説明

管を洗浄する方法及び装置

【課題】単純且つ確実な洗浄を可能にする、管を洗浄する方法及び装置を提供する。
【解決手段】洗浄媒体11を収容する容器2と、回転軸に相当するベアリング4を中心として両方向に回転するドラム3とを備え、該ドラム3の外側に開口を設けると共に、ドラム3から独立して回転できる毛細菅6を収容する収容装置5をドラム3の周囲に配置し、洗浄媒体をドラム3内に噴霧するための4つの噴霧ノズル12を半径方向外向きに向けることによって、毛細菅6は霧化された洗浄媒体で少なくとも部分的に満たされ、洗浄媒体の液滴は、少なくとも一部において基本的に毛細菅6の中心軸の方向に加速される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管、特に、すくい取り毛細管としても既知である、一方の端部が閉じている毛細管を洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毛細管は、種々の異なる用途に必要とされる。たとえば、電子工学の分野では、リードスイッチとトランスポンダとが細いガラス毛細管内で溶接される。場合によっては安全に関し、正常に機能すべきである、このような部品の機能のために、使用される毛細管の清浄度は厳密な要件を満たさなければならない。
【0003】
しかしながら、毛細管の洗浄は極めて困難な課題である。たとえば、洗浄媒体は、表面張力のために毛細管内に浸透するのが遅く、したがって通常は不満足な洗浄結果しか達成しない。
【0004】
すくい取り毛細管としても既知の、一方の端部が閉じている毛細管の洗浄は、特有の問題を呈する。このようなすくい取り毛細管が洗浄媒体に浸されると、裏側の領域に閉じ込められている空気が、洗浄媒体が毛細管の全容積を通過するのを妨げるため、洗浄媒体は通常、最前部領域にしか浸透しない。
【0005】
毛細管を洗浄するための一連の方法が既知である。
【0006】
たとえば、欧州特許第1 237 665号は、磁性液滴を含む液体による毛細管の洗浄工程を開示している。印加される磁場を変化させることによって、洗浄作用の大幅な改善が達成される。
【0007】
ドイツ民主共和国特許第274 173号は、毛細管を洗浄する方法を開示しており、毛細管は窒素浴内で外側から冷却され、極低温液体が毛細管に強制的に浸透される。
【0008】
また、実際には、洗浄補助剤が毛細管内に強制的に浸透される機械的な方法も既知である。しかしながら、このような機械的な方法は、すべてのタイプの毛細管には適さない。毛細管を洗浄する既知の方法は、きわめて高い費用を伴う。
【0009】
特に、すくい取り毛細管を洗浄する工程は、従来技術から既知の方法を使用すると、不十分な範囲に対してしか可能でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、上記の従来技術の欠点を低減すると共に単純且つ確実な洗浄を可能にする、特に毛細管の洗浄のための洗浄方法及び洗浄装置を提供することである。
【0011】
特に、本発明の目的は、すくい取り毛細管が十分な範囲まで洗浄されることを可能にすることでもある。
【0012】
本発明のさらなる目的は、健康に有害であるか又は電子部品に悪影響をもたらす、洗浄媒体の残留物が毛細管内に残留しない洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、複数の独立請求項のうちの一項に記載の管を洗浄する方法及び洗浄装置によって達成される。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態及び展開は、それぞれの従属請求項から得ることができる。
【0015】
したがって、本発明は管、特に、すくい取り毛細管としても既知である、一方の端部が閉じている毛細管を洗浄する方法を提供し、管は少なくとも部分的に洗浄媒体で満たされる。
【0016】
管は、この用途の意味では、すべての種類の、必ずしも円形の断面を有している必要はない、細い管として理解されるべきである。いずれにせよ管は両方の端部が開いている必要はない。洗浄される管はまた、必ずしも管状ではない他の構成部品を備えるアセンブリの一部であってもよい。
【0017】
洗浄する目的のために、好都合には液体形態の洗浄媒体は細かく霧化又は噴霧され、それによって洗浄媒体の液滴が開口の方向に加速される。特に、洗浄媒体の液滴は管の中心軸の方向に加速される。
【0018】
洗浄媒体、特に洗浄液の霧化は、これが、洗浄媒体の表面張力によって強化されて、管の全内径を占めると共に毛細管がさらに満たされるのを困難にするか、又は特にすくい取り毛細管の場合のように、さらに満たされるのを妨げさえする液滴の形成につながることなく、液滴が管内に浸透することを可能にする。
【0019】
したがって、すくい取り毛細管であっても完全に満たされることが可能である。
【0020】
