稼動状態監視方法、稼動状態監視装置及び基板処理システム
【課題】基板処理装置の稼動状態を監視し、エコ運転状態への切り替え損ねを防ぐことが可能な稼動状態監視方法、及び稼動状態監視装置を提供すること。
【解決手段】
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別に対応するデータ値と、前記データ種別に対応するデータがとりうる境界を示す境界値と、を予め設定された所定の判定条件に基づいて比較し、前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて所定の動作を実行するようにした。
【解決手段】
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別に対応するデータ値と、前記データ種別に対応するデータがとりうる境界を示す境界値と、を予め設定された所定の判定条件に基づいて比較し、前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて所定の動作を実行するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置の稼動状態を監視する方法、基板処理装置の稼動状態を監視するための装置及びこの装置と基板処理装置とを含む基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置では、プロセスレシピに基づいて基板処理工程のステップ毎にヒータ温度、処理室内の圧力、ガスの流量等の処理条件を変更させながら基板処理が実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
基板処理装置では、基板処理を行う際に電力やガスなどの資源消費量が大きくなる。そこで、直前の基板処理が完了してから次の基板処理を開始するまでのアイドル期間(非生産時)になると、基板処理装置は、例えば、排気ポンプやヒータ等の電力消費の大きい機器について電力供給量を低減させた運転状態に切り替えられていた。このように、アイドル期間中にエネルギー消費を節約して運転を行うことにより、省エネルギー化が図られている。
【0004】
従来の基板処理装置は、アイドル期間になるとエコ運転に切り替えられた。ここで、エコ運転とは、資源消費量を低減させて基板処理装置が稼働している状態をいう。例えば、消費電力やガス消費量等を抑えながら基板処理装置が稼働している状態のことをいう。しかしながら、非生産時のエネルギー消費を削減したとしても、基板処理時に多大なエネルギーや資源が必要となるのでは、総合的に省エネルギーが実現されているとは限らない。例えば、近年の基板処理温度の低温化や薄膜化に伴い、電力やガスなどの無駄な消費を抑えたいという要望がある。一方、通常運転からエコ運転への切り替え方法は、手動で行われてきた。そのため、作業員(使用者)は、設定忘れや入力ミス等で基板処理装置をエコ運転に切り替え損ねる場合があった。
【0005】
本発明は、エコ運転への切り替え損ねを防ぐことが可能なエコ運転監視方法、基板処理装置がエコ運転であるか否かを監視するエコ運転監視装置および基板処理装置とエコ運転監視装置を含む基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別に対応するデータ値(データの値)と、前記データ種別に対応するデータがとりうる境界を示す境界値と、を予め設定された所定の判定条件に基づいて比較し、前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて、所定の動作を実行するエコ運転監視方法が提供される。
【0007】
また、本発明の他の態様によれば、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、予め設定された所定の判定条件、前記データ種別に対応するデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値と前記条件値を前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、を有するエコ運転監視装置が提供される。
更に、本発明の他の態様によれば、基板処理装置とエコ運転監視装置とを含む基板処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別について設定が操作画面上で可能とすることにより、エコ運転への切り替え損ねを防ぐことができ、さらに、エコ運転の稼動状態を操作画面上に表示することができるので、基板処理装置がエコ運転であるか否かを監視することができる。また、エコ運転に切り替えることにより、省エネルギー化を図ると共に、前記基板処理装置のランニングコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る基板処理システムの概要構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る基板処理システムのブロック構成図である。
【図3】エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。
【図4】群管理装置に表示される画面構成を例示する図である。
【図5】エコ運転に係る判定結果の詳細画面を例示する図である。
【図6】ヒータ温度とエコレベルとが重ねて表示されたトレースグラフを例示する図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の斜透視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の側面透視図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の処理炉の縦断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るエコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置と基板処理装置に接続される補助発電システムとの概略構成図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第一図示例である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第二図示例である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第三図示例である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第四図示例である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第五図示例である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係るエコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る基板処理システムのブロック構成図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る基板処理装置に対する電力供給元の切替えを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明の第1の実施形態>
以下に、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0011】
(1)基板処理システムの構成
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理システムの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理システムの概要構成図である。
【0012】
図1に示すとおり、本実施形態にかかる基板処理システムは、処理手順及び処理条件が定義された複数のメインステップを有するプロセスレシピに基づいて基板処理プロセスを繰り返し実行する少なくとも一台の基板処理装置100と、基板処理装置100とデータ交換可能なように接続されるエコ運転監視装置、すなわち上位管理装置としての群管理装置500と、を備えている。基板処理装置100と群管理装置500との間は、例えば構内回線(LAN)や広域回線(WAN)等のネットワーク400により接続されている。
【0013】
(2)基板処理装置の構成
続いて、本実施形態にかかる基板処理装置100の構成について、図7,図8を参照しながら説明する。図7は、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の斜透視図である。図8は、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の側面透視図である。なお、本実施形態にかかる基板処理装置100は、例えばウエハ等の基板に酸化、拡散処理、CVD処理などを行なう縦型の装置として構成されている。
【0014】
図7、図8に示すように、本実施形態にかかる基板処理装置100は、耐圧容器として構成された筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの正面前方部には、メンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が開設されている。正面メンテナンス口103には、正面メンテナンス口103を開閉する一対の正面メンテナンス扉104が設けられている。シリコン等のウエハ(基板)200を収納したポッド(基板収容器)110が、筐体111内外へウエハ200を搬送するキャリアとして使用される。
【0015】
筐体111の正面壁111aには、ポッド搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が、筐体111内外を連通するように開設されている。ポッド搬入搬出口112は、フロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。ポッド搬入搬出口112の正面前方側には、ロードポート(基板収容器受渡し台)114が設置されている。ロードポート114上には、ポッド110を載置されると共に位置合わせされるように構成されている。ポッド110は、工程内搬送装置(図示せず)によってロードポート114上に搬送されるように構成されている。
【0016】
筐体111内の前後方向の略中央部における上部には、回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されている。回転式ポッド棚105上には複数個のポッド110が保管されるように構成されている。回転式ポッド棚105は、垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、支柱116に上中下段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板(基板収容器載置台)117と、を備えている。複数枚の棚板117は、ポッド110を複数個それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
【0017】
筐体111内におけるロードポート114と回転式ポッド棚105との間には、ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されている。ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと、搬送機構としてのポッド搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されている。ポッド搬送装置118は、ポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ロードポート114、回転式ポッド棚105、ポッドオープナ(基板収容器蓋体開閉機構)121との間で、ポッド110を相互に搬送するように構成されている。
【0018】
筐体111内の下部には、サブ筐体119が、筐体111内の前後方向の略中央部から後端にわたって設けられている。サブ筐体119の正面壁119aには、ウエハ200をサブ筐体119内外に搬送する一対のウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が、垂直方向に上下二段に並べられて設けられている。上下段のウエハ搬入搬出口120には、ポッドオープナ121がそれぞれ設置されている。
【0019】
各ポッドオープナ121は、ポッド110を載置する一対の載置台122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123とを備えている。ポッドオープナ121は、載置台122上に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0020】
サブ筐体119内には、ポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105等が設置された空間から流体的に隔絶された移載室124が構成されている。移載室124の前側領域にはウエハ移載機構(基板移載機構)125が設置されている。ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。図7に示すように、ウエハ移載装置エレベータ125bは、サブ筐体119の移載室124前方領域右端部と筐体111右側端部との間に設置されている。ウエハ移載装置125aは、ウエハ200の載置部としてのツイーザ(基板保持体)125cを備えている。これらウエハ移載装置エレベータ125b及びウエハ移載装置125aの連続動作により、ウエハ200をボート(基板保持具)217に対して装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)することが可能なように構成されている。
【0021】
移載室124の後側領域には、ボート217を収容して待機させる待機部126が構成されている。待機部126の上方には、基板処理系としての処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。
【0022】
図7に示すように、サブ筐体119の待機部126右端部と筐体111右側端部との間には、ボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている。ボートエレベータ115の昇降台には、連結具としてのアーム128が連結されている。アーム128には、蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219は、ボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0023】
ボート217は複数本の保持部材を備えている。ボート217は、複数枚(例えば、50枚〜125枚程度)のウエハ200を、その中心を揃えて垂直方向に整列させた状態でそれぞれ水平に保持するように構成されている。
【0024】
図7に示すように、移載室124のウエハ移載装置エレベータ125b側及びボートエレベータ115側と反対側である左側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア133を供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されている。ウエハ移載装置125aとクリーンユニット134との間には、図示はしないが、ウエハの円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合わせ装置が設置されている。
【0025】
クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、図示しないノッチ合わせ装置、ウエハ移載装置125a、待機部126にあるボート217の周囲を流通した後、図示しないダクトにより吸い込まれて筐体111の外部に排気されるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環されてクリーンユニット134によって移載室124内に再び吹き出されるように構成されている。
【0026】
(3)基板処理装置の動作
次に、本実施形態にかかる基板処理装置100の動作について、図7,図8を参照しながら説明する。
【0027】
図7、図8に示すように、ポッド110がロードポート114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。そして、ロードポート114の上のポッド110が、ポッド搬送装置118によってポッド搬入搬出口112から筐体111内部へと搬入される。
【0028】
筐体111内部へと搬入されたポッド110は、ポッド搬送装置118によって回転式ポッド棚105の棚板117上へ自動的に搬送されて一時的に保管された後、棚板117上から一方のポッドオープナ121の載置台122上に移載される。なお、筐体111内部へと搬入されたポッド110は、ポッド搬送装置118によって直接ポッドオープナ121の載置台122上に移載されてもよい。この際、ポッドオープナ121のウエハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124内にはクリーンエア133が流通され、充満されている。例えば、移載室124内にクリーンエア133として窒素ガスが充満することにより、移載室124内の酸素濃度が例えば20ppm以下となり、大気雰囲気である筐体111内の酸素濃度よりも遥かに低くなるように設定されている。
【0029】
載置台122上に載置されたポッド110は、その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ウエハ出し入れ口が開放される。その後、ウエハ200は、ウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてポッド110内からピックアップされ、ノッチ合わせ装置にて方位が整合された後、移載室124の後方にある待機部126内へ搬入され、ボート217内に装填(チャージング)される。ボート217内にウエハ200を装填したウエハ移載装置125aは、ポッド110に戻り、次のウエハ200をボート217内に装填する。
【0030】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ121におけるウエハ移載機構125によるウエハのボート217への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121の載置台122上には、別のポッド110が回転式ポッド棚105上からポッド搬送装置118によって搬送されて移載され、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が同時進行される。
【0031】
予め指定された枚数のウエハ200がボート217内に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部が、炉口シャッタ147によって開放される。続いて、ウエハ200群を保持したボート217は、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより処理炉202内へ搬入(ローディング)されていく。
【0032】
ローディング後は、処理炉202内にてウエハ200に任意の処理が実施される。処理後は、ノッチ合わせ装置でのウエハの整合工程を除き、上述の手順とほぼ逆の手順で、処理後のウエハ200を格納したボート217が処理炉202より搬出され、処理後のウエハ200を格納したポッド110が筐体111外へと搬出される。
【0033】
(4)処理炉の構成
続いて、本実施形態にかかる処理炉202の構成について、図9を用いて説明する。図9は、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置100の処理炉202の縦断面図である。
【0034】
図9に示すように、処理炉202は、反応管としてのプロセスチューブ203を備えている。プロセスチューブ203は、内部反応管としてのインナーチューブ204と、その外側に設けられた外部反応管としてのアウターチューブ205と、を備えている。インナーチューブ204は、例えば石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。インナーチューブ204内の筒中空部には、基板としてのウエハ200を処理する処理室201が形成されている。処理室201内は後述するボート217を収容可能なように構成されている。アウターチューブ205は、インナーチューブ204と同心円状に設けられている。アウターチューブ205は、内径がインナーチューブ204の外径よりも大きく、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。アウターチューブ205は、例えば石英または炭化シリコン等の耐熱性材料からなる。
【0035】
プロセスチューブ203の外側には、プロセスチューブ203の側壁面を囲うように、加熱機構としてのヒータ206が設けられている。ヒータ206は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース251に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0036】
アウターチューブ205の下方には、アウターチューブ205と同心円状になるように、マニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209は、インナーチューブ204の下端部とアウターチューブ205の下端部とにそれぞれ係合しており、これらを支持するように設けられている。なお、マニホールド209とアウターチューブ205との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。マニホールド209がヒータベース251に支持されることにより、プロセスチューブ203は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ203とマニホールド209により反応容器が形成される。
【0037】
後述するシールキャップ219には、ガス導入部としてのノズル230が処理室201内に連通するように接続されている。ノズル230の上流端には、ガス供給管232の下流端が接続されている。ガス供給管232の上流側(ノズル230との接続側と反対側)には、ガス流量制御器としてのMFC(マスフローコントローラ)241を介して、図示しない処理ガス供給源や不活性ガス供給源等が接続されている。MFC241には、ガス流量制御部235が電気的に接続されている。ガス流量制御部235は、処理室201内に供給するガスの流量が所望のタイミングにて所望の流量となるように、MFC241を制御するように構成されている。
【0038】
マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231は、インナーチューブ204とアウターチューブ205との隙間によって形成される筒状空間250の下端部に配置されており、筒状空間250に連通している。排気管231の下流側(マニホールド209との接続側と反対側)には、圧力検出器としての圧力センサ245、例えばAPC(Auto Pressure Controller)として構成された圧力調整装置242、真空ポンプ等の真空排気装置246が上流側から順に接続されている。圧力調整装置242及び圧力センサ245には、圧力制御部236が電気的に接続されている。圧力制御部236は、圧力センサ245により検出された圧力値に基づいて、処理室201内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように、圧力調整装置242を制御するように構成されている。
【0039】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、マニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219の中心部付近であって処理室201と反対側には、ボートを回転させる回転機構254が設置されている。回転機構254の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217を下方から支持している。回転機構254は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させることが可能なように構成されている。シールキャップ219は、プロセスチューブ203の外部に垂直に設備された昇降機構としてのボートエレベータ115によって、垂直方向に昇降されるように構成されている。シールキャップ219を昇降させることにより、ボート217を処理室201内外へ搬送することが可能なように構成されている。回転機構254及びボートエレベータ115には、メカ制御部238が電気的に接続されている。メカ制御部238は、回転機構254及びボートエレベータ115が所望のタイミングにて所望の動作をするように、これらを制御するように構成されている。
【0040】
上述したように、基板保持具としてのボート217は、複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。ボート217は、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料からなる。ボート217の下部には、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料からなる円板形状をした断熱部材としての断熱板216が水平姿勢で多段に複数枚配置されており、ヒータ206からの熱がマニホールド209側に伝わりにくくなるように構成されている。
【0041】
プロセスチューブ203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。ヒータ206と温度センサ263とには、電気的に温度制御部237が接続されている。温度制御部237は、温度センサ263により検出された温度情報に基づいて、処理室201内の温度が所望のタイミングにて所望の温度分布となるように、ヒータ206への通電具合を調整するように構成されている。
【0042】
ガス流量制御部235、圧力制御部236、メカ制御部238、温度制御部237は、基板処理装置全体を制御する主制御部としての表示装置制御部239に電気的に接続されている(以下、ガス流量制御部235、圧力制御部236、温度制御部237をI/O制御部とも呼ぶ)。これら、ガス流量制御部235、圧力制御部236、メカ制御部238、温度制御部237、及び主制御部としての表示装置制御部239は、基板処理装置用コントローラ240として構成されている。基板処理装置用コントローラ240の構成や動作については、後述する。
【0043】
(5)処理炉の動作
続いて、半導体デバイスの製造工程の一工程として、上記構成に係る処理炉202を用いてCVD法によりウエハ200上に薄膜を形成する方法について、図9を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置100を構成する各部の動作は基板処理装置用コントローラ240により制御される。
【0044】
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、図9に示すように、複数枚のウエハ200を保持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートローディング)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0045】
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように、真空排気装置246によって真空排気される。この際、圧力センサ245が測定した圧力値に基づき、圧力調整装置242(の弁の開度)がフィードバック制御される。また、処理室201内が所望の温度となるように、ヒータ206によって加熱される。この際、温度センサ263が検出した温度値に基づき、ヒータ206への通電量がフィードバック制御される。続いて、回転機構254により、ボート217及びウエハ200が回転させられる。
【0046】
次いで、処理ガス供給源から供給されてMFC241にて所望の流量となるように制御されたガスは、ガス供給管232内を流通してノズル230から処理室201内に導入される。導入されたガスは処理室201内を上昇し、インナーチューブ204の上端開口から筒状空間250内に流出して排気管231から排気される。ガスは、処理室201内を通過する際にウエハ200の表面と接触し、この際に熱CVD反応によってウエハ200の表面上に薄膜が堆積(デポジション)される。
【0047】
予め設定された処理時間が経過すると、不活性ガス供給源から不活性ガスが供給され、処理室201内が不活性ガスに置換されるとともに、処理室201内の圧力が常圧に復帰される。
【0048】
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されてマニホールド209の下端が開口されるとともに、処理済のウエハ200を保持するボート217がマニホールド209の下端からプロセスチューブ203の外部へと搬出(ボートアンローディング)される。その後、処理済のウエハ200はボート217より取り出され、ポッド110内へ格納される(ウエハディスチャージ)。
【0049】
(6)基板処理装置用コントローラの構成
続いて、本実施形態に係る基板処理装置用コントローラ240の構成について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理システムのブロック構成図である。
【0050】
基板処理装置用コントローラ240は、処理炉202を制御する上述のI/O制御部(ガス流量制御部235、圧力制御部236、温度制御部237)と、上記I/O制御部とデータ交換可能なように接続された処理制御部239aと、を備えている。処理制御部239aは、I/O制御部を介して処理炉202の動作を制御するとともに、処理炉202の状態(温度、ガス流量、圧力等)を示すモニタデータを取得する(読み出す)ように構成されている。
【0051】
基板処理装置用コントローラ240は、処理制御部239aにデータ交換可能なように接続された主制御部としての表示装置制御部239を備えている。表示装置制御部239には、ディスプレイ等のデータ表示部240aとキーボード等の入力手段240bとがそれぞれ接続される。表示装置制御部239は、操作員による入力手段240bからの入力(操作コマンドの入力等)を受け付けると共に、基板処理装置100の状態表示画面や操作入力受付画面等をデータ表示部240aに表示するように構成されている。
【0052】
また、基板処理装置用コントローラ240は、主制御部としての表示装置制御部239にデータ交換可能なように接続されたメカ制御部238と、メカ制御部238にデータ交換可能なように接続されたメカ機構I/O238aと、を備えている。メカ機構I/O238aには、基板処理装置100を構成する各部(例えばポッドエレベータ118a、ポッド搬送機構118b、ポッドオープナ121、ウエハ移載機構125、ボートエレベータ115等)が接続されている。メカ制御部238は、メカ機構I/O238aを介して基板処理装置100を構成する各部の動作を制御するとともに、基板処理装置100を構成する各部の状態(例えば位置、開閉状態、動作中であるかウエイト状態であるか等)を示すモニタデータを取得する(読み出す)ように構成されている。さらに、基板処理装置用コントローラ240は、装置ID、モニタデータ生成時刻、レシピID、経過時間等を付加させたモニタデータを生成するように構成されている。
【0053】
モニタデータは、ウエハ200を基板処理装置100のボート217に装填後、ボート217から脱装するまでの任意の期間、ウエハ200の処理に係るプロセスレシピの開始から終了までの任意の期間、又はプロセスレシピ内の所定の期間において収集される。またモニタデータは、直前の基板処理が完了した後、次の基板処理が開始されるまでのアイドル期間中にも収集される。
【0054】
また、基板処理装置用コントローラ240は、主制御部としての表示装置制御部239に接続されたデータ保持部239eを備えている。データ保持部239eには、基板処理装置用コントローラ240に種々の機能を実現するプログラムや、処理炉202にて実施される基板処理プロセスの処理手順や処理条件が定義されたプロセスレシピや、モニタデータ等が格納(保持)される。また、本願発明において、データ保持部239eには、少なくともプロセスレシピを実行する制御プログラムや上記モニタデータの収集を行う収集プログラムの他、少なくとも後述するエコ運転監視プログラムや後述する蓄電監視プログラムが格納される場合がある。
【0055】
また、基板処理装置用コントローラ240は、主制御部としての表示装置制御部239に接続された通信制御部239bを備えている。通信制御部239bは、ネットワーク400を介して後述の群管理装置500とデータ交換可能なように接続されている。通信制御部239bは、基板処理装置用コントローラ240で生成されたモニタデータを受信し、群管理装置500に送信可能なように構成されている。
【0056】
また、基板処理装置用コントローラ240は、生成したモニタデータを、通信制御部239bを介さずに群管理装置500に直接送信可能なようにも構成されている。
【0057】
(7)群管理装置の構成
続いて、上述の基板処理装置100とデータ交換可能なように構成された本実施形態に係るエコ運転監視装置、すなわち上位管理装置としての群管理装置500の構成について、図2〜図6を参照しながら説明する。図3は、エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。図4は、群管理装置に表示される画面構成を例示する図である。図5は、エコ運転に係る判定結果の詳細画面を例示する図である。図6は、ヒータ温度とエコレベルとが重ねて表示されたトレースグラフを例示する図である。
【0058】
群管理装置500は、中央処理装置(CPU)として構成された制御部501と、内部に共有メモリ502領域を有するメモリ(図示は省略)と、HDDなどの記憶装置として構成された格納手段としてのデータ保持部(格納部)503と、ディスプレイ装置などの表示手段として構成されるデータ表示部505と、キーボード等の入力手段506と、通信手段としての通信制御部(通信部)504と、を有するコンピュータとして構成されている。上述のメモリ、データ保持部503、データ表示部505、入力手段506、通信制御部504は、内部バス等を介して制御部501とデータ交換可能なように構成されている。また、制御部501は、図示しない時計機能を有している。
【0059】
データ保持部(格納部)503には、エコ運転監視プログラムを含む複数の図示しない群管理プログラム(群管理装置500で実行されるプログラム)が記憶されている。そして、エコ運転監視プログラムがデータ保持部503から読み出され、制御部501で実行されることにより後述する設定手段510、判定手段520、実行手段530等の各種機能が実現される。また、必要に応じて後述する蓄電監視プログラムをデータ保持部503に格納しても良い。
【0060】
通信手段としての通信制御部504は、基板処理装置用コントローラ240の通信制御部239bに接続されている。通信制御部504は、基板処理装置100からモニタデータを受信し、共有メモリ502に渡すように構成されている。
【0061】
制御部501は、共有メモリ502から読み出したモニタデータを、モニタデータの発生源である基板処理装置100を特定する装置ID、モニタデータ生成時刻、レシピID、経過時間等と関連付けてデータベース化し、読み出し可能にデータ保持部503に渡し、記憶させるように構成されている。
【0062】
また、制御部501は、データ保持部503に記憶させるモニタデータを装置ID、レシピID、及び経過時間等と併せてデータ表示部505に渡し、データ表示部505に表示させるように構成されている。
【0063】
また、本実施の形態においては、制御部501は、入力手段506から入力される装置ID、モニタデータ生成時刻、レシピID、経過時間等の検索条件に基づいてデータ保持部503を検索し、検索条件に該当するモニタデータをデータ保持部503から読み出して、データ表示部505に表示させるように構成されている。
【0064】
(設定手段)
