説明

立軸ポンプ

【課題】簡易で設置作業が容易な構成で、管理運転時に吸込水槽を効果的に清掃できる立軸ポンプを提供する。
【解決手段】吐出ベンド7に接続したT字状管19A,19Bから分岐した縦配管21A,21Bはケーシング2に沿って鉛直方向に延びる。縦配管21A,21Bの下端には複数のノズル26を備える環状配管23が接続されている。立軸ポンプ1の管理運転時には、圧力センサ27からの入力により仕切弁8の閉弁を検出した制御装置28が、縦配管21A,21Bの開閉弁22A,22Bを開弁する。ケーシング2の上端側から縦配管21A,21Bを経て環状配管23に圧送された水がノズル26から吸込水槽5の底部5aに向けて噴出され、底部5aに堆積していた異物が吸込水槽5内の水に浮遊する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立軸ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された立軸ポンプは、仕切弁よりも上流側から吸込水槽の底部まで延びる戻り管路と、吸込水槽の底部上に配管されて戻り管路に接続されたノズル配管とを備える。管理運転時には仕切弁が閉弁され、立軸ポンプの吐出水が戻り管路からノズル配管に圧送され、ノズル配管に設けられたノズルから吸込水槽内に噴出される。ノズルから噴出される水は、吸込水槽の底部に堆積していたし渣、砂等の異物を水中に浮遊させる。この状態で立軸ポンプの通常運転が行われると、異物は水と共に立軸ポンプに吸い込まれて下流へ圧送される。つまり、管理運転時に過熱防止のために吸込水槽に戻す水を利用して、吸込水槽の清掃を行っている。
【0003】
この特許文献1に記載の立軸ポンプは、ケーシング等とは別に吸込水槽の底部にノズル配管を配管する必要があり、かつこのノズル配管に同じくケーシングとは別に戻り管路を接続する必要がある点で構造が複雑で、設置作業も煩雑である。
【0004】
また、特許文献1に記載された立軸ポンプでは、吸込水槽内での渦の発生を防止するための防止板等の渦発生防止装置を、戻り管路やノズル配管とは別に設ける必要があり、この点でも構造が複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−200502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡易で設置作業が容易な構成でありながら、管理運転時に吸込水槽を効果的に清掃できる立軸ポンプを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、鉛直方向に延び、下端側に吸込水槽内の底部と対向して開口した吸込口を備え、上端側に仕切弁を介設した吐出管が接続され、かつ羽根車を下端側に固定した主軸が配置されているケーシングと、前記ケーシングの上端側の前記仕切弁よりも上流側から分岐し、前記吸込水槽の前記底部に向けて前記ケーシングに沿って鉛直方向に延び、かつ常閉の開閉弁が介設された少なくとも1本の縦配管と、前記ケーシングの外側を間隔をあけて取り囲むように前記縦配管の下端側に接続され、前記吸込水槽の前記底部に向いた複数のノズルを備える少なくとも1個の環状配管と、前記仕切弁の閉弁を検出するためのセンサと、前記センサからの入力により前記仕切弁の閉弁を検出すると前記開閉弁を開弁させる制御装置とを備える、立軸ポンプを提供する。
【0008】
管理運転時には仕切弁が閉弁される。センサからの入力により仕切弁の開弁を検出した制御装置は、開閉弁を開弁する。その結果、吸込水槽から吸込口を通ってケーシング内に吸い込まれた水は、縦配管から環状配管へ圧送され、ノズルから噴出することで吸込水槽に戻る。このようなケーシング内を通る水の循環流れにより、管理運転時の立軸ポンプの過熱が防止される。
【0009】
環状配管のノズルは吸込水槽の底部を向いているので、吸込水槽の底部に堆積していたし渣、砂等の異物は、管理運転時にノズルから噴出される水流により吹き上げられて吸込水槽内の水中に浮遊する。環状配管のノズルから噴出された水は吸込水槽の底部又はその上に堆積した異物に衝突するので、吸込水槽の底部付近には複雑な水流が生じ、底部に堆積していた異物をより効果的に浮遊させることができる。異物が十分に浮遊した状態とした後に立軸ポンプの通常運転を行い、異物を水と共に立軸ポンプに吸い込んで下流へ圧送することで、効果的に吸込水槽内を清掃できる。
