積層型チップキャパシタ
【課題】外部電極を通して流れる電流によるESLを低減させ且つ機械的強度を確保することの可能な積層型チップキャパシタを提供する。
【解決手段】本発明による積層型チップキャパシタは、上部ダミー層152等及び下部ダミー層151等と;上記上部及び下部ダミー層間に介在する複数の内部電極114等と;上記内部電極に連結された外部電極118等とを含み、上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さより薄い。
【解決手段】本発明による積層型チップキャパシタは、上部ダミー層152等及び下部ダミー層151等と;上記上部及び下部ダミー層間に介在する複数の内部電極114等と;上記内部電極に連結された外部電極118等とを含み、上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さより薄い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層型チップキャパシタに関する。とりわけ、高周波回路において低い等価直列インダクタンス(ESL)を示す積層型チップキャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に積層型チップキャパシタは寸法が小型で且つ高い静電容量を具現し基板上に容易に実装され得るので、様々な電子装置に広く用いられる。とりわけ、積層型チップキャパシタは高周波回路の容量性部品に用いられており、とりわけLSIの電源回路内に配されるデカップリングキャパシタに用いられている。積層型チップキャパシタが高周波回路に使用されるためには、より低いESL値を有さなければならない。こうしたニーズは電子装置の高周波、高電流化の傾向につれて一層増してきている。
【0003】
積層型チップキャパシタのESLを低減させるために、特許文献1は、相違する極性を有する第1内部電極と第2内部電極のリード構造を隣接して指を組ませた形態の配列(interdigitated arrangement)で 配置する方法を提案している。こうした例が図1aないし図1cに示してある。
【0004】
図1aは従来の積層型チップキャパシタの内部電極の形状を示す分解斜視図で、図1bは図1aの内部電極を使用して製造された従来の積層型チップキャパシタの概略斜視図で、図1cは図1bのXX'ラインに沿って切断した断面図である。図1aによると、セラミック材質から成る複数の誘電体層(11a、11b)上には内部電極(14)が形成されている。内部電極(14)は相違する極性を有する第1内部電極(12)と第2内部電極(13)とに区分される。第1内部電極(12)のリード部(16)と第2内部電極(13)のリード部(17)は外部電極(図1bの図面符号18参照)に連結される。第1内部電極(12)のリード部(16)は第2内部電極(13)のリード部(17)と隣接して指を組ませた配列で配置される。隣接したリード部に供給される電圧の極性が異なるので、外部電極から流れる高周波電流により発生した磁束が隣接したリード間において相殺する。したがって、ESLが減少する。しかし、この程度のESL減少量では、高周波回路のデカップリングキャパシタに要するレベルを満足させられない。
【0005】
一方、図1b及び図1cに示すように、従来の積層型チップキャパシタ(10)においては、キャパシタ本体(20)の断面が中心線(L)に対して上下対称になるよう、内部電極(14)はキャパシタ本体(20)の中央に位置する。即ち、キャパシタ本体(20)は同一な厚さ(a)を有する下部ダミー層(51)と上部ダミー層(52)、及びその間にある複数の内部電極(14)を具備する活性層(50)を含む。内部電極(14)間には図1aに示したように誘電体層(11a、11b)が介在している。これらダミー層(51、52)はキャパシタンスに実質的に寄与する内部電極を有さない領域に該当する。それに対して、活性層(50)はキャパシタンスに実質的に寄与する内部電極を具備する領域に該当する。上記下部及び上部ダミー層(51、52)は内部電極(14)を保護すると同時に積層型チップキャパシタの全体厚さを一定レベルで確保する役目を果たす。上記下部及び上部ダミー層(51、52)は誘電体層(11a、11b)と同一な材料で形成される。
【0006】
このように内部電極(14)がキャパシタ本体(20)の中央部に位置すると、基板に搭載されるキャパシタの底面(基板に付着される面)から最下端の内部電極(14)までの距離(a)が遠ざかる。即ち、内部電極(14)がキャパシタ本体(20)の中央部に位置することにより、相対的に下部ダミー層(51)の厚さ(a)が大きくなる。ところが、下部ダミー層(51)の厚さ(a)が大きくなると、基板パッド(図示せず)から外部電極(18)を通して流れる電流によるESL成分が増加する。とりわけ、2端子を超える多端子チップキャパシタにおいて、上記電流によるESL成分はキャパシタ(10)全体のESLにおいて相当の部分を占める。
【0007】
図1dは図1bの積層型チップキャパシタをAA'ラインに沿って切断した断面図である。さらに、図1eは図1dの積層型チップキャパシタの等価直列インダクタンスモデルを示す等価回路図である。図1eに示すように、上記従来のキャパシタは図1dのH領域におけるインダクタンス(Lh)とV1領域におけるインダクタンス(Lv)及びV2領域におけるインダクタンス(Lv)を有する。したがって、上記従来のキャパシタの総インダクタンスはLh+2Lvとなる。したがって、下部ダミー層の厚さが厚いと、キャパシタのインダクタンスは大きくなる。
【0008】
さらに、図1aの内部電極を使用するキャパシタは、各内部電極が4個のリード部を有することにより、ESR(等価直列抵抗)が低くなり過ぎる。図1aのように一つの内部電極(12または13)が4個のリード部(16または17)を有する場合、各リードから発生する抵抗は互いに並列連結(接続)される。したがって、全体抵抗は大変低くなる。ESRが低すぎると、ターゲットインピーダンス(target impedence)を満足させ難く、パワー分配ネットワーク(power distribution network)を安定的に設計できなくなる。
【0009】
上記ESR低下を防止するために、特許文献2は一つの内部電極に一つのリード部のみ形成することによりESRをより高くする方案を提示している。しかし、上記特許文献2によると、ESRを容易に制御することができず、ESLが高くなる。
【0010】
こうしたESL増加問題を解決するために、図2に示すように下部ダミー層(51')及び上部ダミー層(52')の厚さ(b')をできる限り小さくして、積層型チップキャパシタを薄型に製造することが可能である。しかし、キャパシタをあまりにも薄型に製造すると、機械的強度が弱くなる。例えば、キャパシタの厚さを0.3mm以下で設計すると、製造工程においてキャパシタが割れやすく製造歩留まりが悪化する。こうした機械的破損はとりわけ、キャパシタ本体の焼成段階後研磨する際、または既に製造された積層型チップキャパシタを基板に搭載する過程においてよく発生する。
【特許文献1】米国特許第5、880、925号
【特許文献2】米国特許第6、441、459号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題を解決するためのもので、その目的は基板パッドから外部電極を通して流れる電流によるESL成分を低減し得る積層型チップキャパシタを提供することである。
【0012】
さらに、本発明の他の目的は、充分な全体厚さを確保することにより機械的破損が少なく向上された製造歩留まりを具現し得る積層型チップキャパシタを提供することである。
【0013】
さらに、本発明の他の目的は、内部電極にスロットを形成することにより、ESRが低くなり過ぎることを防止しESRを適切に制御し得る積層型チップキャパシタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した技術的課題を成し遂げるために、本発明の一視点による積層型チップキャパシタは、上部ダミー層及び下部ダミー層と;上記上部及び下部ダミー層間に介在する複数の内部電極と;上記内部電極に連結された外部電極とを含み、上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さより薄い。好ましくは、上記上部ダミー層の厚さに対する上記下部ダミー層の厚さの比は0.8以下である。
【0015】
下部ダミー層の厚さを上部ダミー層の厚さより薄くすることにより、上記積層型チップキャパシタは減少したESL値を示すばかりでなく、充分な機械的強度を有するようになる。
【0016】
本発明の積層型チップキャパシタが、上下非対称的な断面構造を有する場合、キャパシタを基板に正しく搭載するためにキャパシタの上部と下部とを区別する必要がある。キャパシタの上下は、キャパシタの上面と下面とが示す相違する色をセンシングすることにより、区別され得る。他案として、キャパシタ上面に別途のマーキング(marking)を表示することにより容易にキャパシタの上下を区別することが可能である。上記マーキングは、例えば彩色ガラスで形成され得る。
【0017】
しかし、本発明の積層型チップキャパシタが上下対称の断面構造を有する場合には、キャパシタの上下を区別する必要が無い。したがって、別途のマーキングが不要で、キャパシタの上下区別無しにキャパシタを基板パッド上に搭載することが可能である。
【0018】
本発明の一実施形態によると、上記複数の内部電極間には薄膜の誘電体層が形成されており、上記上部ダミー層と下部ダミー層は上記誘電体層と同一な材料で形成され得る。この場合、誘電体から成る上記上部ダミー層は下部ダミー層の厚さより厚くすることによりキャパシタの機械的強度を向上することが可能である。
【0019】
さらに、本発明の他実施形態によると、上記複数の内部電極間には薄膜の誘電体層が形成され、上記上部ダミー層は上記誘電体層と同一な材料から成る上部ダミー誘電体層と;上記上部ダミー誘電体層上に形成され上記誘電体層とは異なる材料から成る上部補強層とを含むことが可能である。この場合、上記上部補強層はキャパシタの全体厚さを増加させると同時にキャパシタの機械的強度を強化させる。上記上部補強層は、例えばプラスチック、ガラスまたはセラミックなどから成り得る。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態によると、上記積層型チップキャパシタは上記上部ダミー層上に一つ以上の内部電極をさらに含むことが可能である。この場合、上記キャパシタは上下非対称断面構造を有することもでき、もしくは上下対称断面構造を有することもできる。
【0021】
本発明の積層型チップキャパシタは、隣接して指を組ませた配列で配置されたリード部を具備する多端子型積層型チップキャパシタであり得る。例えば、本発明の積層型チップキャパシタは、8端子、10端子または12端子の積層型チップキャパシタであり得る。さらに、本発明の積層型チップキャパシタは、2端子型積層型チップキャパシタでもよい。
【0022】
本発明の他視点による積層型チップキャパシタは、上部ダミー層及び下部ダミー層と;上記上部及び下部ダミー層間に介在する複数の第1内部電極及び第2内部電極と;上記内部電極に連結された外部電極とを含み、上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さよりさらに小さく、上記第1内部電極及び第2内部電極は交互に配置され、上記第1内部電極及び第2内部電極各々は上記外部電極に連結されたリード部を有し、上記第1内部電極及び第2内部電極中少なくとも一つには一つ以上のスロットが形成される。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2内部電極各々は、四角形状から成り相互隣接し配される一対の分割された導電性パターンを有し、上記一対の導電性パターン各々には、上記導電性パターン内の電流の流れを変更させるように上記導電性パターンの一つ以上の辺から中心方向に延長された一つ以上のスロットが形成される。この場合、上記一対の導電性パターンは隣接した領域において相互逆方向の電流が流れるようになる。さらに、上記一対の導電性パターンは同一極性でも、相違する極性でもよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、上記第1内部電極と第2内部電極には相互直交方向の電流が流れることが可能である。
