説明

移動駆動ユニットの動きを調整するシステムおよび方法

【課題】一つまたは複数の移動駆動ユニットを作業スペース内で動かす方法を提供する。
【解決手段】一つまたは複数の移動駆動ユニットを作業スペース内で動かす方法が、第一の移動駆動ユニットから、第一の方向に動くために第一の経路セグメントの使用を要求する予約要求を受信する段階を含む。本方法はさらに、前記第一の経路セグメント上に第二の移動駆動ユニットが現在位置されていることを判定する段階と、前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いているかどうかを判定する段階とを含む。さらに、本方法は、前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いているのではないと判定するのに応答して、前記予約要求が拒否されることを示す予約応答を送信する段階を含む。本方法はまた、前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いていると判定するのに応答して、前記予約要求が承認されることを示す予約応答を送信する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概括的には目録品システム(inventory system)に、より詳細には目録品システム内で移動式駆動ユニットの効率的な管理のための方法およびシステムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
メールオーダー商店、供給チェーン物流センター、空港荷物システムおよび特別注文の製造施設におけるもののような現代の目録品システムは、目録品(inventory item)に対する要求に応答することにおいて、著しい課題に直面している。目録品システムが大きくなるにつれ、多数の梱包、保管およびその他の目録品関係のタスクを同時に完了する課題は些細なものではなくなる。多数の多岐にわたる目録品要求(inventory request)に応答することを背負う目録品システムにおいては、スペース、設備およびマンパワーを含むシステム資源の非効率な利用はより低いスループット、受け入れられないほど長い応答時間、未完了のタスクの増大し続ける滞貨および一般に貧弱なシステム・パフォーマンスにつながりうる。さらに、多くの目録品システムの大きさまたは機能を拡大または縮小することは既存のインフラストラクチャーおよび設備に対する著しい変化を要求する。結果として、容量または機能性に対する増分的な変化のコストは禁止的なまでに高価になることがあり、システム・スループットにおける揺動をシステムが受け入れる能力を制限する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明により、目録品の保管に関連する欠点および問題が著しく軽減または解消された。特に、移動目録品システムであって、一つまたは複数の目録品ホルダー(inventory holder)のうちの任意のものを、当該移動目録品システムに付随する物理的スペース内の位置間で動かすことのできる一つまたは複数の移動駆動ユニット(mobile drive unit)を含む移動目録品システムが提供される。
【0004】
本発明のある実施形態によれば、一つまたは複数の移動駆動ユニットを作業スペース内で動かす方法が、第一の移動駆動ユニットから、第一の方向に動くために第一の経路セグメントの使用を要求する予約要求を受信する段階を含む。本方法はさらに、前記第一の経路セグメント上に第二の移動駆動ユニットが現在位置されていることを判定する段階と、前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いているかどうかを判定する段階とを含む。さらに、本方法は、前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いているのではないと判定するのに応答して、前記予約要求が拒否されることを示す予約応答を送信する段階を含む。さらに、本方法は、前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いていると判定するのに応答して、前記予約要求が承認されることを示す予約応答を送信する段階を含む。
【0005】
本発明のもう一つの実施形態によれば、目録品を輸送するシステムは、複数の移動駆動ユニットと、複数の目録品ホルダーと、管理モジュールとを有する。前記管理モジュールは、第一の移動駆動ユニットから、第一の方向に動くために第一の経路セグメントの使用を要求する予約要求を受信する。前記管理モジュールは、前記第一の経路セグメント上に第二の移動駆動ユニットが現在位置されていることを判定し、前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いているかどうかを判定する。前記管理モジュールは、前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いているのではないと判定するのに応答して、前記予約要求が拒否されることを示す予約応答を送信する。前記管理モジュールは、前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いていると判定するのに応答して、前記予約要求が承認されることを示す予約応答を送信する。
【0006】
本発明のある種の実施形態の技術的利点は、目録品関係のタスクを完了させるためのスペースおよび設備の使用を最適化できることを含む。さらに、個別的な実施形態は、複数の独立して動作する駆動ユニットを利用しうる。各駆動ユニットは、それぞれ目録品システム内の任意のところに保管される特定の目録品にアクセスし、これを動かすことができる。そのような構成は目録品システムが任意の順序でシステム内の保管されている任意の品目にアクセスする能力を提供でき、簡単にスケーラブルでポータブルであるシステムにおいて複数の目録品タスクの並行した完了を許容できる。本発明のある種の実施形態の他の技術的利点は、システムの成長および修正を受け入れるよう簡単に適応されることができる柔軟かつスケーラブルな目録品保管ソリューションを提供することと、システムレベルの資源を効率的な仕方で個々のタスクの完了に割り当てることを含む。
【0007】
本発明の他の技術的利点は、以下の図面、説明および請求項から当業者にはすぐ明白となろう。さらに、個別的な利点が上記で列挙されたが、さまざまな実施形態は列挙された利点の全部を含むこともあれば、一部を含むこともあり、どれも含まないこともある。
本発明およびその利点のより完全な理解のために、ここで付属の図面と一緒に参照される以下の記述が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】特定の実施形態に基づく、目録品システムのコンポーネントを示す図である。
【図2】図1に示された目録品システムの特定の諸実施形態において利用差売る例示的な管理モジュールのコンポーネントをより詳細に示す図である。
【図3A】図1に示された目録品システムの特定の諸実施形態において利用されうる例示的な移動駆動ユニットをより詳細に示す図である。
【図3B】図1に示された目録品システムの特定の諸実施形態において利用されうる例示的な移動駆動ユニットをより詳細に示す図である。
【図4】図1に示された目録品システムの特定の諸実施形態において利用されうる例示的な目録品ホルダーをより詳細に示す図である。
【図5】図1に示された目録品システムの特定の諸実施形態における管理モジュールによって利用されうる経路制御および予約技法の例を示す図である。
【図6】目録品システム内の移動駆動ユニットの動きを管理することにおける管理モジュールの特定の実施形態の例示的な動作を詳細に示すフローチャートである。
【図7】移動駆動ユニットの現在の状態に基づいて、要求元移動駆動ユニットについての経路を計画することができる、移動駆動ユニットの例示的な実施形態を示す図である。
【図8】図7に記載される技法を実装することにおいて、管理モジュールの特定の実施形態の例示的な動作を詳細に示すフローチャートである。
【図9】割り当て状態に基づいて移動駆動ユニットの配置を最適化することができる目録品システムの例示的な実施形態を示す図である。
【図10】移動駆動ユニットの配置をその能力状態に基づいて最適化することができる目録品システムの例示的な実施形態を示す図である。
【図11】図9に記載された技法を実装することにおいて管理モジュールの特定の実施形態の例示的な動作を詳細に示すフローチャートである。
【図12A】移動駆動ユニットの特定の諸実施形態によって実行されうる調整された移動の例を示す図である。
【図12B】移動駆動ユニットの特定の諸実施形態によって実行されうる調整された移動の例を示す図である。
【図12C】移動駆動ユニットの特定の諸実施形態によって実行されうる調整された移動の例を示す図である。
【図12D】移動駆動ユニットの特定の諸実施形態によって実行されうる調整された移動の例を示す図である。
【図12E】移動駆動ユニットの特定の諸実施形態によって実行されうる調整された移動の例を示す図である。
【図13】図12A〜Eに示された調整された移動を容易にすることにおける管理モジュールの例示的な動作を詳細に示すフローチャートである。
【図14】図12A〜Eに示された調整された移動を実装することにおける移動駆動ユニットの例示的な動作を詳細に示すフローチャートである。
【図15】作業スペースの別個の諸部分の間で移動駆動ユニットを輸送することができる搬送設備を含む目録品システムの例示的な実施形態を示す図である。
【図16】搬送設備の利用可能性および特性に基づいてタスクを割り当てることにおいて目録品システムが使用しうる技法を示す図である。
【図17】駆動リフト(drive lift)を利用する作業スペース中での移動駆動ユニットについての経路を選択することにおける資源スケジューリング・モジュールの特定の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図18】目録品ホルダーの回転のための一つまたは複数の回転領域を含む目録品システムの例示的な実施形態を示す図である。
【図19A】回転領域を利用することにおける移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図19B】回転領域を利用することにおける移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図19C】回転領域を利用することにおける移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図19D】回転領域を利用することにおける移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図19E】回転領域を利用することにおける移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図20A】図18および図19A〜19Eに示された回転領域の外側に目録品ホルダーを輸送する間の、移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図20B】図18および図19A〜19Eに示された回転領域の外側に目録品ホルダーを輸送する間の、移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図20C】図18および図19A〜19Eに示された回転領域の外側に目録品ホルダーを輸送する間の、移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図20D】図18および図19A〜19Eに示された回転領域の外側に目録品ホルダーを輸送する間の、移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図20E】図18および図19A〜19Eに示された回転領域の外側に目録品ホルダーを輸送する間の、移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【図20F】図18および図19A〜19Eに示された回転領域の外側に目録品ホルダーを輸送する間の、移動駆動ユニットの特定の実施形態の例示的な動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、目録品システム10の内容を示している。目録品システム10は、管理モジュール15、一つまたは複数の移動駆動ユニット20、一つまたは複数の目録品ホルダー30および一つまたは複数の目録品ステーション50を含む。移動駆動ユニット20は、管理モジュール15によって通信されるコマンドに応答して、作業スペース70内の点の間で、目録品ホルダー30を輸送する。各目録品ホルダー30は一つまたは複数の種類の目録品を保管している。結果として、目録品システム10は、目録品システム10からの目録品の入力(entry)、処理(processing)および/または取り出し(removal)ならびに目録品に関わるその他のタスクの完了を容易にするために、作業スペース70内の位置間で目録品を動かすことができる。
【0010】
管理モジュール15は、目録品システム10の適切なコンポーネントにタスクを割り当て、タスクを完了することにおけるさまざまなコンポーネントの動作を調整する。これらのタスクは、目録品の移動および処理のみならず、目録品システムのコンポーネントの管理および維持に関するものでもよい。たとえば、管理モジュール15は作業スペースの諸部分を、移動駆動ユニット20の駐機(parking)スペースとして、移動駆動ユニット・バッテリーのスケジュールされた再充電または交換、空の目録品ホルダー30の保管または目録品システム10およびそのさまざまなコンポーネントによってサポートされる機能性に関連する他の任意の動作のために割り当てうる。管理モジュール15は、これらのタスクを実行するために目録品システム10のコンポーネントを選択し、これらの動作の完了を容易にするために選択されたコンポーネントに適切なコマンドおよび/またはデータを通信しうる。図1には単一の離散的なコンポーネントとして示されているが、管理モジュール15は複数のコンポーネントを表していてもよく、移動駆動ユニット20または目録品システム10の他の要素の諸部分を含んでいてもよい。結果として、下記に記載される特定の移動駆動ユニット20と管理モジュール15との間の対話の任意のものまたは全部が、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20と一つまたは複数の他の移動駆動ユニット20との間のピアツーピアの通信を表していてもよい。管理モジュール15の例示的な実施形態の内容および動作について、図2に関してさらに述べる。
【0011】
移動駆動ユニット20は、作業スペース70内の位置間で目録品ホルダー30を動かす。移動駆動ユニット20が表しているのは、目録品ホルダー30および/または目録品システム10の他の要素の特性および構成に基づいて目録品システム10において使うために適切ないかなるデバイスまたはコンポーネントであってもよい。目録品システム10のある特定の実施形態では、移動駆動ユニット20は、作業スペース70を自由に動き回るよう構成された、独立した、自己動力のデバイスを表す。代替的な諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30をトラック、レール、ケーブルまたは作業スペース70を通る他の案内もしくは支持要素に沿って動かすよう構成された、軌道式(tracked)目録品システム10の要素を表していてもよい。そのような実施形態では、移動駆動ユニット20は、電力を与えられたレール(powered rail)のような案内要素への接続を通じて動力および/または支持を受領しうる。さらに、目録品システム10の特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、作業スペース70内および/または作業スペース70の別個の諸部分間を動くために代替的な搬送設備を利用するよう構成されてもよい。移動駆動ユニット20の例示的な実施形態の内容および動作は図3Aおよび図3Bとの関連でのちにさらに論じる。
【0012】
さらに、移動駆動ユニット20は、選択された目録品ホルダー30を同定する情報を受領し、移動駆動ユニット20の位置を送信し、あるいは動作中、管理モジュール15または移動駆動ユニット20によって使われるべき他の任意の好適な情報を交換するために、管理モジュール15と通信できてもよい。移動駆動ユニット20の管理モジュール15との通信は、無線であっても、移動駆動ユニット20と管理モジュール15との間の有線接続を使ってであっても、および/または他のいかなる好適な仕方でであってもよい。一例として、移動駆動ユニット20の個々の実施形態は、管理モジュール15と、および/または互いとの間で、802.11、Bluetoothまたは赤外線データ協会(IrDA: Infrared Data Association)規格または他の任意の好適な無線通信プロトコルを使って通信してもよい。もう一つの例として、軌道式目録品システム10において、移動駆動ユニット20がその上を動く軌道または他の案内要素が、移動駆動ユニット20と目録品システム10の他のコンポーネントとの間の通信を容易にするために結線されてもよい。さらに、上記したように、管理モジュール15は、個々の移動駆動ユニット20のコンポーネントを含んでいてもよい。よって、本記載および付属の請求項の目的のためには、管理モジュール15と特定の移動駆動ユニット20との間の通信が、特定の移動駆動ユニット20のコンポーネント間の通信を表していることもありうる。一般に、移動駆動ユニット20は、目録品システム10の構成および特性に基づいて適切ないかなる仕方で動力を受け、推進され、制御されてもよい。
【0013】
目録品ホルダー30は、目録品を保管する。ある特定の実施形態では、目録品ホルダー30は複数の保管ビンを含み、各保管ビンが一つまたは複数の型の目録品を保持することができる。目録品ホルダー30は、移動駆動ユニット20によって、運ばれ、ローラー移動され(rolled)、および/または他の仕方で動かされることができる。個別的な実施形態では、目録品ホルダー30は、目録品ホルダー30を動かすときに移動駆動ユニット20によって提供される推力を補充する追加的な推力を提供してもよい。
【0014】
さらに、各目録品ホルダー30は、複数の面(face)を含んでいてもよく、各ビンは目録品ホルダー30の一つまたは複数の面を通じてアクセス可能であってもよい。たとえば、ある特定の実施形態において、目録品ホルダー30は4つの面を含む。そのような実施形態では、二つの面の角に位置するビンは、それら二つの面のどちらを通じてでもアクセスできてもよい。その一方、残りのビンのそれぞれは、4つの面のうちの一つにおける開口を通じてアクセスできる。移動駆動ユニット20は、適切な時点に目録品ホルダー30を回転させて、ある特定の面と、その面に付随したビンを目録品システム10のオペレーターまたは他のコンポーネントに呈するよう構成されうる。目録品ホルダー30の例示的な実施形態の内容および動作は、図4との関連でのちにさらに論じる。
【0015】
目録品(inventory item)は、自動化された目録品システム10における保管、取り出しおよび/または処理のために好適な任意の対象を表す。本記載の目的のためには、「目録品」は、目録品システム10に保管されるある特定の型の任意の一つまたは複数の対象を表しうる。よって、特定の目録品ホルダー30は、その目録品ホルダー30が現在、その型の一つまたは複数の単位を保持している場合、その特定の目録品を現在「保管している(storing)」ことになる。一例として、目録品システム10はメールオーダー商店の施設を表していてもよく、目録品は該商店の施設に保管された商品を表していてもよい。動作の間、移動駆動ユニット20は、注文に含まれる、顧客に配達するために梱包されるべき一つまたは複数の目録品を含む目録品ホルダー30または発送のための目録品の集積されたコレクションを含むパレットを担持する目録品ホルダー30を取り出しうる。
さらに、目録品システム10の特定の諸実施形態では、完了された注文を含む箱それ自身が目録品目を表していてもよい。
【0016】
もう一つの例として、目録品システム10は、商品返品施設を表していてもよい。そのような実施形態では、目録品は、顧客によって返品される商品を表していてもよい。これらの目録品の単位は、その施設において受領されるときに、目録品ホルダー30に保管されうる。適切な時点において、多数の単位が特定の目録品ホルダー30から取り出されて、商店またはその他の施設に送り返すために梱包されうる。たとえば、ある特定の目録品の個々の単位が、受領されたその目録品の単位の個数が閾値に達するまで、目録品ホルダー30において受領され、保管されうる。移動駆動ユニット20は、この状態にある目録品ホルダー30を取り出すタスクを与えられてもよい。その際、パレットに、その目録品ホルダー30から取り出された目録品を積まれ、そのパレットがメールオーダー商店のような別の施設に発送されてもよい。
【0017】
もう一つの例として、目録品システム10は、空港荷物施設を表していてもよい。そのような実施形態では、目録品は、その荷物施設に保管される個々の荷物を表していてもよい。移動駆動ユニット20は、特定のフライトで到着するおよび/または出発する荷物あるいはX線探査もしくは手による探査といった特定の種類の処理にかけられるべき荷物を含む目録品ホルダー30を取り出しうる。
【0018】
さらにもう一つの例として、目録品システム10は、製造施設を表していて、目録品は、製造キットの個々のコンポーネントを表していてもよい。より具体的には、これらのコンポーネントは、カスタマイズされたコンピュータ・システムのための電子コンポーネントのような、組み立てられた製品に含められるよう意図されたコンポーネントを表していてもよい。そのような実施形態では、目録品システム10は、その製品のカスタマイズされたバージョンが組み立てられるよう、その製品についての注文に関連する仕様によって指定された特定の諸コンポーネントを取り出しうる。いくつかの例示的な実施形態を記述しているが、目録品システム10は一般に、目録品を保管し、処理するためのいかなる公的な施設またはシステムを表していてもよく、目録品は特定の目録品システム10における保管、取り出しおよび/または処理のために好適ないかなる型の対象を表していてもよい。
【0019】
特定の諸実施形態では、目録品システム10は一つまたは複数の目録品ステーション50をも含んでいてもよい。目録品ステーション50は、目録品に関わる特定のタスクの完了のために指定された位置を表す。そのようなタスクは、目録品ホルダー30からの目録品の取り出し、目録品ホルダー30への目録品の導入、目録品ホルダー30内の目録品の計数、目録品の分解(たとえば、パレット・サイズまたはケース・サイズのグループから個々の目録品へ)および/または他の任意の好適な仕方での目録品の処理もしくは扱いを含みうる。個別的な諸実施形態では、目録品ステーション50は単に目録品に関わる特定のタスクが完了されることができる作業スペース70内の物理的な位置を表していてもよい。代替的な諸実施形態では、目録品ステーション50は物理的位置および目録品を処理または扱うための任意の適切な設備の両方を表してもよい。該設備は、目録品システム10を出入りする目録品の流れを監視するためのスキャナ、管理モジュール15と通信するための通信インターフェースおよび/または他の任意の好適なコンポーネントといったものである。目録品ステーション50は、完全にまたは部分的に人間のオペレーターによって制御されてもよいし、あるいは完全に自動化されてもよい。さらに、目録品ステーション50の人間または自動化されたオペレーターは、目録品システム10の動作の一部として、目録品に対して、目録品の梱包または計数といったある種のタスクを実行できてもよい。
【0020】
作業スペース70は、移動駆動ユニット20が移動できる、および/または目録品ホルダー30が保管されることができる、目録品システム10に付随する領域を表す。たとえば、作業スペース70は、目録品システム10が動作するメールオーダー商店の床の全部または一部を表していてもよい。例示の目的のために図1に示される目録品システム10の実施形態では、作業スペース70は、固定した、所定の、有限の物理的スペースを含むが、目録品システム10の個々の実施形態は、大きさが可変および/または幾何形状が任意の作業スペース70内で動作するよう構成された移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30を含んでいてもよい。図1は、作業スペース70が完全に建物内で囲まれているような目録品システム10の特定の実施形態を示しているが、代替的な諸実施形態は作業スペース70の一部または全部が戸外に、移動体(貨物船のような)内に、あるいはいかなる固定した構造にも制約されない他の形で位置される作業スペース70を利用してもよい。
【0021】
さらに、特定の諸実施形態では、作業スペース70は互いから物理的に離間した複数の部分を含んでいてもよい。該部分は、これに限られないが、別個の床、部屋、建物および/または他の任意の好適な仕方で分割された諸部分を含む。移動駆動ユニット20は、垂直または水平コンベヤー、トラック、フェリー、ゴンドラ、エスカレーターおよび/または移動駆動ユニット20を作業スペース70の別個の諸部分の間で搬送するのに好適な他の適切な設備といった代替的な搬送設備を利用するよう構成されてもよい。
【0022】
図5との関連でのちにより詳細に論じるように、特定の諸実施形態では、作業スペース70は、作業スペース70内の複数の点をつなぐグリッド(図5ではグリッド12として示されている)と関連付けられる。このグリッドは、作業スペース70をセル14と呼ばれるいくつかの部分に分割しうる。セル14は正方形、長方形、多角形および/または他の任意の適切な形であってよい。特定の諸実施形態では、作業スペース70は、セル14が目録品ホルダー30よりやや大きな大きさをもつよう分けられてもよい。これは、目録品システム10が、近隣のセル14を通じて輸送されている目録品ホルダー30どうしの間の衝突が起こることなく、最小サイズの作業スペース70を利用することを許容する。しかしながら、一般に、セル14は、目録品システム10の諸コンポーネントの構成および特性に基づいて適切ないかなる仕方で大きさを決められてもよい。さらに、作業スペース70は、セル14によって大きさおよび/または形が変わりうる不規則グリッド12を利用してもよい。
【0023】
動作では、管理モジュール15は、特定のタスクを完了させるための適切なコンポーネントを選択し、関連するタスクの完了をトリガーするための選択されたコンポーネントへのタスク割り当て18を送信する。各タスク割り当て18は特定のコンポーネントによって完了されるべき一つまたは複数のタスクを定義する。これらのタスクは、目録品の取り出し、保管、補充および計数および/または移動駆動ユニット20、目録品ホルダー30、目録品ステーション50および目録品システム10の他のコンポーネントの管理に関係していてもよい。コンポーネントおよび完了されるべきタスクに依存して、特定のタスク割り当て18は、対応するタスクに関連付けられた位置、コンポーネントおよび/またはアクションおよび/または割り当てられたタスクを完了させる際に関連するコンポーネントによって使用されるべき他の任意の適切な情報を同定してもよい。
【0024】
特定の諸実施形態では、管理モジュール15は、タスク割り当て18を、部分的に、管理モジュール15が目録品システム10の他のコンポーネントからおよび/または管理モジュール15と通信する外部コンポーネントから受領する目録品要求に基づいて生成する。これらの目録品要求は、目録品システム10内に保管されているまたは保管されるべき目録品に関わる完了されるべき特定の動作を同定し、いかなる好適な形の通信を表していてもよい。たとえば、特定の諸実施形態において、目録品要求は、顧客が購入し、目録品システム10から顧客への発送のために取り出されるべき特定の目録品を指定する発送注文を表していてもよい。管理モジュール15はまた、タスク割り当て18を、目録品システム10の全体的な管理および維持の一部として、そのような目録品要求とは独立して生成してもよい。たとえば、管理モジュール15は、特定のイベントの生起に応答して(たとえば、移動駆動ユニット20が駐機するスペースを要求するのに応答して)、所定のスケジュールに従って(たとえば日々のスタートアップ・ルーチンとして)、あるいは目録品システム10の構成および特性に基づく任意の適切な時間に基づいて、タスク割り当て18を生成してもよい。一つまたは複数のタスク割り当て18を生成した後、管理モジュール15は、生成されたタスク割り当て18を対応するタスクの完了のための適切なコンポーネントに送信する。すると、関連するコンポーネントが割り当てられたタスクを実行する。
【0025】
移動駆動ユニット20に関し、特に、管理モジュール15は、特定の諸実施形態において、選択された移動駆動ユニット20にタスク割り当て18を通信してもよい。それは選択された移動駆動ユニット20について一つまたは複数の行き先を同定する。管理モジュール15は関連するタスクを割り当てる移動駆動ユニット20を選択するのを、選択される移動駆動ユニット20の位置または状態、選択される移動駆動ユニット20が先に割り当てられたタスクを完了したという指標、所定のスケジュールおよび/または他の任意の好適な考察に基づいて行ってもよい。これらの行き先は、管理モジュール15が実行している目録品要求または管理モジュール15が満たそうとしている管理目標に関連付けられていてもよい。たとえば、タスク割り当ては、全体としての目録品システム10または目録品システム10の個々のコンポーネントの構成、特性および/または状態に基づき、取り出されるべき目録品ホルダー30の位置、訪問されるべき目録品ステーション50、移動駆動ユニット20が別のタスクを受領するまで駐機する保管位置または他の任意のタスクに関連付けられた位置を定義してもよい。たとえば、特定の諸実施形態において、そのような決定は、特定の目録品の人気、特定の目録品ステーション50の人員状況、特定の移動駆動ユニット20に現在割り当てられているタスクおよび/または他の任意の適切な考察に基づいていてもよい。
