説明

粘膜に関連した症状の処置に関する方法

IRMを粘膜表面に間欠的に適用することによるIRMの断続的送達を使用して、刺激副作用をかなり低減させつつ、サイトカイン誘導による治療レベルおよび治療持続時間を達成することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2003年9月2日に出願された米国仮特許出願第60/499607号の優先権を主張し、これをその全体を参照することにより本明細書に援用する。
【0002】
免疫系のある重要な側面を刺激し、同時に免疫系のある他の側面を抑制することにより作用する新規な薬物化合物を発見するために大いなる努力が近年なされており、かなり成功を収めている。これらの化合物は、免疫応答調節剤(IRM)と称されているが、これはトール様受容体として知られる基礎的な免疫系機序を通して作用し、選択されたサイトカイン生合成を誘導するようである。また、多種多様な疾患および症状の処置にも使用してもよい。例えば、あるIRMは、ウイルス疾患(例えばヒトパピローマウイルス、肝炎、ヘルペス)、異常増殖(例えば基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、光線性角化症)、およびTH2により媒介される疾患(例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症)の処置に有用であり得、ワクチンアジュバントとしても有用である。多くのIRM化合物は、小有機分子イミダゾキノリンアミン誘導体であるが、多くの他の化合物クラスも同様に知られており、より多くの化合物クラスが依然として発見され続けている。他のIRMは、オリゴヌクレオチド(CpGsを含む)などのように、より大きな分子量を有している。IRMの高い治療能力の観点から、すでに重要な研究がなされてきたにも関わらず、その用途および治療利点を増大させるためにIRMの送達および活性を制御する新しい手段がまだまだ必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば粘膜に関連した症状の処置のために、粘膜表面上でIRM化合物を使用する場合に見られる1つの問題は、かなりの刺激作用を引き起こす可能性があることであり、または刺激作用を避けるためにもし低濃度のIRMを使用する場合には効果がない可能性があることである。しかし今回、IRMを間欠適用する断続的な送達プロトコルを使用すると、治療的免疫応答調節(例えばサイトカイン誘導、免疫細胞刺激、TH2免疫応答抑制などにより示されるような免疫調節)を依然として達成しつつ刺激作用を有意に低減できることが判明した。IRM化合物への暴露時間を制限することにより急速に免疫応答を「活性化」し、その後、かなりの量のIRMを除去して粘膜表面と接触しないようにし、刺激作用を低減できるようである。これにより過剰の薬物の吸収による全身暴露のリスクも低減するだろう。さらに、IRMイミキモドを、例えば肛門タンポンを一晩使用して、先に適用し除去したが、間欠適用の有利な現象は全く認められなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は、粘膜表面にIRMを間欠的に適用することによる、IRMの断続的送達(すなわちパルス送達または周期的送達を用いるなどの間隔をあけた送達)を使用することにより刺激作用を低減する方法、および、このような送達プロトコルを使用した粘膜症状の処置に関する。すなわち、この方法には、IRMを様々な間隔で適用し、これらの間隔の間にはIRMを除去することが含まれ、よって前回の適用から次回の適用までの間には休止がある。前回の適用から次回の適用までの時間ならびに適用時間それ自体は変更できる。すなわち、必要に応じて可能であるが、規則的な期間において規則的な間隔である必要は必ずしもない。適用時間と休止の期間は、免疫応答の「活性化」が起こるに十分なものである。
【0005】
1つの特定の実施形態において、本発明は、刺激作用の低減された免疫調節を行なうために、免疫応答調節(IRM)化合物を粘膜表面に送達する方法を提供する。この方法には、IRMを粘膜表面に間欠的に適用することによりイミキモド以外のIRM化合物を断続的に送達することと、各回適用後に、自然に吸収されるかまたは消失する前にかなりの量のIRMを粘膜表面から除去することとが含まれる。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、粘膜表面に関連した症状を免疫応答調節(IRM)化合物で処置し、IRMにより引き起こされる刺激作用を低減する方法を提供する。この方法には、治療的免疫調節が行われるに十分な時間、IRMを罹患粘膜表面に間欠的に適用することによりイミキモド以外のIRMを断続的に送達することと、各回適用後に、自然に吸収されるかまたは消失する前にかなりの量のIRMを粘膜表面から除去することとが含まれる。
【0007】
「含む」なる用語およびその変化形は、限定された意味を持たず、これらの用語は明細書および特許請求の範囲に出現する。
【0008】
本明細書に使用したような単数形の「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」および「1つ以上」は同義語として使用する。
【0009】
また本明細書において、上限と下限を示した数字の範囲の引用には、範囲内に包含される全ての数字が含まれる(例えば1から5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などが含まれる)。
【0010】
本発明の上記の概要は、本発明の開示された各実施形態またはあらゆる実践を記載するものではない。本発明の様々な他の特徴および利点が、以下の詳細な説明、実施例、および特許請求の範囲を参照すれば容易に明らかとなろう。明細書中の数箇所において、実施例のリストにより指針を提供している。各場合とも、引用したリストは、代表的な群として用いられ、包括的なリストとは解釈すべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
IRMの有益な作用は既知であるが、粘膜に関連した症状の処置のためにIRM化合物の粘膜表面への局所適用により治療利点を提供できることは知られていない。これは、IRM化合物との長時間の接触で結果として発生する粘膜表面の刺激作用のためと、局所適用したIRM化合物の望ましくない全身送達のためである。
【0012】
今回驚くべきことに、IRMを間欠的に粘膜表面に適用することにより、IRMとの連続的(または長時間の)接触に関連した粘膜組織の刺激作用を伴うことなく治療利点が得られることが判明した。従って、本発明は、粘膜表面に関連した症状を処置または予防するための、IRM化合物の新しい使用法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、子宮頚部異形成(ヒトパピローマウイルス(HPV)に関連した異形成を含む)、低悪性度扁平上皮内病変、高悪性度扁平上皮内病変、重度が確定されていない非定型扁平上皮細胞(典型的には、HPVのリスクが高い)、および頚部上皮内異常増殖(CIN)などの頚部症状の処置のための、頚部へのIRMの局所適用に特に利点のある方法を提供する。
【0013】
本発明は、IRMで粘膜関連症状を処置することに関連した粘膜表面の刺激作用を低減する方法を提供する。別の言葉で言えば、本発明は、刺激作用の低減された免疫調節を達成するために、IRMを粘膜表面に送達する方法を提供する。
【0014】
本発明はまた、粘膜に関連した症状を処置する方法も提供する。別の言葉で言えば、本発明は、粘膜表面に関連した症状をIRM化合物で処置し、IRMにより引き起こされる刺激作用を低減する方法を提供する。
【0015】
これらの方法には、IRMを粘膜表面に間欠的に適用することが含まれる。好ましくは、各回適用後に、かなりの量のIRMを、同量のIRM(すなわち除去される量)が自然に吸収されるかまたは消失するに必要な時間より早い時間に除去する。好ましくは、各回の間欠的な適用の後、かなりの量のIRMを、適用されてから8時間未満に除去する。
【0016】
好ましくは、かなりの量のIRMを、IRMの適用に使用したのと同じ装置で除去する。すなわち、例えば圧注法などの方法によっては除去しないということである。
【0017】
特定の実施形態において、IRMは、IRMを放出できる固体マトリックス内に予め分散されている。IRMは、IRMの適用に使用したのと同じ固体の予め分散されたマトリックスを用いて除去してもよい。また、このような方法では、かなりの量のIRMを、適用してから8時間未満の時点で除去してもよい。
【0018】
特定の実施形態において、本発明は、IRMの間欠適用を使用して、頚部のパピローマウイルス感染を処置する方法を提供する。特定の他の実施形態において、本発明は、HPVのリスクの高い重度の確定されていない非定型扁平上皮細胞を処置する方法を提供する。
【0019】
