている。下記非特許文献2においてもSCTD(Space Code Transmit Diversity)という方式を適用することが検討されている。
【0010】
STBCは、複数のアンテナを用いた送信ダイバーシチ技術であり、フェージング環境における伝送品質の向上に有効である。STBCは、複数のアンテナと連続した時間にまたがるシンボルを利用してペアとなる送信信号を生成しこれを伝送する。受信機では、得られた信号を処理することにより、それぞれの伝搬路を最大比合成した信号が得られるため、受信品質の向上に効果的である。しかし、STBCは送信アンテナに対応した数の伝搬路を受信機が知る必要があり、つまり、それぞれが送信アンテナと同数の直交リソースを参照信号に対して割り当てる必要がある。LTEにおけるリソース割り当ての手続きにおいては、参照であるかCQI情報を送信するか(すなわちSC−FDMAシンボル番号に関わらず)ひとつの直交符号(CAZAC系列に対して、時間領域に異なるサイクリックシフト処理を施すことにより生成される)の符号を割り当てるため、参照の直交符号を2個割り当てるためには、実際には利用されないCQI情報の送信リソースも移動局装置へ割り当ててしまう。図11を用いて具体的に説明すると、移動局装置AがSTBCを行う場合には、移動局装置から直交符号番号0番と1番の系列が割り当てられる。CQI情報は0番の直交符号を用いて、SC−FDMAシンボル番号0、2,3,4,6のシンボルでSTBCで送信されるが、参照はSC−FDMAシンボル番号1、5番のシンボルでそれぞれの送信アンテナが異なる直交符号により送信される。つまり、直交符号番号1におけるSC−FDMAシンボル番号0,2,3,4,6のリソースは利用されない。移動局装置BからFについても同様である。つまり、CAZAC系列のサイクリックシフト処理により取得できる直交符号は12個であるが、符号分割多重数は6となってしまい、リソースの利用効率は向上できない。
【0011】
これを解決するために、1番目と5番目の参照を [+1, +1], [+1, -1] の系列を利用したブロック拡散により符号分割多重することで、2つの参照多重することも提案されているが(下記非特許文献3参照)、1スロット内に参照が2つ以上必要であるか、もしくは、LTEですでに仕様化されている2つの参照間の位相差による情報送信方式との整合がないという問題もある。
【0012】
一方、SCTDは送信アンテナごとに直交符号を割り当てて信号を送信し、分離して受信できる送信信号を最大比合成することによって利得を得る送信ダイバーシチ方式である。この方式では送信ダイバーシチのない場合からの受信機の構成が少なくて済み、かつ、送信側における最大比合成を行うSTBCと同等の利得を得られるというメリットがある。しかしながら、図12に示すように、すべてのSC-FDMAシンボルにおいて、1つの移動局装置が送信アンテナ数に対応した数の直交リソースの利用することになり、STBCよりリソースの利用効率は低下する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】“UL MIMO Transmission LTE”、 3GPP TSG RAN WG1 #54bis、 R1−083684
【非特許文献2】“Evaluation of transmit diversity for PUCCH in LTE−A”、 3GPP TSG RAN WG1 #54bis、 R1−083862
【非特許文献3】“Evaluation of transmit diversity for PUCCH in LTE−A”、 3GPP TSG RAN WG1 #55bis、 R1−090135
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のように、非特許文献1から3まででは、従来のLTEとの整合性と保持したまま、符号分割多重における多重数を向上させる送信ダイバーシチ方式は提案されていない。具体的にSTBCよる送信ダイバーシチ方式では参照信号が分離できる必要があり、送信アンテナの数に応じた直交リソースを割り当てる必要がある。しかしながら、送信ダイバーシチを用いないことを想定して設計されたシステムにおいては、参照信号に用いる複数の直交符号を割り当てる場合、参照信号だけでなくSTBCでは利用されないデータ信号の直交リソースまで割り当ててしまうことが発生し、直交リソース利用が非効率であるという問題が発生していた。本発明は、直交リソース利用を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、STBCを利用し、かつ、STBCのために付加的に必要となる参照信号の直交リソースを、複数の端末でシェアすることを特徴とする。
【0016】
本発明の一観点によれば、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムであって、前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号は、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられ、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする無線通信システムが提供される。
【0017】
また、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置はSTBC方式を利用した送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムであって、前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号は、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられ、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする無線通信システムが提供される。LTEへの拡張を考慮すると、STBCに適用が適している。
【0018】
前記制御信号は、チャネル品質情報もしくは空間多重系列情報もしくは送信信号前処理情報を含むことが好ましい。また、前記制御信号は、SC-FDMA方式により送信され、前記直交符号により拡散された信号は、周波数軸方向に配置されることが好ましい。前記基地局装置から前記移動局装置へと通知される直交符号の割り当て情報は、どの時刻において、どの直交符号を用いて、前記制御情報を送信するかという第1の情報と、どの時刻において、どの直交符号を用いて、どの送信アンテナに対応する参照信号を送信するかという第2の情報とを含むことを特徴とする。ここで、時刻とはSC-FDMAシンボルを指す。
