説明

端末に生じた障害に対する遠隔障害対応方法及びシステム

【課題】端末に対する設定変更だけでは修復できないような障害が発生した際に、端末及びホームゲートウェイの連携動作によってできる限り自動的に障害を修復する障害対応方法及びシステムを提供する。
【解決手段】端末1が、管理サーバ3から診断情報を受信する。端末1は、診断情報を用いて診断プログラムを実行し、障害内容を表す「診断コード」を導出する。次に、端末1は、診断コードを管理サーバ3へ送信し、「障害対応コード」及び端末「障害対応プログラム」を受信する。また、端末1は、その「障害対応コード」をゲートウェイ2へ送信する。ゲートウェイ2は、「障害対応コード」を管理サーバへ送信し、ゲートウェイ「障害対応スクリプト」を受信する。端末1は、端末「障害対応プログラム」を実行し、ゲートウェイ2は、ゲートウェイ「障害対応スクリプト」を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末に生じた障害に対する遠隔障害対応方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宅内におけるホームネットワーク(狭域ネットワーク)が普及し、様々な端末が、相互に接続されてきている。端末としては、パーソナルコンピュータだけでなく、テレビやDVDレコーダのような情報家電機器も接続されてきている。また、ホームネットワークは、ホームゲートウェイを介して、広域ネットワークにも接続される。これにより、各端末には、インターネットのような広域ネットワークを介した様々なサービスが提供される。
【0003】
また、端末に対する設定操作の高度化及び複雑化も伴って、利用者が、端末に対する設定操作を誤る場合も多い。この場合、例えばネットワークを介したサービスが利用できないといった障害が発生することとなる。このような障害を修復することは、スキルのない利用者にとっては極めて困難である。
【0004】
この状況に対し、サービス提供事業者は、診断修復プログラムやオペレータからの遠隔操作を実現するための遠隔操作プログラムを、利用者に予め配布している。利用者は、その診断修復プログラム及び遠隔操作プログラムを、端末に予めインストールする。障害が発生した際に、利用者は、診断修復プログラムを起動させる。このプログラムは、障害原因を診断し、その障害原因をディスプレイに表示し、可能な場合はその障害を修復する。
【0005】
しかしながら、診断修復プログラムであっても修復できないような障害もある。この場合、サービス提供事業者(ISP:Internet Service Provider)は、オペレータによる遠隔操作の診断修復サービスを提供している。遠隔操作端末と利用者端末とを広域ネットワークを介して接続し、オペレータが、その端末を遠隔操作することによって障害を修復する。
【0006】
図1は、従来技術における診断修復サービスシステムのシーケンス図である。
【0007】
(S101)利用者は、何らかの障害が発生した場合、その端末1で、診断修復プログラムを実行する。診断修復プログラムは、その端末におけるオペレーティングシステムのバージョン情報や、ネットワークインタフェースの状態、及び/又はIPアドレスなどのネットワーク情報を診断し、また、特定のサーバへの接続試験等も実行する。その診断の結果、例えば設定値の一部が、誤って設定されている場合、その設定値を正しい値に再設定し、その障害を修復する。
【0008】
(S102)診断結果及び修復結果は、例えば、端末1のディスプレイに表示される。例えば、任意の英数字の数桁からなるエラーコードであってもよい。これによって、利用者は、どのような障害が生じ、修復できたか否かについて知ることができる。
【0009】
(S103)利用者は、障害が発生したけれども修復できなかったことを知った場合、サービス提供事業者が運営するサポートセンタに電話をすることができる。利用者は、そのサポートセンタのオペレータへ、診断結果及び修復結果の内容を口頭で伝え、遠隔操作による障害対応を依頼する。このとき、オペレータは、例えば任意の英数字の数桁からなる「受付番号」(対応するオペレータを示す情報も含む)を、口頭で伝える。
【0010】
(S104)利用者は、オペレータからの遠隔操作が可能となるように、端末に対して遠隔操作プログラムを起動させる。
【0011】
(S105)遠隔操作プログラムは、例えば、その端末1のディスプレイを介して、利用者に受付番号の入力を要求する。このとき、利用者は、オペレータから口頭で通知された「受付番号」を、端末に入力する。これにより、利用者端末1は、受付番号をキーとして、対応するオペレータの遠隔操作端末との間に、セッションを確立する。
【0012】
(S106)利用者端末1と遠隔操作端末4との間で、ネットワークを介してセッションが確立される。
【0013】
(S107)オペレータは、遠隔操作端末4から、利用者端末1を遠隔操作し、障害対応を実行する。
【0014】
従来、診断修復サービスを提供するために、様々な技術が提供されている。
【0015】
第1に、障害発生箇所(利用者端末から任意のサーバとの間に存在する何れのネットワーク装置に障害が発生しているか)を診断するため、障害診断用通信シーケンスを実行する技術がある(例えば特許文献1、2及び3参照)。この技術によれば、あくまで障害発生箇所の診断であって、障害修復機能を備えていない。
【0016】
第2に、利用者宅内に設置されたブロードバンドルータが、ネットワーク障害情報を管理し、ネット対応デジタルテレビのような表示デバイスに、その障害内容を表示する技術もある(例えば特許文献4参照)。この技術によれば、利用者が操作する端末に対する設定誤り等によって生じた障害を診断することはできない。勿論、障害修復機能も備えていない。