【0025】
この場合、上記第1内部電極各々は一つの四角形の第1導電性パターンを具備し、上記第1導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個のスロットが形成され得る。さらに、上記第2内部電極各々は一つの四角形の第2導電性パターンを具備し、上記第1内部電極のスロットとは直交するよう上記第2導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個のスロットが形成され得る。
【0026】
他方の案として、上記第1内部電極各々は第1スロットにより分割された一対の第1導電性パターンを具備することが可能である。さらに、上記第2内部電極各々は一つの四角形の第2導電性パターンを具備し、上記第1スロットとは直交するよう上記第2導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個の第2スロットが形成され得る。
【0027】
さらに他方の案として、上記第1内部電極各々は一つの第1導電性パターンを具備し、上記第2内部電極各々はスロットにより分割された一対の第2導電性パターンを具備することが可能である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、上部ダミー層の厚さに比して下部ダミー層の厚さを小さくすることにより外部電極を通して流れる電流によるESL寄与分を抑制し、キャパシタ全体のESLを低減することが可能になる。さらに、上部ダミー層が下部ダミー層の厚さより大きい厚さを有することにより、キャパシタの厚さを充分に確保してキャパシタの機械的強度を強化させることが可能である。これにより、積層型チップキャパシタを高周波回路に使用する場合、電気的特性を向上させ機械的破損を防止し得るようになる。
【0029】
さらに、内部電極に一つ以上のスロットを形成することにより、ESRが過度に低くなることを防止することが可能で、ESRを適切に制御し得る。これにより、ターゲットインピーダンスを満足させることが容易で、パワー分配ネットワークを安定的に設計することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付の図を参照に本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態はさまざまな他形態に変形可能で、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるわけではない。本発明の実施形態は当業界において平均的な知識を有する者に対し本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることもあり、図面上の同一な符合で示される要素は同一な要素である。
【0031】
本明細書において使用する主要用語の定義は下記のとおりである。
【0032】
本明細書において「ダミー層」はキャパシタンスに実質的に寄与する内部電極を有さない領域に該当する層である。これに比して、「活性層」はキャパシタンスに実質的に寄与する内部電極を有する領域に該当する層である。したがって、一つの積層型チップキャパシタは複数個の活性層を具備してもよい。
【0033】
「下部ダミー層」はキャパシタの底面と最下端の内部電極との間に配置されたダミー層である。さらに、「上部ダミー層」は下部ダミー層と最も近いダミー層として、活性層により上記下部ダミー層と分離される。したがって、上部ダミー層上にさらに他の内部電極または活性層(またはさらに他のダミー層)が存在することも可能である(図10及び図11参照)。さらに、本発明において、キャパシタの「底面」は、キャパシタを基板上に実装する際基板パッドに付着される面となり、キャパシタの「上面」は上記底面に対向する面となる。
【0034】
図3は本発明の一実施形態による積層型チップキャパシタを示す概略斜視図である。図3によると、積層型チップキャパシタ(100)は、内部に複数の内部電極(114)が形成されたキャパシタ本体(120)と、キャパシタ本体(120)の外面上に形成された複数の外部電極(118)とを含む。内部電極(114)は相違する極性を有する第1内部電極(112)と第2内部電極(113)とに区分可能で、キャパシタ(100)の上面よりも底面により近く配置される。内部電極(114)はリード部を有することが可能で、内部電極のリード部は図1aに示されたように隣接し指を組ませた配列で配置され得る。しかし、本発明は図1aに示した内部電極構造ばかりでなく、それ以外の如何なる構造の内部電極を有する積層型チップキャパシタにも適用され得る。
【0035】
図3には外部電極(118)がキャパシタ本体(120)の底からキャパシタ本体(120)の上端まで延長されるが、他方の案として、外部電極がキャパシタ本体(120)の底から最上端の内部電極(112)の高さまでのみ延長されることも可能である。こうした例が図9に示してある。図9によると、積層型チップキャパシタ(100')の外部電極(118')は底から最上端の内部電極(112)の高さに該する位置までのみ延長され、最上端の内部電極(112)の位置より高い外面部には実質的に外部電極が形成されない。
【0036】
図4は図3のYY'ラインに沿って切断した断面図である。図4によると、キャパシタ本体(120)は、下部ダミー層(151)と、上部ダミー層(152)と、これら間に介在する複数の内部電極(114)とを含む。複数の内部電極(114)間には誘電体層が形成される。上記複数の内部電極(114)とこれらの間に形成された誘電体層はキャパシタンスに実質的に寄与する活性層(150)を構成する。下部ダミー層(151)及び上部ダミー層(152)は上記誘電体層と同一材料から成り得る。図4に示すように、下部ダミー層(115)は上部ダミー層(152)の厚さ(c)より小さい厚さ(b)を有するように形成される。これによって、キャパシタ本体(120)の中心線(M)に対してキャパシタの上下が非対称となる。好ましくは、上部ダミー層(152)の厚さ(c)に対する下部ダミー層(151)の厚さ(b)の比は0.8以下である。
【0037】
かかる下部ダミー層(151)の厚さを小さくして上下非対称的な断面構造を形成することにより、基板パッドから外部電極(118)を通して流れる電流によるESL成分を下げることが可能になる。さらに、上部ダミー層(152)が下部ダミー層(151)の厚さよりさらに大きい厚さを有することにより、キャパシタ全体の厚さを充分に確保してキャパシタの機械的強度の弱化を防止することが可能になる。
【0038】
先述したように、積層型チップキャパシタ(100)が上下非対称的な断面構造を有するので、キャパシタ(100)を基板に搭載する際、キャパシタ(100)の上部と下部を区別する必要がある。即ち、本発明の望みどおりに基板パッドから外部電極を通して流れる電流によるESL成分を低下させるためには、下部ダミー層(151)が基板パッド側を向かうよう上下を区別してキャパシタ(100)を基板上に搭載しなければならない。こうしたキャパシタ(100)の上下の区別は、キャパシタの上面と下面とが示す相違する色彩をセンシングすることによって可能になる。
【0039】
具体的に言えば、下部ダミー層(151)の厚さ(b)が上部ダミー層(152)の厚さ(c)より小さいので、外部からキャパシタ(100)を観察すると、キャパシタ(100)の下面はキャパシタ上面に比してより濃い色を示す。一般に上部及び下部ダミー層(151、152)は半透明の誘電体に形成され得るが、内部電極(114)は濃い色(例えば、濃青色)を示す。したがって、下部ダミー層(151)が上部ダミー層(152)より薄いので、キャパシタ(100)の下面には青色系の色が現れるが、キャパシタ(100)上面には薄い黄土色系の色が現れる。キャパシタ(100)の上面と下面が示す相違する色をセンサでセンシングすることにより、キャパシタ(100)の上下を区別して印刷回路基板や収納用テープ等にキャパシタ(100)を正しく搭載することが可能になる。
【0040】
キャパシタの上下を区別する他方の案として、キャパシタの上面に所定のマーキング(marking)を表示してもよい。図5には上下区別用マーキングが表示された積層型チップキャパシタの一例が示してある。
【0041】
図5に示された積層型チップキャパシタ(200)は、キャパシタの上下を区別するためのマーキング(130)がキャパシタ(200)の上面に表示される点を除けば、図3に説明した積層型チップキャパシタ(100)と同一である。このようにマーキング(130)をキャパシタ上面に表示することにより、キャパシタの上下区別はより容易且つ正確になる。こうしたキャパシタのマーキング(130)は、例えば、予めスクリーン印刷法により誘電体層に特定形状のマーキングを形成した後これをキャパシタ(200)の最上端に積層させることにより具現可能である。スクリーン印刷されるマーキングは、彩色(例えば、濃青色)ガラス材質から成り得る。このように形成されたキャパシタ(200)のマーキング(130)はセンサでセンシングされることにより、キャパシタ(200)の上下を容易且つ正確に区別することが可能になる。
【0042】
先述した実施形態においては、8端子の外部電極を有する積層型チップキャパシタ(100、200)について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示したような2端子積層型チップキャパシタにも本発明が適用され得る。
【0043】
図6は、本発明による2端子積層型チップキャパシタ(300)の一例を示す透視図で、図7は図6のZZ'ラインに沿って切断した断面図である。図6及び図7によると、キャパシタ本体(320)の両側面に外部電極(318、319)が形成され、キャパシタ本体(320)の内部には複数の内部電極(314)が形成される。内部電極(314)は相違する極性を有する第1内部電極(312)及び第2内部電極(313)に区分され、第1内部電極(312)及び第2内部電極(313)は各々の外部電極(318、319)に連結され交互に積層される。
【0044】
図7に示されたように、上記2端子積層型チップキャパシタ(300)においても、下部ダミー層(315)の厚さ(d)は上部ダミー層の厚さ(e)より小さく、キャパシタ(300)は上下非対称的な断面構造を有する。この場合にも、容易な上下区別のためにキャパシタ(300)上面にマーキング(marking)を表示することが可能である。本発明は、先述した8端子及び2端子積層型チップキャパシタばかりでなく、10端子、12端子等如何なる端子数の外部電極を有する積層型チップキャパシタにも適用され得る。
【0045】
図8は、本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す断面図である。図8によると、積層型チップキャパシタ(400)は、内部電極(414)下方に形成された下部ダミー層(451)と、内部電極(414)上に形成された上部ダミー層(452)とを含む。複数の内部電極(414)間には薄膜の誘電体層が配置される。とりわけ、本実施形態においては、上部ダミー層(452)は2層構造となる。具体的に説明すれば、上部ダミー層(452)は上部ダミー誘電体層(454)と、上部ダミー誘電体層(454)上に形成された上部補強層(453)とを含む。下部ダミー層(451)と上部ダミー誘電体層(454)は内部電極(414)間に配置された誘電体層と同一材質で形成される。上部補強層(453)は上記誘電体層とは異なる材料で形成され、キャパシタ(400)の機械的強度を補強する役目を果たす。上記補強層(453)は、例えばプラスチック、ガラスまたはセラミック材質で形成され得る。