ここで、洗浄媒体の液滴は好ましくは管の内径よりも小さい平均直径を有する。管の内径は、好ましくは0.7mm乃至11mmである。
【0021】
さらに、比較的高い表面張力を有する洗浄媒体を使用することも可能となり、特に、水をたとえば、最後のすすぎ工程における洗浄に使用することができる。
【0022】
管は、好ましくはその容積の最大で少なくとも60%、好ましくは最大で70%、また特に好ましくは最大で80%の洗浄媒体で満たされる。本発明による方法を使用して、毛細管が一方の端部からの圧力を受ける必要なく、毛細管を完全に満たすことさえ可能である。
【0023】
本発明の展開では、少なくとも1つのさらなるステップにおいて、管は、開いている端部を洗浄媒体内に浸されることによって部分的に満たされる。本発明者らは、管を洗浄媒体で完全に満たす工程と、管を洗浄媒体で部分的に満たす工程とを交互に行うことによって、洗浄工程の改善を達成することができることを見出した。
【0024】
この効果は、境界面に沿った洗浄工程の改善に寄与可能であり得る。
【0025】
最適な洗浄作用を達成するために、管は多数回、少なくとも部分的に満たされ、空にされ、ここで管は好ましくは多数回、完全に満たされ、部分的に満たされ、また空にされる。
【0026】
本発明の展開では、洗浄媒体は、管を運動させることによって、完全に又は部分的に満たされる管内で分散される。
【0027】
最適な分散を達成するために、管の運動は少なくとも1つの軸、好ましくは2つの軸を中心とする回転を含む。回転は、この用途の意味では、回転運動に類似のあらゆる運動として理解されるべきである。ここで、管が完全に一回り回転することは必ずしも必要ではない。
【0028】
特に、本発明の意味では、管を周期的に前後に運動させることも含む。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態の場合では、回転運動は管から離間している軸を中心とする回転を含む。2方向における交互の周期的な運動を含む場合があるこのような回転運動は、たとえば、洗浄される管が配置される外側面上にドラムによって生成することができる。回転軸、すなわち基本的に回転運動が行われるその中心となる軸は、ここでは管と交差しない。
【0030】
本発明の展開によれば、管から離間している回転軸を中心とする回転運動は、管と交差するか、又は少なくとも管の周辺に配置される少なくとも1つの回転軸、好ましくは2つの回転軸を中心とする運動と組み合わせられる。
【0031】
管から離間している軸を中心とする回転は、洗浄媒体が大きな遠心力を受けることを可能にする。管と交差する軸を中心とする回転による管自体の回転は、組み合わされて、洗浄媒体が異なる方向に交互に加速され、したがって洗浄工程の改善を達成することを可能にする。したがって、管が交互に、洗浄媒体で満たされ、再び空にされることが可能である。
【0032】
特に、回転運動を組み合わせることによって、管は、洗浄媒体を分散させるために少なくとも特定の回数、転がり運動を実行するようにされる。ここで、転がり運動は、管内に配置される洗浄媒体が好ましい方向を有する、すなわち管内で一方向に運動するように実行することができる。しかしながら、本方法の実施の形態に応じて、転がり運動を省くことも可能である。
【0033】
本発明の展開の場合では、管は、管の開いている端部が基本的に半径方向の、回転軸とは反対の方に向いている回転運動によって空にされる。特に、管が、管を通じて延びるか又は管の周辺にある回転軸に沿って回転することが可能となり、ここで、開いている端部は外側を向いており、一方でたとえば管が懸架されているドラムが回転し、その結果、洗浄媒体が開口の方向に加速される。
【0034】
それは、管を洗浄すること及び空にすることにとって、管が、空にされている間に、少なくとも特定の回数、さらなる軸を中心として回転する場合に特に有利である。
【0035】
特に、開いている側がドラムの回転軸とは反対の方に向いている管が、2つのさらなる軸を中心とする回転運動の組み合わせによる転がり運動を実行するようにされる場合に、すくい取り毛細管を確実に空にすることができることが見出されている。
【0036】
ここで、洗浄媒体に作用する力の和は、好ましくは、基本的に半径方向の、離間している回転軸とは反対の方に向けられる。
【0037】
本発明の展開の場合では、少なくとも最後のすすぎ工程において、高温の洗浄媒体、特に50℃を超える、好ましくは70℃の温度の洗浄媒体が使用される。
【0038】
高温の洗浄媒体、特に熱水を使用することによって、熱エネルギーを導入することが可能であり、その結果管が加熱され、それによって空にされた後に乾燥される。したがって、管を洗浄工程の後に再び加熱しなければならないという状況を回避することが可能である。
【0039】
使用される洗浄媒体は、好ましくは水性液体、酸性液体、又はアルカリ性液体である。
