説明

粘接着シート

【課題】 初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性がよく、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着でき、接着強度は強力であり、接着強度は温度変化で劣化しにくい粘接着シート1を提供する。
【解決手段】 粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シート1であって、第1離型紙21A、粘接着層11及び第2離型紙21Bからなり、粘接着層11が液晶ポリマー不織布からなる芯材15へ粘接着剤13を含浸させてなり、粘接着剤13がアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含むことを特徴とし、また、芯材15の比重が0.15以下であることも特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘接着シートに関し、さらに詳しくは、粘接着シートの粘接着層を露出させ、2つの被着体で挟んで保持した後に、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて被着体を強力に接着させることができる粘接着シートに関するものである。
【0002】
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。なお、本明細書では、「粘接着シート」とは「基材に貼り付けた瞬間に粘着力をもち、その後加熱することによって接着力をもつシート」で、「粘着力」とは「基材に貼り付けた瞬間に密着する力のこと」で、「接着力」とは「基材に貼り付け後、加熱することによって物理的に接着する力のこと」をいう。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)従来、2つの被着体を一体化させる接合方法としては、咬合、溶接、接着剤や粘着剤による接着方法があり、それぞれの分野で用途に応じて多用されている。
【0004】
近年、自動車などの輸送機関連の用途では、温暖化防止に炭酸ガスCO2排出の削減などの課題解決として、車体の軽量化、ハイブリッド車や電気自動車の普及が進んでいる。そのために、車体に軽量なアルミニウムやマグネシウム、FRP(CFRP=carbon fiber reinforced prastics、GFRP=garas fiber reinforced prastics)を使用する流れが強くなってきている。しかしながら、従来の溶接法ではアルミニウムと鉄などの異種材料の溶接は非常に困難を極め、ガラス繊維や炭素繊維のFRPに至っては溶接自体が不可能であり、これらの材料(被着体)を強力に接合できる接合材料が必要である。接合方法としては、粘着シート又は接着シートを用いる方法があるが、十分ではない。さらに、被着体への接合作業においては、粘接着シートに腰がないと、ハンドリング性が悪く作業性が低下する。
【0005】
従って、粘接着シートには、次のような性能が求められている。
(1)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できること。(2)接着強度は構造用途に使用できるように強力であること。(3)接着強度は温度変化で劣化しないこと。(4)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業工程数が少ないこと。(5)被着体への接合作業の作業性がよいこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−237483号公報
【特許文献2】特開平9−181421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(従来技術)従来、基材フィルム(1)、粘着剤層、基材フィルム(2)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなるダイアタッチフィルムであって、基材フィルム(2)のフィルム状接着剤層側の界面が離型処理されており、かつ、フィルム状接着剤層が、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂を含むことを特徴とするダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
しかしながら、フィルム状接着剤層のウエハーへの貼り付け温度が15℃以上60℃以下であり、初期粘着性はあるが、加工後に剥離するために接着力は低いという問題点がある。
【0009】
また、(a)加熱硬化後においても再加熱により金属箔との接着が可能である熱硬化性樹脂Aを離型フィルムに塗布乾燥して、片面に熱硬化性樹脂Aの層を有する離型フィルムを準備する工程、(b)上記離型フィルムの熱硬化性樹脂Aの層側に、シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸乾燥して得たプリプレグを重ね、加熱加圧成形により一体化して板状体とする工程、(c)離型フィルムを剥がして又は剥がさずに、上記板状体の所定位置に貫通穴をあける工程、(d)上記工程を経た板状体の熱硬化性樹脂Aの層側に、金属箔を重ねて加熱加圧成形により一体化する工程、の(a)〜(d)の工程を経ることを特徴とする金属箔張り積層板の製造法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