【0019】
前記基地局装置から前記移動局装置へと通知される直交符号の割り当てについて、どの時刻において、どの直交符号を用いて、前記制御情報を送信するかという第1の情報と、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、どの送信アンテナに対応する参照信号を送信するかという管理情報およびそれに対応したインデックスが前記移動局装置と前記移動局装置で管理されており、前記移動局装置から前記基地局装置へそのインデックスを通知することで前記割り当てが実施されることが好ましい。
【0020】
前記移動局装置を複数のグループに分類し、前記移動局装置が前記基地局装置から受信した前記インデックスは、前記グループによって異なる直交符号割り当ての解釈を行うようにしても良い。
【0021】
前記グループとは、参照信号の送信に利用する直交符号の数で分類され、N(Nは2以上の整数)個の直交符号を利用して参照信号の多重送信を行う移動局装置は、前記受信したインデックスに対応したN個の直交符号を利用して参照信号を符号分割多重して前記基地局装置に送信することが好ましい。また、前記基地局装置から前記移動局装置へと通知されるインデックスの解釈について、所定の時刻単位ごとに変化するようにしても良い。これは、スロットごとに参照信号の配置が変わることを意味する。
【0022】
本発明の他の観点によれば、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける基地局装置であって、前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号を前記移動局装置へと割り当て、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てることを特徴とする基地局装置が提供される。
【0023】
また、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける移動局装置であって、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられた前記2個以上の参照信号を多重するための1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置において時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする移動局装置が提供される。
【0024】
本発明の別の観点によれば、基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける通信方法であって、前記2個以上の参照信号を、1つの移動局装置において符号拡散多重されて前記基地局装置へ送信するステップと、前記参照信号を多重するための直交符号を、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てるステップと、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てるステップと、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用するステップと、有することを特徴とする通信方法が提供される。
【0025】
本発明は、コンピュータに上記に記載の通信方法を実行させるためのプログラムであっても良い。当該プログラムは、インターネットなどの伝送媒体により取得されるものでも良い。また、本発明は、上記プログラムをコンピュータに実行させるための記録媒体でも良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、1つの符号リソースを複数の移動局装置で共用し、時間(つまりSC−FDMAシンボル)を分割して各移動局装置にこの直交リソースを割り当てる。これにより、STBCおいて利用できない直交リソースを減らし、CDMAによる同時多重可能な移動局装置の数を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態による基地局装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態による移動局装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】従来のリソースの割当と本実施の形態によるリソースの割当を比較した図である。
【図4】送信アンテナ数2個であり、送信ダイバーシチ方式にSTBCを利用する場合において、割り当てられた直交符号の利用の仕方を模式的に表した図である。
【図5】基地局装置から移動局装置へCQIの送信リソースが割り当てられ、そのリソースでCQIの送信を行うシーケンスチャート図である。
【図6】図6(a)は、本発明の第2の実施の形態による移動通信システムにおける、基地局装置と移動局装置との間の処理及び信号の流れを示すシーケンス図であり、図6(b)、(c)は、STBCを用いた送信ダイバーシチでCQIを送信する移動局装置1および2に対して拡散符号系列を割り当てるときの手順を示す図である。
【図7】どのSC-FDMAシンボルに参照信号を配置するかに関する図6(c)とは異なる配置例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態におけるスロット毎にRSの位置を変える例を示す図である。
【図9】LTEの上り制御チャネルにおける時間および周波数で分割されるリソース管理の原理を示す図であり、
【図10】1リソースブロック内における構成を周波数および時間において示した1例を表す。
【図11】移動局装置への直交符号番号の符号の割り当て例を示す図である。
【図12】移動局装置への直交符号番号の符号の割り当て例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明を行う。
【0029】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態による移動通信システムは、移動局装置と基地局装置とを有している。本実施の形態では、アンテナ本数と同数の直交リソースを移動局装置に割り当てている場合を示している。ここでは、LTEにおけるPUCCHを用いたCQI送信に適用可能な送信ダイバーシチ法について説明する。但し、本発明は、CQIに限定されるものでなく、決められた周波数領域において符号拡散しCDMAを行う通信方式であれば、同様に適用可能であり、他の情報信号を送信してもよい。
