説明

突然変異体SMOOTHENEDおよびその使用方法

癌患者を分子標的治療で処置した後の、チロシンキナーゼ中の突然変異の出現は、獲得された薬物耐性の主要な機構を表す。ここでは、本発明者らは、髄芽腫中のヘッジホッグ(Hh)経路阻害剤に対する耐性をもたらす、セルペンチン受容体中の突然変異、Smoothened(SMO)を記載する。SMOの保存的アスパラギン酸残基中の単一のアミノ酸置換は、Hhシグナル伝達を維持するが、Hh経路阻害剤GDC−0449がSMOと結合して経路を抑制することを不能にさせる。この突然変異は、GDC−0449耐性の髄芽腫のマウスモデルにおいて獲得されていただけでなく、髄芽腫患者においてGDC−0449の再発後に同定された。本発明は、SMO突然変異を検出するためのスクリーニング方法、および薬物耐性を示す突然変異SMOを特異的に変調させる薬物のスクリーニング方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1と少なくとも95%同一である、アミノ酸473でアスパラギン酸以外のアミノ酸を含むアミノ酸配列を含む、突然変異SMOタンパク質をコードしている単離した核酸分子。
【請求項2】
突然変異SMOタンパク質が、アミノ酸473でヒスチジン、グリシン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、セリン、スレオニン、メチオニン、グルタミン、またはアスパラギンを含む配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離した核酸配列。
【請求項3】
アミノ酸473をコードしている配列が異なるアミノ酸をコードするように変更させる突然変異を含有する、配列番号3の親核酸配列を含む、請求項1に記載の単離した核酸配列。
【請求項4】
アミノ酸473をコードしている配列中に突然変異を取り込んでいる突然変異したSMOタンパク質またはその断片をコードしている核酸と特異的にハイブリダイズできる、核酸プローブ。
【請求項5】
突然変異したSMOまたはその前記断片をコードしている前記核酸に相補的である、請求項4に記載のプローブ。
【請求項6】
約10〜約50個のヌクレオチドの長さを有する、請求項4に記載のプローブ。
【請求項7】
検出可能な標識をさらに含む、請求項4に記載のプローブ。
【請求項8】
配列番号2と少なくとも95%同一である、アミノ酸473でアスパラギン酸以外のアミノ酸を含むアミノ酸配列を含む、単離した突然変異SMOタンパク質。
【請求項9】
アミノ酸473でアスパラギン酸以外のアミノ酸を含む配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の単離した突然変異SMOタンパク質。
【請求項10】
前記アミノ酸配列が、アミノ酸473でヒスチジン、グリシン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、セリン、スレオニン、メチオニン、グルタミン、またはアスパラギンを含む、請求項8または9に記載の単離した突然変異SMOタンパク質。
【請求項11】
前記抗体のエピトープが、位置473にアスパラギン酸を有する野生型SMOと結合しない、請求項8または9に記載の突然変異SMOタンパク質と特異的に結合する抗体。
【請求項12】
モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体またはその抗原結合断片である、請求項11に記載の抗体。
【請求項13】
細胞毒性剤とコンジュゲートされている、請求項11に記載の抗体。
【請求項14】
SMO活性を阻害する、請求項11に記載の抗体。
【請求項15】
前記試料から、突然変異を含有することが疑われるSMOの膜貫通ドメイン6のカルボキシ末端またはその断片に対応する核酸を増幅することと、増幅した核酸の電気泳動移動度を、対応する野生型SMO遺伝子またはその断片の電気泳動移動度と比較することとを含む、試料中の突然変異したSMO遺伝子を検出する方法。
【請求項16】
電気泳動移動度がポリアクリルアミドゲル上で決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記試料からの核酸を、アミノ酸473をコードしている配列をアスパラギン酸以外のアミノ酸に変更させる突然変異を取り込んでいる突然変異したSMOタンパク質またはその断片をコードしている核酸と特異的にハイブリダイズできる核酸プローブと接触させることと、前記ハイブリダイゼーションを検出することとを含む、試料中の少なくとも1つのSMO突然変異を同定する方法。
【請求項18】
前記プローブが検出可能に標識されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プローブがアンチセンスオリゴマーである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記核酸の前記試料中のSMO遺伝子またはその断片を増幅し、前記プローブと接触させる、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記腫瘍の試料中の突然変異したSMO遺伝子または突然変異したSMOタンパク質の存在を決定することを含み、前記突然変異がアミノ酸473をコードしているSMO遺伝子中に位置しており、前記突然変異したSMO遺伝子または突然変異したSMOタンパク質の存在により、前記腫瘍がGDC−0449を用いた処置に対して耐性であることが示される、ヒト対象において、GDC−0449を用いた処置に対して耐性である腫瘍を同定する方法。
【請求項22】
GDC−0449を用いた処置に対して感受性がない腫瘍を有する前記対象を、前記突然変異したSMOと結合する化合物で処置することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記突然変異の存在または非存在を核酸試料の検査によって行う、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記突然変異の存在または非存在をタンパク質試料の検査によって行う、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記突然変異SMOを試験化合物と接触させることと、前記化合物と前記突然変異SMOとの結合を検出することとを含み、前記試験化合物と突然変異SMOとの結合により、前記試験化合物が突然変異SMOの阻害剤であることが示される、アミノ酸473に突然変異が取り込まれている突然変異SMOタンパク質のシグナル伝達を阻害する化合物についてスクリーニングする方法。
【請求項26】
前記突然変異SMOを発現する細胞を試験化合物と接触させることと、前記細胞中のGliの活性を検出することとを含み、Gli活性の存在により、前記試験化合物が突然変異SMOの阻害剤でないことが示される、アミノ酸473に突然変異が取り込まれている突然変異SMOタンパク質のシグナル伝達を阻害する化合物についてスクリーニングする方法。
【請求項27】
位置473にアスパラギン酸以外のアミノ酸をもたらす突然変異を有する突然変異SMOタンパク質と特異的に結合する化合物を、それを必要としている患者に投与することによる、癌を処置する方法。
【請求項28】
前記化合物が、位置473でアスパラギン酸以外のアミノ酸を有する突然変異SMOと特異的に結合する抗体である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記化合物が式I、IIおよび/またはIIIの化合物である、請求項27に記載の方法。
【化1】

【請求項30】
(a)式I、式IIおよび式IIIを有する構造式を有する化合物からなる群から選択されるSMO阻害剤、ならびに
(b)PI3K阻害剤
を、それを必要としている患者に投与することを含む、SMO阻害剤に対する獲得耐性を遅延させるまたは予防する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図3A】
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【図6】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15C】
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【図18C】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15D】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【公表番号】特表2013−503644(P2013−503644A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528067(P2012−528067)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/047739
【国際公開番号】WO2011/028950
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【出願人】(501188889)キュリス,インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】