【0010】
ケーシングとは別に吸込水槽の底部に配管を設ける必要も、そのような吸込水槽の底部の配管をケーシングの上端側(吐出管路)側と接続するための管路をケーシングと別に設ける必要もなく、構造が簡易である。また、ケーシングを吸込水槽に設置する際に、ケーシングに接続された縦配管と、縦配管に接続された環状配管も共に吸込水槽に設置される。この点で、設置作業が簡易である。
【0011】
また、ケーシングに沿って鉛直方向に延びる縦配管は、通常運転時に吸込口周辺の吸込水槽内の渦が発生するのを防止できる。つまり、縦配管は渦発生防止装置を兼ねており、渦発生防止装置を別に設ける必要がない。この点でも、構造が簡易である。
【0012】
前記センサが前記仕切弁よりも上流側には配置された圧力センサであれば、前記制御装置は、前記圧力センサの検出圧力が予め定められた圧力を上回ると、前記仕切弁が閉弁されたと判断する。
【0013】
前記センサが前記仕切弁よりも下流側に配置された流量センサであれば、前記制御装置は、前記流量センサの検出圧力が予め定められた流量を下回ると、前記仕切弁が閉弁された判断する。
【0014】
例えば、1個の前記環状配管を備え前記ノズルは平面視で外向きである。あるいは、鉛直方向に間隔をあけて配置された2個の前記環状配管を備え、上段側の前記環状配管のノズルは平面視で外向きであり、下段側の前記環状配管のノズルは平面視で内向きであってもよい。
【0015】
具体的には、立軸ポンプは、前記ケーシングの上端側の吐出ベントと、一端側が前記吐出ベントに接続されて他端側に覗き窓が設けられた水平方向に延びる横配管とを備え、前記縦配管の上端側は前記横配管から分岐している。
【0016】
この構成によれば、既存の吐出ベントの覗き窓が設けられていた部分に横配管を介して縦配管を接続できるので、既存の立軸ポンプの比較的簡易な改造で本発明を実施できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の立軸ポンプは、簡易で吸込水槽への設置作業が容易な構成でありながら、管理運転時に吸込水槽を効果的に清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る立軸ポンプの断面図。
【図2】図1のII-II線での断面図。
【図3】環状配管の配置の代案を示す部分断面図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る立軸ポンプの部分断面図。
【図5】図3のV−V線での断面図。
【図6】H−Q線図等を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1に示す本発明の第1実施形態に係る立軸ポンプ1は、概ね鉛直方向に延びる直管状のケーシング2を備える。ケーシング2は、ポンプ機場の床構造3に対して開口部3aに差し込まれた状態で固定されている。ケーシング2の下端側の吸込ベルマウス4が備える吸込口4aは、吸込水槽5の底部5aに対して例えば吸込口4aの直径の1.3倍程度の距離を隔てて対向している。ケーシング2の上端側の吐出ベント7(図1において手前側に向かって90度湾曲している。)が備える吐出口7aには、仕切弁8(本実施形態では常閉で手動開閉可能)を介設した吐出管9が接続されている。下端側に羽根車10が固定された主軸11はケーシング2内に鉛直方向に延びるように配置され、軸受13A,13B,13Cにより回転可能に支持されている。吐出ベント7からケーシング2の外部に突出する主軸11の上端は、モータ、減速機等からなる駆動機構14に連結されている。
【0021】
本実施形態における吸込ベルマウス4は、上部吸込ベル15とその下方に間隔を隔てて配置された下部吸込ベル16を備える二重構造である。図6(横軸は最適流量Qoptに対する流量Qの割合Q/Qoptで、縦軸は最適揚程Hoptに対する揚程Hの割合H/Hopt)を併せて参照すると、定格運転域(例えばQ/Qoptが約0.6〜1.2の範囲)であれば、下部吸込ベル16の下端開口16aから水が吸い上げられるが、上部吸込ベル15と下部吸込ベル16の間の流路17からの水の流入はない。次に、過大流量域(例えばQ/Qopt約1.2以上)では、下端開口16aと流路17の両方からケーシング2内に水が吸い上げられる。部分流量域(例えばQ/Qoptが約0.6未満)では、下部吸込ベル16の下端開口16aから吸い上げられた水の一部が逆流水として流路17から吸込水槽5へ噴出する。この二重構造の吸込ベルマウス4自体は公知であり、その構造及び機能の詳細は、特開2004−176567号公報に記載連されている。ただし、本発明はベルマウスが通常の一重構造である立軸ポンプにも適用できる。なお、図6においてηは効率、Lは軸動力を示す。