しかしながら、フィルム状態でも熱硬化し、加熱加圧成形により一体化でも熱硬化させ、2回も熱硬化工程があり、工程数が多くなるという欠点があり、また、(b)上記離型フィルムの熱硬化性樹脂Aの層側に、シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸乾燥して得たプリプレグを重ね、加熱加圧成形により一体化して板状体とする工程が類似しているが、「熱硬化性樹脂A/熱硬化性樹脂を含浸乾燥しプリプレグ」の2層構成で工程数も多く、また、強固な接着強度が得られないという問題点もある。
【0011】
さらに、一部には初期粘着のある熱硬化型シートもあるが、一般的に初期粘着のある接着シートは、接着剤層にアクリル等の粘着樹脂を添加することでつくられており、粘着樹脂を添加することで、接着強度が低下することがわかっている。その結果、自動車用途などで必要とされる接着強度15〜20MPaを満たす粘着接着シートは作製困難であった。
【0012】
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、次の性能を満足する粘接着シートを提供することである。(1)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できること。(2)接着強度は構造用途に使用できるように強力であること。(3)接着強度は温度変化で劣化しないこと。(4)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業工程数が少ないこと。(5)被着体との接合作業でのハンドリング性がよく、作業性がよいこと。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係わる粘接着シートは、第1離型紙、粘接着層、及び第2離型紙からなり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートであって、前記粘接着層が液晶ポリマー不織布からなる心材へ粘接着剤を含浸させてなり、前記粘接着剤がアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含むように、したものである。
【0014】
請求項2の発明に係わる粘接着シートは、請求項1において、上記芯材の比重が0.15以下であるように、したものである。
【0015】
請求項3の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜2において、上記粘接着層が、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とが海島構造であるように、したものである。
【0016】
請求項4の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜3において、上記アクリル系樹脂がEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体で、上記エポキシ系樹脂がNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ樹脂と、bis−A型エポキシ樹脂からなり、上記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であるように、したものである。
【0017】
請求項5の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜4において、上記不織布が全芳香族ポリエステルの溶融ポリマーをメッシュに吹付け直接シート化する方法で不織布加工されてなるように、したものである。
【0018】
請求項6の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜5のいずれかに記載の粘接着シートの第1離型紙及び第2離型紙を剥離し除去して露出した上記粘接着層を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層の粘着性で保持し、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を接着させることができるように、したものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の本発明によれば、初期粘着性を有しているので、プレヒートなどの工程をなくせて工程数が少なく、接合作業でのハンドリング性も優れ作業性がよく、金属と有機材料とを接着でき、その接着強度は強力であり、温度変化でも劣化しにくい効果を奏する。
【0020】
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、より強力な接着強度が得られる効果を奏する。
【0021】
請求項3の本発明によれば、請求項1〜2の効果に加えて、より安定した初期粘着性を有し、金属と有機材料とをより強力に接着できる効果を奏する。
【0022】
請求項4の本発明によれば、請求項1〜3の効果に加えて、被着体である金属と有機材料の材料をより自由に選択することができる効果を奏する。
【0023】
請求項5の本発明によれば、請求項1〜4の効果に加えて、粘接着層の凝集が高くできより強力な接着強度が得られるの効果を奏する。
【0024】
請求項6の本発明によれば、初期粘着性を有しているので、プレヒートなどの工程をなくせ、また、仮固定する必要もなく、接合作業でのハンドリング性も優れ作業性がよく、低コストで接合できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本願発明の1実施例を示す粘接着シートの断面図である。