【0017】
第3に、パーソナルコンピュータのような端末を遠隔操作する技術がある(例えば特許文献5参照)。また、遠隔操作の際のセキュリティを高める技術もある(例えば特許文献6及び7参照)。これら技術によれば、遠隔操作を実現するために、利用者自身がその端末を操作し、遠隔操作プログラムを起動し、受付番号等の必要な情報を入力するなど、利用者に対して操作負担を要求する。
【0018】
第4に、ホームゲートウェイの設定を、遠隔のサーバが管理する技術がある(例えば特許文献8参照)。この技術によれば、通常利用回線に障害が発生した際に、ホームゲートウェイが初期設定回線を介して修復するが、端末に生じた設定誤りを修復することはできない。
【0019】
【特許文献1】特開平5−300120号公報
【特許文献2】特開2000−115287号公報
【特許文献3】特開2004−364278号公報
【特許文献4】特開2005−354342号公報
【特許文献5】特開2003−050757号公報
【特許文献6】特開2006−331299号公報
【特許文献7】特開2007−141091号公報
【特許文献8】特開2003−087424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
図1における遠隔操作サービスによれば、利用者自ら、その端末を操作し、遠隔操作プログラムの起動、受付番号などの必要なパラメータを入力する必要がある。このような操作は、結局、利用者に、端末操作の負担を強いることとなる。
【0021】
また、遠隔操作サービスであっても、広域ネットワークに接続する必要があり、端末のネットワーク設定に誤りがある場合には、結局、利用者自ら、その設定を修復する必要がある。
【0022】
更に、遠隔操作サービスであっても、オペレータは、その端末へ、所定の診断修復プログラムをダウンロードし、インストールし、そのプログラムを実行し、アンインストールをする。このような定型的な一連のシーケンスは、利用者操作又は遠隔操作に拘わらず必要であって、診断修復の対応を迅速にすることにはつながらない。また、オペレータによる遠隔操作であっても、オペレータ個人のスキルによっては、均一な障害対応サービスを提供できないという問題もある。
【0023】
更に、オペレータが、利用者端末を遠隔操作して障害対応をする際、障害対応の内容によっては、遠隔操作端末から宅内の利用者端末への通信が必要となる。しかしながら、端末が、ホームゲートウェイを介して広域ネットワークに接続されている場合、遠隔操作端末から通信を開始するためには、ホームゲートウェイのネットワーク設定を変更する必要がある。例えば、必要なポートを開けるセキュリティ設定や、NAT(Network Address Transform)のようなネットワーク設定を変更する必要がある。また、ホームゲートウェイに起因して端末に生じた障害である場合には、基本的に遠隔操作による障害の修復はできない。
【0024】
従って、本発明は、端末に対する設定変更だけでは修復できないような障害が発生した際に、端末及びホームゲートウェイの連携動作によってできる限り自動的に障害を修復する障害対応方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明によれば、利用者によって操作される端末と、該端末と狭域ネットワークを介して接続されるゲートウェイと、該ゲートウェイと広域ネットワークを介して接続される管理サーバとを有するシステムにおける遠隔障害対応方法であって、
端末が、診断プログラムを実行し、障害内容を表す診断コードを導出する第1のステップと、
端末が、診断コードを含む端末障害対応要求を、ゲートウェイを介して管理サーバへ送信する第2のステップと、
管理サーバが、診断コードに基づく障害対応コードを含む端末障害対応応答を、ゲートウェイを介して端末へ返信する第3のステップと、
端末が、障害対応コードを含む端末障害対応開始要求を、ゲートウェイへ送信する第4のステップと、
ゲートウェイが、ゲートウェイ識別子を含む端末障害対応開始応答を、端末へ返信する第5のステップと、
ゲートウェイが、ゲートウェイ識別子、広域ネットワーク側アドレス及び障害対応コードを含むゲートウェイ障害対応要求を、管理サーバへ送信する第6のステップと、
管理サーバが、ゲートウェイ障害対応プログラムを含むゲートウェイ障害対応応答を、ゲートウェイへ返信する第7のステップと、
ゲートウェイが、ゲートウェイ障害対応プログラムを実行する第8のステップと
を有し、端末及びゲートウェイの両方が障害対応処理を実行することを特徴とする。
【0026】
本発明の遠隔障害対応方法における他の実施形態によれば、
管理サーバと通信可能な遠隔操作端末が、更に備えられており、
障害対応コードが遠隔操作を必要とするコードである場合、
端末が、ゲートウェイ識別子及び診断コードを含む遠隔操作要求を、ゲートウェイを介して管理サーバへ送信する第9のステップと、
管理サーバが、遠隔操作要求を、遠隔操作端末へ送信する第10のステップと、
遠隔操作端末が、ゲートウェイを介して端末に対して、遠隔操作による障害対応シーケンスを実行する第12のステップと
を更に有することも好ましい。
【0027】
本発明の遠隔障害対応方法における他の実施形態によれば、
障害対応コードが遠隔操作を必要としないコードである場合、
第3のステップについて、端末障害対応応答は、端末によって実行されるインストールスクリプト、起動スクリプト、障害対応プログラム及びアンインストールスクリプトを更に含み、
