説明

移動通信端末機の位置追跡通報システム

【課題】移動体通信端末機の持つ人の位置の追跡の開始又は停止すべき時期を自動的に検出し、非常時には、移動体通信端末機の近傍のアラーム再生端末から音声で緊急を知らせることができる移動通信端末機の位置追跡通報システムを提供する。
【解決手段】移動通信端末機の位置追跡通報システムは、移動通信端末機の位置情報を受信するサーバーと、移動体通信端末機と、アラーム再生端末と、保護者などが持つ携帯電話やパソコンとで構成され、前記サーバーは、電子タグ読取端末機からの電文によって、移動体通信端末機の特定位置の通過を感知し、自動的に移動体通信端末機の位置追尾の開始又は停止を行う。前記サーバーは、移動体通信端末機の非常ボタンが押されるか、又は保護者などが持つ携帯電話やパソコンからの緊急救助要請を受信すると、前記移動体通信端末機の近傍のアラーム再生端末などに情報を送信し、アラーム再生端末はアラーム音声等を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信端末機が持つGPS機能、位置測位方法を用いたシステムに関する。
より特定的には、特定の移動体通信端末機の持つ人物やペットなどの移動体が、緊急時になると、予め設置したアラーム再生端末の位置の近傍に移動体が近づくと、アラーム再生端末が、アラーム音声で知らせるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話などの移動体通信端末機を使った、GPS機能のサービスが展開されている。携帯電話の場合は、携帯電話と無線で通信している近傍のアンテナの位置と受信電波レベルから、およその携帯電話の位置を特定するものである。この携帯電話は、音声通話の使えない専用端末機でも良く、本件では移動体通信端末機と称する。
【0003】
学童の身の安全の為に、移動体通信端末機を用いて、登校や下校に際して、子供の移動位置を保護者が把握し、異常がないかをチェックするサービスがある。保護者は携帯電話のWEB画面やメール受信などから、子供の位置を把握する。子供の持つ移動体通信端末機には、非常ボタンがついている場合があり、これを押すと、すぐさまに保護者の携帯電話などに通報が届くという仕組みである。
【0004】
脳の障害を持つ高齢者など、予期せぬ徘徊行動などで、見失うということを防ぐ為、移動体通信端末機を身につけさせ、異常な位置の移動を感知したら、保護者に位置情報を通報するというサービスも存在する。
【0005】
これらのサービスの中には、移動体通信端末機を持つ人などの位置を追跡するサービスがある。追跡を行う場合は、移動体通信端末機とサーバーとが数分置きに通信することで、位置を更新し、位置のチェックと位置の履歴を取っていくというものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
移動体通信端末機の位置を追跡し保護者が把握する場合、移動体通信端末機を持つ人が、これから移動することをサーバーに知らせるか、保護者が追跡を開始することをサーバーに知らせるか、若しくはタイムスケジュールなどから、自動的に決まった時間に追跡するという方法があった。これらは、移動体通信端末機のボタンを押すとか、携帯電話やパソコンのWEB画面から設定操作するなどで行う。
【0007】
しかし、サーバーに追跡を開始することを知らせ忘れてしまうと、この位置の追跡サービスは意味を持たない課題があった。また、タイムスケジュールで自動的に決まった時間に追跡したとしても、その時間が実際の移動時間とはずれてしまった場合には、同様に意味を持たなくなってしまう。
【0008】
一方、移動体通信端末機に備わる非常ボタンを押した際に、移動体通信機を持つ人の位置と、保護者の所在位置が離れている時には、保護者はすぐにかけつけることが難しい。特に緊急を要する時には、警察を呼んで駆けつけてもらう時間さえ惜しいこともある。また、常に移動している人を保護してもらう場合においても、リアルタイムに移動している位置情報を保護者だけが持っているという状況であれば、より近くの人にピンポイントで協力を求める場合において、緊急的な対応に支障が出る場合がある。
【0009】
本発明の課題とすることは、移動体通信端末機の持つ人の保護の為、位置の追跡を行う際に、位置の追跡の開始をし忘れるという課題があった。また、非常時には、移動体通信端末機の位置を保護者に知らせても、その位置に駆けつけるまでに距離が遠ければ、意味がなさない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による移動通信端末機の位置追跡通報システムは、通信している通信アンテナの位置と受信電波レベルから、移動通信端末機の位置を出力するシステムとネットワークで接続された移動通信端末機の位置情報を受信するサーバーと、前記サーバーは移動体通信端末機とアラーム再生端末と、保護者などが持つ携帯電話やパソコンとをネットワークで接続する手段とで構成される。