【0046】
図8に示した実施形態においても、下部ダミー層(451)の厚さ(f)は上部ダミー層(i)の厚さより小さくなっている。即ち、下部ダミー層(451)は、上部ダミー誘電体層(454)の厚さ(g)と上部補強層(453)の厚さ(h)の和より小さい厚さを有するよう形成される。このように下部ダミー層(451)の厚さ(f)を上部ダミー層(452)の厚さ(i)より小さくすることにより、基板パッドから外部電極を通して流れる電流によるESL成分を減少させることが可能である。さらに、上部ダミー誘電体層(454)上に別途の上部補強材(453)を積層することにより、キャパシタの機械的強度をより向上させることが可能である。
【0047】
図10と図11は本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタの断面図を示す。この実施形態は、上部ダミー層(552、652)上にさらに他の内部電極及び/またはダミー層がさらに形成される点において先述した実施形態と異なる。
【0048】
先ず、図10によると、キャパシタ(500)は、下部ダミー層(551)と、上部ダミー層(552)と、これらの間に介在する複数の内部電極(514)とを具備する活性層(550)を含む。下部ダミー層(551)の厚さ(j)は上部ダミー層(552)の厚さ(k)より小さい。さらに、上部ダミー層(552)上にはさらに他の内部電極(524、534)がさらに配置される。上部ダミー層(552)上にさらに配置された内部電極(524、534)は、例えばキャパシタンスを所望の値に調節するために用いられ得る。図10のキャパシタ(500)は上下非対称的な断面構造を有する。したがって、キャパシタ(500)の上下区別が必要なので、キャパシタ(500)上面に上下区別用マーキング(図5参照)を表示することが好ましい。
【0049】
これに比して、図11に示された積層型チップキャパシタ(600)は、上下対称の断面構造を有する。図11に示されるように、キャパシタ(600)は下部ダミー層(651)、第1活性層(650)及び上部ダミー層(652)を含み、上部ダミー層(652)上に第2活性層(660)及び最上部ダミー層(661)をさらに含む。上部ダミー層(652)は下部ダミー層(651)の厚さ(l)より大きい厚さ(m)を有し、最上部ダミー層(661)は下部ダミー層(651)の厚さ(l)と同一な厚さを有する。第1及び第2活性層(650、660)は各々複数の内部電極(614、624)を具備する。このように上下対称断面構造を有するキャパシタ(600)を形成することにより、キャパシタ(600)の上下区別が不要になる。したがって、別途のマーキングが必要無く、上下区別無しにキャパシタ(600)を基板パッド上に搭載することが可能になる。
【0050】
さらに、本発明による積層型チップキャパシタは、先述した上下断面構造と共に、ESLをより低減させ且つESRが低くなり過ぎないよう制御し得る内部電極構造を使用するすることが可能である。こうした内部電極構造には一つ以上のスロットが形成される。
【0051】
図12ないし図17は本発明による積層型チップキャパシタに含まれ得る内部電極の多様な実施形態を示した平面図である。
【0052】
図12は本発明の第1実施形態によるキャパシタの内部電極を示す平面図である。図12によると、第1内部電極(1041)及び第2内部電極(1042)は各々外部電極(図3の図面符号118参照)に連結されるリード部(1413、1414、1423、1424)を具備する。上記第1及び第2内部電極は互いに隣接し、相違する極性の電圧が印加されることによって、各々の高周波電流により発生する磁束が相殺する。また、上記第1内部電極(1041)及び第2内部電極(1042)は、キャパシタ用の各誘電体層(1011a)及び(1011b)にそれぞれ重ねて配置されている。
【0053】
これに加えて、第1及び第2内部電極(1041、1042)各々は、同一平面上に互いに並んで配置され相互分割される第1導電性パターン(1411、1421)及び第2導電性パターン(1412、1422)を具備する。この際、複数のリード部(1413、1414、1423、1424)は上記導電性パターン(1411、1412、1421、1422)に一体で形成され終端が上記+または−極性の外部電極に連結される。
【0054】
さらに、同一平面上にある第1導電性パターン(1411、1421)と第2導電性パターン(1412、1422)は相違する極性を有する。さらに、同一平面上にある第1導電性パターン(1411、1421)と第2導電性パターン(1412、1422)の隣接した領域同士には相互逆方向の電流が流れ、第1導電性パターン(1411、1421)と第2導電性パターン(1412、1422)間に発生する磁束が相殺する。さらに、上下隣接される第1及び第2内部電極(1041、1042)同士も互いに逆極性を有するので、第1内部電極(1041)と第2内部電極(1042)間でも磁束が相殺する。
【0055】
さらに、上記第1導電性パターン(1411、1421)と第2導電性パターン(1412、1422)各々には、導電性パターンの一辺から中心方向に延長されたスロット(1415、1425)と(1416、1426)が形成される。したがって、一つの導電性パターン内において隣接した電流経路間に相違する方向へ電流が流れるので、一つの導電性パターン 内においても磁束が相殺する。したがって、ESLはより低くなる。
【0056】
さらに、導電性パターンの1辺から中心方向に延長された上記スロット(1415、1416、1425、1426)は、各々の導電性パターン(1411、1412、1421、1422)内部の電流経路を長くするので、キャパシタのESRが低くなりすぎることを防止する。そればかりでなく、上記スロットの長さを調節することにより、ESRを適切に制御することも可能である。このように、ESRを制御可能になることで、ターゲットインピーダンス(target impedence)を満足させ、パワー分配ネットワーク(power distribution network)を安定的に設計することが可能になる。
【0057】
先述した実施形態においては、一つの導電性パターンに一つのスロットが存在するが、2以上のスロットが形成されることも可能である。さらに、同一平面上に2個の導電性パターンを形成せずに、一つのみの導電性パターンを形成してもよい。さらに、内部電極各々は他個数のリードを具備してもよく、一つのリードのみを具備してもよい。
【0058】
図13は、第2実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。図13によると、第1導電性パターン(1511、1521)と第2導電性パターン(1512、1522)に形成されたスロット(1515、1525)と(1516、1526)は相違する方向に配置される。さらに、上記第1導電性パターン(1511、1521)と第2導電性パターン(1512、1522)は同一極性を有する。図13の矢印のように、この実施形態においても、同一平面上に存在する第1導電性パターンと第2導電性パターンの隣接した領域間、上下隣接した第1内部電極(1051)及び第2内部電極(1052)間、そして一つの導電性パターン内部において逆電流の流れによって磁束が相殺する。さらに、上記スロットを通してESRを適切に制御することが可能である。図面符合1513、1514、1523及び1524はリード部を示す。
【0059】
本発明によれば、上下隣接した第1内部電極と第2内部電極間には相互直交する電流が流れることが可能である。図14ないし図17はこうした例を示す。
【0060】
図14は、本発明の第3実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す図である。図14によると、第1内部電極(1061)及び第2内部電極(1062)は各々一つの導電性パターン(1611、1621)を具備する。さらに、各々の導電性パターン(1611または1621)には同一線上に形成された2個のスロット(1612、1613または1622、1623)が形成される。この際、第1内部電極(1061)の導電性パターン(1611)に形成されたスロット(1612、1613)と第2内部電極(1062)の導電性パターン(1621)に形成されたスロット(1622、1623)とは互いに直交する。この場合、上下隣接した第1内部電極(1061)と第2内部電極(1062)間には互いに直交する電流が流れ、これにより磁束の相殺効果が得られる。図面符合1614、1624はリード部を示す。
【0061】
図15は、本発明の第4実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す図である。図15によると、第1内部電極(1071)はスロット(1712)により分割された2個の導電性パターン(1711)を具備する。さらに、第2内部電極(1072)は、同一線上に形成された2個のスロット(1722、1723)を有する一つの導電性パターン(1721)を具備する。この際、第1内部電極(1071)に形成されたスロット(1712)と第2内部電極(1072)の導電性パターン(1721)に形成されたスロット(1722、1723)とは互いに直交する。この際、上下隣接した第1内部電極(1071)と第2内部電極(1072) 間には互いに直交する電流が流れ、これにより磁束の相殺効果が得られる。図面符合1713、1724はリード部を示す。
【0062】
図16は、本発明の第5実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。図16によると、第1内部電極(1081)は、同一線上に形成された2個のスロット(1813)を有する一つの導電性パターン(1811)を具備する。さらに、スロット(1822)により分割された2個の導電性パターン(1821)を具備する。この際、第1内部電極(1081)の導電性パターン(1811)に形成されたスロット(1813)と第2内部電極(1082)に形成されたスロット(1822)とは互いに直交する。この際、上下隣接した第1内部電極(1081)と第2内部電極(1082)間には互いに直交する電流が流れ、これにより磁束の相殺効果が得られる。図面1812、1814、1823はリード部を示す。
【0063】
図17は本発明の第6実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。図17によると、第1内部電極(1091)は四角形の一つの導電性パターン(1911)を具備し、スロットを具備しない。第2内部電極(1092)はスロット(1922)により分割された一対の導電性パターン(1921)を具備する。この際、上下隣接した第1内部電極(1091)と第2内部電極(1092)間には互いに直交する電流が流れ、これにより磁束の相殺効果が得られる。図面符号1912、1923はリード部を示す。
【0064】
図18ないし図21には、本発明の様々な実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極、内部電極及びリード部の配置形態を示す平面図である。図18ないし図21の各図において左列は外部電極の平面図を示し、中央列は第1内部電極の平面図を示し、右列は第2内部電極の平面図を示す。上記図18ないし図21の配置構造によれば、上下隣接した第1内部電極と第2内部電極間に逆方向の電流が流れる。さらに、スロットにより分割された一対の導電性パターンの隣接した領域間にも逆方向の電流が流れる。ひいては、一つの導電性パターン内にスロットが形成された場合、上記スロットは一つの導電性パターン内の電流経路を長くする。したがって、ESRが過度に低くなることを防止可能である。さらに、上記スロットの長さを適切に選択することにより、ESRを制御可能である。
【実施例】
【0065】