端末が、インストールスクリプト、起動スクリプト、障害対応プログラム及びアンインストールスクリプトを実行することも好ましい。
【0028】
本発明の遠隔障害対応方法における他の実施形態によれば、
第1のステップの前段階で、
ゲートウェイが、管理サーバのアドレスを含む診断開始要求を、端末へ送信するステップと、
端末が、診断情報を取得するための診断情報要求を、ゲートウェイを介して管理サーバへ送信するステップと、
管理サーバが、診断情報を含む診断情報応答を、ゲートウェイを介して端末へ返信するステップと
を有し、診断プログラムは診断情報を用いて実行されることも好ましい。
【0029】
本発明の遠隔障害対応方法における他の実施形態によれば、ゲートウェイに搭載された診断開始ボタンが押下された時に、診断開始要求が端末へ送信されることも好ましい。
【0030】
本発明によれば、利用者によって操作される端末と、該端末と狭域ネットワークを介して接続されるゲートウェイと、該ゲートウェイと広域ネットワークを介して接続される管理サーバとを有する遠隔障害対応システムであって、
端末は、
診断プログラムを実行し、障害内容を表す診断コードを導出する診断プログラム実行手段と、
診断コードを含む端末障害対応要求を、ゲートウェイを介して管理サーバへ送信し、管理サーバから、診断コードに基づく障害対応コードを含む端末障害対応応答を受信する端末障害対応要求手段と、
障害対応コードを含む端末障害対応開始要求を、ゲートウェイへ送信し、該ゲートウェイから、ゲートウェイ識別子を含む端末障害対応開始応答を受信する端末障害対応開始手段と
を有し、
管理サーバは、
端末からゲートウェイを介して、診断コードを含む端末障害対応要求を受信し、端末へ端末障害対応応答を返信する端末障害対応応答手段と、
ゲートウェイから、ゲートウェイ識別子、広域ネットワーク側アドレス及び障害対応コードを含むゲートウェイ障害対応要求を受信し、ゲートウェイへ、ゲートウェイ障害対応プログラムを含むゲートウェイ障害対応応答を返信するゲートウェイ障害対応応答手段と
を有し、
ゲートウェイは、
端末から、端末障害対応開始要求を受信し、端末へ端末障害対応開始応答を送信する端末障害対応開始応答手段と、
ゲートウェイ障害対応要求を管理サーバへ送信し、管理サーバからゲートウェイ障害対応応答を受信するゲートウェイ障害対応要求手段と、
ゲートウェイ障害対応プログラムを実行する障害対応プログラム実行手段と
を有し、端末及びゲートウェイの両方が障害対応処理を実行することを特徴とする。
【0031】
本発明の遠隔障害対応システムにおける他の実施形態によれば、
管理サーバと通信可能な遠隔操作端末が、更に備えられており、
障害対応コードが遠隔操作を必要とするコードである場合、
端末は、ゲートウェイ識別子及び診断コードを含む遠隔操作要求を、ゲートウェイを介して管理サーバへ送信する遠隔操作要求手段を更に有し、
管理サーバは、端末から受信した遠隔操作要求を、遠隔操作端末へ転送する遠隔操作要求転送手段を更に有し、
遠隔操作端末が、ゲートウェイを介して端末に対して、遠隔操作による障害対応シーケンスを実行することも好ましい。
【0032】
本発明の遠隔障害対応システムにおける他の実施形態によれば、
障害対応コードが遠隔操作を必要としないコードである場合、
管理サーバの端末障害対応応答手段が送信する端末障害対応応答は、端末によって実行されるインストールスクリプト、起動スクリプト、障害対応プログラム及びアンインストールスクリプトを更に含み、
端末は、インストールスクリプト、起動スクリプト、障害対応プログラム及びアンインストールスクリプトを実行する障害対応プログラム実行手段を更に有することも好ましい。
【0033】
本発明の遠隔障害対応システムにおける他の実施形態によれば、
ゲートウェイは、管理サーバのアドレスを含む診断開始要求を、端末へ送信する診断開始要求手段を更に有し、
端末は、診断情報を取得するための診断情報要求を、ゲートウェイを介して管理サーバへ送信し、該管理サーバから、診断情報を含む診断情報応答を受信する診断情報要求手段を更に有し、
管理サーバは、端末からゲートウェイを介して、診断情報要求を受信し、端末へ、診断情報を含む診断情報応答を返信する診断情報応答手段を更に有し、
端末は、診断情報を用いて診断プログラムを実行することも好ましい。
【0034】
本発明の遠隔障害対応システムにおける他の実施形態によれば、
ゲートウェイは、利用者によって押下される診断開始ボタンを備えており、
診断開始要求手段は、診断開始ボタンが押下された時に、診断開始要求を端末へ送信することも好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の障害対応方法及びシステムによれば、端末に対する設定変更だけでは修復できないような障害が発生した際に、端末及びホームゲートウェイの連携動作によってできる限り自動的に障害を修復することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0037】
図2は、本発明における診断修復サービスシステムの第1のシーケンス図である。
【0038】
図2のシステムは、利用者端末1と、その利用者端末1にホームネットワークを介して接続されるホームゲートウェイ2と、そのホームゲートウェイ2にISP事業者ネットワークを介して接続される管理サーバ3とを有する。管理サーバ3には、遠隔操作端末4が接続されている。オペレータは、遠隔操作端末4を用いて、利用者端末1に対して遠隔操作を実行する。
【0039】