【0011】
前記移動体通信端末機は無線によるネットワーク通信機能と、非常ボタンが備わり、非常ボタンを押すと、アラーム音の再生と、非常を知らせる電文をサーバーにネットワーク通信を通して送信する機能を持つ。
【0012】
前記移動体通信端末機は電子タグが取り付けられている。そして、要所に電子タグの読み取りアンテナが備わる電子タグ読取端末機が設置され、前記電子タグ読取端末機には、ネットワーク通信機能が備わり、前記移動体通信端末機の電子タグのID情報を読み取ると、ID情報を電文として、サーバーにネットワーク通信を通して送信する機能を持つ。
【0013】
前記アラーム再生端末は、サーバーからネットワーク通信を通して、音声データを受信する機能と、音声データを一時的に記録する機能と、記録した音声データ元に、アラーム音声として再生する機能を持つ。また、前記アラーム再生端末の位置情報は、予めサーバーに保存されている。
【0014】
前記サーバーは、前記電子タグ読取端末機からの電文によって、移動体通信端末機の特定位置の通過を感知し、その時間帯を考慮した上で、自動的に移動体通信端末機の位置追尾の開始又は停止を行う。前記サーバーは、移動体通信端末機の非常ボタンが押され、非常を知らせる電文を受信するか、保護者などが持つ携帯電話やパソコンからの緊急救助電文や音声データを受信すると、前記サーバーは、前記移動体通信端末機の位置と近傍のアラーム再生端末に、電文と音声データを送信し、アラーム再生端末は電文の表示とアラーム音声を再生する。
【発明の効果】
【0015】
本発明を利用すれば、移動体通信端末機の持つ人などが、位置の追跡を開始又は停止すべきタイミングを自動的に検出するので、位置の追跡を開始・停止をし忘れることがなく、非常時には、移動体通信端末機の位置情報が、あらかじめ設置されたアラーム再生端末の位置と近傍になると、アラーム再生端末はアラーム音声で知らせるので、より緊急を要する場合では、すぐに近くの人がかけつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の使用例を示す図
【図2】図2は、本発明のサーバーを中心としたブロック図
【図3】図3は、本発明で利用する移動体通信端末機のイメージ図
【図4】図4は、本発明で利用するアラーム再生端末のイメージ図
【図5】図5は、本発明で利用するアラーム再生端末のブロック図
【図6】図6は、本発明の緊急時のステップ図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。
図1は、本発明の使用例を示す図である。図示の通り、子供6が持つ移動体通信端末機1は、無線通信を通じて電波を受信する受信アンテナ12の位置と、電波受信レベルが、移動体通信端末を管理する通信会社13に通知される。尚、移動体通信端末からの非常ボタンによる電文も、この通信経路で伝播される。
通信会社13とサーバーの設置場所15とはネットワークの専用線14で接続されるサーバー2とがある。サーバー2は、更にインターネット又はネットワーク16によるネットワーク通信とが可能で、パソコン3や携帯電話4やアラーム再生端末5と接続される。また、学校10の門に設置されている電子タグ読取端末機11も、インターネット又はネットワーク16とで接続される。
【0018】
図2は、本発明のサーバーを中心としたブロック図を示している。
移動体通信端末20は、移動体通信端末を管理する通信会社21が管理するサーバーなどを通じ、サーバー30とネットワークとで接続される。この場合、一般的にはVPNなどの専用線を通じて接続される。
サーバー30は、更にインターネット又はネットワーク23とも接続され、インターネット又はネットワーク23とは、パソコン24と、アラーム再生端末25と、携帯電話26と、電子タグ読取端末とが接続されている。
【0019】
尚、広義な意味でインターネット又はネットワーク16及び23で説明したが、VPNなどを利用した専用線であってもかまわない。また携帯電話26は通信会社21が管理するサーバーを通じてインターネットと接続されているとも言える。パソコン24、アラーム再生端末25、電子タグ読取端末27においても、モバイル通信網といわれる無線通信モデムを用いていれば、前述携帯電話と同じ経路でインターネットが接続されることになる。サーバー20側から見た時には、接続されるまでの経路はどうであれ、インターネット又はネットワークによる通信手段であることに変わりないから、以後の説明では、単にインターネットとしている。一方、移動体通信端末機20の位置情報は、必ず通信会社21のサービスを通して得られるものであるから、ここでの図示で示す通り、通信会社21とサーバー30とが接続されている図示となっている。