【図2】従来例を示す粘着シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0027】
(粘接着シート)本願発明の粘接着シート1は、図1に示すように、第1離型紙21A、粘接着層11、及び第2離型紙21Bの層構成からなり、粘接着層11は液晶ポリマー不織布からなる心材15へ粘接着剤13が含浸されており、粘接着剤13はアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含んでおり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートである。また、芯材15の比重を0.15以下とすることが好ましい。さらに、上記アクリル系樹脂がEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体で、上記エポキシ系樹脂がNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂からなり、上記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であるが好ましい。なお、EA−BA−ANは、エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリルニトリルを表す。
【0028】
最も好ましい粘接着剤13としては、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とを用い、上記エポキシ系樹脂としては、少なくとも、柔らかいゴム状エポキシ樹脂であるNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ系樹脂と、堅いビスフェノール型エポキシ樹脂とを含ませ、かつ、上記アクリル系樹脂としては、粘着性を有するEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体を用い、上記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物を用いることで、下記の性能を満たし、初期粘着をもった熱硬化型の粘接着シート1とすることができる。即ち、粘接着シート1は、(1)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性のよい、(2)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着でき、(3)接着強度は構造用途に使用できるように強力であり、(4)接着強度は温度変化で劣化せず、(5)被着体との接合作業でのハンドリング性がよく、作業性がよいなどの効果が得られる。
【0029】
(剥離紙)本明細書では、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bとを合わせて離型紙21と呼称する。また、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bは同じものでも異なったものを用いてもよい。離型紙21は離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙とも呼ばれる。離型紙21は、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの離型紙用基材の片面又は両面に離型層を有している。
【0030】
(離型層)該離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。
【0031】
(離型層の形成)離形層は、離形層成分を分散および/または溶解した塗液を、離型紙用基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成する。該塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコートなどである。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成してもよい。
【0032】
(剥離力)離形層の剥離力は、粘着剤テープに対し、1〜2000mN/cm程度、さらに100〜1000mN/cmであることが好ましい。離形層の剥離力が1mN/cm未満の場合は、粘着シートや被粘着材との剥離力が弱く、剥がれたり部分的に浮いたりする。また、2000mN/cmより大きい場合は、離形層の剥離力が強く、剥離しにくい。安定した離形性や加工性の点で、ポリジメチルシロキサンを主成分とする付加及び/又は重縮合型の剥離紙用硬化型シリコーン樹脂が好ましい。
【0033】
(粘接着剤)粘接着剤13としては、粘着性を有するアクリル系樹脂、主に被着体との接着性を有するエポキシ系樹脂、これらの樹脂と反応する硬化剤を含ませることで、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シート1とすることができる。
【0034】
(エポキシ)上記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられ、またフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂などが例示できる。
【0035】
これらの樹脂から、少なくとも、比較的柔らかいエポキシ系樹脂と、硬いエポキシ系樹脂とを含ませるのが好ましい。ここで、柔らかい、硬いとは、相対比較であり、硬さに差のある柔らかいもの、硬いものを用いればよい。