【0022】
吐出ベント7の図1において左右対称の位置にT字状管19A,19B(横配管)の一端が接続されている。T字状管19A,19Bの水平方向に延びる部分の他端には覗き窓20A,20Bが設けられている。また、T字状管19A,19Bの水平方向に延びる部分の途中から鉛直方向下向きに分岐した部分があり、この部分に直管状の縦配管21A,21Bの一端が接続されている。これら2本の縦配管21A,21BにはT字状管19A,19B付近に開閉弁22A,22B(本実施形態では常閉の電動バタフライ弁)が介設されている。縦配管21A,21Bは、ケーシング2の外側に間隔を開けて配置され、主軸11と平行に鉛直方向下向きに延びている。具体的には、本実施形態では、縦配管21A,21BはT字状管19A,19Bから開口部3aを通過して羽根車10よりもやや上方の位置まで延びている。縦配管21A,21Bは、1箇所又は複数箇所がケーシング2や吸込水槽5に連結されていてもよい。
【0023】
縦配管21A,21Bの下端には環状配管23が接続されている。本実施形態における環状配管23は主軸11の軸線11aを中心とする円環状であり、ケーシング2の外側を間隔を隔てて取り囲むように配置されている。環状配管23は1箇所又は複数箇所がケーシング2や吸込水槽5に連結されていてもよい。例えば、複数本の鉛直方向に延びるロッド25(図2のみ示す)により環状配管23を床構造3の下面側に連結してもよい。図2を併せて参照すると、環状配管23には複数個(本実施形態では8個)のノズル26が平面視で主軸11の軸線11aを中心に等角度間隔で設けられている。8個のノズル26は全て下向きであり吸込水槽5の底部5aを向いている。ノズル26の俯角θ1は例えば30度程度に設定される。図2を参照すると、本実施形態では平面視でのノズル26の向きは、主軸11の半径方向かつ外向き(主軸11から離れる向きに水流が噴出される)である。
【0024】
俯角θ1を個々のノズル26間で異ならせてもよい。また、ノズル26の平面視での向きは図2おいて符号β1で示すように主軸11の回転方向(符号R)側へ傾けてもよいし、それとは逆に符号β1で示すように主軸11の回転方向とは反対側に傾けてもよい。さらに、図3に示す代案のように、縦配管21A,21Bの下端が吸込ベルマウス4の吸込口4aより下方に位置し、縦配管21A,21Bの下端に接続された環状配管23が吸込ベルマウス4より下方に位置していてもよい。これらの点は後述する第2実施形態についても同様である。
【0025】
吐出管9の仕切弁8よりも上流側には圧力センサ27が配置されている。制御装置28は、圧力センサ27からの入力に基づいて仕切弁8が開弁されたことを検出し、仕切弁8の開弁を検出すると、開閉弁22A,22Bを開弁する。具体的には、十分に高い圧力が閾値圧力Pthとして予め設定されており、制御装置28は圧力センサ27の検出圧力がこの閾値圧力Pthを上回ると仕切弁8が閉弁されたと判断する。
【0026】
圧力センサ27は仕切弁8よりも上流側に配置されていればよく、例えば吐出ベント7内に配置されていてもよい。また、図1において破線で示すように、圧力センサ27に代えて吐出管9の仕切弁8よりも上流側に流量センサ29を配置し、この流量センサ29からの入力に基づいて制御装置28が仕切弁8の開弁を検出してもよい。この場合、十分に少ない流量が閾値流量qthとして予め設定されており、制御装置28は流量センサ29の検出流量がこの閾値流量qthを下回ると仕切弁8が閉弁されたと判断する。
【0027】
次に、本実施形態の立軸ポンプ1の動作を説明する。
【0028】