また、制御部501が備える設定手段510は、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作(アクション)の設定の入力を受け付けるように構成されている。本実施の形態においては、設定手段510は、図3に示すようにデータ表示部505に表示されるよう構成されている。設定手段510は、図3に示すような、それぞれのエコチェック条件を識別する「ID」、エコチェック条件の名称を表示する「条件名」、「データ種別」、「判定条件」、「条件値」、「所定の動作」の各項目の設定情報が、入力手段506を用いて入力される。入力されたエコチェック条件の各項目は、エコチェック条件毎に互いに関連付けられてデータ保持部503に記憶される。
【0065】
上述の「所定の動作」としては、以下のものを例示することができる。第1の例としては、エコ運転ではない(非エコ運転である)旨の警告がデータ表示部505に表示される。第2の例としては、図2に示すメールサーバ550を介して基板処理システムの管理者PC560にメールが送信される。第3の例としては、プロセスレシピに規定された各種のパラメータ設定値が変更される。あるいは、これら第1〜第3の例を複数組み合わせた動作が実行される。
【0066】
また、設定手段510は、エコチェック条件毎の判定を実行するか否かのチェック指標を設定するように構成されている。具体的には、図3に示す、IDが「001」、「003」で示されたエコチェック条件のように、チェック指標が「有効」に設定された場合には、該当するエコチェックは実行される。これに対して、IDが「002」で示されたエコチェック条件のように、チェック指標が「無効」に設定された場合には、該当するエコチェックは実行されないように構成される。本実施の形態によれば、エコチェック条件が、全て「―」が設定されるように構成されているが、その形態は特に限定されない。
【0067】
ここで、図3で示すエコチェック条件の具体例について、以下で説明する。まず、IDが「001」で示された「アイドル時ヒータ出力チェック」について説明する。「アイドル時ヒータ出力チェック」では、基板処理装置100が直前の基板処理の完了後からその次の基板処理を開始するまでのアイドル期間(非生産時)において、ヒータ206の出力が所定の判定条件を満たすか否かがチェックされる。「アイドル時ヒータ出力チェック」では、エコ運転の判定対象として、「データ種別」に規定された「ヒータ出力」に相当するモニタデータが判定対象のデータ値として指定される。「判定条件」として規定された「アイドル期間中、条件値未満」は、アイドル期間中におけるヒータ206の出力(データ値)が条件値未満であることがエコ運転の条件として規定されている。「条件値」として規定された「90%」は、エコ運転であるか否かを実際にチェックする際にデータ値と比較される値である。すなわち、アイドル時ヒータ出力チェックでは、アイドル期間中におけるヒータ出力が90%未満であるか否かが判定される。
【0068】
引き続き、IDが「003」で示された「常時ガス流量チェック」について説明する。「常時ガス流量チェック」では、基板処理装置100が稼働している場合に、処理室201へのガス流量が所定の判定条件を満たすか否かがチェックされる。「常時ガス流量チェック」では、エコ運転の判定対象として、「データ種別」に規定された「ガス流量」に相当するモニタデータが判定対象のデータ値として指定される。「判定条件」として規定された「常時、条件値未満」は、基板処理装置が稼働している時には、処理室201へのガス流量が条件値未満であることがエコ運転の条件として規定されている。「条件値」は「20L」と規定されているので、「常時ガス流量チェック」では、処理室201内へのガス流量が所定期間あたり20L未満であるか否かを常時判定する。
【0069】
また、IDが「002」で示されたエコチェック条件では、チェック指標が「無効」に設定されている。そのため、ここではエコチェック条件の詳細な内容は表示されないように構成されている。このように、設定入力されないように構成することにより、作業員の誤設定等を抑止することができる。
【0070】
(判定手段)
制御部501が備える判定手段520は、データ保持部503に記憶されたモニタデータのうち、エコチェック条件毎のデータ種別に対応したデータ値を指定するように構成されている。そして、判定手段520は、指定したデータ値と条件値とを比較し、データ値が判定条件を満たすか否かの判定を行うように構成されている。
【0071】
また、判定手段520は、モニタデータを取得した時間におけるエコ運転状態だけでなく、同一のエコチェック条件に関し、所定の期間内の複数の判定結果に基づき、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定することができるように構成されている。
【0072】
また、判定手段520は、同一のエコチェック条件に関する判定結果について、少なくとも直近の2回分の判定結果をデータ保持部503に記憶させるように構成されている。また、制御部501は、複数のエコチェック条件の判定結果に基づき、基板処理装置100においてエコ運転がどの程度進んでいるのかを0%〜100%の範囲で数値化したエコ運転指数を算出するように構成されている。エコ運転指数は、例えば、数値が上がるにつれて(100%に近づくにつれて)エコ運転が進んでいることを示す。
【0073】
(実行手段)
実行手段530は、データ値を所定の判定条件に基づいて判定した判定結果に応じて、上述の所定の動作を実行するように構成されている。例えば、データ値が判定条件を満たさない場合に、実行手段530は、図3に示す所定の動作を実行するように構成されている。
【0074】
(表示手段)
表示手段としてのデータ表示部505は、データ値が判定条件を満たすか否かの判定結果を示すアイコンを表示するように構成されている。アイコンにより、データ表示部505には、基板処理装置100がエコ運転であるか、あるいは非エコ運転であるかが識別される。
【0075】
ここで、データ表示部505の画面構成について、一例を挙げて簡単に説明する。データ表示部505は、図4に示すように、装置状態表示エリア505X、装置状態詳細表示エリア505Y、操作ボタンエリア505Zを備えている。装置状態表示エリア505Xは、基板処理装置100のエコレベルを示すレベルメータ(アイコン)505a、判定結果を示す(エコレベル)アイコン505b等が表示されるように構成されている。装置状態詳細表示エリア505Yは、例えば、基板処理装置100から送信されたモニタデータや、それぞれのモニタデータに関連付けられたモニタデータ生成時刻、装置ID、レシピID、経過時間等が表示されるように構成されている。操作ボタンエリア505Zは、基板処理装置100の操作に係る各種ボタンが表示されるように構成されている。尚、装置状態表示エリア505Xは、画面切替に関係なく常に表示されるエリアであるため、基板処理装置100のエコレベルの監視が可能である。又、操作パネルの近傍にエコ運転パネルを設けてもよい。また、装置状態表示エリア505Xに、後述する代替エネルギーを利用した省エネ運転を示すアイコン(例えば、エコマークアイコン)を別途表示するようにしても良い。
【0076】
また、データ表示部505は、判定手段520で算出されたエコ運転指数に基づいたエコレベルを、例えば、「0」〜「5」の範囲で設定し、レベルメータ(アイコン)505aに表示させるように構成されている。エコレベルは、例えば、エコ運転の数値が上がるごとに(「5」に近づくにつれて)、エコ運転が進んでいることを示し、数値が下がるごとに(「0」に近づくにつれて)、エコ運転が進んでいないことを示すように設定される。例えば、エコ運転指数が20%未満であればエコレベルは「1」に設定され、エコ運転指数が20%以上40%未満であればエコレベルは「2」に設定され、エコ運転指数が40%以上60%未満であればエコレベルは「3」に設定され、エコ運転指数が60%以上80%未満であればエコレベルは「4」に設定され、エコ運転指数が80%以上であればエコレベルは「5」に設定される。また、必要以上に資源が消費されている場合には、エコレベルは「0」に設定される。
【0077】
また、データ表示部505は、設定されたエコレベルをモニタデータと関連付けてデータ保持部503に記憶させるように構成されている。具体的には、データ表示部505は、所定周期内に収集されたモニタデータ(データ値)、及びこれらのモニタデータに基づいて設定されたエコレベルをデータ保持部503に記憶させるように構成されている。データ保持部503に記憶されたモニタデータ及びエコレベルは、後述のトレースグラフを作成する際のデータ(以下では、「トレースグラフデータ」とも称する)として用いられる。
【0078】
また、データ表示部505は、データ値が判定条件を満たす場合と、データ値が判定条件を満たさない場合とでそれぞれ異なるアイコンを表示するように構成されている。例えば、データ表示部505は、レベルメータ505aに表示されたエコレベルに基づいたアイコン505bを表示するように構成されている。図4に示す例では、レベルメータ505aに表示されるエコレベル(図4では、エコレベル「4」)に対応させたアイコン「Eco4」が表示されている。また、データ表示部505は、判定結果を示す(エコレベル)アイコン505bを、エコチェック条件毎に表示可能なようにも構成されている。
【0079】
また、データ表示部505は、アイコン505bが選択されると、図5に示すような判定結果の詳細画面610(以下では、「判定結果詳細画面610」とも称する)を表示するように構成されている。例えば、判定結果詳細画面610には、エコチェック条件毎の判定結果やエコレベル等が表示されている。まず、エコチェック条件毎の判定結果について説明する。判定結果詳細画面610には、例えば、それぞれのエコチェック条件を示すID、判定結果を示すチェック状態、条件名、それぞれのエコチェック条件毎のデータ値が表示されている。「チェック状態」には、例えば、エコチェック条件毎に記号「■」、「□」が付され、これによりそれぞれのエコチェック条件がエコ運転であるか否かの判定結果が表示されるようになっている。記号「■」は、該当するエコチェック条件においては、データ値が判定条件を満たしていないことを示している。すなわち、記号「■」が付されたエコチェック条件に関しては、基板処理装置100はエコ運転状態ではないと判定されたことを示している。これに対して、記号「□」は、該当するエコチェック条件においては、データ値が判定条件を満たしていることを示している。すなわち、記号「□」が付されたエコチェック条件に関しては、基板処理装置100はエコ運転状態であると判定されたことを示している。
【0080】
具体的には、IDが「001」のエコチェック条件「アイドル時ヒータ出力チェック」では、図3に示すヒータ出力の条件値が「90%」であるのに対して、ヒータ出力の測定値が「95%」である。判定条件を適用してこれらの値を比較すると、ヒータ出力の測定値が判定条件を満たしていないことがわかる。したがって、「アイドル時ヒータ出力チェック」に関しては、基板処理装置100はエコ運転状態ではないと判定され、判定結果詳細画面610の「アイドル時ヒータ出力チェック」の「チェック状態」欄に記号「■」が付される。ID「003」のエコチェック条件「常時ガス流量チェック」に関しても同様に、ガス流量の条件値が「20L」であるのに対して、ガス流量の測定値が「20L」である。判定条件を適用してこれらの値を比較すると、ガス流量が判定条件を満たしていないことがわかる。したがって、「常時ガス流量チェック」に関しても、基板処理装置100は、エコ運転状態ではないと判定され、判定結果詳細画面610の「常時ガス流量チェック」の「チェック状態」欄に記号「■」が付される。これに対して、データ値が判定条件を満たす場合には、それぞれのエコチェック条件の「チェック状態」欄に記号「□」が付される。また、例えば、ID「002」のように判定を行うか否かのチェック指標が「無効」に設定されたエコチェック条件に関しても、「チェック条件」欄に記号「□」が付されるようになっている。
【0081】
次に、エコレベルの判定結果について説明する。判定結果詳細画面610には、複数のエコチェック条件の判定結果に基づいて数値化されたエコ運転指数610aと、エコ運転指数610aに基づいて設定されたエコレベルが表示されている。図5では、例えば、ID「001」〜「999」のエコチェック条件に関する判定結果に基づいて算出されたエコ運転指数が「78%」と表示されている。また、判定結果詳細画面510には、エコ運転指数「78%」に対応するエコレベル「4」が表示されている。
【0082】
また、データ表示部505は、所定周期内に収集されたモニタデータと、これらのモニタデータから算出されたエコレベルとを、時間軸を揃えて重ね合わせた一つのグラフを表示するように構成されている。トレースグラフの一例として、図6では、ヒータ出力のグラフ620aとエコレベルのグラフ620bとを重ね合わせたトレースグラフ620が示されている。以下、図6のトレースグラフ620について簡単に説明する。トレースグラフ620では、横軸が時間、縦軸がヒータ206出力、及びエコレベルを示している。横軸の時間は、例えば、モニタデータ生成時刻やプロセスレシピを開始してから経過した所定の時間(経過時間)等で表示される。縦軸のヒータ206出力は、最大出力に対する比率(0%〜100%)で表示される。また、縦軸のエコレベルは、「0」、「1」、・・・、「5」のように多段階に表示される。トレースグラフ620には、所定の期間内におけるヒータ206の出力に関するグラフ620a、及び複数のエコチェック条件に係る判定結果から算出されたエコレベルに関するグラフ620bが表示されている。グラフ620aと、620bとを重ね合わせたトレースグラフ620を表示させることにより、基板処理装置100の動作とエコレベルとが比較されやすくなっている。
【0083】
(8)エコ運転監視方法
次に、本実施形態に係るエコ運転監視プログラムを実行することによるエコ運転監視方法について以下で説明する。
【0084】
(エコチェック条件入力工程)
まず、本実施形態のエコ運転監視方法を実施するためのエコチェック条件の入力を行う。基板処理システムの作業員は、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作を、入力手段506を用いて入力する。具体的には、作業員は、図3に示すような、エコチェック条件毎の「ID」、「条件名」、「データ種別」、「判定条件」、「条件値」、「所定の動作」を、入力手段506を用いて入力する。群管理装置500が備える設定手段510は、入力されたエコチェック条件の各項目(ID、条件名、データ種別、判定条件、条件値、所定の動作)の設定を受け付け、エコチェック条件毎にデータ保持部503に記憶させる。また、それぞれのエコチェック条件に係る判定を実行するか否かを設定する「チェック指標」に関しては、作業員が入力手段506を用いて直接入力してもよいし、あるいは、プロセスレシピ等の内容に基づいてエコ運転監視プログラムにより設定手段510に適宜設定されるようにしてもよい。
【0085】
(エコ運転監視工程)
制御部501は、設定手段510において、指標が有効と指定されたID(「001」と「003」)について、エコチェック条件の各項目をデータ保持部503から読み出して共有メモリ502に保持し、「判定条件」に従ってエコ運転を監視する。判定条件で常時監視する設定であれば、メモリ502に保持したらすぐにエコ運転の監視を行い、非運転時(アイドル時等)に監視する設定であれば、非運転時に切り替わるデータ(イベントデータ)を共有メモリ502に受信したら監視が開始される。尚、判定条件でレシピ実行時に監視する設定があれば、この任意のID「***」は、レシピ及び指定ステップが開始した時点でエコ運転の監視が行われるように構成される。例えば、レシピ開始又は指定ステップ開始を示すデータ(イベントデータ)を共有メモリ502に受信したらエコ運転が開始される。
【0086】
(エコ運転判定工程)
群管理装置500が備える判定手段520は、図3に示す「チェック指標」が「有効」に設定されたエコチェック条件について、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを監視する。具体的には、制御部501は、データ保持部503に記憶されたエコチェック条件を読み出し、エコチェック条件毎の監視を開始する。
【0087】
判定手段520は、エコチェック条件毎にデータ値と条件値とを比較し、データ値が判定条件を満たすか否かの判定を行う。本実施の形態では、制御部501は、データ保持部503に記憶されたモニタデータから、それぞれのエコチェック条件のデータ種別に対応するデータ値を指定する。そして、制御部501は、指定されたデータ値と条件値とを比較し、データ値が判定条件を満たすか否かの判定を行う。
【0088】
また、判定手段520は、同一のエコチェック条件に関し、少なくとも直近の2回分の判定結果をデータ保持部503に記憶させる。また、判定手段520は、複数のエコチェック条件の判定結果に基づき、基板処理装置100においてエコ運転がどの程度進行しているのかを0%〜100%の範囲で数値化したエコ運転指数を算出する。また、判定手段520は、エコ運転指数に基づいたエコレベルを、例えば、「0」〜「5」の範囲で多段階に表示させる。
【0089】
また、データ保持部503は、モニタデータ、及びこのモニタデータに基づいて設定されたエコレベルを記憶する。具体的には、データ保持部503は、所定周期内に収集されたモニタデータ(データ値)、及びこれらのモニタデータから算出されたエコレベルを、同一のグラフで重ね合わせて表示させるためのトレースグラフデータとしてデータ保持部503に記憶する。
【0090】
また、判定手段520は、モニタデータを取得した時間におけるエコ運転状態だけでなく、同一のエコチェック条件に関する複数の判定結果に基づき、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定する。すなわち、判定手段520は、同一のエコチェック条件に関し、所定の期間内の複数の判定結果に基づいて基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを判定する。
【0091】
(所定の動作実行工程)
また、群管理装置500が備える実行手段530は、エコチェック条件毎に設定された所定の動作を実行する。例えば、実行手段530は、エコ運転ではない旨の警告をデータ表示部505に表示させる。あるいは、実行手段530は、メールサーバ550を介して基板処理システムの管理者PC560にエコ運転ではない旨の内容のメールを送信する。あるいは、実行手段530は、判定結果に基づいてプロセスレシピに規定されたパラメータ設定値を変更する。あるいは、制御部501は、これらの動作を複数組み合わせて実行する。
【0092】
(判定結果表示工程)
データ表示部505は、エコ運転判定工程における判定結果を示すアイコンを表示する。これにより、データ表示部505は、基板処理装置100がエコ運転であるか、あるいは非エコ運転であるかを表示する。具体的に説明すると、データ表示部505は、例えば、図4に示すように、算出されたエコレベルを多段階に示すレベルメータ(アイコン)505aを表示する。そして、データ表示部505は、レベルメータ(アイコン)505aに表示されたエコレベルに基づいてそれぞれ異なる(エコレベル)アイコン505bを表示する。データ表示部505は、レベルメータ505aに示されるエコレベル「4」に対応させたアイコン「Eco4」を表示する。
【0093】
また、データ表示部505は、アイコン505bが選択されると、図5に示すような判定結果詳細画面610を表示する。データ表示部505は、判定結果詳細画面610に、エコチェック条件毎の判定結果、エコチェック条件毎のモニタデータ(データ値)、エコ運転指数、エコレベル等を表示する。
【0094】
(トレースグラフ表示工程)
また、データ表示部505は、データ保持部503に記憶されたトレースデータに基づいたトレースグラフを表示する。データ表示部505は、所定の期間内におけるヒータ206の出力に関するグラフ520a、及び複数のエコチェック条件に係る判定結果から算出されたエコレベルに関するグラフ620bを表示する。
【0095】
(9)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1又は複数の効果を奏する。
【0096】
(a)本実施形態の群管理装置500では、それぞれのエコチェック条件を識別する「ID」、エコチェック条件の名称を表示する「条件名」、エコ運転であるか否かの判定対象を規定する「データ種別」、エコ運転であるか否かの判定を規定する「判定条件」、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる「条件値」、データ値が判定条件を満たさない場合に行う「所定の動作」の各項目の設定内容が、入力手段506を用いて入力され、設定手段510が、これらの設定内容を受け付けるように構成されている。そして、判定手段520は、基板処理装置100から受信したモニタデータに基づいて、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを、エコチェック条件毎に判定するように構成されている。この構成によれば、判定条件に基づいて、それぞれのエコチェック条件毎のデータ種別に対応するデータ値と条件値とが比較されるので、群管理装置500は、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを監視することが可能となる。また、基板処理システムの作業員は、判定結果に基づいた適切な措置を講ずることが可能となり、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判定された場合であっても、エコ運転状態への切り替え損ねを防ぎ、基板処理装置100を速やかにエコ運転状態に移行させることができる。
【0097】
また、判定手段520は、複数のエコチェック条件の判定結果に基づいて基板処理装置100のエコ運転指数を算出するように構成されている。この構成によれば、群管理装置500は、基板処理装置100のエコ運転状態がどの程度進行しているかを総合的に判定することができる。したがって、判定手段520は、特定のエコチェック条件に係る判定結果に影響された判定がなされる可能性を低減することができる。したがって、群管理装置500は、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かをより正確に監視することが可能となる。
【0098】
また、判定手段520は、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定することができるように構成されている。この構成によれば、判定手段520は、特定の時刻における判定結果に影響された判定がなされる可能性を低減することができる。したがって、群管理装置500は、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かをより正確に監視することが可能となる。
【0099】
例えば、基板処理装置100の使用頻度(生産頻度)が高く、アイドル期間が短い場合には、ヒータ温度を一旦低下させた後再度上昇させるよりも、ヒータ温度を保持させておいた方が消費電力の総量が抑えられる場合がある。しかしながら、特定の時刻における判定結果のみで基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを判定すると、上述の場合のように、ヒータ206への電力供給量を保持させた場合でも、結果的には消費電力が抑えられるような場合を見落としてしまう可能性がある。そこで、本実施形態のように、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定することができるようになっていれば、上述のような見落としの発生頻度を低減させることが可能となる。
【0100】
(b)本実施形態の群管理装置500では、データ値が判定条件を満たさない場合には、制御部501は、警告表示、メール送信、プロセスレシピ内のパラメータ設定値の変更等の所定の動作を実行するように構成されている。この構成によれば、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判断された場合に、制御部501は、その旨を基板処理システムの作業員に即座に知らせることが可能である。したがって、基板処理システムの作業員は、判定結果に基づいた適切な措置を講ずることが可能となり、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判定されても、エコ運転状態への切り替え損ねを防ぎ、基板処理装置100を速やかにエコ運転状態に移行させ、環境負荷を低減させることができる。
【0101】
(c)本実施形態の群管理装置500では、データ表示部505は、図4に示すような、エコレベルを多段階に示すレベルメータ(アイコン)505a、(エコレベル)アイコン505bを画面に表示するように構成されている。この構成によれば、群管理装置500は、エコ運転状態の進行具合を基板処理システムの作業員に認識させることが可能となる。したがって、基板処理システムの作業員は、表示されたエコレベルに基づいた適切な措置を講ずることが可能となる。また、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判定された場合であっても、基板処理システムの作業員は、レベルメータ(アイコン)505a、あるいは(エコレベル)アイコン505bの表示内容により、エコ運転状態への切り替え損ねを防ぎ、基板処理装置100を速やかにエコ運転状態に移行させ、環境負荷を低減させることができる。また、エコ運転指数を簡略化したエコレベルがデータ表示部505に表示されることにより、基板処理システムの作業員は、基板処理装置100の状態を認識しやすくなる。
【0102】
また、データ表示部505は、画面に表示されたアイコン505bが選択されると、判定結果の詳細画面610を表示するように構成されている。判定結果詳細画面610には、エコチェック条件毎の判定結果、モニタデータから指定された比較対象としてのデータ値、エコ運転指数の具体的数値、エコレベル等が表示される。この構成によれば、基板処理システムの作業員は、判定結果詳細画面610から判定結果の詳細を知ることができるので、基板処理装置100のエコ運転指数、エコレベルを向上させ、環境負荷を低減させるためのより適切な措置を講ずることが可能となる。
【0103】
また、データ表示部505は、データ保持部503に記憶されたトレースデータに基づいて、モニタデータとエコレベルとを重ね合わせたトレースグラフを表示するように構成されている。例えば、データ表示部505は、図6に示すような、ヒータ出力のグラフ620aとエコレベルのグラフ620bとを、時間軸を揃えて重ね合わせたトレースグラフ620を表示するように構成されている。この構成によれば、基板処理システムの作業員は、取得したモニタデータとエコレベルとを比較しながら認識することができるので、エコ運転状態ではない箇所を容易に特定し、環境負荷改善箇所を明確にすることができる。これにより、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判定された場合であっても、環境負荷改善箇所に基づいた適切な措置を講じて基板処理装置100を速やかにエコ運転状態に移行させることができる。また、基板処理装置100エコ運転状態であると判定された場合であっても、さらに環境負荷を改善する適切な措置を講ずることにより、基板処理装置100のエコ運転指数、エコレベルをより一層向上させ、環境負荷をより低減させることができる。
【0104】
<本発明の第1の実施形態の変形例>
以下に、本発明の第1の実施形態の変形例について説明する。本変形例は、エコ運転状態であるか否かの判定を基板処理装置100内で行うことができるように構成されている点が、第1の実施形態とは異なる。具体的には、主制御部239が、上述したエコ運転監視プログラムをデータ保持部239aから読み出し、上述の第1の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段を実現することにより、基板処理装置用コントローラ240が、上述の第1の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段として機能するように構成されている。エコチェック条件は、入力手段240bを用いて入力されるように構成されている。また、データ表示部240aは、上述の第1の実施形態における表示手段として機能するように構成されている。
【0105】
本変形例の基板処理装置100では、基板処理装置用コントローラ240が、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを判定するように構成されている。この構成によれば、群管理装置500を備える必要がないので、基板処理システムの設置面積を低減させることが可能となる。また、工程内における装置数が低減されるので、基板処理システムの消費電力を低減させることが可能となる。
【0106】
<本発明の第2の実施形態>
以下に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、エコ運転であるか否かの判定を基板処理装置100内で行うことができるように構成されている点と基板処理装置用コントローラ240内に切り替え制御部を設け、電力供給ラインの切り替えにより代替エネルギーによる省エネ運転を行うように構成されている点が、第1の実施形態とは異なる。具体的には、先ず主制御部239が、上述したエコ運転監視プログラムをデータ保持部239aから読み出し、設定手段、判定手段、実行手段を少なくとも実現することにより、基板処理装置用コントローラ240が、上述の第1の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段として機能するように構成されている。エコチェック条件は、入力手段240bを用いて入力されるように構成されている。データ表示部240aは、上述の第1の実施形態における表示手段として機能するように構成されている。尚、主制御部239が、蓄電監視プログラムをデータ保持部239aから読み出し、前記基板処理装置用コントローラ240内に後述する切り替え制御部を実現するように構成されている。
【0107】
第2の実施形態にて実行される(基板処理装置用コントローラ240で実行される)エコ運転監視プログラム自体は、第1の実施形態と同様である。但し、蓄電監視プログラムを実行して切り替え制御部を実現する構成が、第1の実施形態と異なる。ここでは、第1の実施形態と異なる点を中心に簡潔に説明する。
【0108】
図11は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置100と基板処理装置100に接続される発電ユニットとしての補助発電システム300との概略構成図である。第2の実施形態における基板処理装置内コントローラ240は、第1の実施形態における基板処理装置内コントローラ240と基本的には同じ構成である。本実施の形態によれば、エコ運転監視プログラムが基板処理装置内コントローラ240で実行される他、蓄電監視プログラムが基板処理装置用コントローラ240で実行されることにより、上記補助発電システム300から電力を供給するライン(第2電力供給ライン)12と商用電力を供給するライン(第1電力供給ライン)11とを切り替える切り替え制御部336が、基板処理装置内コントローラ240に実現されている。
【0109】
まず、第2の実施形態におけるエコ運転監視プログラムに関して説明する。ここで、図10は、本発明の第2の実施形態における、エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。
【0110】
(設定手段)
第2の実施形態において、主制御部239により実現される設定手段は、図3に示される設定手段と同じ構成である。第2の実施形態における設定手段は、図10に示すようにデータ表示部240aに表示されるよう構成されている。図10に示す設定手段は、図3に示す設定手段と同様に、それぞれのエコチェック条件を識別する「ID」、エコチェック条件の名称を表示する「条件名」、エコ運転であるか否かの判定対象を規定する「データ種別」、エコ運転であるか否かの判定を規定する「判定条件」、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる「条件値」、データ値が前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行われる「所定の動作」の各項目の設定情報が、入力手段240bを用いて入力されるように構成される。入力されたエコチェック条件の各項目は、エコチェック条件毎に互いに関連付けられてデータ保持部239aに記憶される。尚、図3と同じエコチェック条件については説明を省略する。
【0111】
ここで、図10で示すエコチェック条件の具体例について、以下で説明する。まず、IDが「101」で示された「バッテリ蓄電量チェック」について説明する。「バッテリ蓄電量チェック」では、基板処理装置100が電源を供給されている間(シャットダウンして装置停止している間以外の間)において、バッテリの蓄電量が所定の判定条件を満たすか否かがチェックされる。「バッテリ蓄電量チェック」では、エコ運転の判定対象として、「データ種別」に規定された「蓄電量」に相当するモニタデータが判定対象のデータ値として指定される。「判定条件」として規定された「条件値未満」は、バッテリの蓄電量が条件値未満であることがエコ運転の条件として規定されている。「条件値」として規定された「100%」は、エコ運転であるか否かを実際にチェックする際にバッテリに蓄電できる最大電力量に対して比較される値である。この場合、蓄電量が最大電力量「100%」に達しているか判定される。また、IDが「104」で示された「IDLEモード時、バッテリ蓄電量チェック」やIDが「105」で示された「RUNモード時、バッテリ蓄電量チェック」についても同様に、バッテリ内の蓄電量が蓄電できる最大電力量か否か判定される。「IDLEモード時、バッテリ蓄電量チェック」では、IDLE(アイドル)期間中にのみ判定(チェック)され、「RUNモード時、バッテリ蓄電量チェック」では、RUN(レシピ実行)中に、成膜ステップ以外で判定(チェック)される。次に、IDが「102」で示された「IDLEモード時、省エネ運転」について説明する。「データ種別」に規定された「イベント」に相当するイベントデータが判定対象のデータとして指定される。よって、「IDLEモード時、省エネ運転」では、IDLE(アイドル)期間中に、所定の判定条件を満たす所定のイベントが発生したか否かがチェックされる。「判定条件」として規定された「ON」は、省エネ運転を示す所定のイベントの発生を示すデータ、即ち電力供給ラインの切り替えを示すイベントデータが省エネ運転の条件として規定されていることを示す。「条件値」は規定されないので「―」が表示されている。また、IDが「103」で示された「RUNモード時、省エネ運転」についても同様に、RUN(レシピ実行)中に、成膜ステップ以外で、所定の判定条件を満たす省エネ運転を示す所定のデータが発生したか否かがチェックされる。
【0112】
(判定手段)
主制御部239により実現される判定手段は、データ保持部239aに記憶されたデータのうち、エコチェック条件毎のデータ種別に対応したデータ値と条件値とを比較し、データ値が判定条件を満たすか否かの判定を行うように構成されている。また、判定手段は、モニタデータ等のデータを取得した時間におけるエコ運転状態だけでなく、同一のエコチェック条件に関し、所定の期間内の複数の判定結果に基づき、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定することができるように少なくとも構成されている。更に、判定手段は、エコチェック条件に応じて所定のイベントデータの発生有無により判定を行うように構成されている。
【0113】
(実行手段)
実行手段は、データ値が判定条件に基づいて比較した結果に応じて、図10に示す設定手段に設定されている所定の動作を実行するように構成されている。具体的には、例えば、「条件値」で規定されるデータ値が判定条件を満たさない場合に、所定の動作を実行するように構成されている。
【0114】
上述の「所定の動作」としては、第1の実施の形態と以下のように同じものを例示することができる。第1の例としては、図10にも示されるように、エコ運転ではない(非エコ運転である)旨の警告がデータ表示部240aに表示される。第2の例としては、図示しないメールサーバを介して、例えば、基板処理システムの管理者PCにメールが送信される。第3の例としては、プロセスレシピに規定された各種のパラメータ設定値が変更される。あるいは、これら第1〜第3の例を複数組み合わせた動作が実行される。
【0115】