【0036】
(硬いエポキシ)硬いエポキシ系樹脂としては、結晶性エポキシ樹脂が好ましく、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格などの剛直構造を主鎖にもち、比較的低分子量のものがよい。好ましくは、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂で、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で液体、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で固体である。結晶性エポキシ樹脂のうち、常温で結晶化して固体のものも、融点以上の温度になると、急速に融解して低粘度の液状に変化することで、粘接着層13の接着剤部分に被着体の裏面とを接合工程で、初期に密着し、更に接着して、接着強度を高めることができる。硬いエポキシ系樹脂は架橋密度が高くなるため、機械的強度が高く、耐薬品性がよく、硬化性が高く、吸湿性(自由体積が小さくなるため)が小さくなる特徴もある。
【0037】
硬いエポキシ系樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましいが、さらに、硬さの異なる複数を用いるのが更に好ましい。複数とは、剛直な構造であるビスフェノール骨格の主鎖の数の異なるものが例示でき、例えば、主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを併用すればよい。併用することで、機械的強度を保ちつつ、若干の柔軟性を得ることが出来るため、密着性に優れる。固体のエポキシを混合することで、製膜性も向上させることができる。ここで、硬さ異なるとは相対比較であり、硬さに差があればよく、硬いもの、更に硬いものを用いればよい。具体的には、主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER828が、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER1001などが例示できる。
【0038】
(柔いエポキシ)柔かいエポキシ樹脂としては、ゴム成分を含むように変性したエポキシ系樹脂が好ましい。特に、NBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ系樹脂が、加熱による変色も少なく、硬いエポキシ樹脂である結晶性エポキシ樹脂と混ざり易さから好ましい。具体的には、ADEKA社製、EPR4030などが例示できる。被着体の熱膨張による寸法変化などに追従するため、耐熱性向上、耐衝撃性、柔軟性の点で優れる。
【0039】
(アクリル)アクリル系樹脂としては、粘着性があれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステルモノマーを重合させたポリマーのほか、前記モノマーと共重合可能な不飽和単量体(例えば、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなど)とを共重合させたコポリマーが使用できる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸エステル共重合体が好ましく、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびアクリルニトリルのうち少なくとも1つをモノマー成分とした共重合体が挙げられる。この中でも、官能基としてエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、二トリル基等を持つ化合物を有するアクリル酸エステル共重合体が好ましい。これにより、被着体への接着性がより向上する。具体的には、ナガセケムテックス社製、SG−P3などが例示できる。
【0040】
特に好ましくは、アクリル系樹脂として、EA−BA−AN(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリルニトリルをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体であって、エポキシ系樹脂との分散性や、粘接着層11を形成する際の塗布性成膜性を向上させることができる。しかも、粘接着層11の初期粘着性を確保できる。
【0041】
アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、10万以上が好ましく、15万〜100万が特に好ましく、重量平均分子量がこの範囲内であると、粘接着剤13の塗布性が向上する。また、凝集力を高めるために、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族系や芳香族系石油樹脂等の粘着付与剤等を添加してもよい。
【0042】
(硬化剤)前記硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂等のフェノール系硬化剤が例示できる。
【0043】
特に、ジシアンジアミド(DICY)は潜在性の硬化剤のため、保存安定性に優れ、室温保存でもポットライフが数週間もあるので好ましい。また、硬化促進剤としてイミダゾール類を含ませてもよい。
【0044】