送達時間:
本発明の方法は、IRMが粘膜表面に接触している時間を減少させる。粘膜表面は、サイトカイン生成誘導を開始するのに十分な時間、IRMと接触している。その後、特定の送達時間の後、IRMは粘膜表面から除去され、粘膜表面刺激作用の発生は低減する。このようなIRMの除去はまた過剰のIRMを除去するのにも役立つ。驚くべきことに、IRMの間欠適用を使用して、従来の適用法で生じ得る粘膜組織へのかなりの刺激作用を伴うことなく、サイトカイン生成を「活性化」することにより有益な結果を得ることができる。
【0020】
本明細書に使用したような「特定の送達時間」は、IRMの適用から、かなりの量のIRMの除去までの時間である。本明細書に使用したような「かなりの量」は、最初に適用したIRMの少なくとも25重量%、通常少なくとも50重量%を意味する。粘膜表面へのIRMの適用に関する特定の送達時間は、典型的に好ましくは8時間未満の時間である。しかし、粘膜表面へのIRMの適用に関する特定の送達時間は、望ましい処置措置に応じて、6時間以内、4時間以内、2時間以内、または1時間以内であり得る。粘膜表面へのIRMの適用に関する特定の送達時間は、さらにより短くてもよい。例えば、60分以内、30分以内、またはさらには20分以内でもよい。典型的には、特定の送達時間は、少なくとも10分間、好ましくは望ましい効果のためには少なくとも15分間である。
【0021】
本発明の方法において、IRMは、1週間に1回適用してもよい。本発明の方法において、IRMは、1週間に数回適用してもよい。例えば、IRMは1週間に2日、1週間に3回、または1週間に5回適用してもよい。IRMはまた毎日適用してもよい。
【0022】
本発明の方法において、IRMの適用は、望ましい処置措置に応じて、全期間を少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、またはそれ以上延長し得る。
【0023】
特定の症状または対象に使用される実際の投与(処置)措置は、IRM化合物の物理的および化学的性質、送達物質の性質、IRMの投与量、対象の免疫系の状態(例えば、抑制状態、損なわれている状態、刺激状態)、IRMの投与法、およびIRMを投与する種を含むがこれに限定されない、当分野で知られている多くの因子に少なくとも部分的には依存し得る。
【0024】
本発明の方法は、任意の適切な対象に適用可能であり得る。適切な対象には、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、またはトリなどの動物を含むがこれに限定されない。
【0025】
本発明の方法は、治療、予防(例えばワクチンアジュバントとして)、または診断を含む多種多様な医学的目的に適している。本明細書に使用したような症状または対象を「処置すること」には、治療、予防、および診断処置が含まれている。
【0026】
「有効量」(例えば治療的または予防的に)なる用語は、サイトカイン誘導、TH2免疫応答阻害、抗ウイルスまたは抗腫瘍活性、新生物細胞の減少または排除などの、望ましい(例えば治療または予防)効果を誘導するのに十分な化合物の量を意味する。特定の状況で治療的に効果のあるIRM化合物の量は、特定の化合物の活性、投与措置、適用部位、特定の製剤、および処置する症状などの事柄に依存する。従って、一般的に、ここで具体的な投与量を同定することは実践的ではないが;当業者は、本明細書で提供した指針およびこれらの化合物に関する当分野で入手可能な情報に基づいて適切な治療有効量を決定できるだろう。
【0027】
粘膜に関連した症状:
本発明の方法は、粘膜に関連した症状の処置において、粘膜表面へのIRM化合物の適用に使用し得る。本発明の方法は、IRMへの粘膜表面の連続的(または長時間の)暴露の後に発生し得る同レベルの望ましくない刺激作用を伴うことなく、望ましい治療効果を得るのに十分な時間、IRMを粘膜適用するのに特に有利である。本発明の方法はまた、IRMの望ましくない全身吸収を低減しつつ、IRMの粘膜適用に由来する望ましい治療効果を得るのに有利である。
【0028】
本明細書で使用したような「粘膜に関連した症状」は、粘膜表面に関与するか、または、粘膜組織表面に局所適用した治療剤により影響を受ける粘膜組織に十分に近くにある、炎症性、感染性、新生物性、または他の症状を意味する。このような症状の例には、頚部のパピローマウイルス感染、ヒトパピローマウイルス(HPV)に関連した異形成を含む子宮頚部異形成、低悪性度扁平上皮内病変、高悪性度扁平上皮内病変、重度が確定されていない非定型扁平上皮細胞(典型的にはHPVのリスクが高い)、および頚部上皮内異常増殖、アトピーアレルギー応答、アレルギー性鼻炎、新生物性病変、および前癌性病変が含まれる。
【0029】
本明細書に使用したような「粘膜表面」は、頬側、歯肉、鼻腔、眼、気管、気管支、胃腸、直腸、尿道、尿管、膣、頚部、および子宮粘膜などの粘膜を含む。例えば、記載した方法により口腔病変、膣病変、または肛門病変を処置できる。またワクチンの粘膜適用と組み合わせてこの方法を使用できる。IRM濃度、製剤組成、および粘膜表面に応じて、IRMの治療影響を粘膜表面の表皮層にのみ進展させても、または、表面の下の深い組織にまで進展させてもよい。
【0030】
1つの実施形態において、IRMは、子宮頚部異形成の処置のために膣または膣上部粘膜表面に適用できる。他の実施形態において、IRMは、例えば肛門管コンジロームの処置のために直腸の粘膜表面に適用できる。
【0031】
本発明の方法により処置される子宮頚部異形成には、好ましくは、低悪性度扁平上皮内病変、高悪性度扁平上皮内病変、重度が確定されていない非定型扁平上皮細胞(典型的には、HPVのリスクが高い)、および頚部上皮内異常増殖(CIN)などの形成異常症状が含まれる。
【0032】
予測的に細胞変化を検出するために女性の広範なスクリーニングが行なわれているにも関わらず、米国では毎年、約16,000の侵襲性頚部癌の新たな症例が診断されている。米国だけでも頚部癌のために約3,000人が死亡し、これは通常、タイミング良く前癌病変を検出できなかった後に続発する。
【0033】
パパニコロー試験(パパニコロー・スミア)は、炎症および異形成(頚部癌を含む)を含む、頚部の異常細胞を検出するための方法として、1950年代以来認可されてきたスクリーニング試験である。このスクリーニング試験は、先進工業国では広く採用されており、頚部癌に関連した死亡率に対して深遠な影響を及ぼしている。異常なパパコロニー・スミアにより、癌性または前癌性組織の破壊または切除の治療介入の必要性のある疾患進行に関する注意深い観察が促される。これらの切除処置は、費用が高く、不快であり、2%から23%の範囲の失敗率や、より進行した病変ではより高い失敗率を伴う。失敗率は近年、レーザー処置後では約10%と記録されている。
【0034】
頚部癌の病因は、ヘルペスウイルスであると当初考えられていた。しかし、ヘルペスウイルスからヒトパピローマウイルス(HPV)へと焦点が次第に移行してきた。過去よりも改善された実験法により、HPVサブタイプの全スペクトルの特徴づけが可能となり、これにより高リスクのHPVタイプ(例えばHPV16、18、そしてより頻度は低い31、33、35、45)が、頚部異形成およびその後の癌の非常に可能性の高い排他的な開始因子(すなわち発癌因子)であるという結論が得られた。正常細胞から形成異常細胞へのHPV形質転換機序は、細胞の腫瘍サプレッサー遺伝子産物p53およびRbと結合している高リスクの遺伝子型に由来するHPVコード発癌タンパク質(E6およびE7)に関連しており、これにより細胞周期制御機序が破壊され、これにはp53およびRbが重要な役割を果たしている。さらに、これらの分子学的方法の適用により、HPVが頚部腫瘍の約93%から単離されるという疫学的考察が得られ、このことにより、HPV感染が頚部癌の最も重要な開始因子であるという一般的に受け入れられている結論がさらに強化された。
【0035】
HPVへの暴露は、性的に活発な女性において頻繁であるが、暴露された大半の女性において一定に異形成または癌が生じるわけではない。持続的ウイルスDNAを有する感染女性は、ウイルスを根絶できる女性に比べて、持続的異形成になる確率が約5倍高い。HPV感染に対する細胞性免疫応答の重要性は、侵襲性頚部癌の患者がしばしばウイルスE6およびE7タンパク質に対して高い抗体レベルを示すという事実により実証されるように、体液性免疫応答は確立された感染の排除においては無効であるという観察により示される。この特定の抗体応答は、おそらく、腫瘍負荷の増加に直面した時の、大量の抗原暴露を反映している。液性免疫応答の見かけ上非論理的な効果とは対照的に、細胞性免疫応答(Th−1型応答)は、腫瘍進行を制御する上で効果的であるようである。上皮内病変の減退には、CD4+T細胞、CD8+T細胞、ナチュラルキラー細胞(NK)およびマクロファージからなる細胞浸潤液を伴う。この炎症浸潤液には、通常、腫瘍減退を伴っており、これは、この炎症応答を起こす能力が欠失し、疾患が進行している女性とは対照的である。さらに、細胞性免疫に欠陥のある患者は、頚部癌発生率が高く、一方、抗体産生に欠陥のある患者は、同程度の癌への罹患し易さを示さなかった。