また、本実施形態(第2の実施形態)のように、第1の実施形態と異なり、後述するような基板処理装置用コントローラ240内に切り替え制御部を設け、電力供給ラインの切り替えにより省エネ運転を行う場合、「条件値」で規定されるデータ(イベントデータ)が判定条件を満たしたら(発生したら)「所定の動作」を実行するように構成しても良い。例えば、電力供給ラインの切り替えが行われていれば(電力供給ラインの切り替えを示すイベントデータが発生していれば)、省エネ運転である旨のエコマーク(アイコン等)をデータ表示部240aに表示されるように構成しても良い。
【0116】
尚、上記設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムにより実現される各種工程(エコ運転判定工程等)については、第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0117】
次に、図11を用いて、第1電力供給ライン11、第2電力供給ライン12が接続される切り替え制御部336の周辺構成を含め、本実施形態に係る基板処理装置100及び補助発電システム300の構成について説明する。
【0118】
図11に示すとおり、電力供給を受けて動作する基板処理装置100の備える切り替え制御部336には、例えば半導体装置製造工場の設備側から電力を供給する第1電力供給ライン11と、燃料電池311によって発電された電力を供給する第2電力供給ライン12とが接続されている。半導体装置製造工場の設備側から供給される電力としては、例えば発電所から供給される商用交流電力等がある。第2電力供給ライン12には、例えば燃料電池311を備える補助発電システム300が接続されている。
【0119】
補助発電システム300は、燃料発電部としての燃料電池ユニット310と、水蒸気発生部としての水蒸気発生装置320sと、水蒸気発電部としての蒸気発電ユニット320と、を備えている。
【0120】
燃料電池ユニット310は、燃料電池311のほか、例えば燃料電池311に供給する水素含有ガスを天然ガス等から得る改質装置や、燃料電池311に酸素含有ガスを含む空気を供給する空気供給装置、排熱・排水回収装置等(いずれも図示せず)を備えている。燃料電池311は、水素ガス(H2)等の水素含有ガスと、酸素(O2)ガスや一酸化炭素(CO)ガス等の酸素含有ガスを燃焼させて、例えば直流電力を発電するように構成される。また、燃料電池ユニット310は、得られた電力を第2電力供給ライン12へと送電するように構成される。発電時に発生した排熱や水(H2O)は、排熱・排水回収装置により回収され、水蒸気発生装置330へと供給するように構成される。
【0121】
水蒸気発生装置330は、例えば水循環装置や熱交換装置等(いずれも図示せず)を備え、燃料電池ユニット310で発生した水と排熱とを利用して水蒸気を発生させるように構成される。また、水蒸気発生装置330は、発生させた水蒸気を蒸気発電ユニット320へと供給するように構成される。
【0122】
蒸気発電ユニット320は、例えば図示しない蒸気タービン等を備え、水蒸気発生装置330で発生させた水蒸気を利用して、例えば直流電力を発電するように構成される。また、蒸気発電ユニット320は、得られた電力を、燃料電池ユニット310で得られた電力とともに、第2電力供給ライン12へと送電するように構成される。
【0123】
このように、本実施形態に係る補助発電システム300では、水蒸気発生装置330及び蒸気発電ユニット320によって、燃料電池ユニット310で生じた水及び排熱をさらに有効活用している。また、補助発電システム300は、基板処理装置100の近傍への設置が可能であるから、送電による電力損失を抑制できる。これにより、例えば発電時に発生する排熱の利用があまり進んでおらず、送電による電力損失も大きい商用電源等に比べ、補助発電システム300のエネルギー効率を高めることができる。また、燃料電池ユニット310も蒸気発電ユニット320もともに、商用電源等と異なり、発電時にCO2やNOx等の大気汚染物質を大量に発生させることもない。
【0124】
第1電力供給ライン11及び第2電力供給ライン12からそれぞれ電力供給を受ける基板処理装置100は、処理炉202及び上述の各部構成(図示せず)と、蓄電部としてのバッテリ347と、制御装置としての基板処理装置用コントローラ240に含まれる切り替え制御部336とを備えている。切り替え制御部336には、第1電力供給ライン11及び第2電力供給ライン12がそれぞれ接続されている。バッテリ347は、第2電力供給ライン12上に設けられ、第2電力供給ライン12は、バッテリ347を介して切り替え制御部336に接続される。
【0125】
バッテリ347は、補助発電システム300が備える燃料電池ユニット310により発電された電力と、蒸気発電ユニット320により発電された電力とを蓄電するように構成される。切り替え制御部336は、第1電力供給ライン11と、バッテリ347を介する第2電力供給ライン12との切り替えを行うように構成される。切り替え制御部336の切り替えにより第1電力供給ライン11又は第2電力供給ライン12から供給された電力は、装置内電力供給ライン13によって処理炉202をはじめとする基板処理装置100の各部へと供給される。
【0126】
なお、第1電力供給ライン11から基板処理装置100へと供給される電力は、例えば商用電源等からの交流電力であり、第2電力供給ライン12から基板処理装置100へと供給される電力は、例えばバッテリ347を介する直流電力である。基板処理装置100は、第1電力供給ライン11からの交流電力の一部又は全部を、図示しないインバータを介して直流電力に変換したうえで、装置内電力供給ライン13から基板処理装置100の各部へと供給するように構成されていてもよい。また、第2電力供給ライン12からの直流電力の一部又は全部を、図示しないインバータを介して交流電力に変換したうえで、装置内電力供給ライン13から基板処理装置100の各部へと供給するように構成されていてもよい。
【0127】
このように、本実施形態に係る基板処理装置100は、第1電力供給ライン11によって商用電力の供給を受けると共に、第2電力供給ライン12によって燃料電池311で発電された電力の供給を受けるように構成されている。これにより、技術的な信頼性や安定性を有する商用電力を利用して基板処理装置100の安定的な稼働を確保しつつ、燃料電池311で発電された電力を利用して基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0128】
また、本実施形態に係る基板処理装置100は、補助発電システム300により発電された電力を蓄電するバッテリ347を備えている。これにより、補助発電システム300により発電された余剰電力を蓄電することができ、電力の無駄を低減することができる。また、補助発電システム300の始動から安定稼働までに時間を要する場合や、基板処理装置100で必要とされる電力が一時的に補助発電システム300の発電量を超えてしまう場合であっても、バッテリ347から電力を得ることができ、基板処理装置100への電力供給をいっそう安定化することができる。
【0129】
本実施形態(第2の実施形態)によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
【0130】
(a)本実施形態によれば、基板処理装置100は、商用電力を供給する第1電力供給ライン11と、燃料電池311によって発電された電力を供給する第2電力供給ライン12と、の切り替えを行う切り替え制御部336を備える。これにより、技術的な信頼性や安定性を有する商用電力を利用して基板処理装置100の安定的な稼働を確保しつつ、燃料電池311で発電された電力を利用して基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0131】
(b)また、第2電力供給ライン12に接続される補助発電システム300は、燃料電池311により水素含有ガスと酸素含有ガスとを燃焼させて発電する燃料電池ユニット310を備える。これにより、商用電源等と異なり、発電時にCO2やNOx等の大気汚染物質を大量に発生させることがなく、多大な電力が消費される基板処理装置100において、地球温暖化防止に貢献することが可能である。
【0132】
(c)また、補助発電システム300は、燃料電池ユニット310で発生した水と排熱とを利用して水蒸気を発生させる水蒸気発生装置330と、水蒸気発生装置330で発生させた水蒸気を利用して発電する蒸気発電ユニット320と、をさらに備える。これにより、燃料電池ユニット310で生じた水及び排熱を利用して、補助発電システム300全体の発電量をさらに増すことができ、補助発電システム300のエネルギー効率をいっそう高めることができる。燃料電池ユニット310で生じた水と廃熱とを利用しているので、発電時にCO2やNOx等の大気汚染物質を大量に発生させることもない。
【0133】
(d)また、本実施形態によれば、基板処理装置100は、燃料電池ユニット310により発電された電力と、蒸気発電ユニット320により発電された電力と、を蓄電するバッテリ347を備える。これにより、補助発電システム300により発電された余剰電力を蓄電することができ、電力の無駄を低減することができる。また、補助発電システム300が安定稼働するまでの間や、基板処理装置100において大容量の電力が必要な場合であっても、基板処理装置100への電力供給を安定的に行うことができる。
【0134】
(e)また、本実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同等の設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における効果を奏することができるのはいうまでもない。
【0135】
(f)また、切り替え制御部が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、更に、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合いが把握できる。
【0136】
図12は、本発明の第2の実施形態における第1の具体例を示す。本実施形態に係る制御装置240、特に、切り替え制御部336に実現される監視部(図示しない)の動作について、図12を参照しながら説明する。図12は、本実施形態に係る切り替え制御部336による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、基板処理装置内コントローラとしての制御装置240の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0137】
制御装置240の備えるデータ保持部としての記憶部239eから、蓄電監視プログラムやデータベースプログラムが読み出されて、主制御部239に実行されることにより、図示しない監視部やデータベース部が起動する。
【0138】
図12に示すように、蓄電監視プログラムを実行することにより起動された監視部は、バッテリ347の監視を開始し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する(S210)。所定値以上のときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S221)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる(S231)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0139】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには(S210→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S222)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる(S232)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。以上により、制御装置240による電力供給切り替えの動作を終了する。尚、本実施の形態において、図10に示す設定手段により条件値「100%」と規定されているので、上記所定値は、バッテリ336bに蓄電できる最大電力量である。従い、所定値は、設定手段の「条件値」の設定値により、変更することができる。
【0140】
また、監視部は、第2電力供給ライン12からの電力供給中、電力消費量を監視し、データベース部に格納する。また、監視部は、所定のタイミングで係る電力消費量を読み出し、データ表示部240aにそれぞれ表示させるように構成しても良い。
【0141】
本実施形態(第1の具体例)においても、上述の第2の実施形態と同様の効果を奏するのはいうまでもない。
【0142】
(a)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、バッテリ347に蓄電された蓄電量を監視し、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量以上の場合、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせ、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量未満の場合、第1電力供給ライン11から電力供給を行わせるように構成される。これにより、バッテリ347の蓄電量が不充分であるときは、商用電力を基板処理装置100に供給することで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、バッテリ347の蓄電量が充分であるときは、燃料電池311からの電力を使用することで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0143】
(b)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、燃料電池311からの電力の消費量を監視し、データベース部に読み出し可能に格納し、また、この電力消費量をデータ表示部240a等に表示させる。これにより、商用電力の消費をどれだけ低減できたかがわかる。
【0144】
(c)また、本実施形態によれば、蓄電監視プログラムより、切り替え制御部336が第1電力供給ラインから第2の電力供給ラインに切り替えたときに、この切り替えイベントを、図示しない共有メモリを介して主制御部239の設定手段に送信し、判定手段がこのイベントデータにより省エネ運転をしていると判断して、実行手段がデータ表示部240a等に省エネ運転を示すアイコン(エコマークアイコン)を表示させるように構成してもよい。これにより、基板処理装置100がエコ運転(商用電力の消費を低減していること)を行っているかの監視が可能である。
【0145】
(d)また、本実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同等の設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における各効果も奏することができるのはいうまでもない。
【0146】
(e)更に、第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0147】
図13は、本発明の第2の実施形態における第2の具体例を示す。ここで、基板処理装置100は、例えばIDLEモードやRUNモードなどの複数の装置状態を有している。このような個々の装置状態において、基板処理装置100が消費する電力量は一定ではない。一方で、上述のように、補助発電システム300においては発電量の上限に制約が生じる場合がある。
【0148】
そこで、本実施形態(第2の具体例)においては、制御装置240が備える切り替え制御部336が、基板処理装置100の装置状態に応じて電力供給ライン11,12の切り替えを行う。本実施形態に係る制御装置240は、それ以外の点については上述の実施形態(第1の具体例)と同様の構成を備える。以下、本実施形態に係る制御装置240の動作について説明する。図13は、本実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、制御装置の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0149】
本実施形態に係る切り替え制御部336は、主制御部239に実現される図示しない遷移指示部が、基板処理装置100を所定の装置状態に遷移させるごとに、前記遷移指示部から、装置状態の情報を受け取るように構成されている。係る情報のやり取りは、例えば制御装置240が備える図示しない共有メモリを介してなされる。
【0150】
図13に示すように、切り替え制御部336は、基板処理装置100の装置状態がIDLEモードかどうかを判断する(S310)。IDLEモードのときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S321)。供給中であれば(YESへ)、第2電力供給ライン12への切り替えを行う(S331)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続する。
【0151】
また、IDLEモードではないときには(S310→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S322)。供給中であれば(YESへ)、第1電力供給ライン11への切り替えを行う(S332)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置240による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0152】
上述のように、基板処理装置100においては、基板処理装置100の安定稼働の必要性から、基板処理を行っていない時間帯は基板処理装置100をIDLEモードとし、電力供給を継続している。よって、上記のように少なくともIDLEモードとなっている間、第2電力供給ライン12からの電力供給を行わせることで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑制することができる。
【0153】
また、基板処理装置100がIDLEモードのときには、上述のように、例えばヒータ206への電力供給が停止されており、RUNモードのときなどと比較して、基板処理装置100における電力消費量は低く抑えられている。また、ウエハ移載機構等の搬送機構などが原点位置で駆動停止しているなど各部の動作も少ないため、電力消費量が略一定で、単位時間当たりに必要な電力量の予測も立てやすい。
【0154】
したがって、上記のように、IDLEモードのときには第2電力供給ライン12から電力供給を行わせ、電力消費量が多く必要量の予測も立て難いそれ以外のモードのときには第1電力供給ライン11から電力供給を行わせることで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保しつつ、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0155】
なお、上述の切り替え制御部336のように、本実施形態に係る切り替え制御部にバッテリ347の監視機能を付与した場合、基板処理装置100の一層の安定稼働を図ることができ、また、基板処理装置100における商用電力の消費の抑制がいっそう容易となる。
【0156】
また、本実施形態によれば、エコ運手監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における各効果も奏することができるのはいうまでもない。
よって、本実施形態によれば、IDLEモードへの移行を検知して、切り替え制御部336が第1電力供給ラインから第2の電力供給ラインに切り替えたときに、この切り替えイベントを、図示しない共有メモリを介して主制御部239の設定手段に送信し、判定手段がこのイベントデータにより省エネ運転をしていると判断して、実行手段がデータ表示部240a等に省エネ運転を示すアイコン(エコマークアイコン)を表示させるように構成されている。これにより、基板処理装置100がエコ運転(商用電力の消費を低減していること)を行っているかの監視が可能である。
更に、切り替え制御部が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0157】
図14は、本発明の第2の実施形態における第3の具体例を示す。
【0158】
基板処理装置100では、例えばRUNモード中に、成膜ステップ等を含む基板処理工程が実施される。このとき、基板処理の内容によっては、所定のステップ、例えば成膜ステップの継続時間が長時間に及ぶ場合がある。一方で、上述のように、発電量の上限に制約があるなどの理由から、補助発電システム300においては電力供給の継続時間に制限が生じる場合がある。
【0159】
そこで、本実施形態においては、制御装置240が備える切り替え制御部239が、実施中のステップに応じて電力供給ライン11,12の切り替えを行う。本実施形態に係る制御装置240は、それ以外の点については上述の実施形態(第2の具体例)と同様の構成を備える。以下、本実施形態に係る制御装置240の動作について説明する。図14は、本実施形態に係る切り替え制御部336による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、制御装置の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0160】
本実施形態に係る切り替え制御部336は、例えばスイッチングハブを介して各種制御部から、実施中のステップの情報を受け取る。係る情報のやり取りは、例えば制御装置240が備える図示しない共有メモリを介してなされる。
【0161】
図14に示すように、切り替え制御部は、例えば成膜ステップ以外のステップを実施中かどうか判断する(S410)。成膜ステップ以外のステップを実施中のときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S421)。供給中であれば(YESへ)、第2電力供給ライン12への切り替えを行う(S431)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続する。
【0162】
また、成膜ステップを実施中のときには(S410→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S422)。供給中であれば(YESへ)、第1電力供給ライン11への切り替えを行う(S432)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0163】
上述のように、基板処理工程においては、酸素(O2)ガスや窒素(N2)ガス等を拡散させてウエハ100に酸化膜や窒化膜等の成膜をするなど、基板処理の内容によっては、例えば成膜ステップの継続時間が長時間に及ぶ場合がある。また、成膜ステップは、他のステップに比べて基板処理特性や歩留まりに与える影響が大きく重要度が高い。
【0164】
したがって、上記のように、処理室201内を所定条件に維持して例えばウエハ200に成膜を行う成膜ステップでは、長時間の電力供給に適した第1電力供給ライン11から電力供給を行わせることで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、それ以外の各ステップでは、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせることで、商用電力の消費を抑えることができる。
【0165】
なお、切り替え制御部336のように、本実施形態に係る切り替え制御部にバッテリ347の監視機能を付与した場合、基板処理装置100の一層の安定稼働を図ることができ、また、基板処理装置100における商用電力の消費の抑制がいっそう容易となる。
【0166】
また、本実施形態によれば、エコ運手監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における効果を奏することができるのはいうまでもない。よって、本実施形態によれば、RUNモード中に、成膜ステップ以外のステップに移行したことを検知した切り替え制御部336が、第1電力供給ラインから第2の電力供給ラインに切り替えたときに、この切り替えイベントを、図示しない共有メモリを介して主制御部239の設定手段に送信し、判定手段がこのイベントデータにより省エネ運転をしていると判断して、実行手段がデータ表示部240a等に省エネ運転を示すアイコンを表示させるように構成されている。これにより、基板処理装置100がエコ運転(商用電力の消費を低減していること)を行っているかの監視が可能である。更に、切り替え制御部が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0167】
図15は、本発明の第2の実施形態における第4の具体例を示す。図15に示すように、本実施の形態(第4の具体例)は、第1の具体例と第2の具体例を組み合わせた内容となっている。以下、本実施形態に係る制御装置の動作について説明する。図15は、本実施形態に係る切り替え制御部336による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、制御装置の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0168】
図15に示すように、切り替え制御部336は、基板処理装置100の装置状態がIDLEモードかどうかを判断する(S510)。IDLEモードのとき(YESへ)、蓄電監視プログラムを実行することにより起動された監視部は、バッテリ347の監視を実行し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する(S520)。所定値以上のときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S531)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる(S541)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0169】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには(S520→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S532)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部236に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる(S542)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。
【0170】
また、IDLEモードではないときには(S510→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S532)。供給中であれば(YESへ)、第1電力供給ライン11への切り替えを行う(S542)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0171】
また、監視部は、第2電力供給ライン12からの電力供給中、電力消費量を監視し、データベース部に格納する。監視部は、所定のタイミングで係る電力消費量を読み出し、データ表示部240aにそれぞれ表示させる。
【0172】
本実施形態(第4の具体例)においては、上述したそれぞれの実施形態(第1の具体例と第2の具体例)と同様の効果を奏する。
【0173】
(a)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、バッテリ347に蓄電された蓄電量を監視し、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量以上の場合、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせ、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量未満の場合、第1電力供給ライン11から電力供給を行わせるように構成される。これにより、バッテリ347の蓄電量が不充分であるときは、商用電力を基板処理装置100に供給することで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、バッテリ347の蓄電量が充分であるときは、燃料電池311からの電力を使用することで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0174】
(b)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、燃料電池311からの電力の消費量を監視し、データベース部に読み出し可能に格納し、また、この電力消費量をデータ表示部240a等に表示させる。これにより、商用電力の消費をどれだけ低減できたかがわかる。
【0175】
(c)また、本実施形態によれば、蓄電監視プログラムより、切り替え制御部336が第1電力供給ラインから第2の電力供給ラインに切り替えたときに、この切り替えイベントを、図示しない共有メモリを介して主制御部239の設定手段に送信し、判定手段がこのイベントデータによりエコ運転をしていると判断して、実行手段がデータ表示部240a等にエコ運転を示すアイコンを表示させるように構成してもよい。これにより、基板処理装置100がエコ運転(商用電力の消費を低減していること)を行っているかの監視が可能である。
【0176】
(d)また、本実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同等の設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における各効果も奏することができるのはいうまでもない。更に、エコ運転監視プログラムにより、切り替え制御部336が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0177】
(e)上述のように、基板処理装置100においては、基板処理装置100の安定稼働の必要性から、基板処理を行っていない時間帯は基板処理装置100をIDLEモードとし、電力供給を継続している。よって、上記のように少なくともIDLEモードとなっている間、蓄電監視プログラムを実行して蓄電量を監視して、所定の条件(例えば、設定手段における『条件値』)を満たしていたら、第2電力供給ライン12からの電力供給(省エネ運転)を行わせることで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑制することができる。
【0178】
(f)また、基板処理装置100がIDLEモードのときには、上述のように、例えばヒータ206への電力供給が停止されており、RUNモードのときなどと比較して、基板処理装置100における電力消費量は低く抑えられている。また、ウェハ移載機構などの搬送機構などが原点位置で駆動停止しているなど各部の動作も少ないため、電力消費量が略一定で、単位時間当たりに必要な電力量の予測も立てやすい。したがって、上記のように、IDLEモードのときに、蓄電監視プログラムを実行して所定の条件を満たせば、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせることで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保しつつ、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0179】
図16は、本発明の第2の実施形態における第5の具体例を示す。図16に示すように、本実施の形態(第5の具体例)は、第1の具体例と第3の具体例を組み合わせた内容となっている。以下、本実施形態に係る制御装置の動作について説明する。図16は、本実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、制御装置の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0180】
本実施形態に係る切り替え制御部336は、例えばスイッチングハブを介して各種制御部から、実施中のステップの情報を受け取る。係る情報のやり取りは、例えば制御装置が備える図示しない共有メモリを介してなされる。
【0181】
図16に示すように、切り替え制御部336は、例えば成膜ステップ以外のステップを実施中かどうか判断する(S610)。成膜ステップ以外のステップを実施中のときには(YESへ)、蓄電監視プログラムを実行することにより起動された図示しない監視部は、バッテリ347の監視を開始し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する(S620)。所定値以上のときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S631)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる(S641)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0182】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには(S620→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S632)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる(S642)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。
【0183】
また、成膜ステップを実施中のときには(S610→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S632)。供給中であれば(YESへ)、第1電力供給ライン11への切り替えを行う(S642)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0184】
また、監視部は、第2電力供給ライン12からの電力供給中、電力消費量を監視し、データベース部に格納する。また、監視部は、所定のタイミングで係る電力消費量を読み出し、データ表示部240aにそれぞれ表示させるように構成しても良い。
【0185】
本実施形態(第5の具体例)において、上述したそれぞれの実施形態(第1の具体例と第3の具体例)と同様の効果を奏する。
【0186】
(a)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、バッテリ347に蓄電された蓄電量を監視し、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量以上の場合、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせ、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量未満の場合、第1電力供給ライン11から電力供給を行わせるように構成される。これにより、バッテリ347の蓄電量が不充分であるときは、商用電力を基板処理装置100に供給することで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、バッテリ347の蓄電量が充分であるときは、燃料電池311からの電力を使用することで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0187】
(b)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、燃料電池311からの電力の消費量を監視し、データベース部に読み出し可能に格納し、また、この電力消費量をデータ表示部240a等に表示させる。これにより、商用電力の消費をどれだけ低減できたかがわかる。
【0188】