【0040】
さらに、本発明に対する代替形態は、管を洗浄する方法に関し、管は少なくとも開いている端部を通じて洗浄液に浸され、洗浄液を分散させるために空間内の少なくとも1つの方向において運動する。
【0041】
本方法のこの代替の実施の形態によれば、洗浄液は毛管現象によって管内に導入される。洗浄媒体は運動によって分散される。
【0042】
本方法のこの実施の形態は特に単純であり、上述の第1の代替形態の1つ又は複数のステップと組み合わせることができる。特に、管を本発明の第1の変形形態の1つ又は複数のステップに従って運動させて、それによって洗浄媒体を分散させることが可能となる。
【0043】
管、特にすくい取り毛細管が、浸されることによって交互に、部分的に満たされ、完全に満たされることも可能となる。
【0044】
本発明による方法は、内側に平均して10よりも少ない、好ましくは5つよりも少ない、また特に好ましくは2つよりも少ない0.5μmを超えるサイズの液滴を有する管を提供することを可能にする。
【0045】
本発明は、1バッチ250000本の管において、1000個よりも少ない、好ましくは500個よりも少ない、特に好ましくは10個よりも少ない、100μmを超える、好ましくは50μmを超える、また特に好ましくは20μmを超えるサイズの粒子しか有さないように、管が効率的に洗浄されることを可能にする。このような比較的大きな粒子、特にガラス粒子は、電子部品において特に深刻な破損を引き起こす恐れがある。特に、リードリレーが粒子によって遮断される恐れがあり、この場合交信することが一切不可能となる。
【0046】
本発明はさらに、特に本発明による方法を実施するための、また特にすくい取り毛細管を洗浄するための洗浄装置に関する。
【0047】
洗浄装置は、洗浄媒体を収容する少なくとも1つの容器と、また洗浄される物品を収容する収容チャンバを有するドラムをも備える。
【0048】
洗浄装置はまた、ドラムを回転させるための手段と、ドラム内に配置されると共に、洗浄される少なくとも1つの物品を収容するように意図される少なくとも1つの収容装置とを備え、当該収容装置は、その一部について、物品を少なくとも1つの軸を中心として回転させるための手段を備える。
【0049】
洗浄装置によって、洗浄される物品、特に毛細管を、ドラムによって回転運動を実行するようにすることができ、当該回転運動によって、洗浄される物品内又は物品上に配置される洗浄媒体が半径方向外向きに加速され、それによって1つ又は複数のすすぎ工程の後に除去される。
【0050】
本発明の展開の場合では、洗浄装置は、基本的に中心軸から噴霧する、洗浄媒体、特に脱塩水を霧化するための手段を有する。中心軸から、洗浄される物品の方向に加速される洗浄媒体によって、特に閉じている毛細管の場合に良好に満たすことを達成することができる。
【0051】
さらに洗浄媒体の除去を補助するために、特に毛管現象によって洗浄媒体が洗浄される物品の間隙に引き込まれる場合に、物品は少なくとも1つのさらなる軸を中心として回転することができる。
【0052】
特に、物品が少なくとも2つの軸を中心として回転することが可能となる。これは、たとえば、特定の角度を通じての周期的な前後運動を含む場合がある。
【0053】
しかしながら、上述の回転軸を中心とする運動を組み合わせることは、洗浄媒体の除去だけでなく洗浄媒体の分散にも適していることも事実である。
【0054】
ここで、収容装置は基本的にドラムの外周に配置される。
【0055】
特にすくい取り毛細管が完全に満たされる方法を実行するために、本発明の展開は洗浄媒体を霧化する少なくとも1つの噴霧ノズルを備える。
【0056】
この噴霧ノズルは好ましくは、基本的に半径方向の、回転軸とは反対の方に向けられ、この場合出ていく洗浄媒体、又は出ていく洗浄媒体の液滴は、基本的に、半径方向外向きに洗浄される物品の方向に加速される。
【0057】
本発明の好ましい実施の形態は、洗浄される複数の物品のための収容装置を備える。洗浄される物品のサイズ及び量に応じて、ここで、単一の収容装置が、洗浄される物品、たとえば毛細管のための複数のマウントを備えることが可能である。しかしながら、本発明の意味では、ドラム内に、洗浄される個々の物品のための1つ又は複数の個々のマウントを備える複数の収容装置を配置することも可能となる。
【0058】
以下、図面の図1〜図6を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
図1は、特に本発明による管を洗浄する方法を実施するために設計される、本発明による洗浄装置の基本的な構成要素をより詳細に説明するために使用される。洗浄装置1は、洗浄媒体11を収容する容器2を備え、またドラム3も備える。ドラム3は、その位置が回転軸に相当するベアリング4を中心として、上部領域に2つの矢印で示される両方の方向に回転することができる。