【0030】
本発明の第1の実施の形態による移動通信システムは、基地局装置と移動局装置とを有している。図1、図2は、本実施の形態による基地局装置と移動局装置とのそれぞれの一構成例を示す機能ブロック図である。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態による基地局装置Aは、送信部210、スケジューリング部220、受信部230、および、アンテナ240を備えている。送信部210は、情報多重部211、変調部212、マッピング部213、無線送信部214を備えている。また、スケジューリング部220は、制御情報送信リソース制御部222を備えており、受信部230は、無線受信部231、情報抽出部232、伝搬路補償・逆拡散部233、合成・復調部234、を備えている。アンテナ240は、下りリンク信号の送信および上りリンク信号の受信に必要な数だけ備えられている。
【0032】
基地局装置Aにおいて生成された、各移動局装置に送信する下りリンクデータと、スケジューリング部220から出力される制御情報送信のためのスケジューリング情報とは、情報多重部211に入力され、各移動局装置に送信するデータが生成される。但し、下りリンクデータは必ず存在する必要はなく、スケジューリング情報のみが存在してもよい。また、ここで、スケジューリング情報とは、各移動局装置がCQIを送信するために利用する制御チャネルの時間リソース(サブフレーム番号、つまりある基準からのオフセットや周期)、周波数リソース(リソースブロック番号)、符号リソースを表す情報のことである。ここで、送信される制御情報はCQIに関わらず、空間多重における送信系列数、送信信号の前処理情報などの情報や、もしくはそれらを同時に送信するものでもよい。
【0033】
情報多重部211から出力された信号は、スケジューリング部220の指定のもとに変調部212において変調され、送信される信号形態に変換される。具体的には、ビット列がQAM、QPSKなどの信号に変調される。
【0034】
変調部212により変調された信号はマッピング部213に供給され、スケジューリング部220の指定に従ったリソースにマッピングされる。具体的には、OFDMAであれば、移動局装置毎に指定された周波数、時間リソースにマッピングされ、全移動局装置に報知される情報なども所定の周波数、時間リソースにマッピングされる。
【0035】
マッピング部213の出力は無線送信部214に供給され、送信方式にあった形態に変換される。具体的にOFDMAベースの通信方式であれば、周波数領域の信号に対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transformation)が施されることにより、時間領域の信号が生成される。また、MIMO(Multiple Input Multiple Output)による空間多重が採用されていれば、この処理がこのブロックにおいて行われる。無線送信部214の出力信号はアンテナ240に供給され、ここから各移動局装置へ信号が送信される。
【0036】
スケジューリング部220は、上位レイヤからの制御情報を受け取り、各移動局装置へのリソース割り振りや変調方式、符号化率の決定などを行っている。特に、制御情報送信リソース制御部221は、上述のスケジューリング情報を生成および管理する機能であり、従来は、SC−FDMAシンボル単位での直交符号割り当てを行えなかったところを、SC−FDMA単位で分割して異なる移動局装置に割り当てることができる点が従来とは異なる点である。図3を用いて具体的に説明すると、左に示す従来の割り当て方法では、STBCを実現するために移動局装置Aへは直交符号番号0番と1番を、移動局装置Bへは直交符号番号2番と3番の直交符号(CAZAC系列のサイクリックシフトの値に相当する)を割り当てる必要があったが、本実施の形態による方法では、移動局装置Aへは全てのSC−FDMAシンボルにおける直交符号番号0番と、SC−FDMAシンボル番号1番、5番における直交符号番号1番の直交符号を割り当て、移動局装置BへはすべてのSC−FDMAシンボルにおける直交符号番号2番と、SC−FDMAシンボル番号2番、4番における直交符号番号1番の直交符号を割り当てることが可能である。
【0037】
移動局装置から送信された信号は、アンテナ240で受信された後、無線受信部231に入力される。無線受信部231はデータや制御信号を受け取り、送信方式に応じたディジタル信号を生成して出力する。具体的には、OFDMベースの通信方式であれば、受信信号をアナログ・ディジタル変換した後、処理時間単位でFFT処理を施した信号が出力される。
【0038】
無線受信部231の出力は情報抽出部232に入力され、情報の種類ごとに切り分けが行われる。具体的には、受信した信号を、各移動局装置からのデータ毎の切り分けが行われ、その中でも制御情報送信リソース制御部221で管理される制御情報と、上位レイヤへの信号とが分離される。
【0039】
情報抽出部232の出力は伝搬路補償・逆拡散部233に入力される。伝搬路補償・逆拡散部233では、入力信号に含まれた参照信号から伝搬路の推定を行い、受信信号の補償を行うと同時に、制御情報送信リソース制御部で管理されている直交符号を用いて入力信号の逆拡散を行う。もし、参照信号も拡散されている場合は、スケジューリング部220から入力される拡散符号の情報を基に逆拡散を行ってから伝搬路が算出される。ここで、伝搬路補償と逆拡散とを行う順序は問われない。伝搬路補償・逆拡散部233はそれぞれの拡散符号に対する出力を行う。
【0040】
伝搬路補償・逆拡散部233の出力は合成・復調部234に入力され、複数の入力系列を合成すると同時に送信されたビットを再生する復調処理が行われる。合成とは、伝搬路の状況に応じた重み付け加算を行うことにより、受信品質を高めるための処理である。送信された信号がCQIである場合、そのビットが上位レイヤに渡され、再送処理などの処理に利用される。ここで、伝搬路補償・逆拡散部233及び合成・復調部234についても、その処理順序は問わない。さらに、受信品質を高めるためにMMSE(Minimum Mean Square Error:最小二乗平均誤差)法を用いることで、これらの処理を同時に行うことも可能であり、その受信アルゴリズムの種別が問われるものではない。
【0041】