【0036】
適切な免疫応答調節剤:
本発明の方法で有用な免疫応答調節剤(「IRM」)には、サイトカイン生合成を誘導および/または抑制することにより、免疫系に作用する化合物が含まれる。IRMは、抗ウイルス活性および抗腫瘍活性を含むがこれに限定されない強力な免疫刺激活性を有し、また、免疫応答の他の側面をダウンレギュレートすることもでき、例えば、TH−2免疫応答が作用しないように免疫応答をシフトし、これは多種多様なTH−2により媒介される疾患の処置に有用である。またIRMを使用して、B細胞による抗体産生を刺激することにより液性免疫を調節することもできる。さらに、種々のIRMが、ワクチンアジュバントとして有用であることが示されている(例えば、米国特許第6,083,505号明細書、米国特許第6,406,705号明細書、および国際公開第02/24225号パンフレットを参照)。
【0037】
特に、あるIRMは、例えばI型インターフェロン、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、MIP−1、および/またはMCP−1などのサイトカインの生成および分泌を誘導することにより免疫刺激活性に奏効し、また、あるTh2サイトカイン、例えばIL−4およびIL−5の生成および分泌を阻害することもできる。いくつかのIRMが、IL−1およびTNFを抑制すると言われている(例えば、国際公開第00/09506号パンフレットを参照)。好ましいIRMは、いわゆる小分子IRMであり、これは比較的小さい有機化合物である(例えば、大きな生物学的タンパク質、ペプチドなどとは対照的に、約1000ダルトンより小さな、好ましくは約500ダルトンより小さな分子量)。
【0038】
活性に関する単一の理論に拘束されるものではないが、いくつかのIRMは、少なくとも1種のトル様受容体(TLR)のアゴニストであることが知られている。6、7、8、および9から選択されたTLRのアゴニストであるIRMは、一部の適用に特に有用である。いくつかの小分子IRMは、6、7、および8などのTLRのアゴニストであるが、オリゴヌクレオチドIRM化合物は、TLR9およびおそらくその他のアゴニストである。従って、いくつかの実施形態において、粘膜表面に適用したIRMは、1つ以上のTLRのアゴニストとして同定された化合物であり得る。好ましくは、IRMは、TLR7を活性化する。
【0039】
好ましいIRM化合物は、5員環窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジンを含む。小分子IRM化合物のクラスの例には、イミダゾキノリンアミン(置換イミダゾキノリンアミン、例えばアミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、および6−、7−、8−、または9−アリールまたはヘテロアリール置換イミダゾキノリンアミンが含まれるがこれに限定されない);テトラヒドロイミダゾキノリンアミン(アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンが含まれるがこれに限定されない);イミダゾピリジンアミン(アミド置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル置換イミダゾピリジンアミン、複素環エーテル置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾピリジンアミンが含まれるがこれに限定されない);1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;イミダゾテトラヒドロナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;チアゾロナフチリジンアミン;およびピリジンアミンに縮合した1H−イミダゾダイマー、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミン、例えば、米国特許第4,689,338号明細書;第4,929,624号明細書;第4,988,815号明細書;第5,037,986号明細書;第5,175,296号明細書;第5,238,944号明細書;第5,266,575号明細書;第5,268,376号明細書;第5,346,905号明細書;第5,352,784号明細書;第5,367,076号明細書;第5,389,640号明細書;第5,395,937号明細書;第5,446,153号明細書;第5,482,936号明細書;第5,693,811号明細書;第5,741,908号明細書;第5,756,747号明細書;第5,939,090号明細書;第6,039,969号明細書;第6,083,505号明細書;第6,110,929号明細書;第6,194,425号明細書;第6,245,776号明細書;第6,331,539号明細書;第6,376,669号明細書;第6,451,810号明細書;第6,525,064号明細書;第6,545,016号明細書;第6,545,017号明細書;第6,558,951号明細書;第6,573,273号明細書;第6,656,938号明細書;第6,660,735号明細書;第6,660,747号明細書;第6,664,260号明細書;第6,664,264号明細書;第6,664,265号明細書;第6,667,312号明細書;第6,670,372号明細書;第6,677,347号明細書;第6,677,348号明細書;第6,677,349号明細書;第6,683,088号明細書;第6,756,382号明細書;欧州特許第0394026号明細書;米国特許出願公開第2002/0016332号明細書;第2002/0055517号明細書;第2002/0110840号明細書;第2003/0133913号明細書;第2003/0199538号明細書;および第2004/0014779号明細書;および国際公開第04/058759号パンフレットに開示されているものが含まれるがこれに限定されない。
【0040】
インターフェロン(とりわけ)を誘導すると言われている小分子IRMの他の例には、プリン誘導体(例えば米国特許第6,376,501号明細書および第6,028,076号明細書に記載のもの)、イミダゾキノリンアミド誘導体(例えば米国特許第6,069,149号明細書に記載のもの)、1H−イミダゾピリジン誘導体(例えば特願平9−255926号公報に記載のもの)およびベンズイミダゾール誘導体(例えば米国特許第6,387,938号明細書に記載のもの)が含まれる。1H−イミダゾピリジン誘導体(例えば米国特許第6,518,265号明細書および欧州特許出願EP1256582号明細書に記載のもの)は、TNFおよびIL−1サイトカインを阻害すると言われている。
【0041】
5員環窒素含有複素環に縮合した4−アミノピリミジンを含む小分子IRMの例には、アデニン誘導体(例えば米国特許第6,376,501号明細書;第6,028,076号明細書;および第6,329,381号明細書;および国際公開第02/08595号パンフレットに記載のもの)が含まれる。
【0042】
特定の実施形態において、本発明の方法は、イミキモドを使用しない。特定の実施形態において、本発明の方法は、イミキモドまたはレシキモド(resiquimod)を使用しない。
【0043】
特定の実施形態において、免疫応答調節剤は、イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、イミダゾテトラヒドロナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、チアゾロナフチリジンアミン、ピリジンアミンに縮合した1H−イミダゾダイマー、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミン、およびその組合せからなる群より選択される。
【0044】
特定の実施形態において、本発明の方法では、IRMは、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、6−、7−、8−、または9−アリールまたはヘテロアリール置換イミダゾキノリンアミン、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミド置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル置換イミダゾピリジンアミン、複素環エーテル置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンエーテル、チオエーテル置換イミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、チアゾロナフチリジンアミン、医薬的に許容されるその塩、およびその組合せからなる群より選択される。