(添加剤)さらに、粘接着剤13には、必要に応じて、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を添加してもよい。また、必要に応じて、さらにシラン系、チタン系、アルミニウム系などのカップリング剤を含むことができる。これにより樹脂と被着体及び樹脂と後述する芯材財との密着性を向上させることができる。
【0045】
(海島)粘接着剤13は、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂を主成分としているが、海島構造が好ましい。アクリル系樹脂を海状態とし、この海にエポキシ系樹脂が島状態をなしていることが好ましい。エポキシ系樹脂は複数種からなるが相溶状態であると推測される。この好ましい構造によって、アクリル系樹脂の海状態が初期粘着性を発現し、島状態のポキシ系樹脂が加圧加熱によって、被着体と接触し、接着すると推測される。さらに分散状態は、海と島どうしが接触しないある程度の距離(数μm)を保つことで、界面破壊を避けることが出来、接着強度も高く維持できるので好ましい。
【0046】
(配合比)粘接着剤13は、アクリル系樹脂、硬いエポキシ系樹脂、柔かいエポキシ系樹脂とからなり、その配合比は、アクリル系樹脂:硬いエポキシ系樹脂:柔かいエポキシ系樹脂:硬化剤=100:75〜175:10〜100:2〜20程度、好ましくは、アクリル系樹脂:硬いエポキシ系樹脂:柔かいエポキシ系樹脂=100:100〜150:25〜75:5〜10である。なお、硬いエポキシ系樹脂を複数用いる場合にはその合計とする。アクリル酸エステル共重合体に対して、硬いエポキシ樹脂及び柔かいエポキシ系樹脂がこの範囲未満であると、粘着力が強すぎて、貼り替えが必要な場合に不良が起こったり、作業性の低下したりし、被着体との接着力が低下する。この範囲以上では、被着体との接着力は向上するが、粘着力が低く、仮固定を要して作業性が低下する。また、硬化剤の配合比がこの範囲未満であると、接合後の耐熱性が低く、また接着強度が温度変化で劣化しやすい。この範囲以上では、粘接着シート1を被着体と接合するまで保管するが、その期間の保存性が低下し、また、未反応の硬化剤が残留することで、接着力が低下する問題点もある。
【0047】
(芯材)心材15としては液晶ポリマー不織布を用いる。該心材15へ粘接着剤13を含浸させた状態が粘接着層11である。液晶ポリマーとしては、ポリアリレート系液晶ポリマーが好ましく、全芳香族ポリエステルからなる液晶ポリマーがさらに好ましい。また、液晶ポリマー不織布としては、高温で溶かした液晶ポリマーをメッシュに吹き付けて、繊維を瞬時に絡ませて、直接シート化するメルトブローン方式で不織布に加工したものが好ましい。具体的にはクラレ社の商品名ベクルスなどが例示できる。
【0048】
液晶ポリマー不織布からなる心材15は次のような特徴ももち、粘接着層11へ反映されるので、これらの特性の必要な用途にも展開できる。(1)吸水性;極性のない化学的骨格と配向性の高いミクロ構造をもち、吸湿性は相対湿度65%で0.02%以下と吸水率が低く、水を吸いにくいので、使用環境に影響されず、長期に高い信頼性と、吸湿寸法安定性が良い。(2)電気特性;極性の少ない骨格であるため誘電率、誘電正接が低い優れた誘電特性、電気特性を有し、GHz帯域での誘電率は2.8、誘電正接は0.002で、高い信号伝播速度と低い電送損失を示し、10GHz以上の誘電正接値では各種ガラスよりも低い。(3)薬品性;安定した化学構造と高い配向性で、酸、アルカリ、酸化剤、溶剤、潤滑油に対して耐薬品性がある。(4)放射線性;100メガグレイの放射線に耐える優れた耐放射線性がある。(5)電圧;密度を1.3に調整されたベクルス(クラレ社、液晶ポリマー不織布の商品名)は30KV/mmの耐電圧を持つ。(6)コスト;メルトブロー方式で生産するため、優れた加工特性で、また工程がシンプルで、低コストで製造でき、しかも細繊度である。(7)難燃性;UL94規格でV−0。LOI値は28と優れた難燃性である。さらに、芯材15を構成する液晶ポリマー不織布は、汎用繊維の数倍もの高強度及び高弾性率の繊維からなり、さらに、メルティングポイントは350℃、分解点は400℃以上と優れた耐熱性を有している。
【0049】
(比重)粘接着層11は液晶ポリマー不織布からなる心材15へ粘接着剤13を含浸する。粘接着層11は心材15を含める方がハンドリングがよく接合作業の作業性が向上するので好ましいが、被着体との接着強度が低下する恐れがある。そこで、芯材15の比重を0.15以下とすることで、作業性と接着強度とを両立させることができる。比重と接着強度との関係は、実施例で詳細に述べる。なお、比重(g/cm3)は目付け量(g/mm2)と厚さ(μm)から計算できる。
【0050】
(製造方法)まず、粘接着層11を形成するための粘接着剤13組成物を作製し、この粘接着剤13組成物を、離型紙21へ重ねた芯材15面へ塗布すればよい。撹拌機を用いて、硬いエポキシ系樹脂として複数種を用いる場合は先に混合撹拌し、次に硬化剤を混合撹拌し、溶媒で希釈した後に、柔かいエポキシ系樹脂を混合撹拌し、次いで、アクリル系樹脂を混合撹拌して、粘接着剤13組成物を得た。コーティング法を用いて、第1離型紙21Aと芯材15とを重ねて走行させて、その芯材15面に粘接着剤13組成物を塗布することで、芯材15へ含浸されるので、乾燥後に、塗布面へ第2離型紙21Bを貼り合わせて、粘接着シート1が得られる。
【0051】
(撹拌)粘接着剤13組成物を作製する撹拌機は、所望の材料を混合し、必要に応じて混練、分散して調製すればよく、特に限定されるものではない。通常の混練分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、および超音波分散機などが適用できる。
【0052】