(S201)利用者端末1では、遠隔障害対応を実行できるだけの最低限の機能を維持する。例えば、どのような障害が発生していても、ホームゲートウェイ2と通信できるように、ネットワーク機能の無効化を防ぐ必要がある。
【0040】
(S202)図2によれば、ホームゲートウェイ2には、「診断開始ボタン」が搭載されている。利用者は、何らかの障害が発生したと思った際に、利用者端末1を操作することなく、ホームゲートウェイ2の「診断開始ボタン」を押下するだけで、診断を開始することができる。勿論、そのようなボタンを用いることなく、利用者端末1から、Web−GUI(Graphic User Interface)を用いて、診断開始のトリガとすることもできる。
【0041】
(S203)診断開始のトリガを認識したホームゲートウェイ2は、診断開始要求メッセージを、ホームネットワークに接続された全ての情報機器に対して、ブロードキャストで送信する。診断開始要求メッセージには、管理サーバ3のIPアドレスが含まれる。利用者端末1は、その診断開始要求メッセージを受信することによって、管理サーバ3のIPアドレスを知ることができる。尚、ホームゲートウェイ2は、そのホームネットワークに設置された際に、管理サーバ3のIPアドレスを予め記憶している。
【0042】
(S204)診断開始要求メッセージを受信した利用者端末1は、診断開始応答メッセージを、ホームゲートウェイ2へ返信する。
【0043】
(S205)次に、利用者端末1は、診断情報を取得するための診断情報要求メッセージを、ホームゲートウェイ2を介して管理サーバ3へ送信する。利用者端末1は、S203で、管理サーバ3のIPアドレスを既に知っている。
【0044】
(S206)診断情報要求メッセージを受信した管理サーバ3は、診断情報応答メッセージを利用者端末1へ返信する。診断情報応答メッセージには、診断情報が添付される。診断情報とは、利用者端末1で実行可能なエージェントプログラムあって、診断及び簡易障害修復を試みるものである。例えば、アンチウイルスソフトにおけるウィルス定義ファイルであってもよいし、診断プログラム自体であってもよい。
【0045】
(S207)診断情報応答メッセージを受信した利用者端末1は、それに含まれる診断情報を用いて診断プログラムを自動的に実行し、障害内容を表す「診断コード」を導出する。診断プログラムは、その「診断コード」が、利用者端末のみに対する設定変更によって簡易に修復可能である場合、障害修復を実行して、シーケンスを終了する。
【0046】
(S208)「診断コード」が、利用者端末のみの設定変更によって修復できないものである場合、利用者端末1は、端末障害対応要求メッセージを、ホームゲートウェイ2を介して管理サーバ3へ送信する。端末障害対応要求メッセージには、利用者端末1で導出された「診断コード」が含まれる。
【0047】
(S209)端末障害対応要求メッセージを受信した管理サーバ3は、「診断コード」に基づく障害対応策を判断する。判断の結果、「診断コード」に基づいて、障害対応策を表すコードである「障害対応コード」を導出する。「障害対応コード」は、以下ように分類される。
[障害対応コード1]:自動的な修復は不可能であって、オペレータによる遠隔操作による障害対応(診断コードに関連付けられた対応情報を管理サーバが保持していない場合)
[障害対応コード2]:診断情報の実行により、障害原因が特定可能であり、かつ、修正プログラム等の障害対応プログラムのインストール、実行、アンインストールといった定型的な手順により障害対応が可能であって、利用者端末及びホームゲートウェイにより自動実行可能な障害対応
【0048】
管理サーバ3は、端末障害対応応答メッセージを、ホームゲートウェイ2を介して利用者端末1へ返信する。端末障害対応応答メッセージには、少なくとも「障害対応コード」が含まれる。「障害対応コード」によって、端末障害対応応答メッセージに含められる情報は異なる。
【0049】
[障害対応コード2]である場合、管理サーバ3は、端末障害対応応答メッセージに、端末によって実行される「インストールスクリプト」、「起動スクリプト」、「障害対応プログラム」及び「アンインストールスクリプト」を更に含む。「スクリプト」とは、機械語への変換作業を省略して簡単に実行できるようにした簡易プログラムをいう。スクリプト言語としては、例えばPerl、VBScript、JavaScript(登録商標)などがある。
【0050】
尚、[障害対応コード1]の場合については、図3のシーケンスで説明する。
【0051】
(S210)利用者端末1は、端末障害対応開始要求メッセージを、ホームゲートウェイ2へ送信する。端末障害対応開始要求メッセージには、「障害対応コード」が含まれる。
【0052】
(S211)端末障害対応開始要求メッセージを受信したホームゲートウェイ2は、「障害対応コード」を認識し、端末障害対応開始応答メッセージを、利用者端末1へ返信する。端末障害対応開始メッセージには、ゲートウェイID(IDentifier、識別子)が含まれる。
【0053】
(S212)また、ホームゲートウェイ2は、ゲートウェイ障害対応要求メッセージを、管理サーバ3へ送信する。ゲートウェイ障害対応要求メッセージには、「ゲートウェイID」と、広域ネットワーク側の「WAN側IPアドレス」と、「障害対応コード」とを含む。これにより、管理サーバ3は、障害対応すべきゲートウェイを特定する。
【0054】
(S213)ゲートウェイ障害対応要求メッセージを受信した管理サーバ3は、ゲートウェイ障害対応応答メッセージを、ホームゲートウェイ2へ返信する。ゲートウェイ障害対応応答メッセージには、「障害対応コード」に対応するゲートウェイ障害対応プログラムが含まれる。このゲートウェイ障害対応プログラムは、例えばスクリプトであってもよい。