【0045】
特定の他の実施形態において、IRMは、尿素置換イミダゾキノリンアミン、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、および医薬的に許容されるその塩からなる群より選択される。好ましくは、IRMは、イミダゾナフチリジンアミンまたは医薬的に許容されるその塩であり、より好ましくは、IRMは、1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミンまたは医薬的に許容されるその塩である。
【0046】
他のIRMには、大きな生物学的分子、例えばオリゴヌクレオチド配列が含まれる。いくつかのIRMオリゴヌクレオチド配列は、シトシン−グアニンジヌクレオチド(CpG)を含み、例えば、米国特許第6,1994,388号明細書;第6,207,646号明細書;第6,239,116号明細書;第6,339,068号明細書;および第6,406,705号明細書に記載されている。いくつかのCpG含有オリゴヌクレオチドは、例えば、米国特許第6,426,334号明細書および第6,476,000号明細書に記載のような、合成免疫調節構造モチーフを含むことができる。他のIRMヌクレオチド配列は、CpGを欠失しており、例えば、国際公開第00/75304号パンフレットに記載されている。
【0047】
アルダラ(ALDARA)(ミネソタ州セントポールの3M・ファーマシューティカルズ(3M Pharmaceuticals,St.Paul,MN))として販売されている、小分子のイミダゾキノリンIRMであるイミキモドのようなIRMは、いぼならびに特定の癌性または前癌性病変の治療処置に有用であることが示されている(例えば、ガイセ(Geisse)ら、J.Am.Acad.Dermatol.、47(3):390〜398(2002);シュマック(Schumack)ら、Arch.Dermatol.、138:1163〜1171(2002)を参照)。
【0048】
IRMを処置として使用し得る他の疾患には、
ウイルス疾患、例えば生殖器いぼ、尋常性いぼ、足底いぼ、B型肝炎、C型肝炎、I型およびII型単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、痘瘡、HIV、CMV、VZV、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザ;
細菌性疾患、例えば結核、およびマイコバクテリウムアビウム、ライ病;
他の感染性疾患、例えば真菌性疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス髄膜炎、ニューモシスチスカリニ、クリプトポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラスマ症、トリパノソーマ感染、リーシュマニア症;
新生物性疾患、例えば上皮内異常増殖、子宮頚部異形成、光線性角化症、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、有毛細胞白血病、カポジ肉腫、メラノーマ、腎細胞癌、骨髄性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、および他の癌;
TH−2により媒介されるアトピー性の自己免疫疾患、例えばアトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増多、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、全身性エリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、オーメン症候群、円板状ループス、円形脱毛症、ケロイド形成阻害、および他の種類の瘢痕、そして、慢性創傷を含む創傷治癒の増強;および
例えば、BCG、コレラ、ペスト、腸チフス、A型、B型、およびC型肝炎、A型およびB型インフルエンザ、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、麻疹、おたふく風邪、風疹、黄熱病、破傷風、ジステリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎菌性および肺炎球菌性ワクチン、アデノウイルス、HIV、水痘、サイトメガロウイルス、デング熱、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、ブタコレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウイルス、ロタウイルス、パピローマウイルス、および黄熱病と関連して使用するための、液性および/または細胞性免疫応答を高める任意の物質、例えば生ウイルス性および細菌性免疫源、および失活した、ウイルス性の、腫瘍由来の、原生動物の、生物由来の、真菌性および細菌性の免疫源、トキソイド、毒素、多糖、タンパク質、糖タンパク質、およびペプチドなどと組み合わせて使用するワクチンアジュバントとして含まれるがこれに限定されない。
【0049】
IRMはまた、HIV AIDS、移植患者、および癌患者などの、免疫機能が損なわれている個体に特に有用であり得る。
【0050】
IRM製剤:
本発明の方法において、IRMは、粘膜表面への送達に適した製剤として提供され得る。適切な製剤には、クリーム、ゲル、泡状物、軟膏、ローション、溶液、懸濁液、分散液、エマルション、マイクロエマルション、ペースト、粉末、オイル、拭き取り紙(wipes)、またはスプレーを含むことができるがこれに限定されない。
【0051】
IRMの量または濃度は、好ましくは、全製剤重量を基準にして少なくとも0.001重量%である。IRMの量または濃度は、好ましくは、全製剤重量を基準にして10重量%以下である。特定の実施形態において、IRMの量は、少なくとも0.003重量%、例えば、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.30重量%、および少なくとも1.0重量%である。他の実施形態において、IRMの量は、多くとも5.0重量%、例えば多くとも3.0重量%、多くとも1.0重量%である。特定の範囲の例には、0.01〜5.0重量%、または0.03〜1.0重量%が含まれる。
【0052】
唯一の治療活性成分としてまたは他の治療剤と組み合わせて、1種以上のIRMが製剤中に存在してもよい。このような他の治療剤には、例えば抗生物質、例えばペニシリンまたはテトラサイクリン、副腎皮質ステロイド、例えばヒドロコルチゾンまたはベタメタゾン、非ステロイド抗炎症剤、たとえばフルリプロフェン(fluriprofen)、イブプロフェン、もしくはナプロキセン、または抗ウイルス剤、たとえばアシクロビルもしくはバルシクロビルが含まれ得る。
【0053】
本発明の方法で使用するIRM製剤には、所望であれば脂肪酸が含まれていてもよい。本明細書で使用したような「脂肪酸」なる用語は、炭素原子数6〜28、例えば炭素原子数10〜22を含むカルボン酸(飽和または不飽和)を意味する。このような脂肪酸の非限定的な例には、イソステアリン酸、オレイン酸、および炭素原子数6〜18の直鎖または分岐鎖カルボン酸が含まれる。脂肪酸は、IRM化合物を可溶化するのに十分な量で製剤中に存在し得る。1つの実施形態において、脂肪酸の量は、製剤の全重量を基準にして1重量%〜99重量%、例えば、30重量%〜70重量%、40重量%〜60重量%、および45重量%〜55重量%であり得る。特定の実施形態において、脂肪酸の量は、少なくとも10重量%、例えば少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、および少なくとも40重量%である。特定の実施形態において、脂肪酸の量は、多くとも70重量%、例えば多くとも60重量%および多くとも55重量%である。製剤の脂肪酸成分は、1種以上の脂肪酸を含むことができる。
【0054】
IRM製剤には、さらに、所望であれば少なくとも1種の緩和剤が含まれていてもよい。有用な緩和剤の例には、脂肪酸エステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ジリノール酸ジイソプロピルダイマー;トリグリセリド、例えばカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;セチルエステルワックス;炭素原子数8以上の炭化水素、例えば、軽油、白色ワセリン;ワックス、例えば、蜜ろう;および長鎖アルコール、例えば、セチルアルコールおよびステアリルアルコールが含まれるがこれに限定されない。いくつかの実施形態において、緩和剤は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、およびジリノール酸ジイソプロピルダイマーの1種以上から選択される。他の実施形態において、緩和剤は、ミリスチン酸イソプロピルである。1つの実施形態において、緩和剤の量は、製剤の全重量を基準にして1重量%〜99重量%、例えば、30重量%〜70重量%、40重量%〜60重量%、および45重量%〜55重量%の範囲であり得る。特定の実施形態において、緩和剤の量は、少なくとも10重量%、例えば少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、および少なくとも45重量%である。特定の実施形態において、緩和剤の量は、多くとも70重量%、例えば、多くとも60重量%および多くとも55重量%である。