【0020】
移動体通信端末機1の位置を知るには、各通信アンテナ12の位置と受信電波レベルの情報が、通信会社21が管理するサーバーで処理されて、移動体通信端末機1の位置として、経度と緯度とが出力される。この時、移動体通信端末機1が持つ固有のID若しくは電話番号なども通知されるので、移動体通信端末機1の識別が可能である。
【0021】
図2のサーバー30の詳細な構成を説明する。
サーバー30にはWEB画面を表示するWEBサーバー30と、データベース31、音声ファイル32を格納する記録装置とで構成される。データベース31は、主に端末の位置情報やユーザーなどの管理情報を記録する。音声ファイル32はサーバー30のハードディスクに保存される。パソコンや携帯電話からの指示でアップロードされた音声ファイル32や、予め保存しておいた音声ファイル32は、主にアラーム再生端末25に送信される。
【0022】
データベース31は、端末テーブル33が登録されている。端末テーブル33は、少なくとも端末IDフィールド、端末タイプフィールド、位置情報フィールド、緊急フラグフィールドが設定されている。端末IDは、移動体通信端末機20やアラーム再生端末25の端末のIDがユニーク番号で登録される。端末タイプフィールドは、移動体通信端末機20やアラーム再生端末25など端末の種類を番号で記録する。位置情報フィールドは、端末の位置情報を記録する。これは緯度・経度といった情報である。緊急フラグフィールドは、その端末が緊急時であることを示す。
【0023】
データベース31は、ユーザーテーブル34が登録されている。ユーザーテーブル33は、少なくともユーザーIDフィールド、名前フィールド、連絡先フィールド、管理端末IDフィールドが設定されている。ユーザーIDはユニーク番号で登録される。名前フィールドはユーザーの名前が登録される。連絡先フィールドは、保護者であれば、電文を受け取る電子メールなどの内容が登録される。管理端末IDは、管理したい移動体通信端末機の端末IDが登録される。
【0024】
移動体通信端末機から、非常である電文がサーバーに通知されると、端末テーブル33位置情報フィールドには移動体通信端末機の最新の位置情報を更新し、緊急フラグフィールドのフラグをTrueする。一方、ユーザーテーブル34の管理端末IDフィールドから、端末テーブル33の緊急フラグがTrueの端末IDで検索し、ヒットしたユーザーの連絡先フィールドの情報を元に、電文などを送信する。
尚、ここで示すデータベースのテーブルやテーブルのフィールド構造は、一例を示すもので、詳細を管理する為に変更や拡張がなされてもかまわない。
【0025】
図3は本発明の本発明で利用する移動体通信端末機のイメージ図を示す。
移動体通信端末機40は、簡単なメッセージを表示するメッセージ表示部41と、非常ボタン42と、操作ボタン44とで構成される。移動体通信端末機40の内部の構成は、処理装置、記録装置、通信装置なども備わるが、ここでは説明を省く。非常ボタン42は、紐43と結ばれ、紐43を強く引くことで非常ボタンONとなる仕組みとなっている。
尚、非常ボタン42は、押しボタンでもかまわない。
【0026】
移動体通信端末機40は、メッセージを表示するメッセージ表示部41は、保護者などの持つ、パソコン3や携帯電話4から電子メールなどにより電文メッセージを送付し、サーバー2とインターネットを通じ、移動体通信端末機40に送信される仕組みである。保護者が心配な時、例えば、「ダイジョウブナラ、ボタンヲオシテ」などと電文メッセージを送り、移動体通信端末機40の操作ボタン44を押す様に伝える。移動体通信端末機40の操作ボタン44を押すと、ボタン44を押したという電文がサーバー2に伝えられ、保護者などの持つ、パソコン3や携帯電話4の電子メールなどで通知することが可能である。
【0027】
図4は本発明で利用するアラーム再生端末のイメージ図を示す。
アラーム再生端末50は、メッセージを表示するメッセージ表示部51と、アラーム音停止ボタン52と、操作ボタン54と、アラーム音声を出力するスピーカー53とで構成される。イメージ図に表記されていないが、インターネットと接続するLANのコネクタ端子があっても良いし、無線通信を通じてインターネットと接続するならば、無線アンテナが備わってもかまわない。また、携帯電話と同じモバイル通信網を通じたインターネットの接続方法を用いる場合は、無線通信モデムを内蔵していても構わない。
【0028】