一方、図2に示すように、各移動局装置Bは、受信部310、スケジューリング情報管理部320、送信部330、及び、アンテナ240を備えている。受信部310は無線受信部311、伝搬路補償部312、復号処理部313、制御情報生成部317、を備えている。復号処理部313は、誤り訂正・検出部314、復調部315、情報抽出・分離部316を備えている。また、スケジュール情報管理320は制御情報送信リソース管理部321、制御情報管理部322を備えており、送信部330は情報多重部331、変調・拡散部332、マッピング部333、送信ダイバーシチ信号生成部334、無線送信部335、を備えている。アンテナ240は上りリンク信号の送信及び下りリンク信号の受信に必要な数だけ備えられている。
【0042】
基地局装置Aから送信される下りリンク信号をアンテナ240で受信すると、この受信信号は無線受信部311へ入力される。無線受信部311では、アナログ・ディジタル(A/D)変換などの他に、通信方式に応じた処理が施され、出力される。具体的にOFDMAであれば、A/D変換後の時系列の信号はFFT処理され、時間・周波数領域の信号に変換されて出力される。
【0043】
無線受信部311の出力信号は伝搬路補償部312へ入力され、この入力信号に付与されている参照信号などを利用して伝搬路推定を行い、これを基に伝搬路補償を行って出力する。
【0044】
また、無線受信部311の出力信号は制御情報生成部317に入力され、制御情報が生成される。具体的に、この制御情報がCQIであれば、受信した下りリンク信号の参照信号などから受信品質を測定する。空間多重の系列数の場合や送信信号前処理情報の場合についても同様である。制御情報生成部317の出力はこれをスケジュール情報管理部320へ出力し、制御情報管理部322において管理される。
【0045】
伝搬路補償部312の出力は復号処理部313に入力され、これをスケジュール情報管理部320の出力を基にして復調し、必要であれば誤り訂正・検出が行なった後に、その種類毎に分類され、スケジューリング利用される第一の出力と、上位レイヤで処理される第二の出力と、される。特に、上記において説明したスケジューリング情報が受信された場合には、これをスケジュール情報管理部320へ出力し、制御情報送信リソース管理部321において管理される。
【0046】
ここで、復号処理部313における情報抽出・分離部316と誤り訂正・検出部314、復調部315については、その処理順序は問わない。例えば、送信された情報の種類に応じてこれらの処理が前後してもよく、また、システムによってこれらの処理が前後してもよい。
【0047】
送信部330は、上りリンクデータやCQIなどの上りリンク制御情報の送信を行う。ここでは、簡単のためCQI信号のみを送信する場合を例にして、その動作について説明する。下りリンクデータ及び制御情報管理部322で管理されるCQI信号は、その送信タイミングにおいて情報多重部331へ供給される。情報多重部331では、入力された情報を同時に送信するための処理が行われるが、ここでは基地局装置Aから送信された直交リソースを用いてCQIのみを送信することを想定する。情報多重部331へ入力されたCQI信号は変調・拡散部332に供給される。
【0048】
変調・拡散部332では、スケジュール情報管理部320から供給される送信リソースを利用して情報多重部331の信号が変調・拡散される。
【0049】
図4は、送信アンテナ数2個であり、送信ダイバーシチ方式にSTBCを利用する場合において、割り当てられた直交符号の利用の仕方を模式的に表した図である。この場合、SC−FDMAシンボル1番、5番において2つの直交符号が利用できるため、このSC−FDMAシンボルにおいて参照信号が送信される。つまり、直交符号番号0番の直交符号で送信アンテナ1の参照信号が拡散され、直交符号番号1番の直交符号で送信アンテナ2の参照信号が拡散される。その他の直交符号、つまり直交符号番号0番でありSC−FDMAシンボル番号が0,2,3,4,6である直交リソースはCQIシンボルを送信するために利用され、この符号で拡散される。
【0050】
変調・拡散部332の出力はマッピング部333に出力され、送信ダイバーシチ方式に従ったマッピングがなされ、複数の送信アンテナに対応した数の信号が出力される。
【0051】
マッピング部333によりマッピングされた信号は、送信ダイバーシチ信号生成部334に入力される。送信ダイバーシチ方式としてSTBCが利用される場合には入力信号をSTBCに基づき各アンテナにマッピングして無線送信部335へ出力する。無線送信部335では、これらの信号が送信する信号形態に変換される。具体的には、周波数領域の信号をIFFTにより時間領域の信号へ変換し、ガードインターバルを付与する動作などがこれに相当する。無線送信部335の出力はN個の系列を持ち、それぞれがN個のアンテナ240に供給される。
【0052】
図5(a)は、基地局装置から移動局装置へCQIの送信リソースが割り当てられ、そのリソースでCQIの送信を行うシーケンスチャート図である。ここでは、移動局装置における送信アンテナ数は2本でSTBCを行うことを想定している。尚、移動局装置における送信アンテナ数が2の場合についてここでは例示的に説明するが、3以上の参照信号用直交符号を割り当てる場合においても、本実施の形態と同様の手順を適用することが可能である。
【0053】
基地局装置Aは、まず移動局装置BへCQIを送信するためのリソースを割り当てる(501)。ここでいうリソースとは、時間リソース、周波数リソース、拡散符号に利用する系列の情報を含んでいる。時間リソースとは、どの時間タイミングでCQIを送信できるかを表しており、ある基準地点からのオフセット値と周期が基地局装置Aから移動局装置Bへと通知される。周波数リソースとは、どのリソースブロックを利用するかを表している。拡散符号に利用する系列の情報とは、どのSC−FDMAシンボルでどの直交符号を利用することができるかということを表す情報であり、単純にリソース番号のみが通知される、もしくはリソース番号に対応する情報が通知されることを意味する。
【0054】
501の処理による、リリース割り当ての具体例としては、STBCを用いた送信ダイバーシチにより、CQIを送信する移動局装置B(1)および移動局装置B(2)に対して拡散符号系列を割り当てる動作を図5(b)を用いて説明する。基地局装置Aは移動局装置B(1)に対して、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号0番の直交符号(CAZAC系列のサイクリックシフトの値に相当)を割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号1番、5番における直交符号番号1番の直交符号を割り当てる信号を送信する。さらに、この信号には、SC-FDMAシンボル番号1番と5番を参照信号として利用し、直交符号番号0番をアンテナ1に利用し、直交符号番号1番をアンテナ2に利用することも含められる。さらに、基地局装置Aは移動局装置B(2)に対して、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号2番のCAZACリソースを割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号2番、4番における直交符号番号1番のCAZACリソースを割り当てる信号を送信する。さらに、この信号には、SC-FDMAシンボル番号2番と4番を参照信号として利用し、直交符号番号1番をアンテナ1に利用し、直交符号番号2番をアンテナ2に利用することも含められる。この際の割り当て方法は、どのレイヤの制御信号を使用してもよく、ビットの並び順や手続きなどの詳細は問われない。