【0026】
これらのタスクを完了することの一環として、移動駆動ユニット20は作業スペース70内の目録品ホルダー30とドッキングしてこれを輸送してもよい。移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30とドッキングするのは、ドッキングしたときに移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30に結合されおよび/またはこれを支持して目録品ホルダー30を作業スペース70内で動かすことができるようになるよう、目録品ホルダー30に接続する、目録品ホルダー30を持ち上げるおよび/または他の仕方で目録品ホルダー30と相互作用することによってでよい。本記述は特定の仕方でドッキングするよう構成された移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30の特定の実施形態に焦点を当てているが、移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30を作業スペース70内で動かすことを許容するのに好適な任意の仕方でドッキングするよう構成された、移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30の他の実施形態が構成されてもよい。さらに、後述するように、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は目録品ホルダー30の全部または諸部分を表す。そのような実施形態では、移動駆動ユニット20は目録品ホルダー30を輸送する前に目録品ホルダー30にドッキングしなくてもよい、および/または、移動駆動ユニット20はそれぞれ、特定の目録品ホルダー30に連続的にドッキングされたままでいてもよい。
【0027】
目録品システム10の適切なコンポーネントが割り当てられたタスクを完了させる間、管理モジュール15は、目録品システム10に利用可能なスペース、設備、マンパワーおよび他の資源の効率的な使用を保証するために関連するコンポーネントと対話してもよい。そのような対話の一つの個別的な例として、管理モジュール15は、特定の諸実施形態では、作業スペース70で動くときに移動駆動ユニット20がとる経路を計画し、作業スペース70の特定の部分の使用を特定の移動駆動ユニット20に割り当てられたタスクを完了させるために割り当てることを受け持ってもよい。そのような実施形態では、移動駆動ユニット20は、タスクを割り当てられるのに応答して、そのタスクに関連する特定の行き先への経路を要求してもよい。さらに、以下の記述は、移動駆動ユニット20が経路を管理モジュール15に要求する一つまたは複数の実施形態に焦点を当てているが、代替的な実施形態では移動駆動ユニット20は自分自身の経路を生成してもよい。
【0028】
管理モジュール15は、要求元移動駆動ユニット20の現在位置と要求された行き先との間の経路を選択し、この経路を同定する情報を移動駆動ユニット20に通信してもよい。管理モジュール15は、要求元移動駆動ユニット20が行き先に達するためにとる最適経路を選択するために、現在の輻輳、過去のトラフィック傾向、タスク優先度付けおよび/または他の適切な考察の知識を利用してもよい。さらに、経路を計画するにあたり(またはタスクを割り当てるにあたり)、管理モジュール15は、リフト、コンベヤー、ランプ(ramp)、トンネルおよび/または関連する移動駆動ユニット20の移動を容易にするための作業スペース70の他の搬送設備もしくは機能の使用に関して、情報を得た上での決定(informed decision)を行ってもよい。これについては図15〜図17に関して後述する。
【0029】
管理モジュール15から経路を受領した後、要求元移動駆動ユニット20は、セグメントごとに経路をたどって行き先に移動しうる。特定のセグメントを開始する前に、関連する移動駆動ユニット20は、管理モジュール15に、そのセグメントを使う許可を要求してもよい。結果として、管理モジュール15は、そのセグメントを、その移動駆動ユニット20の使用のために予約しうる。結果として、管理モジュール15は、作業スペース70の特定の部分の使用に対する競合する要求を解決することを受け持ちうる。このプロセスの例示的な実装は、図5との関連でのちに詳細に論じられる。
【0030】
さらに、目録品システム10のコンポーネントは、管理モジュールに、自分の現在の状態、相互作用している目録品システム10の他のコンポーネントおよび/または目録品システムの動作に関連する他の条件に関する情報を提供してもよい。これは、管理モジュール15が動作条件の変化または特定のイベントの生起に応答するべく、関連するコンポーネントからのフィードバックを利用して、アルゴリズム・パラメータを更新し、ポリシーを調整し、あるいは他の仕方で自分の意思決定を修正することを許容する。
【0031】
さらに、管理モジュール15は目録品システム10のコンポーネントの動作のさまざまな側面を管理するよう構成されていてもよいが、特定の諸実施形態では、コンポーネント自身も、コンポーネントの動作のある種の側面に関係する意思決定をすることを受け持ってもよい。これにより管理モジュール15に対する処理負荷が軽減される。具体的には、個々のコンポーネントは、これらのコンポーネントが目録品システム10の全体的な効率を下げることなく自らの有効性を改善するような仕方で、ある種の局在化された状況に対して独立して応答するよう構成されていてもよい。一例として、ある種の条件下で、管理モジュール15は、セグメント予約に関するポリシーを修正して作業スペース70の特定のセル14内での複数の移動駆動ユニット20の同時の動きを許可し、関連する移動駆動ユニット20がそうしない場合に許されるよりも互いにより近接して動作することを許容してもよい。そのような条件下で動作するとき、管理モジュール15は、衝突を防ぐために、移動駆動ユニット20の独立した意思決定に頼ってもよい。図12A〜12E、図13および図14は、そのような条件下で動作する移動駆動ユニット20の例を示している。
【0032】
よって、目録品システム10のさまざまなコンポーネントの位置、現在状態および/または他の特性の知識ならびに現在完了されつつあるすべてのタスクの認識に基づいて、管理モジュールは、システム全体での視点から動作を最適化する仕方で、タスクを生成し、システム資源の使用を割り当て、他の仕方で個々のコンポーネントによるタスクの完了を指揮することができる。さらに、中央集中されたシステム全体にわたる管理と局所化されたコンポーネント個別の意思決定の両方の組み合わせに依拠することによって、目録品システム10の特定の諸実施形態は、目録品システム10の動作のさまざまな側面を効率的に実行するためのいくつかの技法をサポートすることができうる。結果として、管理モジュール15の特定の諸実施形態は、後述する一つまたは複数の管理技法を実装することによって、目録品システム10の効率を高め、および/または他の動作上の恩恵を提供しうる。
【0033】
図2〜図4はそれぞれ、管理モジュール15、移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30の特定の実施形態の内容をより詳細に示している。図5〜図20は、目録品システム10のある種の実施形態によってサポートされうる個別的な管理技法の例を示している。図2〜図4は管理モジュール15、移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30の特定の例示的な実施形態を記載しているが、図5〜図20との関連で記載される技法は目録品システム10内でいかなる適切な種類のコンポーネントを使って利用されてもよい。
【0034】
図2は、管理モジュール15の特定の実施形態のコンポーネントをより詳細に示している。図のように、本例示的実施形態は、資源スケジューリング・モジュール92、ルート計画モジュール94、セグメント予約モジュール96、通信インターフェース・モジュール98、プロセッサ90およびメモリ91を含む。管理モジュール15は、単一のコンポーネント、目録品システム10内の中央位置に位置する複数のコンポーネントまたは目録品システム10を通じて分散している複数のコンポーネントを表しうる。たとえば、管理モジュール15は、移動駆動ユニット20どうしの間で情報を通信し、作業スペース70内での移動駆動ユニット20の動きを調整することができる一つまたは複数の移動駆動ユニット20のコンポーネントを表していてもよい。一般に、管理モジュール15は、記載される機能性を提供するために好適なハードウェアおよび/またはソフトウェアのいかなる適切な組み合わせを含んでいてもよい。
【0035】
プロセッサ90は、管理モジュール15によって提供される機能性に関連付けられた命令を実行するよう動作可能である。プロセッサ90は、一つまたは複数の汎用コンピュータ、専用マイクロプロセッサまたは電子情報を通信できる他の処理装置を有していてよい。プロセッサ90の例としては、一つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、現場プログラム可能なゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)および他の任意の好適な個別目的または汎用目的プロセッサが含まれる。
【0036】
メモリ91は、目録品システム10のさまざまなコンポーネントについてのプロセッサ命令、目録品要求、予約情報、状態情報および/または管理モジュール15によって動作の間に利用される他の任意の適切な値、パラメータもしくは情報を記憶する。メモリ91は、データを記憶するのに好適な、揮発性もしくは不揮発性、ローカルもしくはリモートのデバイスのいかなる集合および配置を表していてもよい。メモリ91の例は、これに限られないが、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイス、読み取り専用メモリ(ROM)デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイスまたは他の任意の好適なデータ記憶デバイスを含む。
【0037】
資源スケジューリング・モジュール92は、受領された目録品要求を処理し、目録品システム10のコンポーネントによって完了されるべき一つまたは複数の割り当てられたタスクを生成する。資源スケジューリング・モジュール92はまた、割り当てられたタスクを完了するために一つまたは複数の適切なコンポーネントを選択し、通信インターフェース・モジュール98を使って割り当てられたタスクを関連するコンポーネントに通信してもよい。さらに、資源スケジューリング・モジュール92はまた、さまざまな管理動作に関連付けられた割り当てられたタスクを生成することを受け持ってもよい。管理動作とは、移動駆動ユニット20にバッテリーを再充電するか交換してもらうよう促す、不活動な移動駆動ユニット20に予期されるトラフィック流れの外側の位置もしくは将来のタスクの予期されるサイトの近くの位置に駐機するよう指示するおよび/または修理もしくはメンテナンスのために選択された移動駆動ユニット20に指定されたメンテナンス・ステーションのほうに移動するよう指令するといったことである。
【0038】
ルート計画モジュール94は、移動駆動ユニット20からルート要求を受領する。これらのルート要求は、要求元移動駆動ユニット20が実行するタスクに関連付けられた一つまたは複数の行き先を同定する。ルート要求を受領するのに応答して、ルート計画モジュール94は、ルート要求で同定されている一つまたは複数の行き先までの経路を生成する。ルート計画モジュール94は、適切な経路を決定するために、任意の適切なパラメータ、因子および/または考察を利用する任意の適切なアルゴリズムを実装しうる。適切な経路を生成した後、ルート計画モジュール94は、生成された経路を同定するルート応答を、要求元移動駆動ユニット20に、通信インターフェース・モジュール98を使って送信する。このプロセスはのちに図5に関してより詳細に論じる。
【0039】
セグメント予約モジュール96は、ルート計画モジュール94によって生成された経路に沿って動くことを試みる移動駆動ユニット20から予約要求を受領する。これらの予約要求は、要求元移動駆動ユニット20が予約されたセグメントを通って移動する間に他の移動駆動ユニット20との衝突を避けることを許容するよう、作業スペース70の特定の部分(ここでは「セグメント」と称される)の使用を要求する。受領された予約要求に応答して、セグメント予約モジュール96は、予約要求を承認または拒否する予約応答を、要求元移動駆動ユニット20に、通信インターフェース・モジュール98を使って送信する。このプロセスは、のちに図5との関連でより詳細に論じる。
【0040】
通信インターフェース・モジュール98は、予約応答、予約要求、ルート要求、ルート応答およびタスク割り当てを含む、管理モジュール15と目録品システム10の他のコンポーネントとの間の通信を容易にする。これらの予約応答、予約要求、ルート要求、ルート応答およびタスク割り当ては、管理モジュール15の機能に基づいて適切ないかなる形の通信を表していてもよく、いかなる好適な情報を含んでいてもよい。管理モジュール15の構成に依存して、通信インターフェース・モジュール98は、管理モジュール15と目録品システム10のさまざまなコンポーネントとの間の有線および無線通信の一方または両方を容易にすることを受け持ってもよい。特定の諸実施形態では、管理モジュール15は、802.11、Bluetoothまたは赤外線データ協会(IrDA: Infrared Data Association)規格といった通信プロトコルを使って通信してもよい。さらに、管理モジュール15は、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20または目録品システム10の他のコンポーネントの一部分を表してもよい。そのような実施形態では、通信インターフェース・モジュール98は、管理モジュール15と同じシステム・コンポーネントの他の部分との間の通信を容易にしてもよい。
【0041】
一般に、資源スケジューリング・モジュール92、ルート計画モジュール94、セグメント予約モジュール96および通信インターフェース・モジュール98はそれぞれ、記載された機能性を提供するのに好適ないかなる適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを表していてもよい。さらに、上記のように、管理モジュール15は、特定の諸実施形態では、複数の異なる離散的なコンポーネントを表していてもよく、資源スケジューリング・モジュール92、ルート計画モジュール94、セグメント予約モジュール96および通信インターフェース・モジュール98のうちの任意のものまたは全部は、管理モジュール15の残りの要素からは物理的に別個のコンポーネントを表していてもよい。さらに、資源スケジューリング・モジュール92、ルート計画モジュール94、セグメント予約モジュール96および通信インターフェース・モジュール98のうちの任意の二つ以上が共通のコンポーネントを共有してもよい。たとえば、特定の実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92、ルート計画モジュール94、セグメント予約モジュール96はプロセッサ90上で実行されるコンピュータ・プロセスを表し、通信インターフェース・モジュール98は無線送信機、無線受信機およびプロセッサ90上で実行される関係したコンピュータ・プロセスを有する。
【0042】
図3Aおよび3Bは、移動駆動ユニット20のある特定の実施形態のコンポーネントをより詳細に示している。特に、図3Aおよび3Bは、例示的な移動駆動ユニット20の正面図および側面図を含んでいる。移動駆動ユニット20はドッキング・ヘッド110、駆動モジュール120、ドッキング・アクチュエータ130および制御モジュール170を含む。さらに、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20、目録品ホルダー30および/または目録品システム10の他の適切な要素の位置を検出または決定するよう構成された一つまたは複数のセンサーを含みうる。図示した実施形態では、移動駆動ユニット20は位置センサー140、ホルダー・センサー150、障害物センサー160および識別情報信号送信機162を含む。
【0043】
ドッキング・ヘッド110は、移動駆動ユニット20の特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20を目録品ホルダー30に結合させ、および/または移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30にドッキングされたときに目録品ホルダー30を支持する。ドッキング・ヘッド110はさらに、移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30を操縦することを許容してもよい。該操縦は、目録品ホルダー30を持ち上げる、目録品ホルダー30を推進する、目録品ホルダー30を回転させるおよび/または目録品ホルダー30を他の任意の仕方で動かすといったものである。ドッキング・ヘッド110はまた、目録品ホルダー30のそのような操作を容易にするために、リブ、スパイクおよび/または波形(corrugation)といった構成要素の任意の適切な組み合わせを含んでいてもよい。たとえば、特定の諸実施形態では、ドッキング・ヘッド110は、移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30にドッキングされている間に目録品ホルダー30の一部分に当接する高摩擦部分を含みうる。そのような実施形態では、ドッキング・ヘッド110の高摩擦部分と目録品ホルダー30の表面との間で作り出される摩擦力が、ドッキング・ヘッド110が移動および回転するときにそれぞれ目録品ホルダー30における並進および回転の動きを誘起しうる。結果として、移動駆動ユニット20は、ドッキング・ヘッド110を、独立して、あるいは移動駆動ユニット20全体の動きの一環として動かすまたは回転させることによって、目録品ホルダー30を操作することができうる。
【0044】
駆動モジュール120は移動駆動ユニット20を、そして移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30がドッキングされるときには目録品ホルダー30を推進する。駆動モジュール120は、駆動モジュール120を推進するよう動作可能ないかなる適切なコンポーネントの集合を表していてもよい。たとえば、図示した実施形態では、駆動モジュール120は、動力付き(motorized)軸122、一対の動力付き輪124および一対の安定化輪126を含む。動力付き軸122の各端に一つの動力付き輪124が位置されており、一つの安定化輪126が移動駆動ユニット20の各端に位置されている。
【0045】
ドッキング・アクチュエータ130は、移動駆動ユニット20と目録品ホルダー30のドッキングを容易にするために、ドッキング・ヘッド110を目録品ホルダー30のほうに動かす。ドッキング・アクチュエータ130はまた、ドッキング・ヘッド110の位置または配向を、ドッキングを容易にする他の好適な仕方で調節できてもよい。ドッキング・アクチュエータ130は、移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30の構成に基づいて、ドッキング・ヘッド110を動かすためまたは他の仕方でドッキング・ヘッド110の位置または配向を調節するためにいかなる適切なコンポーネントを含んでいてもよい。たとえば、図示した実施形態では、ドッキング・アクチュエータ130は、ドッキング・ヘッド110の中心に取り付けられた動力付きのシャフト(図示せず)を含む。動力付きのシャフトは、目録品ホルダー30とのドッキングのために適宜、ドッキング・ヘッド110を持ち上げるよう動作可能である。
【0046】
駆動モジュール120は、移動駆動ユニット20をいかなる適切な仕方で推進するよう構成されてもよい。たとえば、図示した実施形態では、動力付きの輪124は、移動駆動ユニット20を前方方向に推進するために第一の方向に回転するよう動作可能である。動力付きの輪124はまた、移動駆動ユニット20を後方方向に推進するために第二の方向に回転するようにも動作可能である。図示した実施形態では、駆動モジュール120はまた、動力付きの輪124を互いに異なる方向に回転させることによって、あるいは動力付きの輪124を互いに異なる速度で回転させることによって、移動駆動ユニット20を回転させるようにも構成される。
【0047】
位置センサー140は、移動駆動ユニット20の位置を任意の適切な仕方で決定するために好適な一つまたは複数のセンサー、検出器または他のコンポーネントを表す。たとえば、特定の諸実施形態では、目録品システム10に関連付けられた作業スペース70は、作業スペース70の全部または一部をカバーする二次元グリッド上の点をマークするいくつかの基準マーク(fiducial mark)を含む。そのような実施形態では、位置センサー140は、カメラと、位置センサー140がカメラの視野内の基準マークを検出することを許容するための適切にプログラムされたデジタル信号プロセッサのような好適な画像および/またはビデオ処理コンポーネントとを含みうる。制御モジュール170は、位置センサー140が基準マークを検出する際に位置センサー140が更新する位置情報を記憶していてもよい。結果として、位置センサー140は、基準マークを利用して、移動駆動ユニット20の位置の精確な指標を維持し、作業スペース70内で動くときにナビゲーションを支援しうる。
【0048】
ホルダー・センサー150は、任意の適切な仕方で目録品ホルダー30を検出するおよび/または目録品ホルダー30の位置を絶対位置としてまたは移動駆動ユニット20に対する位置として決定するのに好適な一つまたは複数のセンサー、検出器または他のコンポーネントを表す。ホルダー・センサー150は、目録品ホルダー30の特定の部分または全体としての目録品ホルダー30の位置を検出できうる。よって移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30とドッキングするまたは他の仕方で相互作用するために、検出された情報を使用しうる。
【0049】
障害物センサー160は、移動駆動ユニット20が動くことができる一つまたは複数の方向に位置された対象〔オブジェクト〕を検出することができる一つまたは複数のセンサーを表す。障害物センサー160は、光学的、レーダー、ソナー、感圧および/または移動駆動ユニット20の移動方向に位置されている対象を検出するために適切な他の型の検出デバイスを含む、任意の適切なコンポーネントおよび技法を利用しうる。特定の諸実施形態では、障害物センサー160は検出する対象を記述する情報を、制御モジュール170が障害物を同定し、移動駆動ユニット20が障害物および/または他の対象と衝突するのを防止するための適切な是正行動をとるために使用できるよう、制御モジュール170に送信しうる。
【0050】
障害物センサー160は、図示した移動駆動ユニット20の近隣で動作している他の移動駆動ユニット20によって送信される信号を検出してもよい。たとえば、目録品システム10の特定の諸実施形態では、一つまたは複数の移動駆動ユニット20が、駆動識別信号を送信する識別信号送信機162を含みうる。駆動識別信号は、他の移動駆動ユニット20に、その駆動識別信号を送信している対象が実は移動駆動ユニットであることを示す。識別信号送信機162は、赤外線、紫外線、音響、可視光、電波および/または送信デバイスが移動駆動ユニット20であることを受信者に示す他の好適な信号を送信することができてもよい。
【0051】
さらに、特定の諸実施形態では、障害物センサー160はまた、他の移動駆動ユニット20によって送信される状態情報を検出することができてもよい。たとえば、特定の諸実施形態では、識別信号送信機162は、移動駆動ユニット20に関係する状態情報を、送信される識別信号中に含めることができてもよい。この状態情報は、これに限られないが、送信している移動駆動ユニット20の位置、速度、方向および制動能力を含みうる。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、他の移動駆動ユニットによって送信される状態情報を、それらの他の移動駆動ユニットの近傍で動作するときに衝突を回避するために使ってもよい。図12A〜12Eは、目録品システム10の特定の諸実施形態において、このプロセスがどのように実装されうるかの例を示している。
【0052】
制御モジュール170は、駆動モジュール120およびドッキング・アクチュエータ130の動作をモニタリングおよび/または制御する。制御モジュール170はまた、位置センサー140およびホルダー・センサー150のようなセンサーから情報を受信して、この情報に基づいて駆動モジュール120、ドッキング・アクチュエータ130および/または移動駆動ユニット20の他のコンポーネントの動作を調整してもよい。さらに、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、目録品システム10の管理装置と通信するよう構成されていてもよく、制御モジュール170は移動駆動ユニット20に送信されたコマンドを受領して、移動駆動ユニット20の適切な通信コンポーネントを利用して情報を管理装置に通信し返してもよい。制御モジュール170は、記載される機能性を提供するために好適な任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでいてもよい。特定の諸実施形態では、制御モジュール170は、記載された機能性を提供するようプログラムされた汎用マイクロプロセッサを含む。さらに、制御モジュール170は、ドッキング・アクチュエータ120、駆動モジュール130、位置センサー140および/またはホルダー・センサー150の全部または諸部分を含んでいてもよく、および/または移動駆動ユニット20のこれらの要素のうちの任意のものとコンポーネントを共有していてもよい。
【0053】
さらに、特定の諸実施形態では、制御モジュール170は、駆動モジュール120、ドッキング・アクチュエータ130および/または移動駆動ユニット20の上記した他のコンポーネントを収容する装置とは物理的に相異なるコンポーネント内に位置されるハードウェアおよびソフトウェアを含みうる。たとえば、特定の諸実施形態では、目録品システム10内で動作している各移動駆動ユニット20は、駆動モジュール120、ドッキング・アクチュエータ130および移動駆動ユニット20の他の適切なコンポーネントを収容する装置と通信しているサーバー上で動作するソフトウェア・プロセス(ここでは「駆動エージェント(drive agent)」と称される)に関連付けられてもよい。この駆動エージェントは、駆動モジュール120、ドッキング・アクチュエータ130および移動駆動ユニット20の他の適切なコンポーネントを物理的に収容する装置に代わって、タスクを要求および受領すること、ルートを要求および受領すること、移動駆動ユニット20に関連する状態情報を送信することおよび/または他の仕方で管理モジュール15および目録品システム10の他のコンポーネントと対話することを受け持ちうる。結果として、本記載および付属の請求項の目的のためには、用語「移動駆動ユニット」は、移動駆動ユニット20に代わって記載される機能性を提供するが、上記した駆動モジュール120、ドッキング・アクチュエータ130および移動駆動ユニット20の他の適切なコンポーネントとは物理的に相異なる装置内に位置されていてもよい、エージェント・プロセスのような、ソフトウェアおよび/またはハードウェアを含む。
【0054】
図3Aおよび3Bは、ある種のコンポーネントを含み、特定の仕方で動作するよう構成された移動駆動ユニットの特定の実施形態を示しているが、移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30を輸送し、および/または目録品ホルダー30の輸送を容易にするよう構成されたいかなる適切なコンポーネントおよび/またはコンポーネントの集合を表していてもよい。もう一つの例として、移動駆動ユニット20は、オーバーヘッド・クレーン・システムの一部を表していてもよい。このシステムにおいて、一つまたは複数のクレーン組立体が、ワイヤまたはレールのネットワーク内で特定の目録品ホルダー30とドッキングするのに好適な位置まで動くことができる。目録品ホルダー30とドッキングしたのち、クレーン組立体は次いで目録品ホルダー30を持ち上げ、割り当てられたタスクの完了のために、目録を他の位置に動かしうる。
【0055】
さらに、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30の全部または一部分を表していてもよい。目録品ホルダー30は、動力付き輪または目録品ホルダー30が自らを推進することを許容するのに好適な他のいかなる好適なコンポーネントを含んでいてもよい。一つの個別的な例として、目録品ホルダー30の一部分は磁場に応答してもよい。目録品システム10は、目録品ホルダー30の応答部分の結果として、目録品ホルダー30を推進する、操縦するおよび/または他の仕方でその位置を制御することができる一つまたは複数の制御された磁場を生成することができてもよい。そのような実施形態では、移動駆動ユニット20は、これらの磁場を生成および制御することを受け持つ目録品ホルダー30の応答部分および/または目録品ホルダー30のコンポーネントを表してもよい。この記載は、いくつかの個別的な例を与えるが、移動駆動ユニット20は一般に、目録品ホルダー30を輸送するおよび/または目録品ホルダー30の輸送を容易にするよう構成された任意の適切なコンポーネントおよび/またはコンポーネントの集合を表していてもよい。
【0056】
図4は、目録品ホルダー30の特定の実施形態のコンポーネントをより詳細に示している。特に、図4は、例示的な目録品ホルダー30の一つの側の構造および内容を示している。特定の実施形態では、目録品ホルダー30はいかなる数の面を有していてもよく、それらの面は同様の構造でも異なる構造でもよい。図のように、目録品ホルダー30は、フレーム310、複数の脚328およびドッキング表面350を含む。