アラーム再生端末50は、サーバーから電文、及びアラーム音声データが受信されると、自動的にスピーカー53から、アラーム音声が出力される。この時、アラーム音停止ボタン52を押すと、アラーム音声の出力を止めることができる。このアラーム音停止ボタン52を押したことは、サーバーにレスポンスとして電文を送信しても良い。そうすれば、アラーム音声を聞いたという証拠を残すことができる。メッセージ表示部51は、サーバーから受信した電文を表示する。また、非常時以外では、図4の通り時計を表示していても構わない。
【0029】
アラーム再生端末50は、メッセージを表示するメッセージ表示部41は、保護者などの持つ、パソコン3や携帯電話4から電子メールなどにより電文メッセージを送付し、サーバー2と通じ、アラーム再生端末50に送信される仕組みである。保護者が子供の非常ボタンの通知を受け、子供を助けてもらいたい時に、例えば、「コドモガキケンデス、タスケテイタダケルナラ、ボタンヲオシテ」などと電文メッセージを送り、アラーム再生端末50の操作ボタン54を押す様に伝える。アラーム再生端末50は電文メッセージをサーバーから受信しメッセージ表示部に表示する。また、同時にサーバーから受信したアラーム音声を再生する。そのメッセージ表示部を見た人は、アラーム音停止ボタン52や操作ボタン54を押し、子供を救助する行動を起こす。アラーム音停止ボタン52や操作ボタン54を押したことは、電文としてサーバーに通知され、サーバーは保護者に救助行動をしてくれる人が現れたことを通知することが可能となる。
【0030】
図5は、本発明で利用するアラーム再生端末のブロック図を示す。
アラーム再生端末50は、少なくともメインCPUで構成される処理装置60と、表示部を構成する表示装置62、音声データを一時的に記録する記録装置61、音声データを音声として出力為の機能とアンプとスピーカーで構成されるアラーム音声出力装置64と、インターネットと接続する為のインターネット通信装置63とで構成される。
【0031】
次に図2における電子タグ読取端末27の詳細と利用方法を示す。
移動体通信端末機20には、電子タグと呼ばれる、電波によって、ID情報を読み取る為のタグが取り付けられる。例えば、RFIDなどの技術を用て、移動体通信端末機20に、非接触ICカードを埋め込めば良い。非接触ICカードは非常に薄く電池のいらない構造である。電子タグ読取端末27には、比較的強度の強い電波を発信し、非接触ICカードはこの電波をエネルギー源として、アンテナにID情報を返す仕組みである。
移動体通信端末機1の固有の端末ID情報を電子タグとして取り付けることで、例えば学校10の門をくぐった際に、電子タグの固有の端末ID情報を読み取り、サーバー30に通知する。サーバー30は、固有の端末ID情報を元にデータベース31の端末テーブル33の端末IDフィールドの情報とを関連付ける。この時、子供が登校し学校に到着したか、または下校する時かを、その時間帯を考慮することで、それを知ることが可能だから、自動的に位置の追尾の開始又は停止をするかどうかを判断することができる。
【0032】
また、図1における電子タグ読取端末11を使わずに、学校10などの特定の場所より、近づいた、遠のいたという、位置の追尾による経緯から、子供6が学校に到着したか、帰宅する時かを、判断することも可能である。
また、電子タグ読取端末11を使わずに、学校などの特定の場所で、一定時間とどまったことにより、子供6が学校に到着したか、帰宅する時かを、判断することも可能である。
どちらにしても、登校時か下校時かは、おおざっぱに午前か午後などに分けて、判断の情報として考慮するとより確かとなる。
前記方法は、学校ではなく、家であっても同じである。これらを組み合わせれば、自動的に移動体通信端末機1位置を追尾すべきかどうかを総合的に判断できる。
【0033】
電子タグ読取端末11を利用する利点は、一般的に前記の移動体通信端末機1の位置を知る手段では、100m以内など、おおざっぱな位置情報である場合があるから、より限定的な場所の通過を知る為のものとしては有効的な手段である。
【0034】
次に図6は、本発明における緊急時のステップ図を示す。
このステップ図は、子供などが持つ移動体通信端末機のステップ71、サーバーのステップ72、保護者が持つ携帯電話やパソコン等のステップ73、アラーム再生端末のステップ74で図示している。
移動体通信端末機の非常ボタンが押すステップ80になると非常ボタン電文としてサーバーに送信し、サーバーは非常ボタン電文として受信されるステップ81となる。このステップ81では、非常ボタン電文と共に移動体通信端末機の位置情報も受信される。
次に、端末情報から、保護者の連絡先を検索するステップ82を行う。ステップ82の詳細は、サーバー30のデータベース31などから、端末テーブル33の端末IDフィールドと関連付けされている、ユーザーテーブルの管理端末IDフィールドより、該当の保護者とその連絡先を検索する。