【0055】
次に、基地局装置Aは、移動局装置Bに対してCQIに利用できるCQI計算用信号を送信する(503)。これを受信した移動局装置BはCQIを算出し(504)、501の処理で割り当てられた直交符号による拡散を行い、周波数リソースにマッピングを行う(505)。さらにマッピングされた信号は送信ダイバーシチ方式に対応したアンテナマッピングが行われ(506)、割り当てられた時間リソースにおいて基地局装置Aへ送信される(507)。基地局装置Aは、この信号を受信し、参照信号の抽出、チャネル推定、CQI情報の抽出、復調などの受信処理を行う(508)。ここで、参照信号の位置については、CQI送信リソースの割り当て処理501の段階で移動局装置Bに通知しているため、基地局装置Aもその情報を利用することができる。上記503から508までの処理は、CQI送信リソースの割り当て501の後に複数回処理が行われ、また、同様の処理がM個の移動局装置についても同様に行われる。
【0056】
以上の手順により、移動局装置が制御情報をCDMAおよびSTBCによる送信ダイバーシチを適用して送信する際に、ダイバーシチ利得を得つつ拡散符号リソースを有効に利用することが可能となる。結果として、一つの時間・周波数リソースにおいてCDMAできる移動局装置数を改善することができる。本実施例では送信される制御情報としてCQIを例にとり、その手続きおよび送信方法を説明したが、送信される制御情報はCQIだけに関わらず空間多重系列数情報、送信信号前処理情報など、その他の情報を送信する場合にも適用できる。
【0057】
(第2の実施の形態)
図6(a)は、本発明の第2の実施の形態による移動通信システムにおける、基地局装置Aと移動局装置Bとの間の処理及び信号の流れを示すシーケンス図である。本実施の形態は、基地局装置Aと1つの移動局装置Bとの間の手続きについて説明しているが、複数の移動局装置が基地局装置と通信する場合にも同様の手続きが可能である。また、基地局装置Aと移動局装置Bの構成は、図2及び図3に示した構成と同様のものを利用することができる。
【0058】
ここで、本発明の第2の実施の形態と第1の実施の形態とは、基地局装置から移動局装置に割り当てられるCQI送信リソースの割り当て方法に違いがある。第1の実施の形態では、CQI送信リソースの一つとして通知される拡散符号に利用する系列の情報について、どのSC−FDMAシンボルでどのCAZAC系列を利用することができるかということを詳細かつ柔軟に通知していたが、本実施の形態では、表す情報を圧縮して一つのインデックスとして移動局装置に送信する。そして、移動局装置はそのインデックスから利用できる直交リソースを一意に解釈するということが特徴である。
【0059】
以下に、具体的な手順について、図6を参照しながら説明する。
【0060】
基地局装置Aは、まず移動局装置BへCQIを送信するためのリソースを(501)。ここでいうリソースとは、時間リソース、周波数リソース、拡散符号に利用する系列の情報を含んでいる。時間リソースとは、どの時間タイミングでCQIを送信できるかを表しており、ある基準地点からのオフセット値と周期が基地局装置から移動局装置へと通知される。周波数リソースとはどのリソースブロックを利用するかを表している。拡散符号に利用する系列の情報とは、どのSC−FDMAシンボルでどのCAZAC系列を利用することができるかということを表す情報であり、ここでは単一のインデックスのみが通知される。
【0061】
一方、これを受信した移動局装置Bは、インデックスと対応するCAZAC系列を計算し、どのSC-FDMAシンボルのどのCAZAC符号を利用して、どのような情報を送信するかを解釈する(602)。具体的には、STBCを用いた送信ダイバーシチでCQIを送信する移動局装置B(1)およびB(2)に対して拡散符号系列を割り当てるときの手順を図6(b)および図6(c)を参照しながら説明する。基地局装置Aは移動局装置B(1)に対して、インデックス0番を表す信号を送信する。0番とは、全てのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号0番の直交符号(CAZAC系列のサイクリックシフトの値に相当)を割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号1番、5番における直交符号番号1番の直交符号と、SC-FDMAシンボル番号1番と5番を参照信号として利用し、直交符号番号0番をアンテナ1に利用し、直交符号番号1番をアンテナ2に利用することを表す番号であり、あらかじめ基地局装置Aと移動局装置Bとで共有された情報である。
【0062】
さらに、基地局装置Aは、移動局装置B(2)に対して、2番を表す信号を送信する。2番とは、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号2番の直交符号を割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号2番、4番における直交符号番号1番の直交符号を割り当て、SC-FDMAシンボル番号2番と4番を参照信号として利用し、直交符号番号1番をアンテナ1に利用し、直交符号番号2番をアンテナ2に利用することを表す番号である。この解釈についても予め基地局装置Aと移動局装置Bとで共有された情報である。この際の割り当て方法は、どのレイヤの制御信号を使用してもよく、ビットの並び順や手続きなどの詳細は問われない。
【0063】
尚、図6(a)の503から508までの手順については、第1の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。
【0064】
