説明

移動通信端末および移動通信端末をロックする方法

【課題】ネットワークを介した遠隔からの指令に基づいて、他人が移動通信端末が格納する情報にアクセスできないようにする。
【解決手段】移動通信端末100の演算処理部105−1は、オペレーティングシステム107cの実行環境下において、第3のプログラム107eに基づいて、送受信部109−1を介して他の通信端末300から移動通信端末をロックする旨の要求を待ち受け、要求を受け付けたときに、第1の情報110aを移動通信端末をロックすることを示す情報に書き換えるとともに、移動通信端末を再起動し、移動通信端末が起動されたときに、第1のプログラム101bに基づいて、第1の情報が移動通信端末をロックしないことを示す場合にオペレーティングシステムを実行し、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示す場合にオペレーティングシステムを実行しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して他の通信端末との間で通信可能な移動通信端末および当該移動通信端末をロックする方法に関し、特に、外部からの命令に応じてその動作がロックされる移動通信端末および移動通信端末をロックする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯可能な移動通信端末を所持するユーザは、その移動通信端末を紛失したり盗まれたりする虞がある。そして、移動通信端末は重要な情報を格納していることが多い。そのため、移動通信端末には、ユーザ以外の者が移動通信端末が格納している情報にアクセスできないようにする仕組みが必要となる。近年、そのような仕組みについて様々な技術が提案されている。
【0003】
たとえば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、以下PCとする。)においては以下のような構成が提案されている。すなわち、PCの起動時やOS(Operating System)へのログイン時に、ユーザにパスワードを入力させる構成とする。これによって、ユーザ以外の者がOSにログインすることを防ぎ、PC内の情報にアクセスできないようにできる。あるいは、PCが重要な情報を暗号化して保存することによって、ユーザがその暗号を解除するためにパスワードを入力する必要がある構成とする。あるいは、PCがユーザの指紋を認証する機能を備え、ユーザは指紋の認証をパスしなければPCを使用することができない構成とする。
【0004】
また、たとえば、特開平7−193865号公報(特許文献1)には、携帯端末装置およびそのセキュリティ方法が開示されている。特開平7−193865号公報(特許文献1)によると、PHP(Personal Handy Phone)を紛失した場合、その所有者は電話機のキー操作部から指令を入力してPHPにリモート操作データを送信する。PHP側ではリモート操作データを受信し、受信したリモート操作データに基づき内部の保護処理手段によりPHPの所有者が不利になることを排除する保護処理を実行する。保護処理としては、例えばPHPを使用して電話をかけようとするとき、予め記憶されたPHPの所有者の連絡先の電話番号の所に全てつながって他にはかけられないようにしたり、PHPの所有者のIDデータ等の電話をかけるうえで必要となるデータを全て消去して電話をかけられないようにしたり、あるいは他人に見られると困るようなPHPの所有者に関連する特定のデータを消去する処理を行う。
【0005】
また、特開平10−191460号公報(特許文献2)には、携帯用受信装置が開示されている。特開平10−191460号公報(特許文献2)によると、情報を記憶した電子手帳の機能及びページング受信機の機能を備えた携帯用受信装置において、ページング受信時の呼出し番号に付加して送られてくるファンクションビットが通常の受信コードであるか紛失コードであるかによって通常処理呼出しか紛失処理呼出しかを判別する。このとき通常呼出しであると判別された場合には通常のページング受信処理を行ない、紛失処理呼出しであると判別された場合には上記電子手帳の機能及びページング受信機の機能におけるメモリの記憶情報をクリアする。
【0006】
また、特開2003−304322号公報(特許文献3)には、移動通信端末が開示されている。特開2003−304322号公報(特許文献3)によると、携帯電話機を紛失し、動作を停止させたい場合、利用者は、遠隔制御装置を操作することにより、同携帯電話機の一部の動作を遠隔制御によって停止させるための遠隔制御用データを加入者交換局及び無線基地局を介して同携帯電話機へ送信する。遠隔制御装置から加入者交換局及び無線基地局を介して送信された遠隔制御用データ(メール)は、携帯電話機で受信される。携帯電話機では、内部に記憶された遠隔制御用データと、受信した遠隔制御用データとの一致/不一致が判定される。この判定結果が一致を示す場合、内部に記憶された秘匿希望情報がマスクされ、使用禁止モードに設定される。
【0007】
また、特開平6−326659号公報(特許文献4)には、携帯電話装置が開示されている。特開平6−326659号公報(特許文献4)によると、ロック手段は、発呼禁止、着呼禁止、メモリ呼出禁止などの各種動作を制限し、入力手段はロック状態又は表示、発音などを変更するデータを入力する。記憶手段はロック情報及び表示情報を記憶し、制御手段は各手段を制御する。LCD及び発音体は、着サブアドレスにより各種情報の表示を行う。このような構成において、ロック状態の設定または各種表示を着サブアドレスにより設定させることを可能とする。
【特許文献1】特開平7−193865号公報
【特許文献2】特開平10−191460号公報
【特許文献3】特開2003−304322号公報
【特許文献4】特開平6−326659号公報
【特許文献5】特開2002−111858号公報
【特許文献6】特開2007−245326号公報
【特許文献7】特開2003−47048号公報
【特許文献8】特開平8−212164号公報
【特許文献9】特開2006−163847号公報
【特許文献10】特開2006−344112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ユーザにパスワードを入力させる構成においては、ユーザがPCを使用する度にパスワードを入力する必要があるため、使い勝手が悪い。また、パスワードをユーザ以外の者が知った場合には、移動通信端末が紛失されたり盗難されたりした際に、移動通信端末に格納されている情報が漏洩してしまう。
【0009】
そして、移動通信端末に生体認証機能を備える場合には、移動通信端末に専用のハードウェアを搭載する必要があるため、移動通信端末のコストアップ要因となる。
【0010】
また、特開平6−326659号公報(特許文献4)には、メールなどを利用して遠隔から端末装置の機能を制限できるリモートロック機能を備えた携帯電話装置が開示されている。携帯電話装置にはハードウェアおよびソフトウェアが専用品として搭載されるため、携帯電話装置は開発段階からリモートロック機能を考慮して設計することが可能である。また、元来、気軽に持ち運ぶことが前提である装置であったため、紛失・盗難時の対処機能が標準的な機能として搭載されていた。
【0011】
より詳細には、特開平6−326659号公報(特許文献4)に記載されているようなリモートロック機能を実現するためには、ロック時に入出力装置の機能を制限する必要がある。他人が携帯電話装置に格納されているメールや登録されている個人情報を閲覧することを防止するために、携帯電話装置にはユーザからの命令を受け付けない構成とするためのソフトウェアと当該ソフトウェアに対応する特別なハードウェアを実装する必要があった。
【0012】
しかしながら、現在のPCなどにおいては、ハードウェアが汎用のソフトウェアに対応するように構成されているため、携帯電話装置のようなリモートロック機能を実現するには、新たなハードウェアを追加したりハードウェアを変更したりする必要がある。換言すれば、元来、PCは汎用的に様々なデバイスに接続可能なように構成されており、ユーザはオペレーティングシステムを介してそのようなデバイスを制御することができる。そのため、PCが有する全ての入出力装置およびインターフェイスの機能を制限することは容易ではない。
【0013】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の主たる目的は、ハードウェアやオペレーティングシステムの大幅な追加・変更を行うことなく、ネットワークを介した遠隔からの指令に基づいて、他人が移動通信端末が格納する情報にアクセスできないようにできる移動通信端末および移動通信端末をロックする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1つの局面に従うと、遠隔操作によりロック可能な移動通信端末が提供される。移動通信端末は、演算処理部と、ネットワークを介して他の通信端末とデータ送受信を行う送受信部と、オペレーティングシステムと、起動直後に実行される第1のプログラムと、オペレーティングシステム実行環境下で実行される第2のプログラムと、移動通信端末をロックするか否かを示す第1の情報とを格納するデータ保持部とを備える。演算処理部は、第2のプログラムを実行することにより、送受信部を介して他の通信端末から移動通信端末をロックする旨の第1の要求を待ち受け、第1の要求を受け付けたときに、第1の情報を移動通信端末をロックすることを示す情報に書き換えるとともに、移動通信端末を再起動し、移動通信端末が起動されたときに、第1のプログラムを実行することにより、第1の情報を参照して、第1の情報が移動通信端末をロックしないことを示す場合にオペレーティングシステムを起動し、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示す場合にオペレーティングシステムを起動しない。
【0015】
好ましくは、移動通信端末は、ディスプレイをさらに備える。記憶部は、第3のプログラムをさらに格納する。演算処理部は、移動通信端末が起動されたときに、第1のプログラムを実行することにより、第1の情報を参照して、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示す場合に第3のプログラムを起動する。演算処理部は、第3のプログラムを実行することにより、ディスプレイに移動通信端末がロックされている旨を表示するとともに、送受信部を介して他の通信端末から移動通信端末をロックを解除する旨の第2の要求を待ち受け、第2の要求を受け付けたときに、第1の情報を移動通信端末をロックしないことを示す情報に書き換えるとともに、移動通信端末を再起動する。
【0016】