次に検索された連絡先から、保護者へ移動体通信端末機の位置情報と、非常情報の電文を通知するステップ83を行う。保護者が持つ携帯電話、パソコン等では、非常情報の電文を受信するステップ84に移行する。
保護者は、緊急救助電文をサーバーに送信するステップ85を行う。サーバーは緊急救助電文を受信するステップ86に移行する。
次に、移動体通信端末機の位置情報から、近傍に位置するアラーム再生端末を検索するステップ87を行う。
次に、緊急救助アラーム音声データと緊急救助電文をアラーム再生端末に送信するステップ88を行う。アラーム再生端末は、アラーム再生端末と緊急救助電文を受信するステップ89に移行する。
次に、アラーム再生端末は、受信した緊急救助電文を表示し、アラーム音声データを音声出力するステップ90を行う。
【0035】
ステップ83、ステップ85は、電子メールなどで電文を送っても良いし、特別な通信プログラムによって、電文を送信されても良い。また、ステップ85の際に、緊急救助電文と共に、音声データを送信しても良い。例えば、留守電の様な仕組みでサーバーに音声データを記録する方法や、携帯電話などで音声を録音し、そのデータをサーバーに送信しても良い。
ステップ88では、特別に用意された音声データがなければ、予め用意された音声データをアラーム再生端末に送信する。
【0036】
移動体通信端末機1が持つ移動体は、子供などの人で、本実施例であげてきたが、これが、ペットなどの動物であっても構わないし、車などであっても構わない。ペットに取り付ければ、ペットを見失った時に、ペットを探す目的で本システムは利用可能であるし、車に取り付ければ、車が盗難にあった際に、本システムは利用可能である。
【0037】
前記アラーム再生端末は、専用のアラーム再生端末50として説明した。しかし、この前記アラーム再生端末機は、普通のパソコンであっても構わない。パソコンにインストールされた専用のソフトウェアでこれを実現しても構わない。また、前記アラーム再生端末機は、携帯電話であったて構わない。携帯電話機の持つGPS情報があれば、その位置を特定できるので、その位置さえ常に把握できていれば、前記アラーム再生端末機と同様のことができる。また、前記移動体通信端末機に音声を再生する機能を設ければ、携帯電話と同様となる。
これらを広義に扱えば、コンピューター装置がアラーム再生端末の代わりとなりうる。
但し、パソコンであれば、電源が常に付いている保証がなく、携帯電話や移動体通信端末機だと、電波が届かない位置にいる場合もある。これらを鑑みると、予め専用に設置し、常時電源を入れておく、アラーム再生端末の意義は大きい。
【0038】
このように本発明を用いれば、移動体通信端末機の持つ人などが、位置の追跡を開始又は停止すべきタイミングを自動的に検出するので、位置の追跡を開始・停止をし忘れることがなく、非常時には、移動体通信端末機の位置情報が、あらかじめ設置されたアラーム再生端末の位置と近傍になると、アラーム再生端末はアラーム音声で知らせるので、より緊急を要する場合では、すぐに近くの人がかけつけることができる。
【符号の説明】
【0039】
1、20、40 移動体通信端末機
15、30、 サーバー
3、24 パソコン
4、26 携帯電話
5、25、50 アラーム再生端末
11、27 電子タグ読取端末機
16、23 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の持つ移動体通信端末機の位置情報を知ることのできるシステムと、該システムとネットワークを通じ該システムから位置情報を受信するサーバーと、該サーバーは少なくともデータベースと記憶装置を構成し、記憶装置には音声データを格納でき、該サーバーはネットワークを通じ、コンピューター装置若しくはアラーム再生端末に電文若しくは音声データを送信する手段を持つ、移動通信端末機の位置追跡通報システムであって、
該移動体通信端末機の非常ボタンが押された時には、該移動体通信端末機の位置情報と非常ボタンが押されたことを該システムから該サーバーへと電文で通知するステップと、該サーバーは所定のコンピューター装置若しくはアラーム再生端末に非常であることを電文で通知するステップと、
前記、該移動通信端末機の位置情報から、近傍の位置するコンピューター装置若しくはアラーム再生端末に、電文又は音声データを送信するステップと、
前記、電文又は音声データを受信したコンピューター装置若しくはアラーム再生端末は、電文を表示するステップと、音声データを音声再生するステップを具備したことを特徴とする移動通信端末機の位置追跡通報システム。
【請求項2】
請求項1の移動通信端末機の位置追跡通報システムであって、