【0055】
特定の好ましい製剤には、脂肪酸および脂肪酸エステルの両方が含まれる。例えば、イソステアリン酸およびミリスチン酸イソプロピルは一緒に使用することができる。特に好ましい製剤には、1:1重量比のイソステアリン酸とミリスチン酸イソプロピルが含まれる。
【0056】
IRM製剤はまた、所望であれば、粘度増強剤も含むことができる。適切な親水性粘度増強剤の例には、セルロースエーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース;多糖ガム、例えばキサンタンガム;および、アリルスクロースまたはアリルペンタエリトリオールと架橋したアクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、例えば、米国薬局方でカルボマーと称されるポリマーが含まれる。
【0057】
IRM製剤は、所望であれば、さらに乳化剤も含むことができる。適切な乳化剤には、非イオン界面活性剤、例えば、ポリソルベート60、モノステアリン酸ソルビタン、ポリグリセリル−4オレエート、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルなどが含まれる。特定の実施形態において、乳化剤は、ポロキサマー(例えば、ドイツのルートウィヒスハーフェンのBASF(Ludwigshafen、Germany)から入手可能なポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)であるポロキサマー(POLOXAMER)188)およびトリオレイン酸ソルビタン(例えば、ドイツのニューキャッスルのユニケマ(Uniqema(New Castle、DE))から入手可能なSPAN85)から選択される。
【0058】
特定の実施形態において、IRM製剤はまた、少なくとも1種のキレート剤を含むことができる。キレート剤は、製剤中に存在し得る金属イオンとキレートを形成するように機能する。適切なキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩、例えば二ナトリウム塩が含まれる。
【0059】
特定の実施形態において、IRM製剤はまた、1種以上の保存剤を含むことができる。適切な保存剤の例には、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ソルビン酸、グリセリンの脂肪酸モノエステル、例えばモノラウリン酸グリセロール、およびプロピレングリコールの脂肪酸モノエステル、例えばモノカプリル酸プロピレングリコールが含まれる。
【0060】
IRM製剤は、所望であれば、さらに少なくとも1種のpH調整剤を含み得る。適切なpH調整剤には、有機塩基および無機塩基、例えばKOHおよびNaOHが含まれる。
【0061】
適切な送達装置:
IRMは、送達装置を使用して、粘膜表面に適用し得る。適切な装置には、子宮頚部キャップ、ペッサリー、および固体マトリックス、例えばタンポン、綿スポンジ、綿棒、フォームスポンジ、および坐剤が含まれる。IRMは、装置を粘膜表面との接触から離脱させることにより除去できる。
【0062】
いくつかの実施形態において、装置は、IRM製剤と組み合わせて使用できる。1つの実施形態において、IRMを含むクリームまたはゲルは、子宮頚部キャップの凹面領域に入れることができ、これはその後、直接頚部上に配置される。別の実施形態において、綿またはフォームスポンジを、IRMを含有する溶液と組み合わせて使用できる。
【0063】
いくつかの実施形態において、IRMまたはIRM製剤は、マトリックス中に予め分散されていてもよい。1つの実施形態において、綿またはフォームスポンジは、スポンジが粘膜表面に接触して配置される前に、IRMを含有する溶液で含浸させることができる。本明細書において、「予め分散」は、IRMが、固体マトリックスの表面に単に適用されているのではなく、固体マトリックス全体に実質的に均一に分散または分配されていることを意味する。IRMは、溶液、粉末、またはエマルションとして固体マトリックス中に予め分散させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、IRMは、脂肪酸(イソステアリン酸を含む)を含むIRM製剤中に含まれていてもよい。好ましい実施形態において、IRMは、脂肪酸、例えばイソステアリン酸、および緩和剤、例えばミリスチン酸イソプロピルを含むIRM製剤中に含まれていてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、アプリケーターを使用して、粘膜表面上の正しい位置に、装置および/またはIRMを配置してもよい。このようなアプリケーターの例には、例えば、タンポンまたは坐剤の挿入に一般的に使用されるボール紙またはプラスチックチューブアプリケーターが含まれる。
【実施例】
【0066】
以下の実施例は、単に、本発明の特徴、利点、および他の詳細をさらに説明するために選択されている。しかし、実施例はこの目的を果たすためであり、使用した具体的な物質および量ならびに他の条件および詳細は、本発明の範囲を不当に限定するようなものとは捉えないことを明確に理解すべきである。
【0067】
以下の実施例において、血清および膣内サイトカインデータは、以下の一般的な試験法を使用して得られた。
【0068】
ラットを、実際の投与前の連続した2日間、首の周りの首輪(ニューヨーク州マロンのロミア・バイオメディカル(Lomir Biomedical(Malone,NY)))に慣れさせた。装置の取り外しおよび薬物の摂取を防ぐためにラットに首輪をつけた。その後、動物に、除去可能な装置を用いてまたは50μLのクリームを用いて膣内に投与した。単回投与ラットは、1回の膣内投与量を受け、投与後の種々の時点で試料を収集した。血液は、心臓穿刺により収集した。血液は室温で簡潔に凝固させ、血清を遠心分離により凝塊から分離した。血清は、サイトカイン濃度について分析するまで−20℃で保存した。血液収集の後、ラットを安楽死させ、その後、頚部を含むその膣管を取り出し、組織を秤量し、封をした1.8mLのクリオバイアルに入れ、液体窒素中で瞬間凍結した。その後、凍結した膣組織試料を、プロテアーゼ阻害剤混液セットIII(カリフォルニア州サンディエゴのカルバイオケム(Calbiochem(San Diego,CA)))と配合された10%ウシ胎児血清(コロラド州フォートコリンズのアトラス(Atlas(Fort Collins,CO)))、2mMのL−グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシンおよび2−メルカプトエタノール(RPMI完全培地)を含む、1.0mLのRPMI培地(ミネソタ州セントポールのセロックス(Celox(St.Paul,MN)))に懸濁した。組織を、組織破砕機(オクラホマ州バートルズビルのバイオスペック・プロダクツ(Biospec Products(Bartlesville,OK)))を使用して約1分間ホモジナイズした。その後、組織懸濁液を、冷却下で2000rpmで10分間遠心分離して細片をペレット化し、上清を収集し、サイトカイン濃度について分析するまで−20℃で保存した。
【0069】
ラットTNFについてのELISAキットは、カリフォルニア州サンディエゴのBDファーミンゲン(BD PharMingen(San Diego,CA))から購入し、ラットMCP−1 ELISAキットは、カリフォルニア州カマリロのバイオソース・インターナショナル(BioSource Intl.(Camarillo,CA))から購入した。両方のキットを、製造業者の仕様書に従って実施した。TNFおよびMCP−1の両方の結果をpg/mLで表現し、組織200mgあたりについて標準化した。標準曲線を形成するのに使用した最も低い値に基づいたTNF ELISAの感度は、63pg/mLであり、MCP−1 ELISAでは12pg/mLである。「投与後」は、処置開始後を意味する。例えば、装置を時間0時間で挿入し、2時間目に除去し、サイトカインを4時間目にアッセイしたならば、サイトカインは、投与4時間後にアッセイした。
【0070】
実施例に使用したIRM化合物を、以下の表に同定する。
【0071】
【表1】