【0057】
フレーム310は、目録品40を保持する。フレーム310は、フレーム310の外部または内部に目録品40を保管するための保管スペースを提供する。フレーム310によって提供される保管スペースは、複数の目録品ビン320に分割されてもよい。各ビンが目録品40を保持できる。目録品ビン320は、ビン、コンパートメント、フックといったいかなる適切な保管要素を含んでいてもよい。
【0058】
ある特定の実施形態では、フレーム310は、互いに積み重ねられ、ベース318の上に取り付けられるか積まれるかした複数のトレイ322からなる。そのような実施形態では、目録品ビン320は、複数の調節可能な仕切り324によって形成されてもよい。仕切り324は、一つまたは複数の目録品ビン320のサイズを変更するために動かされうる。代替的な諸実施形態では、フレーム310は、単一のトレイ322を含み、調節可能な仕切り324を含まない単一の目録品ビン320を表していてもよい。さらに、特定の諸実施形態では、フレーム310は、可動性要素330の上にマウントされた荷重を担う表面を表していてもよい。目録品40は、フレーム310の上に置かれることによって、そのような目録品ホルダー30に保管されてもよい。一般に、フレーム310は、任意の適切な数の目録品ビン320に任意の適切な仕方で分割された保管用内部および/または外部保管スペースを含んでいてもよい。
【0059】
さらに、ある特定の実施形態では、フレーム310は、移動駆動ユニット20がドッキング・ヘッド110をドッキング表面350に隣接して位置させることを許容する複数の装置開口(device opening)326を含んでいてもよい。装置開口326の大きさ、形および配置は、目録品システム10によって利用される移動駆動ユニット20および/または目録品ホルダー30の特定の実施形態の大きさ、形および他の特性に依存して決定されうる。たとえば、図示した実施形態では、フレーム310は、装置開口326を形成し、移動駆動ユニット20が移動駆動ユニット20をフレーム310の下でドッキング表面350に隣接して位置付けすることを許容する四つの脚328を含む。脚328の長さは、移動駆動ユニット20の高さに基づいて決定されうる。
【0060】
ドッキング表面350は、移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30にドッキングされるときにドッキング・ヘッド110の一部分に結合する、当接するおよび/または該一部分の上に安置される目録品ホルダー30の一部分をなす。さらに、ドッキング表面350は、目録品ホルダー30が移動駆動ユニット20とドッキングされている間、目録品ホルダー30の重量の一部または全部を支える。ドッキング表面350の組成、形および/またはテクスチャーは、移動駆動ユニット20によって目録品ホルダー30の操縦を容易にするよう設計されてもよい。たとえば、上記のように、特定の諸実施形態では、ドッキング表面350は高摩擦部分を有していてもよい。移動駆動ユニット20と目録品ホルダー30がドッキングされるとき、ドッキング・ヘッド110とこの高摩擦部分との間で誘起される摩擦力が、移動駆動ユニット20が、目録品ホルダー30を操縦することを許容する。さらに、特定の諸実施形態では、ドッキング表面350は、ドッキング・ヘッド110の一部分を受け入れ、目録品ホルダー30を移動駆動ユニット20に結合させ、および/または移動駆動ユニット20による目録品ホルダー30の制御を容易にするのに好適な適切なコンポーネントを含んでいてもよい。
【0061】
ホルダー識別部(holder identifier)360は、目録品ホルダー30の所定の部分をマークし、移動駆動ユニット20は、ホルダー識別部360を使って、ドッキングの間、目録品ホルダー30を位置合わせし(align)、および/または目録品ホルダー30の位置を決定し(determine)てもよい。より具体的には、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、ホルダー識別部360を検出し移動駆動ユニット20に対するその位置を決定できる、ホルダー・センサー150のようなコンポーネントを装備されてもよい。結果として、移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30の全体としての位置を決定できうる。たとえば、特定の諸実施形態において、ホルダー識別部360は、目録品ホルダー30の所定の位置に位置されており、ホルダー・センサーが適切に構成されたカメラを使って光学的に検出できる反射性マーカーを表していてもよい。
【0062】
図5および図6は、移動駆動ユニット20が割り当てられたタスクを完遂する間に作業スペース70内の移動駆動ユニット20の動きを計画および指揮するための技法を示している。より特定的には、図5は、移動駆動ユニット20が管理モジュール15に、どのようにして行き先への経路を要求し、次いで移動駆動ユニット20がうまく経路を通過することを許容するために管理モジュール15とどのように対話するかの例を示している。図6は、図5に示されている技法に従って指定された行き先まで動く際における、移動駆動ユニット20の特定の実施形態の例示的な動作を詳細に描いたフローチャートである。
【0063】
図5は、目録品システム10の特定の諸実施形態において利用されうるルーティングおよび予約技法を示す例を図示している。一般に、図5は、移動駆動ユニット20が、移動駆動ユニット20に目録品ホルダー30aを目録品ホルダー30aが現在位置されている保管セルから取り出すよう指示する割り当てられたタスク18を、管理モジュール15から受領する例を示している。その際、移動駆動ユニット20は目録品ホルダー30aの位置までの経路を要求し、関連する位置までの受領された経路をたどる。
【0064】
目録品システム10の図示した実施形態では、作業スペース70は、複数のセル14を有するグリッド12に関連付けられており、移動駆動ユニット20は、一つのセル14の中心から別のセルの中心へとナビゲートすることによって作業スペース70内を動くよう構成される。にもかかわらず、代替的な諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、いかなる適切な仕方でグリッド12をナビゲートするよう構成されてもよく、移動駆動ユニット20が通過する経路の開始点、行き先および任意の途中点は、セル14の中心点またはグリッド12の他のいかなる部分を表していても、いなくてもよい。さらに、図5は目録品システム10のグリッド・ベースの実施形態を示しているが、目録品システム10の代替的な諸実施形態は、任意のスペースおよび構造をもつグリッドのない作業空間を利用してもよい。
【0065】
図5に示されるように、ルーティング・プロセスは、管理モジュール15がタスク割り当て18を移動駆動ユニット20に送信することで始まる。タスク割り当て18は、対応するタスクに関連付けられた一つまたは複数の行き先を同定する。タスク割り当て18は、直接、あるいは個別的なコンポーネント(たとえば、特定の目録品ホルダー30または目録品ステーション50)の既知の位置または作業スペース70の特定の部分を基準として、関連する行き先を同定してもよい。タスク割り当て18は、割り当てられたタスクを完了する際に使用すべき移動駆動ユニット20のために好適ないかなる追加的な情報を含んでいてもよい。
【0066】
タスク割り当て18を受領するのに際して、移動駆動ユニット20はタスク割り当て18によって同定される位置までの経路を、あるいはタスク割り当て18が複数の位置を同定している場合にはタスク割り当て18によって同定されている第一の位置までの経路を要求する。図示した実施形態では、移動駆動ユニット20は、ルート要求22をルート計画モジュール94に送信することによって経路を要求する。特定の諸実施形態では、ルート要求22は、一つまたは複数の行き先位置および移動駆動ユニット20の現在位置または現在のセグメント17を完了したときの移動駆動ユニット20の予期される位置を含んでいてもよい。代替的な諸実施形態では、管理モジュール15は、各移動駆動ユニット20の位置または割り当てられたタスクを独立してモニタリングしてもよく、その結果、これらの位置の一つまたは複数はルート要求22から省略されてもよい。
【0067】
ルート計画モジュール94がルート要求22を受領するとき、ルート計画モジュール94は、要求元移動駆動ユニット20がその現在位置から要求された行き先まで動くのに使うための経路16を生成する。上記したように、ルート計画モジュール94は、要求元移動駆動ユニット20のための適切な経路16を生成、選択または決定するためにいかなる好適な技法を使ってもよい。ルート計画モジュール94は、要求元移動駆動ユニット20に、ルート応答24の一部として、経路16を同定する情報を通信してもよい。たとえば、ルート計画モジュール94は、経路16に沿ったある種の点を指定する、動く方向および距離を指定する、要求された行き先に動く際に使うための既知の経路セグメントを指定する、利用されるべき他の設備(たとえば、リフト、コンベヤーまたはトラック(truck))または作業スペースの機能(ランプまたはトンネルのような)を指定する、および/または他の任意の適切な仕方で移動駆動ユニット20が現在位置と要求された行き先との間を動く際に通るべき作業スペース70の部分を指示する、情報を通信してもよい。特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は経路16を移動駆動ユニット20に、ルート応答24の一部として通信する。
【0068】
ルート経路モジュール94が一つまたは複数の経路16を同定する情報を送信したのち、この情報が移動駆動ユニット20によって受領される。特定の諸実施形態において、次いで移動駆動ユニット20は、行き先位置にナビゲートする際にその後使うために、この情報を記憶してもよい。移動駆動ユニット20は次いで、セグメント17または経路16の他の好適な部分を予約しようとする。移動駆動ユニット20は、目録品システム10の構成に基づきいかなる適切なステップをとることによって経路16のセグメント17を予約して、それにより、当該移動駆動ユニット20がそのセグメント17を予約している間は、他のいかなる移動駆動ユニット20も、作業スペース70内で移動できる他の型の装置も、今もこれからも、予約されたセグメント17を通っておらず、予約されたセグメント17上に位置しておらず、および/または他の仕方で予約されたセグメント17に沿った動きを妨害しないことを保証してもよい。
【0069】
特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、特定のルート要求22に応答して、特定の行き先まで複数の経路を生成してもよい。さらに、管理モジュール15は次いで、生成された経路16のすべてを要求元の移動駆動ユニット20に送信してもよい。さらに、ルート計画モジュール94または移動駆動ユニット20が生成された経路16のそれぞれに優先度を割り当ててもよい。結果として、そのような諸実施形態では、要求元の移動駆動ユニット20は、ルート計画モジュール94によって生成された複数の経路16を記憶できてもよく、優先度が最高の経路16のセグメント17を予約しようと試みてもよい。試みられた予約が拒否された場合、要求元の移動駆動ユニット20は次いで、優先度が次に高い経路16をからのセグメント17を要求することを試みてもよい。次いで、要求元の移動駆動ユニットが受領された経路16の一つからのセグメント17の予約に成功するまで、要求元の移動駆動ユニット20は優先度の順に受領された経路16のそれぞれからのセグメント17を要求していく。
【0070】
さらに、特定の諸実施形態では、あるいはある種の条件のもとでは、複数の移動駆動ユニット20が特定のセグメント17を利用するために同時に許容されてもよい。そのような諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、特定の条件を満たす移動駆動ユニット20のみが予約されたセグメントを同時に使用しうることを保証するよういかなる適切なステップをとることによってセグメント17を予約してもよい。一例として、特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、当該移動駆動ユニット20と同じ方向に動いている移動駆動ユニットのみがその関連するセグメント17を予約しうることを保証するよう適切なステップを取ることによって、特定のセグメントを予約してもよい。別の例として、特定の諸実施形態では、目録品システム10は所与のセグメント17を使う移動駆動ユニット20の所定の最大数または密度を許容するよう構成されてもよく、移動駆動ユニット20は所与のセグメント17を、そのセグメント17についての予約を要求することによって予約してもよい。その際、管理モジュール15は要求されたセグメント17を利用している移動駆動ユニット20の現在の数または密度が所定の最大未満であるかどうかに基づいて、条件付きでその予約を承認しうる。
【0071】
図示した実施形態では、移動駆動ユニット20は、予約要求26をセグメント予約モジュール96に送信することによって、セグメント17を予約する。予約要求26は、移動駆動ユニットが予約しようとしているセグメント17を同定する。予約要求26は、関連するセグメント17を、移動駆動ユニット20およびセグメント予約モジュール96の構成および機能に基づいていかなる仕方で同定してもよい。たとえば、特定の諸実施形態では、予約要求26は、独立して、あるいは動作の間セグメント予約モジュール96によって維持されている他の情報に基づいて、そのセグメント17の開始および終了座標を同定することによって、移動駆動ユニット20の現在位置からの方向および距離を指定することによって、あるいは要求されるセグメント17が同定できる他の任意の好適な情報を含めることによって、関連するセグメント17を同定する。
【0072】
セグメント予約モジュール96は予約要求26を受領し、要約要求26から要求されたセグメント17を同定する情報を抽出する。セグメント予約モジュール96は次いで、要求元移動駆動ユニット20が要求されたセグメント17を予約できるかどうかを判定する。特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、他の移動駆動ユニット20が要求されたセグメント17を現在予約しているかどうかのみに基づいて判定する。しかしながら代替的な諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、他の移動駆動ユニット20が要求されたセグメント17を現在予約しているかどうかと、要求元移動駆動ユニット20もしくは移動駆動ユニット20が現在完遂しようとしているタスクに関連付けられた優先度レベルの両方に基づいて、要求元移動駆動ユニット20が要求されたセグメント17を予約することができるかどうかを判定してもよい。従って、セグメント予約モジュール96は、ある種のセグメント17(またはある大きさを超える諸セグメント)の使用を、不十分な優先度レベルをもつ移動駆動ユニット20に対して拒否してもよい。しかしながら、一般には、セグメント予約モジュール96は、受領された予約要求26が満足させられることができるかどうかを、いかなる適切な考察を使って決定してもよい。
【0073】
さらに、特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、移動駆動ユニット20の位置における潜在的な不確定性を補償するよう構成されていてもよい。特に、セグメント予約モジュール96は、要求されたセグメント17を含むがそれよりも大きい修正されたセグメントを予約しようと試みてもよい。結果として、要求元移動駆動ユニット20の実際の位置が、移動駆動ユニット20および/または管理モジュール15によって計算された位置よりも、何らかの所定の量よりわずかに異なっている場合、セグメント予約モジュール96によって確保されたより大きな予約の結果として、やはり衝突は防止されうる。セグメント予約モジュール96は、常にこの仕方で予約要求26を修正するよう構成されてもよいし、管理モジュール15が要求元移動駆動ユニット20の実際の位置が計算された位置と異なると判定するときに予約要求26を修正してもよいし、あるいは他の任意の適切な時点で予約要求26を修正してもよい。
【0074】
さらに、目録品システム10の特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20がしようとする予約および/または資源スケジューリング・モジュール92が承認する予約は、要求元移動駆動ユニット20が要求されたセグメント17を使うために意図している仕方に依存して異なる型であってもよい。さらに、資源スケジューリング・モジュール92は、これらの異なる型の予約のそれぞれを承認または拒否するための異なるポリシーに従ってもよい。たとえば、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、経路16が通る一つまたは複数のセル14を含むセグメント17を要求するよう構成されてもよい。その結果、要求元移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30を特定のセグメント16を完了することにおける自らの動きの一部として、回転させることを計画するとき、要求元移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20が回転を実行しようと意図するセル14に隣接するセル14についての回転予約を入れようと試みうる。関連する作業スペース70において利用されるセル14に対する目録品ホルダー30の大きさに依存して、要求元移動駆動ユニット20は、回転するために、隣接の各セル14の全体を使用する必要はないことがありうる。結果として、セグメント予約モジュール96は、第一の要求元移動駆動ユニット20がその特定のセル14を予約したのと同時に、他の移動駆動ユニット20にも、特定の隣接セル14に対する予約要求を出すことを許容してもよい。より具体的には、特定の諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、他の移動駆動ユニット20が隣接セル14をそのセル14に侵入する目的で予約することを、該隣接セル14と接する他のセル14内で目録品ホルダー30を回転させている間に、許容してもよい。これは、目録品ホルダー30を回転させるために作業スペース70の十分大きな部分を予約することを試みるときに、移動駆動ユニット20が直面する遅延の数を減らしうる。
【0075】
セグメント予約モジュール96が、要求元移動駆動ユニット20が要求されたセグメント17を予約できないと決定する場合、セグメント予約モジュール96は要求元移動駆動ユニット20に、要求されたセグメント17の予約に成功しなかったことを通知してもよい。たとえば、図示した実施形態では、セグメント予約モジュール96は、予約が不成功だったことを示す予約応答28を送信する。あるいはまた、特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、失敗した予約の要求元移動駆動ユニット20に通知せず、要求元移動駆動ユニット20が、要求元移動駆動ユニット20が肯定的な応答を所定の時間期間内に受領しない場合に予約が不成功だったことを判定するよう構成される。
【0076】
さらに、特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、セグメント予約モジュール96が特定の予約要求26を満たすことができない場合、いくつかの是正行動をとるよう構成されうる。たとえば、特定の諸実施形態において、セグメント予約モジュール96は、満たされなかった予約要求26を待ち行列に入れ、ひとたび要求されたセグメント17についてのいずれかの現在ペンディングの予約が終了したときにその予約要求を満足させようと試みてもよい。しかしながら、代替的に、セグメント予約モジュール96は、満たされなかった予約要求26を、それを満たそうとする単一の試みの後に、所定回数の失敗した試みののちに、あるいは所定の時間にわたってそのような要求を満たそうと試みて不成功だった後に、破棄するよう構成されてもよい。要求元移動駆動ユニット20は、後刻、要求されたセグメント17を予約しようとまだ試みているならば、もう一度予約要求26を送信することが期待されうる。さらに、セグメント予約モジュール96は、セグメント予約モジュール96が、もともと要求されたセグメント17を要求元移動駆動ユニット20のために予約することに成功できない場合、要求されたセグメント17の一部または要求されたセグメント17の修正されたバージョンを予約することを試みるよう構成されてもよい。しかしながら、より一般には、セグメント予約モジュール96が特定の予約要求26を満足させることができない場合、目録品システム10の構成に依存して、セグメント予約モジュール96は、いかなる適切な是正行動をとるよう構成されてもよく、あるいは代替的に、全く是正行動をとらないよう構成されてもよい。
【0077】
同様に、移動駆動ユニット20の構成に依存して、移動駆動ユニット20は、セグメント予約モジュール96が予約を満足させなかったと判定するのに応答して、いかなる適切な是正行動を実行してもよい。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20が所定の時間待って、同じセグメント17を再び予約することを試みてもよい。代替的な諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20が要求されたセグメント17を予約することに不成功である場合、あるいは移動駆動ユニット20が所定回数試行しても不成功である場合、ルート計画モジュール94から新しい経路16を要求するよう構成されてもよい。さらに、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20が要求するセグメント17の大きさを調節できてもよい。結果として、要求元の移動駆動ユニット20は、試みられた予約が不成功だったと判定するのに応答して、同じ要求されたセグメント17のより小さな部分を予約することを試みてもよい。そのような実施形態では、要求元移動駆動ユニット20は、要求元移動駆動ユニット20が動くにつれ、および/または残っている諸部分が空くにつれ、もとの要求されたセグメント17の増分的な部分を要求または自動的に受領してもよい。しかしながら、より一般的には、移動駆動ユニット20は失敗した予約試行にいかなる好適な仕方で応答してもよい。
【0078】
そうではなくもしもセグメント予約モジュール96が、受領された予約要求26が満足させられると判定する場合、セグメント予約モジュール96は要求されたセグメント17を、要求元移動駆動ユニット20のために予約する。要求されたセグメントを予約する一環として、セグメント予約モジュール96は、関連するセグメント17の予約された状態を示す情報を記憶し、予約が終了する(is terminated)まで、要求元移動駆動ユニット20が要求されたセグメント17を使用しうることを保証するのに適切ないかなる追加的なステップをとってもよい。セグメント予約モジュール96はまた、要求元移動駆動ユニット20に、要求されたセグメント17の予約に成功したことを通知してもよい。たとえば、図示した実施形態では、セグメント予約モジュール96は、要求元移動駆動ユニット20に対して予約が成功したことを示す、予約応答28のようなアクノレッジメントを送信する。要求元移動駆動ユニット20が、試みられた予約が成功したことを示す予約応答28を受領するとき、要求元移動駆動ユニット20は予約されたセグメント17に沿って動き始める。
【0079】
図5に示された例に戻ると、移動駆動ユニット20aがセグメント17aの予約に成功したことを示す予約応答28を移動駆動ユニット20aが受領するとき、移動駆動ユニット20はセグメント17aに沿って動き始める。これは、図5では、移動駆動ユニット20の点線のシルエットによって示されている。セグメント17aに沿って動き始めた後何らかの時点で、移動駆動ユニット20aは、移動駆動ユニット20aがルート計画モジュール94から受領した経路の次のセグメント、すなわちセグメント17bを予約しようと試みる。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20aは移動駆動ユニット20aが予約されたセグメントの終わりに達するまで(すなわち、移動駆動ユニット20aが第二のシルエットのところに達するときまで)待ち、次いで次のセグメント17を要求してもよい。
【0080】
あるいはまた、移動駆動ユニット20aは、セグメント17aを完了する前にセグメント17bを予約しようと試みてもよい。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20aは、セグメント17aを動いている間の適切な時点においてセグメント17bを要求しうる。一例では、移動駆動ユニット20aは、セグメント17aの所定の割合を完了した後(たとえば、セグメント17aの75%を完了した後に)、セグメント17bを要求しうる。もう一つの例として、移動駆動ユニット20は、セグメント17aの所定量しか完了されるべく残っていないときに(たとえば、移動駆動ユニット20aがセグメント17aのうちセル幅の半分を残して完了したとき)、セグメント17bを要求しうる。しかしながら、より一般には、移動駆動ユニット20または移動駆動ユニット20に代わってセグメント17を予約することを受け持つ目録品システム10の任意の適切なコンポーネントの特定の諸実施形態は、現在予約されているセグメント17における次のセグメントを、移動駆動ユニット20が現在予約されているセグメント17に沿って動いている間のいかなる好適な時点においても、予約するよう構成されうる。本記載の残りの部分では、移動駆動ユニット20は、現在のセグメント17を完了する前に新しいセグメント17の予約を試みるよう構成されているものとする。
【0081】
さらに、図3Aおよび3Bに関して上で論じたように、移動駆動ユニット20aの特定の諸実施形態は、移動駆動ユニット20の動きに対するある種の障害物、妨害または他の阻害物を検出することができる一つまたは複数のセンサーを含みうる。障害物を検出するのに応答して、移動駆動ユニット20は、停止するおよび/または割り当てられたタスクを完了するために任意の適切な施策を採るよう構成されうる。一例として、移動駆動ユニット20は、動きを停止して、定期的に関連するセンサーにポーリングして、障害物が除去されたかどうかを判定してもよい。もう一つの例として、移動駆動ユニット20aは、現在の経路16のセグメント17の上または近くに位置する障害物を検出した際に、新しい経路を要求してもよい。さらにもう一つの例として、移動駆動ユニット20は、障害物を取り除くために適切な行動を開始するよう管理モジュール15または目録品システム10の人間のオペレーターに通知しうる。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20aは、ある種の型の特殊なナビゲーション技法をサポートするために、その障害物検出機能をオーバーライドするよう構成されてもよい。そうした技法の一例は、図12A〜12E、図13および図14との関連でのちにより詳細に論じる。
【0082】
特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20aはそのセル14に関して予約を解放してもよい。あるいはまた、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20aはセグメント17aの終わりに達するまで(すなわち、移動駆動ユニット20aが第二のシルエットのところに達するときまで)待って、次いでセグメント17a内のすべてのセル14の予約を終了させてもよい。移動駆動ユニット20aは、予約終了メッセージ(図示せず)をセグメント予約モジュール96に送信することによって、あるいはセグメント17aの使用を放棄するための他の任意の適切なステップをとることによって、セグメント17aの全部または一部の予約を解放してもよい。あるいはまた、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20aは、予約を終了するためにどんな肯定的なステップを取るようにも構成されなくてもよい。その代わり、セグメント予約モジュール96が自分で移動駆動ユニット20aがセグメント17aを完了したことを検出し、それに応答してその予約を終了させてもよい。あるいは、セグメント予約モジュール96は、移動駆動ユニット20aが所定の時間期間内に予約を更新しない場合には、予約を時間切れにしてもよい。より一般には、セグメント予約モジュール96は移動駆動ユニット20aの動作のいかなる特定の側面をモニタリングし、移動駆動ユニット20aの状態に基づいて任意の適切な時点に予約を終了させてもよい。そうした側面はたとえば、その位置、速度、最後の更新要求および/または移動駆動ユニット20aの状態の他の任意の適切な側面を含む。
【0083】
移動駆動ユニット20aがセグメント17aの終わりに達する時点までに移動駆動ユニット20aがセグメント17bの予約に成功した場合、移動駆動ユニット20aはセグメント17bに沿って動き始める。移動駆動ユニット20aがセグメント17aの終わりに達する時点までに移動駆動ユニット20aがセグメント17bの予約に成功しなかった場合、移動駆動ユニット20aはセグメント17aとセグメント17bの交わるところで停止して、移動駆動ユニット20aの構成に基づいて適切なステップをとりうる。たとえば、上記のように、移動駆動ユニット20aは、成功するまでセグメント17bの予約を繰り返し試みてもよいし、所定回数の予約試行を行ってから新しい経路16を要求してもよいし、あるいは行き先位置に向けて動きを続けるための他のいかなるステップを講じてもよい。
【0084】