該移動体通信端末機の非常ボタンが押された時には、該移動体通信端末機の位置情報と非常ボタンが押されたことを該システムから該サーバーへと電文で通知するステップと、該サーバーは所定のコンピューター装置若しくはアラーム再生端末に非常であることを電文で通知するステップと、該コンピューター装置若しくはアラーム再生端末は電文を受信し電文を表示するステップと、
該コンピューター装置若しくはアラーム再生端末は緊急救助情報を該サーバーに電文で送信するステップと、該サーバーは緊急救助情報の電文受信し、該移動通信端末機の位置情報から、近傍の位置するコンピューター装置若しくはアラーム再生端末に、緊急救助情報の電文又は予め該サーバーに保存された音声データを送信するステップと、
前記、緊急救助情報の電文又は音声データを受信したコンピューター装置若しくはアラーム再生端末は、緊急救助情報の電文を表示するステップと、音声データを音声再生するステップを具備したことを特徴とする移動通信端末機の位置追跡通報システム。
【請求項3】
請求項1の移動通信端末機の位置追跡通報システムであって、
該移動体通信端末機の非常ボタンが押された時には、該移動体通信端末機の位置情報と非常ボタンが押されたことを該システムから該サーバーへと電文で通知するステップと、該サーバーは所定のコンピューター装置若しくはアラーム再生端末に非常であることを電文で通知するステップと、該コンピューター装置若しくはアラーム再生端末は電文を受信し電文を表示するステップと、
該コンピューター装置若しくはアラーム再生端末は、緊急救助情報の電文と音声データを該サーバーに送信するステップと、該サーバーは前記緊急救助情報の電文と音声データを受信し、該移動通信端末機の位置情報から、近傍の位置するコンピューター装置若しくはアラーム再生端末に、前記緊急救助情報の電文と音声データを送信するステップと、
前記緊急救助情報の電文と音声データを受信したコンピューター装置若しくはアラーム再生端末は、緊急救助情報の電文を表示するステップと、音声データを音声再生するステップとを具備したことを特徴とする移動通信端末機の位置追跡通報システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3の移動通信端末機の位置追跡通報システムであって、
該移動体通信端末機の位置情報から、予め決まった時間帯に、予め決まった位置を検出することで、該移動体通信端末機の位置を追尾する開始と停止を決めることを特徴とする移動通信端末機の位置追跡通報システム。
【請求項5】
請求項1から請求項3の移動通信端末機の位置追跡通報システムであって、
該移動通信端末機には、電子タグが取り付けられ、予め決まった位置には、電子タグ読み取りアンテナを具備する電子タグ読取端末機が配置され、該電子タグ読取端末機は、該サーバーとネットワークで接続されていて、
該電子タグ読取端末機は、該移動通信端末機の電子タグのID番号を受信し、ID番号を該サーバーに送信し、該サーバーはID番号から特定の該移動通信端末機を検索し、照合されたら、予め決まった時間帯によって、移動体通信端末機の位置を追尾する開始と停止を決めることを特徴とする移動通信端末機の位置追跡通報システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5の移動通信端末機の位置追跡通報システムであって、
該移動通信端末機には、メッセージ表示部を備え、該サーバーからの送信された電文を前記メッセージ表示部に表示する手段を具備し、
該移動通信端末機には、ボタンを備え、ボタンを押した時には、該サーバーへボタン情報を電文で送信する手段を具備することを特徴とした、移動通信端末機の位置追跡通報システムの移動通信端末機。
【請求項7】
請求項1から請求項5の移動通信端末機の位置追跡通報システムであって、
該コンピューター装置若しくはアラーム再生端末は、メッセージ表示部を備え、該サーバーからの電文を前記メッセージ表示部に表示することを具備し、
該コンピューター装置若しくはアラーム再生端末には、ボタンを備え、ボタンを押した時には、該サーバーへボタン情報を電文で送信することを特徴とした、移動通信端末機の位置追跡通報システムのアラーム再生端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−35517(P2011−35517A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177618(P2009−177618)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(506210211)株式会社ニューコム (17)
【Fターム(参考)】