本発明者は本発明による積層型チップキャパシタの特性向上を確認すべく、従来例による積層型チップキャパシタと本発明の一実施例の3種の実施例による積層型チップキャパシタとのESL特性を比較する実験を行った。上記実験に使用された従来例のキャパシタとしては、図1aないし図1cに示されたように対称断面構造を有するキャパシタを使用した。上記第1ないし第3実施例のキャパシタは図13に示したような内部電極構造を有する。上記第1実施例のキャパシタは、図3に示したような上下非対称断面構造を有する。上記第2実施例のキャパシタは、図10に示したような上下非対称断面構造を有する。第3実施例のキャパシタは、図11に示したような上下対称断面構造を有する。上記実施例と従来例の積層型チップキャパシタは8端子キャパシタである。
【0066】
上記従来例のキャパシタのサイズと実施例のキャパシタのサイズは全て2.0mm×1.25mmで、両キャパシタの高さは0.85mmとした。とりわけ、実施例においては、下部ダミー層の厚さが50μmであった。従来例においては、下部ダミー層及び上部ダミー層の厚さが各々350mm以上で同一である。従来例及び実施例全てにおいて、内部電極にはニッケル(Ni)電極を使用し、外部電極には銅(Cu)電極を使用した。キャパシタの容量は全て1μFであった。
【0067】
上記従来例のキャパシタと実施例のキャパシタに対してESLを測定し、下記表1に記載の結果を得た。
【表1】
【0068】
上記表1に記載されたように、実施例の積層型チップキャパシタのESL特性は、従来例の積層型チップキャパシタのESL特性に比して大きく向上された。上記表1に示したように、第1及び第2実施例の積層型チップキャパシタは従来例の積層型チップキャパシタに比して約65%のESL減少効果を得た。25pHほどのESL特性は従来の8端子積層型チップキャパシタからは得られない値である。従来の方式を適用する場合、端子数を12端子以上に増やさなければ30pH以下のESLを有する積層型チップキャパシタを得られない。しかし、端子数を増やす場合、端子同士のピッチが減りキャパシタマウンティング時ショート(short)不良を引き起こし易い。結局、従来の方式で12端子以上の端子数を有する積層型チップキャパシタを使用するより、本発明において提案する8端子積層型チップキャパシタを使用する方が有利である。尚、本実施例とは逆に下部ダミー層の厚さ(650μm程)を上部ダミー層の厚さ(50μm)より大きくした場合にはESL値が100pH程になった。
【0069】
本発明は上述した実施形態及び添付の図により限定されるものではなく、添付の請求範囲により限定されるもので、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内において様々な形態の置換、変形及び変更が可能なことは当技術分野において通常の知識を有する者にとって自明である。例えば、本発明の積層型キャパシタに用いられる内部電極の形状や外部電極の数は先述した実施形態と異なり得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1a】従来の積層型チップキャパシタの内部電極構造を示す分解斜視図である。
【図1b】図1aの積層型チップキャパシタの外形を示す斜視図である。
【図1c】図1bの積層型チップキャパシタをXX'ラインに沿って切断した断面図である。
【図1d】図1bの積層型チップキャパシタをAA'ラインに沿って切断した断面図である。
【図1e】図1dの積層型チップキャパシタの等価直列インダクタンスモデルを示す等価回路図である。
【図2】従来の積層型チップキャパシタの他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による積層型チップキャパシタを示す概略斜視図である。
【図4】図3のYY'ラインに沿って切断した断面図である。
【図5】本発明の他実施形態による積層型チップキャパシタを示す概略斜視図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す透視図である。
【図7】図6のZZ'ラインに沿って切断した断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す断面図である。
【図9】図3の積層型チップキャパシタの変形例を示す概略斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す断面図である。
【図12】本発明の第1実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図13】本発明の第2実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図15】本発明の第4実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図16】本発明の第5実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図17】本発明の第6実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図18】本発明の諸実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極及び内部電極の配置形態を示す平面図である。
【図19】本発明の諸実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極及び内部電極の配置形態を示す平面図である。
【図20】本発明の諸実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極及び内部電極の配置形態を示す平面図である。
【図21】本発明の諸実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極及び内部電極の配置形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0071】
100、100'、200、300、400 積層型チップキャパシタ
112、312 第1内部電極
113、313 第2内部電極
114、314、414 内部電極
118、118'、318、319 外部電極
120、320 キャパシタ本体
130 マーキング
150、550、650、660 活性層
151、351、451、551、651 下部ダミー層
152、352、452、552、652 上部ダミー層
453 上部補強層
454 上部ダミー誘電体層
【技術分野】
【0001】
本発明は積層型チップキャパシタに関する。とりわけ、高周波回路において低い等価直列インダクタンス(ESL)を示す積層型チップキャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に積層型チップキャパシタは寸法が小型で且つ高い静電容量を具現し基板上に容易に実装され得るので、様々な電子装置に広く用いられる。とりわけ、積層型チップキャパシタは高周波回路の容量性部品に用いられており、とりわけLSIの電源回路内に配されるデカップリングキャパシタに用いられている。積層型チップキャパシタが高周波回路に使用されるためには、より低いESL値を有さなければならない。こうしたニーズは電子装置の高周波、高電流化の傾向につれて一層増してきている。
【0003】
積層型チップキャパシタのESLを低減させるために、特許文献1は、相違する極性を有する第1内部電極と第2内部電極のリード構造を隣接して指を組ませた形態の配列(interdigitated arrangement)で 配置する方法を提案している。こうした例が図1aないし図1cに示してある。
【0004】
図1aは従来の積層型チップキャパシタの内部電極の形状を示す分解斜視図で、図1bは図1aの内部電極を使用して製造された従来の積層型チップキャパシタの概略斜視図で、図1cは図1bのXX'ラインに沿って切断した断面図である。図1aによると、セラミック材質から成る複数の誘電体層(11a、11b)上には内部電極(14)が形成されている。内部電極(14)は相違する極性を有する第1内部電極(12)と第2内部電極(13)とに区分される。第1内部電極(12)のリード部(16)と第2内部電極(13)のリード部(17)は外部電極(図1bの図面符号18参照)に連結される。第1内部電極(12)のリード部(16)は第2内部電極(13)のリード部(17)と隣接して指を組ませた配列で配置される。隣接したリード部に供給される電圧の極性が異なるので、外部電極から流れる高周波電流により発生した磁束が隣接したリード間において相殺する。したがって、ESLが減少する。しかし、この程度のESL減少量では、高周波回路のデカップリングキャパシタに要するレベルを満足させられない。
【0005】
一方、図1b及び図1cに示すように、従来の積層型チップキャパシタ(10)においては、キャパシタ本体(20)の断面が中心線(L)に対して上下対称になるよう、内部電極(14)はキャパシタ本体(20)の中央に位置する。即ち、キャパシタ本体(20)は同一な厚さ(a)を有する下部ダミー層(51)と上部ダミー層(52)、及びその間にある複数の内部電極(14)を具備する活性層(50)を含む。内部電極(14)間には図1aに示したように誘電体層(11a、11b)が介在している。これらダミー層(51、52)はキャパシタンスに実質的に寄与する内部電極を有さない領域に該当する。それに対して、活性層(50)はキャパシタンスに実質的に寄与する内部電極を具備する領域に該当する。上記下部及び上部ダミー層(51、52)は内部電極(14)を保護すると同時に積層型チップキャパシタの全体厚さを一定レベルで確保する役目を果たす。上記下部及び上部ダミー層(51、52)は誘電体層(11a、11b)と同一な材料で形成される。
【0006】
このように内部電極(14)がキャパシタ本体(20)の中央部に位置すると、基板に搭載されるキャパシタの底面(基板に付着される面)から最下端の内部電極(14)までの距離(a)が遠ざかる。即ち、内部電極(14)がキャパシタ本体(20)の中央部に位置することにより、相対的に下部ダミー層(51)の厚さ(a)が大きくなる。ところが、下部ダミー層(51)の厚さ(a)が大きくなると、基板パッド(図示せず)から外部電極(18)を通して流れる電流によるESL成分が増加する。とりわけ、2端子を超える多端子チップキャパシタにおいて、上記電流によるESL成分はキャパシタ(10)全体のESLにおいて相当の部分を占める。
【0007】
図1dは図1bの積層型チップキャパシタをAA'ラインに沿って切断した断面図である。さらに、図1eは図1dの積層型チップキャパシタの等価直列インダクタンスモデルを示す等価回路図である。図1eに示すように、上記従来のキャパシタは図1dのH領域におけるインダクタンス(Lh)とV1領域におけるインダクタンス(Lv)及びV2領域におけるインダクタンス(Lv)を有する。したがって、上記従来のキャパシタの総インダクタンスはLh+2Lvとなる。したがって、下部ダミー層の厚さが厚いと、キャパシタのインダクタンスは大きくなる。
【0008】
さらに、図1aの内部電極を使用するキャパシタは、各内部電極が4個のリード部を有することにより、ESR(等価直列抵抗)が低くなり過ぎる。図1aのように一つの内部電極(12または13)が4個のリード部(16または17)を有する場合、各リードから発生する抵抗は互いに並列連結(接続)される。したがって、全体抵抗は大変低くなる。ESRが低すぎると、ターゲットインピーダンス(target impedence)を満足させ難く、パワー分配ネットワーク(power distribution network)を安定的に設計できなくなる。
【0009】
上記ESR低下を防止するために、特許文献2は一つの内部電極に一つのリード部のみ形成することによりESRをより高くする方案を提示している。しかし、上記特許文献2によると、ESRを容易に制御することができず、ESLが高くなる。
【0010】