ひとたび移動駆動ユニット20aがセグメント17bの予約に成功すると、移動駆動ユニット20aは同様の仕方でセグメント17bを進む。セグメント17bを完了する間の適切な時点において、移動駆動ユニット20aはセグメント17cの予約を試み、上記のプロセスを繰り返す。移動駆動ユニット20aは(点線の諸シルエットによって示唆されるように)セグメントを予約し、通ることを、移動駆動ユニット20aが行き先位置に達するまで続ける。次いで移動駆動ユニット20aは、割り当てられたタスクを完遂するために適切ないかなる行動を取ってもよい。たとえば、図5で、割り当てられたタスクの完了は、移動駆動ユニット20aの、行き先位置に位置されている特定の目録品ホルダー30とのドッキングを含みうる。現在割り当てられているタスクが複数の行き先を含む場合、移動駆動ユニット20aは、ルート計画モジュール94に新しいルート要求22を送信し、次の行き先に関して上記のプロセスを繰り返すことによって次のステップへの経路16を要求しうる。移動駆動ユニット20aが受領したタスク割り当て18がいかなる追加的な位置も指定していない場合、移動駆動ユニット20aは、資源スケジューリング・モジュール92からの別の割り当てられたタスクを要求し、あるいは与えられてもよいし、あるいは管理モジュール15に移動駆動ユニット20aが新たな割り当てのために利用可能であることを通知してもよい。
【0085】
図示した例は直線セグメント17しか利用していないが、目録品システム10の特定の諸実施形態は、曲がり、曲線および他の非直線部分をカバーする諸セグメントを含む経路を生成するよう構成されてもよい。さらに、図示した例では、セグメント17は、経路16における曲がりと曲がりの間の広がりは制限なしだが、目録品システム10の特定の諸実施形態は、セグメント長の上限をもつ経路16を生成するよう、あるいは一回の予約ではある最大セグメント長までしか予約することを許さないよう構成されうる。結果として、セグメント17cのような比較的長い直線セグメントは実際には、同じ方向に走る一連の、より小さな接続されたセグメント17を表していてもよい。
【0086】
さらに、移動駆動ユニット20aは図示した例では単一の経路に依拠しているが、移動駆動ユニット20は、特定の諸実施形態では、特定位置への新しい経路16を、同じ位置への以前に要求された経路16を完了させるプロセスにある間に要求するよう構成されうる。上記のように、移動駆動ユニット20は、現在の経路16中の特定のセグメント17を予約することに不成功である場合、新しい経路16を要求するよう構成されうる。しかしながら、より一般には、移動駆動ユニット20は、特定の行き先への新しい経路16を、同じ行き先への既存の経路を完了しつつある間の任意の適切な時点において要求するよう構成されてもよい。たとえば、移動駆動ユニット20の特定の実施形態は、もとの経路を要求したあと所定の時間に、各セグメント17を完了した後に、あるいは他の任意の好適な時点に、新しい経路16を要求しうる。そのような実施形態では、移動駆動ユニット20はもともと受領された経路16を、同じ行き先への何らかの改良された経路16を決定するための出発点として使用されるために、ルート計画モジュール94に送り返してもよい。
【0087】
さらに、管理モジュール15は、新しい経路16を、移動駆動ユニット20aが前に受領された経路16を完了する過程にある間に、移動駆動ユニット20にプッシュできてもよい。一例として、特定の諸実施形態では、管理モジュール15は、輻輳した領域にまたは輻輳した領域の近くに位置する、あるいは輻輳した領域を通過するまたは輻輳した領域の近くを通る経路を移動している移動駆動ユニット20に新しい経路16を送信することによって、輻輳を管理するよう構成されてもよい。もう一つの例として、管理モジュール15は、移動駆動ユニット20に最適化された新しい経路を送信することによって目録品システム10の動作効率を改善するよう構成されてもよい。該最適化は、当該移動駆動ユニット20に関連付けられた目録品ホルダー30または目録品ステーション50の属性に、あるいは当該移動駆動ユニット20が完了させようとしているタスクに基づいたものでよい。一般に、移動駆動ユニット20またはルート計画モジュール94は、移動駆動ユニット20が新しい経路16を受領すべきであることを、目録品システム10または目録品システム10の任意の個別コンポーネントの任意の適切な条件、状況、属性または状態の変化に基づいて、決定しうる。
【0088】
さらに、示した例はルート計画モジュール94が経路16の全体を移動駆動ユニット20aに一時に送信する例示的な実施形態を記載しているが、ルート計画モジュール94の特定の諸実施形態は、経路16を諸部分に分けて送信するよう構成されてもよい。たとえば、ある特定の実施形態では、ルート計画モジュール94は、経路16を要求元移動駆動ユニット20に一時に一セグメント17ずつ送信するよう構成されていてもよい。特定のセグメント17を通過した後、要求元移動駆動ユニット20は、経路16の別のセグメント17を要求してもよい。その点で、経路計画モジュール94は、作業スペース70内の条件の変化および/または他の任意の適切な考察に基づいて、もとの経路16中の次のセグメント17を与えるか、要求元移動駆動ユニット20の行き先への新しい経路16を生成するかを決定しうる。ルート計画モジュール94は次いで、もとの経路16からの別のセグメント17または新しい経路16を、要求元移動駆動ユニット20に通信する。このプロセスは、移動駆動ユニット20がその行き先に到達するまで継続しうる。
【0089】
さらに、示した例は、移動駆動ユニット20が能動的に特定のセグメント17の予約を自分で要求する目録品システム10の実施形態に焦点を当てているが、代替的な諸実施形態では、管理モジュール15または目録品システム10の他の好適なコンポーネントが、明示的または暗黙的に予約を開始することを担ってもよい。一例として、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20に代わって管理モジュール15が、移動駆動ユニット20の移動の間の適切な時点において、移動駆動ユニット20の位置および現在の経路をモニタリングしてもよく、適切なセグメント17を予約してもよい。もう一つの例として、目録品システム10の特定の諸実施形態は、作業スペース70内のトラフィックの流れを管理する交通信号のような信号装置を含みうる。結果として、管理モジュール15または信号装置を制御する他のコンポーネントは、他の移動駆動ユニット20に特定の時点に当該セグメント17を使うことが許されていないという信号を送ることによって、移動駆動ユニット20のために暗黙的に特定のセグメント17を予約しうる。
【0090】
結果として、目録品システム10は、作業スペース70内を動く移動駆動ユニット20の効率的なルーティング、ナビゲーションおよび管理のためにいくつかの技法をサポートする。目録品システム10は、二つの異なる移動駆動ユニット20による特定のセグメント17についての対立する要求を解決するための技法をサポートするので、管理モジュール15は、タスクを同時に完了する移動駆動ユニット20の間の衝突を減らすまたはなくすことを助けうる。結果として、記載される技法は、一つまたは複数の動作上の利点を提供する。
【0091】
図6は、経路16を指定された位置まで進む際の移動駆動ユニット20のある特定の実施形態の動作を示すフローチャートである。より特定的には、図6は、目録品システム10の特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20が特定の行き先への経路を要求し、逐次的にその経路16のさまざまなセグメント17を予約し、通るプロセスを示している。図6に示されるステップのどれも、適宜組み合わされ、修正され、あるいは削除されてもよく、追加的なステップがフローチャートに示されているものに追加されてもよい。さらに、記載されるステップは、本発明の範囲から外れることなくいかなる好適な順序で実行されてもよい。
【0092】
例示的な動作は、ステップ602で、移動駆動ユニット20がタスク割り当て18を資源スケジューリング・モジュール92から受領することで始まる。タスク割り当て18は、移動駆動ユニット20に割り当てられたタスクに関連付けられた一つまたは複数の位置を同定する。タスク割り当て18を受領するのに応答して、移動駆動ユニット20はタスク割り当て18において同定される行き先のうちの一つへの経路を、ルート計画モジュール94に要求する。図示した実施形態では、移動駆動ユニット20は、ルート要求22をルート計画モジュール94に送信することによって経路を要求する。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、ルート要求22をルート計画モジュール94にステップ604で送信することによって経路を要求する。ルート要求22は、移動駆動ユニット20の行き先位置および現在位置を同定する。
【0093】
ステップ606では、ルート計画モジュール94が、移動駆動ユニット20の現在位置から行き先位置までの経路16を生成、選択または同定する。ルート計画モジュール94は次いで経路16を移動駆動ユニット20に送信する。特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、移動駆動ユニット20の機能に基づいて経路16を適切な仕方で経路16を同定するルート応答24を移動駆動ユニット20にステップ608で送信することによって、移動駆動ユニット20に経路16を送信する。特定の諸実施形態では、経路16は、少なくとも初期セグメント17および一つまたは複数の追加的セグメント17を含む複数のセグメント17を含む。初期セグメント17は、移動駆動ユニット20が経路を要求するときに、移動駆動ユニット20の現在位置に隣接する作業スペース70のセクションに関連付けられ、追加的なセグメント17の少なくとも一つが行き先に隣接する作業スペース70のセクションに関連付けられている。経路16は、追加的なセグメント17をいくつ含んでいてもよい。
【0094】
ルート計画モジュール94から経路を受信したのち、移動駆動ユニット20は受領された経路16の初期セグメント17を予約しようと試みる。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、初期セグメント17を、予約要求26をセグメント予約モジュール96にステップ610で送信することによって予約しようと試みる。予約要求26は要求されたセグメント17を同定する。
【0095】
予約要求26を受領すると、セグメント予約モジュール96は、ステップ612で、移動駆動ユニット20についての要求されたセグメント17を予約しようと試みる。特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、移動駆動ユニット20の計算された位置の潜在的な不確実性またはエラーに対応するために、要求されたセグメント17を修正してもよい。結果として、特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、受領された予約要求26によって指定されるセグメント以外の作業スペース70の一部を予約しうる。たとえば、セグメント予約モジュール96は、適切な状況下では、要求されたセグメントを拡張し、並進させおよび/または他の仕方で修正して、要求元移動駆動ユニット20による使用のためにより好適な修正されたセグメントを生成してもよい。特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、目録品システム10によって利用されるエラーマージンに基づいて要求されたセグメントを修正するよう構成されうる。セグメント予約モジュール96は、結果として、エラーマージンに基づいて決定された量において予約されたセグメント17から拡張され、シフトされまたは他の仕方で修正された作業スペース70の一部を予約しようと試みうる。特定の例として、複数のセル14を含むグリッド・ベースの作業スペース70を利用する特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、要求されたセグメント17に含まれるものを超えて、要求元移動駆動ユニット20が現在進んでいる方向に延びる一つまたは複数のセル14を含むセグメント17を予約しようと試みうる。もう一つの例として、特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、指定された方向に特定数のセルシフトされたセグメントを予約しようと試みうる。
【0096】
セグメント予約モジュール96は次いで、移動駆動ユニット20に、移動駆動ユニット20が移動駆動ユニット20のためにセグメント17を予約することに成功したかどうかを通知しうる。あるいはまた、セグメント予約モジュール96は、移動駆動ユニット20に成功した予約試行のみを通知してもよい。特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、移動駆動ユニット20に、ステップ614で、移動駆動ユニット20への予約応答28を送信することによって通知しうる。
【0097】
ステップ616で、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20が初期セグメント17の予約に成功したかどうかを判定する。移動駆動ユニット20が初期セグメント17の予約に成功しなかった場合、移動駆動ユニット20は、割り当てられたタスクの完了に向けて作業を続けるために適切なステップを取り得る。たとえば、示した実施形態において、移動駆動ユニット20は所定の時間待って、ステップ618で、初期セグメントを予約することを試みる。さらに、図示した実施形態で、移動駆動ユニット20はステップ620において、第二の試行が成功かどうかを判定する。第二の試行が成功であれば、動作はステップ622に続く。第二の試行が成功でなければ、動作は604に戻って、移動駆動ユニット20が新しい経路16を要求する。
【0098】
ひとたび移動駆動ユニット20が初期セグメント17を予約することに成功した場合、移動駆動ユニット20はそのもとの位置からステップ622における経路の初期セグメントに沿って動き去ることを始める。ステップ624で、移動駆動ユニット20は、初期セグメント17の所定の部分より少ないものが完了するために残っていることを判定する。結果として、移動駆動ユニット20は、ステップ626で、追加的なセグメント17が、完了されるべく、現在の経路16に残っているかどうかを判定する。
【0099】
セグメント17が現在の経路16において完了されるべく残っている場合、移動駆動ユニット20は、ステップ610に戻って、次のセグメント17を予約しようと試みる。移動駆動ユニット20が次のセグメントの予約に成功すると、動作は移動駆動ユニット20が次のセグメント17に沿って動くことに続く。移動駆動ユニットが次のセグメント17の予約に成功しない場合、動作はステップ622を通って続く。移動駆動ユニット20が次のセグメントの予約に成功する前に初期セグメント17の終わりに達した場合、移動駆動ユニット20はその動きを初期セグメントの終わりで一時停止してもよく、移動駆動ユニット20が次のセグメントの予約に成功するか代替経路を取得するまで静止したままでもよい。
【0100】
完了されるべく現在の経路に残っているセグメント17がない場合、移動駆動ユニット20は現在のタスク割り当て18において訪問されるべく残っている行き先があるかどうかをステップ628で判定する。もしそうであれば、動作はステップ604に戻る。そうでなければ、移動駆動ユニット20は資源スケジューリング・モジュール92に、移動駆動ユニット20がその現在のタスクを完了したことをステップ630で通知しうる。現在のタスクを完了することに関する動作は次いで、図6に示されるように終了する。
【0101】
図7および図8は、要求元移動駆動ユニット20の現在状態に基づいて経路を計画する技法を示している。より特定的には、図7は、そのような技法が特定の目録システム10においてどのように実装されうるかの例を示しており、図8は、これらの技法の特定の実施形態を実装することにおける管理モジュール15の例示的な動作を詳細に述べるフローチャートである。そのような技法が目録品システム10においてどのように使用されうるかの一例として、目録品システム10の特定の諸実施形態は、目録品ホルダー30にドッキングしていない移動駆動ユニット20が、保管されている目録品ホルダー30によって現在占有されているスペースを通って動くことを許容しうるが、目録品ホルダー30にドッキングしている移動駆動ユニット20はそのようにすることができない。結果として、ドッキング解除されるとき、移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30をもつセル14を通って「トンネル」できうる。それにより、システム資源のより効率的な使用が許容される。
【0102】
図7は、移動駆動ユニット20のための適切な経路16を生成する際に管理モジュール15によって使用されうる技法を示している。より特定的には、特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20が経路16を要求するとき、ルート計画モジュール94、管理モジュール15一般または目録品システム10の他の適切なコンポーネントは、要求元移動駆動ユニット20の状態を決定する。本記載および付属の請求項での用法では、「状態(state)」は、要求元移動駆動ユニット20に関連付けられている現在のタスク割り当てのような遷移的な一時的条件も、要求元移動駆動ユニット20に関連付けられている高さおよび幅のような恒久的な特性および属性も指しうる。
【0103】
ルート計画モジュール94は次いで、要求元移動駆動ユニット20の状態に部分的に基づいて、経路を生成、選択または同定する。より特定的には、移動駆動ユニット20の状態は、移動駆動ユニット20が通ることができるセルを規定してもよく、ルート計画モジュール94は適切なセル16を利用する経路16を生成してもよい。例解すると、図7は、要求元移動駆動ユニット20bの状態に固有の側面に基づいてルート計画モジュール94によって生成されうる二つの代替的な経路16、経路16aおよび16bの例を示している。特定的には、図7は、移動駆動ユニット20bが現在目録品ホルダー30とドッキングしているかどうかに基づいて生成されうる二つの経路を示している。
【0104】
例をはじめると、移動駆動ユニット20bは、図5に関して上で論じたようなタスク割り当て18を受領する。タスク割り当て18は、移動駆動ユニット20bに割り当てられた対応するタスクに関連付けられた行き先を同定する。タスク割り当て18に応答して、移動駆動ユニット20bはルート計画モジュール94に経路16を要求する。今の例では、移動駆動ユニット20bは、ルート要求22を送信することによって経路16を要求する。ルート要求22は、関連する行き先位置、ここではセル14bを同定する。
【0105】
ルート要求22に応答して、ルート計画モジュール94は行き先位置への経路16を、適切な経路16を同定、選択および/または他の仕方で生成することによって、生成する。経路16を生成する際に、ルート計画モジュール94は、移動駆動ユニット20bの状態の特定の側面、ここではそのドッキング状態を考慮する。要求元移動駆動ユニットの状態の関連する側面に基づいて、ルート計画モジュール94は、要求元移動駆動ユニット20bが、作業スペース70で特定のセル14を通って移動すること、特定の経路16を進むことおよび/または特定の設備(たとえば、駆動リフト(drive lift))を利用することを禁止されていることを判定してもよく、および/または移動駆動ユニット20bの状態が、移動駆動ユニット20bについてルート計画モジュール94が適正に生成できる経路16に対して他の何らかの形の制約をかけていることを判定してもよい。
【0106】
特定の諸実施形態では、要求元移動駆動ユニット20は、自分で、ルート計画モジュール94に関連する状態情報を示しうる。たとえば、図示した実施形態において、移動駆動ユニット20bはそのドッキング状態をルート要求22において示しうる。代替的な諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、作業スペース70において動作している一つまたは複数の移動駆動ユニット20をモニタリングしてもよく、関連する状態情報をその通常の動作の一部として維持してもよい。さらに、特定の諸実施形態において、ルート計画モジュール94は、その代わり、関連する状態情報を、特定の移動駆動ユニット20が経路16を要求するときに、目録品システム10の他のコンポーネントから取得してもよい。たとえば、特定の諸実施形態において、ルート計画モジュール94がルート要求22を特定の移動駆動ユニット20から受領するとき、ルート計画モジュール94は、要求元移動駆動ユニット20が現在タスクを割り当てられているかどうかを決定するためスケジューリング・モジュール92と通信してもよい。
【0107】
図示した例では、目録品ホルダー30と現在ドッキングされている移動駆動ユニット20は、作業スペース70の、目録品ホルダー30の保管のために指定されているセル14(保管セル64と称される)を通って動くことは許容されないと想定されている。その結果、移動駆動ユニット20bが目録品ホルダー30に現在ドッキングされている場合、ルート計画モジュール94は移動駆動ユニット20のために、図7で経路16aとして示されている経路のような、すべての指定された保管セルを迂回する経路を生成しうる。他方、移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30に現在ドッキングされていない場合、ルート計画モジュール94は、図7に経路16bとして示される経路のような指定された保管セル64を含む経路を生成しうる。
【0108】
ひとたびルート計画モジュール94が適切な経路16を生成したら、ルート計画モジュール94は経路16を要求元移動駆動ユニット20に通信する。図示した実施形態では、ルート計画モジュール94は、経路16を同定するルート応答24を移動駆動ユニット20bに送信する。移動駆動ユニット20bは次いで上で論じたように、受領された経路16を完了する。
【0109】
経路16を生成するときに要求元移動駆動ユニット20の状態を考えることによって、ルート計画モジュール94は、その移動駆動ユニット20のためにルート計画モジュール94が生成する経路16に関して、より知的な決定をなしうる。特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、ルート計画モジュール94が、ある状態の移動駆動ユニット20によって使用されるために禁止されているかもしれないセル、経路または設備を選択的に使うことを許容するために、要求元移動駆動ユニット20の状態を考慮してもよい。同様に、特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、特定の状態の移動駆動ユニット20による特定のセル、経路または設備の使用を制限して、当該セル、経路または設備を使うために好ましい状態をもつ移動駆動ユニット20による使用のために利用可能となれるようにするために、要求元移動駆動ユニット20の状態を考慮してもよい。
【0110】
一例として、ルート計画モジュール94は、すでに論じたように、経路を生成するときに要求元移動駆動ユニット20のドッキング状態を考慮してもよい。同様に、特定の諸実施形態(たとえば、移動駆動ユニット20が実際には輸送する目録品ホルダー30とドッキングしない実施形態)では、ルート計画モジュール94は代替的に、経路を生成するときに要求元移動駆動ユニット20が荷を担持しているかどうかを考慮してもよい。結果として、ルート計画モジュール94は、ルーティングにおいて普通なら使用が禁止されていたかもしれないセル14を選択的に使用できてもよい。というのも、ドッキングしたまたは荷を積んだ移動駆動ユニット20は、保管された目録品ホルダー30の存在、上にさしかかる階段(overhanging stairs)の位置またはドッキングしたもしくは荷を積んだ移動駆動ユニット20がセル14を横断できることを妨げる他の物理的制限のため、問題のセル14を通過できないからである。結果として、普通ならいかなる経路における使用も禁止される必要があるセル14が、移動駆動ユニット20のための経路において選択的に利用されうる。これにより、要求された経路16をルーティングするためにルート計画モジュール94にとって利用可能な空間資源が増す。
【0111】
さらに、ルート計画モジュール94は、要求元移動駆動ユニット20のドッキングまたは積載状態を、移動駆動ユニット20が要求している経路の緊急性を判断するための代理(proxy)として使用してもよい。結果として、特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、結果として得られる経路16がかなり長くなったとしても、ドッキングしていないまたは荷を積んでいない移動駆動ユニット20を、高トラフィック領域にあるセルを通じてルーティングしないよう決定しうる。同様に、特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、ドッキングしていないまたは荷を積んでいない移動駆動ユニット20については、経路を完遂するためにドライブ・リフトのような希少な設備資源の使用を要求する経路を生成しないよう決定してもよい。その結果、ルート計画モジュール94は、ある種の移動駆動ユニット20のために、それらの移動駆動ユニット20のドッキング状態または積載状態に基づいて優先順位付けされたルートを生成しうる。
【0112】
もう一つの例として、ルート計画モジュール94は、経路16を生成するときに、要求元移動駆動ユニット20の動力レベル(power level)または燃料レベルを考慮してもよい。結果として、ルート計画モジュール94は、要求元移動駆動ユニット20の充電または燃料レベルに基づいて、要求元移動駆動ユニット20が立ち往生しないことを保証するための何らかの最大長よりも短い経路16を生成する。たとえばこの経路が、要求元移動駆動ユニット20が輻輳によって遅延される確率を高めるとしてもである。同様に、ルート計画モジュール94は、要求元移動駆動ユニット20の燃料または充電レベルに基づいて、要求元移動駆動ユニット20が行き先位置への途上で再充電または燃料補給することを許容するよう、再充電または燃料補給ステーションの近くを通る経路を生成することを決定してもよい。
【0113】
さらにもう一つの例として、ルート計画モジュール94はまた、要求元移動駆動ユニット20の現在の割り当て状態も、その移動駆動ユニット20についての経路16を生成する際に考慮しうる。この割り当て状態は、その移動駆動ユニット20が現在タスクを割り当てられているかどうか、そのタスクの優先度および/またはその移動駆動ユニット20に現在または以前に割り当てられたタスクに関係する任意の他の考察に関係しうる。結果として、特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、普通なら高トラフィックセル14となるはずのセルを通じては、現在高優先度のタスクを割り当てられている移動駆動ユニット20をルーティングするだけでもよい。同様に、特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、ドライブ・リフトのような希少な設備資源の使用を要求する経路を生成することを、要求元移動駆動ユニット20が現在、タスクまたは代替的には高優先度タスクを割り当てられている場合にのみ決めてもよい。結果として、特定の諸実施形態では、ルート計画モジュール94は、現在、タスクを割り当てられている移動駆動ユニット20にとって、あるいは現在、高優先度のタスクを割り当てられている移動駆動ユニット20にとって、より迅速に完了できる経路を生成する。
【0114】
さらにもう一つの例として、目録品システム10の特定の諸実施形態は、高さおよび幅のような異なる物理的特性をもつ移動駆動ユニット20を利用しうる。そのような実施形態では、ルート計画モジュール94は、経路16を生成する際に、要求元移動駆動ユニット20の物理的な特性を考慮するよう構成されていてもよい。結果として、そのような実施形態では、ある種の移動駆動ユニット20がある種のセル14を通る、ある種の経路16をたどる、あるいはある種の設備を使うことが物理的に不可能かもしれないという事実があっても、ルート計画モジュール94がそのようなセル14、経路16または設備の使用を控えるのは、すべての移動駆動ユニット20についての経路を生成するときでなくてもよい。
【0115】
しかしながら、一般には、ルート計画モジュール94は、特定の諸実施形態では、要求された経路16を生成する際に、移動駆動ユニット20の状態の、あるいはその移動駆動ユニット20が運んでいる荷のいかなる一つまたは複数の側面を考慮してもよい。結果として、ルート計画モジュール94は特定の諸実施形態では、要求元移動駆動ユニット20の要求を満たすために経路16を調節することによって、目録品システム10内の資源の使用をさらに最適化できうる。さらに、移動駆動ユニット20によって与えられる行き先および要求元移動駆動ユニット20の状態の両方を経路16を生成する際に考慮することによって、ルート計画モジュール94のある種の実施形態は、移動駆動ユニット20が割り当てられたタスクを完了する能力にほとんどあるいは全く影響なしに、第二の目標(再充電など)の完遂を容易にできうる。結果として、図7に関して記載された技法を実装する目録品システム10の特定の諸実施形態は、いくつかの動作上の利益を提供しうる。
【0116】
図8は、図7に関して記載される技法の一部または全部を実装する際のルート計画モジュール94の例示的な実施形態の動作を示すフローチャートである。図8は、移動駆動ユニット20について特定の行き先への経路16を生成する際に、その移動駆動ユニット20の状態の特定の側面を考慮するという目録品システム10の特定の実施形態に焦点を当てているが、目録品システム10の代替的な実施形態は、経路16を生成するときに、移動駆動ユニット20の状態のいかなる適切な側面を考慮するよう構成されてもよい。さらに、図8に示されたステップのいずれも、適宜組み合わされ、修正され、あるいは削除されてもよく、追加的なステップがフローチャートに示されているものに追加されてもよい。さらに、記載されるステップは、本発明の範囲から外れることなくいかなる好適な順序で実行されてもよい。