【0072】
クリーム製剤を、いくつかの実施例において使用した。クリームの組成は、以下の表に示し、ここでの量はw/w%である。製剤は、国際公開第03/045391号パンフレットに記載の方法を使用して調製した。
【0073】
【表2】

【0074】
実施例1
装置は、約0.02gの綿(ITEM 666504 WGPS 130WCU−1としてイリノイ州ディアフィールドのワルグリーン・コーポレーション(Walgreen Co.(Deerfield,IL))から入手可能な滅菌綿ボール)を円柱形へと成形し、一端の周りを絹縫合糸で結ぶことにより調製した。イソステアリン酸中に1.0重量%のIRM1を含む溶液を調製した。装置を、IRM1溶液でまたはイソステアリン酸(ビヒクル)で飽和させた。装置は、絹縫合糸を着けることにより処置期間の終了時に除去した。3匹のラットからなる2つのグループに、IRM1溶液を含む装置を膣内に投与した。1つのグループでは、装置を2時間後に除去し、2番目のグループでは、装置は4時間後に除去した。第三のグループに、イソステアリン酸を含む装置を投与した。3つの全てのグループの膣組織および血清TNFおよびMCP−1レベルを、投与4時間後に決定した。結果を、以下の表に示し、ここでの各値は、グループ中の3匹のラットの平均値である。
【0075】
【表3】