好ましくは、データ保持部は、オペレーティングシステムと第2のプログラムと第3のプログラムとを格納する第1の記憶部と、第1の情報を格納する第2の記憶部と、第1のプログラムを格納する第3の記憶部とを含む。第2の記憶部は、第1の記憶部のデータを消去するか否かを示す第2の情報をさらに格納する。演算処理部は、第2および第3のプログラムのいずれかを実行することにより、送受信部を介して他の通信端末から第1の記憶部のデータを消去する旨の第3の要求を待ち受け、第3の要求を受け付けたときに、第2の情報を第1の記憶部のデータを消去することを示す情報に書き換えるとともに、移動通信端末を再起動する。演算処理部は、移動通信端末が起動されたときに、第1のプログラムを実行することにより、第2の情報を参照して、第2の情報が第1の記憶部のデータを消去することを示す場合に第1の記憶部のデータを消去する。
【0017】
好ましくは、第1のプログラムは、BIOS(Basic Input/Output System)である。
この発明の別の局面に従うと、遠隔操作によりロック可能な移動通信端末が提供される。移動通信端末は、演算処理部と、ネットワークを介して他の通信端末とデータ送受信を行う送受信部と、オペレーティングシステムと、オペレーティングシステム実行環境下で実行される第4のプログラムと、移動通信端末をロックするか否かを示す第1の情報を格納するデータ保持部を備える。演算処理部は、第4のプログラムを実行することにより、送受信部を介して他の通信端末から移動通信端末をロックする旨の第1の要求を待ち受け、第1の要求を受け付けたときに、第1の情報を移動通信端末をロックすることを示す情報に書き換えるとともに、オペレーティングシステムからログアウトする。演算処理部は、オペレーティングシステムにログインしたときに、第4のプログラムを実行することにより、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示す場合にオペレーティングシステムからログアウトし、第1の情報が移動通信端末をロックしないことを示す場合にオペレーティングシステムを実行することにより移動通信端末の制御を実行する。
【0018】
好ましくは、演算処理部は、第4のプログラムを実行することにより、送受信部を介して他の通信端末から移動通信端末のロックを解除する旨の第2の要求を待ち受け、第2の要求を受け付けたときに、第1の情報を移動通信端末をロックしないことを示す情報に書き換える。
【0019】
好ましくは、データ保持部は、オペレーティングシステムおよび第4のプログラムを格納する第1の記憶部と、第1の情報を格納する第2の記憶部と、第5のプログラムを格納する第3の記憶部とを含み、第2の記憶部は、第1の記憶部のデータを消去するか否かを示す第2の情報をさらに格納する。演算処理部は、第4のプログラムを実行することにより、送受信部を介して他の通信端末から第1の記憶部のデータを消去する旨の第3の要求を待ち受け、第3の要求を受け付けたときに、第2の情報を第1の記憶部のデータを消去することを示す情報に書き換えるとともに、移動通信端末を再起動する。演算処理部は、移動通信端末が起動されたときに、第5のプログラムを実行することにより、第2の情報を参照して、第2の情報が第1の記憶部のデータを消去することを示す場合に第1の記憶部のデータを消去する。
【0020】
好ましくは、第5のプログラムは、BIOSである。
好ましくは、データ保持部は、予め設定されたパスワードをさらに格納する。演算処理部は、他の通信端末から要求を受け付けたときに、要求にパスワードが含まれているか否かを判断する。演算処理部は、要求にパスワードが含まれている場合に要求に応じた動作を実行する。演算処理部は、要求にパスワードが含まれていない場合に要求を無視する。
【0021】
好ましくは、移動通信端末は、外部からの命令を受け付ける操作部をさらに備える。演算処理部は、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示す場合に、操作部を介して予め設定された特定情報を受け付けると、ディスプレイにパスワードの入力画面を表示させる。演算処理部は、入力されたパスワードが予め設定されたパスワードと一致する場合に、第1の情報を移動通信端末をロックしないことを示す情報に書き換える。
【0022】
好ましくは、移動通信端末は、スピーカをさらに備える。演算処理部は、送受信部を介して他の通信端末から要求を受け付けたときに、スピーカに警告音を出力させる。
【0023】
好ましくは、演算処理部は、要求に応じた動作を完了した際に、送受信部を介して、要求を送信した他の通信端末に要求に応じた動作を完了した旨を送信する。
【0024】
好ましくは、移動通信端末は、移動通信端末の現在位置に関する現在位置情報を取得する位置取得手段をさらに備える。演算処理部は、送受信部を介して他の通信端末から要求を受け付けたときに、他の通信端末に現在位置情報を送信する。
【0025】
好ましくは、第1の記憶部は、第1の記憶部をリカバリーするための第6のプログラムを記憶する。演算処理部は、第1の記憶部をリカバリーする旨の命令を受け付けたときに、第1の情報を参照して、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示すか否かを判断する。演算処理部は、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示す場合に命令を無視する。演算処理部は、第1の情報が移動通信端末をロックしないことを示す場合に第6のプログラムを実行する。
【0026】
この発明のさらに別の局面に従うと、移動通信端末をロックする方法が提供される。移動通信端末は、演算処理部と、ネットワークを介して他の通信端末とデータ送受信を行う送受信部と、オペレーティングシステムと、起動直後に実行される第1のプログラムと、オペレーティングシステム実行環境下で実行される第2のプログラムと、移動通信端末をロックするか否かを示す第1の情報とを格納する記憶部とを備える。移動通信端末をロックする方法は、演算処理部が、第2のプログラムを実行することにより、送受信部を介して他の通信端末から移動通信端末をロックする旨の第1の要求を待ち受けるステップと、演算処理部が、第1の要求を受け付けたときに、第1の情報を移動通信端末をロックすることを示す情報に書き換えるとともに、移動通信端末を再起動するステップと、演算処理部が、移動通信端末が起動されたときに、第1のプログラムを実行することにより、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示すか否かを判断するステップと、第1の情報が移動通信端末をロックしないことを示す場合に、オペレーティングシステムを起動するステップとを備える。
【0027】
この発明のさらに別の局面に従うと、移動通信端末をロックする方法が提供される。移動通信端末は、演算処理部と、ネットワークを介して他の通信端末とデータ送受信を行う送受信部と、オペレーティングシステムと、オペレーティングシステム実行環境下で実行される第4のプログラムと、移動通信端末をロックするか否かを示す第1の情報を格納する記憶部を備える。移動通信端末をロックする方法は、演算処理部が、第4のプログラムを実行することにより、送受信部を介して他の通信端末から移動通信端末をロックする旨の第1の要求を待ち受けるステップと、演算処理部が、第1の要求を受け付けたときに、第1の情報を移動通信端末をロックすることを示す情報に書き換えるとともに、オペレーティングシステムからログアウトするステップと、演算処理部が、オペレーティングシステムにログインしたときに、第4のプログラムを実行することにより、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示すか否かを判断するステップと、演算処理部が、第1の情報が移動通信端末をロックすることを示す場合にオペレーティングシステムからログアウトするステップと、演算処理部が、第1の情報が移動通信端末をロックしないことを示す場合にオペレーティングシステムを実行することにより移動通信端末の制御を実行するステップとを備える。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明に係る移動通信端末および移動通信端末をロックする方法によって、ハードウェアやオペレーティングシステムの大幅な追加・変更を行うことなく、ネットワークを介した遠隔からの指令に基づいて、他人が移動通信端末が格納する情報にアクセスできないようにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお以下の説明では、同一の部品については同一の符号を付すものとし、当該部品の名称や機能が同一である場合には、当該部品についての詳細な説明は繰り返さない。
【0030】
また、以下では、ネットワークを介して他の通信端末に接続可能なノート型PCを「移動通信端末」の代表例として説明を行う。ただし、「移動通信端末」は、ネットワークを介して他の通信端末に接続可能なものであって、ユーザが持ち運ぶことができる情報機器であればよく、PDA(Personal Digital Assistant)や電子手帳などであってもよい。そして、本実施の形態に係る「移動通信端末」には、携帯電話やPHS(Personal Handy-phone System)などの無線通信機能が搭載されている。
[実施の形態1]
<ネットワークシステム1の全体構成>
まず、ネットワークシステム1の実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態に係るネットワークシステム1の一例を示す概略図である。図1に示すように、ネットワークシステム1は、ノート型PC100と、キャリア網200と、携帯電話300と、インターネット網400と、PC500とを備える。
【0031】
ノート型PC100は、キャリア網200に接続可能に構成されている。携帯電話300などの他の通信端末も、キャリア網200に接続可能に構成されている。PC500などの他の通信端末は、インターネット網400に接続可能に構成されている。そして、キャリア網200とインターネット網400とは、図示しない中継サーバを介して接続されている。そして、ノート型PC100は、キャリア網200を介して携帯電話300などの他の通信端末に接続可能である。また、ノート型PC100は、キャリア網200とインターネット網400とを介してPC500などの他の通信端末に接続可能である。
【0032】
そして、ノート型PC100と携帯電話300とPC500には、自端末を特定するための識別情報(たとえば、メールアドレスやIPアドレス(Internet Protocol Address)やMACアドレス(Media Access Control address)など)が設定されている。ノート型PC100と携帯電話300とPC500とは、当該識別情報に基づいて、キャリア網200やインターネット網400を介して、互いにデータの送受信が可能である。たとえば、携帯電話300は、キャリア網200を介してノート型PC100にメールを送信することが可能である。PC500は、インターネット網400とキャリア網200とを介してノート型PC100にメールを送信することが可能である。