【0060】
洗浄媒体11がドラム3内に浸透することが可能なように、ドラム3はその外側に、少なくとも一部に開口(図示せず)を設けられる。
【0061】
基本的にドラム3の周囲に、この例示的な実施形態においては、この場合ではすくい取り毛細管の形態の毛細管6を含む、収容装置5が配置される。
【0062】
収容装置5は、好ましくは複数の毛細管を収容するように意図される穴あき板(図示せず)を備え、ドラムのマガジンホルダ(図示せず)内に挿入することができる。
【0063】
収容装置5、及びしたがってすくい取り毛細管6は、ドラム3から独立して2つの回転軸9及び10を中心として回転することができる。
【0064】
したがって、この場合、ドラム3のベアリング4とは反対の方に向いている、閉じている端部8を有する毛細管6が、ドラム3に対して所望のように位置決めされることが可能である。したがって、たとえば、毛細管6の開いている端部7が、回転軸10を中心として外向きに180度回転することができる。
【0065】
この図における容器は、洗浄媒体11で部分的に満たされており、毛細管6を有する収容装置5は洗浄媒体11内に完全に浸されている。洗浄媒体をドラム3内に噴霧するために、洗浄装置1は、基本的に洗浄装置1の中心に配置されると共に、基本的に半径方向外向きに向けられる4つの噴霧ノズル12を有する。このような洗浄ノズルによって、洗浄媒体11が霧化されることができ、この過程において、基本的に外向きに、すなわちドラム壁3の方向に加速される。
【0066】
図2は、すくい取り毛細管を部分的に満たす工程をより詳細に説明するために使用される。この目的のために、ドラム3は洗浄媒体11で部分的に満たされる。
【0067】
ドラム3は回転運動を実行し、ここで収容装置5内に配置されている毛細管6は洗浄媒体11内に浸される。毛管現象によって、洗浄媒体は毛細管6の開いている端部7において毛細管6内に浸透する。毛細管6内に位置する多量の空気は、毛細管6が部分的にしか満たされていないことを意味する。毛細管6の開いている端部7は上方に向いているが、多量の空気は表面張力のために抜け出ることはできない。
【0068】
図3は、すくい取り毛細管6を完全に満たす工程を概略的に、より詳細に説明するために使用される。この場合、ドラム3は洗浄媒体11に浸されていない。すくい取り毛細管は、基本的にドラム軸4の方向に向いている、開いている端部7を有する。洗浄媒体は、噴霧ノズル12を介してドラム3内に分散される。同時に、ドラムは一方向に連続して回転する。洗浄媒体の液滴は、好ましくはドラム軸4とは反対の方に運動する。細かい液滴は毛細管6の底部に達することができ、その結果、完全に、又は少なくともおおよそ完全に満たすことが可能となる。
【0069】
図4は、洗浄媒体を分散させる工程をより詳細に説明するために使用される。すくい取り毛細管6は洗浄媒体で少なくとも部分的に満たされ、依然として収容装置5内に保持されている。ドラム3が基本的に連続した回転運動をしながら、すくい取り毛細管6は、回転軸9及び10に沿った周期的な前後運動を介しての転がり運動を実行する。ここで、転がり運動は、毛細管内に配置されている洗浄媒体に作用する力の和が、基本的にすくい取り毛細管6の底部の方向に向けられるように実行される。したがって、洗浄媒体は毛細管から出ない。しかしながら、洗浄媒体は、当該洗浄媒体に交互に作用する複数の力によって、毛細管内に分散される。
【0070】
図5は、すくい取り毛細管を空にする工程を説明するために使用される。ここでもまた、ドラム3は基本的に連続した回転運動を実行する。次いで、すくい取り毛細管6もまた、回転軸9及び10に沿った連続した前後運動を介しての転がり運動を実行する。しかしながら、この転がり運動はここでは、開いている端部が好ましくは基本的に外側に向けられるように実行される。毛細管内に配置されている洗浄媒体に作用する力の和は外側に向けられる。ドラム軸を中心とする回転運動と転がり運動とを組み合わせることによって、かなり細い毛細管さえ空にすることが可能となる。
【0071】
完全に満たすステップと部分的に満たすステップとを多数回実行することによって、最適な洗浄作用を達成することができる。
【0072】
最後のすすぎ工程において、高温の洗浄媒体が使用され、その結果、毛細管が加熱され、毛細管の壁に位置する、あらゆる残留している洗浄媒体が蒸発する。
【0073】
図6の流れ図は、本発明による洗浄方法の例示的な一実施形態の基本的なステップを簡単に例示するために使用される。
【0074】
第1のステップにおいて、毛細管が霧化されている洗浄媒体によって完全に満たされる。
【0075】
回転運動と組み合わされた転がり運動によって、洗浄媒体が分散され、次いで毛細管が空にされる。完全に満たすステップと、分散させるステップと、空にするステップとは、多数回連続して実行される。
【0076】