以上の手順により、移動局装置Bが制御情報をCDMAおよびSTBCによる送信ダイバーシチを適用して送信する際に、ダイバーシチ利得を得つつ拡散符号リソースを有効に利用することが可能となる。かつ、CQI送信リソースの割り当てに発生する、基地局装置Aから移動局装置Bに送信される制御情報を削減することも可能である。さらに、送信ダイバーシチが適用可能な移動局装置と、適用不可能な移動局装置が混在するようなシステムに本発明を適用すると、CQI送信リソースの割り当ての仕組みを変更せず、移動局装置の分類によってCQIリソースの割り当てに関する解釈を変えることによって、両装置を混在させることも可能である。
【0065】
また、本実施の形態において、どのSC-FDMAシンボルに参照信号を配置するかという一例を図6(c)に示したが、参照信号の配置は図6(c)の例に限るものではなく、例えば図7に示したような配置とすることも可能である。つまり、基地局装置から割り当てられた直交符号が移動局装置間で衝突しなければどのように割り当てられてもよい。また、参照信号はスロットごとに2SC-FDMAシンボル配置される必要もなく、移動局装置の状況(たとえば移動局装置の移動速度や基地局からの距離)に応じて可変に割り当ててもよい。
【0066】
本実施の形態では、送信される制御情報としてCQIを例にとり、その手続きおよび送信方法を説明したが、送信される制御情報はCQIだけに関わらず空間多重系列数情報、送信信号前処理情報など、その他の情報を送信する場合にも適用できる。
【0067】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施の形態による移動通信システムにおける、基地局装置と移動局装置との間の処理及び信号の流れを示すシーケンス図でもある。本実施の形態では、基地局装置と1つの移動局装置との間の手続きについて説明しているが、複数の移動局装置が基地局装置と通信する場合にも同様の手続きが可能である。また、基地局装置と移動局装置の構成は、図2及び図3に示した構成と同様のものを利用することができる。
【0068】
ここで、本実施の形態のシーケンスは、第2の実施の形態とシーケンスは同様であるが、基地局装置から移動局装置に割り当てられる参照信号リソースの割り当て方法に違いがある。すなわち、第2の実施の形態では、参照信号が配置されるSC-FDMAシンボルの位置はスロットにおいて同一であったが、本実施の形態ではスロット間でその配置が変化することが特徴である。
【0069】
具体的な手順について、図6を参照しながら説明する。
【0070】
基地局装置Aは、まず移動局装置BへCQIを送信するためのリソースを(501)。ここでいうリソースとは、時間リソース、周波数リソース、拡散符号に利用する系列の情報を含んでいる。時間リソースとは、どの時間タイミングでCQIを送信できるかを表しており、ある基準地点からのオフセット値と周期が基地局装置から移動局装置へと通知される。周波数リソースとはどのリソースブロックを利用するかを表している。拡散符号に利用する系列の情報とは、どのSC−FDMAシンボルでどの直交符号(サイクリックシフトされたCAZAC系列)を利用することができるかということを表す情報であり、ここでは単一のインデックスのみが通知される。一方、これを受信した移動局装置は、インデックスと対応するサイクリックシフトのCAZAC系列を計算し、どのSC-FDMAシンボルにおいてどの直交符号を利用して、どのような情報を送信するかを解釈する(602)。
【0071】
具体的には、STBCを用いた送信ダイバーシチでCQIを送信する移動局装置B(1)およびB(2)に対して拡散符号系列を割り当てるときの手順を図8の(a)および(b)を用いて説明する。基地局装置は移動局装置1に対して、インデックス0番を表す信号を送信する。0番とは第一のスロットにおいて、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号0番の直交符号を割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号1番、5番における直交符号番号1番のCAZACリソースと、SC-FDMAシンボル番号1番と5番を参照信号として利用し、直交符号番号0番をアンテナ1に利用し、直交符号番号1番をアンテナ2に利用することを表す番号である。また、第2のスロットにおいては、すべてのSC-FDMAシンボルにおける直交符号番号0番のCAZACリソースを割り当て、さらに、SC-FDMAシンボル番号2番、4番における直交符号番号1番のCAZACリソースと、SC-FDMAシンボル番号2番と4番を参照信号として利用し、直交符号番号0番をアンテナ1に利用し、直交符号番号1番をアンテナ2に利用することを表す。これらは、あらかじめ基地局装置と移動局装置で共有された情報である503から508までの手順については、第1および第2の実施の形態と同様である。
【0072】
以上の手順により、移動局装置が、制御情報をCDMAおよびSTBCによる送信ダイバーシチを適用して送信する際に、ダイバーシチ利得を得つつ拡散符号リソースを有効に利用することが可能となる。かつ、参照信号の位置に起因した劣化が発生する場合に、その劣化を軽減させることができる。
【0073】
さらに、本実施の形態において、つまりどのSC-FDMAシンボルに参照信号を配置するかという一例を図6(c)に示したが、配置はこの図の例に限るものではなく、図7に示したような配置をすることも可能である。つまり、基地局装置から割り当てられた直交符号が移動局装置間で衝突しなければどのように割り当てられてもよい。また、参照信号はスロットごとに2SC-FDMAシンボル配置される必要もなく、移動局装置の状況(たとえば移動局装置の移動速度や基地局装置からの距離)に応じて可変に割り当てるようにしてもよい。
【0074】
本実施の形態では、送信される制御情報としてCQIを例にとり、その手続きおよび送信方法を説明したが、送信される制御情報はCQIだけに限定されるものではなく、空間多重系列数情報(RI)、送信信号前処理情報(PMI)など、ACK/NACKなどの情報を送信する場合にも適用できる。
【0075】
上記のそれぞれの実施の形態においては、説明の都合上、基地局装置と移動局装置とが一対一の場合を例にして説明したが、基地局装置および移動局装置は複数であっても良い。また、移動局装置とは、移動する端末に限らず、基地局装置や固定端末に移動局装置の機能を実装することなどにより実現しても良い。
【0076】
また、以上に説明したそれぞれの実施の形態において、CAZAC系列のサイクリックシフトによる直交符号を例にして説明を行ったが、直交符号の系列はこれに限るものではなく、どのような直交符号も利用することができる。
【0077】