こうしたESL増加問題を解決するために、図2に示すように下部ダミー層(51')及び上部ダミー層(52')の厚さ(b')をできる限り小さくして、積層型チップキャパシタを薄型に製造することが可能である。しかし、キャパシタをあまりにも薄型に製造すると、機械的強度が弱くなる。例えば、キャパシタの厚さを0.3mm以下で設計すると、製造工程においてキャパシタが割れやすく製造歩留まりが悪化する。こうした機械的破損はとりわけ、キャパシタ本体の焼成段階後研磨する際、または既に製造された積層型チップキャパシタを基板に搭載する過程においてよく発生する。
【特許文献1】米国特許第5、880、925号
【特許文献2】米国特許第6、441、459号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題を解決するためのもので、その目的は基板パッドから外部電極を通して流れる電流によるESL成分を低減し得る積層型チップキャパシタを提供することである。
【0012】
さらに、本発明の他の目的は、充分な全体厚さを確保することにより機械的破損が少なく向上された製造歩留まりを具現し得る積層型チップキャパシタを提供することである。
【0013】
さらに、本発明の他の目的は、内部電極にスロットを形成することにより、ESRが低くなり過ぎることを防止しESRを適切に制御し得る積層型チップキャパシタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した技術的課題を成し遂げるために、本発明の一視点による積層型チップキャパシタは、上部ダミー層及び下部ダミー層と;上記上部及び下部ダミー層間に介在する複数の内部電極と;上記内部電極に連結された外部電極とを含み、上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さより薄い。好ましくは、上記上部ダミー層の厚さに対する上記下部ダミー層の厚さの比は0.8以下である。
【0015】
下部ダミー層の厚さを上部ダミー層の厚さより薄くすることにより、上記積層型チップキャパシタは減少したESL値を示すばかりでなく、充分な機械的強度を有するようになる。
【0016】
本発明の積層型チップキャパシタが、上下非対称的な断面構造を有する場合、キャパシタを基板に正しく搭載するためにキャパシタの上部と下部とを区別する必要がある。キャパシタの上下は、キャパシタの上面と下面とが示す相違する色をセンシングすることにより、区別され得る。他案として、キャパシタ上面に別途のマーキング(marking)を表示することにより容易にキャパシタの上下を区別することが可能である。上記マーキングは、例えば彩色ガラスで形成され得る。
【0017】
しかし、本発明の積層型チップキャパシタが上下対称の断面構造を有する場合には、キャパシタの上下を区別する必要が無い。したがって、別途のマーキングが不要で、キャパシタの上下区別無しにキャパシタを基板パッド上に搭載することが可能である。
【0018】
本発明の一実施形態によると、上記複数の内部電極間には薄膜の誘電体層が形成されており、上記上部ダミー層と下部ダミー層は上記誘電体層と同一な材料で形成され得る。この場合、誘電体から成る上記上部ダミー層は下部ダミー層の厚さより厚くすることによりキャパシタの機械的強度を向上することが可能である。
【0019】
さらに、本発明の他実施形態によると、上記複数の内部電極間には薄膜の誘電体層が形成され、上記上部ダミー層は上記誘電体層と同一な材料から成る上部ダミー誘電体層と;上記上部ダミー誘電体層上に形成され上記誘電体層とは異なる材料から成る上部補強層とを含むことが可能である。この場合、上記上部補強層はキャパシタの全体厚さを増加させると同時にキャパシタの機械的強度を強化させる。上記上部補強層は、例えばプラスチック、ガラスまたはセラミックなどから成り得る。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態によると、上記積層型チップキャパシタは上記上部ダミー層上に一つ以上の内部電極をさらに含むことが可能である。この場合、上記キャパシタは上下非対称断面構造を有することもでき、もしくは上下対称断面構造を有することもできる。
【0021】
本発明の積層型チップキャパシタは、隣接して指を組ませた配列で配置されたリード部を具備する多端子型積層型チップキャパシタであり得る。例えば、本発明の積層型チップキャパシタは、8端子、10端子または12端子の積層型チップキャパシタであり得る。さらに、本発明の積層型チップキャパシタは、2端子型積層型チップキャパシタでもよい。
【0022】
本発明の他視点による積層型チップキャパシタは、上部ダミー層及び下部ダミー層と;上記上部及び下部ダミー層間に介在する複数の第1内部電極及び第2内部電極と;上記内部電極に連結された外部電極とを含み、上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さよりさらに小さく、上記第1内部電極及び第2内部電極は交互に配置され、上記第1内部電極及び第2内部電極各々は上記外部電極に連結されたリード部を有し、上記第1内部電極及び第2内部電極中少なくとも一つには一つ以上のスロットが形成される。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2内部電極各々は、四角形状から成り相互隣接し配される一対の分割された導電性パターンを有し、上記一対の導電性パターン各々には、上記導電性パターン内の電流の流れを変更させるように上記導電性パターンの一つ以上の辺から中心方向に延長された一つ以上のスロットが形成される。この場合、上記一対の導電性パターンは隣接した領域において相互逆方向の電流が流れるようになる。さらに、上記一対の導電性パターンは同一極性でも、相違する極性でもよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、上記第1内部電極と第2内部電極には相互直交方向の電流が流れることが可能である。
【0025】
この場合、上記第1内部電極各々は一つの四角形の第1導電性パターンを具備し、上記第1導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個のスロットが形成され得る。さらに、上記第2内部電極各々は一つの四角形の第2導電性パターンを具備し、上記第1内部電極のスロットとは直交するよう上記第2導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個のスロットが形成され得る。
【0026】
他方の案として、上記第1内部電極各々は第1スロットにより分割された一対の第1導電性パターンを具備することが可能である。さらに、上記第2内部電極各々は一つの四角形の第2導電性パターンを具備し、上記第1スロットとは直交するよう上記第2導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個の第2スロットが形成され得る。
【0027】
さらに他方の案として、上記第1内部電極各々は一つの第1導電性パターンを具備し、上記第2内部電極各々はスロットにより分割された一対の第2導電性パターンを具備することが可能である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、上部ダミー層の厚さに比して下部ダミー層の厚さを小さくすることにより外部電極を通して流れる電流によるESL寄与分を抑制し、キャパシタ全体のESLを低減することが可能になる。さらに、上部ダミー層が下部ダミー層の厚さより大きい厚さを有することにより、キャパシタの厚さを充分に確保してキャパシタの機械的強度を強化させることが可能である。これにより、積層型チップキャパシタを高周波回路に使用する場合、電気的特性を向上させ機械的破損を防止し得るようになる。
【0029】
さらに、内部電極に一つ以上のスロットを形成することにより、ESRが過度に低くなることを防止することが可能で、ESRを適切に制御し得る。これにより、ターゲットインピーダンスを満足させることが容易で、パワー分配ネットワークを安定的に設計することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付の図を参照に本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態はさまざまな他形態に変形可能で、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるわけではない。本発明の実施形態は当業界において平均的な知識を有する者に対し本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることもあり、図面上の同一な符合で示される要素は同一な要素である。
【0031】
本明細書において使用する主要用語の定義は下記のとおりである。
【0032】
本明細書において「ダミー層」はキャパシタンスに実質的に寄与する内部電極を有さない領域に該当する層である。これに比して、「活性層」はキャパシタンスに実質的に寄与する内部電極を有する領域に該当する層である。したがって、一つの積層型チップキャパシタは複数個の活性層を具備してもよい。
【0033】
「下部ダミー層」はキャパシタの底面と最下端の内部電極との間に配置されたダミー層である。さらに、「上部ダミー層」は下部ダミー層と最も近いダミー層として、活性層により上記下部ダミー層と分離される。したがって、上部ダミー層上にさらに他の内部電極または活性層(またはさらに他のダミー層)が存在することも可能である(図10及び図11参照)。さらに、本発明において、キャパシタの「底面」は、キャパシタを基板上に実装する際基板パッドに付着される面となり、キャパシタの「上面」は上記底面に対向する面となる。
【0034】
図3は本発明の一実施形態による積層型チップキャパシタを示す概略斜視図である。図3によると、積層型チップキャパシタ(100)は、内部に複数の内部電極(114)が形成されたキャパシタ本体(120)と、キャパシタ本体(120)の外面上に形成された複数の外部電極(118)とを含む。内部電極(114)は相違する極性を有する第1内部電極(112)と第2内部電極(113)とに区分可能で、キャパシタ(100)の上面よりも底面により近く配置される。内部電極(114)はリード部を有することが可能で、内部電極のリード部は図1aに示されたように隣接し指を組ませた配列で配置され得る。しかし、本発明は図1aに示した内部電極構造ばかりでなく、それ以外の如何なる構造の内部電極を有する積層型チップキャパシタにも適用され得る。
【0035】
図3には外部電極(118)がキャパシタ本体(120)の底からキャパシタ本体(120)の上端まで延長されるが、他方の案として、外部電極がキャパシタ本体(120)の底から最上端の内部電極(112)の高さまでのみ延長されることも可能である。こうした例が図9に示してある。図9によると、積層型チップキャパシタ(100')の外部電極(118')は底から最上端の内部電極(112)の高さに該する位置までのみ延長され、最上端の内部電極(112)の位置より高い外面部には実質的に外部電極が形成されない。
【0036】
図4は図3のYY'ラインに沿って切断した断面図である。図4によると、キャパシタ本体(120)は、下部ダミー層(151)と、上部ダミー層(152)と、これら間に介在する複数の内部電極(114)とを含む。複数の内部電極(114)間には誘電体層が形成される。上記複数の内部電極(114)とこれらの間に形成された誘電体層はキャパシタンスに実質的に寄与する活性層(150)を構成する。下部ダミー層(151)及び上部ダミー層(152)は上記誘電体層と同一材料から成り得る。図4に示すように、下部ダミー層(115)は上部ダミー層(152)の厚さ(c)より小さい厚さ(b)を有するように形成される。これによって、キャパシタ本体(120)の中心線(M)に対してキャパシタの上下が非対称となる。好ましくは、上部ダミー層(152)の厚さ(c)に対する下部ダミー層(151)の厚さ(b)の比は0.8以下である。
【0037】