(c)上述のように、基板処理工程においては、酸素(O2)ガスや窒素(N2)ガス等を拡散させてウエハ100に酸化膜や窒化膜等の成膜をするなど、基板処理の内容によっては、例えば成膜ステップの継続時間が長時間に及ぶ場合がある。また、成膜ステップは、他のステップに比べて基板処理特性や歩留まりに与える影響が大きく重要度が高い。したがって、上記のように、処理室201内を所定条件に維持して例えばウエハ200に成膜を行う成膜ステップでは、長時間の電力供給に適した第1電力供給ライン11から電力供給を行わせることで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、それ以外の各ステップでは、蓄電監視プログラムを実行して蓄電量を監視して、所定の条件(例えば、設定手段における『条件値』)を満たしていたら、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせることで、商用電力の消費を抑えることができる。
【0189】
(d)また、本実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同等の設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における各効果も奏することができるのはいうまでもない。更に、このエコ運転監視プログラムにより、切り替え制御部336が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0190】
本発明の第2の実施形態における第6の具体例は、第1の具体例と第2の具体例と第3の具体例を組み合わせた内容である。以下、本実施形態に係る制御装置の動作について説明する。
【0191】
切り替え制御部336は、基板処理装置100の装置状態がIDLEモードかどうかを判断する。IDLEモードのとき、蓄電監視プログラムを実行することによりバッテリ347の監視を開始し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する。所定値以上のときには、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる。供給中でなければ、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0192】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、切り替え制御部336に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる。供給中でなければ、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。
【0193】
また、IDLEモードではないとき、切り替え制御部336は、成膜ステップ以外のステップを実施中かどうか判断する。成膜ステップ以外のステップを実施中のときには、蓄電監視プログラムを実行することによりバッテリ347の監視を開始し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する。所定値以上のときには、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる。供給中でなければ、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0194】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、切り替え制御部336に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる。供給中でなければ、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。
【0195】
また、成膜ステップを実施中のときには、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、第1電力供給ライン11への切り替えを行う。供給中でなければ、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0196】
本実施の形態(第6の具体例)によれば、第1の具体例と第2の具体例と第3の具体例のそれぞれで上述した効果を奏する。
【0197】
上述の本発明の第2の実施形態(第1から第6までのそれぞれの具体例)では、燃料電池ユニット310は、天然ガスの改質装置や空気供給装置を備え、天然ガスや空気から、水素含有ガスと酸素含有ガスとをそれぞれ得ることにしたが、基板処理装置でH2ガスやO2ガスを使用するような場合には、これらのH2ガス源やO2ガス源を燃料電池ユニット310においても用いるようにしてもよい。特に、例えばキャリアガスとしてほとんど未反応の状態で、常時、H2ガスやO2ガスを処理室内へと供給・排気して基板処理装置を運用しているような場合には、基板処理装置の排気側から燃料電池ユニットへとH2ガスやO2ガスを取り込むことで、さらなる資源の有効活用が可能となる。また、燃料電池ユニットにて改質装置等の構成を省くことができ、燃料電池ユニットをさらに小型化することが可能となる。
【0198】
上述の本発明の第2の実施形態(第1から第6までのそれぞれの具体例)では、エコ運転監視プログラムと蓄電監視プログラムのそれぞれを実行させることにより、省エネ運転への移行(基板処理装置100への電力供給を商用電力から補助発電システム300で発生された電力への切り替え)を表示させるだけでなく、その省エネ運転におけるエコ運転状態(エコレベル)の把握が可能である。例えば、省エネ運転への切り替えを示すイベントデータとエコ運転状態を示すデータとして設定された複数のモニタデータによりエコ運転指数を算出することにより、エコ運転(商用電力の消費を低減していること)の状態を把握することができる。
【0199】
<本発明の第2の実施形態の変形例>
以下に、本発明の第2の実施形態の変形例について説明する。本変形例は、データ保持部503にエコ運転監視プログラムと蓄電監視プログラムを少なくとも保持しておき、制御部501によりそれぞれのプログラムが実行されることにより実現される。具体的には、制御部501が、起動されると、上述したエコ運転監視プログラムや蓄電監視プログラムをデータ保持部503から読み出し、上述の第2の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段を実現することにより、群管理装置500が、上述の第1の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段として機能するように構成されている。また、群管理装置500が、蓄電監視プログラムが実行されると、切り替え制御部336により電力供給ラインの切り替え制御ができるように構成されている。尚、エコチェック条件は、入力手段506を用いて入力されるように構成されている。
【0200】
また、発電ユニット300として本実施の形態における構成に限定されず、例えば、後述するように、駆動手段の動力を利用して発電する発電ユニットを設けてもよい。
【0201】
<本発明のその他の実施形態>
本発明は、基板処理装置100と群管理装置500とが同じフロア(同じクリーンルーム内)に配置される場合に限定されない。例えば、基板処理装置100をクリーンルーム内に配置すると共に、群管理装置500を事務所内(クリーンルームとは異なるフロア)に配置し、レシピの進行状況や基板処理装置100の状態を遠隔から監視するようにしてもよい。同様に本発明の第1の実施形態や第2の実施形態によれば、補助発電システム(発電ユニット)300が基板処理装置100または群管理装置500と一体となった構成であったが、特に、このような構成には限定されない。次に、本発明の第3の実施形態において、補助発電システム(発電ユニット)300が基板処理装置100及び群管理装置500と別体とした構成について説明する。
【0202】
<本発明の第3の実施形態>
【0203】
図18は、本発明の第3の実施形態における基板処理システム36を示す図である。尚、該基板処理システム36では、前記基板処理装置1と、PC等の管理装置54とが同一のフロア(クリーンルーム)内に設置されているものとする。尚、本実施の形態において、エコ運転監視プログラムが実行されることにより実現される上記設定手段、判定手段、実行手段は、上述の第2の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段と同じ機能であるのはいうまでもない。また、蓄電監視プログラムの内容についても、第2の実施形態と略同様であるが、第2の実施形態においては基板処理装置コントローラ240内に切り替え制御部336を設けたのに対して、蓄電監視プログラムを実行する供給電力切り替えコントローラ49を基板処理装置コントローラ240と個別に設けた点が異なる。よって、この構成の違いについて簡潔に以下説明していく。
【0204】
図17は、本発明の第3の実施形態における、エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。図17は、図10に示す第2の実施形態における、エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図とほぼ同じである。従い、以下簡単な説明に留める。
【0205】
(設定手段)
また、PC等の管理装置54が備える設定手段は、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及びデータ値が判定条件を満たさない場合に行う所定の動作(アクション)の設定の入力を受け付けるように構成されている。図17に示す設定手段には、図3や図10と同様に、それぞれのエコチェック条件を識別する「ID」、エコチェック条件の名称を表示する「条件名」、「データ種別」、「判定条件」、「条件値」、「所定の動作」の各項目の設定情報が、入力手段240bを用いて入力される。入力されたエコチェック条件の各項目は、エコチェック条件毎に互いに関連付けられて図示しないデータ保持部に記憶される。ここで、図17で示すエコチェック条件の具体例については、図10と同じであるので、エコチェック条件については説明を省略する。また、判定手段や実行手段については、第1の実施形態や第2の実施形態と同じであるため説明を省略する。更に、エコ運転監視プログラムが実現する各種工程(エコ運転判定工程等)についても、第1の実施形態や第2の実施形態とほぼ同様に適用されるので、説明は省略する。
【0206】
次に、図18に於いて、本実施例の前記基板処理装置1が利用される基板処理システム36について説明する。
【0207】
処理室37には、ガス排気管38を介して排気手段である真空ポンプ39の吸入口41と接続されている。前記真空ポンプ39はロータ42を有し、該ロータ42が駆動手段であるロータ駆動モータ43により回転されることで、前記吸入口41より前記真空ポンプ39内に吸入された前記処理室37内のガスが、排出口44より排出される様になっている。尚、前記ロータ駆動モータ43は後述する外部電力供給ケーブル52を介して外部電源(図示せず)が接続されており、該外部電源から電力を供給されることで前記ロータ42を回転させる様になっている。
【0208】
又、前記ロータ42又は前記ロータ駆動モータ43には、発電手段である発電ユニット45が機械的に連結され、前記真空ポンプ39を駆動する動力の内、余剰の動力によって前記発電ユニット45の発電モータ(図示せず)を回転し、電力を発生させる。
【0209】
該発電ユニット45は発電電力供給ケーブル46を介して蓄電電力供給手段であるバッテリ47と接続され、前記発電ユニット45によって発生された電力が前記バッテリ47に蓄電される様になっており、該バッテリ47はバッテリ電力供給ケーブル48を介して切替え手段である供給電力切替えコントローラ49に接続されている。
【0210】
又、該供給電力切替えコントローラ49は電力ケーブル51を介して前記基板処理装置1に接続され、前記外部電力供給ケーブル52を介してクリーンルーム外の外部電力供給手段である外部電源(図示せず)に接続されると共に、LAN53等の通信手段を介してPC等の管理装置54に接続されている。更に、該管理装置54は、LAN55等の通信手段を介して前記制御装置27に接続されており、前記管理装置54より前記制御装置27及び前記供給電力切替えコントローラ49に対して指示や設定の入力ができる様になっている。
【0211】
前記供給電力切替えコントローラ49は、供給電力切替え部56、バッテリ蓄電量監視部57、電力使用量計測部58を有している。
【0212】
前記供給電力切替え部56は、前記バッテリ47と外部電源(図示せず)のどちらから前記基板処理装置1に電力が供給されているかを判断すると共に、電力供給元が前記バッテリ47であれば外部電源(図示せず)へ、電力供給元が外部電源(図示せず)であれば前記バッテリ47へと電力供給元を切替える機能を有している。
【0213】
前記バッテリ蓄電量監視部57は、前記バッテリ47に蓄電された電力の蓄電量を常時監視し、検出した蓄電量を前記管理装置54に対して出力すると共に、検出した蓄電量が該管理装置54より予め設定された規定値を上回っているかを判断する機能を有している。
【0214】
前記電力使用量計測部58は、前記バッテリ47から前記基板処理装置1に供給される電力量を計測し、計測結果を前記管理装置54に出力する機能を有している。
【0215】
前記制御装置27、或は前記管理装置54から基板処理の開始が入力されると、記憶部に格納された、各機構部を制御し搬送処理を行う為のシーケンスプログラムが実行される。
【0216】
該シーケンスプログラムにより、搬送制御部がポッド搬送装置118を駆動させ、ポッド110を前記基板処理装置1内に搬入し、該基板処理装置1内に搬入したポッド110をポッド格納部及びポッドオープナ121に搬送する。
【0217】
次に、シーケンスプログラムに従って基板移載機125が駆動され、前記載置台122に載置されたポッド110内のウエハ200が前記ボート217に移載され、最後に前記ボートエレベータ115が駆動され、前記ボート217が処理炉202内に装入される。
【0218】
前記ボート217の装入後は、圧力、ガス流量、温度を制御しプロセス処理を行う為の制御プログラムが実行される。該制御プログラムが実行されると、前記記憶部に格納されたレシピに従って、前記圧力制御部236により前記真空ポンプ39が制御されることで前記処理室37内の圧力が制御され、同様に前記流量制御部33により図示しないガス供給手段が制御されることで前記処理室37内に供給される処理ガス、パージガスの流量が制御され、前記加熱制御部34により図示しない加熱手段が制御されることで前記処理室37内のウエハ200が加熱され、ウエハ200に所定の膜が生成される。
【0219】
この時のウエハ3の処理条件、処理の進行状態等は表示部に表示されると共に、前記LAN55を介して前記管理装置54に出力されており、該管理装置54からもウエハ200の処理条件、処理の進行状態等の確認が可能となっている。
【0220】
ウエハ200に所定の膜が生成された後、再び各機構部を制御する為のシーケンスプログラムが実行され、上記した搬送処理とは逆の工程を行うことで、処理済みのウエハ200を収納したポッド110が前記基板処理装置1外へと搬出され、基板処理が終了する。
【0221】
上記処理では、通常、外部電源(図示せず)より前記供給電力切替えコントローラ49を介して外部電力が供給されることで前記基板処理装置1が運用されており、プロセス処理に於いては、前記ロータ駆動モータ43の回転により前記ロータ42が回転され、該ロータ42が回転することで前記ガス排気管38を介して前記処理室37内のガスが排気され、該処理室37内の圧力が調整されている。
【0222】
前記ロータ駆動モータ43又は該ロータ駆動モータ43による前記ロータ42の回転に伴い、該ロータ42又は前記ロータ駆動モータ43と機械的に連結された前記発電ユニット45の発電モータ(図示せず)が回転し、電力が発生する。即ち、前記真空ポンプ39を駆動する前記ロータ駆動モータ43の余剰の動力によって前記発電ユニット45が駆動され、余剰のエネルギーが電力として回収される。前記発電ユニット45にて発生した電力は、前記発電電力供給ケーブル46を介して前記バッテリ47に蓄電される。
【0223】
該バッテリ47に蓄電された電力の蓄電量は、前記管理装置54より予め設定された規定値を上回るかどうかが、前記供給電力切替えコントローラ49の前記バッテリ蓄電量監視部57により常時監視されており、前記バッテリ47の蓄電量が規定値を上回ると、前記供給電力切替え部56により、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が、外部電源(図示せず)から前記バッテリ47へと切替えられ、該バッテリ47から前記供給電力切替えコントローラ49を介して前記基板処理装置1へと電力が供給される。
【0224】
該バッテリ47から前記基板処理装置1へ電力が供給されている状態で、前記バッテリ47の蓄電量が規定値を下回った場合には、前記供給電力切替え部56により、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が、前記バッテリ47から外部電源(図示せず)へと切替えられる。
【0225】
又、前記バッテリ47から前記基板処理装置1へと電力が供給されている状態では、前記電力使用量計測部58により前記バッテリ47から供給される電力の使用量が計測されており、計測結果は前記LAN53を介して前記管理装置54へと出力されている。
【0226】
次に、図19のフローチャートを用い、前記基板処理装置1に対する電力供給元の切替え処理について説明する。尚、図12と同じ流れであるので説明は簡潔にする。
【0227】
STEP:01 基板処理の開始後、前記バッテリ蓄電量監視部57によって前記バッテリ47の蓄電量が監視され、該バッテリ47の蓄電量が前記管理装置54より予め設定された規定値以上であるかが判断される。
【0228】
STEP:02 STEP:01にて前記バッテリ47の蓄電量が規定値以上であると判断されると、前記供給電力切替え部56により、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が外部電源(図示せず)であるかが判断され、電力供給元が外部電源(図示せず)ではないと判断されると、前記供給電力切替え部56により電力供給元が切替えられることなく、再び前記バッテリ蓄電量監視部57により前記バッテリ47の蓄電量が監視される。
【0229】
STEP:03 STEP:02にて前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が外部電源(図示せず)であると判断されると、前記供給電力切替え部56により電力の供給元が外部電源(図示せず)から前記バッテリ47へと切替えられ、再び前記バッテリ蓄電量監視部57により前記バッテリ47の蓄電量が監視される。
【0230】
STEP:04 STEP:01にて該バッテリ47の蓄電量が規定値未満であると判断されると、前記供給電力切替え部56により、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が前記バッテリ47であるかが判断され、電力供給元が該バッテリ47ではないと判断されると、前記供給電力切替え部56により電力供給元が切替えられることなく、再び前記バッテリ蓄電量監視部57により前記バッテリ47の蓄電量が監視される。
【0231】
STEP:05 STEP:04にて前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が前記バッテリ47であると判断されると、前記供給電力切替え部56により電力の供給元が前記バッテリ47から外部電源(図示せず)へと切替えられ、再び前記バッテリ蓄電量監視部57により前記バッテリ47の蓄電量が監視される。
【0232】
上記STEP:01〜STEP:05の処理は、本実施例によらず、基板処理が終了し、前記基板処理装置1に処理対象となる基板が存在しない状態で繰返される様にしてもよい。尚、基板処理にかかる蓄電量を予め計測しておき、その蓄電量をはるかに越えたときに、基板処理で前記バッテリ47から電力を供給する様にしてもよい。
【0233】
上述の様に、本実施例では、前記真空ポンプ39を駆動する前記ロータ駆動モータ43の余剰動力により発電する前記発電ユニット45を設け、該発電ユニット45により発生される電力を前記バッテリ47に蓄電すると共に、該バッテリ47に蓄電された電力を用いて前記基板処理装置1を運用する様にした、即ち前記ロータ駆動モータ43の余剰動力を電力に変換し、再利用する様にしたので、基板処理に於ける省エネルギー化及びCO2 の削減を図ることができ、前記基板処理装置1のランニングコストを低減することができる。
【0234】
又、前記電力使用量計測部58により、前記バッテリ47から供給された電力の使用量を計測する様にしたので、基板処理の際に外部電源(図示せず)からの電力をどれだけ低減できたのかを実測値で得ることができる。
【0235】
尚、本実施例では、前記バッテリ蓄電量監視部57が前記バッテリ47の蓄電量を常時監視し、リアルタイムにて該バッテリ47の蓄電量を検出していたが、前記管理装置54より設定される規定値を調整し、前記バッテリ47の蓄電量を一定時間毎に検出する様にしてもよい。
【0236】
又、本実施例では、前記バッテリ蓄電量監視部57により、前記供給電力切替えコントローラ49内で前記バッテリ47の蓄電量が規定値を上回るかどうかの判断を行っているが、該供給電力切替えコントローラ49内で前記バッテリ47の蓄電量の検出のみを行い、前記管理装置54にて前記バッテリ47の蓄電量が規定値を上回るかどうかの判断、供給元切替えの判断を行う様にしてもよい。
【0237】
又、本実施例では、前記管理装置54より蓄電量の規定値が設定され、前記バッテリ蓄電量監視部57、前記電力使用量計測部58の検出結果及び計測結果が前記管理装置54に出力される様になっているが、前記供給電力切替えコントローラ49に操作部及び表示部を設け、該供給電力切替えコントローラ49より直接蓄電量の規定値を設定し、蓄電量の検出結果及び使用電力の計測値を前記供給電力切替えコントローラ49に表示させる様にしてもよい。
【0238】
又、本実施例では、前記バッテリ蓄電量監視部57により、前記供給電力切替えコントローラ49内で前記バッテリ47の蓄電量が規定値を上回るかどうかの判断を行っているが、この規定値を2段階にして(第1規定値と第2規定値を保持して)、前記供給電力切替え部56により電力供給元が切替えられるように構成しても良い。例えば、前記バッテリ蓄電量監視部57によりに蓄電された蓄電量が予め設定された第1規定値以上であれば、前記バッテリ47より前記基板処理装置1に電力を供給し、前記電力量が予め設定された第1規定値未満であって、第2規定値以上であれば、前記基板処理装置1内に処理対象の基板が投入されていない状態で、前記バッテリ47より前記基板処理装置1に電力を供給し、前記電力量が予め設定された第2規定値未満であれば、前記発電手段により発生された電力を前記バッテリ47に蓄電するように構成される。尚、電力量が予め設定された第2規定値未満であれば、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が商用電力を供給する電力供給手段(外部電源)となる。
【0239】
このような構成によると、前記ロータ駆動モータ43の余剰動力を電力に変換し、バッテリ47に蓄電された電力を更に効率よく再利用することができるので、基板処理に於ける省エネルギー化及びCO2 の削減をますます図ることができ、前記基板処理装置1のランニングコストを更に低減することができる。
【0240】
上述のような第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、少なくとも設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムと、バッテリに蓄電した蓄電量を監視する蓄電監視プログラムのそれぞれが実行されているので、第2の実施形態における効果と同様な効果を奏する。一例を上げれば、省エネ運転への移行(基板処理装置1への電力供給を商用電力から発電ユニット45で発生された電力への切り替え)を表示させるだけでなく、その省エネ運転におけるエコ運転状態(エコレベル)の把握が可能である。
【0241】
本発明は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)法による成膜処理の他、拡散処理、アニール処理、酸化処理、窒化処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理にも好適に適用できる。さらに、本発明は、薄膜形成装置の他、アニール処理装置、酸化処理装置、窒化処理装置、露光装置、塗布装置、乾燥装置、加熱装置等の他の基板処理装置にも好適に適用できる。
【0242】
本発明は、本実施形態にかかる半導体製造装置等のような基板を処理する基板処理装置に限らず、LCD(Liquid Crystal Display)製造装置等のガラス基板を処理する基板処理装置にも好適に適用できる。
【0243】
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0244】
<本発明の好ましい態様>
以下に本発明の望ましい態様について付記する。
【0245】
[付記1]
本発明の第1の態様は、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別に対応するデータ値と、前記データ値の比較対象となる条件値と、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件に基づいて比較し、前記データ値と前記条件値とを比較した結果に応じて、所定の動作を実行するエコ運転監視方法である。
【0246】
[付記2]
本発明の第2の態様は、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、前記データ種別に対応するデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件を満たさない場合に行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記条件値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、
を有するエコ運転監視装置である。
【0247】
[付記3]
前記データが前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて前記所定の動作を実行する実行手段をさらに有することが好ましい。
【0248】
[付記4]
また、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定結果を表示する表示手段をさらに有することが好ましい。
【0249】
[付記5]
本発明の第3の態様は、
基板を処理する基板処理装置に接続される上位管理装置であって、
前記基板処理装置で生成される、基板処理プロセスの進行状況や前記基板処理装置の状態を示すモニタデータを前記基板処理装置から受信する通信部と、
前記基板処理装置から受信した前記モニタデータを格納する格納部と、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、前記データ種別に対応し前記モニタデータから指定されるデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件を満たさない場合に行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記条件値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、
を有する上位管理装置である。
【0250】
[付記6]
前記モニタデータは、前記基板を前記基板処理装置の基板保持具に装填してから前記基板収容器から脱装するまでの任意の期間、前記基板の処理に係るプロセスレシピの開始から終了までの任意の期間、又は前記プロセスレシピ内の所定の期間において収集されることが好ましい。
【0251】
[付記7]
また、前記データ値が前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて前記所定の動作を実行する実行手段をさらに有することが好ましい。
【0252】
[付記8]
また、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定結果を表示する表示手段をさらに有することが好ましい。
【0253】
[付記9]
また、前記表示手段は、前記判定結果を示すアイコンを表示するように構成されていることが好ましい。
【0254】
[付記10]
また、前記表示手段は、前記データ値が前記判定条件を満たす場合と、前記データ値が前記判定条件を満たさない場合とでそれぞれ異なる前記アイコンを表示するように構成されていることが好ましい。
【0255】
[付記11]
また、前記表示手段は、前記判定結果を示す前記アイコンを前記データ種別毎に表示するとともに、前記データ値が前記判定条件を満たす場合と、前記データ値が前記判定条件を満たさない場合とでそれぞれ異なる前記アイコンを表示するように構成されていることが好ましい。
【0256】
[付記12]
前記表示手段は、前記アイコンが押下されると前記判定結果の詳細を示す画面を表示するように構成されていることが好ましい。
【0257】
[付記13]
また、前記格納部に格納された前記判定結果に基づいて前記基板処理装置のエコレベルを算出し、
前記表示手段は、算出された前記エコレベルを多段階に示すレベルメータを表示するように構成されていることが好ましい。
【0258】
[付記14]
本発明の第4の態様は、
基板を処理する基板処理装置であって、
基板処理プロセスの進行状況や前記基板処理装置の状態を示すモニタデータを格納する格納部と、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、前記データ種別に対応し前記モニタデータから指定されるデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件を満たさない場合に行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記条件値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、
を有する基板処理装置である。
【0259】
[付記15]
本発明の第5の態様は、
基板を処理する基板処理装置と、前記基板処理装置に接続される上位管理装置と、を備える基板処理システムであって、
前記基板処理装置は、
基板処理プロセスの進行状況や前記基板処理装置の状態を示すモニタデータを生成し、
生成した前記モニタデータを前記上位管理装置に送信するように構成され、
前記上位管理装置は、
通信部が、前記モニタデータを前記基板処理装置から受信し、
受信した前記モニタデータを格納部に格納し、
設定手段が、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、前記データ種別に対応し前記モニタデータから指定されるデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件を満たさない場合に行う所定の動作の設定の入力を受け付け、
判定手段が、前記データ値と前記条件値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行うように構成されている基板処理システムである。
【0260】
[付記16]
商用電力を供給する第1電力供給ラインと、
燃料電池によって発電された電力を供給する第2電力供給ラインと、
の切り替えを行う切り替え制御部を備える基板処理装置である。
【0261】
[付記17]
前記燃料電池によって発電された電力を蓄電する蓄電部をさらに有するのが好ましい
【0262】
[付記18]
前記第2電力供給ラインには、
前記燃料電池により水素含有ガスと酸素含有ガスとを燃焼させて発電する燃料発電部と、
前記燃料発電部で発生した水と排熱とを利用して水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
前記水蒸気発生部で発生させた前記水蒸気を利用して発電する水蒸気発電部と、
を備える補助発電システムが接続される。
【0263】
[付記19]
前記蓄電部は、
前記燃料発電部により発電された電力と、前記水蒸気発電部により発電された電力と、
を蓄電するように構成されるのが好ましい。
【0264】
[付記20]
前記燃料電池に用いる前記水素含有ガス又は前記酸素含有ガスの少なくともいずれかは、
前記基板処理装置で用いられる水素含有ガス又は酸素含有ガスとガス供給源から供給されるように構成されるのが好ましい。
【0265】
[付記21]
前記切り替え制御部は、
前記蓄電部に蓄電された蓄電量を監視し、
前記蓄電量が前記基板処理装置を動作させるのに十分な電力量以上の場合、前記第2電力供給ラインから電力供給を行わせ、
前記蓄電量が前記基板処理装置を動作させるのに十分な電力量未満の場合、前記第1電力供給ラインから電力供給を行わせるように構成されるのが好ましい。
【0266】
[付記22]
前記基板処理装置は、
保守作業が可能な待機状態と、基板処理を実行する実行中状態と、を少なくとも含む複数の装置状態を有し、
前記切り替え制御部は、
前記装置状態が前記実行中状態のときは、前記第1電力供給ラインから電力供給を行わせ、
前記装置状態が前記待機状態のときは、前記第2電力供給ラインから電力供給を行わせるように構成される。
【0267】
[付記23]
本発明の更に他の様態は、
基板処理装置が備える切り替え制御部により、
商用電力を供給する第1電力供給ラインと、燃料電池によって発電された電力を供給する第2電力供給ラインと、の切り替えを行う基板処理装置の制御方法である。
【0268】
[付記24]
本発明の第6の態様は、
基板を処理する処理室と、該処理室内のガスを排気する排気手段と、該排気手段を駆動する駆動手段とを少なくとも備えた基板処理装置と、
前記駆動手段の動力を利用して発電する発電手段と、該発電手段と商用電力を供給する電力供給手段とのいずれか一方から、前記基板処理装置へ電力を供給する切り替え手段を備えた電力切り替え制御装置と、
を含む基板処理システムである。
【0269】
[付記25]
前記電力切り替え制御装置は、
更に、前記発電手段により発生された電力を蓄電可能な蓄電電力供給手段を備え、
前記蓄電電力供給手段に蓄電された、電力量が予め設定された規定値以上であれば、前記蓄電電力供給手段より前記基板処理装置に電力を供給し、
前記電力量が予め設定された規定値未満であれば、前記発電手段により発生された電力を前記蓄電電力供給手段に蓄電するのが好ましい。
【0270】
[付記26]
前記電力切り替え制御装置は、
更に、前記発電手段により発生された電力を蓄電可能な蓄電電力供給手段を備え、
前記蓄電電力供給手段に蓄電された電力量が予め設定された第1規定値以上であれば、前記蓄電電力供給手段より前記基板処理装置に電力を供給し、
前記電力量が予め設定された第1規定値未満であって、第2規定値以上であれば、前記基板処理装置内に処理対象の基板が投入されていない状態で、前記蓄電電力供給手段より前記基板処理装置に電力を供給し、
前記電力量が予め設定された第2規定値未満であれば、前記発電手段により発生された電力を前記蓄電電力供給手段に蓄電するのが好ましい。
【符号の説明】
【0271】
1
基板処理装置
36
基板処理システム
45
発電ユニット
47
バッテリ
49
供給電力切り替えコントローラ(切り替え制御手段)
54
管理装置
100
基板処理装置
240 基板処理装置内コントローラ(制御装置)
300 発電補助システム
336 切り替え制御部
347 バッテリ
500
群管理装置
501
制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置の稼動状態を監視する方法、基板処理装置の稼動状態を監視するための装置及びこの装置と基板処理装置とを含む基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置では、プロセスレシピに基づいて基板処理工程のステップ毎にヒータ温度、処理室内の圧力、ガスの流量等の処理条件を変更させながら基板処理が実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
基板処理装置では、基板処理を行う際に電力やガスなどの資源消費量が大きくなる。そこで、直前の基板処理が完了してから次の基板処理を開始するまでのアイドル期間(非生産時)になると、基板処理装置は、例えば、排気ポンプやヒータ等の電力消費の大きい機器について電力供給量を低減させた運転状態に切り替えられていた。このように、アイドル期間中にエネルギー消費を節約して運転を行うことにより、省エネルギー化が図られている。
【0004】