【0117】
動作はステップ640で、ルート計画モジュール94が移動駆動ユニット20からルート要求22を受信することで始まる。ルート要求22は、作業スペース70内の行き先位置を同定する。特定の諸実施形態では、作業スペース70は、第一のセル属性と関連付けられた少なくとも一つのセル14および前記第一のセル属性と関連付けられていない少なくとも一つのセルを有する。たとえば、特定の諸実施形態では、通過するためにトンネリングを要求するセル14は、トンネリング属性に関連付けられ、トンネリングを要求しないセルはトンネリング属性とは関連付けられない。図示した例では、すべての保管セル64がトンネリング属性と関連付けられ、したがってそこを通過するために移動駆動ユニット20がトンネルすることを要求する。これに対し、保管セル64ではないすべてのセル14(「非保管セル」)は、トンネリング属性とは関連付けられておらず、これらの非保管セル64はトンネリングなしで通過できる。
【0118】
ステップ642では、ルート計画モジュール94が移動駆動ユニット20の状態を決定する。上で論じたように、ルート計画モジュール94は、ルート要求22または要求元移動駆動ユニット20との他の通信に含まれる情報、ルート計画モジュール94によって維持される情報、目録品システム10の別のコンポーネントから受信される情報および/または他の任意の好適な情報に基づいて移動駆動ユニット20の状態を決定しうる。要求元移動駆動ユニット20が第一の状態と関連付けられていると判定するのに応答して、ルート計画モジュール94はステップ644で、移動駆動ユニット20について、行き先位置への、第一のセル属性と関連付けられたセル14を通過してもよい経路16を生成する。この場合、生成された経路16は第一のセル属性に関連付けられたセルおよび第一のセル属性に関連付けられていないセル両方を通過しうる。しかしながら、要求元移動駆動ユニット20が第一の状態と関連付けられていないと判定するのに応答して、ルート計画モジュール94はステップ646で、移動駆動ユニット20について、行き先位置への、第一のセル属性と関連付けられたセル14を通過しない経路16を生成する。この場合、生成された経路16は第一のセル属性に関連付けられていないセルのみを通過する。特定の諸実施形態において、生成された経路16は、特定の移動駆動ユニット20が第一のセル属性に関連付けられたセルに同じ方向から出入りする(たとえば空の保管セル64内に目録品ホルダー30を落としていく(drop off))ことを許容しうるが、そのような実施形態では生成される経路16は、要求元移動駆動ユニット20がそのようないかなるセルを通過することも許容または要求しない。
【0119】
たとえば、特定の諸実施形態において、ルート計画モジュール94は、移動駆動ユニット20が現在ドッキングされたまたはドッキングされていない状態のどちらにあるかを判定してもよい。ルート計画モジュール94が、ステップ642において、要求元移動駆動ユニット20が現在ドッキングしていると判定する場合、ルート計画モジュール94は第一の行き先と第二の行き先との間の、保管セル64と指定されていないセル14のみを含む、図7の経路16aのような経路を生成する。一方、ルート計画モジュール94が、要求元移動駆動ユニット20が現在ドッキングしていないと判定する場合、ルート計画モジュール94は、保管セル64と指定されているセル14および非保管セル64と指定されているセルを含む、図7の経路16bのような経路を生成する。
【0120】
適切な経路16を生成したのち、ルート計画モジュール94は経路16を要求元移動駆動ユニット20に通信する。図示した例では、ステップ648で、ルート計画モジュール94は、生成された経路16を要求元移動駆動ユニット20に、生成された経路16を指定するルート応答24を要求元移動駆動ユニット20に送信することによって通信する。ルート応答24は、生成された経路16を定義する情報を含む。ルート応答24を受信した後、移動駆動ユニット20は次いで、行き先位置に向かって生成された経路16を進み始め、図8に示されるようなこの経路16の生成に関するルート計画モジュール94の動作は終了する。
【0121】
図9〜図11は、移動駆動ユニット20についての行き先を、当該移動駆動ユニット20の状態に基づいて選択するための技法を示す。より特定的には、図9は、管理モジュール15がそのような技法をどのように用いて移動駆動ユニット20についての行き先をそのタスク割り当てに基づいて選択するかの例を示す。一方、図10は、管理モジュール15がそのような技法をどのように用いて移動駆動ユニット20についての行き先をタスクを完了する機能に基づいて選択するかの例を示す。さらに、図11は、これらの技法の特定の実装における管理モジュール15の例示的な動作を示すフローチャートである。目録品システム10においてそのような技法がどのように用いられるかの一例として、目録品システム10の特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30は、ドッキングしていない移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30が、保管セル64のような作業スペース70の同じ部分を共有することを許容するような大きさおよび形にされてもよい。結果として、管理モジュール15は、現在いかなる割り当てられたタスクを完了することにも携わっていない移動駆動ユニット20に、目録品ホルダー30を現在保管しているスペース中に駐機するよう指示してもよい。これは、アイドルな移動駆動ユニット20が作業スペース70における障害物になる可能性を減らし、トラフィックのためにより多くの余地を解放しうる。さらに、これらの技法は、アイドルな移動駆動ユニット20が、当該移動駆動ユニット20を次の割り当てに応答するために最も適するよう選択された位置に差し向けられることにつながりうる。
【0122】
図9によって示された例は、資源スケジューリング・モジュール92が移動駆動ユニット20cの状態を判別することで始まる。特に、この例では、資源スケジューリング・モジュール92は移動駆動ユニット20cの割り当て状態を決定する。割り当て状態は、当該移動駆動ユニット20が現在、一つまたは複数のタスクを割り当てられているかどうか、一つまたは複数のタスクを完了させるのに活動的に(actively)従事しているかどうか、一つまたは複数の以前に割り当てられたタスクを完了したばかりかどうかおよび/または移動駆動ユニット20cに割り当てられたおよび/または移動駆動ユニット20cによって完了されたタスクに関連する他の任意の考察に関しうる。さらに、資源スケジューリング・モジュール92は、特定の移動駆動ユニット20の割り当て状態をいかなる好適な仕方で判別してもよい。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、タスクを完了した際、資源スケジューリング・モジュール92に、現在割り当てられているタスクを完了したという事実を通知する。図示した例では、移動駆動ユニット20cは、資源スケジューリング・モジュール92に、タスク完了メッセージ192を送信することによって通知する。タスク完了メッセージは、資源スケジューリング・モジュール92に、タスク完了メッセージ192を送信した移動駆動ユニット20が現在割り当てられているタスクを完了したことを、示す。タスク完了メッセージ192は、アイドルな移動駆動ユニット20についての識別子および/または資源スケジューリング・モジュール92が当該移動駆動ユニット20がそのタスクを完了したことを判別できるようにするのに好適な他の情報を含みうる。結果として、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20cの割り当て状態を、タスク完了メッセージ192の受領に基づいて判別する。代替的な諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、作業スペース70で動作している一つまたは複数の移動駆動ユニット20をモニタリングしてもよく、その通常の動作の一環として関連する状態情報を維持してもよい。
【0123】
移動駆動ユニット20cがその割り当てられたタスクを完了したと判別するのに応答して、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20cについて、その移動駆動ユニット20cがアイドルであるという事実に基づいて選ばれた行き先を選択する。目録品システム10の構成に依存して、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20cがアイドルであるという事実を、移動駆動ユニット20cについての適切な行き先を選択する際にいかなる好適な仕方で使ってもよい。アイドルな移動駆動ユニット20についての特別な扱いを提供することによって、資源スケジューリング・モジュール92はこれらの移動駆動ユニット20を、目録品システム10の全体的な効果性を改善するよう選択的に位置させてよい。
【0124】
特定の諸実施形態では、別のタスクを待っている間に移動駆動ユニット20cが輻輳を生成するのを防止するために、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20cを低トラフィックの位置に差し向けうる。一例として、資源スケジューリング・モジュール92は、現在、保管されている目録品ホルダー30を保持している保管セル64のうちから行き先位置を選択してもよい。図9の保管セル64c、64dおよび64eはそのような位置の例を示している。
【0125】
もう一つの例として、資源スケジューリング・モジュール92は、普通なら現在目録品ホルダー30とドッキングしている移動駆動ユニット20がアクセスできないセル14を行き先としておよび/または通過するために選択することによって、移動駆動ユニット20cを低トラフィックの行き先に差し向けてもよい。たとえば、特定の諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、作業スペース中で、上にさしかかる階段、狭い入口、低い天井をもつおよび/または他の仕方で目録品システム10のその実施形態で使われる目録品ホルダー30とドッキングした移動駆動ユニット20がアクセスできないセル14のうちから行き先を同定してもよい。これは、目録品ホルダー30を輸送している移動駆動ユニット20が、移動駆動ユニット20cのために駐機スペースとして選択されたセル14を使う必要がないことを保証するのを助けうる。図9に示されている作業スペース70は、目録品ホルダー30を輸送している移動駆動ユニット20が、少なくともセル14c〜14gを通過することを防ぐ階段890を含んでいる。結果として、セル14c〜14gは、図9内のこの型のアクセスできないセルの例を示している。
【0126】
さらにもう一つの例として、特定の諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、当該領域を通って流れる実際のトラフィックに基づいて行き先位置を選択することによって、移動駆動ユニット20cを低トラフィックの行き先に差し向けてもよい。たとえば、資源スケジューリング・モジュール92は、特定のセル14が、ルート計画モジュール94によって生成された経路16に含まれる頻度、そのセル14を含むセグメントが予約のために要求される頻度および/またはトラフィック流れの他の任意の適切な指標を考慮してもよく、次いで、移動駆動ユニット20cのために、諸移動駆動ユニット20がまれにしか使わないセル14のうちからの行き先を選択してもよい。図9のセル14h〜14jは、この例の目的のためには、諸移動駆動ユニット20が低頻度で使うものと想定され、よってこの型の位置の例を示している。
【0127】
さらに、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20cを、移動駆動ユニット20cに割り当てられるその後のタスクに応答するために最適な位置に配置することによって、目録品システム10の動作を改善しようと試みてもよい。たとえば、特定の諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は移動駆動ユニット20cのための行き先位置として、保管されている目録品ホルダー30に近い位置を選択してもよい。図9のセル14k〜14lは、この型の位置の一般的な例を示している。
【0128】
さらに、特定の諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、頻繁に要求される目録品ホルダー30に近い移動駆動ユニット20cのための行き先を選択してもよい。たとえば、メールオーダー商店では、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20cのための行き先を、ベストセラーの目録品40を保管する目録品ホルダー30の近くに選択してもよい。結果として、そのような実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、目録品要求に応答する際に特定の目録品ホルダー30が使用される頻度を考慮して、移動駆動ユニット20cのための位置を頻繁に要求される目録品ホルダー30の近くに選択しうる。さらに、特定の諸実施形態において、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20cの行き先を、頻繁に要求される目録品ホルダー30を保持している保管セル64内に位置するよう選択することによって、両方の目標を達成することを試みてもよい。結果として、移動駆動ユニット20cはトラフィックから閉め出されてもよく、また、移動駆動ユニット20に割り当てられそうなその後のタスクに応答するために最適に位置されてもよい。この例の目的のためには、目録品ホルダー30mおよび30nが、頻繁に要求される目録品ホルダーであると想定される。結果として、保管セル64mおよび64nがそれぞれ目録品ホルダー30、特に頻繁に要求される目録品ホルダー30を現在保管しているという事実のため、図9の保管セル64mおよび64nは、両方の目標を満足させる例示的な位置を表す。
【0129】
より一般的に、資源スケジューリング・モジュール92は、特定の割り当て状態をもつ移動駆動ユニット20についての行き先として、いかなる特定の型の位置を選択してもよい。さらに、図9は、行き先として選択されうる特定の型のセル14が作業スペース70内の特定の位置に位置されている例示的な構成を示しているが、資源スケジューリング・モジュール92は、作業スペース70内のどこに位置されたいかなる型の行き先を利用してもよい。
【0130】
移動駆動ユニット20cについて行き先を選択した後、資源スケジューリング・モジュール92は行き先位置を移動駆動ユニット20cに通信する。図示した実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、選択された行き先位置を同定するタスク割り当て18を送信する。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20cは次いで、図5に関連して述べたように、経路を要求して、その行き先に移動しうる。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は次いで、その行き先において、別のタスク割り当て18を受領するまで待ってもよい。
【0131】
このように、アイドルな移動駆動ユニット20について低トラフィック領域の駐機位置を選択することによって、資源スケジューリング・モジュール92の特定の実施形態は、そのような移動駆動ユニット20がさらなる割り当てを待っている間に輻輳を生成しうる確率を減らしうる。さらに、アイドルな移動駆動ユニット20を目録品ホルダー30または目録品システム10の他の適切なコンポーネントの近くに配置することによって、資源スケジューリング・モジュール92は、アイドルな移動駆動ユニット20が割り当てられる将来のタスクのための完了時間を短縮できる。より一般には、目録品システム10の特定の実施形態は、特定の移動駆動ユニット20がアイドルであるという知識をその移動駆動ユニット20についての行き先を選択するためにいかなる適切な仕方で使うよう構成されてもよい。移動駆動ユニット20が不使用の時に移動駆動ユニット20を戦略的に配置することによって、資源スケジューリング・モジュール92はさらに目録品システム10の全体的な効率およびスループットを上げることができる。
【0132】
図10は、資源スケジューリング・モジュール92が移動駆動ユニット20についての位置を決めるために、どのようにしてその移動駆動ユニット20の状態のさまざまな側面を使用しうるかのもう一つの例を示している。より特定的には、図10は、資源スケジューリング・モジュール92が、移動駆動ユニット20の能力状態(capability state)をどのように使ってその移動駆動ユニット20についての位置を決定しうるかを示している。移動駆動ユニット20についての適切な行き先を、修理状態、エネルギー補給状態および/またはその移動駆動ユニット20が割り当てられたタスク一般を完了するおよび/または特定の割り当てられたタスクを完了する能力に関係する他の任意の考察に基づいて決定することによって、資源スケジューリング・モジュール92は、修理、再補給および/または割り当てられたタスクを完了する能力を復活させるまたは向上させるために他の型のメンテナンスを必要としている移動駆動ユニット20の配置を最適化しうる。
【0133】
図10によって示される例は、資源スケジューリング・モジュール92移動駆動ユニット20dの状態または該状態の特定の側面を判別することで始まる。具体的には、この例では、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20dの能力状態を判別する。能力状態は、修理状態、補給状態、メンテナンス状態および/または当該移動駆動ユニット20の割り当てられたタスクを完了するための現在の能力または予期される将来の能力の他の任意の側面に関係しうる。
【0134】
資源スケジューリング・モジュール92は、任意の適切な仕方で移動駆動ユニット20dの能力状態を判定しうる。図示した実施形態では、移動駆動ユニット20dは、その能力が変化するときおよび/またはその機能に影響するイベントが生起するとき、能力メッセージ(capability message)990を送信するよう構成される。たとえば、移動駆動ユニット20は、その燃料レベルまたはバッテリー充電レベルが降下するとき、移動駆動ユニット20dのパーツまたはコンポーネントが壊れるか不使用になるとき、移動駆動ユニット20dのスケジュールされたメンテナンス期間が経過したとき、あるいは移動駆動ユニット20dが割り当てられたタスクを完了するおよび/または活動的であり続ける能力に影響するまたは潜在的に影響する他の任意のイベントが生起するときに、能力メッセージ990を送信しうる。代替的な諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92はその通常動作の一環として、移動駆動ユニット20のさまざまな特性または移動駆動ユニット20に関連するイベントをモニタリングし、モニタリングされた情報に基づいて移動駆動ユニット20の能力状態を判別してもよい。さらに別の実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、資源スケジューリング・モジュール92が移動駆動ユニット20の能力状態を判別するもとになる情報を、目録品システム10の他のコンポーネントから受領してもよい。しかしながら、一般には、資源スケジューリング・モジュール92は、いかなる好適なソースから得られたいかなる適切な情報を使って特定の移動駆動ユニット20の能力状態を判別してもよい。
【0135】
図示した例に戻ると、資源スケジューリング・モジュール92は、能力メッセージ990から移動駆動ユニット20dの能力状態を判別したのち、この能力状態に基づいて移動駆動ユニット20dのための位置を選択する。資源スケジューリング・モジュール92は次いで選択された位置を同定するタスク割り当て18を生成し、タスク割り当て18を完了のために移動駆動ユニット20に送信する。その能力状態に基づいて移動駆動ユニット20について適切な宛先を選択することによって、資源スケジューリング・モジュール92は、損害、エネルギー枯渇および他の無力化する事件の、目録品システム10の輻輳、スループットおよび応答性に対する効果を軽減することができうる。
【0136】
一例として、特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20dの能力状態は、その修理状態に関係していてもよい。移動駆動ユニット20dの何らかのコンポーネントまたは特定のコンポーネントが壊れるまたは使用不能になる場合、移動駆動ユニット20は資源スケジューリング・モジュール92に能力メッセージ990を送信しうる。資源スケジューリング・モジュール92は次いで、移動駆動ユニット20dが修理を必要とするという知識に基づいて移動駆動ユニット20のための行き先を選択しうる。特定の諸実施形態において、目録品システム10は、ある種の型の誤動作を修理するまたはある種の型のパーツを交換することができる自動化された修理ステーション992を含んでいてもよい。たとえば、目録品システム10は、パンクしたタイヤを交換する、センサーをクリーニングする、あるいは人間の関与が限られているか全くない他の型の修理を実行することができる自動化された修理ステーション992を含んでいてもよい。そのような実施形態においては、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20dが修理を必要としていると判定するのに応答して、あるいは移動駆動ユニット20dが特定の型の修理を必要としていると判定するのに応答して、セル14m、14nおよび14oのような、適切な自動化された修理ステーション992にあるまたはその近くにある行き先を選択しうる。
【0137】
もう一つの例として、特定の諸実施形態において、目録品システム10は、セル14pおよび14qのような、移動駆動ユニット20を修理しようと試みる人間のオペレーターにとって簡単なアクセスを提供するセル14を含んでいてもよく、資源スケジューリング・モジュール92は、少なくともある型の修理については、移動駆動ユニット20をこれらのセルに送るよう構成されていてもよい。図10に示したような特定の諸実施形態では、作業スペース70の一部または全部が壁、柵または作業スペース70にはいるのを防止または制限する他の障壁によって囲まれていてもよく、資源スケジューリング・モジュール92は、作業スペース70へのアクセスポイント(図10のドア998のような)に近い行き先を選択してもよい。代替的または追加的に、資源スケジューリング・モジュール92は、高トラフィック領域から離れて位置された、修理作業のために予約された、あるいは他の仕方で修理を必要とする移動駆動ユニット20への安全および/または簡単なアクセスを人間のオペレーターに許容するよう位置されている行き先を選択してもよい。こうして、駆動ユニット20dが修理を必要としていると判定するのに応答して、あるいは移動駆動ユニット20dが特定の型の修理(自動化された修理ステーション994にとっては複雑すぎるような型の修理)を必要としていると判定するのに応答して、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20のために、人間のオペレーターにとって簡単にアクセス可能なセル14pおよび14qのような行き先を、選択しうる。
【0138】
さらにもう一つの例では、特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20dの能力状態はその燃料または充電レベルに関係していてもよい。たとえば、特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20dは、その燃料レベル、バッテリー充填または他の適切な形のエネルギー・レベルを示す能力メッセージ990を、資源スケジューリング・モジュール92に送信しうる。すると資源スケジューリング・モジュール92は、この情報に基づいて移動駆動ユニット20dのための適切な行き先を選択しうる。特定の諸実施形態では、目録品システム10は、一つまたは複数のエネルギー・ステーション996を含んでいてもよく、そこで移動駆動ユニット20は再充電または燃料補給されたり、新しいバッテリーを受け取ったり、または他の仕方で割り当てられたタスクに応答するために追加的なエネルギーを受け取ることができる。こうして、駆動ユニット20dが燃料補給または再充電を必要としていると判定するのに応答して、資源スケジューリング・モジュール92は、適切なエネルギー・ステーション996に近い、セル14r、14sまたは14tのような行き先を選択しうる。
【0139】
さらにもう一つの例としては、特定の諸実施形態において、資源スケジューリング・モジュール92は、修理、燃料補給または再充電を必要とする移動駆動ユニット20を低トラフィックのセル14に送るよう構成されてもよい。その結果、割り当てられたタスクを完了できない移動駆動ユニット20が、修理または目録品システム10からの除去を待っている間にトラフィックを妨害することがなくなる。そうすることにおいて、資源スケジューリング・モジュール92は、特定のセル14が、ルート計画モジュール94によって生成された経路16に含まれる頻度、そのセル14を含むセグメントが予約のために要求される頻度および/またはトラフィック流れの他の任意の適切な指標を考慮してもよく、次いで、移動駆動ユニット20dのために、諸移動駆動ユニット20がまれにしか使わないセル14のうちからの行き先を選択してもよい。さらに、そのような移動駆動ユニット20のための行き先を選択するとき、資源スケジューリング・モジュール92は、物理的な制約条件、システム・ポリシーおよび/または他の任意の好適な考察のために、特定のセル14が普通なら移動駆動ユニット20の行き先としておよび/または移動駆動ユニット20が通過するために利用可能ではないという事実を考慮してもよい。図10では、セル14uおよび14vが、この例の目的のためには、移動駆動ユニット20によって低頻度で使われていると想定されており、よってこの型の位置の例を示している。こうして、駆動ユニット20dが修理を必要としていると判定するのに応答して、あるいは移動駆動ユニット20dが特定の型の修理を必要としていると判定するのに応答して、資源スケジューリング・モジュール92が、セル14uまたは14vのような低トラフィック領域に行き先を選択しうる。
【0140】
さらにもう一つの例として、資源スケジューリング・モジュール92は、移動駆動ユニット20のための特定の単数または複数のタスクを、移動駆動ユニット20の劣化した能力に基づいて選択してもよい。こうして、資源スケジューリング・モジュール92が移動駆動ユニット20が整備不全(disrepair)の状態にある、バッテリーまたは燃料の残量が少なくなっている、または他の仕方で劣化した能力状態にあると検出するとき、資源スケジューリング・モジュール92はその移動駆動ユニット20に、より軽い目録品ホルダー30、移動駆動ユニット20の位置により近い目録品ホルダー30に関連付けられた、または他の仕方で、他のタスクに割り当てられた目録品ホルダー30よりもその劣化した移動駆動ユニット20による輸送のためにより適したタスクを割り当ててもよい。結果として、資源スケジューリング・モジュール92は、当該移動駆動ユニット20のために、そのような目録品ホルダー30に関連付けられた行き先位置を選択してもよい。
【0141】
より一般には、資源スケジューリング・モジュール92は、特定の型の位置を、特定の能力状態をもつ移動駆動ユニット20についての行き先として選択してもよい。さらに、図10は、行き先として選択されうる特定の型のセル14が作業スペース70内の特定の位置に位置されている例示的な構成を示しているが、資源スケジューリング・モジュール92は作業スペース70内のどこに位置されたいかなる型の行き先を利用してもよい。
【0142】
資源スケジューリング・モジュール92が移動駆動ユニット20dについて適切な行き先を、その能力状態に基づいて選択した後、資源スケジューリング・モジュール92は行き先を移動駆動ユニット20dに通信する。図示した例では、資源スケジューリング・モジュール92は、選択された行き先を同定するタスク割り当て18を移動駆動ユニット20dに送信することによって行き先を通信する。移動駆動ユニット20dは次いで、図5に関連して述べたように、選択された行き先までの経路16を要求して、その選択された行き先に移動しうる。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は次いで、その選択された行き先において、修理されるか適切なメンテナンスを受けるまで待ってもよい。すると、移動駆動ユニット20は、資源スケジューリング・モジュール92から他のタスク割り当てを受信するために利用可能になる。
【0143】
上記の記述は、移動駆動ユニット20dがその能力状態を示す情報を資源スケジューリング・モジュール92に送信する例に焦点を当てているが、特定の諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、その代わりに、特定の移動駆動ユニット20の能力状態を、資源スケジューリング・モジュール92が当該移動駆動ユニット20以外のソースから取得する情報に基づいて判別してもよい。たとえば、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、修理またはメンテナンス・スケジュールに従って修理またはメンテナンスされてもよく、資源スケジューリング・モジュール92は、特定の移動駆動ユニット20の能力状態を、このスケジュールと、当該移動駆動ユニット20が修理されるかメンテナンスを受けるか下最後の時点を示す記憶されている情報とに基づいて判別してもよい。
【0144】