かかる下部ダミー層(151)の厚さを小さくして上下非対称的な断面構造を形成することにより、基板パッドから外部電極(118)を通して流れる電流によるESL成分を下げることが可能になる。さらに、上部ダミー層(152)が下部ダミー層(151)の厚さよりさらに大きい厚さを有することにより、キャパシタ全体の厚さを充分に確保してキャパシタの機械的強度の弱化を防止することが可能になる。
【0038】
先述したように、積層型チップキャパシタ(100)が上下非対称的な断面構造を有するので、キャパシタ(100)を基板に搭載する際、キャパシタ(100)の上部と下部を区別する必要がある。即ち、本発明の望みどおりに基板パッドから外部電極を通して流れる電流によるESL成分を低下させるためには、下部ダミー層(151)が基板パッド側を向かうよう上下を区別してキャパシタ(100)を基板上に搭載しなければならない。こうしたキャパシタ(100)の上下の区別は、キャパシタの上面と下面とが示す相違する色彩をセンシングすることによって可能になる。
【0039】
具体的に言えば、下部ダミー層(151)の厚さ(b)が上部ダミー層(152)の厚さ(c)より小さいので、外部からキャパシタ(100)を観察すると、キャパシタ(100)の下面はキャパシタ上面に比してより濃い色を示す。一般に上部及び下部ダミー層(151、152)は半透明の誘電体に形成され得るが、内部電極(114)は濃い色(例えば、濃青色)を示す。したがって、下部ダミー層(151)が上部ダミー層(152)より薄いので、キャパシタ(100)の下面には青色系の色が現れるが、キャパシタ(100)上面には薄い黄土色系の色が現れる。キャパシタ(100)の上面と下面が示す相違する色をセンサでセンシングすることにより、キャパシタ(100)の上下を区別して印刷回路基板や収納用テープ等にキャパシタ(100)を正しく搭載することが可能になる。
【0040】
キャパシタの上下を区別する他方の案として、キャパシタの上面に所定のマーキング(marking)を表示してもよい。図5には上下区別用マーキングが表示された積層型チップキャパシタの一例が示してある。
【0041】
図5に示された積層型チップキャパシタ(200)は、キャパシタの上下を区別するためのマーキング(130)がキャパシタ(200)の上面に表示される点を除けば、図3に説明した積層型チップキャパシタ(100)と同一である。このようにマーキング(130)をキャパシタ上面に表示することにより、キャパシタの上下区別はより容易且つ正確になる。こうしたキャパシタのマーキング(130)は、例えば、予めスクリーン印刷法により誘電体層に特定形状のマーキングを形成した後これをキャパシタ(200)の最上端に積層させることにより具現可能である。スクリーン印刷されるマーキングは、彩色(例えば、濃青色)ガラス材質から成り得る。このように形成されたキャパシタ(200)のマーキング(130)はセンサでセンシングされることにより、キャパシタ(200)の上下を容易且つ正確に区別することが可能になる。
【0042】
先述した実施形態においては、8端子の外部電極を有する積層型チップキャパシタ(100、200)について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示したような2端子積層型チップキャパシタにも本発明が適用され得る。
【0043】
図6は、本発明による2端子積層型チップキャパシタ(300)の一例を示す透視図で、図7は図6のZZ'ラインに沿って切断した断面図である。図6及び図7によると、キャパシタ本体(320)の両側面に外部電極(318、319)が形成され、キャパシタ本体(320)の内部には複数の内部電極(314)が形成される。内部電極(314)は相違する極性を有する第1内部電極(312)及び第2内部電極(313)に区分され、第1内部電極(312)及び第2内部電極(313)は各々の外部電極(318、319)に連結され交互に積層される。
【0044】
図7に示されたように、上記2端子積層型チップキャパシタ(300)においても、下部ダミー層(315)の厚さ(d)は上部ダミー層の厚さ(e)より小さく、キャパシタ(300)は上下非対称的な断面構造を有する。この場合にも、容易な上下区別のためにキャパシタ(300)上面にマーキング(marking)を表示することが可能である。本発明は、先述した8端子及び2端子積層型チップキャパシタばかりでなく、10端子、12端子等如何なる端子数の外部電極を有する積層型チップキャパシタにも適用され得る。
【0045】
図8は、本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す断面図である。図8によると、積層型チップキャパシタ(400)は、内部電極(414)下方に形成された下部ダミー層(451)と、内部電極(414)上に形成された上部ダミー層(452)とを含む。複数の内部電極(414)間には薄膜の誘電体層が配置される。とりわけ、本実施形態においては、上部ダミー層(452)は2層構造となる。具体的に説明すれば、上部ダミー層(452)は上部ダミー誘電体層(454)と、上部ダミー誘電体層(454)上に形成された上部補強層(453)とを含む。下部ダミー層(451)と上部ダミー誘電体層(454)は内部電極(414)間に配置された誘電体層と同一材質で形成される。上部補強層(453)は上記誘電体層とは異なる材料で形成され、キャパシタ(400)の機械的強度を補強する役目を果たす。上記補強層(453)は、例えばプラスチック、ガラスまたはセラミック材質で形成され得る。
【0046】
図8に示した実施形態においても、下部ダミー層(451)の厚さ(f)は上部ダミー層(i)の厚さより小さくなっている。即ち、下部ダミー層(451)は、上部ダミー誘電体層(454)の厚さ(g)と上部補強層(453)の厚さ(h)の和より小さい厚さを有するよう形成される。このように下部ダミー層(451)の厚さ(f)を上部ダミー層(452)の厚さ(i)より小さくすることにより、基板パッドから外部電極を通して流れる電流によるESL成分を減少させることが可能である。さらに、上部ダミー誘電体層(454)上に別途の上部補強材(453)を積層することにより、キャパシタの機械的強度をより向上させることが可能である。
【0047】
図10と図11は本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタの断面図を示す。この実施形態は、上部ダミー層(552、652)上にさらに他の内部電極及び/またはダミー層がさらに形成される点において先述した実施形態と異なる。
【0048】
先ず、図10によると、キャパシタ(500)は、下部ダミー層(551)と、上部ダミー層(552)と、これらの間に介在する複数の内部電極(514)とを具備する活性層(550)を含む。下部ダミー層(551)の厚さ(j)は上部ダミー層(552)の厚さ(k)より小さい。さらに、上部ダミー層(552)上にはさらに他の内部電極(524、534)がさらに配置される。上部ダミー層(552)上にさらに配置された内部電極(524、534)は、例えばキャパシタンスを所望の値に調節するために用いられ得る。図10のキャパシタ(500)は上下非対称的な断面構造を有する。したがって、キャパシタ(500)の上下区別が必要なので、キャパシタ(500)上面に上下区別用マーキング(図5参照)を表示することが好ましい。
【0049】
これに比して、図11に示された積層型チップキャパシタ(600)は、上下対称の断面構造を有する。図11に示されるように、キャパシタ(600)は下部ダミー層(651)、第1活性層(650)及び上部ダミー層(652)を含み、上部ダミー層(652)上に第2活性層(660)及び最上部ダミー層(661)をさらに含む。上部ダミー層(652)は下部ダミー層(651)の厚さ(l)より大きい厚さ(m)を有し、最上部ダミー層(661)は下部ダミー層(651)の厚さ(l)と同一な厚さを有する。第1及び第2活性層(650、660)は各々複数の内部電極(614、624)を具備する。このように上下対称断面構造を有するキャパシタ(600)を形成することにより、キャパシタ(600)の上下区別が不要になる。したがって、別途のマーキングが必要無く、上下区別無しにキャパシタ(600)を基板パッド上に搭載することが可能になる。
【0050】
さらに、本発明による積層型チップキャパシタは、先述した上下断面構造と共に、ESLをより低減させ且つESRが低くなり過ぎないよう制御し得る内部電極構造を使用するすることが可能である。こうした内部電極構造には一つ以上のスロットが形成される。
【0051】
図12ないし図17は本発明による積層型チップキャパシタに含まれ得る内部電極の多様な実施形態を示した平面図である。
【0052】
図12は本発明の第1実施形態によるキャパシタの内部電極を示す平面図である。図12によると、第1内部電極(1041)及び第2内部電極(1042)は各々外部電極(図3の図面符号118参照)に連結されるリード部(1413、1414、1423、1424)を具備する。上記第1及び第2内部電極は互いに隣接し、相違する極性の電圧が印加されることによって、各々の高周波電流により発生する磁束が相殺する。また、上記第1内部電極(1041)及び第2内部電極(1042)は、キャパシタ用の各誘電体層(1011a)及び(1011b)にそれぞれ重ねて配置されている。
【0053】
これに加えて、第1及び第2内部電極(1041、1042)各々は、同一平面上に互いに並んで配置され相互分割される第1導電性パターン(1411、1421)及び第2導電性パターン(1412、1422)を具備する。この際、複数のリード部(1413、1414、1423、1424)は上記導電性パターン(1411、1412、1421、1422)に一体で形成され終端が上記+または−極性の外部電極に連結される。
【0054】
さらに、同一平面上にある第1導電性パターン(1411、1421)と第2導電性パターン(1412、1422)は相違する極性を有する。さらに、同一平面上にある第1導電性パターン(1411、1421)と第2導電性パターン(1412、1422)の隣接した領域同士には相互逆方向の電流が流れ、第1導電性パターン(1411、1421)と第2導電性パターン(1412、1422)間に発生する磁束が相殺する。さらに、上下隣接される第1及び第2内部電極(1041、1042)同士も互いに逆極性を有するので、第1内部電極(1041)と第2内部電極(1042)間でも磁束が相殺する。
【0055】
さらに、上記第1導電性パターン(1411、1421)と第2導電性パターン(1412、1422)各々には、導電性パターンの一辺から中心方向に延長されたスロット(1415、1425)と(1416、1426)が形成される。したがって、一つの導電性パターン内において隣接した電流経路間に相違する方向へ電流が流れるので、一つの導電性パターン 内においても磁束が相殺する。したがって、ESLはより低くなる。
【0056】
さらに、導電性パターンの1辺から中心方向に延長された上記スロット(1415、1416、1425、1426)は、各々の導電性パターン(1411、1412、1421、1422)内部の電流経路を長くするので、キャパシタのESRが低くなりすぎることを防止する。そればかりでなく、上記スロットの長さを調節することにより、ESRを適切に制御することも可能である。このように、ESRを制御可能になることで、ターゲットインピーダンス(target impedence)を満足させ、パワー分配ネットワーク(power distribution network)を安定的に設計することが可能になる。
【0057】
先述した実施形態においては、一つの導電性パターンに一つのスロットが存在するが、2以上のスロットが形成されることも可能である。さらに、同一平面上に2個の導電性パターンを形成せずに、一つのみの導電性パターンを形成してもよい。さらに、内部電極各々は他個数のリードを具備してもよく、一つのリードのみを具備してもよい。
【0058】