従来の基板処理装置は、アイドル期間になるとエコ運転に切り替えられた。ここで、エコ運転とは、資源消費量を低減させて基板処理装置が稼働している状態をいう。例えば、消費電力やガス消費量等を抑えながら基板処理装置が稼働している状態のことをいう。しかしながら、非生産時のエネルギー消費を削減したとしても、基板処理時に多大なエネルギーや資源が必要となるのでは、総合的に省エネルギーが実現されているとは限らない。例えば、近年の基板処理温度の低温化や薄膜化に伴い、電力やガスなどの無駄な消費を抑えたいという要望がある。一方、通常運転からエコ運転への切り替え方法は、手動で行われてきた。そのため、作業員(使用者)は、設定忘れや入力ミス等で基板処理装置をエコ運転に切り替え損ねる場合があった。
【0005】
本発明は、エコ運転への切り替え損ねを防ぐことが可能なエコ運転監視方法、基板処理装置がエコ運転であるか否かを監視するエコ運転監視装置および基板処理装置とエコ運転監視装置を含む基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別に対応するデータ値(データの値)と、前記データ種別に対応するデータがとりうる境界を示す境界値と、を予め設定された所定の判定条件に基づいて比較し、前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて、所定の動作を実行するエコ運転監視方法が提供される。
【0007】
また、本発明の他の態様によれば、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、予め設定された所定の判定条件、前記データ種別に対応するデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値と前記条件値を前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、を有するエコ運転監視装置が提供される。
更に、本発明の他の態様によれば、基板処理装置とエコ運転監視装置とを含む基板処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別について設定が操作画面上で可能とすることにより、エコ運転への切り替え損ねを防ぐことができ、さらに、エコ運転の稼動状態を操作画面上に表示することができるので、基板処理装置がエコ運転であるか否かを監視することができる。また、エコ運転に切り替えることにより、省エネルギー化を図ると共に、前記基板処理装置のランニングコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る基板処理システムの概要構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る基板処理システムのブロック構成図である。
【図3】エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。
【図4】群管理装置に表示される画面構成を例示する図である。
【図5】エコ運転に係る判定結果の詳細画面を例示する図である。
【図6】ヒータ温度とエコレベルとが重ねて表示されたトレースグラフを例示する図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の斜透視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の側面透視図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の処理炉の縦断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るエコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置と基板処理装置に接続される補助発電システムとの概略構成図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第一図示例である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第二図示例である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第三図示例である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第四図示例である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えフローの第五図示例である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係るエコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る基板処理システムのブロック構成図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る基板処理装置に対する電力供給元の切替えを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明の第1の実施形態>
以下に、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0011】
(1)基板処理システムの構成
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理システムの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理システムの概要構成図である。
【0012】
図1に示すとおり、本実施形態にかかる基板処理システムは、処理手順及び処理条件が定義された複数のメインステップを有するプロセスレシピに基づいて基板処理プロセスを繰り返し実行する少なくとも一台の基板処理装置100と、基板処理装置100とデータ交換可能なように接続されるエコ運転監視装置、すなわち上位管理装置としての群管理装置500と、を備えている。基板処理装置100と群管理装置500との間は、例えば構内回線(LAN)や広域回線(WAN)等のネットワーク400により接続されている。
【0013】
(2)基板処理装置の構成
続いて、本実施形態にかかる基板処理装置100の構成について、図7,図8を参照しながら説明する。図7は、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の斜透視図である。図8は、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の側面透視図である。なお、本実施形態にかかる基板処理装置100は、例えばウエハ等の基板に酸化、拡散処理、CVD処理などを行なう縦型の装置として構成されている。
【0014】
図7、図8に示すように、本実施形態にかかる基板処理装置100は、耐圧容器として構成された筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの正面前方部には、メンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が開設されている。正面メンテナンス口103には、正面メンテナンス口103を開閉する一対の正面メンテナンス扉104が設けられている。シリコン等のウエハ(基板)200を収納したポッド(基板収容器)110が、筐体111内外へウエハ200を搬送するキャリアとして使用される。
【0015】
筐体111の正面壁111aには、ポッド搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が、筐体111内外を連通するように開設されている。ポッド搬入搬出口112は、フロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。ポッド搬入搬出口112の正面前方側には、ロードポート(基板収容器受渡し台)114が設置されている。ロードポート114上には、ポッド110を載置されると共に位置合わせされるように構成されている。ポッド110は、工程内搬送装置(図示せず)によってロードポート114上に搬送されるように構成されている。
【0016】
筐体111内の前後方向の略中央部における上部には、回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されている。回転式ポッド棚105上には複数個のポッド110が保管されるように構成されている。回転式ポッド棚105は、垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、支柱116に上中下段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板(基板収容器載置台)117と、を備えている。複数枚の棚板117は、ポッド110を複数個それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
【0017】
筐体111内におけるロードポート114と回転式ポッド棚105との間には、ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されている。ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと、搬送機構としてのポッド搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されている。ポッド搬送装置118は、ポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ロードポート114、回転式ポッド棚105、ポッドオープナ(基板収容器蓋体開閉機構)121との間で、ポッド110を相互に搬送するように構成されている。
【0018】
筐体111内の下部には、サブ筐体119が、筐体111内の前後方向の略中央部から後端にわたって設けられている。サブ筐体119の正面壁119aには、ウエハ200をサブ筐体119内外に搬送する一対のウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が、垂直方向に上下二段に並べられて設けられている。上下段のウエハ搬入搬出口120には、ポッドオープナ121がそれぞれ設置されている。
【0019】
各ポッドオープナ121は、ポッド110を載置する一対の載置台122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123とを備えている。ポッドオープナ121は、載置台122上に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0020】
サブ筐体119内には、ポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105等が設置された空間から流体的に隔絶された移載室124が構成されている。移載室124の前側領域にはウエハ移載機構(基板移載機構)125が設置されている。ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。図7に示すように、ウエハ移載装置エレベータ125bは、サブ筐体119の移載室124前方領域右端部と筐体111右側端部との間に設置されている。ウエハ移載装置125aは、ウエハ200の載置部としてのツイーザ(基板保持体)125cを備えている。これらウエハ移載装置エレベータ125b及びウエハ移載装置125aの連続動作により、ウエハ200をボート(基板保持具)217に対して装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)することが可能なように構成されている。
【0021】
移載室124の後側領域には、ボート217を収容して待機させる待機部126が構成されている。待機部126の上方には、基板処理系としての処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。
【0022】
図7に示すように、サブ筐体119の待機部126右端部と筐体111右側端部との間には、ボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている。ボートエレベータ115の昇降台には、連結具としてのアーム128が連結されている。アーム128には、蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219は、ボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0023】
ボート217は複数本の保持部材を備えている。ボート217は、複数枚(例えば、50枚〜125枚程度)のウエハ200を、その中心を揃えて垂直方向に整列させた状態でそれぞれ水平に保持するように構成されている。
【0024】
図7に示すように、移載室124のウエハ移載装置エレベータ125b側及びボートエレベータ115側と反対側である左側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア133を供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されている。ウエハ移載装置125aとクリーンユニット134との間には、図示はしないが、ウエハの円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合わせ装置が設置されている。
【0025】
クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、図示しないノッチ合わせ装置、ウエハ移載装置125a、待機部126にあるボート217の周囲を流通した後、図示しないダクトにより吸い込まれて筐体111の外部に排気されるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環されてクリーンユニット134によって移載室124内に再び吹き出されるように構成されている。
【0026】
(3)基板処理装置の動作
次に、本実施形態にかかる基板処理装置100の動作について、図7,図8を参照しながら説明する。
【0027】
図7、図8に示すように、ポッド110がロードポート114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。そして、ロードポート114の上のポッド110が、ポッド搬送装置118によってポッド搬入搬出口112から筐体111内部へと搬入される。
【0028】
筐体111内部へと搬入されたポッド110は、ポッド搬送装置118によって回転式ポッド棚105の棚板117上へ自動的に搬送されて一時的に保管された後、棚板117上から一方のポッドオープナ121の載置台122上に移載される。なお、筐体111内部へと搬入されたポッド110は、ポッド搬送装置118によって直接ポッドオープナ121の載置台122上に移載されてもよい。この際、ポッドオープナ121のウエハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124内にはクリーンエア133が流通され、充満されている。例えば、移載室124内にクリーンエア133として窒素ガスが充満することにより、移載室124内の酸素濃度が例えば20ppm以下となり、大気雰囲気である筐体111内の酸素濃度よりも遥かに低くなるように設定されている。
【0029】
載置台122上に載置されたポッド110は、その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ウエハ出し入れ口が開放される。その後、ウエハ200は、ウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてポッド110内からピックアップされ、ノッチ合わせ装置にて方位が整合された後、移載室124の後方にある待機部126内へ搬入され、ボート217内に装填(チャージング)される。ボート217内にウエハ200を装填したウエハ移載装置125aは、ポッド110に戻り、次のウエハ200をボート217内に装填する。
【0030】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ121におけるウエハ移載機構125によるウエハのボート217への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121の載置台122上には、別のポッド110が回転式ポッド棚105上からポッド搬送装置118によって搬送されて移載され、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が同時進行される。
【0031】
予め指定された枚数のウエハ200がボート217内に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部が、炉口シャッタ147によって開放される。続いて、ウエハ200群を保持したボート217は、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより処理炉202内へ搬入(ローディング)されていく。
【0032】
ローディング後は、処理炉202内にてウエハ200に任意の処理が実施される。処理後は、ノッチ合わせ装置でのウエハの整合工程を除き、上述の手順とほぼ逆の手順で、処理後のウエハ200を格納したボート217が処理炉202より搬出され、処理後のウエハ200を格納したポッド110が筐体111外へと搬出される。
【0033】
(4)処理炉の構成
続いて、本実施形態にかかる処理炉202の構成について、図9を用いて説明する。図9は、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置100の処理炉202の縦断面図である。
【0034】
図9に示すように、処理炉202は、反応管としてのプロセスチューブ203を備えている。プロセスチューブ203は、内部反応管としてのインナーチューブ204と、その外側に設けられた外部反応管としてのアウターチューブ205と、を備えている。インナーチューブ204は、例えば石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。インナーチューブ204内の筒中空部には、基板としてのウエハ200を処理する処理室201が形成されている。処理室201内は後述するボート217を収容可能なように構成されている。アウターチューブ205は、インナーチューブ204と同心円状に設けられている。アウターチューブ205は、内径がインナーチューブ204の外径よりも大きく、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。アウターチューブ205は、例えば石英または炭化シリコン等の耐熱性材料からなる。
【0035】
プロセスチューブ203の外側には、プロセスチューブ203の側壁面を囲うように、加熱機構としてのヒータ206が設けられている。ヒータ206は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース251に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0036】
アウターチューブ205の下方には、アウターチューブ205と同心円状になるように、マニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209は、インナーチューブ204の下端部とアウターチューブ205の下端部とにそれぞれ係合しており、これらを支持するように設けられている。なお、マニホールド209とアウターチューブ205との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。マニホールド209がヒータベース251に支持されることにより、プロセスチューブ203は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ203とマニホールド209により反応容器が形成される。
【0037】
後述するシールキャップ219には、ガス導入部としてのノズル230が処理室201内に連通するように接続されている。ノズル230の上流端には、ガス供給管232の下流端が接続されている。ガス供給管232の上流側(ノズル230との接続側と反対側)には、ガス流量制御器としてのMFC(マスフローコントローラ)241を介して、図示しない処理ガス供給源や不活性ガス供給源等が接続されている。MFC241には、ガス流量制御部235が電気的に接続されている。ガス流量制御部235は、処理室201内に供給するガスの流量が所望のタイミングにて所望の流量となるように、MFC241を制御するように構成されている。
【0038】
マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231は、インナーチューブ204とアウターチューブ205との隙間によって形成される筒状空間250の下端部に配置されており、筒状空間250に連通している。排気管231の下流側(マニホールド209との接続側と反対側)には、圧力検出器としての圧力センサ245、例えばAPC(Auto Pressure Controller)として構成された圧力調整装置242、真空ポンプ等の真空排気装置246が上流側から順に接続されている。圧力調整装置242及び圧力センサ245には、圧力制御部236が電気的に接続されている。圧力制御部236は、圧力センサ245により検出された圧力値に基づいて、処理室201内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように、圧力調整装置242を制御するように構成されている。
【0039】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、マニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219の中心部付近であって処理室201と反対側には、ボートを回転させる回転機構254が設置されている。回転機構254の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217を下方から支持している。回転機構254は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させることが可能なように構成されている。シールキャップ219は、プロセスチューブ203の外部に垂直に設備された昇降機構としてのボートエレベータ115によって、垂直方向に昇降されるように構成されている。シールキャップ219を昇降させることにより、ボート217を処理室201内外へ搬送することが可能なように構成されている。回転機構254及びボートエレベータ115には、メカ制御部238が電気的に接続されている。メカ制御部238は、回転機構254及びボートエレベータ115が所望のタイミングにて所望の動作をするように、これらを制御するように構成されている。
【0040】
上述したように、基板保持具としてのボート217は、複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。ボート217は、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料からなる。ボート217の下部には、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料からなる円板形状をした断熱部材としての断熱板216が水平姿勢で多段に複数枚配置されており、ヒータ206からの熱がマニホールド209側に伝わりにくくなるように構成されている。
【0041】
プロセスチューブ203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。ヒータ206と温度センサ263とには、電気的に温度制御部237が接続されている。温度制御部237は、温度センサ263により検出された温度情報に基づいて、処理室201内の温度が所望のタイミングにて所望の温度分布となるように、ヒータ206への通電具合を調整するように構成されている。
【0042】
ガス流量制御部235、圧力制御部236、メカ制御部238、温度制御部237は、基板処理装置全体を制御する主制御部としての表示装置制御部239に電気的に接続されている(以下、ガス流量制御部235、圧力制御部236、温度制御部237をI/O制御部とも呼ぶ)。これら、ガス流量制御部235、圧力制御部236、メカ制御部238、温度制御部237、及び主制御部としての表示装置制御部239は、基板処理装置用コントローラ240として構成されている。基板処理装置用コントローラ240の構成や動作については、後述する。
【0043】
(5)処理炉の動作
続いて、半導体デバイスの製造工程の一工程として、上記構成に係る処理炉202を用いてCVD法によりウエハ200上に薄膜を形成する方法について、図9を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置100を構成する各部の動作は基板処理装置用コントローラ240により制御される。
【0044】
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、図9に示すように、複数枚のウエハ200を保持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートローディング)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0045】
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように、真空排気装置246によって真空排気される。この際、圧力センサ245が測定した圧力値に基づき、圧力調整装置242(の弁の開度)がフィードバック制御される。また、処理室201内が所望の温度となるように、ヒータ206によって加熱される。この際、温度センサ263が検出した温度値に基づき、ヒータ206への通電量がフィードバック制御される。続いて、回転機構254により、ボート217及びウエハ200が回転させられる。
【0046】
次いで、処理ガス供給源から供給されてMFC241にて所望の流量となるように制御されたガスは、ガス供給管232内を流通してノズル230から処理室201内に導入される。導入されたガスは処理室201内を上昇し、インナーチューブ204の上端開口から筒状空間250内に流出して排気管231から排気される。ガスは、処理室201内を通過する際にウエハ200の表面と接触し、この際に熱CVD反応によってウエハ200の表面上に薄膜が堆積(デポジション)される。
【0047】
予め設定された処理時間が経過すると、不活性ガス供給源から不活性ガスが供給され、処理室201内が不活性ガスに置換されるとともに、処理室201内の圧力が常圧に復帰される。
【0048】
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されてマニホールド209の下端が開口されるとともに、処理済のウエハ200を保持するボート217がマニホールド209の下端からプロセスチューブ203の外部へと搬出(ボートアンローディング)される。その後、処理済のウエハ200はボート217より取り出され、ポッド110内へ格納される(ウエハディスチャージ)。
【0049】
(6)基板処理装置用コントローラの構成
続いて、本実施形態に係る基板処理装置用コントローラ240の構成について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理システムのブロック構成図である。
【0050】
基板処理装置用コントローラ240は、処理炉202を制御する上述のI/O制御部(ガス流量制御部235、圧力制御部236、温度制御部237)と、上記I/O制御部とデータ交換可能なように接続された処理制御部239aと、を備えている。処理制御部239aは、I/O制御部を介して処理炉202の動作を制御するとともに、処理炉202の状態(温度、ガス流量、圧力等)を示すモニタデータを取得する(読み出す)ように構成されている。
【0051】
基板処理装置用コントローラ240は、処理制御部239aにデータ交換可能なように接続された主制御部としての表示装置制御部239を備えている。表示装置制御部239には、ディスプレイ等のデータ表示部240aとキーボード等の入力手段240bとがそれぞれ接続される。表示装置制御部239は、操作員による入力手段240bからの入力(操作コマンドの入力等)を受け付けると共に、基板処理装置100の状態表示画面や操作入力受付画面等をデータ表示部240aに表示するように構成されている。
【0052】
また、基板処理装置用コントローラ240は、主制御部としての表示装置制御部239にデータ交換可能なように接続されたメカ制御部238と、メカ制御部238にデータ交換可能なように接続されたメカ機構I/O238aと、を備えている。メカ機構I/O238aには、基板処理装置100を構成する各部(例えばポッドエレベータ118a、ポッド搬送機構118b、ポッドオープナ121、ウエハ移載機構125、ボートエレベータ115等)が接続されている。メカ制御部238は、メカ機構I/O238aを介して基板処理装置100を構成する各部の動作を制御するとともに、基板処理装置100を構成する各部の状態(例えば位置、開閉状態、動作中であるかウエイト状態であるか等)を示すモニタデータを取得する(読み出す)ように構成されている。さらに、基板処理装置用コントローラ240は、装置ID、モニタデータ生成時刻、レシピID、経過時間等を付加させたモニタデータを生成するように構成されている。
【0053】
モニタデータは、ウエハ200を基板処理装置100のボート217に装填後、ボート217から脱装するまでの任意の期間、ウエハ200の処理に係るプロセスレシピの開始から終了までの任意の期間、又はプロセスレシピ内の所定の期間において収集される。またモニタデータは、直前の基板処理が完了した後、次の基板処理が開始されるまでのアイドル期間中にも収集される。
【0054】
また、基板処理装置用コントローラ240は、主制御部としての表示装置制御部239に接続されたデータ保持部239eを備えている。データ保持部239eには、基板処理装置用コントローラ240に種々の機能を実現するプログラムや、処理炉202にて実施される基板処理プロセスの処理手順や処理条件が定義されたプロセスレシピや、モニタデータ等が格納(保持)される。また、本願発明において、データ保持部239eには、少なくともプロセスレシピを実行する制御プログラムや上記モニタデータの収集を行う収集プログラムの他、少なくとも後述するエコ運転監視プログラムや後述する蓄電監視プログラムが格納される場合がある。
【0055】
また、基板処理装置用コントローラ240は、主制御部としての表示装置制御部239に接続された通信制御部239bを備えている。通信制御部239bは、ネットワーク400を介して後述の群管理装置500とデータ交換可能なように接続されている。通信制御部239bは、基板処理装置用コントローラ240で生成されたモニタデータを受信し、群管理装置500に送信可能なように構成されている。
【0056】
また、基板処理装置用コントローラ240は、生成したモニタデータを、通信制御部239bを介さずに群管理装置500に直接送信可能なようにも構成されている。
【0057】
(7)群管理装置の構成
続いて、上述の基板処理装置100とデータ交換可能なように構成された本実施形態に係るエコ運転監視装置、すなわち上位管理装置としての群管理装置500の構成について、図2〜図6を参照しながら説明する。図3は、エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。図4は、群管理装置に表示される画面構成を例示する図である。図5は、エコ運転に係る判定結果の詳細画面を例示する図である。図6は、ヒータ温度とエコレベルとが重ねて表示されたトレースグラフを例示する図である。
【0058】
群管理装置500は、中央処理装置(CPU)として構成された制御部501と、内部に共有メモリ502領域を有するメモリ(図示は省略)と、HDDなどの記憶装置として構成された格納手段としてのデータ保持部(格納部)503と、ディスプレイ装置などの表示手段として構成されるデータ表示部505と、キーボード等の入力手段506と、通信手段としての通信制御部(通信部)504と、を有するコンピュータとして構成されている。上述のメモリ、データ保持部503、データ表示部505、入力手段506、通信制御部504は、内部バス等を介して制御部501とデータ交換可能なように構成されている。また、制御部501は、図示しない時計機能を有している。
【0059】
データ保持部(格納部)503には、エコ運転監視プログラムを含む複数の図示しない群管理プログラム(群管理装置500で実行されるプログラム)が記憶されている。そして、エコ運転監視プログラムがデータ保持部503から読み出され、制御部501で実行されることにより後述する設定手段510、判定手段520、実行手段530等の各種機能が実現される。また、必要に応じて後述する蓄電監視プログラムをデータ保持部503に格納しても良い。
【0060】
通信手段としての通信制御部504は、基板処理装置用コントローラ240の通信制御部239bに接続されている。通信制御部504は、基板処理装置100からモニタデータを受信し、共有メモリ502に渡すように構成されている。
【0061】
制御部501は、共有メモリ502から読み出したモニタデータを、モニタデータの発生源である基板処理装置100を特定する装置ID、モニタデータ生成時刻、レシピID、経過時間等と関連付けてデータベース化し、読み出し可能にデータ保持部503に渡し、記憶させるように構成されている。
【0062】
また、制御部501は、データ保持部503に記憶させるモニタデータを装置ID、レシピID、及び経過時間等と併せてデータ表示部505に渡し、データ表示部505に表示させるように構成されている。
【0063】
また、本実施の形態においては、制御部501は、入力手段506から入力される装置ID、モニタデータ生成時刻、レシピID、経過時間等の検索条件に基づいてデータ保持部503を検索し、検索条件に該当するモニタデータをデータ保持部503から読み出して、データ表示部505に表示させるように構成されている。
【0064】
(設定手段)
また、制御部501が備える設定手段510は、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作(アクション)の設定の入力を受け付けるように構成されている。本実施の形態においては、設定手段510は、図3に示すようにデータ表示部505に表示されるよう構成されている。設定手段510は、図3に示すような、それぞれのエコチェック条件を識別する「ID」、エコチェック条件の名称を表示する「条件名」、「データ種別」、「判定条件」、「条件値」、「所定の動作」の各項目の設定情報が、入力手段506を用いて入力される。入力されたエコチェック条件の各項目は、エコチェック条件毎に互いに関連付けられてデータ保持部503に記憶される。
【0065】
上述の「所定の動作」としては、以下のものを例示することができる。第1の例としては、エコ運転ではない(非エコ運転である)旨の警告がデータ表示部505に表示される。第2の例としては、図2に示すメールサーバ550を介して基板処理システムの管理者PC560にメールが送信される。第3の例としては、プロセスレシピに規定された各種のパラメータ設定値が変更される。あるいは、これら第1〜第3の例を複数組み合わせた動作が実行される。
【0066】
また、設定手段510は、エコチェック条件毎の判定を実行するか否かのチェック指標を設定するように構成されている。具体的には、図3に示す、IDが「001」、「003」で示されたエコチェック条件のように、チェック指標が「有効」に設定された場合には、該当するエコチェックは実行される。これに対して、IDが「002」で示されたエコチェック条件のように、チェック指標が「無効」に設定された場合には、該当するエコチェックは実行されないように構成される。本実施の形態によれば、エコチェック条件が、全て「―」が設定されるように構成されているが、その形態は特に限定されない。
【0067】
ここで、図3で示すエコチェック条件の具体例について、以下で説明する。まず、IDが「001」で示された「アイドル時ヒータ出力チェック」について説明する。「アイドル時ヒータ出力チェック」では、基板処理装置100が直前の基板処理の完了後からその次の基板処理を開始するまでのアイドル期間(非生産時)において、ヒータ206の出力が所定の判定条件を満たすか否かがチェックされる。「アイドル時ヒータ出力チェック」では、エコ運転の判定対象として、「データ種別」に規定された「ヒータ出力」に相当するモニタデータが判定対象のデータ値として指定される。「判定条件」として規定された「アイドル期間中、条件値未満」は、アイドル期間中におけるヒータ206の出力(データ値)が条件値未満であることがエコ運転の条件として規定されている。「条件値」として規定された「90%」は、エコ運転であるか否かを実際にチェックする際にデータ値と比較される値である。すなわち、アイドル時ヒータ出力チェックでは、アイドル期間中におけるヒータ出力が90%未満であるか否かが判定される。