【0076】
実施例2
装置は、実施例1に記載のように調製し、イソステアリン酸中1.0重量%のIRM1を含む溶液で、または、イソステアリン酸中0.1重量%のIRM1を含む溶液で飽和させた。ラットに膣内投与し;装置を2時間後に除去した。サイトカインを、投与2、4、および6時間後にアッセイした。全く処置を受けなかったラットグループを対照として使用した。結果を、以下の表に示し、ここでの各値は、3匹のラットの平均値である。
【0077】
【表4】

【0078】
実施例3
装置は、実施例1に記載のように調製し、イソステアリン酸(ISA)中1.0重量%のIRM1を含む溶液で、または、50/50w/wイソステアリン酸(ISA)/ミリスチン酸イソプロピル(IPM)中1.0重量%のIRM1を含む溶液で飽和させた。ラットに膣内投与し;装置を2時間後に除去した。サイトカインを、投与4時間後にアッセイした。結果を、以下の表に示し、ここでの各値は、3匹のラットの平均値である。
【0079】
【表5】

【0080】
実施例4
装置は、実施例1に記載のように調製し、50/50w/wイソステアリン酸(ISA)/ミリスチン酸イソプロピル(IPM)中1.0重量%のIRM2を含む溶液で、または、50/50w/wISA/IPM(ビヒクル)で飽和させた。ラットに膣内投与し;装置を、15分後、30分後、60分後、または120分後に除去した。1グループのラットに、1%IRM2クリームを投与した。クリーム製剤は除去しなかった。サイトカインを、投与4時間後にアッセイした。結果を、以下の表に示し、ここでの各値は、5匹のラットの平均値である。
【0081】
【表6】

【0082】
実施例5
装置は、実施例1に記載のように綿から、または、ポリウレタンフォーム(ミシガン州セントチャールズのレンデル・マニュファクチュアリング・インコーポレイテッド(Lendell Manufacturing,Inc.(St.Charles,MI))の、1%濃度で1.25/1の比のメディソルブ(Medisorb)100−1.25:ポリソルベート60)から調製した。装置は、以下の溶液の1つで(50/50ISA/IPM中0.1%IRM3;50/50ISA/IPM中1.0%IRM3;50/50ISA/IPM中3.0%IRM3)または50/50ISA/IPM(ビヒクル)で飽和させた。ラットに膣内投与し;装置を2時間後に除去した。全く処置を受けなかったラットグループは対照として使用した。サイトカインを投与4時間後にアッセイした。結果は、以下の表に示し、ここでの各値は、3匹のラットの平均値である。
【0083】
【表7】

【0084】
実施例6
装置は、綿ペレット(綿ペレット、無菌、100%綿、サイズ#3、5/32インチ(0.4cm);ノースカロライナ州シャーロットのバーンハート・マニュファクチュアリングの一部門であるリッチモンド・デンタル(Richmond Dentarl,a division of Barnhardt Manufacturing(Charlotte,NC))から入手可能)から調製した。装置は、以下の溶液の1つ(50/50ISA/IPM中1.0%IRM2;50/50ISA/IPM中1.0%IRM4;50/50ISA/IPM中1.0%IRM5;50/50ISA/IPM中1.0%IRM6;50/50ISA/IPM中1.0%IRM7;50/50ISA/IPM中1.0%IRM8)または50/50ISA/IPM(ビヒクル)で飽和させた。ラットに膣内投与し;装置を2時間後に除去した。1グループのラットに、1%IRM2クリームを投与した。サイトカインを、投与4時間後にアッセイした。結果は、以下の表に示し、ここでの各値は、3匹のラットの平均値である。
【0085】
【表8】

【0086】
実施例7
装置は、実施例6に記載のように綿ペレットから調製した。装置は、以下の溶液の1つ(50/50ISA/IPM中5.0%IRM3;50/50ISA/IPM中5.0%IRM7;50/50ISA/IPM中5.0%IRM9;50/50ISA/IPM中5.0%IRM10)または50/50ISA/IPM(ビヒクル)で飽和させた。ラットに膣内投与し;装置を2時間後に除去した。サイトカインを、投与2、4、および6時間後にアッセイした。結果は、以下の表に示し、ここでの各値は、6匹のラットの平均値である。
【0087】
【表9】

【0088】
実施例8
綿装置を、実施例1に記載のように調製した。装置は、50/50イソステアリン酸/ミリスチン酸イソプロピル中1重量%のIRM2を含む溶液で、または、50/50w/wイソステアリン酸/ミリスチン酸イソプロピル(ビヒクル)で飽和させた。3つのグループのラットに、3週間、1週間に2日、1%IRM2装置、ビヒクル装置、または1%IRM2クリームを膣内投与した(火曜日、金曜日、月曜日、木曜日、月曜日、木曜日)。装置は、2時間後に除去した。クリームはその場所に残した。サイトカインは、最後の投与量の投与の4時間後にアッセイした。3つの更に他のグループのラットに、1%IRM2装置、ビヒクル装置、または1%IRM2クリームを膣内投与した。装置を2時間後に除去した。クリームはその場所に残した。サイトカインは、投与4時間後にアッセイした。全く処置を受けなかったラットグループは対照として使用した。結果は、以下の表に示し、ここでの各値は、3匹のラットの平均値である。
【0089】
【表10】

【0090】
実施例9
3匹のラットからなるグループを、実施例5に記載のように処置し、装置を除去した22時間後に剖検した。膣および陰門を収集し、固定し、組織学的検査のために慣用的に処理した。結果は、以下の表に要約する。炎症は、以下のように評価した:0=なし、1=最小、2=軽度、3=中程度、4=重度。表中の数値は、3匹のラットのスコアの平均である。びらんまたは潰瘍の数値は、発生率として表現し、例えば、0/3は、特定のグループ中の3匹のラットのどのラットもびらんまたは潰瘍を示さなかったことを意味する。
【0091】
【表11】

【0092】
実施例10
綿装置は、実施例1に記載のように調製した。装置は、50/50イソステアリン酸/ミリスチン酸イソプロピル中5重量%IRM3を含む溶液で飽和させた。5匹のラットからなる1グループに、装置を膣内投与した。装置は、2時間後に除去した。5匹のラットの第二のグループに、5%IRM3クリームを膣内投与した。クリームは、2時間後に洗い流した。5匹のラットの第三のグループに、5%IRM3クリームを膣内投与したが、クリームは除去しなかった。ラットを、処置開始から24時間後に剖検した。膣および陰門を収集し、固定し、組織学的検査のために慣用的に処理した。結果は、以下の表に要約する。実施例9に記載した評価システムを使用した。
【0093】
【表12】