【0033】
なお、以下の説明では、ノート型PC100に接続可能な携帯電話300やPC500などの通信端末を総称する場合には、「他の通信端末」とも記す。ここで、「他の通信端末」は、ノート型PC100にメールなどのデータを送信できる装置であればよく、携帯電話300やPC500だけでなく、ワークステーションやPDAや電子手帳などであってもよい。
<ノート型PC100の動作概要>
ここで、本実施の形態に係るノート型PC100の動作概要について説明する。本実施の形態に係るノート型PC100は、携帯電話300やPC500などの他の通信端末から、ノート型PC100の動作をロックする旨の命令を受け付けて、他人が操作部からノート型PC100を使用できないようにする。また、ノート型PC100は、携帯電話300やPC500などの他の通信端末から、ノート型PC100に搭載されている情報を削除する命令を受け付けて、当該情報を削除する。また、ノート型PC100は、携帯電話300やPC500などの他の通信端末からロックを解除する旨の命令を受け付けて、ユーザが操作部からノート型PC100を使用することができるようにする。
【0034】
以下、このような機能(リモートロック機能)を実現するためのノート型PC100およびノート型PC100に接続可能な他の通信端末の構成について詳述する。
<ノート型PC100のハードウェア構成>
本実施の形態に係るノート型PC100のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施の形態に係るノート型PC100のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態に係るノート型PC100は、CPU(Central Processing Unit)105と、フラッシュメモリ101と、モニタ(ディスプレイ)102と、キーボード103と、スピーカ104と、メモリ106と、HDD(Hard Disk Drive)107と、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)110と、通信カード109と、測位アンテナ116と、GPS信号処理部117と、FD(Flexible Disk)駆動装置111と、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)駆動装置113と、電池115と、内部バス108と、電源スイッチ118とを備える。
【0035】
フラッシュメモリ101は、ノート型PC100の起動時にCPU105が実行するBIOS(Basic Input/output System)101bを格納する。
【0036】
キーボード103は、文字キーやテンキーなどから構成される。キーボード103は、外部から情報を受け付けて、当該情報をCPU105に入力する。スピーカ104は、CPU105からのデータに基づいて音声を出力する。
【0037】
メモリ106は、揮発性のRAM(Random Access Memory)などによって構成される。メモリ106は、CPU105でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶する。
【0038】
HDD107は、オペレーティングシステム(Operating System、以下OSとする。)107Cやロック用プログラム107dや待ち受けプログラム107eやリカバリープログラム107fなどの各種プログラムや各種データベースなどを格納する不揮発性の記録媒体である。
【0039】
NVRAM110は、ノート型PC100をロックするか否かを示す第1の情報や、HDD107のデータを消去するか否かを示す第2の情報や、ユーザによって予め設定されるパスワードなどを格納する不揮発性の記録媒体である。また、NVRAM110には、計時機能を有する装置が備わっており、現在時刻などを格納することができる。
【0040】
より詳細には、NVRAM110には、第1の情報を格納するための領域(ロックフラグ領域)が設定されている。CPU105は当該領域のデータが「1」の場合(ロックフラグが立っている場合)にノート型PC100をロックする。逆に、CPU105は当該領域のデータが「0」の場合(ロックフラグが立っていない場合)、ノート型PC100をロックしない。そして、他の通信端末からの要求に応じて、CPU105はロックフラグを立てたり、ロックフラグを落としたりする。
【0041】
同様に、NVRAM110には、第2の情報を格納するための領域(消去フラグ領域)が設定されている。CPU105は当該領域のデータが「1」の場合(消去フラグが立っている場合)にHDD107に記憶されているデータを削除する。逆に、CPU105は当該領域のデータが「0」の場合(消去フラグが立っていない場合)、HDD107に記憶されているデータを削除しない。そして、他の通信端末からの要求に応じて、CPU105は消去フラグを立てたり、消去フラグを落としたりする。
【0042】
通信カード109は、CPU105が出力したデータをその他の装置が利用できる電気信号へと変換するものである。また、通信カード109は、他の装置からの電気信号を受信して、CPU105が利用できるデータに変換する装置でもある。通信カード109は、無線通信方式(たとえば、PHSなど)に基づいて、ネットワークを介して他の通信端末とデータの送受信を行う。
【0043】
具体的には、通信カード109は、CPU105の制御に基づいて、ノート型PC100の電源ON時に常時、あるいは定期的に、他の通信端末からメールなどのデータを待ち受けて、そのデータをCPU105に入力する。通信カード109は、他の通信端末からノート型PC100をロックする命令(ロック要求)やHDD107のデータを消去する命令(消去要求)やロックを解除する命令(解除要求)を受け付けて、当該命令を示すデータをCPU105に入力する。また、CPU105から、上記の要求に応じた動作を完了した旨のデータ(動作完了通知)を受け取って、当該データを要求を送信してきた他の通信端末に送信する。
【0044】
測位アンテナ116は、GPS衛星からの電波を受信する。GPS信号処理部117は、測位アンテナ116を介して受信した測位用電波に基づいて、ノート型PC100の現在位置に関する現在位置情報を生成し、その現在位置情報をCPU106に入力する。
【0045】
モニタ102は、液晶パネルやCRTから構成されるものであって、CPU106が出力したデータに基づいて、画像やテキストを表示する。操作部103−1は、キー入力操作などによってユーザから情報を受け付ける。
【0046】
FD駆動装置111には、FD112が装着される。FD駆動装置111は、FD112に記録されているデータを読み出してCPU105に入力したり、CPU105からのデータをFD112に書き込んだりする。
【0047】
CD−ROM駆動装置113には、CD−ROM114が装着される。CD−ROM駆動装置113は、CD−ROM114に記録されているデータを読み出してCPU105に入力したり、CPU105からのデータをCD−ROM114に書き込んだりする。
【0048】
電池115は、ノート型PC100の各部に電力を供給する。内部バス108は、ノート型PC100を構成する各部を相互に接続する。電源スイッチ118がONされると、電池115からノート型PC100の各部へと電力が供給され、ノート型PC100が起動される。
【0049】
CPU105は、ノート型PC100の各要素を制御するものであって、各種の演算を実施する装置である。CPU105は、後述するように、ロック処理等を行うものであって、当該処理結果を内部バス108を介して各要素に出力する。具体的には、CPU105は、HDD107からメモリ106へと、OS(Operating System)107Cやロック用プログラム107dや待ち受けプログラム107eやリカバリープログラム107fなどの各種プログラムや各種データを読み出す。そして、メモリ106上のプログラム(命令コード)を順次実行し、実行結果などをメモリ106やHDD107に格納する。
【0050】
なお、他の通信端末の一例であるPC500のハードウェア構成は、ノート型PC100のそれと同様であるので説明を繰り返さない。
<携帯電話300のハードウェア構成>
次に、他の通信端末の一例である携帯電話300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施の形態に係る携帯電話300のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0051】
図3に示すように、本実施の形態に係る携帯電話300は、携帯電話300の各部を制御するためのCPU(Central Processing Unit)305と、通信信号を送受信する通信アンテナ301と、通信信号とデータとを相互に変換する無線通信部302と、プログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶する揮発性のRAM(Random Access Memory)303と、制御プログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)304と、携帯電話300の各部に電力を供給する電池306と、CPU305からのデータに基づいて画像やテキストを表示するモニタ(ディスプレイ)307と、外部からの音声を受け付けて音声データをCPU305に入力するマイク308と、CPU305からの音声データに基づいて音声を出力するスピーカ309と、外部から各種情報の入力を受け付ける操作部310とを備える。
【0052】
操作部310は、各種のスイッチやテンキーなどから構成され、ユーザからの命令やパスワードなどを示す文字列の入力を受け付ける。操作部310は、入力された命令や文字列に関するデータをCPU305に入力する。操作部310は、ノート型PC100をロックするためのロック要求(第1の要求)を示すデータや、ノート型PC100のロックを解除する解除要求(第2の要求)を示すデータや、ノート型PC100が格納している情報を消去するための消去要求(第3の要求)を示すデータや、パスワードを示すデータや、ノート型PC100や他の通信端末のメールアドレスを示すデータなどを受け付けてCPU305に入力する。
【0053】
無線通信部302は、CPU305からの通信データを通信信号に変換し、その通信信号を通信アンテナ311を介して発信する。無線通信部302は、通信アンテナ301を介して受信した通信信号を通信データに変換し、その通信データをCPU305に入力する。たとえば、無線通信部302は、CPU305からのロック要求や消去要求や解除要求に関するデータを、CPU305からのノート型PC100のメールアドレスを示すデータに基づいて、キャリア網200やインターネット網400などを介してノート型PC100へと送信する。
【0054】