(コーティング法)コーティング法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートなどが適用できる。
【0053】
組成物を、第1離型紙21Aと心材15を重ねて、心材15面へ、上記のコーティング法で塗布して、乾燥した後に、第2離型紙21Bを貼り合わせればよい。組成物(塗布液)の粘度は、1〜20000センチストークス(25℃)程度、好ましくは1〜200センチストークスに調整する。心材15へ含浸塗布する場合には、粘度が低い方が好ましく、1〜100センチストークスである。
【0054】
(接着方法)被着体との接合は、粘接着シート1の第1離型紙21A及び第2離型紙21Bを剥離し除去して、粘接着層11を露出させる。露出した粘接着層11を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層11の粘着性で保持させる。
次いで、加熱、又は加圧加熱することで粘接着層11を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を強固に接着させることができる。この場合の加熱温度は、100〜300℃程度、好ましくは150〜250℃である。加熱時間は1〜240分間、好ましくは10〜60分間である。硬化した粘接着シート1の粘接着層11は、初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、粘着力のみで被着体を保持して作業できるので、作業性がよく、低コストでもあり、しかも、粘接着層11には芯材15を含むので、腰があってハンドリング性がよいので、作業性が向上してより低コストで接合作業ができる。
【0055】
また、粘接着層11の材料及びその配合比を選択することで、金属同士、金属と有機材料、無機材料と無機材料、有機材料と有機材料、無機材料と有機材料とを接合することもできる。さらに、エポキシ系樹脂に起因する強固な接着強度が得られ、この接着強度は温度変化でも劣化しにくく、また、アクリル系樹脂に起因するために脆質性が低く、優れた剪断強度と高い耐衝撃性、耐熱性を有するので、構造用途に使用できる。さらにまた、強固な接着強度は粘接着剤13へ心材15を含んだ粘接着層11であっても、心材15として液晶ポリマー不織布を用い、かつ、その比重を0.15以下とすることで維持できて、作業性と接着強度とを両立させることができる。
【0056】
(被着体)被着体としては、金属、無機材料、有機材料、これらを組み合わせた複合材料や、積層材料などが例示できる。
【実施例】
【0057】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、各層の各組成物は溶媒を除いた固形分の質量部である。
【0058】
また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(主鎖1〜3)をEPX−1、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(主鎖2〜10)をEPX−2、NBR変性エポキシ樹脂をEPX−3と呼称する。
【0059】
(実施例1)下記原料を攪拌機により混合し、粘接着剤13組成物を作製した。
・アクリル酸エステル共重合体 100部
・EPX−1 50部
・EPX−2 100部
・EPX−3 50部
・ジシアンジアミド 7部
次に、芯材15として比重0.144g/cm3のベクルス((株)クラレ社製、商品名)を用い、離型紙21Aとして(セパフィルムSP−PET03BU東セロ製)を用いた。離型紙21Aへ芯材15を重ねて、該芯材15面へ上記粘接着剤13組成物をコンマコーターにて、乾燥後の塗布量が50g/m2になるように、コーティングし乾燥した後に、軽剥離の離型紙21Bとして(セパフィルムSP−PET01BU東セロ製)を貼り合わせて、実施例1の粘接着シート1を得た。
【0060】
(参考例1)芯材15の比重が0.190g/cm3のベクルスを用いる以外は、実施例1と同様にして、参考例1の粘接着シート1を得た。
【0061】
(参考例2)芯材15の比重が0.409g/cm3のベクルスを用いる以外は、実施例1と同様にして、参考例2の粘接着シート1を得た。
【0062】
(参考例3)芯材15の比重が0.246g/cm3のベクルスを用いる以外は、実施例1と同様にして、参考例3の粘接着シート1を得た。
【0063】
(参考例4)芯材15の比重が0.575g/cm3のベクルスを用いる以外は、実施例1と同様にして、参考例3の粘接着シート1を得た。
【0064】
(比較例1)芯材15を入れない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の粘接着シート1を得た。
【0065】
(評価方法)CFRP基材同士の接着強度(引張せん断力)、CFRP基材への初期粘着力、サーマルサイクル性、接合作業性で評価した。結果を表1に表す。
【0066】
(測定方法)
<接着強度の測定方法>実施例及び比較例の粘接着シート1を25mm×12.5mmに裁断し、離型紙21Aを剥離し除去して、被着体としてCFRP基材(長さ100mm×幅25mm×厚さ1.5mm)の先端部に貼り付け、次いで、離型紙21Bを剥離し除去して、別の被着体としてCFRP基材(長さ100mm×幅25mm×厚さ1.5mm)を先端部へ重なるように貼り付け、重ねた上から3kgのおもりをのせ、180℃1時間、加熱硬化させて、積層体を得て、試験片とした。この評価用サンプルの両端をテンシロン(オリエンテック製RTA−1T)に固定して、0.5mm/minで引張り、せん断強度を測定した。