図13は、第2実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。図13によると、第1導電性パターン(1511、1521)と第2導電性パターン(1512、1522)に形成されたスロット(1515、1525)と(1516、1526)は相違する方向に配置される。さらに、上記第1導電性パターン(1511、1521)と第2導電性パターン(1512、1522)は同一極性を有する。図13の矢印のように、この実施形態においても、同一平面上に存在する第1導電性パターンと第2導電性パターンの隣接した領域間、上下隣接した第1内部電極(1051)及び第2内部電極(1052)間、そして一つの導電性パターン内部において逆電流の流れによって磁束が相殺する。さらに、上記スロットを通してESRを適切に制御することが可能である。図面符合1513、1514、1523及び1524はリード部を示す。
【0059】
本発明によれば、上下隣接した第1内部電極と第2内部電極間には相互直交する電流が流れることが可能である。図14ないし図17はこうした例を示す。
【0060】
図14は、本発明の第3実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す図である。図14によると、第1内部電極(1061)及び第2内部電極(1062)は各々一つの導電性パターン(1611、1621)を具備する。さらに、各々の導電性パターン(1611または1621)には同一線上に形成された2個のスロット(1612、1613または1622、1623)が形成される。この際、第1内部電極(1061)の導電性パターン(1611)に形成されたスロット(1612、1613)と第2内部電極(1062)の導電性パターン(1621)に形成されたスロット(1622、1623)とは互いに直交する。この場合、上下隣接した第1内部電極(1061)と第2内部電極(1062)間には互いに直交する電流が流れ、これにより磁束の相殺効果が得られる。図面符合1614、1624はリード部を示す。
【0061】
図15は、本発明の第4実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す図である。図15によると、第1内部電極(1071)はスロット(1712)により分割された2個の導電性パターン(1711)を具備する。さらに、第2内部電極(1072)は、同一線上に形成された2個のスロット(1722、1723)を有する一つの導電性パターン(1721)を具備する。この際、第1内部電極(1071)に形成されたスロット(1712)と第2内部電極(1072)の導電性パターン(1721)に形成されたスロット(1722、1723)とは互いに直交する。この際、上下隣接した第1内部電極(1071)と第2内部電極(1072) 間には互いに直交する電流が流れ、これにより磁束の相殺効果が得られる。図面符合1713、1724はリード部を示す。
【0062】
図16は、本発明の第5実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。図16によると、第1内部電極(1081)は、同一線上に形成された2個のスロット(1813)を有する一つの導電性パターン(1811)を具備する。さらに、スロット(1822)により分割された2個の導電性パターン(1821)を具備する。この際、第1内部電極(1081)の導電性パターン(1811)に形成されたスロット(1813)と第2内部電極(1082)に形成されたスロット(1822)とは互いに直交する。この際、上下隣接した第1内部電極(1081)と第2内部電極(1082)間には互いに直交する電流が流れ、これにより磁束の相殺効果が得られる。図面1812、1814、1823はリード部を示す。
【0063】
図17は本発明の第6実施形態によるキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。図17によると、第1内部電極(1091)は四角形の一つの導電性パターン(1911)を具備し、スロットを具備しない。第2内部電極(1092)はスロット(1922)により分割された一対の導電性パターン(1921)を具備する。この際、上下隣接した第1内部電極(1091)と第2内部電極(1092)間には互いに直交する電流が流れ、これにより磁束の相殺効果が得られる。図面符号1912、1923はリード部を示す。
【0064】
図18ないし図21には、本発明の様々な実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極、内部電極及びリード部の配置形態を示す平面図である。図18ないし図21の各図において左列は外部電極の平面図を示し、中央列は第1内部電極の平面図を示し、右列は第2内部電極の平面図を示す。上記図18ないし図21の配置構造によれば、上下隣接した第1内部電極と第2内部電極間に逆方向の電流が流れる。さらに、スロットにより分割された一対の導電性パターンの隣接した領域間にも逆方向の電流が流れる。ひいては、一つの導電性パターン内にスロットが形成された場合、上記スロットは一つの導電性パターン内の電流経路を長くする。したがって、ESRが過度に低くなることを防止可能である。さらに、上記スロットの長さを適切に選択することにより、ESRを制御可能である。
【実施例】
【0065】
本発明者は本発明による積層型チップキャパシタの特性向上を確認すべく、従来例による積層型チップキャパシタと本発明の一実施例の3種の実施例による積層型チップキャパシタとのESL特性を比較する実験を行った。上記実験に使用された従来例のキャパシタとしては、図1aないし図1cに示されたように対称断面構造を有するキャパシタを使用した。上記第1ないし第3実施例のキャパシタは図13に示したような内部電極構造を有する。上記第1実施例のキャパシタは、図3に示したような上下非対称断面構造を有する。上記第2実施例のキャパシタは、図10に示したような上下非対称断面構造を有する。第3実施例のキャパシタは、図11に示したような上下対称断面構造を有する。上記実施例と従来例の積層型チップキャパシタは8端子キャパシタである。
【0066】
上記従来例のキャパシタのサイズと実施例のキャパシタのサイズは全て2.0mm×1.25mmで、両キャパシタの高さは0.85mmとした。とりわけ、実施例においては、下部ダミー層の厚さが50μmであった。従来例においては、下部ダミー層及び上部ダミー層の厚さが各々350mm以上で同一である。従来例及び実施例全てにおいて、内部電極にはニッケル(Ni)電極を使用し、外部電極には銅(Cu)電極を使用した。キャパシタの容量は全て1μFであった。
【0067】
上記従来例のキャパシタと実施例のキャパシタに対してESLを測定し、下記表1に記載の結果を得た。
【表1】
【0068】
上記表1に記載されたように、実施例の積層型チップキャパシタのESL特性は、従来例の積層型チップキャパシタのESL特性に比して大きく向上された。上記表1に示したように、第1及び第2実施例の積層型チップキャパシタは従来例の積層型チップキャパシタに比して約65%のESL減少効果を得た。25pHほどのESL特性は従来の8端子積層型チップキャパシタからは得られない値である。従来の方式を適用する場合、端子数を12端子以上に増やさなければ30pH以下のESLを有する積層型チップキャパシタを得られない。しかし、端子数を増やす場合、端子同士のピッチが減りキャパシタマウンティング時ショート(short)不良を引き起こし易い。結局、従来の方式で12端子以上の端子数を有する積層型チップキャパシタを使用するより、本発明において提案する8端子積層型チップキャパシタを使用する方が有利である。尚、本実施例とは逆に下部ダミー層の厚さ(650μm程)を上部ダミー層の厚さ(50μm)より大きくした場合にはESL値が100pH程になった。
【0069】
本発明は上述した実施形態及び添付の図により限定されるものではなく、添付の請求範囲により限定されるもので、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内において様々な形態の置換、変形及び変更が可能なことは当技術分野において通常の知識を有する者にとって自明である。例えば、本発明の積層型キャパシタに用いられる内部電極の形状や外部電極の数は先述した実施形態と異なり得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1a】従来の積層型チップキャパシタの内部電極構造を示す分解斜視図である。
【図1b】図1aの積層型チップキャパシタの外形を示す斜視図である。
【図1c】図1bの積層型チップキャパシタをXX'ラインに沿って切断した断面図である。
【図1d】図1bの積層型チップキャパシタをAA'ラインに沿って切断した断面図である。
【図1e】図1dの積層型チップキャパシタの等価直列インダクタンスモデルを示す等価回路図である。
【図2】従来の積層型チップキャパシタの他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による積層型チップキャパシタを示す概略斜視図である。
【図4】図3のYY'ラインに沿って切断した断面図である。
【図5】本発明の他実施形態による積層型チップキャパシタを示す概略斜視図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す透視図である。
【図7】図6のZZ'ラインに沿って切断した断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す断面図である。
【図9】図3の積層型チップキャパシタの変形例を示す概略斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態による積層型チップキャパシタを示す断面図である。
【図12】本発明の第1実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図13】本発明の第2実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図15】本発明の第4実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図16】本発明の第5実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図17】本発明の第6実施形態による積層型チップキャパシタの内部電極形状を示す平面図である。
【図18】本発明の諸実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極及び内部電極の配置形態を示す平面図である。
【図19】本発明の諸実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極及び内部電極の配置形態を示す平面図である。
【図20】本発明の諸実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極及び内部電極の配置形態を示す平面図である。
【図21】本発明の諸実施形態による積層型チップキャパシタの外部電極及び内部電極の配置形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0071】
100、100'、200、300、400 積層型チップキャパシタ
112、312 第1内部電極
113、313 第2内部電極
114、314、414 内部電極
118、118'、318、319 外部電極
120、320 キャパシタ本体
130 マーキング
150、550、650、660 活性層
151、351、451、551、651 下部ダミー層
152、352、452、552、652 上部ダミー層
453 上部補強層
454 上部ダミー誘電体層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部ダミー層及び下部ダミー層;
上記上部と下部ダミー層間に介在する複数の内部電極;及び
上記内部電極に連結された外部電極を含み、