すなわち、本実施の形態に係るネットワークシステム1においては、ユーザが携帯電話300のメーラープログラムなどを起動した上で、メール本文に、上記の要求を示すための予め決められている文字列(コマンド)とパスワードを入力する。すなわち、ロック要求や解除要求や消去要求などを示す文字列とパスワードとをメール本文に入力する。そして、ユーザは、上記の文字列とパスワードとが含まれるメールを、ノート型PC100のアドレス宛に送信する。
【0055】
モニタ307は、液晶パネルやCRTから構成されるものであって、CPU305が出力したデータに基づいて、画像やテキストを表示する。たとえば、CPU305は、ノート型PC100から受信した動作完了通知(携帯電話300から送信した要求に対応する動作をノート型PC100が完了した旨の通知)に基づいて、モニタ307に、ノート型PC100が要求に対応する動作を完了した旨を表示する。
<ノート型PC100の機能構成>
図4は、本実施の形態に係るノート型PC100の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施の形態に係るノート型PC100は、演算処理部105−1と、第1の記憶部107−1と、第2の記憶部110−1と、第3の記憶部101−1と、モニタ102と、操作部103−1と、スピーカ104と、位置取得部117−1とを含む。
【0056】
位置取得部117−1は、測位アンテナ116やGPS信号処理部117などによって実現される。位置取得部117−1は、GPS衛星などから測位用の電波を受信して、移動通信端末の現在位置情報(経度や緯度を含む位置座標)を取得する。位置取得部117−1は、取得した現在位置情報をメモリ106に格納したり、定期的に取得した新たな現在位置情報に基づいてメモリ106に格納されている現在位置情報を更新したりする。
【0057】
操作部103−1は、キーボード103や電源スイッチ118などから構成される。ユーザが、操作部103−1を介して電源をONすることによって、ノート型PC100が起動する。CPU105がOS107cの実行を開始したときに、操作部103−1がユーザからユーザIDやパスワードを受け付けてもよい。そして、CPU105が、ユーザIDやパスワードを受け付けて、OS107cへログインしてもよい。ただし、ノート型PC100のユーザは、ユーザIDやパスワードの入力無しにOS107cへログインするように設定することも可能である。
【0058】
操作部103−1は、ユーザからロックの解除要求やパスワードを受け付けて、ロック実行部105−3にその解除要求やパスワードを入力する。また、操作部103−1は、ユーザから第1の記憶部107−1をリカバリーする旨の命令を受け付けて、リカバリー部105−6にその命令を入力する。
【0059】
モニタ102は、演算処理部105−1からのデータに基づいて、画像やテキストを表示する。具体的には、モニタ102は、演算処理部105−1からのデータに基づいて、ノート型PC100がロックされている旨を表示する。ただし、操作部103−1とモニタ102とがタッチパネルによって実現される構成であってもよい。
【0060】
送受信部109−1は、通信カード109によって実現される。送受信部109−1は、キャリア網200やインターネット網400などを介して他の通信端末とデータ送受信を行う。具体的には、送受信部109−1は、キャリア網200などを介して他の通信端末からロック要求や消去要求や解除要求やリカバリー命令を示す電気信号を受信して、それらの要求を示すデータを演算処理部105−1に入力する。また、送受信部109−1は、演算処理部105−1からそれらの要求に応じた処理が完了した旨の通知を受け付けて、キャリア網200などを介して他の通信端末に当該通知を送信する。
【0061】
第1の記憶部107−1は、HDD107などによって実現される不揮発性の記憶媒体である。第1の記憶部107−1は、OS107cとロック用プログラム107dと待ち受けプログラム107eとリカバリープログラム107fとを格納する。
【0062】
第2の記憶部110−1は、NVRAM110などによって実現される不揮発性の記憶媒体である。第2の記憶部110−1は、ノート型PC100をロックするか否かを示す第1の情報(ロックフラグ)と、第1の記憶部107−1のデータを消去するか否かを示す第2の情報(消去フラグ)と、パスワード110cとを格納する。
【0063】
第3の記憶部101−1は、フラッシュメモリ101などによって実現される不揮発性の記憶媒体である。第3の記憶部101−1は、ノート型PC100の電源がONされた際に、最初にCPU105が実行するバイオス(Basic Input/Output System、以下BIOS101bとする。)を格納する。
【0064】
演算処理部105−1は、CPU105などによって実現される。演算処理部105−1は、BIOS実行部105−2と、ロック実行部105−3と、OS実行部105−4と、待ち受け部105−5と、リカバリー部105−6などの機能を有する。より詳細には、演算処理部105−1が有する各機能は、CPU105が第1の記憶部107−1や第3の記憶部101−1などに記憶されるプログラムを実行して図2に示される各ハードウェアを制御することによって発揮される機能である。
【0065】
たとえば、BIOS実行部105−2は、ノート型PC100が起動された際に、CPU106が、フラッシュメモリ101に記憶されたBIOS101bを実行することによって実現される。ロック実行部105−3は、CPU105が、BIOS101bに基づき、HDD107に格納されたロック用プログラム107dを一旦メモリ106へと読み出して、メモリ106からそのプログラムを読み出しながら順次実行することによって実現される。
【0066】
そして、OS実行部105−4は、CPU105が、BIOS101bに基づき、HDD107に格納されたOS107cを一旦メモリ106へと読み出して、メモリ106からそのプログラムを読み出しながら順次実行することによって実現される。待ち受け部105−5は、CPU105が、HDD107に格納された待ち受けプログラム107eを一旦メモリ106へと読み出して、メモリ106からそのプログラムを読み出しながら順次実行することによって実現される。リカバリー部105−6は、操作部103−1からの信号に基づいて、CPU105が、HDD107に格納されたリカバリープログラム107fを一旦メモリ106へと読み出して、メモリ106からそのプログラムを読み出しながら順次実行することによって実現される。
【0067】
具体的には、BIOS実行部105−2は、ノート型PC100の電源が投入された際に機能する。BIOS実行部105−2は、ノート型PC100の電源が投入された際に、第2の記憶部110−1の第2の情報を参照して、第2の情報が第1の記憶部107−1のデータを消去することを示すか否か、すなわち、消去フラグが立っているかを判断する。そして、BIOS実行部105−2は、消去フラグが立っている場合、第1の記憶部107−1のデータを全て消去する。このとき、BIOS実行部105−2は、ロック用プログラム107dやリカバリープログラム107fだけを消去しない構成としてもよい。
【0068】
また、BIOS実行部105−2は、ノート型PC100の電源が投入された際に、第2の記憶部110−1の第1の情報を参照して、第1の情報がノート型PC100をロックすることを示すか否か、すなわち、ロックフラグが立っているか否かを判断する。そして、BIOS実行部105−2は、ロックフラグが立っている場合、ロック実行部105−3を機能させる。一方、BIOS実行部105−2は、ロックフラグが立っていない場合、OS実行部105−4と待ち受け部105−5とを機能させる。
【0069】
ロック実行部105−3は、モニタ102に、ノート型PC100がロックされている旨を表示させる。ロック実行部105−3は、送受信部109−1を介して他の通信端末からノート型PC100をロックしない旨の要求(解除要求)を待ち受ける。ロック実行部105−3は、他の通信端末から解除要求を受け付けると、解除要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致するか否かを判断する。解除要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致すると、ロック実行部105−3は、第2の記憶部110−1の第1の情報をノート型PC100をロックしないことを示す情報に書き換える、すなわち、ロックフラグを落とす(無効化する)。そして、ロック実行部105−3は、ノート型PC100を再起動する。ノート型PC100が再起動すると、再度BIOS実行部105−2が機能する。
【0070】
ロック実行部105−3は、第1の情報がノート型PC100をロックすることを示す場合に、操作部103−1を介して予め設定された特定情報を受け付けると、モニタ102にパスワードの入力画面を表示させる。より詳細には、第2の記憶部110−1は、パスワードを受け付けるための特定情報を記憶する。たとえば、特定情報とは、操作部103−1を構成するキーボード103の特定のキー(スイッチ)が押下された際に、キーボード103から演算処理部105−1に入力される電気信号などである。
【0071】
そして、ロック実行部105−3は、操作部103−1を介して受け付けたパスワードが、第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致するか否かを判断する。パスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致すると、ロック実行部105−3は、第2の記憶部110−1の第1の情報をノート型PC100をロックしないことを示す情報に書き換える。そして、ロック実行部105−3は、ノート型PC100を再起動する。ノート型PC100が再起動すると、再度BIOS実行部105−2が機能する。
【0072】
また、ロック実行部105−3は、送受信部109−1を介して他の通信端末から第1の記憶部107−1のデータを消去する旨の要求(消去要求)を待ち受ける。ロック実行部105−3は、他の通信端末から消去要求を受け付けると、消去要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致するか否かを判断する。消去要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致すると、ロック実行部105−3は、第2の記憶部110−1の第2の情報を第1の記憶部107−1のデータを消去することを示す情報に書き換える、すなわち、消去フラグを立てる。そして、ロック実行部105−3は、ノート型PC100を再起動する。ノート型PC100が再起動すると、再度BIOS実行部105−2が機能する。
【0073】
ロック実行部105−3は、第2の情報を書き換える際に、スピーカ104を介して警告音を出力させる。スピーカ104は、たとえばビープ音を出力したり、「HDDを消去します。このPCを拾得した方は警察へ届け出てください。」というアナウンスを出力したりする。これによって、ノート型PC100を取得した者が、ノート型PC100を悪用することを防止することができる。