【0055】
(S214)ホームゲートウェイ2は、ゲートウェイ障害対応応答メッセージに含まれる障害対応スクリプトを実行する。このように、利用者端末1だけでなくホームゲートウェイ2も、障害対応処理を実行することによって、ホームゲートウェイ2に起因する障害、例えばファームウェアのアップデートや、ホームゲートウェイ2のネットワーク設定の変更など、にも対応することができる。
【0056】
(S215)利用者端末1は、「インストールスクリプト」を実行し、障害対応プログラムをインストールする。
(S216)次に、利用者端末1は、「起動スクリプト」を実行する。
(S217)利用者端末1で、「障害修復プログラム」が自動的に実行され、障害が修復される。
(S218)最後に、利用者端末1は、「アンインストールスクリプト」を実行し、インストールされた障害対応プログラムをアンインストールする。
【0057】
図3は、本発明における診断修復サービスシステムの第2のシーケンス図である。
【0058】
図3によれば、S301〜S313は、図2のS201〜S213と全く同じシーケンスである。相違する点としては、S209では、オペレータによる遠隔操作を必要としない[障害対応コード2]と判定されたのに対し、S309では、オペレータによる遠隔操作を必要とする[障害対応コード1]と判定された場合である。この場合、利用者端末1は、オペレータによる遠隔操作によって障害対応することを許可するか否かの確認画面を、ポップアップによって表示する。利用者は、確認画面によって遠隔操作の障害対応を許可した場合にのみ、S310以降のステップに進む。
【0059】
(S314)ホームゲートウェイ2は、ゲートウェイ障害対応応答メッセージに含まれる障害対応スクリプトを実行する。障害対応に使用するアプリケーションにより遠隔操作端末側からの通信を必要とする場合、ホームゲートウェイ2についても、必要なポートを開けるセキュリティ設定や、NAT(Network Address Transform)のようなネットワーク設定を変更することによって、遠隔操作端末から利用者端末に対する通信を可能にする。
【0060】
(S315)利用者端末1は、「ゲートウェイID」及び「診断コード」を含む遠隔操作要求メッセージを、ホームゲートウェイ2を介して管理サーバ3へ送信する。
【0061】
(S316)これに対し、管理サーバ3は、遠隔対応要求メッセージを、遠隔操作端末4へ送信する。この遠隔操作要求メッセージには、「ゲートウェイID」及び「診断コード」に加えて、「WAN側IPアドレス」が更に含まれる。遠隔操作端末4は、遠隔操作の要求があった旨を、ディスプレイに表示し、オペレータへ通知する。
【0062】
(S317)遠隔操作端末4は、オペレータの指示に応じて、管理サーバ3へ、例えば、受付番号のような対応するオペレータを示す情報を含む遠隔操作応答メッセージを返信する。
【0063】
(S318)これに対し、管理サーバ3は、ホームゲートウェイを介して利用者端末1へ、その遠隔操作応答メッセージを返信する。
【0064】
(S319)その後、遠隔操作端末4が、ホームゲートウェイ2を介して利用者端末1に対して、遠隔操作による障害対応シーケンスを実行する。オペレータは、遠隔操作端末4を用いて、利用者端末1を操作することができる。尚、遠隔操作のためのセッションは、利用者端末1から管理サーバ3を介して確立してもよいし、S310〜S314に基づくネットワーク設定によって、遠隔操作端末から確立してもよい。
【0065】
図4は、本発明における端末の機能構成図である。
【0066】
図4によれば、端末1は、ホームネットワーク2に接続する通信インタフェース部100と、診断開始応答部101と、診断情報要求部102と、診断プログラム実行部103と、端末障害対応要求部104と、端末障害対応開始部105と、障害対応プログラム実行部106と、遠隔操作要求部107と、記憶部108と、ユーザインタフェース部109とを有する。機能部101〜107は、端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0067】
診断開始応答部101は、ホームゲートウェイ2から、管理サーバのIPアドレスを含む診断開始要求メッセージを受信し、診断開始応答メッセージを返信する。管理サーバのIPアドレスは、記憶部108に記憶される。また、診断が開始された旨を、診断情報要求部102へ通知する。
【0068】
診断情報要求部102は、診断情報を取得するための診断情報要求メッセージを、管理サーバ3へ送信し、管理サーバ3から、診断情報を含む診断情報応答メッセージを受信する。診断情報は、記憶部108に記憶される。また、診断情報要求部102は、診断を実行する旨を、診断プログラム実行部103へ通知する。
【0069】
診断プログラム実行部103は、診断情報を用いて診断プログラムを実行し、障害内容を表す「診断コード」を導出する。診断プログラムは、当該端末の設定変更のみで修復可能な簡易的な障害は、自動的に修復する。「診断コード」は、ユーザインタフェース部109を介して利用者に向けて表示される。また、「診断コード」は、記憶部108に記憶されると共に、端末障害対応要求部104へ通知される。
【0070】