また、以上に説明したそれぞれの実施の形態において、基地局装置内の各機能や、移動局装置内の各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより基地局装置や移動局装置の制御を行っても良い。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0078】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0079】
以上、この発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、移動通信装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0081】
A…基地局装置、210…送信部、211…情報多重部、220…スケジューリング部、230…受信部、212…変調部、213…マッピング部、214…無線送信部、220…スケジューリング部、222…制御情報送信リソース制御部、230…受信部、231…無線受信部、232…情報抽出部、233…伝搬路補償・逆拡散部、234…合成・復調部、240…アンテナ、B…移動局装置、310…受信部、311…無線受信部、312…伝搬路補償部、313…復号処理部、314…誤り訂正・検出部、315…復調部、316…情報抽出・分離部、317…制御情報生成部、320…スケジューリング情報管理部、321…制御情報送信リソース管理部、322…制御情報管理部、330…送信部、331…情報多重部、332…変調・拡散部、333…マッピング部、334…送信ダイバーシチ信号生成部、335…無線送信部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムであって、
前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号は、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられ、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置はSTBC方式を利用した送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムであって、
前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号は、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられ、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
前記制御信号は、チャネル品質情報もしくは空間多重系列情報もしくは送信信号前処理情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記制御信号は、SC-FDMA方式により送信され
前記直交符号により拡散された信号は、周波数軸方向に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記基地局装置から前記移動局装置へと通知される直交符号の割り当て情報は、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、前記制御情報を送信するかという第1の情報と、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、どの送信アンテナに対応する参照信号を送信するかという第2の情報とを含むことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記基地局装置から前記移動局装置へと通知される直交符号の割り当てについて、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、前記制御情報を送信するかという第1の情報と、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、どの送信アンテナに対応する参照信号を送信するかという管理情報およびそれに対応したインデックスが前記移動局装置と前記移動局装置で管理されており、
前記移動局装置から前記基地局装置へそのインデックスを通知することで前記割り当てが実施されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記移動局装置を複数のグループに分類し
前記移動局装置が前記基地局装置から受信した前記インデックスは、前記グループによって異なる直交符号割り当ての解釈を行うことを特徴とする請求項6に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記グループとは、参照信号の送信に利用する直交符号の数で分類され、
N(Nは2以上の整数)個の直交符号を利用して参照信号の多重送信を行う移動局装置は、前記受信したインデックスに対応したN個の直交符号を利用して参照信号を符号分割多重して前記基地局装置に送信することを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記基地局装置から前記移動局装置へと通知されるインデックスの解釈について、
所定の時刻単位ごとに変化することを特徴とする請求項6から8までのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項10】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号を前記移動局装置へと割り当て、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てることを特徴とする基地局装置。
【請求項11】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける移動局装置であって、
前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられた前記2個以上の参照信号を多重するための1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置において時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする移動局装置。
【請求項12】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける通信方法であって、
前記2個以上の参照信号を、1つの移動局装置において符号拡散多重されて前記基地局装置へ送信するステップと、