【0067】
<初期粘着力の測定方法>23℃、50%RH雰囲気下に24時間静置した粘接着シートを、幅25mm、長さ250mmに裁断し、試験サンプルとした。その後、粘接着シートサンプルの上部剥離フィルムをはがし、粘着面が接触するように洗浄した硝子板の上に置く。その上から、手動式圧着装置(JIS0237)にて、圧着速さ約5mm/sec、1往復させ、貼り付けた。貼り付けた試験片の片方を、テンシロン(オリエンテック製RTC1310A)にて、300mm/minの速さで引き剥がし、そのときの応力を粘着力とした。離型シートと粘着剤層との剥離強度で、180°による剥離方法において、100〜1,700gの範囲、好ましくは500〜1,400gの範囲にすることが望ましい。
【0068】
<サーマルサイクル性>実施例及び比較例の粘接着シート1を2枚のCFRP基材を積層した積層体を用いて、−40℃で30分間放置後、+150℃で30分間放置するを1サイクルとして、500サイクル行った後でも、接着強度に著しい変化のないものを合格とし「○」印を、明らかに劣化したものを不合格とし「×」印とした。
【0069】
<接合作業性>実施例及び比較例の粘接着シート1を用いて、<接着強度の測定方法>の評価用サンプルを作製する際に、ハンドリング性を観察し、支障のないものを合格とし「○」印を、明らかに作業しづらいものを不合格とし「×」印とした。
【0070】
【表1】

(評価結果)比較例1では接合作業性が悪く、参考例1〜4では芯材15による接着強度がやや低下していた。実施例1では19.2MPaと、芯材15なしの接着強度よりは若干落ちていたが、15MPa以上が維持されていて良好であり、構造用の用途にも適用が可能な範囲であった。参考例1〜4では、芯材15なしの接着強度よりは落ちていたが、7.5〜13.3MPaが維持されていて、用途によっては使用できる範囲であった。
【産業上の利用可能性】
【0071】
(産業上の利用可能性)本発明の粘接着シートの主なる用途としては、従来の溶接法では困難な、ガラス繊維や炭素繊維のFRP、異種金属などの材料(被着体)を強力に接合でき、自動車などの輸送機関連の部材などのものである。しかしながら、初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性がよく、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着でき、接着強度は強力であり、接着強度は温度変化で劣化しにくさを必要とする用途であれば、特に限定されるものではなく、プリント配線基板、ICパッケージ用基板、高周波対応の電子部品、重電用部品、特殊仕様のモータ、航空機ハニカム用などにも展開できる。
【符号の説明】
【0072】
1:粘接着シート
11:粘接着層
13:粘接着剤
15:芯材
21:離型紙
21A:第1離型紙
21B:第2離型紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1離型紙、粘接着層、及び第2離型紙からなり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートであって、前記粘接着層が液晶ポリマー不織布からなる心材へ粘接着剤を含浸させてなり、前記粘接着剤がアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含むことを特徴とする粘接着シート。
【請求項2】
上記芯材の比重が0.15以下であることを特徴とする請求項1に記載の粘接着シート。
【請求項3】
上記粘接着層が、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とが海島構造であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の粘接着シート。
【請求項4】
上記アクリル系樹脂がEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体で、上記エポキシ系樹脂がNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ樹脂と、bis−A型エポキシ樹脂からなり、上記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘接着シート。
【請求項5】
上記不織布が全芳香族ポリエステルの溶融ポリマーをメッシュに吹付け直接シート化する方法で不織布加工されてなるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘接着シート。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の粘接着シートの第1離型紙及び第2離型紙を剥離し除去して露出した上記粘接着層を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層の粘着性で保持し、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を接着させることができることを特徴とする粘接着シート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−162577(P2011−162577A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23185(P2010−23185)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】