【0068】
引き続き、IDが「003」で示された「常時ガス流量チェック」について説明する。「常時ガス流量チェック」では、基板処理装置100が稼働している場合に、処理室201へのガス流量が所定の判定条件を満たすか否かがチェックされる。「常時ガス流量チェック」では、エコ運転の判定対象として、「データ種別」に規定された「ガス流量」に相当するモニタデータが判定対象のデータ値として指定される。「判定条件」として規定された「常時、条件値未満」は、基板処理装置が稼働している時には、処理室201へのガス流量が条件値未満であることがエコ運転の条件として規定されている。「条件値」は「20L」と規定されているので、「常時ガス流量チェック」では、処理室201内へのガス流量が所定期間あたり20L未満であるか否かを常時判定する。
【0069】
また、IDが「002」で示されたエコチェック条件では、チェック指標が「無効」に設定されている。そのため、ここではエコチェック条件の詳細な内容は表示されないように構成されている。このように、設定入力されないように構成することにより、作業員の誤設定等を抑止することができる。
【0070】
(判定手段)
制御部501が備える判定手段520は、データ保持部503に記憶されたモニタデータのうち、エコチェック条件毎のデータ種別に対応したデータ値を指定するように構成されている。そして、判定手段520は、指定したデータ値と条件値とを比較し、データ値が判定条件を満たすか否かの判定を行うように構成されている。
【0071】
また、判定手段520は、モニタデータを取得した時間におけるエコ運転状態だけでなく、同一のエコチェック条件に関し、所定の期間内の複数の判定結果に基づき、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定することができるように構成されている。
【0072】
また、判定手段520は、同一のエコチェック条件に関する判定結果について、少なくとも直近の2回分の判定結果をデータ保持部503に記憶させるように構成されている。また、制御部501は、複数のエコチェック条件の判定結果に基づき、基板処理装置100においてエコ運転がどの程度進んでいるのかを0%〜100%の範囲で数値化したエコ運転指数を算出するように構成されている。エコ運転指数は、例えば、数値が上がるにつれて(100%に近づくにつれて)エコ運転が進んでいることを示す。
【0073】
(実行手段)
実行手段530は、データ値を所定の判定条件に基づいて判定した判定結果に応じて、上述の所定の動作を実行するように構成されている。例えば、データ値が判定条件を満たさない場合に、実行手段530は、図3に示す所定の動作を実行するように構成されている。
【0074】
(表示手段)
表示手段としてのデータ表示部505は、データ値が判定条件を満たすか否かの判定結果を示すアイコンを表示するように構成されている。アイコンにより、データ表示部505には、基板処理装置100がエコ運転であるか、あるいは非エコ運転であるかが識別される。
【0075】
ここで、データ表示部505の画面構成について、一例を挙げて簡単に説明する。データ表示部505は、図4に示すように、装置状態表示エリア505X、装置状態詳細表示エリア505Y、操作ボタンエリア505Zを備えている。装置状態表示エリア505Xは、基板処理装置100のエコレベルを示すレベルメータ(アイコン)505a、判定結果を示す(エコレベル)アイコン505b等が表示されるように構成されている。装置状態詳細表示エリア505Yは、例えば、基板処理装置100から送信されたモニタデータや、それぞれのモニタデータに関連付けられたモニタデータ生成時刻、装置ID、レシピID、経過時間等が表示されるように構成されている。操作ボタンエリア505Zは、基板処理装置100の操作に係る各種ボタンが表示されるように構成されている。尚、装置状態表示エリア505Xは、画面切替に関係なく常に表示されるエリアであるため、基板処理装置100のエコレベルの監視が可能である。又、操作パネルの近傍にエコ運転パネルを設けてもよい。また、装置状態表示エリア505Xに、後述する代替エネルギーを利用した省エネ運転を示すアイコン(例えば、エコマークアイコン)を別途表示するようにしても良い。
【0076】
また、データ表示部505は、判定手段520で算出されたエコ運転指数に基づいたエコレベルを、例えば、「0」〜「5」の範囲で設定し、レベルメータ(アイコン)505aに表示させるように構成されている。エコレベルは、例えば、エコ運転の数値が上がるごとに(「5」に近づくにつれて)、エコ運転が進んでいることを示し、数値が下がるごとに(「0」に近づくにつれて)、エコ運転が進んでいないことを示すように設定される。例えば、エコ運転指数が20%未満であればエコレベルは「1」に設定され、エコ運転指数が20%以上40%未満であればエコレベルは「2」に設定され、エコ運転指数が40%以上60%未満であればエコレベルは「3」に設定され、エコ運転指数が60%以上80%未満であればエコレベルは「4」に設定され、エコ運転指数が80%以上であればエコレベルは「5」に設定される。また、必要以上に資源が消費されている場合には、エコレベルは「0」に設定される。
【0077】
また、データ表示部505は、設定されたエコレベルをモニタデータと関連付けてデータ保持部503に記憶させるように構成されている。具体的には、データ表示部505は、所定周期内に収集されたモニタデータ(データ値)、及びこれらのモニタデータに基づいて設定されたエコレベルをデータ保持部503に記憶させるように構成されている。データ保持部503に記憶されたモニタデータ及びエコレベルは、後述のトレースグラフを作成する際のデータ(以下では、「トレースグラフデータ」とも称する)として用いられる。
【0078】
また、データ表示部505は、データ値が判定条件を満たす場合と、データ値が判定条件を満たさない場合とでそれぞれ異なるアイコンを表示するように構成されている。例えば、データ表示部505は、レベルメータ505aに表示されたエコレベルに基づいたアイコン505bを表示するように構成されている。図4に示す例では、レベルメータ505aに表示されるエコレベル(図4では、エコレベル「4」)に対応させたアイコン「Eco4」が表示されている。また、データ表示部505は、判定結果を示す(エコレベル)アイコン505bを、エコチェック条件毎に表示可能なようにも構成されている。
【0079】
また、データ表示部505は、アイコン505bが選択されると、図5に示すような判定結果の詳細画面610(以下では、「判定結果詳細画面610」とも称する)を表示するように構成されている。例えば、判定結果詳細画面610には、エコチェック条件毎の判定結果やエコレベル等が表示されている。まず、エコチェック条件毎の判定結果について説明する。判定結果詳細画面610には、例えば、それぞれのエコチェック条件を示すID、判定結果を示すチェック状態、条件名、それぞれのエコチェック条件毎のデータ値が表示されている。「チェック状態」には、例えば、エコチェック条件毎に記号「■」、「□」が付され、これによりそれぞれのエコチェック条件がエコ運転であるか否かの判定結果が表示されるようになっている。記号「■」は、該当するエコチェック条件においては、データ値が判定条件を満たしていないことを示している。すなわち、記号「■」が付されたエコチェック条件に関しては、基板処理装置100はエコ運転状態ではないと判定されたことを示している。これに対して、記号「□」は、該当するエコチェック条件においては、データ値が判定条件を満たしていることを示している。すなわち、記号「□」が付されたエコチェック条件に関しては、基板処理装置100はエコ運転状態であると判定されたことを示している。
【0080】
具体的には、IDが「001」のエコチェック条件「アイドル時ヒータ出力チェック」では、図3に示すヒータ出力の条件値が「90%」であるのに対して、ヒータ出力の測定値が「95%」である。判定条件を適用してこれらの値を比較すると、ヒータ出力の測定値が判定条件を満たしていないことがわかる。したがって、「アイドル時ヒータ出力チェック」に関しては、基板処理装置100はエコ運転状態ではないと判定され、判定結果詳細画面610の「アイドル時ヒータ出力チェック」の「チェック状態」欄に記号「■」が付される。ID「003」のエコチェック条件「常時ガス流量チェック」に関しても同様に、ガス流量の条件値が「20L」であるのに対して、ガス流量の測定値が「20L」である。判定条件を適用してこれらの値を比較すると、ガス流量が判定条件を満たしていないことがわかる。したがって、「常時ガス流量チェック」に関しても、基板処理装置100は、エコ運転状態ではないと判定され、判定結果詳細画面610の「常時ガス流量チェック」の「チェック状態」欄に記号「■」が付される。これに対して、データ値が判定条件を満たす場合には、それぞれのエコチェック条件の「チェック状態」欄に記号「□」が付される。また、例えば、ID「002」のように判定を行うか否かのチェック指標が「無効」に設定されたエコチェック条件に関しても、「チェック条件」欄に記号「□」が付されるようになっている。
【0081】
次に、エコレベルの判定結果について説明する。判定結果詳細画面610には、複数のエコチェック条件の判定結果に基づいて数値化されたエコ運転指数610aと、エコ運転指数610aに基づいて設定されたエコレベルが表示されている。図5では、例えば、ID「001」〜「999」のエコチェック条件に関する判定結果に基づいて算出されたエコ運転指数が「78%」と表示されている。また、判定結果詳細画面510には、エコ運転指数「78%」に対応するエコレベル「4」が表示されている。
【0082】
また、データ表示部505は、所定周期内に収集されたモニタデータと、これらのモニタデータから算出されたエコレベルとを、時間軸を揃えて重ね合わせた一つのグラフを表示するように構成されている。トレースグラフの一例として、図6では、ヒータ出力のグラフ620aとエコレベルのグラフ620bとを重ね合わせたトレースグラフ620が示されている。以下、図6のトレースグラフ620について簡単に説明する。トレースグラフ620では、横軸が時間、縦軸がヒータ206出力、及びエコレベルを示している。横軸の時間は、例えば、モニタデータ生成時刻やプロセスレシピを開始してから経過した所定の時間(経過時間)等で表示される。縦軸のヒータ206出力は、最大出力に対する比率(0%〜100%)で表示される。また、縦軸のエコレベルは、「0」、「1」、・・・、「5」のように多段階に表示される。トレースグラフ620には、所定の期間内におけるヒータ206の出力に関するグラフ620a、及び複数のエコチェック条件に係る判定結果から算出されたエコレベルに関するグラフ620bが表示されている。グラフ620aと、620bとを重ね合わせたトレースグラフ620を表示させることにより、基板処理装置100の動作とエコレベルとが比較されやすくなっている。
【0083】
(8)エコ運転監視方法
次に、本実施形態に係るエコ運転監視プログラムを実行することによるエコ運転監視方法について以下で説明する。
【0084】
(エコチェック条件入力工程)
まず、本実施形態のエコ運転監視方法を実施するためのエコチェック条件の入力を行う。基板処理システムの作業員は、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作を、入力手段506を用いて入力する。具体的には、作業員は、図3に示すような、エコチェック条件毎の「ID」、「条件名」、「データ種別」、「判定条件」、「条件値」、「所定の動作」を、入力手段506を用いて入力する。群管理装置500が備える設定手段510は、入力されたエコチェック条件の各項目(ID、条件名、データ種別、判定条件、条件値、所定の動作)の設定を受け付け、エコチェック条件毎にデータ保持部503に記憶させる。また、それぞれのエコチェック条件に係る判定を実行するか否かを設定する「チェック指標」に関しては、作業員が入力手段506を用いて直接入力してもよいし、あるいは、プロセスレシピ等の内容に基づいてエコ運転監視プログラムにより設定手段510に適宜設定されるようにしてもよい。
【0085】
(エコ運転監視工程)
制御部501は、設定手段510において、指標が有効と指定されたID(「001」と「003」)について、エコチェック条件の各項目をデータ保持部503から読み出して共有メモリ502に保持し、「判定条件」に従ってエコ運転を監視する。判定条件で常時監視する設定であれば、メモリ502に保持したらすぐにエコ運転の監視を行い、非運転時(アイドル時等)に監視する設定であれば、非運転時に切り替わるデータ(イベントデータ)を共有メモリ502に受信したら監視が開始される。尚、判定条件でレシピ実行時に監視する設定があれば、この任意のID「***」は、レシピ及び指定ステップが開始した時点でエコ運転の監視が行われるように構成される。例えば、レシピ開始又は指定ステップ開始を示すデータ(イベントデータ)を共有メモリ502に受信したらエコ運転が開始される。
【0086】
(エコ運転判定工程)
群管理装置500が備える判定手段520は、図3に示す「チェック指標」が「有効」に設定されたエコチェック条件について、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを監視する。具体的には、制御部501は、データ保持部503に記憶されたエコチェック条件を読み出し、エコチェック条件毎の監視を開始する。
【0087】
判定手段520は、エコチェック条件毎にデータ値と条件値とを比較し、データ値が判定条件を満たすか否かの判定を行う。本実施の形態では、制御部501は、データ保持部503に記憶されたモニタデータから、それぞれのエコチェック条件のデータ種別に対応するデータ値を指定する。そして、制御部501は、指定されたデータ値と条件値とを比較し、データ値が判定条件を満たすか否かの判定を行う。
【0088】
また、判定手段520は、同一のエコチェック条件に関し、少なくとも直近の2回分の判定結果をデータ保持部503に記憶させる。また、判定手段520は、複数のエコチェック条件の判定結果に基づき、基板処理装置100においてエコ運転がどの程度進行しているのかを0%〜100%の範囲で数値化したエコ運転指数を算出する。また、判定手段520は、エコ運転指数に基づいたエコレベルを、例えば、「0」〜「5」の範囲で多段階に表示させる。
【0089】
また、データ保持部503は、モニタデータ、及びこのモニタデータに基づいて設定されたエコレベルを記憶する。具体的には、データ保持部503は、所定周期内に収集されたモニタデータ(データ値)、及びこれらのモニタデータから算出されたエコレベルを、同一のグラフで重ね合わせて表示させるためのトレースグラフデータとしてデータ保持部503に記憶する。
【0090】
また、判定手段520は、モニタデータを取得した時間におけるエコ運転状態だけでなく、同一のエコチェック条件に関する複数の判定結果に基づき、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定する。すなわち、判定手段520は、同一のエコチェック条件に関し、所定の期間内の複数の判定結果に基づいて基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを判定する。
【0091】
(所定の動作実行工程)
また、群管理装置500が備える実行手段530は、エコチェック条件毎に設定された所定の動作を実行する。例えば、実行手段530は、エコ運転ではない旨の警告をデータ表示部505に表示させる。あるいは、実行手段530は、メールサーバ550を介して基板処理システムの管理者PC560にエコ運転ではない旨の内容のメールを送信する。あるいは、実行手段530は、判定結果に基づいてプロセスレシピに規定されたパラメータ設定値を変更する。あるいは、制御部501は、これらの動作を複数組み合わせて実行する。
【0092】
(判定結果表示工程)
データ表示部505は、エコ運転判定工程における判定結果を示すアイコンを表示する。これにより、データ表示部505は、基板処理装置100がエコ運転であるか、あるいは非エコ運転であるかを表示する。具体的に説明すると、データ表示部505は、例えば、図4に示すように、算出されたエコレベルを多段階に示すレベルメータ(アイコン)505aを表示する。そして、データ表示部505は、レベルメータ(アイコン)505aに表示されたエコレベルに基づいてそれぞれ異なる(エコレベル)アイコン505bを表示する。データ表示部505は、レベルメータ505aに示されるエコレベル「4」に対応させたアイコン「Eco4」を表示する。
【0093】
また、データ表示部505は、アイコン505bが選択されると、図5に示すような判定結果詳細画面610を表示する。データ表示部505は、判定結果詳細画面610に、エコチェック条件毎の判定結果、エコチェック条件毎のモニタデータ(データ値)、エコ運転指数、エコレベル等を表示する。
【0094】
(トレースグラフ表示工程)
また、データ表示部505は、データ保持部503に記憶されたトレースデータに基づいたトレースグラフを表示する。データ表示部505は、所定の期間内におけるヒータ206の出力に関するグラフ520a、及び複数のエコチェック条件に係る判定結果から算出されたエコレベルに関するグラフ620bを表示する。
【0095】
(9)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1又は複数の効果を奏する。
【0096】
(a)本実施形態の群管理装置500では、それぞれのエコチェック条件を識別する「ID」、エコチェック条件の名称を表示する「条件名」、エコ運転であるか否かの判定対象を規定する「データ種別」、エコ運転であるか否かの判定を規定する「判定条件」、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる「条件値」、データ値が判定条件を満たさない場合に行う「所定の動作」の各項目の設定内容が、入力手段506を用いて入力され、設定手段510が、これらの設定内容を受け付けるように構成されている。そして、判定手段520は、基板処理装置100から受信したモニタデータに基づいて、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを、エコチェック条件毎に判定するように構成されている。この構成によれば、判定条件に基づいて、それぞれのエコチェック条件毎のデータ種別に対応するデータ値と条件値とが比較されるので、群管理装置500は、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを監視することが可能となる。また、基板処理システムの作業員は、判定結果に基づいた適切な措置を講ずることが可能となり、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判定された場合であっても、エコ運転状態への切り替え損ねを防ぎ、基板処理装置100を速やかにエコ運転状態に移行させることができる。
【0097】
また、判定手段520は、複数のエコチェック条件の判定結果に基づいて基板処理装置100のエコ運転指数を算出するように構成されている。この構成によれば、群管理装置500は、基板処理装置100のエコ運転状態がどの程度進行しているかを総合的に判定することができる。したがって、判定手段520は、特定のエコチェック条件に係る判定結果に影響された判定がなされる可能性を低減することができる。したがって、群管理装置500は、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かをより正確に監視することが可能となる。
【0098】
また、判定手段520は、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定することができるように構成されている。この構成によれば、判定手段520は、特定の時刻における判定結果に影響された判定がなされる可能性を低減することができる。したがって、群管理装置500は、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かをより正確に監視することが可能となる。
【0099】
例えば、基板処理装置100の使用頻度(生産頻度)が高く、アイドル期間が短い場合には、ヒータ温度を一旦低下させた後再度上昇させるよりも、ヒータ温度を保持させておいた方が消費電力の総量が抑えられる場合がある。しかしながら、特定の時刻における判定結果のみで基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを判定すると、上述の場合のように、ヒータ206への電力供給量を保持させた場合でも、結果的には消費電力が抑えられるような場合を見落としてしまう可能性がある。そこで、本実施形態のように、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定することができるようになっていれば、上述のような見落としの発生頻度を低減させることが可能となる。
【0100】
(b)本実施形態の群管理装置500では、データ値が判定条件を満たさない場合には、制御部501は、警告表示、メール送信、プロセスレシピ内のパラメータ設定値の変更等の所定の動作を実行するように構成されている。この構成によれば、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判断された場合に、制御部501は、その旨を基板処理システムの作業員に即座に知らせることが可能である。したがって、基板処理システムの作業員は、判定結果に基づいた適切な措置を講ずることが可能となり、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判定されても、エコ運転状態への切り替え損ねを防ぎ、基板処理装置100を速やかにエコ運転状態に移行させ、環境負荷を低減させることができる。
【0101】
(c)本実施形態の群管理装置500では、データ表示部505は、図4に示すような、エコレベルを多段階に示すレベルメータ(アイコン)505a、(エコレベル)アイコン505bを画面に表示するように構成されている。この構成によれば、群管理装置500は、エコ運転状態の進行具合を基板処理システムの作業員に認識させることが可能となる。したがって、基板処理システムの作業員は、表示されたエコレベルに基づいた適切な措置を講ずることが可能となる。また、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判定された場合であっても、基板処理システムの作業員は、レベルメータ(アイコン)505a、あるいは(エコレベル)アイコン505bの表示内容により、エコ運転状態への切り替え損ねを防ぎ、基板処理装置100を速やかにエコ運転状態に移行させ、環境負荷を低減させることができる。また、エコ運転指数を簡略化したエコレベルがデータ表示部505に表示されることにより、基板処理システムの作業員は、基板処理装置100の状態を認識しやすくなる。
【0102】
また、データ表示部505は、画面に表示されたアイコン505bが選択されると、判定結果の詳細画面610を表示するように構成されている。判定結果詳細画面610には、エコチェック条件毎の判定結果、モニタデータから指定された比較対象としてのデータ値、エコ運転指数の具体的数値、エコレベル等が表示される。この構成によれば、基板処理システムの作業員は、判定結果詳細画面610から判定結果の詳細を知ることができるので、基板処理装置100のエコ運転指数、エコレベルを向上させ、環境負荷を低減させるためのより適切な措置を講ずることが可能となる。
【0103】
また、データ表示部505は、データ保持部503に記憶されたトレースデータに基づいて、モニタデータとエコレベルとを重ね合わせたトレースグラフを表示するように構成されている。例えば、データ表示部505は、図6に示すような、ヒータ出力のグラフ620aとエコレベルのグラフ620bとを、時間軸を揃えて重ね合わせたトレースグラフ620を表示するように構成されている。この構成によれば、基板処理システムの作業員は、取得したモニタデータとエコレベルとを比較しながら認識することができるので、エコ運転状態ではない箇所を容易に特定し、環境負荷改善箇所を明確にすることができる。これにより、基板処理装置100がエコ運転状態ではないと判定された場合であっても、環境負荷改善箇所に基づいた適切な措置を講じて基板処理装置100を速やかにエコ運転状態に移行させることができる。また、基板処理装置100エコ運転状態であると判定された場合であっても、さらに環境負荷を改善する適切な措置を講ずることにより、基板処理装置100のエコ運転指数、エコレベルをより一層向上させ、環境負荷をより低減させることができる。
【0104】
<本発明の第1の実施形態の変形例>
以下に、本発明の第1の実施形態の変形例について説明する。本変形例は、エコ運転状態であるか否かの判定を基板処理装置100内で行うことができるように構成されている点が、第1の実施形態とは異なる。具体的には、主制御部239が、上述したエコ運転監視プログラムをデータ保持部239aから読み出し、上述の第1の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段を実現することにより、基板処理装置用コントローラ240が、上述の第1の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段として機能するように構成されている。エコチェック条件は、入力手段240bを用いて入力されるように構成されている。また、データ表示部240aは、上述の第1の実施形態における表示手段として機能するように構成されている。
【0105】
本変形例の基板処理装置100では、基板処理装置用コントローラ240が、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを判定するように構成されている。この構成によれば、群管理装置500を備える必要がないので、基板処理システムの設置面積を低減させることが可能となる。また、工程内における装置数が低減されるので、基板処理システムの消費電力を低減させることが可能となる。
【0106】
<本発明の第2の実施形態>
以下に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、エコ運転であるか否かの判定を基板処理装置100内で行うことができるように構成されている点と基板処理装置用コントローラ240内に切り替え制御部を設け、電力供給ラインの切り替えにより代替エネルギーによる省エネ運転を行うように構成されている点が、第1の実施形態とは異なる。具体的には、先ず主制御部239が、上述したエコ運転監視プログラムをデータ保持部239aから読み出し、設定手段、判定手段、実行手段を少なくとも実現することにより、基板処理装置用コントローラ240が、上述の第1の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段として機能するように構成されている。エコチェック条件は、入力手段240bを用いて入力されるように構成されている。データ表示部240aは、上述の第1の実施形態における表示手段として機能するように構成されている。尚、主制御部239が、蓄電監視プログラムをデータ保持部239aから読み出し、前記基板処理装置用コントローラ240内に後述する切り替え制御部を実現するように構成されている。
【0107】
第2の実施形態にて実行される(基板処理装置用コントローラ240で実行される)エコ運転監視プログラム自体は、第1の実施形態と同様である。但し、蓄電監視プログラムを実行して切り替え制御部を実現する構成が、第1の実施形態と異なる。ここでは、第1の実施形態と異なる点を中心に簡潔に説明する。
【0108】
図11は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置100と基板処理装置100に接続される発電ユニットとしての補助発電システム300との概略構成図である。第2の実施形態における基板処理装置内コントローラ240は、第1の実施形態における基板処理装置内コントローラ240と基本的には同じ構成である。本実施の形態によれば、エコ運転監視プログラムが基板処理装置内コントローラ240で実行される他、蓄電監視プログラムが基板処理装置用コントローラ240で実行されることにより、上記補助発電システム300から電力を供給するライン(第2電力供給ライン)12と商用電力を供給するライン(第1電力供給ライン)11とを切り替える切り替え制御部336が、基板処理装置内コントローラ240に実現されている。
【0109】
まず、第2の実施形態におけるエコ運転監視プログラムに関して説明する。ここで、図10は、本発明の第2の実施形態における、エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。
【0110】
(設定手段)
第2の実施形態において、主制御部239により実現される設定手段は、図3に示される設定手段と同じ構成である。第2の実施形態における設定手段は、図10に示すようにデータ表示部240aに表示されるよう構成されている。図10に示す設定手段は、図3に示す設定手段と同様に、それぞれのエコチェック条件を識別する「ID」、エコチェック条件の名称を表示する「条件名」、エコ運転であるか否かの判定対象を規定する「データ種別」、エコ運転であるか否かの判定を規定する「判定条件」、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる「条件値」、データ値が前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行われる「所定の動作」の各項目の設定情報が、入力手段240bを用いて入力されるように構成される。入力されたエコチェック条件の各項目は、エコチェック条件毎に互いに関連付けられてデータ保持部239aに記憶される。尚、図3と同じエコチェック条件については説明を省略する。
【0111】
ここで、図10で示すエコチェック条件の具体例について、以下で説明する。まず、IDが「101」で示された「バッテリ蓄電量チェック」について説明する。「バッテリ蓄電量チェック」では、基板処理装置100が電源を供給されている間(シャットダウンして装置停止している間以外の間)において、バッテリの蓄電量が所定の判定条件を満たすか否かがチェックされる。「バッテリ蓄電量チェック」では、エコ運転の判定対象として、「データ種別」に規定された「蓄電量」に相当するモニタデータが判定対象のデータ値として指定される。「判定条件」として規定された「条件値未満」は、バッテリの蓄電量が条件値未満であることがエコ運転の条件として規定されている。「条件値」として規定された「100%」は、エコ運転であるか否かを実際にチェックする際にバッテリに蓄電できる最大電力量に対して比較される値である。この場合、蓄電量が最大電力量「100%」に達しているか判定される。また、IDが「104」で示された「IDLEモード時、バッテリ蓄電量チェック」やIDが「105」で示された「RUNモード時、バッテリ蓄電量チェック」についても同様に、バッテリ内の蓄電量が蓄電できる最大電力量か否か判定される。「IDLEモード時、バッテリ蓄電量チェック」では、IDLE(アイドル)期間中にのみ判定(チェック)され、「RUNモード時、バッテリ蓄電量チェック」では、RUN(レシピ実行)中に、成膜ステップ以外で判定(チェック)される。次に、IDが「102」で示された「IDLEモード時、省エネ運転」について説明する。「データ種別」に規定された「イベント」に相当するイベントデータが判定対象のデータとして指定される。よって、「IDLEモード時、省エネ運転」では、IDLE(アイドル)期間中に、所定の判定条件を満たす所定のイベントが発生したか否かがチェックされる。「判定条件」として規定された「ON」は、省エネ運転を示す所定のイベントの発生を示すデータ、即ち電力供給ラインの切り替えを示すイベントデータが省エネ運転の条件として規定されていることを示す。「条件値」は規定されないので「―」が表示されている。また、IDが「103」で示された「RUNモード時、省エネ運転」についても同様に、RUN(レシピ実行)中に、成膜ステップ以外で、所定の判定条件を満たす省エネ運転を示す所定のデータが発生したか否かがチェックされる。
【0112】
(判定手段)
主制御部239により実現される判定手段は、データ保持部239aに記憶されたデータのうち、エコチェック条件毎のデータ種別に対応したデータ値と条件値とを比較し、データ値が判定条件を満たすか否かの判定を行うように構成されている。また、判定手段は、モニタデータ等のデータを取得した時間におけるエコ運転状態だけでなく、同一のエコチェック条件に関し、所定の期間内の複数の判定結果に基づき、基板処理装置100がエコ運転状態であるか否かを経時的に判定することができるように少なくとも構成されている。更に、判定手段は、エコチェック条件に応じて所定のイベントデータの発生有無により判定を行うように構成されている。
【0113】
(実行手段)
実行手段は、データ値が判定条件に基づいて比較した結果に応じて、図10に示す設定手段に設定されている所定の動作を実行するように構成されている。具体的には、例えば、「条件値」で規定されるデータ値が判定条件を満たさない場合に、所定の動作を実行するように構成されている。
【0114】
上述の「所定の動作」としては、第1の実施の形態と以下のように同じものを例示することができる。第1の例としては、図10にも示されるように、エコ運転ではない(非エコ運転である)旨の警告がデータ表示部240aに表示される。第2の例としては、図示しないメールサーバを介して、例えば、基板処理システムの管理者PCにメールが送信される。第3の例としては、プロセスレシピに規定された各種のパラメータ設定値が変更される。あるいは、これら第1〜第3の例を複数組み合わせた動作が実行される。
【0115】
また、本実施形態(第2の実施形態)のように、第1の実施形態と異なり、後述するような基板処理装置用コントローラ240内に切り替え制御部を設け、電力供給ラインの切り替えにより省エネ運転を行う場合、「条件値」で規定されるデータ(イベントデータ)が判定条件を満たしたら(発生したら)「所定の動作」を実行するように構成しても良い。例えば、電力供給ラインの切り替えが行われていれば(電力供給ラインの切り替えを示すイベントデータが発生していれば)、省エネ運転である旨のエコマーク(アイコン等)をデータ表示部240aに表示されるように構成しても良い。
【0116】
尚、上記設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムにより実現される各種工程(エコ運転判定工程等)については、第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0117】
次に、図11を用いて、第1電力供給ライン11、第2電力供給ライン12が接続される切り替え制御部336の周辺構成を含め、本実施形態に係る基板処理装置100及び補助発電システム300の構成について説明する。
【0118】
図11に示すとおり、電力供給を受けて動作する基板処理装置100の備える切り替え制御部336には、例えば半導体装置製造工場の設備側から電力を供給する第1電力供給ライン11と、燃料電池311によって発電された電力を供給する第2電力供給ライン12とが接続されている。半導体装置製造工場の設備側から供給される電力としては、例えば発電所から供給される商用交流電力等がある。第2電力供給ライン12には、例えば燃料電池311を備える補助発電システム300が接続されている。
【0119】
補助発電システム300は、燃料発電部としての燃料電池ユニット310と、水蒸気発生部としての水蒸気発生装置320sと、水蒸気発電部としての蒸気発電ユニット320と、を備えている。
【0120】
燃料電池ユニット310は、燃料電池311のほか、例えば燃料電池311に供給する水素含有ガスを天然ガス等から得る改質装置や、燃料電池311に酸素含有ガスを含む空気を供給する空気供給装置、排熱・排水回収装置等(いずれも図示せず)を備えている。燃料電池311は、水素ガス(H2)等の水素含有ガスと、酸素(O2)ガスや一酸化炭素(CO)ガス等の酸素含有ガスを燃焼させて、例えば直流電力を発電するように構成される。また、燃料電池ユニット310は、得られた電力を第2電力供給ライン12へと送電するように構成される。発電時に発生した排熱や水(H2O)は、排熱・排水回収装置により回収され、水蒸気発生装置330へと供給するように構成される。