前記参照信号を多重するための直交符号を、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てるステップと、
1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てるステップと、
異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用するステップと
有することを特徴とする通信方法。
【請求項13】
コンピュータに請求項12に記載の通信方法を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムであって、
前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号は、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられ、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置はSTBC方式を利用した送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムであって、
前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号は、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられ、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
前記制御信号は、チャネル品質情報もしくは空間多重系列情報もしくは送信信号前処理情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記制御信号は、SC-FDMA方式により送信され
前記直交符号により拡散された信号は、周波数軸方向に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記基地局装置から前記移動局装置へと通知される直交符号の割り当て情報は、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、前記制御情報を送信するかという第1の情報と、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、どの送信アンテナに対応する参照信号を送信するかという第2の情報とを含むことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記基地局装置から前記移動局装置へと通知される直交符号の割り当てについて、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、前記制御情報を送信するかという第1の情報と、
どの時刻において、どの直交符号を用いて、どの送信アンテナに対応する参照信号を送信するかという管理情報およびそれに対応したインデックスが前記移動局装置と前記移動局装置で管理されており、
前記移動局装置から前記基地局装置へそのインデックスを通知することで前記割り当てが実施されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記移動局装置を複数のグループに分類し
前記移動局装置が前記基地局装置から受信した前記インデックスは、前記グループによって異なる直交符号割り当ての解釈を行うことを特徴とする請求項6に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記グループとは、参照信号の送信に利用する直交符号の数で分類され、
N(Nは2以上の整数)個の直交符号を利用して参照信号の多重送信を行う移動局装置は、前記受信したインデックスに対応したN個の直交符号を利用して参照信号を符号分割多重して前記基地局装置に送信することを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記基地局装置から前記移動局装置へと通知されるインデックスの解釈について、
所定の時刻単位ごとに変化することを特徴とする請求項6から8までのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項10】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記2個以上の参照信号を多重するための直交符号を前記移動局装置へと割り当て、1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てることを特徴とする基地局装置。
【請求項11】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける移動局装置であって、
前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てられた前記2個以上の参照信号を多重するための1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てられ、異なる移動局装置において時間分割で参照信号の送信に利用されることを特徴とする移動局装置。
【請求項12】
基地局装置と2個以上の移動局装置とから構成され、前記移動局装置は送信ダイバーシチを適用した制御信号をおよび送信アンテナに対応した2個以上の参照信号を前記基地局装置に対して送信し、前記制御信号および参照信号は前記基地局装置から割り当てられた直交符号によって符号分割多重される無線通信システムにおける通信方法であって、
前記2個以上の参照信号を、1つの移動局装置において符号拡散多重されて前記基地局装置へ送信するステップと、
前記参照信号を多重するための直交符号を、前記基地局装置から前記移動局装置へと割り当てるステップと、
1個の直交符号は2個以上の前記移動局装置へ割り当てるステップと、
異なる移動局装置が時間分割で参照信号の送信に利用するステップと
有することを特徴とする通信方法。
【請求項13】
コンピュータに請求項12に記載の通信方法を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−200077(P2010−200077A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43636(P2009−43636)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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