こうして、移動駆動ユニット20のために、移動駆動ユニット20が修理され、燃料補給され、再充電され、メンテナンスされ、あるいは他の仕方でその能力を回復してもらうスピードまたは簡単さを増す駐機位置を選択することによって、資源スケジューリング・モジュール92は、損傷した、消耗したまたは他の仕方で割り当てられたタスクを完了できない移動駆動ユニット20の負の影響を制限することができる。さらに、そのような移動駆動ユニット20のための低トラフィックの領域に駐機スペースを選ぶことによって、資源スケジューリング・モジュール92の特定の諸実施形態は、そのような移動駆動ユニット20が修理またはメンテナンスを待つ間に輻輳を生じる確率を低下させうる。より一般には、目録品システム10の特定の実施形態は、特定の移動駆動ユニット20が損傷している、消耗しているまたは他の仕方で割り当てられたタスクを完了することができないという知識を、その移動駆動ユニット20のための行き先を選択するためにいかなる適切な仕方で使ってもよい。そのような状態にある移動駆動ユニット20を戦略的に位置させることによって、資源スケジューリング・モジュール92は、目録品システム10の全体的な効率およびスループットをさらに上げることができる。
【0145】
図11は、移動駆動ユニット20についての行き先位置を選択する際の、資源スケジューリング・モジュール92の特定の実施形態の動作を示すフローチャートである。より特定的には、図11は、資源スケジューリング・モジュール92が、目録品システム10の特定の諸実施形態において、特定の移動駆動ユニット20についての行き先をその移動駆動ユニット20の状態に基づいて選択するプロセスを示している。図11は、資源スケジューリング・モジュール92が移動駆動ユニット20のための行き先をその移動駆動ユニット20の割り当て状態に基づいて選択する例に焦点を当てているが、資源スケジューリング・モジュール92の特定の諸実施形態はその代わりに、当該移動駆動ユニット20の能力状態または全体的な状態の他の任意の側面に基づいて行き先を選択するよう構成されてもよい。さらに、図11に示されるステップのどれも、適宜組み合わされ、修正され、あるいは削除されてもよく、追加的なステップがフローチャートに示されているものに追加されてもよい。さらに、記載されるステップは、本発明の範囲から外れることなくいかなる好適な順序で実行されてもよい。
【0146】
この例では、動作は、ステップ650で、資源スケジューリング・モジュール92が特定の移動駆動ユニット20の割り当て状態を決定することで始まる。上記したように、割り当て状態は、当該移動駆動ユニット20が現在、一つまたは複数のタスクを割り当てられているかどうか、一つまたは複数のタスクを完了させるのに活動的に(actively)従事しているかどうか、一つまたは複数の以前に割り当てられたタスクを完了したばかりかどうかおよび/または移動駆動ユニット20に割り当てられたおよび/または移動駆動ユニット20によって完了されたタスクの他の任意の側面に関しうる。ステップ652では、資源スケジューリング・モジュール92は、この割り当て状態に基づいて、移動駆動ユニット20が現在、何らかの割り当てられたタスクを完了させつつあるところかどうかを判定する。資源スケジューリング・モジュール92が移動駆動ユニット20が現在、割り当てられたタスクを完了させつつあるところだと判定する場合、資源スケジューリング・モジュール92は移動駆動ユニット20にその割り当てられたタスクを完了することを許容してもよく、資源スケジューリング・モジュール92の動作は、その移動駆動ユニット20のための行き先を選択することに関しては、図11に示されるように終了しうる。
【0147】
一方、資源スケジューリング・モジュール92が、移動駆動ユニット20が現在いかなる割り当てられたタスクも完成させようとしていないと判定する場合には、資源スケジューリング・モジュール92は、ステップ654で、移動駆動ユニット20の割り当て状態に基づいて移動駆動ユニット20のための行き先を選択する。資源スケジューリング・モジュール92の構成に依存して、資源スケジューリング・モジュール92は移動駆動ユニット20のためのいかなる適切な行き先をその割り当て状態に基づいて選択してもよい。特定の諸実施形態において、資源スケジューリング・モジュール92は、低トラフィックの行き先または予期される将来のタスクに関連付けられた位置に近い行き先を選択してもよい。移動駆動ユニット20がアイドルであると判定することに応答して、資源スケジューリング・モジュール92は、行き先に関連付けられたトラフィック・レベルに基づいて、その目録品ホルダー30への近さに基づいて、あるいは移動駆動ユニット20の状態の他の任意の適切な考察に基づいて、位置を選択してもよい。
【0148】
ステップ656において、資源スケジューリング・モジュール92は、選択された行き先情報を移動駆動ユニット20に送信する。特定の諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、選択された行き先を含むタスク割り当て18を送信する。ステップ658で、移動駆動ユニット20は選択された行き先に移動する。
【0149】
移動駆動ユニット20は次いで、ステップ660で、別の割り当てられたタスクを受け取るまで待つ。こうして、ステップ662では、移動駆動ユニット20は移動駆動ユニット20が別の割り当てられたタスクを受信したかどうかを判定する。そうであれば、移動駆動ユニット20は、ステップ664で、割り当てられたタスクを実行することを開始し、移動駆動ユニット20のための行き先を選択することに関する資源スケジューリング・モジュール92の動作は図11に示されるように終了する。
【0150】
移動駆動ユニット20が別の割り当てられるタスクを待つ間、資源スケジューリング・モジュール92はステップ66で、選択された行き先に関連付けられた、選択された行き先を含むセル14のような作業スペース70の一部分が別の用途のために必要とされていると判定しうる。結果として、資源スケジューリング・モジュール92はステップ668で、移動駆動ユニット20のために別の行き先を選択しうる。資源スケジューリング・モジュール92は新しく選択された位置を移動駆動ユニット20に送信する。
【0151】
図12A〜12E、図13および図14は、移動駆動ユニット20の協調された動きを管理するまたは「小隊化(platooning)」のための技法を示している。より特定的には、図12A〜12Eは、目録品システム10の特定の実施形態において、協調された動き技法がどのように実装され、利用されるかの例を示している。図13は、これらの技法の特定の実装を利用する際の管理モジュール15の例示的な動作を示すフローチャートであり、一方、図14は、これらの技法の特定の実装を利用する際の移動駆動ユニット20の例示的な動作を示すフローチャートである。
【0152】
目録品システム10においてそのような技法がどのように実装され、利用されうるかの一例として、管理モジュール15は、同じ方向に動いている移動駆動ユニット20のグループについて修正された予約ポリシーを用いてもよい。具体的には、グループの後部にいる一つまたは複数の移動駆動ユニット20は、その移動駆動ユニット20の前にある移動駆動ユニット20によって占有されている特定のセル14を含むセグメント17を、前記前にある移動駆動ユニット20が当該セル14を空ける前に予約することを許容されてもよい。これは、前にいる移動駆動ユニット20(単数または複数)は後にいる移動駆動ユニット20(単数または複数)が動いているのと同時に動き、結果としてゆるめた予約ポリシーにもかかわらず衝突は起こらないだろうという期待に基づいたものである。
【0153】
図12A〜12Bは、同じ方向に動いているのではない移動駆動ユニット20の倍にこれらのポリシーがどのように実装されうるかの例を示している。より特定的には、図12A〜12Bは、移動駆動ユニット20eが、矢印401によって示される方向に動くために、経路セグメント17xを予約しようと試みている例を示している。図示した例では、セグメント17xは、現在(presently)予約されており、移動駆動ユニット20fによって占有されている。さらに、移動駆動ユニット20eは、矢印402によって示される移動駆動ユニット20fのほうに動くことを試みている。図12Aおよび12Bは、移動駆動ユニット20fによって生成され、図12C〜12Eに関してより詳細に後述される駆動識別信号(drive identification signal)430をも示している。
【0154】
図12Aは、移動駆動ユニット20eがセグメント17xを予約しようとするときの、この例における移動駆動ユニット20eおよび20fの位置を示している。図12Aに示されるように、移動駆動ユニット20eは、予約要求26を管理モジュール15に送信することによって、セグメント17xを予約しようと試みる。図5に関連して上記した予約ポリシーのもとでの結果と同様に、この予約要求26は、この例で利用される修正された予約ポリシーのもとでも拒否される。移動駆動ユニット20fがすでに、要求されたセグメント17x上のセル14xxを占有しており、移動駆動ユニット20eと移動駆動ユニット20fが同じ方向に動いているのではないからである。図示した例では、図12Bに示されるように、管理モジュール15は移動駆動ユニット20eに、試みられた予約が不成功であったことを、予約が不成功であったことを示す予約応答28を送信することによって通知する。
【0155】
さらに、特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20eは、他の移動駆動ユニット20を含め、移動駆動ユニット20eの経路中の対象を検知する障害物センサーを装備されていてもよい。結果として、移動駆動ユニット20eは、通過中に移動駆動ユニット20eがその経路中に移動駆動ユニット20fを検出する場合、動きを止めてもよいし、あるいは移動駆動ユニット20eが該移動駆動ユニット20が予約しようとしているセグメント17xのようなセグメント17上に移動駆動ユニット20fを検出する場合、予約を要求することを控えてもよい。結果として、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20eは、この例に示されているように、該移動駆動ユニット20eがセグメント17x上に移動駆動ユニット20fを検出する場合、セグメント17xを予約する試みさえしなくてもよい。
【0156】
図12C〜12Eは、移動駆動ユニット20どうしが同じ方向に動いている場合に、修正されたポリシーがどのように動作しうるかの例を示している。図12C〜12Eでは、移動駆動ユニット20eはやはり、矢印401によって示される方向に動くために経路セグメント17xを予約しようと試みている。前の例と同様に、セグメント17xはすでに予約されており、移動駆動ユニット20fによって占有されている。しかしながら、この場合、移動駆動ユニット20fは、矢印403によって示されているように、移動駆動ユニット20eから動き去ろうとしている。
【0157】
図12Cは、移動駆動ユニット20eがセグメント17xを予約しようと試みるときの移動駆動ユニット20eおよび20fの位置を示している。図12Cに示されるように、移動駆動ユニット20eはここでもまた、管理モジュール15に予約要求26を送信することによってセグメント17xを予約しようと試みる。しかしながら、この場合、セグメント予約モジュール96(または管理モジュール15の他の適切なコンポーネント)が、移動駆動ユニット20fは移動駆動ユニット20eと同じ方向に動いていると判定する。結果として、セグメント予約モジュール96は、通常の場合に移動駆動ユニット20eできる前に、移動駆動ユニット20eがセグメント17xを予約することを許容することが受入可能であると判断する。結果として、管理モジュール15は、図12Dに示されるように、移動駆動ユニット20fがセグメント17の予約に成功したことを示す予約応答28を送信しうる。
【0158】
結果として、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20eと20fが互いと同じ方向に動いているという事実に基づいて、移動駆動ユニット20eは、移動駆動ユニット20fの予約と重なる予約を要求することに成功できてもよい。さらに、目録品システム10の関連する実施形態によって実装される個別的なポリシーに依存して、移動駆動ユニット20eは通常許容されるよりも早くに所与のセル14に進入することが許されてもよい。結果として、特定の諸実施形態では、図12Eに示されるように、移動駆動ユニット20eは、セグメント17xに沿った動きの間の特定の諸時点において、移動駆動ユニット20fと同じセル14の一部を占有しうる。こうして、図12C〜12Eに示される修正された予約ポリシーは、複数の移動駆動ユニット20が、通常許容されるよりもずっと小さな離間距離をもって相前後して進むことを許容する。
【0159】
さらに、上記したように、移動駆動ユニット20eはまた、その途上にある障害物を検出できる衝突検出器を含んでいてもよい。衝突検出器が移動駆動ユニット20eの経路中に障害物を検出する場合、たとえ移動駆動ユニット20eがその経路中の諸セグメント17の予約に成功したとしても、衝突検出器は移動駆動ユニット20eが動くことを防止しうる。したがって、移動駆動ユニット20がそのような衝突検出器を利用するような目録品システム10の諸実施形態において、移動駆動ユニット20は、図12A〜12Eに示されるように、駆動識別信号430を送信するよう構成されていてもよい。
【0160】
駆動識別信号(drive identification signal)430は、他の移動駆動ユニット20に、駆動識別信号430を送信している対象自身が移動駆動ユニット20であることを示すいかなる適切な形の信号を表していてもよい。駆動識別信号の例は、これに限られないが、音響、可視光、電波、赤外線および紫外線信号を含む。特定の諸実施形態において、駆動識別信号430は、視線信号を含んでいてもよく、移動駆動ユニット20は、進行方向と反対の方向に駆動識別信号430を送信してもよい。結果として、送信する移動駆動ユニット20の(移動駆動ユニット20の進行方向に対して)背後に位置する移動駆動ユニット20のみが、駆動識別信号430を検出できることになる。その結果、駆動識別信号430を検出した移動駆動ユニット20は、この検出に基づいて、検出した障害物が実は遠ざかりつつある移動駆動ユニット20であると判定でき、これらの移動駆動ユニット20はこの判定の結果として、衝突検出器をオーバーライドしてもよい。
【0161】
さらに、送信する移動駆動ユニット20が移動駆動ユニット20であるとして識別することに加えて、駆動識別信号430は、送信する移動駆動ユニット20の動きまたは予定される動きに基づいて近くの移動駆動ユニット20がその動きを修正することを許容するよう、該送信する移動駆動ユニット20についての追加的な情報を担持していてもよい。たとえば、駆動識別信号430は、前記送信する移動駆動ユニット20の現在の速度、現在の加速度/減速度、行き先、大きさおよび/または位置および/または前記送信する移動駆動ユニット20の近傍内をナビゲートしようとしている移動駆動ユニット20によって使用されうる他の任意の適切な情報を含んでいてもよい。結果として、前記送信する移動駆動ユニット20がその速度または方向を調整するとき、その後に続く移動駆動ユニット20はこの調節を、駆動識別信号430に含まれる情報に基づいて検出できる。すると後続の移動駆動ユニット20は、前記送信する移動駆動ユニット20が制動をかけるまたは他の仕方で減速するとき、応答して自らの速度を調節し、衝突を回避しうる。
【0162】
こうして、図12C〜12Eに示される例では、移動駆動ユニット20fが、該移動駆動ユニット20fが移動駆動ユニット20であり、特定の速度で進行していることを移動駆動ユニット20eに知らせる駆動識別信号430を送信する。移動駆動ユニット20eが、移動駆動ユニット20fによって送信された駆動識別信号430を検出するとき、移動駆動ユニット20eは、その衝突検出器によって検出された対象が実際には逆方向に動いている移動駆動ユニット20であると判定する。結果として、図12Eに点線のシルエットによって示されるように、移動駆動ユニット20eはその衝突検出器をオーバーライドし、移動駆動ユニット20fの方向に進む。移動駆動ユニット20fがその速度を調整する際、移動駆動ユニット20eはその変化を、駆動識別信号430内の情報に基づいて検出し、自らの速度を一致するように調整する。結果として、移動駆動ユニット20eは、同じ方向に進んでいる間、移動駆動ユニット20eと20fの間の衝突の可能性を制限または解消しながらも、移動駆動ユニット20fの後にぴったりついていくことができる。
【0163】
図13は、上の技法を実装する際の、セグメント予約モジュール96の例示的な動作を示すフローチャートである。具体的には、図13は、互いに近接して動作していてもよい第一の移動駆動ユニット20および第二の移動駆動ユニット20の動きを管理する際のセグメント予約モジュール96のある特定の実施形態の動作を詳細に示している。図3に示されたステップのどれも、適宜組み合わされ、修正され、あるいは削除されてもよく、追加的なステップがフローチャートに示されているものに追加されてもよい。さらに、記載されるステップは、本発明の範囲から外れることなくいかなる好適な順序で実行されてもよい。
【0164】
動作はステップ670で、資源スケジューリング・モジュール92が第一の移動駆動ユニット20から、第一の方向に動くために経路セグメント17の使用を要求する予約要求26を受信することで始まる。予約要求26を受信する前または後に、ステップ672において、資源スケジューリング・モジュール92は、第二の移動駆動ユニット20が現在、要求された経路セグメント17上に位置されていると判定する。第二の移動駆動ユニット20は現在要求された経路セグメント17上に位置しているので、資源スケジューリング・モジュール92は、ステップ674で、第二の移動駆動ユニット20が前記第一の方向に動いているかどうかを判定する。
【0165】
資源スケジューリング・モジュール92が第二の移動駆動ユニット20が前記第一の方向に動いていると判定する場合、資源スケジューリング・モジュール92は予約を承認する。結果として、資源スケジューリング・モジュール92は、ステップ676で、要求された経路セグメント17を予約する。ステップ678で、資源スケジューリング・モジュール92は、特定の諸実施形態において、要求された予約が成功したことを示す予約応答28を送信する。
【0166】
資源スケジューリング・モジュール92が、第二の移動駆動ユニット20が前記第一の方向に動いているのではないと判定する場合、資源スケジューリング・モジュール92は予約を拒否する。特定の諸実施形態において、資源スケジューリング・モジュール92は、次いでステップ680で、第一の移動駆動ユニット20が要求されたセグメント17の予約に成功しなかったことを示す予約応答28を前記第一の移動駆動ユニット20に送信する。予約要求26に応答することに関する資源スケジューリング・モジュール92の動作は次いで、図13に示されるように、終了しうる。
【0167】
図14は、上記の技法を実装する際の移動駆動ユニット20の例示的な動作を示すフローチャートである。特に、図14は、目録品システム10の特定の実施形態において、第二の移動駆動ユニット20の近くで動作している第一の移動駆動ユニット20によって利用される意思決定を詳細に示している。図14に示されるステップのどれも、適宜組み合わされ、修正され、あるいは削除されてもよく、追加的なステップがフローチャートに示されているものに追加されてもよい。さらに、記載されるステップは、本発明の範囲から外れることなくいかなる好適な順序で実行されてもよい。
【0168】
動作は、ステップ702で、第一の移動駆動ユニット20が第一の方向に動くことを指示するコマンドを受信することで始まる。このコマンドは、移動駆動ユニット20に、前記第一の方向にある行き先に関連するタスクを割り当てるタスク割り当て18、前記第一の方向に向かう経路16を同定するルート応答24および/または前記第一の方向に動くよう第一の移動駆動ユニット20に示威する他の任意の適切な形のコマンドを表していてもよい。ステップ704では、移動駆動ユニット20は経路セグメント16に沿って前記第一の方向に進むことを始める。
【0169】
ステップ706において、第一の移動駆動ユニット20は経路セグメント16に沿った前記第一の方向に位置された対象を検出する。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20の経路中の対象を検出することのできる障害物センサー160を含む。こうして、そのような実施形態においては、第一の移動駆動ユニット20の障害物センサー160は対象を検出しうる。
【0170】
ステップ708において、第一の移動駆動ユニット20は検出された対象が前記第一の方向に動いている別の移動駆動ユニット20かどうかを判定する。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、自らを移動駆動ユニット20であると識別する駆動識別信号430を送信する。さらに、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は駆動識別信号430を進行方向と反対の方向に送信する。結果として、送信する移動駆動ユニット20の(前記送信する移動駆動ユニット20の進行方向に対して)背後の移動駆動ユニット20のみが、前記送信する移動駆動ユニット20によって送信された駆動識別信号430を受信する。こうして、そのような実施形態においては、第一の移動駆動ユニット20は、検出された対象が前記第一の方向に動いている移動駆動ユニット20であるかどうかの判定を、第一の移動駆動ユニット20が前記対象によって送信される駆動識別信号430を検出するかどうかを判定することによって行いうる。
【0171】
第一の移動駆動ユニット20が検出された対象が前記第二の方向に進行している第二の移動駆動ユニット20ではないと判定する場合、第一の移動駆動ユニット20は、ステップ710で、前記第一の方向への動きを終了しうる。次いで第一の移動駆動ユニット20は、該第一の移動駆動ユニット20が検出された障害物をもはや検出しなくなるまで待ってもよいし、検出された障害物を迂回してもよいし、新しい経路を要求してもよいし、および/または第一の移動駆動ユニット20の構成に基づいて適切な他の任意の是正行動を取ってもよい。次いで、第一の移動駆動ユニット20のこの特定の移動に関しては、動作は、図14に示されるように、終了しうる。
【0172】
一方、第一の移動駆動ユニット20が検出された対象が前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニット20であると判定する場合、第一の移動駆動ユニット20は前記第一の方向に動き続ける。追加的に、特定の諸実施形態において、第二の移動駆動ユニット20はその現在の状態に関する情報を第一の移動駆動ユニット20に通信してもよい。たとえば、特定の諸実施形態において、第二の移動駆動ユニット20によって送信された駆動識別信号430は、第二の移動駆動ユニット20の現在の速度、その位置および現在達成できる最大減速率を指定する情報を含んでいてもよい。次いでステップ712において、第一の移動駆動ユニット20は安全に第二の移動駆動ユニット20に追随できる速度を計算してもよい。特定の諸実施形態においては、前記のように、第一の移動駆動ユニット20はこの速度を、第一の移動駆動ユニット20の状態および/または第二の移動駆動ユニット20の状態に基づいて計算してもよい。ステップ714において、第一の移動駆動ユニット20は計算された速度での前記第一の方向への移動を続けてもよい。次いで、第一の移動駆動ユニット20のこの特定の動きに関しては、動作は図14に示されるように、終了しうる。
【0173】
図15および図16は、目録品システム10におけるさまざまな型の設備を利用して移動駆動ユニット20の移動を容易にすることにおける、ルート計画モジュール94の特定の実施形態の動作を示している。より特定的には、図15は、目録品ホルダー30を輸送する際に移動駆動ユニット20の機能を補足する搬送設備を含む目録品システム10の特定の実施形態を示しており、一方、図16はルート計画モジュール94がどのようにしてそのような設備に頼る移動駆動ユニット20のための経路を計画しうるかの例を示す。さらに、図17は、目録品ホルダー30を輸送するために特定の型の搬送設備を利用することにおける、目録品システム10の例示的な動作を示すフローチャートである。
【0174】
図15は、要求元移動駆動ユニット20のためにルート計画モジュール94が生成する経路16にルート計画モジュール94が組み込みうるある種の型の搬送設備を含む目録品システム10の実施形態を示している。一般に、目録品システム10は、移動駆動ユニット20によって提供される輸送機能を補足するためにいかなる適切な形の搬送設備を含んでいてもよい。そのような搬送設備は、これに限られないが、垂直リフト、水平コンベヤー、エレベーター、エスカレーター、トラック、フェリーならびに/または目録ホルダー30および/もしくはそれ自身目録品ホルダー30を輸送する移動駆動ユニット20を輸送することのできる他の任意の設備を含みうる。結果として、そのような搬送設備を含む目録品システム10の特定の諸実施形態は、目録品システム10のその実施形態においてしようされ利用される特定の型の移動駆動ユニット20によっては達成できない代替的な仕方の搬送(たとえば、多層作業スペース70のフロア間の輸送または複数建物からなる作業スペース70における建物間の輸送)を提供できることがありえ、あるいはある種の条件下での目録品ホルダー30の輸送(たとえば、高トラフィックの経路16またはセグメント17に沿った目録品ホルダー30の書グループのスケジュールされた輸送)をより効率的に提供できることがありうる。
【0175】
そのような搬送設備の使用を最適化するために、管理モジュール15は、経路計画、セグメント予約および/または目録品システム10の管理の他の諸側面のために、目録品システム10のその特定の実施形態に含まれる搬送設備の特性、利点および/または制限を考慮するある種の技法を実装しうる。図15は、要求元移動駆動ユニット20のために特定の型の搬送設備へのアクセスおよび該搬送設備の使用を予約するために管理モジュール15が利用しうる技法の一例を示している。より特定的には、図15は、移動駆動ユニット20がドライブ・リフト790にはいり、ドライブ・リフト790を使い、ドライブ・リフト790を出るのを容易にするために、多層作業スペース70において、管理モジュール15がいかにしてドライブ・リフト790の予約を扱うかの例を示している。
【0176】
図15に示されるような目録品システム10の特定の諸実施形態は、複数の異なるフロア、部屋および/または建物の領域または通常なら互いに物理的に分離されている他の構造にわたって広がっている作業スペース770を利用しうる。そのような実施形態において、目録品ホルダー30、目録品ステーション50および/または目録品システム10の他の要素は、複数の異なるフロア、部屋および/または建物の領域にわたって広がっていてもよく、移動駆動ユニット20は割り当てられたタスクを完了するために作業スペース770のこれらの別個の部分の間を動きうる。さらに、そのような実施形態は、目録品ホルダー30を作業スペース770のさまざまな部分の間で移動させる際に移動駆動ユニット20の輸送機能を補足するための代替的な搬送設備を含みうる。たとえば、図15は、移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30の作業スペース770のさまざまなフロア772の間での移動を容易にするためのドライブ・リフト790a〜cを含む目録品システム10を示している。結果として、資源スケジューリング・モジュール92、ルート計画モジュール94および/または管理モジュール15の他のコンポーネントは、移動駆動ユニット20にタスクを割り当て、ある種のタスクの完遂を容易にするために経路を計画し、あるいは目録品システム10の管理に関係する他の任意のタスクを実行するときに、作業スペース770の多フロア性およびドライブ・リフト790の存在を考慮しうる。
【0177】
図示した実施形態では、目録品システム10は、多フロア作業スペース770のフロア772a〜cをつなぐ複数のドライブ・リフト790を利用する。ドライブ・リフト790a〜cのそれぞれは、1階フロア772aを2階フロア772bおよび3階フロア772cにつなぐ。これはそれぞれ矢印792a〜cで示されている。ルート計画モジュール94は、作業スペース770の異なるフロア772の間の移動駆動ユニット20の移動を容易にするためにドライブ・リフト790に頼るような移動駆動ユニット20のための経路16を生成することができる。特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は次いで、図5に関して上記したように、これらの経路16を通過し、さらに、受信した経路16を完了するために適宜ドライブ・リフト790を予約および使用しうる。
【0178】
示される例の目的のためには、移動駆動ユニット20はフロア772a上に位置されており、フロア772cに位置された行き先セル14への経路16mをすでに予約したと想定される。経路16mは、移動駆動ユニット20gをフロア772cに輸送するために、ドライブ・リフト790bを利用すると想定される。経路16mを受け取った後、移動駆動ユニット20は、図5に関して上記したように、セグメントを予約しては移動しながら、受け取った経路16mに沿って進み始める。経路16mの適切な点において、たとえばセグメント17mを通る間、移動駆動ユニット20はドライブ・リフト790bに関連付けられたセグメント17nを予約しようと試みうる。
【0179】