多数回完全に満たされることと組み合わせて、毛細管は多数回部分的に満たされ、洗浄媒体が分散され、毛細管が再び空にされる。
【0077】
最後のステップにおいて、毛細管が乾燥される。乾燥工程は最後のすすぎ工程において、たとえば、高温の洗浄媒体、特に脱塩水ですすぐことによって実行することができる。
【0078】
言うまでもなく、完全に満たすステップの順序は所望に応じて変更することができる。
【0079】
言うまでもなく、本発明は上述の特徴の組み合わせに限定されるのではなく、当業者は本発明の個々の特徴、又は多数の特徴を所望のように組み合わせ、これは好都合であると判明するはずである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明による洗浄装置の基本的な要素の概略図である。
【図2】すくい取り毛細管を部分的に満たす工程をより詳細に説明するために使用される、洗浄装置の概略図である。
【図3】すくい取り毛細管を完全に満たす工程をより詳細に説明するために使用される、洗浄装置の概略図である。
【図4】すくい取り毛細管内の洗浄媒体を分散させる工程をより詳細に説明するために使用される、本発明による洗浄装置の概略図である。
【図5】すくい取り毛細管を空にする工程をより詳細に説明するために使用される、本発明による洗浄装置の概略図である。
【図6】本発明による、毛細管を洗浄する方法の概略的な流れ図である。
【符号の説明】
【0081】
1 洗浄装置
2 容器
3 ドラム
4 ベアリング
5 収容装置
6 毛細管
7 開いている端部
8 閉じている端部
9 第1の回転軸
10 第2の回転軸
11 洗浄液
12 噴霧ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管、特に一方の端部が閉じている毛細管を洗浄する方法であって、該管は洗浄媒体で少なくとも部分的に満たされ、該洗浄媒体、特に脱塩水は霧化され、ここで該洗浄媒体の液滴は、少なくとも一部において、基本的に該管の開口の方向に加速される、管、特に一方の端部が閉じている毛細管を洗浄する方法。
【請求項2】
前記管は、好ましくは該管の容積の最大で少なくとも60%、好ましくは70%、特に好ましくは80%の前記洗浄媒体で満たされる、請求項1に記載の管を洗浄する方法。
【請求項3】
前記洗浄媒体は、前記液滴の平均直径が前記管の内径よりも小さくなるように、特に、該液滴の該平均直径が該管の該内径の0.5倍未満、好ましくは0.2倍未満、また特に好ましくは0.1倍未満になるように霧化される、請求項1又は2に記載の管を洗浄する方法。
【請求項4】
少なくとも1つのさらなるステップにおいて、前記管は、開いている端部が前記洗浄媒体内に浸されることによって部分的に満たされる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項5】
前記管は多数回、少なくとも部分的に満たされ、空にされる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項6】
前記洗浄媒体は、前記管が運動することによって分散される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項7】
前記管は、少なくとも1つの軸、好ましくは2つの軸を中心として回転する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項8】
前記管は、該管から離間している回転軸を中心として回転する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項9】
前記管は、該管から離間している回転軸を中心とする回転が、該管を通じて延びるか又は該管の周辺にある軸を中心とする少なくとも1つの回転と組み合わされるように回転する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項10】
前記管は、前記洗浄媒体を分散させ且つ/又は空にするために、少なくとも特定の回数、転がり運動をする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項11】
前記管は、該管の開いている端部が基本的に半径方向の、前記回転軸とは反対の方に向いている回転運動によって空にされる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項12】
前記管は、空にされる間、少なくとも1つのさらなる軸を中心として回転する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項13】
少なくとも1つのすすぎ工程において脱塩水が使用される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項14】