【0121】
水蒸気発生装置330は、例えば水循環装置や熱交換装置等(いずれも図示せず)を備え、燃料電池ユニット310で発生した水と排熱とを利用して水蒸気を発生させるように構成される。また、水蒸気発生装置330は、発生させた水蒸気を蒸気発電ユニット320へと供給するように構成される。
【0122】
蒸気発電ユニット320は、例えば図示しない蒸気タービン等を備え、水蒸気発生装置330で発生させた水蒸気を利用して、例えば直流電力を発電するように構成される。また、蒸気発電ユニット320は、得られた電力を、燃料電池ユニット310で得られた電力とともに、第2電力供給ライン12へと送電するように構成される。
【0123】
このように、本実施形態に係る補助発電システム300では、水蒸気発生装置330及び蒸気発電ユニット320によって、燃料電池ユニット310で生じた水及び排熱をさらに有効活用している。また、補助発電システム300は、基板処理装置100の近傍への設置が可能であるから、送電による電力損失を抑制できる。これにより、例えば発電時に発生する排熱の利用があまり進んでおらず、送電による電力損失も大きい商用電源等に比べ、補助発電システム300のエネルギー効率を高めることができる。また、燃料電池ユニット310も蒸気発電ユニット320もともに、商用電源等と異なり、発電時にCO2やNOx等の大気汚染物質を大量に発生させることもない。
【0124】
第1電力供給ライン11及び第2電力供給ライン12からそれぞれ電力供給を受ける基板処理装置100は、処理炉202及び上述の各部構成(図示せず)と、蓄電部としてのバッテリ347と、制御装置としての基板処理装置用コントローラ240に含まれる切り替え制御部336とを備えている。切り替え制御部336には、第1電力供給ライン11及び第2電力供給ライン12がそれぞれ接続されている。バッテリ347は、第2電力供給ライン12上に設けられ、第2電力供給ライン12は、バッテリ347を介して切り替え制御部336に接続される。
【0125】
バッテリ347は、補助発電システム300が備える燃料電池ユニット310により発電された電力と、蒸気発電ユニット320により発電された電力とを蓄電するように構成される。切り替え制御部336は、第1電力供給ライン11と、バッテリ347を介する第2電力供給ライン12との切り替えを行うように構成される。切り替え制御部336の切り替えにより第1電力供給ライン11又は第2電力供給ライン12から供給された電力は、装置内電力供給ライン13によって処理炉202をはじめとする基板処理装置100の各部へと供給される。
【0126】
なお、第1電力供給ライン11から基板処理装置100へと供給される電力は、例えば商用電源等からの交流電力であり、第2電力供給ライン12から基板処理装置100へと供給される電力は、例えばバッテリ347を介する直流電力である。基板処理装置100は、第1電力供給ライン11からの交流電力の一部又は全部を、図示しないインバータを介して直流電力に変換したうえで、装置内電力供給ライン13から基板処理装置100の各部へと供給するように構成されていてもよい。また、第2電力供給ライン12からの直流電力の一部又は全部を、図示しないインバータを介して交流電力に変換したうえで、装置内電力供給ライン13から基板処理装置100の各部へと供給するように構成されていてもよい。
【0127】
このように、本実施形態に係る基板処理装置100は、第1電力供給ライン11によって商用電力の供給を受けると共に、第2電力供給ライン12によって燃料電池311で発電された電力の供給を受けるように構成されている。これにより、技術的な信頼性や安定性を有する商用電力を利用して基板処理装置100の安定的な稼働を確保しつつ、燃料電池311で発電された電力を利用して基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0128】
また、本実施形態に係る基板処理装置100は、補助発電システム300により発電された電力を蓄電するバッテリ347を備えている。これにより、補助発電システム300により発電された余剰電力を蓄電することができ、電力の無駄を低減することができる。また、補助発電システム300の始動から安定稼働までに時間を要する場合や、基板処理装置100で必要とされる電力が一時的に補助発電システム300の発電量を超えてしまう場合であっても、バッテリ347から電力を得ることができ、基板処理装置100への電力供給をいっそう安定化することができる。
【0129】
本実施形態(第2の実施形態)によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
【0130】
(a)本実施形態によれば、基板処理装置100は、商用電力を供給する第1電力供給ライン11と、燃料電池311によって発電された電力を供給する第2電力供給ライン12と、の切り替えを行う切り替え制御部336を備える。これにより、技術的な信頼性や安定性を有する商用電力を利用して基板処理装置100の安定的な稼働を確保しつつ、燃料電池311で発電された電力を利用して基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0131】
(b)また、第2電力供給ライン12に接続される補助発電システム300は、燃料電池311により水素含有ガスと酸素含有ガスとを燃焼させて発電する燃料電池ユニット310を備える。これにより、商用電源等と異なり、発電時にCO2やNOx等の大気汚染物質を大量に発生させることがなく、多大な電力が消費される基板処理装置100において、地球温暖化防止に貢献することが可能である。
【0132】
(c)また、補助発電システム300は、燃料電池ユニット310で発生した水と排熱とを利用して水蒸気を発生させる水蒸気発生装置330と、水蒸気発生装置330で発生させた水蒸気を利用して発電する蒸気発電ユニット320と、をさらに備える。これにより、燃料電池ユニット310で生じた水及び排熱を利用して、補助発電システム300全体の発電量をさらに増すことができ、補助発電システム300のエネルギー効率をいっそう高めることができる。燃料電池ユニット310で生じた水と廃熱とを利用しているので、発電時にCO2やNOx等の大気汚染物質を大量に発生させることもない。
【0133】
(d)また、本実施形態によれば、基板処理装置100は、燃料電池ユニット310により発電された電力と、蒸気発電ユニット320により発電された電力と、を蓄電するバッテリ347を備える。これにより、補助発電システム300により発電された余剰電力を蓄電することができ、電力の無駄を低減することができる。また、補助発電システム300が安定稼働するまでの間や、基板処理装置100において大容量の電力が必要な場合であっても、基板処理装置100への電力供給を安定的に行うことができる。
【0134】
(e)また、本実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同等の設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における効果を奏することができるのはいうまでもない。
【0135】
(f)また、切り替え制御部が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、更に、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合いが把握できる。
【0136】
図12は、本発明の第2の実施形態における第1の具体例を示す。本実施形態に係る制御装置240、特に、切り替え制御部336に実現される監視部(図示しない)の動作について、図12を参照しながら説明する。図12は、本実施形態に係る切り替え制御部336による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、基板処理装置内コントローラとしての制御装置240の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0137】
制御装置240の備えるデータ保持部としての記憶部239eから、蓄電監視プログラムやデータベースプログラムが読み出されて、主制御部239に実行されることにより、図示しない監視部やデータベース部が起動する。
【0138】
図12に示すように、蓄電監視プログラムを実行することにより起動された監視部は、バッテリ347の監視を開始し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する(S210)。所定値以上のときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S221)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる(S231)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0139】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには(S210→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S222)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる(S232)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。以上により、制御装置240による電力供給切り替えの動作を終了する。尚、本実施の形態において、図10に示す設定手段により条件値「100%」と規定されているので、上記所定値は、バッテリ336bに蓄電できる最大電力量である。従い、所定値は、設定手段の「条件値」の設定値により、変更することができる。
【0140】
また、監視部は、第2電力供給ライン12からの電力供給中、電力消費量を監視し、データベース部に格納する。また、監視部は、所定のタイミングで係る電力消費量を読み出し、データ表示部240aにそれぞれ表示させるように構成しても良い。
【0141】
本実施形態(第1の具体例)においても、上述の第2の実施形態と同様の効果を奏するのはいうまでもない。
【0142】
(a)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、バッテリ347に蓄電された蓄電量を監視し、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量以上の場合、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせ、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量未満の場合、第1電力供給ライン11から電力供給を行わせるように構成される。これにより、バッテリ347の蓄電量が不充分であるときは、商用電力を基板処理装置100に供給することで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、バッテリ347の蓄電量が充分であるときは、燃料電池311からの電力を使用することで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0143】
(b)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、燃料電池311からの電力の消費量を監視し、データベース部に読み出し可能に格納し、また、この電力消費量をデータ表示部240a等に表示させる。これにより、商用電力の消費をどれだけ低減できたかがわかる。
【0144】
(c)また、本実施形態によれば、蓄電監視プログラムより、切り替え制御部336が第1電力供給ラインから第2の電力供給ラインに切り替えたときに、この切り替えイベントを、図示しない共有メモリを介して主制御部239の設定手段に送信し、判定手段がこのイベントデータにより省エネ運転をしていると判断して、実行手段がデータ表示部240a等に省エネ運転を示すアイコン(エコマークアイコン)を表示させるように構成してもよい。これにより、基板処理装置100がエコ運転(商用電力の消費を低減していること)を行っているかの監視が可能である。
【0145】
(d)また、本実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同等の設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における各効果も奏することができるのはいうまでもない。
【0146】
(e)更に、第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0147】
図13は、本発明の第2の実施形態における第2の具体例を示す。ここで、基板処理装置100は、例えばIDLEモードやRUNモードなどの複数の装置状態を有している。このような個々の装置状態において、基板処理装置100が消費する電力量は一定ではない。一方で、上述のように、補助発電システム300においては発電量の上限に制約が生じる場合がある。
【0148】
そこで、本実施形態(第2の具体例)においては、制御装置240が備える切り替え制御部336が、基板処理装置100の装置状態に応じて電力供給ライン11,12の切り替えを行う。本実施形態に係る制御装置240は、それ以外の点については上述の実施形態(第1の具体例)と同様の構成を備える。以下、本実施形態に係る制御装置240の動作について説明する。図13は、本実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、制御装置の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0149】
本実施形態に係る切り替え制御部336は、主制御部239に実現される図示しない遷移指示部が、基板処理装置100を所定の装置状態に遷移させるごとに、前記遷移指示部から、装置状態の情報を受け取るように構成されている。係る情報のやり取りは、例えば制御装置240が備える図示しない共有メモリを介してなされる。
【0150】
図13に示すように、切り替え制御部336は、基板処理装置100の装置状態がIDLEモードかどうかを判断する(S310)。IDLEモードのときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S321)。供給中であれば(YESへ)、第2電力供給ライン12への切り替えを行う(S331)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続する。
【0151】
また、IDLEモードではないときには(S310→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S322)。供給中であれば(YESへ)、第1電力供給ライン11への切り替えを行う(S332)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置240による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0152】
上述のように、基板処理装置100においては、基板処理装置100の安定稼働の必要性から、基板処理を行っていない時間帯は基板処理装置100をIDLEモードとし、電力供給を継続している。よって、上記のように少なくともIDLEモードとなっている間、第2電力供給ライン12からの電力供給を行わせることで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑制することができる。
【0153】
また、基板処理装置100がIDLEモードのときには、上述のように、例えばヒータ206への電力供給が停止されており、RUNモードのときなどと比較して、基板処理装置100における電力消費量は低く抑えられている。また、ウエハ移載機構等の搬送機構などが原点位置で駆動停止しているなど各部の動作も少ないため、電力消費量が略一定で、単位時間当たりに必要な電力量の予測も立てやすい。
【0154】
したがって、上記のように、IDLEモードのときには第2電力供給ライン12から電力供給を行わせ、電力消費量が多く必要量の予測も立て難いそれ以外のモードのときには第1電力供給ライン11から電力供給を行わせることで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保しつつ、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0155】
なお、上述の切り替え制御部336のように、本実施形態に係る切り替え制御部にバッテリ347の監視機能を付与した場合、基板処理装置100の一層の安定稼働を図ることができ、また、基板処理装置100における商用電力の消費の抑制がいっそう容易となる。
【0156】
また、本実施形態によれば、エコ運手監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における各効果も奏することができるのはいうまでもない。
よって、本実施形態によれば、IDLEモードへの移行を検知して、切り替え制御部336が第1電力供給ラインから第2の電力供給ラインに切り替えたときに、この切り替えイベントを、図示しない共有メモリを介して主制御部239の設定手段に送信し、判定手段がこのイベントデータにより省エネ運転をしていると判断して、実行手段がデータ表示部240a等に省エネ運転を示すアイコン(エコマークアイコン)を表示させるように構成されている。これにより、基板処理装置100がエコ運転(商用電力の消費を低減していること)を行っているかの監視が可能である。
更に、切り替え制御部が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0157】
図14は、本発明の第2の実施形態における第3の具体例を示す。
【0158】
基板処理装置100では、例えばRUNモード中に、成膜ステップ等を含む基板処理工程が実施される。このとき、基板処理の内容によっては、所定のステップ、例えば成膜ステップの継続時間が長時間に及ぶ場合がある。一方で、上述のように、発電量の上限に制約があるなどの理由から、補助発電システム300においては電力供給の継続時間に制限が生じる場合がある。
【0159】
そこで、本実施形態においては、制御装置240が備える切り替え制御部239が、実施中のステップに応じて電力供給ライン11,12の切り替えを行う。本実施形態に係る制御装置240は、それ以外の点については上述の実施形態(第2の具体例)と同様の構成を備える。以下、本実施形態に係る制御装置240の動作について説明する。図14は、本実施形態に係る切り替え制御部336による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、制御装置の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0160】
本実施形態に係る切り替え制御部336は、例えばスイッチングハブを介して各種制御部から、実施中のステップの情報を受け取る。係る情報のやり取りは、例えば制御装置240が備える図示しない共有メモリを介してなされる。
【0161】
図14に示すように、切り替え制御部は、例えば成膜ステップ以外のステップを実施中かどうか判断する(S410)。成膜ステップ以外のステップを実施中のときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S421)。供給中であれば(YESへ)、第2電力供給ライン12への切り替えを行う(S431)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続する。
【0162】
また、成膜ステップを実施中のときには(S410→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S422)。供給中であれば(YESへ)、第1電力供給ライン11への切り替えを行う(S432)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0163】
上述のように、基板処理工程においては、酸素(O2)ガスや窒素(N2)ガス等を拡散させてウエハ100に酸化膜や窒化膜等の成膜をするなど、基板処理の内容によっては、例えば成膜ステップの継続時間が長時間に及ぶ場合がある。また、成膜ステップは、他のステップに比べて基板処理特性や歩留まりに与える影響が大きく重要度が高い。
【0164】
したがって、上記のように、処理室201内を所定条件に維持して例えばウエハ200に成膜を行う成膜ステップでは、長時間の電力供給に適した第1電力供給ライン11から電力供給を行わせることで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、それ以外の各ステップでは、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせることで、商用電力の消費を抑えることができる。
【0165】
なお、切り替え制御部336のように、本実施形態に係る切り替え制御部にバッテリ347の監視機能を付与した場合、基板処理装置100の一層の安定稼働を図ることができ、また、基板処理装置100における商用電力の消費の抑制がいっそう容易となる。
【0166】
また、本実施形態によれば、エコ運手監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における効果を奏することができるのはいうまでもない。よって、本実施形態によれば、RUNモード中に、成膜ステップ以外のステップに移行したことを検知した切り替え制御部336が、第1電力供給ラインから第2の電力供給ラインに切り替えたときに、この切り替えイベントを、図示しない共有メモリを介して主制御部239の設定手段に送信し、判定手段がこのイベントデータにより省エネ運転をしていると判断して、実行手段がデータ表示部240a等に省エネ運転を示すアイコンを表示させるように構成されている。これにより、基板処理装置100がエコ運転(商用電力の消費を低減していること)を行っているかの監視が可能である。更に、切り替え制御部が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0167】
図15は、本発明の第2の実施形態における第4の具体例を示す。図15に示すように、本実施の形態(第4の具体例)は、第1の具体例と第2の具体例を組み合わせた内容となっている。以下、本実施形態に係る制御装置の動作について説明する。図15は、本実施形態に係る切り替え制御部336による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、制御装置の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0168】
図15に示すように、切り替え制御部336は、基板処理装置100の装置状態がIDLEモードかどうかを判断する(S510)。IDLEモードのとき(YESへ)、蓄電監視プログラムを実行することにより起動された監視部は、バッテリ347の監視を実行し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する(S520)。所定値以上のときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S531)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる(S541)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0169】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには(S520→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S532)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部236に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる(S542)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。
【0170】
また、IDLEモードではないときには(S510→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S532)。供給中であれば(YESへ)、第1電力供給ライン11への切り替えを行う(S542)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0171】
また、監視部は、第2電力供給ライン12からの電力供給中、電力消費量を監視し、データベース部に格納する。監視部は、所定のタイミングで係る電力消費量を読み出し、データ表示部240aにそれぞれ表示させる。
【0172】
本実施形態(第4の具体例)においては、上述したそれぞれの実施形態(第1の具体例と第2の具体例)と同様の効果を奏する。
【0173】
(a)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、バッテリ347に蓄電された蓄電量を監視し、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量以上の場合、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせ、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量未満の場合、第1電力供給ライン11から電力供給を行わせるように構成される。これにより、バッテリ347の蓄電量が不充分であるときは、商用電力を基板処理装置100に供給することで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、バッテリ347の蓄電量が充分であるときは、燃料電池311からの電力を使用することで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0174】
(b)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、燃料電池311からの電力の消費量を監視し、データベース部に読み出し可能に格納し、また、この電力消費量をデータ表示部240a等に表示させる。これにより、商用電力の消費をどれだけ低減できたかがわかる。
【0175】
(c)また、本実施形態によれば、蓄電監視プログラムより、切り替え制御部336が第1電力供給ラインから第2の電力供給ラインに切り替えたときに、この切り替えイベントを、図示しない共有メモリを介して主制御部239の設定手段に送信し、判定手段がこのイベントデータによりエコ運転をしていると判断して、実行手段がデータ表示部240a等にエコ運転を示すアイコンを表示させるように構成してもよい。これにより、基板処理装置100がエコ運転(商用電力の消費を低減していること)を行っているかの監視が可能である。
【0176】
(d)また、本実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同等の設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における各効果も奏することができるのはいうまでもない。更に、エコ運転監視プログラムにより、切り替え制御部336が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0177】
(e)上述のように、基板処理装置100においては、基板処理装置100の安定稼働の必要性から、基板処理を行っていない時間帯は基板処理装置100をIDLEモードとし、電力供給を継続している。よって、上記のように少なくともIDLEモードとなっている間、蓄電監視プログラムを実行して蓄電量を監視して、所定の条件(例えば、設定手段における『条件値』)を満たしていたら、第2電力供給ライン12からの電力供給(省エネ運転)を行わせることで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑制することができる。
【0178】
(f)また、基板処理装置100がIDLEモードのときには、上述のように、例えばヒータ206への電力供給が停止されており、RUNモードのときなどと比較して、基板処理装置100における電力消費量は低く抑えられている。また、ウェハ移載機構などの搬送機構などが原点位置で駆動停止しているなど各部の動作も少ないため、電力消費量が略一定で、単位時間当たりに必要な電力量の予測も立てやすい。したがって、上記のように、IDLEモードのときに、蓄電監視プログラムを実行して所定の条件を満たせば、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせることで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保しつつ、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0179】
図16は、本発明の第2の実施形態における第5の具体例を示す。図16に示すように、本実施の形態(第5の具体例)は、第1の具体例と第3の具体例を組み合わせた内容となっている。以下、本実施形態に係る制御装置の動作について説明する。図16は、本実施形態に係る切り替え制御部による電力供給ラインの切り替えのフロー図である。なお、制御装置の動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0180】
本実施形態に係る切り替え制御部336は、例えばスイッチングハブを介して各種制御部から、実施中のステップの情報を受け取る。係る情報のやり取りは、例えば制御装置が備える図示しない共有メモリを介してなされる。
【0181】
図16に示すように、切り替え制御部336は、例えば成膜ステップ以外のステップを実施中かどうか判断する(S610)。成膜ステップ以外のステップを実施中のときには(YESへ)、蓄電監視プログラムを実行することにより起動された図示しない監視部は、バッテリ347の監視を開始し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する(S620)。所定値以上のときには(YESへ)、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する(S631)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる(S641)。供給中でなければ(NO)、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0182】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには(S620→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S632)。供給中であれば(YESへ)、切り替え制御部336に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる(S642)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。
【0183】
また、成膜ステップを実施中のときには(S610→NOへ)、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する(S632)。供給中であれば(YESへ)、第1電力供給ライン11への切り替えを行う(S642)。供給中でなければ(NO)、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0184】
また、監視部は、第2電力供給ライン12からの電力供給中、電力消費量を監視し、データベース部に格納する。また、監視部は、所定のタイミングで係る電力消費量を読み出し、データ表示部240aにそれぞれ表示させるように構成しても良い。
【0185】
本実施形態(第5の具体例)において、上述したそれぞれの実施形態(第1の具体例と第3の具体例)と同様の効果を奏する。
【0186】
(a)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、バッテリ347に蓄電された蓄電量を監視し、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量以上の場合、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせ、蓄電量が基板処理装置100を動作させるのに充分な電力量未満の場合、第1電力供給ライン11から電力供給を行わせるように構成される。これにより、バッテリ347の蓄電量が不充分であるときは、商用電力を基板処理装置100に供給することで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、バッテリ347の蓄電量が充分であるときは、燃料電池311からの電力を使用することで、基板処理装置100における商用電力の消費を抑えることができる。
【0187】
(b)また、本実施形態によれば、切り替え制御部336は、燃料電池311からの電力の消費量を監視し、データベース部に読み出し可能に格納し、また、この電力消費量をデータ表示部240a等に表示させる。これにより、商用電力の消費をどれだけ低減できたかがわかる。
【0188】
(c)上述のように、基板処理工程においては、酸素(O2)ガスや窒素(N2)ガス等を拡散させてウエハ100に酸化膜や窒化膜等の成膜をするなど、基板処理の内容によっては、例えば成膜ステップの継続時間が長時間に及ぶ場合がある。また、成膜ステップは、他のステップに比べて基板処理特性や歩留まりに与える影響が大きく重要度が高い。したがって、上記のように、処理室201内を所定条件に維持して例えばウエハ200に成膜を行う成膜ステップでは、長時間の電力供給に適した第1電力供給ライン11から電力供給を行わせることで、基板処理装置100の安定的な稼働をより確実に確保することができる。また、それ以外の各ステップでは、蓄電監視プログラムを実行して蓄電量を監視して、所定の条件(例えば、設定手段における『条件値』)を満たしていたら、第2電力供給ライン12から電力供給を行わせることで、商用電力の消費を抑えることができる。
【0189】
(d)また、本実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同等の設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムが実行されているので、第1の実施形態における各効果も奏することができるのはいうまでもない。更に、このエコ運転監視プログラムにより、切り替え制御部336が動作(第1電力供給ライン11から第2電力供給ライン12への切り替えを示すデータが発生)した場合、省エネ運転に切り替わったことを示すエコマークアイコンが、操作画面に表示されるので、補助発電システム300で発生された電力(第2電力供給ライン12の電力)に関するエコ運転の度合い(レベル)が把握できる。
【0190】
本発明の第2の実施形態における第6の具体例は、第1の具体例と第2の具体例と第3の具体例を組み合わせた内容である。以下、本実施形態に係る制御装置の動作について説明する。
【0191】
切り替え制御部336は、基板処理装置100の装置状態がIDLEモードかどうかを判断する。IDLEモードのとき、蓄電監視プログラムを実行することによりバッテリ347の監視を開始し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する。所定値以上のときには、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる。供給中でなければ、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0192】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、切り替え制御部336に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる。供給中でなければ、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。
【0193】