【0074】
また、ロック実行部105−3は、他の通信端末からのロック要求や解除要求や消去要求に応じた動作を完了した際に、送受信部109−1を介して当該他の通信端末に動作完了通知を送信する。たとえば、ロック実行部105−3は、他の通信端末からのロック要求や解除要求や消去要求に基づいて第2の記憶部110−1の情報を更新した際に、送受信部109−1を介して当該他の通信端末に動作を完了した旨を通知してもよい。
【0075】
加えて、ロック実行部105−3は、他の通信端末からのロック要求や解除要求や消去要求を受け付けた際に、位置取得部117−1からノート型PC100の現在位置情報を取得して、当該他の通信端末に当該現在位置情報を送信する。これによって、他の通信端末のユーザが、ノート型PC100の現在位置を把握することができる。
【0076】
OS実行部105−4は、OS107cのコマンドに基づいて、ノート型PC100を制御するものである。OS実行部105−4は、たとえば、操作部103−1からの命令を受け付けて、第1の記憶部107−1に格納されている他のアプリケーションを起動したり、当該他のアプリケーションを終了したりする。
【0077】
待ち受け部105−5は、OS実行部105−4が機能しているときに機能するものである。すなわち、CPU105は、OS107cを実行している時に、メモリ106上などに待ち受けプログラム107eを待機させる。待ち受け部105−5は、送受信部109−1を介して他の通信端末からノート型PC100をロックする旨の要求(ロック要求)を待ち受ける。
【0078】
たとえば、ノート型PC100が紛失された場合や、盗難された場合には、ユーザが他の通信端末(たとえば友人の携帯電話300や、サービスセンターのコンピュータなど)を介してロック要求を送信してくる。ロック要求は、本文中にノート型PC100への要求内容を示す文字列(コマンド)やパスワードなどが記載されたメールなどであって、ユーザなどが他の通信端末などを用いて容易に作成することができる。
【0079】
待ち受け部105−5は、ロック要求を受け付けたときに、ロック要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致するか否かを判断する。ロック要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致すると、待ち受け部105−5は、第1の情報をノート型PC100をロックすることを示す情報に書き換える。そして、待ち受け部105−5は、ノート型PC100を再起動する。ノート型PC100が再起動すると、再度BIOS実行部105−2が機能する。
【0080】
待ち受け部105−5は、第1の情報を書き換える際に、スピーカ104を介して警告音を出力させる。スピーカ104は、たとえばビープ音を出力したり、「このPCはロックされました。このPCを拾得した方は警察へ届け出てください。」というアナウンスを出力したりする。
【0081】
また、待ち受け部105−5は、送受信部109−1を介して他の通信端末から第1の記憶部107−1のデータを消去する旨の要求(消去要求)を待ち受ける。待ち受け部105−5は、消去要求を受け付けたときに、消去要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致するか否かを判断する。消去要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致すると、待ち受け部105−5は、第2の情報を第1の記憶部107−1のデータを消去することを示す情報に書き換える。そして、待ち受け部105−5は、ノート型PC100を再起動する。ノート型PC100が再起動すると、再度BIOS実行部105−2が機能する。
【0082】
待ち受け部105−5は、第2の情報を書き換える際に、スピーカ104を介して警告音を出力させる。スピーカ104は、たとえば、ビープ音を出力したり、「HDDを消去します。このPCを拾得した方は警察へ届け出てください。」というアナウンスを出力したりする。
【0083】
待ち受け部105−5は、演算処理部105−1が他の通信端末からのロック要求や解除要求や消去要求に応じた動作を完了した際に、送受信部109−1を介して当該他の通信端末に動作完了通知を送信する。たとえば、待ち受け部105−5は、他の通信端末からのロック要求や解除要求や消去要求に基づいて第2の記憶部110−1の情報を更新した際に、送受信部109−1を介して当該他の通信端末に動作を完了した旨を通知してもよい。
【0084】
加えて、待ち受け部105−5は、他の通信端末からロック要求や解除要求や消去要求を受け付けた際に、位置取得部117−1からノート型PC100の現在位置情報を取得して、送受信部109−1を介して当該他の通信端末に当該現在位置情報を送信する。
【0085】
リカバリー部105−6は、演算処理部105−1が操作部103−1や送受信部109−1を介して第1の記憶部107−1をリカバリーする旨の命令を受け付けた際に、機能する。より詳細には、演算処理部105−1が、リカバリーする旨の命令を受け付けた際に、第2の記憶部110−1の第1の情報を参照して、第1の情報がノート型PC100をロックすることを示すか否か、すなわち、ロックフラグが立っているか否かを判断する。そして、演算処理部105−1は、ロックフラグが立っていない場合に、リカバリー部105−6を機能させる。逆に、演算処理部105−1は、ロックフラグが立っていない場合に、命令を破棄して、リカバリー部105−6を機能させない。
【0086】
リカバリー部105−6は、第1の記憶部107−1をデータを消去して、ノート型PC100を出荷時(購入時)の状態に戻す。
<ノート型PC100におけるロック処理>
次に、本実施の形態に係るノート型PC100におけるロック処理について説明する。図5は、本実施の形態に係るノート型PC100におけるロック処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0087】
図5に示すように、まずノート型PC100がユーザによって起動されると(ステップS102)、CPU105はフラッシュメモリ101からBIOS101bを読み出す。そして、CPU105は、BIOS101bのコマンドに基づき、NVRAM110を参照して消去フラグが立っているか否かを判断する(ステップS104)。
【0088】
消去フラグが立っている場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU105はHDD107のデータを消去して(ステップS106)、ノート型PC100の電源をOFFする。一方、消去フラグが立っていない場合(ステップS104にてNOである場合)、CPU105は、NVRAM110を参照してロックフラグが立っているか否かを判断する(ステップS108)。
【0089】
ロックフラグが立っている場合(ステップS108にてYESである場合)、CPU105はHDD107からロック用プログラム107dを読み出して、ロック用プログラム107dを実行する(ステップS110)。以下、CPU105は、常時、通信カード109を介して外部(キャリア網200)からのメールを待ち受ける。CPU105は、ロック用プログラム107dのコマンドに基づいて、モニタ102にノート型PC100がロックされている旨を表示させる(ステップS112)。CPU105は、通信カード109を介して、他の通信端末から特定の(予め設定されている)文字列を含むメールを待ち受ける(ステップS114)。
【0090】
ここで、特定の文字列とは、予めノート型PC100に設定されている文字列であって、たとえばノート型PC100を他の通信端末から識別するための識別情報(製造番号など)であってもよいし、ユーザが設定する文字列であってもよい。なお、特定の文字列は、たとえば、フラッシュメモリ101やNVRAM110に格納されている。また、メールは、通常の電子メールであってもよいし、いわゆるショートメールなどであってもよい。
【0091】
CPU105は、他の通信端末からメールを受信すると(ステップS114にてYESである場合)、NVRAM110からパスワードを読み出して、受信メールにそのパスワードが含まれているか否かを判断する(ステップS116)。受信メールにそのパスワードが含まれていない場合(ステップS116にてNOである場合)、CPU105は受信メールを破棄する。
【0092】
一方、受信メールにそのパスワードが含まれている場合(ステップS116にてYESである場合)、CPU105は受信メールに解除要求が含まれているか否か、たとえば受信メールにロック解除を示す特定の文字列が含まれているか否かを判断する(ステップS118)。受信メールに解除要求が含まれている場合(ステップS118にてYESである場合)、CPU105はNVRAM110のロックフラグを落とし(ステップS120)、ノート型PC100を再起動する(ステップS126)。
【0093】
受信メールに解除要求が含まれていない場合(ステップS118にてNOである場合)、CPU105は受信メールに消去要求が含まれているか否か、たとえば受信メールにHDD107を消去することを示す特定の文字列が含まれているか否かを判断する(ステップS122)。受信メールに消去要求が含まれている場合(ステップS122にてYESである場合)、CPU105はNVRAM110の消去フラグを立てて(ステップS124)、ノート型PC100を再起動する(ステップS126)。一方、受信メールに消去要求が含まれていない場合(ステップS122にてNOである場合)、CPU105は受信メールを破棄する。
【0094】
一方、ロックフラグが立っていない場合(ステップS108にてNOである場合)、CPU105はHDD107からOS107cを読み出して、OS107cを実行する(ステップS132)。以下、CPU105は、常時、通信カード109を介して外部(キャリア網200)からのメールを待ち受ける。ユーザがOS107cにログインすると(ステップS134)、CPU105は、OS107cのコマンドに基づいて通常通りにノート型PC100を制御する(ステップS136)。
【0095】
CPU105は、特定の文字列を含むメールを受信した場合(ステップS138にてYESである場合)、NVRAM110からパスワードを読み出す。そして、CPU105はそのパスワードが受信メールに含まれているか否かを判断する(ステップS140)。パスワードが受信メールに含まれている場合(ステップS140にてYESである場合)、受信メールにロック要求が含まれているか否かを判断する(ステップS142)。受信メールにロック要求が含まれている場合(ステップS142にてYESである場合)、CPU105はNVRAM110のロックフラグを立てる(ステップS144)。そして、CPU105は、ノート型PC100を再起動する(ステップS150)。