通常運転が長期にわたって実行されない等場合、吸込水槽5内の水を排水するためではくな、性能維持等の目的で立軸ポンプを運転させる場合がある(管理運転)。管理運転時には、本実施形態の場合、ポンプ機場の操作員によって仕切弁8が手動で閉弁された後に、立軸ポンプ1が起動される。立軸ポンプ1が起動するとケーシング内に吸い込まれた吸込水槽5内の水の圧送が仕切弁8により遮断されるので、圧力センサ27の検出圧力が上昇する。圧力センサ27の検出圧力が閾値圧力Pthを上回ると、制御装置28は開閉弁22A,22Bを開閉する。開閉弁22A,22Bが開弁すると、図1において矢印A1で示すように吸込ベルマウス4の吸込口4aから吸い込まれた吸込水槽5内の水がケーシング2(吐出ベント7)からT字状管19A,19B及び縦配管21A,21Bを経て環状配管23へ圧送される。具体的には、図6において管理運転時の流量比と揚程比はそれぞれQb,Hbとなり、部分流量域である。そのため、図1において矢印A1で示すように下部吸込ベル16の下端開口16aから水が吸い上げられた水の大部分は環状配管23へ圧送されるが、一部は矢印A2で示すように上部吸込ベル15と下部吸込ベル16の間の流路17から吸込水槽5に噴出(逆流)する。
【0029】
環状配管23へ圧送された水は、図1及び図2おいて矢印A3で示すようにノズル26から吸込水槽5内に噴出される。つまり、管理運転時には吸込水槽5からケーシング2へ吸い込まれた水はT字状管19A,19B、縦配管21A,21B、環状配管23、及びノズル26を経て吸込水槽5に戻る。このようなケーシング2内を通る水の循環流れにより、管理運転時の立軸ポンプ1の過熱(例えば軸受13A〜13Cで発生する摩擦熱により過度な温度上昇)が防止される。
【0030】
環状配管23のノズル26は吸込水槽5の底部5aを向いているので、吸込水槽5の底部5aに堆積していたし渣、砂等の異物は、管理運転時にノズル26から噴出される水流(矢印A2)により吹き上げられて吸込水槽5内の水中に浮遊する。環状配管23のノズル26から噴出された水は吸込水槽5の底部5a又はその上に堆積した異物に衝突するので、吸込水槽5の底部5a付近には複雑な水流が生じ、底部5aに堆積していた異物をより効果的に浮遊させることができる。管理運転時の揚程比Hb(部分流量域)は、定格運転域や過大流量域となる通常運転時と比較して概ね高いので、ノズル26から噴出される水の圧力を確保できる。
【0031】
前述のように、管理運転時には上部吸込ベル15と下部吸込ベル16の間の流路17からも水が噴出し(矢印A2)、この流路17から噴出する水も吸込水槽5の底部5aに堆積する異物を吹き上げる効果がある。つまり、本実施形態では、吸込水槽5の底部に向かう2種類の水流(矢印A2,A3)によって異物を浮遊させている。ただし、吸込ベルマウス4が通常の一重構造であっても、ノズル26から噴出される水(矢印A3)のみで底部5aに堆積する異物を効果的に浮遊させることができる。
【0032】
異物が十分に浮遊した状態とした後に立軸ポンプ1の通常運転を行えば、異物を水と共に立軸ポンプ1に吸い込んで下流へ圧送することで、効果的に吸込水槽5内を清掃できる。
【0033】
本実施形態の立軸ポンプ1では、ケーシング2とは別に吸込水槽5の底部5aに配管を設ける必要も、そのような吸込水槽5の底部の配管をケーシング2の上端側(吐出管9)側と接続するための管路をケーシング2と別に設ける必要もなく、構造が簡易である。また、ケーシング2を吸込水槽5に設置する際に、開口部3aに上方から差し込む床構造3のケーシング2に固定されば、ケーシング2に接続された縦配管21A,21Bと、縦配管21A,21Bに接続された環状配管23もケーシング2と共に吸込水槽5に設置できる。この点で、本実施形態の立軸ポンプ1は、吸込水槽5への設置作業が簡易である。
【0034】
ケーシング2に沿って鉛直方向に延びる縦配管21A,21Bは、通常運転時に吸込口周辺の吸込水槽5内に渦が発生するのを防止できる。つまり、縦配管21A,21Bは渦発生防止装置を兼ねており、渦発生防止装置を別に設ける必要がない。この点でも、本実施形態の立軸ポンプ1は構造が簡易である。
【0035】
縦配管21A,21Bの上端側を吐出ベント7に接続するためのT字状管19A,19Bは既存の既存の立軸ポンプに対して比較的簡易な改造を施すことで本実施形態の立軸ポンプ1を製作できる。
【0036】
(第2実施形態)
図4及び図5に示す本発明の第2実施形態の立軸ポンプ1は、縦配管21A,21Bの最下端よりも上方に第1実施形態と同じ環状配管23が接続され、さらにこの環状配管23に対して鉛直方向に間隔を隔てて縦配管21A,21Bの最下端にも別の環状配管23’が接続されている。上段の環状配管23のノズル26は第1実施形態と同様に平面視での向きは外向きである。一方、下段の環状配管23’に平面視で等角度間隔で配置された複数個(本実施形態では8個)のノズル26’は下向き(俯角θ2は例えば30度程度)である点はノズル26と同様であるが、平面視での向きは主軸11の半径方向内向き(主軸11に近づく向きに水流が噴出される)である。