端末障害対応要求部104は、「診断コード」を含む端末障害対応要求メッセージを、ホームゲートウェイ2を介して管理サーバ3へ送信し、管理サーバ3から、「診断コード」に基づく「障害対応コード」を含む端末障害対応応答メッセージを受信する。「障害対応コード」が遠隔操作を必要としないコードである場合、端末障害対応応答メッセージには、端末によって実行されるインストールスクリプト、起動スクリプト、障害対応プログラム及びアンインストールスクリプトを更に含む。これら情報は、記憶部108に記憶される。また、「障害対応コード」は、端末障害対応開始部105へ通知される。
【0071】
端末障害対応開始部105は、「障害対応コード」を含む端末障害対応開始要求メッセージを、ホームゲートウェイ2へ送信し、そのホームゲートウェイ2から、ゲートウェイIDを含む端末障害対応開始応答メッセージを受信する。端末障害対応応答メッセージを受信した旨は、障害対応プログラム実行部106へ通知される。また、「障害対応コード」が遠隔操作を必要とするコードである場合、端末障害対応応答メッセージを受信した旨を、遠隔操作要求部107へ通知する。
【0072】
障害対応プログラム実行部106は、記憶部108を用いて、インストールスクリプト->起動スクリプト->障害対応プログラム->アンインストールスクリプトの順に実行する。
【0073】
遠隔操作要求部107は、ホームゲートウェイ2へ、「ゲートウェイID」及び「診断コード」を含む遠隔対応要求メッセージを送信し、遠隔対応応答を受信する。その後、遠隔操作要求部107は、遠隔操作端末との間でセッションを確立し、オペレータによる遠隔操作を受け付ける。
【0074】
図5は、本発明におけるゲートウェイの機能構成図である。
【0075】
図5によれば、ホームゲートウェイ2は、ホームネットワークに対するLAN側通信インタフェース部200と、広域ネットワークに対するWAN側通信インタフェース部210と、診断開始ボタン201と、診断開始要求部202と、中継転送部203と、端末障害対応開始応答部204と、ゲートウェイ障害対応要求部205と、ゲートウェイにおける障害対応プログラム実行部206と、記憶部207とを有する。機能部202〜206は、ゲートウェイに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0076】
診断開始ボタン201は、ホームゲートウェイ2に搭載されており、利用者によって押下された旨が、診断開始要求部202へ通知される。
【0077】
診断開始要求部202は、診断開始ボタン201から押下通知を受け取った時に、管理サーバ3のIPアドレスを含む診断開始要求メッセージを、ホームネットワークへブロードキャストで送信する。
【0078】
中継転送部203は、ホームネットワークに接続される利用者端末1と、広域ネットワークに接続される管理サーバ3との間で、メッセージを中継転送する。
【0079】
端末障害対応開始応答部204は、端末1から、「障害対応コード」を含む端末障害対応開始要求メッセージを受信し、その端末へ、ゲートウェイIDを含む端末障害対応開始応答メッセージを返信する。「障害対応コード」は、記憶部207に記憶される。また、端末障害対応開始要求メッセージを受信した旨は、ゲートウェイ障害対応要求部205へ通知される。
【0080】
ゲートウェイ障害対応要求部205は、「ゲートウェイID」、「広域ネットワーク側アドレス」及び「障害対応コード」を含むゲートウェイ障害対応要求メッセージを、管理サーバ3へ送信し、管理サーバ3から、ゲートウェイ障害対応プログラムを含むゲートウェイ障害対応応答メッセージを受信する。その障害対応プログラムは、記憶部207に記憶される。
【0081】
障害対応プログラム実行部は、ゲートウェイの障害対応プログラムを実行する。これによって、例えばゲートウェイにおけるファームウェアのアップデート、NATのようなネットワーク設定の変更、必要なポートを開けるセキュリティ設定をすることができる。
【0082】
図6は、本発明における管理サーバの機能構成図である。
【0083】
図6によれば、管理サーバ3は、広域ネットワーク側の通信インタフェース部300と、診断情報応答部301と、端末障害対応応答部302と、ゲートウェイ障害対応応答部303と、遠隔操作要求転送部304と、中継転送部305と、記憶部306とを有する。機能部301〜305は、サーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行させることによって実現される。
【0084】
診断情報応答部301は、端末1からホームゲートウェイ2を介して、診断情報要求メッセージを受信し、その端末1へ、診断情報を含む診断情報応答メッセージを送信する。
【0085】
端末障害対応応答部302は、端末1からホームゲートウェイ2を介して、「診断コード」を含む端末障害対応要求メッセージを受信し、その端末1へ、「診断コード」に基づく「障害対応コード」を含む端末障害対応応答メッセージを返信する。ここで、「障害対応コード」が遠隔操作を必要としないコードである場合、端末障害対応応答メッセージには、「障害対応コード」に加えて、端末によって実行されるインストールスクリプト、起動スクリプト、障害対応プログラム及びアンインストールスクリプトを更に含む。
【0086】
ゲートウェイ障害対応応答部303は、ホームゲートウェイ2から、「ゲートウェイID」、「広域ネットワーク側アドレス」及び「障害対応コード」を含むゲートウェイ障害対応要求メッセージを受信し、そのホームゲートウェイ2へ、障害対応スクリプトを含むゲートウェイ障害対応応答メッセージを返信する。
【0087】
遠隔操作要求転送部304は、利用者端末1から遠隔操作要求メッセージを受信し、利用者端末1へ、遠隔操作応答メッセージを返信する。また、遠隔操作要求転送部304は、その遠隔操作要求メッセージを、遠隔操作端末4へ転送する。
【0088】