【0096】
一方、受信メールにロック要求が含まれていない場合(ステップS142にてNOである場合)、CPU105は受信メールに消去要求が含まれているか否かを判断する(ステップS146)。受信メールに消去要求が含まれている場合(ステップS146にてYESである場合)、CPU105はNVRAM110の消去フラグを立てる(ステップS148)。そして、CPU105はノート型PC100を再起動する(ステップS150)。
【0097】
一方、受信メールに消去要求が含まれていない場合(ステップS146にてNOである場合)、CPU105は受信メールを破棄して、OS107cのコマンドに基づいて通常通りにノート型PC100の制御を続行する(ステップS136)。
【0098】
このように、本実施の形態に係るノート型PC100においては、受信メールの内容に基づいて、NVRAM110上のロックフラグや消去フラグを立てたり、NVRAM110上のロックフラグを落としたりする。そして、CPU105が、フラグの内容に基づいて、ロック用プログラム107dおよびOS107cを択一的に起動させたり、HDD107のデータを消去したりする。これによって、ノート型PC100のハードウェアやOS107cを大幅に変更することなく、ノート型PC100にリモートロック機能を備えることが可能になる。
【0099】
[実施の形態2]
次に、移動通信端末の実施の形態2について説明する。上述の実施の形態1に係る移動通信端末は、CPU105がNVRAM110のロックフラグに基づいて、ロック用プログラム107dおよびOS107cのいずれかを起動するように構成されていたが、本実施の形態に係る移動通信端末においては、OS107c上で動く待ち受けプログラムによって移動通信端末をロックするように構成されている。すなわち、実施の形態1に係る移動通信端末は、OS107cを起動しないことによって移動通信端末をロックするものであったが、本実施の形態に係る移動通信端末は、CPU105が、OS107cを起動した後にOS107c上の待ち受けプログラムに基づいてOS107cから強制的にログアウトすることによって、移動通信端末をロックするように構成されている。
【0100】
本実施の形態に係るネットワークシステム1bの動作概要および全体構成、ノート型PC100bと携帯電話300のハードウェア構成については、それぞれ実施の形態1に係るネットワークシステム1のそれと同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。以下では、主に、本実施の形態に係るノート型PC100bの有する機能およびノート型PC100bにおけるロック処理について説明する。
<ノート型PC100bの機能構成>
図6は、本実施の形態に係るノート型PC100bの機能構成を示すブロック図である。なお、ここでは、実施の形態1に係るノート型PC100と同様の機能については、説明を繰り返さない。図6に示すように、本実施の形態に係るノート型PC100bは、演算処理部105−1bと、第1の記憶部107−1bと、第2の記憶部110−1と、第3の記憶部101−1と、モニタ102と、操作部103−1と、スピーカ104と、位置取得部117−1とを含む。
【0101】
第1の記憶部107−1bは、OS107cと待ち受けプログラム107ebとリカバリープログラム107fとを格納する。すなわち、本実施の形態に係る第1の記憶部107−1bは、ロック用プログラム107dを格納していない。
【0102】
演算処理部105−1bは、BIOS実行部105−2bと、OS実行部105−4と、待ち受け部105−5bと、リカバリー部105−6などの機能を有する。より詳細には、演算処理部105−1bが有する各機能は、CPU105が第1の記憶部107−1や第3の記憶部101−1などに記憶されるプログラムを実行して図2に示される各ハードウェアを制御することによって発揮される機能である。
【0103】
たとえば、BIOS実行部105−2bは、ノート型PC100bが起動された際に、CPU106が、フラッシュメモリ101に記憶されたBIOS101bを実行することによって実現される。待ち受け部105−5bは、CPU105が、HDD107に格納された待ち受けプログラム107ebを一旦メモリ106へと読み出して、メモリ106からそのプログラムを読み出しながら順次実行することによって実現される。
【0104】
具体的には、BIOS実行部105−2bは、ノート型PC100bの電源が投入された際に機能する。BIOS実行部105−2bは、ノート型PC100bの電源が投入された際に、第2の記憶部110−1の第2の情報を参照して、第2の情報が第1の記憶部107−1のデータを消去することを示すか否か、すなわち、消去フラグが立っているかを判断する。そして、BIOS実行部105−2bは、消去フラグが立っている場合、第1の記憶部107−1のデータを全て消去する。このとき、BIOS実行部105−2bは、ロック用プログラム107dやリカバリープログラム107fだけを消去しない構成としてもよい。
【0105】
そして、本実施の形態に係るBIOS実行部105−2bは、ノート型PC100bの電源が投入された際に、第2の記憶部110−1の第1の情報を参照して、消去フラグが立っていない場合、OS実行部105−4と待ち受け部105−5bとを機能させる。
【0106】
待ち受け部105−5bは、OS実行部105−4が機能しているときに機能するものである。すなわち、CPU105は、OS107cを実行している時に、メモリ106上などに待ち受けプログラム107ebを待機させる。
【0107】
待ち受け部105−5bは、送受信部109−1を介して他の通信端末からノート型PC100bをロックする旨の要求(ロック要求)を待ち受ける。待ち受け部105−5bは、ロック要求を受け付けたときに、ロック要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致するか否かを判断する。ロック要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致すると、待ち受け部105−5bは、第1の情報をノート型PC100bをロックすることを示す情報に書き換える、すなわちロックフラグを立てる。そして、待ち受け部105−5bは、OS107cを再起動する。OS107cが再起動すると、再度OS実行部105−4と待ち受け部105−5bとが機能する。
【0108】
待ち受け部105−5bは、第1の情報を書き換える際に、スピーカ104を介して警告音を出力させる。スピーカ104は、たとえばビープ音を出力したり、「このPCはロックされました。このPCを拾得した方は警察へ届け出てください。」というアナウンスを出力したりする。
【0109】
また、待ち受け部105−5bは、送受信部109−1を介して他の通信端末から第1の記憶部107−1のデータを消去する旨の要求(消去要求)を待ち受ける。待ち受け部105−5bは、他の通信端末から消去要求を受け付けると、消去要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致するか否かを判断する。消去要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致すると、待ち受け部105−5bは、第2の記憶部110−1の第2の情報を第1の記憶部107−1のデータを消去することを示す情報に書き換える、すなわち、消去フラグを立てる。そして、待ち受け部105−5bは、ノート型PC100bを再起動する。ノート型PC100bが再起動すると、再度BIOS実行部105−2bが機能する。
【0110】
待ち受け部105−5bは、第2の情報を書き換える際に、スピーカ104を介して警告音を出力させる。スピーカ104は、たとえばビープ音を出力したり、「HDDを消去します。このPCを拾得した方は警察へ届け出てください。」というアナウンスを出力したりする。これによって、ノート型PC100bを取得した者が、ノート型PC100bを悪用することを防止することができる。
【0111】
待ち受け部105−5bは、送受信部109−1を介して他の通信端末からノート型PC100bをロックしない旨の要求(解除要求)を待ち受ける。待ち受け部105−5bは、他の通信端末から解除要求を受け付けると、解除要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致するか否かを判断する。解除要求に含まれるパスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致すると、待ち受け部105−5bは、第2の記憶部110−1の第1の情報をノート型PC100bをロックしないことを示す情報に書き換える、すなわち、ロックフラグを落とす。そして、待ち受け部105−5bは、OS107cを再起動する。OS107cが再起動すると、再度OS実行部105−4と待ち受け部105−5bとが機能する。
【0112】
待ち受け部105−5bは、第1の情報がノート型PC100bをロックすることを示す場合に、操作部103−1を介して予め設定された特定情報を受け付けると、モニタ102にパスワードの入力画面を表示させる。より詳細には、第2の記憶部110−1または第3の記憶部101−1は、パスワードを受け付けるための特定情報を記憶する。たとえば、特定情報とは、操作部103−1を構成するキーボード103の特定のキー(スイッチ)が押下された際に、キーボード103から演算処理部105−1bに入力される電気信号などである。
【0113】
そして、待ち受け部105−5bは、操作部103−1を介して受け付けたパスワードが、第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致するか否かを判断する。パスワードが第2の記憶部110−1に格納されているパスワード110cに一致すると、待ち受け部105−5bは、第2の記憶部110−1の第1の情報をノート型PC100bをロックしないことを示す情報に書き換える。そして、待ち受け部105−5bは、OS107cを再起動する。OS107cが再起動されると、再度OS実行部105−4と待ち受け部105−5bとが機能する。
【0114】
また、待ち受け部105−5bは、他の通信端末からのロック要求や解除要求や消去要求に応じた動作を完了した際に、送受信部109−1を介して当該他の通信端末に動作完了通知を送信する。たとえば、待ち受け部105−5bは、他の通信端末からのロック要求や解除要求や消去要求に基づいて第2の記憶部110−1の情報を更新した際に、送受信部109−1を介して当該他の通信端末に動作を完了した旨を通知してもよい。
【0115】
加えて、待ち受け部105−5bは、他の通信端末からのロック要求や解除要求や消去要求を受け付けた際に、位置取得部117−1からノート型PC100bの現在位置情報を取得して、当該他の通信端末に当該現在位置情報を送信する。これによって、他の通信端末のユーザが、ノート型PC100bの現在位置を把握することができる。