移動駆動ユニット20が安全にドライブ・リフト790に出入りできることを保証するよう、ドライブ・リフト790の使用はある種の条件が満たされることを要求しうるので、セグメント予約モジュール96は、そのセル14またはセグメント17の諸予約を解決するとき、特定の要求されたセル14またはセグメント17がドライブ・リフト790に隣接するまたは関連付けられているという事実を考慮するよう構成されうる。一例として、特定の諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、作業スペース770のさまざまなフロア772にある、特定のドライブ・リフト790に隣接するセル14を単一のグループにまとめてもよい。そのような実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92はセル14および関連するドライブ・リフト790の使用を、一時には単一の移動駆動ユニット20に対して承認してもよい。結果として、資源スケジューリング・モジュール92は、特定の要求元移動駆動ユニット20が特定のドライブ・リフト790を予約した後、別の移動駆動ユニット20が該要求元移動駆動ユニット20がそのドライブ・リフト790から出るのをブロックする可能性なしに、いかなるフロア772でもドライブ・リフト790を出ることができることを保証できうる。ここでいうブロックとは、物理的にブロックすることでもありうるし、前記要求元移動駆動ユニット20が当該ドライブ・リフト790から出るために使わなければならないセルを予約することによってブロックすることでもありうる。
【0180】
こうして、図示した例では、セル14w、14x、14yおよび14z(図15で網点を付したセル14)はみな、ドライブ・リフト790bに関連付けられたセル・グループの一部と考えられる。移動駆動ユニット20gが経路16mを通りながらドライブ・リフト790bに近づくと、移動駆動ユニット20gは、セグメント17nを同定する予約要求26を送信することによってセル14xを予約しようと試みる。セグメント予約モジュール96は、予約要求26を受信し、セグメント17nはドライブ・リフト790bを含むセル14wを含むと判定する。結果として、セグメント予約モジュール96は、ドライブ・リフト790bに関連付けられたグループ内のセル14の全部を予約することによって、予約要求26を満足させようと試みる。より特定的には、セグメント予約モジュール96は要求されたセル14wのほかセル14x、14yおよび14zを予約しようと試みる。この実施形態では、セグメント予約モジュール96が、移動駆動ユニット20gがセル14w〜14zの全部を予約できないと判定する場合、セグメント予約モジュール96は、要求された予約応答28が不成功だったことを示す予約応答28を送信する。移動駆動ユニット20は次いで図5に関して上記したいかなる適切な是正行動を取ってもよい。一方、セグメント予約モジュール96が、移動駆動ユニット20gがセル14w〜14zの全部を予約できると判定する場合には、セグメント予約モジュール96は、要求された予約が成功したことを示す予約応答28を送信する。
【0181】
さらに、特定の諸実施形態では、ドライブ・リフト790は、単一のプラットフォーム(platform)または箱(car)しか含まなくてもよく、移動駆動ユニットが所与の時点でドライブ・リフト790にアクセスできるかどうかは、その箱またはプラットフォームがその時点で位置しているフロア772に依存しうる。こうして、要求元移動駆動ユニット20が特定のドライブ・リフト790を予約できるかどうかを判定する一環として、セグメント予約モジュール96は、前記プラットフォームまたは箱が現在、要求元移動駆動ユニット20と同じフロア722に位置しているかどうかを判定してもよい。もしそうでなければ、セグメント予約モジュール96は、目録品システム10の構成に依存して、要求された予約を拒否してもよいし、要求された予約を承認するが移動駆動ユニット20は当該ドライブ・リフト790にはいることを試みる前にある時間待たなければならないことを示してもよいし、あるいは要求された予約を承認して要求元移動駆動ユニット20がドライブ・リフト790が適切に位置されるのを待ってからはいることを保証するには、当該ドライブ・リフト790と要求元移動駆動ユニット20との間の対話(たとえば、ドライブ・リフト790によって送信される交通信号)に頼ってもよい。
【0182】
さらに、特定の諸実施形態では、ドライブ・リフト790の効果性を改善するため、セグメント予約モジュール96は、競合する移動駆動ユニット20のどれにそのドライブ・リフト790の使用を承認するかを決めるときに、特定のドライブ・リフト790の箱またはプラットフォームの現在位置を考慮してもよい。例として、特定の諸実施形態では、セグメント予約モジュール96は、箱またはプラットフォームの現在フロアに位置する移動駆動ユニット20にその箱またはプラットフォームの使用を予約する優先権を認めることによって、空(から)の間の箱またはプラットフォームの移動を減らしてもよい。こうして、二つの移動駆動ユニット20の両方が同じドライブ・リフト790の使用をほぼ同時に要求する場合、セグメント予約モジュール96は、当該ドライブ・リフト790の箱またはプラットフォームと同じフロアに位置する移動駆動ユニット20の予約に優先権を与えてもよい。
【0183】
前記の例に戻ると、ドライブ・リフト790bは、移動駆動ユニット20gによる使用のために適切に構成される。移動駆動ユニット20gはドライブ・リフト790bにはいってもよい。ドライブ・リフト790bは次いで、フロア772cへ移動駆動ユニット20gを輸送しうる。移動駆動ユニット20gは次いでドライブ・リフト790bを出てセル14zにはいりうる。セル14zは、この例では、移動駆動ユニット20gは、セル14wおよび/またはドライブ・リフト790bの使用を予約したおかげで、すでに予約している。
【0184】
さらに、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、フロア772の間で輸送される間、新しいタスクおよび/または経路16を受信することができてもよい。結果として、移動駆動ユニット20が、特定のドライブ・リフト790を使っているときに、いかなるフロア772でもそのドライブ・リフト790への出入りを許容するのに適切なセル14のグループを予約しているという事実のおかげで、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は新しいタスクまたは経路16に迅速に対応し、異なるフロア772でドライブ・リフト790を出ることも、該新しいフロア772で移動駆動ユニット20によってブロックされることなくできる。たとえば、移動駆動ユニット20gは、該移動駆動ユニット20にフロア772bでドライブ・リフト790を出ることを求める新しいタスクおよび/または経路16を受信することがありうる。移動駆動ユニット20gが以前に、ドライブ・リフト790bに関連付けられたグループ内のセル14の全部を予約したという事実の結果、移動駆動ユニット20gが経路を変更してフロア772bで降りようとしても、別の移動駆動ユニット20が物理的にまたは予約によってセル14yをブロックしていることはない。これは今度は、移動駆動ユニット20gが、その突然のルート変更にもかかわらず、リフト772bを独占することを防止しうる。
【0185】
図示した例に戻ると、ひとたびドライブ・リフト790bが移動駆動ユニット20gをフロア772cに輸送すると、移動駆動ユニット20gはドライブ・リフト790bを出る。上記のように、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20はすでにその最初の予約の一環としてセル14zを予約している。そのような実施形態では、その予約は、セル14zが空いており、移動駆動ユニット20がすぐドライブ・リフト790から降りられることを保証することになる。次いで移動駆動ユニット20は、図5に関して上記したような経路16mの残りを完了することに進みうる。
【0186】
ドライブ・リフト790の複数の可能な入口および出口を該ドライブ・リフト790を使う移動駆動ユニット20のために予約することによって、セグメント予約モジュール96は、トラフィック輻輳を制限し、移動駆動ユニット20がドライブ・リフト790を出る前に待つことを強いられる時間を短縮しうる。さらに、この予約システムは、ブロックされた移動駆動ユニット20が他の移動駆動ユニット20によるドライブ・リフト790の使用を遅らせることを防ぎうる。さらに、予約の承認に際してドライブ・リフト790の箱またはリフトの現在位置を考慮することによって、セグメント予約モジュール96は、箱またはプラットフォームがフロア772間で積みになしで移動する回数を制限し、ドライブ・リフト790のスループットを増しうる。結果として、記載される技法は、ドライブ・リフト790および移動駆動ユニット20のより効率的な動作を容易にしうる。
【0187】
図16は、目録品ホルダー30を輸送する際に移動駆動ユニット20の動作を補足するドライブ・リフト790のような搬送設備の使用を最適化するために目録品システム10の特定の実施形態が実装しうるさらなるある種の技法を示している。より特定的には、図16は、目録品システム10の特定の諸実施形態が利用しうるある種の技法を示している。特定の型の搬送を使うことの得失が、割り当てられるタスクおよび作業スペース70内で移動するときに移動駆動ユニット20がとるルートを計画する際に勘案される。結果として、目録品システム10の特定の諸実施形態は、目録品ホルダー30を輸送する際に移動駆動ユニット20を支援する搬送設備が利用でき、これを使用することから帰結しうる効率を、さらに高めうる。
【0188】
たとえば、目録品システム10の特定の多層実施形態において、資源スケジューリング・モジュール92は、作業スペース770における各セル14の使用にコストを関連付けうる。このコストは、セル14をわたって駆動する際に費やされる時間、セル14または近隣セル14内での輻輳の履歴上のレベル、セルに隣接する目録品ホルダー30の数および/または当該セル14を通って移動駆動ユニット20をルーティングすることに関連する時間、空間および/または他の資源におけるコストを反映しうる他の任意の考察を表していてもよい。同様に、資源スケジューリング・モジュール92は、ドライブ・リフト790および/または移動駆動ユニット20の移動を容易にするために使われる他の設備の使用にコストを関連付けてもよい。他の設備とは、コンベヤー、エスカレーターおよび/またはクレーンといったものである。ドライブ・リフト790を例に使うと、このコストは、特定のフロア772間でドライブ・リフト790に乗っていて費やされる時間、ドライブ・リフト790を動作させるのに費やされるパワー、そのドライブ・リフト790を使う複数フロア経路が他の時に資源スケジューリング・モジュール92によって生成される頻度ならびに/または当該ドライブ・リフト790を利用する経路16を移動駆動ユニット20に提供することに付随する時間、空間および/または他のシステム資源におけるコストを反映しうる他のいかなる考察を表すものでもよい。
【0189】
管理モジュール15が、たとえば取り出すべき特定の目録品40を同定する目録品要求を受信するとき、資源スケジューリング・モジュール92は、少なくとも部分的には、要求された目録品40を現在保管している目録品ホルダー30のそれぞれに対する最もコストが低いルートに基づいて、目録品ホルダー30を選択しうる。結果として、特定の諸実施形態では、資源スケジューリング・モジュール92は、当該移動駆動ユニット20の現在位置と当該目録品40を保管している目録品ホルダー30との間のあらゆる可能な経路16に関連付けられた総コストを合計しうる。次いで資源スケジューリング・モジュール92は、その移動駆動ユニット20と各目録品ホルダー30との間で最も安価な経路のコストを比較して、少なくとも部分的には、選択された移動駆動ユニット20と目録品ホルダー30のそれぞれとの間で最もコストが低い経路16に基づいて目録品ホルダー30を選択しうる。
【0190】
例解すると、図16は、管理モジュール15が、特定の目録品40を要求する目録品要求を満たすことにおいて使用されるべき目録品ホルダー30を選択する例を示している。この例では、資源スケジューリング・モジュール92はすでに、要求された目録品40を含む目録品ホルダー30を取り出すために、適切な基準に基づいて、移動駆動ユニット20hを選択している。要求された目録品40を現在保管している目録品ホルダー30は目録品ホルダー30pおよび30qだけである。さらに、この例の目的のためには、経路16pおよび経路16qが移動駆動ユニット20hと目録品ホルダー30pおよび30qそれぞれの間の最もコストが低い経路であることが想定される。結果として、資源スケジューリング・モジュール92は、少なくとも部分的に、経路16pおよび16qに関連付けられたコストに基づいて、目録品ホルダー30pおよび30qの一方を選択する。
【0191】
結果として、経路16pに関連付けられたコストが経路16qに関連付けられたコストより大きい場合、資源スケジューリング・モジュール92は目録品ホルダー30qを選択し、この例では移動駆動ユニット20hは目録品ホルダー30qを取り出すときにフロア772bにアクセスするためにドライブ・リフト790の一つを使用することが要求される。しかしながら、ドライブ・リフト790を使い、経路16q上でセル14を通過していくことに関連するコストが経路16p上のセル14を通過していくコストを超える場合、資源スケジューリング・モジュール92は目録品ホルダー30pを選択することになる。こうして、資源スケジューリング・モジュール92は、特定の諸実施形態において、ドライブ・リフト790を使うことの一つまたは複数のコストのためにドライブ・リフト790の使用は多くの場合にそれほど好ましくないが、ある種の状況下ではドライブ・リフト790を使うことの利益がこれらのコストより重要であることがあることを認識することができる。
【0192】
取り出すべき目録品ホルダー30を選択した後、資源スケジューリング・モジュール92は、上記のように、たとえばタスク割り当て18の一部として、選択された目録品ホルダー30の位置を移動駆動ユニット20hに通信する。この例の目的のために、資源スケジューリング・モジュール92が目録品ホルダー30qを選択したとすると、移動駆動ユニット20hはルート計画モジュール94に、目録品ホルダー30qへの経路16を要求する。応答して、ルート計画モジュール94は、経路16qを、あるいは目録品ホルダー30qが選択されていこうルーティング事情が変わっていた場合には目録品ホルダー30qへの別の経路16を、通信する。
【0193】
目録品ホルダー30qへの好適な経路16を受信すると、移動駆動ユニット20hは、図5との関連で上記したように、受信した経路16の最初のセグメント17を予約し、目録品ホルダー30qのほうに動き始める。移動駆動ユニット20hがルート計画モジュール94から経路16qを受信したとすると、移動駆動ユニット20hは経路16qに沿ってドライブ・リフト790cのほうに移動する。移動駆動ユニット20hがドライブ・リフト790cに接近すると、移動駆動ユニット20hはドライブ・リフト790cを予約しようと試みうる。特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20hは、セグメント17を予約するために上記したのと同様の仕方でドライブ・リフト790cを予約しうる。よって、もし別の移動駆動ユニット20hが現在ドライブ・リフト790cを予約しているおよび/または現在ドライブ・リフト790cに乗っている場合、移動駆動ユニット20hはドライブ・リフト790cを予約できないことがありうる。
【0194】
ひとたび移動駆動ユニット20hがドライブ・リフト790cの予約に成功すると、移動駆動ユニット20hは自らをドライブ・リフト790上に位置させうる。ドライブ・リフト790は次いで、移動駆動ユニット20hをフロア772bまで持ち上げうる。上記したように、ドライブ・リフト790の動作は、移動駆動ユニット20、管理モジュール15または目録品システム10の他の任意の好適なコンポーネントによって制御されうる。ドライブ・リフト790cが移動駆動ユニット20hをフロア772に上げたのち、移動駆動ユニット20hは目録品ホルダー30qの位置に進み、目録品ホルダー30qとドッキングする。移動駆動ユニット20hは次いで、ルート計画モジュール94に、目録品要求に関連付けられた目録品ステーション50に戻る経路16を要求しうる。そのような経路16を受信した後、移動駆動ユニット20hは、受信された経路16によって指定されているドライブ・リフト790を使ってフロア772aに戻り、次いで目録品ホルダー30qを関連する目録品ステーション50まで移動させ、割り当てられたタスクを完了する。
【0195】
結果として、目録品システム10は、移動駆動ユニット20を上げ下げし、それにより多層作業スペース770の使用を容易にするよう、ドライブ・リフト790を組み込みうる。さらに、管理モジュール15およびそのさまざまなコンポーネントは、ドライブ・リフト790を使うことのコストおよび利益を考慮するよう構成されてもよく、結果として、特定のタスクを完了するためにドライブ・リフト790の使用に関する知識に基づく決定をなしうる。同様の仕方で、目録品システム10および管理モジュール15は、作業スペース770内での移動駆動ユニット20の移動を容易にするための他の設備(たとえばコンベヤー、エスカレーター、クレーンまたはフェリーのような)または機能(たとえば傾斜路(ramp)、トンネルまたは階段のような)を利用するよう構成されていてもよい。さらに、そのような設備を目録品システム10に効果的に組み込むことができることで、作業スペース770の大きさ、形および配位におけるより大きな柔軟性が許容され、および/または他の利益がもたらされる。
【0196】
図17は、目録品ホルダー30を輸送するために移動駆動ユニット20と一緒に搬送設備を利用する、作業スペース70内での移動駆動ユニット20のための経路を選択することにおける、資源スケジューリング・モジュール92のある特定の実施形態の動作を示すフローチャートである。図17は、搬送設備を予約するために特定の技法を利用する目録品システム10の特定の実施形態に焦点を当てているが、目録品システム10の代替的な諸実施形態が、いかなる仕方で搬送設備を利用するよう構成されてもよい。さらに、図17に示されるステップのどれも、適宜組み合わされ、修正され、あるいは削除されてもよく、追加的なステップがフローチャートに示されているものに追加されてもよい。さらに、記載されるステップは、本発明の範囲から外れることなくいかなる好適な順序で実行されてもよい。
【0197】
図17で、動作は、ステップ720で、移動駆動ユニット20が作業スペース70内の第一の点まで動くことで始まる。記載される例では、目録品ホルダー30は第一の点における第一のセル14に保管されている。第一の点に到着した後、移動駆動ユニット20はステップ722で、第一の点に保管されている目録品ホルダー30とドッキングする。
【0198】
目録品ホルダー30とドッキングした後、ステップ724で、移動駆動ユニット20は自らおよび目録品ホルダーを作業スペース内の第二の点のほうに移動させる。図示した例では、第二の点は、搬送設備に関連付けられた第二のセル14内に位置している。この第二のセル14は、搬送設備が位置しているセル、搬送設備のための入力セル、搬送設備のためのピックアップ・セルまたは搬送設備に他の任意の仕方で関連するセルを表していてもよい。さらに、記載される例では、搬送設備は、第二のセル14がメンバーである複数セル14のグループに関連付けられている。
【0199】
移動駆動ユニット20が第二の点に動く際、あるいはひとたび移動駆動ユニット20が第二の点に到着したとき、移動駆動ユニット20は第二のセル14を予約する。記載される例では、移動駆動ユニット20はステップ726で第二のセル14の予約を、第二のセル14を同定する予約要求26をセグメント予約モジュール96に送信することによって行う。ステップ728で、セグメント予約モジュール96は予約要求26を受信する。
【0200】
予約要求26を受信したのち、セグメント予約モジュール96は、ステップ730で、第二のセル14が、搬送設備に関連付けられたセル14のグループの一員であることを判定する。結果として、セグメント予約モジュール96は、予約要求26の受信への応答として、ステップ732で、搬送設備に関連付けられたセル14のグループ内のセル14のすべてを予約しようと試みる。セグメント予約モジュール96は、次いで、要求元移動駆動ユニット20に、セグメント予約モジュール96が第二のセルおよび/または搬送設備に関連付けられたグループ内のセル14のすべてを予約できたかどうかを示す。記載される例では、セグメント予約モジュール96は、ステップ734で予約応答28を送信することによって、移動駆動ユニット20に結果を通信する。
【0201】
搬送設備に関連付けられたセル14のグループの予約に成功した後、移動駆動ユニット20はステップ736で第二のセル14にはいる。ステップ738で、記載される例では、搬送設備は目録品ホルダーおよび移動駆動ユニット20を第三の点まで動かす。代替的な諸実施形態では、搬送設備は移動駆動ユニット20を動かすことなく目録品ホルダー30を動かしてもよく、移動駆動ユニット20は第二の点で目録品ホルダー30からドッキング解除してもよい。
【0202】
搬送設備が目録品ホルダー30および該当するなら移動駆動ユニット20を第三の点まで動かした後、移動駆動ユニット20または目録品システム10の他の好適なコンポーネントが、ステップ740で、その搬送設備に関連付けられたセル14のグループの予約を終了させる。特定の諸実施形態では、セル14のグループは、第三の点またはその近くに、一つまたは複数の出口セル14、ドロップオフ・セル14および/または搬送設備に関連付けられたセル14のグループの部分である他の適切なセル14を含みうる。予約は、移動駆動ユニット20がそれらのセル14を出るまで維持されうる。
【0203】
ステップ742では、もとの移動駆動ユニット20または他の移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30を第四の点まで移動させる。第四の点は、保管位置、目録品ステーション50または当該目録品ホルダーに関連する他の適切な行き先を表しうる。たとえば、記載される例では、第四の点は、目録品ホルダー30のために意図された保管セル64内に位置される。こうして、この例では、ステップ744で移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30からドッキング解除され、目録品ホルダー30から離れていく。この例では、目録品ホルダー30を動かすことに関する目録品システム10の動作は、図17に示されるように終了する。
【0204】
図18〜図20は、目録品システム10内で目録品ホルダー30を輸送する一環として目録品ホルダー30を回転させる特定の技法を利用する、目録品システム10の実施形態の例示的な動作を示している。これらの技法は、たとえば、目録品ホルダーの特定の面を目録品ステーション50のオペレーターに呈することにおいて有用でありうる。記載される技法およびシステム構成は、目録品システム10の特定の諸実施形態が、低減された大きさの作業スペース70内で動作し、移動駆動ユニットの移動の調整を簡略化することを許容しうる。目録品ステーション50を利用する目録品システム10の特定の諸実施形態では、回転領域790を目録品ステーション50近くに配置することは、管理モジュール15に、特定の目録品ステーション50において呈されるべき面の選択を、割り当てられた移動駆動ユニット20が目録品ステーション50の近くにくるまで遅らせることを許容しうる。これは、管理モジュール15が、目録品システム10の現在状態に基づいて面選択を最適化することを許容しうる。
【0205】
図18は、図1に関して上記したのと同様の作業スペース870内で動作する、管理モジュール15、一つまたは複数の移動駆動ユニット20、一つまたは複数の目録品ホルダー30ならびに一つまたは複数の目録品ステーション50を含む目録品システム10の実施形態を示している。さらに、作業スペース870は、移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30を回転させることに関連する特定の諸動作を実行する複数の回転領域892を含む。回転領域892において目録品ホルダー30の一部または全部の回転を実行することにより、目録品システム10の特定の諸実施形態はより小さな作業スペース内で動作するよう構成されうる。
【0206】
回転領域892は、複数のセル14をカバーする、作業スペース870の一部を表す。目録品システム10の特定の諸実施形態では、特定の回転領域892内のセル14の数および配置は、目録品ホルダー30の大きさおよび形ならびに移動駆動ユニット20によってサポートされる回転運動の型に基づく。たとえば、特定の諸実施形態では、目録品システム10は、四つの同様の大きさの面を含み、各面が作業スペース870内のセル14の幅と実質的に等しいまたはそれよりわずかに小さい幅をもつ目録品ホルダー30を利用する。特定の諸実施形態は、静止時に360度回転ができる移動駆動ユニット20をも利用しうる。そのような実施形態では、作業スペース870は、作業スペース870の2セル×2セルのセクションを表す回転領域892を含みうる。図18は、回転領域が個別セル14の大きさの何らかの整数倍に等しい大きさである特定の実施形態を示しているが、目録品システム10の代替的な諸実施形態は、個別セル14の大きさより大きないかなる好適な大きさをもつ回転領域892を利用してもよい。さらに、図18は、回転領域892が各目録品ステーション50に隣接して位置される目録品システム10の特定の実施形態を示しているが、目録品40の代替的な実施形態は、作業スペース870内の任意の適切な位置に任意の数の回転領域892を含みうる。
【0207】
目録品システム10の図示した実施形態では、移動駆動ユニット20は、図5との関連で上記したのと同様の仕方でタスクを完了させるために、タスク割り当てを受信し、経路16を要求し、ルーティングされたセグメント17を予約するよう、管理モジュール15と対話する。作業スペース870内の位置間で目録品ホルダー30を輸送する間、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20の方向にかかわらず、目録品ホルダー30についての一定の配向を維持する。結果として、図示した実施形態では、移動駆動ユニット20が進行方向を変えるとき、その移動駆動ユニット20によって輸送されている目録品ホルダー30の配向は方向変化にもかかわらず、同じままとなる。
【0208】
これは、移動駆動ユニット20の構成および機能に依存して多様な方法で達成されうる。一例として、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20のある面に関して前方または後方の方向に自らを推進することおよび進行方向を変えるよう自らを回転させることができてもよい。そのような実施形態では、移動駆動ユニット20は回転する前に現在輸送している目録品ホルダー30からドッキング解除してもよく、結果として、目録品ホルダー30は移動駆動ユニット20が駆動している方向にかかわりなく一定の配向を維持しうる。もう一つの例として、特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20は四方向のいずれにも自らを推進することができ、よって回転することなくその進行方向を変えることができる。
【0209】
目録品ホルダー30の多くの形では、一つまたは複数の目録品ホルダー30が回転されるとき、隣接する目録品ホルダー30間のより広いスペースが要求されるので、目録品ホルダー30の回転を制限することは、目録品ホルダー30間で衝突が起こることなく、作業スペース870内で輸送されるべき目録品ホルダー30に要求されるスペースの量を減らすことができる。にもかかわらず、目録品システム10の特定の諸実施形態では、目録品ホルダー30を回転させる移動駆動ユニット20からいくつかの利益が生じうる。たとえば、目録品ホルダー30が回転されてその目録品ホルダー30の適切な面がオペレーターに呈されれば、目録品ホルダー30の特定のビンから目録品40を取り出す際に、目録品システム10は、目録品ステーション50のオペレーターが費やす時間および努力を減らすことができる。
【0210】
こうして、目録品システム10の図示した実施形態において、移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30の回転を許容するが、そのような回転の一部または全部を回転領域892において実行するよう構成されうる。具体的には、目録品ホルダー30を目録品ステーション50に輸送することに関わるタスクを割り当てられた移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30を目録品ステーション50のほうに、上記のように目録品ホルダー30について一定の配向を維持しながら運ぶことができる。その際、移動駆動ユニット20は適切なら、取り出された目録品ホルダー30の特定の面を目録品ステーション50に呈するために好適な、目録品ホルダー30のある形の回転を誘起するよう設計された一つまたは複数のステップを実行しうる。図19A〜19Eは、移動駆動ユニット20の特定の諸実施形態が、目録品ホルダー30に特定の型の回転を誘起するために実行しうるステップの例を示している。適切な形の回転を完了した後、目録品ステーション50のオペレーターが目録品ホルダー30の呈された面にアクセスすることを許容するよう、移動駆動ユニット20は目録品ホルダー30を目録品ステーション50の前に配置しうる。
【0211】
結果として、移動駆動ユニット20が回転領域892の外で目録品ホルダー30を回転させる能力を制約するまたはなくすことによって、目録品システム10の特定の諸実施形態は、衝突が起こることなく、より小さなセル14を利用することができうるのである。結果として、そのような実施形態は、より小さな作業スペース内で動作できうる。こうして、回転領域892を組み込むことによって、目録品システム10の特定の諸実施形態は、全体としてのスペース要求を減らし、追加的な動作上の利益を提供しうる。
【0212】