中継転送部305は、利用者端末1と遠隔操作端末4との間で、遠隔操作に基づくメッセージを中継転送する。
【0089】
以上、詳細に説明したように、本発明の障害対応方法及びシステムは、端末に対する設定変更だけでは修復できないような障害が発生した際に、端末及びホームゲートウェイの連携動作によってできる限り自動的に障害を修復することができる。
【0090】
本発明によれば、端末に対して、障害に対する診断、修復及び遠隔操作に伴う操作をする必要がなく、利用者に、端末操作の負担を強いることがない。
【0091】
また、遠隔操作サービスであっても、広域ネットワークに接続する必要があるが、端末のネットワーク設定に誤りがあっても、利用者自らが、その設定を修復する必要もない。
【0092】
更に、遠隔操作サービスであっても、障害対応プログラムをインストールし、実行、アンインストールするといった定型的な手順により障害対応可能な場合は、利用者端末、ホームゲートウェイ、管理サーバの連携により、オペレータの手を介することなく、自動的に実行されるため、特定の障害対応を迅速にすることができる。これは、オペレータ個人のスキルによって、障害対応サービスが異なることを回避できる。
【0093】
更に、端末が、遠隔操作端末から利用者端末に対する通信を要求するアプリケーションの使用が望まれる場面であっても、ホームゲートウェイのネットワーク設定が自動的に変更可能であるため、対応可能である。
【0094】
前述した本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】従来技術における診断修復サービスシステムのシーケンス図である。
【図2】本発明における診断修復サービスシステムの第1のシーケンス図である。
【図3】本発明における診断修復サービスシステムの第2のシーケンス図である。
【図4】本発明における端末の機能構成図である。
【図5】本発明におけるゲートウェイの機能構成図である。
【図6】本発明における管理サーバの機能構成図である。
【符号の説明】
【0096】
1 端末
100 通信インタフェース部
101 診断開始応答部
102 診断情報要求部
103 診断プログラム実行部
104 端末障害対応要求部
105 端末障害対応開始部
106 障害対応プログラム実行部
107 遠隔操作要求部
108 記憶部
109 ユーザインタフェース部
2 ホームゲートウェイ
200 LAN側通信インタフェース部
210 WAN側通信インタフェース部
201 診断開始ボタン
202 診断開始要求部
203 中継転送部
204 端末障害対応開始応答部
205 ゲートウェイ障害対応要求部
206 障害対応プログラム実行部
207 記憶部
3 管理サーバ
300 通信インタフェース部
301 診断情報応答部
302 端末障害対応応答部
303 ゲートウェイ障害対応応答部
304 遠隔操作要求転送部
305 中継転送部
306 記憶部
4 遠隔操作端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって操作される端末と、該端末と狭域ネットワークを介して接続されるゲートウェイと、該ゲートウェイと広域ネットワークを介して接続される管理サーバとを有するシステムにおける遠隔障害対応方法であって、
前記端末が、診断プログラムを実行し、障害内容を表す診断コードを導出する第1のステップと、
前記端末が、前記診断コードを含む端末障害対応要求を、前記ゲートウェイを介して前記管理サーバへ送信する第2のステップと、
前記管理サーバが、前記診断コードに基づく障害対応コードを含む端末障害対応応答を、前記ゲートウェイを介して前記端末へ返信する第3のステップと、
前記端末が、前記障害対応コードを含む端末障害対応開始要求を、前記ゲートウェイへ送信する第4のステップと、
前記ゲートウェイが、ゲートウェイ識別子を含む端末障害対応開始応答を、前記端末へ返信する第5のステップと、
前記ゲートウェイが、前記ゲートウェイ識別子、前記広域ネットワーク側アドレス及び前記障害対応コードを含むゲートウェイ障害対応要求を、前記管理サーバへ送信する第6のステップと、
前記管理サーバが、ゲートウェイ障害対応プログラムを含むゲートウェイ障害対応応答を、前記ゲートウェイへ返信する第7のステップと、
前記ゲートウェイが、前記ゲートウェイ障害対応プログラムを実行する第8のステップと
を有し、前記端末及び前記ゲートウェイの両方が障害対応処理を実行することを特徴とする遠隔障害対応方法。
【請求項2】
前記管理サーバと通信可能な遠隔操作端末が、更に備えられており、
前記障害対応コードが遠隔操作を必要とするコードである場合、
前記端末が、前記ゲートウェイ識別子及び前記診断コードを含む遠隔操作要求を、前記ゲートウェイを介して前記管理サーバへ送信する第9のステップと、
前記管理サーバが、前記遠隔操作要求を、前記遠隔操作端末へ送信する第10のステップと、
前記遠隔操作端末が、前記ゲートウェイを介して前記端末に対して、遠隔操作による障害対応シーケンスを実行する第11のステップと
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の遠隔障害対応方法。
【請求項3】
前記障害対応コードが遠隔操作を必要としないコードである場合、
第3のステップについて、前記端末障害対応応答は、前記端末によって実行されるインストールスクリプト、起動スクリプト、障害対応プログラム及びアンインストールスクリプトを更に含み、
前記端末が、前記インストールスクリプト、前記起動スクリプト、前記障害対応プログラム及び前記アンインストールスクリプトを実行することを特徴とする請求項1に記載の遠隔障害対応方法。