<ノート型PC100bにおけるロック処理>
次に、本実施の形態に係るノート型PC100bにおけるロック処理について説明する。図7は、本実施の形態に係るノート型PC100bにおけるロック処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0116】
図7に示すように、まずノート型PC100bがユーザによって起動されると(ステップS202)、CPU105はフラッシュメモリ101からBIOS101bを読み出す。そして、CPU105は、BIOS101bのコマンドに基づき、NVRAM110を参照して消去フラグが立っているか否かを判断する(ステップS204)。
【0117】
消去フラグが立っている場合(ステップS204にてYESである場合)、CPU105はHDD107のデータを消去して(ステップS206)、ノート型PC100bの電源をOFFする。一方、消去フラグが立っていない場合(ステップS204にてNOである場合)、CPU105はHDD107からOS107cを読み出して、OS107cを実行する(ステップS208)。以下、CPU105は通信カード109を介して外部からのメールを待ち受ける。このとき、CPU105は、HDD107から待ち受けプログラム107ebを読み出して、待ち受けプログラム107ebをも起動する。これ以降、CPU105は、常時、通信カード109を介して他の通信端末からのメールを待ち受ける(ステップS210)。
【0118】
CPU105は、待ち受けプログラム107ebに基づいて、他の通信端末からメールを受信すると(ステップS210にてYESである場合)、NVRAM110からパスワードを読み出して、受信メールにそのパスワードが含まれているか否かを判断する(ステップS212)。受信メールにそのパスワードが含まれていない場合(ステップS212にてNOである場合)、CPU105は受信メールを破棄する。
【0119】
一方、受信メールにそのパスワードが含まれている場合(ステップS212にてYESである場合)、CPU105は受信メールに解除要求が含まれているか否か、たとえば受信メールにロック解除を示す特定の文字列が含まれているか否かを判断する(ステップS214)。受信メールに解除要求が含まれている場合(ステップS214にてYESである場合)、CPU105はNVRAM110のロックフラグを落とし(ステップS216)、OS107cからログアウトする(ステップS222)。
【0120】
受信メールに解除要求が含まれていない場合(ステップS214にてNOである場合)、CPU105は受信メールに消去要求が含まれているか否か、たとえば受信メールにHDD107を消去を示す特定の文字列が含まれているか否かを判断する(ステップS218)。受信メールに消去要求が含まれている場合(ステップS218にてYESである場合)、CPU105はNVRAM110の消去フラグを立てて(ステップS220)、OS107cを再起動する(ステップS222)。一方、受信メールに消去要求が含まれていない場合(ステップS218にてNOである場合)、CPU105は受信メールを破棄する。
【0121】
一方、メールを受信しなかった場合に(ステップS210にてNOである場合)、ユーザが操作部103−1を介してOS107cへのログイン操作を行うと(ステップS236にてYESである場合)、CPU105はOS107cへログインする(ステップS238)。CPU105は、待ち受けプログラム107ebに基づいて、NVRAM110を参照してロックフラグが立っているか否かを判断する(ステップS240)。ロックフラグが立っている場合(ステップS240にてYESである場合)、CPU105はOS107cからログアウトする(ステップS222)。CPU105は、再度OS107cを立ち上げる、すなわちOS107cを再起動する(ステップS208)。
【0122】
一方、ロックフラグが立っていない場合(ステップS240にてNOである場合)、CPU105は、OS107cのコマンドに基づいて通常通りにノート型PC100bを制御する(ステップS242)。CPU105は、OS107cの通常動作中に、特定の文字列を含むメールを受信した場合(ステップS244にてYESである場合)、待ち受けプログラム107ebに基づいて、NVRAM110からパスワード110cを読み出す。そして、CPU105はそのパスワード110cが受信メールに含まれているか否かを判断する(ステップS246)。パスワードが受信メールに含まれている場合(ステップS246にてYESである場合)、受信メールにロック要求が含まれているか否かを判断する(ステップS248)。受信メールにロック要求が含まれている場合(ステップS248にてYESである場合)、CPU105はNVRAM110のロックフラグを立てる(ステップS250)。そして、CPU105は、OS107cからログアウトする(ステップS252)。
【0123】
一方、受信メールにロック要求が含まれていない場合(ステップS248にてNOである場合)、CPU105は受信メールに消去要求が含まれているか否かを判断する(ステップS254)。受信メールに消去要求が含まれている場合(ステップS254にてYESである場合)、CPU105はNVRAM110の消去フラグを立てる(ステップS256)。そして、CPU105はノート型PC100bを再起動する(ステップS258)。
【0124】
一方、受信メールに消去要求が含まれていない場合(ステップS254にてNOである場合)、CPU105は受信メールを破棄して、OS107cのコマンドに基づいて通常通りにノート型PC100bの制御を続行する(ステップS242)。
【0125】
このように、本実施の形態に係るノート型PC100bにおいては、受信メールの内容に基づいて、NVRAM110上のロックフラグや消去フラグを立てたり、NVRAM110上のロックフラグを落としたりする。そして、CPU105が、OS107cの実行中にフラグの内容に基づいて、OS107cからログアウトしたり、ノート型PC100bを再起動させたり、HDD107のデータを消去したりする。このため、ノート型PC100bのハードウェアやOS107cを大幅に変更することなく、ノート型PC100bにリモートロック機能を備えることが可能になる。
【0126】
本発明は、システム或いは装置に,BIOS101bやOS107cやロック用プログラム107dや待ち受けプログラム107e,107ebを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるそれぞれのプログラムを格納した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0127】
この場合、記憶媒体から読出された各プログラム自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、それらの各プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0128】
なお、各プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード(ICメモリカード)、ROM(マスクROM、フラッシュEEPROMなど)などを用いることができる。
【0129】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0130】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本実施の形態に係るネットワークシステムの一例を示す概略図である。
【図2】本実施の形態に係るノート型PCのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る携帯電話のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係るノート型PCの機能構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1に係るノート型PCにおけるロック処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係るノート型PCの機能構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2に係るノート型PCにおけるロック処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
1,1b ネットワークシステム、100,100b ノート型PC、101 フラッシュメモリ、101−1 記憶部、102 モニタ、103 キーボード、103−1 操作部、104 スピーカ、105 CPU、105−1 演算処理部、105−2 BIOS実行部、105−3 ロック実行部、105−4 OS実行部、105−5 待ち受け部、105−6 リカバリー部、106 メモリ、107 HDD、107−1 第1の記憶部、107c OS、107d ロック用プログラム、107e 待ち受けプログラム、107f リカバリープログラム、108 内部バス、109 通信カード、110 NVRAM、110−2 第2の記憶部、110a 第1の情報(ロックフラグ)、110b 第2の情報(消去フラグ)、110c パスワード、115 電池、116 測位アンテナ、117 GPS信号処理部、117−1 位置取得部、200 キャリア網、300 携帯電話、301 通信アンテナ、302 無線通信部、306 電池、307 モニタ、308 マイク、309 スピーカ、310 操作部、311 通信アンテナ、400 インターネット網、PC 500。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作によりロック可能な移動通信端末であって、
演算処理部と、
ネットワークを介して他の通信端末とデータ送受信を行う送受信部と、
オペレーティングシステムと、起動直後に実行される第1のプログラムと、前記オペレーティングシステム実行環境下で実行される第2のプログラムと、前記移動通信端末をロックするか否かを示す第1の情報とを格納するデータ保持部とを備え、
前記演算処理部は、
前記第2のプログラムを実行することにより、前記送受信部を介して前記他の通信端末から前記移動通信端末をロックする旨の第1の要求を待ち受け、前記第1の要求を受け付けたときに、前記第1の情報を前記移動通信端末をロックすることを示す情報に書き換えるとともに、前記移動通信端末を再起動し、
前記移動通信端末が起動されたときに、前記第1のプログラムを実行することにより、前記第1の情報を参照して、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックしないことを示す場合に前記オペレーティングシステムを起動し、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックすることを示す場合に前記オペレーティングシステムを起動しない、移動通信端末。