また、IDLEモードではないとき、切り替え制御部336は、成膜ステップ以外のステップを実施中かどうか判断する。成膜ステップ以外のステップを実施中のときには、蓄電監視プログラムを実行することによりバッテリ347の監視を開始し、蓄電量が所定値以上かどうかを判断する。所定値以上のときには、第1電力供給ライン11から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、切り替え制御部336に第2電力供給ライン12への切り替えを行わせる。供給中でなければ、第2電力供給ライン12からの供給を継続させる。
【0194】
また、バッテリ347の蓄電量が所定値未満のときには、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、切り替え制御部336に第1電力供給ライン11への切り替えを行わせる。供給中でなければ、第1電力供給ライン11からの供給を継続させる。
【0195】
また、成膜ステップを実施中のときには、第2電力供給ライン12から電力を供給中かどうか判断する。供給中であれば、第1電力供給ライン11への切り替えを行う。供給中でなければ、第1電力供給ライン11からの供給を継続する。以上により、本実施形態に係る制御装置による電力供給切り替えの動作を終了する。
【0196】
本実施の形態(第6の具体例)によれば、第1の具体例と第2の具体例と第3の具体例のそれぞれで上述した効果を奏する。
【0197】
上述の本発明の第2の実施形態(第1から第6までのそれぞれの具体例)では、燃料電池ユニット310は、天然ガスの改質装置や空気供給装置を備え、天然ガスや空気から、水素含有ガスと酸素含有ガスとをそれぞれ得ることにしたが、基板処理装置でH2ガスやO2ガスを使用するような場合には、これらのH2ガス源やO2ガス源を燃料電池ユニット310においても用いるようにしてもよい。特に、例えばキャリアガスとしてほとんど未反応の状態で、常時、H2ガスやO2ガスを処理室内へと供給・排気して基板処理装置を運用しているような場合には、基板処理装置の排気側から燃料電池ユニットへとH2ガスやO2ガスを取り込むことで、さらなる資源の有効活用が可能となる。また、燃料電池ユニットにて改質装置等の構成を省くことができ、燃料電池ユニットをさらに小型化することが可能となる。
【0198】
上述の本発明の第2の実施形態(第1から第6までのそれぞれの具体例)では、エコ運転監視プログラムと蓄電監視プログラムのそれぞれを実行させることにより、省エネ運転への移行(基板処理装置100への電力供給を商用電力から補助発電システム300で発生された電力への切り替え)を表示させるだけでなく、その省エネ運転におけるエコ運転状態(エコレベル)の把握が可能である。例えば、省エネ運転への切り替えを示すイベントデータとエコ運転状態を示すデータとして設定された複数のモニタデータによりエコ運転指数を算出することにより、エコ運転(商用電力の消費を低減していること)の状態を把握することができる。
【0199】
<本発明の第2の実施形態の変形例>
以下に、本発明の第2の実施形態の変形例について説明する。本変形例は、データ保持部503にエコ運転監視プログラムと蓄電監視プログラムを少なくとも保持しておき、制御部501によりそれぞれのプログラムが実行されることにより実現される。具体的には、制御部501が、起動されると、上述したエコ運転監視プログラムや蓄電監視プログラムをデータ保持部503から読み出し、上述の第2の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段を実現することにより、群管理装置500が、上述の第1の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段として機能するように構成されている。また、群管理装置500が、蓄電監視プログラムが実行されると、切り替え制御部336により電力供給ラインの切り替え制御ができるように構成されている。尚、エコチェック条件は、入力手段506を用いて入力されるように構成されている。
【0200】
また、発電ユニット300として本実施の形態における構成に限定されず、例えば、後述するように、駆動手段の動力を利用して発電する発電ユニットを設けてもよい。
【0201】
<本発明のその他の実施形態>
本発明は、基板処理装置100と群管理装置500とが同じフロア(同じクリーンルーム内)に配置される場合に限定されない。例えば、基板処理装置100をクリーンルーム内に配置すると共に、群管理装置500を事務所内(クリーンルームとは異なるフロア)に配置し、レシピの進行状況や基板処理装置100の状態を遠隔から監視するようにしてもよい。同様に本発明の第1の実施形態や第2の実施形態によれば、補助発電システム(発電ユニット)300が基板処理装置100または群管理装置500と一体となった構成であったが、特に、このような構成には限定されない。次に、本発明の第3の実施形態において、補助発電システム(発電ユニット)300が基板処理装置100及び群管理装置500と別体とした構成について説明する。
【0202】
<本発明の第3の実施形態>
【0203】
図18は、本発明の第3の実施形態における基板処理システム36を示す図である。尚、該基板処理システム36では、前記基板処理装置1と、PC等の管理装置54とが同一のフロア(クリーンルーム)内に設置されているものとする。尚、本実施の形態において、エコ運転監視プログラムが実行されることにより実現される上記設定手段、判定手段、実行手段は、上述の第2の実施形態における設定手段、判定手段、実行手段と同じ機能であるのはいうまでもない。また、蓄電監視プログラムの内容についても、第2の実施形態と略同様であるが、第2の実施形態においては基板処理装置コントローラ240内に切り替え制御部336を設けたのに対して、蓄電監視プログラムを実行する供給電力切り替えコントローラ49を基板処理装置コントローラ240と個別に設けた点が異なる。よって、この構成の違いについて簡潔に以下説明していく。
【0204】
図17は、本発明の第3の実施形態における、エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図である。図17は、図10に示す第2の実施形態における、エコチェック条件の設定内容の一覧を例示する図とほぼ同じである。従い、以下簡単な説明に留める。
【0205】
(設定手段)
また、PC等の管理装置54が備える設定手段は、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、データ種別に対応しモニタデータから指定されるデータ値が判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及びデータ値が判定条件を満たさない場合に行う所定の動作(アクション)の設定の入力を受け付けるように構成されている。図17に示す設定手段には、図3や図10と同様に、それぞれのエコチェック条件を識別する「ID」、エコチェック条件の名称を表示する「条件名」、「データ種別」、「判定条件」、「条件値」、「所定の動作」の各項目の設定情報が、入力手段240bを用いて入力される。入力されたエコチェック条件の各項目は、エコチェック条件毎に互いに関連付けられて図示しないデータ保持部に記憶される。ここで、図17で示すエコチェック条件の具体例については、図10と同じであるので、エコチェック条件については説明を省略する。また、判定手段や実行手段については、第1の実施形態や第2の実施形態と同じであるため説明を省略する。更に、エコ運転監視プログラムが実現する各種工程(エコ運転判定工程等)についても、第1の実施形態や第2の実施形態とほぼ同様に適用されるので、説明は省略する。
【0206】
次に、図18に於いて、本実施例の前記基板処理装置1が利用される基板処理システム36について説明する。
【0207】
処理室37には、ガス排気管38を介して排気手段である真空ポンプ39の吸入口41と接続されている。前記真空ポンプ39はロータ42を有し、該ロータ42が駆動手段であるロータ駆動モータ43により回転されることで、前記吸入口41より前記真空ポンプ39内に吸入された前記処理室37内のガスが、排出口44より排出される様になっている。尚、前記ロータ駆動モータ43は後述する外部電力供給ケーブル52を介して外部電源(図示せず)が接続されており、該外部電源から電力を供給されることで前記ロータ42を回転させる様になっている。
【0208】
又、前記ロータ42又は前記ロータ駆動モータ43には、発電手段である発電ユニット45が機械的に連結され、前記真空ポンプ39を駆動する動力の内、余剰の動力によって前記発電ユニット45の発電モータ(図示せず)を回転し、電力を発生させる。
【0209】
該発電ユニット45は発電電力供給ケーブル46を介して蓄電電力供給手段であるバッテリ47と接続され、前記発電ユニット45によって発生された電力が前記バッテリ47に蓄電される様になっており、該バッテリ47はバッテリ電力供給ケーブル48を介して切替え手段である供給電力切替えコントローラ49に接続されている。
【0210】
又、該供給電力切替えコントローラ49は電力ケーブル51を介して前記基板処理装置1に接続され、前記外部電力供給ケーブル52を介してクリーンルーム外の外部電力供給手段である外部電源(図示せず)に接続されると共に、LAN53等の通信手段を介してPC等の管理装置54に接続されている。更に、該管理装置54は、LAN55等の通信手段を介して前記制御装置27に接続されており、前記管理装置54より前記制御装置27及び前記供給電力切替えコントローラ49に対して指示や設定の入力ができる様になっている。
【0211】
前記供給電力切替えコントローラ49は、供給電力切替え部56、バッテリ蓄電量監視部57、電力使用量計測部58を有している。
【0212】
前記供給電力切替え部56は、前記バッテリ47と外部電源(図示せず)のどちらから前記基板処理装置1に電力が供給されているかを判断すると共に、電力供給元が前記バッテリ47であれば外部電源(図示せず)へ、電力供給元が外部電源(図示せず)であれば前記バッテリ47へと電力供給元を切替える機能を有している。
【0213】
前記バッテリ蓄電量監視部57は、前記バッテリ47に蓄電された電力の蓄電量を常時監視し、検出した蓄電量を前記管理装置54に対して出力すると共に、検出した蓄電量が該管理装置54より予め設定された規定値を上回っているかを判断する機能を有している。
【0214】
前記電力使用量計測部58は、前記バッテリ47から前記基板処理装置1に供給される電力量を計測し、計測結果を前記管理装置54に出力する機能を有している。
【0215】
前記制御装置27、或は前記管理装置54から基板処理の開始が入力されると、記憶部に格納された、各機構部を制御し搬送処理を行う為のシーケンスプログラムが実行される。
【0216】
該シーケンスプログラムにより、搬送制御部がポッド搬送装置118を駆動させ、ポッド110を前記基板処理装置1内に搬入し、該基板処理装置1内に搬入したポッド110をポッド格納部及びポッドオープナ121に搬送する。
【0217】
次に、シーケンスプログラムに従って基板移載機125が駆動され、前記載置台122に載置されたポッド110内のウエハ200が前記ボート217に移載され、最後に前記ボートエレベータ115が駆動され、前記ボート217が処理炉202内に装入される。
【0218】
前記ボート217の装入後は、圧力、ガス流量、温度を制御しプロセス処理を行う為の制御プログラムが実行される。該制御プログラムが実行されると、前記記憶部に格納されたレシピに従って、前記圧力制御部236により前記真空ポンプ39が制御されることで前記処理室37内の圧力が制御され、同様に前記流量制御部33により図示しないガス供給手段が制御されることで前記処理室37内に供給される処理ガス、パージガスの流量が制御され、前記加熱制御部34により図示しない加熱手段が制御されることで前記処理室37内のウエハ200が加熱され、ウエハ200に所定の膜が生成される。
【0219】
この時のウエハ3の処理条件、処理の進行状態等は表示部に表示されると共に、前記LAN55を介して前記管理装置54に出力されており、該管理装置54からもウエハ200の処理条件、処理の進行状態等の確認が可能となっている。
【0220】
ウエハ200に所定の膜が生成された後、再び各機構部を制御する為のシーケンスプログラムが実行され、上記した搬送処理とは逆の工程を行うことで、処理済みのウエハ200を収納したポッド110が前記基板処理装置1外へと搬出され、基板処理が終了する。
【0221】
上記処理では、通常、外部電源(図示せず)より前記供給電力切替えコントローラ49を介して外部電力が供給されることで前記基板処理装置1が運用されており、プロセス処理に於いては、前記ロータ駆動モータ43の回転により前記ロータ42が回転され、該ロータ42が回転することで前記ガス排気管38を介して前記処理室37内のガスが排気され、該処理室37内の圧力が調整されている。
【0222】
前記ロータ駆動モータ43又は該ロータ駆動モータ43による前記ロータ42の回転に伴い、該ロータ42又は前記ロータ駆動モータ43と機械的に連結された前記発電ユニット45の発電モータ(図示せず)が回転し、電力が発生する。即ち、前記真空ポンプ39を駆動する前記ロータ駆動モータ43の余剰の動力によって前記発電ユニット45が駆動され、余剰のエネルギーが電力として回収される。前記発電ユニット45にて発生した電力は、前記発電電力供給ケーブル46を介して前記バッテリ47に蓄電される。
【0223】
該バッテリ47に蓄電された電力の蓄電量は、前記管理装置54より予め設定された規定値を上回るかどうかが、前記供給電力切替えコントローラ49の前記バッテリ蓄電量監視部57により常時監視されており、前記バッテリ47の蓄電量が規定値を上回ると、前記供給電力切替え部56により、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が、外部電源(図示せず)から前記バッテリ47へと切替えられ、該バッテリ47から前記供給電力切替えコントローラ49を介して前記基板処理装置1へと電力が供給される。
【0224】
該バッテリ47から前記基板処理装置1へ電力が供給されている状態で、前記バッテリ47の蓄電量が規定値を下回った場合には、前記供給電力切替え部56により、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が、前記バッテリ47から外部電源(図示せず)へと切替えられる。
【0225】
又、前記バッテリ47から前記基板処理装置1へと電力が供給されている状態では、前記電力使用量計測部58により前記バッテリ47から供給される電力の使用量が計測されており、計測結果は前記LAN53を介して前記管理装置54へと出力されている。
【0226】
次に、図19のフローチャートを用い、前記基板処理装置1に対する電力供給元の切替え処理について説明する。尚、図12と同じ流れであるので説明は簡潔にする。
【0227】
STEP:01 基板処理の開始後、前記バッテリ蓄電量監視部57によって前記バッテリ47の蓄電量が監視され、該バッテリ47の蓄電量が前記管理装置54より予め設定された規定値以上であるかが判断される。
【0228】
STEP:02 STEP:01にて前記バッテリ47の蓄電量が規定値以上であると判断されると、前記供給電力切替え部56により、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が外部電源(図示せず)であるかが判断され、電力供給元が外部電源(図示せず)ではないと判断されると、前記供給電力切替え部56により電力供給元が切替えられることなく、再び前記バッテリ蓄電量監視部57により前記バッテリ47の蓄電量が監視される。
【0229】
STEP:03 STEP:02にて前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が外部電源(図示せず)であると判断されると、前記供給電力切替え部56により電力の供給元が外部電源(図示せず)から前記バッテリ47へと切替えられ、再び前記バッテリ蓄電量監視部57により前記バッテリ47の蓄電量が監視される。
【0230】
STEP:04 STEP:01にて該バッテリ47の蓄電量が規定値未満であると判断されると、前記供給電力切替え部56により、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が前記バッテリ47であるかが判断され、電力供給元が該バッテリ47ではないと判断されると、前記供給電力切替え部56により電力供給元が切替えられることなく、再び前記バッテリ蓄電量監視部57により前記バッテリ47の蓄電量が監視される。
【0231】
STEP:05 STEP:04にて前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が前記バッテリ47であると判断されると、前記供給電力切替え部56により電力の供給元が前記バッテリ47から外部電源(図示せず)へと切替えられ、再び前記バッテリ蓄電量監視部57により前記バッテリ47の蓄電量が監視される。
【0232】
上記STEP:01〜STEP:05の処理は、本実施例によらず、基板処理が終了し、前記基板処理装置1に処理対象となる基板が存在しない状態で繰返される様にしてもよい。尚、基板処理にかかる蓄電量を予め計測しておき、その蓄電量をはるかに越えたときに、基板処理で前記バッテリ47から電力を供給する様にしてもよい。
【0233】
上述の様に、本実施例では、前記真空ポンプ39を駆動する前記ロータ駆動モータ43の余剰動力により発電する前記発電ユニット45を設け、該発電ユニット45により発生される電力を前記バッテリ47に蓄電すると共に、該バッテリ47に蓄電された電力を用いて前記基板処理装置1を運用する様にした、即ち前記ロータ駆動モータ43の余剰動力を電力に変換し、再利用する様にしたので、基板処理に於ける省エネルギー化及びCO2 の削減を図ることができ、前記基板処理装置1のランニングコストを低減することができる。
【0234】
又、前記電力使用量計測部58により、前記バッテリ47から供給された電力の使用量を計測する様にしたので、基板処理の際に外部電源(図示せず)からの電力をどれだけ低減できたのかを実測値で得ることができる。
【0235】
尚、本実施例では、前記バッテリ蓄電量監視部57が前記バッテリ47の蓄電量を常時監視し、リアルタイムにて該バッテリ47の蓄電量を検出していたが、前記管理装置54より設定される規定値を調整し、前記バッテリ47の蓄電量を一定時間毎に検出する様にしてもよい。
【0236】
又、本実施例では、前記バッテリ蓄電量監視部57により、前記供給電力切替えコントローラ49内で前記バッテリ47の蓄電量が規定値を上回るかどうかの判断を行っているが、該供給電力切替えコントローラ49内で前記バッテリ47の蓄電量の検出のみを行い、前記管理装置54にて前記バッテリ47の蓄電量が規定値を上回るかどうかの判断、供給元切替えの判断を行う様にしてもよい。
【0237】
又、本実施例では、前記管理装置54より蓄電量の規定値が設定され、前記バッテリ蓄電量監視部57、前記電力使用量計測部58の検出結果及び計測結果が前記管理装置54に出力される様になっているが、前記供給電力切替えコントローラ49に操作部及び表示部を設け、該供給電力切替えコントローラ49より直接蓄電量の規定値を設定し、蓄電量の検出結果及び使用電力の計測値を前記供給電力切替えコントローラ49に表示させる様にしてもよい。
【0238】
又、本実施例では、前記バッテリ蓄電量監視部57により、前記供給電力切替えコントローラ49内で前記バッテリ47の蓄電量が規定値を上回るかどうかの判断を行っているが、この規定値を2段階にして(第1規定値と第2規定値を保持して)、前記供給電力切替え部56により電力供給元が切替えられるように構成しても良い。例えば、前記バッテリ蓄電量監視部57によりに蓄電された蓄電量が予め設定された第1規定値以上であれば、前記バッテリ47より前記基板処理装置1に電力を供給し、前記電力量が予め設定された第1規定値未満であって、第2規定値以上であれば、前記基板処理装置1内に処理対象の基板が投入されていない状態で、前記バッテリ47より前記基板処理装置1に電力を供給し、前記電力量が予め設定された第2規定値未満であれば、前記発電手段により発生された電力を前記バッテリ47に蓄電するように構成される。尚、電力量が予め設定された第2規定値未満であれば、前記基板処理装置1に供給される電力の供給元が商用電力を供給する電力供給手段(外部電源)となる。
【0239】
このような構成によると、前記ロータ駆動モータ43の余剰動力を電力に変換し、バッテリ47に蓄電された電力を更に効率よく再利用することができるので、基板処理に於ける省エネルギー化及びCO2 の削減をますます図ることができ、前記基板処理装置1のランニングコストを更に低減することができる。
【0240】
上述のような第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、少なくとも設定手段、判定手段、実行手段等を含むエコ運転監視プログラムと、バッテリに蓄電した蓄電量を監視する蓄電監視プログラムのそれぞれが実行されているので、第2の実施形態における効果と同様な効果を奏する。一例を上げれば、省エネ運転への移行(基板処理装置1への電力供給を商用電力から発電ユニット45で発生された電力への切り替え)を表示させるだけでなく、その省エネ運転におけるエコ運転状態(エコレベル)の把握が可能である。
【0241】
本発明は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)法による成膜処理の他、拡散処理、アニール処理、酸化処理、窒化処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理にも好適に適用できる。さらに、本発明は、薄膜形成装置の他、アニール処理装置、酸化処理装置、窒化処理装置、露光装置、塗布装置、乾燥装置、加熱装置等の他の基板処理装置にも好適に適用できる。
【0242】
本発明は、本実施形態にかかる半導体製造装置等のような基板を処理する基板処理装置に限らず、LCD(Liquid Crystal Display)製造装置等のガラス基板を処理する基板処理装置にも好適に適用できる。
【0243】
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0244】
<本発明の好ましい態様>
以下に本発明の望ましい態様について付記する。
【0245】
[付記1]
本発明の第1の態様は、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別に対応するデータ値と、前記データ値の比較対象となる条件値と、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件に基づいて比較し、前記データ値と前記条件値とを比較した結果に応じて、所定の動作を実行するエコ運転監視方法である。
【0246】
[付記2]
本発明の第2の態様は、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、前記データ種別に対応するデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件を満たさない場合に行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記条件値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、
を有するエコ運転監視装置である。
【0247】
[付記3]
前記データが前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて前記所定の動作を実行する実行手段をさらに有することが好ましい。
【0248】
[付記4]
また、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定結果を表示する表示手段をさらに有することが好ましい。
【0249】
[付記5]
本発明の第3の態様は、
基板を処理する基板処理装置に接続される上位管理装置であって、
前記基板処理装置で生成される、基板処理プロセスの進行状況や前記基板処理装置の状態を示すモニタデータを前記基板処理装置から受信する通信部と、
前記基板処理装置から受信した前記モニタデータを格納する格納部と、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、前記データ種別に対応し前記モニタデータから指定されるデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件を満たさない場合に行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記条件値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、
を有する上位管理装置である。
【0250】
[付記6]
前記モニタデータは、前記基板を前記基板処理装置の基板保持具に装填してから前記基板収容器から脱装するまでの任意の期間、前記基板の処理に係るプロセスレシピの開始から終了までの任意の期間、又は前記プロセスレシピ内の所定の期間において収集されることが好ましい。
【0251】
[付記7]
また、前記データ値が前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて前記所定の動作を実行する実行手段をさらに有することが好ましい。
【0252】
[付記8]
また、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定結果を表示する表示手段をさらに有することが好ましい。
【0253】
[付記9]
また、前記表示手段は、前記判定結果を示すアイコンを表示するように構成されていることが好ましい。
【0254】
[付記10]
また、前記表示手段は、前記データ値が前記判定条件を満たす場合と、前記データ値が前記判定条件を満たさない場合とでそれぞれ異なる前記アイコンを表示するように構成されていることが好ましい。
【0255】
[付記11]
また、前記表示手段は、前記判定結果を示す前記アイコンを前記データ種別毎に表示するとともに、前記データ値が前記判定条件を満たす場合と、前記データ値が前記判定条件を満たさない場合とでそれぞれ異なる前記アイコンを表示するように構成されていることが好ましい。
【0256】
[付記12]
前記表示手段は、前記アイコンが押下されると前記判定結果の詳細を示す画面を表示するように構成されていることが好ましい。
【0257】
[付記13]
また、前記格納部に格納された前記判定結果に基づいて前記基板処理装置のエコレベルを算出し、
前記表示手段は、算出された前記エコレベルを多段階に示すレベルメータを表示するように構成されていることが好ましい。
【0258】
[付記14]
本発明の第4の態様は、
基板を処理する基板処理装置であって、
基板処理プロセスの進行状況や前記基板処理装置の状態を示すモニタデータを格納する格納部と、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、前記データ種別に対応し前記モニタデータから指定されるデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件を満たさない場合に行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記条件値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、
を有する基板処理装置である。
【0259】
[付記15]
本発明の第5の態様は、
基板を処理する基板処理装置と、前記基板処理装置に接続される上位管理装置と、を備える基板処理システムであって、
前記基板処理装置は、
基板処理プロセスの進行状況や前記基板処理装置の状態を示すモニタデータを生成し、
生成した前記モニタデータを前記上位管理装置に送信するように構成され、
前記上位管理装置は、
通信部が、前記モニタデータを前記基板処理装置から受信し、
受信した前記モニタデータを格納部に格納し、
設定手段が、エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、前記エコ運転であるか否かの判定に係る判定条件、前記データ種別に対応し前記モニタデータから指定されるデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値が前記判定条件を満たさない場合に行う所定の動作の設定の入力を受け付け、
判定手段が、前記データ値と前記条件値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行うように構成されている基板処理システムである。
【0260】
[付記16]
商用電力を供給する第1電力供給ラインと、
燃料電池によって発電された電力を供給する第2電力供給ラインと、
の切り替えを行う切り替え制御部を備える基板処理装置である。
【0261】
[付記17]
前記燃料電池によって発電された電力を蓄電する蓄電部をさらに有するのが好ましい
【0262】
[付記18]
前記第2電力供給ラインには、
前記燃料電池により水素含有ガスと酸素含有ガスとを燃焼させて発電する燃料発電部と、
前記燃料発電部で発生した水と排熱とを利用して水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
前記水蒸気発生部で発生させた前記水蒸気を利用して発電する水蒸気発電部と、
を備える補助発電システムが接続される。
【0263】
[付記19]
前記蓄電部は、
前記燃料発電部により発電された電力と、前記水蒸気発電部により発電された電力と、
を蓄電するように構成されるのが好ましい。
【0264】
[付記20]
前記燃料電池に用いる前記水素含有ガス又は前記酸素含有ガスの少なくともいずれかは、
前記基板処理装置で用いられる水素含有ガス又は酸素含有ガスとガス供給源から供給されるように構成されるのが好ましい。
【0265】
[付記21]
前記切り替え制御部は、
前記蓄電部に蓄電された蓄電量を監視し、
前記蓄電量が前記基板処理装置を動作させるのに十分な電力量以上の場合、前記第2電力供給ラインから電力供給を行わせ、
前記蓄電量が前記基板処理装置を動作させるのに十分な電力量未満の場合、前記第1電力供給ラインから電力供給を行わせるように構成されるのが好ましい。
【0266】
[付記22]
前記基板処理装置は、
保守作業が可能な待機状態と、基板処理を実行する実行中状態と、を少なくとも含む複数の装置状態を有し、
前記切り替え制御部は、
前記装置状態が前記実行中状態のときは、前記第1電力供給ラインから電力供給を行わせ、
前記装置状態が前記待機状態のときは、前記第2電力供給ラインから電力供給を行わせるように構成される。
【0267】
[付記23]
本発明の更に他の様態は、
基板処理装置が備える切り替え制御部により、
商用電力を供給する第1電力供給ラインと、燃料電池によって発電された電力を供給する第2電力供給ラインと、の切り替えを行う基板処理装置の制御方法である。
【0268】
[付記24]
本発明の第6の態様は、
基板を処理する処理室と、該処理室内のガスを排気する排気手段と、該排気手段を駆動する駆動手段とを少なくとも備えた基板処理装置と、
前記駆動手段の動力を利用して発電する発電手段と、該発電手段と商用電力を供給する電力供給手段とのいずれか一方から、前記基板処理装置へ電力を供給する切り替え手段を備えた電力切り替え制御装置と、
を含む基板処理システムである。
【0269】
[付記25]
前記電力切り替え制御装置は、
更に、前記発電手段により発生された電力を蓄電可能な蓄電電力供給手段を備え、
前記蓄電電力供給手段に蓄電された、電力量が予め設定された規定値以上であれば、前記蓄電電力供給手段より前記基板処理装置に電力を供給し、
前記電力量が予め設定された規定値未満であれば、前記発電手段により発生された電力を前記蓄電電力供給手段に蓄電するのが好ましい。
【0270】
[付記26]
前記電力切り替え制御装置は、
更に、前記発電手段により発生された電力を蓄電可能な蓄電電力供給手段を備え、
前記蓄電電力供給手段に蓄電された電力量が予め設定された第1規定値以上であれば、前記蓄電電力供給手段より前記基板処理装置に電力を供給し、
前記電力量が予め設定された第1規定値未満であって、第2規定値以上であれば、前記基板処理装置内に処理対象の基板が投入されていない状態で、前記蓄電電力供給手段より前記基板処理装置に電力を供給し、
前記電力量が予め設定された第2規定値未満であれば、前記発電手段により発生された電力を前記蓄電電力供給手段に蓄電するのが好ましい。
【符号の説明】
【0271】
1
基板処理装置
36
基板処理システム
45
発電ユニット
47
バッテリ
49
供給電力切り替えコントローラ(切り替え制御手段)
54
管理装置
100
基板処理装置
240 基板処理装置内コントローラ(制御装置)
300 発電補助システム
336 切り替え制御部
347 バッテリ
500
群管理装置
501
制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別に対応するデータ値と、前記データ種別に対応するデータがとりうる境界を示す境界値と、を予め設定された所定の判定条件に基づいて比較し、
前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて、所定の動作を実行することを特徴とする稼動状態監視方法。
【請求項2】
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、予め設定された所定の判定条件、前記データ種別に対応するデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値と前記条件値を前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、
を有することを特徴とする稼動状態監視装置。
【請求項3】
基板を処理する基板処理装置と、前記基板処理装置を管理する群管理装置とを含む基板処理システムであって、
前記群管理装置は、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、予め設定された所定の判定条件、前記データ種別に対応するデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値と前記条件値を前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、を有する基板処理システム。
【請求項1】
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別に対応するデータ値と、前記データ種別に対応するデータがとりうる境界を示す境界値と、を予め設定された所定の判定条件に基づいて比較し、
前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて、所定の動作を実行することを特徴とする稼動状態監視方法。
【請求項2】
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、予め設定された所定の判定条件、前記データ種別に対応するデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値と前記条件値を前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、
を有することを特徴とする稼動状態監視装置。
【請求項3】
基板を処理する基板処理装置と、前記基板処理装置を管理する群管理装置とを含む基板処理システムであって、
前記群管理装置は、
エコ運転であるか否かの判定対象となるデータ種別、予め設定された所定の判定条件、前記データ種別に対応するデータ値が前記判定条件を満たすか否かを判定する際の比較対象となる条件値、及び前記データ値と前記条件値を前記判定条件に基づいて比較した結果に応じて行う所定の動作の設定の入力を受け付ける設定手段と、
前記データ値と前記境界値とを前記判定条件に基づいて比較し、前記データ値が前記判定条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、を有する基板処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−253314(P2012−253314A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245035(P2011−245035)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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