上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さより小さい積層型チップキャパシタ。
【請求項2】
上記上部ダミー層の厚さに対する上記下部ダミー層の厚さの比は0.8以下である請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項3】
上記積層型チップキャパシタの上面と下面とは相違する色を表す請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項4】
上記キャパシタの上面にはキャパシタの上下を区別するためのマーキングが表示される請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項5】
上記マーキングは彩色ガラスで成る請求項4に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項6】
上記複数の内部電極間には薄膜の誘電体層が形成され、
上記上部ダミー層と下部ダミー層は上記誘電体層と同一材料で形成される請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項7】
上記複数の内部電極間には薄膜の誘電体層が形成され、
上記上部ダミー層は、
上記誘電体層と同一材料で形成された上部ダミー誘電体層と;
上記上部ダミー誘電体層上に形成された上部補強層を含む請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項8】
上記上部補強層は、プラスチック、ガラスまたはセラミックから成る請求項7に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項9】
上記上部ダミー層上に一つ以上の内部電極をさらに含む請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項10】
上記上部ダミー層上に一つ以上のダミー層をさらに含む請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項11】
上記積層型チップキャパシタは上下非対称断面構造を有する請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項12】
上記積層型チップキャパシタは上下対称断面構造を有する請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項13】
上部ダミー層及び下部ダミー層;
上記上部及び下部ダミー層間に介在する複数の第1内部電極及び第2内部電極;
上記内部電極に連結された外部電極を含み、
上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さよりさらに小さく、
上記第1内部電極及び第2内部電極は誘電体層により分離され互いに交互に配置され、上記第1内部電極及び第2内部電極各々は、上記外部電極に連結されたリード部を有し、上記第1内部電極及び第2内部電極中少なくとも一つには、一つ以上のスロットが形成されている積層型チップキャパシタ。
【請求項14】
上記第1及び第2内部電極各々は、相互隣接して配置される一対の分割された導電性パターンを有し、
上記一対の導電性パターン各々には、上記導電性パターン内の電流の流れを変更させるよう上記導電性パターンの一つ以上の辺から中心方向に延長された一つ以上のスロットが形成され、
上記一対の導電性パターンの隣接した領域においては相互逆方向の電流が流れる請求項13に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項15】
上記一対の導電性パターンは同一極性を有する請求項14に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項16】
上記一対の導電性パターンは相違する極性を有する請求項14に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項17】
上記第1内部電極と第2内部電極には互いに直交方向の電流が流れる請求項13に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項18】
上記第1内部電極各々は一つの四角形の第1導電性パターンを具備し、上記第1導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個のスロットが形成され、
上記第2内部電極各々は、一つの四角形の第2導電性パターンを具備し、上記第1内部電極のスロットとは直交するよう上記第2導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個のスロットが形成される請求項17に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項19】
上記第1内部電極各々は第1スロットにより分割された一対の第1導電性パターンを具備し、
上記第2内部電極各々は一つの四角形の第2導電性パターンを具備し、上記第1スロットとは直交するよう上記第2導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個の第2スロットが形成される請求項17に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項20】
上記第1内部電極各々は一つの第1導電性パターンを具備し、上記第2内部電極各々はスロットにより分割された一対の第2導電性パターンを具備する請求項17に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項1】
上部ダミー層及び下部ダミー層;
上記上部と下部ダミー層間に介在する複数の内部電極;及び
上記内部電極に連結された外部電極を含み、
上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さより小さい積層型チップキャパシタ。
【請求項2】
上記上部ダミー層の厚さに対する上記下部ダミー層の厚さの比は0.8以下である請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項3】
上記積層型チップキャパシタの上面と下面とは相違する色を表す請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項4】
上記キャパシタの上面にはキャパシタの上下を区別するためのマーキングが表示される請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項5】
上記マーキングは彩色ガラスで成る請求項4に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項6】
上記複数の内部電極間には薄膜の誘電体層が形成され、
上記上部ダミー層と下部ダミー層は上記誘電体層と同一材料で形成される請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項7】
上記複数の内部電極間には薄膜の誘電体層が形成され、
上記上部ダミー層は、
上記誘電体層と同一材料で形成された上部ダミー誘電体層と;
上記上部ダミー誘電体層上に形成された上部補強層を含む請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項8】
上記上部補強層は、プラスチック、ガラスまたはセラミックから成る請求項7に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項9】
上記上部ダミー層上に一つ以上の内部電極をさらに含む請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項10】
上記上部ダミー層上に一つ以上のダミー層をさらに含む請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項11】
上記積層型チップキャパシタは上下非対称断面構造を有する請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項12】
上記積層型チップキャパシタは上下対称断面構造を有する請求項1に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項13】
上部ダミー層及び下部ダミー層;
上記上部及び下部ダミー層間に介在する複数の第1内部電極及び第2内部電極;
上記内部電極に連結された外部電極を含み、
上記下部ダミー層の厚さは上記上部ダミー層の厚さよりさらに小さく、
上記第1内部電極及び第2内部電極は誘電体層により分離され互いに交互に配置され、上記第1内部電極及び第2内部電極各々は、上記外部電極に連結されたリード部を有し、上記第1内部電極及び第2内部電極中少なくとも一つには、一つ以上のスロットが形成されている積層型チップキャパシタ。
【請求項14】
上記第1及び第2内部電極各々は、相互隣接して配置される一対の分割された導電性パターンを有し、
上記一対の導電性パターン各々には、上記導電性パターン内の電流の流れを変更させるよう上記導電性パターンの一つ以上の辺から中心方向に延長された一つ以上のスロットが形成され、
上記一対の導電性パターンの隣接した領域においては相互逆方向の電流が流れる請求項13に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項15】
上記一対の導電性パターンは同一極性を有する請求項14に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項16】
上記一対の導電性パターンは相違する極性を有する請求項14に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項17】
上記第1内部電極と第2内部電極には互いに直交方向の電流が流れる請求項13に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項18】
上記第1内部電極各々は一つの四角形の第1導電性パターンを具備し、上記第1導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個のスロットが形成され、
上記第2内部電極各々は、一つの四角形の第2導電性パターンを具備し、上記第1内部電極のスロットとは直交するよう上記第2導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個のスロットが形成される請求項17に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項19】
上記第1内部電極各々は第1スロットにより分割された一対の第1導電性パターンを具備し、
上記第2内部電極各々は一つの四角形の第2導電性パターンを具備し、上記第1スロットとは直交するよう上記第2導電性パターンの対向する2辺から中心方向に延長された2個の第2スロットが形成される請求項17に記載の積層型チップキャパシタ。
【請求項20】
上記第1内部電極各々は一つの第1導電性パターンを具備し、上記第2内部電極各々はスロットにより分割された一対の第2導電性パターンを具備する請求項17に記載の積層型チップキャパシタ。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−203165(P2006−203165A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327396(P2005−327396)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
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