【請求項4】
第1のステップの前段階で、
前記ゲートウェイが、前記管理サーバのアドレスを含む診断開始要求を、前記端末へ送信するステップと、
前記端末が、診断情報を取得するための診断情報要求を、前記ゲートウェイを介して前記管理サーバへ送信するステップと、
前記管理サーバが、前記診断情報を含む診断情報応答を、前記ゲートウェイを介して前記端末へ返信するステップと
を有し、前記診断プログラムは前記診断情報を用いて実行されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の遠隔障害対応方法。
【請求項5】
前記ゲートウェイに搭載された診断開始ボタンが押下された時に、前記診断開始要求が前記端末へ送信されることを特徴とする請求項4に記載の遠隔障害対応方法。
【請求項6】
利用者によって操作される端末と、該端末と狭域ネットワークを介して接続されるゲートウェイと、該ゲートウェイと広域ネットワークを介して接続される管理サーバとを有する遠隔障害対応システムであって、
前記端末は、
診断プログラムを実行し、障害内容を表す診断コードを導出する診断プログラム実行手段と、
前記診断コードを含む端末障害対応要求を、前記ゲートウェイを介して前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバから、前記診断コードに基づく障害対応コードを含む端末障害対応応答を受信する端末障害対応要求手段と、
前記障害対応コードを含む端末障害対応開始要求を、前記ゲートウェイへ送信し、該ゲートウェイから、ゲートウェイ識別子を含む端末障害対応開始応答を受信する端末障害対応開始手段と
を有し、
前記管理サーバは、
前記端末から前記ゲートウェイを介して、前記診断コードを含む端末障害対応要求を受信し、前記端末へ前記端末障害対応応答を返信する端末障害対応応答手段と、
前記ゲートウェイから、前記ゲートウェイ識別子、前記広域ネットワーク側アドレス及び前記障害対応コードを含むゲートウェイ障害対応要求を受信し、前記ゲートウェイへ、ゲートウェイ障害対応プログラムを含むゲートウェイ障害対応応答を返信するゲートウェイ障害対応応答手段と
を有し、
前記ゲートウェイは、
前記端末から、前記端末障害対応開始要求を受信し、前記端末へ前記端末障害対応開始応答を送信する端末障害対応開始応答手段と、
前記ゲートウェイ障害対応要求を前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバから前記ゲートウェイ障害対応応答を受信するゲートウェイ障害対応要求手段と、
前記ゲートウェイ障害対応プログラムを実行する障害対応プログラム実行手段と
を有し、前記端末及び前記ゲートウェイの両方が障害対応処理を実行することを特徴とする遠隔障害対応システム。
【請求項7】
前記管理サーバと通信可能な遠隔操作端末が、更に備えられており、
前記障害対応コードが遠隔操作を必要とするコードである場合、
前記端末は、前記ゲートウェイ識別子及び前記診断コードを含む遠隔操作要求を、前記ゲートウェイを介して前記管理サーバへ送信する遠隔操作要求手段を更に有し、
前記管理サーバは、前記端末から受信した前記遠隔操作要求を、前記遠隔操作端末へ転送する遠隔操作要求転送手段を更に有し、
前記遠隔操作端末が、前記ゲートウェイを介して前記端末に対して、遠隔操作による障害対応シーケンスを実行することを特徴とする請求項6に記載の遠隔障害対応システム。
【請求項8】
前記障害対応コードが遠隔操作を必要としないコードである場合、
前記管理サーバの前記端末障害対応応答手段が送信する前記端末障害対応応答は、前記端末によって実行されるインストールスクリプト、起動スクリプト、障害対応プログラム及びアンインストールスクリプトを更に含み、
前記端末は、前記インストールスクリプト、前記起動スクリプト、前記障害対応プログラム及び前記アンインストールスクリプトを実行する障害対応プログラム実行手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の遠隔障害対応システム。
【請求項9】
前記ゲートウェイは、前記管理サーバのアドレスを含む診断開始要求を、前記端末へ送信する診断開始要求手段を更に有し、
前記端末は、診断情報を取得するための診断情報要求を、前記ゲートウェイを介して前記管理サーバへ送信し、該管理サーバから、前記診断情報を含む診断情報応答を受信する診断情報要求手段を更に有し、
前記管理サーバは、前記端末から前記ゲートウェイを介して、前記診断情報要求を受信し、前記端末へ、診断情報を含む診断情報応答を返信する診断情報応答手段を更に有し、
前記端末は、前記診断情報を用いて前記診断プログラムを実行することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の遠隔障害対応システム。
【請求項10】
前記ゲートウェイは、利用者によって押下される診断開始ボタンを備えており、
前記診断開始要求手段は、前記診断開始ボタンが押下された時に、前記診断開始要求を前記端末へ送信することを特徴とする請求項9に記載の遠隔障害対応システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−193177(P2009−193177A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31164(P2008−31164)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】