図19A〜19Eは、回転領域892において目録品ホルダー30を回転させるときに、移動駆動ユニット20の特定の諸実施形態によって実行されうる例示的な機動(maneuver)を示している。具体的には、図19A〜19Dは、目録品ホルダー30zの四つの面のうち特定の面が目録品ステーション50に呈されるよう目録品ホルダー30を回転させる間に、移動駆動ユニット20が第一のセル14から回転領域892にはいり、回転領域892を出て第二のセル14に行くのに完遂しうるさまざまな機動を示している。図19Eは、移動駆動ユニット20zが回転領域892から回転領域892に隣接する任意のセル14に出て行くことを許容するのに移動駆動ユニット20zによって実行されうるさまざまな機動を示している。よって、図19A〜19Eによって示されるように、特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20は任意の隣接セル14から回転領域892にはいり、目録品ホルダー30の任意の面が特定の方向を向くよう適切な回転を実行し、次いで回転領域892に隣接する任意の特定のセルに出ていくことができる。
【0213】
図19Aは、移動駆動ユニット20がセル14aaから回転領域892にはいり、回転し、回転領域892からセル14ddに出ていく例を示している。特定の諸実施形態において、回転領域892は、移動駆動ユニット20が回転領域892へのアクセスが認められるまでに待つことを期待される待ち行列に関連付けられていてもよく、また、関連する目録品ホルダー30が関連する回転領域892を出たあと呈されることになる目録品ステーション50に関連付けられていてもよい。結果として、移動駆動ユニット20は、回転領域892にはいっていくセル14の面で制限されることがあり、回転領域892を出て行くことができるセル14の面で制限されることがある。よって、図19A〜19Dは、移動駆動ユニット20zがセル14aaから回転領域892にはいり、回転領域からセル14ddに出ていくことに限定されているそのような実施形態の例を示している。
【0214】
より特定的には、図19Aに示される例では、移動駆動ユニット20はセル14aaを通って回転領域892にはいる経路16を受領する。移動駆動ユニット20はセル14aaにまっすぐなセグメント917aに沿って、目録品ホルダー30の第一の面(図19Aでは面「920a」とラベルされている)を進行方向に向けながら接近する。前記進行方向はここでは「第一の」方向と称される。移動駆動ユニット20がセル14aaを通って進行する際、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918aをたどって回転領域892にはいるよう、移動駆動ユニット20は左または右に向きを変え始める。移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918aをたどる間、第一の面の配向は図19Aに示されるように、進行方向と一貫するよう保持される。結果として、移動駆動ユニット20が回転領域892に中心に達するとき、図示した例では、第一の面の配向は、該第一の面が、前記第一の方向と該第一の方向に垂直な第三の方向の間のどこかにある方向(ここでは「第二の」方向と称される)に面するよう変化している。特定の諸実施形態では、この第二の方向は、前記第一の方向から約45度回転に等しい。
【0215】
回転領域892の中心に達すると、移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30の特定の面の呈示を容易にするよういくつかの回転機動を実行しうる。図19A〜19Dは、これらの回転機動の例を示している。具体的には、図19Aが示す例では、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bをたどるために実行した方向変化とは逆方向に90度回転(矢印901aで示されるように)を実行しており、それにより目録品ホルダー30は、前記第一の面が目録品ステーション50のオペレーターに呈されるように配向される。移動駆動ユニット20は次いで、弧状のセグメント918bに沿って、もとの方向変化と同じ方向に方向変化しながらセル14ddに向かって動く。90度回転の結果として、目録品ホルダー30の第二の面(図19Aでは面「920b」とラベルされている)が今では進行方向を向いており、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bをたどる際、この第二の面の配向を進行方向と一貫するように保持する。
【0216】
さらに、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bを進む際、この弧状の経路は、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント17aを進んでいた間に目録品ホルダー30に誘起された回転を補完する追加的な回転を目録品ホルダー30に誘起する。特定の諸実施形態では、この回転はほぼ45度に等しい。結果として、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918aおよび918bを進んだ結果として目録品ホルダー30に誘起された全回転は、約90度である。図19Aでは、この回転が、回転領域892の中心において移動駆動ユニット20によって実行された回転を打ち消し、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bを完了する際、目録品ホルダー30の前記第一の面は今一度、前記第一の方向を面する。移動駆動ユニット20は次いで、目録品ステーション50まで別のまっすぐな経路セグメント17をたどりうる。結果として、図19Aでは、目録品ホルダー30の前記第一の面が目録品ステーション50のオペレーターに呈される。
【0217】
図19Bは、前記第二の面が目録品ステーション50のオペレーターに呈される同様の例を示している。より特定的には、図19Bでは、図19Aに関して述べたように、移動駆動ユニット20はまっすぐの経路セグメント17aをたどってセル14aにはいり、弧状のセグメント918aをたどって回転領域892にはいる。しかしながら、回転領域892の中心に達すると、移動駆動ユニット20は180度回転(矢印901bによって示されるような)を実行する。次いで移動駆動ユニット20は弧状のセグメント918bをたどってセル14ddにはいる。回転領域892の中心で実行される回転の結果として、目録品ホルダー30(図19Bでは面「920c」とラベルされている)の第三の面が今では進行方向に面し、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント17bをたどる際、移動駆動ユニット20は、この第三の面の配向を進行方向と一貫するよう保持する。
【0218】
移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bをたどる際、弧状の経路は図19Aに関して述べたような目録品ホルダー30における追加的な回転を誘起する。図19Bでは、この回転は、回転領域892の中心で移動駆動ユニット20によって実行される回転を部分的に打ち消し、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント17bを完了する際、目録品ホルダー30の前記第二の面が今では前記第一の方向を向いている。次いで、移動駆動ユニット20は目録品ステーション50までまっすぐのセグメント917bをたどりうる。結果として、図19Bでは、目録品ホルダー30の前記第二の面が目録品ステーション50のオペレーターに呈される。
【0219】
図19Cは同様に、目録品ステーション50のオペレーターに第三の側が呈される例を示している。より特定的には、図19Cでは、移動駆動ユニット20はまっすぐな経路セグメント917aをたどってセル14aaにはいり、弧状のセグメント918aをたどって回転領域892にはいる。これは図19Aおよび19Bに記載されたとおりである。しかしながら、回転領域892の中心に達すると、移動駆動ユニット20は270度回転を実行する。次いで移動駆動ユニット20は弧状のセグメント918bをたどってセル14ddにはいる。回転領域892の中心で実行された回転の結果として、目録品ホルダー30の第四の面(図19Cでは「920e」とラベルされている)が今や進行方向に面しており、移動駆動ユニット20はこの第四の面の配向を、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bをたどる際、進行方向と一貫するよう保持する。
【0220】
移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bを進む際、弧状の経路は、図19Aおよび19Bに関して記載されたように、目録品ホルダー30に追加的な回転を誘起する。図19Cでは、この回転は、回転領域892の中心で移動駆動ユニット20によって実行された回転を部分的に打ち消し、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bを完了させる際、目録品ホルダー30の第三の面が今や第一の方向に面している。結果として、図19Cでは、目録品ホルダー30の第三の面が目録品ステーション50のオペレーターに呈される。
【0221】
図19Dは、第四の側が目録品ステーション50のオペレーターに呈される例を示している。より特定的には、図19Dでは、移動駆動ユニット20はまっすぐな経路セグメント917aをたどってセル14aaにはいり、弧状のセグメント918aをたどって回転領域892にはいる。これは図19Aおよび19Bに記載されたとおりである。しかしながら、図19Dによって示される例では、回転領域892の中心に達したとき、移動駆動ユニット20は回転を実行しない。移動駆動ユニット20は弧状のセグメント918bをたどってセル14ddにはいる。回転領域892の中心で回転が実行されなかったので、目録品ホルダー30の第一の面が進行方向に面したままであり、移動駆動ユニット20はこの第一の面の配向を、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bをたどる際、進行方向と一貫するよう保持する。
【0222】
移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bを進む際、弧状の経路は、図19A〜19Cに関して記載されるように、目録品ホルダー30に追加的な回転を誘起する。結果として、移動駆動ユニット20が弧状のセグメント918bを完了させる際、目録品ホルダー30の第四の面が今や第一の方向に面する。結果として、図19Dでは、目録品ホルダー30の第四の面が目録品ステーション50のオペレーターに呈される。
【0223】
こうして、回転領域892内で選択された移動機動(特定の状況では無回転も含む)を実行することによって、移動駆動ユニット20の諸実施形態は、目録品ステーション50に到着したとき、目録品ホルダー30のいかなる所望の配向をも実現できる。さらに、作業スペース870内の他所での回転を制限または禁止する目録品システム10の諸実施形態で利用されるとき、作業スペース870内の選択された諸位置に回転領域892を含めることにより、目録品システム10は、著しくより小さな作業スペース内で目録品ホルダー30のいかなる面の呈示をもサポートできるようになる。結果として、記載される回転機動の使用は、スペース節約および他の利点を提供しうる。
【0224】
図19Eは、特定の諸実施形態において、移動駆動ユニット20が隣接セル14の任意の適切な組み合わせを入口点および出口点として使ってどのように回転領域892にアクセスするよう構成されることができるかを示している。図19Eに示されるように、移動駆動ユニット20は、弧状のセグメント918aをたどって回転領域892にはいり、適切な回転機動を実行し、次いで弧状のセグメント918b、弧状のセグメント918c、弧状のセグメント918d、弧状のセグメント918e、弧状のセグメント918f、弧状のセグメント918gおよび弧状のセグメント918hのうちの一つをたどって、それぞれセル14bb、セル14cc、セル14dd、セル14ee、セル14ff、セル14ggおよびセル14hhにはいるよう構成されうる。さらに、移動駆動ユニット20は、移動駆動ユニット20が回転領域892にはいるときにたどったのと同じ経路、すなわち弧状のセグメント918aをたどって回転領域892を出るよう構成されうる。これは、図19Eでは、918aaとラベルされた点線の曲線によって指示される。
【0225】
さらに、図19Eは、移動駆動ユニット20が特定のセル14、具体的にはセル14aaを通って回転領域892にはいるよう構成される例を示しているが、図19Eにおける例示的な弧状のセグメント918aは、隣接セル14aa〜ddのうち任意のものから回転領域892にはいる弧状のセグメント918を表すよう一般化できる。結果として、目録品システム10の所与の実施形態において、移動駆動ユニット20は、回転領域892に隣接する任意の適切なセル14から回転領域892にはいり、回転領域892から隣接する任意の適切なセル14に出ていくよう構成されうる。他方、回転領域892を利用する目録品システム10の所与の実施形態は、たとえば回転領域892のまわりのトラフィックの流れを制御するために、特定の回転領域892に出入りするために使われうるセル14を制限してもよい。こうして、目録品システム10の特定の実施形態は、移動駆動ユニット20が入口点および出口点に関する制約条件なしに利用できる回転領域892を含みうるが、目録品システム10の同じまたは他の実施形態は、移動駆動ユニット20が特定の隣接セル14を使って出入りするよう構成される回転領域892を含んでいてもよい。
【0226】
こうして、特定の諸実施形態では、所望の方向に所望の面を呈し、回転領域892への入口点およびその出口点を選ぶことにおける柔軟性を提供するために、移動駆動ユニット20は回転領域892にはいり、次いで移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30の両方を回転させる回転ならびに移動駆動ユニット20のみを回転させる回転の一方または両方を、任意の適切な順序で実行してもよい。この結果、移動駆動ユニット20が、移動駆動ユニット20が回転領域892からの所望の出口点を利用するために適切な配向をもち、目録品ホルダー30が、移動駆動ユニット20および目録品ホルダー30が回転領域892を出た後、所望の方向に所望の面を呈するのに適切な配向をもつことの両方につながりうる。結果として、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20は、回転領域892への任意の所望の入口点および出口点を利用でき、目録品ホルダー30の任意の所望の面を任意の所望の方向に呈することができうる。
【0227】
図20A〜20Gは、移動駆動ユニット20が、目録品ホルダー30を回転させることなく、指定された回転領域892の外側で作業スペース870の諸部分をどのように通過しうるかの例を示している。具体的には、図20A〜20Gは、移動駆動ユニット20が第一の位置から第二の位置に、90度の曲がりを含む経路16の一部に沿って移動する際の、移動駆動ユニット20の動作を示している。図示した実施形態では、移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30を回転させることなく角を曲がることができるので、移動駆動ユニット20がその進行方向を変えるとき、目録品ホルダー30は、隣接セル14に重なったり、および/または隣接セル14内の目録品ホルダー30に干渉したりしなくてもよい。結果として、目録品システム10は、より小さな作業スペースで動作でき、よって図20A〜20Gに示されるように動作するよう構成された移動駆動ユニット20は、スペース節約の恩恵を提供しうる。
【0228】
図20Aは、移動駆動ユニット20iおよび目録品ホルダー30iの両方の開始位置を示している。最初、目録品ホルダー30iは、関連する作業スペース870における点910aに位置しており、移動駆動ユニット20iは点910bに位置している。図20Bに示されるように、移動駆動ユニット20iは点910aにある目録品ホルダー30iの位置まで移動する。この時点では、移動駆動ユニット20iはまだ目録品ホルダー30とドッキングしてはいない。
【0229】
図示した例では、移動駆動ユニット20iは、モズ空を目録品ホルダー30iの下に位置させ、移動駆動ユニット20iのドッキング・ヘッドを上げることによって、目録品ホルダー30iとドッキングするよう構成されている。よって、ドッキング・ヘッド110のアウトラインによって示されるように、図20Cは、目録品ホルダー30iとドッキングする移動駆動ユニット20を示している。移動駆動ユニット20iは次いで、図20Dに示されるように、自分自身および目録品ホルダー30iを第一の方向に、点910bまで推進する。
【0230】
点910bでは、移動駆動ユニット20は、図20Eに示されるように、前記第一の方向から第二の方向に回転する。ドッキング・ヘッド110のアウトラインによって示されるように、移動駆動ユニット20は、図示した例では、回転を通じて目録品ホルダー30とドッキングしたままである。たとえば、特定の諸実施形態では、移動駆動ユニット20iは、目録品ホルダー30iとドッキングした後、移動駆動ユニット20が目録品ホルダー30iと独立して回転するのを防ぐよう回転ロックを係合させた状態で、目録品ホルダー30iを輸送しうる。そのような諸実施形態では、移動駆動ユニット20iが角を曲がるよう試みるとき、移動駆動ユニット20iは、移動駆動ユニット20の残りの部分がドッキング・ヘッド110とは独立して回転できるよう、回転ロックを解放しうる。こうして、そのような実施形態では、移動駆動ユニット20は、目録品ホルダー30とドッキングされているまま、しかし目録品ホルダー30の回転させることなく、回転できうる。
【0231】
回転後、移動駆動ユニット20iは、移動駆動ユニット20iおよび目録品ホルダー30iを第二の方向に推進する。結果として、移動駆動ユニット20は図20Fに示されるように点910cまで移動する。移動駆動ユニット20iが完了しつつあるタスクに依存して、移動駆動ユニット20は次いで目録品ホルダー30iからドッキング解除する、目録品ホルダー30iを、特定の面の呈示のために指定された回転領域892で回転させる、および/または割り当てられたタスクを完了させるための他の任意の適切な動作を実行することができる。
【0232】
本発明はいくつかの実施形態をもちいて記載されてきたが、無数の変化、変形、変更、変換および修正が当業者には示唆されうる。本発明は、付属の特許請求の範囲内にはいるそのような変化、変形、変更、変換および修正を含むことが意図されている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは複数の移動駆動ユニットを作業スペース内で動かす方法であって:
第一の移動駆動ユニットにおいて、第一の方向に動くためのコマンドを受信する段階と;
第一の移動駆動ユニットにおいて、ある経路セグメントに沿った前記第一の方向への移動を開始する段階と;
前記第一の移動駆動ユニットから前記第一の方向にある前記経路セグメント上に位置されているオブジェクトを検出する段階と;
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットであるかどうかを判定する段階と;
前記オブジェクトが第二の移動駆動ユニットであると判定するのに応答して、前記第一の方向への移動を継続する段階と;
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットではないと判定するのに応答して、前記第一の方向への移動を打ち切る段階とを有する、
方法。
【請求項2】
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットであるかどうかを判定する前記段階が、前記第一の移動駆動ユニットが、第二の移動駆動ユニットによって送信される駆動識別信号を検出するかどうかを判定することを含み、該駆動識別信号が前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いている移動駆動ユニットであることを示す、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記駆動識別信号がさらに前記第二の移動駆動ユニットの状態を示し;
前記第一の方向への移動を継続する前記段階が:
前記第二の移動駆動ユニットの前記状態に基づいて第二の速度を計算し;
前記第二の速度での前記第一の方向への移動を継続することを含む、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記駆動識別信号が前記第二の移動駆動ユニットの状態を、少なくとも前記第二の移動駆動ユニットの現在の速度および前記第二の移動駆動ユニットに関連付けられた最大減速レートを示すことによって示し;
示された状態に基づいて第二の速度を計算する前記段階が、前記第二の移動駆動ユニットの現在の速度および前記第二の移動駆動ユニットに関連付けられた最大減速レートに基づいて第二の速度を計算することを含む、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第二の移動駆動ユニットの前記状態に基づいて第二の速度を計算する前記段階が、前記第二の移動駆動ユニットの前記状態および前記第一の移動駆動ユニットに関連付けられた最大減速レートに基づいて第二の速度を計算することを含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記第二の移動駆動ユニットに関連付けられた前記最大減速レートを、前記第二の移動駆動ユニットのドッキング状態に基づいて決定することをさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第二の移動駆動ユニットに関連付けられた前記最大減速レートを、前記第二の移動駆動ユニットとドッキングされた目録品ホルダーの一つまたは複数の属性に基づいて決定することをさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記第一の方向に第二の駆動識別信号を送信する段階をさらに有し、前記第二の駆動識別信号は第一の速度を示し、前記第一の速度は前記第一の移動駆動ユニットの現在の速度であり;
前記第一の速度に基づいて第二の速度を計算する段階と;
前記第二の速度で前記第一の方向に前記第二の移動駆動ユニットを動かす段階とをさらに有する、
請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記経路セグメントが、グリッド・ベースの作業スペースの一つまたは複数のセルを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
目録品を移送するシステムであって:
複数の目録品ホルダーと;
複数の移動駆動ユニットとを有し、少なくとも第一の移動駆動ユニットが:
第一の方向に動くためのコマンドを受信する段階と;
ある経路セグメントに沿った第一の方向への移動を開始する段階と;
前記第一の移動駆動ユニットから前記第一の方向にある前記経路セグメント上に位置されているオブジェクトを検出する段階と;
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットであるかどうかを判定する段階と;
前記オブジェクトが第二の移動駆動ユニットであると判定するのに応答して、前記第一の方向への移動を継続する段階と;
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットではないと判定するのに応答して、前記第一の方向への移動を打ち切る段階とを実行するよう動作可能である、
システム。
【請求項11】
前記第一の移動駆動ユニットが、前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットであるかどうかを判定する前記段階を、前記第一の移動駆動ユニットが、第二の移動駆動ユニットによって送信される駆動識別信号を検出するかどうかを判定することによって実行するよう動作可能であり、該駆動識別信号が前記第二の移動駆動ユニットが前記第一の方向に動いている移動駆動ユニットであることを示す、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記駆動識別信号がさらに前記第二の移動駆動ユニットの状態を示し;
前記第一の移動駆動ユニットが、前記第一の方向への移動を継続する前記段階を:
前記第二の移動駆動ユニットの前記状態に基づいて第二の速度を計算し;
前記第二の速度での前記第一の方向への移動を継続することによって実行するよう動作可能である、
請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記駆動識別信号が前記第二の移動駆動ユニットの状態を、少なくとも前記第二の移動駆動ユニットの現在の速度および前記第二の移動駆動ユニットに関連付けられた最大減速レートを示すことによって示し、
前記第一の移動駆動ユニットが、示された状態に基づいて第二の速度を計算する前記段階を、前記第二の移動駆動ユニットの現在の速度および前記第二の移動駆動ユニットに関連付けられた最大減速レートに基づいて第二の速度を計算することによって実行するよう動作可能である、
請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記第一の移動駆動ユニットが、前記第二の移動駆動ユニットの前記状態に基づいて第二の速度を計算する前記段階を、前記第二の移動駆動ユニットの前記状態および前記第一の移動駆動ユニットに関連付けられた最大減速レートに基づいて第二の速度を計算することによって実行するよう動作可能である、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記第二の移動駆動ユニットが、前記第二の移動駆動ユニットに関連付けられた前記最大減速レートを、前記第二の移動駆動ユニットのドッキング状態に基づいて決定するよう動作可能である、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記第二の移動駆動ユニットが、前記第二の移動駆動ユニットに関連付けられた前記最大減速レートを、前記第二の移動駆動ユニットとドッキングされた目録品ホルダーの一つまたは複数の属性に基づいて決定するよう動作可能である、請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記第一の移動駆動ユニットがさらに、前記第一の方向に第二の駆動識別信号を送信するよう動作可能であり、前記第二の駆動識別信号は第一の速度を示し、前記第一の速度は前記第一の移動駆動ユニットの現在の速度であり、前記第二の移動駆動ユニットがさらに:
前記第一の速度に基づいて第二の速度を計算する段階と;
前記第二の速度で前記第一の方向に動く段階とを実行するよう動作可能である、
請求項10記載のシステム。
【請求項18】
複数のセルを含むグリッド・ベースの作業スペースをさらに有する請求項10記載のシステムであって、前記第一の経路セグメントが、前記グリッド・ベースの作業スペースの一つまたは複数のセルを含む、システム。
【請求項19】
一つまたは複数の移動駆動ユニットを作業スペース内で動かすシステムであって:
第一の移動駆動ユニットにおいて、第一の方向に動くためのコマンドを受信する手段と;
第一の移動駆動ユニットにおいて、ある経路セグメントに沿った前記第一の方向への移動を開始する手段と;
前記第一の移動駆動ユニットから前記第一の方向にある前記経路セグメント上に位置されているオブジェクトを検出する手段と;
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットであるかどうかを判定する手段と;
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットであると判定するのに応答して、前記第一の方向への移動を継続する手段と;
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットではないと判定するのに応答して、前記第一の方向への移動を打ち切る手段とを有する、
システム。
【請求項20】
目録品を移送する装置であって:
第一の方向に動くコマンドを受信する段階と;
ある経路セグメントに沿った第一の方向への移動を開始する段階と;
前記第一の移動駆動ユニットから前記第一の方向にある前記経路セグメント上に位置されているオブジェクトを検出する段階と;
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットであるかどうかを判定する段階と;
前記オブジェクトが第二の移動駆動ユニットであると判定するのに応答して、前記第一の方向への移動を継続する段階と;
前記オブジェクトが前記第一の方向に動いている第二の移動駆動ユニットではないと判定するのに応答して、前記第一の方向への移動を打ち切る段階とを実行するよう動作可能である、
装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図19E】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図20F】
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【公開番号】特開2012−232852(P2012−232852A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−163397(P2012−163397)
【出願日】平成24年7月24日(2012.7.24)
【分割の表示】特願2009−516630(P2009−516630)の分割
【原出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
【出願人】(508019805)キヴァ システムズ,インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】