【0037】
本実施形態の場合、3種類の下向きの水流、すなわち上段及び下段の環状配管23,23’のノズル26,23’から噴出される水流(矢印A3,A4)と吸込ベルマウス4の流路17から逆流する水流(矢印A2)が吸込水槽5の底部5aへ吹き付けられる。また、上段及び下段の環状配管23,23’のノズル26,26’から噴出される水流(矢印A3,A4)は、平面視での向き(内向きか外向きか)が互いに異なる。これらの点で、より効果的に堆積していた異物を浮遊させ、通常運転を行うことで効果的に吸込水槽5の底部5aを清掃できる。
【符号の説明】
【0038】
1 立軸ポンプ
2 ケーシング
3 床構造
3a 開口部
4 吸込ベルマウス
4a 吸込口
5 吸込水槽
5a 底部
7 吐出ベント
7a 吐出口
8 仕切弁
9 吐出管
10 羽根車
11 主軸
11a 軸線
13A,13B,13C 軸受
14 駆動機構
15 上部吸込ベル
16 下部吸込ベル
16a 下端開口
17 流路
19A,19B T字状管
20A,20B 覗き窓
21A,21B 縦配管
22A,22B 開閉弁
23,23’ 環状配管
25 ロッド
26,26’ ノズル
27 圧力センサ
28 制御装置
29 流量センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に延び、下端側に吸込水槽内の底部と対向して開口した吸込口を備え、上端側に仕切弁を介設した吐出管が接続され、かつ羽根車を下端側に固定した主軸が配置されているケーシングと、
前記ケーシングの上端側の前記仕切弁よりも上流側から分岐し、前記吸込水槽の前記底部に向けて前記ケーシングに沿って鉛直方向に延び、かつ常閉の開閉弁が介設された少なくとも1本の縦配管と、
前記ケーシングの外側を間隔をあけて取り囲むように前記縦配管の下端側に接続され、前記吸込水槽の前記底部に向いた複数のノズルを備える少なくとも1個の環状配管と、
前記仕切弁の閉弁を検出するためのセンサと、
前記センサからの入力により前記仕切弁の閉弁を検出すると前記開閉弁を開弁させる制御装置と
を備える、立軸ポンプ。
【請求項2】
前記センサは前記仕切弁よりも上流側には配置された圧力センサであり、
前記制御装置は、前記圧力センサの検出圧力が予め定められた圧力を上回ると、前記仕切弁が閉弁されたと判断する、請求項1に記載の立軸ポンプ。
【請求項3】
前記センサは前記仕切弁よりも下流側に配置された流量センサであり、
前記制御装置は、前記流量センサの検出圧力が予め定められた流量を下回ると、前記仕切弁が閉弁された判断する、請求項1に記載の立軸ポンプ。
【請求項4】
1個の前記環状配管を備え前記ノズルは平面視で外向きである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の立軸ポンプ。
【請求項5】
鉛直方向に間隔をあけて配置された2個の前記環状配管を備え、上段側の前記環状配管のノズルは平面視で外向きであり、下段側の前記環状配管のノズルは平面視で内向きである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の立軸ポンプ。
【請求項6】
前記ケーシングの上端側の吐出ベントと、
一端側が前記吐出ベントに接続されて他端側に覗き窓が設けられた水平方向に延びる横配管と
を備え、
前記縦配管の上端側は前記横配管から分岐している、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の立軸ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−256810(P2011−256810A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133043(P2010−133043)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000152170)株式会社酉島製作所 (89)
【Fターム(参考)】