前記洗浄媒体の表面張力はアルカリ又は酸を加えることによって低減される、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項15】
少なくとも最後のすすぎ工程において、高温の洗浄媒体、特に50℃を超える、好ましくは70℃の温度の洗浄媒体が使用される、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項16】
使用される前記洗浄媒体は、水性液体、酸性液体、又はアルカリ性液体である、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項17】
両方の端部が開いている管が洗浄され、該管は洗浄後に少なくとも一方の端部を閉じられる、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の管を洗浄する方法。
【請求項18】
管、特に一方の端部が閉じている毛細管を洗浄する方法であって、特に、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のステップのうちの1つ又は複数を含み、以下の:
前記管を、少なくとも開いている端部を通じて洗浄液内に浸すステップと、
前記管を、前記洗浄媒体を分散させるために空間内の少なくとも1つの方向において運動させるステップと
を含む、管、特に一方の端部が閉じている毛細管を洗浄する方法。
【請求項19】
管、特にリードリレー又はトランスポンダのためのガラス毛細管であって、該管は請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法を使用して洗浄されている、管、特にリードリレー又はトランスポンダのためのガラス毛細管。
【請求項20】
内側に、平均して10よりも少ない、好ましくは5つよりも少ない、また特に好ましくは2つよりも少ない、0.5μmを超えるサイズの液滴を有する、請求項19に記載の管。
【請求項21】
1バッチ250000本の前記管において、1000個よりも少ない、好ましくは500個よりも少ない、特に好ましくは10個よりも少ない、100μmを超える、好ましくは50μmを超える、また特に好ましくは20μmを超えるサイズの粒子しか有さない、請求項19又は20に記載の管。
【請求項22】
0.7mm乃至11mm、好ましくは0.7mm乃至3mm、また特に好ましくは0.7mm乃至2mmの内径を有する、請求項19乃至21のいずれか一項に記載の管。
【請求項23】
特に一方の端部が閉じている毛細管を洗浄する洗浄装置であって、洗浄媒体を収容する少なくとも1つの容器を備え、また洗浄される物品を収容する収容チャンバを備えるドラムも備え、
該ドラムは、該ドラムを回転させるための手段を備え、該ドラム内に配置されると共に、洗浄される少なくとも1つの物品を収容するように意図される少なくとも1つの収容装置をさらに備え、
該収容装置は、該物品を少なくとも1つの軸を中心として回転させるための手段を備える、特に一方の端部が閉じている毛細管を洗浄する洗浄装置。
【請求項24】
基本的に中心軸から噴霧する、洗浄媒体、特に水を霧化するための手段を備える、請求項23に記載の洗浄装置。
【請求項25】
前記収容装置は、前記物品を少なくとも2つの軸を中心として回転させるための手段を備える、請求項23又は24に記載の洗浄装置。
【請求項26】
前記収容装置は基本的に前記ドラムの外周に配置される、請求項23乃至25のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項27】
前記洗浄媒体を霧化する少なくとも1つの噴霧ノズルを備える、請求項23乃至26のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項28】
前記噴霧ノズルは基本的に前記ドラムの回転軸の周辺に配置されると共に基本的に半径方向の、回転軸とは反対の方に向けられる、請求項23乃至27のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項29】
前記洗浄される物品は転がり運動を実行するようにされることができる、請求項23乃至28のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項30】
洗浄される複数の物品のための収容装置を備える、請求項23乃至29のいずれか一項に記載の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−119686(P2008−119686A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−285909(P2007−285909)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】