【0094】
実施例11
3匹のラットからなるグループを、実施例8に記載のように処置し、装置を除去した22時間後に剖検した。子宮、頚部、膣、陰門、および会陰皮膚を収集し、固定し、組織学的検査のために慣用的に処理した。結果は、以下の表に要約する。
【0095】
【表13】

【0096】
本明細書に引用した特許、特許文献、および公開公報の完全な開示は、各々を個々に援用したのと同じように、その全体を参照することにより援用する。矛盾がある場合には、定義を含む本明細書が制御する。本発明への様々な変更および改変は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。例示的な実施形態および実施例は、単なる例として提供され、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫応答調節(IRM)化合物を粘膜表面に送達して、刺激作用の低減された免疫調節を行なう方法であって、以下のステップ:
イミキモド以外のIRM化合物を粘膜表面に間欠的に適用することにより該IRM化合物を断続的に送達すること;及び、
各回適用後に、自然に吸収されるかまたは消失する前にかなりの量の前記IRMを前記粘膜表面から除去すること;
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記IRMが同じ装置で適用され、且つ除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粘膜表面が、子宮頚部異形成、頚部のパピローマウイルス感染、低悪性度扁平上皮内病変、高悪性度扁平上皮内病変、重度が確定されていない非定型扁平上皮細胞、頚部上皮内異常増殖、アトピーアレルギー応答、アレルギー性鼻炎、新生物性病変、および前癌性病変からなる群より選択される症状に関連している、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記粘膜表面が頚部上にあり、前記関連症状が、子宮頚部異形成、高悪性度扁平上皮内病変、低悪性度扁平上皮内病変、およびHPVのリスクが高く重度が確定されていない非定型扁平上皮細胞からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記粘膜表面が頚部上にあり、前記関連症状が、HPVのリスクが高く重度が確定されていない非定型扁平上皮細胞である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記粘膜表面が頚部上にあり、前記関連症状が、頚部のパピローマウイルス感染である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記IRMが、タンポン、子宮頚部キャップ、ペッサリー、綿棒、綿スポンジ、フォームスポンジ、および坐剤からなる群より選択される装置を使用して前記粘膜表面に適用される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
かなりの量の前記IRMが、適用されてから8時間後未満に除去される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
かなりの量の前記IRMが、適用されてから6時間以内に除去される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
かなりの量の前記IRMが、適用されてから4時間以内に除去される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
かなりの量の前記IRMが、適用されてから2時間以内に除去される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
かなりの量の前記IRMが、適用されてから1時間以内に除去される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記IRMが、少なくとも15分間、前記粘膜表面と接触している、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記IRMが、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、およびその組合せからなる群より選択されるTLRを活性化する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記TLRが、TLR7である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記IRMが、小分子免疫応答調節剤である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記IRMが、イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、イミダゾテトラヒドロナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、チアゾロナフチリジンアミン、ピリジンアミンに縮合した1H−イミダゾダイマー、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、及びテトラヒドロナフチリジンアミン、医薬的に許容されるそれらの塩、並びにその組合せからなる群より選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記IRMが、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、6−、7−、8−、または9−アリールまたはヘテロアリール置換イミダゾキノリンアミン、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミド置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル置換イミダゾピリジンアミン、複素環エーテル置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンエーテル、チオエーテル置換イミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、チアゾロナフチリジンアミン、医薬的に許容されるそれらの塩、およびその組合せからなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記IRMが、尿素置換イミダゾキノリンアミン、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記IRMが、イミダゾナフチリジンアミンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記IRMが、1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記IRMが、5員環窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジンを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記IRMが、脂肪酸を含む製剤中に含まれている、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記脂肪酸が、イソステアリン酸である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記製剤がさらに脂肪酸エステルを含む、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記脂肪酸エステルが、ミリスチン酸イソプロピルである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
粘膜表面に関連した症状を免疫応答調節(IRM)化合物で処置し、前記IRMにより引き起こされる刺激作用を低減する方法であって、以下のステップ:
治療的免疫調節が行われるに十分な時間、イミキモド以外のIRMを罹患粘膜表面に間欠的に適用することにより該IRMを断続的に送達すること;及び、
各回適用後に、自然に吸収されるかまたは消失する前にかなりの量の前記IRMを前記粘膜表面から除去すること;
を含む、前記方法。
【請求項28】
前記IRMが、適用されてから6時間以内に除去される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記IRMが、適用されてから4時間以内に除去される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記IRMが、適用されてから2時間以内に除去される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記IRMが、適用されてから1時間以内に除去される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記IRMが、少なくとも15分間、前記粘膜表面に接触している、請求項27〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記IRMが、同じ装置を使用して適用され、且つ除去される、請求項27〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記IRMが、前記粘膜表面と接触する間に前記IRMを放出できる固体マトリックス内に予め分散されている、請求項27〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記IRMが、前記固体マトリックスを前記粘膜表面との接触から離脱させることにより除去される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記固体マトリックスが、タンポン、スポンジ、および坐剤からなる群より選択される、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
前記IRMが、溶液、粉末、またはエマルションとして前記固体マトリックス内に予め分散されている、請求項34〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記粘膜表面が、頚部上にあり、前記処置される症状が、子宮頚部異形成、高悪性度扁平上皮内病変、低悪性度扁平上皮内病変、およびHPVのリスクが高く重度が確定されていない非定型扁平上皮細胞からなる群より選択される、請求項27〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
刺激作用の低減した免疫調節を行なうために、粘膜表面に送達するための医薬組成物の調製のための免疫応答調節(IRM)化合物の使用であって、以下のステップ:
イミキモド以外のIRM化合物を前記粘膜表面に間欠的に適用することにより上記IRM化合物を断続的に送達すること;及び、
各回適用後に、自然に吸収されるかまたは消失する前にかなりの量の前記IRMを前記粘膜表面から除去することとを含む、前記使用。
【請求項40】
粘膜表面に関連した症状を処置し、IRMにより引き起こされる刺激作用を低減するための医薬組成物の調製のための免疫応答調節(IRM)化合物の使用であって以下のステップ:
治療的免疫調節が行われるに十分な時間、イミキモド以外のIRM化合物を前記罹患粘膜表面に間欠的に適用することにより前記IRMを断続的に送達すること;及び、
各回適用後に、自然に吸収されるかまたは消失する前にかなりの量の前記IRMを前記粘膜表面から除去することとを含む、前記使用。

【公表番号】特表2007−504172(P2007−504172A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524955(P2006−524955)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/028407
【国際公開番号】WO2005/020995
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】