【請求項2】
前記移動通信端末は、ディスプレイをさらに備え、
前記記憶部は、第3のプログラムをさらに格納し、
前記演算処理部は、
前記移動通信端末が起動されたときに、前記第1のプログラムを実行することにより、前記第1の情報を参照して、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックすることを示す場合に前記第3のプログラムを起動し、
前記第3のプログラムを実行することにより、前記ディスプレイに移動通信端末がロックされている旨を表示するとともに、前記送受信部を介して前記他の通信端末から前記移動通信端末をロックを解除する旨の第2の要求を待ち受け、前記第2の要求を受け付けたときに、前記第1の情報を前記移動通信端末をロックしないことを示す情報に書き換えるとともに、前記移動通信端末を再起動する、請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項3】
前記データ保持部は、
前記オペレーティングシステムと前記第2のプログラムと前記第3のプログラムとを格納する第1の記憶部と、
前記第1の情報を格納する第2の記憶部と、
前記第1のプログラムを格納する第3の記憶部とを含み、
前記第2の記憶部は、前記第1の記憶部のデータを消去するか否かを示す第2の情報をさらに格納し、
前記演算処理部は、
前記第2および第3のプログラムのいずれかを実行することにより、前記送受信部を介して前記他の通信端末から前記第1の記憶部のデータを消去する旨の第3の要求を待ち受け、前記第3の要求を受け付けたときに、前記第2の情報を前記第1の記憶部のデータを消去することを示す情報に書き換えるとともに、前記移動通信端末を再起動し、
前記移動通信端末が起動されたときに、第1のプログラムを実行することにより、前記第2の情報を参照して、前記第2の情報が前記第1の記憶部のデータを消去することを示す場合に前記第1の記憶部のデータを消去する、請求項2に記載の移動通信端末。
【請求項4】
前記第1のプログラムは、BIOSである、請求項1から3のいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項5】
遠隔操作によりロック可能な移動通信端末であって、
演算処理部と、
ネットワークを介して他の通信端末とデータ送受信を行う送受信部と、
オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム実行環境下で実行される第4のプログラムと、前記移動通信端末をロックするか否かを示す第1の情報を格納するデータ保持部を備え、
前記演算処理部は、
前記第4のプログラムを実行することにより、前記送受信部を介して前記他の通信端末から前記移動通信端末をロックする旨の第1の要求を待ち受け、前記第1の要求を受け付けたときに、前記第1の情報を前記移動通信端末をロックすることを示す情報に書き換えるとともに、前記オペレーティングシステムからログアウトし、
前記オペレーティングシステムにログインしたときに、前記第4のプログラムを実行することにより、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックすることを示す場合に前記オペレーティングシステムからログアウトし、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックしないことを示す場合に前記オペレーティングシステムを実行することにより前記移動通信端末の制御を実行する、移動通信端末。
【請求項6】
前記演算処理部は、前記第4のプログラムを実行することにより、前記送受信部を介して前記他の通信端末から前記移動通信端末のロックを解除する旨の第2の要求を待ち受け、前記第2の要求を受け付けたときに、前記第1の情報を前記移動通信端末をロックしないことを示す情報に書き換える、請求項5に記載の移動通信端末。
【請求項7】
前記データ保持部は、
前記オペレーティングシステムおよび前記第4のプログラムを格納する第1の記憶部と、
前記第1の情報を格納する第2の記憶部と、
第5のプログラムを格納する第3の記憶部とを含み、
前記第2の記憶部は、前記第1の記憶部のデータを消去するか否かを示す第2の情報をさらに格納し、
前記演算処理部は、
前記第4のプログラムを実行することにより、前記送受信部を介して前記他の通信端末から前記第1の記憶部のデータを消去する旨の第3の要求を待ち受け、前記第3の要求を受け付けたときに、前記第2の情報を前記第1の記憶部のデータを消去することを示す情報に書き換えるとともに、前記移動通信端末を再起動し、
前記移動通信端末が起動されたときに、前記第5のプログラムを実行することにより、前記第2の情報を参照して、前記第2の情報が前記第1の記憶部のデータを消去することを示す場合に前記第1の記憶部のデータを消去する、請求項5または6に記載の移動通信端末。
【請求項8】
前記第5のプログラムは、BIOSである、請求項7に記載の移動通信端末。
【請求項9】
前記データ保持部は、予め設定されたパスワードをさらに格納し、
前記演算処理部は、
前記他の通信端末から前記要求を受け付けたときに、前記要求に前記パスワードが含まれているか否かを判断し、
前記要求に前記パスワードが含まれている場合に前記要求に応じた動作を実行し、
前記要求に前記パスワードが含まれていない場合に前記要求を無視する、請求項1から8のいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項10】
外部からの命令を受け付ける操作部をさらに備え、
前記演算処理部は、
前記第1の情報が前記移動通信端末をロックすることを示す場合に、前記操作部を介して予め設定された特定情報を受け付けると、前記ディスプレイにパスワードの入力画面を表示させ、
入力されたパスワードが前記予め設定されたパスワードと一致する場合に、前記第1の情報を前記移動通信端末をロックしないことを示す情報に書き換える、請求項9に記載の移動通信端末。
【請求項11】
スピーカをさらに備え、
前記演算処理部は、前記送受信部を介して他の通信端末から前記要求を受け付けたときに、前記スピーカに警告音を出力させる、請求項1から10に記載の移動通信端末。
【請求項12】
前記演算処理部は、前記要求に応じた動作を完了した際に、前記送受信部を介して、前記要求を送信した前記他の通信端末に前記要求に応じた動作を完了した旨を送信する、請求項1からの11のいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項13】
前記移動通信端末の現在位置に関する現在位置情報を取得する位置取得手段をさらに備え、
前記演算処理部は、前記送受信部を介して前記他の通信端末から前記要求を受け付けたときに、前記他の通信端末に前記現在位置情報を送信する、請求項1から12のいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項14】
前記第1の記憶部は、前記第1の記憶部をリカバリーするための第6のプログラムを記憶し、
前記演算処理部は、
前記第1の記憶部をリカバリーする旨の命令を受け付けたときに、前記第1の情報を参照して、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックすることを示すか否かを判断し、
前記第1の情報が前記移動通信端末をロックすることを示す場合に前記命令を無視し、
前記第1の情報が前記移動通信端末をロックしないことを示す場合に前記第6のプログラムを実行する、請求項3または7に記載の移動通信端末。
【請求項15】
移動通信端末をロックする方法であって、
前記移動通信端末は、
演算処理部と、
ネットワークを介して他の通信端末とデータ送受信を行う送受信部と、
オペレーティングシステムと、起動直後に実行される第1のプログラムと、前記オペレーティングシステム実行環境下で実行される第2のプログラムと、前記移動通信端末をロックするか否かを示す第1の情報とを格納する記憶部とを備え、
前記移動通信端末をロックする方法は、
前記演算処理部が、前記第2のプログラムを実行することにより、前記送受信部を介して前記他の通信端末から前記移動通信端末をロックする旨の第1の要求を待ち受けるステップと、
前記演算処理部が、前記第1の要求を受け付けたときに、前記第1の情報を前記移動通信端末をロックすることを示す情報に書き換えるとともに、前記移動通信端末を再起動するステップと、
前記演算処理部が、前記移動通信端末が起動されたときに、前記第1のプログラムを実行することにより、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックすることを示すか否かを判断するステップと、
前記第1の情報が前記移動通信端末をロックしないことを示す場合に、前記オペレーティングシステムを起動するステップとを備える、移動通信端末をロックする方法。
【請求項16】
移動通信端末をロックする方法であって、
前記移動通信端末は、
演算処理部と、
ネットワークを介して他の通信端末とデータ送受信を行う送受信部と、
オペレーティングシステムと、前記オペレーティングシステム実行環境下で実行される第4のプログラムと、前記移動通信端末をロックするか否かを示す第1の情報を格納する記憶部を備え、
前記移動通信端末をロックする方法は、
前記演算処理部が、前記第4のプログラムを実行することにより、前記送受信部を介して前記他の通信端末から前記移動通信端末をロックする旨の第1の要求を待ち受けるステップと、
前記演算処理部が、前記第1の要求を受け付けたときに、前記第1の情報を前記移動通信端末をロックすることを示す情報に書き換えるとともに、前記オペレーティングシステムからログアウトするステップと、
前記演算処理部が、前記オペレーティングシステムにログインしたときに、前記第4のプログラムを実行することにより、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックすることを示すか否かを判断するステップと、
前記演算処理部が、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックすることを示す場合に前記オペレーティングシステムからログアウトするステップと、
前記演算処理部が、前記第1の情報が前記移動通信端末をロックしないことを示す場合に前記オペレーティングシステムを実行することにより前記移動通信端末の制御を実行するステップとを備える、移動通信端末をロックする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−225161(P2009−225161A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68059(P2008−68059)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】